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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153343
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】輸液レギュレータ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
A61M5/168 500
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053089
(22)【出願日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0040758
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519072408
【氏名又は名称】ソンウォン メディカル シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】SUNGWON MEDICAL CO., LTD
【住所又は居所原語表記】199,Taeseongtabyeon-ro,Gangnae-myeon Heungdeok-gu,Cheongju-siChungcheongbuk-do 28174 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 大 熙
(72)【発明者】
【氏名】趙 賢 燦
(72)【発明者】
【氏名】趙 相 元
(72)【発明者】
【氏名】白 承 洪
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066JJ04
4C066QQ14
4C066QQ25
(57)【要約】
【課題】意図しない輸液の流量変更を防止することができる輸液レギュレータを提供する。
【解決手段】本発明の輸液レギュレータは、上側レバーと、上側レバーの下側に配置され、上側レバーと互いに対向して回転する調節作動で輸液の流量が調節される下側レバーと、下側レバーと締結されるカバーと、カバーと下側レバーの相対的位置によって、カバーと下側レバーが相互拘束されて調節作動が可能な拘束状態及びカバーと下側レバーが相互拘束されず調節作動が不可能な自由状態が切替わる切替拘束部と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側レバーと、
前記上側レバーの下側に配置され、前記上側レバーと互いに対向して回転する調節作動で輸液の流量が調節される下側レバーと、
前記下側レバーと締結されるカバーと、
前記カバーと前記下側レバーの相対的位置によって、前記カバーと前記下側レバーが相互拘束されて前記調節作動が可能な拘束状態及び前記カバーと前記下側レバーが相互拘束されず前記調節作動が不可能な自由状態が切替わる切替拘束部と、
を有することを特徴とする輸液レギュレータ。
【請求項2】
前記カバーは、
前記下側レバーを内部に収容し、上下方にスライド移動して前記拘束状態と前記自由状態が切替わることを特徴とする請求項1に記載の輸液レギュレータ。
【請求項3】
前記切替拘束部は、
前記拘束状態及び前記自由状態を維持させる切替部と、
前記下側レバーと前記カバーが相互拘束されるようにする拘束部とを含むことを特徴とする請求項2に記載の輸液レギュレータ。
【請求項4】
前記切替部及び前記拘束部は、
前記下側レバーの外面及び前記カバーの内面にそれぞれ突出または陥没形成され、互いに嵌合結合することを特徴とする請求項3に記載の輸液レギュレータ。
【請求項5】
前記自由状態である時、
前記下側レバーを手で把持できないように前記カバーが前記下側レバーを完全に囲み覆うことを特徴とする請求項4に記載の輸液レギュレータ。
【請求項6】
前記カバーは、
透明な材質として前記下側レバー外面の形状及び前記カバー内面の形状を確認できることを特徴とする請求項5に記載の輸液レギュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸液レギュレータに関し、具体的には、外部で確認可能なカバーの配置位置を調節することで、輸液の調節が可能な状態とそうでない状態を選択することができる輸液レギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景技術は、必ずしも公知技術を意味するものではない。現在、市販の静脈注射(IV)セットは、輸液の単位時間当たり供給量を調節するために、ローラークランプまたは流量調節器を使用する。ローラークランプは、輸液が供給されるチューブを圧迫または解除してチューブの断面積を制限することで、輸液の流量を調節する。構造が単純で作動の容易な長所がある一方、流量の精密制御が難しく不注意による流量変化が大きくなるという問題点を有する。輸液の流量は医療専門家の診断により決められるが、輸液流量が過度に多い場合は、ショック等の深刻な病症を誘発するおそれがある。したがって、輸液流量が意図せず変わるという点は、医療機器として致命的な問題点として認識される。
【0003】
かかる問題点を解決するために提案された輸液流量調節用装置が、輸液のチューブ方向に並んで配置して結合された上側レバーと下側レバーで構成される輸液レギュレータである。同一の回転軸を有し互いに対向して回転することで、輸液の流量が調節される輸液レギュレータは、ローラークランプと比べてさらに精緻な流量制御が可能である。特に、上側レバーと下側レバーを両手で互いに対向して回転させる調節作動のみによって流量が調節されるため、ローラークランプに比べて意図しない流量変更状況の発生可能性が顕著に低くなるという安定性を有する。しかし、かかる輸液レギュレータでも、好奇心旺盛な子供または患者といった医療専門家以外の第3者による不正操作の問題点は依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2082736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、意図しない輸液の流量変更を防止することができる輸液レギュレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による輸液レギュレータは、上側レバーと、前記上側レバーの下側に配置され、前記上側レバーと互いに対向して回転する調節作動で輸液の流量が調節される下側レバーと、前記下側レバーと締結されるカバーと、前記カバーと前記下側レバーの相対的位置によって、前記カバーと前記下側レバーが相互拘束されて前記調節作動が可能な拘束状態及び前記カバーと前記下側レバーが相互拘束されず前記調節作動が不可能な自由状態が切替わる切替拘束部とを有することを特徴とする。
【0007】
前記カバーは、前記下側レバーを内部に収容し、上下方にスライド移動して前記拘束状態と前記自由状態が切替わることを特徴とする。
【0008】
前記切替拘束部は、前記拘束状態及び前記自由状態を維持させる切替部と、前記下側レバーと前記カバーが相互拘束されるようにする拘束部とを含むことを特徴とする。
【0009】
前記切替部及び前記拘束部は、前記下側レバーの外面及び前記カバーの内面にそれぞれ突出または陥没形成され、互いに嵌合結合することを特徴とする。
【0010】
前記自由状態である時、前記下側レバーを手で把持できないように前記カバーが前記下側レバーを完全に囲み覆うことを特徴とする。
【0011】
前記カバーは、透明な材質として前記下側レバー外面の形状及び前記カバー内面の形状を確認できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、下側レバーを囲むカバーを利用して輸液の流量を調節する拘束状態と、流量調節が不可能な自由状態を選択することで、不注意による輸液の流量変更を防止し、拘束状態と自由状態を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による輸液レギュレータの第1実施形態を示す正面図である。
図2図1における下側レバー及びカバーの斜視図である。
図3図1の輸液レギュレータの拘束状態を説明する正面図である。
図4図1の輸液レギュレータの自由状態を説明する正面図である。
図5】本発明による輸液レギュレータの第2実施形態を示す正面図である。
図6図5において下側レバー及びカバーの斜視図である。
図7図5の輸液レギュレータの拘束状態を説明する正面図である。
図8図5の輸液レギュレータの自由状態を説明する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明による輸液レギュレータの実施形態を詳しく説明する。本発明は、以下で説明する実施形態によって制限されるものではない。本発明の実施形態はその技術的思想に基づいて置換または変更ができる。以下で使用される用語は、説明の便宜のためのもので、その技術的思想に基づいて適切に解釈されるべきである。
【0015】
図1は、本発明による輸液レギュレータの第1実施形態を示す正面図であり、上側レバーと下側レバー及びカバーが互いに分離された状態である。図2は、図1における下側レバー及びカバーの斜視図であり、図3は、図1の輸液レギュレータの拘束状態を説明する正面図であり、図4は、図1の輸液レギュレータの自由状態を説明する正面図である。
【0016】
図1図4を参照すると、本実施形態による輸液レギュレータは、上側レバー1100と下側レバー1200、カバー1300及び切替拘束部1400を有する。上側レバー1100は、輸液が供給されるチューブの上流側に配置される。下側レバー1200は、上側レバー1100の下側、すなわち輸液が供給されるチューブの下流側に配置される。上側レバー1100と互いに対向して回転する調節作動で輸液の流量が調節される。
【0017】
上側レバー1100に対する内部構造及び調節作動により上側レバー1100及び下側レバー1200を通じて輸液が移動する経路の生成については既に広く通用されているため、これに対する詳しい説明は省略する。カバー1300は、下側レバー1200と締結される。切替拘束部1400は、カバー1300と下側レバー1200の相対的位置によって拘束状態と自由状態が切替わるようにする。
【0018】
拘束状態では、カバー1300と下側レバー1200が相互拘束されて調節作動が可能であり、自由状態では、カバー1300と下側レバー1200が相互拘束されず調節作動が不可能である。これにより、本実施形態による輸液レギュレータは、カバー1300の位置を変更して、調節作動が可能な状態とそうでない状態を切り替えることができる。調節作動が可能でない状態では、カバー1300が下側レバーの外周面を自由回転するため、調節作動が不可能である。
【0019】
本実施形態による輸液レギュレータにおいて、カバー1300は、下側レバー1200を内部に収容し、上下方にスライド移動して拘束状態と自由状態が切替わる。切替拘束部1400は、切替部1410及び拘束部1420を含む。切替部1410は、選択された拘束状態及び自由状態が維持されるようにする。拘束部1420は、上述した調節作動方向に下側レバー1200とカバー1300が相互拘束されることで、カバー1300を把持し回転すれば下側レバー1200が回転する。
【0020】
また、切替部1410及び拘束部1420は、下側レバー1200の外面及びカバー1300の内面にそれぞれ突出または陥没形成されて互いに嵌合結合する。切替部1410は、切替突出1412及び切替陥没1411を含み、拘束部1420は、拘束突出1421及び拘束陥没1422を含むことができる。本実施形態による輸液レギュレータにおいて、切替突出1412はカバーの内周面に形成され、切替陥没1411は下側レバー1200の外周面に上下方に一対が形成される。
【0021】
カバー1300を上方にスライド移動して切替突出1412が上側の切替陥没1411と嵌合すれば拘束状態が維持され、カバー1300を下方にスライド移動して切替突出1412が下側の切替陥没1411と嵌合すれば自由状態が維持される。したがって、本実施形態による輸液レギュレータは、カバー1300を上方にスライド移動して拘束状態を選択することができ、反対にカバーを下方にスライド移動すれば自由状態を選択することができる。また、拘束突出1421は下側レバー1200の上側末端に隣接した外周面に沿って形成され、拘束陥没1422はカバー1300の上側末端に隣接した内周面に沿って形成される。
【0022】
図5は、本発明による輸液レギュレータの第2実施形態を示す正面図であり、上側レバーと下側レバー及びカバーが互いに分離された状態である。図6は、図5における下側レバー及びカバーの斜視図であり、図7は、図5の輸液レギュレータの拘束状態を説明する正面図であり、図8は、図5の輸液レギュレータの自由状態を説明する正面図である。
【0023】
図5図8を参照すると、本実施形態による輸液レギュレータは、上側レバー2100と下側レバー2200、カバー2300及び切替拘束部2400を有する。上側レバー2100は、輸液が供給されるチューブの上流側に配置される。下側レバー2200は、上側レバー2100の下側、すなわち輸液が供給されるチューブの下流側に配置される。上側レバー2100と互いに対向して回転する調節作動で輸液の流量が調節される。
【0024】
カバー2300は、下側レバー2200と締結される。切替拘束部2400は、カバー2300と下側レバー2200の相対的位置によって拘束状態と自由状態が切替わるようにする。拘束状態では、カバー2300と下側レバー2200が相互拘束されて調節作動が可能であり、自由状態では、カバー2300と下側レバー2200が相互拘束されず調節作動が不可能である。
【0025】
これにより、本実施形態による輸液レギュレータは、カバー2300の位置を変更して、調節作動が可能な状態とそうでない状態を切り替えることができる。調節作動が不可能な状態では、カバー2300が下側レバー2200の外周面を自由回転するため、調節作動が不可能である。
【0026】
本実施形態による輸液レギュレータにおいて、カバー2300は、下側レバー2200を内部に収容し、上下方にスライド移動して拘束状態と自由状態が切替わる。切替拘束部2400は、切替部2410及び拘束部2420を含む。切替部2410は、選択された拘束状態及び自由状態が維持される。
【0027】
拘束部2420は、上述した調節作動方向に下側レバー2200とカバー2300が相互拘束されることで、カバー2300を把持し回転すれば下側レバー2200が回転する。また、切替部2410及び拘束部2420は、下側レバー2200の外面及びカバー2300の内面にそれぞれ突出または陥没形成されて互いに嵌合結合する。切替部2410は、切替突出2412及び切替陥没2411を含み、拘束部2420は、拘束突出2421及び拘束陥没2422を含むことができる。
【0028】
本実施形態による輸液レギュレータにおいて、切替突出2412は、カバー2300の内周面に形成され、切替陥没2411は下側レバー2200の外周面に上下方に一対が形成される。カバー2300を下方にスライド移動して切替突出2412が下側の切替陥没2411と嵌合すれば拘束状態が維持され、カバー2300を上方にスライド移動して切替突出2412が上側の切替陥没2411と嵌合すれば自由状態が維持される。
【0029】
したがって、本実施形態による輸液レギュレータは、カバー2300を下方にスライド移動して拘束状態を選択することができ、反対にカバーを上方にスライド移動すれば自由状態を選択することができる。この時、拘束突出2421は下側レバー2200の下側切替陥没2411に形成され、拘束陥没2422は切替突出2412に沿って形成される。すなわち、本実施形態による輸液レギュレータにおいて、拘束突出2421と拘束陥没2422は、切替突出2412及び切替陥没2411に沿って形成される。
【0030】
また、本実施形態による輸液レギュレータは、自由状態である時、カバー2300が下側レバー2200を完全に囲み覆うことで、下側レバー2200を手で把持できないようにする。これにより、自由状態で下側レバー2200が外部に露出されないため、調節作動が完全に遮断されることができる。この時カバー2300は、透明な材質で形成され、下側レバー2200外面の形状及びカバー2300内面の形状を確認することができる。
【0031】
本実施形態による切替拘束部2400は、いずれもカバー2300によって覆われる位置に配置される。したがって、拘束突出2421及び拘束陥没2422の位置が認知できない。透明な材質で形成されるカバー2300を利用することで、自由状態から拘束状態に切り替える時、拘束突出2421及び拘束陥没2422の位置を整列してカバー2300を移動させることができる。
【符号の説明】
【0032】
1100 上側レバー
1200 下側レバー
1300 カバー
1400 切替拘束部
1410 切替部
1411 切替陥没
1412 切替突出
1420 拘束部
1421 拘束突出
1422 拘束陥没
2100 上側レバー
2200 下側レバー
2300 カバー
2400 切替拘束部
2410 切替部
2411 切替陥没
2412 切替突出
2420 拘束部
2421 拘束突出
2422 拘束陥没
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8