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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153327
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20221004BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20221004BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20221004BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J50/10
H02J7/00 301D
H02J50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050521
(22)【出願日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】P 2021054527
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021154596
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】菱田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 晃浩
(72)【発明者】
【氏名】鴻巣 光司
(72)【発明者】
【氏名】矢野 光一
(72)【発明者】
【氏名】三和 剛
(72)【発明者】
【氏名】田畑 惣太郎
(72)【発明者】
【氏名】三品 賢太郎
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA01
5G503CA11
5G503GB08
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】外部電源の電力供給能力によって制限を受けることなく、携帯端末のキャパシタの充電に適した電力供給を実施可能な構成を提供する。
【解決手段】パソコン2等の外部電源からの電力を利用して携帯端末10を充電する充電装置60には、二次電池82及び送電コイル83と、外部電源からの電力を利用して二次電池82を充電する制御と二次電池82からの電力を利用して送電コイル83を介して携帯端末10のキャパシタ52を充電する制御とを行う電源制御部81とが設けられる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末側蓄電デバイスとしてキャパシタを有する携帯端末と、
外部電源からの電力を利用して前記携帯端末を充電する充電装置と、
を備える充電システムであって、
前記充電装置は、
装置側蓄電デバイスと、
前記携帯端末との間で電力供給を行うための給電部と、
前記外部電源からの電力を利用して前記装置側蓄電デバイスを充電する制御と前記装置側蓄電デバイスからの電力を利用して前記給電部を介して前記携帯端末の前記キャパシタを充電する制御とを行う装置側制御部と、
を備えることを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記装置側制御部は、前記装置側蓄電デバイスからの電力と前記外部電源からの電力との双方を利用して前記給電部を介して前記携帯端末の前記キャパシタを充電する制御とを行うことを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記装置側制御部は、前記装置側蓄電デバイスからの電力のみを利用して前記給電部を介して前記携帯端末の前記キャパシタを充電する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項4】
前記装置側制御部は、前記装置側蓄電デバイスからの電力のみを利用して前記給電部を介して前記携帯端末の前記キャパシタを充電する制御を行う際には、前記外部電源からの電力を利用した前記装置側蓄電デバイスの充電を停止することを特徴とする請求項3に記載の充電システム。
【請求項5】
前記充電装置は、前記携帯端末と上位機器との通信を中継する通信制御部を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項6】
前記通信制御部は、他の充電装置又は載置されていない携帯端末と前記上位機器との通信をも中継することを特徴とする請求項5に記載の充電システム。
【請求項7】
前記充電装置は、前記携帯端末との間及び前記上位機器との間の少なくとも一方にてワイヤレスで通信を行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の充電システム。
【請求項8】
前記充電装置は、前記携帯端末との間及び前記外部電源との間の少なくとも一方にてワイヤレスで電力供給を行うことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項9】
前記携帯端末は、
発電された電力が前記キャパシタに充電される発電部と、
前記キャパシタからの電力を利用して前記充電装置の前記装置側蓄電デバイスを充電する制御を行う端末側制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項10】
前記携帯端末は、情報コードに記録される情報及び無線タグに記録される情報の少なくとも一方を読み取り可能な携帯型の情報読取端末であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項11】
携帯端末と、
充電可能に載置された載置状態の前記携帯端末をワイヤレスで充電する充電装置と、
を備える充電システムであって、
前記充電装置に指示すべき所定の情報を光学的に読み取り可能に記録した情報コードが前記所定の情報ごとに複数用意され、
前記携帯端末は、
撮像した前記情報コードから前記所定の情報を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた前記所定の情報に応じた指示パターンを生成する生成部と、
無線電力伝送で受電可能な受電部と、
前記載置状態を検知可能な端末側検知部と、
前記受電部を制御する端末側制御部と、
を備え、
前記端末側制御部は、前記端末側検知部により前記載置状態が検知された際、前記生成部により前記指示パターンが生成されていない場合に送電を要求する送電要求パターンで前記受電部を制御し、前記生成部により前記指示パターンが生成されている場合に当該指示パターンで前記受電部を制御し、
前記充電装置は、
無線電力伝送で送電可能な送電部と、
前記載置状態を検知可能な装置側検知部と、
前記装置側検知部により前記載置状態が検知された際、前記受電部から前記送電部を介して受信されるパターンを解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に応じた制御を行う装置側制御部と、
を備え、
前記装置側制御部は、前記解析部により前記送電要求パターンが解析された場合に前記受電部を充電するために前記送電部を制御し、前記解析部により前記指示パターンが解析された場合に当該指示パターンに応じた制御を行うことを特徴とする充電システム。
【請求項12】
前記生成部によって生成される前記指示パターンの少なくとも一部として、前記充電装置の設定を変更するためのパターンが採用されることを特徴とする請求項11に記載の充電システム。
【請求項13】
前記生成部によって生成される前記指示パターンの少なくとも一部として、前記充電装置の設定に関してパラメータ値を変更するためのパターンが採用されることを特徴とする請求項12に記載の充電システム。
【請求項14】
前記携帯端末は、前記充電装置と無線通信する際に前記端末側制御部によって制御される端末側無線通信部を備え、
前記充電装置は、前記携帯端末と無線通信する際に前記装置側制御部によって制御される装置側無線通信部を備え、
前記生成部によって生成される前記指示パターンの少なくとも一部として、無線接続を切断した後に再接続するための再接続指示パターンが採用され、
前記端末側制御部は、前記端末側検知部により前記載置状態が検知された際、前記生成部により前記再接続指示パターンが生成されている場合に、当該再接続指示パターンで前記受電部を制御するとともに無線接続を切断した後に再接続するように前記端末側無線通信部を制御し、
前記装置側制御部は、前記解析部により前記再接続指示パターンが解析された場合に、無線接続を切断した後に再接続するように前記装置側無線通信部を制御することを特徴とする請求項11~13のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項15】
前記再接続指示パターンに対応する前記所定の情報には、前記充電装置を特定する装置特定情報が含まれ、
前記携帯端末は、
前記読取部によって前記情報コードから読み取られた前記所定の情報に前記装置特定情報が含まれる場合に、当該装置特定情報から特定される充電装置が前記端末側無線通信部によって無線接続されている前記充電装置に一致する第1の一致状態であるか否かについて判定する端末側判定部を備え、
前記生成部は、前記読取部により前記所定の情報が読み取られた際に、前記端末側判定部により前記第1の一致状態と判定された場合に、前記再接続指示パターンを生成しないことを特徴とする請求項14に記載の充電システム。
【請求項16】
前記端末側制御部は、前記情報コードから読み取った前記装置特定情報から特定される前記充電装置を再接続先とするように前記端末側無線通信部を制御することを特徴とする請求項15に記載の充電システム。
【請求項17】
前記再接続指示パターンは、対応する前記装置特定情報を解析可能に生成され、
前記充電装置は、
当該充電装置が前記解析部により前記再接続指示パターンから解析された前記装置特定情報から特定される充電装置に一致する第2の一致状態であるか否かについて判定する装置側判定部を備え、
前記装置側制御部は、前記解析部により前記再接続指示パターンが解析された場合であって前記装置側判定部により前記第2の一致状態と判定された場合に、無線接続を切断した後に再接続するように前記装置側無線通信部を制御することを特徴とする請求項15又は16に記載の充電システム。
【請求項18】
前記携帯端末は、前記充電装置と無線通信する際に前記端末側制御部によって制御される端末側無線通信部を備え、
前記充電装置は、所定数の前記携帯端末と無線通信可能であって、前記携帯端末と無線通信する際に前記装置側制御部によって制御される装置側無線通信部を備え、
前記生成部によって生成される前記指示パターンの少なくとも一部として、無線接続を追加するための追加接続指示パターンが採用され、
前記端末側制御部は、前記端末側検知部により前記載置状態が検知された際、前記生成部により前記追加接続指示パターンが生成されている場合に、当該追加接続指示パターンで前記受電部を制御するとともに無線接続するように前記端末側無線通信部を制御し、
前記装置側制御部は、前記解析部により前記追加接続指示パターンが解析された場合に、いずれの前記携帯端末とも無線通信していないか、または、前記所定数未満の前記携帯端末と無線接続中であると、無線接続対象を追加するように前記装置側無線通信部を制御し、前記所定数の前記携帯端末と無線接続中であると、無線接続対象を追加しないように前記装置側無線通信部を制御することを特徴とする請求項11~17のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項19】
前記生成部によって生成される前記指示パターンの少なくとも一部として、前記携帯端末の所定の端末機能と前記充電装置の所定の装置機能とを制限するための機能制限指示パターンが採用され、
前記端末側制御部は、前記端末側検知部により前記載置状態が検知された際、前記生成部により前記機能制限指示パターンが生成されている場合に、当該機能制限指示パターンで前記受電部を制御するとともに前記所定の端末機能を制限し、
前記装置側制御部は、前記解析部により前記機能制限指示パターンが解析された場合に、前記所定の装置機能を制限することを特徴とする請求項11~18のいずれか一項に記載の充電システム。
【請求項20】
前記端末側制御部は、前記端末側検知部により前記載置状態が検知された際、前記所定の端末機能が制限されている状態で前記生成部により前記機能制限指示パターンが生成されている場合に、当該機能制限指示パターンで前記受電部を制御するとともに前記所定の端末機能の制限を解除し、
前記装置側制御部は、前記所定の装置機能が制限されている状態で前記解析部により前記機能制限指示パターンが解析された場合に、前記所定の装置機能の制限を解除することを特徴とする請求項19に記載の充電システム。
【請求項21】
前記生成部によって生成される前記指示パターンの少なくとも一部として、前記所定の端末機能及び前記所定の装置機能の制限解除を許可するための機能制限解除許可パターンが採用され、
前記端末側制御部は、前記端末側検知部により前記載置状態が検知された際、前記所定の端末機能が制限されている状態で前記生成部により前記機能制限解除許可パターンが生成されている場合に、当該機能制限解除許可パターンで前記受電部を制御するとともに前記所定の端末機能の制限を解除し、
前記装置側制御部は、前記所定の装置機能が制限されている状態で前記解析部により前記機能制限解除許可パターンが解析された場合に、前記所定の装置機能の制限を解除することを特徴とする請求項19に記載の充電システム。
【請求項22】
情報コードを光学的に読み取る携帯端末と、
充電可能に載置された載置状態の前記携帯端末をワイヤレスで充電する充電装置と、
を備える充電システムであって、
前記携帯端末は、
前記情報コードを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像画像に含まれる前記情報コードをデコードするデコード部と、
所定のタイミングで前記撮像部により撮像された1又は2以上の撮像画像が作業履歴画像として記憶される端末側記憶部と、
無線電力伝送で受電可能な受電部と、
前記載置状態を検知可能な端末側検知部と、
前記受電部を制御する端末側制御部と、
前記充電装置と無線通信する際に前記端末側制御部によって制御される端末側無線通信部と、
を備え、
前記端末側制御部は、前記端末側検知部により前記載置状態が検知された際、前記作業履歴画像が前記端末側記憶部に記憶されていない場合に送電を要求する送電要求パターンで前記受電部を制御し、前記作業履歴画像が前記端末側記憶部に記憶されている場合に前記作業履歴画像を送信すること通知する画像送信通知パターンで前記受電部を制御した後に、前記端末側無線通信部を利用した前記作業履歴画像の送信完了に応じて当該作業履歴画像を前記端末側記憶部から消去し、
前記充電装置は、
無線電力伝送で送電可能な送電部と、
前記載置状態を検知可能な装置側検知部と、
前記装置側検知部により前記載置状態が検知された際、前記受電部から前記送電部を介して受信されるパターンを解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に応じた制御を行う装置側制御部と、
前記携帯端末と無線通信する際に前記装置側制御部によって制御される装置側無線通信部と、
装置側記憶部と、
を備え、
前記装置側制御部は、前記解析部により前記送電要求パターンが解析された場合に前記受電部を充電するために前記送電部を制御し、前記解析部により前記画像送信通知パターンが解析された場合に前記装置側無線通信部を利用して前記携帯端末から受信した前記作業履歴画像を前記装置側記憶部に記憶するための処理を行うことを特徴とする充電システム。
【請求項23】
前記所定のタイミングは、前記デコード部によるデコード成功時を基準に1又は2以上設定されることを特徴とする請求項22に記載の充電システム。
【請求項24】
情報コードを光学的に読み取る携帯端末と、
充電可能に載置された載置状態の前記携帯端末をワイヤレスで充電する充電装置と、
を備える充電システムであって、
前記携帯端末は、
前記情報コードを撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像画像に含まれる前記情報コードをデコードするデコード部と、
前記デコード部によるデコードに成功した情報コードのコード種が作業履歴情報として記憶される端末側記憶部と、
無線電力伝送で受電可能な受電部と、
前記載置状態を検知可能な端末側検知部と、
前記受電部を制御する端末側制御部と、
前記充電装置と無線通信する際に前記端末側制御部によって制御される端末側無線通信部と、
を備え、
前記端末側制御部は、前記端末側検知部により前記載置状態が検知された際、前記作業履歴情報が前記端末側記憶部に記憶されていない場合に送電を要求する送電要求パターンで前記受電部を制御し、前記作業履歴情報が前記端末側記憶部に記憶されている場合に前記作業履歴情報を送信すること通知する情報送信通知パターンで前記受電部を制御した後に、前記端末側無線通信部を利用した前記作業履歴情報の送信完了に応じて当該作業履歴情報を前記端末側記憶部から消去し、
前記充電装置は、
無線電力伝送で送電可能な送電部と、
前記載置状態を検知可能な装置側検知部と、
前記装置側検知部により前記載置状態が検知された際、前記受電部から前記送電部を介して受信されるパターンを解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に応じた制御を行う装置側制御部と、
前記携帯端末と無線通信する際に前記装置側制御部によって制御される装置側無線通信部と、
装置側記憶部と、
を備え、
前記装置側制御部は、前記解析部により前記送電要求パターンが解析された場合に前記受電部を充電するために前記送電部を制御し、前記解析部により前記情報送信通知パターンが解析された場合に前記装置側無線通信部を利用して前記携帯端末から受信した前記作業履歴情報を前記装置側記憶部に記憶するための処理を行うことを特徴とする充電システム。
【請求項25】
携帯端末と、
充電可能に載置された載置状態の前記携帯端末をワイヤレスで充電する充電装置と、
を備える充電システムであって、
前記携帯端末は、
無線電力伝送で受電可能な受電部と、
前記載置状態を検知可能な端末側検知部と、
前記受電部を制御する端末側制御部と、
前記充電装置と無線通信する際に前記端末側制御部によって制御される端末側無線通信部と、
を備え、
前記端末側制御部は、前記端末側検知部により前記載置状態が検知された際、送電を要求するとともに当該携帯端末を特定するための端末特定情報の無線送信を通知する端末特定情報通知パターンで前記受電部を制御した後に、前記端末側無線通信部を利用して前記端末特定情報を前記充電装置に送信し、
前記充電装置は、
無線電力伝送で送電可能な送電部と、
前記載置状態を検知可能な装置側検知部と、
前記装置側検知部により前記載置状態が検知された際、前記受電部から前記送電部を介して受信されるパターンを解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に応じた制御を行う装置側制御部と、
前記携帯端末と無線通信する際に前記装置側制御部によって制御される装置側無線通信部と、
装置側記憶部と、
を備え、
前記装置側制御部は、前記解析部により前記端末特定情報通知パターンが解析された場合に、前記受電部を充電するために前記送電部を制御するとともに、前記装置側無線通信部を利用して前記携帯端末から受信した前記端末特定情報を前記装置側記憶部に記憶するための処理を行うことを特徴とする充電システム。
【請求項26】
前記携帯端末は、
電力供給を受けて動作する負荷と、
前記充電装置からの電力供給を受けて前記キャパシタの充電及び前記負荷への電力供給を行う電源制御部と、
前記負荷で消費される消費電力に関する値を計測する第1計測部と、
前記充電装置から供給される供給電力に関する値を計測する第2計測部と、
を備え、
前記電源制御部は、
前記第1計測部の計測値が所定の増加状態である場合又は前記第2計測部の計測値が所定の減少状態である場合に、前記キャパシタへの充電電力を減らす制御を行い、前記第1計測部の計測値が前記所定の増加状態に達していない場合かつ前記第2計測部の計測値が前記所定の減少状態を超えている場合に、前記キャパシタへの充電電力を所定の上限値に向けて増やす制御を行うことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電源からの電力を利用して充電装置によって携帯端末を充電する充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型コードリーダや携帯型タグリーダなどの携帯端末は、ユーザが様々な場所に携帯して使用することを想定しているため、充電可能な二次電池を筐体内に収容し、この二次電池から供給される電力を用いて装置内の各種部品を駆動する構成となっている。このような携帯端末では、ある程度の頻度で充電を行うことが必須となっており、電力不足状態になると、据置型の充電台などに載置して充電するような構成が広く採用されている。例えば、下記特許文献1に開示される携帯端末は、外部からの電力供給装置として機能するクレードル(充電台)に載置されることで、そのバッテリが充電されるように構成されている。この携帯端末では、非充電時間が所定時間以上であると満充電電圧値が第1の電圧値に設定され、非充電時間が上記所定時間未満であると満充電電圧値が第1の電圧値よりも小さな第2の電圧値に設定されるようにして、満充電電圧値を充電状況に合わせて適切に設定することで、バッテリの性能低下を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-068607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
充電装置を利用した充電システムでは、携帯端末の充電時間を短縮するために、電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)などのキャパシタを携帯端末の蓄電デバイスとして採用することができる。電気二重層コンデンサ等は、リチウムイオン電池などの二次電池と比較して、急速充電に優れるため、充電時間が短縮されることですばやく携帯端末を動作可能な状態に復帰できるからである。
【0005】
ところで、充電装置は、携帯端末を充電するための電力を、商用電源から受ける場合もあれば、パーソナルコンピュータ等からUSBインタフェースを介して受ける場合もある。このように充電装置がパーソナルコンピュータ等の有限電源から電力供給を受ける構成では、充電装置が商用電源等の単一の電源装置から電力供給を受ける構成と比較して、電流制限等の電力の制限を受けやすくなる。例えば、外部電源となるパーソナルコンピュータ等が待機モード(スリープ等)に移行すると、電流制限がさらに厳しくなって充電装置への電力供給が遮断されてしまうおそれがある。このため、充電装置が有限電源から電力供給を受ける構成では、急速充電に優れるキャパシタであっても、有限電源の状況等によっては、そのキャパシタを充電するための電力を安定的に確保できなくなる可能性があり、キャパシタのメリットを十分に活用できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、外部電源の電力供給能力によって制限を受けることなく、携帯端末のキャパシタの充電に適した電力供給を実施可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
端末側蓄電デバイスとしてキャパシタ(52)を有する携帯端末(10,10a,10c)と、
外部電源(2)からの電力を利用して前記携帯端末を充電する充電装置(60)と、
を備える充電システム(1,1a,1c)であって、
前記充電装置は、
装置側蓄電デバイス(82)と、
前記携帯端末との間で電力供給を行うための給電部(83)と、
前記外部電源からの電力を利用して前記装置側蓄電デバイスを充電する制御と前記装置側蓄電デバイスからの電力を利用して前記給電部を介して前記携帯端末の前記キャパシタを充電する制御とを行う装置側制御部(81,71)と、
を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、外部電源からの電力を利用して携帯端末を充電する充電装置には、装置側蓄電デバイスと、携帯端末との間で電力供給を行うための給電部と、外部電源からの電力を利用して装置側蓄電デバイスを充電する制御と装置側蓄電デバイスからの電力を利用して給電部を介して携帯端末のキャパシタを充電する制御とを行う装置側制御部とが設けられる。
【0009】
これにより、外部電源がパーソナルコンピュータ等の有限電源であるために上述のような制限が生じたとしても、装置側制御部は、外部電源を利用して事前に充電された装置側蓄電デバイスの電力によって携帯端末のキャパシタを充電することができる。特に、装置側蓄電デバイスを利用した電力供給は、外部電源の電力供給能力によって制限を受けないため、その携帯端末のキャパシタの充電に適した電力供給を実施することができる。
【0010】
請求項2の発明では、装置側制御部は、装置側蓄電デバイスからの電力と外部電源からの電力との双方を利用して給電部を介して携帯端末のキャパシタを充電する制御を行う。このように、外部電源からの電力を併用することで、装置側蓄電デバイスの消耗を抑制することができる。
【0011】
請求項3の発明では、装置側制御部は、装置側蓄電デバイスからの電力のみを利用して給電部を介して携帯端末のキャパシタを充電する制御を行う。これにより、外部電源がスリープ等によって電力供給を停止しても、装置側蓄電デバイスからの電力を利用して携帯端末のキャパシタへの充電を継続することができる。また、この充電継続状態では、充電装置を外部電源に接続せずに持ち運んで使用することもできる。さらに、外部電源の供給能力の監視や電力合成回路などを不要とすることができる。
【0012】
請求項4の発明では、装置側制御部は、装置側蓄電デバイスからの電力のみを利用して給電部を介して携帯端末のキャパシタを充電する制御を行う際には、外部電源からの電力を利用した装置側蓄電デバイスの充電を停止する。これにより、装置側蓄電デバイスの電力に関する入出力を明確に分離してその装置側蓄電デバイスの充電制御を適切に実施できるため、充電不足や過充電、それに伴う装置側蓄電デバイスの劣化を抑制することができる。
【0013】
請求項5の発明では、充電装置は、携帯端末と上位機器との通信を中継する通信制御部を備える。これにより、携帯端末にて取得したデータや設定情報等に関して、充電装置を介して携帯端末と上位機器との間で通信することができる。
【0014】
請求項6の発明のように、通信制御部は、他の充電装置又は載置されていない携帯端末と上位機器との通信をも中継してもよい。
【0015】
請求項7の発明では、充電装置は、携帯端末との間及び上位機器との間の少なくとも一方にてワイヤレスで通信を行う。これにより、通信に関して接点をなくすことができるので、接触不良などを抑制できるだけでなく、装置の防水性や清掃しやすさ等を向上させることができる。
【0016】
請求項8の発明では、充電装置は、携帯端末との間及び外部電源との間の少なくとも一方にてワイヤレスで電力供給を行う。これにより、充電に関して接点をなくすことができるので、接触不良などを抑制できるだけでなく、装置の防水性や清掃しやすさ等を向上させることができる。
【0017】
請求項9の発明では、携帯端末には、発電された電力がキャパシタに充電される発電部と、キャパシタからの電力を利用して充電装置の装置側蓄電デバイスを充電する制御を行う端末側制御部と、が設けられる。これにより、携帯端末は、充電装置からの給電以外の方法で電力を確保でき、システム全体の省電力化に貢献できるだけでなく、電池切れ時や災害時にも使用することができる。特に、携帯端末の余剰電力を充電装置に給電することができるので、キャパシタに蓄積するよりも大きな電力をリザーブしておくことができる。
【0018】
請求項10の発明では、携帯端末は、情報コードに記録される情報及び無線タグに記録される情報の少なくとも一方を読み取り可能な携帯型の情報読取端末である。このように、情報コードに記録される情報及び無線タグに記録される情報等を読み取り可能な携帯型の情報読取端末であっても、そのキャパシタの充電に適した電力供給を実施することができる。
【0019】
請求項11の発明では、携帯端末において、端末側検知部により載置状態が検知された際、生成部により指示パターンが生成されていない場合に送電を要求する送電要求パターンで端末側制御部により受電部が制御され、読取部により読み取られた所定の情報に応じて生成部により指示パターンが生成されている場合に当該指示パターンで端末側制御部により受電部が制御される。そして、充電装置では、解析部により送電要求パターンが解析された場合に受電部を充電するために装置側制御部により送電部が制御され、解析部により指示パターンが解析された場合に当該指示パターンに応じた制御が装置側制御部により行われる。
【0020】
通常、載置された携帯端末を充電するクレードルなどの充電装置では、その設定を変更する際に、ユーザがその充電装置をセットアップモードへ切り替えるためのキー操作等を行った後に、パーソナルコンピュータ等の上位機器から設定変更用のデータが受信される。このため、充電装置には、モード切替用の操作手段や上位機器との通信手段とが必要になる。その一方で、充電装置における設定変更の操作手順は、携帯端末の通常操作と異ななり、操作頻度が少ないこともあって、設定変更用のマニュアルや上位機器への専用のアプリケーションプログラムのインストールなどが必要となり、簡単に設定変更できないという問題がある。
【0021】
このため、無線電力伝送時に携帯端末が受電部を利用して送電部を介して充電装置に要求する送電要求パターンの伝送経路を利用して、携帯端末から充電装置に設定変更等を含めた指示パターンを送信する。さらに、携帯端末は、情報コードから読み取られた所定の情報に応じて生成された指示パターンを上述のように充電装置に送信する。すなわち、携帯端末では、載置状態時に、指示パターンが生成されていない場合には送電要求パターンが送信され、指示パターンが生成されている場合には当該指示パターンが送信される。これに応じて、充電装置では、送電要求パターンが受信(解析)されることで受電部を充電するように送電部が制御される一方で、指示パターンが受信(解析)されることで当該指示パターンに応じた制御が行われる。これにより、上位機器等から指示することなく充電装置に対して設定変更などの指示を与えることができる。特に、指示すべき情報が記録された情報コードを読ませた携帯端末を充電装置に載置するだけでよいので、充電装置に対して設定変更などを容易に指示することができる。
【0022】
請求項12の発明のように、生成部によって生成される指示パターンの少なくとも一部として、充電装置の設定を変更するためのパターンが採用されてもよい。
【0023】
請求項13の発明では、生成部によって生成される指示パターンの少なくとも一部として、充電装置の設定に関してパラメータ値を変更するためのパターンが採用される。これにより、充電装置に対してモード変更などの設定変更指示を行うことができるだけでなく、そのモード変更時のパラメータ値の変更指示も容易に行うことができる。
【0024】
請求項14の発明では、携帯端末には、充電装置と無線通信する際に端末側制御部によって制御される端末側無線通信部が設けられ、充電装置には、携帯端末と無線通信する際に装置側制御部によって制御される装置側無線通信部が設けられる。そして、携帯端末では、端末側検知部により載置状態が検知された際、無線接続を切断した後に再接続するための再接続指示パターンが生成部により生成されている場合に、端末側制御部により当該再接続指示パターンで受電部が制御されるとともに無線接続を切断した後に再接続するように端末側無線通信部が制御される。充電装置では、解析部により再接続指示パターンが解析された場合に、装置側制御部により無線接続を切断した後に再接続するように装置側無線通信部が制御される。
【0025】
通常、携帯端末と充電装置とが無線接続されると、無線接続不能に離されるか無線接続切断用の操作を行わない限りその無線接続状態が維持されることになる。このため、前回と異なる充電装置に携帯端末を載置した際に、その携帯端末と前回の充電装置との無線接続状態が維持されているために、載置した充電装置と携帯端末とが無線接続されない状態になる場合がある。このような場合、不慣れなユーザでは、一見しただけで載置した充電装置と携帯端末とが無線接続されていない状態と判断できないために、携帯端末のデータ等が載置した充電装置を介して送信されない原因を把握できず、無線の再接続操作に手間取るという問題がある。
【0026】
このため、情報コードの読み取りによって生成される指示パターンとして、無線接続を切断した後に再接続するための再接続指示パターンを用意する。そして、携帯端末では、再接続指示パターンが生成されている場合に、当該再接続指示パターンで受電部が制御されるとともに無線接続を切断した後に再接続するように端末側無線通信部が制御される。これに応じて、充電装置では、再接続指示パターンが受信(解析)された場合に、無線接続を切断した後に再接続するように装置側無線通信部が制御される。これにより、接続確認や携帯端末と充電装置との双方に対して再接続操作をそれぞれ行うこともなく、再接続指示パターン用の情報コードを読ませた携帯端末を充電装置に載置するだけで、再接続処理を行うことができる。
【0027】
請求項15の発明では、再接続指示パターンに対応する所定の情報には、充電装置を特定する装置特定情報が含まれる。そして、携帯端末では、読取部により上記所定の情報が読み取られた際に、当該所定の情報に装置特定情報が含まれており、当該装置特定情報から特定される充電装置が端末側無線通信部によって無線接続されている充電装置に一致する第1の一致状態であると端末側判定部により判定された場合に、生成部により再接続指示パターンが生成されない。
【0028】
これにより、既に無線接続されている充電装置に携帯端末を載置する場合には、上記第1の一致状態であると判定されて再接続指示パターンが生成されることもないので、不要な再接続処理をなくすことができる。
【0029】
請求項16の発明では、端末側制御部により、情報コードから読み取った装置特定情報から特定される充電装置を再接続先とするように端末側無線通信部が制御される。これにより、ユーザが無線接続を所望する充電装置に対して確実に無線接続することができる。
【0030】
請求項17の発明では、再接続指示パターンは、対応する装置特定情報を解析可能に生成される。そして、充電装置では、解析部により再接続指示パターンが解析された場合であって、当該充電装置が解析部により再接続指示パターンから解析された装置特定情報から特定される充電装置に一致する第2の一致状態であると装置側判定部により判定された場合に、無線接続を切断した後に再接続するように装置側制御部により装置側無線通信部が制御される。
【0031】
これにより、載置状態でない先に無線接続していた携帯端末に誤って再接続することもないので、載置状態の携帯端末と充電装置とを確実に無線接続することができる。
【0032】
請求項18の発明では、携帯端末は、充電装置と無線通信する際に端末側制御部によって制御される端末側無線通信部を備え、充電装置は、所定数の携帯端末と無線通信可能であって、携帯端末と無線通信する際に装置側制御部によって制御される装置側無線通信部を備える。そして、携帯端末では、端末側検知部により載置状態が検知された際、無線接続を追加するための追加接続指示パターンが生成部により生成されている場合に、端末側制御部により当該追加接続指示パターンで受電部が制御されるとともに無線接続するように端末側無線通信部が制御される。充電装置では、解析部により追加接続指示パターンが解析された場合に、いずれの携帯端末とも無線通信していないか、または、上記所定数未満の携帯端末と無線接続中であると、装置側制御部により無線接続対象を追加するように装置側無線通信部が制御され、上記所定数の携帯端末と無線接続中であると、装置側制御部により無線接続対象を追加しないように装置側無線通信部が制御される。
【0033】
請求項14の発明のように無線接続を切断した後に再接続するように制御される構成では、複数の携帯端末と無線通信可能な充電装置に対して再接続指示パターン用の情報コードを読ませた携帯端末を載置すると、ユーザが意図しないタイミングで充電装置と無線接続中の他の携帯端末との無線接続も切断されてしまうことになる。その一方で、1つの充電装置と無線接続できる携帯端末の数は有限であり、多くの携帯端末が1つの充電装置に対して無線接続すると、充電装置のリソースの問題でそれぞれの携帯端末での無線通信品質が低下してしまうという問題がある。
【0034】
このため、情報コードの読み取りによって生成される指示パターンとして、無線接続を追加するための追加接続指示パターンを用意する。そして、携帯端末では、追加接続指示パターンが生成されている場合に、当該追加接続指示パターンで受電部が制御されるとともに無線接続するように端末側無線通信部が制御される。これに応じて、充電装置では、追加接続指示パターンが受信(解析)された場合に、いずれの携帯端末とも無線通信していないか、または、所定数未満の携帯端末と無線接続中であると、無線接続対象を追加するように装置側無線通信部が制御される。これにより、リソースに余裕のある充電装置(無線接続中の携帯端末の数が上記所定数未満の充電装置)であれば、接続確認や携帯端末と充電装置との双方に対して追加接続操作をそれぞれ行うこともなく、追加接続指示パターン用の情報コードを読ませた携帯端末を充電装置に載置するだけで、追加接続処理を行うことができる。
【0035】
請求項19の発明では、携帯端末では、端末側検知部により載置状態が検知された際、携帯端末の所定の端末機能と充電装置の所定の装置機能とを制限するための機能制限指示パターンが生成部により生成されている場合に、端末側制御部により当該機能制限指示パターンで受電部が制御されるとともに上記所定の端末機能が制限される。充電装置では、解析部により機能制限指示パターンが解析された場合に、装置側制御部により上記所定の装置機能が制限される。
【0036】
これにより、機能制限用の外部機器にて用意される設定ツール等を利用することなく、機能制限指示パターン用の情報コードを読ませた携帯端末を充電装置に載置するだけで、携帯端末の所定の端末機能と充電装置の所定の装置機能とをそれぞれ制限することができる。
【0037】
請求項20の発明では、携帯端末では、端末側検知部により載置状態が検知された際、上記所定の端末機能が制限されている状態で生成部により機能制限指示パターンが生成されている場合に、端末側制御部により当該機能制限指示パターンで受電部が制御されるとともに上記所定の端末機能の制限が解除される。充電装置では、上記所定の装置機能が制限されている状態で解析部により機能制限指示パターンが解析された場合に、装置側制御部により上記所定の装置機能の制限が解除される。
【0038】
これにより、機能制限時に使用した機能制限指示パターン用の情報コードを読ませた携帯端末を充電装置に載置するだけで、携帯端末の所定の端末機能の制限と充電装置の所定の装置機能の制限とをそれぞれ解除することができる。
【0039】
請求項21の発明では、携帯端末では、端末側検知部により載置状態が検知された際、所定の端末機能が制限されている状態で生成部により上記所定の端末機能及び上記所定の装置機能の制限解除を許可するための機能制限解除許可パターンが生成されている場合に、端末側制御部により当該機能制限解除許可パターンで受電部を制御するとともに所定の端末機能の制限が解除される。充電装置では、上記所定の装置機能が制限されている状態で解析部により機能制限解除許可パターンが解析された場合に、装置側制御部により上記所定の装置機能の制限が解除される。
【0040】
これにより、機能制限解除許可パターン用の情報コードを有していない第三者では、携帯端末の所定の端末機能の制限と充電装置の所定の装置機能の制限とをそれぞれ解除することができないので、機能制限解除に関してセキュリティ性を高めることができる。
【0041】
請求項22の発明では、携帯端末は、所定のタイミングで撮像部により撮像された1又は2以上の撮像画像が作業履歴画像として記憶される端末側記憶部を備える。そして、携帯端末では、端末側検知部により載置状態が検知された際、端末側制御部により、作業履歴画像が端末側記憶部に記憶されていない場合に送電要求パターンで受電部が制御され、作業履歴画像が端末側記憶部に記憶されている場合に画像送信通知パターンで受電部が制御された後に、端末側無線通信部を利用した作業履歴画像の送信完了に応じて当該作業履歴画像が端末側記憶部から消去される。充電装置では、解析部により送電要求パターンが解析された場合に装置側制御部により受電部を充電するために送電部が制御され、解析部により画像送信通知パターンが解析された場合に装置側制御部により装置側無線通信部を利用して携帯端末から受信した作業履歴画像を装置側記憶部に記憶するための処理が行われる。
【0042】
これにより、情報コードを読み取る読取作業を行った後に携帯端末の紛失に気づいた場合でも、その読取作業期間中に所定のタイミングで撮像された作業履歴画像が充電装置に記憶される。このため、携帯端末の紛失時には、その携帯端末に関する作業履歴画像を充電装置から取得して確認することで、どこで携帯端末を使用していたかを容易に把握できるので、紛失した携帯端末を探す手がかりを得ることができる。
【0043】
請求項23の発明のように、上記所定のタイミングは、デコード部によるデコード成功時を基準に1又は2以上設定されてもよい。
【0044】
請求項24の発明では、携帯端末は、デコード部によるデコードに成功した情報コードのコード種が作業履歴情報として記憶される端末側記憶部を備える。そして、携帯端末では、端末側検知部により載置状態が検知された際、端末側制御部により、作業履歴情報が端末側記憶部に記憶されていない場合に送電要求パターンで受電部が制御され、作業履歴情報が端末側記憶部に記憶されている場合に情報送信通知パターンで受電部が制御された後に、端末側無線通信部を利用した作業履歴情報の送信完了に応じて当該作業履歴情報が端末側記憶部から消去される。充電装置では、解析部により送電要求パターンが解析された場合に装置側制御部により受電部を充電するために送電部が制御され、解析部により情報送信通知パターンが解析された場合に装置側制御部により装置側無線通信部を利用して携帯端末から受信した作業履歴情報を装置側記憶部に記憶するための処理が行われる。
【0045】
これにより、情報コードを読み取る読取作業を行った後に携帯端末の紛失に気づいた場合でも、その読取作業期間中にデコードに成功した情報コードのコード種が作業履歴情報として充電装置に記憶される。このため、携帯端末の紛失時には、その携帯端末に関する作業履歴情報を充電装置から取得して確認することで、どのコード種の情報コードを読んでいたかを容易に把握できる。コード種とその情報コードを読む業務とは通常紐づくため、作業履歴情報であるコード種からどの業務を行っていたかを容易に把握できるので、紛失した携帯端末を探す手がかりを得ることができる。
【0046】
請求項25の発明では、携帯端末では、端末側検知部により載置状態が検知された際、端末側制御部により、送電を要求するとともに当該携帯端末を特定するための端末特定情報の無線送信を通知する端末特定情報通知パターンで受電部が制御された後に、端末側無線通信部を利用して端末特定情報が充電装置に送信される。充電装置では、解析部により端末特定情報通知パターンが解析された場合に、装置側制御部により、受電部を充電するために送電部が制御されるとともに、装置側無線通信部を利用して携帯端末から受信した端末特定情報を装置側記憶部に記憶するための処理が行われる。
【0047】
これにより、所定の作業を行った後に携帯端末の紛失に気づいた場合でも、その作業期間中に充電されたタイミングで端末特定情報がいずれかの充電装置に記憶される。このため、複数の充電装置を管理しているサーバなどにて、紛失した携帯端末の端末特定情報がいつどの充電装置に記憶されているかについて確認することで、いつどこで携帯端末が充電されているかを容易に把握できるので、紛失した携帯端末を探す手がかりを得ることができる。
【0048】
請求項26の発明では、携帯端末は、電力供給を受けて動作する負荷と、充電装置からの電力供給を受けてキャパシタの充電及び負荷への電力供給を行う電源制御部と、負荷で消費される消費電力に関する値を計測する第1計測部と、充電装置から供給される供給電力に関する値を計測する第2計測部と、を備えている。そして、電源制御部により、第1計測部の計測値が所定の増加状態である場合又は第2計測部の計測値が所定の減少状態である場合に、キャパシタへの充電電力を減らす制御が行われ、第1計測部の計測値が上記所定の増加状態に達していない場合かつ第2計測部の計測値が上記所定の減少状態を超えている場合に、キャパシタへの充電電力を所定の上限値に向けて増やす制御が行われる。
【0049】
これにより、装置側蓄電デバイスに起因する充電装置からの供給電力の変動や携帯端末自身の負荷変動が生じる場合でも、キャパシタへの充電電力が適度に調整されてシステムとしての安定性を担保することができる。特に、第1計測部の計測値である消費電力に関する値が上記所定の増加状態に達しておらず第2計測部の計測値である供給電力に関する値が上記所定の減少状態を超えている場合、すなわち、余剰電力がある場合には、その余剰電力を無駄なく利用するようにキャパシタを充電できるので、キャパシタの充電時間の最小化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】第1実施形態に係る充電システムを説明する説明図である。
図2図1の携帯端末を充電可能に充電装置に載置した状態を説明する説明図である。
図3図1の第1実施形態に係る携帯端末を示す斜視図である。
図4図1の携帯端末の正面図である。
図5図1の携帯端末の側面図である。
図6図1の携帯端末の底面図である。
図7図1の携帯端末の電気的構成等を概略的に例示するブロック図である。
図8】検知部の配置構成を説明する一部拡大断面図である。
図9図9(A)は読取開始操作がなされていない操作面の状態を説明する説明図であり、図9(B)は読取開始操作がなされた操作面の状態を説明する説明図である。
図10図1の充電装置の電気的構成等を概略的に例示するブロック図である。
図11】第1実施形態に係る充電システムの充電に関する電気的構成等を概略的に例示するブロック図である。
図12】第1実施形態に係る電源制御部の充電制御を説明する説明図であり、図12(A)は、携帯端末が充電装置に充電可能に載置されていない状態での制御を示し、図12(B)は、携帯端末が充電装置に充電可能に載置された状態での制御を示す。
図13】第1実施形態の変形例に係る電源制御部の充電制御を説明する説明図であり、図13(A)は、携帯端末が充電装置に充電可能に載置されていない状態での制御を示し、図13(B)は、携帯端末が充電装置に充電可能に載置された状態での制御を示す。
図14】第2実施形態に係る電源制御部の充電制御を説明する説明図であり、図14(A)は、携帯端末が充電装置に充電可能に載置されていない状態での制御を示し、図14(B)は、携帯端末が充電装置に充電可能に載置された状態での制御を示す。
図15】第3実施形態に係る充電システムの要部を示すブロック図である。
図16】第3実施形態において携帯端末にてなされる充電処理の流れを例示するフローチャートである。
図17図17(A)は、充電装置から供給される電力によって携帯端末のキャパシタが充電される状態を説明する説明図であり、図17(B)は、発電部にて発電された電力によって携帯端末のキャパシタが充電される状態を説明する説明図である。
図18図18(A)は、発電部の余剰電力によって充電装置の二次電池が充電される状態を説明する説明図であり、図18(B)は、二次電池の電圧が所定電圧を超えたことで余剰電力の供給が停止された状態を説明する説明図である。
図19】携帯端末にてなされる充電処理において発電電圧、キャパシタ電圧、二次電池の電圧のそれぞれの時間変化を例示するタイミングチャートである。
図20】第4実施形態に係る充電システムの要部を示すブロック図である。
図21図21(A)は、省電力モードへの変更を指示する指示パターンを説明する説明図であり、図21(B)は、メンテナンスモードへの変更を指示する指示パターンを説明する説明図であり、図21(C)は、通常動作モードへの変更を指示する指示パターンを説明する説明図であり、
図22】第4実施形態において携帯端末にてなされるパターン送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図23】第4実施形態において充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図24図24(A)は、第4実施形態の変形例において、セットアップモードへの変更を指示する指示パターンを説明する説明図であり、図24(B)は、セットアップモードにて設定変更するパラメータ値を指示する指示パターンを説明する説明図である。
図25】第4実施形態の変形例において携帯端末にてなされるパターン送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図26】第4実施形態の変形例において充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図27】第5実施形態において携帯端末にてなされるパターン送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図28】第5実施形態の変形例において充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図29】第6実施形態において携帯端末にてなされるパターン送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図30】第6実施形態において充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図31】第7実施形態に係る充電システムの要部を示すブロック図である。
図32図32(A)は、充電装置から供給される供給電力が負荷とキャパシタに分配される状態を概略的に説明する説明図であり、図32(B)は、図32(A)に対して供給電力が増加した状態を概略的に説明する説明図であり、図32(C)は、図32(A)に対して供給電力が減少した状態を概略的に説明する説明図である。
図33図33(A)は、充電装置から供給される供給電力が負荷とキャパシタに分配される状態を概略的に説明する説明図であり、図33(B)は、図33(A)に対して負荷が増加した状態を概略的に説明する説明図であり、図33(C)は、図33(A)に対して負荷が減少した状態を概略的に説明する説明図である。
図34】第7実施形態において携帯端末にてなされる電源制御処理の流れを例示するフローチャートである。
図35】第8実施形態において携帯端末にてなされるパターン送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図36】第8実施形態において充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図37】第9実施形態において機能制限する際に携帯端末にてなされるパターン送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図38】第9実施形態において機能制限する際に充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図39】第9実施形態において機能制限解除する際に携帯端末にてなされるパターン送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図40】第9実施形態において機能制限解除する際に充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図41】第9実施形態の変形例において機能制限解除する際に携帯端末にてなされるパターン送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図42】第9実施形態の変形例において機能制限解除する際に充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図43】第10実施形態の充電装置の電気的構成等を概略的に例示するブロック図である。
図44】第10実施形態において携帯端末にてなされるパターン送信処理の一部の流れを例示するフローチャートである。
図45】第10実施形態において携帯端末にてなされるパターン送信処理の一部の流れを例示するフローチャートである。
図46】第10実施形態において充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
図47】第10実施形態の第1の変形例において携帯端末にてなされるパターン送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図48】第10実施形態の第1の変形例において充電装置にてなされるパターン受信処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
[第1実施形態]
以下、本発明の充電システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る充電システム1は、充電を要する携帯端末10と、外部電源からの電力を利用して携帯端末10を充電する充電装置60とを備え、図1及び図2に示すように携帯端末10を充電装置60に載置することで、充電が開始されるシステムとして構成されている。特に、本実施形態では、充電装置60に電力を供給する外部電源の1つとして、有限電源である携帯用のパーソナルコンピュータ(以下、単に、パソコン2ともいう)が採用されている。
【0052】
まず、携帯端末10の構成について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る携帯端末10は、情報コード(例えば、バーコードやQRコード(登録商標))などの光学的情報を光学的に読み取る携帯型の情報読取装置として構成されている。
【0053】
図3図6に示すように、携帯端末10の外郭を構成する筐体11は、読取口21が形成される上ケース20と使用者によって把持される把持部31が形成される下ケース30とを組み付けることで、各種電子部品を収容する収容空間を形成するように構成される。上ケース20には、読取口21を情報コードに向けやすくするために、読取口21が向く方向(以下、前方又は前方向ともいう)にガイド22が延出するように設けられている。このガイド22の上面は、上ケース20と下ケース30との組み合わせ面に対して略平行になっている。
【0054】
下ケース30は、ガイド22などの上ケース20の下方に組み付けられる組付部32と、下ケース30の組付部32よりも下方部位を構成する把持部31とが一体となるように形成されている。把持部31は、拭き取り消毒を容易に実施できるようにするため、外面に溝等がないように形成され、組付部32との連結部分も滑らかに湾曲するように形成されている。
【0055】
上ケース20のガイド22と下ケース30における組付部32の前方に延出する部位とにより延出部12が形成される。この延出部12は、読取口21の把持部側となる下側縁と把持部31との間から読取口21が向く方向に略薄板状に延出する部位であって、その内部には、無線電力伝送用の受電コイル53が配置されている。
【0056】
把持部31には、ガイド22の下方となる位置であって、把持部31を把持した状態の指で触れることが可能な位置にて、前方に向けて滑らかに突出するように操作台座33が設けられる。この操作台座33は、前方に位置する平坦状の面が、情報コードを読み取る読取処理を開始する際に押圧操作(以下、読取開始操作ともいう)されることで歪む操作面34として機能するように構成されている。具体的には、操作台座33は、操作面34を歪みやすくするため、操作面34を構成する部位の下ケース30の厚さ(肉厚)tが他の部位を構成する下ケース30の厚さよりも薄くなるように形成される。例えば、他の部位を構成する下ケース30の厚さが1.5~2mm程度に形成される場合には、操作面34を構成する部位の下ケース30の厚さtは、0.7~1.5mm程度に形成される。
【0057】
図7に示すように、携帯端末10は、CPU等からなる制御部41、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部42、受光センサ(例えば、C-MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部43、撮像部43の撮像視野に向けて照明光を照射する照明部44、操作面34に対する読取開始操作を検知する操作検知部45、充電装置60に充電可能に載置された載置状態を検知する端末側検知部として機能する載置検知部46、充電装置60を介したパソコン2や直接パソコン2と無線通信を行うための通信インタフェースとして構成される通信部47などを備えている。これらの各種電子部品の少なくとも一部は、筐体11の上ケース20及び下ケース30によって構成される収容空間に収容されている。例えば、撮像部43が読取口21を介した前方を撮像範囲とし、照明部44が読取口21を介して撮像視野に向けて照明光を照射するように、撮像部43及び照明部44が上ケース20に収容されている。
【0058】
操作検知部45は、操作面34に生じる歪みを検知するための圧電センサ(圧電素子センサ)であって、図8に示すように、操作面34に対して把持部31の内面側となる位置にて、支持板35によって支持(挟持)された状態で配置されている。操作検知部45は、操作面34の歪みが所定値以上になると、読取開始操作がなされたとして、制御部41に対して所定の操作検知信号を出力するように構成されている。
【0059】
具体的には、例えば、図9(A)に示すように、操作面34が歪んでいないために操作検知部45により検知される歪みが所定値未満になる場合には、操作面34に対して読取開始操作がなされていないとして、上記操作検知信号が制御部41に出力されることはない。その一方で、図9(B)に示すように、操作面34が所定量以上歪んでいるために操作検知部45により検知される歪みが上記所定値以上になると、操作面34に対して読取開始操作(図9(B)の矢印F参照)がなされているとして、上記操作検知信号が制御部41に出力される。なお、図9(A)(B)では、便宜上、操作検知部45を除き、把持部31の内面側に収容される部品の図示を省略している。
【0060】
制御部41は、操作検知部45から上記検知信号を受けることで、撮像部43によって撮像された情報コードC(図7参照)の撮像画像を利用した読取処理を開始し、この読取処理にて情報コードCに記録されたデータ(所定の情報)を所定の解読方法で解読するように構成されている。このような読取処理にて取得された読取結果等は、所定のタイミングにて通信部47を介して上位端末等に無線送信される。なお、制御部41は、撮像部43とともに、情報コードから所定の情報を光学的に読み取る「読取部」の一例に相当し得る。
【0061】
さらに、筐体11内には、電源制御部51及びキャパシタ52が設けられている。電源制御部51は、キャパシタ52から携帯端末10の各部位への電力供給を制御するとともに電磁誘導方式による充電を制御する機能を有するものである。電源制御部51は、制御部41による制御に応じて、充電装置60からの送電により受電コイル53に起電力が生じると、整流や平滑化等を行ってキャパシタ52に電力を供給することで、キャパシタ52の充電を行うように機能する。キャパシタ52は、例えば、電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)であって、リチウムイオン電池などの二次電池に対して急速充電に優れる蓄電デバイスである。受電コイル53は、携帯端末10を延出部12にて充電装置60に載置したときに、充電装置60の送電コイル83(後述する)に近接して対向するように、延出部12内に配置されている。
【0062】
次に、充電装置60の構成について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る充電装置60は、商用電源等の単一の電源装置だけでなく上述したパソコン2等の有限電源を含めた外部電源から供給される電力を利用して、載置された携帯端末10を充電可能な据え置き型の充電台である。充電装置60は、図1及び図2に示すように、外郭を形成する筐体61の上部に携帯端末10の延出部12を保持するための保持部62が設けられており、この保持部62にて延出部12が保持されるように載置された携帯端末10を充電するように構成されている。
【0063】
図10に示すように、充電装置60は、当該充電装置60全体を制御可能なCPUやメモリ等からなる制御部71、操作部72、載置検知部73、通信部74、電源制御部81、二次電池82及び送電コイル83を備えている。操作部72は、操作ボタン等を有し、制御部71に対して操作ボタン等の操作に応じた操作信号を与える構成をなしており、制御部71は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。載置検知部73は、保持部62による保持状態にて、携帯端末10が充電可能に載置された載置状態を検知する装置側検知部として機能するように構成されている。
【0064】
通信部74は、パソコン2や携帯端末10等の外部機器との間での無線又は有線にてデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部71と協働して通信処理を行う構成をなしている。特に、本実施形態では、通信部74は、制御部71により制御されることで、携帯端末10とパソコン2との通信を中継するように機能する。より具体的には、通信部74は、Bluetooth(登録商標)通信にてワイヤレスで接続された携帯端末10とUSB接続されたパソコン2との通信を中継するように機能する。なお、通信部74及び制御部71は、携帯端末10とパソコン2等の上位機器との通信を中継する「通信制御部」の一例に相当し得る。
【0065】
電源制御部81は、制御部71により制御されて、外部電源から供給される電力を利用して二次電池82を充電する制御と、二次電池82からの電力を利用して送電コイル83を介して携帯端末10を充電する制御等とを行うように構成されている。特に、本実施形態では、電源制御部81は、外部電源との接続状況等に応じて、商用電源等から供給される電力を利用して二次電池82を充電する制御と、USBインタフェースを介してパソコン2等から供給される電力を利用して二次電池82を充電する制御とを切り替えるように機能する。なお、電源制御部81は、「装置側制御部」の一例に相当し得る。
【0066】
二次電池82は、装置側蓄電デバイスとして機能するもので、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等であって、電源制御部81によって充電状態等が管理されるように筐体61内に収容されている。
【0067】
送電コイル83は、電源制御部81による制御に応じて交流電圧が供給されることで、電磁誘導を利用して受電コイル53を介して携帯端末10に電力を伝送するように機能する。この送電コイル83は、保持部62にて保持された延出部12内の受電コイル53に近接して対向するため、保持部62の底面を構成する充電面62aの内面側に配置されている。なお、送電コイル83は、携帯端末10との間で電力供給を行うための「給電部」の一例に相当し得る。
【0068】
次に、本実施形態の特徴的な充電構成について、図面を参照して説明する。
例えば、充電装置60がパソコン2に対してUSBインタフェースを介して電力供給可能に接続される場合を想定する。このような接続状況において、USBインタフェースを介した電力供給が2.5Wである場合、充電装置60がパソコン2からの電力を単に携帯端末10に直接給電する構成であるとすると、携帯端末10が5W受電可能であっても、2.5Wを超える電力を供給することができない。このため、急速充電可能なキャパシタ52の特性を十分に発揮できないという問題がある。また、例えば、パソコン2が待機モード等に移行してしまうと、電力供給制限(電流制限)がさらに厳しくなって充電装置60への電力供給が遮断されてしまうおそれがある。
【0069】
そこで、本実施形態では、外部電源の電力供給能力等によって携帯端末10の充電に関して制限を受けることをなくすため、図11に示すように、パソコン2等の外部電源を利用して事前に充電された充電装置60の二次電池82の電力を利用して、携帯端末10のキャパシタ52を充電する。
【0070】
以下、外部電源としてパソコン2を利用する場合において、二次電池82の電力を利用してキャパシタ52を充電する際に電源制御部81にてなされる処理について、図面を参照して説明する。
【0071】
携帯端末10が充電装置60に充電可能に載置されていない場合(すなわち、負荷が無い場合)には、電源制御部81は、図12(A)に示すように、そのチャージ回路81aによって、パソコン2から供給される電力を利用して二次電池82を充電する制御を行う。なお、チャージ回路81aは、電力供給対象となる二次電池82に適した電圧等に合わせて満充電又は所定の充電量まで充電するように制御される。
【0072】
そして、携帯端末10が充電装置60に充電可能に載置される状態になると、電源制御部81は、図12(B)に示すように、パソコン2を電力供給源として保護回路81bによって制御された電力と、二次電池82を電力供給源として電圧調整回路81cによって電圧が調整された電力との双方を利用して、送電コイル83を介して携帯端末10のキャパシタ52を充電する制御を行う。保護回路81b及び電圧調整回路81cのそれぞれに逆流防止用のダイオードが設けられており、保護回路81bからの電力と電圧調整回路81cからの電力とを合成した電力が設定された電力となるように、保護回路81b及び電圧調整回路81cが制御部71によって制御される。例えば、携帯端末10を5Wにて充電する場合には、上述した合成した電力が5Wとなるように、保護回路81b及び電圧調整回路81cが制御部71によって制御される。
【0073】
このように、電源制御部81は、外部電源の電力制限等に対して保護回路81b等からなる逆流防止付き電力合成回路を備えることで、二次電池82の消費を抑制しつつ、携帯端末10の充電に適した電力供給が実施される。このため、例えば、外部電力の電力供給能力が1Wであっても、15分かけて二次電池82に充電された電力を利用して、携帯端末10を3分間5Wで急速充電することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1では、パソコン2等の外部電源からの電力を利用して携帯端末10を充電する充電装置60には、二次電池82及び送電コイル83と、外部電源からの電力を利用して二次電池82を充電する制御と二次電池82からの電力を利用して送電コイル83を介して携帯端末10のキャパシタ52を充電する制御とを行う電源制御部81とが設けられる。
【0075】
これにより、外部電源がパソコン2等の有限電源であるために上述のような制限が生じたとしても、電源制御部81は、外部電源を利用して事前に充電された二次電池82の電力によって携帯端末10のキャパシタ52を充電することができる。特に、二次電池82を利用した電力供給は、外部電源の電力供給能力によって制限を受けないため、その携帯端末10のキャパシタ52の充電に適した電力供給を実施することができる。
【0076】
特に、電源制御部81は、二次電池82からの電力と外部電源からの電力との双方を利用して送電コイル83を介して携帯端末10のキャパシタ52を充電する制御を行う。このように、外部電源からの電力を併用することで、二次電池82の消耗を抑制することができる。
【0077】
なお、本実施形態の変形例として、図13(A)(B)に例示するように、保護回路81bを廃止して、外部電源からの電力が電圧調整回路81cを介して携帯端末10に供給されてもよい。具体的には、携帯端末10が充電装置60に充電可能に載置されていない場合には、電源制御部81は、図13(A)に示すように、そのチャージ回路81aによって、パソコン2から供給される電力を利用して二次電池82を充電する制御を行う。そして、携帯端末10が充電装置60に充電可能に載置される状態になると、電源制御部81は、図13(B)に示すように、パソコン2から供給される電力と二次電池82から供給される電力とを電圧調整回路81cにて調整した状態で、送電コイル83を介して携帯端末10のキャパシタ52を充電する制御を行う。このようにしても、二次電池82の消費を抑制しつつ携帯端末10のキャパシタ52の充電に適した電力供給を実施することができる。
【0078】
そして、本実施形態では、充電装置60の通信部74及び制御部71は、携帯端末10とパソコン2等の上位機器との通信を中継する通信制御部として機能する。これにより、携帯端末10にて取得したデータや設定情報等に関して、充電装置60を介して携帯端末10と上位機器との間で通信することができる。
【0079】
なお、通信部74及び制御部71は、メッシュ状に相互通信可能であることを利用して、他の充電装置又は載置されていない他の携帯端末と上位機器との通信をも中継してもよい。すなわち、携帯端末10がパソコン2に通信可能に接続された充電装置60に載置されている状態で、その充電装置60が、他の充電装置とパソコン2との通信を中継してもよいし、携帯端末10と異なる他の携帯端末とパソコン2との通信を中継してもよい。
【0080】
また、本実施形態では、充電装置60は、携帯端末10との間にてBluetooth(登録商標)通信にてワイヤレスで通信を行う。これにより、通信に関して接点をなくすことができるので、接触不良などを抑制できるだけでなく、装置の防水性や清掃しやすさ等を向上させることができる。なお、充電装置60は、携帯端末10との間の電力伝送に対する変調で通信を重畳させる方式など、他の無線通信方式にてワイヤレスで通信を行ってもよい。同様に、充電装置60は、パソコン2等の上位機器との間にてワイヤレスで通信を行うように構成されてもよい。
【0081】
また、本実施形態では、充電装置60は、携帯端末10との間にて送電コイル83及び受電コイル53を利用してワイヤレスで電力供給を行う。これにより、充電に関して接点をなくすことができるので、接触不良などを抑制できるだけでなく、装置の防水性や清掃しやすさ等を向上させることができる。なお、充電装置60は、携帯端末10との間及び外部電源との間の少なくとも一方にてワイヤレスで電力供給を行うように構成されてもよい。このようにしても、充電に関して接触不良などを抑制できるだけでなく、装置の防水性や清掃しやすさ等を向上させることができる。
【0082】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、二次電池82からの電力のみを利用して携帯端末10のキャパシタ52を充電する点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0083】
図14(A)(B)に示すように、本実施形態では、電源制御部81は、二次電池82からの電力のみを利用して送電コイル83を介して携帯端末10のキャパシタ52を充電する制御を行う。
【0084】
具体的には、携帯端末10が充電装置60に充電可能に載置されていない場合には、電源制御部81は、図14(A)に示すように、そのチャージ回路81aによって、パソコン2から供給される電力を利用して二次電池82を充電する制御を行う。
【0085】
そして、携帯端末10が充電装置60に充電可能に載置される状態になると、電源制御部81は、図14(B)に示すように、二次電池82の充電を停止し、二次電池82から供給される電力を電圧調整回路81cにて調整した状態で、送電コイル83を介して携帯端末10のキャパシタ52を充電する制御を行う。すなわち、電源制御部81は、二次電池82からの電力のみを利用して携帯端末10のキャパシタ52を充電する。
【0086】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1では、電源制御部81は、二次電池82からの電力のみを利用して送電コイル83を介して携帯端末10のキャパシタ52を充電する制御を行う。これにより、パソコン2等の外部電源がスリープ等によって電力供給を停止しても、二次電池82からの電力を利用して携帯端末10のキャパシタ52への充電を継続することができる。また、この充電継続状態では、充電装置60を外部電源に接続せずに持ち運んで使用することもできる。さらに、外部電源の供給能力の監視や電力合成回路などを不要とすることができる。
【0087】
特に、電源制御部81は、二次電池82からの電力のみを利用して送電コイル83を介して携帯端末10のキャパシタ52を充電する制御を行う際には、外部電源からの電力を利用した二次電池82の充電を停止する。これにより、二次電池82の電力に関する入出力を明確に分離してその二次電池82の充電制御を適切に実施できるため、充電不足や過充電、それに伴う二次電池82の劣化を抑制することができる。
【0088】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第3実施形態では、携帯端末がキャパシタ52に充電可能な発電部を備える点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
図15に示すように、本実施形態に係る充電システム1aは、上述した充電システム1に対して、携帯端末10に代えて携帯端末10aが採用されている。この携帯端末10aは、携帯端末10に対して、発電部13を新たに備えるように構成されている。
【0090】
発電部13は、所定の発電方式にて発電可能な発電デバイス及び電力変換回路を備えており、発電デバイスにて発電された電力が電源制御部51により制御された電力変換回路によって所定の電圧値にてキャパシタ52に充電可能に構成されている。なお、発電デバイスの発電方式としては、例えば、太陽光パネルを利用した太陽光発電方式、振動や衝撃をエネルギー変換する発電方式、ダイナモを手回しで発電する発電方式等を想定することができる。
【0091】
特に、本実施形態では、充電装置60への載置時に携帯端末10aの電源制御部51にてなされる充電処理において、キャパシタ52が満充電の際にその余剰電力を利用して充電装置60の二次電池82を充電するための処理を行う。なお、キャパシタ52からの電力を利用して充電装置60の二次電池82を充電する制御を行う電源制御部51は、「端末側制御部」の一例に相当し得る。
【0092】
以下、充電装置60への載置時に携帯端末10aの電源制御部51にてなされる充電処理について、図面を参照して説明する。
携帯端末10aが充電装置60に対して充電可能に載置されることで、電源制御部51にて充電処理が開始されると、まず、図16のステップS101に示す判定処理にて、発電部13による発電電圧Vgenが所定電圧V1を超えているか否かについて判定される。ここで、発電電圧Vgenが所定電圧V1以下であれば(S101でNo)、上記第1実施形態等にて述べたように、受電コイル53を介して充電装置60から供給される電力によってキャパシタ52が充電される(S103:図17(A),図19の状態A参照)。
【0093】
その後、発電電圧Vgenが所定電圧V1を超えると(S101でYes)、ステップS105の判定処理にて、キャパシタ52の電圧(以下、キャパシタ電圧Vcapともいう)が所定電圧V2を超えることで余剰電力が発生しているか否かについて判定される。ここで、キャパシタ電圧Vcapが所定電圧V2以下であれば(S105でNo)、余剰電力が発生していないため、発電部13にて発電された電力を利用してキャパシタ52が充電される(S107:図17(B),図19の状態B参照)。なお、電源制御部51は、発電部13の電力を利用してキャパシタ52を充電する際に、不足分を充電装置60から供給される電力によって補ってもよい。
【0094】
そして、キャパシタ52が満充電状態になり、キャパシタ電圧Vcapが所定電圧V2を超えたために余剰電力が発生していると判定されると(S105でYes)、ステップS109の判定処理にて、二次電池82の電圧Vbatが所定電圧V3を超えているか否かについて判定される。二次電池82の電圧Vbatは、充電装置60から受信するもので、この電圧Vbatが所定電圧V3未満であると(S109でNo)、上記余剰電力を受電コイル53を介して充電装置60に供給することで、この余剰電力によって充電装置60の二次電池82が充電される(S111:図18(A),図19の状態C参照)。なお、電源制御部51は、発電部13の電力を利用して充電装置60の二次電池82を充電する際に、キャパシタ電圧Vcapを維持するための電力をキャパシタ52に供給してもよい。
【0095】
上記余剰電力の供給によって二次電池82の電圧Vbatが所定電圧V3を超えると(S109でYes)、受電コイル53を介した電力供給が停止される(図18(B),図19の状態D参照)。
【0096】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1aでは、携帯端末10aには、発電された電力がキャパシタ52に充電される発電部13と、キャパシタ52からの電力を利用して充電装置60の二次電池82を充電する制御を行う電源制御部51と、が設けられる。これにより、携帯端末10aは、充電装置60からの給電以外の方法で電力を確保でき、システム全体の省電力化に貢献できるだけでなく、電池切れ時や災害時にも使用することができる。特に、携帯端末10aの余剰電力を充電装置60に給電することができるので、キャパシタ52に蓄積するよりも大きな電力をリザーブしておくことができる。
【0097】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第4実施形態では、充電装置の二次電池を廃止し、充電装置に対する送電要求パターンの伝送経路を利用して携帯端末から充電装置に対して設定変更を指示する点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0098】
通常、載置された携帯端末を充電するクレードルなどの充電装置では、その設定を変更する際に、ユーザがその充電装置をセットアップモードへ切り替えるためのキー操作等を行った後に、パーソナルコンピュータ等の上位機器から設定変更用のデータが受信される。このため、充電装置には、モード切替用の操作手段や上位機器との通信手段とが必要になる。その一方で、充電装置における設定変更の操作手順は、携帯端末の通常操作と異ななり、操作頻度が少ないこともあって、設定変更用のマニュアルや上位機器への専用のアプリケーションプログラムのインストールなどが必要となり、簡単に設定変更できないという問題がある。例えば、専用のアプリケーションプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(専用パソコン)に対して充電装置を接続した後に、変更すべき設定内容に応じた操作を専用パソコンと充電装置とのそれぞれに行う必要があり、操作が煩雑になってしまう。さらに言えば、充電装置とデータ通信可能な専用パソコンの使用を前提とする構成であれば、そのような専用パソコンが無ければ、充電装置に対して設定変更指示さえできないという問題がある。
【0099】
そこで、本実施形態に係る充電システム1bでは、図20に例示するように、無線電力伝送時に携帯端末10が受電コイル53を利用して送電コイル83を介して充電装置60bに要求する送電要求パターンの伝送経路を利用して、携帯端末10から充電装置60bに対して設定変更等を含めた所定の指示パターンを送信する。これにより、上述のような専用パソコンを要することなく、充電装置60bに対して設定変更指示することができる。なお、本実施形態に係る充電装置60bは、上述した充電装置60に対して、二次電池82を廃止するようにして構成される。また、本実施形態では、受電コイル53は、「受電部」の一例に相当し、送電コイル83は、「送電部」の一例に相当し得る。
【0100】
上記送電要求パターンの伝送経路は、従来から無線電力伝送時に利用されているもので、送電要求時に、携帯端末10の電源制御部51により制御された受電コイル53によって送電コイル83を介して充電装置60bの電源制御部81にON/OFF信号からなるパターンを伝送するための経路である。
【0101】
このため、本実施形態では、充電装置60bに対して指示すべき設定変更項目ごとに、上記伝送経路を利用して充電装置60bに送信する指示パターンが用意される。上述した設定変更項目としては、例えば、省電力モード、メンテナンスモード(機器修理用モード)、通常動作モードなどが想定される。そして、省電力モードへの変更を指示する場合に、上記伝送経路を利用して送信される指示パターンとしては、例えば、図21(A)に例示するように、1秒間のON信号、1秒間のOFF信号、1秒間のON信号、1秒間のOFF信号からなる指示パターンPa1を採用することができる。また、メンテナンスモードへの変更を指示する場合の指示パターンとしては、例えば、図21(B)に例示するように、2秒間のON信号、1秒間のOFF信号、2秒間のON信号、1秒間のOFF信号からなる指示パターンPa2を採用することができる。また、通常動作モードへの変更を指示する場合の指示パターンとしては、例えば、図21(C)に例示するように、1秒間のON信号、2秒間のOFF信号、1秒間のON信号、2秒間のOFF信号からなる指示パターンPa3を採用することができる
【0102】
特に、本実施形態では、所定の情報が記録される情報コードCを携帯端末10に読み取らせることで、その読み取った所定の情報に応じた指示パターンが携帯端末10にて生成される。このため、充電装置60bに指示すべき所定の情報を記録した情報コードCがその所定の情報ごとに複数用意される。例えば、指示パターンPa1を生成するための情報が記録された情報コードCa1を読み取った携帯端末10では指示パターンPa1が生成される(図21(A)参照)。また、指示パターンPa2を生成するための情報が記録された情報コードCa2を読み取った携帯端末10では指示パターンPa2が生成され(図21(B)参照)、指示パターンPa3を生成するための情報が記録された情報コードCa3を読み取った携帯端末10では指示パターンPa3が生成される(図21(C)参照)。これにより、充電装置60bに対して送信すべき指示パターンを携帯端末10に対して容易に指示することができる。
【0103】
以下、充電装置60bの設定変更を行う際に、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0104】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
制御部41にてパターン送信処理が開始されると、撮像部43により読取口21を介した撮像範囲が撮像可能な状態になり(図22のS201)、この撮像画像に対して撮像された情報コードCをデコードするための公知のデコード処理がなされる(S203)。情報コードCが撮像されていないためにデコードが失敗すると(S205でNo)、ステップS209の判定処理にて、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置される載置状態であるか否かについて判定される。ここで、載置検知部46の検知結果に基づいて、載置状態でないと判定されると(S209でNo)、撮像部43により読取口21を介して撮像される状態が維持される。
【0105】
そして、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されることで、載置検知部46の検知結果に基づいて、載置状態であると判定されると(S209でYes)、ステップS211に示すパターン送信処理がなされる。上述のように情報コードCのデコードが成功していない場合には、上述した送電要求パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。これにより、送電要求パターンを受信した充電装置60bによる携帯端末10を充電するための処理が開始される。
【0106】
一方、例えば、省電力モードに設定変更するための情報が記録される情報コードCa1に読取口21を向けることで、その情報コードCa1が撮像されて(S201)、その撮像画像に対するデコード処理が成功すると(S205でYes)、ステップS207に示す指示パターン生成処理がなされる。この処理では、情報コードCから読み取った情報に応じた指示パターンを生成するための処理がなされる。なお、上記指示パターン生成処理を行う制御部41は、「生成部」の一例に相当し得る。
【0107】
このように指示パターンが生成された後に、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されると(S209でYes)、ステップS211のパターン送信処理において、上記指示パターン生成処理にて生成された指示パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。上述のように情報コードCa1のデコードに成功している場合には、省電力モード用の指示パターンPa1が生成されて、この指示パターンPa1が受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。これにより、充電装置60bに対して省電力モードへの設定変更を指示することができる。
【0108】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
制御部71にてパターン受信処理が開始されると、図23のステップS301の判定処理にて、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置される載置状態であるか否かについて判定される。ここで、載置検知部73の検知結果に基づいて、載置状態であると判定されると(S301でYes)、ステップS303に示すパターン解析処理がなされ、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる。なお、受信したパターンを解析するための処理を行う制御部71は、「解析部」の一例に相当し得る。
【0109】
続いて、ステップS305に示す判定処理にて、解析したパターンが上述した指示パターンであるか否かについて判定される。ここで、解析したパターンが上述した指示パターンである場合には(S305でYes)、ステップS307に示す設定変更処理がなされ、解析した指示パターンに応じた設定変更が行われる。例えば、上述のように、指示パターンPa1が送電コイル83を介して受信されて解析される場合には、この解析された指示パターンPa1に応じて、制御部71により省電力モードへの設定変更が実施される。なお、本実施形態では、上記設定変更処理を行う制御部71は、解析された指示パターン(解析結果)に応じた制御を行う「装置側制御部」の一例に相当し得る。
【0110】
一方、解析したパターンが上述した送電要求パターンである場合には(S305でNo)、ステップS309に示す充電処理がなされ、電源制御部81により送電コイル83を介して携帯端末10を充電するための処理がなされる。
【0111】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1bでは、携帯端末10において、載置検知部46により載置状態が検知された際、指示パターンが生成されていない場合に送電を要求する送電要求パターンで電源制御部51により受電コイル53が制御され、情報コードCにより読み取られた所定の情報に応じて指示パターンが生成されている場合に当該指示パターンで電源制御部51により受電コイル53が制御される。そして、充電装置60bでは、送電要求パターンが解析された場合に携帯端末10を充電するために電源制御部81により送電コイル83が制御され、指示パターンが解析された場合に当該指示パターンに応じた制御が制御部71により行われる。
【0112】
これにより、上位機器等から指示することなく充電装置60bに対して設定変更などの指示を与えることができる。特に、指示すべき情報が記録された情報コードCを読ませた携帯端末10を充電装置60bに載置するだけでよいので、充電装置60bに対して設定変更などを容易に指示することができる。
【0113】
なお、情報コードCから読み取った情報に応じて生成される指示パターンとして、上述したように充電装置60bの設定を変更するためのパターンが採用されることに限らず、例えば、充電装置60bに対して設定変更と異なる所定の指示を行うためのパターンが採用されてもよい。
【0114】
また、本実施形態の変形例として、情報コードCから読み取った情報に応じて生成される指示パターンの少なくとも一部として、充電装置60bの設定に関してパラメータ値を変更するためのパターンが採用されてもよい。具体的には、例えば、図24(A)に示すような指示パターンPa4にて、セットアップモードに切り替る指示を行い、さらに、図24(B)に示すような指示パターンPa5にて、その指示パターンの長さ(ON/OFF回数)に応じて上記セットアップモードにおいて設定変更すべきパラメータ値を指示することができる。このような一組の指示パターンPa4,Pa5は、対応する所定の情報を記録した1つの情報コードCa4を携帯端末10に読み取らせることで生成することができる。
【0115】
以下、本実施形態の変形例において、セットアップモードにてパラメータ値を変更するための指示を行う際に、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0116】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
上述した情報コードCa4に読取口21を向けることで、その情報コードCa4が撮像されて(図25のS201)、その撮像画像に対するデコード処理が成功すると(S205でYes)、ステップS207に示す指示パターン生成処理にて、上述した一組の指示パターンPa4,Pa5が生成される。その後、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されると(S209でYes)、ステップS213に示す第1パターン送信処理において、上述のように生成された指示パターンPa4が電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。そして、ステップS215に示す第2パターン送信処理において、上述のように生成された指示パターンPa5が、指示パターンPa4の送信から所定時間経過後に、電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。これにより、充電装置60bに対してセットアップモードへの設定変更及びそのセットアップモードにおいて設定変更すべきパラメータ値を指示することができる。
【0117】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されることで(図26のS301でYes)、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる(S303)。この解析したパターンが上述した指示パターンである場合には(S305でYes)、その解析した指示パターンに応じた設定変更が行われる(S307)。そして、ステップS311に示す判定処理にて、解析した指示パターンがパラメータ値の変更を要するパターンであるか否かについて判定される。ここで、上記指示パターンPa4が解析されている場合には、ステップS311にてYesと判定されて、ステップS313に示すパラメータ値変更処理がなされる。この処理では、上記所定時間経過後に送電コイル83を介して携帯端末10から受信した指示パターンPa5が解析されて、その指示パターンPa5に応じて上記セットアップモードにおいて指示されたパラメータ値が設定変更される。
【0118】
このように、本実施形態の変形例では、充電装置60bに対してモード変更などの設定変更指示を行うことができるだけでなく、そのモード変更時のパラメータ値の変更指示も容易に行うことができる。なお、パラメータ値を変更するための指示パターンは、モードを変更するための指示パターンの送信から所定時間経過後に送信されることに限らず、例えば、モードを変更するための指示パターンに対して間隔を空けることなく続けて送信されてもよい。
【0119】
なお、本実施形態及び変形例等において、携帯端末10は、キャパシタ52を端末側蓄電デバイスとして備えるように構成されることに限らず、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池を端末側蓄電デバイスとして備えるように構成されてもよい。
【0120】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第5実施形態では、充電装置に対する送電要求パターンの伝送経路を利用して携帯端末から充電装置に対して無線通信に関して再接続指示を行う点が、上記第4実施形態と主に異なる。したがって、第4実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0121】
通常、携帯端末と充電装置とが無線接続されると、無線接続不能に離されるか無線接続切断用の操作を行わない限りその無線接続状態が維持されることになる。このため、前回と異なる充電装置に携帯端末を載置した際に、その携帯端末と前回の充電装置との無線接続状態が維持されているために、載置した充電装置と携帯端末とが無線接続されない状態になる場合がある。例えば、無線接続状態で充電装置Aに載置されていた携帯端末Aを、その充電装置Aから取り外して所定の作業を行った後に別の充電装置Bに載置した場合、携帯端末Aと充電装置Aとの無線接続状態が維持されていると、携帯端末Aが載置されている充電装置Bに対して無線接続されない状態になる。
【0122】
このような場合、不慣れなユーザでは、一見しただけで載置した充電装置Bと携帯端末Aとが無線接続されていない状態であると判断できないために、携帯端末Aのデータ等が載置した充電装置Bを介して送信されない原因等を把握できず、無線の再接続操作に手間取るという問題がある。
【0123】
そこで、本実施形態では、情報コードの読み取りによって生成される指示パターンの1つとして、無線接続を切断した後に再接続するための指示パターン(以下、再接続指示パターンともいう)を用意する。この再接続指示パターンは、上述した設定変更用の指示パターン(Pa1~Pa4)等と異なるON/OFFパターンで生成され、この再接続指示パターンを生成するための情報が記録された情報コード(以下、再接続用コードともいう)が予め用意される。
【0124】
そして、携帯端末10では、再接続指示パターンが生成されている場合に、当該再接続指示パターンで受電コイル53が制御されるとともに無線接続を切断した後に再接続するように通信部47が制御される。これに応じて、充電装置60bでは、再接続指示パターンが受信(解析)された場合に、無線接続を切断した後に再接続するように通信部74が制御される。
【0125】
これにより、接続確認や携帯端末10と充電装置60bとの双方に対して再接続操作をそれぞれ行うこともなく、再接続指示パターン用の情報コードを読ませた携帯端末10を充電装置60bに載置するだけで、再接続処理を行うことができる。なお、通信部47は、「端末側通信部」の一例に相当し、通信部74は、「装置側通信部」の一例に相当し得る。
【0126】
以下、本実施形態において、載置時に携帯端末10と充電装置60bとを再接続するために、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0127】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
上述した再接続用コードに読取口21を向けることで、その再接続用コードが撮像されて(図27のS201)、その撮像画像に対するデコード処理が成功すると(S205でYes)、ステップS207に示す指示パターン生成処理にて、上述した再接続指示パターンが生成される。
【0128】
その後、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されると(S209でYes)、ステップS211に示すパターン送信処理において、上述のように生成された再接続指示パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。このように再接続指示パターンを送信しているため、ステップS217の判定処理にてYesと判定されて、ステップS219に示す再接続処理がなされる。この処理では、通信部47を利用した無線通信を一旦切断した後に無線ペアリングを行うことで、最も近くに位置する無線通信可能な機器、すなわち、充電装置60bと再接続するための処理がなされる。
【0129】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されることで(図28のS301でYes)、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる(S303)。この解析したパターンが上述した再接続指示パターンである場合には(S305でYes)、ステップS315の判定処理にてYesと判定されて、ステップS317に示す再接続処理がなされる。この処理では、通信部74を利用した無線通信を一旦切断した後に無線ペアリングを行うことで、最も近くに位置する無線通信可能な機器、すなわち、載置された携帯端末10と再接続するための処理がなされる。
【0130】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1bでは、携帯端末10には、充電装置60bと無線通信する際に制御部41によって制御される端末側無線通信部として通信部47が設けられ、充電装置60bには、携帯端末10と無線通信する際に制御部71によって制御される装置側無線通信部として通信部74が設けられる。そして、携帯端末10では、載置検知部46により載置状態が検知された際、無線接続を切断した後に再接続するための再接続指示パターンが生成されている場合に(S217でYes)、制御部41によって、電源制御部51により当該再接続指示パターンで受電コイル53が制御されるとともに無線接続を切断した後に再接続するように通信部47が制御される。充電装置60bでは、再接続指示パターンが解析された場合に(S315でYes)、制御部71により無線接続を切断した後に再接続するように通信部74が制御される。
【0131】
これにより、接続確認や携帯端末10と充電装置60bとの双方に対して再接続操作をそれぞれ行うこともなく、再接続指示パターン用の情報コードとなる再接続用コードを読ませた携帯端末10を充電装置60bに載置するだけで、再接続処理を行うことができる。
【0132】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第6実施形態では、充電装置60bを特定する装置特定情報を利用して再接続先を指定する点が、上記第5実施形態と主に異なる。したがって、第5実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0133】
本実施形態では、再接続指示パターンに対応する再接続用コードに記録される所定の情報には、充電装置60bを特定する装置特定情報が含まれる。そして、携帯端末10では、撮像した再接続用コードから読み取られた所定の情報に上記装置特定情報が含まれており、この装置特定情報から特定される充電装置60bが通信部47によって無線接続されている充電装置に一致する場合に、再接続指示パターンが生成されない。これにより、既に無線接続されている充電装置60bに携帯端末10を載置する場合には、再接続指示パターンが生成されることもない。
【0134】
そして、読み取った装置特定情報から特定される充電装置60bが通信部47によって無線接続されている充電装置に一致しない場合には、この装置特定情報から特定される充電装置60bを再接続先とするように制御部41によって通信部47が制御される。これにより、ユーザが無線接続を所望する充電装置60bに対して確実に無線接続することができる。
【0135】
さらに、携帯端末10において生成される再接続指示パターンを、対応する装置特定情報を解析可能に生成することで、充電装置60bでは、当該充電装置60bが、再接続指示パターンから解析された装置特定情報から特定される充電装置に一致する場合に、再接続処理を行う。本実施形態では、上記装置特定情報が記録される再接続用コードは、当該置特定情報ら特定される充電装置60bの外面等に貼り付けされる。
【0136】
以下、本実施形態において、載置時に携帯端末10と充電装置60bとを再接続するために、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0137】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
充電装置60bの外面等に貼り付けされた再接続用コードに読取口21を向けることで、その再接続用コードが撮像されて(図29のS201)、その撮像画像に対するデコード処理が成功すると(S205でYes)、ステップS221に示す判定処理がなされる。この判定処理では、読み取った情報に上記装置特定情報が含まれており、この装置特定情報から特定される充電装置60bが通信部47によって無線接続されている充電装置に一致する状態(以下、接続中状態ともいう)であるか否かについて判定される。なお、装置特定情報から特定される充電装置60bが通信部47によって無線接続されている充電装置に一致する接続中状態は、「第1の一致状態」の一例に相当し、上記ステップS221に示す判定処理を行う制御部41は、「端末側判定部」の一例に相当し得る。
【0138】
ここで、読み取った情報に上記装置特定情報が含まれていない場合、又は、装置特定情報から特定される充電装置60bが通信部47によって無線接続されている充電装置に一致しない場合には、ステップS221にてNoと判定されて、上記ステップS207以降の処理がなされる。特に、読み取った装置特定情報から特定される充電装置60bが通信部47によって無線接続されている充電装置に一致しない場合には、上述したステップS207の指示パターン生成処理にて、再接続指示パターンが、対応する上記装置特定情報を充電装置60bにて解析可能に生成される。
【0139】
そして、上述のように生成された再接続指示パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信された場合には(S211,S217でYes)、ステップS219に示す再接続処理にて、上記装置特定情報から特定される充電装置60bを再接続先とするように制御部41によって通信部47が制御される。
【0140】
一方、読み取った情報に上記装置特定情報が含まれており、この装置特定情報から特定される充電装置60bが通信部47によって既に無線接続されている充電装置に一致する接続中状態である場合には、ステップS221にてYesと判定されて、指示パターンが生成されることなく、本パターン送信処理が終了する。
【0141】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されることで(図30のS301でYes)、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる(S303)。この解析したパターンが上述した再接続指示パターンである場合には(S305でYes,S315でYes)、ステップS319に示す判定処理がなされる。この判定処理では、当該充電装置60bが、再接続指示パターンの解析時に取得された装置特定情報から特定される充電装置に一致する状態(以下、指示一致状態ともいう)であるか否かについて判定される。なお、当該充電装置60bが再接続指示パターンから解析された装置特定情報から特定される充電装置に一致する指示一致状態は、「第2の一致状態」の一例に相当し、上記ステップS319に示す判定処理を行う制御部71は、「装置側判定部」の一例に相当し得る。
【0142】
ここで、当該充電装置60bが再接続指示パターンから解析された装置特定情報から特定される充電装置に一致するために、指示一致状態であると判定される場合には(S319でYes)、上記ステップS317に示す再接続処理がなされる。
【0143】
一方、当該充電装置60bが再接続指示パターンから解析された装置特定情報から特定される充電装置と異なるために、指示一致状態でないと判定される場合には(S319でNo)、上記再接続処理がなされることなく、本パターン受信処理が終了する。
【0144】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1bでは、再接続指示パターンに対応して再接続用コードに記録される所定の情報には、充電装置60bを特定する装置特定情報が含まれる。そして、携帯端末10では、上記所定の情報が読み取られた際に、当該所定の情報に装置特定情報が含まれており、当該装置特定情報から特定される充電装置60bが通信部47によって無線接続されている充電装置に一致する接続中状態(第1の一致状態)であると判定された場合に(S221でYes)、再接続指示パターンが生成されない。
【0145】
これにより、既に無線接続されている充電装置60bに携帯端末10を載置する場合には、上記接続中状態であると判定されて再接続指示パターンが生成されることもないので、不要な再接続処理をなくすことができる。
【0146】
さらに、上記再接続処理では、再接続用コードから読み取った装置特定情報から特定される充電装置60bを再接続先とするように通信部47が制御される。これにより、ユーザが無線接続を所望する充電装置60bに対して確実に無線接続することができる。
【0147】
そして、再接続指示パターンは、対応する装置特定情報を解析可能に生成される。そして、充電装置60bでは、再接続指示パターンが解析された場合であって、当該充電装置60bが再接続指示パターンから解析された装置特定情報から特定される充電装置に一致する指示一致状態(第2の一致状態)であると判定された場合に(S319でYes)、無線接続を切断した後に再接続するように通信部74が制御される。
【0148】
これにより、載置状態でない先に無線接続していた携帯端末に誤って再接続することもないので、載置状態の携帯端末10と充電装置60bとを確実に無線接続することができる。
【0149】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第7実施形態では、充電装置からの供給電力の変動及び携帯端末自身の負荷変動を考慮してキャパシタへの充電電力を調整する点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0150】
本実施形態に係る携帯端末10cの電源制御部51は、電力に関して入力機能と出力機能とを備えており、入力機能の具体例としては電源の安定化や回路保護機能等があり、出力機能の具体例としてはキャパシタ52への充電制御や負荷54(図31参照)への電力供給機能がある。すなわち、電源制御部51は、充電装置60からの電力供給を受けてキャパシタ52の充電及び負荷54への電力供給を行うように機能する。ここで、携帯端末10cにおいて電力供給を受けて動作する負荷54としては、例えば、情報コード等を光学的に読み取る読取処理やその読取結果等に関する無線通信処理などが想定される。
【0151】
入力からキャパシタ52と負荷54への出力を構成する最も単純な構成は、入力と負荷54との間にバッファとしてキャパシタ52を介在させる方法であり、負荷54の変動や入力の電力供給変動をキャパシタ52で吸収させることができる。その一方で、このような構成では、キャパシタ52が空の場合に一定レベルまで充電されないと負荷54の動作を開始することができない。これはキャパシタ52の容量が大きいほど待ち時間として問題が顕在化する。
【0152】
このため、本実施形態に係る充電システム1cでは、キャパシタ52を介さずに入力の電力供給源と出力である負荷54とを直結する回路を電源制御部51に設けることで、キャパシタ52への充電開始と同時に負荷54も動作させされるようにする構成が採用されている。この構成では、電力供給源から一定程度の電力供給を確保できる場合においては、負荷54の見込み電力を減じた電力でキャパシタ52を充電するように設計すればよいと考えることもできる。
【0153】
しかしながら、携帯端末10cの負荷54が変動して軽負荷となった場合には、余剰電力が生かされないデメリットも生じる。特に、本実施形態では、携帯端末10cに対して電力供給源となる充電装置60は二次電池82からの電力を利用して電力供給するため、供給電力P1が変動しやすく、二次電池82の電池残量が少なくなると電力供給能力が低下してしまう。このため、充電システムとしての安定性を担保するには、キャパシタ52に対する充電電力は、充電装置60からの供給能力の最低電力から負荷54の最大電力を減じた値に設定することが好ましい。その一方で、上述のように携帯端末10cの負荷54が変動して軽負荷となったことで供給電力P1に余裕ができたとしても、キャパシタ52への充電電力は比較的小さく設定されていると、充電時間が長くなってしまう。
【0154】
そこで、本実施形態では、負荷54で消費される消費電力P2に関する値と充電装置60から供給される供給電力P1に関する値とをそれぞれ計測してこれらの計測値に基づいてキャパシタ52への充電電力を制御することで、充電システムとしての安定性担保とキャパシタの充電時間の最小化を両立させる。
【0155】
このため、電源制御部51には、図31に示すように、負荷54で消費される消費電力P2に関する値として負荷54に供給される負荷電流Ioを計測する電流計測部55と、充電装置60から供給される供給電力P1に関するとして充電装置60からの受電電圧Voを計測する電圧計測部56とが設けられる。そして、電源制御部51にてなされる電源制御処理にて、電流計測部55の計測値と電圧計測部56の計測値とに基づいて、キャパシタ52への充電電流Icapが調整されることで、キャパシタ52への充電電力が制御される。なお、負荷54で消費される消費電力P2に関する値として負荷電流Ioを計測する電流計測部55は、「第1計測部」の一例に相当し、充電装置60から供給される供給電力P1に関する値として受電電圧Voを計測する電圧計測部56は、「第2計測部」の一例に相当し得る。
【0156】
例えば、図32(A)に示すように、充電装置60から供給される供給電力P1が電源制御部51にて負荷54とキャパシタ52とに所定の割合で分配されている状態を想定する。このような状態で、充電装置60から供給される供給電力P1が図32(A)の状態から増加する傾向にあると、余剰電力を活用するため、図32(B)に例示するように、充電電流Icapを増加させる制御が電源制御部51にてなされる。一方、充電装置60から供給される供給電力P1が図32(A)の状態から減少する傾向にあると、図32(C)に例示するように、充電電流Icapを減少させる制御が電源制御部51にてなされる。このため、電源制御処理では、供給電力P1に関する受電電圧Voが所定の電圧閾値Vset以下となる場合に、供給電力P1が所定の減少状態(供給電力減少状態)である場合として、後述するように充電電流Icapを一定値減少させる。
【0157】
また、図33(A)に示すように、充電装置60から供給される供給電力P1が電源制御部51にて負荷54とキャパシタ52とに所定の割合で分配されている状態を想定する。このような状態で、図33(A)の状態から負荷54が増加すると、図33(B)に例示するように、充電電流Icapを減少させる制御が電源制御部51にてなされる。一方、図33(A)の状態から負荷54が減少すると、余剰電力を活用するため、図33(C)に例示するように、充電電流Icapを増加させる制御が電源制御部51にてなされる。このため、電源制御処理では、消費電力P2に関する負荷電流Ioが所定の電流閾値Iset以上となる場合に、消費電力P2が所定の増加状態(消費電力増加状態)である場合として、後述するように充電電流Icapを一定値減少させる。
【0158】
以下、上述のように充電システムとしての安定性担保とキャパシタの充電時間の最小化を両立させるために電源制御部51にてなされる電源制御処理について、図34のフローチャートを参照して詳述する。
携帯端末10cが充電装置60に対して充電可能に載置されることで、電源制御部51にて電源制御処理が開始されると、まず、図34のステップS401に示す判定処理にて、消費電力P2が所定の増加状態であるか否かについて判定される。ここで、負荷電流Ioが所定の電流閾値Iset未満であれば、消費電力P2が所定の増加状態に達していないとして、ステップS401にてNoと判定される。
【0159】
このように消費電力P2が所定の増加状態に達していないと判定される場合には、ステップS403に示す判定処理にて、供給電力P1が所定の減少状態であるか否かについて判定される。ここで、受電電圧Voが所定の電圧閾値Vsetを超える場合には、供給電力P1が所定の減少状態を超えているとして、ステップS403にてNoと判定される。
【0160】
そして、ステップS405に示す判定処理にて、充電電流Icapが所定の上限値Imaxに未満であるか否かについて判定される。ここで、充電電流Icapが所定の上限値Imax未満であると、ステップS405にてYesと判定されて、ステップS407に示す充電電流増加処理がなされる。この処理では、充電電流Icapが所定値ΔIstepだけ増加するように設定される。すなわち、消費電力P2が所定の増加状態に達していない場合かつ供給電力P1が所定の減少状態を超えている場合には、充電電流Icapを所定の上限値Imaxに向けて増やす制御が行われる。このように充電電流Icapが増加することで、キャパシタ52の充電速度を向上させることができる。
【0161】
上述のように充電電流Icapの段階的な増加が繰り返されることで、増加した充電電流Icapが所定の上限値Imax以上になると(S405でNo)、上記充電電流増加処理がなされることなく、上記ステップS401からの処理がなされる。
【0162】
その後、携帯端末10cにて情報コードの読取処理等を行ったために負荷電流Ioが所定の電流閾値Iset以上になると、消費電力P2が所定の増加状態(消費電力増加状態)であるとして(S401でYes)、ステップS409に示す充電電流減少処理がなされる。また、二次電池82の電池残量が少なくなったために受電電圧Voが所定の電圧閾値Vset以下になると、供給電力P1が所定の減少状態(供給電力減少状態)であるとして(S403でYes)、ステップS409に示す充電電流減少処理がなされる。
【0163】
ステップS409の充電電流減少処理では、充電電流Icapが所定値ΔIstepだけ減少するように設定される。すなわち、消費電力P2が所定の増加状態である場合又は供給電力P1が所定の減少状態である場合に、充電電流Icapを減らす制御が行われる。
【0164】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1cでは、携帯端末10cは、電力供給を受けて動作する負荷54と、充電装置60からの電力供給を受けてキャパシタ52の充電及び負荷54への電力供給を行う電源制御部51と、負荷54で消費される消費電力P2に関する負荷電流Ioを計測する電流計測部55と、充電装置60から供給される供給電力P1に関する受電電圧Voを計測する電圧計測部56と、を備えている。そして、電源制御部51にてなされる電源制御処理により、消費電力P2が所定の増加状態(消費電力増加状態)である場合又は供給電力P1が所定の減少状態(供給電力減少状態)である場合に、キャパシタ52への充電電力を減らすように充電電流Icapを減らす制御が行われ、消費電力P2が上記所定の増加状態に達していない場合かつ供給電力P1が上記所定の減少状態を超えている場合に、キャパシタ52への充電電力を所定の上限値に向けて増やすように充電電流Icapを増やす制御が行われる。
【0165】
これにより、装置側蓄電デバイスとして機能する二次電池82に起因する充電装置60からの供給電力P1の変動や携帯端末自身の負荷変動が生じる場合でも、キャパシタ52への充電電力が適度に調整されてシステムとしての安定性を担保することができる。特に、消費電力P2が上記所定の増加状態に達しておらず供給電力P1が上記所定の減少状態を超えている場合、すなわち、余剰電力がある場合には、その余剰電力を無駄なく利用するようにキャパシタ52を充電できるので、キャパシタ52の充電時間の最小化を図ることができる。
【0166】
なお、充電装置60からの供給電力P1の変動及び携帯端末自身の負荷変動を考慮してキャパシタ52への充電電力を調整する本実施形態の特徴的構成は、他の実施形態等にも適用することができる。
【0167】
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第8実施形態では、充電装置に対する送電要求パターンの伝送経路を利用して携帯端末から充電装置に対して無線通信に関して追加接続指示を行う点が、上記第5実施形態と主に異なる。したがって、第5実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0168】
一般的な話として、無線接続方式としてBluetooth通信が採用される場合、その接続形態はスター型と呼ばれるネットワークトポロジーで構成される。これはホストとなる1つの機器に複数のデバイスが接続されている形態で、例えばホストであるパーソナルコンピュータにデバイスである無線マウスや無線キーボード、無線ヘッドフォンなど複数の機器が接続している状態がそれにあたる。一般的なBluetoothデバイスの場合、デバイスが備える電源ボタンや再ペアリングボタンなどの操作によってホストとの無線接続を切断し再接続することができる。同様にホスト機器からもGUIなどの操作によって無線接続を切断することができる。これに対して充電装置60bは、GUIや操作ボタン等を有しないため、直接的に無線接続の切断操作をすることはできないが、上述した再接続指示パターンを利用する携帯端末側の操作によって切断及び再接続を指示することが可能となっている。
【0169】
しかしながら、上記再接続指示パターンを利用して無線接続を切断した後に再接続するように制御される構成では、複数の携帯端末10と無線通信可能な充電装置60bに対して再接続指示パターン用の情報コードを読ませた携帯端末10を載置すると、ユーザが意図しないタイミングで充電装置60bと無線接続中の他の携帯端末10との無線接続も切断されてしまうことになる。また、仮に、携帯端末10の所在が不明だった場合、切断してしまうとその携帯端末10の位置を探索する手段を失うことになってしまう。
【0170】
その一方で、複数の携帯端末10と無線通信可能な充電装置60bを採用しても、1つの充電装置60bと無線接続できる携帯端末10の数は有限であり、多くの携帯端末10が1つの充電装置60bに対して無線接続すると、充電装置60bのリソースの問題でそれぞれの携帯端末10での無線通信品質が低下してしまうという問題がある。また、携帯端末10が用いられる作業内容等によっては、1対1の無線接続が求められる場合もある。
【0171】
そこで、本実施形態に係る充電システム1bでは、情報コードの読み取りによって生成される指示パターンの1つとして、無線接続を追加するための指示パターン(以下、追加接続指示パターンともいう)を用意する。この追加接続指示パターンは、上述した設定変更用の指示パターンや再接続指示パターン等と異なるON/OFFパターンで生成され、この追加接続指示パターンを生成するための情報が記録された情報コード(以下、追加接続用コードともいう)が予め用意される。特に、本実施形態では、追加接続用コードに記録される所定の情報には、充電装置60bを特定する装置特定情報が含まれる。
【0172】
携帯端末10では、追加接続指示パターンが生成されている場合に、当該追加接続指示パターンで受電コイル53が制御されるとともに載置された充電装置60bと無線接続するように通信部47が制御される。
【0173】
本実施形態の充電装置60bは、同時に所定数の携帯端末10と無線通信可能に構成されている。そして、この充電装置60bでは、追加接続指示パターンが受信(解析)された場合に、いずれの携帯端末10とも無線通信していないか、または、上記所定数未満の携帯端末10と無線接続中であると、無線接続対象を追加するように通信部74が制御され、上記所定数の携帯端末10と無線接続中であると、無線接続対象を追加しないように通信部74が制御される。
【0174】
これにより、リソースに余裕のある充電装置60b(無線接続中の携帯端末10の数が上記所定数未満である充電装置60b)であれば、接続確認や携帯端末10と充電装置60bとの双方に対して追加接続操作をそれぞれ行うこともなく、追加接続指示パターン用の情報コードを読ませた携帯端末10を充電装置60bに載置するだけで、追加接続処理を行うことができる。なお、通信部47は、「端末側通信部」の一例に相当し、通信部74は、「装置側通信部」の一例に相当し得る。
【0175】
以下、本実施形態において、リソースに余裕のある充電装置60bに対して載置した携帯端末10を追加接続するために、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0176】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図35のフローチャートを参照して説明する。
上述した追加接続用コードに読取口21を向けることで、その追加接続用コードが撮像されて(図35のS201)、その撮像画像に対するデコード処理が成功し(S205でYes)、追加接続用コードの装置特定情報から特定される充電装置60bが通信部47によって無線接続されている充電装置に一致しない場合(S221でNo)、ステップS207に示す指示パターン生成処理にて、上述した追加接続指示パターンが生成される。
【0177】
その後、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されると(S209でYes)、ステップS211に示すパターン送信処理において、上述のように生成された追加接続指示パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。このように追加接続指示パターンを送信しているため(S217でNo,S223でYes)、ステップS225に示す追加接続処理がなされる。この処理では、通信部47を利用した無線通信を一旦切断した後に無線ペアリングを行うことで、最も近くに位置する無線通信可能な機器、すなわち、充電装置60bに対して追加接続するための処理がなされる。
【0178】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図36のフローチャートを参照して説明する。
携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されることで(図36のS301でYes)、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる(S303)。この解析したパターンが上述した追加接続指示パターンであって(S305でYes,S315でNo,S321でYes)、当該充電装置60bが、追加接続指示パターンの解析時に取得された装置特定情報から特定される充電装置に一致する指示一致状態であると(S323でYes)、ステップS325の判定処理にて、無線接続中の携帯端末10の数(接続数)が上記所定数であるか否かについて判定される。
【0179】
ここで、いずれの携帯端末10とも無線通信していないか、または、上記所定数未満の携帯端末10と無線接続中であると、ステップS325にてNoと判定されて、ステップS327に示す追加接続処理がなされる。この処理では、無線通信を一旦切断することなく通信部74を利用して追加の無線ペアリングを行うことで、無線接続対象を追加するように携帯端末10に対して無線接続するための処理がなされる。
【0180】
例えば、充電装置Aが既に携帯端末aと無線接続中である場合を想定する。この場合、充電装置Aを特定する装置特定情報が含まれる追加接続用コードを読み取った携帯端末aを、充電装置Aに載置することで、携帯端末aと充電装置Aとの無線接続状態が維持される。
【0181】
また、例えば、充電装置Aがいずれの携帯端末とも無線接続されておらず、携帯端末aがいずれの充電装置とも無線接続されていない場合を想定する。この場合、充電装置Aを特定する装置特定情報が含まれる追加接続用コードを読み取った携帯端末aを、充電装置Aに載置することで、充電装置Aでは上記所定数を超える接続状態とならないため、携帯端末aが充電装置Aに無線接続される。
【0182】
また、例えば、充電装置Aがいずれの携帯端末とも無線接続されておらず、携帯端末aが充電装置Bに無線接続されている場合を想定する。この場合、充電装置Aを特定する装置特定情報が含まれる追加接続用コードを読み取った携帯端末aを、充電装置Aに載置することで、充電装置Bとの無線接続が切断された携帯端末aが充電装置Aに無線接続される。
【0183】
また、例えば、充電装置Aが携帯端末bのみと無線接続されており、携帯端末aがいずれの充電装置とも無線接続されていない場合を想定する。この場合、充電装置Aを特定する装置特定情報が含まれる追加接続用コードを読み取った携帯端末aを、充電装置Aに載置することで、充電装置Aでは上記所定数を超える接続状態とならないことで、携帯端末aが充電装置Aに追加されるように無線接続される。
【0184】
また、例えば、充電装置Aが携帯端末bのみと無線接続されており、携帯端末aが充電装置Bと無線接続されている場合を想定する。この場合、充電装置Aを特定する装置特定情報が含まれる追加接続用コードを読み取った携帯端末aを、充電装置Aに載置することで、充電装置Aでは上記所定数を超える接続状態とならないことで、充電装置Bとの無線接続が切断された携帯端末aが充電装置Aに追加されるように無線接続される。
【0185】
一方、既に充電装置60bが所定数の携帯端末10と無線接続中である場合には、ステップS325にてYesと判定されて、上記追加接続処理を行うことなく、本パターン受信処理が終了する。例えば、上記所定数が「3」に設定されている場合に、3台の携帯端末10と既に無線接続中であると(S325でYes)、上記追加接続処理がなされず、載置された携帯端末10と充電装置60bとが無線接続されない状態が維持される。なお、追加接続用コードを読み取った携帯端末10が載置されても上記追加接続処理を行うことなくパターン受信処理が終了する場合には、充電装置60bに設けられるLED等の報知部(図示略)を利用した所定の報知によって、所定数の携帯端末10が既に無線接続中であるためにその載置した携帯端末10と無線通信できていない旨を報知してもよい。
【0186】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1bでは、携帯端末10は、充電装置60bと無線通信する際に制御部41によって制御される端末側無線通信部として通信部47を備え、充電装置60bは、所定数の携帯端末10と無線通信可能であって、携帯端末10と無線通信する際に制御部41によって制御される装置側無線通信部として通信部74を備える。そして、携帯端末10では、載置検知部46により載置状態が検知された際、無線接続を追加するための追加接続指示パターンが生成されている場合に、制御部41によって、電源制御部51により当該追加接続指示パターンで受電コイル53が制御されるとともに無線接続するように通信部47が制御される。充電装置60bでは、追加接続指示パターンが解析された場合に(S321でYes)、いずれの携帯端末10とも無線通信していないか、または、上記所定数未満の携帯端末10と無線接続中であると(S325でNo)、制御部71により無線接続対象を追加するように通信部74が制御され(S327)、上記所定数の携帯端末10と無線接続中であると(S325でYes)、制御部71により無線接続対象を追加しないように通信部74が制御される。
【0187】
これにより、リソースに余裕のある充電装置60b(無線接続中の携帯端末10の数が上記所定数未満の充電装置60b)であれば、接続確認や携帯端末10と充電装置60bとの双方に対して追加接続操作をそれぞれ行うこともなく、追加接続指示パターン用の情報コードを読ませた携帯端末10を充電装置60bに載置するだけで、追加接続処理を行うことができる。
【0188】
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第9実施形態では、充電装置に対する送電要求パターンの伝送経路を利用して携帯端末から充電装置に対して機能制限指示を行う点が、上記第5実施形態と主に異なる。したがって、第5実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0189】
通常、携帯端末10及び充電装置60bはそれぞれ容易に持ち運びができることから、携帯しやすく使い勝手が良い反面、簡単に持ち去ることができるという問題がある。このため、携帯端末10の所定の端末機能や充電装置60bの所定の装置機能を一時的に制限して運用を一時停止する場合がある。このように機能制限する場合、例えば、パーソナルコンピュータなどの外部機器の通信機器を利用した設定ツールを用いて、個々に携帯端末10及び充電装置60bの上記機能の制限に関する設定を行うことができる。このような設定を行うためには、ユーザの通常操作(例えば、情報コードの読み取り操作や携帯端末の充電操作)と異なり、操作マニュアルを見ながらの操作する必要があるだけでなく専用の上記外部機器の設定ツールが必要となるため、簡単に運用の一時停止及び再開を切り替えることができないという問題がある。また、操作マニュアルや設定ツールを準備していても、経験の浅いユーザにおいては、操作に手間取ってしまい運用に支障きたす場合がある。なお、機能制限する携帯端末10の所定の端末機能としては、例えば、情報コード(機能制限用コード及び機能制限解除用コードは除く)の読み取り、無線通信、充電であり、機能制限する充電装置60bの所定の装置機能としては、例えば、充電、無線通信である。
【0190】
そこで、本実施形態に係る充電システム1bでは、情報コードの読み取りによって生成される指示パターンの1つとして、携帯端末10の所定の端末機能及び充電装置60bの所定の装置機能をそれぞれ一時的に制限するための指示パターン(以下、機能制限指示パターンともいう)を用意する。この機能制限指示パターンは、上述した設定変更用の指示パターンや再接続指示パターン、追加接続指示パターン等と異なるON/OFFパターンで生成され、この機能制限指示パターンを生成するための情報が記録された情報コード(以下、機能制限用コードともいう)が予め用意される。
【0191】
携帯端末10では、上記所定の端末機能が制限されていない状態で上記機能制限指示パターンが生成されている場合に、当該機能制限指示パターンで受電コイル53が制御されるとともに上記所定の端末機能が制限される。また、携帯端末10では、上記所定の端末機能が制限されている状態で上記機能制限指示パターンが生成されると、当該機能制限指示パターンで受電コイル53が制御されるとともに上記所定の端末機能の制限が解除される。
【0192】
充電装置60bでは、上記所定の装置機能が制限されていない状態で上述のように送電要求パターンの伝送経路を利用して上記機能制限指示パターンが受信(解析)された場合に、当該送電要求パターンの伝送経路を利用して機能制限が開始されることを示す機能制限開始パターンが携帯端末10に対して送信されるとともに、上記所定の装置機能が制限される。また、充電装置60bでは、上記所定の装置機能が制限されている状態で上記機能制限指示パターンが受信(解析)された場合に、上記送電要求パターンの伝送経路を利用して機能制限が解除されることを示す機能制限解除パターンが携帯端末10に対して送信されるとともに、上記所定の装置機能の制限が解除される。上述した機能制限開始パターン及び機能制限解除パターンは、充電装置60bの電源制御部81により制御された送電コイル83によって受電コイル53を介して携帯端末10の電源制御部51に対してON/OFF信号からなるパターンとして送信(伝送)される。
【0193】
これにより、機能制限用コードを読ませた携帯端末10を充電装置60bに載置するだけで、携帯端末10の所定の端末機能と充電装置60bの所定の装置機能とをそれぞれ制限することができる。そして、上記機能制限中に同じ機能制限用コードを読ませた携帯端末10を充電装置60bに載置するだけで、上記所定の端末機能及び上記所定の装置機能の制限解除を実施することができる。
【0194】
以下、本実施形態において、携帯端末10の所定の端末機能と充電装置60bの所定の装置機能とをそれぞれ一時的に制限する際に、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0195】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図37のフローチャートを参照して説明する。
上述した機能制限用コードに読取口21を向けることで、その機能制限用コードが撮像されて(図37のS201)、その撮像画像に対するデコード処理が成功すると(S205でYes)、ステップS207に示す指示パターン生成処理にて、上述した機能制限指示パターンが生成される。
【0196】
その後、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されると(S209でYes)、ステップS211に示すパターン送信処理において、上述のように生成された機能制限指示パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。このように機能制限指示パターンを送信している場合には(S227でYes)、ステップS229に示すパターン解析処理がなされ、受電コイル53を介して充電装置60bから受信したパターンを解析するための処理がなされる。
【0197】
そして、上述したように充電装置60bが機能制限を開始していることから、解析したパターンが上述した機能制限開始パターンである場合には(S231でYes)、ステップS233に示す機能制限処理がなされ、上記所定の端末機能が制限される状態となり、本パターン送信処理が終了する。
【0198】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図38のフローチャートを参照して説明する。
携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されることで(図38のS301でYes)、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる(S303)。この解析したパターンが上述した機能制限指示パターンであると(S305でYes,S329でYes)、ステップS331に示す機能制限開始パターン送信処理がなされる。この処理では、上記機能制限開始パターンが電源制御部81により制御された送電コイル83を利用して携帯端末10に送信される。そして、ステップS333に示す機能制限処理がなされ、上記所定の装置機能が制限される状態となり、本パターン受信処理が終了する。
【0199】
続いて、上述した所定の端末機能及び所定の装置機能がそれぞれ制限されている状態で、これらの機能制限を解除する際に、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0200】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図39のフローチャートを参照して説明する。
機能制限状態の携帯端末10の読取口21を上述した機能制限用コードに向けることで、その機能制限用コードが撮像されて(図39のS201)、その撮像画像に対するデコード処理が成功すると(S205でYes)、ステップS207に示す指示パターン生成処理にて、上述した機能制限指示パターンが生成される。
【0201】
その後、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されると(S209でYes)、機能制限指示パターンが生成されているため(S227でYes)、ステップS211に示すパターン送信処理において、上述のように生成された機能制限指示パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。続いて、ステップS229に示すパターン解析処理がなされ、受電コイル53を介して充電装置60bから受信したパターンを解析するための処理がなされる。
【0202】
そして、上述したように充電装置60bが機能制限の解除を実施することから、解析したパターンが上述した機能制限解除パターンである場合には(S235でYes)、ステップS237に示す機能制限解除処理がなされ、上記所定の端末機能の制限が解除され、本パターン送信処理が終了する。一方、機能制限用コードと異なる情報コードを撮像している場合には、解析したパターンが機能制限指示パターンではないため(S227でNo)、上記機能制限解除処理がなされることなく、本パターン送信処理が終了する。
【0203】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図40のフローチャートを参照して説明する。
機能制限状態の携帯端末10が機能制限状態の充電装置60bに載置されることで(図40のS301でYes)、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる(S303)。この解析したパターンが上述した機能制限指示パターンであると(S329でYes)、ステップS335に示す機能制限解除パターン送信処理がなされる。この処理では、上記機能制限解除パターンが電源制御部81により制御された送電コイル83を利用して携帯端末10に送信される。続いて、ステップS337に示す機能制限解除処理がなされ、上記所定の装置機能の制限が解除され、本パターン受信処理が終了する。一方、解析したパターンが機能制限指示パターンではない場合には(S329でNo)、上記機能制限解除処理がなされることなく、本パターン送信処理が終了する。
【0204】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1bでは、携帯端末10では、載置検知部46により載置状態が検知された際、携帯端末10の所定の端末機能と充電装置60bの所定の装置機能とを制限するための機能制限指示パターンが生成されている場合に、制御部41によって、電源制御部51により当該機能制限指示パターンで受電コイル53が制御されるとともに上記所定の端末機能が制限される。充電装置60bでは、機能制限指示パターンが解析された場合に、制御部71により上記所定の装置機能が制限される。
【0205】
これにより、機能制限用の外部機器にて用意される設定ツール等を利用することなく、機能制限用コードを読ませた携帯端末10を充電装置60bに載置するだけで、携帯端末10の所定の端末機能と充電装置60bの所定の装置機能とをそれぞれ制限することができる。
【0206】
特に、携帯端末10では、載置検知部46により載置状態が検知された際、上記所定の端末機能が制限されている状態で機能制限指示パターンが生成されている場合に、制御部41によって、電源制御部51により当該機能制限指示パターンで受電コイル53が制御されるとともに上記所定の端末機能の制限が解除される。充電装置60bでは、上記所定の装置機能が制限されている状態で機能制限指示パターンが解析された場合に、制御部71により上記所定の装置機能の制限が解除される。
【0207】
これにより、機能制限時に使用した機能制限用コードを読ませた携帯端末10を充電装置60bに載置するだけで、携帯端末10の所定の端末機能の制限と充電装置60bの所定の装置機能の制限とをそれぞれ解除することができる。
【0208】
本実施形態の変形例として、セキュリティ性をさらに向上するため、携帯端末10及び充電装置60bの機能制限状態を解除する際、機能制限用コードの読み取りに加えて、携帯端末10及び充電装置60bの使用を許可された正規のユーザのみが読み取り可能な機能制限解除用の情報コード(以下、機能制限解除用コードともいう)の読み取りを必須要件としてもよい。機能制限解除用コードとしては、正規のユーザが利用する媒体に表示される情報コード、例えば、社員証に付されてそのユーザ(社員)を特定する情報が記録されたQRコードを採用することができる。
【0209】
このため、機能制限用コード及び機能制限解除用コードの双方を読み取った場合に、上述した機能制限の解除を許可するために生成される指示パターン(以下、機能制限解除許可パターンともいう)を用意する。この機能制限解除許可パターンは、上述した設定変更用の指示パターンや再接続指示パターン、追加接続指示パターン、機能制限指示パターン等と異なるON/OFFパターンで生成される。
【0210】
以下、本実施形態の変形例において、上述した所定の端末機能及び所定の装置機能がそれぞれ制限されている状態で、これらの機能制限を解除する際に、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0211】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図41のフローチャートを参照して説明する。
正規のユーザが機能制限状態の携帯端末10の読取口21を、機能制限用コードに向けた後に機能制限解除用コードに向けるか機能制限解除用コードに向けた後に機能制限解除コードに向けることで、撮像された機能制限用コード及び機能制限解除用コードのデコードに成功すると(図41のS205aでYes)、ステップS207に示す指示パターン生成処理にて、上述した機能制限解除許可パターンが生成される。
【0212】
その後、携帯端末10が充電装置60bに充電可能に載置されると(S209でYes)、機能制限解除許可パターンが生成されているため(S227aでYes)、ステップS211に示すパターン送信処理において、上述のように生成された機能制限解除許可パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。続いて、ステップS229に示すパターン解析処理がなされ、受電コイル53を介して充電装置60bから受信したパターンを解析するための処理がなされる。
【0213】
そして、上述したように充電装置60bが機能制限の解除を実施することから、解析したパターンが上述した機能制限解除パターンである場合には(S235でYes)、ステップS237に示す機能制限解除処理がなされ、上記所定の端末機能の制限が解除され、本パターン送信処理が終了する。
【0214】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図42のフローチャートを参照して説明する。
機能制限状態の携帯端末10が機能制限状態の充電装置60bに載置されることで(図42のS301でYes)、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる(S303)。この解析したパターンが上述した機能制限解除許可パターンであると(S329aでYes)、上記ステップS335以降の処理がなされ、上記機能制限解除パターンが携帯端末10に送信されて、上記所定の装置機能の制限が解除される。
【0215】
このように、携帯端末10では、載置検知部46により載置状態が検知された際、上記所定の端末機能が制限されている状態で上記機能制限解除許可パターンが生成されている場合に、制御部41によって、電源制御部51により当該機能制限解除許可パターンで受電コイル53を制御するとともに上記所定の端末機能の制限が解除される。充電装置で60bは、上記所定の装置機能が制限されている状態で上記機能制限解除許可パターンが解析された場合に、制御部71により上記所定の装置機能の制限が解除される。
【0216】
これにより、機能制限用コード及び機能制限解除用コードの双方を有していない第三者では、携帯端末10の上記所定の端末機能の制限と充電装置60bの上記所定の装置機能の制限とをそれぞれ解除することができないので、機能制限解除に関してセキュリティ性を高めることができる。
【0217】
なお、機能制限解除用コードは、機能制限時にも機能制限用コードとともに携帯端末10により読み取られてもよい。この場合には、機能制限用コード及び機能制限解除用コードの双方が読み取られた場合に機能制限指示パターンが生成されて携帯端末10から充電装置60bに対して送信されることで、機能制限に関しても機能制限用コード及び機能制限解除用コードの双方の読み取りを必須要件とすることができる。
【0218】
また、機能制限解除の際に、携帯端末10から充電装置60bに対して、機能制限用コード及び機能制限解除用コードの双方が読み取られることで生成された機能制限解除許可パターンが送信されることに限らず、機能制限用コードが読み取られることで生成されたパターンと機能制限解除用コードが読み取られることで生成されたパターンとがそれぞれ個別に送信されてもよい。
【0219】
[第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態に係る充電システムについて、図面を参照して説明する。
本第10実施形態では、紛失した携帯端末10を探す手がかりとなる情報を充電装置60bに記憶する点が、上記第5実施形態と主に異なる。したがって、第5実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0220】
通常、携帯端末10は、容易に持ち運びができることから、携帯しやすく使い勝手が良い反面、置き忘れなどによって紛失してしまう問題がある。特に、携帯性を高めるために小型化が図られた携帯端末10では、小型化の要求が低い充電装置60などと比較して、置き忘れても気付きにくいため、紛失する可能性が高くなってしまう。このため、専用ツールを使用して携帯端末10の位置等をサーバなどの上位機器で常時確認しながら読取作業等することもできるが、専用ツールの設定操作などが必要になり、作業効率が悪くなってしまう。
【0221】
そこで、本実施形態に係る充電システム1bでは、所定のタイミングで携帯端末10の撮像部43により撮像された1又は2以上の撮像画像を作業履歴画像として充電装置60bに記憶する。具体的には、決まった携帯端末10と充電装置60bとをペアで用いることを前提に、デコード成功時を基準に前後の所定期間(例えば、デコード成功前の5秒間とデコード成功後の5秒間)で撮像された撮像画像が作業履歴画像として携帯端末10の記憶部42にて一時記憶され、その作業履歴画像が充電時に携帯端末10から充電装置60bに送信されて充電装置60bの記憶部75(図43参照)に記憶される。なお、記憶部42は、「端末側記憶部」の一例に相当し、記憶部75は、「装置側記憶部」の一例に相当し得る。
【0222】
これにより、携帯端末10の紛失に気づいた場合に、当該携帯端末10に関する作業履歴画像を充電装置60bの記憶部75から取得して確認することで、紛失した携帯端末10を探す手がかりを得ることができる。例えば、充電装置60bの記憶部75から取得した作業履歴画像の1つに特定の場所が写っている場合には、その特定の場所付近を携帯端末10の探索場所とすることができる。
【0223】
以下、本実施形態において、作業履歴画像を携帯端末10から充電装置60bに送信する際に、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0224】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図44及び図45のフローチャートを参照して説明する。
制御部41にてパターン送信処理が開始されると、まず、図44のステップS501に示す初期設定処理がなされ、後述するデコード成功フラグFがクリアされてF=0に設定されるとともに、後述する一時記憶画像や作業履歴画像が記憶部42から消去(クリア)される。続いて、撮像部43により読取口21を介した撮像範囲が撮像可能な状態になると(S503)、この撮像画像が一時記憶画像として記憶部42に記憶される(S505)。
【0225】
続いて、ステップS507の判定処理にて、作業履歴画像を送信可能であるか否かについて判定される。本実施形態では、デコード成功フラグFがオンされてF=1に設定されるとともにデコード成功してから上記所定期間経過している場合に、作業履歴画像を送信可能であると判定される。このため、デコード成功フラグF=0の場合、又は、デコード成功の成功から上記所定期間経過していない場合には、ステップS507にてNoと判定される。そして、情報コードが撮像されておらず(S513でNo)、載置検知部46の検知結果に基づいて載置状態でないと判定されると(S521でNo)、再び上記撮像処理からの処理がなされて、情報コードを読み取り可能な状態が維持される。また、情報コードらしいものが撮像されても(S513でYes)、ステップS515に示すデコード処理でのデコードが失敗すると(S517でNo)、再び上記撮像処理からの処理がなされて、情報コードを読み取り可能な状態が維持される。なお、上記デコード処理を行う制御部41は、撮像画像に含まれる情報コードをデコードする「デコード部」の一例に相当し得る。
【0226】
その後、情報コードが撮像されて(S513でYes)、そのデコードが成功すると(S517でYes)、デコード成功フラグFがオンされてF=1に設定される(S519)。そして、載置状態でないと判定される場合には(S521でNo)、再び上記撮像処理からの処理がなされ、デコード成功後の撮像画像が一時記憶画像として記憶部42に記憶される(S505)。このとき、デコード成功してから上記所定期間経過していない場合には、デコード成功フラグFがオンされてF=1に設定されていても、作業履歴画像を送信可能でないと判定される(S507でNo)。
【0227】
その後、デコード成功してから上記所定期間経過すると、デコード成功フラグFがオンされてF=1に設定されているため、作業履歴画像を送信可能であると判定されて(S507でYes)、ステップS509に示す作業履歴画像設定処理がなされる。この処理では、一時記憶画像として記憶部42に記憶されている全ての画像が充電装置60bに送信するための作業履歴画像として設定される。このため、上記所定期間が例えば5秒であれば、デコード成功前の5秒間とデコード成功後の5秒間で撮像されることで一時記憶画像として記憶部42に記憶されている複数の画像(1秒間に1枚の撮像画像が生成される場合には10枚の撮像画像)が作業履歴画像として設定される。この記憶処理の際には、一時記憶画像及び前回生成された作業履歴画像が記憶部42から消去(クリア)される。なお、上記作業履歴画像設定処理では、一時記憶画像として記憶部42に記憶されている全ての画像が作業履歴画像として設定されることに限らず、所定間隔で撮像された一部の一時記憶画像が作業履歴画像として設定されてもよい。
【0228】
続いて、デコード成功フラグFがクリアされてF=0に設定された後(S511)、載置状態でないと判定される場合には(S521でNo)、再び上記撮像処理からの処理がなされる。その後、前回と異なる情報コードのデコードに成功して(S517でYes)、そのデコードの成功から上記所定期間経過すると、作業履歴画像を送信可能であると判定されて(S507でYes)、新たな作業履歴画像が設定されて、一時記憶画像及び前回設定された作業履歴画像が記憶部42から消去される(S509)。
【0229】
一方、載置検知部46の検知結果に基づいて載置状態であると判定されると(S521でYes)、図45のステップS523の判定処理にて、作業履歴画像が記憶部42に記憶されているか否かについて判定される。ここで、上述のように作業履歴画像が記憶部42に記憶されている場合には(S523でYes)、ステップS525に示す画像送信通知パターン送信処理がなされる。この処理では、作業履歴画像を送信することを充電装置60bに通知するための画像送信通知パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。その後、ステップS527に示すパターン解析処理がなされ、受電コイル53を介して充電装置60bから受信したパターンを解析するための処理がなされる。
【0230】
そして、充電装置60bから後述する受信許可パターンが受電コイル53を介して受信されると(S529でYes)、ステップS531に示す作業履歴画像送信処理がなされる。この処理では、記憶部42に記憶される作業履歴画像が通信部47を介して無線通信にて充電装置60bに送信される。この送信処理の際には、送信済の作業履歴画像が記憶部42から消去(クリア)される。
【0231】
また、載置検知部46の検知結果に基づいて載置状態であると判定された際に(S521でYes)、作業履歴画像が記憶部42に記憶されていない場合には(S523でNo)、ステップS533の送電要求パターン送信処理がなされ、上述した送電要求パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。これにより、送電要求パターンを受信した充電装置60bによる携帯端末10を充電するための処理が開始される。
【0232】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図46のフローチャートを参照して説明する。
携帯端末10が機能制限状態の充電装置60bに載置されることで(図46のS601でYes)、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる(S603)。この解析したパターンが上述した画像送信通知パターンであると(S605でYes)、ステップS607に示す受信許可パターン送信処理がなされる。この処理では、充電装置60bが作業履歴画像を受信可能な状態を示す受信許可パターンが充電装置60bの電源制御部81により制御された送電コイル83によって受電コイル53を介して携帯端末10に送信される。その後、ステップS609に示す作業履歴画像記憶処理にて、上述のように携帯端末10から通信部74を介して受信された作業履歴画像が記憶部75に記憶される。
【0233】
一方、解析したパターンが上述した送電要求パターンであると(S605でNo)、ステップS611に示す充電処理がなされ、電源制御部81により送電コイル83を介して携帯端末10を充電するための処理がなされる。
【0234】
以上説明したように、本実施形態に係る充電システム1bでは、携帯端末10は、デコード成功時を基準とする所定期間での所定のタイミングで撮像部43により撮像された複数の撮像画像が作業履歴画像として記憶される記憶部42を備える。そして、携帯端末10では、載置検知部46により載置状態が検知された際、制御部41によって、電源制御部51により、作業履歴画像が記憶部42に記憶されていない場合に送電要求パターンで受電コイル53が制御され、作業履歴画像が記憶部42に記憶されている場合に画像送信通知パターンで受電コイル53が制御された後に、通信部47を利用した作業履歴画像の送信完了に応じて当該作業履歴画像が記憶部42から消去される。充電装置60bでは、送電要求パターンが解析された場合に、制御部71によって、電源制御部81により受電コイル53を充電するために送電コイル83が制御され、画像送信通知パターンが解析された場合に、制御部71によって、電源制御部81により通信部74を利用して携帯端末10から受信した作業履歴画像を記憶部75に記憶するための処理が行われる。
【0235】
これにより、情報コードを読み取る読取作業を行った後に携帯端末10の紛失に気づいた場合でも、その読取作業期間中に所定のタイミングで撮像された作業履歴画像が充電装置60bに記憶される。このため、携帯端末10の紛失時には、その携帯端末10に関する作業履歴画像を充電装置60bから取得して確認することで、どこで携帯端末10を使用していたかを容易に把握できるので、紛失した携帯端末10を探す手がかりを得ることができる。
【0236】
なお、デコード成功時を基準とする所定期間での所定のタイミングで撮像された全ての撮像画像が作業履歴画像として記憶部42に記憶されることに限らず、例えば、予め決められた一定期間中など、他の所定のタイミングで撮像された1又は2以上の撮像画像が作業履歴画像として記憶部42に記憶されてもよい。
【0237】
本実施形態の第1の変形例として、複数のエリアにそれぞれ配置される充電装置60bのいずれにも携帯端末10が載置される可能性があることを前提に、充電装置60bに記憶されることで紛失した携帯端末10を探す手がかりとなる情報として、撮像部43により撮像された1又は2以上の撮像画像からなる作業履歴画像が採用されることに限らず、携帯端末10を他の携帯端末10と区別して特定するための端末特定情報となる端末IDが採用されてもよい。なお、端末IDは、予め記憶部42に記録されているものとする。
【0238】
具体的には、携帯端末10では、載置検知部46により載置状態が検知された際、制御部41によって、電源制御部51により、送電を要求するとともに当該携帯端末の端末IDの無線送信を通知する端末特定情報通知パターンで受電コイル53が制御された後に、通信部47を利用して端末IDが充電装置60bに送信される。充電装置60bでは、端末特定情報通知パターンが解析された場合に、制御部71によって、電源制御部81により、受電コイル53を充電するために送電コイル83が制御されるとともに、通信部74を利用して携帯端末10から受信した端末IDを記憶部75に記憶するための処理が行われる。
【0239】
以下、本実施形態の変形例として、複数のエリアにそれぞれ配置される充電装置60bのいずれかに携帯端末10が載置される際に、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理及び充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図面を参照して説明する。
【0240】
まず、携帯端末10の制御部41にてなされるパターン送信処理について、図47のフローチャートを参照して説明する。
制御部41にてパターン送信処理が開始されると、図47のステップS701に示す判定処理にて、携帯端末10が充電装置60bに載置される載置状態であるか否かについて判定され、載置検知部46の検知結果に基づいて載置状態であると判定されるまでNoとの判定が繰り返される。
【0241】
そして、携帯端末10が充電装置60bに載置されることで載置検知部46の検知結果に基づいて載置状態であると判定されると(S701でYes)、ステップS703に示す端末特定情報通知パターン送信処理がなされる。この処理では、充電の要求に加えて、端末IDを送信することを充電装置60bに通知するための端末特定情報通知パターンが電源制御部51により制御された受電コイル53を利用して充電装置60bに送信される。その後、ステップS705に示すパターン解析処理がなされ、受電コイル53を介して充電装置60bから受信したパターンを解析するための処理がなされる。そして、充電装置60bから受信許可パターンが受電コイル53を介して受信されると(S707でYes)、ステップS709に示す端末ID送信処理がなされる。この処理では、記憶部42に記憶される端末IDが通信部47を介して無線通信にて充電装置60bに送信される。
【0242】
次に、充電装置60bの制御部71にてなされるパターン受信処理について、図48のフローチャートを参照して説明する。
携帯端末10が機能制限状態の充電装置60bに載置されることで(図48のS801でYes)、送電コイル83を介して携帯端末10から受信したパターンを解析するための処理がなされる(S803)。この解析したパターンが上述した端末特定情報通知パターンであると(S805でYes)、ステップS807に示す受信許可パターン送信処理がなされる。この処理では、充電装置60bが端末IDを受信可能な状態を示す受信許可パターンが充電装置60bの電源制御部81により制御された送電コイル83によって受電コイル53を介して携帯端末10に送信される。その後、ステップS809に示す端末ID記憶処理にて、上述のように携帯端末10から通信部74を介して受信された端末IDが記憶部75に記憶される。そして、ステップS811に示す充電処理がなされ、電源制御部81により送電コイル83を介して携帯端末10を充電するための処理がなされる。
【0243】
これにより、所定の作業を行った後に携帯端末10の紛失に気づいた場合でも、その作業期間中に充電されたタイミングで端末ID(端末特定情報)がいずれかの充電装置60bに記憶される。このため、各充電装置60bを管理しているサーバなどにて、紛失した携帯端末10の端末IDがいつどの充電装置60bに記憶されているかについて確認することで、いつどこで携帯端末10が充電されているかを容易に把握できるので、紛失した携帯端末10を探す手がかりを得ることができる。
【0244】
また、本実施形態の第2の変形例として、作業履歴画像に代えて、デコードに成功した情報コードのコード種を作業履歴情報として採用してもよい。この構成では、デコードに成功した情報コードのコード種が作業履歴情報として記憶部42に順次記憶されることを前提に、載置状態が検知された際、作業履歴情報が記憶部42に記憶されている場合に作業履歴情報を送信すること通知する情報送信通知パターンで受電コイル部53が制御された後に、通信部47を利用した作業履歴情報の送信完了に応じて当該作業履歴情報が記憶部42から消去される。充電装置60bでは、送電要求パターンが解析された場合に、制御部71によって、電源制御部81により受電コイル53を充電するために送電コイル83が制御され、情報送信通知パターンが解析された場合に、制御部71によって、電源制御部81により通信部74を利用して携帯端末10から受信した作業履歴情報を記憶部75に記憶するための処理が行われる。
【0245】
これにより、情報コードを読み取る読取作業を行った後に携帯端末10の紛失に気づいた場合でも、その読取作業期間中にデコードに成功した情報コードのコード種が作業履歴情報として充電装置60bに記憶される。このため、携帯端末10の紛失時には、その携帯端末10に関する作業履歴情報を充電装置60bから取得して確認することで、どのコード種の情報コードを読んでいたかを容易に把握できる。例えば、コード種が、ITFコードの場合は入荷検品業務、ISBT128コードの場合は輸血業務など、コード種とその情報コードを読む業務とは通常紐づくため、作業履歴情報であるコード種からどの業務を行っていたかを容易に把握できるので、紛失した携帯端末10を探す手がかりを得ることができる。
【0246】
なお、本発明は上記各実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明は、上述した携帯端末10を充電する充電システム1に採用されることに限らず、例えば、情報コードに記録される情報及び無線タグに記録される情報の少なくとも一方を読み取り可能であって端末側蓄電デバイスとしてキャパシタを有する携帯型の情報読取端末を充電する充電システムに採用されてもよい。また、本発明は、端末側蓄電デバイスとしてキャパシタを有し他の機能を実現可能な携帯型の情報読取端末を充電する充電システムに採用されてもよい。このように構成される携帯型の情報読取端末であっても、そのキャパシタの充電に適した電力供給を実施することができる。
【0247】
(2)上記第1~第3,第7実施形態及び変形例等において、充電装置60は、二次電池82を装置側蓄電デバイスとして備えるように構成されることに限らず、例えば、電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)などのキャパシタを装置側蓄電デバイスとして備えるように構成されてもよい。
【0248】
(3)上記第4~第6実施形態及び変形例等において、携帯端末10は、キャパシタ52を端末側蓄電デバイスとして備えるように構成されることに限らず、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池を端末側蓄電デバイスとして備えるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0249】
1,1a,1b,1c…充電システム
2…パソコン(外部電源)
10,10a,10c…携帯端末
13…発電部
41…制御部(読取部,端末側判定部,デコード部)
42…記憶部(端末側記憶部)
43…撮像部(読取部)
46…載置検知部(端末側検知部)
47…通信部(端末側通信部)
51…電源制御部(端末側制御部)
52…キャパシタ
53…受電コイル(受電部)
54…負荷
55…電流計測部(第1計測部)
56…電圧計測部(第2計測部)
60,60b…充電装置
71…制御部(通信制御部,解析部,装置側判定部)
73…載置検知部(装置側検知部)
74…通信部(通信制御部,装置側通信部)
75…記憶部(装置側記憶部)
81…電源制御部(装置側制御部)
82…二次電池(装置側蓄電デバイス)
83…送電コイル(給電部,送電部)
C,Ca1~Ca4…情報コード
Pa1~Pa5…指示パターン
図1
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