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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152566
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】還元剤溶液生成装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
F01N3/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055385
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】藤田 任亨
(72)【発明者】
【氏名】穴井 恒平
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AA04
3G091AB04
3G091BA14
3G091CA17
(57)【要約】
【課題】省設置スペース化を実現しつつ、還元剤溶液を適切にかつ短時間で生成する。
【解決手段】還元剤溶液生成装置1は、略水平方向に広がる底面を有する粉末貯蔵空間20内に還元剤の粉末を貯蔵する粉末貯蔵部2と、粉末貯蔵空間20において底面側である下部に設けられる吐出口を有し、吐出口から所定の溶媒を吐出する溶媒供給部5と、粉末貯蔵空間20において底面または底面近傍に設けられるフィルタ部42を有し、当該底面から溢れる溶媒を還元剤溶液としてフィルタ部42から回収する溶液回収部4とを備える。これにより、省設置スペース化を実現しつつ、還元剤溶液を適切にかつ短時間で生成することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元剤溶液を生成する還元剤溶液生成装置であって、
略水平方向に広がる底面を有する粉末貯蔵空間内に還元剤の粉末を貯蔵する粉末貯蔵部と、
前記粉末貯蔵空間において前記底面側である下部に設けられる吐出口を有し、前記吐出口から所定の溶媒を吐出する溶媒供給部と、
前記粉末貯蔵空間において前記底面または前記底面近傍に設けられるフィルタ部を有し、前記底面から溢れる前記溶媒を還元剤溶液として前記フィルタ部から回収する溶液回収部と、
を備えることを特徴とする還元剤溶液生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の還元剤溶液生成装置であって、
前記溶液回収部の前記フィルタ部が、前記粉末貯蔵空間の前記底面よりも上方に設けられることを特徴とする還元剤溶液生成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の還元剤溶液生成装置であって、
前記溶媒供給部の前記吐出口が、前記粉末貯蔵空間の前記底面近傍に設けられることを特徴とする還元剤溶液生成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の還元剤溶液生成装置であって、
前記粉末貯蔵空間の前記底面を構成する板部材により前記粉末貯蔵空間と隔てられる空間において、前記還元剤溶液を貯溜する溶液貯溜部をさらに備え、
前記溶液回収部を介して、前記粉末貯蔵空間と前記溶液貯溜部の前記空間とが連通することを特徴とする還元剤溶液生成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の還元剤溶液生成装置であって、
前記溶媒供給部が、前記吐出口から加熱した前記溶媒を吐出することを特徴とする還元剤溶液生成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の還元剤溶液生成装置であって、
前記粉末貯蔵空間の前記底面を加熱するヒータをさらに備えることを特徴とする還元剤溶液生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、還元剤溶液生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を低減するため、SCR(Selective Catalytic Reduction)が利用されている。SCRでは、尿素水、アンモニア水等の還元剤溶液が排ガス中に噴霧される。特許文献1では、洋上で還元剤溶液の補給が受けられない船舶において、高濃度の還元剤溶液を生成する装置が開示されている。当該装置では、尿素粉末(還元剤粉末)を貯蔵する粉貯蔵容器が設けられる。詳細には、粉貯蔵容器の底部には、最も低い位置である最底部と、最底部に向けて下方に傾斜した傾斜底部とが設けられる。特許文献1の図2では、粉貯蔵容器内において尿素粉末の上方に配置された複数の散水具から尿素粉末の上面に水(溶媒)が撒かれる。当該水は、尿素粉末の上面から底部に浸透し、その過程で尿素粉末が溶解して高濃度尿素水となる。高濃度尿素水は最底部に導かれ、回収される。特許文献1の図3では、上下方向に延びる浸透管が粉貯蔵容器内に配置され、浸透管に設けられた多数の開口から尿素粉末に水が供給される。
【0003】
また、特許文献2の装置では、固形還元剤を貯蔵する貯蔵タンクにおいて、右側端にプランジャが設けられ、左側端にトラフの形をした混合室が設けられる。プランジャは固形還元剤を左に押圧搬送し、混合室内に固形還元剤が供給される。また、混合室には溶媒が上から供給される。混合室において溶媒および還元剤が混合され、還元剤溶液が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6525990号公報
【特許文献2】特表2002-510005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の装置では、還元剤溶液を回収する最底部から大きく離れた位置から、溶媒の大部分が供給されるため、溶媒の供給開始から還元剤溶液の回収まで、すなわち、還元剤溶液の生成に長時間を要する。また、粉貯蔵容器の底部近傍において還元剤粉末が圧密状態となっており、当該底部近傍に到達するまでに高濃度または飽和状態となった還元剤溶液が透過しにくくなることがある。さらに、粉貯蔵容器に後から入れた還元剤粉末が優先的に溶解しやすく、先に入れた古い還元剤粉末が残留しやすくなる。傾斜底部では、大きな傾斜が設けられるため、還元剤粉末のブリッジ、ラットホールまたはショートパスが発生したり、装置の設置スペースに無駄が生じてしまう。
【0006】
特許文献2の装置では、貯蔵タンクにおいて、右側端にプランジャが設けられ、左側端にトラフの形をした混合室が設けられるため、水平方向に大きく広がる設置スペースが必要となる。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、省設置スペース化を実現しつつ、還元剤溶液を適切にかつ短時間で生成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、還元剤溶液を生成する還元剤溶液生成装置であって、略水平方向に広がる底面を有する粉末貯蔵空間内に還元剤の粉末を貯蔵する粉末貯蔵部と、前記粉末貯蔵空間において前記底面側である下部に設けられる吐出口を有し、前記吐出口から所定の溶媒を吐出する溶媒供給部と、前記粉末貯蔵空間において前記底面または前記底面近傍に設けられるフィルタ部を有し、前記底面から溢れる前記溶媒を還元剤溶液として前記フィルタ部から回収する溶液回収部とを備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の還元剤溶液生成装置であって、前記溶液回収部の前記フィルタ部が、前記粉末貯蔵空間の前記底面よりも上方に設けられる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の還元剤溶液生成装置であって、前記溶媒供給部の前記吐出口が、前記粉末貯蔵空間の前記底面近傍に設けられる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の還元剤溶液生成装置であって、前記粉末貯蔵空間の前記底面を構成する板部材により前記粉末貯蔵空間と隔てられる空間において、前記還元剤溶液を貯溜する溶液貯溜部をさらに備え、前記溶液回収部を介して、前記粉末貯蔵空間と前記溶液貯溜部の前記空間とが連通する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の還元剤溶液生成装置であって、前記溶媒供給部が、前記吐出口から加熱した前記溶媒を吐出する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の還元剤溶液生成装置であって、前記粉末貯蔵空間の前記底面を加熱するヒータをさらに備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、省設置スペース化を実現しつつ、還元剤溶液を適切にかつ短時間で生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】排ガス浄化設備の構成を示す図である。
図2】還元剤溶液生成装置を示す断面図である。
図3】還元剤溶液生成装置を示す斜視図である。
図4】隔壁板の端部近傍を拡大して示す図である。
図5】還元剤溶液生成装置の他の例を示す図である。
図6】還元剤溶液生成装置の他の例を示す図である。
図7】還元剤溶液生成装置の他の例を示す図である。
図8】還元剤溶液生成装置の他の例を示す図である。
図9】還元剤溶液生成装置の他の例を示す図である。
図10】還元剤溶液生成装置の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、排ガス浄化設備10の構成を示す図である。排ガス浄化設備10は、燃焼機関91から排出される排ガス中に還元剤溶液を供給しつつ、還元用触媒を用いて排ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するものである。本実施の形態では、還元剤溶液は、尿素水である。還元剤溶液は、アンモニア水等、他の種類の還元剤溶液であってもよい。すなわち、溶質は尿素以外であってよく、溶媒は水以外であってよい。燃焼機関91は、例えば、船舶用の内燃機関であり、この場合、排ガス浄化設備10は、船舶に搭載される。船舶では、燃焼機関91が、排ガスライン911を介して煙突(図示省略)に接続されており、排ガスライン911では、燃焼機関91にて発生した排ガスが流れる。燃焼機関91は、陸上に設けられる内燃機関または外燃機関であってもよく、排ガス浄化設備10が陸上に設けられてもよい。
【0017】
排ガス浄化設備10は、還元剤溶液生成装置1と、濃度調製装置7と、還元装置8と、制御部(図示省略)とを備える。制御部は、例えば、CPU等を備えるコンピュータであり、排ガス浄化設備10の全体制御を担う。還元装置8は、還元用触媒81と、サービスタンク82と、噴射装置83とを備える。還元用触媒81は、排ガスライン911に設けられる。サービスタンク82は、所定の濃度に調整された尿素水(以下、「調整済み尿素水」ともいう。)を貯溜する。噴射装置83は、ポンプ84を介してサービスタンク82に接続され、排ガスライン911における燃焼機関91と還元用触媒81との間の位置に調整済み尿素水を噴射する。サービスタンク82には、内部の調整済み尿素水の量を検出するレベルセンサが設けられており、調整済み尿素水の量が所定量よりも少なくなると、濃度調製装置7から調整済み尿素水がサービスタンク82に供給される。
【0018】
還元剤溶液生成装置1は、高濃度の尿素水を生成する。還元剤溶液生成装置1の構成については後述する。濃度調製装置7は、調整タンク71と、希釈部72と、撹拌部73とを備える。調整タンク71は、高濃度溶液ライン711を介して還元剤溶液生成装置1に接続される。高濃度溶液ライン711には、濃度計712、ポンプ713、バルブ714および流量計715が設けられる。高濃度溶液ライン711を介して、還元剤溶液生成装置1から調整タンク71内に高濃度の尿素水が供給される。
【0019】
希釈部72は、溶媒補給ライン721を備える。溶媒補給ライン721の一端は、後述の溶媒ライン921に接続され、他端は調整タンク71に接続される。溶媒補給ライン721には、流量計722およびバルブ723が設けられる。溶媒ライン921では、尿素水の溶媒である水が流れており、溶媒補給ライン721を介して調整タンク71内に水が供給される。撹拌部73は、調整済み溶液ライン731と、攪拌ライン736とを備える。調整済み溶液ライン731は、調整タンク71とサービスタンク82とを接続する。調整済み溶液ライン731には、濃度計732、ポンプ733およびバルブ734が設けられる。攪拌ライン736の一端は、調整済み溶液ライン731におけるポンプ733とバルブ734との間の位置に接続される。攪拌ライン736の他端は、調整タンク71に接続される。攪拌ライン736には、バルブ737が設けられる。
【0020】
撹拌部73では、バルブ737を開くことにより、調整済み溶液ライン731を流れる尿素水の全部または一部が、攪拌ライン736を介して調整タンク71に戻される。このように、調整タンク71内の尿素水を、調整済み溶液ライン731および攪拌ライン736を介して循環させることにより、調整タンク71内の尿素水を攪拌し、濃度の均一化を図ることが可能となる。
【0021】
濃度調製装置7では、調整済み溶液ライン731を流れる尿素水の濃度が濃度計732により測定され、当該濃度が所定の濃度範囲(例えば、39~41重量%)よりも高い場合には、溶媒補給ライン721から調整タンク71に水が供給される。当該濃度が所定の濃度範囲よりも低い場合には、高濃度溶液ライン711から調整タンク71に高濃度の尿素水が供給される。これにより、調整タンク71内において、所定の濃度範囲におよそ調整された尿素水(すなわち、調整済み尿素水)を保持することが可能となる。なお、濃度計732は、調整タンク71に設けられてもよい。また、調整タンク71には、内部の尿素水の量を検出するレベルセンサが設けられる。尿素水の量が所定量よりも少なくなると、高濃度溶液ライン711から調整タンク71に高濃度の尿素水が供給され、溶媒補給ライン721から調整タンク71に水が供給される。
【0022】
図2は、還元剤溶液生成装置1を示す断面図であり、図3は、還元剤溶液生成装置1を示す斜視図である。還元剤溶液生成装置1は、還元剤の粉末から還元剤溶液を生成する装置であり、本実施の形態では、尿素粉から尿素水を生成する。還元剤溶液が、他の還元剤の溶液である場合には、当該他の還元剤の粉末が還元剤溶液生成装置1において利用される。図2では、後述の短辺方向(Y方向)に垂直な還元剤溶液生成装置1の断面を示す。図3では、還元剤溶液生成装置1における後述の本体タンク11を透過させて内部の構成を示すとともに、尿素粉および尿素水の図示を省略している。実際の本体タンク11は、典型的には、光を透過させない材料により形成される。図2および図3では、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を矢印にて示している(後述の図4ないし図10において同様)。例えば、X方向およびY方向は、略水平方向であり、Z方向は、略鉛直方向である。
【0023】
還元剤溶液生成装置1は、本体タンク11を備える。本実施の形態では、本体タンク11の外形は、直方体である。本体タンク11の外形は、円柱、多角柱等の他の形状であってもよい。本体タンク11の内部には、略水平方向に広がる板部材である隔壁板21が設けられる。本体タンク11および隔壁板21は、例えば金属により形成される。隔壁板21により、本体タンク11の内部空間が、上側の空間20および下側の空間30に隔てられる。隔壁板21上には尿素粉(図2では、符号Pを付す。)が保持されており、当該上側の空間20は粉末貯蔵空間20である。隔壁板21の下方では、尿素水(図2では、符号Sを付す。)が貯溜されており、当該下側の空間30は溶液貯溜空間30である。このように、本体タンク11では、隔壁板21から上方の部位が、尿素粉を貯蔵する粉末貯蔵部2となり、隔壁板21より下方の部位が、尿素水を貯溜する溶液貯溜部3となっている。本体タンク11では、有害なガスが発生して内部に滞留することを防止するため、換気システムが設けられてもよい。
【0024】
粉末貯蔵部2において、粉末貯蔵空間20の底面は、隔壁板21の上面である。すなわち、隔壁板21は、粉末貯蔵空間20の底面を構成する板部材である。粉末貯蔵空間20の側面は、本体タンク11の側面部の内面である。粉末貯蔵空間20の上面は、本体タンク11の上面部の下面である。粉末貯蔵部2では、粉末貯蔵空間20に貯蔵される尿素粉の量を検出するレベルセンサが設けられてもよい。当該レベルセンサとしては、超音波式、レーザ式等の様々なものが利用可能である(溶液貯溜部3に設けられるレベルセンサにおいて同様)。還元剤溶液生成装置1では、粉末貯蔵空間20内の尿素粉の高さが所定のレベル以下となると、図示省略の粉末補充部により、または、作業者により粉末貯蔵空間20内に尿素粉が補充される。
【0025】
溶液貯溜部3において、溶液貯溜空間30の底面は、本体タンク11の底面部の上面である。溶液貯溜空間30の側面は、本体タンク11の側面部の内面である。溶液貯溜空間30の上面は、隔壁板21の下面である。溶液貯溜部3では、溶液貯溜空間30に貯溜される尿素水の量を検出するレベルセンサが設けられてもよい。図3の例では、Z方向に垂直な本体タンク11の断面は、X方向およびY方向に平行な辺を有する長方形であり、X方向の長さがY方向の長さよりも長い。以下の説明では、X方向を「長辺方向」といい、Y方向を「短辺方向」という。
【0026】
本体タンク11の当該断面と同様に、隔壁板21では、長辺方向の長さが短辺方向の長さよりも長い。隔壁板21において長辺方向に沿う両辺、すなわち、短辺方向の両端部は、本体タンク11における長辺方向に沿う両側面部(Y方向を向く両側面部)に対して溶接等により固定される。隔壁板21の当該両端部と本体タンク11の内面との間では、尿素粉および液体の通過は、およそ不能とされる。
【0027】
図4は、長辺方向(X方向)における隔壁板21の端部近傍を拡大して示す図である。隔壁板21において長辺方向の各端部(短辺方向に沿う隔壁板21の各辺)は、本体タンク11のX方向を向く側面部111から僅かに離れる。隔壁板21の当該端部と、当該端部に対向する本体タンク11の側面部111(以下、「対向側面部111」という。)との間には、傾斜部41およびフィルタ部42が設けられる。傾斜部41は、隔壁板21の当該端部から長辺方向の外側に連続する部材であり、当該端部から対向側面部111に近づくに従って上方に向かうように傾斜する。傾斜部41は、隔壁板21と共に粉末貯蔵空間20の底面を構成しており、粉末貯蔵空間20の底面は、受け皿形状となっている。例えば、傾斜部41は、隔壁板21となる板状部材の端部を、曲げ加工することにより形成される。傾斜部41は、別途準備した部材を隔壁板21に溶接する等、他の手法により形成されてもよい。
【0028】
フィルタ部42は、傾斜部41と対向側面部111との間に配置され、両者に接続する。フィルタ部42は、粉末貯蔵空間20の底面よりも上方に(正確には、当該底面の大部分となる隔壁板21の上面よりも上方に)配置される。図2および図3の例では、長辺方向における両側の傾斜部41およびフィルタ部42は、長辺方向に垂直な面に関して対称形状となっており、両側のフィルタ部42の上下方向(Z方向)における高さは同じである。
【0029】
フィルタ部42は、固液分離フィルタであり、尿素粉の通過をおよそ不能としつつ液体の通過を可能とする。フィルタ部42は、粉末貯蔵空間20と溶液貯溜空間30とを連通し、粉末貯蔵空間20と溶液貯溜空間30との間では、フィルタ部42を介して液体が移動可能である。フィルタ部42の一例は、多数の微小な孔部が分散して設けられた板部材である。フィルタ部42は、ラビリンス構造等により、尿素粉の通過をおよそ不能としつつ液体の通過を可能とするものであってもよい。図2ないし図4の例では、隔壁板21の長辺方向両外側に設けられる傾斜部41およびフィルタ部42が、溶液回収部4となる。
【0030】
還元剤溶液生成装置1は、溶媒供給部5をさらに備える。図3に示すように、溶媒供給部5は、短辺方向に延びる複数の溶媒配管51を備える。複数の溶媒配管51は、粉末貯蔵空間20に配置される。図2ないし図4の例では、複数の溶媒配管51は、隔壁板21の上面に接触または近接した状態で、隔壁板21または本体タンク11に固定される。複数の溶媒配管51は、長辺方向においてフィルタ部42からずれた位置にて、長辺方向に一定の間隔を空けて配列される。各溶媒配管51には、複数の吐出口511(図4参照)が長手方向に配列形成される。複数の吐出口511は、隔壁板21とは反対側(上方)に向かって開口する。複数の吐出口511は、粉末貯蔵空間20の底面近傍に配置される。各吐出口511と粉末貯蔵空間20の底面との間の距離は、例えば50cm以下であり、好ましくは30cm以下である。複数の吐出口511は、粉末貯蔵空間20の底面(隔壁板21の上面)に設けられてもよい。また、複数の吐出口511は、それぞれ異なる高さに設けられてもよい。
【0031】
複数の溶媒配管51は、図1に示す溶媒ライン921を介して溶媒供給源92に接続される。溶媒ライン921には、ポンプ922およびヒータ923が設けられる。溶媒供給源92から供給されて溶媒ライン921を流れる水(溶媒)は、ヒータ923により所定の温度(例えば、50~80℃)に加熱され、図2の複数の溶媒配管51に導かれる。これにより、複数の吐出口511から加熱した水(温水)が吐出される。各溶媒配管51において複数の吐出口511は、一様に分散して設けられており、当該溶媒配管51の近傍では、短辺方向にほぼ均等な量の水が吐出される。
【0032】
なお、排ガス浄化設備10が船舶に搭載される場合には、溶媒供給源92は、例えば水を精製する造水機である。排ガス浄化設備10が陸上に設けられる場合には、溶媒供給源92は、上水道、工業用水道等であってもよい。ヒータ923では、燃焼機関91から取り出した熱水や蒸気が利用されてもよい(後述のヒータ22において同様)。還元剤溶液生成装置1の設計によっては、溶媒配管51の個数が1つであってもよい。
【0033】
還元剤溶液生成装置1において、尿素水を生成する際には、複数の溶媒配管51における複数の吐出口511から、加熱した水が吐出(例えば、噴射)される。吐出口511からの水は、隔壁板21上に溜まる。これにより、隔壁板21近傍の尿素粉が当該水に均一に晒され、当該水に尿素粉が溶解する。隔壁板21上の水の高さが、傾斜部41の上端を超えると、当該水がフィルタ部42を介して溶液貯溜空間30に導かれる。換言すると、フィルタ部42は、粉末貯蔵空間20の底面から溢れる水(オーバーフローする水)を還元剤溶液として回収する回収口である。隔壁板21の上面から傾斜部41の上端までの高さ、すなわち、隔壁板21の上面からフィルタ部42までの高さは、例えば50cm以下であり、好ましくは30cm以下である。これにより、粉末貯蔵空間20において過度に多量の水が貯溜されることが防止される。また、当該高さは、例えば1cm以上であり、好ましくは3cm以上である。これにより、隔壁板21の上面全体にて水を保持することがより確実に実現される。既述のように、複数の吐出口511が隔壁板21の上面に設けられる場合には、隔壁板21の上面からフィルタ部42までの高さを、ある程度大きくすることが好ましい。この場合、当該高さは、例えば20cm以上であり、好ましくは、30cm以上である。
【0034】
還元剤溶液生成装置1では、溶媒配管51のいずれの吐出口511も、フィルタ部42から長辺方向にある程度離れている。したがって、各吐出口511から吐出された水は、原則として隔壁板21上へと到達する。その後、当該水は、長辺方向の外側に向かって移動し、フィルタ部42から排出される。当該水の移動において、尿素粉が十分に当該水に溶解するため、高濃度の尿素水をフィルタ部42から回収することが可能である。回収された尿素水は溶液貯溜部3にて貯溜される。フィルタ部42から、十分に高い濃度の尿素水を回収するには、吐出口511とフィルタ部42との間の最短距離は、好ましくは40cm以上であり、より好ましくは50cm以上である。当該最短距離は、例えば150cm以下である。吐出口511とフィルタ部42との間の最短距離は、必要とする尿素水の濃度に応じて適宜変更されてよい。
【0035】
溶液貯溜部3内の高濃度の尿素水は、図1の高濃度溶液ライン711を介して調整タンク71に供給される。なお、濃度調製装置7では、補助ライン716が設けられており、補助ライン716の一端は、高濃度溶液ライン711におけるポンプ713とバルブ714との間に接続され、補助ライン716の他端は、溶媒ライン921に接続される。高濃度溶液ライン711の濃度計712にて測定される尿素水の濃度が、所定の濃度範囲よりも低い場合には、補助ライン716のバルブ717を開くことにより、高濃度溶液ライン711を流れる尿素水の全部または一部が、補助ライン716および溶媒ライン921を介して複数の溶媒配管51に供給されてもよい。これにより、尿素水の濃度をより確実に高くすることができる。
【0036】
図3に示すように、還元剤溶液生成装置1では、隔壁板21に複数の微小なドレン孔211が設けられてもよい。ドレン孔211の直径は、例えば2~4mmである。還元剤溶液生成装置1において尿素水の生成を終了した後、粉末貯蔵空間20に残留する水は、ドレン孔211を介して溶液貯溜部3に少しずつ排出される。このように、ドレン孔211を設けることにより、粉末貯蔵空間20に水が残留し続けることを防止または抑制することができる。
【0037】
ここで、特許第6525990号公報(上記特許文献1)の装置を比較例の装置として、図2の還元剤溶液生成装置1と比較する。比較例の装置では、還元剤溶液を回収する最底部から大きく離れた位置から、溶媒の大部分が供給されるため、溶媒の供給開始から還元剤溶液の回収まで、すなわち、還元剤溶液の生成に長時間を要する。また、粉貯蔵容器の底部近傍において還元剤粉末が圧密状態となっており、当該底部近傍に到達するまでに高濃度または飽和状態となった還元剤溶液が透過しにくくなることがある。さらに、粉貯蔵容器に後から入れた還元剤粉末が優先的に溶解しやすく、先に入れた古い還元剤粉末が残留しやすくなる。
【0038】
比較例の装置では、傾斜底部として大きな傾斜が設けられるため、還元剤粉末のブリッジ等が発生したり、装置の設置スペースに無駄が生じてしまう。また、当該傾斜底部の影響により、粉貯蔵容器内において還元剤粉末の高さを均一に減少させることが困難となる。還元剤粉末の高さが不均一に減少すると、平面視した場合に還元剤粉末が局所的に少ない部分が発生する可能性がある。この場合、当該部分を通過した還元剤溶液の濃度が低くなり、高濃度の還元剤溶液を安定して生成することができなくなる。このような傾斜底部における問題は、ホッパー形状の容器を用いる場合も同様である。
【0039】
これに対し、図2の還元剤溶液生成装置1では、粉末貯蔵部2において、略水平方向に広がる底面を有する粉末貯蔵空間20内に還元剤の粉末が貯蔵される。溶媒供給部5では、粉末貯蔵空間20において当該底面側である下部に設けられる吐出口511から所定の溶媒が吐出される。また、溶液回収部4が、粉末貯蔵空間20において当該底面近傍に設けられるとともに、上下方向において吐出口511と重ならない位置に配置されるフィルタ部42を有する。そして、当該底面から溢れる溶媒が還元剤溶液としてフィルタ部42から回収される。
【0040】
このように、粉末貯蔵空間20の下部に吐出口511が設けられることにより、吐出口511がフィルタ部42から過度に離れることを防止することができ、溶媒の供給開始から還元剤溶液の回収までに要する時間(すなわち、還元剤溶液の製造時間)を短くすることができる。また、還元剤粉末が圧密状態となる粉末貯蔵空間20の底面近傍に溶媒が吐出されるため、当該底面近傍において当該溶媒(還元剤溶液)が透過しにくくなることを抑制することができる。さらに、粉末貯蔵空間20に先に入れた古い還元剤粉末を優先的に溶解させることができ、古い還元剤粉末が残留することを防止することができる。粉末貯蔵空間20の底面が略水平方向に広がる、すなわち、当該底面に大きな傾斜が設けられることがないため、還元剤粉末のブリッジ等が発生したり、装置の設置スペースに無駄が生じることを防止または抑制することができる。また、粉末貯蔵空間20の底面において溶媒が略全体的に広がるため、還元剤粉末の高さを均一に減少させることが可能となる。これにより、平面視した場合に還元剤粉末が局所的に少ない部分が発生することが抑制され、高濃度の還元剤溶液を安定して生成することが可能となる。
【0041】
以上のように、還元剤溶液生成装置1では、省設置スペース化を実現しつつ、還元剤溶液を適切にかつ短時間で生成することができる。また、還元剤粉末のブリッジ等の発生を防止するブリッジブレーカや、エアレーションも不要となるため、還元剤溶液生成装置1の製造コストを削減することができる。還元剤粉末の高さを均一に減少させることが可能な還元剤溶液生成装置1では、粉末貯蔵空間20内の還元剤粉末の残量の管理も容易となる。
【0042】
ところで、尿素粉が水に溶解する際には、吸熱反応が生じるため、当該水の温度が低下する。したがって、最底部から大きく離れた位置から溶媒が供給される上記比較例の装置では、粉貯蔵容器内において過度に吸熱反応が生じ(水の温度が過度に低下し)、氷結が発生する可能性がある。
【0043】
これに対し、粉末貯蔵空間20の下部に吐出口511が設けられる還元剤溶液生成装置1では、吐出口511からフィルタ部42までの経路の長さが短くなり、粉末貯蔵空間20内において水の温度が過度に低下することを抑制することができる。その結果、氷結が発生することを抑制することができる。好ましい還元剤溶液生成装置1では、粉末貯蔵空間20において下部に設けられる吐出口511から加熱した水が吐出される。これにより、粉末貯蔵空間20内における氷結の発生をより確実に抑制することができる。
【0044】
好ましくは、溶液回収部4のフィルタ部42が、粉末貯蔵空間20の底面よりも上方に設けられる。これにより、当該底面近傍の還元剤粉末を均一に溶媒に晒すことが容易に可能となり、高濃度の還元剤溶液をより適切に生成することができる。
【0045】
好ましい還元剤溶液生成装置1は、溶液貯溜部3をさらに備える。溶液貯溜部3は、隔壁板21により粉末貯蔵空間20と隔てられる空間30(溶液貯溜空間30)を有する。粉末貯蔵空間20と溶液貯溜部3の空間30とが、溶液回収部4を介して連通し、当該空間30において還元剤溶液が貯溜される。このように、粉末貯蔵空間20と溶液貯溜空間30とを上下方向に配置した還元剤溶液生成装置1では、さらなる省設置スペース化を図ることができる。
【0046】
還元剤溶液生成装置1では、図4中に二点鎖線にて示すように、粉末貯蔵空間20の底面を加熱するヒータ22が設けられてもよい。図4の例では、ヒータ22は、隔壁板21の下面に取り付けられ、隔壁板21上の尿素粉および水を加熱する。これにより、吸熱反応による温度低下により尿素粉の溶解量が減少したり、粉末貯蔵空間20内において氷結が生じることを、より確実に抑制することができる。換言すると、高濃度の還元剤溶液をより確実に生成することができる。ヒータ22は、隔壁板21の上面に取り付けられてもよく、隔壁板21の内部に埋め込まれてもよい。ヒータ22を設ける場合に、図1の溶媒ライン921のヒータ923が省略され、加熱していない水(常温の水)が吐出口511から吐出されてもよい。所望の濃度の尿素水が生成可能であるならば、ヒータ923およびヒータ22の両方が省略されてもよい。
【0047】
上記還元剤溶液生成装置1では様々な変形が可能である。
【0048】
図5に示すように、長辺方向に関して本体タンク11の全体に広がる隔壁板21が設けられ、各対向側面部111にフィルタ部42が設けられてもよい。図5の還元剤溶液生成装置1では、フィルタ部42は、隔壁板21よりも僅かに上方に配置され、フィルタ部42と溶液貯溜空間30とを接続する排出管43が設けられる。隔壁板21の上面からフィルタ部42までの高さは、例えば50cm以下であり、好ましくは30cm以下である。また、図6の還元剤溶液生成装置1では、長辺方向における隔壁板21の両端部において、円筒部材44が隔壁板21から上方に突出するように設けられる。円筒部材44は、有蓋かつ中空であり、側面部において隔壁板21よりも僅かに上方に位置する部位が、フィルタ部42とされる。隔壁板21の上面からフィルタ部42までの高さは、例えば50cm以下であり、好ましくは30cm以下である。図5および図6の還元剤溶液生成装置1では、粉末貯蔵空間20の底面上において溶媒がフィルタ部42の高さまで溜まる。これにより、当該底面近傍の還元剤粉末を均一に溶媒に晒すことができ、高濃度の還元剤溶液を適切に生成することができる。
【0049】
図7に示すように、フィルタ部42が隔壁板21、すなわち、粉末貯蔵空間20の底面に設けられてもよい。また、図7中に二点鎖線にて示すように、フィルタ部42が、隔壁板21よりも僅かに下方に設けられてもよい。いずれの場合でも、溶媒供給部5からの溶媒が隔壁板21の上面に沿って広がるため、隔壁板21近傍の還元剤粉末が当該溶媒に均一に晒される。そして、当該底面から溢れる溶媒が還元剤溶液としてフィルタ部42から回収される。
【0050】
フィルタ部42は、必ずしも粉末貯蔵空間20の底面の外縁近傍に配置される必要はない。例えば、図6の還元剤溶液生成装置1において、フィルタ部42を含む円筒部材44が粉末貯蔵空間20の底面の中央部に配置されてもよい。
【0051】
溶媒供給部5の吐出口511は、必ずしも粉末貯蔵空間20の底面近傍に設けられる必要はなく、図7に示すように、当該底面から上方に僅かに離れた位置に設けられてもよい。図7の例では、吐出口511は下方を向く。溶媒の供給開始から還元剤溶液の回収までに要する時間を短くして、還元剤溶液を短時間で生成するという観点では、吐出口511がフィルタ部42から過度に離れていない位置、すなわち、粉末貯蔵空間20における下部に設けられていればよい。粉末貯蔵空間20の下部は、例えば、粉末貯蔵空間20を上下方向に3等分した場合における底面側の部分である。粉末貯蔵空間20の残りの部分、すなわち、上部および中部には、吐出口511が設けられないことが好ましい。また、図2、並びに、図5ないし図7の例では、フィルタ部42と吐出口511とが、上下方向において互いに重ならない位置に配置されるが、例えば、図6のように、フィルタ部42の上方にフィルタ部42を覆う部材(図6では、円筒部材44の蓋部)が設けられる場合には、フィルタ部42と吐出口511とが、上下方向において互いに重なっていてもよい。
【0052】
還元剤溶液生成装置1の設計によっては、溶液貯溜部3が省略されてもよい。図8では、図5の還元剤溶液生成装置1から溶液貯溜部3を省略したものを示しており、排出管43が高濃度溶液ライン711を介して調整タンク71に接続される。図9では、図6の還元剤溶液生成装置1から溶液貯溜部3を省略したものを示しており、円筒部材44の下端が高濃度溶液ライン711を介して調整タンク71に接続される。このように、溶液貯溜部3は、必要に応じて設けられていればよい。なお、図8および図9では、高濃度溶液ライン711のポンプ713等の図示を省略している。
【0053】
還元剤溶液生成装置1では、粉末貯蔵空間20の底面(隔壁板21の上面)が、必ずしも厳密に水平方向に広がっている必要はなく、図10のように、当該底面が、水平面に対して僅かに傾斜していてもよい。図10の例では、フィルタ部42が、当該底面の最も高い位置近傍に配置される、すなわち、当該底面が、フィルタ部42に向かうに従って高くなる。この場合も、溶媒供給部5からの溶媒は、当該底面上にある程度溜まり、当該底面近傍の還元剤粉末が当該溶媒に晒される。還元剤溶液生成装置1では、粉末貯蔵空間20の底面が、略水平方向に広がっていればよい。水平面に対する当該底面の傾斜角は、例えば30度以下であり、好ましくは20度以下であり、より好ましくは10度以下である。
【0054】
既述のように、本体タンク11の外形は、直方体以外に、円柱、多角柱等の他の形状であってよい。
【0055】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0056】
1 還元剤溶液生成装置
2 粉末貯蔵部
3 溶液貯溜部
4 溶液回収部
5 溶媒供給部
20 粉末貯蔵空間
21 隔壁板
22 ヒータ
30 溶液貯溜空間
42 フィルタ部
511 吐出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10