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特開2022-152888ドア解錠システム及び集合住宅インターホンシステム
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  • 特開-ドア解錠システム及び集合住宅インターホンシステム 図1
  • 特開-ドア解錠システム及び集合住宅インターホンシステム 図2
  • 特開-ドア解錠システム及び集合住宅インターホンシステム 図3
  • 特開-ドア解錠システム及び集合住宅インターホンシステム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152888
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ドア解錠システム及び集合住宅インターホンシステム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20221004BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
E05B49/00 Z
H04M9/00 H
E05B49/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055825
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】下村 祐太
(72)【発明者】
【氏名】服部 真嗣
(72)【発明者】
【氏名】藤嶋 公明
(72)【発明者】
【氏名】宇野 亮二
【テーマコード(参考)】
2E250
5K038
【Fターム(参考)】
2E250AA04
2E250BB05
2E250BB62
2E250DD07
2E250FF06
2E250FF11
5K038AA06
5K038CC12
5K038CC13
5K038DD18
5K038DD21
5K038GG06
(57)【要約】
【課題】 オートドアを複数備えた集合住宅において、来訪者に対して解錠手段を発行することで、目的とする場所に進むまで通過するオートドアを来訪者自身が解錠可能とする。
【解決手段】 集合住宅内が複数のエリアに区分けされて、個々のエリアの入り口に解錠操作が必要なエリアドア6bが設置され、エントランスM1に設置されたエントランスドア6a及びエリアドア6bを解錠するために、予め来訪者に対して発行されたQRコード(登録商標)と、エントランスドア6a及び各エリアドア6bをQRコード(登録商標)により解錠するために、個々のドア近傍に設置された解錠実行部10と、QRコード(登録商標)を発行して管理する解錠管理装置7とを有している。QRコード(登録商標)は、解錠管理装置7により汎用ネットワークNを介して来訪者が携行する携帯電話5に対して発行される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅内が複数のエリアに区分けされて、個々のエリアの入り口に解錠操作が必要なオートドアが設置された集合住宅のドア解錠システムであって、
エントランスに設置されたエントランスドア及び前記オートドアを解錠するために、予め来訪者に対して発行された解錠手段と、
前記エントランスドア及び各前記オートドアを前記解錠手段により解錠するために、個々のドア近傍に設置された解錠実行部と、
前記解錠手段を発行して管理する解錠管理装置とを有し、
前記解錠手段は、来訪者が携行する携帯電話に対して発行される画像データ或いは暗証番号であり、前記解錠管理装置により汎用ネットワークを介して前記携帯電話に送信されることを特徴とするドア解錠システム。
【請求項2】
前記解錠管理装置は、前記エリア毎にそのエリアに進む際に通過を必要とする前記オートドアのグループが登録された解錠ドア記憶部を有し、
発行した前記解錠手段が解錠可能なオートドアは、来訪者が登録した住戸或いは施設がある前記エリアに対して、前記解錠ドア記憶部に登録されたグループのオートドアに限定され、その他のエリアに進むことが可能な前記オートドアの解錠はできないことを特徴とする請求項1記載のドア解錠システム。
【請求項3】
前記解錠手段はQRコード(登録商標)で構成され、前記解錠実行部は、前記携帯電話に表示された前記QRコード(登録商標)を撮像するカメラを有することを特徴とする請求項1又は2記載のドア解錠システム。
【請求項4】
前記解錠管理装置は、発行する前記解錠手段に対して使用条件を制限する条件設定部と、発行した解錠手段の情報に設定された前記使用条件を紐付けして記憶する認証情報記憶部とを有し、
前記条件設定部により、発行した個々の前記解錠手段に対して、解錠操作が可能な期間、回数、時間帯、曜日の使用可能な条件のうち、少なくとも期間及び時間帯を設定できることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のドア解錠システム。
【請求項5】
来訪者が居住者を呼び出して通話するためにエントランスに設置された集合玄関機と、前記集合玄関機からの呼び出しに居住者が応答するための複数の居室親機と、管理人が居住者或いは来訪者と通話するための管理親機とを備えた集合住宅インターホンシステムであって、
請求項1乃至4の何れかに記載のドア解錠システムを具備し、
前記エントランスドアを解錠操作する前記解錠実行部が、前記集合玄関機に組み込まれていることを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集合住宅に設けられた複数のオートドアを来訪者が解錠するドア解錠システム、及びこのシステムを組み込んだ集合住宅インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エントランスにエントランスドアが設置されている集合住宅では、集合住宅インターホンシステムを使用して、集合玄関機から訪問先の居住者にエントランスドアを解錠してもらうことで、来訪者は居住エリアに進むことができた。
一方で、セキュリティ対策のために、集合住宅のエントランスに加えて、集合住宅内をエリア分けして、エリアの境界に電気錠を備えたオートドアを設置して、個々のエリア内に入る人物を制限するようにした集合住宅がある。このようなオートドアが複数設置された集合住宅では、合わせて解錠操作するための集合玄関機が設置され、その都度居住者等にオートドアを解錠して頂くよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-13671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記オートドアを複数設置した集合住宅では、特定のエリア内に入ることのできる人物を制限でき、セキュリティの向上を図ることができたが、居住者を呼び出して解錠して頂く操作が必要なため、来訪者、居住者の双方にとって煩わしかった。
また、集会所やスポーツジム等の施設を備えた集合住宅では、入室を監視する居住者のような人物が常に居るわけではないため、そのような施設は暗証番号による解錠等で対応していた。しかしながら、不審者が暗証番号等の解錠方法を入手したら容易に解錠されてしまうため、セキュリティの面で不安があった。
そのため、セキュリティの向上と簡易な解錠操作を両立させた集合住宅インターホンシステムが望まれていた。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、オートドアを複数備えた集合住宅において、来訪者に対して解錠手段を発行することで、目的とする場所に進むまで通過するオートドアを来訪者自身が解錠できるドア解錠システム及び集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、集合住宅内が複数のエリアに区分けされて、個々のエリアの入り口に解錠操作が必要なオートドアが設置された集合住宅のドア解錠システムであって、エントランスに設置されたエントランスドア及びオートドアを解錠するために、予め来訪者に対して発行された解錠手段と、エントランスドア及び各オートドアを解錠手段により解錠するために、個々のドア近傍に設置された解錠実行部と、解錠手段を発行して管理する解錠管理装置とを有し、解錠手段は、来訪者が携行する携帯電話に対して発行される画像データ或いは暗証番号であり、解錠管理装置により汎用ネットワークを介して携帯電話に送信されることを特徴とする。
この構成によれば、発行された解錠手段を来訪者が携行する携帯電話に表示することで、来訪者は自身の操作でエントランスドア及びオートドアを解錠でき、目的とする場所まで進むことができる。よって、その都度解錠して頂くために居住者を呼び出す必要がなく、来訪者及び居住者の双方にとって利便性が良い。そして、解錠手段は予め発行されるため、来訪者を事前に審査して発行できる。よって、不審者に対して発行してしまうのを防止でき、セキュリティを維持できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、解錠管理装置は、エリア毎にそのエリアに進む際に通過を必要とするオートドアのグループが登録された解錠ドア記憶部を有し、発行した解錠手段が解錠可能なオートドアは、来訪者が登録した住戸或いは施設があるエリアに対して、解錠ドア記憶部に登録されたグループのオートドアに限定され、その他のエリアに進むことが可能なオートドアの解錠はできないことを特徴とする。
この構成によれば、解錠手段を使用しても特定の場所にしか進めないため、セキュリティを維持できる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、解錠手段はQRコード(登録商標)で構成され、解錠実行部は、携帯電話に表示されたQRコード(登録商標)を撮像するカメラを有することを特徴とする。
この構成によれば、解錠手段としてQRコード(登録商標)を使用することで、情報量の多い解錠手段を構成できるし、来訪者は暗証番号等を記憶する必要がない。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の構成において、解錠管理装置は、発行する解錠手段に対して使用条件を制限する条件設定部と、発行した解錠手段の情報に設定された使用条件を紐付けして記憶する認証情報記憶部とを有し、条件設定部により、発行した個々の解錠手段に対して、解錠操作が可能な期間、回数、時間帯、曜日の使用可能な条件のうち、少なくとも期間及び時間帯を設定できることを特徴とする。
この構成によれば、解錠手段には、解錠操作が可能な期間、回数、時間帯、曜日等の条件を設定して紐付けできるため、利用者に応じて或いは施設の利用可能時間等に応じて条件を設定でき、セキュリティの維持に有効である。
【0010】
請求項5の発明は、来訪者が居住者を呼び出して通話するためにエントランスに設置された集合玄関機と、集合玄関機からの呼び出しに居住者が応答するための複数の居室親機と、管理人が居住者或いは来訪者と通話するための管理親機とを備えた集合住宅インターホンシステムであって、請求項1乃至4の何れかに記載のドア解錠システムを具備し、エントランスドアを解錠操作する解錠実行部が、集合玄関機に組み込まれていることを特徴とする。
この構成によれば、集合住宅インターホンシステムが具備している機能を利用でき、ドア解錠システムを安価に構成できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、来訪者が携行する携帯電話に、発行された解錠手段を表示する携帯電話を携行することで、来訪者は自身の操作でエントランスドア及びオートドアを解錠でき、目的とする場所まで進むことができる。よって、その都度解錠して頂くために居住者を呼び出す必要がなく、来訪者及び居住者の双方にとって利便性が良い。そして、解錠手段は予め発行されるため、来訪者を事前に審査して発行できる。よって、不審者に対して発行してしまうのを防止でき、セキュリティを維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るインターホンシステムの一例を示す構成図である。
図2】集合玄関機のブロック図である。
図3】解錠管理装置のブロック図である。
図4】解錠実行部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るドア解錠システムの一例を示し、集合住宅インターホンシステムに組み込んだ構成を示している。
ドア解錠システムが組み込まれた集合住宅インターホンシステムは、集合住宅のエントランスに設置されて来訪者が居住者を呼び出すための集合玄関機1、個々の住戸に設置されて集合玄関機1からの呼び出しに応答するための居室親機2、個々の住戸玄関に設置されて居住者を呼び出すための玄関子機3、管理人室に設置されて居住者等と通話するための管理親機4、来訪者が携行する携帯電話5、電気錠10aを備えたオートドア6、来訪者を認証するための解錠管理装置7等を備えている。
【0014】
尚、居室親機2、管理親機4は個々の住戸或いは管理人室に少なくとも1台設置されるが、ここでは双方とも2台設置した構成を示している。また、8はHUBであり、各機器は通信線L1を介してLAN接続されている。そして、機器間の通信はIP(Internet Protocol)より実施される。また、M1は集合住宅のエントランス、M2は住戸或いは施設、M3は管理人室を示している。
更に、解錠管理装置7は、GW(Gateway)アダプタ9を介して汎用ネットワークNに接続され、汎用ネットワークNを介して携帯電話5と通信を可能としている。
【0015】
ここで、集合住宅インターホンシステムが設置されている集合住宅を簡単に説明する。集合住宅には複数のオートドア6が設置されている。オートドア6は集合玄関機1が配置されているエントランスM1に設置されたエントランスドア6aと、集合住宅内部に設置された複数のエリアドア6bとから成り、エリアドア6bにより内部を複数のエリアに区分けされ、異なるエリアに進むには何れかのエリアドア6bを通過しなければ成らないよう構成されている。
例えば、居住エリアはフロア別等の複数のエリアに区分けされて、各エリアに入るにはエリアドア6bを通過しなければならないよう構成されている。
【0016】
更に、病院やスポーツジム等の住戸以外の施設も入居しており、これらの施設も住戸IDとして住戸番号が付されている。そして、エリアドア6bで独立したエリアに区分けされ、施設に入る際にはエリアドア6bを通過しなければならないよう構成されている。そして、各エリアドア6bの近傍には解錠操作するための解錠実行部10を備えている。
このように、エントランスドア6a以外に複数のエリアドア6bが存在し、集合玄関機1のあるエントランスM1から、目的とする住戸或いは施設に辿り着くためには、エントランスドア6aを通過した後、少なくとも1つのエリアドア6bを通過しなければならないよう構成されている。このエリアドア6bを通過するには後述する解錠キー(解錠手段)を使用するか、居住者により居室親機2を操作して電気錠10aを解錠して頂くことになる。
尚、各エリアドア6bには、解錠実行部10に加えて居住者に解錠して頂くための集合玄関機1が設置されているが、ここでは省略してある。
【0017】
図2は集合玄関機1の機能ブロック図を示している。集合玄関機1は図2に示すように、来訪者を撮像するためのカメラ11、呼び出す住戸を選択或いは入力する操作部12、呼出先等を表示する表示部13、呼出ボタン14、通話するためのマイク15a及びスピーカ15bを備えた音響部15、集合玄関機1を制御する集合玄関機CPU18、居室親機2及び管理親機4と通信する集合玄関機通信IF19等を備えている。
操作部12には、集合玄関機1を来訪者が携行している後述する解錠手段を認証する認証モードに移行させる認証ボタン12aを有している。
【0018】
居室親機2は、呼び出しに応答操作する通話ボタン21、カメラ11の撮像映像に加えて後述する子機カメラ31の撮像映像を表示し更に各種情報を表示するモニタ23、タッチパネルから成りモニタ23と一体に構成されている操作部24、通話するためのマイク及びスピーカ等を備えている。
【0019】
玄関子機3は、来訪者を撮像する子機カメラ31、呼出ボタン32、通話するためのマイク33及びスピーカ34等を備えている。
【0020】
管理親機4は、カメラ11の撮像映像を表示すると共に各種情報を表示するモニタ41、タッチパネルから成りモニタ41と一体に構成されている操作部42、通話するためのハンドセット44等を備えている。
【0021】
解錠管理装置7は、来訪者がエリアドア6bを解錠する解錠手段としてQRコード(登録商標)を発行し、集合玄関機1等が読み取ったQRコード(登録商標)を認証する装置である。
図3は解錠管理装置7のブロック図を示している。図3に示すように、解錠管理装置7は、解錠手段を発行するに際して、発行対象である来訪者の情報及び来訪者の携帯電話の情報を入力すると共に、各種条件を設定する情報入力部71、エリア毎にエントランスM1から目的地に進むまでに通過する必要があるエリアドア6bのグループを記憶する解錠ドア記憶部72、発行したQRコード(登録商標)情報に設定された条件を紐付けして記憶する認証情報記憶部73、解錠管理装置7を制御する解錠管理装置CPU74、集合玄関機1、携帯電話5及び解錠実行部10と通信する解錠管理装置通信IF75等を備えている。
解錠管理装置CPU74は、QRコード(登録商標)を生成して携帯電話5に送信する発行制御を行うと共に、認証制御を行う。
【0022】
図4は解錠実行部10のブロック図を示している。解錠実行部10は、図4に示すように、人物の接近を検知する人感センサ101、翳されたQRコード(登録商標)を撮像するカメラ102、解錠実行部10を制御する解錠実行部CPU103、関連付けられているエリアドア6bにドア制御信号を出力する信号出力部104、通信線L1を介して他の機器と通信する解錠実行部通信IF105等を備えている。
【0023】
携帯電話5は、例えばスマートフォンを適用でき、解錠管理装置7と通信するための所定のアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」と称する。)をインストールして使用される。アプリを使用して解錠管理装置7と通信を行い、解錠管理装置7に対して携帯電話5から携行者である来訪予定者の氏名等のID情報、訪問先の場所(住戸或いは施設)情報が送信され解錠管理装置7に登録される。
その後、所定のQRコード(登録商標)が返信されて携帯電話5に保存される。この時発行されるQRコード(登録商標)は、例えばスポーツジムが訪問先として登録されていれば、スポーツジム側が設定した各種条件が発行したQRコード(登録商標)に紐付けされて解錠管理装置7の認証情報記憶部73に登録される。例えば、利用可能時間、利用可能期間、休館日(利用可能な曜日)、利用可能回数、有効期限等が設定されて登録される。
こうして、予めQRコード(登録商標)を入手した来訪者は、自身でオートドア6を解錠して目的とする場所まで進むことが可能となる。
【0024】
上記の如く構成された集合住宅インターホンシステムの動作は以下のようである。但し、集合玄関機1が操作されて居住者の呼び出しが成されて、呼出先住戸の居室親機2が呼出音を報音する動作、呼び出しを受けて居室親機2が応答操作されると通話路が形成される動作、呼び出しに合わせてカメラ11の撮像映像が送信されて、居室親機2のモニタ23に表示される動作等は従来と同様であるため説明を省略する。
ここでは、来訪者が与えられたQRコード(登録商標)を使用してオートドア6を解錠して集合住宅に入って行く動作を中心に説明する。尚、QRコード(登録商標)等の解錠手段を持たない来訪者は、訪問先の居住者にオートドア6を解錠して頂く。
【0025】
来訪者は、まず集合玄関機1を操作して認証ボタン12aを操作する。認証ボタン12aの操作を受けて、集合玄関機1は認証モードに移行してカメラ11を起動し、QRコード(登録商標)が翳されるのを待つ。
この状態で、予め入手したQRコード(登録商標)を表示した携帯電話5がカメラ11に翳すと、カメラ11がそれを撮像して集合玄関機1から解錠管理装置7に送信される。
この情報を受信した解錠管理装置7では、認証情報記憶部73に記憶している情報と照合して認証し、認証したら解錠許可信号を返信する。この信号を受けて集合玄関機1はエントランスドア6aを解錠する。
【0026】
但し、カメラ11が撮像したQRコード(登録商標)が登録されたデータと一致しても、紐付けされている各種条件を満たしていなければ、解錠許可信号は返信されず、解錠不許可信号が返信される。例えば、設定された有効期間を過ぎたら解錠不許可信号が返信され、解錠は行われない。
この信号を受けた集合玄関機1は、例えば「お客様の解錠キーは使用できません」のメッセージが表示或いはアナウンスして、来訪者に確認或いは退去を促す。
【0027】
エントランスドア6aが解錠されて集合住宅内に入った来訪者は、目的の場所まで進む際に存在するエリアドア6bに対して、次に解錠実行部10のカメラ102に携帯電話5のQRコード(登録商標)を翳して解錠操作する。
解錠実行部10は、人感センサ101が来訪者の接近を感知してカメラ102が撮像動作に入り、翳された情報を撮像した解錠実行部10は、撮像データを解錠管理装置7に送信する。
このデータを受けた解錠管理装置7では、解錠ドア記憶部72を参照して、来訪者の訪問先(利用する施設)へ進むに際して登録されているエリアドア6bであるか判断し、登録されているエリアドア6bであれば解錠許可信号を返信する。
解錠許可信号を受信した解錠実行部10は、エリアドア6bに解錠信号を出して解錠する。その後、更にエリアドア6bがあれば、同様に解錠操作を行ことで来訪者は目的とする場所まで進むことができる。
【0028】
このように、発行された解錠手段としてのQRコード(登録商標)を来訪者が携行する携帯電話5に表示することで、来訪者は自身の操作でエントランスドア6a及びエリアドア6bを解錠でき、目的とする場所まで進むことができる。よって、その都度解錠して頂くために居住者を呼び出す必要がなく、来訪者及び居住者の双方にとって利便性が良い。そして、QRコード(登録商標)は予め発行されるため、来訪者を事前に審査して発行できる。よって、不審者に対して発行してしまうのを防止でき、セキュリティを維持できる。
更に、QRコード(登録商標)を使用しても特定の場所にしか進めないため、セキュリティを維持できるし、QRコード(登録商標)を使用することで、情報量の多い解錠手段を構成できるし、来訪者は暗証番号等を記憶する必要がない。
また、発行したQRコード(登録商標)には、解錠操作が可能な期間、回数、時間帯、曜日等の条件設定を紐付けできるため、利用者に応じて或いは施設の利用可能時間等により条件を設定でき、セキュリティの維持に有効である。
加えて、集合住宅インターホンシステムにドア解錠システムを組み込むことで、集合住宅インターホンシステムの機能を利用でき、ドア解錠システムを安価に構成できる。
【0029】
尚、上記実施形態では、集合住宅インターホンシステムをIP通信により機器間の通信を実施する構成としているが、従来のように機器間の通信を制御する制御機を設けて、2線式の伝送線で機器間を接続した構成に対しても本発明の技術は適用できるものである。
また、QRコード(登録商標)で解錠する構成を説明したが、単純なバーコードでも良いし他の形態の画像データであっても良い。更には暗証番号であっても良く、暗証番号の場合は、解錠実行部10は暗証番号を入力するテンキーを備えた構成となるし、集合玄関機1は呼出先住戸を選択するためのテンキーが使用できる。
更に、ドア解錠システムを集合住宅インターホンシステムに組み込んだ構成を説明したが、独立した構成としても良い。
また、QRコード(登録商標)に紐付けできる条件を、利用可能時間、利用可能期間、休館日、利用可能回数、有効期限としたが、利用可能な時間及び期間のみの条件設定であっても良い。
【符号の説明】
【0030】
1・・集合玄関機(解錠実行部)、2・・居室親機、4・・管理親機、5・・携帯電話、6・・オートドア、6a・・エントランスドア、6b・・エリアドア、7・・解錠管理装置、10・・解錠実行部、11・・カメラ、12・・操作部、12a・・認証ボタン、71・・情報入力部(条件設定部)、72・・解錠ドア記憶部、73・・認証情報記憶部、102・・カメラ、N・・汎用ケットワーク。
図1
図2
図3
図4