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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153341
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】乳化組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/04 20060101AFI20221004BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20221004BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20221004BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20221004BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20221004BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
A61K8/04
A61K8/73
A61K8/19
A61Q1/00
A61Q19/00
A61Q5/00
A61Q17/04
A61K8/81
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052622
(22)【出願日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】P 2021054717
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 英美
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA072
4C083AA112
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB37
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC582
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC852
4C083AC902
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD222
4C083AD242
4C083AD282
4C083AD311
4C083AD312
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD572
4C083AD642
4C083BB04
4C083BB23
4C083BB35
4C083CC03
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083DD21
4C083DD23
4C083DD31
4C083DD32
4C083DD33
4C083EE01
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】本発明は、電解質存在下において、使用後の肌のうるおい感、ツヤ感、化粧持ちに優れ、経時安定性をも兼ね備える、乳化組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(D);
(A)ヘパリン類似物質
(B)金属酸化物粉体
(C)両親媒性ポリマー
(D)電解質
を含有する乳化組成物を提供するものである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D);
(A)ヘパリン類似物質
(B)金属酸化物粉体
(C)両親媒性ポリマー
(D)電解質
を含有する乳化組成物。
【請求項2】
前記成分(C)が、アクリル酸をモノマー単位として含むポリマーである、請求項1に記載の乳化組成物。
【請求項3】
前記成分(A)の含有量が、0.001~5質量%である、請求項1または2に記載の乳化組成物。
【請求項4】
前記成分(C)が、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、及びアクリル酸ナトリウム・アクロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体よりなる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1~3の何れか1項に記載の乳化組成物。
【請求項5】
前記成分(C)に対する成分(A)の含有質量割合(A)/(C)が0.001~10である、請求項1~4の何れか1項に記載の乳化組成物。
【請求項6】
前記成分(C)に対する成分(D)の含有質量割合(D)/(C)が0.05~50である、請求項1~5の何れか1項に記載の乳化組成物。
【請求項7】
さらに成分(E)ノニオン性界面活性剤を含有する、請求項1~6の何れか1項に記載の乳化組成物。
【請求項8】
さらに、成分(F)セラミド類を含有する、請求項1~7の何れか1項に記載の乳化組成物。
【請求項9】
さらに、成分(G)多糖類を含有する、請求項1~8の何れか1項に記載の乳化組成物。
【請求項10】
前記乳化組成物が皮膚外用剤又は化粧料である請求項1~9の何れか1項に記載の乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
乳化組成物は、水系・油系成分と必要に応じて粉体成分の組み合わせにより、保湿、紫外線防御、メイク効果といった多様な効果を付与できることから、皮膚外用剤や化粧料として広く用いられている。乳化組成物においては、美容効果を求めて有効成分の添加が従来より検討されており、保湿作用を有しうるおい感に優れる組成物として、ヘパリン類似物質を含む乳化組成物が開発されている。
【0003】
このようなヘパリン類似物質を含有する乳化組成物として、例えば、ヘパリン類似物質および非水膨潤性の粉体を含み、25℃で流動性を呈する外用組成物(特許文献1参照)や、粉体およびヘパリン類似物質を含有することを特徴とする外用組成物(特許文献2参照)や、セラミドとヘパリン類似物質とを含有することを特徴とする皮膚用外用剤(特許文献3参照)が知られている。
【0004】
一方、有効成分を含有する乳化組成物は、安定性試験ガイドライン(平成15年6月、医薬審発第0603001号)等の医薬品の安定性試験ガイドラインに準拠し、40℃・75%湿度環境下で6か月間の長期安定性を担保できることが求められている。さらに近年では、保湿剤、美白剤、抗シワ剤といった複数の有効成分を組み合わせることが消費者より要望されている。これら有効成分やその安定化剤(緩衝作用を有する無機塩等)は電解質であることが多いことから、電解質存在下において長期安定性を確保する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-160170号公報
【特許文献2】特開2017-178855号公報
【特許文献3】特開2009-234957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電解質存在下でヘパリン類似物質および粉体成分を含有するとヘパリン類似物質と粉体成分の凝集が生じ、経時安定性が損なわれるとともに、使用後の肌のツヤ感および化粧持ちが著しく低下した。安定性を向上するために、界面活性剤を増量しても、電解質存在下では経時安定性を高める効果には乏しく、皮脂と馴染みやすくなり化粧持ちが損なわれるという問題が生じる場合があった。
【0007】
従って本発明は、電解質存在下において、使用後の肌のうるおい感、ツヤ感、化粧持ちに優れ、経時安定性をも兼ね備える、乳化組成物の開発が課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、電解質を含有する乳化組成物において、両親媒性ポリマーを用いて、ヘパリン類似物質と金属酸化物粉体とを含有する乳化組成物とすることにより、長期間のヘパリン類似物質の安定保存が可能であり、使用後の肌のうるおい感とツヤ感と化粧持ちに優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(D);
(A)ヘパリン類似物質
(B)金属酸化物粉体
(C)両親媒性ポリマー
(D)電解質
を含有する乳化組成物を提供するものである。
【0010】
さらに、前記成分(C)が、アクリル酸をモノマー単位として含むポリマーである、前記記載の乳化組成物を提供するものである。
【0011】
さらに、前記成分(A)の含有量が、0.001~5質量%である、前記記載の乳化組成物を提供するものである。
【0012】
さらに、前記成分(C)が、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、及びアクリル酸ナトリウム・アクロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体よりなる群から選ばれる1種または2種以上である、前記記載の乳化組成物を提供するものである。
【0013】
さらに、前記成分(C)に対する成分(A)の含有質量割合(A)/(C)が0.001~10である、前記記載の乳化組成物を提供するものである。
【0014】
さらに、前記成分(C)に対する成分(D)の含有質量割合(D)/(C)が0.05~50である、前記記載の乳化組成物を提供するものである。
【0015】
さらに成分(E)ノニオン性界面活性剤を含有する、前記記載の乳化組成物を提供するものである。
【0016】
さらに、成分(F)セラミド類を含有する、前記記載の乳化組成物を提供するものである。
【0017】
さらに、成分(G)多糖類を含有する、前記記載の乳化組成物を提供するものである。
【0018】
さらに、前記乳化組成物が皮膚外用剤又は化粧料である前記記載の乳化組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電解質を含む場合でも、経時安定性に優れるものとなる。また、本発明の乳化組成物は、使用後の肌のうるおい感およびツヤ感に優れ、化粧持ちにも優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また、本発明における「平均粒子径」とは、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めたメジアン径D50値である。なお、非対称形状の場合、本発明においては最も大きい粒子径の分布から求めたメジアン径D50を平均粒子径とする。
【0021】
本発明に用いられる成分(A)ヘパリン類似物質は、日本薬局方外医薬品規格に定義されたヘパリン類似物質であり、D―グルクロン酸及びN―アセチル―D―ガラクトサミンからなる二糖を反復単位とする多糖体を硫酸化した、ムコ多糖の多硫酸化エステルである。ヘパリン類似物質は、人の肝臓で生成される糖類の一種「ヘパリン」と類似の化学構造を有する成分であり、その総称として類似物質と呼ばれる。具体的には、ヘパリン類似物質とは、セルロース硫酸、キチン硫酸、キトサン硫酸、ペクチン硫酸、コンドロイチン硫酸、イヌリン硫酸、アルギン酸硫酸、グリコーゲン硫酸、デンプン硫酸、ポリビニルアルコール硫酸、ポリグルコース硫酸、ポリラクトース硫酸、ラミナリン硫酸、ガラクタン硫酸、レバン硫酸及びこれらの多硫酸化物並びにそれらの塩等である。ヘパリン類似物質は、保湿作用や血行促進作用等を有することが知られている。本発明においては、日本薬局方外医薬品規格2002に記載のヘパリン類似物質が好ましく使用できる。なお、日本薬局方外医薬品規格に定義されたヘパリン類似物質は、コンドロイチン硫酸の多硫酸エステルを主成分としたものである。また、成分(A)が成分(B)の分散性を高めることが知られており、これは構造中に含有する硫酸基に起因して成分(B)との間に強い電荷反発を生じるためと考えられる。さらに成分(A)により経時安定性と化粧持ちの向上に寄与する効果を奏することが期待される。また、後述の成分(C)と組み合わせることにより、後述の成分(D)電解質存在下での乳化滴の安定性を高めることができ、乳化滴の合一を防ぐことによる経時安定性向上と、化粧膜の均一性を高めることによるツヤ感の向上に寄与することが期待される。
【0022】
本発明において、成分(A)の有機硫酸基量は特に制限されず、何れのものも使用できるが、うるおい感の観点から20~40質量%(以下、単に%と略す)が好ましい。本発明における成分(A)の有機硫酸基量は、日本薬局方外医薬品規格2002「ヘパリン類似物質」の定量法に記載の方法により測定することができる。
【0023】
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、乳化組成物全量に対して、0.001%以上が好ましく、0.01%以上がより好ましく、0.1%以上がさらにより好ましい。また、5%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下がさらにより好ましい。また、0.001~5%が好ましく、0.01~1%がより好ましく、0.1~0.5%がさらにより好ましい。この範囲であれば、経時安定性、化粧持ち、ツヤ感により優れるためより好ましい。
【0024】
本発明に用いられる成分(B)金属酸化物粉体は、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されず、いずれのものも使用できる。具体的には、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)、Sn(スズ)、Zn(亜鉛)、Co(コバルト)、Fe(鉄)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)、およびCe(セリウム)等の元素の酸化物であって、形状や粒径によって特に制限されず、何れのものも使用できる。例えば、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄等の酸化鉄、酸化チタン、黒酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化スズ、(チタン/酸化チタン)焼結物、(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)、(酸化鉄/酸化チタン)焼結物等が挙げられ、これらから1種又は2種以上を用いることができる。中でも、酸化鉄、酸化チタン、黒酸化チタン、酸化亜鉛、(チタン/酸化チタン)焼結物、及び(酸化鉄/酸化チタン)焼結物よりなる群から選択される1種または2種以上が、化粧持ちの観点で好ましく、酸化鉄、酸化チタン、及び酸化亜鉛よりなる群から選択される1種または2種以上が、肌の付着性を高め化粧持ちを向上するという観点で特に好ましい。
【0025】
本発明において、成分(B)金属酸化物粉体は、表面がアニオン性に帯電しており、成分(A)ヘパリン類似物質と組み合わせると、電荷反発により分散性を高めることで化粧持ちの向上に寄与することが期待される。さらに後述の成分(D)電解質と組み合わせることで肌への付着性が高まり、化粧持ちが飛躍的に向上する効果を奏することが期待される。
【0026】
成分(B)金属酸化物粉体は、その表面を表面処理剤により処理することで、金属酸化物間の凝集を防ぎ、化粧持ちの向上に寄与することが期待される。そのため、本発明においては、成分(B)は表面処理されているものが好ましく、表面処理剤としては、例えば、アルコキシシラン、有機チタネート、アミノ酸またはその誘導体(例えばアシルアミノ酸またはその塩等)、ポリエチレン、界面活性剤、金属石鹸、フッ素化合物、高級脂肪酸、高級アルコール、リン脂質、セラミド類等が挙げられる。より詳細には、トリエトキシカプリリルシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、N-ステアロイル-L-グルタミン酸二ナトリウム、及びセラミド類よりなる群から選択される1種または2種以上が好ましい。本発明においては、成分(B)の表面処理剤として後述の成分(F)セラミド類を含有することで、化粧持ちにより優れるため、より好ましい。
【0027】
成分(B)の表面処理剤としての成分(F)セラミド類の含有量は、特に限定されないが、表面処理する粉体及び表面処理剤の総量に対して、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましく、0.1%以上がさらにより好ましい。また、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下がさらにより好ましい。また、0.01~5%が好ましく、0.05~4%がより好ましく、0.1~3%がさらにより好ましい。この範囲であれば、化粧持ちにより優れるため、より好ましい。
【0028】
本発明における成分(B)の平均粒子径は特に限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.02μm以上がより好ましく、0.03μm以上がさらにより好ましい。また、1μm以下が好ましく、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がさらにより好ましい。また、0.01~1μmが好ましく、0.02~0.5μmがより好ましく、0.03~0.3μmがさらにより好ましい。
【0029】
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、乳化組成物全量に対して、0.1%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1%以上がさらにより好ましい。また、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下がさらにより好ましい。また、0.1~30%が好ましく、0.5~20%がより好ましく、1~15%がさらにより好ましい。この範囲であれば、化粧持ちにより優れるためより好ましい。
【0030】
本発明に用いられる成分(C)両親媒性ポリマーは、疎水性基及び親水性基を有するポリマーであり、水性媒体及び油性媒体の両社に親和性を有するものである。本発明においては水溶性または水分散性の両親媒性ポリマーが好ましい。例えば、水、水溶性有機溶媒又はこれらの混合物である水性媒体中で、自己会合して分子集合体粒子を形成したり、分子内に存在する疎水性基を介してエマルション粒子と会合することにより、増粘作用を示すことも有用である。本発明における成分(C)両親媒性ポリマーは、乳化するにつれて増粘することで乳化滴を安定的に保持し、さらにポリマー鎖の立体障害により乳化滴の合一を防ぐ効果を奏することが期待される。電荷反発により乳化滴を安定化する成分(A)と組み合わせることで、電解質存在下での乳化滴の分散性と安定性を飛躍的に高めることができ、経時安定性とツヤ感の向上に寄与することが期待される。また、肌上に塗布した後は、多くの水分を抱えた状態で化粧膜を形成することから、保湿作用のある成分(A)と組み合わせることで、うるおい感の向上に寄与することが期待される。
【0031】
本発明における成分(C)両親媒性ポリマーは、具体的には、疎水変性アクリル酸誘導体、疎水変性ポリエーテルウレタン、アルキル変性多糖類、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、疎水性基及び親水性基を有するポリマーで乳化能を有するものであれば、特に制限されず、何れのものも使用できる。疎水変性アクリル酸誘導体は、アルキル変性アクリル酸系ポリマー等が挙げられる。例えば、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ナトリウム・アクロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸べへネス-25)クロスポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー等が挙げられ、これらから1種又は2種以上を用いることができる。
【0032】
疎水変性ポリエーテルウレタンは、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとが反応して得られるもの等が挙げられ、下記式(1)で表されるものが好ましい。
-(O-R-OCONH-R-NHCOO-[(R-O)-(R-O)-CONH-R-NHCOO]-(R-O)-R(1)
上記式(1)中、Rは水素基または炭化水素基を表し、R~Rは、互いに同一でも異なっても良い炭化水素基を表し、hは1以上の数であり、kおよびn、mは独立に0~1000の範囲の数であるが、同時に0にはならない。R、RおよびRの炭素数は2~4、Rの炭素数は1~30、Rは水素基または炭素数1~40の炭化水素基であることが好適である。またkは0~100が好ましく、0~30がより好ましい。nおよびmは0~700が好ましく、10~500がより好ましい。)で表わされるコポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレングルコール・デシルテトラデセス-20/ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体等が挙げられる。
【0033】
アルキル変性多糖類は、例えば、ヒドロキシエチルセルロースまたはその誘導体等が挙げられる。例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられ、これらから1種又は2種以上を用いることができる。
【0034】
ポリエーテル変性シリコーンとしては、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらから1種又は2種以上を用いることができる。
【0035】
本発明における成分(C)は、特に限定されないが、疎水変性アクリル酸誘導体、疎水変性ポリエーテルウレタン、及びポリエーテル変性シリコーンよりなる群から選択される1種または2種以上が好ましい。特に、モノマー単位としてアクリル酸またはその塩を含むポリマー構造を有するものを用いることで、成分(A)と組み合わせた経時安定性、うるおい感、化粧持ちにより優れるためより好ましい。これらの中でも、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、及びアクリル酸ナトリウム・アクロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体よりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、アクリル酸ナトリウム・アクロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体よりなる群から選択される1種または2種以上が経時安定性、ツヤ感により優れるためより好ましい。市販品としては、PEMULENE TR-1(Lubrizol Advanced Materials社製)、SIMULGEL EG QD(SEPPIC社製)などが挙げられる。
【0036】
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されないが、乳化組成物全量に対して、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましい。また2%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。また、0.01~2%が好ましく、0.05~1%がより好ましい。この範囲であれば、経時安定性、うるおい感、ツヤ感、化粧持ちにより優れるため、より好ましい。
【0037】
本発明において、成分(C)に対する成分(A)の含有質量割合(A)/(C)は、特に限定されないが、0.001以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.1以上がさらにより好ましい。また、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、2以下がさらにより好ましい。また、0.001~10が好ましく、0.01~5がより好ましく、0.1~2がさらにより好ましい。この範囲であれば、経時安定性、うるおい感、ツヤ感、化粧持ちにより優れるためより好ましい。
【0038】
本発明に用いられる成分(D)電解質は、水その他の溶媒に溶かした際、その溶液が電気伝導性を持つようになる物質である。例えば、美白剤、消炎剤をはじめとする美容有効成分、保湿剤、pH調整剤、紫外線防御剤等として用いられる。本発明における成分(D)電解質は、化粧料として通常用いられるものであれば、特に限定されず、有機化合物・無機化合物を問わず用いることができる。具体的には、アミノ酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、ピロリドンカルボン酸、エデト酸等の有機酸等、ビタミンまたはその誘導体等、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等の無機塩等が挙げられ、これらはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、トリエタノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基の塩として用いることができる。より詳細には、L-アラニン、β-アラニン、L-アルギニン、L-アルギニン塩酸塩、L-アスパラギン一水和物、L-アスパラギン酸、ポリアスパラギン酸、L-シトルリン、L-システイン、L-システイン塩酸塩一水和物、L-シスチン、L-ドーパ、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸塩酸塩、L-グルタミン、ポリグルタミン酸、グリシン、トリメチルグリシン、L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩酸塩一水和物、L-ヒドロキシプロリン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-リジン塩酸塩、L-メチオニン、L-オルニチン塩酸塩、L-プロリン、L-フェニルアラニン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン等のアミノ酸及びその誘導体や塩類、またアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸グルコシド等のアスコルビン酸またはその誘導体、並びにそれらのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩等の水溶性アスコルビン酸類が挙げられる。さらに、グリチルリチン酸またはその塩、グリチルレチン酸またはその塩、サリチル酸またはその塩、トラネキサム酸またはその塩、ニコチン酸アミド、コウジ酸、尿素、ミョウバン等が挙げられ、さらには海洋深層水、温泉水等、これら電解質を含む天然由来の水溶液も挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いる事が出来る。
【0039】
本発明における成分(D)の含有量は、特に限定されず、目的により、適宜調整することが可能である。本発明において、成分(D)電解質の含有量により乳化組成物の電気伝導度が比例するため、乳化組成物の電気伝導度で示すことができる。本発明において、25℃における電気伝導度は50mS/m以上が好ましく、100mS/m以上がより好ましく、200mS/m以上がさらにより好ましい。また、4,000mS/m以下が好ましく、2,000mS/m以下がより好ましく、500mS/m以下がさらにより好ましい。また、50~4,000mS/mが好ましく、100~2,000mS/mがより好ましく、200~500mS/mがさらにより好ましい。この範囲であれば、経時安定性、化粧持ちにより優れるためより好ましい。本発明における電気伝導率は、電気伝導度計(LAQUAact ES-71、堀場アドバンスドテクノ社製)にて測定することができる。電気伝導率の測定方法としては、例えば、測定対象の化粧料を蒸留水にて10倍希釈し、スターラーあるいはホモナジナイザー等の撹拌機器を用いて均一になるまで撹拌した溶液を用意する。これを、濾紙を用いてろ過した試験液に電気伝導度計のプローブを浸し、電気伝導率(mS/m)の読み値を10倍した値を測定値とすることができる。ただし、電気伝導度計の測定限界を超える試験液に関しては、測定範囲におさまるよう乳化組成物の希釈率を適宜調整することができる。
【0040】
本発明において、成分(C)に対する成分(D)の含有質量割合(D)/(C)は、特に限定されないが、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.2以上がさらにより好ましい。また、50以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらにより好ましい。また、0.05~50が好ましく、0.1~10がより好ましく、0.2~5がさらにより好ましい。この範囲であれば、経時安定性、ツヤ感、化粧持ちにより優れるためより好ましい。
【0041】
本発明は、さらに成分(E)ノニオン性界面活性剤を含有することができる。本発明における成分(E)は、成分(C)と同様に経時での乳化安定性を高めることが期待される。本発明において、成分(E)は、乳化組成物中の油性成分と水性成分とを乳化するものであり、増粘作用により乳化組成物の安定化に寄与することが期待される前記成分(C)とは異なるものである。本発明において、成分(E)ノニオン性界面活性剤は、例えば、エステル型、エーテル型等、構造に特に限定されず、用いることができる。具体的には、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エタノールアミド、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等が挙げられる。
【0042】
本発明において、乳化組成物の乳化安定性をより向上させる観点から、高HLBのノニオン性界面活性剤及び低HLBのノニオン性界面活性剤を併用することが好ましい。ここで、低HLBとは、HLB1以上8未満を指し、高HLBとは、HLB8以上20以下を指す。ここで、本発明におけるHLB(Hydphile-Lipophile Balance)とは、親水性-親油性のバランスを示す指標であり、小田・寺村らによる下記(式2)で計算されるものである。
HLB=「無機性値(IV)/有機性値(OV)」×10・・・(式2)
(甲田善生著、「有機概念図-基礎と応用-」、11~17頁、三共出版、1984年発行参照)
【0043】
本発明において、好ましい低HLBのノニオン性界面活性剤は、例えば、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン等が挙げられ、POE(10)硬化ヒマシ油、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30PEG-9メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル3-ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリオキシエチレン・ブチレン・ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブチレン・ジメチルポリシロキサン共重合体等が挙げられる。
【0044】
本発明においては、モノオレイン酸ソルビタン(HLB4.5)、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB4.0)、モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB5.0)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB4.0)、モノステアリン酸ソルビタン(HLB4.5)、セスキステアリン酸ソルビタン(HLB4.0)、及びPOE(10)硬化ヒマシ油(HLB6.5)よりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB4.0)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB4.0)、及びセスキステアリン酸ソルビタン(HLB4.0)よりなる群から選択される1種または2種以上がより好ましく、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB4.0)、及びセスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB4.0)よりなる群から選択される1種または2種以上がさらにより好ましい。
【0045】
また、高HLBのノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンミリスチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキル(10-15)エーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキル(12-15)エーテルリン酸、ポリオキシエチレントリセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレントリステアリルエーテルリン酸、POE(5)フィトステロール、POE(10)フィトステロール、POE(20)フィトステロール、POE(25)フィトステロール及びPOE(30)フィトステロール、POE(10)コレステリルエーテル、POE(15)コレステリルエーテル、POE(20)コレステリルエーテル、POE(24)コレステリルエーテル及びPOE(30)コレステリルエーテル、ポリソルベート-60、ポリソルベート-65、ポリソルベート-80、ポリソルベート-85、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油、モノイソステアリン酸POE(50)硬化ヒマシ油、セテス-6、セテス-7、セテス-10、セテス-15、セテス-20、セテス-23、セテス-25、セテス-30、セテス-40、ベヘネス-5、ベヘネス-10、ベヘネス-20、ベヘネス-30等が挙げられる。
【0046】
本発明においては、ポリソルベート-60(HLB15)、ポリソルベート-65(HLB10.5)、ポリソルベート-80(HLB15)、ポリソルベート-85(HLB11)、POE(20)硬化ヒマシ油(HLB10.5)、POE(30)硬化ヒマシ油(HLB11)、POE(40)硬化ヒマシ油(HLB12.5)、POE(50)硬化ヒマシ油(HLB13.5)、POE(60)硬化ヒマシ油(HLB14)、POE(80)硬化ヒマシ油(HLB15)、POE(100)硬化ヒマシ油(HLB16.5)、セテス-6(HLB10.5)、セテス-7(HLB11.5)、セテス-10(HLB13.5)、セテス-15(HLB15.5)、セテス-20(HLB17)、セテス-23(HLB18)、セテス-25(HLB18.5)、セテス-30(HLB19.5)、セテス-40(HLB20)、ベヘネス-5(HLB7)、ベヘネス-10(HLB10)、ベヘネス-20(HLB16.5)、ベヘネス-30(HLB18)よりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、ポリソルベート-60(HLB15)、ポリソルベート-80(HLB15)、POE(40)硬化ヒマシ油(HLB12.5)、POE(50)硬化ヒマシ油(HLB13.5)、POE(60)硬化ヒマシ油(HLB14)、POE(80)硬化ヒマシ油(HLB15)、セテス-10(HLB13.5)、セテス-15(HLB15.5)、セテス-20(HLB17)、ベヘネス-20(HLB16.5)、ベヘネス-30(HLB18)よりなる群から選択される1種または2種以上がより好ましく、ポリソルベート-60(HLB15)、ポリソルベート-80(HLB15)、POE(60)硬化ヒマシ油(HLB14)、POE(80)硬化ヒマシ油(HLB15)、セテス-15(HLB15.5)、ベヘネス-20(HLB16.5)よりなる群から選択される1種または2種以上がさらにより好ましい。
【0047】
本発明において、高HLBのノニオン性界面活性剤及び低HLBのノニオン性界面活性剤を併用することが、乳化安定性により優れるため好ましい。低HLBのノニオン性界面活性剤及び高HLBのノニオン性界面活性剤の組み合わせとして、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB4.0)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB4.0)、及びセスキステアリン酸ソルビタン(HLB4.0)よりなる群から選択される1種または2種以上の低HLBのノニオン性界面活性剤と、ポリソルベート-80(HLB15)、及びポリソルベート-60(HLB15)よりなる群から選択される1種または2種以上の高HLBのノニオン性界面活性剤とを含有すると好ましい。
【0048】
本発明における成分(E)の含有量は、特に限定されないが、乳化組成物全量に対して、0.05%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましく、0.2%以上がさらにより好ましい。また、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらにより好ましい。また、0.05~10%が好ましく、0.1~5%がより好ましく、0.2~3%がさらにより好ましい。この範囲であれば、経時安定性と化粧持ちにより優れるため、より好ましい。
【0049】
本発明における低HLBのノニオン性界面活性剤の含有量は特に限定されないが、乳化組成物全量に対して、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましく、0.1%以上がさらにより好ましい。また、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下がさらによりが好ましい。また、0.01~5%が好ましく、0.05~3%がより好ましく、0.1~2%がさらにより好ましい。この範囲であれば、経時安定性と化粧持ちにより優れるため、より好ましい。
【0050】
本発明における高HLBのノニオン性界面活性剤の含有量は特に限定されないが、乳化組成物全量に対して、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましく、0.1%以上がさらにより好ましい。また、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下がさらによりが好ましい。また、0.01~5%が好ましく、0.05~3%がより好ましく、0.1~2%がさらにより好ましい。この範囲であれば、経時安定性と化粧持ちにより優れるため、より好ましい。
【0051】
本発明は、さらに成分(F)セラミド類を含有することができる。本発明における成分(F)セラミド類は、分子中に1個以上の長鎖の直鎖および/もしくは分岐アルキル又はアルケニル基、更に、少なくとも2個以上の水酸基、1個以上のアミド基(および/またはアミノ基)を有する非イオン系両親媒性物質、あるいは当該非イオン系両親媒性物質の水酸基にフォスファチジルコリン残基、または糖残基が結合した誘導体として表現される一連のセラミド類である。本発明において、成分(F)セラミド類を含有することで、成分(B)の分散性に優れ、経時安定性を向上するだけでなく、肌に対する成分(B)の付着性を高め、化粧持ちの向上にも寄与することが期待される。例えば、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン及びそれらの長鎖脂肪酸アミドであるセラミド1、セラミド2(セラミドNG)、セラミド3(セラミドNP)、セラミド3B、セラミド4、セラミド5、セラミド6(セラミドAP)、セラミド6I、セラミド6IIなどの天然セラミド類;スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンのリン脂質誘導体であるスフィンゴミエリン、フィトスフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質;それらの配糖体であるセレブロシドやガングリオシドなどのスフィンゴ糖脂質およびフィトスフィンゴ糖脂質などが挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも化粧持ちの観点からセラミド2(セラミドNG)、セラミド3(セラミドNP)、及びセラミド6(セラミドAP)よりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、セラミド2(セラミドNG)、及びセラミド3(セラミドNP)よりなる群から選択される1種または2種以上がより好ましい。
【0052】
本発明における成分(F)の含有量は、特に限定されないが、乳化組成物全量に対して、0.001%以上が好ましく、0.005%以上がより好ましく、0.01%以上がさらにより好ましい。また、3%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下がさらにより好ましい。また、0.001~3%が好ましく、0.005~1%がより好ましく、0.01~0.5%がさらにより好ましい。この範囲であれば、経時安定性と化粧持ちにより優れるため、より好ましい。
【0053】
本発明はさらに成分(G)多糖類を含有することができる。本発明における成分(G)多糖類は、水で膨潤させることでゲルを形成する多糖類であり、特に制限されず、何れのものも使用できる。尚、本発明における成分(G)は、前述の成分(A)及び成分(C)を含まない。本発明における成分(G)多糖類は、成分(A)および成分(C)と組み合わせることで、化粧膜の保水効果を向上し、うるおい効果の向上に寄与することが期待される。例えば、シロキクラゲ多糖体、ヒアルロン酸またはその塩、キサンタンガム、スクレロチウムガム、タラガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティガム、カラギーナン、カラヤガム、グアーガム、タマリンド種子ガム、ジェランガム、ペクチン、カンテン末、アルギン酸類等が挙げられ、これらから1種又は2種以上を用いることができる。中でも、うるおい感の観点で、シロキクラゲ多糖体、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、キサンタンガム、カラギーナン、及びジェランガムよりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、シロキクラゲ多糖体、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、及びキサンタンガムよりなる群から選択される1種または2種以上がより好ましく、シロキクラゲ多糖体、及びキサンタンガムよりなる群から選択される1種または2種が更に好ましく、シロキクラゲ多糖体が最も好ましい。市販品としては、Tremoist-TP、Tremoist-SL(日本精化株式会社製)、白キクラゲ多糖体-P(オリザ油化社製)等などが挙げられる。
【0054】
本発明における成分(G)の含有量は、特に限定されないが、乳化組成物全量に対して、0.001%以上が好ましく、0.005%以上がより好ましい。また、1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。また、0.001~1%が好ましく、0.005~0.5%がより好ましい。この範囲であれば、うるおい感により優れるためより好ましい。
【0055】
本発明の乳化組成物には、上記成分(A)~(G)以外に、水相を構成する成分として水及び多価アルコール、低級アルコール等の水性成分、あるいは通常の乳化組成物に使用される成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜、含有することができる。例えば、油剤、成分(E)以外の界面活性剤、成分(C)および成分(G)以外の水溶性高分子、紫外線吸収剤、抗酸化剤、抗菌剤、防腐剤、成分(A)および成分(G)以外の保湿剤、pH調整剤、清涼剤、成分(B)以外の粉体、美容成分、香料等を含有することができる。
【0056】
本発明における油相は、成分(E)以外に油剤を含有することができる。本発明において、油剤は特に限定されないが、固形油、ペースト油、液状油等の性状に制限されず、揮発性油剤、不揮発性油剤等いずれのものも使用できる。本発明における油剤の含有量は、特に限定されないが、油中水型、水中油型等の剤型に合わせて増減させることができる。
【0057】
本発明における油剤の含有量は、例えば、水中油型乳化組成物であれば、乳化組成物全量に対して、1%以上が好ましく、3%以上がより好ましい。また、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。また、1~20%が好ましく、3~15%がより好ましい。また、例えば、油中水型乳化組成物であれば、乳化組成物全量に対して、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。また、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。また、10~70%が好ましく、20~60%がより好ましい。この範囲であれば、経時安定性により優れるためより好ましい。
【0058】
本発明の乳化組成物の製造方法は、特に限定されず、常法により調製される。例えば、以下の方法が挙げられる。まず、成分(A)、成分(C)~(D)、及び必要に応じて成分(E)、及び成分(G)を均一に溶解混合し、これに成分(B)を添加混合し、さらに必要に応じて上記任意成分を加え、これを混合することにより水相を調製する。次いで、油性成分に必要に応じて成分(F)、及び任意成分を添加した油相を調製する。最後に水相に油相を添加し乳化する。
【0059】
本発明の乳化組成物の粘度は特に限定されないが、25℃における粘度が、500mPa・s以上が好ましく、1,000mPa・s以上がより好ましく、3,000mPa・s以上がさらにより好ましい。また100,000mPa・s以下が好ましく、80,000mPa・s以下がより好ましく、50,000mPa・s以下がさらにより好ましい。また、500~100,000mPa・sが好ましく、1,000~80,000mPa・sがより好ましく、3,000~50,000mPa・sがさらにより好ましい。この範囲であると、経時安定性により優れるため、より好ましい。尚、本発明における粘度は、ブルックフィールド型粘度計を用いた化粧品原料基準・粘度測定法第二法に従って測定することができる。例えば、乳化組成物を1日25℃に静置し、ブルックフィールド型粘度計(英弘精機社製)を用い、測定条件は、25℃においてローターNo4を用い、測定時間6rpm、測定時間1minで測定することができる。
【0060】
本発明の乳化組成物は、固体状、液状、ジェル状、乳液状、クリーム状等の種々の形態で実施することが可能であり、特に限定されるものではない。また、剤型としては、水中油型、油中水型、水中油中水型、油中水中油型等種々の剤型で利用可能であるが、水中油型が特に好ましい。
【0061】
また本発明の乳化組成物の用途は、特に限定されないが、皮膚外用剤または化粧料として用いること好ましい。皮膚外用剤または化粧料は、特に限定されないが、乳化組成物をそのまま用いることもでき、もしくは乳化組成物を一部に含む皮膚外用剤または化粧料とすることが可能である。本発明の乳化組成物を皮膚外用剤または化粧料の一部に利用する場合、乳化組成物の含有量は、特に限定されないが、皮膚外用剤または化粧料全量に対し、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上がさらにより好ましい。また、90%以下が好ましく、80%以下が好ましく、70%以下がさらにより好ましい。また、5~90%が好ましく、10~80%がより好ましく、15~70%がさらにより好ましい。
【0062】
化粧料としては、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディローション、ボディクリーム等のスキンケア化粧料、日焼け止め料、口紅、下地、ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、コンシーラー等のメイクアップ化粧料、養毛料、ヘアトニック、シャンプー、リンス等の頭髪用化粧料等、皮膚外用剤としては、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等を例示することができる。うるおい感、ツヤ感、化粧持ちの良さを実感できるという点では、スキンケア化粧料およびメイクアップ化粧料が好ましい。また、その使用方法は、手や指、コットンで使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法、直接噴霧して使用する方法等が挙げられる。
【実施例0063】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。また、含有量は、特記しない限り、その成分が含有される組成物に対する質量%で示す。
【0064】
実施例1~24および比較例1~7:ファンデーション
表1~4に示す組成のファンデーションを下記の製造方法により製造し、イ:経時安定性、ロ:うるおい感、ハ:ツヤ感、ニ:化粧持ちについて、以下に示す方法により評価判定した。結果を併せて表1~4に示す。
【0065】
【表1】
※1:赤色酸化鉄:黄色酸化鉄:黒色酸化鉄=0.7:1.9:0.4で混合したもの
※2:3%セラミドNG処理赤色酸化鉄:3%セラミドNG処理黄色酸化鉄:3%セラミドNG処理黒色酸化鉄=0.7:1.9:0.4で混合したもの
※3:3%トリエトキシカプリリルシラン処理赤色酸化鉄:3%トリエトキシカプリリルシラン処理黄色酸化鉄:3%トリエトキシカプリリルシラン処理黒色酸化鉄=0.7:1.9:0.4で混合したもの
※4:トレフィルE-506C(ダウ・東レ社製)
※5:KSG-210(信越化学工業社製)
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
(製造方法)
A:成分(1)~(8)を75℃で均一に加熱溶解した。
B:成分(9)~(31)を75℃に加熱した。
C:75℃にてBにAを添加し乳化した後に35℃まで冷却し、ファンデーションを得た。
【0070】
(評価方法1)
(イ:経時安定性)
各試料を8号規格瓶に30g充填し、40℃、湿度75%の恒温槽に入れて、1ヶ月後に恒温槽から取り出し25℃に1時間静置した。凝集の有無については、各試料5gを取り出し、凝集物を含む部分をイソドデカン10gで洗浄し、凝集物をスパチュラにてガラス板上に分別して計量し、以下の判定基準にて判定した。
<判定基準>
(判定):(評価)
◎ :凝集物が確認されない
○ :0.05g以下の凝集物が確認される
△ :0.25g以下の凝集物が確認される
× :0.25gより多い凝集物が確認される
【0071】
(ロ:うるおい感)
(ハ:ツヤ感)
(評価方法2)
20代~40代の女性で官能評価の訓練を受け、一定の基準で評価が可能な化粧品評価専門パネルを12名選定した。該専門パネルは前腕に各試料を使用し、それぞれについて、使用後の肌に感じるうるおい感、ツヤ感に優れているか否かを下記絶対評価にて5段階に評価し評点を付けた。化粧持ちは、各試料を全顔に塗布し、8時間後に化粧崩れが起きているか否かを評価した。試料ごとにパネル全員の回答から、下記判定基準により判定した。
<判定基準>
(判定):(優れている回答した人数)
◎ :10人以上が優れていると回答した
○ :7人以上が優れていると回答した
△ :4人以上が優れていると回答した
× :3人以下が優れていると回答した
(評価方法3)
(電気伝導度)
各試料の温度25℃における電気伝導率を電気伝導度計(LAQUAact ES-71、堀場アドバンスドテクノ社製)にて測定した。電気伝導率の測定方法としては、まず、測定対象の化粧料を蒸留水にて10倍希釈し、ホモナジナイザーを用いて均一になるまで撹拌した溶液を用意した。これを、濾紙を用いてろ過した試験液に電気伝導度計のプローブを浸し、電気伝導率(mS/m)の読み値を10倍した値を測定値とした。ただし、電気伝導度計の測定限界を超える試験液に関しては、適宜測定範囲におさまるよう化粧料の希釈率を調整した。
(粘度測定)
調整した各試料を1日25℃に静置し、ブルックフィールド型粘度計(英弘精機社製)を用いて測定した。実施例の粘度は、ローターNo.4を用い、測定時間6rpm、測定時間1minとした際の値である。
【0072】
表1~4の結果から明らかなように、実施例1~24のファンデーションは、比較例1~7のファンデーションに比べ、経時安定性、うるおい感、ツヤ感、化粧持ちにおいて優れたものであった。一方、成分(A)を含有しない比較例1は、成分(B)の分散性が著しく悪くなり、経時安定性、化粧持ち、ツヤ感が損なわれるとともに、うるおい感も十分でないものであった。また、成分(A)の代わりにヒアルロン酸Naを含有する比較例2においても、成分(B)の分散性が悪く、経時安定性、化粧持ち、ツヤ感が劣っていた。成分(B)の代わりにジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーを含有する比較例3においては、肌への付着性が弱く化粧持ちが著しく悪いものであった。成分(C)を含有しない比較例4においては、乳化滴が合一しやすく不均一な状態となり、経時安定性およびツヤ感に劣るとともに、化粧膜中の水分が揮発しやすくうるおい感にも乏しいものであった。成分(C)の代わりに、カルボキシビニルポリマーを含有する比較例5においても、乳化滴のばらつきが大きく不均一であり、経時安定性とツヤ感が十分でなかった。成分(D)を含有しない比較例6は、化粧膜の付着性が弱く、化粧持ちとツヤ感に劣るものであった。また、成分(D)の代わりにスクロースを含有する比較例7においても、比較例6と同様の結果であった。
【0073】
実施例25:水中油型ファンデーション
(成分) (%)
(1)ポリソルベート-80(HLB15) 0.5
(2)ステアリン酸グリセリル(HLB6.0) 0.5
(3)セスキオレイン酸ソルビタン(HLB4.0) 0.5
(4)パルミチン酸ソルビタン(HLB6.7) 0.5
(5)ステアリン酸 1.5
(6)レシチン 0.1
(7)トリラウレス-4リン酸(HLB14.0) 0.3
(8)ベヘニルアルコール 0.5
(9)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
(10)ビスエチルヘキシルオキシフェノール
メトキシフェニルトリアジン 1
(11)トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 1
(12)トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 3
(13)ミネラルオイル※6 0.5
(14)ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸
/ロジン酸)ジペンタエリスリチル 0.5
(15)ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル
/フィトステリル/ベヘニル) 2
(16)パラフィン ※7 1
(17)ジメルポリシロキサン ※8 3
(18)セラミドNG 0.01
(19)二酸化チタン (平均粒子径250nm) ※9 10
(20)酸化鉄 ※10 1
(21)精製水 残量
(22)ヘパリン類似物質 0.3
(24)エタノール 5
(25)トリエタノールアミン 1
(26)メチルパラベン 0.1
(27)リン酸2Na 0.1
(28)リン酸Na 0.1
(29)EDTA-2Na 0.01
(30)(アクリル酸/アクリル酸アルキル
(C10-C30))コポリマー 0.3
(31)カルボマー 0.2
(32)ヒドロキシプロピルメチルセルロース ※11 0.005
(33)ジェランガム ※12 0.005
(34)アクリレーツコポリマー ※13 0.1
(35)タルク 0.5
(36)合成金雲母 1
(37)シリカ ※14 1
(38)ベントナイト 0.001
※6:CARNATION(SONNEBORN.LLC社製)
※7:PARACERA 256(PARAMELT社製)
※8:シリコン KF-96A(20CS)(信越化学工業社製)
※9:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート2%処理
※10:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート2%処理赤色酸化鉄:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート2%処理黄色酸化鉄:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート2%処理黒色酸化鉄=0.15:0.8:0.05で混合したもの
※11:メトローズ65SH-4000(信越化学工業社製)
※12:ケルコゲルLT100(大日本住友製薬社製)
※13:ウルトラゾールV-280C(アイカ工業社製)
※14:サンスフェアNP-100(AGCエスアイテック社製)
【0074】
(製造方法)
A:成分(1)~(20)を75℃で均一に加熱溶解した。
B:成分(21)~(38)を75℃に加熱した。
C:75℃にてBにAを添加し乳化した後に35℃まで冷却し、水中油型ファンデーションを得た。
【0075】
以上のようにして得られた水中油型ファンデーションは、使用後の肌のうるおい感、ツヤ感、化粧持ちに優れ、経時安定性をも兼ね備えるものであった。尚、実施例25における電気伝導度は、95mS/mであり、25℃の粘度は35,000mPa・sであり、(A)/(C)は1であり、(D)/(C)は0.7であった。
【0076】
実施例26:水中油型乳液
(成分) (%)
(1)PEG-11メチルエーテルジメチコン
(HLB14.5) 0.5
(2)PEG-60水添ヒマシ油 (HLB14.0) 0.1
(3)グリチルレチン酸ステアリル 0.1
(4)トリエチルヘキサノイン 4
(5)ジメルポリシロキサン ※15 5
(6)スクワラン 3
(7)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー
※16 1
(8)フェノキシエタノール 0.3
(9)精製水 残量
(10)ヘパリン類似物質 0.05
(11)1,3-ブチレングリコール 10
(12)グリセリン 10
(13)トリエタノールアミン 0.2
(14)(アクリル酸Na
/アクロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.3
(15)(アクリレーツ/アクリル酸アルキル
(C10-30))クロスポリマー 0.3
(16)カルボマーNa 0.01
(17)キサンタンガム 0.01
(18)アルカリゲネス産生多糖体 0.01
(19)EDTA-2Na 0.08
(20)ポリソルベート-60 (HLB15) 1
(21)セスキオレイン酸ソルビタン (HLB4.0) 0.1
(22)トリラウレス-4リン酸(HLB14.0) 0.05
(23)水添レシチン 0.1
(24)二酸化チタン (平均粒子径250nm) ※17 2
(25)赤色酸化鉄 0.01
(26)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー ※18 3
(27)シリカ ※19 0.5
※15:KF-96L-2CS(信越化学工業社製)
※16:KSG-16(信越化学工業社製)
※17:セラミドNG 3%処理
※18:KSP-100(信越化学工業社製)
※19:SILICA MICRO BEAD BA-1(日揮触媒化成社製)
【0077】
(製造方法)
A:成分(1)~(8)を75℃で均一に加熱溶解した。
B:成分(9)~(27)を75℃に加熱した。
C:75℃にてBにAを添加し乳化した後に35℃まで冷却し、水中油型乳液を得た。
【0078】
以上のようにして得られた水中油型乳液は、使用後の肌のうるおい感、ツヤ感、化粧持ちに優れ、経時安定性をも兼ね備えるものであった。尚、実施例26における電気伝導度は、15mS/mであり、25℃の粘度は60,000mPa・sであり、(A)/(C)は0.08であり、(D)/(C)は1.3であった。
【0079】
実施例27:油中水型下地
(成分) (%)
(1)PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(HLB4.0) 3
(2)ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチル
シロキシエチルジメチコン ※20 0.5
(3)シクロメチコン 25
(4)(PEG-15/ラウリルジメチコン)
クロスポリマー ※21 0.5
(5)イソノナン酸イソトリデシル 15
(6)ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 15
(7)ジメチルポリシロキサン ※22 0.5
(8)スクワラン 0.5
(9)セラミドNG 0.05
(10)パルミチン酸デキストリン 0.1
(11)二酸化チタン(平均粒子径30nm) ※23 5
(12)二酸化チタン(平均粒子径250nm) ※24 10
(13)酸化亜鉛(平均粒子径3000nm) 0.1
(14)酸化鉄 ※25 2.5
(15)ジステアリルジモニウムヘクトライト 1
(16)ステアラルコニウムヘクトライト 1
(17)ナイロン末 ※26 0.5
(18)精製水 残量
(19)ヘパリン類似物質 0.5
(20)エタノール 8
(21)1,3-ブチレングリコール 0.1
(22)グリセリン 1
(23)ジプロピレングリコール 1
(24)トリエタノールアミン 0.2
(25)パンテノール 0.01
(26)塩化ナトリウム 0.1
(27)ナイアシンアミド 0.01
(28)EDTA-2Na 0.01
(29)グルコシルトレハロース 0.05
※20:KF-6105(信越化学工業社製)
※21:KSG-310(信越化学工業社製)
※22:KF-96A(100CS)(信越化学工業社製)
※23:ジメチコン3%および含水シリカ5%処理
※24:ステアロイルグルタミン酸2Na3%処理
※25:トリエトキシカプリリルシラン3%処理赤色酸化鉄:トリエトキシカプリリルシラン3%処理黄色酸化鉄:トリエトキシカプリリルシラン3%処理黒色酸化鉄=0.4:2:0.1で混合したもの
※26:ナイロン粉末 SP-500(東レ社製)
【0080】
(製造方法)
A:成分(1)~(17)を75℃で均一に加熱混合した。
B:成分(18)~(29)を75℃に加熱混合した。
C:75℃にてAにBを添加し乳化した後に35℃まで冷却し、油中水型下地を得た。
【0081】
以上のようにして得られた油中水型下地は、使用後の肌のうるおい感、ツヤ感、化粧持ちに優れ、経時安定性をも兼ね備えるものであった。尚、実施例27における電気伝導度は、145mS/mであり、25℃の粘度は28,000mPa・sであり、(A)/(C)は1であり、(D)/(C)は0.24であった。
【0082】
実施例28: 水中油型固形ファンデーション
(成分) (%)
(1)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(HLB4) 0.1
(2)セスキオレイン酸ソルビタン(HLB4) 0.5
(3)ポリステアリン酸スクロース(HLB1) 0.5
(4)ポリソルベート-85(HLB11) 0.1
(5)トリセテアレス-4リン酸 ※27 0.1
(6)レシチン 0.01
(7)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 3
(8)ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル
/フィトステリル/ベヘニル) 1
(9)酸化チタン ※28 10
(10)酸化鉄 1
(11)セラミドNP 0.1
(12)精製水 残量
(13)ヘパリン類似物質 0.2
(14)1,3-ブチレングリコール 5
(15)ジプロピレングリコール 0.1
(16)グリセリン 1
(17)テアニン 0.01
(18)トリエタノールアミン 0.4
(19)ジグリセリン 1
(20)(アクリレーツ/アクリル酸アルキル
(C10-30))クロスポリマー 0.3
(21)アクリレーツコポリマー ※13 0.5
(22)カンテン 1
(23)アセチルヒアルロン酸Na 0.1
(24)シロキクラゲエキス 0.1
(25)カラギーナン 0.01
(26)キサンタンガム 0.01
(27)ローカストビーンガム 0.01
(28)EDTA-2Na 0.03
(29)クエン酸 0.001
(30)クエン酸Na 0.001
※27:HOSTAPHAT KW340D(クラリアント・ジャパン社製)
※28:パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理
【0083】
(製造方法)
A:成分(1)~(11)を75℃で均一に加熱混合する。
B:成分(12)~(30)を75℃で均一に加熱混合する。
C:75℃でBにAを添加し乳化した後に容器に充填し、35℃まで冷却し、水中油型固形ファンデーションを得た。
【0084】
以上のようにして得られた水中油型固形ファンデーションは、使用後の肌のうるおい感、ツヤ感、化粧持ちに優れ、経時安定性をも兼ね備えるものであった。尚、実施例28における電気伝導度は、55mS/mであり、(A)/(C)は0.67であり、(D)/(C)は0.11であった。
【0085】
実施例29: 水中油型アイシャドウ
(成分) (%)
(1)精製水 残量
(2)1,3-ブチレングリコール 15
(3)ヘパリン類似物質 0.2
(4)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)
コポリマー 0.4
(5)POE(80)硬化ヒマシ油(HLB15) 0.02
(6)セテス-15(HLB15.5) 0.03
(7)ベヘネス-20(HLB16.5) 0.03
(8)POE(60)硬化ヒマシ油(HLB14) 0.1
(9)ETDA-2Na 0.2
(10)トリエタノールアミン 1
(11)キサンタンガム 0.1
(12)カルボマー 0.2
(13)トリプロピレングリコール 8
(14)グリセリン 2
(15)エタノール 10
(16)セラミドNG 0.2
(17)ステアリン酸 0.8
(18)ベヘニルアルコール 0.2
(19)セスキステアリン酸ソルビタン(HLB4.0) 0.05
(20)セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB4.0) 0.1
(21)トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 5
(22)黒色酸化鉄 0.2
(23)ベンガラ 0.3
(24)雲母チタン ※29 10
(25)ベンガラ被覆雲母チタン ※30 6
(26)酸化チタン被覆ガラス末 ※31 4
(27)酸化チタン被覆合成金雲母 ※32 8
(28)アルミ末 ※33 3
(29)球状シリカ(平均粒子径8μm) 2
(30)香料 0.01
※29:COSMETICA SUPER WHITE N-8000S(CQV社製)
※30:BLONDIEE METALLIC GOLD N-2000S(CQV社製)
※31:マイクログラス メタシャイン MT1080RR(日本板硝子社製)
※32:TWINCLEPEARL 450(日本光研工業社製)
※33:COSMICOLOR CE TECLA GR(東洋アルミニウム社製)
【0086】
(製造方法)
A:成分(1)~(15)を80℃で均一に加熱混合する。
B:成分(16)~(30)を80℃で均一に加熱混合する。
C:70℃でAにBを添加し乳化した後に容器に充填し、35℃まで冷却し、水中油型アイシャドウを得た。
【0087】
以上のようにして得られた水中油型アイシャドウは、使用後の肌のうるおい感、ツヤ感、化粧持ちに優れ、経時安定性をも兼ね備えるものであった。尚、実施例29における電気伝導度は、20mS/mであり、25℃の粘度は9,800mPa・sであり、(A)/(C)は0.5であり、(D)/(C)は0.5であった。