(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153204
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】紫外線殺菌装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056320
(22)【出願日】2021-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087723
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 修
(74)【代理人】
【識別番号】100165962
【弁理士】
【氏名又は名称】一色 昭則
(74)【代理人】
【識別番号】100206357
【弁理士】
【氏名又は名称】角谷 智広
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和重
(72)【発明者】
【氏名】和田 聡
(72)【発明者】
【氏名】片桐 勝広
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA05
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD03
4C058DD12
4C058KK02
4C058KK23
4C058KK28
4C058KK32
(57)【要約】
【課題】 紫外線が使用者の目に入射することを防止するとともに安定して殺菌可能な紫外線殺菌装置を提供することである。
【解決手段】 紫外線殺菌装置100は、紫外発光素子LED1Aを配列された第1紫外発光ユニット110Aと、第1紫外発光ユニット110Aと対面する位置に配置された押圧板130Aと、第1紫外発光ユニット110Aと押圧板130Aとを収容する筐体180と、第1紫外発光ユニット110Aの紫外発光素子LED1Aに電圧を印加する電圧印加部190と、を有する。筐体180は、鉛直上方側に配置された上面部185と、筐体180における上面部185の反対側に開口する開口部OPと、を有する。電圧印加部190は、押圧板130Aの押圧の有無により、紫外発光素子LED1Aに印加する電圧を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外発光ユニットと、
前記紫外発光ユニットと対面する位置に配置された押圧板と、
前記紫外発光ユニットと前記押圧板とを収容する筐体と、
前記紫外発光ユニットに電圧を印加する電圧印加部と、
を有する紫外線殺菌装置において、
前記筐体は、
鉛直上方側に配置された上面部と、
前記筐体における前記上面部の反対側に開口する開口部と、
を有し、
前記電圧印加部は、
前記押圧板の押圧の有無により、
前記紫外発光ユニットに印加する電圧を制御すること
を含む紫外線殺菌装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紫外線殺菌装置において、
第1紫外発光ユニットおよび第2紫外発光ユニットを有し、
前記第1紫外発光ユニットは前記第2紫外発光ユニットと向かい合わせに配置されており、
前記押圧板は、
前記第1紫外発光ユニットと前記第2紫外発光ユニットとの間に配置されていること
を含む紫外線殺菌装置。
【請求項3】
請求項2に記載の紫外線殺菌装置において、
前記押圧板は、
前記開口部から離れるほど、前記第1紫外発光ユニットに近づく向きに傾斜して配置されていること
を含む紫外線殺菌装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の紫外線殺菌装置において、
前記第2紫外発光ユニットの板面は、
前記押圧板に対して0°以上10°以下の角度で配置されていること
を含む紫外線殺菌装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の紫外線殺菌装置において、
前記第2紫外発光ユニットの板面は、
前記第1紫外発光ユニットの板面に対して5°以上15°以下の角度で配置されていること
を含む紫外線殺菌装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の紫外線殺菌装置において、
前記押圧板は、
手の指を開いた形状に対応する凹部を有すること
を含む紫外線殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の技術分野は、紫外線殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品産業や医療現場では、厳重な衛生管理が要求される。近年では特に、感染症対策として、殺菌が強く求められる。殺菌装置として、例えば、紫外線照射装置が広く用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ルーバ33を有する紫外線照射装置3が開示されている。特許文献1の紫外線照射装置3では、ランプ37から発せられる紫外線をルーバ33により挿入口31から直接外部に照射されないようにするとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ランプ37は、あらゆる方向に紫外線を照射する。ルーバ33は、それらすべての紫外線を反射することは困難である。
【0006】
また、特許文献1の技術では、ランプ37と手袋1との位置関係の再現性は高くない。つまり、殺菌する度に、手袋をはめた手が照射空間Sのどこに位置しているか明確ではない。このため、殺菌効果にむらが生じるおそれがある。
【0007】
本明細書の技術が解決しようとする課題は、紫外線が使用者の目に入射することを防止するとともに安定して殺菌可能な紫外線殺菌装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様における紫外線殺菌装置は、紫外発光ユニットと、紫外発光ユニットと対面する位置に配置された押圧板と、紫外発光ユニットと押圧板とを収容する筐体と、紫外発光ユニットに電圧を印加する電圧印加部と、を有する。筐体は、鉛直上方側に配置された上面部と、筐体における上面部の反対側に開口する開口部と、を有する。電圧印加部は、押圧板の押圧の有無により、紫外発光ユニットに印加する電圧を制御する。
【0009】
この紫外線殺菌装置においては、筐体の上面部の反対側に開口部を有する。このため、紫外発光素子が発する紫外線が使用者の目に入射するおそれがほとんどない。また、使用時に、手袋をはめた手が押圧板に触れているため、紫外発光ユニットと手袋との間の距離はほぼ一定である。したがって、殺菌する度に、殺菌効果にむらが生じるおそれがほとんどない。
【発明の効果】
【0010】
本明細書では、紫外線が使用者の目に入射することを防止するとともに安定して殺菌可能な紫外線殺菌装置が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態の紫外線殺菌装置100の斜視図である。
【
図3】第1の実施形態の紫外線殺菌装置100の押圧板130Bを示す図である。
【
図4】第1の実施形態の紫外線殺菌装置100の使用時を説明するための図である。
【
図5】第1の実施形態の変形例における紫外線殺菌装置200の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、具体的な実施形態について、紫外線殺菌装置を例に挙げて図を参照しつつ説明する。しかし、本明細書の技術はこれらの実施形態に限定されるものではない。実施形態とは異なる構造を有していても構わない。
【0013】
(第1の実施形態)
1.紫外線殺菌装置
図1は、第1の実施形態の紫外線殺菌装置100の斜視図である。
図2は、
図1のII-II断面を示す断面図である。
図1および
図2に示すように、紫外線殺菌装置100は、殺菌室CVと、第1紫外発光ユニット110A、110Bと、第2紫外発光ユニット120A、120Bと、押圧板130A、130Bと、支持板140と、支持板150A、150Bと、反射板160A、160Bと、ファン170と、筐体180と、電圧印加部190と、を有する。
【0014】
殺菌室CVは、使用者がはめているゴム手袋を殺菌するための部屋である。殺菌対象は、使用者がはめているゴム手袋である。殺菌室CVは第1殺菌室CVAと、第2殺菌室CVBと、を有する。第1殺菌室CVAは、視聴者の左手にはめているゴム手袋を殺菌する。第2殺菌室CVBは、視聴者の右手にはめているゴム手袋を殺菌する。殺菌室CVは、筐体180の内部にある。
【0015】
第1紫外発光ユニット110Aは、使用者がはめているゴム手袋を殺菌する紫外線を照射する。第1紫外発光ユニット110Aは、支持板140に取り付けられている。第1紫外発光ユニット110Aは、紫外発光素子LED1Aを有する。紫外発光素子LED1Aは、第1紫外発光ユニット110Aの表面に一様に配列されている。
【0016】
第2紫外発光ユニット120Aは、使用者がはめているゴム手袋を殺菌する紫外線を照射する。第2紫外発光ユニット120Aは、支持板150Aに取り付けられている。第2紫外発光ユニット120Aは、紫外発光素子LED2Aを有する。紫外発光素子LED2Aは、第2紫外発光ユニット120Aの表面に一様に配列されている。
【0017】
第1紫外発光ユニット110Bは、使用者がはめているゴム手袋を殺菌する紫外線を照射する。第1紫外発光ユニット110Bは、支持板140に取り付けられている。第1紫外発光ユニット110Bは、紫外発光素子LED1Bを有する。紫外発光素子LED1Bは、第1紫外発光ユニット110Bの表面に一様に配列されている。
【0018】
第2紫外発光ユニット120Bは、使用者がはめているゴム手袋を殺菌する紫外線を照射する。第2紫外発光ユニット120Bは、支持板150Bに取り付けられている。第2紫外発光ユニット120Bは、紫外発光素子LED2Bを有する。紫外発光素子LED2Bは、第2紫外発光ユニット120Bの表面に一様に配列されている。
【0019】
第1紫外発光ユニット110A、110Bは、それぞれ、第2紫外発光ユニット120A、120Bと向かい合わせに配置されている。このため、紫外発光素子LED1A、LED1Bの光取り出し面は、それぞれ、紫外発光素子LED2A、LED2Bの光取り出し面と対向している。紫外発光素子LED1A、LED1B、LED2A、LED2Bの発光波長は、例えば、100nm以上280nm以下である。もちろん、上記以外であってもよい。
【0020】
押圧板130A、130Bは、使用者が押圧する電源スイッチである。押圧板130A、130Bは、それぞれ、第1紫外発光ユニット110A、110Bに対面する位置に配置されている。押圧板130A、130Bは、それぞれ、第1紫外発光ユニット110A、110Bと第2紫外発光ユニット120A、120Bとの間に配置されている。押圧板130Aは、支持板140に向かって押すことができる。押圧板130Bは、支持板140に向かって押すことができる。すなわち、押圧板130A、130Bは、移動可能である。押圧板130A、130Bは、紫外線を透過させる部材である。押圧板130A、130Bは、例えば、アクリル板である。紫外線を透過させる透明部材であれば、アクリル以外の透明部材を用いてもよい。
【0021】
支持板140は、第1紫外発光ユニット110A、110Bを支持する。支持板150Aは、第2紫外発光ユニット120Aを支持する。支持板150Bは、第2紫外発光ユニット120Bを支持する。支持板140と、支持板150A、150Bとは、紫外線を反射する反射板を兼ねている。支持板140、150A、150Bの材質は、例えば、アルミニウムである。または、その他の金属または合金であってもよい。
【0022】
反射板160A、160Bは、紫外線を反射するための部材である。反射板160Aは、第1殺菌室CVAの上部に位置している。反射板160Aは、第1殺菌室CVAから上部に向かう紫外線を第1殺菌室CVAの側に反射する。反射板160Bは、第2殺菌室CVBの上部に位置している。反射板160Bは、第2殺菌室CVBから上部に向かう紫外線を第2殺菌室CVBの側に反射する。反射板160A、160Bの材質は、例えば、アルミニウムである。または、その他の金属または合金であってもよい。
【0023】
ファン170は、殺菌室CVを冷却するためのものである。ファン170は、筐体180の上部に取り付けられている。
【0024】
筐体180は、殺菌室CVを囲むとともに紫外線が外部に出射することを防止するための遮蔽部材である。筐体180は、第1紫外発光ユニット110A、110Bと、第2紫外発光ユニット120A、120Bと、押圧板130A、130Bと、支持板140と、支持板150A、150Bと、反射板160A、160Bと、ファン170と、電圧印加部190と、を収容する。
【0025】
筐体180は、正面部181と、裏面部182と、第1側面部183と、第2側面部184と、上面部185と、を有する。正面部181は、使用者と対面する部分である。裏面部182は正面部181の反対側に配置されている。第1側面部183は、第1殺菌室CVA側を覆っている。第2側面部184は、第2殺菌室CVB側を覆っている。第2側面部184は、第1側面部183の反対側に配置されている。上面部185は、紫外線殺菌装置100の鉛直上方側に配置されている。筐体180における上面部185の反対側には開口部OPがある。開口部OPは、上面部185の反対側に開口している。開口部OPは、使用者がゴム手袋をした手を挿入する挿入口である。
【0026】
電圧印加部190は、紫外発光素子LED1A、LED1B、LED2A、LED2Bに電圧を印加する。電圧印加部190は、第1紫外発光ユニット110A、110Bと、第2紫外発光ユニット120A、120Bとに、電力を供給する。これにより、紫外発光素子LED1A、LED1B、LED2A、LED2Bは発光する。電圧印加部190は、押圧板130A、130Bの押圧の有無により、紫外発光素子LED1A、LED1B、LED2A、LED2Bに印加する電圧を制御する。
【0027】
図3は、第1の実施形態の紫外線殺菌装置100の押圧板130Bを示す図である。
図3に示すように、押圧板130Bには凹部131Bが形成されている。この凹部131Bは手の指を開いた形状に対応する凹形状である。使用者は、ゴム手袋をはめた手をこの押圧板130Bの凹部131Bに合わせて凹部131Bを押す。凹部131Aについても同様である。
【0028】
2.殺菌室
2-1.第1殺菌室
第1殺菌室CVAは、押圧板130Aと、第2紫外発光ユニット120Aと、反射板160Aと、筐体180の正面部181と、筐体180の裏面部182と、に囲まれた領域である。押圧板130Aの凹部131Aは第1殺菌室CVAに面している。第1殺菌室CVAは、第1紫外発光ユニット110Aと第2紫外発光ユニット120Aとの間に位置している。
【0029】
第1紫外発光ユニット110Aの紫外発光素子LED1Aは第1殺菌室CVAに向かって紫外線を照射する。紫外発光素子LED1Aは使用者の左手にはめられたゴム手袋の手のひら側に紫外線を照射する。なお、押圧板130Aは、第1発光ユニット110Aから紫外線を透過する。
【0030】
第2紫外発光ユニット120Aの紫外発光素子LED2Aは第1殺菌室CVAに向かって紫外線を照射する。紫外発光素子LED2Aは使用者の左手にはめられたゴム手袋の手の甲側に紫外線を照射する。
【0031】
押圧板130Aは、開口部OPから離れるほど、第1紫外発光ユニット110Aに近づく向きに傾斜して配置されている。また、第2紫外発光ユニット120Aも、開口部OPから離れるほど、第1紫外発光ユニット110Aに近づく向きに傾斜して配置されている。第2紫外発光ユニット120Aの板面は、押圧板130Aとほぼ平行である。第2紫外発光ユニット120Aの板面は、押圧板130Aに対して0°以上10°以下の角度であるとよい。第2紫外発光ユニット120Aの板面は、第1紫外発光ユニット110Aの板面に対して5°以上15°以下の角度で配置されている。
【0032】
2-2.第2殺菌室
第2殺菌室CVBは、押圧板130Bと、第2紫外発光ユニット120Bと、反射板160Bと、筐体180の正面部181と、筐体180の裏面部182と、に囲まれた領域である。押圧板130Bの凹部131Bは第2殺菌室CVBに面している。第2殺菌室CVBは、第1紫外発光ユニット110Bと第2紫外発光ユニット120Bとの間に位置している。
【0033】
第1紫外発光ユニット110Bの紫外発光素子LED1Bは第2殺菌室CVBに向かって紫外線を照射する。紫外発光素子LED1Bは使用者の右手にはめられたゴム手袋の手のひら側に紫外線を照射する。なお、押圧板130Bは、第1発光ユニット110Bから紫外線を透過する。
【0034】
第2紫外発光ユニット120Bの紫外発光素子LED2Bは第2殺菌室CVBに向かって紫外線を照射する。紫外発光素子LED2Bは使用者の右手にはめられたゴム手袋の手の甲側に紫外線を照射する。
【0035】
押圧板130Bは、開口部OPから離れるほど、第1紫外発光ユニット110Bに近づく向きに傾斜して配置されている。また、第2紫外発光ユニット120Bも、開口部OPから離れるほど、第1紫外発光ユニット110Bに近づく向きに傾斜して配置されている。第2紫外発光ユニット120Bの板面は、押圧板130Bとほぼ平行である。第2紫外発光ユニット120Bの板面は、押圧板130Bに対して0°以上10°以下の角度であるとよい。第2紫外発光ユニット120Bの板面は、第1紫外発光ユニット110Bの板面に対して5°以上15°以下の角度で配置されている。
【0036】
3.使用方法
図4は、第1の実施形態の紫外線殺菌装置100の使用時を説明するための図である。
【0037】
まず、使用者は両手にゴム手袋をはめる。使用者はゴム手袋をはめた状態で筐体180の開口部OPから両手を挿入する。次に、使用者はゴム手袋をはめた状態で押圧板130A、130Bを挟みこむようにして押圧板130A、130Bを押圧する。
【0038】
電圧印加部190は、押圧板130Aが一度押圧されることにより、第1紫外発光ユニット110Aおよび第2紫外発光ユニット120Aに電力を供給する。これにより、紫外発光素子LED1Aおよび紫外発光素子LED2Aが発光する。電圧印加部190は、押圧板130Aへの押圧の開始から所定の時間経過した後に、第1紫外発光ユニット110Aおよび第2紫外発光ユニット120Aへの電力の供給を停止する。
【0039】
電圧印加部190は、押圧板130Bが一度押圧されることにより、第1紫外発光ユニット110Bおよび第2紫外発光ユニット120Bに電力を供給する。これにより、紫外発光素子LED1Bおよび紫外発光素子LED2Bが発光する。電圧印加部190は、押圧板130Bへの押圧の開始から所定の時間経過した後に、第1紫外発光ユニット110Bおよび第2紫外発光ユニット120Bへの電力の供給を停止する。
【0040】
なお、使用者は、殺菌時において、ゴム手袋を押圧板130A、130Bに接触させ続ける。紫外線の照射時間は、例えば、3秒以上10秒以下である。もちろん、これ以外の照射時間であってもよい。
【0041】
4.手袋の材質
ゴム手袋の材質は、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンである。もちろん、上記以外の材質であってもよい。
【0042】
5.第1の実施形態の効果
5-1.目の保護
第1の実施形態の紫外線殺菌装置100では、開口部OPが鉛直下方を向いている。使用者の目と紫外発光素子との間には紫外線を遮蔽する筐体180が存在する。このため、使用者の目に紫外線が照射されるおそれがほとんどない。使用者の目を保護しつつ、使用者はゴム手袋を十分に殺菌することができる。
【0043】
5-2.両側
紫外発光素子LED1Aは、第1紫外発光ユニット110Aの表面に一様に配列されている。紫外発光素子LED1Aは、使用者の左手の手のひら側のゴム手袋を殺菌する。紫外発光素子LED2Aは、第2紫外発光ユニット120Aの表面に一様に配列されている。紫外発光素子LED2Aは、使用者の左手の手の甲側のゴム手袋を殺菌する。このため、使用者がはめているゴム手袋の近くにはいずれかの紫外発光素子LED1Aが存在する。したがって、使用者がはめているゴム手袋の殺菌効果は高い。第1紫外発光ユニット110B、第2紫外発光ユニット120Bについても同様である。
【0044】
5-3.指先
押圧板130A、130Bは、開口部OPから離れるほど、第1紫外発光ユニット110A、110Bに近づく向きに傾斜して配置されている。このため、使用時には、使用者の指先側が第1紫外発光ユニット110A、110Bに近い位置に配置される。すなわち、ゴム手袋の指先側が紫外発光素子LED1A、LED1Bに近い。このため、ゴム手袋の指先側が好適に殺菌される。
【0045】
また、押圧板130A、130Bの凹部131A、131Bが指を開いた状態の形状になっている。このため、使用者はゴム手袋の指先を重点的に殺菌することができる。
【0046】
5-4.押圧板の殺菌
押圧板130A、130Bが紫外線を透過させる透明部材である。このため、紫外線殺菌装置100を使用することにより、押圧板130A、130B自体も殺菌される。このため、紫外線殺菌装置100を別途洗浄する等のメンテナンスがほとんど不要である。
【0047】
5-5.殺菌効果の安定性
使用者は、殺菌時において、ゴム手袋を押圧板130A、130Bに接触させ続ける。このため、ゴム手袋と第1紫外発光ユニット110A、110Bとの間の距離が、使用時にほぼ一定となる。このため、使用する毎に殺菌効果が異なるといった状況が生じにくい。また、使用時に手が安定するため、使用者の使用性が向上する。
【0048】
6.変形例
6-1.手の向き
図5は、第1の実施形態の変形例における紫外線殺菌装置200の概略構成図である。紫外線殺菌装置200は、殺菌室CVと、第1紫外発光ユニット210A、210Bと、第2紫外発光ユニット220A、220Bと、押圧板230A、230Bと、反射板160A、160Bと、ファン170と、筐体180と、電圧印加部190と、を有する。
【0049】
第1紫外発光ユニット210A、210Bは、それぞれ、第2紫外発光ユニット220A、220Bと向かい合って配置されている。押圧板230A、230Bは、それぞれ、第1紫外発光ユニット210A、210Bの手前に配置されている。この場合であっても、使用者は、押圧板230A、230Bを押圧することにより、両手にはめたゴム手袋を好適に殺菌することができる。
【0050】
6-2.発光ユニットの数
発光ユニットの数を2以上にしてもよい。例えば、2個の第1紫外発光ユニット110Aをずらした状態で重ね合わせて配置してもよい。もちろん、重ね合わせることにより奥側に配置された発光ユニットからも紫外線はゴム手袋に到達する。
【0051】
6-3.電圧印加部
電圧印加部190は、押圧板130Aと押圧板130Bとのうちの一方のみが押された場合に、第1紫外発光ユニット110A、110B、第2紫外発光ユニット120A、120Bのすべてに電力を供給してもよい。
【0052】
6-4.温度センサー
紫外線殺菌装置100は、殺菌室CVの内部の温度を測定する温度センサーを有するとよい。ファン170は、その温度センサーの値に応じて、回転するとよい。
【0053】
6-5.制御部
各部を制御する制御部を有するとよい。制御部は、例えば、ファン170を制御する。制御部は、紫外線の照射時間の設定を変更する照射時間変更部を有するとよい。制御部が、紫外発光素子LED1A、LED1B、LED2A、LED2Bに印加する電圧の大きさを制御してもよい。
【0054】
6-6.反射材
正面部181および裏面部182は、殺菌室CVと対面する側に紫外線を反射する反射材を有するとよい。殺菌効果が高まるからである。
【0055】
6-7.高さ調整部
使用者の背の高さにはばらつきがある。このため、筐体180および殺菌室CVの高さを調整する高さ調整部を有するとよい。
【0056】
6-8.電圧印加部の場所
電圧印加部190は、筐体180の内部にあっても外部にあってもよい。
【0057】
6-9.紫外線源
紫外線源は、紫外発光素子に限らない。紫外線ランプ等を用いてもよい。
【0058】
6-10.組み合わせ
上記の変形例を自由に組み合わせてもよい。
【0059】
(付記)
第1の態様における紫外線殺菌装置は、紫外発光ユニットと、紫外発光ユニットと対面する位置に配置された押圧板と、紫外発光ユニットと押圧板とを収容する筐体と、紫外発光ユニットに電圧を印加する電圧印加部と、を有する。筐体は、鉛直上方側に配置された上面部と、筐体における上面部の反対側に開口する開口部と、を有する。電圧印加部は、押圧板の押圧の有無により、紫外発光ユニットに印加する電圧を制御する。
【0060】
第2の態様における紫外線殺菌装置は、第1紫外発光ユニットおよび第2紫外発光ユニットを有する。第1紫外発光ユニットは第2紫外発光ユニットと向かい合わせに配置されている。押圧板は、第1紫外発光ユニットと第2紫外発光ユニットとの間に配置されている。
【0061】
第3の態様における紫外線殺菌装置においては、押圧板は、開口部から離れるほど、第1紫外発光ユニットに近づく向きに傾斜して配置されている。
【0062】
第4の態様における紫外線殺菌装置においては、第2紫外発光ユニットの板面は、押圧板に対して0°以上10°以下の角度で配置されている。
【0063】
第5の態様における紫外線殺菌装置においては、第2紫外発光ユニットの板面は、第1紫外発光ユニットの板面に対して5°以上15°以下の角度で配置されている。
【0064】
第6の態様における紫外線殺菌装置においては、押圧板は、手の指を開いた形状に対応する凹部を有する。
【符号の説明】
【0065】
100…紫外線殺菌装置
110A、110B…第1紫外発光ユニット
120A、120B…第2紫外発光ユニット
130A、130B…押圧板
140…支持板
150A、150B…支持板
160A、160B…反射板
170…ファン
180…筐体
190…電圧印加部
CV…殺菌室