(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015331
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】被搬送物の搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/68 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
B65G47/68 A
B65G47/68 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020118090
(22)【出願日】2020-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 健太郎
【テーマコード(参考)】
3F070
【Fターム(参考)】
3F070AA07
3F070BA03
3F070BA10
3F070BC07
3F070BD01
3F070BD07
3F070BE01
3F070EA24
3F070ED01
3F070ED07
3F070EE07
(57)【要約】
【課題】予め決められた条件に基づいて、正確に被搬送物を分岐させて搬送させる。
【解決手段】状態検知部232は、被搬送物7の状態を検知情報として制御部400に送り、制御部400が検知情報に基づき被搬送物7の状態が予め決められた条件を満たすと判断した場合、分岐部116において被搬送物7を分岐搬送路130に送るように主搬送機構210および分岐搬送機構230を制御し、被搬送物7の状態が予め決められた条件を満たしていない場合、被搬送物7を主搬送路110に戻すように主搬送機構210および分岐搬送機構230を制御する。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ状であって被搬送物が搬送される主搬送路と、
前記主搬送路に設けられた分岐部に接続して前記主搬送路から外部に向かって延びる分岐搬送路と、
前記主搬送路の分岐部と異なる位置に設けられた合流部に接続して外部から搬送される被搬送物を前記主搬送路に合流させる合流搬送路と、
前記主搬送路において前記被搬送物を搬送する主搬送機構と、
前記分岐搬送路において前記被搬送物を搬送する分岐搬送機構と、
前記被搬送物の搬送方向において前記分岐部の上流に配置されて搬送中の前記被搬送物の状態を検知する状態検知部と、
前記主搬送機構および前記分岐搬送機構を制御可能な制御部と、を有し、
前記状態検知部は、前記被搬送物の状態を検知情報として前記制御部に送り、
前記制御部が前記検知情報に基づき前記被搬送物の状態が予め決められた条件を満たすと判断した場合、前記分岐部において前記被搬送物を前記分岐搬送路に送るように前記主搬送機構および前記分岐搬送機構を制御し、前記被搬送物の状態が予め決められた条件を満たしていない場合、前記被搬送物を前記主搬送路に戻すように前記主搬送機構および前記分岐搬送機構を制御する被搬送物の搬送装置。
【請求項2】
前記状態検知部は、前記被搬送物における対象物の有無を前記検知情報として取得し、
前記制御部は、前記検知情報から前記被搬送物に前記対象物が配置されている状態であることを確認したときに前記予め決められた条件を満たしていると判断する請求項1に記載の被搬送物の搬送装置。
【請求項3】
前記分岐搬送機構は、上部に前記被搬送物を配置できるトップチェーンコンベヤを有する請求項1または請求項2に記載の被搬送物の搬送装置。
【請求項4】
前記合流部において、前記合流搬送路から前記主搬送路に前記被搬送物を送り出す送出装置をさらに有し、
前記送出装置は、前記制御部の指示に従って前記被搬送物を送り出す請求項1から請求項3のいずれかに記載の被搬送物の搬送装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記合流搬送部からの前記被搬送物を前記主搬送路に搬送される前記被搬送物の間に収まるタイミングで送出するように前記送出装置を制御する請求項4に記載の被搬送物の搬送装置。
【請求項6】
前記分岐搬送路は、前記主搬送路と異なる搬送路を介して前記合流搬送路に接続する請求項1から請求項5のいずれかに記載の被搬送物の搬送装置。
【請求項7】
前記主搬送機構は、
前記主搬送路に沿って配置されたレールと、
前記レールに配置されて前記被搬送物の搬送方向の後面を保持する第1保持シャトルおよび前面を保持する第2保持シャトルと、
前記制御部と接続されるとともに前記制御部からの指示に基づいて前記第1保持シャトルおよび第2保持シャトルを独立して駆動可能なリニア駆動部と、を有する請求項1から請求項6のいずれかに記載の被搬送物の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物を搬送する被搬送物の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特表2015―525176号公報には、物品を搬送する装置として、リニアモータを用いたリニア搬送装置が開示されている。このリニア搬送装置には、電磁石を配置したリニアモータのステータと、永久磁石が設けられた搬送部材とを有する。電磁石と永久磁石とでリニアモータシステムが形成される。そして、搬送部材は、ホルダまたは対応ホルダを有し、搬送方向に並んだホルダおよび対応ホルダで製品を挟み、搬送部材を移動させることで製品を搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この手の搬送装置を製造工程における物品の搬送に用いる場合、被搬送物の搬送方向の分岐が必要な場合があるが、ホルダおよび対応ホルダで製品を挟んで搬送する構成上、搬送方向の分岐が困難な場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、予め決められた条件に基づいて、正確に被搬送物を分岐させて搬送させることができる被搬送物の搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の被搬送物の搬送装置は、ループ状であって被搬送物が搬送される主搬送路と、前記主搬送路に設けられた分岐部に接続して前記主搬送路から外部に向かって延びる分岐搬送路と、前記主搬送路の分岐部と異なる位置に設けられた合流部に接続して外部から搬送される被搬送物を前記主搬送路に合流させる合流搬送路と、前記主搬送路において前記被搬送物を搬送する主搬送機構と、前記分岐搬送路において前記被搬送物を搬送する分岐搬送機構と、前記被搬送物の搬送方向において前記分岐部の上流に配置されて搬送中の前記被搬送物の状態を検知する状態検知部と、前記主搬送機構および前記分岐搬送機構を制御可能な制御部と、を有する。前記状態検知部は、前記被搬送物の状態を検知情報として前記制御部に送る。前記制御部が前記検知情報に基づき前記被搬送物の状態が予め決められた条件を満たすと判断した場合、前記分岐部において前記被搬送物を前記分岐搬送路に送るように前記主搬送機構および前記分岐搬送機構を制御し、前記被搬送物の状態が予め決められた条件を満たしていない場合、前記被搬送物を前記主搬送路に戻すように前記主搬送機構および前記分岐搬送機構を制御する。
【0007】
被搬送物の分岐部における搬送方向を被搬送物の状態に基づいて簡単に切り替えることができる。
【0008】
上記構成において、前記状態検知部は、前記被搬送物における対象物の有無を前記検知情報として取得し、前記制御部は、前記検知情報から前記被搬送物に前記対象物が配置されている状態であることを確認したときに前記予め決められた条件を満たしていると判断する。
【0009】
上記構成において、前記分岐搬送機構は、上部に前記被搬送物を配置できるトップチェーンコンベヤを有する。
【0010】
上記構成において、前記合流部において、前記合流搬送路から前記主搬送路に前記被搬送物を送り出す送出装置をさらに有する。前記送出装置は、前記制御部の指示に従って前記被搬送物を送り出す。
【0011】
上記構成において、前記制御部は、前記合流搬送部からの前記被搬送物を前記主搬送路に搬送される前記被搬送物の間に収まるタイミングで送出するように前記送出装置を制御する。
【0012】
上記構成において、前記分岐搬送路は、前記主搬送路と異なる搬送路を介して前記合流搬送路に接続する。
【0013】
上記構成において、前記主搬送機構は、前記主搬送路に沿って配置されたレールと、前記レールに配置されて前記被搬送物の搬送方向の後面を保持する第1保持シャトルおよび前面を保持する第2保持シャトルと、前記制御部と接続されるとともに前記制御部からの指示に基づいて前記第1保持シャトルおよび第2保持シャトルを独立して駆動可能なリニア駆動部と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、予め決められた条件に基づいて、正確に被搬送物を分岐させて搬送させることができる被搬送物の搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】被搬送物である搬送ケースを搬送する搬送装置の概略配置図である。
【
図3】搬送ケースを保持した第1保持シャトルおよび第2保持シャトルが直線状のレールに沿って移動している状態の平面図である。
【
図4】搬送ケースを保持した第1保持シャトルおよび第2保持シャトルが曲線状のレールに沿って移動している状態の平面図である。
【
図5】
図3に示す第1保持シャトルおよび第2保持シャトルを外方から見た図である。
【
図6】第1保持シャトルの搬送方向の上流側から見た図である。
【
図7】第2保持シャトルの搬送方向の上流側から見た図である。
【
図9】送出装置に設けられる搬出部の斜視図である。
【
図10】送出装置に設けられる送り部を下から見た斜視図である。
【
図11】時刻T1における第1スターホイルが搬送方向の最も下流側の搬送ケースを保持している状態を示す平面図である。
【
図12】時刻T1における第2スターホイルの位置を示す平面図である。
【
図13】時刻T2における第1スターホイルが搬送ケースを送り出した状態を示す平面図である。
【
図14】時刻T2における第2スターホイルの位置を示す平面図である。
【
図15】時刻T3における第2スターホイルが搬送方向の最も下流側の搬送ケースを保持している状態を示す平面図である。
【
図16】時刻T3における第1スターホイルの位置を示す平面図である。
【
図17】分岐部における主搬送機構の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
<搬送装置A>
図1は、被搬送物である搬送ケース7を搬送する搬送装置Aの概略配置図である。
図2は、搬送装置Aの機能ブロック図である。
図1に示すとおり、搬送装置Aは、不図示の製品の製造工程に組み込まれて、リニアモータを利用して被搬送物である搬送ケース7を搬送する。
【0018】
図1、
図2に示すように、搬送装置Aは、搬送路100と、搬送機構200と、送出装置300と、制御部400と、を有する。搬送ケース7は、搬送路100に沿って搬送される。
【0019】
<搬送路100>
搬送路100は、主搬送路110と、合流搬送路120と、分岐搬送路130と、を有する。主搬送路110は、ループ状の搬送路である(なお、以下の説明において、小ループと称する場合がある)。合流搬送路120は、主搬送路110と合流する。分岐搬送路130は、主搬送路110より分岐する。搬送路100では、合流搬送路120と分岐搬送路130とは、例えば、曲線搬送路140で接続されている。つまり、搬送路100においては、主搬送路110の一部、合流搬送路120、分岐搬送路130、および曲線搬送路140、によってループ状に形成されている(なお、以下の説明において、大ループと称する場合がある)。ここで、ループ状とは、両端が接続されて閉じた形状を指す。本実施形態において、搬送ケース7は、小ループ状の搬送路および大ループ状の搬送路それぞれを時計回りに搬送される。
【0020】
そのため、以下の説明では、搬送路100における時計回り方向を搬送方向Tr1として説明する。そして、搬送方向Tr1に向かう側を「搬送方向の下流側」または部材内での位置を示す場合には「搬送方向の前側」とし、反対側を「搬送方向の上流側」または部材内での位置を示す場合には「搬送方向の後側」とする。また、ループ状の搬送路に囲まれた部分の外側に向く方向を、搬送方向Tr1と交差する方向の外方とし、単に「外方」とする場合がある。また、搬送方向Tr1と交差する方向の「外方」と反対側を「内方」とする場合がある。
【0021】
図1に示すように搬送路100の主搬送路110には、搬送ケース7に対して、所定の作業を行う第1作業部St1を有する。また、曲線搬送路140には、第1作業部St1とは異なる作業を行う第2作業部St2を有する。なお、第1作業部St1および第2作業部St2以外の作業部を備えるようにしてもよい。
【0022】
<主搬送路110>
主搬送路110は、第1直線部111と、第2直線部112と、第1曲線部113と、第2曲線部114と、を有する。第1直線部111および第2直線部112は、平行に配置される。第1曲線部113は、第1直線部111の搬送方向の下流側と第2直線部112の搬送方向の上流側とを連結する。第2曲線部114は、第2直線部112の搬送方向の下流側と第1直線部111の搬送方向の上流側とを連結する。
【0023】
主搬送路110において、第1曲線部113および第2曲線部114は、平面視において円弧状であるが、これに限定されない。直線部から曲線部に切り替わる部分および曲線部を移動する場合において、搬送ケース7に作用する遠心力の変化が緩くなるような曲線状であれば円弧状以外の形状であってもよい。
【0024】
主搬送路110は、第1直線部111、第1曲線部113、第2直線部112および第2曲線部114をこの順に接続することで、ループ状(小ループ)に形成される。
【0025】
主搬送路110において、搬送ケース7は、搬送機構200の後述する主搬送機構210によって搬送される。主搬送路110において、搬送ケース7は、第1直線部111、第1曲線部113、第2直線部112および第2曲線部114の順に搬送される。
【0026】
搬送ケース7は、主搬送路110において時計回り方向の搬送方向Tr1に搬送される。主搬送路110には、合流部115および分岐部116を有する。合流部115は、第1直線部111の搬送方向Tr1の下流側の端部に配置される。合流部115において、合流搬送路120が主搬送路110に合流する。
【0027】
分岐部116は、第2直線部112の搬送方向Tr1の下流側の端部に配置される。分岐部116において、分岐搬送路130が主搬送路110から分岐する。第2直線部112の搬送方向Tr1の下流側の端部には、助走領域117が設けられる。助走領域117は、主搬送路110と分岐搬送路130とが重なる領域である。
【0028】
主搬送路110の外方には、ガイド部118が配置される。ガイド部118は、主搬送路110に沿って配置される板材である。搬送ケース7は、主搬送路110内を搬送されるとき、ガイド部118と接触してガイドされる。
【0029】
なお、主搬送路110において、ガイド部118は、搬送ケース7の搬送方向と直交する方向の位置、角度がずれそうなとき、または、搬送ケース7作用する遠心力を主搬送機構210が支持しきれないときにだけ搬送ケース7と接触するようにしてもよい。
【0030】
ガイド部118は、搬送ケース7が接触したときに搬送ケース7との摩擦が小さく、摩耗が少ない材料で形成されることが好ましい。なお、これに限定されず、例えば、主搬送路110に沿って並んで配置された回転可能なローラ等、搬送ケース7の搬送方向と直交する方向の位置を調整し、搬送ケース7との摩擦が少ない構成を広く採用できる。
【0031】
本実施形態において、主搬送路110の外方にのみガイド部118を設けているが、
これに限定されず、主搬送路110の内方にもガイド部118を設けてもよい。
【0032】
主搬送機構210は、搬送ケース7の搬送方向Tr1の下流側(以下、前側と称する場合がある)の面および上流側(以下、後側と称する場合がある)の面を保持して搬送ケース7を搬送させる。主搬送路110には、搬送ケース7の下面を支持する下面ガイド部119が配置される。
【0033】
下面ガイド部119としては、例えば、主搬送路110に沿って平行に延びる2本のレール状の部材を採用しているが、これに限定されない。例えば、ローラを搬送方向に敷き詰めた構成であってもよいし、搬送ケース7との摩擦係数が小さい材料で形成された板状の部材であってもよい。下面ガイド部119は、搬送ケース7を下面から支持するとともに、主搬送機構210による搬送の抵抗になりにくい構造を広く採用することができる。
【0034】
なお、主搬送機構210が搬送ケース7を下方に落下しないように保持できる構成の場合、下面ガイド部119は、省略してもよい。また、主搬送路110において、合流部115および分岐部116の近傍には、例えば、トップチェーンコンベヤ等の搬送ケース7を下面から支持しつつ搬送方向に移動させる搬送機構が配置される場合がある。主搬送路110において、下面から支持しつつ搬送する搬送機構が配置される部分では、下面ガイド部119は省略される。
【0035】
図1に示すように、主搬送路110の第2直線部112の搬送方向Tr1の上流側には、第1作業部St1が配置される。第1作業部St1は、例えば、搬送ケース7に容器Cvを配置する作業を行う。しかしながら、これに限定されず、容器Cvを配置する以外の作業を行ってもよいし、容器Cvを配置する作業に加えて別の作業を行ってもよい。
【0036】
<合流搬送路120>
合流搬送路120は、主搬送路110の第1直線部111に沿って延びる。なお、搬送路100において、合流搬送路120は、直線状であるが、これに限定されず、少なくとも一部に曲線状の部分を有していてもよい。合流搬送路120において、搬送ケース7は、搬送機構200の後述する合流搬送機構220によって搬送される。
【0037】
合流搬送路120には、合流ガイド部121が配置される。合流搬送路120において、合流ガイド部121は、第1直線部111に沿って延びるガイド部118と平行に配置される。合流ガイド部121は、ガイド部118と同様の構成を有する。ガイド部118と同様、代替できる構成を採用することも可能である。
【0038】
合流搬送路120において、搬送ケース7は、合流ガイド部121およびガイド部118にガイドされつつ合流搬送機構220によって搬送される。なお、合流搬送路120の搬送方向の下流端には送出装置300が配置されている。送出装置300は、合流搬送路120から搬送された搬送ケース7を所定のタイミングで主搬送路110に送り出す。送出装置300の詳細な構成および動作については、後述する。
【0039】
<分岐搬送路130>
図1に示すように、分岐部116は、第2直線部112の搬送方向Tr1の下流端に設けられる。分岐搬送路130は、分岐部116から第2直線部112の搬送方向Tr1の下流端から第2直線部112を延長する方向に延びる。なお、搬送路100において、分岐搬送路130は、直線状であるがこれに限定されず、少なくとも一部に曲線状の部分を有していてもよい。分岐搬送路130内において、搬送ケース7は、搬送機構200の後述する分岐搬送機構230によって搬送される。
【0040】
分岐搬送路130には、分岐ガイド部131が配置される。分岐ガイド部131は、分岐搬送機構230の搬送方向Tr1と交差する方向に隣り合うように配置される。すなわち、分岐ガイド部131は、分岐搬送機構230を挟んで対をなして配置される。分岐ガイド部131は、ガイド部118と同様の構成を有する。分岐ガイド部131は、ガイド部118と同様、代替できる構成を採用することも可能である。
【0041】
分岐搬送路130において、外方の分岐ガイド部131は、第2直線部112のガイド部118と連続する。また、内方の分岐ガイド部131は、第2曲線部114のガイド部118と連続する。
【0042】
<曲線搬送路140>
図1に示す搬送路100では、分岐搬送路130の搬送方向の下流は、曲線搬送路140に接続する。そして、曲線搬送路140は、合流搬送路120に合流する。曲線搬送路140は、平面視において円弧状である。そして、曲線搬送路140には、搬送ケース7、ここでは、搬送ケース7に配置された容器Cvに対して、所定の作業を行う、第2作業部St2が配置される。そして、第2作業部St2での所定の作業の後、搬送ケース7は、合流搬送路120に搬送される。曲線搬送路140の搬送方向Tr1の下流端は、合流搬送路120の搬送方向Tr1の上流端に接続されている。
【0043】
<制御部400>
次に、搬送装置Aを制御する制御部400について説明する。
図2に示すように、制御部400は、処理回路401と、記憶回路402とを有する。処理回路401は、各種情報を処理する回路であり、CPU、MPU等の演算回路を有する。また、処理回路401は、処理結果に基づいて、搬送装置Aを制御する。
【0044】
記憶回路402は、ROM、RAM等の半導体メモリー、フラッシュメモリー等の可搬性を有するメモリーおよびハードディスク等の記憶媒体を含む、または、記憶媒体が接続された回路である。記憶回路402で、制御プログラムまたは処理プログラム等の各種プログラムを記憶しておき、必要に応じて処理に対応したプログラムを呼び出すとともに処理回路401でプログラムを動作させて、処理を行うようにしてもよい。
【0045】
制御部400は、主搬送機構210の後述するリニアモータドライバ43、主搬送コンベヤ211および監視部212と、合流搬送機構220の後述する合流コンベヤ221と、分岐搬送機構230の分岐コンベヤ231および状態検知部232と、送出装置300の後述する搬出部310の第1駆動部53および第2駆動部54と、送り部320の側方移動部611および上方移動部612と、が接続されている。
【0046】
<搬送機構200>
次に、搬送ケース7を搬送する搬送機構200の詳細について説明する。
【0047】
図1、
図2に示すように、搬送機構200は、主搬送機構210と、合流搬送機構220と、分岐搬送機構230と、を有する。主搬送機構210は、主搬送路110に配置されて、主搬送路110内の搬送ケース7を搬送する。合流搬送機構220は、合流搬送路120に配置されて、合流搬送路120内の搬送ケース7を搬送する。分岐搬送機構230は、主搬送路110の助走領域117から分岐搬送路130にかけて配置される。分岐搬送機構230の上流側の端部が助走領域117の開始部分である。分岐搬送機構230は、助走領域117内および分岐搬送路130内の搬送ケース7を搬送する。
【0048】
助走領域117において、主搬送機構210と分岐搬送機構230は、1つの搬送ケース7に対して、それぞれ、主搬送路110(の第2曲線部114)に向かう力および分岐搬送路130に向かう力を付与可能である。搬送ケース7は、主搬送機構210の動作によって、分岐部116において、分岐搬送路130または主搬送路110(の第2曲線部114)のいずれかに送られる。なお、助走領域117の上流側の一部において、主搬送機構210の搬送方向と分岐搬送機構230の搬送方向は同じである。分岐部116における搬送ケース7の移動の切り替えの詳細については後述する。
【0049】
<主搬送機構210>
主搬送機構210の詳細について図面を参照して説明する。
図3は、搬送ケース7を保持した第1保持シャトル1および第2保持シャトル2が直線状のレール3aに沿って移動している状態の平面図である。
図4は、搬送ケース7を保持した第1保持シャトル1および第2保持シャトル2が曲線状のレール3bに沿って移動している状態の平面図である。
図5は、
図3に示す第1保持シャトル1および第2保持シャトル2を外方から見た図である。
図6は、第1保持シャトル1の搬送方向Tr1の上流側から見た図である。
図7は、第2保持シャトル2の搬送方向Tr1の上流側から見た図である。
図1~
図7に示すように、主搬送機構210は、第1保持シャトル1と、第2保持シャトル2と、レール3と、リニア駆動部4と、を有する。
【0050】
<レール3>
レール3は、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の移動をガイドする。
図1、
図3、
図4に示すように、主搬送機構210では、レール3として、直線状のレール3aと、曲線状のレール3bとを有する。直線状のレール3aと曲線状のレール3bとは、平面視において、直線状であるか曲線状であるかの違いがあるが、それ以外の点については実質的に同じ構成である。
【0051】
そのため、以下の説明において、区別が不要な場合、直線状のレール3aおよび曲線状のレール3bを代表してレール3として説明する。
図3~
図7等に示すように、レール3は、メインレール部31と、溝付きレール部32と、平面レール部33とを有する。
【0052】
メインレール部31は、搬送方向Tr1と直交する面で切断した切断面が長方形状の筒体である。そして、メインレール部31の断面の形状は、上下方向が長手方向である。メインレール部31の内部には、リニア駆動部4のコイル41が配置される。メインレール部31は、コイル41に電流を流して励磁されたとき、コイル41からの磁力が透過する材料で形成される。このような材料として、例えば、一部のステンレス鋼、アルミニウムおよびその合金を挙げることができるが、これに限定されない。
【0053】
溝付きレール部32は、メインレール部31の上部に固定される。なお、メインレール部31と溝付きレール部32との固定は、溶接、ねじ止め等を採用できるが、これに限定されない。メインレール部31と溝付きレール部32とを一体的に形成してもよい。溝付きレール部32は、搬送方向Tr1と交差する方向の外面から凹んだ凹形状の溝部321を有する。溝部321は、レール3の全周にわたって形成される。溝付きレール部32は、2個の溝部321を有する。2個の溝部321は、上下に並んで配置される。なお、2個の溝部321には、第1保持シャトル1の後述する上ローラ14および第2保持シャトル2の後述する上ローラ24が収容される。上ローラ14および上ローラ24は、溝部321に沿って移動する。
【0054】
平面レール部33は、メインレール部31の下部に固定される。なお、メインレール部31と平面レール部33との固定は、溶接、ねじ止め等を採用できるが、これに限定されない。メインレール部31と平面レール部33とを一体的に形成してもよい。平面レール部33は、搬送方向Tr1と交差する面で切断した断面の外側が、鉛直線に沿う形状である(
図6、
図7等参照)。なお、平面レール部33の外面には、第1保持シャトル1の後述する下ローラ15および第2保持シャトル2の後述する下ローラ25が接触する。下ローラ15および下ローラ25は平面レール部33の外面と接触しつつ回転する。
【0055】
直線状のレール3aは、主搬送路110の第1直線部111および第2直線部112の内方に配置される。また、曲線状のレール3bは、主搬送路110の第1曲線部113および第2曲線部114の内方に配置される。また、第1直線部111の直線状のレール3a、第1曲線部113の曲線状のレール3b、第2直線部112の曲線状のレール3aおよび第2曲線部114の曲線状のレール3bを連結し、さらに第2曲線部114の曲線状のレール3bを第1直線部111のレール3aを接続して、ループ状に形成される。
【0056】
<第1保持シャトル1>
第1保持シャトル1は、レール3の外面に配置されて、レール3に沿って移動可能である。
図3~
図6に示すように、第1保持シャトル1は、本体部11と、第1面押しアーム12と、第1爪付きアーム13と、上ローラ14と、下ローラ15と、を有する。
【0057】
本体部11には、リニア駆動部4の後述するマグネット42が配置される。本体部11は、レール3よりも外方に、レール3と対向して配置される。第1面押しアーム12は、本体部11から外方に突出する。第1保持シャトル1をレール3に取り付けたとき、第1面押しアーム12は搬送方向Tr1に対して一定の角度をなす(ここでは、直交する)。
【0058】
図3、
図5、
図6に示すように、第1面押しアーム12は、本体部11から外方に突出する。第1面押しアーム12は、搬送ケース7の搬送方向Tr1の後側の面と面接触し、後側の面を押圧する。なお、第1面押しアーム12の少なくとも搬送ケース7と接触する部分にすべり止めが取り付けられてもよい。
【0059】
第1爪付きアーム13は、本体部11から第1面押しアーム12と同じ方向に突出する。
図5、
図6に示すように、第1爪付きアーム13は、第1面押しアーム12の上方に、間隔をあけて配置される。第1爪付きアーム13は、第1爪部16を有する。第1爪部16は、第1爪付きアーム13の外方の先端から搬送方向Tr1の前側に突出する。
【0060】
第1保持シャトル1は、上部に回転可能に支持される2個の上ローラ14を有する。2個の上ローラ14は、搬送方向に離れているとともに、上下方向に異なる位置に配置される。上ローラ14の径方向の外縁が、溝付きレール部32の溝部321と嵌合する。
【0061】
上ローラ14は、溝部321に嵌った状態で回転する。これにより、第1保持シャトル1がレール3に沿って移動するとき、第1保持シャトル1の上下方向のずれが抑制される。つまり、第1保持シャトル1はレール3に沿って正確に移動する。
【0062】
第1保持シャトル1は、下部に回転可能に支持される2個の下ローラ15を有する。2個の下ローラ15は、搬送方向に離れているとともに、上下方向に異なる位置に配置される。下ローラ15は、円柱状であり下ローラ15の外周面は、平面レール部33の外面と接触する。
【0063】
第1保持シャトル1は、内部に配置されたマグネット42の磁力によって、レール3の外面に吸着されている。なお、レール3に磁石を吸着する鉄等の金属で形成された吸着部を備えていてもよいし、コイル41に備えられた鉄心とマグネット42との磁力によって吸着されてもよい。また、第1保持シャトル1は、レール3に沿って移動可能であるとともに、フック等を用いてレール3から容易に脱落しないようにレール3に取り付けられてもよい。
【0064】
第1保持シャトル1は、上ローラ14および下ローラ15によってレール3に対して一定の距離を保ちつつ、レール3に沿って移動可能に取り付けられる。
【0065】
<第2保持シャトル2>
第2保持シャトル2は、レール3の外面に配置されて、レール3に沿って移動可能である。
図3、
図5、
図7に示すように、第2保持シャトル2は、本体部21と、第2面押しアーム22と、第2爪付きアーム23と、上ローラ24と、下ローラ25と、を有する。
【0066】
本体部21には、リニア駆動部4の後述するマグネット42が配置される。本体部21は、レール3よりも外方に、レール3と対向して配置される。第2面押しアーム22は、本体部21から外方に突出する。第2保持シャトル2をレール3に取り付けたとき、第2面押しアーム22は搬送方向Tr1に対して一定の角度をなす(ここでは、直交する)。
【0067】
図3、
図5、
図7に示すように、第2面押しアーム22は、本体部21から外方に突出する。第2面押しアーム22は、搬送ケース7の搬送方向Tr1の前側の面と面接触し、前側の面を押圧する。なお、第2面押しアーム22の少なくとも搬送ケース7と接触する部分にすべり止めが取り付けられてもよい。
【0068】
第2爪付きアーム23は、本体部11から第2面押しアーム22と同じ方向に突出する。
図5、
図7に示すように、第2爪付きアーム23は、第2面押しアーム22の上方に、間隔をあけて配置される。第2爪付きアーム23は、第2爪部26を有する。第2爪部26は、第2爪付きアーム23の外方の先端から搬送方向Tr1の後側に突出する。
【0069】
第2保持シャトル2は、上部に回転可能に支持される2個の上ローラ24を有する。2個の上ローラ24は、搬送方向に離れているとともに、上下方向に異なる位置に配置される。上ローラ24の径方向の外縁が、溝付きレール部32の溝部321と嵌合する。
【0070】
上ローラ24は、溝部321に嵌った状態で回転する。これにより、第2保持シャトル2がレール3に沿って移動するとき、第2保持シャトル2の上下方向のずれが抑制される。つまり、第2保持シャトル2はレール3に沿って正確に移動する。
【0071】
第2保持シャトル2は、下部に回転可能に支持される2個の下ローラ25を有する。2個の下ローラ25は、搬送方向に離れているとともに、上下方向に異なる位置に配置される。下ローラ25は、円柱状であり下ローラ25の外周面は、平面レール部33の外面と接触する。
【0072】
第2保持シャトル2は、内部に配置されたマグネット42の磁力によって、レール3の外面に吸着されている。なお、レール3に磁石を吸着する鉄等の金属で形成された吸着部を備えていてもよいし、コイル41に備えられた鉄心とマグネット42との磁力によって吸着されてもよい。また、第2保持シャトル2は、レール3に沿って移動可能であるとともに、フック等を用いてレール3から容易に脱落しないようにレール3に取り付けられてもよい。
【0073】
第2保持シャトル2は、上ローラ24および下ローラ25によってレール3に対して一定の距離を保ちつつ、レール3に沿って移動可能に取り付けられる。
【0074】
<リニア駆動部4>
リニア駆動部4について図面を参照して説明する。リニア駆動部4は、リニアモータ機構を採用している。リニア駆動部4は、各第1保持シャトル1および各第2保持シャトル2を独立して駆動させることが可能である。
【0075】
リニア駆動部4は、複数のコイル41と、マグネット42と、リニアモータドライバ43と(
図2参照)、を有する。複数のコイル41は、レール3の内部に、レール3に沿って配列される。
【0076】
マグネット42は、永久磁石であり第1保持シャトル1の本体部11および第2保持シャトル2の本体部21の内部に配置される。第1保持シャトル1の本体部11に配置されたマグネット42と、レール3の内部に配置された複数のコイル41とでリニアモータが形成される。また、第2保持シャトル2の本体部21に配置されたマグネット42と、レール3の内部に配置された複数のコイル41ともリニアモータを形成する。つまり、主搬送機構210は、リニアモータを用いたリニアモータ搬送機構である。
【0077】
リニアモータドライバ43は、制御部400に接続される。リニアモータドライバ43は、不図示の電源回路にも接続されている。リニアモータドライバ43は、制御部400からの指示に基づいて指定されたコイル41に電源回路からの電力を供給する電力を供給する。なお、リニアモータドライバ43には、各コイル41に供給する電圧および電流を調整する電力供給回路等の回路を含んでもよい。
【0078】
電流を供給するコイル41を順次切り替えることで、コイル41とマグネット42とがリニアモータとして動作し、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2がレール3に沿って移動する。制御部400によって、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の移動は、独立して制御される。
【0079】
また、主搬送機構210は、リニア駆動部4以外に、合流部115に配置される主搬送コンベヤ211を有する。主搬送コンベヤ211は、合流搬送路120からの搬送ケース7の移動を補助するために配置される。
【0080】
主搬送機構210は、制御部400と接続された、監視部212を有する。監視部212は、主搬送コンベヤ211の搬送方向Tr1よりも上流側の調整待機位置Sp1を通過する第1保持シャトル1および第2保持シャトル2を監視する。監視部212は、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の通過および搬送ケース7を保持しているか否かを確認する。そして、その結果を監視情報として制御部400に送る。
【0081】
<合流搬送機構220および分岐搬送機構230>
合流搬送機構220は、合流コンベヤ221を有する。合流コンベヤ221は、合流搬送路120に沿って配置される。合流コンベヤ221は、上部に搬送ケース7を載置可能であり、上部に載置された搬送ケース7を合流搬送路120に沿って搬送方向Tr1に搬送する。合流コンベヤ221は、制御部400に制御される(
図2参照)。なお、制御部400による合流コンベヤ221の制御としては、例えば、合流コンベヤ221による搬送ケース7の搬送開始、搬送停止および搬送速度を挙げることができるが、これに限定されず、その他の制御を行うようにしてもよい。
【0082】
分岐搬送機構230は、分岐コンベヤ231を有する。分岐コンベヤ231は、助走領域117に配置されるとともに分岐搬送路130に沿って配置される。分岐コンベヤ231は、上部に搬送ケース7を載置可能であり、上部に載置された搬送ケース7を分岐搬送路130に沿って搬送方向Tr1に搬送する。分岐コンベヤ231は、制御部400に制御される(
図2参照)。
【0083】
また、分岐搬送機構230は、状態検知部232を有する。状態検知部232は、主搬送路110の第2直線部112の助走領域117よりも搬送方向Tr1の上流側に配置される。そして、状態検知部232は、助走領域117に到達する搬送ケース7を監視し、搬送ケース7の状態を取得するとともに検知情報として制御部400に送る(
図2参照)。制御部400は、検知情報に基づいて、搬送ケース7を分岐搬送路130に送るか、主搬送路110の第2曲線部114に送るか決定する。なお、搬送ケース7の搬送の分岐の詳細については後述する。
【0084】
<送出装置300>
次に送出装置300の詳細について図面を参照して説明する。
図8は、送出装置300の拡大平面図である。
図9は、送出装置300に設けられる搬出部310の斜視図である。
【0085】
図1等に示すように、送出装置300は、合流搬送路120の搬送方向の下流端に接続する。送出装置300は、合流搬送路120で搬送される搬送ケース7を合流部115に送り出すとともに主搬送路110に搬送する。送出装置300は、搬出部310と、送り部320と、を有する。
【0086】
<搬出部310>
搬出部310は、合流搬送路120の搬送方向Tr1の下流に搬送された搬送ケース7を、合流搬送路120の下流端で一旦停止させ、主搬送路110に搬送される搬送ケース7と干渉しないタイミングで停止させた搬送ケース7を送り出す。なお、送り出すとは、搬送ケース7を搬送方向Tr1に押し出す動作を指す。搬出部310は、第1スターホイル51および第2スターホイル52と、第1駆動部53および第2駆動部54と、を有する。
【0087】
<第1スターホイル51および第2スターホイル52>
搬出部310において、第1スターホイル51および第2スターホイル52は、中心軸が一致するように上下にそれぞれ独立して回転可能に配置される。
図9に示すように、第1スターホイル51が第2スターホイル52の上方に配置される。第1スターホイル51および第2スターホイル52は、同一の構成である。そのため、代表して第1スターホイル51を参照して説明する。また、第2スターホイル52については、第1スターホイル51との対応について説明する。
【0088】
図9に示すように、第1スターホイル51は、本体部511と、3個の係合凸部512とを有する。本体部511は、平面視において円板状である。なお、本体部511は円板状に限定されないが、第1スターホイル51を円滑に回転させるため円板状であることが好ましい。
【0089】
3個の係合凸部512は、本体部511の径方向外縁から径方向外方に延びる。3個の係合凸部512は、周方向に等間隔で配置される。3個の係合凸部512は、それぞれ同一の形状を有する。係合凸部512は、搬送ケース7の側面に係合し、合流搬送路120の下流端に搬送された搬送ケース7を一旦停止させる。
【0090】
ここで、搬送ケース7について説明する。搬送ケース7は、主搬送路110、合流搬送路120、分岐搬送路130および曲線搬送路140内を搬送される。搬送ケース7は、上部に開口70を有する箱体である。搬送ケース7は、外面71と、後側の角部72と、前側の角部73と、後面74と、前面75とを有する。
【0091】
外面71は、外方に向いた平面であり搬送方向Tr1と交差する方向の外方に向く面である。後面74は、搬送方向Tr1の後側の面である。前面75は、搬送方向Tr1の前側の面である。
【0092】
後側の角部72は、外面71と後面74との間に配置される。また、前側の角部73は、外面71と前面75との間に配置される。そして、後面74には、貫通孔形状の凹部741を有する。また、前面75には、貫通孔形状の凹部751を有する。なお、凹部741および凹部751は、貫通孔形状でなくてもよい。
【0093】
係合凸部512は、搬送ケース7の後側の角部72および前側の角部73と係合する。搬送ケース7が角部72および角部73を有することで、係合凸部512が円滑かつ確実に搬送ケース7と係合可能である。
【0094】
図8、
図9等に示すように、係合凸部512は、係止突出部513と、押出突出部514とを有する。第1スターホイル51は、平面視において反時計回り方向の回転方向Rt1に回転する。係止突出部513は、係合凸部512の径方向外縁の回転方向Rt1の前端から径方向外方に突出する。また、押出突出部514は、係合凸部512の径方向外縁の回転方向Rt1の後端から径方向外方に突出する。
【0095】
搬出部310において、第1スターホイル51の係合凸部512の径方向外方の端部は、合流搬送路120に搬送された搬送ケース7の角部72および角部73と係合するように、合流搬送路120の内部に配置される。さらに説明すると、第1スターホイル51の係合凸部512の係止突出部513よび押出突出部514が、搬送ケース7の前側の角部73および後側の角部72と接触する。
【0096】
係止突出部513は、搬送ケース7が合流コンベヤ221によって搬送されるときに、前側の角部73と接触する。そして、係止突出部513は、搬送ケース7の搬送に伴って、前側の角部73に押される。これにより、第1スターホイル51は、回転方向Rt1に回転する。搬送ケース7が、合流搬送路120の合流待機位置Jp1(
図1参照)に移動したとき、第1スターホイル51の係止突出部513が搬送ケース7の前側の角部73を押え、搬送ケース7の搬送方向への移動が制限される。これにより、搬送ケース7は、合流待機位置Jp1で一時停止される。
【0097】
合流待機位置Jp1で搬送ケース7が一時停止されているとき、押出突出部514は、後側の角部72と接触する。そして、この状態から第1スターホイル51が回転方向Rt1に回転することで、押出突出部514が後側の角部72を搬送方向Tr1の下流側に押す。これにより、搬送ケース7は、搬送方向Tr1の下流側に向けて送り出される。
【0098】
第1スターホイル51は、以上示した構成を有する。第2スターホイル52は、本体部521と、係合凸部522とを有する。本体部521は、第1スターホイル51の本体部511と対応し、係合凸部522は、係合凸部512と対応する。また、係合凸部522の係止突出部523および押出突出部524は、それぞれ、係合凸部512の係止突出部513および押出突出部514と対応する。
【0099】
第1スターホイル51と第2スターホイル52とは、中心軸が一致するように上下に配置される。そして、平面視において、第1スターホイル51の係合凸部512と第2スターホイル52の係合凸部522とが周方向にずれるように配置される。
【0100】
<第1駆動部53および第2駆動部54>
第1駆動部53および第2駆動部54は、制御部400に接続され、制御部400の指示に基づいて動作する。第1駆動部53および第2駆動部54は、同一の構成を有する。
【0101】
第1駆動部53は、第1スターホイル51を回転させる動力源である。なお、第1駆動部53としては、例えば、電動モータを含む構成を挙げることができるがこれに限定されず、第1スターホイル51および第2スターホイル52を回転させることができる構成を広く採用することができる。
図9に示すように、搬出部310において、第1駆動部53は、第1スターホイル51の上方に配置される。
【0102】
第2駆動部54は、第2スターホイル52を回転させる動力源である。第2駆動部54は、第1駆動部53と同様、電動モータを含んでもよいし、これ以外の第2スターホイル52を回転させることができる構成であってもよい。
図9に示すように、搬出部310において、第2駆動部54は、第2スターホイル52の下方に配置される。
【0103】
第1駆動部53および第2駆動部54は、図示を省略しているが、いずれも出力軸を有する。第1駆動部53および第2駆動部54は、出力軸の中心が一致するように配置される。つまり、第1駆動部53、第1スターホイル51、第2スターホイル52および第2駆動部54は、上からこの順に中心が同一線上に配置されるように並ぶ。
【0104】
第1スターホイル51が搬送ケース7を一旦停止させるとき、第1駆動部53および第2駆動部54は、第1スターホイル51の回転および第2スターホイル52の回転をそれぞれ制限するブレーキとして動作してもよい。なお、第1スターホイル51および第2スターホイル52をそれぞれ独立して停止させる、ブレーキ機構を別途備えていてもよい。
【0105】
本実施形態では、第1駆動部53および第2駆動部54が、それぞれ、第1スターホイル51および第2スターホイル52を回転させる構成としているが、これに限定されない。例えば、歯車、ベルト、チェーン等を用いた動力伝達機構を用いて、第1スターホイル51および第2スターホイル52を同期して駆動可能な構成の場合、動力源を1つにまとめてもよい。搬出部310は、以上示した構成を有する。搬出部310にて送り出された搬送ケース7は、送り部320にて主搬送路110に送られる。
【0106】
<送り部320>
次に送り部320の詳細について図面を参照して説明する。
図10は、送出装置300に設けられる送り部320を下から見た斜視図である。なお、
図10において、主搬送コンベヤ211および合流コンベヤ221の図示を省略している。
図10に示すように、送り部320は、送出移動部61と、接触部62とを有する。送出移動部61は、側方移動部611と、上方移動部612とを有する。また、接触部62は、第1接触部621と、第2接触部622とを有する。
【0107】
図8、
図10に示すように、側方移動部611は、主搬送路110よりも外方に配置される。側方移動部611は、例えば、鉛直に立設したベルト面6111を有する直線状のトップチェーンコンベヤである。側方移動部611のベルト面は、合流コンベヤ221の上方のベルト面と直交する。側方移動部611の搬送方向Tr1の上流部分は合流搬送路120の上方に配置され、下流側に向かうにつれて主搬送路110に接近する。なお、側方移動部611として、ベルトコンベヤを挙げているがこれに限定されない。
【0108】
上方移動部612は、搬送ケース7の上面よりも上方に配置される。上方移動部612は、例えば、上下にベルト面6121を有する直線状のベルトコンベヤである。上方移動部612の下側のベルト面は、合流コンベヤ221と上下に対向する。上方移動部612の搬送方向Tr1の上流側は合流搬送路120と上下に重なり、下流側に向かうにつれて主搬送路110に接近する。なお、上方移動部612として、ベルトコンベヤを挙げているがこれに限定されない。
【0109】
第1接触部621は、側方移動部611のベルト面6111に固定されている。第1接触部621は、平面視において三角柱状である。そして、第1接触部621をベルト面6111に取り付けたとき、搬送ケース7の外面71と接触する第1接触面623を有する。第1接触面623は鉛直面であり、法線が搬送方向Tr1と直交する。つまり、第1接触面623は、側方移動部611のベルト面6111に対して傾いている。
【0110】
また、上方移動部612のベルト面6121には、第2接触部622が固定される。第2接触部622は、直方体形状である。そして、第1接触部621をベルト面6121に取り付けたとき、搬送ケース7の後面74と接触する第2接触面624を有する。第2接触面624は鉛直面であり、法線が搬送方向Tr1と平行である。つまり、第2接触面624の法線は、上方移動部612のベルト面6121の移動方向に対して傾いている。
【0111】
側方移動部611および上方移動部612は、いずれも、制御部400に制御される。制御部400による側方移動部611および上方移動部612の制御としては、例えば、側方移動部611および上方移動部612の動作開始、停止、速度調整等を挙げることができるが、これに限定されない。
【0112】
被搬送物の搬送装置Aは以上示した構成を有する。次に被搬送物の搬送装置Aの動作について説明する。まず、主搬送路110における主搬送機構210、合流搬送機構220および分岐搬送機構230の動作について説明する。
【0113】
<搬送動作>
主搬送機構210の第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は、搬送ケース7を搬送方向Tr1に移動させる力を付与するとともに搬送ケース7の姿勢を安定させるために用いられる。
【0114】
図1、
図3~
図5等に示すように、第1保持シャトル1は搬送ケース7の後面74を保持する。第2保持シャトル2は搬送ケース7の前面75を保持する。搬送ケース7が、主搬送路110の第1直線部111および第2直線部112のいずれかを搬送されるとき、第1保持シャトル1の第1面押しアーム12が搬送ケース7の後面74と接触し、第2保持シャトル2の第2面押しアーム22が搬送ケース7の前面75と接触する。これにより、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2が搬送ケース7を保持する。
【0115】
第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は、搬送ケース7を第1直線部111または第2直線部112内を搬送するとき、第1面押しアーム12および第2面押しアーム22で搬送ケース7の搬送方向Tr1の後側の面および前側の面を保持する。このとき、第1爪付きアーム13の第1爪部16および第2爪付きアーム23の第2爪部26は、それぞれ、搬送ケース7の凹部741および凹部751の内部に配置される(
図3参照)。なお、搬送ケース7が直線部に沿って搬送されるときには、第1爪部16および第2爪部26は、それぞれ凹部741および凹部751と係合しない。
【0116】
搬送ケース7が、主搬送路110の第1曲線部113および第2曲線部114のいずれかを搬送されるとき、
図4に示すように、第1保持シャトル1の第1爪付きアーム13の第1爪部16が搬送ケース7の凹部741と、第2保持シャトル2の第2爪付きアーム23の第2爪部26が搬送ケース7の凹部751と、それぞれ、係合する。
【0117】
図1、
図3等に示すように、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2に保持された搬送ケース7は、搬送方向Tr1に対して一定の姿勢を維持して、直線状のレール3aに沿って搬送される。例えば、
図3に示すように、直線状のレール3aに沿って移動する搬送ケース7において、外面71は、搬送方向Tr1と交差する方向の外方に向く。後面74および前面75は、搬送方向Tr1と直交する。このような、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2に保持された状態で、直線状のレール3aに沿って移動するときの搬送ケース7の姿勢を、基準姿勢Gs(
図1、
図3等参照)とする。
【0118】
搬送ケース7が曲線部を移動するとき、第1爪部16および第2爪部26が凹部741および凹部751と係合するため、遠心力の一部が第1保持シャトル1および第2保持シャトル2によって支えられる。また、主搬送路110では、外方にガイド部118が設けられている。そのため、搬送ケース7の遠心力は、ガイド部118によっても支えられる。以上により、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の搬送ケース7の遠心力によるレール3からの脱落が抑制される。
【0119】
なお、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2が、曲線部において搬送ケース7を保持して搬送させる場合において、第1面押しアーム12の少なくとも一部は、搬送ケース7の後面74と接触する。そのため、曲線部を搬送される場合において、搬送ケース7は、第1面押しアーム12に後面74を押されて搬送される。
【0120】
<合流部115における搬送ケース7の合流について>
合流搬送路120において搬送される搬送ケース7は、搬出部310によって合流待機位置Jp1で一旦停止され、その後、搬出部310によって1個ずつ送り出される。そして、送り出された搬送ケース7は、搬出部310から押された力と合流コンベヤ221によって搬送方向Tr1に移動されて、送り部320に送られる。まず、搬出部310の動作について説明し、その後、送り部320の動作について説明する。
【0121】
<搬出部310の動作>
上述した搬出部310による搬送ケース7の送り出しについて図面を参照して説明する。
図11は、時刻T1における第1スターホイル51が搬送方向の最も下流側の搬送ケース7を保持している状態を示す平面図である。
図12は、時刻T1における第2スターホイル52の位置を示す平面図である。
図13は、時刻T2における第1スターホイル51が搬送ケース7を送り出した状態を示す平面図である。
図14は、時刻T2における第2スターホイル52の位置を示す平面図である。
【0122】
図15は、時刻T3における第2スターホイル52が搬送方向の最も下流側の搬送ケース7を保持している状態を示す平面図である。
図16は、時刻T3における第1スターホイル51の位置を示す平面図である。
図11~
図16において、第2スターホイル52には、ドットハッチングを施し、第1スターホイル51と容易に区別できるようにしている。また、
図11~
図16では、第1スターホイル51および第2スターホイル52をそれぞれ別に図示しているが、実際には、
図9等に示すように上下に重なった状態で動作する。
【0123】
図11に示すように、時刻T1において、搬送ケース7の角部72および角部73は、第1スターホイル51の係合凸部512に係合される。これにより、搬送ケース7は、合流待機位置Jp1で一時停止される。このとき、第1駆動部53は、第1スターホイル51が搬送ケース7の移動を制限するように、第1スターホイル51に力を付与している。また、合流待機位置Jp1よりも搬送方向Tr1の上流側には、複数の搬送ケース7が互いに接触した状態で停止される。
【0124】
一方、同時刻T1において、第2スターホイル52は、前の搬送ケース7を送り出した直後であり、送り出しの勢いのまま、回転方向Rt1の次の係合凸部522の係止突出部523が現在一時停止されている搬送ケース7の後側の角部72と接触して停止している(
図12参照)。このとき、第2スターホイル52の係止突出部523の先端の一部は、搬送方向Tr1に見て搬送ケース7と重なる。
【0125】
そして、時刻T2において、第1駆動部53は、第1スターホイル51を回転させる。これにより、一時停止されていた搬送ケース7は、押出突出部514によって後側の角部72が搬送方向Tr1に押される。これにより、搬送ケース7は、搬送方向Tr1に送り出される(
図13参照)。
【0126】
なお、第1スターホイル51の回転によって押出突出部514が搬送ケース7を押すとき、搬送ケース7に対して、搬送方向Tr1および搬送方向Tr1と交差する方向の力が作用する。そのため、合流部115において、合流搬送路120と主搬送路110との間に配置されたガイド部118によってガイドされ、搬送方向Tr1に移動される。
【0127】
そして、押出突出部514から搬送方向Tr1に押された搬送ケース7は、押出突出部514に押された力によって搬送方向に移動するとともに、合流コンベヤ221によって搬送方向Tr1に搬送される。合流コンベヤ221によって搬送されることで、搬送ケース7は、予め決められた速度で送り部320に送られる。
【0128】
一方、同時刻T2において、第2スターホイル52の係止突出部523が、合流待機位置Jp1に搬送された搬送ケース7の搬送方向の前側の角部73に押される。これにより、第2スターホイル52は回転方向Rt1に回転する。(
図14参照)。このとき、第2駆動部54が第2スターホイル52の回転を検知し、第2駆動部54が第2スターホイル52に回転力を付与してもよい。このとき、第2駆動部54による第2スターホイル52への回転力の付与は、一定の時間であってもよいし、接触している搬送ケース7が合流待機位置Jp1に到達するまで行われてもよい。
【0129】
図15に示すように、時刻T3において、次の搬送ケース7が合流待機位置Jp1に到達する。このとき、第2スターホイル52は、係合凸部522が搬送ケース7の角部72および角部73と係合する。この状態で、第2駆動部54が第2スターホイル52を固定する。これにより、新たな搬送ケース7が合流待機位置Jp1で一時停止される。
【0130】
一方、同時刻T3において第1スターホイル51の係合凸部512の係止突出部513が、合流待機位置Jp1で一時停止されている搬送ケース7の搬送方向Tr1の後側の角部72と接触して停止する(
図16参照)。以上示した、
図11~
図16の状態を繰り返すことで、合流搬送路120内を搬送された搬送ケース7は、合流待機位置Jp1に一時停止された後、制御部400によって決められたタイミングで、送り出される。
【0131】
搬出部310は、第1スターホイル51および第2スターホイル52が同一の中心軸状に重ねて配置される。そして、一方のスターホイルが回転することで合流待機位置Jp1において一時停止させた搬送ケース7を送り出す。これと同時に、他方のスターホイルで次に合流待機位置Jp1に搬送された搬送ケース7を一時停止させる。これにより、搬出部310では、第1スターホイル51と第2スターホイル52とによって、搬送ケース7の一時停止および送り出しとが交互に途切れることなく行われる。すなわち、搬出部310を用いることで、搬送ケース7は所定のタイミングで順次送り出される。
【0132】
また、一方のスターホイルで合流待機位置Jp1から搬送ケース7を送り出すと同時に、他方のスターホイルで次に搬送された搬送ケース7を合流待機位置Jp1に一時停止させる。
【0133】
第1スターホイル51および第2スターホイル52が交互に動作する構成であるため、第1スターホイル51の係合凸部512および第2スターホイル52の係合凸部522の数を減らす(ここでは、それぞれ3個)ことが可能である。そのため、第1スターホイル51および第2スターホイル52を小型化可能であるとともに、軽量化可能である。これにより、第1駆動部53からの駆動力に対する第1スターホイル51の応答性および第2駆動部54からの駆動力に対する第2スターホイル52の応答性を高めることができる。そのため、第1スターホイル51および第2スターホイル52の応答遅れが抑制され、精度の高い送り出しが可能である。
【0134】
<送り部320の動作>
搬送ケース7は、基準姿勢Gsを維持した状態で、搬出部310から送り出される。そして、送り出された搬送ケース7は、基準姿勢Gsを維持した状態で、合流コンベヤ221にて搬送された搬送ケース7が送られる。
【0135】
送り部320には、基準姿勢Gsの搬送ケース7が搬送される。側方移動部611と上方移動部612とは、制御部400によって同期して制御される。同期とは、例えば、側方移動部611のベルト面6111および上方移動部612のベルト面6121の移動速度が等速であるものを挙げることができるが、これに限定されない。
【0136】
制御部400は、移動のタイミングも調整しており、第1接触部621と第2接触部622とは、一定の相対位置を保ちつつ、移動する。さらに詳しく説明すると、第1接触部621の第1接触面623と第2接触部622の第2接触面624とが直交した状態で、第1接触部621と第2接触部622との相対距離を一定に保った状態を維持して移動する。
【0137】
搬送ケース7は、外面71を第1接触部621の第1接触面623に支持され、後面74を第2接触部622の第2接触面624に支持される。これにより、搬送ケース7は、基準姿勢Gsに維持される。
【0138】
合流部115において、搬出部310から送り出された搬送ケース7の搬送方向Tr1の移動は、主に合流コンベヤ221によって行われる。側方移動部611に取り付けられた第1接触部621は、搬送方向Tr1に移動しつつ搬送ケース7が基準姿勢Gsを維持した状態で主搬送路110に向けて押される。また、上方移動部612に取り付けられた第2接触部622は、搬送ケース7の搬送方向Tr1の後面74を押すことで、合流コンベヤ221による搬送ケース7の搬送を補助しつつ、基準姿勢Gsを維持させる。このため、送り部320によって搬送ケース7は、基準姿勢Gsを維持しつつ、第1直線部111における搬送方向Tr1に対して傾いた方向に沿って移動され、主搬送路110に送られる。
【0139】
合流部115において、主搬送コンベヤ211が合流コンベヤ221と平行に、合流コンベヤ221と隣接して配置される。そして、送り部320において搬送ケース7は、搬送方向Tr1への移動に伴って、合流コンベヤ221の上部から主搬送コンベヤ211の上部に移動する。制御部400は、合流コンベヤ221と主搬送コンベヤ211との搬送速度が一致するように制御している。これにより、搬送ケース7の姿勢の乱れが抑制される。なお、これに限定されず、搬送ケース7の姿勢が乱れないように、合流コンベヤ221と主搬送コンベヤ211との搬送速度を調整するようにしてもよい。
【0140】
なお、本実施形態では、合流部115における搬送ケース7の搬送方向Tr1への移動を合流コンベヤ221および主搬送コンベヤ211にて行っているが、これに限定されない。例えば、搬送ケース7が主搬送路110に円滑かつ安定して移動可能である場合、主搬送コンベヤ211を省略してもよい。また、主搬送コンベヤ211に替えて、搬送ケース7を円滑に移動可能とするようなローラを敷き詰めた構成を配置してもよい。さらに、搬出部310および送り部320で、搬送ケース7を主搬送路110まで移動させることができる場合、合流コンベヤ221を合流待機位置Jp1までとしてもよい。また、合流部115における合流コンベヤ221に替えて、搬送ケース7を円滑に移動可能とするようなローラを敷き詰めた構成を配置してもよい。
【0141】
制御部400は、搬出部310の第1駆動部53および第2駆動部54、送り部320の側方移動部611および上方移動部612と接続されており、これらを同期させて制御している。まず、制御部400は、第1駆動部53および第2駆動部54を制御し、第1スターホイル51および第2スターホイル52を交互に回転させる。これにより、搬送ケース7は、第1スターホイル51および第2スターホイル52によって所定のタイミングで順次引き出される。
【0142】
そして、制御部400は、送り部320に到達した搬送ケース7の外面71に第1接触部621を接触させ、搬送方向Tr1の後面74に第2接触部622を接触させるように側方移動部611および上方移動部612を第1駆動部53および第2駆動部54に同期させて制御する。これにより、搬出部310で送り出された搬送ケース7を遅滞なく、主搬送路110に送ることが可能である。
【0143】
合流部115で主搬送路110に合流する搬送ケース7は、主搬送機構210の第1保持シャトル1および第2保持シャトル2に、後面74および前面75を保持される。主搬送機構210では、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は、レール3に沿って移動し、主搬送路110を搬送方向に循環している。
【0144】
そして、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2で保持された搬送ケース7の一部は、分岐部116で分岐搬送路130に送られ、残りは、第2曲線部114を通って第1直線部111、すなわち、調整待機位置Sp1に戻る。第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の一部は、搬送ケース7を保持した状態で調整待機位置Sp1に移動する。合流部115において、搬送ケース7を保持していない第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は、送出装置300から送り出された搬送ケース7を保持可能である。
【0145】
そこで、制御部400は、監視部212からの監視情報に基づいて、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2が、搬送ケース7を保持しているか否か確認する。制御部400は、搬送ケース7を保持していないと判断した第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は調整待機位置Sp1を通過させる。制御部400は、合流部115において、搬送ケース7の後面74および前面75を挟んで保持するように、通過した第1保持シャトル1および第2保持シャトル2を制御する。
【0146】
また、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2が搬送ケース7を保持していると判断した場合、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2を調整待機位置Sp1で一時待機させる。そして、制御部400は、送出装置300から送られる搬送ケース7と干渉(接触等)しないように、搬送ケース7を保持した第1保持シャトルおよび第2保持シャトル2を調整待機位置Sp1から合流部115に移動させる。
【0147】
このとき、制御部400は、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は、保持された搬送ケース7が送り部320の第1接触部621および第2接触部622とも接触しないタイミングで移動させてもよいし、合流部115に移動した後に速度調整して、接触しないようにしてもよい。
【0148】
このような構成とすることで、合流部115に送られる第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の全てに搬送ケース7を保持させることができる。これにより、搬送ケース7を保持せずに第1作業部St1に送られる第1保持シャトル1および第2保持シャトル2をなくすことができ、作業の高効率化を図ることが可能である。
【0149】
本実施形態では、第1接触部621が側方移動部611に、第2接触部622が上方移動部612に取り付けられているが、これに限定されない。例えば、1つの送出移動部61に第1接触部621および第2接触部622が取り付けられてもよい。送出移動部61が1つの場合、側方移動部であってもよいし、上方移動部であってもよい。また、これら以外の位置に配置されてもよい。
【0150】
<分岐部116における動作>
搬送装置Aでは、上述のとおり、第2直線部112の途中に配置された第1作業部St1では搬送ケース7に対して容器Cvを配置する作業が行われる。そして、第1作業部St1にて容器Cvが配置された搬送ケース7は、分岐搬送路130を介して次の製造工程を含む第2作業部St2に送られる。第1作業部St1には、図示を省略した他の製造工程から、容器Cvが送られる。そして、送られた容器Cvを搬送ケース7に配置する。
【0151】
第1作業部St1において、容器Cvの数が少なく、搬送ケース7に容器Cvを配置できない場合がある。この場合、制御部400は、搬送ケース7を第1作業部St1で停止させて、容器Cvが送られてくるのを待ってもよい。一方で、搬送ケース7の数が多い場合、容器Cvが送られてくるまで搬送ケース7を第1作業部St1で停止させると、後から搬送される搬送ケース7が溜まり、搬送ケース7が滞ってしまう。
【0152】
そこで、容器Cvが足りない場合、制御部400は、搬送ケース7が第1作業部St1で溜まらないように、搬送ケース7が第1作業部St1を通過するように主搬送機構210を制御する。これにより、搬送方向Tr1において、搬送ケース7の下流側に位置する分岐部116には、容器Cvが配置された搬送ケース7と配置されない搬送ケース7とが搬送される。
【0153】
分岐部116における動作の詳細について説明する。
図17は、分岐部116における主搬送機構210の動作を示すフローチャートである。制御部400は、状態検知部232から助走領域117に搬送される搬送ケース7の状態を示す状態情報を取得する(ステップS101)。なお、状態情報は、例えば、搬送ケース7に容器Cvが配置されているか否かの情報を含むが、これに限定されない。これ以外の情報を含んでもよい。状態情報は、搬送ケース7を第2作業部St2に送るか否かの判断を行うための情報を含んでいる。
【0154】
制御部400は、状態検知部232からの状態情報に基づき、搬送ケース7に容器Cvが配置されているか否か判断する(ステップS102)。搬送ケース7に容器Cvが配置されていない場合(ステップS102でNoの場合)、制御部400は、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の動作を維持し(ステップS103)、分岐操作を終了する。
【0155】
なお、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の動作を維持することで、搬送ケース7は、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2によって保持された状態で搬送される。そして、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は、分岐部116で第2直線部112から第2曲線部114に移動する。このとき、第1保持シャトル1の第1爪部16および第2保持シャトル2の第2爪部26が、搬送ケース7の凹部741および凹部751と係合する。これにより、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は、搬送ケース7を第2曲線部114側に引き込む。
【0156】
また、状態情報から搬送ケース7に容器Cvが配置されていると判断した場合(ステップS102でYesの場合)、制御部400は、搬送ケース7が助走領域117に到達したか否か確認する(ステップS104)。制御部400は、搬送ケース7が助走領域117に到達するまで待機する(ステップS104でNoのときステップS104を繰り返す)。
【0157】
上述のとおり、助走領域117では、搬送ケース7の下面は、分岐コンベヤ231に支持される。助走領域117において、搬送ケース7は、第1保持シャトル1、第2保持シャトル2および分岐コンベヤ231によって、搬送される。このとき、分岐コンベヤ231の搬送速度は、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の搬送速度と同じ速度である。しかしながら、これに限定されず、以下に示すとおり、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2が搬送ケース7から離間したとき、搬送ケース7が、分岐コンベヤ231で安定して搬送されるように、分岐コンベヤ231、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の搬送速度を決定してもよい。
【0158】
搬送ケース7が助走領域117に到達した場合(ステップS104でYesの場合)、制御部400は、リニアモータドライバ43を制御して第2保持シャトル2を加速する(ステップS105)。これにより、第2保持シャトル2の第2面押しアーム22および第2爪付きアーム23が搬送ケース7の前面75から離れる。
【0159】
また、制御部400は、リニアモータドライバ43を制御して第1保持シャトル1を減速する(ステップS106)。これにより、第1保持シャトル1の第1面押しアーム12および第1爪付きアーム13が搬送ケース7の後面74から離れる。これにより、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は、搬送ケース7から離間する。
【0160】
そして、搬送ケース7は、分岐コンベヤ231によって分岐搬送路130に向かって搬送される。なお、分岐搬送路130内において、搬送ケース7は、分岐ガイド部131によってガイドされ、搬送される。なお、分岐ガイド部131にガイドされることで、搬送ケース7は、基準姿勢Gsを維持したまま、分岐搬送路130内を搬送される。
【0161】
なお、分岐部116において、分岐ガイド部131は、搬送方向Tr1の上流側が広くなるように形成されている。このように形成することで、搬送ケース7から第1保持シャトル1および第2保持シャトル2が離間するときに、搬送ケース7がずれたり、姿勢が乱れたりしても、正確な姿勢および位置に修正して、分岐搬送路130の内部に入ることが可能である。
【0162】
容器Cvが配置された搬送ケース7は、分岐搬送路130内を搬送され、曲線搬送路140に到達する。曲線搬送路140は、第2作業部St2の内部に収容されている。本実施形態において、搬送ケース7は、第2作業部St2に設けられた搬送機構、例えば、外周面に搬送ケース7が嵌合可能な凹部を有する搬送ホイルにて、曲線搬送路140を搬送される。
【0163】
そして、第2作業部St2は、搬送ケース7に配置されて搬送された容器Cvに蓋をして、容器Cvのみを搬送装置Aの外部に移動させる。搬送ケース7は、内部に容器Cvが配置されない状態で、曲線搬送路140から合流搬送路120に送り出される。その後、搬送ケース7は、再度、合流搬送路120内を搬送されて、合流部115から主搬送路110に合流する。
【0164】
以上示すように、搬送ケース7は、主搬送路110内にあるときは、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2にて、搬送方向Tr1の前後から挟持される。そして、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2は、リニアモータドライバ43によって独立して動作可能である。そのため、合流部115において、搬送ケース7は、送出装置300から主搬送機構210に容易かつ確実に載せ替えることが可能である。
【0165】
同様に、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2の搬送速度を変更するだけで、分岐部116における搬送ケース7の搬送方向を容易かつ確実に切り替えることが可能である。
【0166】
なお、分岐搬送機構230として分岐コンベヤ231を例に説明したが、これに限定されない。例えば、リニアモータにて分岐搬送路130内に沿って動作し、第1保持シャトル1および第2保持シャトル2と同様の構成のシャトルを有してもよい。この場合、分岐搬送機構230のシャトルは、主搬送機構210の第1保持シャトル1および第2保持シャトル2と反対側の側面から保持するようにしてもよい。また、下面から保持するような構成としてもよい。
【0167】
また、本実施形態では、分岐搬送路130内に搬送された搬送ケース7は、曲線搬送路140を介して合流搬送路120に戻る構成としているが、これに限定されない。分岐搬送路130は、搬送ケース7を搬送装置Aの外部の別の装置に送るようにしてもよい。このとき、合流搬送路120では、外部の別の装置から送られるようにしてもよいし、別途、搬送ケース7を蓄積しておき、順次、搬送ケース7を送り出すようにしてもよい。
【0168】
以上示したように、搬送路100、搬送機構200および送出装置300を制御部400で統合して制御することで、搬送路100内の一部で搬送ケース7が停滞したり、搬送ケース7が外部に脱落したりすることなく、長期間にわたって安定して搬送ケース7を搬送させることが可能である。
【0169】
以上示した、監視部212および状態検知部232としては、光を照射してその光の検知状態で状態を検知する構成であってもよいし、撮像素子を用いて画像を撮像し、撮像データを制御部400に送るようにしてもよい。
【0170】
また、本実施形態では、監視部212を備える構成としているが、これに限定されない。主搬送路110において、分岐部116で第1直線部111に戻る搬送ケース7を選別している。そのため、分岐部116における動作に基づいて、調整待機位置Sp1に到達する第1保持シャトル1および第2保持シャトル2による搬送ケース7の保持状態を取得することも可能である。そのため、監視部212を省略してもよい。なお、本実施形態では、分岐部116における動作に基づく情報と、監視部212からの情報の両方を利用することで、確度をより高めるようにしている。
【0171】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0172】
100 搬送路
110 主搬送路
111 第1直線部
112 第2直線部
113 第1曲線部
114 第2曲線部
115 合流部
116 分岐部
117 助走領域
118 ガイド部
119 下面ガイド部
120 合流搬送路
121 合流ガイド部
130 分岐搬送路
131 分岐ガイド部
140 曲線搬送路
200 搬送機構
210 主搬送機構
211 主搬送コンベヤ
212 監視部
1 第1保持シャトル
11 本体部
12 第1面押しアーム
13 第1爪付きアーム
14 上ローラ
15 下ローラ
16 第1爪部
2 第2保持シャトル
21 本体部
22 第2面押しアーム
23 第2爪付きアーム
24 上ローラ
25 下ローラ
26 第2爪部
3 レール
3a レール
3b レール
31 メインレール部
32 溝付きレール部
33 平面レール部
4 リニア駆動部
41 コイル
42 マグネット
43 制御部
44 リニアモータドライバ
220 合流搬送機構
221 合流コンベヤ
230 分岐搬送機構
231 分岐コンベヤ
232 状態検知部
300 送出装置
310 搬出部
51 第1スターホイル
511 本体部
512 係合凸部
513 係止突出部
514 押出突出部
52 第2スターホイル
521 本体部
522 係合凸部
523 係止突出部
524 押出突出部
53 第1駆動部
54 第2駆動部
320 送り部
321 溝部
61 送出移動部
611 側方移動部
6111 ベルト面
612 上方移動部
6121 ベルト面
62 接触部
621 第1接触部
622 第2接触部
623 第1接触面
624 第2接触面
400 制御部
401 処理回路
402 記憶回路
A 搬送装置
7 搬送ケース
Cv 容器
Gs 基準姿勢
Jp1 合流待機位置
Rt1 回転方向
Sp1 調整待機位置
St1 第1作業部
St2 第2作業部
Tr1 搬送方向