(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153324
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】タンク出水口バルブと、互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口を有する水濾過器カートリッジと、を備える水タンク
(51)【国際特許分類】
B01D 35/027 20060101AFI20221004BHJP
C02F 1/28 20060101ALI20221004BHJP
B65D 25/02 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B01D35/02 F
C02F1/28 F
B65D25/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022050082
(22)【出願日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】10 2021 107 855.5
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508298385
【氏名又は名称】アクイス ヴァッサー-ルフト-ジステーメ ゲーエムベーハー, リンダウ,ツヴァイクニーダーラッスング レブシュタイン
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘイテル ベルンド
【テーマコード(参考)】
3E062
4D116
4D624
【Fターム(参考)】
3E062AA06
3E062AB02
3E062BA20
3E062BB09
4D116AA07
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4D624AA02
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4D624BC01
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4D624CA16
4D624CB19
4D624CC16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】貯水用のタンク容積を最大限に活用して、冷水処理及び温水処理両方のための給水を確実にうけとることができる水濾過構造及び接続構造を提供する。
【解決手段】水濾過器カートリッジ2を有する水タンク1であり、水濾過器カートリッジ2は、互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水濾過器カートリッジ(2)を有する水タンク(1)であって、
前記水濾過器カートリッジ(2)は、互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口(2.1;2.2)を備えることを特徴とする、水濾過器カートリッジを有する水タンク。
【請求項2】
互いに同心円状に配置された前記2つの水濾過器カートリッジ出水口(2.1;2.2)のうち第1の水濾過器カートリッジ出水口(2.1)は、前記水濾過器カートリッジ(2)の前記ハウジング(2.3)内において、少なくとも軸方向に、好ましくは半径方向にも可動であるように設けられることを特徴とする、
請求項1に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項3】
可動に設けられた前記第1の水濾過器カートリッジ出水口(2.1)は、前記タンク側に配置される補完的水濾過器カートリッジ接続要素(1.1)、特に、タンク出水口バルブ(7.2)、と水密に相互作用するための管状部(2.1.1)を備える差し込み要素の態様で構成されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項4】
前記管状部(2.1.1)は、前記タンク側に配置される前記補完的水濾過器カートリッジ接続要素(1.1)、特に、前記タンク出水口バルブ(7.2)、よりも可撓性が高い材料から製造されることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項5】
前記管状部(2.1.1)は封止面(2.1.1.1)を形成し、前記封止面(2.1.1.1)は、前記タンク側に配置される前記補完的水濾過器カートリッジ接続要素(1.1)に対して半径方向に作用することを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項6】
互いに同心円状に配置された前記2つの水濾過器カートリッジ出水口(2.1;2.2)のうち前記第1の水濾過器カートリッジ出水口(2.1)は、前記水濾過器カートリッジ(2)によって形成される第1流路(3)に割り当てられ、前記第2の水濾過器カートリッジ出水口(2.2)は第2流路(4)に割り当てられ、前記第2流路(4)は、前記水濾過器カートリッジ(2)内を通って前記第1流路(3)とは少なくとも部分的に独立して構成されることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項7】
前記第1流路(3)はフィルタ室(3.1)を備え、前記フィルタ室(3.1)は、前記水濾過器カートリッジ(2)の前記ハウジング(2.3)内において少なくとも軸方向に、好ましくは半径方向にも、可動であるように設けられることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項8】
可動に設けられた前記フィルタ室(3.1)上、及び/又は、前記水濾過器カートリッジ(2)における前記フィルタ室(3.1)のための補完的受容室(4.1)内に、前記2つの室(3.1;4.1)を互いに離間させるためのスペーシングリブ、及び/又は、スペーシングスタッド等が形成されることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項9】
前記フィルタ室(3.1)のための前記補完的受容室(4.1)は、フィルタ材料を備えない流通室として、かつ、前記第2流路(4)の一部として構成されることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項10】
前記2つの流路(3;4)の少なくとも一方に逆止弁が備えられることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項11】
前記2つの流路(3;4)のもう一方にも逆止弁が備えられることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項12】
前記水濾過器カートリッジ(2)は、補完的タンク側水濾過器カートリッジ固定要素(1.1.1)との相互作用のための、特に、バヨネット封止の形態の、カートリッジ側固定要素(2.4.2)を備えることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項13】
前記フィルタ室(3.1)内にイオン交換材料が備えられることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項14】
前記水濾過器カートリッジ(2)は、粒子フィルタ、及び/又は、活性炭フィルタを備えることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項15】
前記タンク側に配置され、特に、前記タンク出水口バルブとして構成される、前記補完的水濾過器カートリッジ接続要素(1.1)は、同心円状に配置されたバルブ(7.1;7.2)を有する二重バルブを備えることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項16】
前記二重バルブにおける前記2つのバルブ(7.1;7.2)は、いずれもバネ負荷式バルブ(7.1;7.2)であることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項17】
互いに同心円状に配置された2つの出水口を有するタンク側装置接続部(7)が、前記水タンク(1)上に構成されることを特徴とする、
先行する請求項のいずれか1項に記載の水タンク、及び水濾過器カートリッジ。
【請求項18】
水タンク(1)と水濾過器カートリッジ(2)とを有する水処理機(10)であって、前記水タンク(1)及び水濾過器カートリッジ(2)は、先行する請求項のいずれか1項に基づいて構成されることを特徴とする、水処理機。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、請求項1及び18のプリアンブルに記載の水濾過器カートリッジを有する水タンク、及び、水タンクが備えられた水処理装置に関する。
[先行技術]
水処理装置はますます人気が高まっている。第1に冷水処理装置の形態であり、第2に温水処理装置の形態である。
【0002】
冷水処理装置は、例えば、飲料水ディスペンサーであってよい。温水処理装置は、例えば、コーヒーマシン、及び/又は、給茶機などであってよい。
【0003】
これらの装置/機械でそれぞれ処理される水が、それぞれ適切な保健要件に対応することを保証するため、通常、当該処理の前に、使用する水の活性炭フィルタによる少なくとも1回の濾過が提供され、必要に応じて望ましくない風味を除去するための濾過が提供される。
【0004】
温水処理機の場合、使用する水のスケール除去のため、延いては使用する水と接触する加熱システムやパイプライン等の機械部品の保護のために、通常、濾過区域も提供される。
[発明の目的及び発明の有利な点]
本発明の目的は、導入部で説明した先行技術による水処理機が、貯水用のタンク容積を最大限に活用して、冷水処理及び温水処理の両方のための給水を確実に受けることができる水濾過構造及び接続構造を提供することである。
【0005】
この目的は、請求項1及び18のプリアンブルに続く特徴部分によって達成される。有利な実施形態及び好適な実施形態は、従属項に特定される。
【0006】
したがって、本発明は、水濾過器カートリッジを有する水タンクに関するものであり、水濾過器カートリッジが、互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口を備えることを特徴とする。
【0007】
これにより、単一の水濾過器カートリッジ内に2つの水流又は濾過水流が提供でき、2つの水流又は濾過水流はそれぞれ異なる処理区域を介した異なる用途を有し(続く飲料処理機における冷水処理及び温水処理)、そのため、2つの水流又は濾過水流は、単一の水濾過器カートリッジの2つの濾過区域の両方に一緒に給水する水タンクから供給される。
【0008】
水が加熱されると(温水処理)、60℃を超える水温、とりわけ65℃以上で水からミネラルが放出され、周囲の面に、具体的には水垢として堆積する。これは水垢に影響を受ける機械部品の操作及び運転寿命に悪影響を与え、最終的には機械にも悪影響を及ぼす。こうした堆積物は、一方では、絶縁性を有するため加熱システムの効率を低下させ、他方では、影響を受けたパイプラインの有効な断面積を徐々に減少させる。
【0009】
しかしながら、この石灰化による影響は、例えば飲料水給水機等による非加熱の冷水を提供する場合には、比較的軽微である。そのため、この目的で使用するために供給される水の濾過の必要性は、温水処理機における必要性よりも相応に低くなり得るか、又は少なくとも異なるものとなる。
【0010】
温水処理における濾過材料の作用をできる限り有益なものにするため、特に好ましくはこの目的のためにのみ、水濾過器カートリッジを通過する第1の独立流路が提供される。この流路は、第1水濾過器カートリッジ出水口に流れ込む。第2流路は、冷水処理を供給するためのパイプライン技術の観点で第1流路とは別に、第2水濾過器カートリッジ出水口に流れ込む。
【0011】
そのため、機械における次の処理である温水処理に水を供給するための水濾過器カートリッジを通る第1流路又は水路は、スケール除去剤を含むフィルタ室を備えてもよい。スケール除去剤は、具体的にはイオン交換体を含んでもよく、処理される水がそれを通過することで沈殿物及び水垢の堆積物を防ぐ。
【0012】
互いに独立して構成される2つの水濾過器カートリッジ出水口を水タンクに接続するために、水タンク全体で、パイプライン技術の観点で互いに独立した2つの導水管を有する単一の導水接続要素のみが必要とされ、それにより水濾過器カートリッジから別々に導き出される2つの水流を流通させる。
【0013】
有利な点は、2つの独立して構成される導水管が、水濾過器カートリッジと水タンクとの間の共通の接続ポイントでのみ密封されればよいことである。これは、とりわけ水タンク及び水濾過器カートリッジとともに操作される飲料処理機から水タンクを取り外すときや水タンクを飲料処理機に再び取り付けるときに、例えば、互いに独立して構成される2つの導水管が、接続領域における不要な出水を避けるために常に同時に正しく整列されなければならない場合と比較して、非常に単純に、かつ、高い信頼性をもって実行することができる。
【0014】
これが重要である理由は、水タンクは通常、補充処理毎に飲料処理機から取り外されて、水が補充されると機械に再接続されて導水できるようになるということと、それと同時に、水タンク、及び/又は、水濾過器カートリッジと機械との間における導水構造からできる限り出水が生じるべきでなく、機械のタンク接続領域を望まない形で濡らすべきでないこととが挙げられる。
【0015】
なぜなら、見栄えや使い勝手が悪いだけでなく、このような形で放出された水は、衛生面や見た目の理由で拭き取られているべきものであるためである。加えて、機械に水が浸入することにより機械部品が故障する可能性があるため、機械の確実な操作を危険にさらす可能性もある。あるいは、水が電気ケーブルと接触することにより利用者が電気ショックを受ける危険にさらされる可能性もある。
【0016】
互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口のうちの第1の水濾過器カートリッジ出水口は、水濾過器カートリッジのハウジング内で少なくとも軸方向に、好ましくは半径方向にも可動であるように配置されてもよい。
【0017】
その結果、同じく可動であるが、水タンクに配置されており、具体的にはバネ負荷式水タンク出水口バルブとして構成され得る補完的封止要素に対して、水濾過器カートリッジ出水口が固定され、確実に密封される形で接続されてもよい。この場合、好ましくは、この第1水濾過器カートリッジ出水口は、対応する水タンク出水口バルブのバルブタペットに接続可能なように構成される。
【0018】
水タンク出水口バルブは、好ましくは、互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口のうち、第2の外側水濾過器カートリッジ出水口に割り当てられる水タンク出水口バルブである。
【0019】
第1水濾過器カートリッジ出水口が備える可動性により、第1水濾過器カートリッジ出水口は、水タンク出水口バルブと水濾過器カートリッジ出水口との間の相対的な位置変化を何ら伴うことなく、水タンク出水口バルブとともに水タンクに対する開閉動作を行い得る。
【0020】
換言すると、水タンクが相応に補充された状態で第2水タンク出水口バルブのバルブタペットが駆動されると、当該バルブが開いて第2水濾過器カートリッジ出水口を開き、第2水濾過流路を介して処理された水が排出される。
【0021】
この場合、第1水濾過器カートリッジ出水口は、第2水タンク出水口バルブのバルブタペットとともに動いてもよい。第1水濾過器カートリッジ出水口の封止は、第1水濾過器カートリッジ出水口に割り当てられ、第2水濾過器カートリッジ出水口に割り当てられる水タンク出水口バルブの内部に同心円状に配置される更なる水タンク出水口バルブによって実現される。
【0022】
第1水濾過器カートリッジ出水口に割り当てられるこの更なる水タンク出水口バルブは、異なる部品間における参照名を統一するため、また、水濾過器カートリッジを通る第1流路に言及する際により明確な割り当てを行うため、第1水タンク出水口バルブと称する。同様に、第2流路に割り当てられる水タンク出水口バルブを第2水タンク出水口バルブと称する。また、それぞれの流路から飲料処理機に向かって水を下流へ送るすべての更なる部品についても同様である。
【0023】
可動に設けられた第1水濾過器カートリッジ出水口は、タンク側に配置される補完的水濾過器カートリッジ接続要素、具体的にはタンク出水口バルブと水密に相互作用するために、管状部を有する差し込み要素の形で構成されてもよい。
【0024】
好ましくは、水濾過器カートリッジ出水口の管状部は、タンク側に配置される補完的水濾過器カートリッジ接続要素、特にタンク出水口バルブ、よりも可撓性の高い材料から製造される。その結果、当該管状部は、補完的バルブ要素、好ましくはそのバルブタペット、に対して非常に正確に適合するように製造されてもよく、任意には、若干大きくても、又は小さくてもよく、バルブタペットの内部又はバルブタペット上に指し込まれてもよい。
【0025】
第1水濾過器カートリッジ出水口が水タンク出水口バルブに設けられた受容口内に差し込み可能なように構成される実施形態において、その管状部の半径方向外側の壁は、タンク出水口バルブ上の補完的受容口の半径方向内側の面に対して寄り掛かるための封止面を形成する。比較的可撓性の高い材料を用い、任意で若干大きい寸法とすることにより、管状部はタンクバルブ上の受容口と、特に強固で、しっかりと封止された圧入状態を形成してもよい。
【0026】
この圧入による固定力は十分に大きいため、装置側のタンクバルブが一時的に引っ掛かった場合に水タンクを飲料処理機から取り外す最中に生じ得る引張効果にも確実に対抗する。
【0027】
別の実施形態では、第1水濾過器カートリッジ出水口は、水タンク出水口バルブ上に、好ましくはそのバルブタペット上に差し込むことができるように構成される。同時に、その管状部の半径方向内側の壁は、タンク出水口バルブ上の補完的受容部の半径方向外側の面に対して寄り掛かる封止面を形成する。この場合、比較的可撓性の高い材料と、任意で若干小さな寸法により、管状部はタンクバルブ上の受容口と、特に強固で、しっかりと封止された圧入状態を形成してもよく、上記の実施形態に関して述べたとおり、水濾過器カートリッジ出水口が引っ張られる際に確実に対抗する。
【0028】
本実施形態では、管状部は、タンク側に配置された補完的水濾過器カートリッジ接続要素に対して半径方向に作用する封止面を形成してもよい。この場合、その半径方向内側の面は、タンク出水口バルブの半径方向外側の面に当接する。
【0029】
互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口のうち、第1水濾過器カートリッジ出水口は、水濾過器カートリッジによって形成される第1流路に割り当てられ、第2水濾過器カートリッジ出水口は第2流路に割り当てられる。第2流路は、少なくともその一部が、水濾過器カートリッジ内を通って第1流路とは独立に設けられる。
【0030】
第1流路はフィルタ室を備え、フィルタ室は、水濾過器カートリッジのハウジング内において少なくとも軸方向に、好ましくは半径方向にも、可動であるように設けられる。その結果、第1水濾過器カートリッジ出水口はフィルタ室に固定的に接続されてもよく、例えば、フィルタ室と一体に形成される出水口コネクタの形であってもよい。この出水口コネクタは、タンク出水口バルブに固定的に接続されてもよく、例えば上述のように差し込み接続により接続されてもよい。
【0031】
可動に設けられたフィルタ室の上、及び/又は、水濾過器カートリッジにおけるフィルタ室用の補完的受容室の内部に、2つの室を互いに離間させるためのスペーシングリブ、及び/又は、スペーシングスタッド等が形成されてもよい。その結果、受容室の壁と、その内側に可動に設けられたフィルタ室のハウジングとの間に望ましい流路断面を確保することができ、この流路断面は、例えば、水濾過器カートリッジの第2流路の一部であってもよい。
【0032】
好ましくは、フィルタ室用の補完的受容室は、フィルタ材料を備えない流通室として、かつ、第2流路の一部として構成されてもよい。その結果、上述したように、フィルタ室はできる限り受容室内を制限なく可動なように、また、タンクバルブの動きに追従するように設けられてもよい。
【0033】
好ましくは、2つの流路の少なくとも一方に逆止弁が備えられる。その結果、フィルタカートリッジ内において当該流路に、下流のパイプライン領域からの望ましくない逆サイフォン作用、とりわけ、他方の流路からの望ましくない逆サイフォン作用に対する安全要素を設けることができる。
【0034】
特に好ましくは、2つの流路のうちのもう一方の流路にも逆止弁が備えられる。こうして、両方の流路において、下流領域からの液体の逆サイフォン作用に対する信頼性のある防止策が確実に設けられる。
【0035】
水濾過器カートリッジは、補完的タンク側水濾過器カートリッジ固定要素との相互作用、具体的にはバヨネット封止、のために、カートリッジ側固定要素を備えてもよい。こうして、水濾過器カートリッジと水タンクとの間に固定的接続を設けることが可能である。また、これにより、水濾過器カートリッジ及び水タンクの上に構成、及び/又は、配置される封止要素の位置、延いてはその作用が確実に安定化される。
【0036】
フィルタ室内に、イオン交換材料が設けられてもよい。当該イオン交換材料を通過した水は、イオン交換材料によって十分にスケール除去されることができ、その後水が加熱されたときに、水垢が全く結晶化しないか、極めて少量しか結晶化しないものとしてもよい。
【0037】
また、水濾過器カートリッジは、粒子フィルタ、及び/又は、活性炭フィルタを備えてもよい。粒子フィルタは粗い混入物質を防ぎ、活性炭フィルタは水濾過器カートリッジを通過した水の許容できる美味しさを確実にする。
【0038】
タンク側に設けられ、特にタンク出水口バルブとして構成される補完的水濾過器カートリッジ接続要素は、同心円状に配置されるバルブ通路を有する二重バルブとして構成される。これにより、同様に同心円状に配置される2つの水濾過器出水口を有する水濾過器カートリッジを、単一の接続要素に接続することができ、このことは、上述したように、封止接続の信頼性に大きく貢献する。
【0039】
二重バルブにおける2つのバルブは、それぞれバネ負荷式バルブを形成する。その結果、外部からの負荷がない場合、2つのバルブはそれぞれのバネからバルブタペットに作用する閉じる力により、水タンクを封止することができる。タンクは貯蔵する水で満たされてもよい。これらのバルブタペットのうち少なくとも一方が押されたときに限り、対応するバルブがそれに掛かるバネの力に対抗して開き、任意で、水タンクに貯蔵された水が流出してもよく、或いは、飲料処理機に接続されている状態の場合は、水は水タンクから処理機を介して取り出されてもよい。
【0040】
水タンクと飲料処理機との間において操作上確実な接続を提供するため、好ましくは互いに同心円状に配置された2つの出水口を有するタンク側装置接続部が、水タンク上に構成されてもよい。このタンク側装置接続部は、好ましくは、装置側に設けられて装置と協働して飲料処理機に水を供給するタンク接続要素を補完するように構成される。
【0041】
本発明は、更に、水タンクと水濾過器カートリッジを有する水処理機に関する。当該水処理機は、水タンク及び水濾過器カートリッジが上述した実施形態のいずれか1つに基づいて構成されることを特徴とする。
【0042】
特に、飲料処理機は、上述の実施形態のいずれか1つに基づいて互いに同心円状に配置される2つの出水口への水タンクにおけるタンク側装置接続部に対する、装置側に設置される、或いは、設置され得る、補完的タンク接続部を備える。
【0043】
このタンク接続部は、水タンクが飲料処理機に接続される際に、二重バルブにおける2つのバルブを開放する作用を有し、それにより、機械は、水濾過器カートリッジにより2つの異なる濾過区域を介して処理された水を水タンクから引き込むことができ、冷水処理された飲料及び温水処理された飲料を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図面において以下を例示的に概略的に示す。
【
図1】
図1は、水タンクの部分断面図であり、水タンクには互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口を備える水濾過器カートリッジが挿入され、水タンクは、タンク側機械接続要素と、そこから間隔をあけて機械側タンク接続要素とを備える。
【
図2】
図2は、
図1に示す図における接続要素同士が接続された図である。
【
図3】
図3は、
図2と同様の図であるが、異なる処理を受けた2つの濾過水流を提供するために、水力学的に分離された2つの流路と互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口とを有する水濾過器カートリッジに焦点を当てた図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[代表的な実施形態の説明]
以下に、本発明の更なる詳細を図面を参照して記載する。
【0046】
図1は、水濾過器カートリッジ2が挿入された水タンク1の詳細な断面図である。
【0047】
水濾過器カートリッジ2は、互いに同心円状に配置された2つの水濾過器カートリッジ出水口、すなわち、第1の内側水濾過器カートリッジ出水口2.1と、第2の外側水濾過器カートリッジ出水口2.2とを備える。これらの水濾過器カートリッジ出水口は、2つの流路、すなわち第1流路3と第2流路4とに割り当てられ、これら2つの流路は水濾過器カートリッジ2を通過し、水力学的に互いに分離される。
【0048】
水濾過器カートリッジ2には、水タンク1に貯水される水6が、水タンク1の取水口5を介して供給される。水6の流れる方向は、矢印6.1によって記号で示される。
【0049】
水タンク1は、その底部1.2の下方から延在するタンク側機械接続要素7を備える。この機械接続要素7はスリーブ状の構造を有し、タンク1から離間して図示されている機械側タンク接続要素8との密封接続のために提供される。水タンクと飲料処理機との間における相互の密封作用のために、タンク接続要素8は凹部/受容部8.3を有し、凹部/受容部8.3は、機械接続要素7を受容するために補完的な形状を有する。この接続の密封作用を高めるために、例えばOリングなどの封止要素8.3.1を機械接続要素7と凹部/受容部8.3との間に配置してもよい。この封止要素8.3.1は、好ましくは、凹部/受容部8.3上に配置される。
【0050】
また、機械接続要素7は2つの水タンク出水口バルブ7.1及び7.2を備え、これら水タンク出水口バルブは機械接続要素7の内部で互いに同心円状に配置される。同心円状内側の水タンク出水口バルブ7.1は、水濾過器カートリッジ2を通る第1流路3を開閉するように構成される。同心円状外側の水タンク出水口バルブ7.2は、水濾過器カートリッジ2を通る第2流路4を開閉するように構成され、当該第2流路は第1流路とは独立して構成される。
【0051】
第1水タンク出水口バルブ7.1は、第2水タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットとして機能する機械接続要素7の部品内に配置される。それは、好ましくは第2水タンク出水口バルブ7.2の一部として構成されるバルブシートを備える。この第1水タンク出水口バルブ7.1のバルブタペットは、第2水タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットの開口部に同心円状に受容される。具体的には、バルブシートに対して寄り掛かるように、復元バネにより密封するようにプレテンションがかけられる。密封作用を高めるために、本実施形態では、Oリングの形状である封止要素が、バルブシートとバルブタペットとの間に配置される。
【0052】
第1水タンク出水口バルブ7.1は、密封状態において、第2水タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットと共に可動であるように構成される。言い換えれば、第2外側水タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットが、駆動により持ち上げられる、つまり、例えば、タンク側機械接続要素7が装置側タンク接続要素の補完的駆動要素8.2の上に配置されることによって、第2外側水タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットが水タンクの内側に押し付けられるとき、原理上は、これによって第1内側水タンク出水口バルブ7.1の閉鎖状態に影響が及ぶことはない。静止位置から始まり、第1内側水タンク出水口バルブは閉鎖したままである。
【0053】
水濾過器カートリッジ2が水タンク1に挿入されるとき、接続パイプと(本例では管状部2.1.1の形状の)第1水濾過器カートリッジ出水口2.1との間の恒久的に確実な封止を、そこに割り当てられる第1水タンク出水口バルブ7.1の少なくとも軸方向の位置変更が生じる場合であっても確保するために、そこに接続されるフィルタ室3.1もまた水濾過器カートリッジ2の受容室内で少なくとも軸方向に配置される。
【0054】
これにより、第2外側水タンク出水口バルブ7.2の閉鎖状態に関係なく、第1内側水タンク出水口バルブ7.1が、通常の取り扱い時において、装置側タンク接続要素8におけるその補完的要素である駆動要素8.1によって駆動されるまで、閉鎖状態を保つという効果がある。更に、通常の取り扱い時にこのことが可能となるのは、水タンクが機械側タンク接続要素上に配置されるときのみである。
【0055】
第1水タンク出水口バルブ7.1と管状部2.1.1との間の確実な密封作用は、水タンク1を取り外すときに第2水タンク出水口バルブ7.2が機械側タンク接続要素8に引っ掛かり動かせなくなってしまう可能性がある場合でさえも確保される。これは、第1水タンク出水口バルブ7.1と管状部2.1.1との間の接続に掛かる潜在的な引っ張り作用が、そこに接続され、正常操作状態において軸方向に可動であり、水濾過器カートリッジ2内で持ち上げられるフィルタ室3.1によって阻止されるためである。
【0056】
仮に第2水タンク出水口バルブ7.2が引っ掛かって動かせなくなり、水タンク1の取り外しとともに直ちに取り外せなくても、フィルタ室3.1の軸方向の遊びによって、それに対して固定して接続される管状部2.1.1.の濾過器カートリッジ2に対する動きに十分な相対的自由度が確保される。そのため、第2水タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットが機械側タンク接続要素8の凹部/受容部8.3から強制的に取り外されるまで、水濾過器カートリッジ1に対する第2水タンク出水口バルブ7.2の相対的な動きに、この部分が十分に参加し得る。これは、第1のバルブタペットの可動域を画定するバルブシート上におけるバルブタペットの密封領域の機械的位置合わせにより、実現される。バルブタペットがバルブタペットに対して寄り掛かるとすぐに、それは機械側タンク接続要素の凹部/受容部8.3から強制的に取り外されなければならない。
【0057】
したがって、水タンク出水口バルブ7.1が駆動要素8.1によって適切に持ち上げられるまで、水タンク1から第1濾過流路3を介した出水はできない。
【0058】
例えば、フィルタ室3.1にはイオン交換体などのスケール除去剤を配置してもよく、それにより、温水飲料を準備するために水が加熱されるとき、フィルタカートリッジ2によって処理される水6の沈殿物に対する処理をできる限り施してもよい。好ましくは、例えば殺菌、及び/又は、風味向上のための、活性炭フィルタ等の更なる濾過区域がフィルタカートリッジ2におけるフィルタ室3.1の上流に既に配置されており、特に、この濾過区域は、フィルタ室3.1を越えて流路4を介して流通させられる水6を処理するためのものでもある。
【0059】
水タンク1が機械側タンク接続要素8から取り外されるときも、第2水タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットは、今度は、復元バネにより、第2水タンク出水口バルブ7.2のバルブシートに対して密封するように押圧され、好ましくは、間に挟まる封止要素、具体的にはOリングも用いられる。
図1に示すように、第2水タンク出水口バルブ7.2は、水タンクに挿入された状態で、水濾過器カートリッジ2の流路4を開閉する。流路4は、フィルタカートリッジ2内で少なくとも軸方向に可動なように設けられたフィルタ室3.1の外壁と、フィルタ室3.1を可動に受容する受容室4.1の内壁との間に存在する(
図3も参照)。
【0060】
タンク側機械接続要素7が機械側タンク接続要素8に挿入されたとき(
図2参照)の外方向の封止作用を向上させるため、好ましくは再びOリングの形状である封止要素8.3.1を、機械接続要素7とそれを補完する機械側タンク接続要素8の凹部/受容部との間に配置してもよい。ここでも好ましくはOリングの形状である封止要素8.1.1を、内方向の封止作用を向上させるために配置してもよい。
【0061】
完全性のため、飲料処理機10を、機械側タンク接続要素8から延びる2本のパイプライン9.1及び9.2上に概略的に図示する。2本のパイプライン9.1及び9.2は、水力学的に互いに独立な流路3及び4の2つの濾過水流を運ぶ。流路3の濾過水流は、機械側タンク接続要素8を通ってパイプライン9.1内へと中心を流れる。流路4の濾過水流は、凹部/受容部8.3によって形成された室8.3.2を介して、パイプライン9.2へと流れる。
【0062】
水タンク1の内面上において、水濾過器カートリッジ2は、カートリッジ側タンク接続要素2.4によってタンク側水濾過器カートリッジ接続要素1.1に接続される。好ましくは、この場合、これらの要素は互いを補完する2つのスリーブ状の部品であり、互いに差し込み合うことができるように構成される。例えばOリング形状である封止要素2.4.1を2つの部品の間に配置して、封止作用を高めてもよい。
【0063】
水タンク1に固定するため、水濾過器カートリッジ2は、補完的タンク側水濾過器カートリッジ固定要素1.1.1との相互作用、具体的にはバヨネット封止のために、カートリッジ側固定要素2.4.2を有してもよい。
【0064】
図2もまた、水濾過器カートリッジ2が挿入された水タンク1の詳細な断面図である。
図2では、
図1とは対照的に、タンク側機械接続要素7は機械側タンク接続要素8に接続および挿入されている。
【0065】
第1水タンク出水口バルブ7.1のバルブタペットは駆動要素8.1の上に位置し、第2水タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットは駆動要素8.2の上に位置し、そうすることで水タンク1の2つの水タンク出水口バルブが開放される。
【0066】
第1水カートリッジ出水口2.1の管状部2.1.1は、タンク側に配置される補完的水濾過器カートリッジ接続要素1.1よりも可撓性の高い材料で製造される。それに対し、管状部はプラグ(差し込み)要素の態様で密封接続される。本実施形態では、管状部2.1.1は、互いに同心円状に配置される2つの水タンク出水口バルブ7.1及び7.2の第2半径方向外側水タンク出水口バルブのバルブタペットの凹部内に挿入される。もしくは、管状部2.1.1は、第2水タンク出水口バルブ7.2のバルブタペット上に、密封するように差し込むことができるように構成されてもよい。
【0067】
図3も
図2と同様に、水濾過器カートリッジ2が挿入された水タンク1の詳細な断面図であり、
図3ではフィルタカートリッジ2に注目する。
図3では、フィルタカートリッジ2のハウジング2.3の縦方向の全体が図示される。
【0068】
第1フィルタ要素及び/又は保持要素2.5は、例えば不織布又は篩の形状であって、フィルタカートリッジ2の取水口5の領域内に配置される。その後方に隣接して、フィルタ室2.6がハウジング2.3内部にあり、当該フィルタ室には、例えば活性炭フィルタを配置することができる。
【0069】
水タンク1から水濾過器カートリッジ2内へと流れる水6は、このフィルタ室2.6を矢印6.2の方向に通過する。別のフィルタ要素及び/又は保持要素2.7もまた、例えば不織布又は篩の形状であり、水濾過器カートリッジ2のハウジング2.3の内面上であって、取水口5の反対側に配置される。このフィルタ要素及び/又は保持要素はまた弾力性を有してもよく、それにより、水濾過器カートリッジを組み立てるときに、特に、少なくとも若干のプレテンションをかけて、例えば水濾過器カートリッジのハウジングに受容される別の部品を支持する。また、これにより、水濾過器カートリッジ2の個々の部品間に、顆粒状粒子の望ましくない移動に対するより高い封止作用が発生する。
【0070】
水6の流れる方向において、フィルタ室2.8は、水濾過器カートリッジ2の内部でフィルタ要素及び/又は保持要素2.7に隣接して配置される。このフィルタ室には、例えば粒子フィルタが提供されて、別のフィルタ要素及び/又は保持要素2.9によってフィルタ材料の放出に対して下流で封止されてもよいが、処理される水6はなお通過可能であってもよい。フィルタ室2.8は、任意に2つのフィルタ要素及び/又は保持要素2.7及び2.9を備える挿入部品として構成されてもよい。
【0071】
矢印6.3で示す水6の流れる方向において、受容室4.1がフィルタ要素及び/又は保持要素2.9に続く。受容室は壁4.1.1によって画定され、フィルタ室2.6とは水密に離隔される。
【0072】
受容室4.1の内側には、フィルタ室3.1が少なくとも軸方向に可動に、好ましくは半径方向にも可動に受容される。このフィルタ室3.1はその壁3.1.1、頂部要素3.1.2、及び、底部要素3.1.3によって、受容室4.1に対して表面が水密に設けられる。
【0073】
フィルタ室3.1内部へ続く取水用開口3.1.2.1は、頂部要素3.1.2に設けられる。また、開口3.1.3.1が底部要素3.1.3に設けられる。この開口は、フィルタ室3.1で更に処理された水を送り出すための出水用開口である。取水用開口及び出水用開口それぞれに更なるフィルタ要素及び/又は保持要素が配置され、それにより、フィルタ材料がフィルタ室3.1から流出するのを防止する一方で、水の通過を許容する。
【0074】
上述した管状部2.1.1の形態の第1水濾過器カートリッジ出水口2.1は、フィルタ室3.1の底部3.1.3において出水口3.1.3.1の周りに一体的に形成され、それに固定的に接続される。この管状部は、第2タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットよりも可撓性の高い材料で構成され、その凹部内に固定されるように挿入される。その結果、それに固定的に接続される管状部2.1.1及びフィルタ室3.1は、バルブタペットが凹部/受容部8.3に固定されている可能性がある状態で、水タンクが機械側タンク接続要素8から取り外されるとき、とりわけ軸方向に、好ましくは半径方向においても、第2タンク出水口バルブ7.2のバルブタペットの動きに参加してもよい。
【0075】
水濾過器カートリッジ2によって処理され、水タンクから排出される水6は、水の通り道であるフィルタ区域2.5から2.9によって共同して処理される水流として、受容室4.1の取水口領域に、矢印6.1から6.3の示す方向に流れ込む。受容室4.1の取水口領域において、この水流は、水力学的に互いに独立した2つの水路3及び4に分かれる。
【0076】
第1水路3は、フィルタ室3.1及び、そこに設けられた、例えばイオン交換体等のスケール除去剤を通過する。その結果、飲料処理機10によって温水飲料として処理されるために水タンク1から排出される水のスケール除去が行われる(
図1参照)。
【0077】
第2水路4は、フィルタ区域2.5から2.9によって既に処理された水6を、受容室4.1を介して、フィルタ室3.1を越えて流通させ、第2水濾過器カートリッジ出水口2.2に到達させる。この水路4を経た水6は、飲料処理機10による冷水飲料としての処理のために供給される。
【0078】
受容室内でフィルタ室3.1を壁部4.1.1から離間して配置できるように、リブ、及び/又は、スタッド、又は同様のスペーシング要素4.1.2が、壁部4.1.1、及び/又は、フィルタ室3.1の壁部3.1.1上に設けられる。
図3では、例として、このようなスペーシング要素を受容室の取水口領域に例示する。
【0079】
2つの流路3及び4の他方からの逆サイフォン作用をそれぞれ防ぐために、これら2つの流路の少なくとも一方に、好ましくは両方に、逆止弁が設けられてもよい。
[参照番号の一覧]
1 水タンク
1.1 タンク側水濾過器カートリッジ接続要素
1.1.1 タンク側固定要素
1.2 底部
2 水濾過器カートリッジ
2.1 第1水濾過器カートリッジ出水口
2.1.1 管状部
2.1.1.1 封止面
2.2 第2水濾過器カートリッジ出水口
2.3 ハウジング
2.4 カートリッジ側タンク接続要素
2.4.1 封止要素
2.4.2 カートリッジ側固定要素
2.5 フィルタ要素及び/又は保持要素
2.6 フィルタ室/活性炭
2.7 フィルタ要素及び/又は保持要素
2.8 フィルタ室
2.9 フィルタ要素及び/又は保持要素
3 第1水路
3.1 フィルタ室
3.1.2 頂部
3.1.3 底部
3.1.3.1 出水口
4 第2水路
4.1 受容室
4.1.1 壁部
4.1.2 リブ/スタッド/スペーシング要素
5 取水口
6 水
6.1 矢印
6.2 矢印
6.3 矢印
7 タンク側機械接続要素
7.1 第1水タンク出水口バルブ
7.2 第2水タンク出水口バルブ
8 機械側タンク接続要素
8.1 駆動要素
8.1.1 封止要素
8.2 駆動要素
8.3 凹部/受容部
8.3.1 封止要素
8.3.2 室
9.1 パイプライン
9.2 パイプライン
10 飲料処理機/装置
【外国語明細書】