(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153265
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】空気浄化装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/014 20060101AFI20221004BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20221004BHJP
G01N 21/53 20060101ALN20221004BHJP
【FI】
A61L9/014
A61L9/16 F
G01N21/53 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022011285
(22)【出願日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】110111419
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1F, No.28, R&D 2nd Road, Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫皓然
(72)【発明者】
【氏名】呉錦銓
(72)【発明者】
【氏名】林景松
(72)【発明者】
【氏名】韓永隆
(72)【発明者】
【氏名】黄啓峰
【テーマコード(参考)】
2G059
4C180
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059AA05
2G059BB01
2G059EE01
2G059EE02
2G059GG01
2G059KK01
4C180AA02
4C180AA16
4C180CC04
4C180CC11
4C180DD09
4C180EA14X
4C180EA26X
4C180HH05
4C180HH20
4C180KK01
4C180LL11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】空気浄化装置、特にガスのろ過に適用され、ガスを検知する及び活動空間内の有害ガスを浄化する機能を有する装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一つの吸気口1a及び少なくとも一つの排気口1bを有する装置本体1と、装置本体内に設けられ、少なくとも一つの活性炭素層21a及び少なくとも一つのゼオライト層21bを交互に重ねて構成される浄化フィルター材2であって、活性炭素層が吸気口から導入された空気に含まれる微小粒子状物質をろ過吸着し、ゼオライト層が自体の細孔及び疎水性の組合わせにより、吸気口から導入された空気に含まれる揮発性有機化合物を制御・吸着することで、導入された空気が排気口から排出される浄化ガスを形成する浄化フィルター材と、装置本体内に設けられ、吸気口を通過する空気のガス品質データを検知して出力するガス検知モジュールと、を含む空気浄化装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの吸気口及び少なくとも一つの排気口を有する装置本体と、
前記装置本体内に設けられ、少なくとも一つの活性炭素層及び少なくとも一つのゼオライト層を交互に重ねて構成される浄化フィルター材であって、前記活性炭素層が前記吸気口から導入された前記空気に含まれる微小粒子状物質をろ過吸着し、前記ゼオライト層が自体の細孔及び疎水性の組合わせにより、前記吸気口から導入された前記空気に含まれる揮発性有機化合物を制御・吸着することで、導入された前記空気が前記排気口から排出される浄化ガスを形成する浄化フィルター材と、
前記装置本体内に設けられ、前記吸気口を通過する空気のガス品質データを検知して出力するガス検知モジュールと、
を含むことを特徴とする、空気浄化装置。
【請求項2】
前記浄化フィルター材が、前記空気に含まれる前記微小粒子状物質及び揮発性有機化合物の吸着浄化の効率を向上させるために、前記活性炭素層及び前記複数のゼオライト層を交互に重ねて構成されることを特徴とする、請求項1に記載の空気浄化装置。
【請求項3】
前記浄化フィルター材が、前記空気に含まれる前記微小粒子状物質及び前記揮発性有機化合物の吸着浄化の効率を向上させるために、前記複数の活性炭素層及び前記ゼオライト層を交互に重ねて構成されることを特徴とする、請求項1に記載の空気浄化装置。
【請求項4】
前記浄化フィルター材が、前記空気に含まれる前記微小粒子状物質及び前記揮発性有機化合物の吸着浄化の効率を向上させるために、前記複数の活性炭素層及び前記複数のゼオライト層を重ねて構成されることを特徴とする、請求項1に記載の空気浄化装置。
【請求項5】
前記装置本体内に設けられ、かつ前記排気口に隣接しており、前記装置本体外の前記ガスを導入し、前記浄化フィルター材を介してろ過浄化して前記浄化ガスを形成するように導き、前記浄化ガスを前記排気口から排出させる、導風装置を含むことを特徴とする、請求項1に記載の空気浄化装置。
【請求項6】
前記ガス検知モジュールによって検知された前記ガス品質データが、前記導風装置を起動するか又は停止するかを知能的に判断して前記空気のろ過・浄化操作を導くように、前記導風装置に出力・提供し、また、前記ガス検知モジュールによって検知された前記ガスの前記ガス品質データが、前記空気のガス品質データ及び警告通知を表示するように外部接続装置に出力・提供することを特徴とする、請求項5に記載の空気浄化装置。
【請求項7】
前記ガス検知モジュールが、制御回路基板、ガス検知本体、マイクロプロセッサ及び通信器を含み、前記ガス検知本体、前記マイクロプロセッサ及び前記通信器が、前記制御回路基板にパッケージされ、一体的に形成され、かつ電気的に接続されており、前記マイクロプロセッサが前記ガス検知モジュールによって検知された前記ガス品質データを受信して演算処理し、前記導風装置の起動または停止操作を制御し、前記通信器が前記マイクロプロセッサによって受信された前記ガス品質データを伝送し、外部に通信して前記外部接続装置に伝送して、前記外部接続装置が前記ガス品質データを取得し、記録して警告通知することを特徴とする、請求項6に記載の空気浄化装置。
【請求項8】
前記ガス検知本体が、
第一表面と、前記第一表面に対向する第二表面と、前記第一表面から前記第二表面に向かってくり抜かれて形成されたレーザ設置領域と、前記第二表面から凹んで形成され、かつ前記レーザ設置領域に隣接している吸気溝であって、前記吸気溝に吸気通口が設けられ、両側壁に光透過窓が貫通しており、前記レーザ設置領域に連通している吸気溝と、前記第二表面から凹んで形成され、前記吸気溝に連通し、かつ底面に通気穴が貫通しており、四隅にそれぞれ位置決め突起を有する導気部品搭載領域と、前記第一表面から前記導気部品搭載領域の底面における凹みに対応し、前記第一表面が前記導気部品搭載領域に対応していない領域に、前記第一表面から前記第二表面に向かってくり抜かれて形成され、前記通気穴に連通し、排気通口が設けられた排気溝と、を有する基座と、
前記導気部品搭載領域に収容された圧電アクチュエータと、
前記基座の前記第二表面にカバーし密着した駆動回路基板と、
前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、前記レーザ設置領域に対応して収容され、かつ放射されたビーム経路が前記光透過窓を通過し、前記吸気溝と直交する方向を成すレーザ部品と、
前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、前記吸気溝と前記レーザ部品によって放射された前記ビーム経路との直交方向位置に対応して収容され、前記吸気溝を通過し、かつ前記レーザ部品によって放射されたビームの照射を受けた前記空気に含まれる微粒子を検知するための微粒子センサーと、
前記基座の前記第一表面に覆い、かつ側板を有する外蓋であって、前記側板の前記基座の前記吸気通口及び前記排気通口に対応する位置に、それぞれ吸気枠口及び排気枠口が設けられ、前記吸気枠口が前記基座の前記吸気通口に対応し、前記排気枠口が前記基座の前記排気通口に対応する外蓋と、
を含み、
前記外蓋が前記基座の前記第一表面を覆い、前記駆動回路基板が前記第二表面をカバーして、前記吸気溝によって吸気経路を定義し、前記排気溝によって排気経路を定義することで、前記圧電アクチュエータが、前記基座の前記吸気通口の外部の前記浄化ガスが前記吸気枠口から前記吸気溝によって定義された前記吸気経路に入るように快速に導き、前記微粒子センサーを通って前記空気に含まれる微粒子の微粒子濃度を検知し、かつ前記空気が前記圧電アクチュエータにより導送され、前記通気穴から前記排気溝によって定義された前記排気経路に排出され、最後に前記基座の前記排気通口乃至前記排気枠口から排出されることを特徴とする、請求項7に記載の空気浄化装置。
【請求項9】
前記微粒子センサーがPM2.5センサーであり、さらに、前記駆動回路基板に位置決め設置され、かつ前記駆動回路基板に電気的に接続され、前記排気溝に収容され、前記排気経路によって導出された前記空気に含まれる揮発性有機化合物を検知するための揮発性有機化合物センサーを含むことを特徴とする、請求項8に記載の空気浄化装置。
【請求項10】
前記圧電アクチュエータが、
サスペンションプレート及び中空穴を有し、前記サスペンションプレートが曲げ振動することができ、前記中空穴が前記サスペンションプレートの中心位置に形成されているガスオリフィスプレートと、
前記サスペンションプレートに重ねて設置されたチャンバ筐体と、
前記チャンバ筐体に重ねて設置され、圧電キャリア板、共振調整板及び圧電板を含むアクチュエータであって、前記圧電キャリア板が前記チャンバ筐体に重ねて設置され、前記共振調整板が前記圧電キャリア板に重ねて設置され、及び前記圧電板が前記共振調整板に重ねて設置されて、電圧を受けて前記圧電キャリア板及び前記共振調整板を駆動して往復曲げ振動を発生させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに重ねて設置された絶縁筐体と、
前記絶縁筐体に重ねて設置された導電筐体と、
を含み、
前記ガスオリフィスプレートが前記導気部品搭載領域の前記位置決め突起に固設されて位置決め支持されて、前記ガスオリフィスプレートの外部を取り囲む、前記空気が流通するための空隙を定義し、かつ前記ガスオリフィスプレートと前記導気部品搭載領域の底部との間に気流チャンバが形成され、前記アクチュエータ、前記チャンバ筐体及び前記サスペンションプレートの間に共振チャンバが形成され、前記アクチュエータを駆動して前記ガスオリフィスプレートを共振させて、前記ガスオリフィスプレートの前記サスペンションプレートを往復振動変位させることで、前記空気を吸引して前記空隙を通って前記気流チャンバに入ってから排出し、前記空気の輸送流動を実現することを特徴とする、請求項8に記載の空気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化装置、特にガスのろ過に適用され、ガスを検知する及び活動空間内の有害ガスを浄化する機能を有する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代人は生活の周りのガスの品質をますます重視しており、浮遊粒子(particulate matter、PM)、例えばPM1、PM2.5、PM10、二酸化炭素、総揮発性有機化合物(Total Volatile Organic Compound、TVOC)、カルボアルデヒドなどのガスは、いずれも環境中に暴露され、人体の健康に影響を与え、深刻な場合は生命に危害を及ぼす。活動空間内のガス品質がますます重視されているため、浄化ガスの品質を提供して活動空間内で呼吸する有害ガスを低減することができる空気浄化装置は、いつでもどこでも活動空間内のガスをリアルタイムでろ過することができ、活動空間内のガス品質が悪い場合は、活動空間内のガスをリアルタイムで浄化する。浄化ガスの効率をどのように高めるかが、本発明の研究開発の主要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は空気浄化装置を提供し、空気浄化装置内部の浄化フィルター材により、ガスにおける微小粒子状物質(例えば浮遊粒子、PM2.5)及び揮発性有機化合物(例えばVOCS)をろ過することで、ろ過された空気は浄化ガスを形成する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の主な目的は、少なくとも一つの吸気口及び少なくとも一つの排気口を有する装置本体と、装置本体内に設けられ、少なくとも一つの活性炭素層及び少なくとも一つのゼオライト層を交互に重ねて構成される浄化フィルター材であって、活性炭素層が吸気口から導入された空気に含まれる微小粒子状物質をろ過吸着し、ゼオライト層が自体の細孔及び疎水性の組合わせにより、吸気口から導入された空気に含まれる揮発性有機化合物を制御・吸着することで、導入された空気が排気口から排出される浄化ガスを形成する浄化フィルター材と、装置本体内に設けられ、吸気口を通過する空気のガス品質データを検知して出力するガス検知モジュールと、を含む空気浄化装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の空気浄化装置の断面構造模式図である。
【
図2】本発明のガス検知モジュールの電気的接続関係を示す模式図である。
【
図3】本発明のガス検知モジュールの立体組立模式図(一)である。
【
図4A】本発明のガス検知本体の立体組立模式図(二)である。
【
図4B】本発明のガス検知本体の立体組立模式図(三)である。
【
図4C】本発明のガス検知本体の立体分解模式図である。
【
図7A】本発明の分解された圧電アクチュエータと基座の立体模式図である。
【
図7B】本発明の組み立てられた圧電アクチュエータと基座の立体模式図である。
【
図8A】本発明の圧電アクチュエータの立体分解模式図(一)である。
【
図8B】本発明の圧電アクチュエータの立体分解模式図(二)である。
【
図9A】本発明の圧電アクチュエータの断面動作模式図(一)である。
【
図9B】本発明の圧電アクチュエータの断面動作模式図(二)である。
【
図9C】本発明の圧電アクチュエータの断面動作模式図(三)である。
【
図10A】本発明のガス検知本体の組立断面図(一)である。
【
図10B】本発明のガス検知本体の組立断面図(二)である。
【
図10C】本発明のガス検知本体の組立断面図(三)である。
【
図11】本発明のガス検知本体のレーザ部品の放射ビーム経路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特徴と利点を示す実施形態について、後述の説明において記述する。本発明は異なる態様において様々な変化を有することができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に例示するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
【0007】
図1と
図2を参照し、本発明は、ガスをろ過するために用いられ、装置本体1、浄化フィルター材2、ガス検知モジュール3及び導風装置4を含む空気浄化装置を提供する。
【0008】
上記装置本体1は吸気口1a及び少なくとも一つの排気口1bを有する。
【0009】
上記浄化フィルター材2は、装置本体1内に設けられ、少なくとも一つの活性炭素層21a及び少なくとも一つのゼオライト層21bからなり、活性炭素層21aが吸気口1aから導入された空気に含まれる微小粒子状物質(例えば浮遊粒子、PM2.5)をろ過吸着し、ゼオライト層21bが自体の細孔及び疎水性の組合わせにより、吸気口1aから導入された空気に含まれる揮発性有機化合物(例えばVOCS)を制御・吸着することで、導入された空気は浄化ガスを形成する。
【0010】
本実施形態では、浄化フィルター材2は、空気に含まれる微小粒子状物質(浮遊粒子、PM2.5)及び揮発性有機化合物(VOCs)の吸着浄化の効率を向上させるために、活性炭素層21a及び複数のゼオライト層21bを重ねて構成されてもよい。または、浄化フィルター材2は、空気に含まれる微小粒子状物質(浮遊粒子、PM2.5)及び揮発性有機化合物(VOCs)の吸着浄化の効率を向上させるために、複数の活性炭素層21a及びゼオライト層21bを重ねて構成されてもよい。または、浄化フィルター材2は、空気に含まれる微小粒子状物質(浮遊粒子、PM2.5)及び揮発性有機化合物(VOCs)の吸着浄化の効率を向上させるために、複数の活性炭素層21a及び複数のゼオライト層21bを重ねて構成されてもよい。
【0011】
上記導風装置4は、装置本体1内に設けられかつ排気口1bに隣接しており、装置本体1外のガスを導入し、浄化フィルター材2を介してろ過浄化して浄化ガスを形成するように導き、浄化ガスを排気口1bから排出させる。
【0012】
上記ガス検知モジュール3は、装置本体1内に設けられかつ吸気口1aに隣接しており、ガスデータを検知して、導風装置4を起動するか又は停止するかを知能的に判断して空気のろ過・浄化操作を導くように導風装置4に出力・提供する。
【0013】
また、
図2及び
図3に示すように、上記ガス検知モジュール3は、制御回路基板300、ガス検知本体301、マイクロプロセッサ302及び通信器303を含む。ガス検知本体301、マイクロプロセッサ302及び通信器303は制御回路基板300にパッケージされ、一体的に形成されかつ互いに電気的に接続されている。マイクロプロセッサ302及び通信器303は制御回路基板300に設置され、かつマイクロプロセッサ302はガス検知本体301の検知動作を制御し、ガス検知本体301は大気汚染を検知して検知信号を出力し、マイクロプロセッサ302は検知信号を受信して演算処理出力し、通信器303に提供して外部に通信して外部接続装置5に伝送する。
【0014】
さらに説明すると、
図4A~
図9Aを参照し、上記ガス検知本体301は、基座321、圧電アクチュエータ322、駆動回路基板323、レーザ部品324、微粒子センサー325、外蓋326及びガスセンサー327を含む。基座321は、第一表面3211、第二表面3212、レーザ設置領域3213、吸気溝3214、導気部品搭載領域3215及び排気溝3216を有する。第一表面3211と第二表面3212は、対向設置された二つの面である。レーザ設置領域3213は、第一表面3211から第二表面3212に向かってくり抜かれて形成されている。さらに、外蓋326は基座321を覆い、吸気枠口3261aと排気枠口3261bを備える側板3261を有する。吸気溝3214は、第二表面3212から凹んで形成され、かつレーザ設置領域3213に隣接している。吸気溝3214に、基座321の外部に連通し、外蓋326の排気通口3216aと対応する吸気通口3214aが設けられ、吸気溝3214の両側壁は、貫通する光透過窓3214bを有し、レーザ設置領域3213に連通している。そこで、基座321の第一表面3211が外蓋326でカバーされ、第二表面3212が駆動回路基板323でカバーされることで、吸気溝3214によって吸気経路を定義する。
【0015】
導気部品搭載領域3215は、第二表面3212から凹んで形成され、吸気溝3214に連通し、かつ底面に通気穴3215aが貫通しており、導気部品搭載領域3215の四隅には、それぞれ位置決め突起3215bを有する。上記排気溝3216に、外蓋326の排気枠口3261bに対応して設置された排気通口3216aが設けられている。排気溝3216は、第一表面3211の導気部品搭載領域3215への垂直投影領域に凹んで形成された第一区間3216bと、導気部品搭載領域3215の垂直投影領域から延びた領域に第一表面3211から第二表面3212に向かってくり抜かれて形成された第二区間3216cとを含み、第一区間3216bは、段差を形成するように第二区間3216cに接続され、かつ排気溝3216の第一区間3216bは、導気部品搭載領域3215の通気穴3215aに連通し、排気溝3216の第二区間3216cは、排気通口3216aに連通している。そこで、基座321の第一表面3211が外蓋326でカバーされ、第二表面3212が駆動回路基板323でカバーされる時、排気溝3216と駆動回路基板323ともによって排気経路を定義する。
【0016】
また、上記レーザ部品324及び微粒子センサー325は、いずれも駆動回路基板323に設置され、かつ基座321内に位置しており、レーザ部品324及び微粒子センサー325と基座321の位置を明確に説明するために、駆動回路基板323を意図的に省略する。レーザ部品324は基座321のレーザ設置領域3213内に収容され、微粒子センサー325は基座321の吸気溝3214内に収容され、レーザ部品324と位置合わせされている。なお、レーザ部品324が、レーザ部品324によって放射されたレーザ光が通過するための光透過窓3214bに対応することで、レーザ光を吸気溝3214に照射する。レーザ部品324によって発したビーム経路は、光透過窓3214bを通過しかつ吸気溝3214と直交する方向を成す。レーザ部品324によって放射されたビームは、光透過窓3214bを通って吸気溝3214内に入り、吸気溝3214内のガスが照射され、ビームがガス内の浮遊微粒子に接触する時、散乱して投射スポットを生成し、微粒子センサー325がその直交方向位置に位置し、散乱による投射スポットを受信して計算を行うことで、ガスの検知データを取得する。さらに、ガスセンサー327は、駆動回路基板323に位置決め設置されて電気的に接続され、かつ排気溝3216に収容されており、これによって、排気溝3216に導入された大気汚染を検知する。本発明の好ましい実施形態では、ガスセンサー327は、二酸化炭素または総揮発性有機化合物のガス情報を検知する揮発性有機化合物センサーであり、またはカルボアルデヒドのガス情報を検知するカルボアルデヒドセンサーであり、または細菌、真菌の情報を検知する細菌センサーであり、またはウイルスのガス情報を検知するウイルスセンサーである。
【0017】
上記圧電アクチュエータ32は、基座321の正方形の導気部品搭載領域3215に収容されている。なお、導気部品搭載領域3215は、吸気溝3214に連通し、圧電アクチュエータ32が作動すると、吸気溝3214内のガスを圧電アクチュエータ32に吸い込み、ガスが導気部品搭載領域3215の通気穴3215aを通って、排気溝3216に入る。上記駆動回路基板323は基座321の第二表面3212をカバーしている。レーザ部品324は駆動回路基板323に設置されかつ電気的に接続されている。微粒子センサー325も、駆動回路基板323に設置されかつ電気的に接続されている。外蓋326が基座321を覆う時、排気通口3216aは基座321の吸気通口3214aに対応し、排気枠口3261bは基座321の排気通口3216aに対応している。
【0018】
上記圧電アクチュエータ32は、ガスオリフィスプレート3221、チャンバ筐体3222、アクチュエータ3223、絶縁筐体3224及び導電筐体3225を含む。ガスオリフィスプレート3221は可撓性材質であり、サスペンションプレート3221a、中空穴3221bを有し、サスペンションプレート3221aは曲げ振動するシート状構造であり、その形状と寸法は、導気部品搭載領域3215の内縁に対応しており、中空穴3221bは、ガスが流通するようにサスペンションプレート3221aの中心を貫通している。本発明の好ましい実施形態では、サスペンションプレート3221aの形状は、方形、円形、楕円形、三角形及び多角形のいずれかであってもよい。
【0019】
上記チャンバ筐体3222はガスオリフィスプレート3221に重ねられ、かつその外観はガスオリフィスプレート3221に対応している。アクチュエータ3223はチャンバ筐体3222に重ねられ、チャンバ筐体3222、サスペンションプレート3221aとの間に共振チャンバ3226を定義している。絶縁筐体3224はアクチュエータ3223に重ねられ、その外観はチャンバ筐体3222に近似している。導電筐体3225は絶縁筐体3224に重ねられ、その外観は絶縁筐体3224に近似しており、かつ導電筐体3225は導電ピン3225a及び導電電極3225bを有し、かつ導電ピン3225aは導電筐体3225の外縁から外向きに延在し、導電電極3225bは導電筐体3225の内縁から内向きに延在する。
【0020】
なお、アクチュエータ3223は、圧電キャリア板3223a、共振調整板3223b及び圧電板3223cをさらに含む。圧電キャリア板3223aはチャンバ筐体3222に重ねられている。共振調整板3223bは圧電キャリア板3223aに重ねられている。圧電板3223cは共振調整板3223bに重ねられている。共振調整板3223b及び圧電板3223cは、絶縁筐体3224内に収容されている。導電筐体3225の導電電極3225bによって圧電板3223cに電気に接続されている。本発明の好ましい実施形態では、圧電キャリア板3223aと共振調整板3223bは、いずれも導電材料である。圧電キャリア板3223aは圧電ピン3223dを有し、かつ圧電ピン3223dと導電ピン3225aは、駆動回路基板323における駆動回路(図示せず)に接続されて、駆動信号(駆動周波数及び駆動電圧であってもよい)を受信し、駆動信号は、圧電ピン3223d、圧電キャリア板3223a、共振調整板3223b、圧電板3223c、導電電極3225b、導電筐体3225及び導電ピン3225aによってループを形成することができ、絶縁筐体3224によって導電筐体3225とアクチュエータ3223を遮断し、短絡現象を防止して、駆動信号を圧電板3223cに送信することができる。圧電板3223cは、駆動信号を受信した後、圧電効果によって変形し、さらに圧電キャリア板3223a及び共振調整板3223bを駆動して往復曲げ振動を発生させる。
【0021】
共振調整板3223bは、両者の間の緩衝材として圧電板3223cと圧電キャリア板3223aとの間に位置し、圧電キャリア板3223aの振動周波数を調整することができる。基本的には、共振調整板3223bの厚さは圧電キャリア板3223aよりも大きく、共振調整板3223bの厚さを変えることにより、アクチュエータ3223の振動周波数を調整する。ガスオリフィスプレート3221、チャンバ筐体3222、アクチュエータ3223、絶縁筐体3224及び導電筐体3225は、導気部品搭載領域3215内に順次積み重ね設置されかつ位置決めされ、これによって、圧電アクチュエータ32は導気部品搭載領域3215内に位置決めされ、圧電アクチュエータ32は、サスペンションプレート3221aと導気部品搭載領域3215の内縁との間に、ガスが流通するための空隙3221cを定義する。
【0022】
上記ガスオリフィスプレート3221と導気部品搭載領域3215の底面との間に、気流チャンバ3227が形成されている。気流チャンバ3227は、ガスオリフィスプレート3221の中空穴3221bを介して、アクチュエータ3223、ガスオリフィスプレート3221及びサスペンションプレート3221aの間の共振チャンバ3226に連通し、共振チャンバ3226におけるガスの振動周波数を、サスペンションプレート3221aの振動周波数と同じようにすることにより、共振チャンバ3226とサスペンションプレート3221aは、ヘルムホルツ共鳴効果(Helmholtz resonance)を生じ、ガスの輸送効率を高める。圧電板3223cが導気部品搭載領域3215の底面から離れる方向へ移動する時、圧電板3223cがガスオリフィスプレート3221のサスペンションプレート3221aを導気部品搭載領域3215の底面から離れる方向へ移動させることで、気流チャンバ3227の容積が急激に拡大し、内部圧力が低下して負圧を発生し、圧電アクチュエータ32外部のガスが吸引されて空隙3221cから流入し、中空穴3221bを経て共振チャンバ3226に入り、共振チャンバ3226内の気圧を増加させて、圧力勾配を発生させる。圧電板3223cがガスオリフィスプレート3221のサスペンションプレート3221aを導気部品搭載領域3215の底面へ移動させる時、共振チャンバ3226におけるガスは、中空穴3221bを経て快速に流出し、気流チャンバ3227内のガスを絞り出し、合流したガスをベルヌーイの定理に近い理想的なガス状態で快速かつ大量に噴出させて、導気部品搭載領域3215の通気穴3215aに導入する。
【0023】
図9Bと
図9Cに示す動作を繰り返すことにより、圧電板3223cは往復振動し、慣性原理によれば、排気後の共振チャンバ3226の内部気圧が平衡気圧よりも低くなると、ガスを再び共振チャンバ3226に入るように導き、このように、共振チャンバ3226におけるガスの振動周波数を、圧電板3223cの振動周波数と同じように制御することで、ヘルムホルツ共鳴効果を生じさせ、高速かつ大量なガス輸送を実現する。
【0024】
さらに、
図10Aから
図10C及び
図11を参照し、ガスはすべて、外蓋326の吸気枠口3261aから入り、吸気通口3214aを通って基座321の吸気溝3214に入り、微粒子センサー325の位置に流れる。また、圧電アクチュエータ32による連続的な駆動によって吸気経路のガスを吸収することで、外部のガスは快速に導入されかつ安定流通し、微粒子センサー325の上方を通過し、このとき、レーザ部品324によって放射されたビームは、光透過窓3214bを通って吸気溝3214に入り、吸気溝3214が微粒子センサー325の上方を通過し、微粒子センサー325のビームがガス中の浮遊微粒子に照射する時、散乱現象及び投射スポットが発生し、微粒子センサー325は散乱による投射スポットを受信して計算を行い、これによって、ガスに含まれる浮遊微粒子の粒子径及び濃度などの関連情報を取得し、かつ微粒子センサー325上方のガスも、圧電アクチュエータ32による連続的な駆動によって導気部品搭載領域3215の通気穴3215aに導入され、排気溝3216に入る。最後に、ガスが排気溝3216に入った後、圧電アクチュエータ32がガスを排気溝3216に輸送し続けるため、排気溝3216内のガスは押し出され、排気通口3216a及び排気枠口3261bを通って外部に排出される。
【0025】
上記のように、本発明に提供される空気浄化装置は、空気浄化装置の装置本体1の内部にガス検知モジュール3が設けられ、ガス検知モジュール3の微粒子センサー325によりガスにおける有害ガスが検知されと、導風装置4を起動することで、導風装置4は、空気が装置本体1の内部に導入されるように知能的に導き、浄化フィルター材2における活性炭素層21aとゼオライト層21bにより、ガスにおける浮遊粒子(particulate matter、PM2.5)及び揮発性有機化合物(例えばVOCS)をろ過して、導入された空気が浄化ガスを形成することで、浄化ガスを提供して活動空間内で呼吸する有害ガスを低減する。これによって、本発明は、装置本体1内部の浄化フィルター材2における活性炭素層21aとゼオライト層21bを、導風装置4と組み合わせて利用して、活動空間における浄化ガスの効率を向上させる。これによって、本発明は、当業者なら様々な修正を加えることができるが、特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0026】
1... 装置本体
1a... 吸気口
1b... 排気口
2... 浄化フィルター材
21a... 活性炭素層
21b... ゼオライト層
3... ガス検知モジュール
300... 制御回路基板
301... ガス検知本体
302... マイクロプロセッサ
303... 通信器
321... 基座
3211... 第一表面
3212... 第二表面
3213... レーザ設置領域
3214... 吸気溝
3214a... 吸気通口
3214b... 光透過窓
3215... 導気部品搭載領域
3215a... 通気穴
3215b... 位置決め突起
3216... 排気溝
3216a... 排気通口
3216b... 第一区間
3216c... 第二区間
3221... ガスオリフィスプレート
3221a... サスペンションプレート
3221b... 中空穴
3221c... 空隙
3222... チャンバ筐体
3223... アクチュエータ
3223a... 圧電キャリア板
3223b... 共振調整板
3223c... 圧電板
3223d... 圧電ピン
3224... 絶縁筐体
3225... 導電筐体
3225a... 導電ピン
3225b... 導電電極
3226... 共振チャンバ
3227... 気流チャンバ
322... 圧電アクチュエータ
323... 駆動回路基板
324... レーザ部品
325... 微粒子センサー
326... 外蓋
3261... 側板
3261a... 吸気枠口
3261b... 排気枠口
327... ガスセンサー
4... 導風装置
5... 外部接続装置
【外国語明細書】