(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152468
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】部品取り付け構造
(51)【国際特許分類】
F02D 9/10 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
F02D9/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055254
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 航平
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 大地
(72)【発明者】
【氏名】渡部 庸
【テーマコード(参考)】
3G065
【Fターム(参考)】
3G065CA23
3G065DA04
3G065HA05
3G065HA21
(57)【要約】
【課題】モータの保持構造を簡素化しても機能が保証され小型化が達成される部品取り付け構造を提供すること。
【解決手段】保持プレート40は2つの直交延在部46、47を押圧しており、軸方向から見たときに接続部34の当接面42が配置される範囲の軸方向の厚みは、直交延在部46、47の軸方向の厚みよりも厚く形成されており、当接面42が配置される範囲のうち直交延在部46、47よりも接続部34が延在する側とは反対側の範囲であって、接続部34の延在方向と直交する方向の最大幅である範囲を反接続範囲とすると大径部33は部品本体部11から少なくとも反接続範囲まで連続して延在する倒れ補強部48を備え、倒れ補強部48の軸方向の厚みは直交延在部46、47の軸方向の厚みよりも厚い。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有するスロットルボディと、前記内部空間が前記スロットルボディの外部に開口する開口部を塞ぎながら前記スロットルボディに固定される部品と、該部品と前記スロットルボディとの間に挟持される弾性シール部材と、前記部品の内部構造である部品本体部の円筒形状外周から前記円筒形状の径方向外側に向かって張り出す大径部を前記円筒形状の軸方向に押さえる保持プレートと、該保持プレートが前記スロットルボディに固着される固着部を前記スロットルボディに固着する固着部材と、を備え、
前記部品本体部から前記大径部との一部として形成されて前記径方向外側に突出して他部品と接続される接続部を備えている部品取り付け構造において、
前記軸方向から見たときに前記大径部は前記弾性シール部材よりも前記径方向外側に張り出すとともに前記スロットルボディと前記軸方向に当接する当接面を前記スロットルボディ側に備えており、
前記保持プレートは前記大径部の前記接続部が延在する方向と直交する方向に延びる部分であり前記当接面が配置される範囲に配置される2つの直交延在部を押圧しており、
前記軸方向から見たときに前記接続部の前記当接面が配置される範囲の前記軸方向の厚みは、前記直交延在部の前記軸方向の厚みよりも厚く形成されており、
前記軸方向から見たときに前記当接面が配置される範囲のうち前記直交延在部よりも前記接続部が延在する側とは反対側の範囲であって、前記接続部の前記延在方向と直交する方向の最大幅である範囲を反接続範囲とすると前記大径部は前記部品本体部から少なくとも前記反接続範囲まで連続して延在する倒れ補強部を備え、
前記倒れ補強部の前記軸方向の厚みは前記直交延在部の前記軸方向の厚みよりも厚いことを特徴とする部品取り付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載の部品取り付け構造において、
前記軸方向から見たときに前記反接続範囲には前記直交延在部の前記部品本体部の円筒形状の中心からの最遠部よりも遠方に配置される拡大延在部が設けられることを特徴とする部品取り付け構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の部品取り付け構造において、
前記軸方向から見ると前記固着部は前記保持プレートの前記スロットルボディと当接する範囲であり、
前記軸方向から見ると前記固着部と前記固着部材は共に前記部品本体よりも前記接続部が延在する側とは反対側の範囲に配置されており、
前記軸方向から見ると前記保持プレートは前記反接続範囲と重なる重複範囲を備えており、
前記重複範囲には前記円筒形状の中心側から前記固着部の方向に切り欠く関連解除部が設けられており、
前記軸方向から見ると前記倒れ補強部は前記関連解除部の範囲内に配置されており、
前記倒れ補強部を前記円筒形状の中心軸線周りに回転させた仮想回転体は前記関連解除部を含んでいることを特徴とする部品取り付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着する開口部を有するスロットルボディに部品を取り付ける部品取り付け構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装着する開口部を有するスロットルボディと、このスロットルボディ及び、開口部に嵌合される部品間に介装される弾性シール部材と、前記部品を保持すべくその外端面を押さえる保持プレートと、この保持プレートの固着部を前記スロットルボディに固着する固着部材とからなる部品取り付け構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に示される、部品取り付け構造は、装着孔を有するスロットルボディと、このスロットルボディ及び装着孔に嵌装される部品間に介装される弾性シール部材と、部品の外端面を押さえる保持プレートと、この保持プレートの複数の固着部をスロットルボディに固着する複数の固着部材とからなる。弾性シール部材を、これがスロットルボディ及び部品間で軸方向に圧縮されるように配置する一方、保持プレートには、部品に対する押圧部と固着部との間に弾性変形部を設け、固着部材の固着部への固着力を、弾性変形部を介して押圧部に分散させる。具体的には、スロットルボディに取り付けられる電動モータ(部品本体部)がスロットルボディに複数のねじ(固着部材)によって固定された保持プレートに押圧されて保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では電動モータがスロットルボディに対して傾かないように保持するためには保持プレートは電動モータの回転軸中心から外側に張り出すフランジ(大径部)に対してバランスよく荷重を与える必要があり、また電動モータのカプラに加わる力であって特にカプラをスロットルボディから遠ざける方向に働く力に抗する必要もあることから、保持プレートはスロットルボディに複数のねじによって固定される必要があり、部品取り付け構造の簡素化の妨げとなっている。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、モータの保持構造を簡素化しても機能が保証され小型化が達成される部品取り付け構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
内部空間を有するスロットルボディと、前記内部空間が前記スロットルボディの外部に開口する開口部を塞ぎながら前記スロットルボディに固定される部品と、該部品と前記スロットルボディとの間に挟持される弾性シール部材と、前記部品の内部構造である部品本体部の円筒形状外周から前記円筒形状の径方向外側に向かって張り出す大径部を前記円筒形状の軸方向に押さえる保持プレートと、該保持プレートが前記スロットルボディに固着される固着部を前記スロットルボディに固着する固着部材と、を備え、
前記部品本体部から前記大径部との一部として形成されて前記径方向外側に突出して他部品と接続される接続部を備えている部品取り付け構造において、
前記軸方向から見たときに前記大径部は前記弾性シール部材よりも前記径方向外側に張り出すとともに前記スロットルボディと前記軸方向に当接する当接面を前記スロットルボディ側に備えており、
前記保持プレートは前記大径部の前記接続部が延在する方向と直交する方向に延びる部分であり前記当接面が配置される範囲に配置される2つの直交延在部を押圧しており、
前記軸方向から見たときに前記接続部の前記当接面が配置される範囲の前記軸方向の厚みは、前記直交延在部の前記軸方向の厚みよりも厚く形成されており、
前記軸方向から見たときに前記当接面が配置される範囲のうち前記直交延在部よりも前記接続部が延在する側とは反対側の範囲であって、前記接続部の前記延在方向と直交する方向の最大幅である範囲を反接続範囲とすると前記大径部は前記部品本体部から少なくとも前記反接続範囲まで連続して延在する倒れ補強部を備え、
前記倒れ補強部の前記軸方向の厚みは前記直交延在部の前記軸方向の厚みよりも厚いことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、大径部のうち保持プレートによって押圧される部分から遠い部分に厚みを持たせることによって接続部をスロットルボディから遠ざける力が働いた場合には倒れ補強部が荷重を受け、接続部をスロットルボディに近づける力が働いた場合には接続部自体が荷重を受けるため部品本体部が傾くことを防ぐことができる。部品本体部(モータ)の保持構造を簡素化しても機能が保証され小型化が達成される部品取り付け構造を提供することができる。
【0009】
本発明において、前記軸方向から見たときに前記反接続範囲には前記直交延在部の前記部品本体部の円筒形状の中心からの最遠部よりも遠方に配置される拡大延在部が設けられるようにしてもよい。
【0010】
本発明によれば、部品本体部からより遠い箇所に拡大延在部を設けることで、接続部をスロットルボディから遠ざける力が働いた場合に部品本体部を好適に支えることができる。
【0011】
本発明において、前記軸方向から見ると前記固着部は前記保持プレートの前記スロットルボディと当接する範囲であり、
前記軸方向から見ると前記固着部と前記固着部材は共に前記部品本体よりも前記接続部が延在する側とは反対側の範囲に配置されており、
前記軸方向から見ると前記保持プレートは前記反接続範囲と重なる重複範囲を備えており、
前記重複範囲には前記円筒形状の中心側から前記固着部の方向に切り欠く関連解除部が設けられており、
前記軸方向から見ると前記倒れ補強部は前記関連解除部の範囲内に配置されており、
前記倒れ補強部を前記円筒形状の中心軸線周りに回転させた仮想回転体は前記関連解除部を含んでいるようにしてもよい。
【0012】
本発明によれば、保持プレートの二つの押圧面のうち一方を第一押圧面、他方を第二押圧面として、保持プレートの固着部材から第一押圧面に至る部分を第一腕部、第二押圧面に至る部分を第二腕部とすると、関連解除部を設けることによって第一腕部と第二腕部との相互影響力を弱めることが可能となる。例えば第一押圧面にかかる荷重が第二押圧面にかかる荷重よりも大きくなった場合に第一腕部が第二腕部よりもスロットルボディから離れる方向に変形しようとするが、関連解除部を設けることで第二腕部がスロットルボディから離れる方向に変形することを防ぎ、第二押圧面にかかる荷重の低下を下げることができる。さらに、関連解除部は倒れ補強部と協働することにより保持プレートと部品との回転方向の位置決めとしても機能させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、モータの保持構造を簡素化しても機能が保証され小型化が達成される部品取り付け構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(A)は本発明の一実施形態に係る吸気制御装置の斜視図である。(B)は接続部、モータ(モータユニット)及びバイパスバルブの斜視図である。(C)は接続部を外した状態の吸気制御装置の要部斜視図である。
【
図2】(A)は吸気制御装置の斜視断面図である。(B)は吸気制御装置の要部断面図である。
【
図3】(A)はバイパス通路の要部断面図である。(B)は計量口の説明図である。(C)はバルブ孔及びバイパスバルブの断面図である。
【
図4】(A)は保持プレートがある状態における軸方向から見た部品周辺の説明図である。(B)は保持プレートがない状態における軸方向から見た部品周辺の説明図である。(C)は保持プレートがない状態における部品周辺の斜視図である。
【
図5】(A)は保持プレートがある状態における部品周辺の側面図である。(B)は保持プレートがある状態における部品周辺の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【0016】
図1~
図5に示すように、実施形態の吸気制御装置1は、吸気通路2を内部に備えるスロットルボディ3と、吸気通路2の内部に配置されて吸気通路2の断面積を調整することで吸気通路2に流れる吸気の量を調整する弁体(バタフライバルブ)4と、弁体4が固定されてスロットルボディ3により回転自在に支持される弁軸(不図示)と、を備える。
【0017】
吸気通路2の弁体4よりも上流と弁体4よりも下流との間にはバイパス通路5が連通されている。このバイパス通路5は、バイパス通路5の一部を構成して吸気通路2の弁体4よりも上流側に連通する上流側通路6と、バイパス通路5の一部を構成して吸気通路2の弁体4よりも下流側に連通する下流側通路7と、上流側通路6と下流側通路7とが連通する空間としてバイパス通路5の一部を構成するバルブ孔8と、を備える。
【0018】
バルブ孔8内には、バイパス通路5の断面積を調整することでバイパス通路5内を流れる吸気の量を調整するバイパスバルブ10が配置されている。
【0019】
また、吸気制御装置1は、バイパスバルブ10を動作させる力を発生させるモータ11と、バイパスバルブ10とは別体で構成されてバイパスバルブ10と係合してモータ11で発生した力をバイパスバルブ10に伝えバイパスバルブ10をバルブ孔8が延在する方向に動作させるスライドピース12とを備える。
【0020】
スロットルボディ3には、モータ11を配置する筒状の内部空間31が形成され、内部空間31の端部にはこの内部空間31の径よりも大きい径の環状の開口部32が形成されている。モータ11は、このモータ11を囲う樹脂製の大径部33と、配線を繋ぐ接続部34を有するモータユニット35に含まれている。
【0021】
モータ11の先端部と内部空間の底部との間にはシールするためのシールプレート36が設けられ、開口部32には弾性シール部材(Oリング)37が配置されてモータユニット35の大径部33との間がシールされる。モータユニット35には、スライドピース12を他方の側に付勢するスプリング38が設けられている。モータユニット35は、保持プレート40を介して固着部材(ねじ)41によりスロットルボディ3に固定されている。大径部33には、スロットルボディ3に当接する当接面42と、当接面42の一部が延出した拡大延在部43と、を備えている。
【0022】
スロットルボディ3には、吸気圧センサ、開度センサ及び吸気温センサを内蔵したセンサユニット44が設けられている。
【0023】
スライドピース12は、バルブ孔8の延在方向に延在する第1ねじ部13を備える。モータ11は、バルブ孔8の延在方向に延在する第2ねじ部14を回転出力軸15として備える。第1ねじ部14と第2ねじ部15とが係合して回転出力軸15が回転することでスライドピース12がバルブ孔8の延在方向に動作せしめられる。
【0024】
バイパスバルブ10は、スロットルボディ3に対してモータ11の回転軸回りに回転しないように回り止め16が設けられているとともに、スライドピース12と係合してバイパスバルブ10とスライドピース12とのモータ11の回転軸回りの相互回転を規制するバルブ側係合部(回転規制部)17を備える。スライドピース12は、バルブ側係合部17と係合するピース側係合部(回転規制部)18を備える。
【0025】
バイパスバルブ10及び下流側通路7がバルブ孔8に開口する計量口20は、バルブ孔8内の上流側通路6がバルブ孔8に開口する部分よりもバルブ孔8の延在方向における一方の側に配置されている。
【0026】
バイパスバルブ10は、バルブ孔8内を一方の側と一方の側とは逆の他方の側に分ける隔壁部21と計量口20を遮ることで、バイパス通路5の断面積を調整するシャッター部22を隔壁部21よりも他方の側に少なくとも備えている。
【0027】
また、バルブ側係合部17は隔壁部21から一体的に一方の側に張り出している。バルブ孔8が延在する方向から見て、隔壁部21にはバルブ側係合部17が配置される範囲に隔壁部21の他方側の他の面よりも一方の側に窪む凹部として形成される延伸底部23が形成されている。
【0028】
また、バルブ孔8の延在方向から見て、延伸底部23はシャッター部22が配置される方向へ回転出力軸15の中心Cよりも径方向外側に延在している。バイパスバルブ10のシャッター部22の他方の側(前進側)には、一方の側から他方の側に向かって(後進側から前進側に向かって)徐々に広がるスリット状のバルブ開口(スリット孔)24が形成されており、バルブ開口24はバイパスバルブ10の端部まで延びて他方の側(前進側)に開放している。
【0029】
次に部品取り付け構造について詳しく説明する。
部品取り付け構造は、内部空間31を有するスロットルボディ3と、内部空間31がスロットルボディ3の外部に開口する開口部32を塞ぎながらスロットルボディ3に固定されるモータユニット(以下、部品という)35と、該部品35とスロットルボディ3との間に挟持される弾性シール部材37と、部品35の内部構造であるモータ(以下、部品本体部という)11の円筒形状外周から円筒形状の径方向外側に向かって張り出す大径部33を円筒形状の軸方向に押さえる保持プレート40と、該保持プレート40がスロットルボディ3に固着される固着部45をスロットルボディ3に固着する固着部材41と、を備えている。
【0030】
また、部品取り付け構造は、部品本体部11から大径部33との一部として形成されて径方向外側に突出して他部品と接続される接続部34を備えている。
【0031】
軸方向から見たときに大径部33は、弾性シール部材37よりも径方向外側に張り出すとともにスロットルボディ3と軸方向に当接する当接面42をスロットルボディ3側に備えている。
【0032】
保持プレート40は、大径部33の接続部34が延在する方向と直交する方向に延びる部分であり当接面42が配置される範囲に配置される2つの直交延在部46、47を押圧している。
【0033】
軸方向から見たときに接続部34の当接面42が配置される範囲の軸方向の厚みは、直交延在部46、47の軸方向の厚みよりも厚く形成されている。
【0034】
軸方向から見たときに当接面42が配置される範囲のうち直交延在部46、47よりも接続部34が延在する側とは反対側の範囲であって、接続部34の延在方向と直交する方向の最大幅である範囲を反接続範囲S1とすると、大径部33は部品本体部11から少なくとも反接続範囲S1まで連続して延在する倒れ補強部48を備えている。この倒れ補強部48の軸方向の厚みは、直交延在部46、47の軸方向の厚みよりも厚い。
【0035】
また、軸方向から見たときに反接続範囲S1には、直交延在部46、47の部品本体部11の円筒形状の中心からの最遠部よりも遠方に配置される拡大延在部43が設けられている。
【0036】
また、部品取り付け構造において、軸方向から見ると固着部45は、保持プレート40のスロットルボディ3と当接する範囲であり、軸方向から見ると固着部45と固着部材41は共に部品本体11よりも接続部34が延在する側とは反対側の範囲に配置されている。
【0037】
軸方向から見ると保持プレート40は、反接続範囲S1と重なる重複範囲を備えている。重複範囲には円筒形状の中心側から固着部45の方向に切り欠く関連解除部51が設けられている。軸方向から見ると倒れ補強部48は、関連解除部51の範囲内に配置されている。倒れ補強部48を円筒形状の中心軸線周りに回転させた仮想回転体は関連解除部51を含んでいる。
【0038】
以上に説明した部品取り付け構造の効果を以下に述べる。
大径部33のうち保持プレート40によって押圧される部分から遠い部分に厚みを持たせることによって接続部34をスロットルボディ3から遠ざける力が働いた場合には倒れ補強部48が荷重を受け、接続部34をスロットルボディ3に近づける力が働いた場合には接続部自体が荷重を受けるため部品本体部11が傾くことを防ぐことができる。部品本体部(モータ)11の保持構造を簡素化しても機能が保証され小型化が達成される部品取り付け構造を提供することができる。
【0039】
さらに、部品本体部(モータ)11からより遠い箇所に拡大延在部43を設けることで、接続部34をスロットルボディ3から遠ざける力が働いた場合に部品本体部11を好適に支えることができる。
【0040】
さらに、保持プレート40の二つの押圧面52、53のうち一方を第一押圧面52、他方を第二押圧面53として、保持プレート40の固着部材41から第一押圧面52に至る部分を第一腕部54、第二押圧面53に至る部分を第二腕部55とすると、関連解除部51を設けることによって第一腕部54と第二腕部55との相互影響力を弱めることが可能となる。例えば第一押圧面52にかかる荷重が第二押圧面53にかかる荷重よりも大きくなった場合に第一腕部54が第二腕部55よりもスロットルボディ3から離れる方向に変形しようとするが、関連解除部51を設けることで第二腕部55がスロットルボディ3から離れる方向に変形することを防ぎ、第二押圧面53にかかる荷重の低下を下げることができる。さらに、関連解除部51は倒れ補強部48と協働することにより保持プレート40と部品35との回転方向の位置決めとしても機能させることができる。
【0041】
尚、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、部品本体部11はモータとしたがこれに限定されず、接続部につながる基板などであっても適用可能である。即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の部品取り付け構造は、吸気制御装置に好適である。
【符号の説明】
【0043】
1…吸気制御装置、3…スロットルボディ、11…部品本体部(モータ)、31…内部空間、32…開口部、33…大径部、34…接続部、35…部品(モータユニット)、37…弾性シール部材(Oリング)、40…保持プレート、41…固着部材(ボルト、ねじ)、42…当接面、43…拡大延在部、45…固着部、46…第一直交延在部、47…第二直交延在部、48…倒れ補強部、51…関連解除部、52…第一押圧面、53…第二押圧面、54…第一腕部、55…第二腕部。