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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153070
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】異常検知装置及びセンサシステム
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/945 20060101AFI20221004BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H03K17/945 B
G01R31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056105
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾身 知子
【テーマコード(参考)】
2G036
5J050
【Fターム(参考)】
2G036AA19
2G036AA22
2G036BA35
5J050AA36
5J050BB22
5J050DD04
5J050EE34
5J050FF28
(57)【要約】
【課題】 従来構成に対して負荷を追加することなく、センサの配線異常と内部異常とを検知する。
【解決手段】異常検知装置3は、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置するかを示す第1の検出信号を出力する第1の出力回路301と、検出体が正常動作範囲における第1の範囲と異なる第2の範囲に位置するかを示す第2の検出信号を出力する第2の出力回路302と、電源304と、第1の検出信号に応じて導通状態を切り替える第1のスイッチング素子305と、第2の検出信号に応じて導通状態を切り替える第2のスイッチング素子306と、第1の負荷307と、第2の負荷308と、第1の負荷及び第2の負荷の状態に基づいて、電源配線311、第1の出力配線313、第2の出力配線314及びグランド配線312の異常、並びにセンサ1の内部異常のうちの少なくとも一方を検知する検知部309とを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサによる検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置するか否かを示す第1の検出信号を出力する第1の出力回路と、
前記センサによる検知結果に基づき、前記検出体が正常動作範囲における第1の範囲と異なる第2の範囲に位置するか否かを示す第2の検出信号を出力する第2の出力回路と、
プラス端子が電源配線に接続され、マイナス端子がグランド配線に接続された電源と、
一端が前記電源配線に接続され、他端が第1の出力配線の一端に接続され、前記第1の出力回路により出力された第1の検出信号に応じて導通状態を切り替える第1のスイッチング素子と、
一端が前記電源配線に接続され、他端が第2の出力配線の一端に接続され、前記第2の出力回路により出力された第2の検出信号に応じて導通状態を切り替える第2のスイッチング素子と、
一端が前記第1の出力配線の他端に接続され、他端が前記グランド配線に接続された第1の負荷と、
一端が前記第2の出力配線の他端に接続され、他端が前記グランド配線に接続された第2の負荷と、
前記第1の負荷の状態及び前記第2の負荷の状態に基づいて、前記電源配線、前記第1の出力配線、前記第2の出力配線及び前記グランド配線の異常、並びに、前記センサの内部異常のうちの少なくとも一方を検知する検知部と
を備えた異常検知装置。
【請求項2】
センサによる検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置するか否かを示す第1の検出信号を出力する第1の出力回路と、
前記センサによる検知結果に基づき、前記検出体が正常動作範囲における第1の範囲と異なる第2の範囲に位置するか否かを示す第2の検出信号を出力する第2の出力回路と、
プラス端子が電源配線に接続され、マイナス端子がグランド配線に接続された電源と、
一端が前記グランド配線に接続され、他端が第1の出力配線の一端に接続され、前記第1の出力回路により出力された第1の検出信号に応じて導通状態を切り替える第1のスイッチング素子と、
一端が前記グランド配線に接続され、他端が第2の出力配線の一端に接続され、前記第2の出力回路により出力された第2の検出信号に応じて導通状態を切り替える第2のスイッチング素子と、
一端が前記第1の出力配線の他端に接続され、他端が前記電源配線に接続された第1の負荷と、
一端が前記第2の出力配線の他端に接続され、他端が前記電源配線に接続された第2の負荷と、
前記第1の負荷の状態及び前記第2の負荷の状態に基づいて、前記電源配線、前記第1の出力配線、前記第2の出力配線及び前記グランド配線の異常、並びに、前記センサの内部異常のうちの少なくとも一方を検知する検知部と
を備えた異常検知装置。
【請求項3】
前記検知部は、
前記第1の負荷の状態と前記第2の負荷の状態とが同一である場合に、前記電源配線、前記第1の出力配線、前記第2の出力配線及び前記グランド配線の異常、並びに、前記センサの内部異常のうちの少なくとも一方を検知することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異常検知装置。
【請求項4】
前記検知部は、
前記検出体が前記第1の範囲に位置するか前記第2の範囲に位置するかに応じて、前記第1の負荷の状態と前記第2の負荷の状態とが互いに反転した状態から同一の状態に変化した場合に、前記電源配線、前記第1の出力配線、前記第2の出力配線及び前記グランド配線の異常を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の異常検知装置。
【請求項5】
センサと、
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の異常検知装置とを備えたことを特徴とするセンサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、異常検知装置及びこの異常検知装置を備えたセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光電センサの内部に用いられている導線に断線又は短絡などの配線異常が生じた場合に、当該導線に接続された第1の負荷及び第2の負荷の状態に基づいて、当該配線異常を検知可能に構成された光電センサが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-129277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のセンサでは、センサの配線異常を検知することはできるが、センサの内部で発生した異常(以下、内部異常という)を検知することはできない。そのため、ユーザは内部異常に気付くまでに多くの時間を要する場合がある。また、ある装置の内部に多数のセンサが使用されている場合、いずれかのセンサに内部異常が生じたとしても、異常個所の特定に多くの時間を要する場合もある。そこで、上記特許文献1に記載された従来のセンサ構成に対し、当該内部異常を検知するための手段(例えば既知の内部異常検知回路)を組み込むことにより、センサの配線異常に加えて内部異常も検知することが考えられる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来のセンサは、センサの配線異常を検知することを目的として構成されているため、配線異常に加えて内部異常を検知するためには、第1の負荷及び第2の負荷以外に、内部異常を検知するための負荷をさらに追加しなければならない場合が想定される。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来構成に対して負荷を追加することなく、センサの配線異常と内部異常とを検知可能な異常検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る異常検知装置は、センサによる検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置するか否かを示す第1の検出信号を出力する第1の出力回路と、センサによる検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲と異なる第2の範囲に位置するか否かを示す第2の検出信号を出力する第2の出力回路と、プラス端子が電源配線に接続され、マイナス端子がグランド配線に接続された電源と、一端が電源配線に接続され、他端が第1の出力配線の一端に接続され、第1の出力回路により出力された第1の検出信号に応じて導通状態を切り替える第1のスイッチング素子と、一端が電源配線に接続され、他端が第2の出力配線の一端に接続され、第2の出力回路により出力された第2の検出信号に応じて導通状態を切り替える第2のスイッチング素子と、一端が第1の出力配線の他端に接続され、他端がグランド配線に接続された第1の負荷と、一端が第2の出力配線の他端に接続され、他端がグランド配線に接続された第2の負荷と、第1の負荷の状態及び第2の負荷の状態に基づいて、電源配線、第1の出力配線、第2の出力配線及びグランド配線の異常、並びに、センサの内部異常のうちの少なくとも一方を検知する検知部とを備える。
【0008】
また、この発明に係る異常検知装置は、センサによる検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置するか否かを示す第1の検出信号を出力する第1の出力回路と、センサによる検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲と異なる第2の範囲に位置するか否かを示す第2の検出信号を出力する第2の出力回路と、プラス端子が電源配線に接続され、マイナス端子がグランド配線に接続された電源と、一端がグランド配線に接続され、他端が第1の出力配線の一端に接続され、第1の出力回路により出力された第1の検出信号に応じて導通状態を切り替える第1のスイッチング素子と、一端がグランド配線に接続され、他端が第2の出力配線の一端に接続され、第2の出力回路により出力された第2の検出信号に応じて導通状態を切り替える第2のスイッチング素子と、一端が第1の出力配線の他端に接続され、他端が電源配線に接続された第1の負荷と、一端が第2の出力配線の他端に接続され、他端が電源配線に接続された第2の負荷と、第1の負荷の状態及び第2の負荷の状態に基づいて、電源配線、第1の出力配線、第2の出力配線及びグランド配線の異常、並びに、センサの内部異常のうちの少なくとも一方を検知する検知部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、上記のように構成したので、従来構成に対して負荷を追加することなく、センサの配線異常と内部異常とを検知可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る異常検知装置及び異常検知装置を備えたセンサシステムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態1における検出距離と検出レベルとの関係を説明するための図である。
図3】実施の形態1における第1の検出信号及び第2の検出信号の例を説明するための図である。
図4】実施の形態1における配線異常及び内部異常と、各状態における信号の値を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る異常検知装置3及びこの異常検知装置3を備えたセンサシステムの構成例を示す図である。
【0012】
実施の形態1に係るセンサシステムは、図1に示すように、センサ1と異常検知装置3とを含んで構成されている。センサ1は、検出対象である検出体の有無を検出し、その検出結果を示す信号(検出信号)を出力する。センサ1は、例えば近接センサで構成され、その要部として検出体検知部2を備えている。
【0013】
検出体検知部2は、センサ1が高周波発振型の近接センサである場合、例えば検出用コイル、コンデンサ、及び非線形増幅器を含む発振回路を有する。検出体検知部2による検出体の有無の検出方法は既知であるため、詳しい説明は省略するが、例えば検出体検知部2は、検出体の検出に際して得られた検出信号のレベル(検出レベル)に基づいて、検出体の有無を判断する。例えば近接センサの場合、検出レベルは、通常、センサの検出基準点から検出体までの距離(検出距離)に応じて変化する。
【0014】
図2は、検出距離と検出レベルとの関係を説明するための図である。図2の横軸は検出距離(mm)を表し、縦軸は検出レベルを表している。また、符号201は、ある検出体についての検出距離と各検出距離における検出レベルの推移を示している。
【0015】
図2に示すように、検出レベルには3つの閾値(約400、約2,550、及び約3,400)が予め設定されている。例えば、検出体検知部2は、検出レベルが約400から約2,550までの間である場合に検出体があると判断する。一方、検出体検知部2は、検出レベルが約2,550から約3,400までの間である場合には検出体がないと判断する。例えば、符号201に示す検出体の場合、検出体検知部2は、検出距離が約1.4mm以上である場合は、検出レベルが約2,550以上であるため検出体なしと判断するが、検出距離が約1.4mm未満になると、検出レベルが約2,550未満となるため検出体ありと判断する。
【0016】
なお、ここでは、検出体検知部2が検出体ありと判断する検出レベルの範囲、すなわち検出レベルが約400から約2,550までの範囲を「第1の範囲」といい、検出体検知部2が検出体なしと判断する検出レベルの範囲、すなわち検出レベルが約2,550から約3,400までの範囲を「第2の範囲」という。また、この第1の範囲と第2の範囲とを合わせた範囲を「正常動作範囲」という。すなわち、検出体検知部2は、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置する場合に検出体ありと判断し、検出体ありを示す信号を出力する。また、検出体検知部2は、検出体が正常動作範囲における第2の範囲に位置する場合に検出体なしと判断し、検出体なしを示す信号を出力する。
【0017】
また、検出体検知部2は、検出レベルが約400未満である場合、又は検出レベルが約3,400を上回る場合に、センサ1の内部に発振異常などの異常(内部異常)が生じたと判断する。ここでは、検出体検知部2が、センサ1の内部異常が生じたと判断する検出レベルの範囲、すなわち検出レベルが約400未満、又は約3,400を上回る範囲を「異常動作範囲」という。検出体検知部2は、検出レベルが異常動作範囲にある場合に内部異常ありと判断し、内部異常ありを示す信号を出力する。なお、検出体検知部2は、既知の内部異常検知回路を備え、この内部異常検知回路の機能を用いてセンサ1の内部異常の有無を判断するようにしてもよい。
【0018】
異常検知装置3は、第1の出力回路301、第2の出力回路302、電源304、第1のスイッチング素子305、第2のスイッチング素子306、第1の負荷307、第2の負荷308、及び検知部309を備えている。ここでは一例として、これらの構成要素のうち、第1の出力回路301、第2の出力回路302、第1のスイッチング素子305、及び第2のスイッチング素子306がセンサ1の筐体内に設けられ、電源304、第1の負荷307、及び第2の負荷308がセンサ1の筐体外に設けられている例を説明する。しかしながら、この配置はあくまで一例であり、各構成要素の配置についてはこれに限られない。
【0019】
第1の出力回路301は、検出体検知部2(センサ1)による検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置するか否かを示す第1の検出信号を出力する。
【0020】
第2の出力回路302は、検出体検知部2(センサ1)による検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲と異なる第2の範囲に位置するか否かを示す第2の検出信号を出力する。
【0021】
ここで、第1の検出信号及び第2の検出信号の例について、図3を参照しながら説明する。図3に示すように、第1の出力回路301は、例えば検出体検知部2(センサ1)により、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置すること(検出体があること)が検知された場合、検出体が第1の範囲に位置することを示す第1の検出信号として1(High)を出力する。また、第1の出力回路301は、検出体検知部2(センサ1)により、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置しないことが検知された場合、検出体が第1の範囲に位置しないことを示す第1の検出信号として0(Low)を出力する。なお、第1の出力回路301の出力端子は、第1のスイッチング素子305のベース端子に接続されている。
【0022】
また、第2の出力回路302は、例えば検出体検知部2(センサ1)により、検出体が正常動作範囲における第2の範囲に位置すること(検出体がないこと)が検知された場合、検出体が第2の範囲に位置することを示す第2の検出信号として1(High)を出力する。また、第2の出力回路302は、検出体検知部2(センサ1)により、検出体が正常動作範囲における第2の範囲に位置しないことが検知された場合、検出体が第2の範囲に位置しないことを示す第2の検出信号として0(Low)を出力する。なお、第2の出力回路302の出力端子は、第2のスイッチング素子306のベース端子に接続されている。
【0023】
電源304は、プラス端子が電源配線311に接続され、マイナス端子がグランド配線312に接続されている。
【0024】
第1のスイッチング素子305は、例えば第1のPNPトランジスタで構成されている。第1のスイッチング素子305は、一端が電源配線311に接続され、他端が第1の出力配線313の一端に接続されている。具体的には、第1のスイッチング素子305は、エミッタ端子が電源配線311に接続され、コレクタ端子が第1の出力配線313の一端に接続されている。また、第1のスイッチング素子305は、ベース端子が第1の出力回路301の出力端子に接続されている。そして、第1のスイッチング素子305は、第1の出力回路301からベース端子に入力される第1の検出信号に応じて導通状態を切り替える。
【0025】
第2のスイッチング素子306は、例えば第2のPNPトランジスタで構成されている。第2のスイッチング素子306は、一端が電源配線311に接続され、他端が第2の出力配線314の一端に接続されている。具体的には、第2のスイッチング素子306は、エミッタ端子が電源配線311に接続され、コレクタ端子が第2の出力配線314の一端に接続されている。また、第2のスイッチング素子306は、ベース端子が第2の出力回路302の出力端子に接続されている。そして、第2のスイッチング素子306は、第2の出力回路302からベース端子に入力される第2の検出信号に応じて導通状態を切り替える。
【0026】
第1の負荷307は、一端が第1の出力配線313の他端に接続され、他端がグランド配線312に接続されている。また、第2の負荷308は、一端が第2の出力配線314の他端に接続され、他端がグランド配線312に接続されている。なお、グランド配線312は、センサ1の内部回路(不図示)にも接続されている。
【0027】
検知部309は、第1の負荷307及び第2の負荷308と接続され、双方の負荷の状態を取得可能となっている。検知部309は、第1の負荷307及び第2の負荷308の状態に基づいて、電源配線311、第1の出力配線313、第2の出力配線314、及びグランド配線312の異常、並びに、センサ1の内部異常のうちの少なくとも一方を検知する。ここで、電源配線311、第1の出力配線313、第2の出力配線314、及びグランド配線312の異常とは、これらの各配線の断線、及び、これらの各配線のうちいずれか2つの配線の短絡をいう。
【0028】
具体的には、検知部309は、第1の負荷307の状態と第2の負荷308の状態とが互いに反転している場合に、異常なしと判断する。一方、検知部309は、第1の負荷307の状態と第2の負荷308の状態とが同一である場合に、電源配線311、第1の出力配線313、第2の出力配線314、及びグランド配線312の異常、並びに、センサ1の内部異常のうちの少なくとも一方を検知する。
【0029】
また、検知部309は、検出体が第1の範囲に位置するか第2の範囲に位置するかに応じて、第1の負荷307の状態と第2の負荷308の状態とが互いに反転している状態から同一の状態に変化した場合に、電源配線311、第1の出力配線313、第2の出力配線314、及びグランド配線312の異常を検知する。
【0030】
なお、検知部309の機能は、例えば不図示の監視装置が備えるCPU(Central Processing Unit)が、不図示のメモリに展開された所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0031】
次に、実施の形態1に係る異常検知装置3の動作例について、図4を参照しながら説明する。図4は、実施の形態1における内部異常及び配線異常と、当該各状態における信号の値を説明するための図である。
【0032】
なお、ここでは説明を分かりやすくするため、第1の出力回路301は、図3で説明したように、検出体検知部2(センサ1)により、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置すること(検出体があること)が検知された場合、検出体が第1の範囲に位置することを示す第1の検出信号として1(High)を出力し、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置しないことが検知された場合、検出体が第1の範囲に位置しないことを示す第1の検出信号として0(Low)を出力するものとする。
【0033】
また、第2の出力回路302は、検出体検知部2(センサ1)により、検出体が正常動作範囲における第2の範囲に位置すること(検出体がないこと)が検知された場合、検出体が第2の範囲に位置することを示す第2の検出信号として1(High)を出力する。また、第2の出力回路302は、例えば検出体検知部2により、検出体が正常動作範囲における第2の範囲に位置しないことが検知された場合、検出体が第2の範囲に位置しないことを示す第2の検出信号として0(Low)を出力するものとする。
【0034】
また、信号として1(High)が出力される場合は、当該信号の出力方向に電流が流れることを意味し、信号として0(Low)が出力される場合は、当該信号の出力方向に電流が流れないことを意味するものとする。また、第1の負荷307及び第2の負荷308の初期状態は、いずれも0(Low)が印加された状態であるとする。
【0035】
(1.センサ1が正常である場合)
(1-a.検出体がある場合)
検出体がある場合(検出体が第1の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体ありを示す信号を出力する。
【0036】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第1の検出信号として1を出力端子から出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0037】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第2の検出信号として0を出力端子から出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0038】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第1の検出信号(1)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かう電流が流れず、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れない。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は非導通状態となる。したがって、第1の負荷307は0が印加された状態に維持される。
【0039】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は導通状態となる。したがって、第2の出力配線314には第2の出力信号として1が出力され、第2の負荷308には第2の出力信号(1)が印加される。
【0040】
検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(1が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が互いに反転しているため、異常なしと判断する。
【0041】
なお、検知部309は、異常検知の結果を監視装置が備える不図示のモニタに表示させ、ユーザに提示するようにしてもよい。この点は、以下の説明でも同様である。
【0042】
(1-b.検出体がない場合)
検出体がない場合(検出体が第2の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体なしを示す信号を出力する。
【0043】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第1の検出信号として0(Low)を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0044】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第2の検出信号として1(High)を出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0045】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第1の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は導通状態となる。したがって、第1の出力配線313には第1の出力信号として1が出力され、第1の負荷307には第1の出力信号(1)が印加される。
【0046】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(1)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かう電流が流れず、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れない。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は非導通状態となる。したがって、第2の負荷308は0が印加された状態に維持される。
【0047】
検知部309は、第1の負荷307の状態(1が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が互いに反転しているため、異常なしと判断する。
【0048】
(2.センサ1の内部異常がある場合)
センサ1の内部異常がある場合(検出レベルが異常動作範囲にある場合)、検出体検知部2は、検出体の有無にかかわらず、内部異常ありを示す信号を出力する。
【0049】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から内部異常ありを示す信号を取得すると、第1の検出信号として0(Low)を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0050】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から内部異常ありを示す信号を取得すると、第2の検出信号として0(Low)を出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0051】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第1の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かう電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は導通状態となる。したがって、第1の出力配線313には第1の出力信号として1が出力され、第1の負荷307には第1の出力信号(1)が印加される。
【0052】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は導通状態となる。したがって、第2の出力配線314には第2の出力信号として1が出力され、第2の負荷308には第2の出力信号(1)が印加される。
【0053】
検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得し、双方の状態が同じであるため、異常ありと判断する。この判断結果は、検出体の有無にかかわらず一定である。
【0054】
(3.センサ1の内部異常がなく、電源配線311が断線している場合)
例えば、電源配線311が図1の符号aの箇所で断線している場合、第1のPNPトランジスタ305及び第2のPNPトランジスタ306に対する電力の供給が停止される。したがって、この場合は、検出体の有無にかかわらず、第1のPNPトランジスタ305、及び第2のPNPトランジスタ306はともに非導通状態となり、第1の負荷307及び第2の負荷308の状態はいずれも0が印加された状態に維持される。検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得し、双方の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0055】
(4.センサ1の内部異常がなく、グランド配線312が断線している場合)
例えば、グランド配線312が図1の符号bの箇所で断線している場合、第1のPNPトランジスタ305及び第2のPNPトランジスタ306に対する電力の供給が停止される。したがって、この場合も、検出体の有無にかかわらず、第1のPNPトランジスタ305、及び第2のPNPトランジスタ306はともに非導通状態となり、第1の負荷307及び第2の負荷308の状態はいずれも0が印加された状態に維持される。検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得し、双方の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0056】
(5.センサ1の内部異常がなく、第1の出力配線313が断線している場合)
例えば、第1の出力配線313が図1の符号cの箇所で断線しているものとする。
【0057】
(5-a.検出体がある場合)
検出体がある場合(検出体が第1の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体ありを示す信号を出力する。
【0058】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第1の検出信号として1を出力する。ここで、第1の出力配線313が図1の符号cの箇所で断線しているため、検出体の有無にかかわらず、第1の負荷307の状態は変化しない。したがって、第1の負荷307は0が印加された状態に維持される。
【0059】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第2の検出信号として0を出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0060】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は導通状態となる。したがって、第2の出力配線314には第2の出力信号として1が出力され、第2の負荷308には第2の出力信号(1)が印加される。
【0061】
検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(1が印加)とを取得する。検知部309は、双方の負荷の状態が互いに反転しているため、異常なしと判断する。すなわち、検知部309は、検出体がある状態では、第1の出力配線313が断線していたとしても、異常ありと判断することができない。しかしながら、検知部309は、検出体の検出状態に変化があった場合、すなわち検出体がある状態から検出体がない状態に変化した場合に、異常ありと判断可能となる。
【0062】
(5-b.検出体がない場合)
検出体がない場合(検出体が第2の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体なしを示す信号を出力する。
【0063】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第1の検出信号として0を出力する。ここで、第1の出力配線313が図1の符号cの箇所で断線しているため、検出体の有無にかかわらず、第1の負荷307の状態は変化しない。したがって、第1の負荷307は0が印加された状態に維持される。
【0064】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第2の検出信号として1を出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0065】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(1)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かう電流が流れず、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れない。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は非導通状態となる。したがって、第2の負荷308は0が印加された状態に維持される。
【0066】
検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0067】
通常、センサ1(検出体検知部2)による検出体の検出状態は定常的に変化することが考えられる。したがって、検知部309は、最初に異常なしと判断した場合であっても、その後に検出体の検出状態が変化することにより、速やかに異常を検知する(異常ありと判断する)ことができる。
【0068】
(6.センサ1の内部異常がなく、第2の出力配線314が断線している場合)
例えば、第2の出力配線314が図1の符号dの箇所で断線しているものとする。
【0069】
(6-a.検出体がない場合)
検出体がない場合(検出体が第2の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体なしを示す信号を出力する。
【0070】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第1の検出信号として0を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0071】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第1の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は導通状態となる。したがって、第1の出力配線313には第1の出力信号として1が出力され、第1の負荷307には第1の出力信号(1)が印加される。
【0072】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第2の検出信号として1を出力する。ここで、第2の出力配線314は図1の符号dの箇所で断線しているため、検出体の有無にかかわらず、第2の負荷308の状態は変化しない。したがって、第2の負荷308は0が印加された状態に維持される。
【0073】
検知部309は、第1の負荷307の状態(1が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得する。検知部309は、双方の負荷の状態が互いに反転しているため、異常なしと判断する。すなわち、検知部309は、検出体がある状態では、第2の出力配線314が断線していたとしても、異常ありと判断することができない。しかしながら、検知部309は、検出体の検出状態に変化があった場合、すなわち検出体がない状態から検出体がある状態に変化した場合に、異常ありと判断可能となる。
【0074】
(6-b.検出体がある場合)
検出体がある場合(検出体が第1の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体ありを示す信号を出力する。
【0075】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第1の検出信号として1を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0076】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第1の検出信号(1)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かう電流が流れず、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れない。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は非導通状態となる。したがって、第1の負荷307は0が印加された状態に維持される。
【0077】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第2の検出信号として0を出力する。ここで、第2の出力配線314は図1の符号dの箇所で断線しているため、検出体の有無にかかわらず、第2の負荷308の状態は変化しない。したがって、第2の負荷308は0が印加された状態に維持される。
【0078】
検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得する。検知部309は、双方の負荷の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0079】
(7.センサ1の内部異常がなく、電源配線311とグランド配線312とが短絡している場合)
例えば、電源配線311とグランド配線312とが符号a-b間で短絡しているものとする。この場合、第1のPNPトランジスタ305及び第2のPNPトランジスタ306に対する電力の供給が停止される。したがって、この場合は、検出体の有無にかかわらず、第1のPNPトランジスタ305、及び第2のPNPトランジスタ306はともに非導通状態となり、第1の負荷307及び第2の負荷308の状態はいずれも0が印加された状態に維持される。検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得し、双方の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0080】
(8.センサ1の内部異常がなく、電源配線311と第1の出力配線313とが短絡している場合)
例えば、電源配線311と第1の出力配線313とが符号a-c間で短絡しているものとする。
【0081】
(8-a.検出体がない場合)
検出体がない場合(検出体が第2の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体なしを示す信号を出力する。
【0082】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第1の検出信号として0を出力する。ここで、電源配線311と第1の出力配線313とが符号a-c間で短絡しているため、検出体の有無にかかわらず、符号a-c間は同電位となる。したがって、第1の出力配線313には、電源配線311を経由して電源304のプラス端子からの信号(1)が出力され、第1の負荷307には1が印加される。
【0083】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第2の検出信号として1を出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0084】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(1)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かう電流が流れず、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れない。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は非導通状態となる。したがって、第2の負荷308は0が印加された状態に維持される。
【0085】
検知部309は、第1の負荷307の状態(1が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が反転しているため、異常なしと判断する。つまり、検知部309は、検出体がない状態では、電源配線311と第1の出力配線313とが符号a-c間で短絡していたとしても、異常ありと判断することができない。しかしながら、検知部309は、検出状態に変化があった場合、すなわち検出体がない状態から検出体がある状態に変化した場合に、異常ありと判断可能となる。
【0086】
(8-b.検出体がある場合)
検出体がある場合(検出体が第1の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体ありを示す信号を出力する。
【0087】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第1の検出信号として1を出力する。ここで、電源配線311と第1の出力配線313とが符号a-c間で短絡しているため、検出体の有無にかかわらず、符号a-c間は同電位となる。したがって、第1の出力配線313には、電源配線311を経由して電源304のプラス端子からの信号(1)が出力され、第1の負荷307には1が印加される。
【0088】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第2の検出信号として0を出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0089】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は導通状態となる。したがって、第2の出力配線314には第2の出力信号として1が出力され、第2の負荷308には第2の出力信号(1)が印加される。
【0090】
検知部309は、第1の負荷307の状態(1が印加)と第2の負荷308の状態(1が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0091】
(9.センサ1の内部異常がなく、電源配線311と第2の出力配線314とが短絡している場合)
例えば、電源配線311と第2の出力配線314とが符号a-d間で短絡しているものとする。
【0092】
(9-a.検出体がある場合)
検出体がある場合(検出体が第1の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体ありを示す信号を出力する。
【0093】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第1の検出信号として1を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0094】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第1の検出信号(1)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かう電流が流れず、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れない。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は非導通状態となる。したがって、第1の負荷307は0が印加された状態に維持される。
【0095】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第2の検出信号として0を出力する。ここで、電源配線311と第2の出力配線314とが符号a-d間で短絡しているため、検出体の有無にかかわらず、符号a-d間は同電位となる。したがって、第2の出力配線314には、電源配線311を経由して電源304のプラス端子からの信号(1)が出力され、第2の負荷308には1が印加される。
【0096】
検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(1が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が互いに反転しているため、異常なしと判断する。つまり、検知部309は、検出体がある状態では、電源配線311と第2の出力配線314とが符号a-d間で短絡していたとしても、異常ありと判断することができない。しかしながら、検知部309は、検出状態に変化があった場合、すなわち検出体がある状態から検出体がない状態に変化した場合に、異常ありと判断可能となる。
【0097】
(9-b.検出体がない場合)
検出体がない場合(検出体が第2の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体なしを示す信号を出力する。
【0098】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第1の検出信号として0を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0099】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第1の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は導通状態となる。したがって、第1の出力配線313には第1の出力信号として1が出力され、第1の負荷307には第1の出力信号(1)が印加される。
【0100】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第2の検出信号として1を出力する。ここで、電源配線311と第2の出力配線314とが符号a-d間で短絡しているため、検出体の有無にかかわらず、符号a-d間は同電位となる。したがって、第2の出力配線314には、電源配線311を経由して電源304のプラス端子からの信号(1)が出力され、第2の負荷308には1が印加される。
【0101】
検知部309は、第1の負荷307の状態(1が印加)と第2の負荷308の状態(1が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0102】
(10.センサ1の内部異常がなく、第1の出力配線313と第2の出力配線314とが短絡している場合)
例えば、第1の出力配線313と第2の出力配線314とが符号c-d間で短絡しているものとする。
【0103】
(10-a.検出体がある場合)
検出体がある場合(検出体が第1の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体ありを示す信号を出力する。
【0104】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第1の検出信号として1を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0105】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第2の検出信号として0を出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0106】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は導通状態となる。したがって、第2の出力配線314には第2の出力信号として1が出力され、第2の負荷308には第2の出力信号(1)が印加される。
【0107】
ここで、第1の出力配線313と第2の出力配線314とが符号c-d間で短絡しているため、符号c-d間は同電位となる。したがって、第1の出力配線313には、検出体の有無にかかわらず、第2の出力配線314から第2の出力信号(1)が出力される。これにより、第1の負荷307には第2の出力信号(1)が印加される。
【0108】
検知部309は、第1の負荷307の状態(1が印加)と第2の負荷308の状態(1が印加)とを取得する。検知部309は、双方の負荷の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0109】
(10-b.検出体がない場合)
検出体がない場合(検出体が第2の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体なしを示す信号を出力する。
【0110】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第1の検出信号として0を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0111】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第2の検出信号として1を出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0112】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第2の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は導通状態となる。したがって、第1の出力配線313には第1の出力信号として1が出力され、第1の負荷307には第1の出力信号(1)が印加される。
【0113】
ここで、第1の出力配線313と第2の出力配線314とが符号c-d間で短絡しているため、符号c-d間は同電位となる。したがって、第2の出力配線314には、検出体の有無にかかわらず、第1の出力配線313から第1の出力信号(1)が出力される。これにより、第2の負荷308には第1の出力信号(1)が印加される。
【0114】
検知部309は、第1の負荷307の状態(1が印加)と第2の負荷308の状態(1が印加)とを取得する。検知部309は、双方の負荷の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0115】
(11.センサ1の内部異常がなく、第1の出力配線313とグランド配線312とが短絡している場合)
例えば、第1の出力配線313とグランド配線312とが符号c-b間で短絡しているものとする。
【0116】
(11-a.検出体がある場合)
検出体がある場合(検出体が第1の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体ありを示す信号を出力する。
【0117】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第1の検出信号として1を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。ここで、第1の出力配線313とグランド配線312とが符号c-b間で短絡しているため、検出体の有無にかかわらず、符号c-b間は同電位となる。これにより、第1の負荷307は0が印加された状態に維持される。
【0118】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第2の検出信号として0を出力する。この第2の検出信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0119】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は導通状態となる。したがって、第2の出力配線314には第2の出力信号として1が出力され、第2の負荷308には第2の出力信号(1)が印加される。
【0120】
検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(1が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が互いに反転しているため、異常なしと判断する。つまり、検知部309は、検出体がある状態では、第1の出力配線313とグランド配線312とが符号c-b間で短絡していたとしても、異常ありと判断することができない。しかしながら、検知部309は、検出状態に変化があった場合、すなわち検出体がある状態から検出体がない状態に変化した場合に、異常ありと判断可能となる。
【0121】
(11-b.検出体がない場合)
検出体がない場合(検出体が第2の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体なしを示す信号を出力する。
【0122】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第1の検出信号として0を出力する。ここで、第1の出力配線313とグランド配線312とが符号c-b間で短絡しているため、検出体の有無にかかわらず、符号c-b間は同電位となる。これにより、第1の負荷307は0が印加された状態に維持される。
【0123】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第2の検出信号として1を出力する。この信号は、第2のPNPトランジスタ306のベース端子に入力される。
【0124】
第2のPNPトランジスタ306は、第2の出力回路302から出力された第2の検出信号(1)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第2の出力回路302に向かう電流が流れず、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れない。すなわち、第2のPNPトランジスタ306は非導通状態となる。したがって、第2の負荷308は0が印加された状態に維持される。
【0125】
検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0126】
(12.センサ1の内部異常がなく、第2の出力配線314とグランド配線312とが短絡している場合)
例えば、第2の出力配線314とグランド配線312とが符号d-b間で短絡しているものとする。
【0127】
(12-a.検出体がない場合)
検出体がない場合(検出体が第2の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体なしを示す信号を出力する。
【0128】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第1の検出信号として0を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0129】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第1の検出信号(0)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かって電流が流れ、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れる。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は導通状態となる。したがって、第1の出力配線313には第1の出力信号として1が出力され、第1の負荷307には第1の出力信号(1)が印加される。
【0130】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体なしを示す信号を取得すると、第2の検出信号として1を出力する。ここで、第2の出力配線314とグランド配線312とが符号d-b間で短絡しているため、検出体の有無にかかわらず、符号d-b間は同電位となる。これにより、第2の負荷308は0が印加された状態に維持される。
【0131】
検知部309は、第1の負荷307の状態(1が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得する。検知部309は、双方の負荷の状態が異なるため、異常なしと判断する。つまり、検知部309は、検出体がない状態では、第2の出力配線314とグランド配線312とが符号d-b間で短絡していたとしても、異常ありと判断することができない。しかしながら、検知部309は、検出状態に変化があった場合、すなわち検出体がない状態から検出体がある状態に変化した場合に、異常ありと判断可能となる。
【0132】
(12-b.検出体がある場合)
検出体がある場合(検出体が第1の範囲に位置する場合)、検出体検知部2は、検出体ありを示す信号を出力する。
【0133】
第1の出力回路301は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第1の検出信号として1を出力する。この第1の検出信号は、第1のPNPトランジスタ305のベース端子に入力される。
【0134】
第1のPNPトランジスタ305は、第1の出力回路301から出力された第1の検出信号(1)がベース端子に入力されるため、ベース端子から第1の出力回路301に向かう電流が流れず、エミッタ端子とコレクタ端子との間にも電流が流れない。すなわち、第1のPNPトランジスタ305は非導通状態となる。したがって、第1の負荷307は0が印加された状態に維持される。
【0135】
第2の出力回路302は、検出体検知部2から検出体ありを示す信号を取得すると、第2の検出信号として0を出力する。ここで、第2の出力配線314とグランド配線312とが符号d-b間で短絡しているため、検出体の有無にかかわらず、符号d-b間は同電位となる。これにより、第2の負荷308は0が印加された状態に維持される。
【0136】
検知部309は、第1の負荷307の状態(0が印加)と第2の負荷308の状態(0が印加)とを取得し、双方の負荷の状態が同じであるため、異常ありと判断する。
【0137】
以上のように、異常検知装置3は、第1の負荷307及び第2の負荷308の状態に基づいて、センサ1の配線異常(断線又は短絡)と内部異常とを検知することができる。なお、配線異常と内部異常とが同時に生じた場合は、配線異常を示す状態が第1の負荷307及び第2の負荷308に現れると考えられる。したがって、検知部309は、配線異常と内部異常とが同時に生じた場合でも、第1の負荷307及び第2の負荷308の状態に基づいて異常を検知することができる。
【0138】
なお、上記では、第1の出力回路301が、検出体検知部2により検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置すること(検出体があること)が検知された場合、第1の検出信号として1(High)を出力し、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置しないことが検知された場合、第1の検出信号として0(Low)を出力する例を説明した。しかしながら、これとは逆に、第1の出力回路301は、前者の場合に第1の検出信号として0を出力し、後者の場合に第1の検出信号として1を出力するようにしてもよい。
【0139】
また同様に、上記では、第2の出力回路302が、検出体検知部2により検出体が正常動作範囲における第2の範囲に位置すること(検出体がないこと)が検知された場合、第2の検出信号として1(High)を出力し、検出体が正常動作範囲における第2の範囲に位置しないことが検知された場合、第2の検出信号として0(Low)を出力する例を説明した。しかしながら、これとは逆に、第2の出力回路302は、前者の場合に第2の検出信号として0を出力し、後者の場合に第2の検出信号として1を出力するようにしてもよい。これらの場合、図2中の信号(1)を信号(0)と読み替え、信号(0)を信号(1)と読み替えればよい。
【0140】
また、上記では、第1のスイッチング素子305及び第2のスイッチング素子306がいずれもPNPトランジスタで構成される例を説明したが、第1のスイッチング素子305及び第2のスイッチング素子306はこれに限らず、例えば例えばPチャネル型の電界効果トランジスタで構成されていてもよい。
【0141】
また、第1のスイッチング素子305及び第2のスイッチング素子306は、NPNトランジスタ、又はNチャネル型の電界効果トランジスタで構成されていてもよい。第1のスイッチング素子305及び第2のスイッチング素子306が、NPNトランジスタ、又はNチャネル型の電界効果トランジスタで構成される場合、異常検知装置3は、図1に示した構成において、電源304のプラス端子が接続された電源配線311と、電源304のマイナス端子が接続されたグランド配線312との配置が逆になればよい。
【0142】
その場合、第1のスイッチング素子305は、一端がグランド配線312に接続され、他端が第1の出力配線313の一端に接続され、第1の出力回路301により出力された第1の検出信号に応じて導通状態を切り替える。また、第2のスイッチング素子306は、一端がグランド配線312に接続され、他端が第2の出力配線314の一端に接続され、第2の出力回路302により出力された第2の検出信号に応じて導通状態を切り替える。また、第1の負荷307は、一端が第1の出力配線313の他端に接続され、他端が電源配線311に接続される。また、第2の負荷308は、一端が第2の出力配線314の他端に接続され、他端が電源配線311に接続される。
【0143】
このように構成された場合でも、異常検知装置3は、第1のスイッチング素子305及び第2のスイッチング素子306がPNPトランジスタで構成された場合と同様に動作し、第1の負荷307及び第2の負荷308の状態に基づいて、センサ1の配線異常(断線又は短絡)と内部異常とを検知することができる。
【0144】
以上のように、実施の形態1によれば、異常検知装置3は、センサ1による検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置するか否かを示す第1の検出信号を出力する第1の出力回路301と、センサ1による検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲と異なる第2の範囲に位置するか否かを示す第2の検出信号を出力する第2の出力回路302と、プラス端子が電源配線311に接続され、マイナス端子がグランド配線312に接続された電源304と、一端が電源配線311に接続され、他端が第1の出力配線313の一端に接続され、第1の出力回路301により出力された第1の検出信号に応じて導通状態を切り替える第1のスイッチング素子305と、一端が電源配線311に接続され、他端が第2の出力配線314の一端に接続され、第2の出力回路302により出力された第2の検出信号に応じて導通状態を切り替える第2のスイッチング素子306と、一端が第1の出力配線313の他端に接続され、他端がグランド配線312に接続された第1の負荷307と、一端が第2の出力配線314の他端に接続され、他端がグランド配線312に接続された第2の負荷308と、第1の負荷307の状態及び第2の負荷308の状態に基づいて、電源配線311、第1の出力配線313、第2の出力配線314及びグランド配線312の異常、並びに、センサ1の内部異常のうちの少なくとも一方を検知する検知部309とを備えた。これにより、異常検知装置3は、従来構成に対して負荷を追加することなく、センサ1の配線異常と内部異常とを検知可能となる。
【0145】
また、異常検知装置3は、センサ1による検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲に位置するか否かを示す第1の検出信号を出力する第1の出力回路301と、センサ1による検知結果に基づき、検出体が正常動作範囲における第1の範囲と異なる第2の範囲に位置するか否かを示す第2の検出信号を出力する第2の出力回路302と、プラス端子が電源配線311に接続され、マイナス端子がグランド配線312に接続された電源304と、一端がグランド配線312に接続され、他端が第1の出力配線313の一端に接続され、第1の出力回路301により出力された第1の検出信号に応じて導通状態を切り替える第1のスイッチング素子305と、一端がグランド配線312に接続され、他端が第2の出力配線314の一端に接続され、第2の出力回路302により出力された第2の検出信号に応じて導通状態を切り替える第2のスイッチング素子306と、一端が第1の出力配線313の他端に接続され、他端が電源配線311に接続された第1の負荷307と、一端が第2の出力配線314の他端に接続され、他端が電源配線311に接続された第2の負荷308と、第1の負荷307の状態及び第2の負荷308の状態に基づいて、電源配線311、第1の出力配線313、第2の出力配線314及びグランド配線312の異常、並びに、センサ1の内部異常のうちの少なくとも一方を検知する検知部309とを備えた。これにより、異常検知装置3は、従来構成に対して負荷を追加することなく、センサ1の配線異常と内部異常とを検知可能となる。
【0146】
また、検知部309は、第1の負荷307の状態と第2の負荷308の状態とが同一である場合に、電源配線311、第1の出力配線313、第2の出力配線314及びグランド配線312の異常、並びに、センサ1の内部異常のうちの少なくとも一方を検知する。これにより、異常検知装置3は、第1の負荷307及び第2の負荷308の状態に基づいて正確に異常を検知することができる。
【0147】
また、検知部309は、検出体が前記第1の範囲に位置するか第2の範囲に位置するかに応じて、第1の負荷307の状態と第2の負荷308の状態とが互いに反転した状態から同一の状態に変化した場合に、電源配線311、第1の出力配線313、第2の出力配線314及びグランド配線312の異常を検知する。これにより、異常検知装置3は、第1の負荷307及び第2の負荷308の状態変化に基づいて配線異常を正確に検知することができる。
【0148】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0149】
1 センサ
2 検出体検知部
3 異常検知装置
301 第1の出力回路
302 第2の出力回路
304 電源
305 第1のスイッチング素子(第1のPNPトランジスタ)
306 第2のスイッチング素子(第2のPNPトランジスタ)
307 第1の負荷
308 第2の負荷
309 検知部
311 電源配線
312 グランド配線
313 第1の出力配線
314 第2の出力配線
図1
図2
図3
図4