(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152648
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】光源装置およびプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
F21V 19/02 20060101AFI20221004BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20221004BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20221004BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20221004BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20221004BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20221004BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20221004BHJP
F21Y 107/70 20160101ALN20221004BHJP
F21Y 107/80 20160101ALN20221004BHJP
【FI】
F21V19/02 300
G02B26/10 G
G02B26/08 Z
G02B26/10 105Z
F21S2/00 311
F21S2/00 355
F21V19/00 170
B81B3/00
F21Y115:30
F21Y107:70
F21Y107:80
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055497
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】小松 雅弘
【テーマコード(参考)】
2H045
2H141
3C081
3K013
【Fターム(参考)】
2H045AF02
2H045AG06
2H045AG07
2H045AG08
2H045AG09
2H045BA12
2H045BA22
2H045BA24
2H141MA12
2H141MB45
2H141MC05
2H141MD13
2H141MD16
2H141MG03
2H141MZ16
3C081AA11
3C081BA21
3C081BA22
3C081BA27
3C081BA28
3C081BA44
3C081BA47
3C081BA54
3C081EA07
3C081EA11
3K013AA02
3K013BA01
3K013CA02
3K013FA06
(57)【要約】
【課題】光源装置およびプロジェクタを小型化する。
【解決手段】本発明に係る光源装置11は、光を出射する発光素子12と光を走査する走査素子13とを備え、光の進行ベクトルが、走査素子13の表面に対する垂直方向成分について正の成分のみを含む。これにより、発光素子12と走査素子13とを一体化する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する発光素子と
前記光を走査する走査素子とを備え、
前記光の進行ベクトルが、前記走査素子の表面に対する垂直方向成分について正の成分のみを含む
ことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記走査素子が2軸方向に回動する
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記発光素子が前記走査素子に搭載される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記走査素子が光透過部を備え、
前記発光素子の出射光が、前記光透過部を透過する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項5】
前記光透過部に光屈折素子が設けられる
ことを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記走査素子が、固定フレームと、可動フレームと、可動部とを備え、
前記可動フレームが、前記可動フレームの両側に形成された第1の梁を介して、前記固定フレーム内に接続され、
前記可動部が、前記可動部の両側に形成された第2の梁を介して、前記可動フレームの内部に接続され、
前記第1の梁の方向が、前記第2の梁の方向に垂直である
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光源装置と、
制御部と
を備えるプロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置と、この光源装置を内蔵するプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータの画面やビデオ画像等の画像をスクリーンに投影する画像投影装置としてプロジェクタが用いられてきた。これらのプロジェクタでは、光源装置から射出された光をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーに反射させて走査することにより、画像をスクリーンに投影する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプロジェクタでは、光源からの光をミラーに反射させる構成において光源とミラーとが離れた位置に配置されるため、プロジェクタを小型化することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述したような課題を解決するために、本発明に係る光源装置は、光を出射する発光素子と前記光を走査する走査素子とを備え、前記光の進行ベクトルが、前記走査素子の表面に対する垂直方向成分について正の成分のみを含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る光源装置は、前記走査素子が2軸方向に回動してもよい。
【0007】
また、本発明に係る光源装置は、発光素子が前記走査素子に搭載されてもよい。
【0008】
また、本発明に係る光源装置は、前記走査素子が光透過部を備え、前記発光素子の出射光が、前記光透過部を透過してもよい。
【0009】
また、本発明に係る光源装置は、前記光透過部に光屈折素子が設けられてもよい。
【0010】
また、本発明に係る光源装置は、前記走査素子が、固定フレームと、可動フレームと、可動部とを備え、前記可動フレームが、前記可動フレームの両側に形成された第1の梁を介して、前記固定フレーム内に接続され、前記可動部が、前記可動部の両側に形成された第2の梁を介して、前記可動フレームの内部に接続され、前記第1の梁の方向が、前記第2の梁の方向に垂直であってもよい。
【0011】
また、本発明に係るプロジェクタは、前記光源装置と、制御部とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発光素子と走査素子とを一体化でき、小型の光源装置およびプロジェクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプロジェクタの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光源装置の動作を説明するための図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施例に係る光源装置の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施例に係る光源装置の動作を説明するための概略側面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2の実施例に係る光源装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る光源装置およびプロジェクタについて、
図1、2を参照して説明する。
【0015】
<光源装置およびプロジェクタの構成>
本実施の形態に係るプロジェクタ1は、
図1に示すように、光源装置1_1と制御部1_4とを備える。光源装置1_1は発光素子1_2と走査素子1_3を備え、制御部1_4は発光素子駆動電源1_5と走査素子駆動電源1_6とを備える。発光素子1_2が発光素子駆動電源1_5と接続され、走査素子1_3が走査素子駆動電源1_6と接続される。
【0016】
<光源装置の動作>
本実施の形態に係るプロジェクタ1における光源装置1_1の動作を、
図2(a)を参照して説明する。比較のために、
図2(b)に、従来のプロジェクタの光源装置の構成を示す。
【0017】
ここで、光源装置1_1または走査素子1_3’の出射面(表面)に対する垂直方向をZ方向とする。また、Z方向における正方向(Z+方向)を、光源装置1_1または走査素子1_3’から光が出射する側の方向とする。また、Z方向における負方向(Z-方向)を、光源装置1_1または走査素子1_3’から光が出射する側の反対側の方向とする。
【0018】
従来のプロジェクタの光源装置の構成では、発光素子1_2’の出射光Lを走査素子1_3’で反射して、走査素子1_3’を駆動(回動)して反射光Rを走査する。
【0019】
この構成では、
図2(b)に示すように、発光素子1_2’の出射光Lの進行ベクトルが、負のZ方向成分(Z-)を含み、走査素子1_3’からの反射光Rの進行ベクトルが、正のZ方向成分(Z+)を含む。
【0020】
このように、この構成における光の進行ベクトルは、負のZ方向成分(Z-)と正のZ方向成分(Z+)を含む。
【0021】
したがって、従来のプロジェクタの光源装置の構成では、反射光Rを利用するので、発光素子1_2’と走査素子1_3’との間に所定の距離を要するため、プロジェクタの小型化が困難である。
【0022】
一方、本実施の形態に係るプロジェクタ1の光源装置1_1では、発光素子1_2と走査素子1_3とを一体化することにより、反射光を用いることなく、出射光Lまたは透過光Tを用いる。この出射光Lまたは透過光Tを、走査素子1_3を駆動(回動)することにより走査して投影する。
【0023】
この構成では、
図2(a)に示すように、光源装置1_1の出射光Lまたは透過光Tの進行ベクトルは、負のZ方向成分(Z-)を含まず、正のZ方向成分(Z+)のみを含む。
【0024】
したがって、本実施の形態に係る光源装置1_1では、反射光を用いず、発光素子1_2と走査素子1_3とを一体化するので、プロジェクタを小型化できる。
【0025】
<第1の実施例>
本発明の第1の実施例に係る光源装置およびプロジェクタについて
図3、4を参照して説明する。
【0026】
<光源装置およびプロジェクタの構成>
本実施例に係るプロジェクタ10は、第1の実施の形態と同様の構成を有する。また、本実施例に係る光源装置11は発光素子12と走査素子13を備える。
【0027】
図3(a)、(b)それぞれに、本実施例に係る光源装置11の概略鳥瞰図と概略正面図を示す。光源装置11において、
図3(a)、(b)に示すように、走査素子13に発光素子12が搭載される。
【0028】
走査素子13には、電磁駆動型MEMSを用いる。走査素子13は、第1軸130_1に対して回動可能に形成された可動フレーム132と、その可動フレーム132を支持する固定フレーム131と、第1軸130_1に直交する第2軸130_2に対して回動可能に形成された可動部133とを備える。
【0029】
また、固定フレーム131の両側には、第1軸130_1と第2軸130_2との間の方向に磁場を形成するための第1の磁石(N極)135_1及び第2の磁石(S極)135_2がそれぞれ配置される。例えば、第1の磁石135_1のN極と第2の磁石135_2のS極が、固定フレーム131の対角線上に配置される。第1の磁石(N極)135_1及び第2の磁石(S極)135_2は、例えば、永久磁石または電磁石で形成できる。
【0030】
可動フレーム132は、第1軸130_1の方向に可動フレーム132の両側に形成された第1の梁134_1を介して固定フレーム131内に接続されている。
【0031】
また、
図3(b)に示すように、可動フレーム132には、可動フレーム132を、第1軸130_1を中心軸として回動させるための第1の駆動コイル136_1が配置される。例えば、第1の駆動コイル136_1は、可動フレーム132の面内で複数回周回するように巻かれて構成され、その一端は第1の梁134_1を介して固定フレーム131の第1の電極137_1に接続され、他端は第1の梁134_1を介して固定フレーム131の第2の電極137_2に接続される。
【0032】
第1の駆動コイル136_1には、可動フレーム132を駆動させるための第1信号が印加される。第1の駆動コイル136_1に第1信号が印加されれば、第1の磁石(N極)135_1及び第2の磁石(S極)135_2により形成された磁場と第1の駆動コイル136_1に流れる電流により発生したローレンツ力が、可動フレーム132を駆動させ、第1軸130_1を中心軸として回動させる。
【0033】
一方、可動部133は、可動フレーム132の内部に配置され、可動フレーム132と接続される。可動部133は、第2軸130_2方向に可動部133の両側に形成された第2の梁134_2を介して可動フレーム132の内部に接続される。
【0034】
ここで、第1軸130_1の方向と第2軸130_2の方向とは、互いに直交する方向である。したがって、第1の梁134_1と第2の梁134_2との延長線も互いに直交する。
【0035】
また、
図3(b)に示すように、可動部133には、可動部133を、第2軸130_2を中心軸として回動させるための第2の駆動コイル136_2が配置される。例えば、第2の駆動コイル136_2は、可動部133の面内で複数回周回するように巻かれて構成され、その一端は第1の梁134_1と第2の梁134_2を介して固定フレーム131の第3の電極137_3に接続され、他端は第1の梁134_1と第2の梁134_2を介して固定フレーム131の第4の電極137_4に接続される。
【0036】
第2の駆動コイル136_2には、可動部133を駆動させるための第2信号が印加される。第2の駆動コイル136_2に第2信号が印加されれば、第1の磁石(N極)135_1及び第2の磁石(S極)135_2により形成された磁場と第2の駆動コイル136_2に流れる電流により発生したローレンツ力が、可動部133を駆動させ、第2軸130_2を中心軸として回動させる。
【0037】
発光素子12は、走査素子13の可動部133に搭載される。発光素子12は、赤色のレーザ光を射出する赤色光源素子と、緑色のレーザ光を射出する緑色光源素子と、青色のレーザ光を射出する素子とから構成される。
【0038】
例えば、赤色光源素子、緑色光源素子、青色光源素子はそれぞれ、中心波長が630nm、530nm、430nmである半導体レーザ(LD)である。
【0039】
このように、発光素子12は、赤色の波長域光と、緑色の波長域光と、青色の波長域光を射出でき、それぞれの光が合成され、色度を変化させる。
【0040】
本実施例に係るプロジェクタ10では、発光素子駆動電源が、赤色光源素子、緑色光源素子、青色光源素子それぞれを駆動する赤色光源駆動用電源と緑色光源駆動用電源と青色光源駆動用電源とを備え、それぞれを駆動する。
【0041】
赤色光源素子、緑色光源素子、青色光源素子それぞれの駆動電流を変化させることによりそれぞれの光量(光強度)を変化させ、合成される光の色度を変化させる。
【0042】
<光源装置の動作>
発光素子12から出射される光は、走査素子13を駆動させ、第2軸130_2および第1軸130_1を中心軸として回動させることにより、水平方向および垂直方向に走査する。その結果、画像がスクリーン上に2次元で投影される。
【0043】
例えば、走査素子13を第2軸130_2を中心軸として回動させ、発光素子12の出射光を水平方向に走査する場合、出射光を高速で走査するために、高周波信号により駆動することが望ましい。
【0044】
そこで、走査素子13の可動部133を水平方向に駆動する場合、走査素子駆動電源より第2の駆動コイル136_2に印加される第2信号は、高周波信号を用いる。ここで、可動部133と第2の梁134_2とは、それぞれ高周波振動に適した質量及び弾性剛性を有するように設計される。
【0045】
また、例えば、走査素子13を第1軸130_1を中心軸として回動させ、発光素子12の出射光を垂直方向に走査する場合、垂直方向には出射光を高速で走査させる必要はないので、低周波信号による駆動でもよい。
【0046】
そこで、走査素子13の可動フレーム132を垂直方向に駆動する場合、走査素子駆動電源より第1の駆動コイル136_1に印加される第1信号は、低周波信号を用いる。ここで、可動フレーム132と第1の梁134_1とは、それぞれ低周波振動に適した質量及び弾性剛性を有するように設計される。
【0047】
このように、本実施例に係る光源装置11は、走査素子13を駆動させ、第2軸130_2および第1軸130_1を中心軸として回動させることにより、発光素子12の出射光を水平方向および垂直方向に走査できる。
【0048】
また、本実施例に係る光源装置11では、従来の光源装置のように発光素子の出射光を反射させることなく、発光素子12の出射光を走査して投影する。したがって、本実施例に係る光源装置11における光の進行ベクトルは、
図4に示すように、走査素子13の表面に対する垂直方向成分について正の成分(Z+方向成分)のみを含む。
【0049】
本実施例に係る光源装置およびプロジェクタによれば、発光素子と走査素子とを一体化できるので、光源装置およびプロジェクタを小型化できる。
【0050】
<第2の実施例>
本発明の第2の実施例に係るプロジェクタについて、
図5を参照して説明する。
【0051】
<光源装置およびプロジェクタの構成>
本実施例に係るプロジェクタ20は、第1の実施例に係るプロジェクタ10と同様の構成を有する。
【0052】
図5(a)、(b)それぞれに、本実施例に係る光源装置21の概略鳥瞰図と概略側面図を示す。光源装置21は、
図5(a)に示すように、支持台27と走査素子23と発光素子22と備える。
【0053】
光源装置21では、発光素子22の上方に走査素子23を配置する。一例として、
図5に示すように、支持台27の底壁部の上面に発光素子22を搭載して、発光素子22の上方に走査素子23を配置する。
【0054】
走査素子23は、可動部233に光透過部238を備える。光透過部238には、板状のガラス等の透過板またはレンズを設ける。また、光透過部238は、可動部233の全面に配置されてもよいし、一部に配置されてもよく、発光素子22の出射光が透過されればよい。
【0055】
走査素子23において、光透過部238以外の駆動機構などの構成は、第1の実施例と同様である。
【0056】
発光素子22の構成は、第1の実施例と同様である。
【0057】
<光源装置の動作>
図5(b)に示すように、発光素子22の出射光Lは、走査素子23の光透過部238を透過して、透過光Tが走査素子23の駆動により走査されスクリーン(図示せず)に投影される。
図5(b)では、走査素子23における第1軸230_1での回動の態様を示すが、第2軸230_2においても同様に回動する。
【0058】
光透過部238にレンズ239を設ける場合、発光素子22の出射光Lが光透過部238およびレンズ239を透過、屈折して、透過光Tが走査素子23から出射する。その結果、本実施例で透過板を設ける場合および第1の実施例に比べて、レンズ239での屈折角が大きいので、透過光Tの走査範囲を拡大できる。ここで、レンズ以外でもプリズムなどの光を屈折させる素子(光屈折素子)を設けても同様の効果を奏する。
【0059】
また、光透過部238には、ハーフミラー、偏光板等を設けてもよい。また、回折格子、フォトニック結晶等を用いれば、単一色の光源でも走査素子の傾きにより色を変化させることができる。また、ホログラフィックに関連する素子など光の透過を利用する光学素子を設けてもよい。
【0060】
また、光透過部238には、ブラインド構造を設けてもよい。例えば、ブラインド構造に、光を透過する部分と光を遮蔽する部分とが交互に配置されたものを用いる。走査素子の回動により、ブラインド構造を透過する光量を変化させることができる。
【0061】
このように、本実施例に係る光源装置21は、走査素子23を駆動させ、第2軸および第1軸を中心軸として回動させることにより、発光素子22の出射光を水平方向および垂直方向に走査できる。
【0062】
また、本実施例に係る光源装置21では、従来の光源装置のように発光素子22の出射光を反射させることなく、発光素子22の出射光Lを走査素子23に透過させて投影する。したがって、本実施例に係る光源装置21における光の進行ベクトルは、走査素子23の表面に対する垂直方向成分について正の成分(Z+方向成分)のみを含む。
【0063】
本実施例に係るプロジェクタによれば、発光素子と走査素子とを一体化できるので、プロジェクタを小型化できる。
【0064】
本発明の実施の形態および実施例では、走査素子に電磁駆動型MEMSを用いる例を示したが、静電駆動型MEMS、圧電駆動型MEMSなどを用いてもよい。
【0065】
静電駆動型MEMSを用いる場合には、本発明の実施の形態における磁石の代わりに、固定フレームと可動フレームとの対向する部分および可動フレームと可動部との対向する部分に、静電容量用の電極を設ければよい。
【0066】
また、圧電駆動型MEMSを用いる場合には、本発明の実施の形態における磁石の代わりに、第1の梁および第2の梁に、圧電素子を設ければよい。
【0067】
本発明の実施の形態および実施例では、光源装置およびプロジェクタの構成などにおいて、各構成部の構造、寸法、材料等の一例を示したが、これに限らない。プロジェクタの機能を発揮し効果を奏するものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、投影型のプロジェクタ、画像表示装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 プロジェクタ
11 光源装置
12 発光素子
13 走査素子
131 固定フレーム
132 可動フレーム
133 可動部
134_1、134_2 梁
135_1、135_2 磁石
136_1、136_2 駆動コイル
137_1、137_2、137_3、137_4 電極
1_4 制御部
1_5 発光素子駆動電源
1_6 走査素子駆動電源