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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152830
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】バッテリシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20221004BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221004BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20221004BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H02J7/00 K
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055758
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100196346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 貴士
(72)【発明者】
【氏名】阿部 能聖
(72)【発明者】
【氏名】村山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】桑原 唯
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BA05
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503HA03
5H030AA10
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】セルバランス技術の改善により、バッテリの更なる長寿命化並びにバッテリの高速充電を実現可能とする。
【解決手段】バッテリシステム10は、複数の二次電池セル14(14a,14b…14ん)が直列に接続されたバッテリ11と、バッテリ11の状態を管理可能なバッテリ管理部12と、バッテリ11とは別の電源である外部電源13とを具備し、バッテリ管理部12は、複数の二次電池セル14(14a,14b…14n)間で電圧の平準化を図るためのセルバランス回路16を有する。ここで、セルバランス回路16は、複数の二次電池セル14(14a,14b…14n)のうち任意の二次電池セル14を外部電源13で選択的に充電可能に構成され、バッテリ管理部12は、複数の二次電池セル14(14a,14b…14n)の電圧状態に応じて、複数の二次電池セル14(14a,14b…14n)のうち相対的に電圧の低い二次電池セル14(14a,14b)に対して外部電源13で充電を可能とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池セルが直列に接続されたバッテリと、前記バッテリの状態を管理可能なバッテリ管理部と、前記バッテリとは別の電源である外部電源とを具備し、
前記バッテリ管理部は、前記複数の二次電池セル間で電圧の平準化を図るためのセルバランス回路を有するバッテリシステムであって、
前記セルバランス回路は、前記複数の二次電池セルのうち任意の二次電池セルを前記外部電源で選択的に充電可能に構成され、
前記バッテリ管理部は、前記複数の二次電池セルの電圧状態に応じて、前記複数の二次電池セルのうち相対的に電圧の低い二次電池セルに対して前記外部電源で充電を可能とするバッテリシステム。
【請求項2】
前記バッテリ管理部は、前記複数の二次電池セルのうち最も電圧の高い二次電池セルの電圧値を目標値として前記電圧の低い二次電池セルに対する充電を可能とする請求項1に記載のバッテリシステム。
【請求項3】
前記セルバランス回路は、各々の前記二次電池セルについて前記外部電源と電気的に接続された状態と、前記バッテリの充電用電源と電気的に接続された状態とを切替え可能な切替え回路を有する請求項1又は2に記載のバッテリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二次電池とも呼ばれるバッテリの長寿命化、安全性の確保等を目的として、バッテリの状態を管理するBMS(バッテリ管理システム)と呼ばれる機器が用いられている。BMSは、主にバッテリ全体の電圧、電流、温度などを監視すると共に、バッテリを構成する二次電池セル間の電圧バランスを監視し、当該バランスが崩れたと判断した場合には、BMSに設けられたセルバランス回路を用いて、二次電池セル間における電圧の平準化が図られている。
【0003】
ここで、電圧の平準化の方式としては、放電による方式(パッシブ方式)と、充電による方式(アクティブ方式)とが知られている。このうちパッシブ方式と呼ばれるセルバランス方式では、バッテリを構成する複数の二次電池セルのうち相対的に残容量の多い(すなわち電圧の高い)二次電池セルについて、相対的に残容量の少ない(すなわち電圧の低い)二次電池セルと同レベルに電圧が低下するまで放電を行う(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、アクティブ方式と呼ばれるセルバランス方式では、同じくバッテリを構成する複数の二次電池セルのうち相対的に電圧の低い二次電池セルに対して、相対的に電圧の高い二次電池セルを充電用電源として用いて、各二次電池セルの電圧が平均化されるまで充電を行う(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-103804号公報
【特許文献2】国際公開第2013/61461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近の脱炭素化の流れを受けて、自動車分野においてもバッテリの更なる需要の広がりが見込まれている。このような状況下においては、より短時間でバッテリを充電し、またより長時間のバッテリ使用を可能とするセルバランス技術が求められるものと予測される。ここで、既存の両セルバランス方式(パッシブ方式、アクティブ方式)をエネルギー効率の面から比較した場合、相対的に電圧の高い二次電池セルを強制的に放電させるパッシブ方式よりも、相対的に電圧の高い二次電池セルを用いて相対的に電圧の低い二次電池セルの充電を行うアクティブ方式が有利である。しかしながら、このアクティブ方式だと、相対的に電圧の高い二次電池セルの放電を要する点はパッシブ方式と変わらないため、更なる長寿命化並びに高速充電を見据えた場合、セルバランス技術のより一層の改善が求められる。
【0007】
以上の事情に鑑み、本明細書では、セルバランス技術の改善により、バッテリの更なる長寿命化並びにバッテリの高速充電を実現可能とすることを、解決すべき技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題の解決は、本発明に係るバッテリシステムによって達成される。すなわち、このバッテリシステムは、複数の二次電池セルが直列に接続されたバッテリと、バッテリの状態を管理するバッテリ管理部と、バッテリとは別の電源である外部電源とを具備し、バッテリ管理部は、複数の二次電池セル間で電圧の平準化を図るためのセルバランス回路を有するバッテリシステムであって、セルバランス回路は、複数の二次電池セルのうち任意の二次電池セルを外部電源で選択的に充電可能に構成され、バッテリ管理部は、複数の二次電池セルの電圧状態に応じて、複数の二次電池セルのうち相対的に電圧の低い二次電池セルに対して外部電源で充電を可能とする点をもって特徴付けられる。
【0009】
このように、本発明に係るバッテリシステムでは、セルバランス回路を、複数の二次電池セルのうち任意の二次電池セルを外部電源で選択的に充電可能に構成すると共に、バッテリ管理部が、複数の二次電池セルの電圧状態に応じて、複数の二次電池セルのうち相対的に電圧の低い二次電池セルに対して外部電源で充電を可能とした。このようにバッテリとは別の電源である外部電源を用いて相対的に電圧の低い二次電池セルを充電可能とすることによって、従来方式のように相対的に電圧の高い二次電池セルを放電させることなく、相対的に電圧の低い二次電池セルを充電することができる。これにより、例えば二次電池セル間で電圧バランスが崩れた際に相対的に電圧の低い二次電池セルの電圧を高めて二次電池セル間の電圧差を解消することができるので、複数の二次電池セルを総じて高い電圧状態とすることが可能となる。よって、パッシブ方式や従来のアクティブ方式と比較して、バッテリの充電(満充電)に必要な時間を短くすることが可能となる。また、セルバランス後におけるバッテリの実質的な利用可能時間(放電終止電圧に達するまでの時間)を延ばすことが可能となる。以上より、本発明に係るバッテリシステムによれば、バッテリの短時間充電並びに長寿命化を図ることが可能となる。
【0010】
また、本発明に係るバッテリシステムにおいて、バッテリ管理部は、複数の二次電池セルのうち最も電圧の高い二次電池セルの電圧値を目標値として電圧の低い二次電池セルに対する充電を可能としてもよい。
【0011】
このように、バッテリを構成する複数の二次電池のうち最も電圧の高い二次電池セルの電圧値を目標値として電圧の低い二次電池セルに対する充電を可能とすることによって、全ての二次電池セルを極力高い電圧レベルで平準化することができる。よって、充電時間の更なる短縮化と長寿命化を図ることが可能となる。
【0012】
また、本発明に係るバッテリシステムにおいて、セルバランス回路は、各々の二次電池セルについて外部電源と電気的に接続された状態と、バッテリの充電用電源と電気的に接続された状態とを切替え可能な切替え回路を有してもよい。なお、ここでいうバッテリの充電用電源とは、本発明に係るバッテリと外部電源の何れとも異なる電源であって、バッテリの充電に用いられる電源を意味する。
【0013】
このように、各二次電池セルについて外部電源と電気的に接続された状態と、バッテリの充電用電源と電気的に接続された状態とを切替え可能な切替え回路を設けることにより、セルバランス用の充電を必要とする二次電池セルだけに外部電源から充電を行うことができる。その一方で、セルバランス用の充電を行う必要のない二次電池セルについては、バッテリの充電用電源と電気的に接続された状態を維持することができるので、バッテリの通常充電について従来と同じ構造を採用することができ、総じて低コストに本発明に係るバッテリシステムを構築することが可能となる。なお、ここでいうバッテリの通常充電とは、本発明に係るバッテリの充電用電源によるバッテリの充電であり、かつバッテリを構成する全ての二次電池セルに対して行う充電を意味する。
【0014】
また、本発明に係るバッテリシステムにおいて、外部電源は、バッテリ管理部の起動用電源であってもよい。
【0015】
このように、外部電源としてバッテリ管理部の起動用電源を用いることによって、この起動用電源をセルバランス用の電源として兼用することが可能となる。そのため、必要な部品点数を増やすことなく簡素にバッテリシステムを構築することが可能となる。また、部品点数を増やさずにバッテリを高性能化できれば、バッテリシステムの大型化を避けつつ高性能化を図ることができるので、バッテリシステムの適用範囲をさらに広げることが可能となる。
【0016】
また、前記課題の解決は、本発明に係るバッテリのセルバランス方法によっても達成される。すなわち、この方法は、複数の二次電池セルが直列に接続されたバッテリにおいて、複数の二次電池セル間で電圧の平準化を図るためのセルバランスを行うための方法において、複数の二次電池セル間の電圧バランスが許容範囲内であるか否かを判定する電圧バランス判定ステップと、電圧バランス判定ステップで電圧バランスが許容範囲内ではないと判定された場合に、複数の二次電池セルのうち相対的に電圧の低い二次電池セルに対して、バッテリとは別の電源である外部電源で充電を行う充電ステップとを具備する点をもって特徴付けられる。
【0017】
このように、本発明に係るセルバランス方法では、二次電池セル間の電圧バランスが許容範囲内ではないと判定された場合に、複数の二次電池セルのうち相対的に電圧の低い二次電池セルに対して、バッテリとは別の電源である外部電源で充電を行うようにした。このように、二次電池セル間で電圧バランスが崩れた(許容範囲内ではない)場合に、外部電源を用いて相対的に電圧の低い二次電池セルを充電することによって、従来方式のように相対的に電圧の高い二次電池セルを放電させることなく、相対的に電圧の低い二次電池セルを充電することができる。これにより、複数の二次電池セルを総じて高い電圧状態とすることが可能となるので、パッシブ方式や従来のアクティブ方式と比較して、バッテリの充電に必要な時間を短くすることが可能となる。また、セルバランス後におけるバッテリの実質的な利用可能時間を延ばすことが可能となる。以上より、本発明に係るセルバランス方法によれば、バッテリの短時間充電並びに長寿命化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明に係るバッテリシステム、又はバッテリのセルバランス方法によれば、二次電池セル間のセルバランスを電力エネルギーの観点から効率よく実施することができる。そのため、バッテリの更なる長寿命化並びにバッテリの高速充電を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るバッテリシステムの全体構成を示す図である。
図2図1に示すセルバランス回路とバッテリ、及び外部電源との接続状態を示す図で、バッテリの通常充電を行う場合の接続状態を示す図である。
図3図1に示すセルバランス回路とバッテリ、及び外部電源との接続状態を示す図で、特定の二次電池セルのみに外部電源から充電を行う場合の接続状態を示す図である。
図4図1に示すバッテリシステムを用いたセルバランス方法の一例を示すフローチャートである。
図5】本発明に係るセルバランス方法の(a)実施前における各二次電池セルの電圧状態を示す図と、(b)実施後における各二次電池セルの電圧状態を示す図である。
図6】従来のパッシブ方式に係るセルバランス方法の(a)実施前における各二次電池セルの電圧状態を示す図と、(b)実施後における各二次電池セルの電圧状態を示す図である。
図7】従来のアクティブ方式に係るセルバランス方法の(a)実施前における各二次電池セルの電圧状態を示す図と、(b)実施後における各二次電池セルの電圧状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係るバッテリシステム、及びバッテリのセルバランス方法の内容を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリシステム10の全体構成を示している。このバッテリシステム10は、バッテリ11と、バッテリ11の状態を管理するバッテリ管理部12と、外部電源13とを具備する。本実施形態では、モータを動力源とする車両に本発明に係るバッテリシステムを適用する場合を例にとって説明する。なお、ここでいうモータを動力源とする車両には、内燃機関を持たずモータのみを動力源としかつ充放電可能なバッテリ(本実施形態でいえばバッテリ11が相当する)によりモータへの電力供給を行う電気自動車はもちろん、内燃機関とモータをともに動力源としかつ充放電可能なバッテリによりモータへの電力供給を行うハイブリッド車が含まれる。
【0022】
バッテリ11は、複数の二次電池セル14を直列に接続してなるもので、例えばリチウムイオンバッテリなど車載用に好適な二次電池が適用される。ここで、各二次電池セル14の起電力(容量)は、10Vオーダー(例えば3~5V)であり、これら複数の二次電池セル14を直列に接続してなるバッテリ11の起電力は、10~10Vオーダー(例えば10Vオーダーであれば40~50V、10Vオーダーであれば200~300V)である。
【0023】
バッテリ管理部12は、バッテリ11の状態を監視する監視部15と、複数の二次電池セル14間における電圧の平準化を図るためのセルバランス回路16とを有する。
【0024】
監視部15は、バッテリ11の状態を監視し、監視した結果に基づき必要と判断した場合には、セルバランス回路16又は本バッテリシステム10が搭載された車両(図示は省略)のECU17に所定の指令を送信するように構成されている。具体的に、監視部15は、その基板に設けられたマイコン等のホストコンピュータ(図示は省略)により、バッテリ11全体の電圧や電流、温度などバッテリ11の状態を示すパラメータを解析し、バッテリ11に何らかの異常が発生していないか判定する。そして、何らかの異常が発生していると判定した場合には、異常の内容に応じた指令をECU17に送信する。また、監視部15は、バッテリ11を構成する複数の二次電池セル14の電圧、電流など各二次電池セル14の状態を示すパラメータを解析し、各二次電池セル14に何らかの異常が発生していないか、及び複数の二次電池セル14間で電圧等のアンバランスが発生していないかを判定する。そして、アンバランス等の異常が発生していると判断した場合には、異常の内容に応じた指令をセルバランス回路16に送信する。なお、上述した監視部15によるバッテリ11の監視は主に、バッテリ11の充電時又は放電時において行われるが、バッテリ11の待機時(充電と放電の何れも行っていないとき)に行ってもよい。
【0025】
セルバランス回路16は、例えば電圧など各二次電池セル14の状態に関するパラメータを測定し、測定結果を監視部15に送信すると共に、監視部15から受けた信号(指令)の内容に応じた処理を行うように構成されている。ここで、セルバランス回路16による主たる処理は、二次電池セル14間の電圧バランスを制御するための処理であり、当該処理のために、セルバランス回路16は、例えば図1に示す複数の二次電池セル14(14a,14b…14n)のうち任意の二次電池セル14を外部電源13で選択的に充電可能に構成される。なお、本図示例では、各図中に示した複数の二次電池セル14の符号を14a,14b…14nとして、後述する説明のために便宜上の区別を図っている。
【0026】
図2は、任意の二次電池セル14を外部電源13により選択的に充電可能とするための構成の一例を示している。すなわち、本実施形態に係るセルバランス回路16は、バッテリ11内の各二次電池セル14について、外部電源13と電気的に接続された状態と、バッテリ11の充電用電源(電気自動車用の充電設備など)又は電力負荷先(モータなど)と電気的に接続された状態とを切替え可能な切替え回路19を有する。この場合、切替え回路19は、二次電池セル14と同じ数だけセルバランス回路16内に設けられる。
【0027】
ここで、各切替え回路19は、一対の切替え端子20a,20bを有し、各切替え端子20a(20b)の切替え動作により、バッテリ11の充電用電源又は電力負荷先につながる第一電路21aと各切替え端子20a(20b)との接触状態と、外部電源13につながる第二電路21bと各切替え端子20a(20b)との接触状態との切替えを可能としている。ここで、各切替え回路19の切替え端子20a,20bが何れも第一電路21aに接続されている場合、複数の二次電池セル14が直列に接続された状態となる(図2を参照)。また、一部の切替え回路19の切替え端子20a,20bが第一電路21aに接続され、残部の切替え回路19の切替え端子20a,20bが第二電路21bに接続されている場合、図3に示すように、第二電路21bと電気的に接続されている二次電池セル14(14a,14b)のみが並列に接続された状態となる。
【0028】
各切替え回路19の切替え動作は、LSI等で構成されるセルバランス回路16の制御部(図示は省略)により制御され得る。ここで、セルバランス回路16の制御部は、監視部15から受けた信号の内容に応じて各切替え回路19の切替え動作を制御する。例えば、監視部15から特定の二次電池セル14(例えば図2中の二次電池セル14a,14b)のみ外部電源13による充電を行う旨の指令を受けた場合、セルバランス回路16の制御部は、特定の二次電池セル14a,14bに対応する切替え回路19についてのみ切替え動作を行う。
【0029】
また、各二次電池セル14には電圧計22が接続されており、各電圧計22により対応する二次電池セル14の電圧を測定可能としている。本図示例のように、電圧計22がセルバランス回路16に設けられる場合、セルバランス回路16の制御部により定期的に電圧測定の信号が電圧計22に送られ、当該信号に基づいて電圧計22は対応する二次電池セル14の電圧を測定すると共に、測定した電圧の値を監視部15に送信する。
【0030】
なお、本実施形態では、監視部15とセルバランス回路16がそれぞれ別個の基板に設けられていてもよい。この場合、例えばバッテリ11を構成する二次電池セル14の数に応じて、セルバランス回路16側の基板を交換するだけで、バッテリ11の変更に容易に対応可能となる。
【0031】
外部電源13は、特定の二次電池セル14に対して充電用の電力を供給可能に構成される。本実施形態では、バッテリ管理部12の起動用電源を外部電源13として用いている。この場合、外部電源13からバッテリ管理部12の監視部15に所定の電力が供給されると共に、当該電力がセルバランス回路16の切替え回路19を介して各二次電池セル14に選択的に供給可能とされている(図1及び図2を参照)。なお、この際、図示は省略するが、必要に応じて、外部電源13から供給された電圧を例えばバッテリ管理部12に設けたコンバータにより所定のレベルにまで降圧(例えば10Vオーダーから10Vオーダーまで降圧)した状態で、各二次電池セル14に選択的に供給可能としてもよい。
【0032】
次に、上記構成のバッテリシステム10を用いた本発明に係るバッテリのセルバランス方法の内容を、主に図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0033】
このセルバランス方法は、バッテリ11を構成する複数の二次電池セル14間における電圧の平準化を図るための方法で、図4に示すように、二次電池セル14の電圧を監視するセル電圧監視ステップS1と、二次電池セル14間での電圧バランスが許容範囲内であるか否かを判定する電圧バランス判定ステップS2と、電圧バランスの判定結果に基づいて充電すべき二次電池セル14を特定するセル特定ステップS3と、特定した二次電池セル14のみ外部電源13と接続する外部電源接続ステップS4と、特定の二次電池セル14に対して外部電源13で充電を行う充電ステップS5とを具備する。
【0034】
また、本実施形態では、セル電圧監視ステップS1の前段階として、バッテリ11が充電モード又は放電モードであるか否かを判定する充放電モード判定ステップS6と、充電モード又は放電モードである場合にバッテリ11全体の状態を監視するバッテリ監視ステップS7とをさらに具備する。以下、各ステップS1~S7を時系列順に説明する。
【0035】
まずバッテリ管理部12の起動用電源(本実施形態では外部電源13)によりバッテリ管理部12を起動する。次に、監視部15は、車両に搭載されたECU17からの信号を受信して、バッテリ11が充電モード又は放電モードであるか否かを判定する(充放電モード判定ステップS6)。そして、充電モード又は放電モードであると判定した場合には、監視部15は、バッテリ11全体としての電圧、電流、温度などを解析することでバッテリ11の状態を監視する(バッテリ監視ステップS7)。そして、解析によりバッテリ11に何らかの異常があると判断した場合、監視部15は、異常の内容に応じた指令(異常を解消するための処理を行う旨の指令)を例えば車両に搭載されたECU17に送信する。このようにして、充電時又は放電時(ここではモータの駆動時)、バッテリ11が適正な状態に維持され得る。
【0036】
また、充放電モード判定ステップS6において、バッテリ11が充電モードと放電モードの何れでもない状態にあると判定した場合には、監視部15は、バッテリ11を構成する各二次電池セル14の電圧を監視する(セル電圧監視ステップS1)。ここでは、例えば図2に示す電圧計22で測定した各二次電池セル14の電圧データを監視部15に送信し、監視部15は受信した電圧データを解析して、各二次電池セル14の電圧状態につき何らかの異常があるか否かを判定する。また、監視部15は、これら二次電池セル14間での電圧バランスを評価し、電圧バランスが許容範囲内であるか否かを判定する(電圧バランス判定ステップS2)。本実施形態では、測定して得た複数の二次電池セル14の電圧値のうち最も高い電圧値と最も低い電圧値との差が予め設定しておいた閾値(例えば各二次電池セル14の最大起電力の8%)を越えているか否かを判定する。そして、上述した電圧差の最大値が閾値を超えている場合、二次電池セル14間の電圧バランスが崩れていると判定し、充電すべき二次電池セル14を特定する(セル特定ステップS3)。
【0037】
例えば図5(a)に示すように、最も電圧の低い二次電池セル14aの残容量が最大起電力の60%、最も電圧の高い二次電池セル14nの残容量が最大起電力の70%である場合、電圧差の最大値は最大起電力の10%となる。ここで、閾値を最大起電力の8%とした場合、電圧差の最大値は閾値を超えているので、監視部15は、このバッテリ11の二次電池セル14間における電圧バランスは崩れていると判定する。そして、監視部15は、残容量が最大起電力の70%よりも小さい二次電池セル14(図5(a)でいえば左側の二つの二次電池セル14a,14b)を外部電源13により充電すべき二次電池セル14と特定し、特定した二次電池セル14(本図示例では14a,14b)について外部電源13で充電を行う指令をセルバランス回路16の制御部に送信する。もちろん、図示は省略するが、最も電圧の高い二次電池セル14nを除く残り全ての二次電池セル14(14a,14b…)の残容量が何れも最大起電力の70%未満であった場合には、これら残り全ての二次電池セル14a,14b…が外部電源13による充電の対象として特定され得る。
【0038】
上記指令を受信したセルバランス回路16は、複数の二次電池セル14のうちセル特定ステップS3で特定した二次電池セル14(ここでは14a,14b)を外部電源13で選択的に充電できるよう、接続状態の切替えを行う(外部電源接続ステップS4)。本実施形態では、各二次電池セル14(14a,14b…14n)に切替え回路19が設けられているので、セルバランス回路16の制御部は、特定した二次電池セル14(14a,14b)の切替え回路19につき接続状態の切替えを行う。具体的には、図2に示す状態から、特定した二次電池セル14(14a,14b)の切替え回路19につき切替え端子20a,20bの切替え動作を行い、外部電源13につながる第二電路21bと各切替え端子20a,20bとを接触させた状態とする(図3を参照)。然る後、外部電源13の通電により特定した二次電池セル14(14a,14b)のみ充電を行う(充電ステップS5)。この際、本実施形態では、複数の二次電池セル14a,14b…14nのうち最も電圧の高い二次電池セル14nの電圧値を目標値として電圧の低い二次電池セル14(14a,14b)に対する充電を行う。これにより、充電対象となる二次電池セル14の電圧が、セルバランス前において最も電圧の高かった二次電池セル14nの電圧レベルに平準化され得る(図5(b)を参照)。もちろん、上述のように最も電圧の高い二次電池セル14n以外の残り全ての二次電池セル14a,14b…の残容量が何れも最大起電力の70%未満であった場合、これら残り全ての二次電池セル14a,14b…に対して上述の如き充電を行うことで、バッテリ11を構成する全ての二次電池セル14(14a,14b…14n)が、セルバランス前において最も電圧の高かった二次電池セル14nの電圧レベルに平準化され得る。
【0039】
なお、充電ステップS5の際、図4に示すように、充電中の二次電池セル14(14a,14b)の電圧を電圧計22で測定して、充電中の二次電池セル14(14a,14b)の電圧を監視しながら、外部電源13による充電を行ってもよい。この場合、セルバランス回路16(もしくは監視部15)は、充電中の各二次電池セル14(14a,14b)が最も電圧の高い二次電池セル14nの電圧値と同じであるか否かを判定し(電圧判定ステップS8)、同じ電圧値に達した二次電池セル14(例えば図5の左から二番目の二次電池セル14b)については切替え回路19の切替え動作により外部電源13による充電を終了する。一方で、未だ最も電圧の高い二次電池セル14nの電圧値に達していない二次電池セル14(例えば図5の最も左側の二次電池セル14a)については、引き続き外部電源13による充電を続行し、最も電圧の高い二次電池セル14nと同じ電圧レベルまで充電する。これにより、全ての二次電池セル14a,14b…14nの電圧につき平準化が図られる。
【0040】
以上述べたように、本実施形態に係るバッテリシステム10では、複数の二次電池セル14のうち任意の二次電池セル14を外部電源13で選択的に充電できるようにセルバランス回路16を構成すると共に、バッテリ管理部12が、複数の二次電池セル14の電圧状態に応じて、複数の二次電池セル14のうち相対的に電圧の低い二次電池セル14に対して外部電源13で充電を行うようにした。このように外部電源13を用いて相対的に電圧の低い二次電池セル14を充電可能とすることによって、従来方式のように相対的に電圧の高い二次電池セル14を放電させることなく電圧の平準化を図ることができる。
【0041】
以下、図5図7を参照して、従来方式と比較した場合の本発明に係るセルバランス方式(セルバランス方法)の利点を説明する。例えば図5(a)に示すように、最も電圧の低い二次電池セル14aの残容量が最大起電力の60%、最も電圧の高い二次電池セル14nの残容量が最大起電力の70%である場合、本発明に係るバッテリシステム10(セルバランス方法)では、残容量が最大起電力の70%よりも小さい二次電池セル14(図5(a)だと左側二つの二次電池セル14a,14b)について、セルバランス回路16が有する選択的充電機能を用いて外部電源13による充電を行う。これにより、全ての二次電池セル14a,14b…14nの残容量が、セルバランス前において最も電圧の高い二次電池セル14nと同じ電圧レベル(図5(b)に示す例だと最大起電力の70%)に平準化される。
【0042】
これに対して、従来のパッシブ方式と呼ばれるセルバランス方式(特許文献1を参照)だと、図6(a)に示すように、最も電圧の低い二次電池セル14aの残容量が最大起電力の60%、最も電圧の高い二次電池セル14nの残容量が最大起電力の70%である場合、残容量が最も少ない(60%の)二次電池セル14a以外の二次電池セル14(図6(a)だと右側二つの二次電池セル14b,14n)について、セルバランス回路30が有する放電機能を用いて放電を行う。これにより、全ての二次電池セル14a,14b…14nの残容量が、セルバランス前において最も電圧の低い二次電池セル14aと同じ電圧レベル(図6(b)に示す例だと最大起電力の60%)に平準化される。
【0043】
また、従来のアクティブ方式と呼ばれるセルバランス方式(特許文献2を参照)だと、図7(a)に示すように、最も電圧の低い二次電池セル14aの残容量が最大起電力の60%、最も電圧の高い二次電池セル14nの残容量が最大起電力の70%である場合、セルバランス回路40が有するセル間電力供給機能を用いて、残容量が最も多い(70%の)二次電池セル14nから、残容量が最も少ない(60%の)二次電池セル14aへの電力供給(二次電池セル14aの充電)を行う。これにより、全ての二次電池セル14a,14b…14nの残容量が、セルバランス前における電圧平均値もしくは当該平均値に最も近い電圧の二次電池セル14bと同じ電圧レベル(図7(b)に示す例だと最大起電力の65%)に平準化される。
【0044】
このように、従来及び本発明に係る三つのセルバランス方式を比較した場合、従来のセルバランス方式だと、二次電池セル14の放電を平準化のための手段としている以上、セルバランスの前後で二次電池セル14の電圧レベルが総じて低下する(図6及び図7を参照)。これに対して、本発明に係るセルバランス方式だと、相対的に電圧の低い二次電池セル14a,14bに対して外部電源13で充電を行うので、セルバランスの前後で何れの二次電池セル14についても電圧低下を生じることなく電圧の平準化を図ることができる(図5を参照)。これにより、複数の二次電池セル14を総じて高い電圧レベルにできるので、パッシブ方式や従来のアクティブ方式と比較して、バッテリ11の充電に必要な時間を短くすることが可能となる。また、セルバランス後におけるバッテリ11の実質的な利用可能時間を延ばすことが可能となる。以上より、本発明に係るバッテリシステム10及びバッテリのセルバランス方法によれば、バッテリ11の短時間充電と長寿命化を図ることが可能となる。
【0045】
また、本実施形態に係るバッテリシステム10であれば、バッテリ11とは別の電源である外部電源13と各二次電池セル14a,14b…14nとを選択的に接続すれば足りるので、従来のアクティブ方式のように、二次電池セル14a,14b…14n間で電力エネルギーの移動を行うためにセルバランス回路40が複雑化するデメリットも生じない。よって、本実施形態に係るバッテリシステム10によれば、バッテリ11の短時間充電並びに長寿命化のためのセルバランス処理を低コストに実施することが可能となる。
【0046】
また、本実施形態に係るバッテリシステム10では、セルバランス回路16に、各々の二次電池セル14について外部電源13と電気的に接続された状態と、バッテリ11の充電用電源又は電力負荷先と電気的に接続された状態とを切替え可能な切替え回路19を設けるようにした(図2を参照)。このようにセルバランス回路16を構成することで、セルバランス用の充電を必要とする二次電池セル14だけに外部電源13から充電を行うことができる。その一方で、セルバランス用の充電を行う必要のない二次電池セル14については、バッテリ11の充電用電源と電気的に接続された状態を維持することができるので、通常充電について従来と同じ構造を採用することができ、総じて低コストに本発明に係るバッテリシステム10を構築することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態に係るバッテリのセルバランス方法(バッテリシステム10)では、バッテリ管理部12につき、複数の二次電池セル14のうち最も電圧の高い二次電池セル14nの電圧値(ここでは最大起電力の70%)を目標値として電圧の低い二次電池セル14a,14bに対する充電を行うようにした(図4を参照)。このように最も電圧の高い二次電池セル14nの電圧値を目標値として電圧の低い二次電池セル14a,14bに対する充電を行うことによって、全ての二次電池セル14a,14b…14nを極力高い電圧レベルで平準化することができる。よって、充電時間の更なる短縮化と長寿命化を図ることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態に係るバッテリシステム10では、各二次電池セル14に切替え回路19を設けて、各二次電池セル14の接続状態を別個独立に切替え可能とした(図2を参照)。そのため、例えば図5(a)に示すように、充電対象となる複数の二次電池セル14a,14bについて、充電すべき量が互いに異なる場合、充電すべき量が相対的に少ない二次電池セル14bの充電が完了した後、充電が完了した二次電池セル14bの接続状態を切り替えて外部電源13と絶縁した状態で、充電すべき量が相対的に多い二次電池セル14aについて充電を続行することで、容易に全ての二次電池セル14を最も電圧の高い二次電池セル14nと同じ電圧レベルにまで充電することが可能となる。
【0049】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明に係るバッテリシステム、及びバッテリのセルバランス方法は、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
【0050】
例えばセルバランス回路16が有する二次電池セル14の選択的充電機能に関し、上記実施形態では、セルバランス回路16に、各々の二次電池セル14a,14b…14nと外部電源13とが電気的に接続された状態と、各々の二次電池セル14a,14b…14nとバッテリ11の充電用電源又は電力負荷先とが電気的に接続された状態とを切替え可能な切替え回路19を設けた場合を例示したが(図2を参照)、これには限られない。例えば図示は省略するが、バッテリ11の充電用電源又は電力負荷先と複数の二次電池セル14a,14b…14nとが直列に接続される回路とは別に、外部電源13と各二次電池セル14a,14b…14nとが並列に接続される回路を設けて、回路上の所定位置に複数の切り替えスイッチを設けることにより、複数の二次電池セル14a,14b…14nのうち任意の二次電池セル14を外部電源13により選択的に充電可能に構成してもよい。
【0051】
また、本発明に係るバッテリのセルバランス方法について、上記実施形態では、各二次電池セル14a,14b…14nの電圧バランスが許容範囲内であるか否かの具体的な判定基準として、測定して得た複数の二次電池セル14の電圧値のうち最も高い電圧値と最も低い電圧値との差が予め設定しておいた閾値(例えば各二次電池セル14の最大起電力の8%)を越えているか否かを判定基準とした場合を例示したが、もちろんこれ以外の基準を適用することも可能である。例えば、電圧バランス判定ステップS2において、測定して得た全ての二次電池セル14a,14b…14nの電圧値に基づいて電圧値の標準偏差を算出し、標準偏差が予め設定しておいた閾値を上回っている場合に電圧バランスが許容範囲外であるとする判定基準を適用してもよい。あるいは、測定して得た二次電池セル14a,14b…14nの電圧値のうち最も低い電圧値のみに着目して、当該電圧最低値が予め設定しておいた閾値を下回った場合に電圧バランスが許容範囲外であるとする判定基準を適用してもよい。
【0052】
また、本実施形態では、セルバランス方法の充電ステップS5において、最も電圧の高い二次電池セル14nの電圧値よりも電圧の低い全ての二次電池セル14全てについて外部電源13で充電する場合を例示したが、もちろんこれには限られない。例えば測定した全ての二次電池セル14の電圧値のうち中間値以下の電圧値を示した一部の二次電池セル14のみに対して外部電源13により充電を行ってもよい。あるいは、最も電圧の高い二次電池セル14nの電圧値との電圧差が閾値より小さくかつ所定の値(例えば3%)より大きい一部の二次電池セル14について外部電源13により充電を行うようにしてもよい。
【0053】
また、以上の説明では、電圧バランス判定ステップS2で電圧バランスが許容範囲内ではないと判定された場合に、複数の二次電池セル14のうち相対的に電圧の低い二次電池セル14に対して、バッテリ11とは別の電源である外部電源13で充電を行う場合を例示したが、本発明に係るバッテリシステムは上記以外の用途に係るバッテリシステムにも適用可能である。例えばセルバランス以外の目的で相対的に電圧の低い二次電池セルのみに対して充電が必要となる場合に、本発明に係るバッテリシステムを適用してもよい。
【0054】
また、以上の説明では、図2に例示の如く複数の二次電池セル14のうち任意の二次電池セル14を外部電源13で選択的に充電可能に構成されたセルバランス回路16を用いて、複数の二次電池セル14のうち相対的に電圧の低い二次電池セル14に対して外部電源13で充電を行う場合を説明したが、本発明に係るバッテリのセルバランス方法は、上記以外の構成をなすセルバランス回路を用いて、セルバランスに係る二次電池セル14の外部電源13による充電を行ってもよい。
【0055】
また、以上の説明では、電気自動車などモータで駆動する車両のモータ駆動用バッテリに本発明を適用した場合を例示したが、もちろんこれには限られない。例えば駆動用モータ以外の電力負荷先に電力を供給する車載用バッテリに本発明を適用してもよい。あるいは、車載用に限らずバッテリの継続的かつ安定的な駆動が必要とされるバッテリ用途全般に本発明に係るバッテリシステム又はバッテリのセルバランス方法を適用してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 バッテリシステム
11 バッテリ
12 バッテリ管理部
13 外部電源
14(14a,14b,14n) 二次電池セル
15 監視部
16 セルバランス回路
17 ECU
19 切替え回路
20a,20b 切替え端子
21a 第一電路
21b 第二電路
22 電圧計
30 セルバランス回路
40 セルバランス回路
S1 セル電圧監視ステップ
S2 電圧バランス判定ステップ
S3 セル特定ステップ
S4 外部電源接続ステップ
S5 充電ステップ
S6 充放電モード判定ステップ
S7 バッテリ監視ステップ
S8 電圧判定ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7