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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152814
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】車両用リッド装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20221004BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20221004BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60L53/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055738
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】田中 優希
【テーマコード(参考)】
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
3D235AA02
3D235BB19
3D235BB22
3D235BB41
3D235CC12
3D235FF43
3D235HH02
3D235HH08
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF12
(57)【要約】
【課題】給電コネクタの防水性を確保し、リッドを開閉するためのモータの低トルク化によってコストを抑える。
【解決手段】車両用リッド装置10は、筒状の第1収容部21と、充電口2を塞ぐ閉位置と充電口2を開放した開位置との間の移動が許容されるように第1収容部21内に取り付けられた外側リッド30と、外側リッド30を移動させるモータ36を含む駆動機構35と、筒状の周壁23を有する第2収容部22と、第2収容部22に取り付けられた給電コネクタ15と、充電口2と給電コネクタ15の間に取り付けられた内側リッド40と、内側リッド40を閉位置に付勢する付勢部材45とを備える。内側リッド40は、周壁23内を通した充電口2側と給電コネクタ15側の連通を遮断した閉位置と、充電口2側と給電コネクタ15側を連通させた開位置との間の回転が可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体パネルの充電口を取り囲むように車内側に配置される筒状の第1収容部と、
前記充電口を塞ぐ閉位置と前記充電口を開放した開位置との間の移動が許容されるように、前記第1収容部内に取り付けられた外側リッドと、
前記外側リッドを前記閉位置と前記開位置に移動させるモータを含む駆動機構と、
前記充電口の方に位置する端が前記第1収容部内に位置するように前記第1収容部の軸線に沿って設けられた筒状の周壁を有する第2収容部と、
前記第2収容部内に少なくとも接続口が位置するように、前記第2収容部に取り付けられた給電コネクタと、
前記周壁内を通した前記充電口側と前記給電コネクタ側の連通を遮断した閉位置と、この閉位置から前記給電コネクタ側へ回転し、前記充電口側と前記給電コネクタ側を連通させた開位置との間の回転が許容されるように、前記充電口と前記給電コネクタの間に取り付けられた内側リッドと、
前記内側リッドを前記閉位置に付勢する付勢部材と
を備える車両用リッド装置。
【請求項2】
前記第2収容部は、前記充電口と間隔をあけて位置するように前記周壁内に設けられ、開口部が形成された隔壁を有し、
前記内側リッドは、前記開口部の開口縁に取り付けられている、
請求項1に記載の車両用リッド装置。
【請求項3】
前記内側リッドは、前記開口部の開口縁の対向位置にそれぞれ取り付けられた一対の開閉体を有する、請求項2に記載の車両用リッド装置。
【請求項4】
前記一対の開閉体それぞれの外周にはシール部が設けられている、請求項3に記載の車両用リッド装置。
【請求項5】
前記一対の開閉体が閉位置にあるとき、一対の前記シール部の対向部分は互いに当接している、請求項4に記載の車両用リッド装置。
【請求項6】
前記一対の開閉体が閉位置にあるとき、前記シール部は前記開口部の前記開口縁に当接している、請求項4又は5に記載の車両用リッド装置。
【請求項7】
前記給電コネクタは、前記内側リッドの回転範囲外に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用リッド装置。
【請求項8】
前記周壁には、前記第2収容部の内部と外部を連通させる通水孔が設けられている、請求項1から7のいずれか1項に記載の車両用リッド装置。
【請求項9】
前記周壁は、前記給電コネクタよりも下側に位置する下壁部を有し、
前記下壁部は、前記内側リッド側から前記給電コネクタ側に向かうに従って下側へ傾斜した傾斜面を有し、
前記通水孔は、前記下壁部の前記傾斜面の最も低い位置に形成されている、請求項8に記載の車両用リッド装置。
【請求項10】
前記外側リッドは、前記第1収容部及び前記第2収容部のうちの少なくとも一方に回転可能に取り付けられた軸受部を有し、
前記駆動機構は、
前記モータの出力部に取り付けられた駆動軸と、
前記駆動軸に取り付けられた歯車と、
前記軸受部に設けられ、前記歯車に噛み合う内歯車部と
を有する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用リッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用リッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気自動車に用いられるリッド装置が開示されている。このリッド装置は、車体パネルの充電口の車内側に、給電コネクタが取り付けられた収容凹部を備える。収容凹部には、充電口を開放可能に塞ぐ外側の給電リッドと、給電コネクタの接続口を開放可能に塞ぐ内側のコネクタリッドとが設けられている。給電リッドには付勢部材が取り付けられており、手動で給電リッドを閉位置に回転させることで、付勢部材によってコネクタリッドを接続口に付勢し、給電コネクタ内への浸水防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開特開2015-193315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給電リッドを電動で開閉することが要望されている。しかし、特許文献1のリッド装置では、給電リッドの閉状態で付勢部材によってコネクタリッドを付勢するため、給電リッドを開閉させるために高トルクのモータを使用する必要がある。このようなモータはコストが高いため、特許文献1のリッド装置にはコスト面で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、給電コネクタの防水性を確保でき、リッドを開閉するためのモータの低トルク化によってコストを抑えることができる車両用リッド装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車体パネルの充電口を取り囲むように車内側に配置される筒状の第1収容部と、前記充電口を塞ぐ閉位置と前記充電口を開放した開位置との間の移動が許容されるように、前記第1収容部内に取り付けられた外側リッドと、前記外側リッドを前記閉位置と前記開位置に移動させるモータを含む駆動機構と、前記充電口の方に位置する端が前記第1収容部内に位置するように前記第1収容部の軸線に沿って設けられた筒状の周壁を有する第2収容部と、前記第2収容部内に少なくとも接続口が位置するように、前記第2収容部に取り付けられた給電コネクタと、前記周壁内を通した前記充電口側と前記給電コネクタ側の連通を遮断した閉位置と、この閉位置から前記給電コネクタ側へ回転し、前記充電口側と前記給電コネクタ側を連通させた開位置との間の回転が許容されるように、前記充電口と前記給電コネクタの間に取り付けられた内側リッドと、前記内側リッドを前記閉位置に付勢する付勢部材とを備える車両用リッド装置を提供する。ここで、第1収容部の軸線に沿って設けられた筒状の周壁23を有する第2収容部とは、第1収容部の軸線と第2収容部の周壁の軸線とが、平行に延びる構成と、交差する方向に延びる構成の両方が含まれる。
【0007】
モータを含む駆動機構によって充電口を塞ぐ外側リッドが第1収容部内に配置され、第1収容部内に設けられた第2収容部に給電コネクタが配置され、充電口と給電コネクタの間に内側リッドが取り付けられている。よって、たとえ第1収容部内に水が入り込んだとしても、第2収容部内の給電コネクタ側への浸水は内側リッドによって遮断されるため、給電コネクタの防水性を確保できる。
【0008】
内側リッドは付勢部材によって閉位置に付勢されるため、駆動機構は外側リッドのみを電動で開閉させれば良い。よって、駆動用のモータを低トルク化できる。低トルクのモータは高トルクのモータよりも安価であるため、外側リッドを電動で開閉することに伴うコストを抑えることができる。
【0009】
付勢部材によって閉位置に付勢された内側リッドは、車外側からの押圧によって開位置に回転できる。よって、電気自動車を自動充電する場合にも対応できる。具体的には、駆動機構によって外側リッドを回転させて充電口を開放した後、充電プラグを車外側から充電口に挿入し、充電プラグによって内側リッドを押圧して回転させることで、充電プラグを給電コネクタに自動接続できる。充電完了後には、充電プラグを引き抜くことで、内側リッドを付勢部材の付勢力で閉位置に回転させ、外側リッドを駆動機構によって閉位置に回転させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両用リッド装置では、給電コネクタの防水性を確保でき、リッドを開閉するためのモータの低トルク化によってコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る車両用リッド装置の開状態を示す斜視図。
図2図1のII-II線断面図。
図3】車両用リッド装置の閉状態を示す図2と同様の断面図。
図4】車両用リッド装置の充電状態を示す図2と同様の断面図。
図5図2のV-V線断面図。
図6図1の車両用リッド装置の分解斜視図。
図7】収容部材の断面斜視図。
図8図2の斜視図。
図9】外側リッドの傾斜図。
図10図5のX-X線断面図。
図11】第2実施形態に係る車両用リッド装置の開状態を示す斜視図。
図12図11のXII-XII線での断面斜視図。
図13図11のXIII-XIII線断面図。
図14】第2実施形態の車両用リッド装置の充電状態を示す図13と同様の断面図。
図15】変形例の車両用リッド装置を示す図5と同様の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る車両用リッド装置(以下「リッド装置」と略す。)10を示す。リッド装置10は、充電プラグ5が着脱可能に接続される給電コネクタ15を備え、電気自動車のサイドパネル(車体パネル)1に取り付けられている。
【0014】
以下の説明では、サイドパネル1が延びる方向のうちの前後方向をX方向といい、サイドパネル1に対して交差する方向をY方向といい、サイドパネル1が延びる方向のうちの上下方向をZ方向ということがある。個々の図において、X方向の矢印が示す向きが前側であり、矢印とは逆向きが後側である。Y方向の矢印が示す向きが車内側であり、矢印とは逆向きが車外側である。Z方向の矢印が示す向きが上側であり、矢印とは逆向きが下側である。
【0015】
図1及び図2を参照すると、サイドパネル1には、充電口2が形成されている。Y方向から見て、本実施形態の充電口2は矩形状であるが、その形状は必要に応じて変更可能である。
【0016】
図2から図4を参照すると、リッド装置10は、給電コネクタ15を収容する収容部材20に、充電口2を塞ぐ外側リッド30と、給電コネクタ15の車外側を塞ぐ内側リッド40とを配置した二重蓋式である。リッド装置10は更に、外側リッド30を電動で開閉するための駆動機構35を備える。
【0017】
図3に示す閉状態の外側リッド30を、駆動機構35によって図2に示す開位置に回転させ、充電プラグ5を充電口2に差し込む。これにより、閉位置の内側リッド40が、充電プラグ5の押圧によって図4に示す開位置に回転し、充電プラグ5を給電コネクタ15の接続口15aに接続できる。充電プラグ5を引き抜くと、内側リッド40は、付勢部材45の付勢力で図2に示す閉位置に回転され、外側リッド30は、駆動機構35によって図3に示す閉位置に回転される。
【0018】
以下、リッド装置10の構成を具体的に説明する。
【0019】
図1及び図2を参照すると、収容部材20は、サイドパネル1の充電口2の車内側に配置される。収容部材20は、充電口2を取り囲む筒状の第1収容部21と、第1収容部21内に設けられた筒状の第2収容部22とを備える。第1収容部21と第2収容部22は、本実施形態では樹脂によって一体成形されている。但し、第1収容部21と第2収容部22は、別々に設けて一体に組み付けられてもよい。
【0020】
図5及び図6を参照すると、第1収容部21は、Y方向に延びる四角筒状の周壁21aを備え、内部に外側リッド30が回転可能に取り付けられている。
【0021】
周壁21aは、一対の側壁部21b、上壁部21c、及び下壁部21dを備える。一対の側壁部21bは、X方向に間隔をあけて設けられ、いずれもYZ平面に沿って延びている。上壁部21cと下壁部21dは、Z方向に間隔をあけて設けられ、いずれもXY平面に沿って延びている。上壁部21cのX方向の両端はそれぞれ側壁部21bの上端に連なり、下壁部21dのX方向の両端はそれぞれ側壁部21bの下端に連なっている。
【0022】
周壁21aのうち、充電口2側の外端には、XZ平面に沿って外向きに突出するフランジ部21eが設けられている。フランジ部21eは、充電口2を取り囲むようにサイドパネル1の内面側に配置され、周知の固着手段によってサイドパネル1に固着される。
【0023】
図5に最も明瞭に示すように、一対の側壁部21bにはそれぞれ、2つの軸孔21f,21gが設けられている。第1軸孔21fには、外側リッド30の駆動軸37が取り付けられ、第2軸孔21gには、外側リッド30の回転軸32が取り付けられる。第1軸孔21fは第2収容部22よりも上側に設けられている。第2軸孔21gは、第2収容部22の上端よりも下側に設けられ、第2収容部22とX方向に対向している。2つの軸孔21f,21gは、周壁21aの軸線Aが延びる方向であるY方向において、中間位置かつ同じ位置に設けられている。
【0024】
図5及び図6を参照すると、第2収容部22は、第1収容部21の軸線Aに沿ってY方向に延びる四角筒状の周壁23と、周壁23内に設けられた隔壁24と、周壁23の車内側の端部に設けられた端壁25とを備える。ここで、第1収容部21(周壁21a)の軸線Aに沿って延びる周壁23(第2収容部22)とは、第1収容部21の軸線Aと第2収容部22の軸線とが、平行に延びる構成と、交差する方向に延びる構成の両方が含まれる。収容部21,22それぞれの軸線が平行に延びる構成の場合、後述する自動充電の際に給電コネクタ15への充電プラグ5の接続が容易になるため有効である。収容部21,22それぞれの軸線が交差する構成とする場合、Y方向外側の端を上側に位置させ、Y方向内側の端を下側に位置させれば、充電プラグ5を給電コネクタ15に手動で接続する作業性を向上できるため有効である。
【0025】
図2を参照すると、周壁23のうち、充電口2側に位置する外端23hは第1収容部21内に位置し、反対側に位置する内端(端壁25)は第1収容部21から突出している。図5及び図6を参照すると、周壁23は、一対の側壁部23a、上壁部23b、及び下壁部23cを備える。そのうち、一対の側壁部23aは、下壁部23c側に位置する第1部分23a1と、上壁部23b側に位置する第2部分23a2と、第1部分23a1と第2部分23a2に連なる第3部分23a3とを備える。
【0026】
引き続いて図5及び図6を参照すると、一対の側壁部23aの第1部分23a1は、X方向に間隔をあけて位置し、それぞれYZ平面に沿って延びている。一対の側壁部23aの第2部分23a2は、X方向に間隔をあけて位置し、それぞれYZ平面に沿って延びている。第1部分23a1は、第1収容部21の側壁部21bに対して間隔をあけて位置し、第2部分23a2は、第1収容部21の側壁部21bに対して第1部分23a1よりも広い間隔をあけて位置している。一対の側壁部23aの第3部分23a3は、それぞれXY平面に沿って延びている。第3部分23a3のX方向外側の端は第1部分23a1の上端に連なり、第3部分23a3のX方向内側の端は第2部分23a2の下端に連なっている。
【0027】
上壁部23bと下壁部23cは、Z方向に間隔をあけて設けられ、いずれもXY平面に沿って延びている。上壁部23bのX方向両端は、それぞれ側壁部23aの第2部分23a2の上端に連なり、下壁部23cのX方向両端は、それぞれ側壁部23aの第1部分23a1の下端に連なっている。
【0028】
上壁部23bは、第1収容部21の上壁部21cと間隔をあけて下側に位置している。第2収容部22の上壁部23bと第1収容部21の上壁部21cとの間には、外側リッド30を配置するための空隙部26が形成されている。下壁部23cは、第1収容部21の下壁部21dと間隔をあけて上側に位置している。但し、第2収容部22の下壁部23cは、第1収容部21の下壁部21dと一体構造であってもよい。つまり、1つの下壁部を、2つの収容部21,22で共用してもよい。
【0029】
図2を参照すると、周壁23の充電口2側の外端23hは、下壁部23cから上壁部23bに向けて充電口2から離れる向きに傾斜している。図5及び図6を参照すると、側壁部23aと底壁部23cそれぞれの外端には、第1収容部21の周壁21aに向けて突出する突片23dが設けられている。突片23dのうち側壁部23aの第1部分23a1から突出する部分は、第1収容部21の側壁部21bに連なっている。突片23dのうち下壁部23cから突出する部分は、第1収容部21の下壁部21dに連なっている。これにより、周壁23が周壁21aに対して一体構造となっている。突片23dのうち側壁部23aの第2部分23a2と第3部分23a3から突出する部分は、第1収容部21の側壁部21bに対して間隔をあけて位置している。
【0030】
図2を参照すると、上壁部23bの充電口2側の外端には、Z方向上側かつY方向内側に向けて突出する弾性片23eが設けられている。弾性片23eは、下壁部23c側に曲率中心を有する断面円弧状であり、外側リッド30を弾性的に支持する。
【0031】
図5を参照すると、一対の側壁部23aの第2部分23a2にはそれぞれ、軸孔23fが設けられている。軸孔23fは第1収容部21の第2軸孔21gに対してX方向に対応する位置に設けられ、外側リッド30の回転軸32が取り付けられる。
【0032】
図6を参照すると、周壁23の下壁部23cには、下壁部23cをZ方向に貫通し、第2収容部22の内部と外部を連通させる通水孔23gが設けられている。通水孔23gは、下壁部23cの最も低い位置に形成されている。
【0033】
具体的には、図7及び図8を参照すると、下壁部23cは、後述する開口部24a及び給電コネクタ15よりも下側に位置する。下壁部23cの上面は、2つの傾斜面23c1,23c2を備える。隔壁24側に位置する第1傾斜面23c1は、隔壁24から端壁25(給電コネクタ15)に向かうに従って下側へ傾斜している。端壁25側に位置する第2傾斜面23c2は、一対の側壁部23aのうちの一方から他方に向かうに従って下側へ傾斜している。傾斜角度と傾斜方向が異なる2つの傾斜面23c1,23c2によって断面V字状の溝が画定される。この溝の溝底23c3は、上方から見て四角形状の下壁部23cにおいて、隔壁24側に位置するX方向一方側の角から、端壁25側に位置するX方向他方側の角に向けて、直線状に延び、下側へ傾斜している。この溝底23c3(傾斜面23c1,23c2)の最も低い位置に、前述した通水孔23gが形成されている。
【0034】
図2及び図6を参照すると、隔壁24は、充電口2と間隔をあけて位置するように周壁23内に設けられている。隔壁24には、充電プラグ5の外形よりも大きい開口部24aが設けられている。
【0035】
図5及び図8を参照すると、隔壁24には、内側リッド40を取り付ける一対の取付部24cが設けられている。一対の取付部24cは、開口部24aを画定する開口縁24bのX方向に対向する位置に設けられている。個々の取付部24cは、基部24dと一対の軸受部24eとを備える。基部24dは、隔壁24から突出し、YZ平面に沿って延びている。軸受部24eは、基部24dのZ方向両端に設けられ、それぞれXY平面に沿って延びている。軸受部24eには内側リッド40の回転軸43が取り付けられる。
【0036】
図8を参照すると、端壁25は、XZ平面に沿って延び、一対の側壁部23a、上壁部23b及び下壁部23cそれぞれのY方向内端に連なっている。端壁25には、給電コネクタ15を取り付ける取付孔25aが設けられている。Y方向内側から取付孔25aに接続口15aを挿入し、給電コネクタ15を端壁25にネジ止めする。これにより、隔壁24に対して充電口2とは反対側に位置するように、給電コネクタ15が第2収容部22に取り付けられ、接続口15は第2収容部22内に位置する。但し、給電コネクタ15全体が第2収容部22内に配置されてもよい。
【0037】
図4を参照すると、端壁25は、開位置の内側リッド40に対してY方向に間隔をあけて位置している。言い換えれば、給電コネクタ15の接続口15aが内側リッド40の回転範囲外に位置するように、隔壁24から端壁25までの間隔が設定されている。より具体的には、隔壁24から端壁25までの間隔は、取付部24cを含む開状態の内側リッド40のY方向の寸法よりも大きい。これにより、給電コネクタ15への内側リッド40の干渉を防止できる。
【0038】
図1及び図6を参照すると、外側リッド30は、図3に示す閉位置と図2及び図4に示す開位置との間の回転が許容されるように、第1収容部21の内側かつ第2収容部22の外側に取り付けられている。外側リッド30は、平板状のリッド部30aと、リッド部30aのX方向両側に設けられた一対の軸受部30dとを備える。
【0039】
リッド部30aは、図3に示す閉位置では充電口2を塞ぎ、図2及び図4に示す開位置ではサイドパネル1に対して交差する姿勢になる。より具体的には、図3に示す閉状態では、リッド部30aは、サイドパネル1に沿ってXZ平面に沿って延びる姿勢になり、充電口2を塞ぐ。図2及び図4に示す開状態では、リッド部30aは、XY平面に沿って延びる姿勢になり、一部が充電口2から突出し、残りが空隙部26内に位置し、充電口2を開放する。閉位置から開位置までのリッド部30aの回転角度は約90度である。
【0040】
図3及び図9を参照すると、リッド部30aのうち、閉位置で第2収容部22に対向する内面側には、第2収容部22の傾斜した外端23hを塞ぐ閉塞部30bが突設されている。この閉塞部30bに第2収容部22の弾性片23eが圧接されることで、外側リッド30は弾性片23eによって弾性的に支持される。閉塞部30bのX方向の両端には、後述する内歯車部39の内端の一部を塞ぐ突部30cがそれぞれ突設されている。
【0041】
図3を参照すると、軸受部30dは、外側リッド30が閉位置にあるとき、リッド部30aの上側に位置する部分に設けられている。図5及び図9を参照すると、軸受部30dは、リッド部30aから概ね円形状をなすように突出しており、第1収容部21の側壁部21bと第2収容部22の側壁部23aのうちの第2部分23a2との間に配置される。軸受部30dには、回転軸32が貫通される軸孔30eが設けられている。
【0042】
2つの回転軸32を収容部材20の両側にそれぞれ配置し、図5に示すように第1収容部21の第2軸孔21g、外側リッド30の軸孔30e、及び第2収容部22の軸孔23fの順で、回転軸32をそれぞれ貫通させる。これにより軸受部30d(外側リッド30)が第1収容部21と第2収容部22に回転可能に取り付けられる。但し、第2収容部22に軸孔23fを設けずに、軸受部30dを第1収容部21に回転可能に取り付けてもよいし、第1収容部21に第2軸孔21gを設けずに、軸受部30dを第2収容部22に回転可能に取り付けてもよい。
【0043】
図10を参照すると、駆動機構35は、モータ36、駆動軸37、歯車38、及び内歯車部39を備え、外側リッド30を図2及び図4に示す開位置と図3に示す閉位置に回転(移動)させる。
【0044】
図5及び図8を参照すると、モータ36は、正転(開駆動)及び逆転(閉駆動)が可能な出力部36aを備える電動式の駆動手段である。モータ36は、出力部36aが収容部材20の第1軸孔21fに一致するように、一対の側壁部21bのうちの一方の外側に取り付けられている。モータ36は、電気自動車のECU(Electronic Control Unit)に電気的に接続され、電気自動車に設けられた開閉スイッチ(図示せず)の操作を検出したECUの指令によって開駆動又は閉駆動される。
【0045】
引き続いて図5及び図8を参照すると、駆動軸37は、モータ36の出力部36aに相対的に回転不可能に取り付けられている。駆動軸37は、第1収容部21の一対の第1軸孔21fをX方向に貫通し、一対の側壁部21b間に架設されている。図9を参照すると、外側リッド30の軸受部30dには、駆動軸37を挿通する挿通溝30fが設けられている。挿通溝30fは、軸孔30eの軸線と一致する中心を有する円弧状である。
【0046】
図5図9及び図10を参照すると、歯車38は、2個用いられており、それぞれ駆動軸37に対して相対的に回転不可能に取り付けられている。図9に最も明瞭に示すように、外側リッド30の一対の軸受部30dの対向面には、X方向外向きに窪む円形状の凹部39aがそれぞれ設けられており、この凹部39a内に歯車38がそれぞれ配置されている。
【0047】
引き続いて図9及び図10を参照すると、内歯車部39は、外側リッド30の一対の軸受部30dにそれぞれ設けられた凹部39aに形成されている。より具体的には、凹部39aの中心は軸孔30eの軸線と一致しており、凹部39aの直径は挿通溝30fの直径よりも大きい。この凹部39aの周壁39bの一部に、歯車38に噛み合う内歯車部39が設けられている。内歯車部39を形成する角度範囲(約150度)は、リッド部30aの回転角度(約90度)よりも広い。内歯車部39(周壁39b)の内端の一部は、閉塞部30bと突部30cとによって覆われている。
【0048】
図2から図4を参照すると、内側リッド40は、充電口2と給電コネクタ15の間に取り付けられており、本実施形態では第2収容部22の周壁23内に配置されている。内側リッド40は、周壁23内を通した充電口2側と給電コネクタ15側の連通を遮断した閉位置(図2及び図3参照)と、給電コネクタ15側へ回転して充電口2側と給電コネクタ15側を連通させた開位置(図4参照)との間を、回転可能である。より具体的には、内側リッド40は、隔壁24の開口部24aを塞ぐ閉位置と、開口部24aを開放した開位置との間の回転が許容されるように、開口部24aの開口縁24bに配置されている。図1及び図5を参照すると、内側リッド40は、一対の開閉体41を備える両開き式であり、それぞれ付勢部材45によって閉位置に付勢されている。一対の開閉体41の外周にはシール部42がそれぞれ設けられている。
【0049】
図5及び図8を参照すると、一対の開閉体41はそれぞれ、樹脂によって線対称な形状に成形されており、隔壁24の開口縁24bの対向位置に設けられた取付部24cに取り付けられている。個々の開閉体41は、X方向の中央で隔壁24の開口部24aを2分割した形状よりも一回り小さい。
【0050】
個々の開閉体41には、取付部24cの一対の軸受部24e間に位置する一対の取付片41aが設けられている。一対の軸受部24eと一対の取付片41aに1本の回転軸43を貫通させることで、開閉体41が回転可能に取り付けられる。より具体的には、開閉体41は、Z方向に延びる回転軸43まわりに、給電コネクタ15側へ水平方向に回転できる。
【0051】
図1図5及び図8を参照すると、シール部42は、ゴム製であり、開閉体41を取り囲むように開閉体41の外周に取り付けられている。シール部42は開閉体41の外周から外向きに突出している。一対の開閉体41が閉位置にあるとき、一対のシール部42のうち、取付片41aとは反対側に位置する先端部(対向部分)42aは、互いに当接する。また、一対の開閉体41が閉位置にあるとき、先端部42a以外の外周部42bは、隔壁24の開口縁24bに当接し、開閉体41と隔壁24の開口縁24bとの間をシールする。
【0052】
引き続いて図5及び図8を参照すると、付勢部材45は、一対の開閉体41の回転軸43にそれぞれ取り付けられ、開閉体41を閉位置に付勢する。付勢部材45には、キックバネを用いることができる。但し、付勢部材45は、開閉体41を閉位置に付勢できる構成であれば、必要に応じて変更が可能である。
【0053】
次に、リッド装置10の動作の一例を説明する。
【0054】
充電スタンドの所定位置に電気自動車を停車させて開閉スイッチを操作すると、このスイッチ操作を検出したECUがリッド装置10を開駆動させる。これによりモータ36が正転し、モータ36の回転力が駆動軸37を介して歯車38に伝わり、図10において反時計回りに歯車38が回転する。この歯車38の回転力が内歯車部39に伝わることで、図3に示す閉位置の外側リッド30が図2に示す開位置に回転する。
【0055】
続いて、充電プラグ5が充電口2から差し込まれる。これにより、充電プラグ5の押圧によって、閉位置の開閉体41が付勢部材45の付勢力に抗して図4に示す開位置に回転する。引き続いて充電プラグ5が差し込まれることにより、充電プラグ5が給電コネクタ15の接続口15aに接続され、充電が開始される。
【0056】
充電が完了すると、充電プラグ5が充電口2(給電コネクタ15)から引き抜かれる。これにより、一対の開閉体41が付勢部材45の付勢力によって図2に示す閉位置に回転される。また、ECUがリッド装置10を閉駆動させる。これによりモータ36が逆転し、モータ36の回転力が駆動軸37を介して歯車38に伝わり、図10において時計回りに歯車38が回転する。この歯車38の回転力が内歯車部39に伝わることで、図2に示す開位置の外側リッド30が図3に示す閉位置に回転する。
【0057】
このように構成されたリッド装置10は、以下の特徴を有する。
【0058】
モータ36を含む駆動機構35によって充電口2を塞ぐ外側リッド30が第1収容部21内に配置され、第1収容部21内に設けられた第2収容部22に給電コネクタ15が配置され、充電口2と給電コネクタ15の間に内側リッドが取り付けられている。よって、たとえ第1収容部21内に水が入り込んだとしても、第2収容部22内の給電コネクタ15側への浸水は内側リッド40によって遮断されるため、給電コネクタ15の防水性を確保できる。
【0059】
内側リッド40は付勢部材45によって閉位置に付勢されるため、駆動機構35は外側リッド30のみを電動で開閉させれば良い。よって、駆動用のモータ36を低トルク化できる。低トルクのモータ36は高トルクのモータよりも安価であるため、外側リッド30を電動で開閉することに伴うコストを抑えることができる。
【0060】
付勢部材45によって閉位置に付勢された内側リッド40は、車外側からの押圧によって開位置に回転できる。よって、電気自動車を自動充電する場合にも対応できる。具体的には、駆動機構35によって外側リッド30を回転させて充電口2を開放した後、充電プラグ5を充電口2に挿入し、充電プラグ5によって内側リッド40を押圧して回転させることで、充電プラグ5を給電コネクタ15に自動接続できる。また、充電完了後には、充電プラグ5を引き抜くことで、内側リッド40を付勢部材45の付勢力で閉位置に回転させ、外側リッド30を駆動機構35によって閉位置に回転させることができる。
【0061】
第2収容部22の周壁23内には隔壁24が設けられ、内側リッド40は隔壁24の開口縁24bに取り付けられている。隔壁23内に取り付けられた内側リッド40は、第1収容部21内に取り付けられた外側リッド30と干渉することはない。よって、2つのリッド30,40の干渉に伴う動作不良の発生を防止できる。
【0062】
内側リッド40は、開口部24aの開口縁24bの対向位置に配置された一対の開閉体41を有する。そのため、1枚の開閉体41を用いる場合と比較して、開閉体41の開閉に必要なスペースが小さくなる。よって、第2収容部22を含むリッド装置10全体を小型化できる。
【0063】
一対の開閉体41は、垂直方向(Z方向)に延びる回転軸32まわりで水平方向に回転可能である。よって、一対の開閉体41には自重等による負荷が均一に作用するため、一対の開閉体41の開閉動作を安定化できる。
【0064】
一対の開閉体41それぞれの外周にはシール部42が設けられている。また、一対の開閉体41が閉位置にあるとき、一対のシール部42の対向部分42aは互いに当接している。また、シール部42は開口部24aの開口縁24bに当接している。よって、第1収容部21内から第2収容部22の隔壁24よりも内側への浸水を大幅に抑制できる。
【0065】
給電コネクタ15は内側リッド40の回転範囲外に配置されている。つまり、給電コネクタ15は、開位置の内側リッド40と間隔をあけて位置している。よって、仮に第1収容部21内から第2収容部22の隔壁24よりも内側に浸水が生じたとしても、給電コネクタ15への水の付着を抑制できる。
【0066】
周壁23には第2収容部22の内部と外部を連通させる通水孔23gが設けられている。そのため、仮に第1収容部21内から第2収容部22内の内側リッド40よりも内側に浸水が生じたとしても、水を第2収容部22内に溜めることなく、通水孔23gを通して外部へ流出させることができる。よって、例えば冬場に内側リッド40の縁付近に溜まった水が凍結し、内側リッド40の開閉に支障をきたすことを防止できる。
【0067】
通水孔23gが下壁部23cの傾斜面23c1の最も低い位置に形成されている。よって、仮に第2収容部22の隔壁24よりも内側に水が入り込んだ場合でも、確実に外部へ流出させることができる。
【0068】
外側リッド30が第1収容部21内に回転可能に取り付けられ、駆動軸37、歯車38及び内歯車部39を介して軸受部30dに伝わるモータ36の駆動力によって、外側リッド30が閉位置と開位置に回転する。このように、外側リッド30の回転軸32とは別の駆動軸37の回転によって外側リッド30を回転させるため、回転軸32に駆動力を直接伝えて回転させる場合と比較して、外側リッド30の開閉を安定化できる。
【0069】
以下、本発明の他の実施形態並びに変形例を説明するが、これらの説明において、特に言及しない点は第1実施形態と同様である。以下で言及する図面において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。
【0070】
(第2実施形態)
図11から図14は第2実施形態のリッド装置10を示す。このリッド装置10は、内側リッド40を構成する一対の開閉体41を、垂直方向に回転する両開き式とした点で、第1実施形態のリッド装置10と相違する。また、第2実施形態では、第1収容部21の下壁部21dと第2収容部22の下壁部23cとを一体化し、1つの壁で構成した点で、第1実施形態と相違する。
【0071】
図12を参照すると、収容部材20の隔壁24には、内側リッド40の一対の開閉体41をそれぞれ取り付ける一対の取付部24cが設けられている。一対の取付部24cは、開口部24aを画定する開口縁24bのZ方向に対向する位置に設けられている。個々の取付部24cの基部24dは、隔壁24から突出し、XY平面に沿って延びている。個々の取付部24cの軸受部24eは、基部24dのX方向両端に設けられ、それぞれYZ平面に沿って延びている。
【0072】
図11及び図12を参照すると、個々の開閉体41は、Z方向の中央で隔壁24の開口部24aを2分割した形状よりも一回り小さい。開閉体41には、取付部24cの一対の軸受部24e間に位置する一対の取付片41aが設けられている。一対の軸受部24eと一対の取付片41aに1本の回転軸43を貫通させることで、開閉体41が回転可能に取り付けられる。より具体的には、開閉体41は、図13に示す閉位置と図14に示す開位置との間を、X方向(水平方向)に延びる回転軸43まわりで給電コネクタ15側へ垂直方向に回転できる。
【0073】
このように構成した第2実施形態のリッド装置10では、第1実施形態と同様に、外側リッド30と内側リッド40によって給電コネクタ15の防水性を確保でき、外側リッド30を開閉するためのモータ36の低トルク化によってコストを抑えることができる。また、付勢部材45によって閉位置に付勢された内側リッド40は、車外側からの押圧によって開位置に回転できる。よって、電気自動車を自動充電する場合にも対応できる。
【0074】
なお、本発明の車両用リッド装置10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0075】
例えば、図15に示すように、内側リッド40は1枚の開閉体のみで構成されてもよい。この場合、内側リッド40は、図示のように開口部24aの上側に取付部24cを設け、水平方向に延びる回転軸43によって、垂直方向に回転可能とすることが好ましい。このようすれば、開口部24aのZ方向下側やX方向両側に取付部24cを設ける場合と比較して、強い付勢力の付勢部材45を用いることなく、開口部24aを確実に閉塞できるため、第2収容部22の隔壁24よりも内側への浸水を効果的に抑制できる。
【0076】
第2収容部22の下壁部23cの上面は、傾斜面23c1,23c2を備えることなく、平坦であってもよい。また、下壁部23cには通水孔23gを設けなくてもよい。
【0077】
外側リッド30は、収容部材20に対して回転可能に取り付けられる構成に限られず、充電口2を開閉可能な構成であれば、必要に応じて変更が可能である。
【0078】
第2収容部22は、端壁25側が第1収容部21から突出するようにしたが、端壁25を含む内端側も第1収容部21内に位置していてもよい。
【0079】
第1収容部21の周壁21a及び第2収容部22の周壁23は、四角筒状に限られず、四角以上の多角筒状、又は円筒状であってもよく、これらの断面形状は必要に応じて変更が可能である。
【0080】
内側リッド40は、第2収容部22の外端23hを塞ぐように、第2収容部22の周壁23又は第1収容部21の周壁21aに取り付けられてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 サイドパネル(車体パネル)
2 充電口
5 充電プラグ
10 車両用リッド装置
15 給電コネクタ
15a 接続口
20 収容部材
21 第1収容部
21a 周壁
21b 側壁部
21c 上壁部
21d 下壁部
21e フランジ部
21f 第1軸孔
21g 第2軸孔
22 第2収容部
23 周壁
23a 側壁部
23a1 第1部分
23a2 第2部分
23a3 第3部分
23b 上壁部
23c 下壁部
23c1 第1傾斜面
23c2 第2傾斜面
23c3 溝底
23d 突片
23e 弾性片
23f 軸孔
23g 通水孔
23h 外端
24 隔壁
24a 開口部
24b 開口縁
24c 取付部
24d 基部
24e 軸受部
25 端壁
25a 取付孔
26 空隙部
30 外側リッド
30a リッド部
30b 閉塞部
30c 突部
30d 軸受部
30e 軸孔
30f 挿通溝
32 回転軸
35 駆動機構
36 モータ
36a 出力部
37 駆動軸
38 歯車
39 内歯車部
39a 凹部
39b 周壁
40 内側リッド
41 開閉体
41a 取付片
42 シール部
42a 先端部(対向部分)
42b 外周部
43 回転軸
45 付勢部材
A 第1収容部の軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15