(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152860
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】入力装置および入力判定方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
G06F3/041 600
G06F3/041 512
G06F3/041 522
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055791
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】319006047
【氏名又は名称】シャープセミコンダクターイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】長澤 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】中林 太美世
(57)【要約】
【課題】ホバータッチの判定と指以外によるタッチの判定に誤判定が生じづらい技術を提供する。
【解決手段】入力装置(1)は、タッチパネル(100)と、前記タッチパネルに設けられる静電容量センサ層(11)と、前記タッチパネルに設けられる押圧センサ層(12)と、前記タッチパネルに対する入力操作の判定を行う入力判定部(13)と、を備え、前記入力判定部は、前記静電容量センサ層による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行い、前記第1判定後に、前記押圧センサ層による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行うことによって、前記タッチパネルに対する入力操作が、第1入力操作、第2入力操作、及び、第3入力操作の何れであるかを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに設けられる静電容量センサ層と、
前記タッチパネルに設けられる押圧センサ層と、
前記タッチパネルに対する入力操作の判定を行う入力判定部と、を備え、
前記入力判定部は、
前記静電容量センサ層による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行い、
前記第1判定後に、前記押圧センサ層による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行うことによって、
前記タッチパネルに対する入力操作が、第1入力操作、第2入力操作、及び、第3入力操作の何れであるかを判定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記入力判定部は、前記第1判定で、前記第1検出値が前記第1の閾値未満と判定した場合、前記第1判定後に、前記押圧センサ層による前記第2検出値が前記第2の閾値以上であるか否かの前記第2判定を行い、
前記第2判定で前記第2の閾値以上と判定した場合、前記タッチパネルに対する入力操作を前記第2入力操作と判定し、
前記第2判定で前記第2の閾値未満と判定した場合、前記タッチパネルに対する入力操作を前記第3入力操作と判定する請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記入力判定部は、前記第1判定で、前記第1検出値が前記第1の閾値以上と判定した場合、前記タッチパネルに対する入力操作を前記第1入力操作と判定する請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
タッチパネルと、
前記タッチパネルに設けられる静電容量センサ層と、
前記タッチパネルに設けられる押圧センサ層と、
前記タッチパネルに対する入力操作の判定を行う入力判定部とを備える入力装置により実行する入力判定方法であって、
前記入力判定部による入力判定工程は、
前記静電容量センサ層による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行う工程と、
前記第1判定後に、前記押圧センサ層による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行う工程と、
前記第1判定及び前記第2判定によって、前記タッチパネルに対する入力操作が、第1入力操作、第2入力操作、及び、第3入力操作の何れであるかを判定する工程とを含むことを特徴とする入力判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置および入力判定方法に関し、特に静電容量センサ層を有する静電容量式のタッチパネルを備えた入力装置および入力判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静電容量式のタッチパネル層に押圧センサを備えた入力装置において、静電容量値と押圧センサが取得する押圧の有無とに応じて入力操作を判定する技術が特許文献1にて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で開示される技術では、ホバー検出時に容量センサが検出する静電容量値と、指以外によるタッチ(手袋を装着したときのタッチ入力またはパッシブペンによるタッチ入力)時に容量センサが検出する静電容量値と、の区別を実現することは難しいという課題がある。
【0005】
本発明の一態様は、前記の問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、ホバータッチの判定と指以外によるタッチの判定に誤判定が生じづらい技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
タッチパネルと、前記タッチパネルに設けられる静電容量センサ層と、前記タッチパネルに設けられる押圧センサ層と、前記タッチパネルに対する入力操作の判定を行う入力判定部と、を備え、前記入力判定部は、前記静電容量センサ層による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行い、前記第1判定後に、前記押圧センサ層による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行うことによって、前記タッチパネルに対する入力操作が、第1入力操作、第2入力操作、及び、第3入力操作の何れであるかを判定する。
【0007】
タッチパネルと、前記タッチパネルに設けられる静電容量センサ層と、前記タッチパネルに設けられる押圧センサ層と、前記タッチパネルに対する入力操作の判定を行う入力判定部とを備える入力装置により実行する入力判定方法であって、前記入力判定部による入力判定工程は、前記静電容量センサ層による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行う工程と、前記第1判定後に、前記押圧センサ層による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行う工程と、前記第1判定及び前記第2判定によって、前記タッチパネルに対する入力操作が、第1入力操作、第2入力操作、及び、第3入力操作の何れであるかを判定する工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ホバータッチの判定と指以外によるタッチの判定に誤判定が生じづらい技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】は、本発明の実施形態1に係る入力装置の要部ブロック図である。
【
図2】は、本発明の実施形態1に係る入力装置が備えるタッチパネルの断面図である。
【
図3】は、本発明の実施形態1に係る入力装置の容量分布例を説明するための図である。
【
図4】は、本発明の実施形態1に係る入力装置に対する入力判定方法を示すフローチャートである。
【
図5】は、本発明の実施形態2に係る入力装置の詳細ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下に、本実施形態に係る入力装置1について、
図1~
図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る入力装置1の要部ブロック図である。
【0011】
(入力装置1の構成)
図1に示すように、入力装置1は、タッチパネル100と、入力判定部13とを備えている。タッチパネル100は、静電容量センサ層11と、押圧センサ層12とを備えている。
【0012】
静電容量センサ層11には、例えば入力装置1の入力画面へのタッチを検出する静電容量型のタッチセンサ(静電容量センサ)を有している。また、タッチセンサからの検出信号は後述の入力判定部に供給される。
【0013】
押圧センサ層12には、例えば入力装置1の入力画面に加わる圧力を検出する押圧センサを有している。また、押圧センサからの検出信号は後述の入力判定部に供給される。
【0014】
図2は、本実施形態に係る入力装置1が備えるタッチパネル100の断面図である。一例として、
図2に示すように、押圧センサ層12は、静電容量センサ層11に沿って設けられてもよい。
【0015】
また、
図2に示すように、入力装置1は、静電容量センサ層11、および押圧センサ層12以外に、入力装置1の入力画面側からバックライト側までに、さらにCG(Continuous Grain)層(CGシリコンパネル層)14と、送信電極(Tx)層15と、LCD層16と、バックライト(B/L)層17とをこの順に備えている。これらの層は、本発明と直接関連しないためその説明は省略する。
【0016】
また、本実施形態において、静電容量センサ層11におけるタッチセンサ、および押圧センサ層12における押圧センサという2種類のセンサを用いて入力装置1へのタッチ、および圧力を検知する。
【0017】
図3は、本実施形態に係る入力装置1の容量分布例を説明するための図である。
図3において、左側は、押圧センサを有する押圧センサ層12により、ある時刻において得られた容量マップの例を示し、右側は、タッチセンサを有する静電容量センサ層11により、当該ある時刻において得られた容量マップの例を示す。
【0018】
また、
図3において、横軸は第1のチャネル番号(1、3、…、45)を示し、縦軸はセンサの検知信号のレベルを示す。また、奥行き方向の軸は第2のチャネル番号を示しているが、
図3では第2のチャンネル番号については図示していない。このように、
図3は、横軸及び奥行き方向の軸をチャンネル番号とし、縦軸をセンサの検知信号のレベルとすることによって、センサの検知信号のレベルの分布を3次元的に表現したグラフである。
また、
図3に示すように、センサの検知信号のレベルを例えば低いレベルから高いレベルまで-Th1、Th0、Th1、Th2、Th3、Th4、Th5、Th6計8つが挙げられている。また、
図3からわかるように、タッチセンサの検知ピーク値は、押圧センサの検知ピーク値よりも高い。
【0019】
ここで、入力判定部13の判定過程を説明する。全体的に説明すれば、入力判定部13は、静電容量センサ層11による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行い、前記第1判定後に、押圧センサ層12による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行うことによって、タッチパネルに対する入力操作が、第1入力操作、第2入力操作、及び、第3入力操作の何れであるかを判定する。また、上記の記載内容は、方法請求項における各工程の実行内容をも含む。
【0020】
また、本実施形態において、「第1入力操作」の一例としては、例えば「指によるタッチ」を指し、「第2入力操作」の一例としては、例えば「指以外によるタッチ」を指し、「第3入力操作」の一例としては、例えば「ホバータッチ」を指してもよい。
【0021】
具体的には、第1入力操作は、タッチパネル100に接触し、静電容量センサ層11による検出値が高くなり得る入力媒体による入力操作を指す。入力媒体の一例として、ユーザの指等が挙げられる。
【0022】
また。第2入力操作は、タッチパネル100に接するが、静電容量センサ層11による検出値が、第1入力操作による場合よりも低くなり得る入力媒体による入力操作を指す。なお、本実施形態においては、第2入力操作によって得られた静電容量センサ層11による検出値を微小信号と示す場合がある。微小信号の値は、例えば第1入力操作によって得られた静電容量センサ層11による検出値の10分の1程度である。入力媒体の一例として、パッシブペンや、ユーザが手袋等を装着した状態等が挙げられる。
【0023】
また、第3入力操作は、タッチパネル100に接しない、近接状態全般を指す。なお、例えば、静電容量センサ層11による検出値は、第2入力操作による場合と類似する値となり得る。
【0024】
上記の構成によれば、静電容量センサ層11による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行い、前記第1判定後に、押圧センサ層12による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行うので、ホバータッチの判定と指以外によるタッチの判定に誤判定が生じづらい技術を提供することが可能になる。換言すれば、上記の構成によれば、入力装置1を操作するユーザの入力方法を適切に判定することができ、特に、パッシブペン接触または手袋等による接触タッチであるのか、非接触のホバータッチであるかの判定を行うことができる。
【0025】
近年、静電容量式のタッチパネルにおいて、タッチパネルに接することなく入力操作を行うホバー検出に関する技術開発が盛んであるが、そもそも入力操作には、ホバー入力以外にも、ユーザの指によるタッチ入力、手袋を装着したときのタッチ入力またはパッシブペンによるタッチ入力がある。それぞれの入力方法に適した検出アルゴリズムを用いることで、静電容量式のタッチパネルの入力処理の精度が保たれる。
【0026】
上記特許文献1に開示される技術は、タッチパネル層にて垂直距離が所定の範囲内に位置している近接タッチを検知したとき、押圧センサが圧力を検出していれば接触タッチとして処理を行い、押圧センサが圧力を検出していなければ非接触タッチ(ホバー)として処理を行う。
【0027】
(入力判定部13の判定例1)
以下に、本実施形態に係る入力装置1における入力判定部13の判定例について、
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る入力装置1に対する入力判定方法を示すフローチャートである。
【0028】
まず、ステップS11において、静電容量センサ層11が有する静電容量センサにより容量信号を検出する。続いて、ステップS12において、静電容量センサによる検出値が第1の閾値(指検知閾値)以上である場合(ステップS12:YES)に、入力判定部13は第1入力操作であると判定してもよい。
【0029】
具体的には、入力判定部13は、静電容量センサにより検知した容量値と
図3に示す右側の静電容量値マップとを参照し、検知した容量値が指検知閾値以上であれば、通常処理に設定(ステップS13)する。ここで、通常処理の設定とは、一例として検出用のアルゴリズムを、通常処理用の第1の検出アルゴリズムに設定することを指す。そして、ステップS14において、入力装置1は、第1の検出アルゴリズムを用いて指タッチ処理を行う。
【0030】
ここでいう第1の閾値は、必要に応じて設定すればよく、例えば
図3の右側の破線部分に対応するレベルTh3を第1の閾値に設定してもよい。
【0031】
上記の構成によれば、入力判定部13は、ユーザによる入力が第1入力操作であると適切に判定することができる。
【0032】
(入力判定部13の判定例2)
説明を続ける。静電容量センサによる検出値が第1の閾値未満の場合(ステップS12:NO)に、入力判定部13は、押圧センサ層12が有する圧力センサによる検出があったか否かを判定する(ステップS15)。そして、圧力センサによる検出値が第2の閾値以上である場合(ステップS15:YES)に、入力判定部13は第2入力操作であると判定してもよい。
【0033】
具体的には、入力判定部13は、圧力センサにより検知した検出値(容量値)と
図3に示す左側の静電容量値マップとを参照し、検知した容量値が圧力検知閾値(第2の閾値)以上であれば、微小信号処理に設定(ステップS16)とする。ここで、微小信号処理に設定とは、一例として検出用のアルゴリズムを、微小信号処理用の第2の検出アルゴリズムに設定することを指す。そして、ステップS17において、入力装置1は、第2の検出アルゴリズムを用いて指以外のタッチ処理、例えばパッシブペンタッチまたは手袋タッチ処理を行う。
【0034】
ここでいう第1の閾値も、必要に応じて設定すればよく、例えば
図3の左側の破線部分に対応するレベルTh1を第2の閾値に設定してもよい。
【0035】
上記の構成によれば、入力判定部13は、ユーザによる入力が第2入力操作であると適切に判定することができる。
【0036】
(入力判定部13の判定例3)
説明を続ける。静電容量センサによる検出値が第1の閾値未満(ステップS12:NO)、かつ圧力センサによる検出値が第2の閾値未満の場合(ステップS15:NO)に、入力判定部13は第3入力操作であると判定しホバータッチ処理に設定してもよい。ここで、ホバータッチ処理に設定とは、一例として検出用のアルゴリズムを、ホバータッチ処理用の第3の検出アルゴリズムに設定することを指す。そして、ステップS18において、入力装置1は、ホバー用の第3の検出アルゴリズムに設定する。続いて、第3の検出アルゴリズムに設定した後、入力装置1は、ホバー処理へ移行する(ステップS19)。
【0037】
上記の構成によれば、入力判定部13は、ユーザによる入力が第3入力操作であると適切に判定することができる。
【0038】
以上のように、入力判定部13による判定処理は、静電容量センサ層11による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行う工程(ステップS12)と、前記第1判定後に、押圧センサ層12による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行う工程(ステップS15)と、前記第1判定及び前記第2判定によって、ユーザによるタッチパネルに対する入力操作が、第1入力操作、第2入力操作、及び、第3入力操作の何れであるかを判定する工程(ステップS13、S16、S18)を含んでいる。
【0039】
以上のように構成された判定処理によれば、静電容量センサ層11による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行い、前記第1判定後に、押圧センサ層12による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行うので、ホバータッチの判定と指以外によるタッチの判定に誤判定が生じづらい技術を提供することが可能になる。
【0040】
(検出アルゴリズムについての付記事項)
上述した第3の検出アルゴリズムは、例えば、特許第5711429号に開示される内容であってもよい(チャネルを束ねることで、実効容量を大きくする検出アルゴリズム)。
【0041】
その他、例えば、タッチパネルの上に外付けのカバーシート等を被せた場合を考慮した検出アルゴリズムを用いた処理が考えられる。カバーシートの厚みによって、静電容量センサや圧力センサによる検出値である信号値が小さくなるため、信号値のS/N比が悪くなる。そのため、上述した入力判定処理において、例えば、外付けのカバーシート装着の判定処理の後、外付けのカバーシートに適した検出アルゴリズムを設定する処理を加えても良い。
【0042】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0043】
実施形態2について、
図5用いて説明する。実施形態1では、入力装置の要部ブロック図である
図1を用いて入力装置1を説明しているが、本実施形態では入力装置の構成を詳細に説明する点において異なる。
【0044】
図5は、本実施形態に係る入力装置1aの詳細ブロック図である。
図5に示すように、入力装置1aは、タッチパネル(静電容量センサ層)11aと、圧センサ(押圧センサ層)12a、タッチパネルコントローラとを備えている。
【0045】
タッチパネル11aは、垂直方向に沿って互いに平行に配置されたドライブラインと、水平方向に沿って互いに平行に配置されたセンスラインS0、S1、S2、…Sn-1と、ドライブラインとセンスラインの交点にそれぞれ形成される複数の静電容量とを備えている
タッチパネルコントローラは、ドライブライン駆動部、増幅回路18a、信号選択部19a、AD変換器20a、復号処理部21a、位置判定部22a、およびタッチ位置検出部23aから構成される。また、本実施形態において、増幅回路18a、信号選択部19a、AD変換器20a、および復号処理部21aを容量ピークスキャン部11Bと総称する。
【0046】
ドライブライン駆動部は、符号系列に基づいてドライブラインに電圧を印加して各静電容量を駆動する。
【0047】
増幅回路18aは、ドライブライン駆動部により駆動された各静電容量に対応する電圧の線形和を、センスラインを通して読み出し、増幅し、センスライン毎に信号選択部19aを介してAD変換部20aに供給する。
【0048】
AD変換部20aは、センスライン通して読み出した各静電容量に対応する電圧の線形和をAD変換して複号処理部21a供給する。
【0049】
復号処理部21aは、AD変換部20aから供給された各静電容量に対応する電圧の線形和と符号系列とに基づいて、タッチパネル11a上の容量マップを計算して位置判定部22aに供給する。
【0050】
位置判定部22aでは得られた容量マップからタッチとみられる信号の位置(座標)と強度(体積)を推定する。
【0051】
タッチ位置検出部23aでは位置判定部22aで検出されたタッチ情報に対して、過去のタッチ情報との紐づけを行い、タッチ情報とノイズとの切り分け、タッチ情報の座標補正を実施し、タッチ情報を入力判定部13aに出力する。
【0052】
以上、タッチパネルコントローラを説明したが、圧センサ12a側のコントローラの構造もタッチパネルコントローラと同様のため、当該圧センサ12a側のコントローラの説明を省略する。
【0053】
圧検知とタッチ検知を別々のコントローラで行うので、同じタイミングでスキャン動作させる必要がある。入力判定部13aにおいて、圧検知側から出てきたx,y座標レポートとZ(圧)情報、タッチ側から出てきたx,y座標レポートのマッチングを取る。
【0054】
また、本実施形態における入力判定部13aは、実施形態1における入力判定部13と同様の処理をする。また、
図5に示す「タッチ情報」は実施形態1における「タッチセンサからの検出信号」に相当し、「圧情報」は実施形態1における「押圧センサからの検出信号」に相当する。
【0055】
実施形態2に説明した構成によっても、実施形態1と同様な効果を奏する。
【0056】
〔ソフトウェアによる実現例〕
入力装置1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に入力判定部13に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0057】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0058】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0059】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0060】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0061】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る入力装置は、タッチパネルと、前記タッチパネルに設けられる静電容量センサ層と、前記タッチパネルに設けられる押圧センサ層と、前記タッチパネルに対する入力操作の判定を行う入力判定部と、を備え、前記入力判定部は、前記静電容量センサ層による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行い、前記第1判定後に、前記押圧センサ層による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行うことによって、前記タッチパネルに対する入力操作が、第1入力操作、第2入力操作、及び、第3入力操作の何れであるかを判定する。
【0062】
上記の構成によれば、ホバータッチの判定と指以外によるタッチの判定に誤判定が生じづらい技術を提供することができる。
【0063】
本発明の態様2に係る入力装置は、上記態様1において、前記入力判定部は、前記第1判定で、前記第1検出値が前記第1の閾値未満と判定した場合、前記第1判定後に、前記押圧センサ層による前記第2検出値が前記第2の閾値以上であるか否かの前記第2判定を行い、前記第2判定で前記第2の閾値以上と判定した場合、前記タッチパネルに対する入力操作を前記第2入力操作と判定し、前記第2判定で前記第2の閾値未満と判定した場合、前記タッチパネルに対する入力操作を前記第3入力操作と判定してもよい。
【0064】
上記の構成によれば、入力判定部13は、ユーザによる入力が第2入力操作であるかまたは第3入力操作であるかを適切に判定することができる。
【0065】
本発明の態様3に係る入力装置は、上記態様1または2において、前記入力判定部は、前記第1判定で、前記第1検出値が前記第1の閾値以上と判定した場合、前記タッチパネルに対する入力操作を前記第1入力操作と判定してもよい。
【0066】
上記の構成によれば、入力判定部13は、ユーザによる入力が第1入力操作であると適切に判定することができる。
【0067】
本発明の態様4に係る入力判定方法は、タッチパネルと、前記タッチパネルに設けられる静電容量センサ層と、前記タッチパネルに設けられる押圧センサ層と、前記タッチパネルに対する入力操作の判定を行う入力判定部とを備える入力装置により実行する入力判定方法であって、前記入力判定部による入力判定工程は、前記静電容量センサ層による第1検出値が第1の閾値以上であるか否かの第1判定を行う工程と、前記第1判定後に、前記押圧センサ層による第2検出値が第2の閾値以上であるか否かの第2判定を行う工程と、前記第1判定及び前記第2判定によって、前記タッチパネルに対する入力操作が、第1入力操作、第2入力操作、及び、第3入力操作の何れであるかを判定する工程とを含む。
【0068】
上記の構成によれば、態様1と同様な効果を奏する。
【0069】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0070】
1、1a 入力装置
11、11a 静電容量センサ層
12、12a 押圧センサ層
13、13a 入力判定部
14 CG層(CGパネル層)
15 Tx(送信電極)層
16 LCD層
17 バックライト(B/L)層
18a、18b 増幅回路
19a、19b 信号選択部
20a、20b AD変換部
21a 復号処理部
21b 信号処理部/圧力値計算部
22a、22b 位置判定部
23a、23b タッチ位置検出部
100 タッチパネル