(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153045
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】関節ユニット
(51)【国際特許分類】
B25J 17/00 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
B25J17/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056072
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深町 勝嗣
(72)【発明者】
【氏名】外川 圭司
(72)【発明者】
【氏名】大澤 洋
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CX01
3C707CX03
3C707HS27
3C707HT24
3C707HT31
3C707HT36
3C707MT04
(57)【要約】
【課題】対向ギアと中間ギアとのバックラッシュを低減する。
【解決手段】関節ユニット1は、互いに対向する2つの傘歯27をそれぞれ含む2つの対向ギア2と、2つの傘歯27の双方に噛み合う傘歯37を含む中間ギア3と、を含む。対向ギア2の傘歯ギア部27は、対向ギア2の回転方向に沿って並ぶ複数の歯271を有し、複数の歯271のそれぞれの幅は、傘歯ギア部27の外周に向かうにつれて徐々に大きくなっている。対向ギア2は、対向ギア2の回転中心線に沿った方向で、傘歯ギア部27の少なくとも一部分を中間ギア3に付勢する弾性部材29Bを含む。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する2つの傘歯ギア部をそれぞれ含む2つの対向ギアと、前記2つの傘歯ギア部の双方に噛み合う傘歯ギア部を含む中間ギアと、を含む関節ユニットであって、
前記2つの対向ギアと前記中間ギアとのうちの一方のギアの傘歯ギア部は、前記一方のギアの回転方向に沿って並ぶ複数の歯を有し、前記複数の歯のそれぞれの幅は、前記一方のギアの傘歯ギア部の外周に向かうにつれて徐々に大きくなっており、
前記一方のギアは、前記一方のギアの回転中心線に沿った方向で、前記一方のギアの前記傘歯ギア部の少なくとも一部分を他方のギアに付勢する弾性部材を含む、
関節ユニット。
【請求項2】
前記2つの対向ギアの双方が、前記弾性部材を含む、
請求項1に記載される関節ユニット。
【請求項3】
前記一方のギアは、前記一方のギアの傘歯ギア部の内周部分を含む第1部材と、前記一方のギアの傘歯ギア部の外周部分を含む第2部材と含み、
前記弾性部材は、前記一方のギアの回転中心線に沿った方向で前記第1部材を付勢する、
請求項1に記載される関節ユニット。
【請求項4】
前記第2部材は、前記一方のギアの傘歯ギア部の外周部分から前記一方のギアの回転中心線に沿って延びている第1筒部を含み、
前記第1部材は、前記第2部材の前記第1筒部に嵌まり、
前記弾性部材は、前記第2部材の前記第1筒部の内側に収容される、
請求項3に記載される関節ユニット。
【請求項5】
前記第1部材及び前記第2部材を貫通する軸部材と、
前記第2部材と前記軸部材との間に配置される軸受け部材とを更に含み、
前記第2部材は、前記第1筒部の内側で前記一方のギアの回転中心線に沿って延びている第2筒部を更に含み、
前記弾性部材は、前記第2部材の前記第1筒部と前記第2筒部との間に規定されるスペースに収容され、
前記軸受け部材は、前記第2部材の前記第2筒部と前記軸部材との間において、前記弾性部材の内側に配置される、
請求項4に記載される関節ユニット。
【請求項6】
駆動ギアを更に含み、
前記第2部材は、前記駆動ギアに固定される、
請求項3に記載される関節ユニット。
【請求項7】
モータを更に含み、
前記駆動ギアは、前記モータと接続する、
請求項6に記載される関節ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は関節ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ロボット等のアームを動かすことができる関節ユニットが開示されている。関節ユニットには、互いに向き合う2つの傘歯ギア(以下では、対向ギアと称する)が設けられ、これらの間に1つの傘歯ギア(以下では、中間ギアと称する)が位置している。中間ギアはアームと接続し、中間ギアには2つの対向ギアの双方が噛み合っている。2つの対向ギアは互いに異なるモータの動力を受け、互いに独立して回転可能である。2つの対向ギアの間から見て2つの対向ギア同じ方向に回転する場合(例えば、双方が時計回りに回転する場合)、中間ギアは、中間ギアの軸線を中心に回転する。また、2つの対向ギアの間から見て2つの対向ギアが互いに異なる方向に回転する場合(例えば、一方が時計回りに回転し、他方が反時計回りに回転する場合)、中間ギアは、対向ギアの軸線を中心に回転移動する。この2種類の中間ギアの動きにより、中間ギアに接続されるアームを2方向(例えば、前後方向及び左右方向)において動作させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対向ギアと中間ギアとで歯と歯の間の隙間(バックラッシュ)が大きい場合、対向ギアが回転を開始した際に、対向ギアの歯と中間ギアとの歯との衝突が生じる。このことが、騒音や振動が発生する原因になる。バックラッシュは歯の摩耗によっても大きくなるため、対向ギアと中間ギアとの少なくとも一方には、バックラッシュを低減するための機構が設けられることが好ましい。
【0005】
本発明の目的は、対向ギアと中間ギアとのバックラッシュを低減できる関節ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る関節ユニットは、対向する2つの傘歯ギア部をそれぞれ含む2つの対向ギアと、前記2つの傘歯ギア部の双方に噛み合う傘歯ギア部を含む中間ギアと、を含む。前記2つの対向ギアと前記中間ギアとのうちの一方のギアの傘歯ギア部は、前記一方のギアの回転方向に沿って並ぶ複数の歯を有し、前記複数の歯のそれぞれの幅は、前記一方のギアの傘歯ギア部の外周に向かうにつれて徐々に大きくなっている。前記一方のギアは、前記一方のギアの回転中心線に沿った方向で、前記一方のギアの前記傘歯ギア部の少なくとも一部分を他方のギアに付勢する弾性部材を含む、本発明によれば、対向ギアと中間ギアとのバックラッシュを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明の実施形態の一例に係る関節ユニットを示す斜視図である。
【
図2A】関節ユニットの一部分を示す正面図である。
【
図2B】関節ユニットの一部分を示す正面図である。
【
図3】
図1BのIII‐III切断線における断面を示す断面図である。
【
図9】本発明の他の実施形態の一例に係る対向ギアの分解斜視図である。
【
図10】本発明の他の実施形態の一例に係る関節ユニットの一部分を示す正面図である。
【
図11】本発明の変形例に係る弾性部材及び第2部材を示す斜視図である。
【
図12】本発明の変形例に係る弾性部材及び第2部材を示す斜視図である。
【
図13】本発明の変形例に係る弾性部材及び第2部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施形態]
最初に、本開示の実施形態の一例(第1の実施形態)について図面を参照しながら説明する。
図1Aは、本発明の実施形態の一例に係る関節ユニット1を示す斜視図である。
図1Bは、関節ユニット1の正面図である。
図2A及び
図2Bは、
図1Bの拡大図であり、関節ユニット1に設けられる2つの対向ギア2(2A,2B)と、中間ギア3とを示している。
図3は、
図1BのIII‐III切断線における断面を示す断面図である。これらの図面においては、各図に示すX1及びX2をそれぞれ左方向及び右方向と称し、Y1及びY2をそれぞれ前方及び後方と称し、Z1及びZ2をそれぞれ上方及び下方と称する。
【0009】
[関節ユニットの概要]
関節ユニット1は、ロボット等のアームを動かすためにロボット等に取り付けられる。関節ユニット1は、例えば、人又は動物を模したロボットに取り付けられ、ロボットの首、腕、足、腰等を動かす関節として機能する。
【0010】
図1A及び
図1Bに示すように、関節ユニット1は、互いに対向する2つの対向ギア2(2A及び2B)と、これら2つの対向ギア2のそれぞれによって相対的に駆動される中間ギア3とを有している。2つの対向ギア2は、互いに対向する2つの傘歯ギア部27をそれぞれ含む。中間ギア3は傘歯ギア部37を含み、この傘歯ギア部37が、2つの対向ギア2のそれぞれに設けられる2つの傘歯ギア部27の双方に噛み合っている。
図1A及び
図1Bに示した例では、中間ギア3の左右方向において、2つの対向ギア2の傘歯ギア部27が対向している。より具体的には、対向ギア2Aが中間ギア3の左に位置し、対向ギア2Bが中間ギア3の右に位置している。これに限らず、2つの対向ギア2は、中間ギア3を挟んで他の方向(例えば、上下方向や左右且つ上下の斜め方向)で対向していてもよい。
【0011】
また、
図2A及び
図2Bに示すように、2つの対向ギア2のそれぞれの傘歯ギア部27ギアは、対向ギア2の回転方向に沿って並ぶ複数の歯271を有し、中間ギア3の傘歯ギア部37も、中間ギア3の回転方向に沿って並ぶ複数の歯371を有する。対向ギア2に設けられる複数の歯271のそれぞれの幅は、対向ギア2の外周に向かうにつれて徐々に大きくなっている。中間ギア3に設けられる複数の歯371のそれぞれの幅も、中間ギア3の外周に向かうにつれて徐々に大きくなっている。なお、対向ギア2に設けられる歯271は、後述するギア内周部分27aの歯271aと、後述するギア外周部分27bの歯271bとを含んで構成される。
【0012】
関節ユニット1は、
図1Aに示す第1軸線Ax1を中心とした中間ギア3の対向ギア2に対する相対的な回転と、第2軸線Ax2を中心とした中間ギア3の対向ギア2に対する相対的な回転とを許容するよう構成されている。中間ギア3には、傘歯ギア部37の反対側に基部38が固定されている。この基部38に、例えば図示しないアームが固定され、中間ギア3が第1軸線Ax1と第2軸線Ax2とのそれぞれで回転することによって、第1軸線Ax1を中心としたアームの動きと、第2軸線Ax2を中心としたアームの動きを実現できる。また、関節ユニット1は、アームの端部に設けられてもよく、この場合、中間ギア3の基部38に対して関節ユニット1(より具体的には、2つの対向ギア2)が相対的に動くことによって、第1軸線Ax1を中心としたアームの動きと、第2軸線Ax2を中心としたアームの動きを実現できる。
【0013】
図1Aに示すように、関節ユニット1は、2つのモータ4(4A及び4B)を含む。モータ4Aは対向ギア2Aを駆動させ、モータ4Bは対向ギア2Bを駆動させる。より具体的には、関節ユニット1は2つの対向ギア2にそれぞれ固定される2つの駆動ギア28を含み、2つの駆動ギア28が2つのモータ4にそれぞれ接続している。これにより、2つの対向ギア2は、異なるモータ4の動力を受けて、第1軸線Ax1を中心に互いに独立して回転できる。2つの対向ギア2は、これら2つの対向ギア2の間から見て、同じ方向に回転したり、反対方向に回転したりすることができる。また、2つの対向ギア2は、同じ方向に回転しながら回転の速度が互いに異なるように回転することもできる。また、2つの対向ギア2のうち一方は停止している状態で、他方だけが回転することも可能である。
【0014】
なお、関節ユニット1の内側では、2つのモータ4が前後方向に並び、前後方向において重なるように配置されている。このように2つのモータ4を配置することで、関節ユニット1の内側のスペースを有効に活用することができる。また、関節ユニット1では、2つのモータ4をそれぞれ制御する2つの制御基板5も、前後方向において重なっている。
【0015】
本実施形態において、2つの対向ギア2が、これら2つの対向ギア2の間から見て、同じ方向に回転するとは、2つの対向ギア2の双方が、
図1AにおいてR1で示した方向に回転するか、または、2つの対向ギア2の双方が、
図1AにおいてR2で示した方向に回転することである。また、本実施形態において、2つの対向ギア2が、これら2つの対向ギア2の間から見て、互いに反対の方向に回転するとは、2つの対向ギア2のうち一方のギアが
図1AにおいてR1で示した方向に回転し、他方のギアが
図1AにおいてR2で示した方向に回転することである。
【0016】
2つの対向ギア2が互いに反対方向に回転する場合(2つの対向ギア2のうち一方のギアが
図1AのR1で示した方向に回転し、他方のギアが
図1AのR2で示した方向に回転する場合)、中間ギア3は第2軸線Ax2を中心に相対的に回転する。このような中間ギア3の第2軸線Ax2を中心とした相対的な動きを、以下ではロール動作とも称する。また、2つの対向ギア2が同じ方向に回転する場合(2つの対向ギア2の双方が、
図1AのR1又はR2で示した方向に回転する場合)、中間ギア3は、第1軸線Ax1を中心として相対的に回転(移動)する。このような中間ギア3の第1軸線Ax1を中心とした相対的な動きを、以下ではピッチ動作とも称する。中間ギア3は、ピッチ動作と、ロール動作と、ピッチ動作及びロール動作を複合した動作とを行うことができる。
【0017】
[対向ギアの構成]
図4は、対向ギア2を示す斜視図である。
図5は、対向ギアの分解斜視図である。本実施形態では、2つの対向ギア2が同一の構造を有しており、2つの対向ギア2が互いに異なる構造を有している場合に比べて対向ギア2の各部材の製造を簡便にできる。
図4及び
図5に示すように、対向ギア2は、第1部材21及び第2部材22により構成される。第1部材21は対向ギア2の傘歯ギア部27の内周部分27a(以下では、ギア内周部分27aと称する)を含み、第2部材22は対向ギア2の傘歯ギア部27の外周部分27b(以下では、ギア外周部分27bと称する)を含んでいる。第1部材21と第2部材22とを組み合わせることにより、ギア内周部分27aはギア外周部分27bの内側かつ先端側に配置されて、1つの傘歯ギア部27が構成される。傘歯ギア部27はギア内周部分27aとギア外周部分27bとに分割可能である。ギア内周部分27aは対向ギア2の回転方向に沿って並ぶ複数の歯271aを有し、ギア外周部分27bも対向ギア2の回転方向に沿って並ぶ複数の歯271bを有している。
図4に示すように、ギア内周部分27aの歯271aとギア外周部分27bの歯271bとが傘歯ギア部27の径方向に並ぶことで、傘歯ギア部27の歯271が構成される。
【0018】
また、
図5に示すように、第2部材22には第1筒部23が形成されている。第1筒部23は、対向ギア2のギア外周部分27bから対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿って延びている。この第1筒部23に、第1部材21が嵌まる。第1筒部23は円筒形であり、第1筒部23の内側に環状のスペースCが形成されている。第1部材21には、対向ギア2のギア内周部分27aから対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿って延びている円筒形の第3筒部25が形成されており、この第3筒部25が、第1筒部23に形成された環状のスペースCの内側に嵌まる。
【0019】
図5に示すように、第1筒部23の内側には、第1筒部23よりも径が小さい円筒形の第2筒部24が設けられている。環状のスペースCは、第1筒部23の内周面と第2筒部24の外周面とにより規定される。第2筒部24が構成する円の内側には、円形の軸穴H2が形成されている。また、第1部材21において、ギア内周部分27aは環状であり、その中心位置に、円形の軸穴H1が形成されている。
図3に示すように、第1部材21の軸穴H1、及び第2部材22の軸穴H2には、対向ギア2を支持する第1支持軸61(軸部材)が挿通される。
【0020】
図5に示すように、第2部材22は駆動ギア28に固定される。より具体的には、駆動ギア28は第1筒部23に固定され、第1筒部23を挟んで傘歯ギア部27の外周部分27bの反対側に設けられる。駆動ギア28は、対向ギア2と一体的に形成されてもよい。駆動ギア28はモータ4に接続し、モータ4からの動力を受ける。このため、駆動ギア28に固定される第2部材22に設けられるギア外周部分27bには、駆動ギア28の力が直接的に働く。また、第1部材21は弾性部材29Aを介して第2部材22に固定されるため、第1部材21に形成されるギア内周部分27aには、駆動ギア28の力が関節的に働く。
【0021】
また、
図5に示すように、対向ギア2は弾性部材29Aを有している。弾性部材29Aは、第2部材22の第1筒部23の内側(より具体的には、スペースCの内側)に収容される。このように弾性部材29Aを対向ギア2の内部に収容することで、関節ユニット1の組み立てを簡便にできる。
【0022】
[関節ユニットにおける配置位置の詳細]
図3に示すように、関節ユニット1は、第1軸線Ax1に沿って棒状に延びる第1支持軸61と、第2軸線Ax2に沿って棒状に延びる第2支持軸62とを有している。第2支持軸62は、螺子63等によって第1支持軸61に固定されている。2つの対向ギア2は、第1支持軸61に支持されている。第1支持軸61は、対向ギア2の第1部材21及び第2部材22を貫通している。
【0023】
第1支持軸61には、リング状の軸受け部材71が取り付けられている。軸受け部材71は、対向ギア2の第2部材22(より具体的には、第2筒部24)と、第1支持軸61との間に配置される。軸受け部材71は対向ギア2と第1支持軸61とに接しており、これにより、対向ギア2は、第1支持軸61の周方向(すなわち、第1軸線Ax1を中心とした周方向)に回転可能である。先述したように、対向ギア2において、円筒形の第1筒部23の内側には円筒形の第2筒部24が形成されており、弾性部材29Aは、第1筒部23の内周面と第2筒部24の外周面とにより規定される環状のスペースCに収容される。そして、本実施形態では、
図5に示すように、弾性部材29Aはリング状であるため、
図3に示すように、軸受け部材71は、第2部材22の第2筒部24と第1支持軸61との間において、リング状の弾性部材29Aの内側に配置される。このような配置にすることで、関節ユニット1の内部のスペースを有効活用できる。また、第2支持軸62にも、リング状の軸受け部材72けられている。軸受け部材72は中間ギア3と第2支持軸62とに接しており、これにより、中間ギア3は、第2支持軸62の周方向(すなわち、第2軸線Ax2を中心とした周方向)に回転可能である。なお、軸受け部材71,72は、アンギュラ軸受としてよい。
【0024】
本実施形態では、弾性部材29Aは第2部材22(より具体的には、第1筒部23の内側)に取り付けられ、第1部材21を対向ギア2の回転方向に沿った方向で付勢する。なお、弾性部材29Aが第2部材22に取り付けられるとは、弾性部材29Aの端部が第2部材22に固定されていることであってもよいし、単に弾性部材29Aの端部が第2部材22に当たっていることであってもよい。対向ギア2は、第1軸線Ax1を中心とした周方向で回転可能であり、弾性部材29Aは、対向ギア2の回転方向に沿った方向で第1部材21を付勢する。対向ギア2の回転方向に沿った方向とは、第1軸線Ax1を中心とした周方向であり、対向ギア2の回転方向(
図1AのR1,R2で示した方向)そのものであってもよいし、その逆方向であってもよい。
図5に示した例では、弾性部材29Aはトーションバネによって実現され、トーションバネの一端が第1部材21に固定され、トーションバネの他端が第2部材22に固定される。これに限らず、弾性部材29Aとして他の種類のバネを用いてもよい。
【0025】
このように、弾性部材29Aの弾性力で、対向ギア2の回転方向に沿った方向で第1部材21を付勢することにより、中間ギア3の傘歯ギア部37の歯371を、第1部材21のギア内周部分27aの歯271aと、第2部材22のギア外周部分27bの歯271bとで挟み込む機構(シザーズ機構)が構成される。これにより、対向ギア2の歯271と中間ギア3の歯371との隙間であるバックラッシュを低減でき、対向ギア2と中間ギア3とのバックラッシュに起因する騒音や振動の発生を抑制することができる。
【0026】
本実施形態では、第1部材21、第2部材22、及び弾性部材29Aは2つの対向ギア2のそれぞれに含まれている。ここで、
図2Aに示したように、2つの対向ギア2にそれぞれ含まれる2つの第1部材21は、弾性部材29Aにより、2つの対向ギア2の間の位置から見て同じ方向に付勢されてよい。
図2Aに示した例では、2つの第1部材21の双方が、
図1A及び
図2AにおいてR1で示した方向に付勢される。これに限らず、2つの第1部材21の双方が、
図1AにおいてR2で示した方向に付勢されてもよい。
【0027】
このように、2つの対向ギア2にそれぞれ含まれる2つの第1部材21が、2つの対向ギア2の間の位置から見て同じ方向に付勢させることにより、2つの対向ギア2が配置される位置で、バランスよく中間ギア3の位置制御が可能になる。このため、第1軸線Ax1を中心として2つの対向ギア2を同じ方向に回転させて、第2軸線Ax2を中心に中間ギア3を回転させる場合(中間ギア3にロール動作を行わせる場合)に好適である。
【0028】
この他にも、
図2Bに示したように、2つの対向ギア2にそれぞれ含まれる2つの第1部材21は、弾性部材29Aにより、2つの対向ギア2の間の位置から見て互いに反対の方向に付勢されてもよい。
図2Bに示した例では、一方の対向ギア2Aの第1部材21が、
図1A及び
図2AにおいてR1で示した方向に付勢され、他方の対向ギア2Bの第1部材21がR2で示した方向に付勢される。これに限らず、一方の対向ギア2Aの第1部材21が、
図1AにおいてR2で示した方向に付勢され、他方の対向ギア2Bの第1部材21が、
図1AにおいてR1で示した方向に付勢されてもよい。
【0029】
このように、2つの対向ギア2にそれぞれ含まれる2つの第1部材21が、2つの対向ギア2の間の位置から見て互いに反対の方向に付勢させることにより、第1部材21のギア内周部分27aの歯271aを一方向に押し当てた状態での中間ギア3の位置制御が可能になる。このため、第1軸線Ax1を中心として2つの対向ギア2を互いに反対の方向に動かして、第1軸線Ax1を中心に中間ギア3を回転移動させる場合(中間ギア3にピッチ動作を行わせる場合)に好適である。
【0030】
[規制部]
対向ギア2の第2部材22は、対向ギア2の回転方向に沿った方向での第1部材21の動きを規制する規制部を含む。
図5に示すように、第2部材22の内側には第2筒部24が形成されており、この第2筒部24の頂部に凹部24aが形成されている。第1部材21の動きを規制する規制部は、凹部24aを含む。凹部24aは、第2筒部24において円形の軸穴H2から僅かにずれた位置に形成されている。凹部24aは、第2筒部24の端部に形成されている。
【0031】
図6は、対向ギア2の第1部材21を示す斜視図である。
図6に示すように、第1部材21の円筒形の第3筒部25の内側に、凸部25aが形成されている。第1部材21と第2部材22とを組み合わせた際、第1部材21に形成される凸部25aが第2部材22に形成されている凹部24aの内側に嵌まる。これにより、対向ギア2の回転方向に沿った方向での第1部材21の動きが規制される。
【0032】
図7は、対向ギア2の規制部を示す図であり、第1部材21に形成される凸部25aが第2部材22に形成されている凹部24aの内側に嵌まった状態を示す。
図7に示すように、第2部材22に第1部材21を組み合わせることにより、第1部材21の凸部25aが第2部材22の凹部24aの内側に嵌まる。ここで、対向ギア2の回転方向に沿った方向における一方側(
図7における左側)では、凸部25a縁が弾性部材29Aの付勢力により凹部24aの縁に当接し、対向ギア2の回転方向に沿った方向における他方側(
図7における右側)では、凸部25a縁と凹部24aの縁との間に隙間ΔD1が形成される。
【0033】
第1部材21は、第2部材22の規制部(凹部24a)において許容される範囲で動くことができる。
図7に示した例では、第1部材21は、凸部25a縁と凹部24aの縁との間の隙間ΔD1の範囲で動くことができる。仮に、この許容される範囲(
図7では、隙間ΔD1)を超えて第1部材21が回転すると、第1部材21に対する弾性部材29Aの弾性力が得られなくなる。そこで、規制部(凹部24a)を設けることで、許容される範囲を超えて第1部材21が回転するのを防ぐことができ、第1部材21に対する弾性部材29Aの弾性力を担保できる。また、規制部(凹部24a)を設けることで、対向ギア2の回転方向における第1部材21と第2部材22との位置決めを行うことができ、弾性部材29Aから得られる弾性力として予め設計された力を担保できる。すなわち、中間ギア3の歯に噛み合う力を設計的に担保することができる。
【0034】
図8は、対向ギア2のギア内周部分27aの一部分とギア外周部分27bの一部分とを示す拡大図であり、対向ギア2が中間ギア3と噛み合っていない状態を示す。
図8に示すように、対向ギア2の規制部(凹部24a)において第1部材21の動きが許容される範囲(隙間ΔD1)の角度θ1は、対向ギア2の傘歯ギア部27において隣り合う2つの歯271のなす角度θ2の1/2以下に設定される。なお、
図8では、ギア外周部分27bにおいて隣り合う2つの歯271bのなす角度をθ2としているが、ギア内周部分27aにおいて隣り合う2つの歯271aのなす角度もこれと同一である。このようにすることで、対向ギア2のギア内周部分27aの歯271aの間と、ギア外周部分27bの歯271bの間とに、中間ギア3の歯371を通すことができ、対向ギア2と中間ギア3との組み合わせを容易にすることができる。規制部(凹部24a)において第1部材21の動きが許容される範囲(隙間ΔD1)の角度θ1は、対向ギア2の傘歯ギア部27において隣り合う2つの歯271のなす角度θ2の1/3以下に設定されてもよい。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る関節ユニット1の対向ギア2は、ギア内周部分27aを含む第1部材21と、ギア外周部分27bを含む第2部材22と、弾性部材29Aとを含み、弾性部材29Aは、対向ギア2の回転方向に沿った方向(第1軸線Ax1を中心とした周方向)で、第1部材21を付勢する。このようにすることで、中間ギア3の傘歯ギア部37の歯371を、第1部材21のギア内周部分27aの歯271aと、第2部材22のギア外周部分27bの歯271bとで挟み込み、対向ギア2と中間ギア3とのバックラッシュを低減できる。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、本開示の実施形態の他の一例(第2の実施形態)について説明する。本実施形態に係る関節ユニット1は、第1の実施形態と同様に、互いに対向する2つの対向ギア2と、これら2つの対向ギア2の双方に噛み合う中間ギア3とを有している。以下では、本実施形態と第1の実施形態との相違点について、図面を参照しながら説明する。
【0037】
図9は、本実施形態に係る対向ギア2の分解斜視図である。
図9に示すように、本実施形態に係る対向ギア2は、第1の実施形態で説明した弾性部材29Aとは形状が異なる弾性部材29Bを有している。
図9に示した例では、弾性部材29Bはコイルバネによって実現されるが、これに限らず、弾性部材29Bとして他の種類のバネを用いてもよい。
【0038】
図10は、本実施形態に係る関節ユニット1の一部分を示した正面図であり、関節ユニット1に設けられる2つの対向ギア2(2A,2B)と、中間ギア3とを示している。
図10に示すように、本実施形態に係る弾性部材29Bは、対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿った方向で、対向ギア2の傘歯ギア部27の少なくとも一部分を中間ギア3に付勢する。
【0039】
対向ギア2の傘歯ギア部27に設けられる複数の歯271のそれぞれの幅は、傘歯ギア部27の外周に向かうにつれて徐々に大きくなっている。ここで、弾性部材29Bが対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿った方向で傘歯ギア部27の少なくとも一部分を付勢することにより、中間ギア3の傘歯ギア部37において隣り合う2つの歯371の間の隙間を埋めるように、傘歯ギア部27の歯271が押し込まれる。このため、弾性部材29Bが対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿った方向で傘歯ギア部27の少なくとも一部分を付勢することでも、対向ギア2の歯271と中間ギア3の歯371との隙間であるバックラッシュを低減でき、バックラッシュに起因する騒音や振動の発生を抑制することができる。
【0040】
本実施形態では、関節ユニット1に設けられる2つの対向ギア2の双方が、弾性部材29Bを含む。2つの対向ギア2にそれぞれで、弾性部材29Bが傘歯ギア部27の少なくとも一部分を付勢し、中間ギア3が両側から押されることで、対向ギア2と中間ギア3とのバックラッシュを低減でき、また、対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)上における中間ギア3の位置を適正に調整(調心)できる。
【0041】
図9に示すように、本実施形態に係る対向ギア2は、第1の実施形態と同様の第1部材21と第2部材22とを含む。このため、弾性部材29Bは、対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿った方向で、第1部材21を中間ギア3に付勢する。本実施形態では、関節ユニット1に設けられる2つの対向ギア2双方で、第1部材21が付勢される。
【0042】
また、弾性部材29Bは、第1の実施形態で説明した弾性部材29Aと同様に、対向ギア2の内部に設けられる。より具体的には、
図9に示すように、第2部材22は、第1部材21のギア外周部分27bから対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿った方向に延びている第1筒部23を含んでおり、弾性部材29Bは、この第2部材22の第1筒部23の内側に設けられる。これにより、関節ユニット1の組み立てを簡便にできる。円筒形の第1筒部23の内側には、円筒形の第2筒部24が形成されており、弾性部材29Bは、第1筒部23の内周面と第2筒部24の外周面とにより規定される環状のスペースCに収容される。
【0043】
また、本実施形態に係る関節ユニット1は、
図3で示した関節ユニット1と同様の構成を有しており、弾性部材29Bは、
図3における弾性部材29Aの配置位置と同じ位置に配置される。本実施形態でも、関節ユニット1は、対向ギア2の第1部材21及び第2部材22を貫通する第1支持軸61(軸部材)と、第2部材22(より具体的には、第2筒部)と第1支持軸61との間に配置される軸受け部材71とを含んでいる。
図9に示したように、本実施形態でも弾性部材29Bはコイル型であり、軸受け部材71は、第2部材22の第2筒部24と第1支持軸61との間において、弾性部材29Bの内側に位置に配置される。このような配置にすることで、関節ユニット1の内部のスペースを有効活用できる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る関節ユニット1では、弾性部材29Bは、対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿った方向で、対向ギア2の傘歯ギア部27の少なくとも一部分を中間ギア3に付勢する。このようにすることで、対向ギア2の歯271と中間ギア3の歯371との隙間であるバックラッシュを低減できる。
【0045】
[変形例]
本発明は以上説明した関節ユニット1に限られず、種々の変更がなされてよい。例えば、第1の実施形態では、2つの対向ギア2が、ギア内周部分27aを含む第1部材21と、ギア外周部分27bを含む第2部材22とに分割可能であり、対向ギア2の第1部材21を弾性部材29Aによって付勢する形態について説明したが、これに限らず、中間ギア3が、傘歯ギア部37の内周部分と傘歯ギア部37の外周部分とに分割可能であり、この傘歯ギア部37の内周部分を、中間ギア3の内側に設けられた弾性部材によって、中間ギア3の回転方向に沿った方向(第2軸線Ax2を中心とした周方向)で付勢してもよい。このようにすることでも、中間ギア3の傘歯ギア部37の内周部分の歯と外周部分の歯とで対向ギア2の傘歯ギア部27の歯271を挟み込み、対向ギア2と中間ギア3とのバックラッシュを低減できる。
【0046】
また、第1の実施形態では、対向ギア2において、弾性部材29Aがギア外周部分27bを含む第2部材22に取り付けられ、対向ギア2の回転方向に沿った方向でギア内周部分27aを含む第1部材21を付勢する場合について説明したが、これに限らず、弾性部材29Aは、ギア内周部分27aを含む第1部材21に取り付けられてよく、対向ギア2の回転方向に沿った方向(第1軸線Ax1を中心とした周方向)で、ギア外周部分27bを含む第2部材22を付勢してもよい。このようにすることでも、中間ギア3の傘歯ギア部37の歯371をギア内周部分27aの歯271aとギア外周部分27bの歯271bとで挟み込み、対向ギア2と中間ギア3とのバックラッシュを低減できる。
【0047】
また、第2の実施形態では、対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿った方向で、弾性部材29Bが傘歯ギア部27の少なくとも一部分を中間ギア3に付勢する形態について説明したが、これに限らず、中間ギア3の回転中心線(第2軸線Ax2)に沿った方向で、中間ギア3に設けられる弾性部材が、中間ギア3の傘歯ギア部37の少なくとも一部分を対向ギア2に付勢してもよい。この場合、中間ギア3が、傘歯ギア部37の内周部分と傘歯ギア部37の外周部分とに分割可能であり、これらの内周部分と外周部分との一方が、中間ギア3の弾性部材によって付勢されてもよい。このようにすることでも、対向ギア2において隣り合う歯271の間の隙間を埋めるように中間ギア3の歯371が押し込まれ、対向ギア2の歯271と中間ギア3の歯371との間の隙間であるバックラッシュを低減できる。
【0048】
また、第1の実施形態では、弾性部材29Aがトーションバネによって実現される形態について説明したが、これに限らず、弾性部材29Aは種々のバネによって実現されてよい。
【0049】
図11は、本発明の変形例に係る弾性部材29C、及び第2部材22を示す斜視図である。
図11に示すように、弾性部材29Cは板バネで構成される。弾性部材29Cは、板バネ部291Cと、第2部材22に固定される固定部292Cとを含む。固定部292Cは、環状のスペースCと対応する形状を有した板状であり、スペースCの外周(第1筒部23の内周面)から内周(第2筒部24の外周面)にかけての幅を有し、スペースCの円弧状に延びている。固定部292Cは、第1筒部23の内周面と第2筒部24の外周面との間に形成される壁面26に固定される。板バネ部291Cは固定部292Cと一体的に形成される板状であり、固定部292Cと同じ幅で、固定部292Cに対して垂直に延びている。弾性部材29Cは、板バネ部291Cが固定部292Cに対して弾性的に撓むことにより、第1の実施形態と同様に、第1軸線Ax1の周方向で、第1部材21を付勢することができる。なお、
図11では、1つの対向ギア2に含まれる弾性部材29Cの数を3つとしているが、1つの対向ギア2に含まれる弾性部材29Cの数は、1つであってもよいし、3以外の複数であってもよい。
【0050】
図12は、本発明の他の変形例に係る弾性部材29D、及び第2部材22を示す斜視図である。
図12に示すように、弾性部材29Dは、弾性部材29Cと同様に板バネで構成され、板バネ部291Dと、第2部材22に固定される固定部292Dとを含む。固定部292Dは、第2筒部24の外周面に形成された溝部24cの内側に固定される。弾性部材29Dにおいても板バネ部291Dが固定部292Dに対して弾性的に撓むことにより、第1軸線Ax1の周方向で第1部材21を付勢することができる。なお、
図12では、1つの対向ギア2に含まれる弾性部材29Dの数を3つとしているが、1つの対向ギア2に含まれる弾性部材29Dの数も、1つであってもよいし、3以外の複数であってもよい。
【0051】
図11に示した弾性部材29Cでは、板バネ部291Cと固定部292Cとの接続部分である接続部293Cが第1軸線Ax1に対して垂直な方向に延びているのに対し、
図12に示した弾性部材29Dでは、板バネ部291Dと固定部292Dとの接続部分である接続部293Dが第1軸線Ax1に対して平行に延びており、接続部293Dは接続部293Cよりも長くなっている。このようにすることで、板バネ部291Dのバネの硬さを板バネ部291Cよりも強くすることができ、より強い力で第1部材21を付勢することができる。
【0052】
図13は、本発明の他の変形例に係る弾性部材29E、及び第2部材22を示す斜視図である。
図13に示すように、弾性部材29Eはコイルバネであり、弾性部材29Eの外径は、第2部材22のスペースCの内周(第2筒部24の外周面)から外周(第1筒部23の内周面)かけての幅以下に設計され、スペースCの内側に横たわる様に設けられる。このようにすることでも、第1軸線Ax1の周方向で、弾性部材29Eによって第1部材21を付勢することができる。なお、
図13では、1つの対向ギア2に含まれる弾性部材29Eの数を3つとしているが、1つの対向ギア2に含まれる弾性部材29Eの数も、1つであってもよいし、3以外の複数であってもよい。
【0053】
図13は、本発明の他の変形例に係る弾性部材29E、及び第2部材22を示す斜視図である。
図13に示すように、弾性部材29Eはコイルバネであり、弾性部材29Eの外径は、第2部材22のスペースCの内周(第2筒部24の外周面)から外周(第1筒部23の内周面)かけての幅以下に設計され、スペースCの内側に横たわる様に設けられる。このようにすることでも、第1軸線Ax1の周方向で、弾性部材29Eによって第1部材21を付勢することができる。
【0054】
なお、
図13に示した弾性部材29Eは、スペースCの内側に立つ様に設けられてもよい。このようにすることで、対向ギア2の回転中心線(第1軸線Ax1)に沿った方向で、第1部材21を中間ギア3に付勢することができ、対向ギア2と中間ギア3との間の隙間であるバックラッシュを低減することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 関節ユニット、2,2A,2B 対向ギア、3 中間ギア、4,4A,4B モータ、5 制御基板、21 第1部材、22 第2部材、23 第1筒部、24 第2筒部、25 第3筒部、24a 凹部、25a 凸部、27 傘歯ギア部、27a ギア内周部分、27b ギア外周部分、271,271a,271b 歯、28 駆動ギア、29A,29B,29C,29D,29E 弾性部材、291C,291D 板バネ部、292C,292D 固定部、293C,293D 接続部、37 傘歯ギア部、371 歯、38 基部、61 第1支持軸、62 第2支持軸、63 螺子、71,72 軸受け部材、Ax1 第1軸線、Ax2 第2軸線、C スペース、H1,H2 軸穴、ΔD1 隙間、θ1,θ2 角度。