IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フジテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-エレベーター 図1
  • 特開-エレベーター 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152451
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】エレベーター
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/32 20060101AFI20221004BHJP
   B66B 11/08 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B66B1/32
B66B11/08 G
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055231
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村土 義明
【テーマコード(参考)】
3F306
3F502
【Fターム(参考)】
3F306BA09
3F306EA01
3F502HB10
3F502HB15
3F502NA28
(57)【要約】
【課題】本発明は、ブレーキ手段への開放指令からかごの走行開始を早めてフライトタイムを短縮することのできるエレベーターを提供する。
【解決手段】本発明のエレベーター10は、ブレーキ手段40に開放指令を送信し、ブレーキ開放検知部41からブレーキ手段の開放を検知する開放検知信号を受信し、駆動制御部31に始動指令を送信する制御部51と、開放指令の送信から開放検知信号の受信までのブレーキ開放遅れ時間を測定する測定部52と、測定部により測定された所定回数のブレーキ開放遅れ時間に基づいてブレーキ開放遅れ推定時間を算出する算出部53と、を有し、制御部は、ブレーキ開放指令の送信の後、算出部で算出されたブレーキ開放遅れ推定時間が経過する前に、駆動制御部に始動指令を送信して、ブレーキ手段による制動力の開放と、駆動手段の駆動のタイミングを揃える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごを吊下げ支持するロープの巻上げ又は巻下げを行なう駆動手段と、
前記駆動手段を制御する駆動制御部と、
前記駆動手段に制動力を加えるブレーキ手段と、
前記ブレーキ手段の開放を検知するブレーキ開放検知部と、
前記駆動制御部、前記ブレーキ手段及び前記ブレーキ開放検知部に電気的に接続される制御手段と、
を具えるエレベーターであって、
前記制御手段は、
前記ブレーキ手段に開放指令を送信し、前記ブレーキ開放検知部から前記ブレーキ手段の開放を検知する開放検知信号を受信し、前記駆動制御部に始動指令を送信する制御部と、
前記開放指令の送信から前記開放検知信号の受信までのブレーキ開放遅れ時間を測定する測定部と、
前記測定部により測定された所定回数の前記ブレーキ開放遅れ時間に基づいてブレーキ開放遅れ推定時間を算出する算出部と、
を有し、
前記制御部は、前記ブレーキ開放指令の送信の後、前記算出部で算出されたブレーキ開放遅れ推定時間が経過する前に、前記駆動制御部に前記始動指令を送信して、前記ブレーキ手段による制動力の開放と、前記駆動手段の駆動のタイミングを揃える、
エレベーター。
【請求項2】
前記ブレーキ開放遅れ時間は、前記所定回数の前記ブレーキ開放遅れ時間の平均値又は最大値である、
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項3】
前記制御部は、前記駆動手段が前記始動指令を受信してから前記駆動手段が始動するまでの駆動遅れ時間を測定又は予め記憶しており、
前記ブレーキ開放遅れ推定時間と前記駆動遅れ時間の終期が一致するよう、前記駆動制御部に前記始動指令を送信する、
請求項1又は請求項2に記載のエレベーター。
【請求項4】
前記制御部が、前記ブレーキ開放指令を送信する毎に、前記測定部は、前記ブレーキ開放遅れ時間を測定し、前記算出部は、ブレーキ開放遅れ推定時間を算出する、
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のエレベーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ手段への開放指令からかごの走行開始を早めてフライトタイムを短縮することのできるエレベーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベーターでは、ブレーキ手段を締結した状態でモーターを駆動し、かごが走行することを防止するために、ブレーキ手段が開放状態にあることを検知するブレーキ開放検知部を具える(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-210423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かごの走行を制御する制御手段は、ブレーキ開放検知部からの開放指令を受信した後、駆動手段(モーター)に始動命令や速度立ち上げの制御命令を送信している。これにより、ブレーキ手段が締結したまま駆動手段が駆動し、かごが走行開始することを確実に防止することができる。しかしながら、システムの応答遅れにより、開放指令を受信し、始動命令や速度立ち上げの制御を開始してから実際にかごの速度が立ち上がるまでの間に時間が掛かり、フライトタイムの増加に繋がる。
【0005】
フライトタイムを短縮するために、ブレーキ手段への開放指令からブレーキ手段が実際に制動力を開放するまでの時間、すなわちブレーキ開放遅れ時間を一定とみなし、ブレーキ開放指令を送信してから一定時間後に始動命令や速度立ち上げの制御を開始させることが考えられる。しかしながら、エレベーターの設置環境や経年劣化等により、ブレーキ開放遅れ時間が変動する。そして、ブレーキ開放遅れ時間が長くなった場合には、制動力が開放されきる前に走行が開始されるから、ブレーキパッドの摩耗が促進され、ブレーキ締結力の低下に繋がる虞がある。
【0006】
本発明は、ブレーキ手段への開放指令からかごの走行開始を早めてフライトタイムを短縮することのできるエレベーターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエレベーターは、
かごを吊下げ支持するロープの巻上げ又は巻下げを行なう駆動手段と、
前記駆動手段を制御する駆動制御部と、
前記駆動手段に制動力を加えるブレーキ手段と、
前記ブレーキ手段の開放を検知するブレーキ開放検知部と、
前記駆動制御部、前記ブレーキ手段及び前記ブレーキ開放検知部に電気的に接続される制御手段と、
を具えるエレベーターであって、
前記制御手段は、
前記ブレーキ手段に開放指令を送信し、前記ブレーキ開放検知部から前記ブレーキ手段の開放を検知する開放検知信号を受信し、前記駆動制御部に始動指令を送信する制御部と、
前記開放指令の送信から前記開放検知信号の受信までのブレーキ開放遅れ時間を測定する測定部と、
前記測定部により測定された所定回数の前記ブレーキ開放遅れ時間に基づいてブレーキ開放遅れ推定時間を算出する算出部と、
を有し、
前記制御部は、前記ブレーキ開放指令の送信の後、前記算出部で算出されたブレーキ開放遅れ推定時間が経過する前に、前記駆動制御部に前記始動指令を送信して、前記ブレーキ手段による制動力の開放と、前記駆動手段の駆動のタイミングを揃える。
【0008】
前記ブレーキ開放遅れ時間は、前記所定回数の前記ブレーキ開放遅れ時間の平均値又は最大値とすることができる。
【0009】
前記制御部は、前記駆動手段が前記始動指令を受信してから前記駆動手段が始動するまでの駆動遅れ時間を測定又は予め記憶しており、
前記ブレーキ開放遅れ推定時間と前記駆動遅れ時間の終期が一致するよう、前記駆動制御部に前記始動指令を送信する。
【0010】
前記制御部が、前記ブレーキ開放指令を送信する毎に、前記測定部は、前記ブレーキ開放遅れ時間を測定し、前記算出部は、ブレーキ開放遅れ推定時間を算出することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のエレベーターによれば、設置環境や経年劣化等により変動するブレーキ開放遅れ時間からブレーキ開放遅れ推定時間を算出し、当該ブレーキ開放遅れ推定時間が経過する前に駆動制御部に始動指令を送信することで、実際のブレーキ手段による制動力の開放と、駆動手段の駆動、かごの走行開始のタイミングを揃え、応答遅れを防止できる。これにより、ブレーキ手段の摩耗等を防止でき、フライトタイムの短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るエレベーターの制御ブロック図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るエレベーター制御のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係るエレベーター10について説明を行なう。
【0014】
図1は、本発明のエレベーター10の一実施形態を示す制御ブロック図であって、本発明の制御に関連する要部のみを示している。図示のエレベーター10は、トラクション式のエレベーターであり、利用者が乗車するかご20とカウンタウェイト21をシーブ22に懸架された主ロープ23によって吊下げ支持して構成している。
【0015】
エレベーター10は、モーター等の駆動手段30を有しており、駆動手段30の出力軸は、ブレーキ手段40を介してシーブ22を正逆両方向に回転可能に連繋しており、主ロープ23の巻き上げ又は巻下げを行なう。駆動手段30は、駆動制御部31により駆動が制御される。駆動制御部31は、インバーター制御とすることができる。駆動制御部31は、後述する制御手段50からの始動指令を受けて駆動手段30を駆動する。
【0016】
ブレーキ手段40は、駆動手段30及びシーブ22の回転に制動力を付与する手段であって、駆動手段30が停止している間、制動力を作用させてかご20のずり上がりやずり下がりを阻止する。ブレーキ手段40として、ディスク式電磁ブレーキやドラム式電磁ブレーキを例示できる。ブレーキ手段40は、制御手段50からの制動指令により作動して駆動手段30に制動力を加え、開放指令により制動力を開放する。
【0017】
ブレーキ手段40には、ブレーキ手段40が開放状態にあることを検知するブレーキ開放検知部41を具える。たとえば、ブレーキ開放検知部41は、ブレーキシューとブレーキディスクとの離間を直接的又は間接的に検知し、ブレーキ手段40が開放したときに開放検知信号を制御手段50に送信する。
【0018】
上記駆動制御部31、ブレーキ手段40及びブレーキ開放検知部41は、図1に示すように制御手段50に電気的に接続されている。制御手段50は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のコンピューターと、揮発性メモリ及び非揮発性メモリ等の記憶装置と、クロック回路等を含んで構成することができる。不揮発性メモリは例えばフラッシュROM(Read Only Memory)である。不揮発性メモリには、本発明の制御方法を制御手段50に実行させるプログラムが予め格納されている。揮発性メモリは例えばRAM(Random Access Memory)である。揮発性メモリは上記プログラムを実行する際のワークエリアとしてCPUによって利用される。
【0019】
制御手段50は、その機能ブロックとして、制御部51と、測定部52、算出部53を具える。なお、これら機能は、各種プログラム等によって実現されるが、図1では、これらの連繋によって実現される代表的な機能に関する機能ブロックのうち、本発明に関連する機能ブロックのみを描いている。これら機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ又はこれらの組合せによって実現可能であることは当然理解されるべきである。
【0020】
制御部51は、駆動制御部31に始動命令を送信し、また、ブレーキ手段40に制動指令と開放指令を送信する。ブレーキ手段40は制動指令により駆動手段30に制動力を付与し、開放指令により制動力を開放する。さらに、制御部51は、ブレーキ開放検知部41からブレーキ手段40の開放検知信号を受信する。
【0021】
制御部51が駆動制御部31に始動命令を送信するタイミングは、ブレーキ手段40に送信される開放命令と、ブレーキ開放検知部41から受信する開放検知信号に基づいて決定する。本実施形態では、ブレーキ手段40が制動力を実際に開放したタイミングで、駆動手段30によりかご20が実際に走行を始めることができるように、始動指令の送信タイミングをブレーキ開放検知信号受信のタイミングよりも早くする(図2参照)。
【0022】
具体的には、制御部51がブレーキ手段40に開放命令を送信した後、実際にブレーキ手段40が制動力を開放し、その開放がブレーキ開放検知部41で検知されて、制御部51が開放検知信号を受信するまでの間にブレーキ開放遅れ時間が存在する。このブレーキ開放遅れ時間は、エレベーター10の設置環境(温度、湿度等)により変動する。ブレーキ開放遅れ時間は、経年劣化等等によって徐々に延びる傾向にあり、保守点検や部品交換等により短縮する。
【0023】
一方で、制御部51が駆動制御部31に始動指令を送信した後、実際に駆動手段30が始動してかご20を走行させるまでの間には駆動遅れ時間が存在する。駆動遅れ時間は、ブレーキ開放遅れ時間に比べて一定であるため、駆動遅れ時間は、予め実測し、記憶装置に記憶させておけばよい。もちろん、駆動遅れ時間も、下記するブレーキ開放遅れ時間と同様に測定し、平均値や最大値を採用するようにしても構わない。
【0024】
上記したブレーキ開放遅れ時間と駆動遅れ時間は、その終期をできる限り一致させることが望まれる。ブレーキ開放遅れ時間が駆動遅れ時間よりも後のタイミングになると、制動力が作用したままかご20が走行してブレーキ手段40の摩耗等してしまう。逆に、ブレーキ開放遅れ時間が駆動遅れ時間よりも早いと、アイドル時間となって、かご20の走行開始が遅れ、フライトタイムが延びてしまうためである。
【0025】
そこで、本発明では、制御部15は、ブレーキ開放指令を送信した後、ブレーキ開放遅れ時間が経過する前に、駆動制御部31に始動指令を送信する。具体的には、ブレーキ開放遅れ時間は、変動するから、測定部52と算出部53で、そのブレーキ開放遅れ時間を推定したブレーキ開放遅れ推定時間を算出し、当該ブレーキ開放遅れ推定時間に基づいて、始動指令の送信タイミングを決定する。
【0026】
ブレーキ開放遅れ時間は、上記のとおり、変動するから、本実施形態では、ブレーキ手段40が開放される毎、すなわち、開放指令を制御部51が送信する毎に、測定部52によって測定する。
【0027】
そして、測定部52により測定されたブレーキ開放遅れ時間は、算出部53に送信される。算出部53は、受信したブレーキ開放遅れ時間を所定回数分(たとえば10回~20回)だけ蓄積し、その平均値や最大値をブレーキ開放遅れ推定時間として算出し、算出したブレーキ開放遅れ推定時間を制御部51に送信する。
【0028】
制御部51は、乗場呼びやかご呼びに応じて、かご20が停止した状態、すなわち、ブレーキ手段40が制動力を駆動手段30に付与している状態から、かご20を階床間で移動させる際に、ブレーキ手段40にブレーキ開放指令を送信しまた、駆動制御部31に始動指令を送信する。
【0029】
このとき、タイミングチャート図2に示すように、制御部51は、ブレーキ開放遅れ推定時間と、駆動遅れ時間を参照し、ブレーキ開放指令を送信した後(t1)、ブレーキ開放検知信号を制御部51が受信するタイミング(t3)で、駆動手段30が回転速度を上昇させて駆動を開始し、かご20が走行するように、始動指令を送信する(t2)。これにより、ブレーキ開放遅れ推定時間と、予め測定等された駆動遅れ時間の終期を揃えることができ、ブレーキ開放遅れ推定時間が経過するよりも前に速度立ち上げの制御を行なうことができる。
【0030】
このように、エレベーター10の設置環境や経年劣化等により変動するブレーキ開放遅れ時間を考慮して、最適なタイミングで駆動手段30が駆動を始め、かご20を走行開始させることで、応答遅れを防ぎつつ、ブレーキ手段40の摩耗等を防止でき、また、フライトタイムの短縮を達成できる。
【0031】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0032】
10 エレベーター
20 かご
30 駆動手段
31 駆動制御部
40 ブレーキ手段
41 ブレーキ開放検知部
50 制御手段
51 制御部
52 測定部
53 算出部
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごを吊下げ支持するロープの巻上げ又は巻下げを行なう駆動手段と、
前記駆動手段を制御する駆動制御部と、
前記駆動手段に制動力を加えるブレーキ手段と、
前記ブレーキ手段の開放を検知するブレーキ開放検知部と、
前記駆動制御部、前記ブレーキ手段及び前記ブレーキ開放検知部に電気的に接続される制御手段と、
を具え、
前記制御手段は、
前記ブレーキ手段に開放指令を送信し、前記ブレーキ開放検知部から前記ブレーキ手段の開放を検知する開放検知信号を受信し、前記駆動制御部に始動指令を送信する制御部と、
前記開放指令の送信から前記開放検知信号の受信までのブレーキ開放遅れ時間を測定する測定部と、
前記測定部により測定された所定回数の前記ブレーキ開放遅れ時間に基づいてブレーキ開放遅れ推定時間を算出する算出部と、
を有し、
前記制御部は、前記ブレーキ開放指令の送信の後、前記算出部で算出されたブレーキ開放遅れ推定時間が経過する前に、前記駆動制御部に前記始動指令を送信して、前記ブレーキ手段による制動力の開放と、前記駆動手段の駆動のタイミングを揃える、
エレベーターであって、
前記ブレーキ開放遅れ時間は、前記所定回数の前記ブレーキ開放遅れ時間の平均値又は最大値である、
エレベーター。
【請求項2】
前記制御部は、前記駆動手段が前記始動指令を受信してから前記駆動手段が始動するまでの駆動遅れ時間を測定又は予め記憶しており、
前記ブレーキ開放遅れ推定時間と前記駆動遅れ時間の終期が一致するよう、前記駆動制御部に前記始動指令を送信する、
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項3】
前記制御部が、前記ブレーキ開放指令を送信する毎に、前記測定部は、前記ブレーキ開放遅れ時間を測定し、前記算出部は、ブレーキ開放遅れ推定時間を算出する、
請求項1又は請求項に記載のエレベーター。
【請求項4】
かごを吊下げ支持するロープの巻上げ又は巻下げを行なう駆動手段と、
前記駆動手段を制御する駆動制御部と、
前記駆動手段に制動力を加えるブレーキ手段と、
前記ブレーキ手段の開放を検知するブレーキ開放検知部と、
前記駆動制御部、前記ブレーキ手段及び前記ブレーキ開放検知部に電気的に接続される制御手段と、
を具え、
前記制御手段は、
前記ブレーキ手段に開放指令を送信し、前記ブレーキ開放検知部から前記ブレーキ手段の開放を検知する開放検知信号を受信し、前記駆動制御部に始動指令を送信する制御部と、
前記開放指令の送信から前記開放検知信号の受信までのブレーキ開放遅れ時間を測定する測定部と、
前記測定部により測定された所定回数の前記ブレーキ開放遅れ時間に基づいてブレーキ開放遅れ推定時間を算出する算出部と、
を有し、
前記制御部は、前記ブレーキ開放指令の送信の後、前記算出部で算出されたブレーキ開放遅れ推定時間が経過する前に、前記駆動制御部に前記始動指令を送信して、前記ブレーキ手段による制動力の開放と、前記駆動手段の駆動のタイミングを揃える、
エレベーターであって、
前記制御部は、前記駆動手段が前記始動指令を受信してから前記駆動手段が始動するまでの駆動遅れ時間を測定又は予め記憶しており、
前記ブレーキ開放遅れ推定時間と前記駆動遅れ時間の終期が一致するよう、前記駆動制御部に前記始動指令を送信する、
エレベーター。
【請求項5】
前記制御部が、前記ブレーキ開放指令を送信する毎に、前記測定部は、前記ブレーキ開放遅れ時間を測定し、前記算出部は、ブレーキ開放遅れ推定時間を算出する、
請求項4に記載のエレベーター。
【請求項6】
かごを吊下げ支持するロープの巻上げ又は巻下げを行なう駆動手段と、
前記駆動手段を制御する駆動制御部と、
前記駆動手段に制動力を加えるブレーキ手段と、
前記ブレーキ手段の開放を検知するブレーキ開放検知部と、
前記駆動制御部、前記ブレーキ手段及び前記ブレーキ開放検知部に電気的に接続される制御手段と、
を具え、
前記制御手段は、
前記ブレーキ手段に開放指令を送信し、前記ブレーキ開放検知部から前記ブレーキ手段の開放を検知する開放検知信号を受信し、前記駆動制御部に始動指令を送信する制御部と、
前記開放指令の送信から前記開放検知信号の受信までのブレーキ開放遅れ時間を測定する測定部と、
前記測定部により測定された所定回数の前記ブレーキ開放遅れ時間に基づいてブレーキ開放遅れ推定時間を算出する算出部と、
を有し、
前記制御部は、前記ブレーキ開放指令の送信の後、前記算出部で算出されたブレーキ開放遅れ推定時間が経過する前に、前記駆動制御部に前記始動指令を送信して、前記ブレーキ手段による制動力の開放と、前記駆動手段の駆動のタイミングを揃える、
エレベーターであって、
前記制御部が、前記ブレーキ開放指令を送信する毎に、前記測定部は、前記ブレーキ開放遅れ時間を測定し、前記算出部は、ブレーキ開放遅れ推定時間を算出する、
エレベーター。