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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152499
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】中継システム及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20221004BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20221004BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055292
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000106690
【氏名又は名称】サン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 匡生
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 潤登
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067AA42
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067HH22
5K067HH23
(57)【要約】
【課題】 複数の中継装置を有する中継システムにおいて、中継システムを利用する通信端末が、中継装置同士の通信に利用される通信方式を利用せずに済む技術を提供する。
【解決手段】 中継システムの第1中継装置は、第1通信端末から、第1通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第1種のデータを受信する第1受信部と、第1種のデータから、第2通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第2種のデータに変換する処理を実行する第1変換部と、第2種のデータを、第2中継装置に送信する第1送信部と、を備え、第2中継装置は、第2種のデータを用いて得られる特定データを受信する第2受信部と、特定データから、第3通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第3種のデータに変換する処理を実行する第2変換部と、第3種のデータを、第2通信端末に送信する第2送信部と、を備える。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の通信方式に従って直接的に通信可能な第1通信端末と第2通信端末との通信を中継する中継システムであって、
第1中継装置と、第2中継装置と、を含む複数の中継装置を備え、
前記第1中継装置は、
前記第1通信端末から送信される第1種のデータであって、第1通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な前記第1種のデータを受信する第1受信部と、
前記第1種のデータから、第2通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第2種のデータに変換する処理を実行する第1変換部と、
前記第2種のデータを、前記第2中継装置に送信する第1送信部と、を備え、
前記第2中継装置は、
前記第2種のデータを用いて得られる特定データを受信する第2受信部と、
前記特定データから、第3通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第3種のデータに変換する処理を実行する第2変換部と、
前記第3種のデータを、前記第2通信端末に送信する第2送信部と、を備える、中継システム。
【請求項2】
前記第1通信方式は、近距離無線通信方式を含む、請求項1に記載の中継システム。
【請求項3】
前記第2通信方式は、前記第1通信方式よりも通信可能距離が長い無線通信方式を含む、請求項2に記載の中継システム。
【請求項4】
前記第3通信方式は、近距離無線通信方式を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項5】
前記特定の通信方式は、近距離無線通信方式を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項6】
前記第1通信方式と前記第3通信方式とは、同一の通信方式である、請求項1から5のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項7】
前記第3通信方式は、前記特定の通信方式と同一の通信方式である、請求項1から6のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項8】
通信システムであって、
第1通信端末と、
第2通信端末と、
第1中継装置と、
第2中継装置と、を備え、
前記第1通信端末は、特定の通信方式に従って前記第2通信端末と通信し、第1通信方式に従って前記第1中継装置と通信する第1通信部を備え、
前記第1中継装置は、
前記第1通信端末から送信される第1種のデータであって、第1通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な前記第1種のデータを受信する第1受信部と、
前記第1種のデータから、第2通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第2種のデータに変換する処理を実行する第1変換部と、
前記第2種のデータを、前記第2中継装置に送信する第1送信部と、を備え、
前記第2中継装置は、
前記第2種のデータを用いて得られる第1特定データを受信する第2受信部と、
前記第2特定データから、第3通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第3種のデータに変換する処理を実行する第2変換部と、
前記第3種のデータを、前記第2通信端末に送信する第2送信部と、を備え、
前記第2通信端末は、
前記特定の通信方式に従って前記第1通信端末と通信する第2通信部と、
前記第2種のデータを用いて得られる第2特定データを受信する第3受信部と、を備える、通信システム。
【請求項9】
前記第2通信端末は、前記第2特定データを、第4通信方式で通信可能となるように第4種のデータに変換する端末側変換部を備える、請求項8に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、通信端末間の通信を中継する中継システムと、中継システムを備える通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動体管理システムが開示されている。移動体管理システムでは、発信端末とゲートウェイ装置との通信を中継するために複数の中継端末が配置されている。特許文献1では、発信端末とゲートウェイ装置とが、直接通信可能である。ゲートウェイ装置は、発信端末及び中継端末とBluetooth(登録商標)に従った通信を実行し、アクセスポイントとLAN(Local Area Networkの略)に従った通信を実行する。中継端末同士は、Bluetoothに従った通信を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-125624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、中継端末との通信は、中継端末同士の通信と共通の通信方式が利用される。このため、中継端末と通信を実行しようとするデバイス(例えば発信端末及びゲートウェイ装置)は、共通の通信方式に従った通信を実行可能にするための機器等を備えていなければならない。
【0005】
本明細書では、複数の中継装置を有する中継システムにおいて、中継システムを利用する通信端末が、中継装置同士の通信に利用される通信方式を利用せずに済む技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、中継システムに関する。中継システムは、特定の通信方式に従って直接的に通信可能な第1通信端末と第2通信端末との通信を中継する。中継システムは、第1中継装置と、第2中継装置と、を含む複数の中継装置を備え、前記第1中継装置は、前記第1通信端末から送信される第1種のデータであって、第1通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な前記第1種のデータを受信する第1受信部と、前記第1種のデータから、第2通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第2種のデータに変換する処理を実行する第1変換部と、前記第2種のデータを、前記第2中継装置に送信する第1送信部と、を備え、前記第2中継装置は、前記第2種のデータを用いて得られる特定データを受信する第2受信部と、前記特定データから、第3通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第3種のデータに変換する処理を実行する第2変換部と、前記第3種のデータを、前記第2通信端末に送信する第2送信部と、を備える。
【0007】
上記の構成によると、第1中継装置及び第2中継装置のそれぞれにおいて、通信対象のデータの通信方式が変換される。なお、「通信端末(又は中継装置)に送信する」との記述は、「通信端末(又は中継装置)に直接的に送信する」構成と、他の装置(例えば中継装置)を介して通信端末(又は中継装置)に送信する」構成と、の両方を含む。
【0008】
このため、第1通信端末と第2通信端末とは、第1中継装置と第2中継装置との間の通信に利用される第2通信方式で通信可能となるように機器等を備えていなくても、第1中継装置と第2中継装置とを含む複数の中継装置を介して、第2通信端末と通信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施例の通信システムの概要図を示す。
図2】第1実施例の中継装置の概要図を示す。
図3】第1実施例の通信端末の概要図を示す。
図4】第1実施例の通信端末の概要図を示す。
図5】第1実施例の中継処理のシーケンス図を示す。
図6】第1実施例の中継処理のシーケンス図を示す。
図7】第1実施例のデータ保持処理のフローチャートを示す。
図8】第1実施例の代替応答処理のシーケンス図を示す。
図9】第1実施例の更新処理のシーケンス図を示す。
図10】第2実施例の通信システムの概要図を示す。
図11】第3実施例の通信システムの概要図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書が開示する中継システム及び通信システムの技術要素を、以下に列記する。なお、以下の各技術要素は、それぞれ独立して有用なものである。
【0011】
前記第1通信方式は、近距離無線通信方式を含んでいてもよい。
【0012】
前記第2通信方式は、前記第1通信方式よりも通信可能距離が長い無線通信方式を含んでいてもよい。この構成によれば、第1中継装置と第2中継装置とが、第1通信端末と第2通信端末との通信を中継することによって、第1通信端末と第2通信端末との間の通信可能距離を延ばすことができる。
【0013】
前記第3通信方式は、近距離無線通信方式を含んでいてもよい。
【0014】
前記特定の通信方式は、近距離無線通信方式を含んでいてもよい。上記の構成によると、第1通信端末と第2通信端末とが近距離無線通信方式に従って通信可能である場合において、第1通信端末と第2通信端末との距離が近距離無線通信方式に従って通信可能なほど近い場合には第1通信端末と第2通信端末とが直接的に通信し、第1通信端末と第2通信端末との距離が近距離無線通信方式に従って通信可不能なほど遠い場合には、第1通信端末と第2通信端末とが、第1中継装置と第2中継装置とを介して通信することができる。これにより、第1通信端末と第2通信端末との距離に応じて、通信経路を変更する場合においても、第1中継装置と第2中継装置との間の通信に利用される第2通信方式で通信可能となるように機器等を備えていなくても、第1中継装置と第2中継装置とを介して、第1通信端末は、第2通信端末と通信することができる。
【0015】
前記第1通信方式と前記第3通信方式とは、同一の通信方式であってもよい。
【0016】
前記第3通信方式は、前記特定の通信方式と同一の通信方式であってもよい。この構成によると、第2通信端末は、1つの通信方式を利用した通信を実行可能であれば、第1通信端末と直接的な通信を実行可能であるとともに、第1中継装置及び第2中継装置を介した通信を実行可能である。
【0017】
中継システムと、第1通信端末と、第2通信端末と、を備える通信システムも、新規で有用である。即ち、通信システムでは、前記第1通信端末は、特定の通信方式に従って前記第2通信端末と通信し、第1通信方式に従って前記第1中継装置と通信する第1通信部を備え、前記第1中継装置は、前記第1通信端末から送信される第1種のデータであって、第1通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な前記第1種のデータを受信する第1受信部と、前記第1種のデータから、第2通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第2種のデータに変換する処理を実行する第1変換部と、前記第2種のデータを、前記第2中継装置に送信する第1送信部と、を備え、前記第2中継装置は、前記第2種のデータを用いて得られる第1特定データを受信する第2受信部と、前記第2特定データから、第3通信方式に従った通信を実行することによって送信可能な第3種のデータに変換する処理を実行する第2変換部と、前記第3種のデータを、前記第2通信端末に送信する第2送信部と、を備え、前記第2通信端末は、前記特定の通信方式に従って前記第1通信端末と通信する第2通信部と、前記第2種のデータを用いて得られる第2特定データを受信する第3受信部と、を備えていてもよい。
【0018】
前記第2通信端末は、前記第3種のデータを、前記第3通信方式と異なる第4通信方式で通信可能となるように第4種のデータに変換する端末側変換部を備えていてもよい。この構成によれば、第2通信端末は、第1通信端末から取得されるデータを、第4通信方式で通信可能なデータに変換することができる。
【0019】
(第1実施例)
図1に示すように、本実施例の通信システム2では、通信端末50、60が中継システム5を介して通信を実行する。通信システム2は、通信端末50、60と、中継システム5と、を備える。
【0020】
(中継システム及び中継装置の構成)
中継システム5は、2個の中継装置10、20を備える。なお、中継システム5は、3個以上の複数の中継装置を備えていてもよい。図2に示すように、中継装置10は、第1通信インターフェイス12と、第2通信インターフェイス14と、制御部16と、格納部18と、を備える。以下、「インターフェイス」を「I/F」と呼ぶ。第1通信インターフェイス12と、第2通信インターフェイス14と、制御部16と、格納部18と、は、図示省略した配線によって通信可能に接続されている。
【0021】
第1通信I/F12は、中継装置10が中継装置20と無線通信を実行するための通信I/Fである。第1通信I/F12は、1GHz未満の周波数帯(例えば920MHz)を利用した無線通信の通信方式、いわゆるSub-GHz(サブギガヘルツ)通信の通信方式に従った通信に利用される。Sub-GHz通信の通信方式は、例えばWi-SUNであってもよく、他の通信方式(即ち通信プロトコル)であってもよい。Sub-GHz通信の通信方式は、中継装置10の提供者が独自に提供する通信方式であってもよい。
【0022】
第2通信I/F14は、中継装置10がBluetooth(登録商標)に従って、Bluetoothに従って通信可能な他の装置(例えば通信端末50)と無線通信を実行するための通信I/Fである。第2通信I/F14は、BLE(Bluetooth Low Energyの略)を利用して、無線通信可能である。
【0023】
制御部16は、CPU、メモリ等で構成される。制御部16は、格納部18に格納されているコンピュータプログラムに従って、中継装置10が実行する処理を制御する。格納部18は、ROM、RAM等によって構成される格納領域を備える。格納部18には、制御部16が処理を実行するためのコンピュータプログラムが予め格納されている。格納部18は、制御部16の指示に従って、中継装置10が処理を実行している間に生成されるデータを格納する。
【0024】
格納部18は、経路テーブル19を格納している。経路テーブル19には、中継装置10が無線通信を中継する通信端末間(例えば通信端末50と通信端末60との間)の通信経路が記録される。
【0025】
中継装置20は、中継装置10と同様の構成を有する。即ち、中継装置20は、中継装置10の第1通信I/F12、第2通信I/F14、制御部16及び格納部18のそれぞれに対応する第1通信I/F22、第2通信I/F24、制御部26及び格納部28を備える。これにより、中継装置20は、中継装置10と、Sub-GHz通信の通信方式に従って、無線通信を実行することができる。格納部28は、経路テーブル29を格納している。経路テーブル29には、中継装置20が無線通信を中継する通信端末間(例えば通信端末50と通信端末60との間)の通信経路が記録される。
【0026】
(通信端末の構成)
通信端末50は、例えば、スマートウォッチのような、人体に装着可能なウェアラブル端末である。なお、通信端末50は、ウェアラブル端末でなくてもよく、携帯端末、センサ装置等であってもよい。
【0027】
図3に示すように、通信端末50は、第3通信I/F52と、出力部54と、制御部56と、センサ部57と、格納部58と、を備える。第3通信I/F52と、出力部54と、制御部56と、センサ部57と、格納部58と、は、図示省略した配線によって通信可能に接続されている。
【0028】
第3通信I/F52は、通信端末50がBluetoothに従って、Bluetoothに従った通信を実行可能な他の装置(例えば中継装置10)と無線通信を実行するための通信I/Fである。第3通信I/F52は、BLEを利用して、無線通信可能である。これにより、通信端末50は、中継装置10と、BLEを利用して無線通信可能である。
【0029】
出力部54は、ディスプレイ、スピーカ等、ユーザに情報を出力する機器を備える。出力部54は、制御部56の指示に従って、制御部56に指定された情報を表す画像をディスプレイに表示する。また、出力部54は、制御部56の指示に従って、制御部56に指定された情報を表す音声をスピーカに出力する。
【0030】
制御部56は、CPU、メモリ等で構成される。制御部56は、格納部58に格納されているコンピュータプログラムに従って、通信端末50が実行する処理を制御する。センサ部57は、例えば、通信端末50を装着するユーザの心拍数を検出する心拍数センサ、ユーザの歩数を計測する歩数センサ及びユーザの体温を計測する体温センサの少なくとも1つのセンサを含んでいる。
【0031】
格納部58は、ROM、RAM等によって構成される格納領域を備える。格納部58には、制御部56が処理を実行するためのコンピュータプログラムが予め格納されている。格納部58は、制御部56の指示に従って、通信端末50が処理を実行している間に生成されるデータを、一時的又は長期的に格納する。また、格納部58は、GATT(Generic Attribute Profileの略)データベース59を格納している。GATTデータベース59には、BLEにおいて、Bluetoothに従って通信可能な様々なデータが格納可能である。例えば、GATTデータベースは、センサ部57で検出される検出値を格納可能である。
【0032】
通信端末60は、例えば、スマートフォンのような、携帯端末である。なお、通信端末60は、携帯端末でなくてもよく、ウェアラブル端末、ゲートウェイ機器、ルータ等であってもよい。
【0033】
図4に示すように、通信端末60は、第4通信I/F61と、第5通信I/F62と、出力部64と、制御部66と、格納部68と、を備える。第4通信I/F61と、第5通信I/F62と、出力部64と、制御部66と、格納部68と、は、図示省略した配線によって通信可能に接続されている。
【0034】
第4通信I/F61は、通信端末60がBluetoothに従って、Bluetoothに従った通信を実行可能な装置(例えば中継装置20、通信端末50)と無線通信を実行するための通信I/Fである。第4通信I/F61は、BLEを利用して、無線通信可能である。これにより、通信端末60は、中継装置20、通信端末50のそれぞれと、BLEを利用して無線通信可能である。
【0035】
また、通信端末60は、第4通信I/F61を利用して、通信端末50と直接的にBluetoothに従った通信を実行することができる。これにより、通信端末60は、通信端末50から直接的にデータを取得することができ、通信端末50に直接的にデータを送信することができる。通信端末50と通信端末60とは、互いに近距離に配置されている場合に、中継システム5を介さずとも、無線通信を実行することができる。
【0036】
第5通信I/F62は、通信端末60がサーバ70と無線通信を実行するための通信I/Fである。第5通信I/F62は、LTE等の携帯電話通信方式に従った通信に利用される。なお、第5通信I/F62は、有線通信のための通信I/Fであってもよいし、Sub-GHz通信の通信方式に従った通信またはWi-Fiに従った通信に利用される通信I/Fであってもよい。
【0037】
出力部64は、出力部54と同様のディスプレイ、スピーカ等を備える。出力部64は、制御部66の指示に従って、制御部66に指定された情報を表す画像をディスプレイに表示する。また、出力部64は、制御部66の指示に従って、制御部66に指定された情報を表す音声をスピーカに出力する。
【0038】
制御部66は、CPU、メモリ等で構成される。制御部66は、格納部68に格納されているコンピュータプログラムに従って、通信端末60が実行する処理を制御する。格納部68は、ROM、RAM等によって構成される格納領域を備える。格納部68には、制御部66が処理を実行するためのコンピュータプログラムが予め格納されている。格納部68は、制御部66の指示に従って、通信端末60が処理を実行している間に生成されるデータを格納する。なお、格納部68には、GATTデータベース69が格納されている。
【0039】
(中継処理)
次いで、図5及び図6を参照して、中継システム5が実行する中継処理を説明する。中継処理では、中継システム5が、通信端末50と通信端末60との通信を中継する。中継処理は、通信端末50と通信端末60とが、Bluetoothに従って直接的に無線通信を実行することができない場合に実行される。
【0040】
中継処理は、通信端末50のユーザが、通信端末50と中継装置10とがBluetoothに従って無線通信を実行することができる距離まで、通信端末50を中継装置10に近づけると開始される。
【0041】
通信端末50の制御部56は、第3通信I/F52を介して、通信端末50周辺にビーコン信号を発信する(S12)。制御部56は、第1データをビーコン信号に含めて発信する。ビーコン信号には、第1データ以外に、ビーコン信号の発信元である通信端末50の識別情報T50が含まれている。
【0042】
中継装置10の制御部16は、第2通信I/F14を介して、ビーコン信号が取得されると、ビーコン信号に含まれる第1データと識別情報T50、T60とを、Sub-GHz通信に従った無線通信で送信可能な第2データに変換する(S14)。次いで、制御部16は、第1通信I/F12を介して、変換済みの第2データを、Sub-GHz通信に従った無線通信で中継装置20に送信する(S16)。
【0043】
中継装置20の制御部26は、第1通信I/F22を介して、中継装置10から第2データを受信する。制御部26は、中継装置10から受信される第2データを、Bluetoothに従った無線通信で送信可能な第3データと、識別情報T50、T60と、を含むビーコン信号に変換する(S18)。次いで、制御部26は、第2通信I/F24を介して、変換済みのビーコン信号を、Bluetoothに従って発信する(S20)。制御部26は、変換済みのビーコン信号を1回発信する。なお、変形例では、制御部26は、変換済みのビーコン信号を複数回に亘って発信してもよい。例えば、制御部26は、所定期間の間に、繰り返し変換済みのビーコン信号を発信してもよい。この結果、中継装置20の近くに配置されている通信端末60では、制御部66が、第4通信I/F61を介して中継装置20から発信されるビーコン信号を取得する。
【0044】
制御部66は、中継装置20から発信されるビーコン信号を、携帯電話通信方式に従った無線通信で送信可能な第4データに変換する(S22)。次いで、制御部66は、第5通信I/F62を介して、通信端末60からサーバ70に第4データを送信する(S24)。これにより、第1データと同等の第4データを、サーバ70に送信することができる。サーバ70は、第4データに含まれる識別情報T50を用いて、データの送信元の通信端末50を特定することができる。
【0045】
図5に示す中継処理では、通信端末50、60が、Bluetoothを利用した近距離無線通信を実行することができないほど離れている場合であっても、中継システム5を介して通信を実行することができる。これにより、通信端末50、60の通信可能距離を延長することができる。
【0046】
中継装置20は、中継装置10から受信されるSub-GHz通信方式で通信可能な第2データを、Bluetoothで通信可能な第3データに変換する。これにより、通信端末60は、Bluetoothで通信可能なI/F及びBluetoothで通信可能な第3データを解釈するためのコンピュータプログラムを備えていればよく、Sub-GHz通信方式に対応する機器等を備えていなくてもよい。
【0047】
次いで、図6に示す中継処理では、通信端末50から発信されるビーコン信号に、第1データが含まれておらず、通信端末60が接続を許可する属性を持つビーコン信号を受信すると、通信端末50、60の間で、接続を確立する必要がある。
【0048】
本中継処理は、図5の中継処理と同様に、通信端末50のユーザが、通信端末50と中継装置10とがBluetoothに従って無線通信を実行することができる距離まで、通信端末50を中継装置10に近づけると開始される。
【0049】
通信端末50の制御部56は、第3通信I/F52を介して、通信端末50周辺にビーコン信号を発信する(S30)。ビーコン信号には、ビーコン信号の発信元である通信端末50の識別情報T50が含まれている。
【0050】
中継装置10の制御部16は、第2通信I/F14を介して、ビーコン信号が取得されると、ビーコン信号に含まれる識別情報T50に基づいて、通信端末50とBluetoothに従った通信を実行するための接続を確立するための接続要求を、通信端末50に送信する(S32)。これにより、通信端末50と中継装置10との接続が確立する(S34)。次いで、制御部16は、S34で確立された接続に、識別情報CR1を付与する。制御部16は、識別情報CR1と、識別情報CR1で識別される接続によって接続されている通信端末50の識別情報T50と、を組み合わせて、経路テーブル19に記録する(S36)。
【0051】
なお、本実施例では、中継装置10と中継装置20とは、常時接続されている。仮に、中継装置10が中継装置20を含む複数の中継装置と接続されている場合、S36において、制御部16は、経路テーブル19に、識別情報CR1、T50に組み合わせて、中継装置10と中継装置20との間の接続に付与されている識別情報を、経路テーブル19に記録してもよい。
【0052】
次いで、制御部16は、受信済みのビーコン信号に含まれる識別情報T50、T60を、Sub-GHz通信に従った無線通信で送信可能な第5データに変換する(S38)。制御部16は、第1通信I/F12を介して、変換済みの第5データを、Sub-GHz通信に従った無線通信を実行することによって、中継装置20に送信する(S40)。
【0053】
中継装置20の制御部26は、第1通信I/F22を介して、中継装置10から第5データを受信する。制御部26は、受信済みの第5データ(即ち、識別情報T50)を、Bluetoothに従った無線通信で送信可能なビーコン信号に変換する(S42)。さらに、制御部26は、中継装置20の識別情報R20を、ビーコン信号に含める。ビーコン信号では、ビーコン信号の送信元として識別情報R20が特定され、識別情報T50は、接続要求元の端末として特定される。
【0054】
次いで、制御部26は、第2通信I/F24を介して、生成されたビーコン信号を、Bluetoothに従って発信する(S44)。この結果、中継装置20の近くに配置されている通信端末60では、制御部66が、第4通信I/F61を介して中継装置20から発信されるビーコン信号を取得する。
【0055】
制御部66は、ビーコン信号が取得されると、ビーコン信号に含まれる識別情報R20に基づいて、中継装置20とBluetoothに従った通信を実行するための接続を確立するため接続要求を、中継装置20に送信する(S46)。これにより、通信端末60と中継装置20との接続が確立する(S48)。通信端末60と中継装置20との接続が確立されると、中継装置20の制御部26は、S48で確立された接続に、識別情報CL1を付与する。制御部26は、識別情報CL1と、識別情報CL1で識別される接続によって中継装置20と接続されている通信端末60の識別情報T60と、接続要求送信元の通信端末50の識別情報T50と、を組み合わせて、経路テーブル29に記録する(S50)。
【0056】
これにより、通信端末50、60は、中継システム5を介して、通信可能に接続される。例えば、通信端末60から、Read、Write等のリクエストを、通信端末50に送信する場合、制御部66は、Bluetoothに従った通信を利用して、リクエストを、中継装置20に送信する(S52)。制御部26は、リクエストを受信すると、リクエストの送信先の通信端末50を特定する(S54)。次いで、制御部26は、リクエストの内容を解析し、解析済みの内容を、Sub-GHz通信に従った無線通信で送信可能な第6データに変換する(S56)。制御部26は、さらに、第6データに、送信元の通信端末60の識別情報T60と、送信先の通信端末50の識別情報T50と、を含める。制御部26は、第6データを、中継装置10に送信する(S58)。
【0057】
中継装置10の制御部16は、第6データを受信すると、第6データを解析して、送信先の通信端末(即ち通信端末50)を特定する(S60)。次いで、制御部16は、経路テーブル19において、送信先の通信端末50と接続が確立されているか否かを判断する。具体的には、制御部16は、送信先の通信端末50の識別情報T50を含む組み合わせが経路テーブル19に格納されているか否かを判断する。制御部16は、識別情報T50を含む組み合わせが経路テーブル19に格納されている場合、送信先の通信端末50と接続が確立されていると判断する。この場合、制御部16は、受信済みの第6データを、識別情報T50に組み合わせられている識別情報CR1で識別される接続の通信方式(即ちBluetooth)で送信可能となるように、第6データを変換する(S62)。これにより、第6データは、S52で送信されたリクエストと同様のリクエストに変換される。
【0058】
次いで、制御部16は、第2通信I/F14を介して、変換済みのリクエストを、通信端末50に送信する(S64)。通信端末50の制御部56は、リクエストを受信すると、リクエストの内容に従った処理を実行する(S66)。例えば、リクエストの内容にReadが含まれている場合、制御部56は、リクエストにおいて指定されている情報(例えばユーザの心拍数)を、格納部58内のGATTデータベース59から読み出す。次いで、制御部16は、リクエストに従って実行された処理の結果を、リクエストに対する応答として、リクエストの送信元である通信端末60に送信する。具体的には、制御部16は、第1通信I/F12を介して、Bluetoothに従った通信を実行することによって、処理結果(例えばGATTデータベース59から読み出したユーザの心拍数を表すデータ)と、送信元の識別情報T50と、送信先の識別情報T60と、を応答として、中継装置10に送信する(S68)。
【0059】
中継装置10の制御部16は、応答を受信すると、応答に含まれるデータ及び識別情報を、Sub-GHz通信に従って送信可能な第7データに変換する(S70)。制御部16は、第1通信I/F12を介して、第7データを、中継装置20に送信する(S72)。中継装置20の制御部26は、受信済みの第7データを解析することによって送信先を特定する。次いで、制御部26は、送信先の通信端末60と通信可能であることを経路テーブル29で確認し、第7データに含まれるデータ及び識別情報T50、T60を、S68で送信された応答と同様の応答に変換する(S74)。次いで、制御部26は、第4通信I/F61を介して、応答を通信端末60に送信する(S76)。これにより、通信端末60は、通信端末50にリクエストを送信して、リクエストに応じた処理結果を取得することができる。
【0060】
図6に示す中継処理では、通信端末50、60は、中継システム5を介して、データを通信することができる。
【0061】
(代理応答処理)
中継装置20の提供者は、中継装置20に、図7に示すデータ保持処理を実行させることによって、通信端末60から通信端末50に送信されるリクエストに対して、通信端末50に代理して、通信端末60からのリクエストの内容に従った処理を実行させることが可能である。
【0062】
データ保持処理は、中継装置20の提供者が中継装置20にデータ保持処理を開始させるためのコマンドが入力され、通信端末50が中継装置10と通信可能に接続されている状態で開始される。データ保持処理では、制御部26は、通信端末50からGATTデータベース59を取得する(S80)。具体的には、制御部26は、Sub-GHz通信に従った通信を実行することによって、中継装置10に、通信端末50のGATTデータベース59を取得するためのリクエストを送信する。中継装置10の制御部16は、受信済みのリクエストをBluetoothに従った通信で送信可能なデータに変換して、通信端末50に送信する。これにより、通信端末50は、中継装置20からのリクエストを受信する。通信端末50の制御部56は、受信済みのリクエストに従って、GATTデータベース59を中継装置10に送信する。中継装置10の制御部16は、GATTデータベース59を、Sub-GHz通信に従った通信で送信可能なデータに変換して、中継装置20に送信する。制御部26は、中継装置10からデータを受信すると、受信済みのデータを、GATTデータベース59に変換して、格納部28に格納する。
【0063】
S82では、制御部26は、通信端末50に対して、通信端末50のGATTデータベース59に格納されているデータを取得するための問い合わせを実行するタイミングに到来したか否かを判断する。具体的には、制御部26は、タイマを有する。制御部26は、S80のGATTデータベース59の取得、又は、直前の問い合わせ(S84参照)が実行されると、タイマをスタートさせる。制御部26は、タイマの計測期間が予め決められたタイミングに到来していない場合(S82でNO)、S90に進み、予め決められたタイミングに到来すると(S82でYES)、S84に進む。
【0064】
S84では、制御部26は、S80と同様に、中継装置10を介して、通信端末50に、GATTデータベースに格納されているデータを取得するための問い合わせを送信する。中継装置10と通信端末50との接続が確立されている状態では、中継装置10の制御部16は、受信済みの問い合わせを、Bluetoothに従った通信で送信可能なデータに変換して、通信端末50に送信する。通信端末50の制御部56は、GATTデータベース59に含まれるデータのうち、既に中継装置20に送信したデータから更新されている更新データを特定して、更新データを、中継装置10を介して、中継装置20に送信する。
【0065】
制御部26は、中継装置10から、通信端末50から送信済みの更新データに対応する変換済みのデータが取得されると(S86)、格納部28に格納されているGATTデータベースのうち、S86で取得されたデータに対応するデータを、S86で取得されたデータに更新して(S88)、S82に戻る。
【0066】
データ保持処理によって、中継装置20は、通信端末50のGATTデータベース59を格納することができる。また、中継装置20は、通信端末50のGATTデータベース59に含まれるデータが更新されると、格納部28に格納されているGATTデータベースを更新することができる。これにより、中継装置20は、通信端末50のGATTデータベース59に含まれるデータを更新しつつ、保持することができる。
【0067】
なお、変形例では、中継装置20は、中継装置10を介して、通信端末50に対して、Notifyを含むリクエストを送信することによって、通信端末50のGATTデータベース59が更新される毎に、通信端末50から更新済みのデータを取得してもよい。
【0068】
次いで、図8を参照して、中継装置20が、通信端末50に替わって、通信端末60からのリクエストに応答する代理応答処理を説明する。代理応答処理では、S30~S52までの処理は、図5の中継処理と同様である。中継装置20の制御部26は、通信端末60からリクエストを受信すると、格納済みのGATTデータベースを用いてリクエストに対して応答可能であるか否かを判断する(S102)。具体的には、制御部26は、リクエストに含まれる送信先の識別情報T50で識別される通信端末50のGATTデータベース59が、格納部28に格納されているか否かを判断する。通信端末50のGATTデータベース59が格納部28に格納されていない場合(S102でNO)、S54に進み、図6のS54~S76と同様の処理を実行することによって、通信端末50がリクエストに対する処理を実行する。
【0069】
一方、通信端末50のGATTデータベース59が格納部28に格納されている場合(S102でYES)、制御部26は、S66において通信端末50の制御部56が実行する処理と同様に、リクエストの内容に従った処理を実行する(S104)。例えば、リクエストの内容にReadが含まれている場合、制御部26は、リクエストにおいて指定されている情報を、格納部28内のGATTデータベースから読み出す。例えば、リクエストの内容にWriteが含まれている場合、制御部26は、リクエストにおいて指定されている情報を、格納部28内のGATTデータベースに書き込む。この場合、制御部26は、予め決められたタイミングで、通信端末50に格納されているGATTデータベースに、同様の書き込みが実行されるように、通信端末50にリクエストを送信する。S104の処理が終了すると、制御部26は、S68と同様に、処理結果を含む応答を、通信端末60に送信する(S106)。
【0070】
代理応答処理では、通信端末60からの通信端末50へのリクエストに沿った処理を、通信端末50に替わって、中継装置20が実行する。これにより、中継システム5は、通信端末50と通信端末60との間で通信を中継せずに、通信端末60のリクエストに従った処理を実行することができる。
【0071】
また、中継装置20に格納されているGATTデータベースは、データ保持処理によって、通信端末50に格納されているGATTデータベース59内のデータの更新に合わせて定期的に又は不定期に更新されている。これにより、中継装置20は、更新されたGATTデータベースを用いて、通信端末60からのリクエストに対応する処理を実行することができる。
【0072】
(更新処理)
次いで、図9を参照して、中継システムが実行する更新処理を説明する。更新処理では、中継システム5が通信端末50と通信端末60との通信を中継することによって、通信端末50のGATTデータベース59内のデータが変更されると、通信端末50が、変更済みのデータを、通信端末60に送信する。
【0073】
更新処理では、S30~S64の処理が中継処理と同様である。S30~S64の処理によって、通信端末50と通信端末60との間で、中継システム5を介して接続が確立される。なお、更新処理では、S52で通信端末60から送信されるリクエストには、Notifyコマンドが含まれている。
【0074】
この結果、通信端末50は、通信端末60からNotifyコマンドを受信する。次いで、通信端末50の制御部56は、Notifyコマンドに従って、制御部56にNotifyを設定する(S120)。Notifyが設定されると、制御部56は、GATTデータベース59内のデータが更新される場合(S124)、S126~S138の処理によって、更新済みのデータが、Notifyコマンドの送信元の通信端末60に送信される。具体的には、制御部56は、更新済みのデータと、送信先の通信端末60の識別情報T60と、送信元の通信端末50の識別情報T50と、を含む第9データを、中継装置10に送信する(S126)。
【0075】
中継装置10の制御部16と中継装置20の制御部26とが、S70~S76の処理と同様に、S128~S134の処理を実行することによって、通信端末60は、更新済みのデータを含む第11データを取得することができる。なお、第10データは、Bluetoothに従って送信可能な第9データが中継装置10の制御部16によってSub-GHz通信に従って送信可能に変換されたデータである。また、第11データは、第10データが中継装置10の制御部16によってBluetoothに従って送信可能に変換されたデータである。
【0076】
更新処理によれば、通信端末60は、通信端末50でデータが更新される毎に、通信端末60から通信端末50にリクエストを送信せずに、更新済みのデータを取得することができる。
【0077】
(対応関係)
通信端末50が「第1通信端末」の一例であり、通信端末60が「第2通信端末」の一例である。中継装置10が「第1中継装置」の一例であり、中継装置20が「第2中継装置」の一例である。Bluetoothが「第1通信方式」、「第3通信方式」及び「特定通信方式」の一例であり、Sub-GHz通信が「第2通信方式」の一例であり、携帯電話通信方式が「第4通信方式」の一例である。
【0078】
なお、「第1中継装置」及び「第2中継装置」は、同一の構成を有していてもよい。言い換えると、1個の中継装置(例えば中継装置10)が、「第1中継装置」と「第2中継装置」の両者として機能するための構成を全て備えていてもよい。例えば、通信端末50が、中継装置10とBluetoothに従った通信を実行して、中継装置20を介して通信端末60と通信を実行する場合、中継装置10が「第1中継装置」の一例であり、中継装置20が「第2中継装置」の一例である一方、通信端末50が、中継装置20とBluetoothに従った通信を実行して、中継装置10を介して通信端末60と通信を実行する場合、中継装置10が「第2中継装置」の一例であり、中継装置20が「第1中継装置」の一例である。
【0079】
(第2実施例)
第1実施例と異なる点を説明する。本実施例の通信システム202では、中継装置10が、複数の通信端末50a、50bのそれぞれと、Bluetoothに従った通信のための接続を確立している。また、通信システム202では、中継装置20が、複数の通信端末60a、60bのそれぞれと、Bluetoothに従った通信のための接続を確立している。通信システム202では、通信端末50aと通信端末60aとが、図6に示すS30~S50の処理を実行することによって、中継システム5を介して通信可能に接続されている。また、通信端末50bと通信端末60bとが、図6に示すS30~S50の処理を実行することによって、中継システム5を介して通信可能に接続されている。
【0080】
この結果、中継装置10の格納部18には、通信端末50aの識別情報(即ち端末ID)T50と、中継装置20の識別情報(即ち中継装置ID)R20と、中継装置10と通信端末50aとの間で確立されている接続の識別情報(即ち接続ID)CR1と、の組み合わせと、通信端末50bの識別情報T52と、中継装置20の識別情報R20と、中継装置10と通信端末50bとの間で確立されている接続の識別情報CR2と、の組み合わせと、のそれぞれが記録されている経路テーブル219が生成される。
【0081】
同様に、中継装置20の格納部28には、中継装置20と通信端末60aとの間で確立されている接続の識別情報(即ち端末接続ID)CL1と、通信端末50aの識別情報T50と、通信端末60aの識別情報T60と、を組み合わせと、中継装置20と通信端末60bとの間で確立されている接続の識別情報CL2と、通信端末50bの識別情報T52と、通信端末60bの識別情報T62と、を組み合わせと、のそれぞれが記録されている経路テーブル229が生成される。また、制御部26は、経路テーブル229の各組み合わせに、中継装置10と中継装置20との間の接続に付与されている識別情報(即ち中継接続ID)CP1を記録する。
【0082】
中継装置20の制御部26は、図7に示すデータ保持処理を実行することによって、中継装置10に接続されている複数の通信端末50a、50bのそれぞれから、GATTデータベースを取得する。制御部26は、取得済みの複数のGATTデータベースのそれぞれに、識別情報を付与する。制御部26は、通信端末50aから取得済みのGATTデータベースに、識別情報(即ちデータベースID)「DB1」を付与し、通信端末50bから取得済みのGATTデータベースに、識別情報「DB2」を付与する。制御部26は、付与済みの識別情報DB1を通信端末50aの識別情報T50と組み合わせて経路テーブル229に格納し、付与済みの識別情報DB2を通信端末50bの識別情報T52と組み合わせて経路テーブル229に格納する。これにより、図8のS52において、通信端末60からのリクエストにおいて送信先に設定されている通信端末の識別情報を特定することによって、格納部28に格納されている複数のGATTデータベースから、リクエストに応じたGATTデータベースを特定することができる。制御部26は、特定済みのGATTデータベースを用いて、S52のリクエストの内容に従った処理を実行することができる。
【0083】
(第3実施例)
第1実施例と異なる点を説明する。本実施例の通信システム302では、中継システム305は、複数の中継装置10a、10bと、中継装置20と、を備える。複数の中継装置10a、10bのそれぞれと中継装置20とは、Sub-GHz通信に従った通信のための接続を確立している。中継装置10aは、通信端末50aとBluetoothに従った通信のための接続を確立している。中継装置10bは、通信端末50bとBluetoothに従った通信のための接続を確立している。
【0084】
通信システム302では、通信端末50aと通信端末60とが、図6に示すS30~S50の処理を実行することによって、中継システム5を介して通信可能に接続されている。また、通信端末50bと通信端末60とが、図6に示すS30~S50の処理を実行することによって、中継システム5を介して通信可能に接続されている。
【0085】
この結果、中継装置10aの格納部には、通信端末50aの識別情報T50と、中継装置20の識別情報R20と、中継装置10と通信端末50aとの間で確立されている接続の識別情報CR1と、の組み合わせが記録されている経路テーブル319aが生成される。また、中継装置10bの格納部には、通信端末50bの識別情報T52と、中継装置20の識別情報R20と、中継装置10bと通信端末50bとの間で確立されている接続の識別情報CR2と、の組み合わせと、のそれぞれが記録されている経路テーブル319bが生成される。
【0086】
同様に、中継装置20の格納部28には、中継装置20と通信端末60との間で確立されている接続の識別情報CL1と、中継装置10aと中継装置20との間で確立されている接続の識別情報CP1と、通信端末50aの識別情報T50と、通信端末60aの識別情報T60と、を組み合わせと、中継装置20と通信端末60との間で確立されている接続の識別情報CL1と、中継装置10bと中継装置20との間で確立されている接続の識別情報CP1と、通信端末50bの識別情報T52と、通信端末60bの識別情報T62と、を組み合わせと、のそれぞれが記録されている経路テーブル329が生成される。
【0087】
第2実施例と同様に、制御部26は、複数の通信端末50a、50bのそれぞれからGATTデータベースを取得し、付与済みの識別情報DB1を通信端末50aの識別情報T50と組み合わせて経路テーブル329に格納し、付与済みの識別情報DB2を通信端末50bの識別情報T52と組み合わせて経路テーブル329に格納する。
【0088】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0089】
(1)中継装置10、20間の通信は、Sub-GHz通信以外の通信方式に従った通信であってもよい。例えば、中継装置10、20間の通信の通信方式は、例えばLTE等の携帯電話通信方式、LPWA(Low Power Wide Areaの略)であってもよい。
【0090】
(2)通信端末50、60間の通信は、Bluetooth以外の通信方式に従った通信であってもよい。また、通信端末50と中継装置10との通信、及び、通信端末60と中継装置20との通信の少なくとも一方は、Bluetooth以外の通信方式に従った通信であってもよい。これらの通信方式は、少なくとも中継装置10、20間の通信の通信方式と異なっていればよい。
【0091】
(3)通信端末50は、BLEのビーコンを発信する発信器を有する装置であってもよい。この場合、通信端末50は、ビーコンを発信する発信器を有していればよく、制御部、出力部等を備えていなくてもよい。
【0092】
(4)中継装置20は、複数の通信端末と通信可能に接続されていてもよい。この場合、中継装置20は、第1通信端末と第1通信方式に従った通信が可能であり、第2通信端末と第1通信方式と異なる第2通信方式に従った通信が可能であってもよい。本変形例では、中継装置20の制御部26は、データの送信先の通信端末との通信の通信方式を特定し、特定済みの通信方式に合わせて、送信可能なデータに変換してもよい。
【0093】
(5)通信端末50、60は、通信端末50と中継装置10との間の通信の通信方式とは異なる通信方式に従って通信可能であってもよい。
【0094】
(6)中継システム5は、3個以上の複数の中継装置を備えていてもよい。通信端末50,60は、中継装置10と中継装置20とを含む複数の中継装置を介して、相互に通信可能であってもよい。この場合、中継装置10は、通信端末50から受信されるデータ等を、中継装置20と異なる別の中継装置を介して、中継装置20に送信してもよい。この場合、中継装置10は、通信端末50から受信されるデータを、別の中継装置と通信を実行するための通信方式によって送信可能な形式のデータに変換してから送信してもよい。別の中継装置は、中継装置10から受信されるデータを、中継装置20と通信を実行するための通信方式によって送信可能な形式のデータに変換してから送信してもよい。中継装置20は、別の中継装置から受信されるデータを、さらに別の中継装置を介して通信端末60に送信してもよい。この場合、中継装置20は、中継装置10から受信されるデータを、さらに別の中継装置と通信を実行するための通信方式によって送信可能な形式のデータに変換してから送信してもよい。さらに別の中継装置は、中継装置20から受信されるデータを、通信端末60と通信を実行するための通信方式によって送信可能な形式のデータに変換してから送信してもよい。なお、別の中継装置及びさらに別の中継装置では、それぞれ、2個以上の中継装置によって、通信を中継してもよい。この場合、各中継装置が、必要に応じて、受信済みのデータを、データを送信するために利用される通信方式で送信可能な形式のデータに変換してもよい。
【0095】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0096】
2 :通信システム
5 :中継システム
10 :中継装置
12 :第1通信インターフェイス
14 :第2通信インターフェイス
16 :制御部
18 :格納部
19 :経路テーブル
20 :中継装置
50 :通信端末
56 :制御部
59 :GATTデータベース
60 :通信端末
66 :制御部
70 :サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11