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  • 特開-ドアホンおよびドアホンシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152609
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ドアホンおよびドアホンシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20221004BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20221004BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20221004BHJP
   G08B 13/196 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H04M9/00 D
G08B25/04 J
G08B25/00 510M
G08B13/196
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055444
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】牧田 舞
(72)【発明者】
【氏名】山下 咲衣子
(72)【発明者】
【氏名】峰田 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】楠 浩和
【テーマコード(参考)】
5C084
5C087
5K038
【Fターム(参考)】
5C084AA03
5C084AA09
5C084AA13
5C084CC31
5C084DD07
5C084DD11
5C084EE03
5C084EE04
5C084FF02
5C084GG78
5C087BB20
5C087DD05
5C087DD24
5C087DD36
5C087EE18
5C087FF02
5C087FF24
5C087GG02
5C087GG10
5C087GG20
5C087GG46
5C087GG67
5K038AA06
5K038CC01
5K038DD13
5K038DD16
5K038DD21
5K038GG02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安全かつ手軽に見守り状態を解除する配達物の見守りを行うドアホン及びドアホンシステムを提供する。
【解決手段】ドアホンシステム1において、ドアホン2は、玄関周辺を撮影するカメラ21と、来訪者が居住者を呼び出す呼出ボタン22と、来訪者が居住者と通話するためのマイク23及びスピーカ24と、を備える。また、ドアホン2は、ドアホン2を配達物を見守る見守り状態に制御する制御部25をさらに備える。制御部25は、ドアホン周辺の携帯端末3を認証する認証部251を含み、認証部251による認証が成功した場合見守り状態を解除し、ペアリングされた携帯端末3とBluetooth(登録商標)を介して接続することにより認証を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関周辺を撮影するカメラと、来訪者が居住者を呼び出す呼出操作手段と、来訪者が居住者と通話するための通話手段と、を備えたドアホンであって、
前記ドアホンを配達物を見守る見守り状態に制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段が、前記ドアホン周辺の携帯端末を認証する認証手段を含み、
前記制御手段は、前記認証手段による認証が成功した場合に前記見守り状態を解除することを特徴とするドアホン。
【請求項2】
前記制御手段が、居住者の携帯端末と前記ドアホンとをBluetooth(登録商標)によりペアリングするペアリング手段を含み、
前記認証手段は、ペアリングされた携帯端末とBluetooth(登録商標)を介して接続することにより認証を行う請求項1に記載のドアホン。
【請求項3】
前記制御手段が、居住者の顔情報を登録する顔情報登録手段と、登録された顔情報に基づいて顔認証する顔認証手段と、を含み、
前記制御手段は、前記顔認証手段による認証が成功した場合に前記見守り状態を解除する請求項1または2に記載のドアホン。
【請求項4】
前記制御手段が、前記呼出手段の操作パターンを登録する操作パターン登録手段と、登録された操作パターンに基づいて認証を行う操作パターン認証手段と、を含み、
前記制御手段は、前記操作パターン認証手段による認証が成功した場合に前記見守り状態を解除する請求項1~3のいずれか一項に記載のドアホン。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のドアホンと、配達物に関する配達物情報が記録されている外部機器と、前記ドアホンと前記認証情報を通信する携帯端末と、を備え、
前記制御手段は、前記外部機器と通信可能であり、前記配達物情報に基づいて前記ドアホンを前記見守り状態に制御するドアホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配達物の見守りを行うドアホンおよびドアホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宅配業者の手間やコストを削減するため、玄関先に配達物を置いて配達する、いわゆる「置き配」サービスが行われている。置き配サービスは、受け取り人が不在の場合でも配達物の受け取りができ、大変便利なサービスであるが、他方、配達物の盗難を防止する仕組みが必要となる。例えば、特許文献1には、カメラを備え、配達時刻から一定時間、カメラの撮像範囲を配達物を含むように変更し、配達物を見守るドアベルの発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-149692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配達物の見守りを行うドアホンおよびドアホンシステムにおいて、安全かつ手軽に見守り状態を解除したいという要望があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のドアホンは、以下の特徴を備える。
(1)玄関周辺を撮影するカメラと、来訪者が居住者を呼び出す呼出操作手段と、来訪者が居住者と通話するための通話手段と、を備え、ドアホンを配達物を見守る見守り状態に制御する制御手段をさらに備え、制御手段が、ドアホン周辺の携帯端末を認証する認証手段を含み、制御手段は、認証手段による認証が成功した場合に見守り状態を解除すること。
【0006】
(2)このとき、制御手段が、居住者の携帯端末とドアホンとをBluetooth(登録商標)によりペアリングするペアリング手段を含み、認証手段は、ペアリングされた携帯端末とBluetooth(登録商標)を介して接続することにより認証を行うこと。
【0007】
(3)また、制御手段が、居住者の顔情報を登録する顔情報登録手段と、登録された顔情報に基づいて顔認証する顔認証手段と、を含み、制御手段は、顔認証手段による認証が成功した場合に見守り状態を解除すること。
【0008】
(4)さらに、制御手段が、呼出手段の操作パターンを登録する操作パターン登録手段と、登録された操作パターンに基づいて認証を行う操作パターン認証手段と、を含み、制御手段は、操作パターン認証手段による認証が成功した場合に見守り状態を解除すること。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のドアホンシステムは、(1)~(4)のいずれか一つに記載のドアホンと、配達物に関する配達物情報が記録されている外部機器と、ドアホンと認証情報を通信する携帯端末と、を備え、制御手段は、外部機器と通信可能であり、配達物情報に基づいてドアホンを見守り状態に制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のドアホンおよびドアホンシステムによれば、あらかじめ登録した携帯端末を持ってドアホンに近寄るだけで見守り状態を解除できるため、素早く簡単に、配達物を受け取ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態を示すドアホンシステムの概略図である。
図2図1のドアホンシステムの構成を示すブロック図である。
図3】(a)見守り状態を解除する様子を示す動作説明図である。(b)見守り状態中に配達物が持ち去られた様子を示す動作説明図である。
図4】(a)認証成功し、見守り状態が解除されたドアホンの前から配達物を移動させる様子を示す動作説明図である。(b)認証失敗し、見守り状態中のドアホンの前から配達物を移動させる様子を示す動作説明図である。
図5】顔認証、操作パターンによる認証を増設したドアホンの制御部の構成を示すブロック図である。
図6】見守り状態の解除の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をドアホン2およびドアホンシステム1に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1,2に示すように、この実施形態のドアホンシステム1は、ドアホン2と、ドアホン2とインターネットN経由で通信するクラウドサーバ4と、携帯端末3と、宅配業者が携帯する外部機器5から構成される。また、ドアホン2は、クラウドサーバ4を介して外部機器5と通信可能に設けられている。外部機器5は、配達物Dに関する情報である配達物情報51を記憶している。外部機器5や携帯端末3としては、スマートフォン、タブレット、モバイルPCなどの携帯可能な情報通信端末を選択できる。
【0013】
ドアホン2は、玄関周辺を撮影するカメラ21と、来訪者が居住者を呼び出す呼出操作手段としての呼出ボタン22と、来訪者が居住者P1と通話するための通話手段であるマイク23およびスピーカ24と、ドアホン2を制御する制御部25と、携帯端末3とBluetooth(登録商標)接続するためのインターフェース26を備える。このとき、インターフェース26は、ペアリング手段として機能する。また、制御部25は、ドアホン2のCPUに搭載される。
【0014】
制御部25は、ドアホン2が外部機器5から「置き配完了」を示す配達物情報51を受信すると、ドアホン2を見守り状態に制御する。
【0015】
ここで、「見守り状態に制御する」とは、例えば、図3に示すように、制御部25が、カメラ21の撮影範囲Rを、来訪者などを含む範囲Raから配達物Dを含む範囲Rbに変更することが挙げられる。そして、見守り状態を解除するときには、制御部25は、カメラ21の撮影範囲Rを範囲Rbから範囲Raに変更する。
【0016】
図3(b)に示すように、制御部25はカメラ21の映像を監視し、見守り状態中に配達物Dの位置が変更された場合に、スピーカ24から「配達されたお荷物を確認できません。」などの警告メッセージ27を出力する。このとき、ドアホン2に、居住者P1の携帯端末3aを登録し、登録された携帯端末3aに配達物Dが持ち去られたことを報知するメッセージを表示したり、警告音を出力したりすることも可能である。
【0017】
制御部25は、ドアホン2周辺の携帯端末3を認証する認証部251を備える。認証部251は、ドアホン2と予めペアリングされた携帯端末3とがBluetooth(登録商標)により接続を試み、接続が成功したことをもって、認証成功とする。Bluetooth(登録商標)の規格としては、様々な規格を採用することが可能であるが、省電力の観点から、Bluetooth4.0以降であることが好ましい。
【0018】
図4(a)に示すように、居住者P1がペアリングされた携帯端末3aを持ってドアホン2に近づくと、ドアホン2と携帯端末3aとがBluetooth(登録商標)により接続され、認証部251は、接続が成功したことを以て携帯端末3aを認証し、制御部25は見守り状態を解除する。このとき、居住者P1は、配達物Dを移動させることができるようになる。
【0019】
一方、図4(b)に示すように、居住者以外の人物P2がペアリングされていない携帯端末3bを持ってドアホン2に近づくと、ドアホン2は携帯端末3bとがBluetooth(登録商標)により接続を試みるが、ペアリングされていないために接続が失敗する。認証部251は、携帯端末3bを認証せず、制御部25は見守り状態を解除しない。このとき、人物P2が配達物Dを移動させると、制御部25はスピーカ24から警告メッセージを出力する。
【0020】
図5に示すように、制御部25に、カメラ21から入力した画像や映像に含まれる顔情報を登録する顔情報登録部252と、登録された顔情報に基づいて顔認証する顔認証部253を設けることもできる。このとき、制御部25を、顔認証部253による認証が成功した場合に見守り状態を解除するように構成する。
【0021】
また、制御部25に、呼出ボタン22の操作パターンを登録する操作パターン登録部254と、登録された操作パターンに基づいて認証する操作パターン認証部254を設けることもできる。このとき、制御部25を、操作パターン認証部254による認証が成功した場合に見守り状態を解除するように構成する。操作パターン登録部254には、呼出ボタン22を所定時間、所定の間隔で、複数回操作するなど、様々な操作パターンを登録できる。
【0022】
次に、上記構成のドアホン2およびドアホンシステム1の動作について図6に基づいて説明する。ドアホン2が外部機器5から「置き配完了」を示す配達物情報51を受信すると、制御部25はドアホン2を見守り状態に制御する(S1)。居住者P1がペアリングされた携帯端末3aを持ってドアホン2に近づくと(S2)、ドアホン2と携帯端末3aとがBluetooth(登録商標)による接続を試み(S3)、接続が成功し(S3:Yes)、認証部251による認証が成功する(S5)。その後、制御部25は、見守り状態を解除する(S6)。
【0023】
一方、居住者P1以外の人物P2がペアリングされていない携帯端末3bを持ってドアホン2に近づくと、ドアホン2と携帯端末3bとがBluetooth(登録商標)により接続を試みるが(S3)、接続は失敗し(S4:No)、認証部251による認証も失敗する(S7)。この場合には、見守り状態は継続される(S1)。
【0024】
以上のように構成されたドアホン2またはドアホンシステム1によれば、居住者P1は自身の携帯端末3aをペアリングしておき、携帯端末3aを持ってドアホン2に近づくことによって見守り状態を解除できるため、手軽かつスムーズな動作で見守り状態を解除できるという効果を有する。また、認証部251、顔認証部253、操作パターン認証部254による認証の一部または全てを組み合わせることにより、さらにセキュリティを向上させることが可能となる。
【0025】
その他、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の構成を任意に変更して実施することも可能である。例えば、認証部251による認証が失敗した場合に、スピーカ24から警報ブザーを出力することも可能である。また、ドアホン2にLED(図示なし)を設け、認証部251による認証が失敗した場合に、LEDを点灯することも可能である。さらに、認証部251による認証が失敗した場合に、居住者P1の携帯端末3aに報知を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0026】
1 ドアホンシステム
2 ドアホン
3 携帯端末
4 クラウドサーバ
5 外部機器
21 カメラ
22 呼出ボタン
23 マイク
24 スピーカ
25 制御部
26 インターフェース
27 警告メッセージ
51 配達物情報
251 認証部
252 顔情報登録部
253 顔認証部
254 操作パターン登録部
255 操作パターン認証部
D 配達物
R 撮影範囲
P1 居住者
P2 人物
図1
図2
図3
図4
図5
図6