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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153211
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】液冷放熱器
(51)【国際特許分類】
   F28D 1/04 20060101AFI20221004BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20221004BHJP
   F28F 9/02 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
F28D1/04 Z
H01L23/46 Z
F28F9/02 301D
F28F9/02 301J
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079693
(22)【出願日】2021-05-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】202110331260.7
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】505446862
【氏名又は名称】▲黄▼ 崇賢
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 崇賢
【テーマコード(参考)】
3L103
5F136
【Fターム(参考)】
3L103AA05
3L103CC02
3L103CC22
3L103DD08
3L103DD34
3L103DD61
5F136BA22
5F136CA01
5F136CB07
5F136CB13
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
【課題】液冷放熱器を提供する。
【解決手段】本発明は、第1集液槽と、第2集液槽と、多数本の並列管とを備え、放熱金属材質で構成される第1集液槽内に第1集液槽の内部を第1入液室と、第1出液室とに区画する第1分流液仕切板が設置され、かつ第1集液槽の底部に熱伝導銅板が設置される。熱伝導銅板を第1集液槽上に設置することにより、一体型構造として形成されることで、液冷放熱器の構造をコンパクト化させてより便利に使用でき、第2集液槽中に液体ポンプが設置されることにより、液体ポンプと集液槽とを一体に形成させ、並列管における冷却液の流動速度を効率よく加速させ、放熱効率を高めると共に、それに合わせて各集液槽中にいずれも分流液仕切板が設置され、冷却液の流動行程を延長することにより、冷却液を効率よくかつ十分に降温させて放熱させ、全体の放熱効果を増大させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1集液槽と、第2集液槽と、多数本の並列管とを備える液冷放熱器であって、
前記多数本の並列管の両端部は、前記第1集液槽と、前記第2集液槽とにそれぞれ連通し、前記多数本の並列管上に多数個の放熱フィンが設置され、
放熱金属材質で構成される前記第1集液槽内に前記第1集液槽の内部を第1入液室と、第1出液室とに区画形成する第1分流液仕切板が設置され、前記第1集液槽の底部に前記第1入液室に連通する第1入液口と、前記第1出液室に連通する第1出液口とが開設され、かつ前記第1集液槽の底部に熱伝導銅板が設置され、前記熱伝導銅板の入液端が前記第1入液口と連通し、前記熱伝導銅板の出液端が前記第1出液口と連通し、
放熱金属材質で構成される前記第2集液槽内に前記第2集液槽の内部を第2入液室と、第2出液室とに区画形成する第2分流液仕切板が設置され、前記第2入液室中に液体ポンプ室が設置され、前記液体ポンプ室上に前記第2入液室に連通する第2入液口と、前記第2出液室に連通する第2出液口とが開設され、かつ前記液体ポンプ室中に液体ポンプが設置され、
前記多数本の並列管のうちの一部の並列管は、前記第1出液室と前記第2入液室との間に連通し、他部の並列管は、前記第1入液室と前記第2出液室との間に連通することを特徴とする、液冷放熱器。
【請求項2】
前記第1集液槽は、第1ボックス体と、第1ボックス蓋とを含み、前記第1分流液仕切板は、前記第1ボックス体内に成形され、前記第1ボックス体の底部上に前記第1入液口と前記第1出液口とが開設され、前記第1ボックス蓋と前記第1ボックス体とを密封固定して取付け、前記第1ボックス蓋上に多数本の第1取付け溝が開設され、一部の前記第1取付け溝は、前記第1入液室に連通し、他部の前記第1取付け溝は、前記第1出液室に連通し、前記多数本の並列管の対応端部がそれぞれ対応の前記第1取付け溝中に密封取付けされることを特徴とする、請求項1に記載の液冷放熱器。
【請求項3】
前記熱伝導銅板は、固定基台を介して前記第1ボックス体の底部上に固定され、前記固定基台の内側面周縁と前記第1ボックス体との間に第1シールワッシャが挟設され、前記熱伝導銅板は、前記固定基台の底部上に固定され、前記熱伝導銅板の内側面周縁と前記固定基台との間に第2シールワッシャが挟設され、前記熱伝導銅板の内側面のフィン上に液入出液仕切フィルムを被覆し、前記固定基台と前記熱伝導銅板との間に前記液入出液仕切フィルムが挟持され、前記液入出液仕切フィルム上に前記第1入液口に正対連通する溝孔が開設されることを特徴とする、請求項2に記載の液冷放熱器。
【請求項4】
前記第1ボックス体と前記第1ボックス蓋とは、銅またはアルミニウム材質で構成され、前記第1ボックス蓋は、前記第1ボックス体に半田で密封取付けされて固定され、前記第1分流液仕切板は、前記第1ボックス体内に半田付け接続または一体成形され設置されることを特徴とする、請求項2に記載の液冷放熱器。
【請求項5】
前記第2集液槽は、第2ボックス体と、第2ボックス蓋と、液体ポンプ蓋とを含み、前記第2分流液仕切板は、前記第2ボックス体内に成形され、前記第2ボックス蓋と前記第2ボックス体とを密封固定して取付け、前記第2ボックス蓋上に多数本の第2取付け溝が開設され、一部の前記第2取付け溝は、前記第2入液室に連通し、他部の前記第2取付け溝は、前記第2出液室に連通し、前記多数本の並列管の対応端部がそれぞれ対応の前記第2取付け溝中に密封取付けされ、前記液体ポンプ蓋と前記第2ボックス体とを固定して前記液体ポンプ室の開口を密封被蓋し、前記液ポンプ蓋の内側に前記液体ポンプが固定され、前記液体ポンプの出力軸上に羽根車が固定され、前記羽根車は、前記液体ポンプ室中に位置すると共に、前記液体ポンプに連動されて回転することを特徴とする、請求項1に記載の液冷放熱器。
【請求項6】
前記第2入液室中に突起台が一体成形され、前記液体ポンプ室は、一体成形設置されると共に、前記突起台の裏面に位置し、前記突起台上に前記第2入液口が開設されることを特徴とする、請求項5に記載の液冷放熱器。
【請求項7】
前記第2ボックス体と前記第2ボックス蓋とは、銅またはアルミニウム材質で構成され、前記第2ボックス蓋は、前記第2ボックス体に半田で密封取付けされて固定され、前記第2分流液仕切板は、前記第2ボックス体内に半田付け接続または一体成形され設置されることを特徴とする、請求項5に記載の液冷放熱器。
【請求項8】
前記液体ポンプ蓋の内側に凸部が凸設され、前記凸部は前記液体ポンプ室と互いに合致し、前記凸部が前記液体ポンプ室中に嵌め込まれ、かつ前記凸部の表面に凹位置が凹設され、前記液体ポンプが前記凹位置中に嵌装されて固定されることを特徴とする、請求項5に記載の液冷放熱器。
【請求項9】
前記第1集液槽と前記第2集液槽との間に左右に設置される2つのファン固定ブラケットが連結され、前記多数本の並列管は、前記2つのファン固定ブラケットの間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の液冷放熱器。
【請求項10】
前記多数本の並列管は、一列に配列されて単一組の液体ラジエータに形成されるか、あるいは前後に設置する二列に配列されて二組の液体ラジエータに形成されることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の液冷放熱器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液冷放熱器の技術分野に係り、特に、熱伝導銅板及び液体ポンプは、それぞれ水冷ラジエータと一緒に結合している一体型液冷放熱器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水冷放熱器は、ポンプの連動を使用して液体を強制流動させて放熱器の熱量を奪う放熱装置であり、公知の風冷放熱器と比べて静音性、降温安定性に優れ、環境に対する依存性が小さいなどの利点を有し、通常、電子構成部品の放熱分野に用いられる。水冷放熱器の放熱性能は、その中の冷却液(水やその他の液体)の流速と正比例し、冷却液の流速は、冷媒システムの水ポンプのパワーに関連しており、かつ水の熱容量が大きいために、水冷冷媒システムに優れた熱負荷能力を持たせる。
【0003】
従来の水冷放熱器は、通常、水冷ラジエータと、水冷ヘッドと、水管とから構成され、水冷ラジエータと水冷ヘッドとの間を水管で連結し、水管を利用して水冷ラジエータと水冷ヘッド内の冷却液を循環流動させ、水冷ヘッド上に熱量を吸収した後の冷却液は、水冷ラジエータ上に進入して放熱を行い、放熱後の冷却液を水冷ヘッド内へと流し戻すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水冷放熱器の水冷ラジエータと、水冷ヘッドとを別々に設置し、その構造がコンパクトではなく、使用の面で比較的に不便となり、他にも、水冷ラジエータの集水槽上にいずれも水ポンプ機能を有しないことから、水冷ラジエータにおける冷却液の流動速度が比較的に遅く、放熱効率が比較的に低く、かつ、集水槽中に区画を画定しないもので、水冷ラジエータ内の冷却液の流動行程を比較的に短くし、冷却液を効率よく降温させて放熱させることができなくなる。
公知の水冷放熱器は、構造が緊密ではなく、使用に不便となり、放熱効率が低く、冷却液に対して降温・放熱を効率よく行うことができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、構造をよりコンパクト化させてより便利に使用でき、及び冷却液を効率よくかつ十分に降温させて放熱させることができ、全体の放熱効果を増大させることができる液冷放熱器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液冷放熱器は、第1集液槽と、第2集液槽と、多数本の並列管とを備え、前記第1集液槽は、放熱金属材質で構成され、前記第1集液槽内に前記第1集液槽の内部を第1入液室と、第1出液室とに区画する第1分流液仕切板が設置され、かつ前記第1集液槽の底部に熱伝導銅板が設置され、前記熱伝導銅板を第1集液槽上に設置することにより、一体型構造として形成されることで、本液冷放熱器の構造をコンパクト化させてより便利に使用でき、第2集液槽中に液体ポンプが設置されることにより、液体ポンプと集液槽とを一体に形成させ、並列管における冷却液の流動速度を効率よく加速させ、放熱効率を高めると共に、それに合わせて各集液槽中にいずれも分流液仕切板が設置され、冷却液の流動行程を延長することにより、冷却液を効率よくかつ十分に降温させて放熱させ、全体の放熱効果を増大させることができる。
【0007】
本発明の液冷放熱器は、第1集液槽と、第2集液槽と、多数本の並列管とを備え、前記多数本の並列管の両端部は、前記第1集液槽と、前記第2集液槽とにそれぞれ連通し、前記多数本の並列管上に多数個の放熱フィンが設置され、前記第1集液槽は、放熱金属材質で構成され、前記第1集液槽内に前記第1集液槽の内部を第1入液室と、第1出液室とに区画形成する第1分流液仕切板が設置され、前記第1集液槽の底部に前記第1入液室に連通する第1入液口と、前記第1出液室に連通する第1出液口とが開設され、かつ前記第1集液槽の底部に熱伝導銅板が設置され、前記熱伝導銅板の入液端が前記第1入液口と連通し、前記熱伝導銅板の出液端が前記第1出液口と連通し、前記第2集液槽は、放熱金属材質で構成され、前記第2集液槽内に前記第2集液槽の内部を第2入液室と、第2出液室とに区画形成する第2分流液仕切板が設置され、前記第2入液室中に液体ポンプ室が設置され、前記液体ポンプ室上に前記第2入液室に連通する第2入液口と、前記第2出液室に連通する第2出液口とが開設され、かつ前記液体ポンプ室中に液体ポンプが設置され、前記多数本の並列管のうちの一部の並列管は、前記第1出液室と前記第2入液室との間に連通し、他部の並列管は、前記第1入液室と前記第2出液室との間に連通する。
【0008】
本発明では、前記第1集液槽は、第1ボックス体と、第1ボックス蓋とを含み、前記第1分流液仕切板は、前記第1ボックス体内に成形され、前記第1ボックス体の底部上に前記第1入液口と前記第1出液口とが開設され、前記第1ボックス蓋と前記第1ボックス体とを密封固定して取付け、前記第1ボックス蓋上に多数本の第1取付け溝が開設され、一部の前記第1取付け溝は、前記第1入液室に連通し、他部の前記第1取付け溝は、前記第1出液室に連通し、前記多数本の並列管の対応端部がそれぞれ対応の前記第1取付け溝中に密封取付けされる。
【0009】
本発明では、前記熱伝導銅板は、固定基台を介して前記第1ボックス体の底部上に固定され、前記固定基台の内側面周縁と前記第1ボックス体との間に第1シールワッシャが挟設され、前記熱伝導銅板は、前記固定基台の底部上に固定され、前記熱伝導銅板の内側面周縁と前記固定基台との間に第2シールワッシャが挟設され、前記熱伝導銅板の内側面のフィン上に液入出液仕切フィルムを被覆し、前記固定基台と前記熱伝導銅板との間に前記液入出液仕切フィルムが挟持され、前記液入出液仕切フィルム上に溝孔が開設され、前記溝孔は、前記第1入液口に正対連通する。
【0010】
本発明では、前記第1ボックス体と前記第1ボックス蓋とは、いずれも銅またはアルミニウム材質で構成され、前記第1ボックス蓋は、前記第1ボックス体に半田で密封取付けされて固定され、前記第1分流液仕切板は、第1ボックス体内に半田付け接続または一体成形され設置される。
【0011】
本発明では、前記第2集液槽は、第2ボックス体と、第2ボックス蓋と、液体ポンプ蓋とを含み、前記第2分流液仕切板は、前記第2ボックス体内に成形され、前記第2ボックス蓋と前記第2ボックス体とを密封固定して取付け、前記第2ボックス蓋上に多数本の第2取付け溝が開設され、一部の前記第2取付け溝は、前記第2入液室に連通し、他部の前記第2取付け溝は、前記第2出液室に連通し、前記多数本の並列管の対応端部がそれぞれ対応の前記第2取付け溝中に密封取付けされ、前記液体ポンプ蓋と前記第2ボックス体とを固定して前記液体ポンプ室の開口を密封被蓋し、前記液ポンプ蓋の内側に前記液体ポンプが固定され、前記液体ポンプの出力軸上に羽根車が固定され、前記羽根車は、前記液体ポンプ室中に位置すると共に、前記液体ポンプに連動されて回転する。
【0012】
本発明では、前記第2入液室中に突起台が一体成形され、前記液体ポンプ室は、一体成形設置されると共に、前記突起台の裏面に位置し、前記突起台上に前記第2入液口が開設される。
【0013】
本発明では、前記第2ボックス体と前記第2ボックス蓋とは、いずれも銅またはアルミニウム材質で構成され、前記第2ボックス蓋は、前記第2ボックス体に半田で密封取付けされて固定され、前記第2分流液仕切板は、前記第2ボックス体内に半田付け接続または一体成形され設置される。
【0014】
本発明では、前記液体ポンプ蓋の内側に凸部が凸設され、前記凸部は前記液体ポンプ室と互いに合致し、前記凸部が前記液体ポンプ室中に嵌め込まれ、かつ前記凸部の表面に凹位置が凹設され、前記液体ポンプが前記凹位置中に嵌装されて固定される。
【0015】
本発明では、前記第1集液槽と前記第2集液槽との間に2つのファン固定ブラケットが連結され、前記2つのファン固定ブラケットは、左右に設置され、前記多数本の並列管は、前記2つのファン固定ブラケットの間に位置する。
【0016】
本発明では、前記多数本の並列管は、一列に配列されて単一組の液体ラジエータに形成されるか、あるいは前後に設置する二列に配列されて二組の液体ラジエータに形成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の液冷放熱器は、熱伝導銅板を第1集液槽上に設置することにより、一体型構造として形成されることで、本製品の構造をよりコンパクト化させてより便利に使用でき、第2集液槽中に液体ポンプが設置されることにより、液体ポンプと集液槽とを一体に形成させ、よって多数本の並列管における冷却液の流動速度を効率よく加速させ、放熱効率を高めると共に、それに合わせて各集液槽中にいずれも分流液仕切板が設置される構造は、冷却液の循環流動行程を大いに延長することにより、冷却液を効率よくかつ十分に降温させて放熱させ、全体の放熱効果を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態の正面図である。
図3】本発明の第1実施形態の分解斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態における第1集液槽の模式図である。
図5】本発明の第1実施形態における第2集液槽の模式図である。
図6】本発明の第2実施形態を示す斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態の正面図である。
図8】本発明の第2実施形態の分解斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態における第1集液槽の模式図である。
図10】本発明の第2実施形態における第2集液槽の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態による液冷放熱器を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0020】
(第1実施形態)
図1から図5に示すように、本発明の液冷放熱器の第1実施形態の具体的構造を示す図であり、第1集液槽10と、第2集液槽20と、多数本の並列管30とを備え、その内、第1集液槽10は、放熱金属材質で構成され、第1集液槽10内に第1集液槽10の内部を第1入液室102と、第1出液室103とに区画形成する第1分流液仕切板101が設置され、第1集液槽10の底部に第1入液室102に連通する第1入液口104と、第1出液室103に連通する第1出液口105とが開設され、かつ第1集液槽10の底部に熱伝導銅板41が設置され、熱伝導銅板41は、発熱器具上に直接接触するように用いられ、熱伝導銅板41の入液端が第1入液口104と連通し、熱伝導銅板41の出液端が第1出液口105と連通する。
【0021】
第1集液槽10は、第1ボックス体11と、第1ボックス蓋12とを含むように実施され、上記の第1分流液仕切板101は、第1ボックス体11内に成形され、第1ボックス体11の底部上に第1入液口104と第1出液口105とが開設され、第1ボックス蓋12と第1ボックス体11とを密封固定して取付け、第1ボックス蓋12上に多数本の第1取付け溝106が開設され、一部の第1取付け溝106は、第1入液室102に連通し、他部の第1取付け溝106は、第1出液室103に連通し、及び第1ボックス体11と第1ボックス蓋12とは、いずれも銅またはアルミニウム材質で構成されることが好ましく、第1ボックス蓋12は、半田付け接続を介して第1ボックス体11に密封取付けされて固定され、第1分流液仕切板101は、半田付け接続または一体成形の方式によって第1ボックス体11内に設置されることから、第1入液室102と第1出液室103とに区画される。
【0022】
上記の熱伝導銅板41は、固定基台42を介して第1ボックス体11の底部上に固定されることが好ましく、固定基台42の内側面周縁と第1ボックス体11との間に第1シールワッシャ43が挟設され、熱伝導銅板41は、固定基台42の底部上に固定され、熱伝導銅板41の内側面周縁と固定基台42との間に第2シールワッシャ44が挟設され、熱伝導銅板41の内側面のフィン411(図2及び図3参照)上に液入出液仕切フィルム45を被覆し、固定基台42と熱伝導銅板41との間に液入出液仕切フィルム45が挟持され、液入出液仕切フィルム45上に溝孔451が開設され、溝孔451は、第1入液口104に正対連通する。
【0023】
第2集液槽20は、放熱金属材質で構成され、第2集液槽20内に第2集液槽20の内部を第2入液室202と、第2出液室203とに区画形成する第2分流液仕切板201が設置され、第2入液室202中に液体ポンプ室204が設置され、液体ポンプ室204上に第2入液室202に連通する第2入液口205と、第2出液室203に連通する第2出液口206とが開設され、かつ液体ポンプ室204中に液体ポンプ51が設置される。
【0024】
具体的に言えば、上記の第2集液槽20は、第2ボックス体21と、第2ボックス蓋22と、液体ポンプ蓋23とを含むように実施されることが好ましく、第2分流液仕切板201は、第2ボックス体21内に成形され、第2ボックス蓋22と第2ボックス体21とを密封固定して取付け、第2ボックス蓋22上に多数本の第2取付け溝207が開設され、一部の第2取付け溝207は、第2入液室202に連通し、他部の第2取付け溝207は、第2出液室203に連通し、液体ポンプ蓋23と第2ボックス体21とを固定して液体ポンプ室204の開口を密封被蓋し、液体ポンプ蓋23の内側に液体ポンプ51が固定され、液体ポンプ51の出力軸上に羽根車52が固定され、羽根車52は、液体ポンプ室204中に位置すると共に、液体ポンプ51に連動されて回転する。
【0025】
本実施形態において、上記の第2ボックス体21と第2ボックス蓋22とは、いずれも銅またはアルミニウム材質で構成されることが好ましく、第2ボックス蓋22は、半田付け接続を介して第2ボックス体21に密封取付けされて固定され、第2分流液仕切板201は、半田付け接続または一体成形の方式によって第2ボックス体21内に設置される。第2入液室202中に突起台211が一体成形されて凸設され、液体ポンプ室204は、一体成形設置されると共に、突起台211の裏面に位置し、突起台211上に第2入液口205が開設され、液体ポンプ蓋23の内側に凸部231が凸設され、凸部231は液体ポンプ室204と互いに合致し、凸部231が液体ポンプ室204中に嵌め込まれ、かつ凸部231の表面に凹位置208が凹設され、液体ポンプ51が凹位置208中に嵌装されて固定される。
【0026】
多数本の並列管30の両端部は、第1集液槽10と、第2集液槽20とにそれぞれ連通し、多数本の並列管30上に多数個の放熱フィン60が設置され、具体的に言えば、多数本の並列管30のうちの一部の並列管30は、第1出液室103と第2入液室202との間に連通し、他部の並列管30は、第1入液室102と第2出液室203との間に連通する。本実施形態において、多数本の並列管30の一端の対応端部がそれぞれ対応の第1取付け溝106中に密封取付けされ、多数本の並列管30の他端の対応端部がそれぞれ対応の第2取付け溝207中に密封取付けされる。かつ、多数本の並列管30は、一列に配列されて単一組の液体ラジエータに形成される。そのほか、第1集液槽10と第2集液槽20との間に2つのファン固定ブラケット70が連結され、2つのファン固定ブラケット70は、左右に設置されることにより、多数本の並列管30を2つのファン固定ブラケット70の間に位置させ、2つのファン固定ブラケット70は、放熱ファン(図示しない)を取り付けて固定するために用いられ、放熱フィン60の放熱効率を加速させるために用いられる。
【0027】
本実施形態を詳述する動作原理は、以下の通りである。
図2に示すように、本発明の液冷放熱器は、使用時に、熱伝導銅板41を発熱器具上に貼合固定し、2つのファン固定ブラケット70に放熱ファン(図示しない)が取り付けられ、発熱器具の動作時に発生した熱量は、熱伝導銅板41上に伝達され、この時、液体ポンプ51と放熱ファンとを起動すれば、熱伝導銅板41に対して吸熱・降温を行うことができる。具体的に言えば、液体ポンプ51を起動させた後、本製品内の冷却液(例えば、水など)が循環流動を始めると、温度が比較的に低い冷却液が第1入液室102から第1入液口104を経由して熱伝導銅板41内に進入し、冷却液が熱伝導銅板41上のフィン411を流過することで、熱伝導銅板41上の熱量を吸い上げ、この時、冷却液は、熱量を吸収した後、温度が上昇すると共に、第1出液口105から第1出液室103中に進入し、そして複数の通路により分岐された冷却液が、一部の並列管30から第2入液室202中に流入し、冷却液が並列管30を1回目流過するとき、一部の熱量は、放熱フィン60により吸収される一方、並列管30及び放熱フィン60上の熱量では、放熱ファンにより即時に吸い上げられる。次に、冷却液は、第2入液口205を経由して液体ポンプ室204中に進入し、液体ポンプ室204中において、加圧を経た後の冷却液は、第2出液口206を経由して第2出液室203中に進入し、複数の通路により分岐された冷却液が、他部の並列管30から第1入液室102中へと流し戻され、冷却液が並列管30を2回目流過するとき、熱量が再度吸収されることで、冷却液の温度を一段と低下させ、降温後の冷却液は、第1入液口104を経由して再度熱伝導銅板41内に進入して吸熱を行い、このように循環を繰り返し往復すると、熱伝導銅板41上の熱量を絶え間なく吸収して、発熱器具の動作を正常に保障することができ、温度が過高温になって異常が現れることを防ぐ。
【0028】
(第2実施形態)
図6から図10に示すように、本発明の液冷放熱器の第2実施形態の具体的構造を示す図であり、本実施形態の具体的構造は、前述の第1実施形態の具体的構造と基本的に同様であり、その相違点は、本実施形態において、並列管30は、前後に設置する二列に配列されて二組の液体ラジエータに形成されることで、本製品の冷却液容量を大きく増加させ、より多くの熱量を吸収することができ、より良好な放熱効果が得られ、発熱量が大きくて高パワーとなる発熱器具の使用要求によりよく応えられる点である。
【0029】
本発明は、熱伝導銅板41を第1集液槽10上に設置することにより、一体型構造として形成されることで、本発明の液冷放熱器の構造をよりコンパクト化させてより便利に使用でき、しかも第2集液槽20中に液体ポンプ51が設置されることにより、液体ポンプ51と第2集液槽20とを一体型構造に形成させ、よって多数本の並列管30における冷却液の流動速度を効率よく加速させ、放熱効率を高めると共に、それに合わせて第1集液槽10,第2集液槽20中にいずれも第1分流液仕切板101,第2分流液仕切板201が設置され、冷却液の流動行程を大幅に延長することにより、冷却液を効率よくかつ十分に降温させて放熱させることができ、本発明の液冷放熱器の全体の放熱効果を増大させることができる。
【0030】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0031】
10 第1集液槽
11 第1ボックス体
12 第1ボックス蓋
101 第1分流液仕切板
102 第1入液室
103 第1出液室
104 第1入液口
105 第1出液口
106 第1取付け溝
20 第2集液槽
21 第2ボックス体
211 突起台
22 第2ボックス蓋
23 液体ポンプ蓋
231 凸部
201 第2分流液仕切板
202 第2入液室
203 第2出液室
204 液体ポンプ室
205 第2入液口
206 第2出液口
207 第2取付け溝
208 凹位置
30 並列管
41 熱伝導銅板
411 フィン
42 固定基台
43 第1シールワッシャ
44 第2シールワッシャ
45 液入出液仕切フィルム
451 溝孔
51 液体ポンプ
52 羽根車
60 放熱フィン
70 ファン固定ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10