(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015324
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】キッチンシステム
(51)【国際特許分類】
F26B 9/00 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
F26B9/00 E
F26B9/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020118066
(22)【出願日】2020-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 淳
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA01
3L113AB02
3L113AC25
3L113AC48
3L113AC49
3L113AC66
3L113AC75
3L113BA13
3L113CB17
3L113DA20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熱に弱い材料でも乾燥可能な乾燥室を備えるキッチンシステムを提供する。
【解決手段】キッチンシステム10の乾燥室26には、全館空調の室内機38からの調和空気W1が送られ、乾燥室26内の食器28等は、調和空気W1によって乾燥される。又、キッチンシステムは、放出部を備えており、放出部によって乾燥室は、建物の屋外へ繋がっている。このため、乾燥室で湿気を吸い取った調和空気を建物の屋外へ排気できる。このため、被乾燥物が熱に弱い材料で形成されていても焦げ付くことなく乾燥できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物全体に調和空気を送る室内機と、
前記室内機へ接続され、内側に乾燥させる被乾燥物が配置されると共に前記室内機からの前記調和空気が送られる乾燥室を有するキッチン本体と、
を備えるキッチンシステム。
【請求項2】
前記室内機と前記乾燥室との間に設けられ、開状態で前記乾燥室に前記室内機からの前記調和空気を送り、閉状態では前記室内機と前記乾燥室との間を遮断して前記室内機から前記乾燥室への前記調和空気の供給を遮断する弁を備える請求項1に記載のキッチンシステム。
【請求項3】
前記乾燥室を建物の屋外へ繋げる放出部を備える請求項1又は請求項2に記載のキッチンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に開示された構成では、生ごみ処理容器の周囲にはヒータが設けられており、生ごみ処理容器の生ごみは、ヒータの熱で乾燥される。しかしながら、ヒータの熱を利用するため、熱に弱い材料は、乾燥できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、熱に弱い材料でも乾燥可能な乾燥室を備えるキッチンシステムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のキッチンシステムは、建物全体に調和空気を送る室内機と、前記室内機へ接続され、内側に乾燥させる被乾燥物が配置されると共に前記室内機からの前記調和空気が送られる乾燥室を有するキッチン本体と、を備えている。
【0006】
請求項1に記載のキッチンシステムは、キッチン本体の乾燥室に被乾燥物が配置される。この乾燥室には、室内機からの調和空気が送られ、被乾燥物は、調和空気によって乾燥される。ここで、本キッチンシステムでは、室内機からの調和空気によって乾燥室内の被乾燥物が乾燥される。このため、熱に弱い材料でも乾燥できる。
【0007】
請求項2に記載のキッチンシステムは、請求項1に記載のキッチンシステムにおいて、前記室内機と前記乾燥室との間に設けられ、開状態で前記乾燥室に前記室内機からの前記調和空気を送り、閉状態では前記室内機と前記乾燥室との間を遮断して前記室内機から前記乾燥室への前記調和空気の供給を遮断する弁を備えている。
【0008】
請求項2に記載のキッチンシステムは、弁を備えており、弁の開状態では、乾燥室に室内機からの調和空気を送り、弁の閉状態では室内機と乾燥室との間を遮断して室内機から乾燥室への調和空気の供給が車案される。
【0009】
請求項3に記載のキッチンシステムは、請求項1又は請求項2に記載のキッチンシステムにおいて、前記乾燥室を建物の屋外へ繋げる放出部を備えている。
【0010】
請求項3に記載のキッチンシステムは、放出部を備えており、放出部によって乾燥室は、建物の屋外へ繋がっている。このため、乾燥室で湿気を吸い取った調和空気を建物の屋外へ排気できる。
【発明の効果】
【0011】
以上、説明したように、請求項1に記載のキッチンシステムでは、熱に弱い材料でも乾燥室で乾燥できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施の形態に係るキッチンシステムの側面図である。
【
図2】第2の実施の形態に係るキッチンシステムの側面図である。
【
図3】第3の実施の形態に係るキッチンシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、
図1から
図3の各図を用いて本発明の各実施の形態について説明する。
【0014】
なお、以下の各図において適宜に示される矢印FRは、本キッチンシステム10の前側を示し、矢印UPは、本キッチンシステム10の上側を示す。また、以下の各実施の形態において説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と実質的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
【0015】
<第1の実施の形態の構成>
図1に示されるように、本キッチンシステム10は、天板12を備えている。天板12の下側には、各々が壁部としての左壁部14、右壁部16、後壁部18が設けられている。左壁部14及び右壁部16の前後方向中間部よりも前側には、壁部としての第1下壁部20が設けられており、左壁部14及び右壁部16の前後方向中間部よりも後側には、壁部としての第2下壁部22が設けられている。
【0016】
第1下壁部20は、第2下壁部22よりも上側に配置されている。また、左壁部14及び右壁部16の前側端部には、扉24が設けられている。扉24は、上下方向を軸方向とする軸周り方向へ回動可能とされており、扉24は、回動されることで左壁部14の前側端部と右壁部16の前側端部との間を開閉できる。この天板12、左壁部14、右壁部16、後壁部18、第1下壁部20及び第2下壁部22で囲まれた空間は、乾燥室26とされており、被乾燥物としての食器28等が配置される。
【0017】
また、本キッチンシステム10の第2下壁部22には、第1孔30が形成されている。この第1孔30の下側には、第1供給部32が配置されている。第1供給部32は、全館空調装置の室内機38に繋がっており、乾燥室26内に室内機38で生成された調和空気W1を供給できる。また、本キッチンシステム10の扉24には、ファン34が設けられている。ファン34は、作動されることで、乾燥室26に負圧を発生させる。これによって、乾燥室26内から室内36へ空気、すなわち、調和空気W1の流れを形成する。
【0018】
<第1の実施の形態の作用、効果>
本キッチンシステム10では、第2下壁部22の第1孔30及び第1供給部32を介して乾燥室26は全館空調装置の室内機38に繋がっており、室内機38で生成された調和空気W1が乾燥室26内に供給される。また、この状態でファン34が作動されることで、乾燥室26に負圧を発生させる。これによって、乾燥室26内から室内36へ空気、すなわち、調和空気W1の流れが形成される。これによって、乾燥室26内には、常に新しい調和空気W1が供給される。
【0019】
したがって、このような乾燥室26内に被乾燥物としての食器28等が配置されると、食器28等を早く乾燥させることができる。また、乾燥室26に供給されるのは、比較的低温の調和空気W1である。このため、熱に弱い材質であっても、焦げ付くことなく乾燥できる。しかも、扉24にファン34が設けられ、ファン34が作動されることで、乾燥室26に負圧が発生され、乾燥室26内から室内36へ空気、すなわち、調和空気W1の流れを形成する。したがって、乾燥室26内に空気が滞留しない。これによって、湿潤な空気が乾燥室26内に滞留することによるカビや雑菌、異臭の発生を抑制できる。
【0020】
<第2の実施の形態>
図2に示されるように、本実施の形態では、第1供給部32に代わる第2供給部42が設けられている。第2供給部42は、第1下壁部20と第2下壁部22とに跨って配置されている。第2供給部42の第1下壁部20と対向する部分は、第1下壁部20と床との間を介して室内36に繋がっている。
【0021】
また、第2供給部42は、弁44を備えている。弁44の下端が第2供給部42の左側の壁部へ当接した状態で、全ての調和空気W1を乾燥室26内へ送ることができる。これに対して、弁44の下端が第2供給部42の右側の壁部へ当接した状態で、全ての調和空気W1を第1下壁部20と床との間を介して室内36へ供給できる。
【0022】
したがって、乾燥室26に食器28等の被乾燥物が存在しない場合には、乾燥室26に調和空気W1を供給せずに、室内36へ調和空気W1を供給できる。
【0023】
<第3の実施の形態>
図3に示されるように、本実施の形態では、扉24にファン34が設けられていない。また、本実施の形態では、後壁部18は、外壁52を介して屋外54と隣接している。この外壁52には、フィン56が設けられており、左右方向にフィン56と対向するように後壁部18にはファン34が設けられている。ファン34は、作動されることで、乾燥室26に負圧を発生させる。これによって、乾燥室26内から屋外54へ空気、すなわち、調和空気W1の流れを形成する。
【0024】
すなわち、第1供給部32から乾燥室26内に供給された調和空気W1は、後壁部18のファン34から外壁52のフィン56を通って屋外54へ排出される。これによって、更に、異臭の発生を抑制でき、室内36へ異臭が流れ込むことを抑制できる。
【0025】
なお、上記の第1及び第2の実施の形態では、ファン34を扉24に設け、第3の実施の形態では、ファン34を後壁部18に設けた構成であった。しかしながら、ファン34の設置個所は、第1下壁部20、左壁部14、右壁部16等であってもよく、上記の扉24や後壁部18に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0026】
10 キッチンシステム
11 キッチン本体
26 乾燥室
28 食器(被乾燥物)
38 室内機
44 弁
54 屋外
58 ファン(放出部)