(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152742
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】リモコン装置
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055619
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】野下 幸哉
(72)【発明者】
【氏名】大崎 達也
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048AA04
5K048AA10
5K048BA14
5K048HA11
(57)【要約】
【課題】意匠性を向上可能なリモコン装置を提供することを目的とする。
【解決手段】スイッチを格納するケースと、ケースの正面側に配置され背面側に突起を有する操作ボタンとを備え、突起がスイッチを押圧するリモコン装置において、操作ボタンは、正面視矩形状の正面部と、正面部の周縁端部に形成されケース側に向けて延びる側面部と、側面部の内側に設けられた第1係止爪と、を有し、側面部は、ケースの側面のうち操作ボタン側の端部と対向し、操作ボタンの側面部の表面の少なくとも一部は、ケースの側面の一部と一致し、ケースは、側面部に対向するケースの側面に設けられ第1係止爪と係合可能な第2係止爪を有し、正面部の端辺を押圧すると、端辺と相対する端辺側に設けられた第1、2係止爪が係合し、第1、2係止爪とが係合した位置を支点として突起がスイッチを押圧するリモコン装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチを格納するケースと、
前記ケースの正面側に配置され、前記ケースから離れるように付勢されるとともに背面側に突起を有する操作ボタンと、
を備え、前記操作ボタンを押圧する力で前記突起が前記スイッチを直接的または間接的に押圧するリモコン装置において、
前記操作ボタンは、
使用者が押圧するための正面視矩形状の正面部と、
前記正面部の周縁端部に形成され前記ケース側に向けて延びる側面部と、
前記側面部の内側に設けられた第1係止爪と、
を有し、
前記側面部は、前記ケースの側面のうち前記操作ボタン側の端部と対向し、
前記操作ボタンの前記側面部の表面の少なくとも一部は、前記ケースの側面の一部と一致し、
前記ケースは、前記側面部に対向する前記ケースの前記側面に設けられ前記第1係止爪と係合可能な第2係止爪を有し、
前記正面部の端辺を押圧すると、前記端辺と相対する端辺側に設けられた前記第1係止爪と前記第2係止爪とが係合し、前記第1係止爪と前記第2係止爪とが係合した位置を支点として前記突起が前記スイッチを押圧することを特徴とするリモコン装置。
【請求項2】
前記ケースは、少なくとも一部が正面側から前記操作ボタンに覆われた内側部材を有し、
前記内側部材は、前記突起が挿入される開口部を有し、
前記内側部材の一部は、前記側面部と対向し、
前記第2係止爪は、前記内側部材の前記一部に設けられたことを特徴とする請求項1記載のリモコン装置。
【請求項3】
防水部材をさらに備え、
前記ケースは、
開口を有する支持部と、
前記開口内において前記支持部に支持され、前記突起により押圧されて前記スイッチに力を伝達する伝達部と、
を有し、
前記防水部材は、前記伝達部及び前記開口を覆うことを特徴とする請求項1または2に記載のリモコン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、リモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばリモコン装置には、スイッチと、スイッチを押圧するために使用者が押圧する操作ボタンと、が設けられる。操作ボタンを大型化することで、使用者がリモコン装置を操作しやすくすることができる。リモコン装置において、意匠性を向上させることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、意匠性を向上可能なリモコン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、スイッチを格納するケースと、前記ケースの正面側に配置され、前記ケースから離れるように付勢されるとともに背面側に突起を有する操作ボタンと、を備え、前記操作ボタンを押圧する力で前記突起が前記スイッチを直接的または間接的に押圧するリモコン装置において、前記操作ボタンは、使用者が押圧するための正面視矩形状の正面部と、前記正面部の周縁端部に形成され前記ケース側に向けて延びる側面部と、前記側面部の内側に設けられた第1係止爪と、を有し、前記側面部は、前記ケースの側面のうち前記操作ボタン側の端部と対向し、前記操作ボタンの前記側面部の表面の少なくとも一部は、前記ケースの側面の一部と一致し、前記ケースは、前記側面部に対向する前記ケースの前記側面に設けられ前記第1係止爪と係合可能な第2係止爪を有し、前記正面部の端辺を押圧すると、前記端辺と相対する端辺側に設けられた前記第1係止爪と前記第2係止爪とが係合し、前記第1係止爪と前記第2係止爪とが係合した位置を支点として前記突起が前記スイッチを押圧することを特徴とするリモコン装置である。
【0006】
このリモコン装置によれば、互いに係合する第1、2係止爪を設けたことにより、操作ボタンの端辺を押しても、その端辺とは相対する端辺側の第1、2係止爪を支点としてスイッチを押圧することが可能である。これにより、操作ボタンを大型化しても、スイッチを押圧しやすく、操作性を向上させることができる。また、操作ボタンの端辺を押したときに相対する端辺側を支点として操作ボタンが押圧されることにより、スイッチを押圧するために操作ボタンの端辺を押し込む距離(ストローク)を短くすることができる。これにより、操作ボタンの側面部の表面と、ケースの側面と、の間の隙間を小さく抑えることができるので、リモコン装置の意匠性を向上させることができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記ケースは、少なくとも一部が正面側から前記操作ボタンに覆われた内側部材を有し、前記内側部材は、前記突起が挿入される開口部を有し、前記内側部材の一部は、前記側面部と対向し、前記第2係止爪は、前記内側部材の前記一部に設けられたことを特徴とするリモコン装置である。
【0008】
操作ボタンが押圧されると、第1係止爪は、第2係止爪が設けられた内側部材の一部に対して摺動する。ここで、リモコン装置の意匠性を高めるためにケースや操作ボタンを塗装すると、係止爪の摺動性が低下する恐れがある。これに対して、このリモコン装置によれば、内側部材は正面側から操作ボタンに覆われているため、塗装をしなくてもよい。そのため、第1係止爪と内側部材の一部との摺動性を高いままにすることができる。すなわち、操作ボタンの摺動性の低下を抑制しつつ、リモコン装置の意匠性を向上させることができる。
【0009】
第3の発明は、第1または第2の発明において、防水部材をさらに備え、前記ケースは、開口を有する支持部と、前記開口内において前記支持部に支持され、前記突起により押圧されて前記スイッチに力を伝達する伝達部と、を有し、前記防水部材は、前記伝達部及び前記開口を覆うことを特徴とするリモコン装置である。
【0010】
このリモコン装置によれば、伝達部及び伝達部の周囲に形成された開口が防水部材で覆われることにより、スイッチが設けられた基板にまで水が侵入することを抑制することができる。そのため、浴室などの水回り設備内にリモコン装置を設置することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、意匠性を向上可能なリモコン装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係るリモコン装置を例示する斜視図である。
【
図2】
図2(a)~
図2(d)は、実施形態に係るリモコン装置の操作ボタンを例示する平面図及び断面図である。
【
図3】
図3(a)及び
図3(b)は、実施形態に係るリモコン装置のケースを例示する斜視図及び平面図である。
【
図4】実施形態に係るリモコン装置を例示する断面図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、参考例に係るリモコン装置を例示する模式図である。
【
図6】実施形態に係るリモコン装置のケースを例示する分解斜視図である。
【
図7】実施形態に係るリモコン装置のケースの一部を例示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るリモコン装置を例示する斜視図である。
実施形態に係るリモコン装置100は、ケース10と、操作ボタン20と、を有する。この例では、リモコン装置100には、さらに操作ボタン31、表示部32、報知部33などが設けられている。
【0014】
実施形態の説明において、ケース10から操作ボタン20へ向かう方向を「前」方向とし、その反対方向を「後」方向とする。前方から後方へ向かってリモコン装置100を見たときの、上、下、右、左、をそれぞれ、「上」、「下」、「右」、「左」とする。実施形態の説明において、上、下、右または左を向く面を、「側面」という場合がある。
【0015】
操作ボタン20及び操作ボタン31は、ケース10の正面側に配置されている。ケース10の内部には、操作ボタン20によって押圧されるスイッチ40(
図4参照)、操作ボタン31によって押圧されるスイッチ(不図示)、表示部32に情報を表示する表示装置(例えば液晶ディスプレイ)、及び報知部33から音を発するスピーカなどが内蔵されている。
【0016】
ケース10に内蔵された各スイッチは、操作ボタン20及び操作ボタン31のそれぞれが押されたことを検出可能なスイッチである。使用者は、操作ボタンを押すことで、スイッチに入力操作を行うことができる。スイッチは、例えばタクトスイッチなどの押しスイッチである。これに限らず、スイッチには、使用者による操作ボタンの押し操作を検出可能な任意の構成を用いることができる。
【0017】
リモコン装置100は、図示を省略した機器を操作するリモコンである。使用者が操作ボタン20または操作ボタン31を押す入力操作を行うと、スイッチによりその入力操作が検出される。すると、リモコン装置100から入力操作に応じた信号が機器に送信される。機器は、その信号に応じて制御される。リモコン装置100(のスイッチ)と、操作対象の機器と、の間の通信には、公知の方法が適宜用いられる。リモコン装置100と制御対象の機器との間の通信は、無線または有線でもよいし、無線と有線との組合せでもよい。
【0018】
例えば、リモコン装置100は、浴室、浴室と隣接する脱衣室、洗面所、キッチン、またはトイレなどに備え付けられる水回り機器を操作するリモコンである。水回り機器は、例えば、水栓装置、給湯器(湯沸かし器)、または、人体局部を洗浄する衛生洗浄装置などである。リモコン装置100は、例えば、水回り機器の吐止水や、水回り機器から吐出される水の温度などを制御するリモコンである。リモコン装置100は、例えば、水が掛かる可能性がある場所や、使用者が濡れた手で触れる可能性がある場所に設置される。例えば、リモコン装置100は、浴室、脱衣室、洗面所、キッチン、トイレなどの水回りの設備に設けられる。リモコン装置100は、例えば、水回り機器が設けられた室内の壁面に取り付けられる。リモコン装置100は、例えば、浴室内の浴槽または水栓装置の周辺や、脱衣室、洗面所、またはトイレ室内の水栓装置や水栓装置からの水を受けるボウルの周辺や、キッチンの水栓装置やキッチンシンクの周辺などに配置される場合がある。
【0019】
この例では、リモコン装置100は、給湯器を操作する湯張りリモコンであり、浴室内の壁面などに取り付けられるものである。操作ボタン20は、例えば、湯張りボタンである。使用者が操作ボタン20を押すと、操作ボタン20の後側に設けられたスイッチ40が操作ボタン20によって押圧され、操作ボタン20の押し操作が検出される。すると、例えば、リモコン装置100から給湯器へ信号が伝達され、給湯器はその信号に応じて、浴槽に湯を供給する。
【0020】
操作ボタン31は、湯量操作ボタンである。使用者が操作ボタン31の「+」側を押すと、操作ボタン31の「+」の後側に設けられたスイッチが操作ボタン31によって押圧され、操作ボタン31の「+」の押し操作が検出される。すると、例えば、リモコン装置100から給湯器へ信号が伝達され、浴槽内の湯量の設定値が増加する。同様に、使用者が操作ボタン31の「-」側を押すと、操作ボタン31の「-」の後側に設けられたスイッチが操作ボタン31によって押圧され、操作ボタン31の「-」の押し操作が検出される。すると、例えば、リモコン装置100から給湯器へ信号が伝達され、浴槽内の湯量の設定値が減少する。
【0021】
表示部32は、例えば、浴槽内に供給する湯の温度を表示する。報知部33は、例えば、湯張りの開始、湯張りの終了、及び湯量の設定の変更などを音声によって報知する。
【0022】
なお、実施形態において、リモコン装置100は、必ずしも湯張りリモコンなどの水回り機器のリモコンでなくてもよく、任意の機器を操作するリモコンでよい。
【0023】
ケース10、操作ボタン20、操作ボタン31のそれぞれの材料は、例えば樹脂である。例えばプラスチックなどの合成樹脂を用いることができる。
【0024】
図2(a)~
図2(d)は、実施形態に係るリモコン装置の操作ボタンを例示する平面図及び断面図である。
図2(a)は、操作ボタン20を前方から見た平面図(正面図)である。
図2(b)は、
図2(a)に示すA-A線の断面図である。
図2(c)は、
図2(a)に示すB-B線の断面図である。
図2(d)は、操作ボタン20を後方から見た平面図(背面図)である。
【0025】
例えば
図2(b)または
図2(c)に表したように、操作ボタン20は、正面部21と側面部22と突起24とを有する。正面部21は、使用者が操作ボタン20を押圧するための部分である。使用者は、正面部21を押すことで、操作ボタン20を後方へ押し込むことができる。また、正面部21は、正面視矩形状である。すなわち、例えば、
図2(a)に表したように、正面部21は、前方から見たときに略矩形である。正面視矩形状とは、矩形の角が丸められた形状を含む。
【0026】
図2(a)に表したように、正面視において、正面部21は、上辺211、下辺212、左辺213、及び右辺214を有する。上辺211及び下辺212は、略平行であり、それぞれ、左右方向に延びている。左辺213及び右辺214は、略平行であり、それぞれ、上下方向に延び、上辺211と下辺212とを接続する。この例では、上辺211と右辺214とを接続する角部、及び、下辺212と右辺214とを接続する角部が丸められている。
【0027】
側面部22は、正面部21の周縁端部21eに形成されており、ケース10側に向けて延びる。すなわち、
図2(b)及び
図2(c)に表したように、側面部22は、正面部の周縁端部21eから後方に延びる。側面部22の外周面22s(操作ボタン20の外側を向く側面)は、正面部21の外周面21s(操作ボタン20の外側を向く側面)から、例えば段差なく、連続して延びている。
図2(d)に表したように、側面部22は、正面部21の周縁端部21eの全周にわたって形成された環状である。ただし、側面部22は、必ずしも正面部21の周縁端部21eの全周に設けられていなくてもよい。
【0028】
図2(a)に表したように、正面部21の周縁端部21eは、上辺211を有する上端部21a、下辺212を有する下端部21b、左辺213を有する左端部21c、及び、右辺214を有する右端部21dを有する。
図2(b)に表したように、側面部22は、上端部21aから後方に延びる上部221、及び、下端部21bから後方に延びる下部222を有する。
図2(c)に表したように、側面部22は、左端部21cから後方に延びる左部223、及び、右端部21dから後方に延びる右部224を有する。
【0029】
図2(d)に表したように、側面部22の外周面22sは、面22e、22f、22g、22hによって形成されている。面22eは上部221の上面であり、面22fは下部222の下面であり、面22gは左部223の左面であり、面22hは右部224の右面である。
【0030】
図2(d)に表したように、側面部22の内周面22i(操作ボタン20の内側を向く側面)は、面22a、22b、22c、22dによって形成されている。面22aは上部221の下面であり、面22bは下部222の上面であり、面22cは左部223の右面であり、面22dは右部224の左面である。
【0031】
操作ボタン20は、側面部22の内側に設けられた係止爪23(第1係止爪)をさらに有する。例えば、
図2(d)に表したように、係止爪23は、側面部22の内周面22iに設けられた突起である。係止爪23は、内周面22iから操作ボタン20の内側に向けて突出している。
【0032】
例えば係止爪23は、複数設けられる。この例では、
図2(d)に表したように、複数の係止爪23は、係止爪23a~23hを含む。上部221の面22aに係止爪23a、23bが設けられ、下部222の面22bに係止爪23c、23dが設けられ、左部223の面22cに係止爪23e、23fが設けられ、右部224の面22dに係止爪23g、23hが設けられている。
【0033】
係止爪23a、23cは、操作ボタン20の左右方向の中心よりも左側に位置する。係止爪23b、23dは、操作ボタン20の左右方向の中心よりも右側に位置する。係止爪23e、23gは、操作ボタン20の上下方向の中心よりも下側に位置する。係止爪23f、23hは、操作ボタン20の上下方向の中心よりも上側に位置する。
【0034】
突起24は、操作ボタン20の背面20b(正面部21の背面)に設けられる。突起24は、背面20bの略中心から後方へ向かって延びる。突起24は、側面部22よりも後方まで延びる。突起24は、操作ボタン20がスイッチを押圧するためのものである。
【0035】
図3(a)及び
図3(b)は、実施形態に係るリモコン装置のケースを例示する斜視図及び平面図である。
図3(a)は、ケース10を斜め前方から見た斜視図であり、
図3(b)は、ケース10を前方から見た平面図(正面図)である。
【0036】
ケース10は、側面10sを有する。
図3(a)に表したように、側面10sは、主側面11s及び端部12sを有する。主側面11sは、上側面111、下側面112、左側面113、及び右側面114を有する。端部12sは、側面10sの前方の端部であり、主側面11sよりも前方に位置する。
図3(b)に表したように、正面視において、端部12sは、主側面11sよりもケース10の内側に位置する。端部12sは、操作ボタン20の内周面22i(
図2(d)参照)に沿うように、略矩形状に設けられている。具体的には、端部12sは、上方を向く上端部121、下方を向く下端部122、左側を向く左端部123、及び、右側を向く右端部124を有する。
【0037】
ケース10は、側面10sに設けられた係止爪13(第2係止爪)を有する。係止爪13は、
図2に関して説明した係止爪23と係合可能に設けられる。例えば、係止爪13は、側面10sの端部12sに設けられた突起である。係止爪13は、端部12sから操作ボタン20の内周面22iに向けて突出している。
【0038】
例えば係止爪13は、複数設けられる。この例では、複数の係止爪13は、係止爪13a~13hを含む。端部12sのうち、上端部121に係止爪13a、13bが設けられ、下端部122に係止爪13c、13dが設けられ、左端部123に係止爪13e、13fが設けられ、右端部124に係止爪13g、13hが設けられる。
【0039】
図3(a)に表したように、端部12sには、各係止爪13に隣接して、切り欠きが設けられている。これにより、ケース10に対して、操作ボタン20を取り付けやすくなっている。
【0040】
このように、この例では、係止爪23は、操作ボタン20の1辺ごとに2つずつ設けられ、合計8つの係止爪23が設けられている。係止爪23に対応して、ケース10の側面に合計8つ係止爪13が設けられている。ただし、実施形態において、係止爪13及び係止爪23の数及び配置は、上記に限らない。係止爪13の数及び係止爪23の数は、それぞれ、1以上であり、任意である。操作ボタン20の1辺ごとに1つ以上の係止爪23が設けられることが望ましい。例えば、操作ボタン20の中心からみて等方的に複数の係止爪が配置されることが望ましい。ただし、実施形態においては、必ずしも、操作ボタン20の4辺の全てに係止爪23が設けられなくてもよい。
【0041】
図4は、実施形態に係るリモコン装置を例示する断面図である。
図4は、
図1に表したC-C断面を表す。リモコン装置100は、任意の固定手段によって、壁に取り付けられる。例えば、ケース10の後側に設けられたホルダ30が、螺子などの固定手段によって壁に取り付けられる。ケース10は、ホルダ30に支持される。
【0042】
図4に表したように、ケース10は、スイッチ40を格納する。具体的には、スイッチ40が実装された基板45が、ケース10内に収納されている。正面視における操作ボタン20の中央後方に、1つのスイッチ40が配置される。
【0043】
操作ボタン20は、ケース10から離れるように付勢されている。例えば、操作ボタン20の突起24の後端側が、スイッチ40、伝達部15及び防水部材47(防水シート)の弾性によって前方に付勢されている。
【0044】
突起24は、使用者が操作ボタン20を押圧する力で、スイッチ40を間接的に押圧する。この例では、使用者が操作ボタン20を後方に押圧して突起24を後方へ移動させると、防水部材47及び伝達部15が突起24によって後方へ押し込まれる。これにより、スイッチ40に当接した伝達部15によって、スイッチ40が押される。
【0045】
ただし、突起24は、伝達部15等を介さずに、スイッチ40に直接接してもよい。すなわち、突起24は、使用者が操作ボタン20を押圧する力で、スイッチ40を直接的に押圧してもよい。
【0046】
操作ボタン20の側面部22は、ケース10の側面10sのうち操作ボタン20側の端部12sと対向する。つまり、側面部22の内周面22iの一部が、ケース10の側面10sの端部12sの外周を囲むように、端部12sと向き合っている。
【0047】
より具体的には、
図4に表したように、側面部22の上部221の面22aと、端部12sの上端部121と、が向き合う。側面部22の下部222の面22bと、端部12sの下端部122と、が向き合う。図示を省略するが、同様にして、側面部22の左部223の面22cと、端部12sの左端部123と、が向き合う。側面部22の右部224の面22dと、端部12sの右端部124と、が向き合う。
【0048】
図4に表したように、操作ボタン20側の係止爪23bは、ケース10側の係止爪13bと係合可能である。例えば、係止爪23bが前方へ移動すると、係止爪23bが係止爪13bに接して引っ掛かる。同様にして、操作ボタン20側の係止爪23dは、ケース10側の係止爪13dと係合可能である。例えば、係止爪23dが前方へ移動すると、係止爪23dが係止爪13dに接して引っ掛かる。
図示を省略するが、同様にして、係止爪23aは係止爪13aと係合可能であり、係止爪23cは係止爪13cと係合可能であり、係止爪23eは係止爪13eと係合可能であり、係止爪23fは係止爪13fと係合可能であり、係止爪23gは係止爪13gと係合可能であり、係止爪23hは係止爪13hと係合可能である。
【0049】
また、使用者が操作ボタン20を押していないときに、操作ボタン20の側面部22の表面(外周面22s)の少なくとも一部は、ケース10の側面10sの一部と一致する。これにより意匠性を向上させることができる。なお、2つの面が一致した状態は、例えば、2つの面が実質的に同一平面上に位置し、段差なく並んだ状態である。言い換えれば、2つの面が一致するとは、一方の面の法線方向における、当該一方の面の位置と、他方の面の位置と、が同じであることをいう。
【0050】
この例では、側面部22の外周面22sの一部は、側面10sの主側面11sの一部と一致する。より具体的には、
図4に表したように、側面部22の面22eは、主側面11sの上側面111と一致する。同様にして、側面部22の面22fは、主側面11sの下側面112と一致する。図示を省略するが、同様にして、側面部22の面22hは、主側面11sの右側面114と一致する。
【0051】
なお、2つの面が一致するとは、上述の2つの面の位置が厳密に同じである場合だけではなく、僅かにずれている場合を含んでもよい。例えば、製造ばらつきや、動作等のための遊び(マージン)等の範囲で、2つの面の位置がずれている場合を含んでもよい。一例としては、一致する2つの面において、一方の面の法線方向に沿った、2つの面の間の距離は、0ミリメートル(mm)以上2mm以下であり、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.5mm以下であるが、上記に限定されない。
【0052】
使用者が操作ボタン20を押圧していない状態においては、操作ボタン20側の係止爪23は、ケース側の係止爪13または端部12sと接していてもよいし、離れていてもよい。
【0053】
使用者が正面部21の中心付近(突起24の前方の位置)を押圧すると、操作ボタン20は、例えば前後方向に傾くことなく、後方へ移動し、スイッチ40が押圧される。このとき、操作ボタン20側の係止爪23は、ケース側の係止爪13とは係合していなくてよい。
【0054】
一方、使用者が正面部21の端辺を押圧すると、その端辺と相対する正面部21の端辺側に設けられた係止爪13と係止爪23とが係合し、その係止爪13とその係止爪23とが係合した位置を支点として突起24がスイッチ40を押圧する。なお、相対する端辺とは、正面視において、操作ボタン20の中心から見て押圧された端辺とは反対側の端辺である。
【0055】
より具体的には、使用者が正面部21の上辺211付近を押圧すると、上辺211と相対する下辺212側に設けられた係止爪23dと係止爪13dとが係合する(または係止爪23cと係止爪13cとが係合する)。そして、係止爪23dと係止爪13dとが係合した位置(または、係止爪23cと係止爪13cとが係合した位置)が支点となり、その支点を中心に、操作ボタン20が後方へ傾き、突起24がスイッチ40を押圧する。
同様に、例えば、使用者が正面部21の下辺212付近を押圧すると、下辺212と相対する上辺211側に設けられた係止爪23bと係止爪13bとが係合する(または係止爪23aと係止爪13aとが係合する)。そして、係止爪23bと係止爪13bとが係合した位置(または、係止爪23aと係止爪13aとが係合した位置)が支点となり、その支点を中心に、操作ボタン20が後方へ傾き、突起24がスイッチ40を押圧する。
同様に、例えば、使用者が正面部21の左辺213付近を押圧すると、左辺213と相対する右辺214側に設けられた係止爪23gと係止爪13gとが係合する(または係止爪23hと係止爪13hとが係合する)。そして、係止爪23gと係止爪13gとが係合した位置(または、係止爪23hと係止爪13hとが係合した位置)が支点となり、その支点を中心に、操作ボタン20が後方へ傾き、突起24がスイッチ40を押圧する。
同様に、例えば、使用者が正面部21の右辺214付近を押圧すると、右辺214と相対する左辺213側に設けられた係止爪23eと係止爪13eとが係合する(または係止爪23fと係止爪13fとが係合する)。そして、係止爪23eと係止爪13eとが係合した位置(または、係止爪23fと係止爪13fとが係合した位置)が支点となり、その支点を中心に、操作ボタン20が後方へ傾き、突起24がスイッチ40を押圧する。
【0056】
上述したように、リモコン装置100においては、操作ボタン20の側面部22は、ケース10の側面10sのうち操作ボタン20側の端部12sと対向する。また、操作ボタン20の側面部22の表面(外周面22s)の少なくとも一部は、ケース10の側面10sの一部と一致する。これにより、操作ボタン20を大型のボタンとすることができ、リモコン装置100の操作性を向上させることができる。例えば、リモコン装置100の外形を小さくしつつ、操作ボタン20を大きくすることができる。例えば、
図1に表したように、操作ボタン20の上端、下端、右端は、それぞれ、ケース10の上端、下端、右端の位置まで設けられており、操作ボタン20は大型の押しボタンとなっている。例えば、操作ボタン20の上下方向の長さは、ケース10の上下方向の長さと略同じであり、65mm程度である。リモコン装置の正面視における全面を操作ボタンとしてもよい。
【0057】
一方、従来のリモコン装置においては、使用者が押しボタンの端辺を押したときに、押しボタンの傾きによって、押しボタンの中央に位置するスイッチが押しにくくなり、操作性が低下する恐れがある。特に、押しボタンが大型の場合には、スイッチが押しにくくなりやすい恐れがある。これについて、
図5(a)及び
図5(b)を参照して説明する。
【0058】
図5(a)及び
図5(b)は、参考例に係るリモコン装置を例示する模式図である。
図5(a)に表したように、参考例に係るリモコン装置190は、ケース10r、スイッチ40r、及び操作ボタン20rを含む。操作ボタン20rは、ケース10rの正面側に配置され、背面側に突起24rを有する。使用者が操作ボタン20rを押圧すると、突起24によりスイッチ40rが押圧される。参考例に係るリモコン装置190は、係止爪が設けられない点において、実施形態に係るリモコン装置100と異なる。
【0059】
図5(b)に表したように、参考例に係るリモコン装置190においては、操作ボタン20rの端辺(位置P)を押圧すると、突起24rの位置を支点として操作ボタン20rが前後方向に傾いてしまう場合がある。この場合、端辺の押し込み量に対して、突起24が後方に移動しにくい。操作ボタン20rの端辺を押圧した力が突起24rからスイッチ40rに伝達しにくく、スイッチ40rを押しにくい恐れがある。
【0060】
また、参考例に係るリモコン装置190においては、
図5(b)に表したように、押圧された操作ボタン20rの側面部22rと、ケース10rの端部11rと、が接触することがある。すると、位置Pにおいて、これ以上操作ボタン20rを後方に押し込むことができず、スイッチ40を押圧できない恐れがある。そこで、例えば、操作ボタン20rの側面部22rの表面22rsと、ケース10rの側面11rsと、の間の隙間S1を大きくする方法が考えられる。これにより、操作ボタン20rの押し込み距離を確保することができる。しかしながら、この場合には、隙間S1が大きいことにより、リモコン装置190の側面における意匠性が低下する。
【0061】
これに対して、実施形態に係るリモコン装置100においては、上述したように、互いに係合する係止爪13、23が設けられる。これにより、操作ボタン20の端辺を押しても、その端辺とは相対する端辺側の係止爪13、23を支点として、スイッチ40を押圧することが可能である。これにより、操作ボタンを大型化しても、スイッチを押圧しやすく、操作性を向上させることができる。例えば、操作ボタンの突起24が支点となる場合に比べて、操作ボタン20の端辺を押したときに突起24が後方へ移動しやすい。
【0062】
また、例えば、操作ボタン中央の突起24を支点として操作ボタン20が傾く場合に比べて、操作ボタン20の端辺を押したときに相対する端辺側を支点として操作ボタンが押圧されることにより、スイッチ40を押圧するために操作ボタン20の端辺を押し込む距離(ストローク)を短くすることができる。これにより、操作ボタン20の側面部22の表面と、ケース10の側面10sと、の間の隙間を小さく抑えることができるので、リモコン装置100の意匠性を向上させることができる。
【0063】
外周面22sと主側面11sとの間の隙間S2(
図4参照)の大きさは、例えば0.5mm以上1.5mm以下であり、好ましくは1.0mm以下であるが、上記に限らない。例えば、操作ボタン20の大きさにかかわらず、隙間S2がスイッチストローク(スイッチ40が押し込まれる距離)の2倍程度であれば、操作ボタン20の端を押したときにスイッチ40を押すことが可能となる。リモコン装置100が水回り機器のリモコンである場合、隙間S2が小さいことにより、隙間S2からリモコン装置100の内部に水が侵入することを抑制できる。また、係止爪13、23などの内部機構は、外部から視認されにくいため、意匠性を向上させることが可能となる。
【0064】
例えば、従来のリモコン装置においては、操作ボタン20rの背面20rbに後方に延びる突片をガイドリブとして設け、ケース10rにその突片が挿入される挿入孔を設ける方法も考えられる。突片と挿入孔の形状によって、操作ボタンが押し込まれる方向をガイドすることで、操作ボタンの傾きを抑制する。しかし、突片と挿入孔との間には隙間(クリアランス)が設けられるため、操作ボタン20rが大きくなると、十分に傾きを抑制することができない恐れがある。また、背面20rbにガイドリブとして設けられた突片に、ケース10rと係合する爪部を設ける方法も考えられる。爪部とケース10rとを係合させることで、操作ボタン20rがケース10rから浮いてしまうことを抑制する。そして、爪部の位置を支点として突起24rを後方に押し込んでスイッチ40rを押圧する。しかし、この場合でも、支点となる爪部と突起24rとの位置が近い場合は、操作ボタン20rの端辺を押し込んだ距離に対して、突起24rが後方に移動する距離が短くなる。その結果、スイッチ40を押圧するために操作ボタン20rの端辺を押し込む距離が長くなる。そのため、隙間S1を大きくすることとなり、意匠性が低下する。また、隙間S1を隠すために、外側に庇を設けると、リモコンを大きくする、または操作ボタンを小さくすることとなり、意匠性または操作性が低下する。
【0065】
これに対して、実施形態に係るリモコン装置100においては、既に述べたように、操作ボタン20の端辺が押圧されたときに、相対する端辺側の係止爪13、23を支点として、突起24がスイッチ40を押圧する。大型の操作ボタン20においても隙間S2が大きくなることを抑制でき、操作性及び意匠性を向上させることができる。
【0066】
また、実施形態においては、操作ボタン20の背面にガイドリブとしての突片を設けなくてよい。そのため、操作ボタン20の側面に加えられる荷重を、ケース側面(例えば端部12s)で受ける構造とすることができ、強度を向上させることができる。また、ガイドリブとしての突片がない場合、その突片が挿入される挿入孔をケース10に設けなくてよい。挿入孔がない場合は、その挿入孔からケース内部に水が侵入することもなく、その挿入孔に防水シート等を設ける必要もない。
【0067】
図6は、実施形態に係るリモコン装置のケースを例示する分解斜視図である。
図6に表したように、この例では、ケース10は、内側部材16(インナーケース)と、外側部材17(アッパーケース)を有する。さらに、ケース10は、
図4に表したように、背面部材18(ボトムケース)を有していてもよい。
【0068】
外側部材17は、板部171と、側壁部172と、を有する。板部171は、上下方向及び左右方向に延在する。板部171は、例えば平板状であり、適宜凹凸を有していてもよい。側壁部172は、板部171の外周を囲む。側壁部172は、板部171よりも前方に延びる部分と、板部171よりも後方に延びる部分と、を有する(
図4参照)。側壁部172の側面が、ケース10の主側面11s(上側面111、下側面112、左側面113、及び右側面114)を形成する。
【0069】
図4に表したように、背面部材18は、板部171の後方において、側壁部172に囲まれた空間に配置される。背面部材18の背面が、ケース10の背面(後面)の少なくとも一部を形成する。基板45は、板部171と背面部材18との間に配置される。
【0070】
図6に表したように、内側部材16は、例えば板部161と、側壁部162と、突出部163と、を有する。板部161は、上下方向及び左右方向に延在する。板部161は、例えば平板状であり、適宜凹凸を有していてもよい。側壁部162は、板部161の外周端部から後方に延びる(
図4参照)。突出部163は、板部161の前面から前方に突出した凸部である。突出部163の一部の側面が、ケース10の側面10sの端部12s(上端部121、下端部122、左端部123、右端部124)を形成する。すなわち、内側部材16の一部は、側面部22と対向する。係止爪13は、内側部材16の突出部163に設けられる。
【0071】
図4に表したように、内側部材16のうち板部161及び側壁部162は、板部171の前方において、側壁部172に囲まれた空間に配置される。内側部材16のうち突出部163は、外側部材17よりも前方に突出する。
【0072】
内側部材16の少なくとも一部は、正面側から操作ボタン20に覆われる。この例では、内側部材16の一部の前方に操作ボタン20が配置され、内側部材16の別の一部の前方に操作ボタン31が配置される。内側部材16の板部161は、操作ボタン20の突起24が挿入される開口部161eを有する。開口部161eは、例えば、板部161を貫通する貫通孔である。
【0073】
例えば、ケース10の外側部材17及び操作ボタン20の表面は、塗装される。これにより、リモコン装置100の意匠性を向上させることができる。塗装には、例えば、ABS樹脂などの樹脂を用いることができる。
【0074】
このような構成において、操作ボタン20が押圧されると、係止爪23は、係止爪13が設けられた内側部材16の突出部163の側面に対して摺動する。ここで、リモコン装置100の意匠性を高めるために、ケース10や操作ボタン20を塗装すると、係止爪23と塗装された部分との摩擦が大きくなり、係止爪23の摺動性が低下する恐れがある。これに対して、実施形態においては、内側部材16は、正面側から操作ボタン20に覆われているため、内側部材16には塗装をしなくてもよい。そのため、係止爪13と、内側部材16の突出部163の側面と、の摺動性を高いままとすることができる。すなわち、操作ボタン20の摺動性の低下を抑制しつつ、リモコン装置の意匠性を向上させることができる。
【0075】
図7は、実施形態に係るリモコン装置のケースの一部を例示する平面図である。
図7は、ケース10の外側部材17の板部171の一部を前方から見た拡大図である。
図7に表したように、ケース10は、伝達部15と、伝達部15を支持する支持部119と、を有する。伝達部15及び支持部19は、板部171の一部である。
【0076】
支持部19は、開口19eを有する。開口19eは、例えば、板部171を貫通する貫通孔である。この例では、開口19eは円形である。
【0077】
伝達部15は、開口19e内において、支持部19に支持され、突起24に押圧されてスイッチ40に力を伝達する。具体的には、伝達部15は、細線部15aと押圧部15bとを有する。細線部15aは、支持部19の開口19eの内周に接続されている。押圧部15bは、細線部15aと接続されている。この例では、押圧部15bは、2つの細線部15aによって支持され、開口19eの中央に位置する。
【0078】
細線部15aは、押圧部15bよりも細く、弾性を有する。細線部15aは、前後方向に撓むことができる。また、細線部15aは、正面視において湾曲している。例えば、細線部15aは、渦を巻くように延びている。これにより、細線部15aは、前後方向に撓みやすくなっている。このような構成により、押圧部15bは、前後方向に移動可能である。
【0079】
図4に表したように、押圧部15bは、突起24とスイッチ40との間に位置する。押圧部15bは、直接的または間接的に突起24によって後方へ押されて、後方へ移動する。これにより、スイッチ40に当接した押圧部15bは、スイッチ40を後方へ押圧する。すなわち、押圧部15bは、操作ボタン20が押圧された力をスイッチ40に伝達する。
【0080】
図4及び
図6に表したように、リモコン装置100は、防水部材47をさらに有する。防水部材47は、開口19e及び伝達部15を前方から覆う。防水部材47は、例えば、支持部19と接して、開口19eを塞ぐ。防水部材47は、例えば、エンボスシートなどの防水シートである。防水部材47には、例えば、合成樹脂などの防水性を有する材料を用いることができる。防水部材47は、例えば樹脂を含み、可撓性を有する軟質シートでもよい。
【0081】
伝達部15及び伝達部15の周囲に形成された開口19eが防水部材47で覆われることにより、スイッチ40が設けられた基板45にまで水が侵入することを抑制することができる。そのため、浴室などの水回り設備内にリモコン装置を設置することが可能となる。
【0082】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、リモコン装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0083】
10 ケース、 10r ケース、 10s 側面、 11r 端部、 11rs 側面、 11s 主側面、 12s 端部、 13 係止爪、 13a~13h 係止爪、 15 伝達部、 15a 細線部、 15b 押圧部、 16 内側部材、 17 外側部材、 18 背面部材、 19 支持部、 19e 開口、 20 操作ボタン、 20b 背面、 20r 操作ボタン、 20rb 背面、 21 正面部、 21a 上端部、 21b 下端部、 21c 左端部、 21d 右端部、 21e 周縁端部、 21s 外周面、 22 側面部、 22a~22h 面、 22i 内周面、 22r 側面部、 22rs 表面、 22s 外周面、 23 係止爪、 23a~23h 係止爪、 24 突起、 24r 突起、 30 ホルダ、 31 操作ボタン、 32 表示部、 33 報知部、 40 スイッチ、 40r スイッチ、 45 基板、 47 防水部材、 100 リモコン装置、 111 上側面、 112 下側面、 113 左側面、 114 右側面、 121 上端部、 122 下端部、 123 左端部、 124 右端部、 161 板部、 161e 開口部、 162 側壁部、 163 突出部、 171 板部、 172 側壁部、 190 リモコン装置、 211 上辺、 212 下辺、 213 左辺、 214 右辺、 221 上部、 222 下部、 223 左部、 224 右部、 S1、S2 隙間