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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153005
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】投票用紙点検機
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/60 20060101AFI20221004BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B65H29/60 C
G06T1/00 400E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055998
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】萬 秀紀
【テーマコード(参考)】
3F053
5B047
【Fターム(参考)】
3F053EA08
3F053EC03
3F053ED03
3F053ED11
3F053ED25
3F053LA11
3F053LB12
5B047AA01
5B047BA01
5B047BC18
5B047CA01
5B047CA09
5B047CB16
5B047CB23
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、一連の投票用紙の開票作業において、過剰なコストをかけることなく、特に、ウイルス等への感染の可能性を考慮して、手作業での「点検」作業の効率化を図ることである。
【解決手段】投票用紙点検機において、搬送される投票用紙を搬送経路上の所定の目視確認位置で一時停止させて、操作者の目視確認による点検を可能とする点検モードを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の投票用紙を重ねて載置可能に形成された載置部と、前記載置部より前記投票用紙を搬送経路に向けて一枚ずつ給紙する給紙部と、前記給紙部から給紙された前記投票用紙を前記搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路から複数のスタッカへ前記投票用紙を排出する排出部と、前記排出部より排出される前記投票用紙を、前記複数のスタッカのいずれかに振り分けるゲート部と、操作者が入力可能な手動入力部と、前記搬送される投票用紙を前記搬送経路上の所定の目視確認位置で一時停止させて、操作者の目視確認による点検を可能とする点検モードを実行する制御手段と、を具備し、
前記点検モードにおいて、前記制御手段は、前記手動入力部への目視確認結果の入力に基づいて、前記複数のスタッカの内、選択される一つのスタッカに前記投票用紙を排出する、ことを特徴とする投票用紙点検機。
【請求項2】
前記目視確認位置における目視確認後の前記投票用紙の裏表を反転させ、前記目視確認位置に再度搬送する為の表裏反転部を、前記搬送経路上に備えた、ことを特徴とする請求項1記載の投票用紙点検機。
【請求項3】
前記表裏反転部においては、前記投票用紙の搬送経路に切替案内部を介して接続され、
前記目視確認位置における目視確認後の前記投票用紙を、前記給紙部に向けて逆方向に搬送することにより、湾曲した姿勢で表裏を反転して前記目視確認位置に再度搬送する湾曲反転経路を備え、
前記切替案内部は、前記投票用紙を前記給紙部から搬送経路に向けて搬送するときは、前記投票用紙は前記湾曲反転経路に導入されずに、前記搬送経路上の目視確認位置にそのまま排出され、又、前記投票用紙を前記目視確認位置から前記給紙部に向けて逆方向に搬送するときは、前記投票用紙は前記湾曲反転経路に導入された後、前記搬送経路上の目視確認位置に排出されるように構成される、ことを特徴とする請求項2記載の投票用紙点検機。
【請求項4】
前記湾曲反転経路における経路長は、前記投票用紙の搬送方向長さよりも短く構成される、ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の投票用紙点検機。
【請求項5】
前記投票用紙点検機は、前記投票用紙の目視確認による点検モードとは別に、前記投票用紙の表裏の方向を揃えて前記複数のスタッカに分類する整列モードをさらに有し、前記点検モードと整列モードは、モード切替手段により選択的に設定可能である、ことを特徴とする請求項1記載乃至請求項4の何れかに記載の投票用紙点検機。
【請求項6】
前記載置部より給紙される前記投票用紙の方向が表裏、天地方向のうちの何れであるかを判定する判定手段を備え、前記整列モードにおいて、前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づき、前記載置部より給紙される前記投票用紙の表裏方向を前記表裏反転部により何れか一方に揃えると共に、前記投票用紙の表裏を揃えた後、天地方向別に複数のスタッカに分類して排出する、ことを特徴とする請求項5記載の投票用紙点検機。
【請求項7】
前記判定手段は、前記投票用紙表面の印刷状態を検知する光学系センサと、前記識別した情報に基づき、前記投票用紙の方向が表裏、天地方向のうちの何れであるかを判定する制御手段を備える、ことを特徴とする請求項6記載の投票用紙点検機。
【請求項8】
前記光学系センサは、前記投票用紙表面の文字、記号等を読取り、識別する為に、前記搬送経路上に搬送方向と直角方向に複数個並べられている、ことを特徴とする請求項7記載の投票用紙点検機。
【請求項9】
前記光学系センサはフォトセンサである、ことを特徴とする請求項8記載の投票用紙点検機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票用紙の点検機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、国政選挙や地方選挙等の投票用紙の開票所においては、通常、図3に示すような流れで開票作業が行われる。前記開票作業において、開票台上で実施される「整列」、「分類」、「点検」等の作業においては機械化がほとんど進んでおらず、手作業で行われているのが現状である。
【0003】
前記開票作業においては、先ず、各投票所より集められた投票箱から投票用紙を開票台上に取出し、混同する「混同」作業が行われるが、「混同」作業後は、投票用紙は表裏、天地方向が混在した状態にある。次に、それらの表裏、天地方向を揃える「整列」作業としては、機械による自動的な整列方法と手作業による整列方法がある。
前記機械を用いた場合は、投票用紙の表裏、天地方向を自動的に判別して整列し、さらに、候補者名(政党名)毎に分類する「分類」作業も自動的に行われるが、機械が高価であり開票所への導入が進んでおらず、多くは手作業である。又、投票用紙を候補者名(政党名)毎に分類した後、他の候補者の票が紛れていないかを点検する「点検」作業においても、機械化がほとんど進んでおらず、手作業で行われている。
【0004】
開票作業時に用いる機械としては、例えば、投票用紙の仕分けや計数を効率的に行う投票用紙計数仕分け装置等が提案されている(特許文献1)。この投票用紙計数仕分け装置では、投票用紙を読み取り、読み取りによって得た画像データから文字認識により候補者名等を識別している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-198762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、投票用紙の開票作業においては、開票台上で実施される「整列」、「分類」、「点検」等の作業においては機械化がほとんど進んでおらず、手作業で行われているのが現状である。
(1)手作業での「整列」作業では、投票用紙の表裏、天地方向を一枚ずつ、同一方向に並べ直しながら分類し、揃えていた為、作業効率が悪く、時間がかかっていた。
(2)手作業での「点検」作業では、点検時に手で一枚ずつ紙をめくる必要があり、又、投票用紙の裏表“両面”を確認する必要がある為、用紙のハンドリングに時間がかかっていた。又、「点検」作業時においては、全ての投票用紙を一枚ずつ手でめくる為、ウイルス等への感染の可能性が高まり、その対策として手袋が導入されているが、それによって、さらに作業効率が悪くなってしまう。
【0007】
本発明の第一の目的は、一連の投票用紙の開票作業において、過剰なコストをかけることなく、特に、ウイルス等への感染の可能性を考慮して、手作業での「点検」作業の効率化を図ることである、さらに、第二の目的は、前記「点検」作業の効率化に加えて、その前処理としての手作業での「整列」作業についても効率化を図った、安価で簡易な、選挙等に用いることのできる機械を提供することである。尚、本件発明においては、前記「整列」作業後、候補者名(政党名)毎に分類する「分類」作業については、候補者名(政党名)を読取り、識別する構成部分が高価となる為、あえて発明の対象とはしておらず、手作業で行なうことを想定している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の投票用紙点検機は、複数の投票用紙を重ねて載置可能に形成された載置部と、前記載置部より前記投票用紙を搬送経路に向けて一枚ずつ給紙する給紙部と、前記給紙部から給紙された前記投票用紙を前記搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路から複数のスタッカへ前記投票用紙を排出する排出部と、前記排出部より排出される前記投票用紙を、前記複数のスタッカのいずれかに振り分けるゲート部と、操作者が入力可能な手動入力部と、前記搬送される投票用紙を前記搬送経路上の所定の目視確認位置で一時停止させて、操作者の目視確認による点検を可能とする点検モードを実行する制御手段と、を具備し、
前記点検モードにおいて、前記制御手段は、前記手動入力部への目視確認結果の入力に基づいて、前記複数のスタッカの内、選択される一つのスタッカに前記投票用紙を排出する、ことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の投票用紙点検機において、前記目視確認位置における目視確認後の前記投票用紙の裏表を反転させ、前記目視確認位置に再度搬送する為の表裏反転部を、前記搬送経路上に備えた、ことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の投票用紙点検機において、前記表裏反転部においては、前記投票用紙の搬送経路に切替案内部を介して接続され、前記目視確認位置における目視確認後の前記投票用紙を、前記給紙部に向けて逆方向に搬送することにより、湾曲した姿勢で表裏を反転して前記目視確認位置に再度搬送する湾曲反転経路を備え、
前記切替案内部は、前記投票用紙を前記給紙部から搬送経路に向けて搬送するときは、前記投票用紙は前記湾曲反転経路に導入されずに、前記搬送経路上の目視確認位置にそのまま排出され、又、前記投票用紙を前記目視確認位置から前記給紙部に向けて逆方向に搬送するときは、前記投票用紙は前記湾曲反転経路に導入された後、前記搬送経路上の目視確認位置に排出されるように構成される、ことを特徴とするものである。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の投票用紙点検機において、前記湾曲反転経路における経路長は、前記投票用紙の搬送方向長さよりも短く構成される、ことを特徴とするものである。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の投票用紙点検機において、前記投票用紙点検機は、前記投票用紙の目視確認による点検モードとは別に、前記投票用紙の表裏の方向を揃えて前記複数のスタッカに分類する整列モードをさらに有し、前記点検モードと整列モードは、モード切替手段により選択的に設定可能である、ことを特徴とするものである。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の投票用紙点検機において、前記載置部より給紙される前記投票用紙の方向が表裏、天地方向のうちの何れであるかを判定する判定手段を備え、前記整列モードにおいて、前記制御手段は、前記判定手段の判定結果に基づき、前記載置部より給紙される前記投票用紙の表裏方向を前記表裏反転部により何れか一方に揃えると共に、前記投票用紙の表裏を揃えた後、天地方向別に複数のスタッカに分類して排出する、ことを特徴とするものである。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の投票用紙点検機において、前記判定手段は、前記投票用紙表面の印刷状態を検知する光学系センサと、前記識別した情報に基づき、前記投票用紙の方向が表裏、天地方向のうちの何れであるかを判定する制御手段を備える
、ことを特徴とするものである。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の投票用紙点検機において、前記光学系センサは、前記投票用紙表面の文字、記号等を読取り、識別する為に、前記搬送経路上に搬送方向と直角方向に複数個並べられている、ことを特徴とするものである。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の投票用紙点検機において、前記光学系センサはフォトセンサである、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、載置部より一枚ずつ搬送される投票用紙を前記搬送経路上の所定の目視確認位置で一時停止させて、操作者の目視確認による点検を可能とする点検モードを実行し、前記点検モードにおいて、手動入力部への目視確認結果の入力に基づいて、複数のスタッカの内、選択される一つのスタッカに投票用紙を排出する為、点検時に投票用紙を手で一枚ずつ紙をめくる必要がなく、ウイルス等への感染の可能性が低くなると共に、作業効率が向上する。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、目視確認位置における目視確認後の前記投票用紙の裏表を反転させ、目視確認位置に再度搬送する為の表裏反転部を、搬送経路上に備えた為、投票用紙の裏表“両面”を確認する際、点検時に投票用紙を手で一枚ずつ紙をめくる必要がなく、ウイルス等への感染の可能性が低くなると共に、作業効率が向上する。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、表裏反転部においては、投票用紙の搬送経路に切替案内部を介して接続され、目視確認位置における目視確認後の投票用紙を、給紙部に向けて逆方向に搬送することにより、湾曲した姿勢で表裏を反転して目視確認位置に再度搬送する湾曲反転経路を備えた為、機械サイズを大きくすることなく、容易に投票用紙の裏表“両面”を確認することができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、湾曲反転経路における経路長は、投票用紙の搬送方向長さよりも短く構成される為、表裏反転部においても投票用紙が完全に隠れることがなく、セキュリティ上安心である。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、投票用紙点検機は、投票用紙の目視確認による点検モードとは別に、投票用紙の表裏の方向を揃えて前記複数のスタッカに分類する整列モードをさらに有し、点検モードと整列モードは、モード切替手段により選択的に設定可能である為、一台の投票用紙点検機を用いて、「点検」作業のみならず、その前処理としての「整列」作業も行うことができ、さらに作業効率が向上する。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、載置部より給紙される投票用紙の方向が表裏、天地方向のうちの何れであるかを判定する判定手段を備え、整列モードにおいて、判定手段の判定結果に基づき、載置部より給紙される投票用紙の表裏方向を表裏反転部により何れか一方に揃えると共に、投票用紙の表裏を揃えた後、天地方向別に複数のスタッカに分類して排出する為、投票用紙の表裏、天地方向を容易に分類し、整列でき、作業効率が良く、さらに開票作業の時間短縮となる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、判定手段は、投票用紙表面の印刷状態を検知する光学系センサを用い、投票用紙が表裏、天地方向のうちの何れであるかを簡易で安価な構成で、判定できる。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、光学系センサは、投票用紙表面の文字、記号等を読取り、識別する為に、搬送経路上に搬送方向と直角方向に複数個並べられている為、簡易な構成にも拘わらず、投票用紙の表裏、天地方向を確実に識別することができる。
【0025】
請求項9記載の発明によれば、光学系センサはフォトセンサを用いる為、簡易で安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態における投票用紙点検機の斜視図である。
図2図1の投票用紙点検機の断面図である。
図3】投票用紙の開票作業の流れを示す図である。
図4】点検モードにおける投票用紙の確認作業の様子を示す図である。
図5】整列モードの遷移を示す略図である。
図6】表裏反転部の具体的な動作を示す図である。
図7】表裏反転部の具体的な動作を示す図である。
図8】表裏反転部の具体的な動作を示す図である。
図9】排出部におけるゲート部の動作を示す図である。
図10】表裏反転部における切替案内部の動作を示す図である。
図11】本発明の実施形態の動作を説明するフローチャートである。
図12】本発明の実施形態の動作を説明するフローチャートである。
図13】本発明の実施形態の動作を説明するフローチャートである。
図14】本発明の実施形態の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した一実施例について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本実施例の投票用紙点検機1の外観を示す斜視図である。投票用紙点検機1は、投票用紙Pの載置部16において、給紙台11上に載置される投票用紙Pを搬送経路28に向けて一枚ずつ給紙する給紙部10と、給紙部10から給紙された投票用紙Pを搬送経路28に沿って搬送する搬送部20と、前記搬送経路28から複数のスタッカ31、32へ投票用紙Pを排出する排出部30とを備えている。又、操作者による操作を受け付ける手動入力部としての操作パネル部50をさらに備え、前記操作パネル部50は、給紙SW52、リジェクトSW54、モード切替SW56の3つの操作SWと、液晶パネル58とを有している。さらに、機械全体の制御を行うためのプログラムを格納する不揮発性記憶手段、及び前記プログラムを実行するCPUを備えた制御手段(不図示)と、を備えている。尚、前記手動入力部は、前記投票用紙点検機1本体の操作パネル部50に限らず、リモコンやPCと接続したマウス操作でもよい。
【0029】
図2は、投票用紙点検機1内部の概略構成を示す断面図である。本実施例の投票用紙点検機1は、主たる構成として、投票用紙Pの載置部16、給紙部10、搬送部20、排出部30及び表裏反転部40を備えている。
【0030】
〔載置部16〕
図2に示すように、載置部16は、給紙台11上に複数の投票用紙Pを重ねて載置し、載置された投票用紙Pの両側を規制する一対のガイド板12、12を備える。給紙台11上の投票用紙Pの有無検知は用紙有無センサ27により検出する。
【0031】
〔給紙部10〕
給紙部10は、上下方向に移動可能に設けられた給紙台11に投票用紙Pを載置して、給紙台11をバネ等により持ち上げることにより、載置された最上位の投票用紙Pの先端部を給紙ローラ13に圧接させ、給紙ローラ13とその下部に設けられた2重送り防止用の捌き部材15との間から、投票用紙Pを一枚ずつ搬送部20へ送給するようにしたものである。
【0032】
〔搬送部20〕
搬送部20は、給紙部10から給紙された投票用紙Pを、搬送ローラ対21、22によって、搬送経路28に沿って排出部30に向けて搬送する。搬送経路28の途上には、搬送される投票用紙Pの先端を検出する先端検出センサ26及び、用紙搬送方向Fと直角方向に並べられ、投票用紙Pの表面の印刷状況を検出する10個の識別センサ25を配置している。尚、識別センサ25は、10個に限られるものではなく、複数個配置すればよい。
【0033】
〔排出部30〕
排出部30は、ゲート部24を備え、搬送部20により搬送された投票用紙Pを選択される一つのスタッカ31、32へ振り分けて、排出する。各スタッカへ投票用紙Pが排出されたことは排出センサ33、34により検出する。
【0034】
〔表裏反転部40〕
表裏反転部40は、投票用紙Pの搬送経路28に切替案内部43を介して接続され、搬送経路28上の投票用紙Pの裏表を反転させて、再び、搬送経路28上に搬送する湾曲反転経路44を備える。表裏反転部40の具体的な動作については後述する。尚、表裏反転部40は、前記湾曲反転経路44を用いた構成に限らず、スイッチバック式の反転装置を用いるように構成してもよい。
【0035】
〔投票用紙点検機1の機能〕
次に、投票用紙点検機1が有する二つの機能について、図4及び図5に基づき説明する。
前記二つの機能とは、一つは、搬送される投票用紙を搬送経路上の所定の目視確認位置41で一時停止させて、操作者の目視確認による点検を可能とする「点検モード」であり、もう一つは、前記投票用紙の表裏の方向を揃えて前記複数のスタッカに分類する「整列モード」である。
【0036】
(1)点検モード
点検モードとは、投票用紙を手作業で候補者名(政党名)毎に分類した後、他の候
補者の票が紛れていないかを点検する「点検」作業に用いるモードである。
図4において、投票用紙点検機1の載置部16に重ねて載置した複数の投票用紙P(P1)を、給紙部10により、搬送部20に向けて一枚ずつ給紙し、投票用紙Pの記載内容を確認しやすい目視確認位置41(P2)で停止し、操作者が目視確認後、マニュアル操作により排出部30のスタッカ31、32に排出する機能である。尚、表裏反転部40により投票用紙Pの両面を点検することが可能である。以上によれば、人手によるめくり作業を軽減すると共に、全票を手で触るというウイルス感染の可能性を軽減しつつ、手袋による作業効率悪化を改善する。
【0037】
(2)整列モード
整列モードとは、「混同」作業後、表裏、天地方向が混在した状態にある投票用紙Pの表裏、天地方向を一方向に揃える「整列」作業に用いるモードである。
投票用紙点検機1の載置部16より給紙される投票用紙Pの方向が表裏、天地方向のうちの何れであるかを判定手段により判定し、前記判定手段の判定結果に基づき、載置部16より給紙される投票用紙Pの表裏方向を表裏反転部40により何れか一方に揃えると共に、投票用紙の表裏を揃えた後、天地方向別に複数のスタッカに分類して排出する。
【0038】
図5は、整列モードの遷移を示す略図であり、四角枠は投票用紙Pを示しており、枠内の数字「A」は、その向きにより印字方向(天地方向)を、又、実線は表側、破線は裏側を示している。図5(a)は、投票用紙点検機1の載置部16において、投票用紙Pの表裏、天地方向が混在した状態を示している。次に、図5(b)は、整列モードにより、投票用紙Pの表裏を揃えた後、天地方向別に複数のスタッカに分類して排出した状態を示している。次に、図5(c)において、前記複数のスタッカに分類して排出された投票用紙Pを手作業で一つにまとめた状態を示している。以上によれば、投票用紙が同一方向に整列されている事で、その後の手作業による「分類」作業に要する時間が大幅に軽減さる。又、一枚ずつ給紙し分類するので、半券等の異常紙の検出手段を備えることも可能である。
【0039】
〔各機能の具体的な動作〕
次に、各機能の具体的な動作について説明する。
(1)点検モード
点検モードは、「片面点検」と「両面点検」の二つのモードを有し、さらに、それぞれ「手動」「自動」モードがある。図1において、操作パネル部50には、給紙SW52、リジェクトSW54及びモード切替SW56を有する。給紙SW52は、載置部16からの投票用紙Pの給紙開始及び、目視確認位置41において、操作者による目視確認の結果が“正しい”(対象候補者に一致)場合、第一スタッカ31への排出を行う為のSWである。
又、リジェクトSW54は、目視確認の結果が“誤り”(対象候補者に不一致)の場合、第二スタッカ32へ排出を行う為のSWである。又、モード切替SW56は、点検モード及び、整列モードその他の各種動作モードの切り替え操作を行う為のSWである。
【0040】
点検モードは、前記一致/不一致の点検作業だけでなく、例えば、目視確認の結果、候補者が2名の場合にはA候補/B候補と仕分ける作業にも使用可能である。
【0041】
(1-1)片面点検モード
図6図9は、図2の要部拡大図である。図6(a)は、給紙SW52が押され、給紙ローラ13が回転し、載置部16より投票用紙Pが送出され、搬送ローラ対21に投票用紙Pが受け渡された状態を示している。このとき、投票用紙Pの先端部は、切替案内部43における爪431の上を通過しており、投票用紙Pの先端を先端検知センサ26が検出している。尚、載置部16における投票用紙Pの有無は、本実施例のように給紙台11上の用紙有無センサ27により検出してもよいし、又は、用紙有無センサ27を配置しないで、所定量給紙ローラ13を動かしても用紙先端を先端検知センサ26が検出できなかった場合に、用紙無と判断するように構成してもよい。尚、載置部16の投票用紙Pは記載面を上面として同一向きに整列された状態で積載されるものとする。
【0042】
切替案内部43は、投票用紙Pの搬送方向を搬送路28と湾曲反転経路44に切替える可動式のゲートの役割を果たしている。図10(a)に示すように、切替案内部43は給紙ローラ13の下流側に設置され、回転軸434を中心に回動する爪431を有し、爪431の先端部は、スプリング433により常時上方に引き上げる力を付与されている。又、爪431は、爪431と一体的に構成されるレバー435を有し、図10(b)に示すように、投票用紙Pが搬送ローラ対21を通過すると、投票用紙Pの先端部がレバー435先端に当接し、その後、投票用紙Pは、スプリング433の引き上げる力に反して、レバー435及び爪431を下方に押し下げながら搬送される。投票用紙P通過後、爪431は図10(a)に示す位置に復帰し、後述するように、投票用紙Pの反転時において、投票用紙Pを逆方向に搬送することにより、切替案内部43の開口部432に導入することができる。
【0043】
次に、図6(b)において、投票用紙Pの先端部は、搬送経路28上をさらに搬送され、搬送ローラ対22に到達し、目視確認位置41で一旦停止する。操作者は、目視確認位置41で投票用紙Pの記載内容を確認し、対象候補者に一致しているか否かを点検する。
【0044】
目視確認位置41における目視確認の結果、“一致”していれば、操作者が給紙SW52を押すことにより、目視確認位置41で停止していた投票用紙Pの搬送を再開すると共に、ゲート部24は図9(a)に示すように、投票用紙Pを第一スタッカ31へ導く位置に切り替わり、当該目視確認済の投票用紙Pは第一スタッカ31へ排出される。
又、“不一致”であれば、操作者がリジェクトSW54を押すことにより、目視確認位置41で停止していた投票用紙Pの搬送を再開すると共に、ゲート部24は図9(b)に示すように、投票用紙Pを第二スタッカ32へ導く位置に切り替わり、当該目視確認済の投票用紙Pは第二スタッカ32へ排出される。尚、ゲート部24は、排出ローラ23bの軸231を中心に回動し、ソレノイド(不図示)により前記二つの切替位置を電気的に制御する。
【0045】
以上は、片面点検モードにおける“手動”モードについて説明したが、次に、片面点検モードにおける“自動”モードについて説明する。
【0046】
実際の開票所での点検作業においては、前記不一致票が出る事はほとんど無く、視認速度も手作業も非常に早い。その様な中で1票ごとに給紙SW52又は、リジェクトSW54を押すのは面倒なので、自動的に次々に搬送するモードとして、“自動”モードを備えている。詳しくは、“自動”モードとは、一度給紙SW52を押したら、投票用紙一枚給紙→目視確認位置41へ搬送→所定時間停止→第一スタッカ31へ排出、のサイクルを載置部16の投票用紙Pが無くなるまで動作を継続する。所定時間とは操作者が投票用紙Pを点検している程度の時間(1~3秒程度)であり、この間に“不一致”を見つけたらリジェクトSW54を押すことにより、対象の投票用紙Pは第二スタッカ32へ排出され、引き続き次の投票用紙Pを自動的に給紙していく。尚、所定時間(点検している時間)は任意の時間に設定可能である。
【0047】
(1-2)両面点検モード
両面点検モードについては、前述の片面点検モードにおいて、給紙SW52が押され、載置部16より投票用紙Pが送出され、目視確認位置41で一旦停止し、操作者が投票用紙Pの片面が対象候補者に一致するか目視確認するまでの流れは同じである。次に、片面の点検が終わった後、操作者が再度給紙SW52を押すと、図7(c)に示すように、投票用紙Pは、目視確認位置41から切替案内部43の開口部432が露出するまで下流方向に少し搬送する。尚、両面点検モード時においては、載置部16に積載する投票用紙Pは表側でも裏側でも構わない。
【0048】
次に、図7(d)に示すように、投票用紙Pを逆方向F´に搬送し(搬送ローラ対22はR2方向に回転している。)、投票用紙Pを切替案内部43の開口部432に導入する。
このとき、搬送ローラ21bは反転ローラとしてR1方向に回転し、図8(e)に示すように、投票用紙Pを湾曲反転経路44内で反転させながら、切替案内部43の爪部431の上方から搬送経路28に向けて排出する。切替案内部43は、前記給紙部10から搬送経路28に向けて搬送するときは、湾曲反転経路44に導入されずに、前記搬送経路28上の目視確認位置41にそのまま排出され、又、目視確認位置41から給紙部10に向けて逆方向に搬送するときは、前記湾曲反転経路44に導入された後、搬送経路28上の目視確認位置に排出されるように構成されている。
【0049】
そして、図8(f)に示すように、搬送方向Fの方向に搬送して搬送経路28上の目視確認位置41で再び一旦停止し、操作者は前記表面確認済みの投票用紙Pの裏面を目視確認する。
【0050】
目視確認位置41における目視確認の結果、(片面点検モードと同様に、)“一致”していれば、操作者が給紙SW52を押すことにより、目視確認位置41で停止していた投票用紙Pの搬送を再開すると共に、ゲート部24は図9(a)に示すように、投票用紙Pを第一スタッカ31へ導く位置に切り替わり、当該目視確認済の投票用紙Pは第一スタッカ31へ排出される。又、“不一致”であれば、操作者がリジェクトSW54を押すことにより、目視確認位置41で停止していた投票用紙Pの搬送を再開すると共に、ゲート部24は図9(b)に示すように、投票用紙Pを第二スタッカ32へ導く位置に切り替わり、当該目視確認済の投票用紙Pは第二スタッカ32へ排出される。
【0051】
以上によれば、表裏反転部40を、搬送経路上28に備えた為、投票用紙Pの裏表“両面”を確認する際、点検時に投票用紙Pを手で一枚ずつ紙をめくる必要がなく、ウイルス等への感染の可能性が低くなると共に、作業効率が向上する。又、目視確認位置41における目視確認後の投票用紙Pを、湾曲した姿勢で表裏を反転して目視確認位置41に再度搬送する湾曲反転経路44を備えた為、機械サイズを大きくすることなく、容易に投票用紙の裏表“両面”を確認することができる。さらに、湾曲反転経路44における経路長は、投票用紙Pの搬送方向長さよりも短く構成される為、表裏反転部40においても投票用紙Pが完全に隠れることがなく、セキュリティ上安心である。
【0052】
前述の両面点検モードについては、“手動”モードについて説明したが、両面点検モードにおける“自動モード”についても、基本的には片面点検モードの自動モードと同じで、表面の所定時間が経過した後、自動的に表面確認済みの投票用紙Pの表裏反転動作を行い、裏面も特定時間が経過後に自動的に排出されるように構成されている。
【0053】
(2)整列モード
整列モードは、表裏、天地方向が混ざった投票用紙Pを、表裏を揃えて“天地“方向に分けてスタッカ31、32に排出する機能であり、点検モードとは独立した機能であって、操作者の判断等を伴わない。一度スタートしたら載置部16に積載された投票用紙Pが無くなるまで処理動作を行う。表裏、天地方向の判断は、例えば、図1に示した反射型フォトセンサ等の光学系の識別センサ25を搬送方向Fと直角方向に10個配置し、投票用紙面の印刷状態を下方より検知する。前記投票用紙面の印刷状態の検知とは、詳細には、識別センサ25が搬送される投票用紙Pの表面に何も検知しなければ(ずっと白レベル検出)、裏面を検知していると判断し(操作者からは表面が見えている)、黒レベル(印刷部)を相当範囲検知した場合、次に、判定手段としての制御手段は、その分布状態から投票用紙Pの天地方向を判断する。又、黒レベルの平均濃度で分布状態を判断するようにしてもよい。
【0054】
次に、整列モードの具体的な動作について説明する。給紙SW52が押されたら給紙ローラ13の回転を開始し、載置部16より投票用紙Pを一枚搬送する。そして、図6(a)に示すように、先端検知センサ26により用紙先端を検出し、以後この位置を基準位置として搬送距離を制御する。尚、載置部16の投票用紙Pの有無は、本実施例のように、給紙台11上の用紙有無センサ27で検知してもよいし、又は、有無センサ27を設置することなく、所定量給紙ローラ13を動かしても用紙先端を先端検知センサ26が検出できなかった場合、用紙無と判断してもよい。
【0055】
次に、図6(b)に示すように、前記基準位置から所定量の紙送りを行う。この時、識別センサ25にて投票用紙Pの印刷状態を識別しながら搬送する。
【0056】
(2-1)前記投票用紙Pの印刷状態を識別した結果、投票用紙Pのセンサ検知面について、黒レベル(印刷部)を相当範囲検知し、前記センサ検知面が表面(記載面)であると判断した場合は、次に、その分布状態から投票用紙Pの天地方向を判断する。そして、前記投票用紙Pの天地方向を判断した結果、例えば、“天”方向と判断した場合、第一スタッカ31へ投票用紙Pを排出し引き続き次の用紙を給紙する。“地”方向と判断した場合、第二スタッカ32へ投票用紙Pを排出し引き続き次の用紙を給紙する。尚、投票用紙Pの天地方向を判断した結果、それぞれのスタッカ31、32へ排出する際には、上述のように、ゲート部24でその排出先を振り分ける。
【0057】
(2-2)前記投票用紙Pの表面の印刷状態を検出した結果、投票用紙Pのセンサ検知面について、白レベル(非印刷部)を相当範囲検知し、前記センサ検知面が裏面(非記載面)であると判断した場合は、図7(c)、図7(d)、図8(e)を用いて説明した両面点検モードと同様に、投票用紙Pを湾曲反転経路44内で反転させながら、切替案内部43の爪部431の上方から搬送経路28に向けて所定量排出する。この時、識別センサ25にて投票用紙Pの印刷状態を識別しながら搬送する。その結果、投票用紙Pのセンサ検知面は、前記(2―1)と同じ表面(記載面)に反転され、以後、同様の制御を行い、投票用紙Pの天地方向に応じたスタッカ31、32へそれぞれ排出されることになる。
【0058】
以上によれば、投票用紙点検機1は、投票用紙Pの目視確認による点検モードとは別に、投票用紙Pの表裏の方向を揃えて複数のスタッカ(31、32)に分類する整列モードをさらに有し、点検モードと整列モードは、モード切替手段としてのモード切替SWにより選択的に設定可能である為、一台の投票用紙点検機を用いて、「点検」作業のみならず、その前処理としての「整列」作業も行うことができ、さらに作業効率が向上する。
又、載置部より給紙される投票用紙の方向が表裏、天地方向のうちの何れであるかを判定する判定手段としての制御手段を備え、整列モードにおいて、判定手段の判定結果に基づき、載置部16より給紙される投票用紙Pの表裏方向を表裏反転部40により何れか一方に揃えると共に、投票用紙Pの表裏を揃えた後、天地方向別に複数のスタッカ(31、32)に分類して排出する為、投票用紙Pの表裏、天地方向を容易に分類し、整列でき、作業効率が良く、さらに開票作業の時間短縮となる。
【0059】
又、前記判定手段は、投票用紙Pの表面の印刷状態を検出する識別センサ25として光学系センサを用い、投票用紙Pが表裏、天地方向のうちの何れであるかを簡易で安価な構成で、判定できる。
【0060】
又、前記光学系センサは、投票用紙Pの表面の文字、記号等を読取り、識別する為に、搬送経路28上に搬送方向と直角方向に複数個並べられている為、簡易な構成にも拘わらず、投票用紙の表裏、天地方向を確実に識別することができる。又、前記光学系センサはフォトセンサを用いる為、簡易で安価に構成できる。尚、複数個並べられる光学系センサに替えて、CCDセンサを1個用いるようにしてもよい。
【0061】
〔投票用紙点検機1の全体制御〕
以上は、本発明の概略の動作であるが、この動作をさらに図11から図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0062】
(メインルーチン;モード制御)
図11は、点検モードと整列モードを制御する為のメインルーチンである(モード制御)。図12図13)は、前記モード制御におけるサブルーチン(点検モード処理)である。図14は、前記モード制御におけるサブルーチン(整列モード処理)である。
【0063】
図11のステップ1において、給紙SW52がONされたか否かを確認する。この判断により給紙SW52がONされていないと判断した場合(ステップ1;N)は、給紙SW52がONされるのを待つ。
【0064】
給紙SW52がONされたと判断した場合(ステップ1;Y)は、ステップ2において、点検モードが設定されているか否かを確認する。設定されている場合(ステップ2;Y)は、図12のサブルーチン(点検モード処理)に処理を移行する(ステップ3)。尚、点検モードと整列モードは、モード切替手段としてのモード切替SW56により選択的に設定される。
【0065】
点検モードが設定されていない場合(ステップ2;N)は、次に、ステップ4において、整列モードが設定されているか否かを確認する。
【0066】
整列モードが設定されている場合(ステップ4;Y)は、図14のサブルーチン(整列モード処理)に処理を移行する(ステップ5)。ステップ5のサブルーチンの処理後は、メインルーチンの最初に処理を戻す(ステップ1)。
【0067】
整列モードが設定されていない場合(ステップ4;N)は、メインルーチンの最初に処理を戻す(ステップ1)。
【0068】
(サブルーチン;点検モード処理)
次に、図12図13)のサブルーチン(点検モード処理)が選択された場合について説明する。尚、本サブルーチンは両面点検モードの処理について説明する。
【0069】
ステップ10において、給紙ローラ13の回転を開始し、載置部16より投票用紙Pが一枚給紙される。又、ステップ11において、搬送ローラ対21、22も回転を開始し、投票用紙Pを搬送経路28上に搬送する。
【0070】
次に、ステップ12において、搬送される投票用紙Pが搬送経路28上の目視確認位置41まで到達したか確認する。この判断により目視確認位置41まで到達していないと判断した場合(ステップ12;N)は、投票用紙Pが目視確認位置41まで到達するのを待つ。
【0071】
投票用紙Pが目視確認位置41まで到達したと判断した場合(ステップ12;Y)は、ステップ13において、目視確認位置41で投票用紙Pの搬送を停止する。
【0072】
次に、ステップ14において、操作者は、目視確認位置41で投票用紙Pの記載内容を確認し、対象候補者に一致しているか否かを確認する。
【0073】
ステップ15において、対象候補者に一致していない場合(ステップ15;N)は、
操作者は、リジェクトSW54をONにする(ステップ17)。
【0074】
次に、ステップ18において、投票用紙Pを第二スタッカ32に排出し、処理を図11のメインルーチンに戻す(RET)。
【0075】
ステップ15において、対象候補者に一致している場合(ステップ15;Y)は、操作者は、給紙SW52をONにする(ステップ16)。
【0076】
次に、図13のステップ19において、上述の表裏反転部40にて投票用紙Pを反転する。
【0077】
次に、ステップ20において、搬送される投票用紙Pが搬送経路28上の目視確認位置41まで到達したか確認する。この判断により目視確認位置41まで到達していないと判断した場合(ステップ20;N)は、投票用紙Pが目視確認位置41まで到達するのを待つ。
【0078】
投票用紙Pが目視確認位置41まで到達したと判断した場合(ステップ20;Y)は、ステップ21において、目視確認位置41で投票用紙Pの搬送を停止する。
【0079】
次に、ステップ22において、操作者は、目視確認位置41で投票用紙Pの記載内容を確認し、対象候補者に一致しているか否かを確認する。
【0080】
ステップ23において、対象候補者に一致していない場合(ステップ23;N)は、
操作者は、リジェクトSW54をONにする(ステップ26)。
【0081】
次に、ステップ27において、投票用紙Pを第二スタッカ32に排出し、処理を図11のメインルーチンに戻す(RET)。
【0082】
ステップ23において、対象候補者に一致している場合(ステップ23;Y)は、操作者は、給紙SW52をONにする(ステップ24)。
【0083】
次に、ステップ25において、投票用紙Pを第一スタッカ31に排出し、処理を図11のメインルーチンに戻す(RET)。
【0084】
(サブルーチン;整列モード処理)
次に、図14のサブルーチン(整列モード処理)が選択された場合について説明する。
【0085】
ステップ30において、給紙ローラ13の回転を開始し、載置部16より投票用紙Pが一枚給紙される。又、ステップ31において、搬送ローラ対21、22も回転を開始し、投票用紙Pを搬送経路28で所定量搬送する。この時、識別センサ25にて投票用紙Pの表面の印刷状態を識別しながら搬送する。
【0086】
ステップ32において、前記投票用紙Pの印刷状態を識別した結果、投票用紙Pのセンサ検知面について、黒レベル(印刷部)を相当範囲検知し、前記センサ検知面が表面(記載面)であると判断した場合(ステップ32;Y)は、処理をステップ33に移す。
【0087】
ステップ32において、前記センサ検知面が裏面(非記載面)であると判断した場合(ステップ32;N)は、ステップ35において、上述の表裏反転部40にて投票用紙Pを反転しながら、識別センサ25にて投票用紙Pの表面の印刷状態(天地方向)を識別した後、処理をステップ33に移す。
【0088】
次に、ステップ33において、前記黒レベル(印刷部)の分布状態から投票用紙Pの天地方向を判断する。
【0089】
ステップ33において、“天”方向と判断した場合(ステップ33;Y)は、第一スタッカ31へ投票用紙Pを排出する(ステップ34)。
【0090】
ステップ33において、“天”方向でないと判断した場合(ステップ33;N)は、第二スタッカ32へ投票用紙Pを排出する(ステップ36)。
【0091】
次に、ステップ37において、載置部16に積載された投票用紙Pが無くなったか否かを確認する。尚、載置部16の投票用紙Pの有無は、用紙有無センサ27により検出可能である。
【0092】
ステップ37において、載置部16に積載された投票用紙Pが無くなっていないと判断した場合(ステップ37;N)は、処理をステップ30に戻す。
【0093】
ステップ37において、載置部16に積載された投票用紙Pが無くなったと判断した場合(ステップ37;Y)は、処理を図11のメインルーチンに戻す(RET)。
【0094】
以上に記載した実施の形態は、投票用紙点検機として、点検モードと整列モードの二つのモードを有することを前提として説明したが、それぞれのモードを有する独立した機械として実施してもよい。
【0095】
又、点検モード、整列モードにおいては、それぞれ、投票用紙Pの排出先は、第一スタッカ31と第二スタッカ32を逆に振り分けてもよい。さらに、三つ以上の複数のスタッカを備えて、分類の数を増やしてもよい。
【0096】
尚、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0097】
F 搬送方向
P 投票用紙
1 投票用紙点検機
10 給紙部
11 給紙台
13 給紙ローラ
16 載置部
20 搬送部
21 搬送ローラ対
22 搬送ローラ対
23 排出ローラ
24 ゲート部
25 識別センサ
26 先端検出センサ
27 用紙有無センサ
28 搬送経路
30 排出部
31 第一スタッカ
32 第二スタッカ
40 表裏反転部
41 目視確認位置
43 切替案内部
44 湾曲反転経路
50 操作パネル部
52 給紙SW
54 リジェクトSW
56 モード切替SW
58 液晶パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14