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特開2022-152995ラベル作成プログラム及びラベルプリンタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022152995
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ラベル作成プログラム及びラベルプリンタ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221004BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221004BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20221004BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
G06F3/12 344
B41J29/38 801
B41J5/30 Z
B41J3/36 T
G06F3/12 303
G06F3/12 357
G06F3/12 378
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055984
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南保 宏道
(72)【発明者】
【氏名】加古 径吾
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
2C187
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C061AP05
2C061AQ04
2C061AR01
2C061AS06
2C061HJ08
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ01
2C187AC05
2C187AD06
2C187AE01
2C187AE07
2C187AE11
2C187AG07
2C187BG45
(57)【要約】
【課題】第1ラベルプリンタ及び第2ラベルプリンタの夫々に携帯メモリデバイスを接続する必要無く、第1ラベルプリンタから取得したラベル印字データ及びラベル属性情報を用いて第2ラベルプリンタでの印刷の実行を可能とするラベル作成プログラムを提供する。
【解決手段】情報端末1の制御部4に対し、第1ラベルプリンタ10で生成されるラベル印字データとラベル印字データに対応するラベル属性情報とを取得する取得手順と、取得手順で取得したラベル印字データ及びラベル属性情報が、第2ラベルプリンタ20,30において印刷可能な態様であるか否かを判定する判定手順と、判定手順で、取得したラベル印字データ及びラベル属性情報が第2ラベルプリンタ20,30において印刷可能な態様であると判定された場合に、ラベル印字データ及びラベル属性情報を第2ラベルプリンタ20,30に送信する第1送信手順と、を実行させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ラベルプリンタ及び第2ラベルプリンタと通信可能な情報端末で実行させるラベル作成プログラムであって、前記情報端末の制御部に対し、
前記第1ラベルプリンタで生成されるラベル印字データと前記ラベル印字データに対応するラベル属性情報とを取得する取得手順と、
前記取得手順で取得した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報が、前記第2ラベルプリンタにおいて印刷可能な態様であるか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順で、取得した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報が前記第2ラベルプリンタにおいて印刷可能な態様であると判定された場合に、前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報を前記第2ラベルプリンタに送信する第1送信手順と、
を実行させるためのラベル作成プログラム。
【請求項2】
前記情報端末の制御部に対し、さらに、
前記判定手順で、取得した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報が前記第2ラベルプリンタにおいて印刷可能な態様ではないと判定された場合に、前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報のうち前記ラベル印字データのみを前記第2ラベルプリンタに送信する第2送信手順を実行させる、請求項1記載のラベル作成プログラム。
【請求項3】
前記情報端末の制御部に対し、さらに、
前記判定手順で、取得した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報のうち少なくとも一方が前記第2ラベルプリンタにおいて印刷可能な態様ではないと判定された場合に、当該印刷可能な態様ではない前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報のうち少なくとも一方に対する編集操作を受け付ける受付手順を実行させる、請求項1又は請求項2記載のラベル作成プログラム。
【請求項4】
前記情報端末の制御部に対し、さらに、
前記判定手順で、取得した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報のうち少なくとも一方が前記第2ラベルプリンタにおいて印刷可能な態様ではないと判定された場合に、当該印刷可能な態様ではない前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報のうち少なくとも一方を、印刷可能な態様となるように編集する編集手順を実行させる、請求項1又は請求項2記載のラベル作成プログラム。
【請求項5】
前記情報端末の制御部に対し、さらに、
前記取得手順で取得した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報のうち少なくとも一方を当該制御部において認識できなかった場合に、前記情報端末の報知部により警告メッセージを報知する報知手順を実行させる、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のラベル作成プログラム。
【請求項6】
前記第1ラベルプリンタは、過去のラベルの作成履歴を記憶する記憶部を備えており、
前記情報端末の制御部は、前記取得手順において、
前記第1ラベルプリンタの前記記憶部に記憶されている前記過去のラベルの作成履歴に対応する前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報を取得する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のラベル作成プログラム。
【請求項7】
被印刷媒体を装着する装着部と、
前記装着部に装着された前記被印刷媒体に印刷を行い、ラベルを作成する印刷部と、
情報端末と通信可能な通信部と、
過去のラベルの作成履歴を記憶する記憶部と、
制御部と、
を有するラベルプリンタであって、
前記制御部は、
前記情報端末からのデータ送信指示を前記通信部を介し受信するデータ受信処理と、
前記データ受信処理で受信した前記データ送信指示に応じて、前記記憶部に記憶された前記過去のラベルの作成履歴に対応した、前記印刷部が印刷を行ったときのラベル印字データと当該印刷に係わるラベル属性情報とを生成するデータ生成処理と、
前記データ生成処理で生成した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報を前記通信部を介して前記情報端末へ送信するデータ送信処理と、
を実行する、ラベルプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル作成プログラム及びラベルプリンタに係わり、特に、複数のラベルプリンタを対象としてラベル印刷を行うようにしたラベル作成プログラム及びラベルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、第1テープ印刷装置で作成した印字データを携帯メモリデバイスに保存した後、その携帯メモリデバイスを第2テープ印刷装置に接続することで、第2テープ印刷装置で携帯メモリデバイスから印字データを読み出して印字テープに印刷することでラベルを作成するができる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-196549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来構成においては、第1印刷装置及び第2テープ印刷装置の双方に、携帯メモリデバイスを接続可能とする構造を設ける必要があった。
【0005】
また、第1テープ印刷装置に装着された印字テープ(例えば、テープ幅18mm)に対して、第2テープ印刷装置には第1テープ印刷装置に装着された印字テープよりも幅狭(例えば、テープ幅9mm)の印字テープが装着されている場合には、第2テープ印刷装置では携帯メモリデバイスから読み出した印字データを用いた印刷ができない場合がある、という問題が生じていた。
【0006】
本発明の目的は、第1ラベルプリンタ及び第2ラベルプリンタの夫々に携帯メモリデバイスを接続する必要無く、第1ラベルプリンタから取得したラベル印字データ及びラベル属性情報を用いて第2ラベルプリンタでの印刷の実行を可能とすることができるラベル作成プログラム及びラベルプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1態様に係るラベル作成プログラムは、第1ラベルプリンタ及び第2ラベルプリンタと通信可能な情報端末で実行させるラベル作成プログラムであって、前記情報端末の制御部に対し、前記第1ラベルプリンタで生成されるラベル印字データと前記ラベル印字データに対応するラベル属性情報とを取得する取得手順と、前記取得手順で取得した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報が、前記第2ラベルプリンタにおいて印刷可能な態様であるか否かを判定する判定手順と、前記判定手順で、取得した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報が前記第2ラベルプリンタにおいて印刷可能な態様であると判定された場合に、前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報を前記第2ラベルプリンタに送信する第1送信手順と、を実行させるものである。
【0008】
本願発明に係わる情報端末は、複数のラベルプリンタと通信可能に構成されている。本願発明のラベル作成プログラムが情報端末の制御部において実行されることにより、第1ラベルプリンタでのラベル作成時に使用したデータを用いて、第2ラベルプリンタにおいてラベルを印刷することができる。
【0009】
すなわち、ラベル作成プログラムが実行されることで、まず取得手順において、第1ラベルプリンタにおいて生成されたラベル印字データと、そのラベル印字データに対応するラベル属性情報とが取得される。
【0010】
ラベル印字データは、ラベルに印刷する印字内容を表すテキスト、シンボル、枠、バーコード等をユーザが適宜用いてレイアウトした印刷結果に相当するように画像化した画像データである。画像データは、例えばビットマップ形式やJpeg形式等の適宜の形式のデータである。ラベル印字データには、例えばテキストに設定される書体、フォント、各種装飾等に係わるデータも含まれる。
【0011】
ラベル属性情報は、テキスト、シンボル、枠、バーコード等の文字情報(区点コード情報等に置き換えたものであってもよい)のほか、例えばラベルの長さ、ラベルに使用される被印刷媒体の幅・色・材質、ラベルにおける印字色、等が含まれる。
その後、判定手順において、上記のように取得されたラベル印字データ及びラベル属性情報が第2ラベルプリンタにおいて印刷可能な態様であるか否かが判定される。印刷可能な態様であると判定された場合には、第1送信手順において、ラベル印字データ及びラベル属性情報が第2ラベルプリンタへと送信される。
【0012】
以上の結果、本願発明においては、第1ラベルプリンタでのラベル印刷時に生成されたラベル印字データを用いて、第2ラベルプリンタにおいてラベルを作成することができる。その際、ラベル印字データのみならずラベル属性情報も第2ラベルプリンタに送信することにより、第2ラベルプリンタにおいて編集を行うこともできる。
【0013】
また、第1ラベルプリンタからのデータを情報端末で取得し、さらにそのデータを情報端末から第2ラベルプリンタへと送信することで、第2ラベルプリンタでの印刷が実行される。その際、第1ラベルプリンタ及び第2ラベルプリンタを携帯メモリデバイスに接続する必要がない。
【0014】
また、判定手順において、第1ラベルプリンタからのラベル印字データ及びラベル属性情報が第2ラベルプリンタにおいて印刷可能なものであるか否かを判定した後、印刷可能な場合に第2ラベルプリンタへと送信される。このため、例えば第1及び第2ラベルプリンタにそれぞれ装着された被印刷媒体の属性が互いに異なる場合でも、第2ラベルプリンタで印刷可能なデータであることを事前に判別したうえで送信することにより、確実に印刷を行うことができる。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明の第2態様に係るラベルプリンタは、被印刷媒体を装着する装着部と、前記装着部に装着された前記被印刷媒体に印刷を行い、ラベルを作成する印刷部と、情報端末と通信可能な通信部と、過去のラベルの作成履歴を記憶する記憶部と、制御部と、を有するラベルプリンタであって、前記制御部は、前記情報端末からのデータ送信指示を前記通信部を介し受信するデータ受信処理と、前記データ受信処理で受信した前記データ送信指示に応じて、前記記憶部に記憶された前記過去のラベルの作成履歴に対応した、前記印刷部が印刷を行ったときのラベル印字データと当該印刷に係わるラベル属性情報とを生成するデータ生成処理と、前記データ生成処理で生成した前記ラベル印字データ及び前記ラベル属性情報を前記通信部を介して前記情報端末へ送信するデータ送信処理と、を実行するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1ラベルプリンタ及び第2ラベルプリンタの夫々に携帯メモリデバイスを接続する必要無く、第1ラベルプリンタから取得したラベル印字データ及びラベル属性情報を用いて第2ラベルプリンタでの印刷の実行を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】印刷装置を用いてラベル印刷をする一例の説明図である。
図2】情報端末及び印刷装置の機能的構成を表す機能ブロック図である。
図3】情報端末が実行するラベル作成プログラムの処理ルーチンを説明するフロー図である。
図4】第1ラベルプリンタが実行する処理ルーチンを説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施形態に係るラベル作成プログラム及びラベルプリンタについて、図面を参照して説明する。
【0019】
図1に示すように、情報端末1は、異なる機種のラベルプリンタと無線で接続される。情報端末1は、スマートフォンの他、タブレット端末等のモバイル型の汎用のコンピュータ機能を備えた端末を用いることができる。情報端末1は、例えば、卓上型で各種キーを操作部として一体に備えた第1ラベルプリンタ10、及び、携帯型で各種キーを操作部として一体に備えた第2ラベルプリンタ20、或いは、卓上型で操作部を備えていない第3ラベルプリンタ30、と無線通信によって情報(データ)の送受信が可能となっている。
【0020】
第1ラベルプリンタ10及び第2ラベルプリンタ20は、ユーザが本体の操作部を操作することでラベルを作成する機能も有している。第3ラベルプリンタ20は、本体単独でラベルを作成することはできない。第1ラベルプリンタ10が作成するテープ状のラベルをラベルL1とし、第2ラベルプリンタ20が作成するテープ状のラベルをラベルL2とし、第3ラベルプリンタ30が作成するテープ状のラベルをラベルL3とする。
【0021】
なお、第1ラベルプリンタ10が、「第1ラベルプリンタ」の一例に相当し、第2ラベルプリンタ20又は第3ラベルプリンタ30が、「第2ラベルプリンタ」の一例に相当するものとする。
【0022】
情報端末1には、第1ラベルプリンタ10と、第2ラベルプリンタ20又は第3ラベルプリンタ30に、ラベル印字データとラベル属性情報とを送信してラベル印刷を実行し得るラベル作成プログラムを含む印刷アプリケーションが予めインストールされている。なお、この印刷アプリケーションには、ラベル作成エディタ等の編集機能並びにドットパターン認識によるOCR機能を含ませることができる。
【0023】
ラベル印字データは、テープTにラベルL1,L2,L3として印刷する印字内容を表すテキスト、シンボル、枠、バーコード等の文字情報等をユーザが適宜用いてレイアウトした印刷結果(図1の吹き出しで囲む「ラベル印字データ」参照)に相当するように画像化した画像データである。これにより、各機種で共用化が可能である。
【0024】
画像データは、例えばビットマップ形式やJpeg形式等の適宜の画像形式でドットパターン化されたデータである。なお、ラベル印字データには、例えばテキストに設定される書体、フォント(サイズ)、各種装飾等に係わるデータも含まれる。
【0025】
ラベル属性情報はコード化(図1の吹き出しで囲む「ラベル属性情報」参照)される。これにより、各機種で共用化が可能である。ラベル属性情報は、テキスト(英数字・日本語文字等を含む)、シンボル(各種キャラクター・イラスト・マーク・標識・飾り・デザイン文字の図柄等を含む)、枠(罫線や吹き出しの各種フレーム等を含む)、バーコード(テキスト文を暗号化したもの等を含む)等の文字情報(区点コード情報等に置き換えたものであってもよい)のほか、例えばラベルの長さ、ラベルに使用される被印刷媒体の幅・色・材質、ラベルにおける印字色、等が含まれる。
【0026】
シンボルには、ユーザがアプリケーション(例えば、上記ラベル作成エディタ)を用いて作成したものを含ませることも可能である。
【0027】
なお、以下の説明においては、ラベル印字データ及びラベル属性情報の双方を含む場合を「印刷データ」と総称し、過去のラベルの作成履歴としての役割も果たす。
【0028】
図2は、情報端末1及び第1ラベルプリンタ10の機能的構成を表す機能ブロック図である。なお、第1ラベルプリンタ10、第2ラベルプリンタ20、及び第3ラベルプリンタ30のそれぞれの機能的構成は同様の構成である。図2に示すように、情報端末1は、表示部2と、CPU4と、RAM5a及びROM5bからなるメモリ5と、操作部6と、通信部7と、大容量記憶装置8と、を備えている。
【0029】
操作部6は、ユーザからの指示や情報が入力される。表示部2は、各種情報やメッセージを表示する。なお、本実施の形態では、操作部6の機能と表示部2の機能とを具備するタッチパネル方式を採用している。通信部7は、第1ラベルプリンタ10との信号の送受信制御を行う。
【0030】
大容量記憶装置8は、オペレーティングシステム及び各種のプログラムや情報を記憶する。メモリ5のROM5bには、制御部としてのCPU4に対して後述する各手順を実行させるための、本実施形態のラベル作成プログラムが記憶されている。なお、ラベル作成プログラムは、大容量記憶装置8に記憶されていてもよい。また、大容量記憶装置8は、本体メモリに限られず、SDメモリカード等の適宜の外部メモリでもよい。
【0031】
CPU4は、RAM5aの一時記憶機能を利用しつつROM5bや大容量記憶装置8に予め記憶されたプログラムに従って、各種の処理や、第1ラベルプリンタ10、及び、第2ラベルプリンタ20又は第3ラベルプリンタ30との間で各種の信号の送受信を行う。
【0032】
第1ラベルプリンタ10、第2ラベルプリンタ20、及び第3ラベルプリンタ30は、被印刷媒体であるテープTの種類に応じた異なるカートリッジが用いられるが、本実施の形態においては、共通の制御系について説明する。したがって、以下の説明においては、特に何れのプリンタ装置を用いたかの特定がない限り、第1ラベルプリンタ10の場合で例示する。
【0033】
第1ラベルプリンタ10は、制御回路部11と、カートリッジ12を着脱可能な装着部としてのカートリッジホルダ13と、カートリッジホルダ13に設けられたカートリッジセンサ14と、通信部15と、印刷部16と、を有する。
【0034】
制御回路部11は、ROM17と、RAM18と、CPU19と、を備える。カートリッジホルダ13は、被印刷媒体としての所定のテープTを収容するカートリッジ12を着脱可能に装着する。以下、便宜上、カートリッジ12を被印刷媒体として説明する場合もある。
【0035】
カートリッジセンサ14は、機械的検出又は光学的・磁気的検出等、公知の適宜の手法により、カートリッジ12の種類を検出する。例えば、カートリッジセンサ14は、カートリッジ12に設けられたバーコード情報等を光学的に読み取って、テープTの色、幅、インク色等を含むカートリッジ12の種類を検出する。
【0036】
制御回路部11は、通信部15を介して情報端末1の通信部7と無線によって接続されることにより、情報端末1と情報の送受信が可能となっている。
【0037】
印刷部16は、例えば、サーマルヘッドとプラテンローラとカッターとを含み、制御回路部11のCPU19によってこれらの駆動が制御される。したがって、CPU19は、制御部として機能する。なお、カッターはサーマルヘッドにより印刷されたテープTに対してフルカット又はハーフカットを行うことで、ラベルL1を作成する。
【0038】
RAM18は、第1ラベルプリンタ10の電源をOFFした際にデータが消去される一般的な作業領域としての一時データ保存用であるが、電源をOFFした際にデータが消去されない方式の大容量のストレージとして機能する作業領域兼用のものを用いてもよい。
【0039】
したがって、現在(今回)作成するラベル属性情報及び過去(前回以前)に作成した印刷データは、RAM18に一時データ保存用のものを用いた場合には、別途保存領域用のストレージ(図示せず)を設けて記憶部として記憶され、RAM18に作業領域用のものを用いた場合には、このRAM18を記憶部として記憶される。
【0040】
なお、ユーザが、第1ラベルプリンタ10で現在(今回)作成する印刷データは、その作成が完了して情報端末1に送信するときには、作成完了済みの過去情報となる。したがって、過去(前回以前)に作成した印刷データにおける過去情報との混同を回避するため、以下の説明においては、ユーザが現在(今回)作成するラベル属性情報を「今回情報」、過去(前回以前)に作成したラベル属性情報を「過去情報」と総称する場合がある。
【0041】
このように、第1ラベルプリンタ10は、被印刷媒体としてのカートリッジ12を装着する装着部としてのカートリッジホルダ13と、カートリッジホルダ13に装着されたカートリッジ12を用いてテープに印刷を行い、ラベルL1を作成する印刷部16と、情報端末1と通信可能な通信部15と、過去のラベルの作成履歴を記憶するRAM18と、制御部としてのCPU19と、を有する。
【0042】
次に、情報端末1が実行するラベル作成プログラムの処理ルーチンを説明する。なお、以下の説明では、情報端末1が第1ラベルプリンタ10に対してエクスポートコマンドを送信し、第1ラベルプリンタ10がそれに応答している状態として説明する。
【0043】
なお、以下の説明においては、情報端末1のCPU4が実行する処理と第1ラベルプリンタ10のCPU19が実行する処理とが時系列で並行して進行するため、情報端末1のCPU4が実行する処理を図3を主体として説明しつつ、第1ラベルプリンタ10のCPU19が実行する処理を図4のフロー図に基づいて併記する。
【0044】
図4において、第1ラベルプリンタ10のCPU19は、情報端末1から送信されたエクスポートコマンドを受信してエクスポートコマンド受信処理(ステップS11)、すなわち、情報端末1からのデータ送信指示を通信部15を介し受信するデータ受信処理を実行する。
【0045】
図3では、ステップS1において、情報端末1のCPU4は、第1ラベルプリンタ10で生成した印刷データの数を取得し、取得が完了したらステップS2へと処理を移す。
【0046】
なお、ここでの印刷データの数とは、今回情報及び、その今回情報と類似する過去情報がある場合を含む数である。
【0047】
したがって、例えば、ユーザが、第1ラベルプリンタ10で新しい印刷データ(最新の印刷データ)を作成した後、印刷データを作成する作業とは無関係の作業を実行した場合には、直近(最新)の印刷データを今回情報の対象とすることができる。また、ユーザが複数の印刷データを同日中に作成した場合には、それらの全てを今回情報の対象とすることができる。さらに、情報端末1が最後に印刷データを受信した後に作成された全てを今回情報の対象としてもよい。
【0048】
また、今回情報と類似する過去情報には、例えば、同一テキストの存在がある場合等を対象とすることができる。
【0049】
図4において、第1ラベルプリンタ10のCPU19は、RAM18に記憶した過去のラベルの作成履歴(図4では稼働データと称す)から過去に使用した使用済みのテープ情報を取得したうえで(ステップS12)、上記ステップS1に対応する応答として、ラベルデータ数送信処理(ステップS13)を実行する。
【0050】
図3では、ステップS2において、情報端末1のCPU4は、今回情報に対応する印刷データを取得し、ステップS3へと処理を移す。
【0051】
ステップS3において、情報端末1のCPU4は、取得した印刷データを大容量記憶装置8に記憶し、ステップS4へと処理を移す。
【0052】
ステップS4において、情報端末1のCPU4は、取得した印刷データの数がステップS1で取得した印刷データ数を満たしたか否かが判定される。情報端末1のCPU4は、取得数を満たしたと判定した場合(Yes)にはステップS5へと処理を移す。情報端末1のCPU4は、取得数を満たしたと判定しなかった場合(No)にはステップS2へと処理を戻して、以降、過去情報である印刷データを取得し、判定を満たすまでこれらの処理をループする。
【0053】
図4では、第1ラベルプリンタ10のCPU19は、印刷データの数に対応、すなわち、RAM18に記憶された過去のラベルの作成履歴に対応して、過去情報(データ数の残数が複数の場合には任意の一つ)を取得する(ステップS14)。
【0054】
そのうえで、第1ラベルプリンタ10のCPU19は、このループしたステップS2に応答するために、ステップS1のデータ受信処理で受信したデータ送信指示に応じて、RAM18に記憶された過去のラベルの作成履歴に対応した、過去情報として印刷部16が印刷を行ったときの印刷データを生成するデータ生成処理(ステップS15)を実行する。なお、このデータ生成処理は過去に作成した際にRAM18に保存したものである。
【0055】
さらに、第1ラベルプリンタ10のCPU19は、このループしたステップS2に応答するために、データ生成処理で生成した印刷データを通信部15を介して情報端末1へ送信するデータ送信処理(ステップS16)を実行する。
【0056】
そして、第1ラベルプリンタ10のCPU19は、ステップS13で情報端末1に送信したラベルデータ数だけ印刷データを送信したか、すなわち、生成していない印刷データが残っているか否かが判断され、残っている場合(Yes)には情報端末1での上記ループが終了するよう、残りの印刷データの生成処理を実行する。
【0057】
図3では、ステップS5において、情報端末1のCPU4は、第2ラベルプリンタ20又は第3ラベルプリンタ30に対して、印刷データを送信するためのインポートコマンドを送信し、ステップS6へと処理を移す。
【0058】
ステップS6において、情報端末1のCPU4は、インポートコマンドを送信した第2ラベルプリンタ20又は第3ラベルプリンタ30の仕様やカートリッジホルダ13に装着されているカートリッジ12の種類が今回情報を用いてラベルL2又はラベルL3を作成するための条件に適合しているか、すなわち、印刷可能な態様であるか否かの判定手順を実行する。
【0059】
なお、印刷可能な態様であるか否かは、第2ラベルプリンタ20又は第3ラベルプリンタ30の仕様に依存している。例えば、その仕様の一つは、印刷可能な最大テープ幅である。
【0060】
したがって、例えば、第1ラベルプリンタ10で生成した今回情報に含まれるテープ幅情報が18mmであったときに、例えば、第2ラベルプリンタ20の仕様がテープ幅9mmには対応するが18mmには対応していない場合、印刷可能な態様であるとは判定されない(No)。また、第3ラベルプリンタ30仕様がテープ幅18mmに対応している場合、印刷可能な態様であると判定される(Yes)。
【0061】
情報端末1のCPU4は、これらの今回情報を用いて第2ラベルプリンタ20又は第3ラベルプリンタ30でラベル印刷が可能な仕様が適合しているか否かを判定し、適合していると判定した場合(Yes)にはステップS7へと処理を移し、適合していると判定しなかった場合(No)にはステップS8へと処理を移す。
【0062】
ステップS7において、情報端末1のCPU4は、ステップS6の判定手順(適合判定)において、適合しているとの肯定判定の結果、上記の場合は、第3ラベルプリンタ30に対して今回情報である印刷データを送信し、このルーチンを終了する。印刷データを受信した第3ラベルプリンタ30は、ラベルL3を作成できる。
【0063】
また、情報端末1のCPU4は、第2ラベルプリンタ20の仕様により、ステップS6の判定手順(適合判定)でラベル属性情報のテープ幅が対応していない場合、判定手順では否定判定(No)となってしまう。
【0064】
しかしながら、情報端末1のCPU4は、今回情報である印刷データがテープ幅18mmであり、第2ラベルプリンタ20がテープ幅9mmに対応する仕様であった場合でも、過去情報にテープ幅9mmの印刷データが存在していた場合には、ステップS6の適合判定では肯定判定(Yes)として、ステップS7の第1送信手順で、過去情報の印刷データを第2ラベルプリンタ20に送信する。これより、第2ラベルプリンタ20は、テープ幅9mmのラベルL2を作成することができる。
【0065】
一方、情報端末1のCPU4は、例えば、第2ラベルプリンタ20の仕様により、ステップS6の判定手順でラベル属性情報のテープ幅が対応していない場合、判定手順では否定判定(No)となり、ステップS8へと処理を移す。
【0066】
ステップS8において、情報端末1のCPU4は、例えば、情報端末1の表示部にラベル属性情報のテープ幅が対応していない旨のエラー等を報知(表示)するとともに、ユーザによるラベル印字データ及びラベル属性情報のうち少なくとも一方を、印刷可能な態様となるように編集するか否かの問合せを行う。
【0067】
ここで、ユーザによるラベル印字データ及びラベル属性情報のうち少なくとも一方を、印刷可能な態様となるような編集するとのユーザ操作を受け付けた場合、肯定判定(Yes)となる。
【0068】
そして、情報端末1のCPU4は、例えば、編集アプリケーションを起動させるとともにユーザによる編集操作を受け付け、対応するデータ上の処理を実行する。この編集操作を受け付けて対応するデータ処理を行う手順が編集手順に相当している。その新たな印刷データをステップS6の判定手順(適合判定)にて判定する。なお、この編集手順による新たな印刷データは割り込み信号としてステップS6により判定処理される。また、ユーザにより編集された新たな印刷データがステップS6で肯定判定(Yes)となった場合にはステップS7へと処理を移し、再び否定判定(No)となった場合には、ステップS8へと処理を移して再編集を行うか否かを問い合わせ、以降、これらのルーチンが繰り返される。
【0069】
一方、情報端末1のCPU4は、ステップS8において編集を実行しないとのユーザ操作があった場合、或いは、所定時間経過してもユーザ操作がなされない場合、否定判定(No)となり、ステップS9へと処理を移す。
【0070】
ここで、情報端末1のCPU4は、例えば、過去情報にも第2ラベルプリンタ20の仕様に対応する印刷データが存在しない場合には、今回情報のラベル印字データを用い、第2ラベルプリンタ20の仕様に対応する画像データを生成し、第2ラベルプリンタ20に送信することで、第2ラベルプリンタ20はラベルL2を作成することができる。
【0071】
なお、実際には、情報端末1のCPU4は、第2ラベルプリンタ20の仕様に対応する画像データを生成した際には、現在の印刷データのラベル属性情報の必要箇所を変更(又はユーザが編集)した印刷データを生成し、その印刷データを第2ラベルプリンタ20に送信する。
【0072】
例えば、今回情報のラベル属性情報において、テープ幅18mmを9mmに変更する、ラベル長さを対応する寸法に短く変更する、テープ色、インク色はそのままとする、等に変更した印刷データを生成する。
【0073】
また、情報端末1のCPU4は、例えば、ステップS6の判定手順で、ラベル属性情報のテキスト中に含まれる注意喚起符号(図1の吹き出しで囲む「ラベル印字データ」参照)が第3ラベルプリンタ30に適合していない場合、判定手順では否定判定(No)となる。
【0074】
そこで、情報端末1のCPU4は、第1ラベルプリンタ10から受信した印刷データに含まれるラベル印字データを用いて画像解析し、例えば、三角枠内に感嘆符(俗称ビックリマーク・呼称エクスクラメーションマーク)を挿入した注意喚起符号が第3ラベルプリンタ30で印刷できないと判定した場合、例えば、図1の第3ラベルプリンタ30のラベル印字データに示すように、注意喚起符号に代用可能な文字や画像が存在する単なる感嘆符に置き換えたラベル属性情報又はラベル印字データを生成し、第3ラベルプリンタ30に送信することで、第3ラベルプリンタ30はラベルL3を作成することができる。
【0075】
したがって、これらステップS6の適合判定で否定された場合に、肯定判定となりうる状態に印刷データを新たに生成する編集操作を受け付ける受付手順を実行する。
【0076】
このように、第1ラベルプリンタ10及び第2ラベルプリンタ20(又は第3ラベルプリンタ30)と通信可能な情報端末1で実行させるラベル作成プログラムは、情報端末1のCPU4に対し、第1ラベルプリンタ10で生成される印刷データを取得するステップS2の取得手順と、ステップS2の取得手順で取得した印刷データが、第2ラベルプリンタ20(又は第3ラベルプリンタ30)において印刷可能な態様であるか否かを判定するステップS6の判定手順と、ステップS6の判定手順で、取得した印刷データが第2ラベルプリンタ20(又は第3ラベルプリンタ30)において印刷可能な態様であると判定された場合に、印刷データを第2ラベルプリンタ20(又は第3ラベルプリンタ30)に送信するステップS7の第1送信手順と、を実行させることができる。
【0077】
この結果、情報端末1は、複数のラベルプリンタと通信可能に構成され、ラベル作成プログラムが情報端末1のCPU4において実行されることにより、第1ラベルプリンタ10でのラベル作成時に使用したデータを用いて、第2ラベルプリンタ20(又は第3ラベルプリンタ30)においてラベルL2(又はラベルl3)を印刷することができる。
【0078】
すなわち、ラベル作成プログラムが実行されることで、まずステップS2の取得手順において、第1ラベルプリンタ10において生成された印刷データが取得される。
【0079】
その後、ステップS6の判定手順において、上記のように取得された印刷データが第2ラベルプリンタ20又は第3ラベルプリンタ30において印刷可能な態様であるか否かが判定される。印刷可能な態様であると判定された場合には、ステップS7の第1送信手順において、印刷データが第2ラベルプリンタ20又は第3ラベルプリンタ30へと送信される。以下、便宜上、「第3ラベルプリンタ30」、「ラベルL3」の記載は省略するが、第2ラベルプリンタ20の代わりに第3ラベルプリンタ30、ラベルL2の代わりにラベルL3であってもよいことは言うまでもない。
【0080】
その後、ステップS6の判定手順において、上記のように取得された印刷データが第2ラベルプリンタ20において印刷可能な態様であるか否かが判定される。印刷可能な態様であると判定された場合には、ステップS7の第1送信手順において、印刷データが第2ラベルプリンタ20へと送信される。
【0081】
情報端末1のCPU4は、さらに、ステップS6の判定手順で、取得した印刷データが第2ラベルプリンタ20において印刷可能な態様ではないと判定された場合に、印刷データのうちラベル印字データのみを第2ラベルプリンタ20に送信するステップS9の第2送信手順を実行させる。
【0082】
以上のように、本実施の形態においては、第1ラベルプリンタ10でのラベル印刷時に生成されたラベル印字データを用いて、第2ラベルプリンタ20においてラベルL2を作成することができる。その際、ラベル印字データのみならずラベル属性情報も第2ラベルプリンタ20に送信することにより、第2ラベルプリンタ20において編集を行うこともできる。
【0083】
また、第1ラベルプリンタ10からのデータを情報端末1で取得し、さらにそのデータを情報端末1から第2ラベルプリンタ20へと送信することで、第2ラベルプリンタ20での印刷が実行される。その際、第1ラベルプリンタ10及び第2ラベルプリンタ20を携帯メモリデバイスに接続する必要がない。
【0084】
また、ステップS6の判定手順において、第1ラベルプリンタ10からの印刷データが第2ラベルプリンタ20において印刷可能なものであるか否かを判定した後、印刷可能な場合に第2ラベルプリンタ20へと送信される。このため、例えば第1ラベルプリンタ10及び第2ラベルプリンタ20にそれぞれ装着されたカートリッジ12の種類が異なる場合でも、第2ラベルプリンタ20で印刷可能なデータであることを事前に判別したうえで送信することにより、確実に印刷を行うことができる。
【0085】
本実施の形態においては、ステップS6の判定手順で、取得した印刷データが第2ラベルプリンタ20において印刷可能な態様ではないと否定判定され、ステップS8でラベル印字データやラベル属性情報の編集を行わない場合、ステップS9の第2送信手順が実行される。
【0086】
ステップS9の第2送信手順では、ラベル印字データのみが第2ラベルプリンタ20に送信される。これにより、第2ラベルプリンタ20では、第1ラベルプリンタ10において当該ラベル印字データを用いてラベルが作成された時のラベル属性情報とは無関係に、受信したラベル印字データのみを用いて、類似のラベルを作成することができる。
【0087】
この結果、少なくとも、ラベル属性情報の内容が第2ラベルプリンタ20の仕様と整合しないことを理由にラベル作成が全く行われなくなるのを抑止し、ラベル印刷を確実に実行することができる。
【0088】
情報端末1のCPU4は、さらに、ステップS6の判定手順で、取得した印刷データのうち少なくとも一方が第2ラベルプリンタ20において印刷可能な態様ではないと判定された場合に、当該印刷可能な態様ではない印刷データのうち少なくとも一方に対する編集操作を受け付ける受付手順を実行させることができる。
【0089】
すなわち、情報端末1のCPU4は、第2ラベルプリンタ20において印刷可能な態様ではないと判定された場合に、過去情報への置き換え、或いは、過去情報にも対応する印刷データが存在しない場合には、今回情報の印刷データを用いて、ドットパターンを荒くするなどの手法により画像縮小編集を行い、画像データを生成するとともにラベル属性情報を変更して印刷データを生成し、第2ラベルプリンタ20に送信することができる。
【0090】
これにより、取得された印刷データが第2ラベルプリンタ20で印刷可能な態様ではない場合に、ユーザが適宜に編集操作を行うことで、第2ラベルプリンタ20で印刷可能な態様に修正することができる。
【0091】
情報端末1のCPU4は、さらに、ステップS6の判定手順で、取得した印刷データのうち少なくとも一方が第2ラベルプリンタ20において印刷可能な態様ではないと判定された場合に、当該印刷可能な態様ではない印刷データのうち少なくとも一方を、印刷可能な態様となるように編集する編集手順を実行させることができる。
【0092】
これにより、取得された印刷データが第2ラベルプリンタ20で印刷可能な態様ではない場合に、情報端末1が編集手順で編集を行うことで、第2ラベルプリンタ20で印刷可能な態様に修正することができる。
【0093】
また、第1ラベルプリンタ10は、過去のラベルの作成履歴を記憶するRAM18を備えており、情報端末1のCPU4は、ステップS2の取得手順において、第1ラベルプリンタ10のRAM18に記憶されている過去のラベルの作成履歴に対応する印刷データを取得する。
【0094】
これにより、例えば現在第1ラベルプリンタ10に装着されているカートリッジ12に対応する印刷データだけでなく、過去に第1ラベルプリンタ10に装着されていたカートリッジ12に対応する印刷データも、第2ラベルプリンタ20に送信することができる。これにより、過去に第1ラベルプリンタ10を用いて所望のラベルを作成したことのあるユーザが、第2ラベルプリンタ20を用いて上記所望のラベルと同等のラベルL2を作成したいと思った場合にも対応することができ、利便性をさらに向上することができる。
【0095】
特に、第1ラベルプリンタ10が、装着状態にあるカートリッジ12に対応したデータの送信のみを行う仕様となっている場合に比べると、本実施の形態は、ユーザにとっての利便性を高めることができる。すなわち、上記仕様の場合、現時点で第1ラベルプリンタ10に対し上記ユーザの所望のラベルの作成時とは異なる別のカートリッジ12が装着されていると、そのままでは第1ラベルプリンタ10からは当該別のカートリッジ12に対応するデータしか送信することができない。したがってこの場合、上記ユーザは、第1ラベルプリンタ10から上記別のカートリッジ12を取り外した後、改めて上記所望のラベルの作成時のカートリッジ12を装着する必要が生じ、労力負担が大きくなる。
【0096】
これに対し本実施の形態では、現時点で装着されているカートリッジ12に対応した印刷データだけでなく、上記ユーザの所望のラベルの作成時に使用したカートリッジ12に対応した印刷データも送信される。これにより、ユーザは上記のようなカートリッジ12の取り外し等の手間を負うことなく、第2ラベルプリンタ20において上記所望のラベルL2を作成することができる。
【0097】
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明した。しかしながら、本発明の技術的思想の範囲は、ここで説明した実施の形態に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変更や修正、組み合わせなどを行うことに想到できることは明らかである。したがって、これらの変更や修正、組み合わせなどの後の技術も、当然に本発明の技術的思想の範囲に属するものである。
【0098】
例えば、上記実施の形態では、機種が異なることから互換性が完全一致していないような各種ラベルプリンタで例示したが、当然に、互換性が完全一致している同一機種間においても利用が可能である。また、例え、同一機種であったとしても、ドライバのバージョンが異なる場合等においても流用が可能である。
【0099】
さらに、情報端末1のCPU4は、ステップS2の取得手順で取得した印刷データのうちラベル印字データ及びラベル属性情報の少なくとも一方を当該CPU4において認識できなかった場合に、情報端末1の報知部により警告メッセージを報知する報知手順を実行させるようにしてよい。
【0100】
これにより、第1ラベルプリンタ10から取得した印刷データが情報端末1で認識できない場合に、その旨をユーザに認識させることができる。
【符号の説明】
【0101】
1 情報端末
2 表示部
4 CPU(制御部)
5 メモリ
5a RAM
5b ROM
6 操作部
7 通信部
8 大容量記憶装置
11 制御回路部
12 カートリッジ(被印刷媒体)
13 カートリッジホルダ(装着部)
14 カートリッジセンサ
15 通信部
16 印刷部
17 ROM
18 RAM(記憶部)
19 CPU(制御部)
20 第2ラベルプリンタ
30 第3ラベルプリンタ
L1 ラベル
L2 ラベル
L3 ラベル
T テープ(被印刷媒体)
図1
図2
図3
図4