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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153303
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ケーブル拘束方法および二重ホース
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/06 20060101AFI20221004BHJP
   H02G 9/00 20060101ALI20221004BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20221004BHJP
   F16L 3/26 20060101ALI20221004BHJP
   F16L 11/20 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H02G9/06
H02G9/00
H02G1/06
F16L3/26
F16L11/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044351
(22)【出願日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】P 2021055967
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593027716
【氏名又は名称】株式会社エステック
(71)【出願人】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】重岡 匠
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】岡 滋晃
(72)【発明者】
【氏名】吉本 正浩
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 公裕
(72)【発明者】
【氏名】辻 浩
(72)【発明者】
【氏名】椙島 正樹
(72)【発明者】
【氏名】井出 勇人
(72)【発明者】
【氏名】倉田 正博
(72)【発明者】
【氏名】石田 裕規
(72)【発明者】
【氏名】山邊 俊宏
【テーマコード(参考)】
3H023
3H111
5G352
5G369
【Fターム(参考)】
3H023AA04
3H023AB07
3H023AC41
3H023AC71
3H023AD54
3H111AA02
3H111BA15
3H111CA16
3H111CB03
3H111CB15
3H111CB21
3H111DA26
3H111DB23
5G352CG01
5G352CG02
5G369AA10
5G369AA13
5G369BA04
5G369BA06
5G369EA01
(57)【要約】
【課題】ケーブルを拘束するための十分なスペースを確保できない狭いマンホールにも適用可能であり、ケーブルに対して十分な拘束力を得ることができるケーブル拘束方法および二重ホースを提供する。
【解決手段】本発明にかかるケーブル拘束方法は、外側ホース128の後端132に内側ホース130の前端134を連結した二重ホース116を用いて、外側ホースの前端142をホース反転装置114の射出口124に気密に接続し、ホース反転装置を用いて外側ホースに圧力流体を導入して、外側ホースを管路100とケーブル104との間に反転させながら進行させ、外側ホースの前端とホース反転装置の射出口との接続を解除して、外側ホースの前端を開放して、内側ホースの後端138を露出させ、内側ホースの後端から中詰め材を注入して膨張させてケーブルを拘束することを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側ホースの後端に内側ホースの前端を連結した二重ホースを用いて、
前記外側ホースの前端をホース反転装置の射出口に気密に接続し、
前記ホース反転装置を用いて前記外側ホースに圧力流体を導入して、該外側ホースを管路とケーブルとの間に反転させながら進行させ、
前記外側ホースの前端と前記ホース反転装置の射出口との接続を解除して、該外側ホースの前端を開放して、前記内側ホースの後端を露出させ、
前記内側ホースの後端から中詰め材を注入して膨張させて前記ケーブルを拘束することを特徴とするケーブル拘束方法。
【請求項2】
前記外側ホースまたは前記内側ホースのいずれか一方または両方は、繊維と樹脂を設けた耐圧ホースであって、
前記外側ホースが反転した状態で前記内側ホースを膨張させるときに、その外側に繊維層が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル拘束方法。
【請求項3】
前記内側ホースに注入する前記中詰め材は、カーボンフィラー入りのシリコンオイルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブル拘束方法。
【請求項4】
外側ホースの後端に内側ホースの前端を連結した二重ホースであって、
前記外側ホースは、反転して前記内側ホースと重なり、
前記内側ホースは、反転後の前記外側ホースと重なると膨張可能となり、
反転前の前記外側ホースの内側および前記内側ホースの外側には、防滑層または高摩擦層が配置されていて、
反転前の前記外側ホースの外側および前記内側ホースの内側には、樹脂層が配置されていることを特徴とする二重ホース。
【請求項5】
前記内側ホースは、
内側に樹脂層が配置され、
外側に繊維層が配置されていて、
前記内側ホースの少なくとも後端は、
前記樹脂層と前記繊維層とが別体であって、
前記樹脂層が線状に溶着された溶着線が形成されていると共に、
前記溶着線において前記樹脂層および前記繊維層をまとめて縫合されていることを特徴とする請求項4に記載の二重ホース。
【請求項6】
前記内側ホースの後端面開口の略中央に中詰め材注入用の開口筒が形成されていて、
前記開口筒の両脇の前記溶着線は、前記開口筒に向かって斜めに傾斜していることを特徴とする請求項5に記載の二重ホース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路内に敷設されたケーブルを、二重ホースを用いて拘束するケーブル拘束方法および二重ホースに関する。
【背景技術】
【0002】
2つのマンホール間には、例えば数100mの長距離にわたって管路が設置されている。また管路の内部には、地中送電ケーブルなどのケーブルが敷設されている。このような管路が車道直下に埋設されていると、道路上を走行する車両によって管路が振動することにより、管路内に敷設されたケーブルが移動するいわゆる波乗り現象が生じる場合がある。
【0003】
この波乗り現象によりケーブルが移動すると、ケーブルに張力が発生し、マンホール内のスペースに設置されたケーブルジョイント部などの設備に影響を与えるため、波乗り現象に対する対策が必要となる。
【0004】
この対策として、ケーブルの端部をクリート(金具)で固定することが考えられる。例えば特許文献1には、管路に敷設された複数のケーブルを3つの把持金物を用いて拘束するケーブル拘束装置が開示されている。
【0005】
このケーブル拘束装置は、第1の把持金物、第2の把持金物および第3の把持金物を備える。第1の把持金物は、管路に敷設された複数のケーブルを2分するように管路口の近傍のケーブル間に配設される。第2の把持金物は、第1の把持金物によって分断された一方のケーブル群を第1の把持金物に固定する。第3の把持金物は、第1の把持金物によって分断された他方のケーブル群を第1の把持金物に固定する。
【0006】
すなわち、このケーブル拘束装置では、複数のケーブルのうち一方のケーブル群を第1の把持金物と第2の把持金物で把持し、他方のケーブル群を第1の把持金物と第3の把持金物で把持する。このため特許文献1では、ケーブルに対する高い拘束力が得られるとともに装置の小型化が可能になる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-125148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし特許文献1のケーブル拘束装置では、マンホール内に3つの把持金物すなわちクリートを設置するためのスペースが必要になってしまう。このため、クリートを設置するスペースを確保できない狭い既設マンホールでは、このケーブル拘束装置を適用できず、ケーブルの波乗り現象に対する対策を実施することができない。また、これから建設する新設マンホールにおいても、ガス管や水道管など周辺の埋設設備などの関係から充分なスペースが確保できるとは限らず、必要なスペースは小さいことが好ましい。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み、ケーブルを拘束するための十分なスペースを確保できない狭いマンホールにも適用可能であり、ケーブルに対して十分な拘束力を得ることができるケーブル拘束方法および二重ホースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかるケーブル拘束方法の代表的な構成は、外側ホースの後端に内側ホースの前端を連結した二重ホースを用いて、外側ホースの前端をホース反転装置の射出口に気密に接続し、ホース反転装置を用いて外側ホースに圧力流体を導入して、外側ホースを管路とケーブルとの間に反転させながら進行させ、外側ホースの前端とホース反転装置の射出口との接続を解除して、外側ホースの前端を開放して、内側ホースの後端を露出させ、内側ホースの後端から中詰め材を注入して膨張させてケーブルを拘束することを特徴とする。
【0011】
上記構成では、ホース反転装置と二重ホースを用いた反転工法により、まず、二重ホースのうち外側ホースに圧力流体を導入して、外側ホースを管路とケーブルとの間に反転させながら進行させる。このため、例えば内圧を与えた加圧ゴム袋などのバルーンを管路内に押し込んで挿入する手法に比べて、外側ホースの後端に連結された内側ホースを管路のより奥まで挿入できる。つまり上記構成では、従来では考えられないほどの長い内側ホースを管路とケーブルの間に挿入することができる。
【0012】
つぎに上記構成では、外側ホースの前端を開放して、管路とケーブルの間に長く挿入された内側ホースの後端から中詰め材を注入して加圧して、内側ホースを膨張させてケーブルを拘束するため、マンホール内にケーブルを拘束するためのクリートなどを設置するスペースを確保することなく、ケーブルに対して十分な拘束力を得ることができるので、狭いマンホールにも適用することができ、また、マンホールのスペースを縮小してコスト削減を図ることができる。
【0013】
上記の外側ホースまたは内側ホースのいずれか一方または両方は、繊維と樹脂を設けた耐圧ホースであって、外側ホースが反転した状態で内側ホースを膨張させるときに、その外側に繊維層が配置されているとよい。
【0014】
これにより、反転後の外側ホースは、外側に繊維層が配置され、内側に樹脂層が配置された状態となる。また膨張した内側ホースの外側には繊維層が配置されている。ここで繊維層とは、凹凸を有する面である。また樹脂層は、繊維層に比べてやわらかい面である。
【0015】
まず、反転後の外側ホースから見れば、例えば三相交流の3本のケーブルが螺旋状によられた電力ケーブルのねじれの凹凸に、反転後の外側ホースの外側に配置された繊維層の凹凸が食い込むため、摩擦抵抗を大幅に増大させることができる。つぎに、膨張した内側ホースから見れば、膨張した内側ホースの外側に配置された繊維層の凹凸が、反転後の外側ホースの内側に配置されたやわらかい樹脂層に食い込むため、やはり摩擦抵抗を飛躍的に増大させることができる。したがって上記構成によれば、ケーブルに対して十分な拘束力を確実に得ることができる。
【0016】
内側ホースに注入する中詰め材は、カーボンフィラー入りのシリコンオイルであることが好ましい。これにより、高い放熱性と内圧維持性を得ることができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明にかかる二重ホースの代表的な構成は、外側ホースの後端に内側ホースの前端を連結した二重ホースであって、外側ホースは、反転して内側ホースと重なり、内側ホースは、反転後の外側ホースと重なると膨張可能となり、反転前の外側ホースの内側および内側ホースの外側には、防滑層または高摩擦層が配置されていて、反転前の外側ホースの外側および内側ホースの内側には、樹脂層が配置されていることを特徴とする。
【0018】
上記構成の二重ホースでは、反転した外側ホースと膨張した内側ホースとが重なった状態となる。このため、この二重ホースと反転装置を用いた反転工法により、管路とケーブルの間に外側ホースを反転させながら進行させると、内側ホースは膨張可能となり、反転した外側ホースと膨張した内側ホースとが重なった状態で、管路とケーブルの間で膨張することになり、ケーブルを拘束することができる。
【0019】
また二重ホースでは、反転した外側ホースと膨張した内側ホースとが重なった状態で管路とケーブルの間で膨張した場合、ケーブルに、反転後の外側ホースの外側に配置された防滑層または高摩擦層が接触するため、摩擦抵抗を大きくして滑り難くしてケーブルを効果的に拘束することができる。また、膨張した内側ホースの内側に配置された樹脂層が気密性を有するため、反転後の外側ホースに膨張圧を与え続けることができる。
【0020】
内側ホースは、内側に樹脂層が配置され、外側に繊維層が配置されていて、内側ホースの少なくとも後端は、樹脂層と繊維層とが別体であって、樹脂層が線状に溶着された溶着線が形成されていると共に、溶着線において樹脂層および繊維層をまとめて縫合されていることが好ましい。これにより、内圧がかかって内側の樹脂層が膨張した場合にも溶着線が開裂や剥離をしにくくなるため、高圧によるケーブル拘束力を発揮することができる。
【0021】
内側ホースの後端面開口の略中央に中詰め材注入用の部材を挿入する開口筒が形成されていて、開口筒の両脇の溶着線は、開口筒に向かって斜めに傾斜していることが好ましい。これにより、溶着線が内側ホースの軸線と直交する直線であった場合と比べると、溶着線にかかる応力集中を分散し、剥離を防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ケーブルを拘束するための十分なスペースを確保できない狭いマンホールにも適用可能であり、ケーブルに対して十分な拘束力を得ることができるケーブル拘束方法および二重ホースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態におけるケーブル拘束方法を適用する管路を示す図である。
図2】本発明の実施形態におけるケーブル拘束方法を管路に適用する反転工法を説明する図である。
図3図2のケーブル拘束方法に用いられる二重ホースを説明する図である。
図4図2に後続する反転工法を説明する図である。
図5】管路内のケーブルを二重ホースによって拘束した状態を説明する図である。
図6】ケーブルに対する拘束力を確認する試験を説明する図である。
図7】中詰め材について説明する図である。
図8】二重ホースの他の例を説明する図である。
図9】内側ホースの端部の構造を説明する図である。
図10】内側ホースの構造について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態におけるケーブル拘束方法を適用する管路100を示す図である。管路100は、マンホール102と他のマンホール(不図示)の間に例えば数100mの長距離にわたって設置されている。管路100の内部には、地中送電ケーブルなどのケーブル104が敷設されている。
【0026】
このような管路100が図示のように車道106の直下に埋設されていると、トラック108などの車両が道路上を走行することで管路100が振動することにより、管路100内に敷設されたケーブル104が移動する、いわゆる波乗り現象を生じる場合がある。この波乗り現象によりケーブル104が移動すると、ケーブル104に張力が発生し、マンホール102内のスペース110に設置されたケーブルジョイント部112が図中Aに示すように変位あるいは損傷する可能性がある。
【0027】
このため、ケーブル104の波乗り現象に対する対策が必要となる。この対策として、マンホール102のスペース110にケーブル104を固定するクリート(金具)などを設置してケーブル104を拘束することが考えられる。しかし、マンホール102が、クリートを設置するスペースを確保できない狭い既設のものであったり、あるいは、これから新設されるものであったりしても、ガス管や水道管など周辺の埋設設備などの関係から充分なスペースを確保できるとは限らない。
【0028】
そこで本実施形態では、波乗り現象に対する対策として、ホース反転装置114(図2参照)と二重ホース116(図3参照)を用いた反転工法により、管路100とケーブル104の間に二重ホース116を挿入してケーブル104を拘束する、というケーブル拘束方法を採用した。
【0029】
図2は、本発明の実施形態におけるケーブル拘束方法を管路100に適用する反転工法を説明する図である。図3は、図2のケーブル拘束方法に用いられる二重ホース116を説明する図である。
【0030】
ケーブル拘束方法では、ホース反転装置114と二重ホース116を用いた反転工法を実施する。ホース反転装置114は、図2(a)に示す車両118に搭載されていて、圧力流体の例としての圧縮空気を用いて二重ホース116を反転しつつ管路100とケーブル104の間に進入させる装置である。
【0031】
ホース反転装置114は、空気導入口120から圧縮空気が導入される圧力容器122と、射出口124とを備える。圧力容器122の内部には、リール126が回転自在に設けられている。リール126には、図2(b)に示すように二重ホース116が巻き付けられている。射出口124は、圧力容器122の先端に設けられた筒状の部位である。
【0032】
二重ホース116は、図3に示すように外側ホース128と内側ホース130を有し、外側ホース128の後端132に内側ホース130の前端134を連結部136によって気密に連結している。内側ホース130の後端138は、その前端134と同様に気密に密封されている。また内側ホース130の後端138には、圧縮空気などの中詰め材を注入するための注入用のバルブ140が設けられている。バルブ140は、このように後端138に直接設けてもよいし、中詰め材を充填するための筒状体を後端138に取り付け、その筒状体の端部に設けてもよい。
【0033】
外側ホース128の前端142は、図2(b)に示すようにホース反転装置114の射出口124に気密に接続される。一例として、外側ホース128の前端142は、射出口124の内周に配置された状態で固定具144などによって気密に固定される。
【0034】
ホース反転装置114では、図2(b)に示すように外側ホース128の前端142が射出口124に気密に接続された状態で、空気導入口120から圧力容器122に圧縮空気を導入する。このため、ホース反転装置114では、圧力容器122に導入された圧縮空気による圧力を外側ホース128が受け、さらにリール126が矢印Bに示す方向に回転することにより、図2(c)に示すように外側ホース128が射出口124に向かって送り出されて、射出口124で反転する。さらに、外側ホース128は、図2(d)に示すように反転しつつ、射出口124から圧力容器122の外に射出される。
【0035】
このようにホース反転装置114は、二重ホース116のうち外側ホース128を反転させつつ、図2(a)に示すように圧力容器122の外に外側ホース128を繰り出して、マンホール102の出入口146を通ってスペース110内に進入させる。さらにホース反転装置114は、マンホール102のスペース110を通って管路100とケーブル104との間に、外側ホース128を反転させながら進行させる。
【0036】
ここで図3に示す二重ホース116は、外側ホース128が反転前の状態であり、反転前の外側ホース128の後端132に内側ホース130の前端134が連結された状態となっている。外側ホース128および内側ホース130は、例えばアラミドなどの繊維層に軟質ポリ塩化ビニルなどの樹脂を押出被覆して樹脂層を設けた耐圧ホースである。繊維層は、耐圧ホースが反転時や後述する膨張時に作用する圧縮空気による圧力に耐えられるよう、複数本の経糸と該経糸に対して螺旋状に連続して織り込まれた緯糸とからなる筒状織布が好適である。
【0037】
図3に示す反転前の外側ホース128の内側、すなわち反転後の外側ホース128の外側には、図中ハッチングを施した繊維層148が配置されている。繊維層148とは、凹凸を有する面であり、繊維層が筒状織布の場合は経糸と緯糸で構成される織り目によって凹凸状となっている。一方、反転前の外側ホース128の外側、すなわち反転後の外側ホース128の内側には、樹脂層150が配置されている。樹脂層150は、繊維層148に比べてやわらかい面である。また内側ホース130の外側には、繊維層148と同様の構成により、図中ハッチングを施した凹凸を有する繊維層152が配置されている。
【0038】
図4は、図2に後続する反転工法を説明する図である。図4(a)に示すように、管路100とケーブル104との間に外側ホース128を矢印Cに示すように反転させながら進行させ続けると(矢印D)、外側ホース128の後端132に連結部136を介して連結された内側ホース130の前端134が、射出口124から圧力容器122の外に送り出され、さらに管路100とケーブル104との間に進行する。
【0039】
そして図4(b)に示すように、管路100とケーブル104との間に矢印Dに示すように進入し続けた外側ホース128は、ついには全長にわたって反転し、図示のように内側ホース130の後端138が、射出口124から圧力容器122の外に送り出され、さらに管路100とケーブル104との間に到達する。
【0040】
このようにして、外側ホース128の後端132に連結された内側ホース130を管路100のより奥まで挿入できる。つまり、ホース反転装置114と二重ホース116を用いた反転工法によって、従来の手法である例えば内圧を与えた加圧ゴム袋などのバルーンを管路100内に押し込んで挿入する手法に比べて、長い内側ホース130を管路100とケーブル104の間に挿入できる。
【0041】
このとき、二重ホース116は、管路100とケーブル104の間で全長にわたって反転した外側ホース128と、外側ホース128によって管路100とケーブル104の間に挿入された長い内側ホース130とが重なった状態となる。この状態で二重ホース116は、反転後の外側ホース128の外側に繊維層148、内側に樹脂層150がそれぞれ配置され、内側ホース130の外側に繊維層152が配置される。
【0042】
続いて図4(c)に示すように、圧力容器122の射出口124に気密に接続された外側ホース128の前端142の付近を、例えば切断装置154によって切断処理する。このようにして、図4(c)に示すように、外側ホース128の前端142を開放して、内側ホース130の後端138を露出させ、後端138に設けられたバルブ140にアクセスできるようにする。
【0043】
そして図4(d)の矢印Eに示すように、内側ホース130の後端138のバルブ140を介して、内側ホース130の後端138から中詰め材としての圧縮空気を注入し、これによって、内側ホース130を矢印Fに示すように膨張させる。その結果、二重ホース116は、反転した外側ホース128と膨張した内側ホース130とが重なった状態で管路100とケーブル104の間で膨張することになり、ケーブル104を拘束することができる。
【0044】
したがって本実施形態のケーブル拘束方法によれば、二重ホース116を用いることで管路100とケーブル104の間に内側ホース130を管路100の奥まで長く挿入し、この内側ホース130を膨張させてケーブル104を拘束するため、マンホール102内にケーブル104を拘束するためのクリートなどを設置するスペースを確保することなく、ケーブル104に対して十分な拘束力を得られ、狭いマンホール102にも適用することができ、また、マンホール102のスペース110を縮小してコスト削減を図ることができる。
【0045】
また二重ホース116では、反転前の外側ホース128の外側に配置された樹脂層150が反転後の外側ホース128の内側になる。このため、反転後の外側ホース128の内側は、樹脂が配置された気密構造となる。したがって、二重ホース116では、中詰め材が漏れることがなく、外側ホース128の反転を連続的に続けることが可能である。
【0046】
また二重ホース116では、反転前の外側ホース128の内側に配置された繊維層148が反転後の外側ホース128の外側になる。このため、反転後の外側ホース128の外側は、凹凸を有する繊維層148が配置されることで摩擦抵抗が大きくなるため、ケーブル104の拘束力に優れていて、これにより、ケーブル104の延線方向に面接触してケーブル104を効果的に拘束することができる。
【0047】
さらに内側ホース130の内側は、樹脂が配置された気密構造となっている。このため二重ホース116では、内側ホース130の外側に配置された繊維層152が図4(d)の矢印Fのように膨張し、外側ホース128に膨張圧を与え続けることができる。なお中詰め材としては、上記の圧縮空気に限らず、例えば水、さらには水を含んで膨張し固化する樹脂であってもよい。
【0048】
図5は、管路100内のケーブル104を二重ホース116によって拘束した状態を説明する図である。ここでケーブル104は、図5(a)に示すように三相交流の3本の電線156a、156b、156cが螺旋状によられた電力ケーブルとする。このような螺旋状によられたケーブル104は、その位置によって管路100との隙間158の大きさが螺旋の波長に応じて規則的に変化する。なお図5(b)、図5(c)は、図5(a)のG-G断面、H-H断面を示している。
【0049】
一例としてケーブル104は、図5(b)のG-G断面において、電線156a、156cと管路100の間に二重ホース116が挿入される隙間158aを形成している。またケーブル104は、図5(c)のH-H断面において、電線156aと管路100の間に二重ホース116が挿入される隙間158bを形成している。そして図示のように、隙間158a、158bは、大きさも形状も異なっている。
【0050】
隙間158a、158bでは、反転後の外側ホース128から見れば、螺旋状によられたケーブル104の電線156a、156cによるねじれの凹凸(図5(b)参照)、電線156aによるねじれの凹凸(図5(c)参照)に、反転後の外側ホース128の外側に配置された繊維層148の凹凸が食い込むため、摩擦抵抗を大幅に増大させることができる。また、膨張した内側ホース130から見れば、膨張した内側ホース130の外側に配置された繊維層152の凹凸が、反転後の外側ホース128の内側に配置されたやわらかい樹脂層150に食い込むため、やはり摩擦抵抗を飛躍的に増大させることができる。
【0051】
したがって、二重ホース116は、管路100とケーブル104の間で内側ホース130を膨張させることで、ケーブル104に対して十分な拘束力を確実に得ることができる。ここで隙間158a、158bの大きさの変化を波長の山と谷とみなすと、螺旋の波長1つの中に3つの山と3つの谷がある。したがって二重ホース116は、螺旋の波長の1/3以上の長さを有することで、山と谷の両方を確実に抑えて、ケーブル104を確実に拘束できると予想される。
【0052】
なお上記実施形態では、外側ホース128および内側ホース130いずれも、繊維層に樹脂を設けた耐圧ホースとし、さらに外側ホース128が反転した状態で内側ホース130を膨張させるとき、その外側に繊維層148、152が配置される構成としたが、これに限られず、外側ホース128または内側ホース130のいずれか一方のみを耐圧ホースとし、他方を筒状織布からなる繊維層と樹脂チューブを重ねた材料、つまり繊維層と樹脂が別体の材料からなるホースとしてもよい。このような場合であっても、二重ホース116は、内側ホース130を膨張させることで、ケーブル104に対して十分な拘束力を得ることができる。
【0053】
なお反転前の外側ホース128の内側および内側ホース130の外側には、繊維層148、152を配置した。しかし、この繊維層148、152は、滑りにくい機能を有する防滑層または高摩擦層の例示に過ぎず、繊維層148、152に代えて適宜の防滑層または高摩擦層を用いてもよい。
【0054】
また反転前の外側ホース128の外側および内側ホース130の内側には、樹脂層150を配置した。しかし、この樹脂層150は、気密性を持たせる機能を有する被覆層の例示に過ぎず、樹脂層150に代えて適宜の被覆層を用いてもよい。
【0055】
上記の防滑層、高摩擦層および被覆層に使用する各材料は、試験で得られた最適な材料を好ましい材料とするが、機能を満足すれば他の材料も使用可能である。なお防滑層は、未加工の繊維層(繊維の凹凸が表面に表れている面)が試験により最適とされているものの、ラテックス塗布による粘着性を付与したものであってもよい。
【0056】
図6は、ケーブル104に対する拘束力を確認する試験を説明する図である。この試験では、図6(a)に示すように上記の二重ホース116に代えて、既存の反転ホース160と、張力計162と、レバーブロック(登録商標)164とを用意した。反転ホース160は、筒状織布の外面に軟質ポリ塩化ビニル樹脂を押出被覆して樹脂層を設けた、一重の耐圧ホースである。そして管路100とケーブル104の間に反転ホース160を反転挿入し、ケーブル104の一端166と張力計162をチェーン168で接続し、さらに張力計162とレバーブロック164をチェーン170で接続した。なお、管路100に反転挿入した反転ホース160は、その外側に繊維層が、その内側に樹脂層が配置されており、前述した反転後の外側ホース128と同じ構成となっている。
【0057】
この試験では、レバーブロック164を操作することにより、波乗り現象によって発生するケーブル104を移動させる力(矢印I)を引張張力Tとしてケーブル104に加え、その引張張力Tを張力計162で測定することにより、反転ホース160がどの程度の拘束力を有しているかを確認した。
【0058】
図6(b)、図6(c)に示す試験では、反転ホース160として径が80mm、100mmであって、長さが4m、8m、12mのものをそれぞれ用意した。図中のグラフでは、横軸を反転ホース160の内圧P、縦軸を張力計162で測定された引張張力Tとした。なお目標とする引張張力を6(kN)、比較のため目標よりも大きい引張張力を10(kN)として試験を行った。また図中、「〇」、「×」はそれぞれ、拘束を確認できた点、拘束を確認できなかった点としている。
【0059】
図6(b)のグラフによれば、径が80mm、長さ8m、12mの反転ホース160では、内圧Pが20-100(kN/m)の範囲で目標とする引張張力が6(kN)の拘束を確認できた。また、径が80mm、長さ4mの反転ホース160では、内圧Pが40-100(kN/m)の範囲で目標とする引張張力が6(kN)の拘束を確認できた。さらに、径が80mm、長さ4m、8m、12mの反転ホース160では、内圧Pが40-100(kN/m)の範囲で目標よりも大きい引張張力が10(kN)の拘束を確認できた。
【0060】
図6(c)のグラフによれば、径が100mm、長さ8mの反転ホース160では、内圧Pが20-100(kN/m)の範囲で引張張力が6(kN)、10(kN)の拘束を確認できた。また、径が100mm、長さ4mの反転ホース160では、内圧Pが40-100(kN/m)の範囲で引張張力が6(kN)、10(kN)の拘束を確認できた。さらに、径が100mm、長さ2mの反転ホース160では、内圧Pが60-100(kN/m)の範囲で引張張力が6(kN)の拘束を確認でき、また、内圧Pが80-100(kN/m)の範囲で引張張力が10(kN)の拘束を確認できた。
【0061】
したがって各グラフによれば、反転ホース160は、径が80mm、100mmのいずれであっても、長さが4m以上であれば、内圧Pが40-100(kN/m)の範囲で目標とする引張張力6(kN)および目標よりも大きい引張張力10(kN)の拘束が可能であることを確認できた。つまり、反転ホース160の初期内圧を100(kN/m)とすれば、経年により内圧が40(kN/m)まで減少してもケーブル104に対して十分な拘束力を得ることが分かった。
【0062】
これに対して本実施形態のケーブル拘束方法では、既存の反転ホース160ではなく二重ホース116を用いているが、その外側に繊維が配置され、内側に樹脂が配置された構成は同じである。上述の試験結果をもとに、外側ホースの長さを設定した二重ホースを用いて同様の試験を行った結果、ケーブル104に対して同様の拘束力を得られることが確認できた。
【0063】
図7は、内側ホース130に注入する中詰め材について説明する図である。ケーブル104が地中送電ケーブルである場合には、高圧大電流による発熱を伴うが、温度が上昇するとケーブルのインピーダンス(電気抵抗)が増してしまうために、放熱する必要がある。ここで本発明のようにケーブル104に密着した二重ホース116が、仮に放熱性が低いものであると、熱がこもって温度が上昇してしまう。したがって内側ホース130に注入する中詰め材には、放熱性が高いものであることが必要である。
【0064】
また二重ホース116がケーブル104を拘束するためには、所定以上の内圧をかける必要がある。そして二重ホース116は数年~数十年の長期に渡って設置することを目的としているため、長期に渡って内圧を維持できる(脱圧しない)ことが必要である。
【0065】
図7に示すように、発明者らは、いくつかの中詰め材について比較検討した。水(比較例1)は流動性が高いため充填性が良く、また現場に廃棄できるため撤去性も良い。特に放熱性(熱伝導率)が良いという点において好ましい。しかしながら、水は水蒸気となって脱圧してしまうため、長期の内圧維持性が低く、中詰め材として適していない。
【0066】
水に高吸水性ポリマを混入したもの(比較例2)は、高吸水性ポリマが水を吸うとゼリー状になるため、短期的には密閉性が良い。しかしながら、やはり水が水蒸気となって脱圧してしまう。また比較例2は放熱性は良いものの脱圧してしまうため、中詰め材として適していない。
【0067】
空気(比較例3)は充填性と撤去性には優れているが、熱伝導率が低いため放熱性が悪い。また、気体であるから脱圧してしまうため、長期の内圧維持性が低い。
【0068】
発泡ウレタン(比較例4)は、固体であるため密閉性がよく、高い内圧維持性も得ることができる。しかしながら断熱材に用いられる場合もある材料であるから熱伝達率が低く、また長さが8m~12mのような長尺の二重ホース116に充填することは困難である。
【0069】
シリコンオイル(比較例5)は、脱圧しないため、内圧維持性に優れている。しかしながら熱伝導率が低く、地中送電ケーブルを拘束するためには放熱性が不足する。
【0070】
一方で、シリコンオイルにカーボンフィラーを添加したもの(実施例1)は、熱伝導率を改善することができた。実験ではシリコンオイル100gに、カーボンフィラーとしてカーボン粉末30gとカーボンブラック5~10gを添加したものを用いた。結果として、水には及ばないが、水に近い熱伝導率を得ることができた。これにより、高い放熱性と内圧維持性を得ることができた。
【0071】
なお、カーボン粉末は、平均粒径が200μm程度の粒径が大きな粉末である。カーボンブラックは平均粒径が3~500nm程度の粒径が小さな粉末である。カーボン粉末は熱伝導率において優れているが、カーボン粉末だけではシリコンオイルの中で沈殿してしまう。しかし上記のようにカーボンブラックを適量混ぜることによって、沈殿を防止することができる。これはコロイド粒子となったカーボンブラックのブラウン運動によりカーボン粉末の沈降が阻害されるためと考えられる。
【0072】
上記のように、検討の結果として、中詰め材は、カーボンフィラー入りのシリコンオイルであることが好ましい。これにより、高い放熱性と内圧維持性を得ることができる。
【0073】
図8は二重ホースの他の例を説明する図である。図9は内側ホース130の端部の構造を説明する図である。図8の斜視図および図9(a)の平面図に示されるように、内側ホース130は、端面開口の略中央に中詰め材注入用の部材、例えばバルブ140を挿入する開口筒117が形成されている。バルブ140は、開口筒117に挿入した状態でホースバンドで締めることによって取り付ける。
【0074】
内側ホース130の端面開口において、開口筒117の側辺と、開口筒117の両脇は、樹脂層溶着によって封止する。開口筒117の側辺の溶着線180は、筒を形成するために内側ホース130の軸線と平行に形成されている。開口筒117の両脇の溶着線182は、開口筒に向かって斜めに傾斜している。仮に溶着線182が内側ホース130の軸線と直交する直線であった場合は、溶着線182の端が内側ホース130の側面と直角になる。この場合と比べると、溶着線182の端にかかる応力集中を分散することができるため、剥離を防止することができる。
【0075】
図9(b)の断面図に示すように、内側ホース130は内側に樹脂層150が配置され、外側に繊維層152が配置されている。二重ホース116は圧力をかけてケーブルを拘束するものであるから、内側ホース130は高圧に耐える封止構造が必要である。
【0076】
図10に示すように、発明者らは、いくつかの封止構造について比較検討した。図10の比較例6~8、実施例2において、繊維層152はアラミド繊維、樹脂層150は軟質PVC(軟質ポリ塩化ビニル)である。また図10図9のJ-J断面を示している。
【0077】
比較例6は繊維層152と樹脂層150を一体に形成し、溶着のみを施したものである。比較例6は、圧力180kPaで溶着線182が開裂した。比較例7は、比較例6の構造に加えてアラミド繊維の布で被覆して補強した。比較例7は、圧力220kPaでピンホールが発生した。比較例8は、比較例6の構造に加えて溶着線182をさらに糸で縫合したものである。比較例8は圧力100kPaの段階で、縫合は切れなかったが、溶着が剥離して縫合184の隙間から圧力抜けを生じた。
【0078】
これに対し実施例2は、図9(b)に示すように内側ホース130の端部付近は繊維層152と樹脂層150が別体であって、独立したシートで構成してある。そして樹脂層150を線状に溶着して溶着線180、182を形成し、溶着線180、182の上を、樹脂層150および繊維層152をまとめて縫合したものである。
【0079】
実施例2の構造では、圧力468kPaになっても開裂ないし剥離せず、圧力抜けを生じなかった。これは、樹脂層150が膨張したときに繊維層152との間でずれることができるため、樹脂層150は繊維層152に伸びを規制されずにその全体が伸び、所定量伸びた後は繊維層152に接触して外側から押さえ込まれた状態となり、溶着線180、182にかかる張力を低減することができるから、剥離しにくくなったと考えられる。これにより、内圧がかかって内側の樹脂層が膨張した場合にも開裂や剥離をしにくくなるため、高圧をかけやすくなり、充分な高圧によるケーブル拘束力を発揮することができる。
【0080】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、管路内に敷設されたケーブルを、二重ホースを用いて拘束するケーブル拘束方法および二重ホースとして利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
100…管路、102…マンホール、104…ケーブル、106…車道、108…トラック、110…マンホールのスペース、112…ケーブルジョイント部、114…ホース反転装置、116…二重ホース、117…開口筒、118…車両、120…空気導入口、122…圧力容器、124…射出口、126…リール、128…外側ホース、130…内側ホース、132…外側ホースの後端、134…内側ホースの前端、136…連結部、138…内側ホースの後端、140…バルブ、142…外側ホースの前端、144…固定具、146…マンホールの出入口、148、152…繊維層、150…樹脂層、154…切断装置、156a、156b、156c…電線、158、158a、158b…隙間、160…反転ホース、162…張力計、164…レバーブロック、166…ケーブルの一端、168、170…チェーン、180、182…溶着線、184…縫合
図1
図2
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図7
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