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特開2022-152806レゾルバのステータコイル保護構造、レゾルバのステータ、およびレゾルバ
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  • 特開-レゾルバのステータコイル保護構造、レゾルバのステータ、およびレゾルバ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152806
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】レゾルバのステータコイル保護構造、レゾルバのステータ、およびレゾルバ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/20 20060101AFI20221004BHJP
   H02K 5/08 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
G01D5/20 110X
H02K5/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055728
(22)【出願日】2021-03-29
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119264
【弁理士】
【氏名又は名称】富沢 知成
(72)【発明者】
【氏名】山道 修一
【テーマコード(参考)】
2F077
5H605
【Fターム(参考)】
2F077AA49
2F077CC02
2F077FF34
2F077VV02
2F077VV31
5H605AA08
5H605BB01
5H605CC03
5H605EA06
5H605FF06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ポッティングを用いることなく、薄肉のケースに対しても取付けが可能であり、また取付けに際して特別の治具も必要としない、レゾルバのステータコイル保護技術を提供すること。
【解決手段】レゾルバのステータコイル保護構造10は、ケース8に収容されたステータコイルを被覆するカバー1と、カバー1を固定するためケース8内周面に周方向に設けられた固定用溝9とからなり、カバー1は、略ドーナツ形状の被覆部2と、被覆部2外縁に連続する側面部3とから構成され、側面部3の外周には固定用溝9に係合する突起4が周方向に延設されている構成である。なお、カバー1の材質としては適宜の樹脂を用いることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レゾルバのステータコイルを保護するための構造であって、ケースに収容されたステータコイルを被覆するカバーと、該カバーを固定するため該ケース内周面に周方向に設けられた固定用溝とからなり、該カバーは、略ドーナツ形状の被覆部と、該被覆部外縁に連続する側面部とから構成され、該側面部の外周には該固定用溝に係合する突起が周方向に延設されていることを特徴とする、レゾルバのステータコイル保護構造。
【請求項2】
前記固定用溝は前記ケース内周面の全周に亘って設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
【請求項3】
前記突起は前記カバー外周面の全周に亘って設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
【請求項4】
前記ケースへの挿入端から所定勾配による勾配部位が形成されており、該勾配部位の末端角部が前記突起を形成していることを特徴とする、請求項1、2、3のいずれかに記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
【請求項5】
前記末端角部の角度はおよそ 90°-前記勾配 であることを特徴とする、請求項4に記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
【請求項6】
前記挿入端におけるカバー外径サイズは前記ケース内径以下であることを特徴とする、請求項4、5のいずれかに記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
【請求項7】
前記末端角部の前記被覆部側におけるカバー外径サイズは前記ケース内径と略同一であることを特徴とする、請求項4、5、6に記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6、7のいずれかに記載のレゾルバのステータコイル保護構造を備えている、レゾルバのステータ。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7のいずれかに記載のレゾルバのステータコイル保護構造を備えている、レゾルバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレゾルバのステータコイル保護構造、レゾルバのステータ、およびレゾルバに係り、特に、ステータコイルを保護するカバーの改良技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レゾルバはロータとステータから構成されており、巻線されたコイルを保護する構造が、ロータ、ステータいずれにおいても必要である。ロータコイル保護については、従前はコイルを樹脂で固めるかまたはカバーで被覆し接着剤で固定する方式が採られていたところ、これらにはモータとの接続時における不具合発生や、高速回転時のカバー離脱という問題があった。そこで出願人はかかる問題の解決手段として、樹脂コイルカバーの第1突起を中空軸の第1係合溝に係合させ、第2突起を検出器ロータコアのスロットに係合させることにより、軸方向と回転方向の位置決めを行うという方法を開示している(特許文献1)。
【0003】
一方、ステータコイルの保護は通常、ステータコイルカバーでコイルを被覆することによって行われている。ステータコイルカバーには、たとえば3箇所に大きな爪が設けられ、対応してステータコイルが収められたケースの内径側にはこれらの爪が係止される溝が設けられ、両者の係合によってカバーはケースに固定され、ケース内のコイルがカバーに被覆、保護される。
【0004】
かかる爪-溝が安定的に係合するよう、ケース上の溝が設けられる箇所には逃げが必要であり、すなわち破壊が生じない程度以上の十分な厚さ、肉厚であることが必要である。そのような厚みの無いケース、そのような厚みを設けられないケースの場合は、カバーを使用せず、ポッティングによってコイルが保護されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-046583号公報「レゾルバロータコイル保護構造」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ポッティングによるレゾルバのステータコイル保護は、工数がかかってコストアップとなる上、ポッティング量などが安定しないという難点がある。しかし一方、従来のカバーによる保護では、爪を溝に安定的に固定するためにケース上の爪の設けられる箇所には逃げが必要であり、すなわち破壊が生じない程度以上の十分な厚さ、肉厚であることが必要となるため、そのような厚みの無いケース、そのような厚みを設けられないケースには適用することができない。従来のカバーはまた、爪が溝に引っ掛かる位置まで回す取付け治具も必要である。
【0007】
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、ポッティングを用いることなく、薄肉のケースに対しても取付けが可能であり、また取付けに際して特別の治具も必要としない、レゾルバのステータコイル保護技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者は上記課題について検討した結果、カバー外周に延設された突起を設け、ケース内径側にはその突起と同じ深さの溝を設けること、さらにはカバーがケースに係合しやすいように挿入側の先端が小さくなるような勾配を設けた構成とすることによって、薄肉ケースに対しても取付け可能なステータコイルカバーとすることができた。そして、これを上記課題解決の基礎として、本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
【0009】
〔1〕 レゾルバのステータコイルを保護するための構造であって、ケースに収容されたステータコイルを被覆するカバーと、該カバーを固定するため該ケース内周面に周方向に設けられた固定用溝とからなり、該カバーは、略ドーナツ形状の被覆部と、該被覆部外縁に連続する側面部とから構成され、該側面部の外周には該固定用溝に嵌合する周方向に延設された突起が設けられていることを特徴とする、レゾルバのステータコイル保護構造。
〔2〕 前記固定用溝は前記ケース内周面の全周に亘って設けられていることを特徴とする、〔1〕に記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
〔3〕 前記突起は前記カバー外周面の全周に亘って設けられていることを特徴とする、〔2〕に記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
〔4〕 前記突起の先端部は前記固定用溝に嵌りやすいようテーパ状に形成されていることを特徴とする、〔1〕、〔2〕、〔3〕のいずれかに記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
【0010】
〔5〕 前記突起の先端部は片台形状に形成されていることを特徴とする、〔4〕に記載のレゾルバのステータコイル保護構造。
〔6〕 〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕のいずれかに記載のレゾルバのステータコイル保護構造を備えている、レゾルバのステータ。
〔7〕 〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕のいずれかに記載のレゾルバのステータコイル保護構造を備えている、レゾルバ。
【発明の効果】
【0011】
本発明のレゾルバのステータコイル保護構造、レゾルバのステータ、およびレゾルバは上述のように構成されるため、これによればポッティングを不要とすることができ、ステータコイルを収容するケースが薄肉の場合であっても使用が可能である。また、ステータコイル保護のための作業に特別の取付け治具を必要としないため、工数削減、治具製作等のコスト削減ともなる。
【0012】
本発明のステータコイル保護構造による保護方法は、ケースの厚さに関わらず適用できるため、最終製品レゾルバはケースの厚さによる制限を受けない。したがって、爪を複数備えている従来のカバーを使用してきたレゾルバはもちろんのこと、種々のサイズのレゾルバに適用することができる。従来のカバーでは、ケース側に爪を通す逃げ、爪が引っ掛かる溝を設けるための肉厚、さらに取付け治具が必要だった。しかし本発明によればそれらは全て不要である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のレゾルバのステータコイル保護構造に係るカバーを示す説明図である。
図2】本発明のレゾルバのステータコイル保護構造に係るケースを示す説明図である。
図3】本発明のレゾルバのステータコイル保護構造の構成を示す断面視の説明図である。
図4】本発明のレゾルバのステータコイル保護構造の別の構成例を示す断面視の説明図である。
図5】本発明のレゾルバのステータコイル保護構造における突起と固定用溝の構成例を模式的に示す説明図である。
図6】本発明のレゾルバのステータコイル保護構造の作用を示す断面視の説明図である(固定前)。
図7】本発明のレゾルバのステータコイル保護構造の作用を示す断面視の説明図である(固定後)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のレゾルバのステータコイル保護構造に係るカバーを示す説明図、図2は、本発明のレゾルバのステータコイル保護構造に係るケースを示す説明図、図3は、本発明のレゾルバのステータコイル保護構造の構成を示す断面視の説明図である。図1において、(C)はカバーの断面図、(L)は(C)を正面とした左側面図、(R)は(C)を正面とした右側面図である。図2のケースにおいても同様である。また、図3において符号10と四角枠で示すステータコイル保護構造は、ケース8およびカバー1の各一部分を構成要素とすることを示す。
【0015】
これらに示すように本レゾルバのステータコイル保護構造10は、ケース8に収容されたステータコイルを被覆するカバー1と、カバー1を固定するためケース8内周面に周方向に設けられた固定用溝9とからなり、カバー1は、略ドーナツ形状の被覆部2と、被覆部2外縁に連続する側面部3とから構成され、側面部3の外周には固定用溝9に係合する突起4が周方向に延設されていることを、主たる構成とする。なお、カバー1の材質としては適宜の樹脂を用いることができる。
【0016】
かかる構成の本発明レゾルバのステータコイル保護構造10は、突起4が設けられた側面部3の先端をケースに向けてカバー1を挿入していくと、側面部2上すなわちカバー1外径側に設けられている突起4がケース8内径側に設けられている固定用溝9に納まって係合する。この係合により、カバ-1はケース8に対して固定され、その位置よりも奥側に挿入されることも、また手前側に離脱することもない。そして、ステータコイルを被覆するよう略ドーナツ形状にに形成されているカバー1の被覆部2はステータコイルを被覆する。このように本発明ステータコイル保護10に係るカバー1は、ステータ側にワンタッチで固定することができ、レゾルバのステータコイルを保護することができる。
【0017】
突起4の高さと固定用溝9の深さは同一とすることが望ましい。それによってカバー1の突起4以外の側面部3とケース8の内径側側面部が隙間なく嵌合するとともに、突起4が固定用溝9の底部に確実に当接して係合し、カバー1とケース8とが良好に固定できるからである。また、図3に示すように突起4と固定用溝9の断面形状は、必ずしも、同一でなくてもよい。より強固な係合には両者が嵌合する同一形状が有効だが、図示する例であっても十分な係合がなされ、カバー1とケース8との十分に安定的な固定状態を得ることができる。
【0018】
カバー1側面部3上において突起4を設ける軸方向上の位置、およびケース8上の内径側側面上において固定用溝9を設ける軸方向上の位置は、カバー1によるステータコイル被覆が十分になされる限り、特に限定されない。また、カバー外周面上に延設される突起4の本数や、ケース8の内周面上に設ける固定用溝9の本数は、後掲図5により追って説明するように限定されない。しかしながら、突起4が複数設けられる場合には、それらは同一の軸方向上位置に設けることとする。固定用溝9についても同様である。
【0019】
図4は、本発明のレゾルバのステータコイル保護構造の別の構成例を示す断面視の説明図である。図示するように本ステータコイル保護構造110に係るカバー11上の突起14は、図1~3により示した鋸歯状の突起4とは異なり、その断面形状が凸状である。すなわち、本発明にいう「突起」は、基準面である側面部3、13から突出した構造であり、その具体的形状は限定されない。なお、ケース8、18への挿入しやすさ、円滑さ、作業性は突起4の方が優れている。
【0020】
図5は、本発明のレゾルバのステータコイル保護構造における突起と固定用溝の構成例を模式的に示す説明図である。左にはカバーに設けられる突起、右にはケースに設けられる固定用溝を記載した(a)~(c)の3パターンを示している。図中の(a)は前出図1~3により示した例であり、突起4、固定用溝9のいずれも、全周に亘って単一の突起、および固定用溝である。
【0021】
一方、図中の(b)に示すステータコイル保護構造210は、固定用溝29は単一だが、カバー側の突起24は複数設けられているパターンである。また、図中の(c)に示すステータコイル保護構造310は、固定用溝39、突起34ともに、複数設けられているパターンである。これら(b)、(c)いずれのパターンでも、固定用溝29、39は突起24、34以上の長さを有するが、より長くすることが望ましい。固定用溝29等への突起24等の係合をする場合に、できる限り位置決めの手順を軽減してワンタッチでの係合、固定をしやすくするためである。
【0022】
このように、本発明ステータコイル保護構造10、210等における突起4、24等、および固定用溝9、29等の数は限定されない。しかしながら、ワンタッチ式での固定をより作業しやすく、また形態としてもより簡素である(a)のパターン、つまり突起4カバー外周面の全周に亘って設けられ、かつ、固定用溝9がケース内周面の全周に亘って設けられている構成とすることが、最も望ましい。また、かかる単一の突起4および単一の固定用溝9の構成は、ケース8が薄肉である場合の対応としても、係合・固定時の力を全周に分散できる点で有利である。
【0023】
図6、7は、本発明のレゾルバのステータコイル保護構造の作用を示す断面視の説明図であり、図6は固定前、図7は固定後を示す。各図に示すように本ステータコイル保護構造10に係るカバー1の側面部2は、ケース8への挿入端から所定勾配による勾配部位5が形成されており、勾配部位5の末端角部6が突起4を形成している構造とすることができる。
【0024】
突起4をかかる勾配部位5に連続した構造とすることにより、カバー1の挿入端すなわち側面部3の先端をケース8に対して円滑に、しかしある程度の圧力をケース8内径側から受けつつ挿入していくことができ(図6)、突起4が固定用溝9に納まることで挿入が完了し、ケース8へのカバー1の固定が完了する(図7)。勾配部位5における勾配の具体的角度は限定されない。たとえば図示するような10°前後の角度の場合、上述の作用効果を良好に得られる。
【0025】
また、突起4をかかる勾配部位5に連続した構造とすることにより、ケース8が薄肉の場合であっても、これを破損するようなことなく、円滑に係合、固定することができる。なお、カバー1の挿入端における外径サイズは、ケース8内径と同一、またはそれ未満とする。当該サイズがケース8の内径を超えるサイズでは、挿入が困難だからである。また、カバー1の挿入端における外径サイズがケース8内径未満の場合であっても、勾配部位5の途中ではケース8内径サイズ以上となり、末端角部6=突起4ではケース8内径サイズを超えて固定用溝9に係合できるサイズになることとする。
【0026】
図示するように、カバー1側面部3の末端角部6の角度は、およそ、90°-勾配の角度 とすることができる。換言すれば、鋸歯状である突起4の被覆部2側の辺はケース8側面方向に対して略直交するように形成されるものとすることができる。かかる構成とすることにより、突起4は固定用溝9に対して良好に係合でき、ケース8とカバー1の固定状態を良好にできるからである。末端角部6の角度がより大きくなると、図示する形態の固定用溝9ではその傾斜面上での滑りやすさが増し、固定の安定性に欠ける。また、末端角部6の角度がより小さくなると、製造上の難度が増す上、強度の点でも掛ける。
【0027】
なお、固定用溝9の挿入端側の内壁の形態は、図示するような外方へと勾配を有する形態に限定されず、奥側の内壁のようにケース8側面方向に略直交する形態であってもよい。むしろその方が、突起4と固定用溝9の係合の確実性をより高めることができる。しかしながら、加工上は図示する例が容易であり、また上述の通り本発明の所期の効果は十分に得られる。
【0028】
図示するように、末端角部6の被覆部2側におけるカバー1外径サイズは、ケース8内径と略同一のサイズとすることができる。かかる構成により、カバー1挿入端部から勾配部位5の形態によって本カバー1を円滑にケース8内径側に挿入し、突起4を固定用溝9に係合した後は、本カバー1がケース8に嵌合する。以上により、ケース8へのカバー1の固定、ステータコイルの被覆が完了する。
【0029】
なお、以上説明したいずれかのレゾルバのステータコイル保護構造10等を備えているレゾルバのステータ、およびレゾルバも、本発明の範囲内である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のレゾルバのステータコイル保護構造、レゾルバのステータ、およびレゾルバによれば、ポッティングを不要とすることができ、ステータコイルを収容するケースが薄肉の場合であっても使用が可能である。また、ステータコイル保護のための作業に特別の取付け治具を必要としないため、工数削減、治具製作等のコスト削減ともなる。したがって、レゾルバ製造、使用分野、および関連する全分野において、産業上利用性が高い発明である。
【符号の説明】
【0031】
1、11…カバー
2、12…被覆部
3、13…側面部
4、14、24、34…突起
5…勾配部位
6…末端角部
8、18…ケース
9、19、29、39…固定用溝
10、110、210、310…レゾルバのステータコイル保護構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7