IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マンカインド コーポレイションの特許一覧

特開2022-153383吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法
<>
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図1
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図2
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図3
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図4
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図5
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図6
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図7
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図8
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図9
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図10
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図11
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図12
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図13
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図14
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図15
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図16
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図17
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図18
  • 特開-吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153383
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】吸入を検出および監視するための機器、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022105253
(22)【出願日】2022-06-30
(62)【分割の表示】P 2018560536の分割
【原出願日】2017-05-19
(31)【優先権主張番号】62/338,971
(32)【優先日】2016-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503208552
【氏名又は名称】マンカインド コーポレイション
【住所又は居所原語表記】30930 Russell Ranch Road, Suite 301, Westlake Village, California 91362, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジェイ. ポクレヴァ サード
(72)【発明者】
【氏名】アダモ ベノイト
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン ローレンジ
(72)【発明者】
【氏名】チャド シー. スマットニー
(72)【発明者】
【氏名】ピー. スペンサー キンゼイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】乾燥粉末吸入システムの被験者の使用のリアルタイムの特性パターンを検知および測定するためのインタラクティブな機器および方法を提供する。
【解決手段】吸入装置は、吸入が実行されると同時に吸入システムの被験者の使用を評価するために、表示部と通信する無線通信モードで使用することができ、そのため、被験者の吸入は、吸入システムの性能として同様に評価することができる。システムはまた、薬物、その投薬量、ロット、呼気などの識別情報、および使用時に吸入システムから放出される乾燥粉末処方物の特性プロファイルを検出することもできる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器付属機器であって、
吸入器に取り付ける、または、吸入器に接続するように構成される本体と、
マイクロプロセッサと、
少なくとも2つのセンサである、前記吸入器の一領域または一部分で暗号化またはコード化された情報を検出するための第1のセンサ、および、使用時、吸入器から生成される信号を検出するための第2のセンサと
を備え、
前記第1および第2のセンサは、それぞれ少なくとも1つの信号を生成し、前記それぞれ少なくとも1つの信号は、前記マイクロプロセッサで処理されて、カスタマイズされたマイクロプロセッサ出力となり、前記マイクロプロセッサ出力は、使用者の吸入操作達成に関して、成功または失敗を示す、吸入器付属機器。
【請求項2】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサがデジタルセンサであり、それらの出力がデジタル形式である、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項3】
前記第2のセンサがアナログセンサであり、その出力がアナログ形式であり、前記機器が、センサ信号を調整、フィルタリング、増幅、および/またはデジタル形式に変換するための回路をさらに備える、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項4】
前記第2のセンサが、前記吸入器で測定される圧力降下を検出する圧力センサである、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項5】
前記第2のセンサが、前記吸入器で生成される音響信号を検出する、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項6】
前記音響信号が、前記音響信号の振幅、前記音響信号の周波数、または、それらの組合せを含む、請求項5に記載の吸入器付属機器。
【請求項7】
前記第1のセンサがマイクロフォンである、請求項5に記載の吸入器付属機器。
【請求項8】
前記第1のセンサが、前記吸入器、吸入器カートリッジ、または他の薬物パッケージの部品の色を検出するように構成されるレーザビーム、ドップラーセンサ、赤外線センサ、または他の検知ビームである、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項9】
前記吸入器が乾燥粉末吸入器を備える、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項10】
前記乾燥粉末吸入器が、カートリッジと、乾燥粉末処方物とを備える、請求項9に記載の吸入器付属機器。
【請求項11】
前記乾燥粉末処方物が、ジケトピペラジンと、少なくとも1つの活性成分とを含む、請求項10に記載の吸入器付属機器。
【請求項12】
前記第2のセンサが、前記吸入器内の圧力降下を検出する差圧センサと、前記差圧センサとともに用い、前記圧力降下を識別する前に、必要に応じて、前記差圧センサを校正する、絶対圧センサとを備える、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項13】
前記第1のセンサが、前記吸入器に装填される吸入器カートリッジまたは他の薬物パッケージの色を検知するための色検出センサと、前記吸入器に装填されるカートリッジまたは他の薬物パッケージのRFIDタグを読み取るためのRFID読取装置と、前記吸入器または前記吸入器カートリッジまたは他の薬物パッケージに設けられる特性、コード、または文字情報を識別することが可能な画像検出センサとのうちの1つまたは複数である、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項14】
前記少なくとも2つのセンサから受信されるデータが遠隔処理システムに伝送される無線送受信機をさらに備える、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項15】
電子基板をさらに備え、前記マイクロプロセッサ、センサ、および無線送受信機が、前記電子基板に接続される、および/または、前記電子基板上に配設される、請求項14に記載の吸入器付属機器。
【請求項16】
使用者に成功/失敗表示を示すための視覚的なインジケータまたは表示部をさらに備える、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項17】
前記カスタマイズされたマイクロプロセッサ出力が、前記第1のセンサによって生成された信号にカスタマイズされた閾値データを含む、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項18】
前記マイクロプロセッサ出力が、患者の吸入と同時にまたは患者の吸入の直後に、圧力対時間曲線を表示部に生成する、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項19】
乾燥粉末吸入監視検出システムであって、
乾燥粉末吸入器と、
マイクロプロセッサと、
無線送受信機と、
前記吸入器の一領域または一部分で暗号化またはコード化された情報を検出するための第1のセンサと、
使用時、吸入器から生成される信号を検出するための第2のセンサと
を備え、
前記第1および第2のセンサが、それぞれ少なくとも1つの信号を生成し、前記それぞれ少なくとも1つの信号は、前記マイクロプロセッサで処理されて、カスタマイズされたマイクロプロセッサ出力となり、前記マイクロプロセッサ出力は、使用者の吸入操作達成に関して成功または失敗を示す、乾燥粉末吸入監視検出システム。
【請求項20】
乾燥粉末吸入監視検出システムは、さらに遠隔処理システムを含み、
前記遠隔処理済ステムは、表示部と、無線送受信機と、マイクロプロセッサを含み、
前記マイクロプロセッサは、前記成功または失敗をグラフィカルに表示し、表示は、前記第1のセンサによって検出された情報に対応する閾値と、前記第2のセンサの信号に対応する、使用者の吸入データとを示す、請求項19に記載の乾燥粉末吸入監視検出システム。
【請求項21】
前記吸入器に取り付けるまたは前記吸入器への接続のための、前記マイクロプロセッサと無線送受信機とセンサとが配設される本体を備える取り外し可能な吸入器付属機器をさらに含む、請求項19に記載の乾燥粉末吸入監視検出システム。
【請求項22】
吸入器の使用者訓練のために価値のある正確なデータを監視および検出する方法であって、
前記薬物を前記吸入器に装填する指示を表示するステップ、
薬物に関する薬物データ、または吸入器情報、および対応する閾値への関連データを読み取るステップ、
吸入操作を開始する指示を表示するステップ、
使用者による吸入中に圧力差データを識別するステップ、および、
使用者が吸入操作に成功したか失敗したかを、前記閾値に適合するか、閾値を超えるか、閾値まで達しないかに関して、判定するステップ
を含む、方法。
【請求項23】
使用者が前記吸入操作に成功したか失敗したかを、伝送および表示するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記伝送および表示するステップが、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、または他の無線通信可能な装置などの処理システム上に表示することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記伝送および表示するステップが、前記薬物データおよび前記圧力差データを、無線伝送を介して前記処理システムに伝送することと、前記システム上に、前記薬物データに対応する閾値とともに圧力対時間曲線を表示することとを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
無線伝送方式が、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、WiFi、SmartWave、またはZ-Waveを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの活性成分が、インスリンまたはインスリンの類似体を備える、請求項11に記載の吸入器付属機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年5月19日に出願された米国仮特許出願第62/338,971号明細書の利点を請求し、その開示全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
被験者が吸入操作を行っている間に生成される生理学的状態に基づいて、物理的測定値をリアルタイムに記録し、転送し、表示するためのインタラクティブな機器および方法が、本明細書に記載されている。
【背景技術】
【0003】
局所性または全身性の疾患を治療するにあたり、気道を経由した治療用の物質の投与、特に肺への送達を行うための吸入装置が商業的に利用可能である。たとえば、ぜんそく、気道感染症、および糖尿病などの全身性疾患の治療のため、噴霧器、スプレー用ガスを充填した装置、および乾燥粉末吸入器が用いられてきた。
【0004】
病気の治療にあたり、治療用の物質を必要な投薬量だけ患者に送達する効率は装置の効率に依存するものであり、全体的な効率は、この装置の使用中に、たとえば、適切な吸入手法を患者に教示するために、適切なフィードバック機構を患者、臨床医、または医師に対して用意することにより、向上させることができる。装置を不適切に使用したり吸入の手法が劣悪であったりすると、疾患の治療の効率の欠如へとつながる可能性がある。たとえば、治療用の物質を意図されるよりも少ないまたは多い投薬量で投与することは、患者にとって有害である可能性がある。治療用の物質を気道へと効率的に送達するために、患者または使用者は、装置を適切な方法で用いるための訓練または指導を受けることができる。
【0005】
薬物を肺に送達するのに用いられる乾燥粉末吸入器は、通常、バルクで供給された、あるいは、硬質ゼラチンカプセル、カートリッジ、またはブリスターパックのような、服用の単位ごとの区画に格納された個々の服用分ごとに小分けされた、粉末状の処方薬の用量を含んでいる。投薬の再現性のためには、処方薬物が均一であり、一貫した再現可能な結果を伴って用量を患者に送達できることが必要である。したがって、たとえば、必要な投薬を達成する適切な吸入操作を患者に実行させることによって実現される処方の最適化により、投薬は改善させることができる。
【0006】
治療用の物質を、肺管を経由して適切に送達するよう患者を訓練するための装置は、たとえば米国特許第5,333,106号明細書に記載されており、同特許は、エアロゾル吸入器の使用における、適切な吸入の手順を用いた空気の流量に対する体積のデータに基づくフィードバック表示を含む、患者のインタラクティブな訓練のための機器を開示している。米国特許出願第10/759,859号明細書(米国特許出願公開第2004/0187869号明細書)は、薬剤吸入器、たとえば乾燥粉末吸入器のための訓練装置を開示しており、この訓練装置は、圧力差を測定して、吸入速度および吸入の流速のピークの双方に対応する1つの値を表示することに基づいていて、乾燥粉末吸入器のシミュレータを使用する。
【0007】
乾燥粉末吸入器に関して米国特許第8,499,757号明細書および米国特許第8,636,001号明細書が教示するすべての開示は、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれるが、それらに記載しているような乾燥粉末吸入器およびカートリッジシステムは、吸入操作の間に、吸入器、およびカプセルまたはカートリッジの中で粉末状の処方物の塊を砕くことによって、第一次的な薬剤の粒子または適切な吸入用の煙流を生成することができる。肺循環を経由して薬剤を送達することの利点は数多くあり、動脈へ速やかに入っていくこと、肝臓の代謝による第一関門の薬剤劣化が防止されること、たとえば注射など他の経路による投薬に比べて不快感がなく利用が容易であることなどが挙げられる。これらの装置は臨床において用いられてきており、現在市販されている。
【0008】
吸入活動をプロファイリングするためのインタラクティブな機器および方法が米国特許第9,364,619号明細書で開示されており、その開示は参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
精度を最大化し、吸入システムの適切な使用のための被験者による最小限のトレーニングおよび活動、ならびに吸入システムの使用および治療の全過程の間の被験者の最小限の監視のみ必要とする吸入装置の設計製造における改善、さらに、吸入器および薬物パッケージを含む吸入器の部品への適用の柔軟性ならびにこのようなシステム全体の再利用性の改善の必要性が当該技術分野において存在する。本開示は、これらの目標を達成する機器および方法を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
使用時に吸入システムの吸入特性パラメータを検出および測定するためのインタラクティブな機器が、吸入器およびその機器と協働する吸入器の患者の使用を含めて、本明細書に記載される。開示される実施形態では、機器、および機器を使用する方法は、たとえば、被験者の吸入操作から生成されるデータを収集し、治療計画で使用するために被験者に提供される吸入器によって適切なまたは治療的な服用量を送達するために必要な努力を識別することによって、被験者の特徴的な吸入プロファイルまたは呼吸パターンを検知、検出、測定、および監視するのに有用である。機器および方法は、たとえば、彼/彼女の病気、障害、または状態を効率的に治療するために吸入器を使用するために、被験者を訓練/教示するのにも有用であり、それにより、被験者は、送達されている薬剤の適切な服用量を受ける。ある実施形態では、機器は、任意の吸入器、特に、1つまたは複数の薬学的に活性な成分または薬物の肺への送達のための高抵抗の乾燥粉末吸入器を備えることができ、それによって、被験者の肺循環および全身循環が治療される。いくつかの実施形態では、乾燥粉末吸入器は呼吸駆動され、患者によって使用されているとき、患者は吸入中に発揮される努力の大きさを観察することができ、それは行っている実際の吸入とともに同時に表示される。
【0011】
本明細書に開示される吸入機器およびシステムの例示的な実施形態は、個別の装置である吸入器付属機器を備え、吸入器付属機器は、使用中、吸入器に密着または装着することができ、使用後、吸入器から取り外し可能であるように、吸入器に装着可能または取付け可能である。
【0012】
いくつかの実施形態では、患者によって使用される吸入器と、吸入器に適合するまたは互いに適合するように構成される対応する吸入器付属機器とを備える検出監視システムが提供され、それにより、吸入器を吸入器付属機器から取り外すまたは切り離すことができ、患者は、吸入について医師によって指示されたように薬物の服用量の自己投与のために吸入器を手にとり、使用することができる。吸入器付属機器は、患者に処方された吸入器と係合するように構造的に構成される本体と、たとえば、発光ダイオード(LED)(たとえば、電源オンのため、および、バッテリー充電状態または他の状態のための)あるいは液晶ディスプレイ(LCD)を備える表示画面を含む、視覚的な合図を表示するための任意の表示手段と、吸入器付属機器に適合するように小型化することができる、または、検出監視システムの他の部分に離して配置することができるタッチスクリーンまたは他のインタラクティブな表示と、マイクロプロセッサおよび1つまたは複数のセンサを備える電子基板とを備える。いくつかの実施形態では、吸入器付属機器は、コンピュータと無線または有線で通信する吸入器から発する信号を検知するための受信機および送信機または送受信機と、患者または使用者によって実行されている吸入操作からの情報をアプリケーションにまたは別の方法で、リアルタイムに、行われているのと同時に表示する携帯情報端末(PDA)、タブレット、および/あるいは携帯電話とを備える。吸入器付属機器は好ましくは、データ転送およびバッテリー充電を可能にするために、シリアル(たとえば、USB)ポートまたは他のポートも含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、被験者の吸入器への結合のために吸入器付属機器を提供することと、吸入器付属機器システムを起動することと、被験者に吸入を行わせ、同時に吸入器付属機器で被験者の吸入を監視することと、呼吸器系への治療の効果的な送達のための最適または適切な呼気操作を実現するために被験者の訓練および/または監視を容易にすることと、を含む方法が提供される。検出監視システムは、好ましい流れプロファイルをその個々について実現するために吸入装置を適切に使用するように被験者を訓練するのを容易にし、それにより、薬物の最適な送達を達成することができる。機器および方法はまた、患者に提供される吸入システムの性能、たとえば、送達される服用量の検出、送達される薬品の定量化、送達される服用量の排出期間、被験者に投与される服用の回数を監視するとともに、リアルタイムにおよび/または将来の解析のためにデータを記憶する際に吸入システムの機械的完全性を監視するために使用することができる。ある実施形態では、吸入器付属機器とともに使用される吸入器または吸入器の部品(カートリッジなど)は、たとえば、無線認証(RFID)、カラーコーディング、レーザエッチング、テキストなどのコードまたは識別子を含むことができる。
【0014】
例示的な実施形態では、吸入監視システムのための吸入器付属機器は、インタラクティブに動作するように作ることができ、たとえば、その機器は、データの遠隔取得を可能にする無線通信インタフェースを備えることができ、そのデータを、インタラクティブなデータ表示、データの記録、および/またはウェブをベースとした情報の転送を提供する、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、または他のマイクロプロセッサを基礎としたシステムに送信することができる。あるいは、他の例示的な実施形態は、有線通信インタフェースを備えることができる。
【0015】
1つの例示的な実施形態では、機器は、たとえば、米国特許第7,305,986号明細書および米国特許第7,464,706号明細書、米国特許出願第12/413,405号明細書および米国特許出願第12/484,125号明細書に記載されているような高抵抗の乾燥粉末吸入システムに適合させることができ、それらの開示はすべて、それらが乾燥粉末吸入器に関して開示するすべてについて、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。機器は、薬剤の処方物を格納するカートリッジを有するまたは有しない乾燥粉末吸入器と、圧力センサ、温度センサ、音響センサ、および光学センサなどの電気的、電子的、電気機械的、電磁気的、フォトニクス的、または光発電性の1つまたは複数の変換器と、信号調整回路および/またはソフトウェアプログラムと、電子的信号通信手段と、出力ディスプレイとを備えることができる。このような例示的な実施形態では、機器は、アナログまたはデジタルのセンサ、増幅等の適切な信号調整器、信号のフィルタリング、アナログデジタル変換、オンボード処理のためのマイクロプロセッサ、ならびに、後続の信号処理および/またはリアルタイムな出力表示のための遠隔的なコンピュータ、タブレット、携帯電話、または携帯情報端末(PDA)と通信する無線通信機とともに用いることができる。機器は、あらかじめ計量された単位服用量のカートリッジに格納された、肺循環に送達するための活性成分を含む医薬組成物を送達するために用いることができる。代替的な例示的実施形態では、検知監視装置は、空であるかまたは肺への送達に適した乾燥粉末を格納できるカートリッジを有する乾燥粉末吸入器を備える吸入システム上に、または当該吸入システムの内部に取り付けることができる。
【0016】
肺への送達に好適な微粒子からなる乾燥粉末は、たとえば、米国特許第8,499,757号明細書および米国特許第8,636,001号明細書に開示されているような技術分野においてよく知られており、それらの開示は、それらが微粒子に関して開示するすべてについて、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。それぞれの例示的な実施形態では、乾燥粉末、活性成分は、たとえばタンパク質、ペプチド、またはポリペプチド、およびこれらの組合せとすることができ、また、インスリン、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、パラチロイドホルモン、または、その類似体などの内分泌ホルモンとすることができる。
【0017】
ある実施形態では、肺循環へと送達するための乾燥粉末の処方物は、ペプチド、タンパク質、ホルモン、これらの類似体またはこれらの組合せなどの活性成分または作用剤からなり、この活性成分は、インスリン、カルシトニン、成長ホルモン、トレプロスチニル、パロノセトロン、トブラマイシン、フィルガストリン、エリスロポイエチン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、絨毛性ゴナドトロピン放出因子、黄体放出ホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、血管作用性小腸ペプチド、副甲状腺ホルモン(クロクマPTHを含む)、副甲状腺ホルモン関連タンパク質、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、エキセンディン、プラムリンチド、オキシントモジュリン、ペプチドYY、デオキシリボヌクレアーゼ1、インターロイキン2-誘導性チロシンキナーゼ、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、イノシトール要求キナーゼ1(IRE1)、またはこれらの類似体、活性断片、PC-DAC修飾誘導体、またはそのO-グリコシル化形態、エピネフリン、抗菌物質または抗真菌薬である。特定の実施形態では、医薬組成物または乾燥粉末処方物はフマリルジケトピペラジンからなり、活性成分は、インスリン、副甲状腺ホルモン1-34、GLP-1、オキシントモジュリン、ペプチドYY、ヘパリン、副甲状腺ホルモン放出ペプチド(PTHrP)、5-ヒドロキシトリプタミンレセプタ、プロスタサイクリンまたはPGI2、エピネフリン、ノルエピネフリンを含む神経伝達物質アゴニストおよびアンタゴニスト、およびこれらの類似体から選択される1つまたは複数のものである。
【0018】
本明細書に記載される1つの例示的実施形態では、機器は、乾燥粉末吸入器と通信するセンサを備え、センサは、圧力、流量、温度、および乾燥粉末吸入システムから生成される音響信号を含む少なくとも1つの信号を検出することができ、解析、記憶、印刷、または表示のための少なくとも1つの装置に信号を送信することができる。このような例示的な実施形態では、センサは乾燥粉末吸入器の内部に、または乾燥粉末吸入器に取り付け可能に構成され、このセンサはマイクロフォンとすることができる。
【0019】
ある例示的な実施形態では、吸入システムは、気流に対して高抵抗を有し、抵抗値が毎分約0.065(√kPa)/リットル~毎分約0.200(√kPa)/リットルである乾燥粉末吸入器を備える。高抵抗の吸入システムは、検知監視機器に設けることができる。いくつかの実施形態では、センサは、使用中の吸入器により生成された、本質的特性の信号を検出できる。別の例示的な実施形態では、センサは、音響検出装置またはマイクロフォンを含む音響センサであり、有線または無線通信モードで、音響信号をシステム内の少なくとも1つの別の装置に送信するように構成される。本明細書に記載される、乾燥粉末吸入器のための検知監視機器は、さらに、信号を解析および処理するように構成されるマイクロプロセッサへの音響信号などの、少なくとも1つの信号を伝達する、アナログデジタル変換器と関連付けることができる。別の例示的な実施形態では、少なくとも1つの装置はアナログデジタル変換器である。
【0020】
1つの例示的な実施形態では、少なくとも1つのセンサを備える監視装置と、アナログデジタル変換器と、データ記憶媒体とを備える乾燥粉末吸入器のための監視システムが記載されており、このデータ記憶媒体は、アルゴリズムを実装する処理装置によって実行可能である、マシン読み取り可能な命令のセットを含み、アルゴリズムは、少なくとも1つのセンサからデータを受信するステップと、データをフィルタリングするステップと、データを変換するステップと、データを解析するステップと、データを使用して患者を監視するステップとのうちの1つまたは複数を含むデータを操作するための命令を含む。
【0021】
少なくとも1つのセンサがマイクロフォンである例示的な実施形態では、センサは、吸入器内部の任意の場所、たとえば、気流の導管の内部に、吸入器の壁の内部に、または吸入器の外部に別個の部品として、設けられる。別の例示的な実施形態では、監視装置は、乾燥粉末吸入器に装着可能、または、取付け可能とすることができる取り外し可能な装置とすることができる。さらに別の例示的な実施形態では、監視装置は、吸入のリアルタイムグラフ図であるグラフィカルな表示を提供する。
【0022】
別の例示的な実施形態では、音響信号は、音響信号の振幅、音響信号の周波数、またはそれらの組合せである。さらに他の例示的な実施形態では、センサはさらに、異なる周波数で少なくとも1つの音響信号を測定する。別の例示的な実施形態では、乾燥粉末吸入器はカートリッジをさらに備え、このカートリッジは肺に送達するための乾燥粉末を備えることができる。さらに、乾燥粉末は、ジケトピペラジン微粒子と、少なくとも1つの活性成分とを含むことができる。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの薬物は、インスリン、GLP-1、副甲状腺ホルモン、カルシトニン、それらの類似体、またはそれらの組合せを含む。
【0023】
さらなる実施形態では、検知および/または監視装置は、送達される服用量からの信号を検出するように構成される。本実施形態では、検知監視システムは、使用中の吸入器およびカートリッジシステム内の粉末粒子の動きを、カートリッジからの粉末の送達開始から、粉末粒子の送達終了まで検出することができ、センサは、吸入器の音響および吸入システムから発する粉末粒子の音響の本質的特性の変化を検出する。検出から得られたデータは、これを解析し、吸入システムを通じて放出または送達された服用量、服用分の送達のために経過した時間、および吸入システムのパフォーマンスとの相関をとることができる。
【0024】
別の例示的な実施形態では、検知監視機器は、乾燥粉末吸入器へのジャケットまたはサドル構造などの取付けおよび取り外し可能な装置として提供することができる。本実施形態では、取り外し可能な装置は、乾燥粉末吸入器の構造または構成が変更されないため、吸入システムの使用を容易にする。したがって、ひとたび吸入器の特徴的なパフォーマンスが決定され、被験者が適切にこれを使用することができるようになれば、同一の吸入器をジャケットなしで使用することができる。本明細書の実施形態では、小型マイクロフォンなどのセンサは、ジャケットの任意の領域に好適に装着でき、たとえば、ジャケットまたはアダプタの壁面に埋め込むこともでき、あるいはジャケットの壁面から延伸することもできる。本実施形態では、検知監視装置は、使用中の乾燥粉末吸入器およびカートリッジシステムから発する音響の特徴がより高い精度で得られる。
【0025】
1つの実施形態では、吸入操作の間の圧力差を測定するための方法が記載されており、この方法は、被験者に吸入器を提供することであって、吸入器が、吸入器から生成される、音響信号の少なくとも1つの振幅、音響信号の少なくとも1つの周波数、またはそれらの組合せを検出するように構成されるセンサを備え、被験者に少なくとも1秒間吸入を行わせる、提供することと、データセットを生成するコンピュータシステムのマイクロプロセッサにより提供されるアルゴリズムを使用して、音響信号の少なくとも1つの振幅、前記音響信号の少なくとも1つの周波数、またはそれらの組合せを解析することと、時間および圧力の関数としてデータセットを表示、印刷、または記憶することとを含む。
【0026】
さらなる実施形態では、乾燥粉末吸入器のための監視システムが本明細書に記載されており、その監視システムは、音響センサ、ドップラーを含む少なくとも1つのセンサを備える監視装置と、アナログデジタル変換器と、データ記憶媒体とを備え、そのデータ記憶媒体は、アルゴリズムを実装する処理装置によって実行可能である、マシン読み取り可能な命令のセットを含み、そのアルゴリズムは、少なくとも1つのセンサからデータを受信するステップと、データをフィルタリングするステップと、データを変換するステップと、データを解析するステップと、データを使用して患者を監視するステップとを含むデータを操作するための命令を含む。
【0027】
より一層さらに、いくつかの実施形態では、吸入操作の間の圧力差を測定する方法が本明細書に記載されており、その方法は、被験者に吸入器を提供することであって、吸入器が、吸入器から生成される、音響信号の少なくとも1つの振幅、音響信号の少なくとも1つの周波数、またはそれらの組合せを検出するように構成されるセンサを備え、被験者に少なくとも1秒間吸入を行わせる、提供することと、データセットを生成するコンピュータシステムによって提供されるアルゴリズムを使用して、音響信号の少なくとも1つの振幅、音響信号の少なくとも1つの周波数、またはそれらの組合せを解析することと、時間および圧力の関数としてデータセットを表示、印刷、または記憶することとを含む。
【0028】
他の実施形態では、使用者によって実行される吸入を監視するためのインタラクティブな乾燥粉末吸入システムが本明細書に記載されており、そのインタラクティブな乾燥粉末吸入システムは、少なくとも1つのマイクロプロセッサと空気またはガスの流れを測定することができるドップラー効果センサおよび/または赤外線センサを含む1つまたは複数のアクティブセンサとを備える吸入器付属機器と、レーザビームを含む知覚ビーム、RFID、光学的認識、画像センサなどで識別可能である、色、レーザエッチング、印刷された数字、印刷された文字などの種別識別子を有するカートリッジを備える乾燥粉末吸入器とを備え、知覚ビームが、色、服用の種類、服用量などを検出するためにカートリッジと一体的に構成される識別子コードを検出することができる。画像検出センサは、光学式文字認識を使用して服用量または他の識別子を検出するために、オンボードまたはリモートコンピューティングとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、乾燥粉末吸入器は、毎分0.065(√kPa)/リットル~毎分0.200(√kPa)/リットルである流れ抵抗値と、使用中の吸入器から生成された信号を検出するよう構成された変換器と、使用者により行われる吸入操作をリアルタイムに表示するよう構成された表示装置とを有する。別の実施形態では、変換器は、吸入器内の圧力差を検知および測定する。さらに、この変換器は、乾燥粉末吸入器の空気導管を通じての流量を検知および測定するように構成される流量計とすることもできる。この変換器は、たとえば、吸入器内部から生成される音響信号を検知および測定するように構成されるマイクロフォンとすることができる。
【0029】
さらに他の実施形態では、乾燥粉末吸入器に適合するための検知監視装置が本明細書に記載され、その検知監視装置は、乾燥粉末吸入器に適合するように構造的に構成された取り外し可能な装置を備え、前記取り外し可能な装置が前記乾燥粉末吸入器において生成される音を検出するマイクロフォンを備え、乾燥粉末吸入器が毎分0.065(√kPa)/リットル~毎分0.200(√kPa)/リットルの流れ抵抗値を有する。
【0030】
さらに、いくつかの実施形態では、乾燥粉末吸入システムのための検知監視装置が記載され、乾燥粉末吸入システムは乾燥粉末吸入器とカートリッジとを備え、検知監視装置は、乾燥粉末吸入システムから放出される乾燥粉末処方物から生成される音響信号を検出するように構成されるマイクロフォンを備える。
【0031】
いくつかの実施形態では、乾燥粉末吸入器は、ハウジングと、可動部材と、マウスピースとを備え、可動部材は、粉末収容位置から投薬位置まで容器を移動させるように動作可能に構成される。本実施形態および他の実施形態では、可動部材は、吸入器の近位端における蓋組立体の一部として構成させることができ、カートリッジ取付領域の一部を形成する。本実施形態では、マウスピースは、吸入器を閉じたときにカートリッジ取付領域上のハウジングを覆う蓋またはカバー部と一体的に構築される。水平面から下方向にマウスピースを移動させることにより、垂直位置に対してある角をなす方向に蓋またはカバーが移動し、吸入器の内部にアクセスできるように吸入器が開き、カートリッジの装填および取り外しが可能になる。逆に、垂直面から水平面への上方向にマウスピースを移動させることにより、吸入器が閉じられ、吸入器とカートリッジ取付領域上に装填されたカートリッジとの間に空気路の開口が自動的に生成される。
【0032】
別の実施形態では、乾燥粉末吸入器は、本体と、ハウジングと、マウスピースとを備え、吸入器は、開位置と、閉位置と、カートリッジを受け入れ、保持するとともに、前記吸入器を開位置から閉位置へと移動させると、収容位置から分配、投薬、または用量送達位置へとカートリッジを再構成するように動作可能に構成されるメカニズムとを有するように構造的に構成される。本実施形態の変形例では、メカニズムはまた、使用後に吸入器を開放して使用済みカートリッジを取り外すとき、吸入器に装着されたカートリッジを投薬位置から収容位置へと再構成することができる。いくつかの実施形態では、メカニズムは、使用後にカートリッジを使い捨てまたは廃棄構成に再構成することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、吸入器の本体は、マウスピースを備える近位部と、本体と、本体の部分および吸入器の内部部品の上のスリップオンカバーとして構造的に構成されるハウジングを備える遠位部とを備え、ハウジングは遠位端と近位端とを備え、近位端は、吸入器本体の部分を適合して、密閉するための開口を有する。いくつかの実施形態では、近位端は、外部環境から吸入器を閉鎖するように、吸入器本体に接触または当接する。閉構成から、吸入器は、本体上を並進運動で遠位方向にハウジングを移動させることによって開けられて、カートリッジを挿入または取り外す吸入器装填および/または取り外し位置に達する。カートリッジが吸入器に取り付けられると、本体上でのハウジングの遠位から近位方向への並進移動により、カートリッジは収容構成から投薬構成まで移動し、カートリッジ容器は、近位端で開口を越えて延在するハウジングの内部に構成される突出部によって投薬構成まで押される。閉構成では、吸入器に取り付けられたカートリッジは、吸入時に投薬構成におけるカートリッジの乾燥粉末にアクセスするために、マウスピースおよび周囲空気とのさらなる空気流路を形成するように再構成される。本実施形態および他の実施形態では、投薬構成におけるカートリッジの空気流路は、空気入口と、マウスピースの空気流路と連通する空気出口とを有し、マウスピースは、独自の空気入口および空気出口を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、吸入器の本体は、本体の近位端に形成されるマウスピースを備え、ハウジングの内部と連通し、吸入器に取り付けられたカートリッジの空気出口と、および周囲空気と直接連通することができる空気導管を有する。吸入器本体はまた、マウスピースと構造が連続し、遠位部および近位部を有するカートリッジ取付領域を備え、近位部および遠位部は、マウスピースと1つの単一の部品を形成し、ハウジングに挿入可能である。いくつかの実施形態では、本体とハウジングとは、内部構成機器へのアクセスのための吸入器開構成に達するために、引き離すことができる。本実施形態の開構成では、乾燥粉末を含むカートリッジは、本体のカートリッジ取付領域に装填または取り付けることができ、本体およびハウジングは、吸入器を開閉するために、押すまたは引っ張ることができる。いくつかの実施形態では、ハウジングは、開構成から閉構成まで本体の遠位部上を移動可能であり、それらは一緒に吸入器を閉じ、カートリッジ取付領域に取り付けられたカートリッジを通る空気導管の形成を実現する。本構成では、吸入器は、マウスピースを通しての使用者による経口吸入時に、カートリッジの粉末が吸入器から放出される投薬構成に到達する。本実施形態の投薬構成では、本体およびハウジングは、互いに当接し、吸入器がバラバラになるのを防ぐために、1つまたは複数の滑り止め構造によって一緒に密に適合される。滑り止め機能の例はスナップリングまたはデテントであり、それは吸入器の使用準備ができていることを使用者に通知するために、音を生成することができる。いくつかの実施形態では、吸入器は、遠位側および近位側の長さでより短い、略長方形の形状であり、本体上のハウジングの移動またはその逆も、引っ張りまたは押し込み、ならびに、縦断面における吸入器のより長い側部(第1の側部および第2の側部)から外方に延在するガイドレールまたはトラックを有する吸入器本体によって実現する。本実施形態では、吸入器本体は、吸入時に吸入器の内部室に周囲空気を受け入れて導くために、ハウジングの遠位端で開口に適合するように、その遠位端で開口を有するように設計される。ハウジングはまた、移動中、ガイドレール上を滑るように進むための溝またはスロットを有するように適切に構成され、さらに、吸入器の分解を防ぐ停止端と、取付けおよび吸入器の閉鎖後に、カートリッジを投薬構成に設置するための押し要素とを備える。押し要素は、カートリッジ蓋に対してカートリッジカップまたは容器を移動させて、カートリッジを通る空気流路を形成し、空気入口および空気出口を作成し、吸入器マウスピースおよび使用者にエアロゾル化粒子を送達するために、吸入中、カップの粉末のエアロゾル化を可能にする。別の実施形態では、押し要素はまた、カートリッジ組立体を移動させて、マウスピースの床部に配置される入口開口に対して蓋を配置する。本実施形態の1つの態様において、乾燥粉末吸入器は、押し要素を備えるハウジングを備え、ハウジングは、開構成から閉構成まで吸入器本体上でハウジングを平行移動させることによってマウスピースと整列させるようにカートリッジを設置する。
【0035】
いくつかの実施形態では、乾燥粉末吸入器は、遠位端を有して、周囲空気と連通するための開口が構成されるハウジングを備える。いくつかの実施形態では、ハウジングは、吸入器本体上を滑るカバーの形状で構成され、吸入器の本体の一部を実質的に包み、ハウジングは、本体の遠位部上を並進的に移動する。吸入器は、2つの構成、その内部区画である室にアクセスするために吸入器を開ける第1の位置と、吸入器を閉じるために近位端に当接する第2の位置とに到達することができる。いくつかの実施形態では、ハウジングの遠位部はまた、水平面において近位端に対して移動可能であり、遠位に延在して、吸入器の内部構成機器へのアクセスを可能にし、吸入器本体を完全に囲む。本実施形態の変形例では、ハウジングの遠位部は、吸入器の本体の部分を係合するための並列構造またはフランジを備え、たとえば、吸入器の本体をハウジングと係止するための固定機構を形成して、2つの部品を一緒に固定して投薬構成を維持する。ある実施形態では、ハウジングの遠位部は、吸入器の内部と連通するためのその遠位端における開口と、吸入器本体上を摺動するように構成された開口とを有する。ハウジングの遠位部はまた、吸入器本体上を摺動するように構成される外面、内面、および室を備える。いくつかの実施形態では、吸入器の遠位部は、吸入中、マウスピースに空気流を導くために、その上面上に平行なウィング状の構造を備える。
【0036】
代替の実施形態では、マウスピースは、ヒンジなどの可動部材を含むさまざまなメカニズムによって吸入器の本体に係合され、カートリッジカップまたは容器に対してカートリッジ蓋を移動させるためのラックを含む、移動可能な組立体と一体的に構成される。移動可能な組立体は、吸入器に取り付けられたカートリッジを受け入れ、収容位置から投薬位置へと再構成するように構成され、たとえば、装置を開構成から閉じることによって、吸入器構成要素を移動させる際に、手動でまたは自動で動作するように設計することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジを再構成するメカニズムは、マウスピースに取り付けられ、ハウジングに移動可能に取り付けられたスライドトレイまたはスレッドを備える。別の実施形態では、メカニズムは、吸入器に装着されるか適合され、たとえば、吸入器装置のヒンジ内に一体的に装着された歯車付きメカニズムを備える。さらに別の実施形態では、カートリッジを受け入れ、収容位置から投薬位置へと再構成するように動作可能に構成されたメカニズムは、たとえば、ハウジングまたはマウスピースが回転すると、カートリッジを再構成することができるカムを備える。いくつかの実施形態では、マウスピースの水平面からの角回転は、吸入器を開いて、カートリッジの取付けまたは取り外しを可能にし、垂直面から水平面への角運動またはマウスピースは、マウスピースの閉鎖、および収容位置から投薬位置へのカートリッジの自動再構成を実現する。ある実施形態では、動作中の歯車メカニズムは、マウスピースの入口開口に対してカートリッジ蓋を設置し、投薬構成へのカップの並進を実現する。
【0037】
いくつかの実施形態では、被験者により使用される吸入器が被験者に提供されて、吸入機器およびシステムを起動して、患者に吸入器マウスピースを使用して息を吸うように依頼することによって、吸入器に適合された吸入器付属機器を使用して患者吸入プロファイルが決定される。患者の呼吸と同時に、吸入器付属機器は、患者の呼吸からリアルタイムに生成されるこのようなデータに関するシステムまたはインジケータによって検出および監視されるデータの表示を実行する。本実施形態および他の実施形態では、表示は、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、WiFi、SmartWave、またはZ-Waveなどのマイクロ波無線信号送信機および受信機、または送受信機を備える吸入器付属機器上のマイクロプロセッサと通信する、アルゴリズムアプリケーションを備える携帯電話、タブレット、PDA、またはコンピュータで見ることができ、このマイクロ波無線信号は、吸入器付属装置と通信できる携帯電話に提供されたアプリケーションによって検出可能である。ある実施形態では、送受信機からのマイクロ波無線信号は、マイクロプロセッサから伝送することができ、互いに通信するために、コンピュータの送受信機で受信することができる。ある実施形態では、吸入器付属機器は、タブレット、携帯情報端末(PDA)、または携帯電話と通信し、タブレット、PDA、または携帯電話は、オンにされたときに、吸入器付属機器と通信することができて、吸入システムから生成される任意の情報/信号を検出することができる、グラフィカルなインタフェースで画面を表示するプログラムされたアプリケーションにアクセスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、吸入器に装着された無線乾燥粉末検出検知吸入器付属機器の実施形態の等角図を示す。
図2図2は、吸入器に装着された有線乾燥粉末検出検知吸入器付属機器実施形態の実施形態の等角図を示す。
図3図3は、無線検出検知吸入器付属機器の実施形態の上面等角図を示す。
図4図4は無線検出検知吸入器付属機器の実施形態の底面等角図を示し、電子基板を示す。
図5図5は、図4の電子基板の上面図を示す。
図6図6は、一体型の信号表示ボタンを含む、図1に示されるような検出検知吸入器付属機器の実施形態に連結された乾燥粉末吸入器の等角図を示す。
図7図7は、局所信号表示ボタンを含む、図2に示されるような検出検知吸入器付属機器の実施形態に連結される乾燥粉末吸入器の等角図を示す。
図8図8は、吸入器に装着されて、一体型の表示画面を含む無線乾燥粉末検出検知吸入器付属機器の実施形態の等角図を示す。
図9図9は、本明細書に開示される無線検出監視システムの全体的な実施形態のブロック図を示す。
図10図10は、本明細書に開示される検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。
図11図11は、本明細書に開示される検出監視システムの別の実施形態のブロック図を示す。
図12図12は、投薬のための吸入有効性を監視するための、息を吸うように指導された被験者によって実行された吸入操作を視覚的に示す。
図13図13は、吸入器付属機器が圧力センサを含む、本明細書に開示される無線検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。
図14図14は、吸入器付属機器が圧力センサおよび表示部を含む、本明細書に開示される検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。
図15図15は、吸入器付属機器が圧力センサおよび視覚的なインジケータを含む、本明細書に開示される検出監視システムの別の実施形態のブロック図を示す。
図16図16は、吸入器付属機器が色検出センサおよび圧力センサを含む、本明細書に開示される無線検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。
図17図17は、吸入器付属機器が色検出センサおよび表示部を含む、本明細書に開示される検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。
図18図18は、吸入器付属機器が色検出センサおよび視覚的なインジケータを含む、本明細書に開示される検出監視システムの別の実施形態のブロック図を示す。
図19図19は、図16のシステムによって、使用者の吸入を訓練または監視する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
吸入器による吸入操作中に圧力もしくは圧力降下および/または被験者からの流れのリアルタイムの特性変化を測定または監視するインタラクティブなシステムを有する機器および/または装置、およびその方法が、本明細書に開示される。この装置は、吸入装置と併用して、被験者の呼吸操作の効率を最大化するように被験者を検出および監視、そして結果的に訓練するために使用することができ、使用時に適切な服用量の送達、服用量送達のタイミング、および吸入システムの適切な性能を検出するために、薬物の送達中に吸気を監視するために使用することもできる。1つの例示的な実施形態では、検知監視機器は、高抵抗吸入器と併用して、適用することができる。本明細書の実施形態では、検出監視システムは、吸入器を使用して、特に、乾燥粉末吸入器と併用して、吸入操作の多くの特性パラメータを測定することができ、それには、吸入の始まりの2秒以内のピーク吸入活動(PIP)、吸入の最初の1秒の総吸入活動(AUC)、患者の吸入活動の総吸入量および吸入の継続時間を評価するために生成されるデータが含まれる。手持ち型吸入器システムは、2つの部分、吸入器および吸入器付属機器を備えるように記載されるが、吸入操作中のデータおよび特性を測定または監視するための本システムおよび方法の発明のデザインは、融通性および再使用可能性を犠牲にするが、付属品機能を吸入器自体に一体化された装置にも適用できることを当業者は理解できる。
【0040】
機器は、吸入器上への装着、または、その他の場合の吸入器との関連付けに適した吸入器付属機器を備える。機器は、そしてそれは圧力、空気流、空気の体積、湿度、および温度を含む少なくとも1つの測定値を検出できて、それらを電気信号に変換できる少なくとも1つの変換器またはセンサを備える。いくつかの実施形態では、センサは、吸入器を通して空気またはガスの流れを検出できるドップラー検知装置を備えることができる。他の実施形態では、センサは、吸入操作中の圧力降下を検出できる圧力センサを含む。吸入器付属機器は、信号フィルタリング、増幅、およびアナログデジタル変換などの適切な信号調整回路を含む回路要素を有する電子基板、ならびに、信号または処理した情報の表示のための携帯電話を含む受信側のコンピュータまたは携帯情報端末(PDA)に同時にまたはリアルタイムに生成された信号を転送するためのマイクロプロセッサなどの処理回路、および有線または無線通信インタフェースなどをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、出力表示部はインタラクティブな表示部とすることができ、それにより、表示装置部は、達成された吸入操作パラメータを医師および/または患者が見ることを可能にするための視覚的支援を行う。このようにして、得られた情報は、被験者が繰り返し可能な吸入操作をリアルタイムに実行するための教示ガイドの役割を果たすことができ、それによって、自己投与であるとき、薬物の適切な吸入送達を容易にする。別の例示的な実施形態では、データは、後日解析されるように記憶できる。
【0041】
図1~7は、乾燥粉末吸入器システムまたは訓練装置およびその構成部品の実施形態を示す。本明細書に記載される訓練装置インタラクティブシステムは、米国特許第8499,757号明細書、米国特許第8,636,001号明細書、および米国仮特許出願第62/289,095号明細書で開示されているような高抵抗乾燥粉末吸入器に適合されており、それらの開示は、乾燥粉末吸入器に関してそれらが開示するすべてについて、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0042】
図1および図2は、それぞれ、無線および有線の吸入検出監視システム10、12を示す。システムは、使用者/患者に粉末を送達するための空気導管16および空気出口ポート17を有するマウスピース15を備える吸入器14を備える。吸入検出監視システム10、12はまた、吸入器14上への装着、吸入器14との接続、または別の方法での吸入器14との関連付けに適した吸入器付属機器18を備える。本実施形態では、吸入器付属機器は、システム10、12の電源をオン/オフするためのアクチュエータボタン19を含む。空気導管は、少なくとも1本の空気導管経路が使用時、個人への送達のために乾燥粉末を格納する入れ物を通って移動するシステムを通して空気導管経路を確立するために、1つまたは複数の空気入口ポートの間に確立される。いくつかの実施形態では、吸入器は、吸入器の適切な使用のための患者の訓練中、粉末を格納していない。図1および2の実施形態では、吸入器14は同じ種類の乾燥粉末吸入器であり、吸入器付属機器18は吸入器14の頂面に適合可能である。図2は、電源および/またはコンピュータに接続するための、システムに接続されたワイヤ22を有する吸入器付属機器18を示す。
【0043】
図3は、吸入器に適合するように設計された吸入器付属機器24の別の実施形態の上面等角図を示す。図4は、機器24の底面等角図を示す。図3および4から分かるように、付属機器24は好ましくは、吸入器に取り付けるタブ25、25’を有する本体を備える。しかしながら、機器を吸入器と係合するために、当業者に知られている他の種類の固定装置を使用することができる。機器24は好ましくは、使用のために機器を起動するためのアクチュエータボタン26も含む。本実施形態では、本体は、頂面27と、底面28と、底面に取り付けられる電子基板30とを有する。図4は、その下面28に一体的に組み込まれた電子基板30を有する吸入器付属機器24の実施形態を示す。図4および図5は、電子基板30をさらに示す。電子基板30は好ましくは、アクチュエータボタン26に機械的にまたは別の方法で接続されるアクチュエータ26’と、センサ29と、マイクロプロセッサ32とを備える。マイクロプロセッサ32は、関連する吸入器からの信号の始動、検出、処理、および表示装置への情報/信号の通信を提供する。本実施形態では、電子基板30は、信号処理/インタフェース基板として構成される。センサ29は、吸入中に生成される音を検出するための音響センサ、または、吸入中の圧力降下を検出するための圧力センサなどの、任意の種類のセンサとすることができる。吸入器付属機器24には好ましくは、アクチュエータボタンが押し下げられたときにシステムを起動するための電源として電池も設けられる。吸入器付属機器24に含まれる電子機器は、機能のために必要に応じて適切な手段によって接続される別個の基板上の別個の回路部品として設けることができることを当業者は理解するであろう。たとえば、マイクロプロセッサ32は、センサ29の配置の必要性のために、センサ29とは別の基板に存在することができる。
【0044】
別の実施形態では、吸入検出監視システムには、図6および7に示されるようなインジケータが設けられる。図6は、信号インジケータ35、36を示す、図1に示された吸入器付属機器に連結された乾燥粉末吸入器の等角図を示す。図7は、信号インジケータ35、36を示す、図2に示された吸入器付属機器18に連結された乾燥粉末吸入器の等角図を示す。信号インジケータ35、36は好ましくは、使用者に特定の状態を示すための発光ダイオードまたは他の光インジケータである。たとえば、それらは、薬物の吸入が成功したかどうかを示すのに使用することができる。この場合、たとえば、1つのインジケータは赤色信号灯を示すことができ、もう1つは動作中、緑色信号灯を示すことができる。信号インジケータ35、36は、失敗または成功をそれに応じて示す。失敗吸入インジケータ(赤色光)は、実行される被験者または患者の吸入操作が、吸入器に含まれる粉末服用量を吸入するための1つまたは複数の所定の基準を満たさなかったことを示し、成功吸入インジケータ(緑色光)は、被験者または患者の吸入操作が、吸入器に含まれる粉末服用量を送達するための適切な基準を満たすことを示す。あるいは、状態に基づいて色を選択できる場合、または、たとえば、状態を示すのに点滅を使用できる場合は、1つのみの信号インジケータを使用することができる。信号インジケータ35、36の他の使用には、電源オン/オフ、電源異常、または、電池残量が少ないことの表示、または、付属機器と吸入器との間の接続状態を含む可能性がある。
【0045】
図8は、無線乾燥粉末検出検知吸入システム12の代替の実施形態の等角図を示し、吸入器14上に装着され、付属機器42の本体上に一体的に構成された表示画面44が構成され、それにより、患者は、自身の吸入活動と同時に吸入操作を可視化することができる吸入器付属機器42が示されている。本実施形態では、吸入器付属機器42は、図4および5に示されるような電子基板30を備え、吸入器に関する信号情報はマイクロプロセッサ32で処理され、結果として得られる処理済情報は、表示画面44に通信されて、好ましくは、使用される吸入器の1つまたは複数の所定の基準と比較したグラフィカルな表示として提示される。このグラフおよび関連するデータ点は好ましくは、電子基板30上で局所的に記憶されるが、遠隔に記憶させることもできる。本実施形態および他の実施形態では、吸入器の所定の基準は、使用される吸入器および薬物に依存する。いくつかの実施形態ではおよびこれとともに図に示される実施形態では、使用される基準は、ピーク吸気圧、放出された服用量など前に示したものである。
【0046】
図9、10、および11は、図1~8に示される吸入検出監視システムのさまざまな動作上の実施形態を示す。図9は、本明細書に開示される無線検出監視システム50の全体的な実施形態のブロック図を示す。図9では、システム50は、2つの構成要素である、付属機器54と処理システム56とを備える。本実施形態では、吸入器付属機器54は、2つのセンサ51、52と、電池53と、マイクロプロセッサ70と、無線通信機または送受信機72とを有する電子基板を備える。アナログセンサ51およびデジタルセンサ52は、吸入検出監視システム10、12が起動されたまたはオンにされたとき、吸入器14の音響信号または圧力差を検出することができるように、吸入器空気流導管に隣接してあるように配置される。システムは、システムに電力も提供する電池53などの電源に接続されたアクチュエータボタン19、26を押し下げることによって電源がオンになる。あるいは、システムは、USBポートなどのワイヤで電力を供給できる。センサ51、52は好ましくは、吸入器付属装置18、24の空気導管内のまたはそこに隣接する任意の点に配置される。いくつかの例示的な実施形態では、センサ18、24は、付属装置の本体20内の空気導管に、または、使用される吸入器のマウスピース15の近くに配置することができる。
【0047】
処理システム56は、PDA、タブレット、携帯電話、またはコンピュータ57と、表示部58と、無線通信機59と、デジタル記憶装置、ウェブのインタフェース、プリントアウト、または電子メールなどの形態とすることができる出力55とを含むことができる。表示部58、無線通信機59、および出力55が、別個の要素ではなく、PDA/タブレット/携帯電話/コンピュータ57内に単に存在する可能性があることは、当業者によって理解されるべきである。本例示的実施形態では、使用者は、電源ボタン、たとえば、機器10上のボタン19を押し下げることによって、吸入器付属機器54を起動することができ、処理システム56も起動される。コンピュータ57は好ましくは、吸入活動を収集および表示するように設計されたソフトウェアアプリケーションまたはプログラムの形態のアルゴリズムを含む。コンピュータ57に組み込まれたソフトウェアプログラムが開始されると、開始信号が表示部58に現れる。システムが起動された場合、使用者の吸入60により、吸入器訓練装置50内に圧力降下が生じ、この圧力降下は、センサ51、52のうちの1つまたは複数によって電気信号に変換される。本実施形態では、センサ51、52は、アナログまたはデジタルである、圧力、流れ、音、光、ガス、湿度、または温度の変換器とすることができる。次いで、センサ51から生成された電気信号は、信号調整器61に伝送されて、信号の雑音などの信号の不要な部分を取り除く。次いで、調整された電気信号62は、帯域制限器63に伝送され、所望の低減範囲まで信号の周波数を低減して、解析する必要があるデータを選択し、次いで、信号は信号増幅器64に伝送され、信号増幅器64において、選択された信号は所定の電圧範囲に増幅され、増幅された信号65として伝送することができる。次いで、増幅された信号65は、アナログデジタル変換器66を介してデジタル信号67に変換される。調整、フィルタリング、増幅、および変換機能のいくつかをセンサ自体に統合する特定の「スマート」センサを使用できることは、当業者によって理解されるべきである。したがって、本明細書のこれらの後続の要素への参照は、このような一体型センサの使用に差し替えることができる。次いで、デジタル信号67は、マイクロプロセッサ70に受信され、無線(たとえば、Bluetooth(登録商標))信号69を受信するための無線通信機59を有するコンピュータ57への伝送のために接続74を介して、無線技術標準(たとえば、Bluetooth(登録商標))を使用する伝送のために設計された無線通信機または送受信機72に伝送される。マイクロプロセッサ70またはコンピュータ57に組み込まれた/プログラムされたソフトウェアプログラムは、無線の存在を示すこと、無線通信機または送受信機59に接続すること、および、要素から要素に無線信号69によってデータを渡すことを含む、吸入器付属機器の基本機能を容易にする。プログラムはまた、センサ1、2からの電気信号を、表示部58で視覚的に表示できる圧力値に変換する。表示部58は、LED、OLED、LCD、タッチスクリーン、または他のインタラクティブな表示部を備える画面とすることができる。ある実施形態では、使用者のためのベースライン曲線が、システム50に記憶されて、吸入信号情報とともに表示部58に提供される。ベースライン曲線は、吸入器種類に対する性能のレベルを示し、使用者の吸入操作を導く参考基準として吸入器訓練装置10を使用して測定された略正確な服用量を患者に送達する。したがって、吸入中、使用者は、自らの吸入操作をベースライン基準と視覚的に比較することができる。使用者の訓練中、薬物形態吸入器を除くことが可能であり、それにより、間違った吸入操作で薬物が無駄になることはない。このようにして、使用者は、薬品が実際に吸入されるとき基準の条件に従わせるように自身の吸入活動を変えることができる。被験者によって実行された吸入ごとの表示データは、第2の接続76を介して出力55に待避させることができ、このデータは、状況に応じて記憶または転送することができる。たとえば、出力55は、ディスクドライブまたはフラッシュドライブまたはプリンタの形態とすることができる、あるいは、必要に応じて再検討またはさらなる訓練のために電子メールまたはテキストを介して医師に伝送されてもよい。いくつかの実施形態では、吸入訓練装置からの信号は、コンピュータ/PDA/携帯/タブレットに伝送することができ、コンピュータ/PDA/携帯/タブレットからの信号は、吸入訓練装置によって受信することができ、それによって、2つの構成要素の間に双方向通信を確立する。たとえば、使用者は、患者番号、投薬強度、状態についてのコメントなどの特定の情報をコンピュータ57に入力することができる。本実施形態および他の実施形態では、センサ52は、デジタルセンサ、またはデジタル出力を生成できるセンサである。それは、加速度計、ドップラーセンサ、luxometer、またはレーザとすることができ、検出された信号は、オンボードマイクロプロセッサに直接伝送することができ、その後、解析、処理、および伝送することができる。マイクロプロセッサの信号情報は、アルゴリズムを使用して解析および処理することができ、そのデータを、たとえば、表示することができるグラフィカルなインタフェースを使用する圧力対時間曲線に変換する。両方が採用される場合、センサ52からの信号は、センサ51の信号とは異なる流れ、圧力差に関する情報を伝えることができる。
【0048】
さらに、他のオンボード装置78は、1つまたは複数のケーブル79を介して、マイクロプロセッサ70にデータを送信できるとともに、マイクロプロセッサ70からデータを受信することができる。たとえば、他のオンボード装置は、デジタル出力センサ、温度センサ、発光ダイオード(LED)、音で警告する装置、および他のオンボードセンサを含むことができる。これらのオンボード装置は、LED照明またはこのような失敗/失敗の可聴インジケータで、吸入操作の成功/失敗基準を出力するのに使用することができる。温度、湿度、または他の環境データは、吸入器が使用された環境を決定するのに使用することができる。
【0049】
センサ51の出力について、信号増幅に続いて、増幅された信号65は、無線通信機72を介してコンピュータ506に代わりに直接送信することができ、コンピュータは、アナログデジタル変換および他の必要とされる解析ステップを実行することができる。
【0050】
図10は、一体型の表示部で図8に開示された検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。吸入検出検知機器82は、内蔵表示部84と、マイクロプロセッサ86と、アナログセンサ88と、デジタルセンサ89とを有するオンボード電子機器システムを備える吸入器付属機器を備える。システムは使用時、使用者90がアクチュエータボタン19を押し下げることによって、電池92から供給される電力で起動する。使用者が、オンボード電子機器システム82を備える吸入器付属機器と適合される吸入器を通して吸入するとき、センサ88、89のうちの1つまたは複数は、マイクロプロセッサ86に伝送される信号を生成する。たとえば、音響センサまたはマイクロフォン88は、過剰雑音を取り除くために信号調整器96に伝送される電気信号94を生成するために使用することができ、その後、電気信号は、帯域制限器98に送信され、分析する必要があるデータを低減する所望の範囲まで信号の周波数を低減し、次いで、信号は信号増幅器95に伝送され、信号は増幅されて、アナログデジタル変換器97に伝送され、デジタル信号は、解析および情報のグラフへの変換のためにオンボードマイクロプロセッサ86に通信され、可視化するために表示部84に送信される。デジタルセンサであるセンサ89は、信号を検出して、マイクロプロセッサ86への伝送のための信号の組を生成するために、センサ88の代わりに、または、センサ88と併用して使用することができ、信号は解析され、記憶され、そして同様に表示部82に送信される。他のセンサ99を含む他の装置も、吸入器またはシステムの他のパラメータを検出するために含むことができる。
【0051】
図11は、システムの動作部を示す一体型表示部ではなく、性能の視覚的なインジケータを有する、本明細書に開示される検出監視システム100の実施形態のブロック図を示す。本実施形態では、2つのセンサ、アナログセンサ101およびデジタルセンサ102が設けられる。電池103によって電力が供給されるシステム100の起動時、患者/使用者105は吸入し、吸入器導管を通って進む空気流からの音などの信号を生成する。センサ101、102は起動されて、吸入器からの信号を作り、信号を下流に伝達する。センサ102は受信できるドップラーとすることができる、たとえば、空気流検出からの出力信号は、アナログまたはデジタルとすることができる。センサ102からの出力信号がデジタルである場合、それらは、入ってくる情報の解析および処理のためにマイクロプロセッサ110に直接伝送される。同時に、センサ101は、吸入器で検知される電気信号を、過剰雑音を取り除くために、信号調整器106を通して生成し、次いで、調整された信号は、解析するデータを選択するために、帯域制限器108に伝送される。次いで、制限された信号は、信号増幅器109に伝送され、信号は増幅されて、アナログデジタル変換器112に伝達される。次いで、受信された信号は、デジタル信号に変換され、たとえば、視覚的なまたは光信号にデータを変換するアルゴリズムでの解析および処理のために、オンボードマイクロプロセッサに伝送され、緑色光または赤色光などの視覚的なインジケータとして表示することができ、患者の吸入活動が、乾燥粉末服用量を送達するのに適切な活動による吸入を意味する「成功」であるかどうか、または、患者の吸入活動は、テストされた吸入器から乾燥粉末服用量を送達するには不十分であったかどうかを示す。本実施形態では、使用するセンサの種類に依存する、他のセンサ、または信号調整器、増幅器、およびアナログデジタル変換器などの他のオンボード装置115は、回路に一体化することができる。たとえば、吸入器付属機器は、2つ以上のアナログセンサを有することができ、したがって、電気信号は、情報の解析および処理のためにマイクロプロセッサに伝送される前に、アナログデジタル変換器を通過しなければならない。代替的な実施形態では、出力信号がマイクロプロセッサと直接通信することができるデジタルセンサを使用することができる。
【0052】
他の実施形態では、吸入器付属機器は、温度センサ、レーザビーム、ドップラーセンサ、luxometer、色センサ、テキスト認識、RFID、光学式文字認識、光学識別、パターン認識を含む、1つではなく、1つまたは複数のセンサを有することができ、出力信号は、たとえば、デジタル信号出力ではない場合、マイクロプロセッサに到達すると、さらなる解析および処理のためにデジタル信号に変換しなければならないアナログ信号出力とすることができる。これらのセンサは好ましくは、吸入器付属機器上に含まれる投与するためにどの薬物が吸入器に装填されているか、および、このような薬物のどのカートリッジタイプまたはどのような投薬量が吸入器に装填されているかを識別する。
【0053】
図12は、図9の処理システム56のタブレット/コンピュータ/PDA/電話57のスクリーンショットを示す。コンピュータ57は、Bluetooth(登録商標)または別の遠隔無線技術を使用して吸入器付属機器54と遠隔で通信するのに使用され、吸入器付属機器54は吸入器に適合され、被験者は、システムが起動されると、吸入器のマウスピースを通して吸入するように求められる。図12に示される画面上の結果として得られるグラフは、吸入操作に対応してy軸上の吸入活動としてプロットされ、センサ(たとえば、圧力)測定値および流れ対x軸上の時間(秒)を考慮する。被験者の吸入活動は、グラフの底部の台形B図の上の曲線Aによって表される。台形Bの外側限界(すなわち、領域より上)は、被験者が服用量を摂取する際に吸入器の粉末の内容物を空にするために使用される吸入器からの粉末服用量を効率的かつ継続的に吸入できるように努力しなければならない閾値または最小吸入活動を示すと解釈される。吸入器付属機器に配置される、本明細書に記載されているような識別センサは、吸入器、薬物種類、投薬量、ロット、呼気などと関連付けられたデータを検出および伝送する。このようなデータは、使用者指示のために対応する閾値データを識別するために処理される。台形はまた、吸入器が示す最小限の特性基準、または、吸入器が継続的に乾燥粉末服用量を送達するために必要とする努力を示し、その送達は患者に対するものの90%より大きい。図12は、深く吸入するよう依頼された被験者によって実行された吸入操作の例示的な表示を視覚的に示し、吸入を実行しながらタブレット上の表示画面を見ることができる。このような曲線から分かるように、被験者は、領域Aにおいて、許容可能な値内で完全に実行した。
【0054】
さらに、図12は、吸入器付属機器10および薬物識別のためにベースライン吸入性能基準を示す。使用者の検出された曲線Aは、領域Bのすぐ上の警告領域、および、警告領域より上の許容可能なまたは好ましい領域Cによって隣接されている。領域BおよびC、ならびに警告領域は、吸入中に個人の性能を監視する際に領域の識別を容易にするために異なる色で与えることができる。領域Bは、たとえば、赤色で示すことができ、吸入操作がベースライン条件を満たしておらず、したがって、送達システムが、薬物を効果的に送達するのに最適ではないことを示す。警告領域は、黄色で示すことができ、吸入操作が、許容不可能な成果の努力に近づいているという警告を示す。好ましい領域Cは、緑色で示すことができ、吸入性能が、薬物を効果的に送達するための許容可能な努力になっていることを示す。機器の1つまたは複数のセンサから検出されたこの表示された情報は、適切な投薬が行われたかどうか判定するために臨床医、医師、または使用者が使用することができ、あるいは、その情報は、どれくらいの努力が薬物の適切な投薬を保証するために必要かに基づいて、使用者を訓練するのに使用することができる。
【0055】
図13、14、および15は、図1~8に示される吸入検出監視システムのさまざまな動作上の実施形態を示す。図13は、本明細書に開示される無線検出監視システムの全体的な実施形態のブロック図を示す。図13では、システム120は、2つの構成要素である、吸入器訓練装置または付属品機器124と、処理システム126とを備える。処理システム126は、PDA、携帯電話、またはコンピュータ127と、表示部128と、無線通信機129と、デジタル記憶装置、ウェブのインタフェース、プリントアウトなどの形態とすることができる出力125とを含むことができる。本例示的実施形態では、使用者は、電源ボタン、たとえば、訓練装置10上のボタン19を押し下げることによって、吸入器訓練装置または機器120を起動することができ、処理システム126も起動される。コンピュータ127に組み込まれたソフトウェアプログラムが開始されると、開始信号が表示部128に現れる。本実施形態では、付属機器120は、システムに電力も提供する電池123などの電源に接続されたアクチュエータボタン19、26を押し下げることによって、機器10、12が起動されたまたはオンにされたとき、吸入器からの差圧および吸入器14からの環境の絶対圧を検出することができるように、吸入器空気流導管に隣接してあるように配置される2つの圧力センサ121および122を好ましくは有する電子基板を備える。システムが起動された場合、使用者の吸入130により、吸入器訓練装置120内に圧力降下が生じ、この圧力降下はセンサ121によって測定される。絶対圧センサ122は、大気条件のために差圧読み取り値を補正するのに使用されるデータまたは信号を提供する。
【0056】
本実施形態では、センサ121および122は、デジタルである圧力センサである。次いで、センサ121および122で生成された信号は、マイクロプロセッサ131に、そして無線通信機132に伝送される。マイクロプロセッサ131またはコンピュータ127に組み込まれた/プログラムされたソフトウェアプログラムは、センサ121および122で生成された信号を、LED、OLED、LCD、タッチスクリーン、または他のインタラクティブな表示部を備える画面とすることができる表示部58で視覚的に表示できる(補正された)圧力値に変換する。
【0057】
図14は、本明細書に開示される検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。吸入検出検知機器は、内蔵型または一体型の表示部144と、マイクロプロセッサ143と、圧力センサ141および142とを有するオンボード電子機器システム140を備える吸入器付属機器を備える。システムは使用時、使用者146によって電池145から供給される電力で起動される。システムが起動された場合、使用者の吸入146により、吸入器訓練装置140内に圧力降下が生じ、この圧力降下はセンサ141によって測定される。絶対圧センサ142は、大気条件のために差圧読み取り値を補正するのに使用されるデータまたは信号を提供する。本実施形態では、センサ141および142は、デジタルである圧力センサである。アナログセンサが実装される場合、前述のように、信号を調整、フィルタリング、増幅、および/または変換するためにさらなる回路要素が必要であろう。次いで、圧力センサ141および142で生成された信号は、マイクロプロセッサ143に伝送される。マイクロプロセッサ143に組み込まれた/プログラムされたソフトウェアプログラムは、センサ141および142で生成された信号を、LED、OLED、LCD、タッチスクリーン、または他のインタラクティブな表示部を備える画面とすることができる表示部144で視覚的に表示できる(補正された)圧力値に変換する。
【0058】
図15は、本明細書に開示される検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。吸入検出検知機器は、一体型の視覚的なインジケータ154と、マイクロプロセッサ153と、圧力センサ151および152とを有するオンボード電子機器システム150を備える吸入器付属機器を備える。システムは使用時、使用者156によって電池155から供給される電力で起動される。システムが起動された場合、使用者の吸入156により、吸入器訓練装置150内に圧力降下が生じ、この圧力降下はセンサ151によって測定される。絶対圧センサ152は、大気条件のために差圧読み取り値を補正するのに使用されるデータまたは信号を提供する。本実施形態では、センサ151および152は、デジタルである圧力センサである。アナログセンサが実装される場合、前述のように、信号を調整、フィルタリング、増幅、および/または変換するためにさらなる回路要素が必要であろう。次いで、圧力センサ151および152で生成された信号は、マイクロプロセッサ153に伝送される。マイクロプロセッサ153に組み込まれた/プログラムされたソフトウェアプログラムは、センサ151および152で生成された信号を、適切な吸入または他の情報を示すのに使用できる視覚的なインジケータ154を起動するのに使用できる(補正された)圧力値に変換する。
【0059】
図16は、たとえば、機器10などの吸入器訓練装置についてのブロック図をさらに示し、さらなるさまざまな動作上の構成部品を示す。図16では、システム160は、2つの構成要素である、吸入器訓練装置または付属品機器164と、処理システム166とを備える。処理システム166は、タブレット、PDA、携帯電話、またはコンピュータ167と、表示部168と、無線通信機169と、デジタル記憶装置、ウェブのインタフェース、プリントアウトなどの形態とすることができる出力165とを含む。本例示実施形態では、使用者は、電源ボタン、たとえば、訓練装置10上のボタン19を下に押すことによって吸入器訓練装置160を起動することができ、処理システム160も、起動される。コンピュータ167に組み込まれたソフトウェアプログラムが開始されると、開始信号が表示部168に現れる。システムが起動された場合、使用者の吸入170により、吸入器訓練装置160内に圧力降下が生じ、この圧力降下はセンサ161によって測定される。本実施形態では、センサ161および162は、デジタルである圧力センサである。次いで、色検出センサ173ならびに圧力センサ161および162で生成された信号は、マイクロプロセッサ171に、そして無線通信機172に伝送される。マイクロプロセッサ171またはコンピュータ167に組み込まれた/プログラムされたソフトウェアプログラムは、色検出センサ173ならびにセンサ161および162で生成された信号をそれぞれ、LED、OLED、LCD、タッチスクリーン、または他のインタラクティブな表示部を備える画面とすることができる表示部168で視覚的に表示できるカートリッジ情報値および圧力値に変換する。カートリッジ情報値は、粉末服用量有効性に対する制限を提供して、台形Bまたは他の閾値表示をグラフ上にプロットするのに使用することができる。前の実施形態において参照したように、色検出装置に加えて、機器基板上の他の装置は、マイクロプロセッサに接続されたレーザ、RFID、パターンまたはテキスト/文字読取装置、あるいはセンサを含み、別の方法で吸入器、薬品、または物質/薬品のカートリッジ/パッケージングを識別することができる。これらのセンサ/読取装置は、薬物、物質、パッケージング、投薬、吸入器などに関連するシステムおよびマイクロプロセッサにデータを提供するように機能し、それにより、対応するデータを記憶装置から読み出し、使用者に提示されるグラフを含む任意の視覚的、可聴式、または他のインジケータの上のデータ点として使用できる。一例として、特定のカートリッジまたは他のパッケージングは、色分けすることができ、あるいは、暗号化または符号化されたテキスト、ロット、有効期限、投薬量などを含むそれらについての特定の情報を含むRFIDを含むことができる。コードを検出できて、計算、識別された行動、およびデータ表示で使用するために対応するデータをマイクロプロセッサに送信することができる読取装置またはセンサ。おそらく、特定の色パッケージは、適切な吸入により大きい努力を必要とする薬剤用量の使用を示す。この場合、付属装置またはシステムは、センサ/読取装置を通して適切な色を識別し、使用者への指示のために適切なデータを使用する。
【0060】
図17は、本明細書に開示される検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。吸入検出検知機器180は、内蔵型または一体型の表示部184と、マイクロプロセッサ183と、色検出センサ187と、圧力センサ181(差圧)および182(絶対圧)とを有するオンボード電子機器システムを備える吸入器付属機器を備える。システムは使用時、使用者186によって電池185から供給される電力で起動される。システムが起動された場合、使用者の吸入186により、吸入器付属機器内に圧力降下が生じ、この圧力降下はセンサ181によって測定される。絶対圧センサ182は、大気条件のために差圧読み取り値を補正するのに使用されるデータまたは信号を提供する。本実施形態では、センサ181および182は、デジタルである圧力センサである。次いで、色検出センサ187ならびに圧力センサ181および182で生成された信号は、マイクロプロセッサ183に伝送される。マイクロプロセッサ183に組み込まれた/プログラムされたソフトウェアプログラムは、信号生成された色検出センサ187ならびにセンサ181および182を、LED、OLED、LCD、タッチスクリーン、または他のインタラクティブな表示部を備える画面とすることができる表示部184で視覚的に表示できるカートリッジ情報値および(補正された)圧力値に変換する。
【0061】
図18は、本明細書に開示される検出監視システムの実施形態のブロック図を示す。吸入検出検知機器190は、一体型の視覚的なインジケータ194と、マイクロプロセッサ193と、色検出センサ197と、圧力センサ191(差圧)および192(絶対圧)とを有するオンボード電子機器システムを備える吸入器付属機器を備える。システムは使用時、使用者196によって電池195から供給される電力で起動される。システムが起動された場合、使用者の吸入196により、吸入器付属機器内に圧力降下が生じ、この圧力降下はセンサ191によって測定される。絶対圧センサ192は、大気条件のために差圧読み取り値を補正するのに使用されるデータまたは信号を提供する。本実施形態では、センサ191および192は、デジタルである圧力センサである。次いで、色検出センサ197ならびに圧力センサ191および192で生成された信号は、マイクロプロセッサ193に伝送される。マイクロプロセッサ193に組み込まれた/プログラムされたソフトウェアプログラムは、信号生成された色検出センサ197ならびにセンサ191および192をそれぞれ、適切な吸入または他の情報を示すのに使用できる視覚的なインジケータ194を起動するのに使用できるカートリッジ情報値および(補正された)圧力値に変換する。
【0062】
図19は、図16に開示されたシステムによる、吸入被験者を検出、監視、および訓練する方法200の実施形態のフローチャート図を示す。使用者が機器およびシステムを使用するときは、開始するために吸入器付属機器上のアクチュエータを押し下げることによって、システムを起動させる。次に、ステップ202において、吸入器付属機器の無線通信機は、たとえば、標準的なBluetooth(登録商標)技術を使用して使用者のスマートフォンに接続し、スマートフォン上のアプリケーションが、準備完了のメッセージを表示し、機器が係合される関連する吸入器を装填する、あるいは、吸入器に吸入される物質のカートリッジまたは他の使い捨てのパッケージを供給することを使用者に指示する。ステップ204において、このような装填を行ったあと、識別センサ、この場合には色検出センサ173が、カートリッジの色を判定して、付属機器基板上のデータ記憶装置にそれを記憶する、または、記憶のためにBluetooth(登録商標)を介してそれを処理システム166(電話)に伝送する。ステップ206において、アプリケーションは、色検出に基づいて提供された対応する閾値データ点でグラフを表示する。次に、ステップ208において、使用者は、いくつかの視覚的、可聴式、または画面ベースのメッセージを使用して、吸入するように指示される。ステップ210において、吸入操作中、センサ161、162は圧力降下を読み取る。次に、ステップ212は、ステップ210と略同時にまたはその直後に発生する大気条件に基づいてシステムによって行われる補正ステップを示す。いずれの場合も、ステップ214において、圧力データは上記のように記憶されて、好ましくはグラフ上にプロットされる。ステップ216において、吸入操作グラフは、合格(吸入成功)または不合格(吸入失敗)のいずれかを示す閾値グラフとともに、使用者に表示される。その時、使用者はアクチュエータを押し下げてプログラムを終了させることができ、データは将来の使用のために出力165に記憶されたままである。
【0063】
本明細書に開示されるいくつかの例示的な実施形態では、総吸入時間、ピーク吸気圧、ピーク吸気圧までの時間、およびピークから総吸入時間の約75%までの平均圧力を含む1つまたは複数の主要パラメータが、許容可能な吸入操作を規定することができる。ある実施形態では、総吸入時間は5秒を超える場合があり、ピーク差吸気圧は約6kPaを超える場合があり、ピーク吸気圧までの時間は約1.1秒未満である場合があり、ピーク差吸入から総吸入時間の75%までの平均圧力は約4kPaである。これらの値は、吸入監視システム10、12および機器18、ならびに訓練および監視のために使用される関連するアルゴリズム/プログラムについての値を表す。それらは、代替の吸入器訓練装置の場合は、吸入器の薬物の最適な送達に必要とされる(抵抗を含む)性能パラメータに応じて修正できる。
【0064】
別の例示的な実施形態では、乾燥粉末吸入器は、検知および/または監視装置を設けることができ、この検知および/または監視装置は、患者による吸入操作中に、乾燥粉末吸入器によって生成、または乾燥粉末吸入器内で生成される信号を監視および/または検知することができる。乾燥粉末吸入器は、装置に一体化された、または装置に取り付けられたセンサ装置を設けることができる。あるいは、ある例示的な実施形態では、付属機器18、24は、必要に応じて、マウスピースまたはハウジングに乾燥粉末吸入器の一体部分として設けることができる。
【0065】
代替的な実施形態では、吸入器付属装置18、24は、吸入器から切り離すことができて、ジャケットまたはキャップの形態で設けられる、取付け可能な/取り外し可能な検知監視装置であり、取り外し可能な検知監視装置は、特に、無線通信のために、乾燥粉末吸入器に適合できる取り外し可能な部品として設けることができ、それにより、装置を使用する被験者は、より容易なアクセスおよび移動できる。本実施形態では、ジャケットは、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、無線送受信機、アナログデジタル変換器、センサ(圧力センサまたはマイクロフォンなど)を含むオンボード電子機器を備える別個の、取り外し可能な装置として製造され、信号を検出することができて、信号の記憶、伝送、または表示が可能である。
【0066】
音響センサを使用するとき、使用時に乾燥粉末を有するまたは有さない吸入器から発する音波は、マイクロフォンによって検出され、信号は、解析され、使用されたセンサの種類に応じて、乾燥粉末がある場合は粉末排出時間、空気流速度、吸入操作中の粉末排出の終了、吸入器の経路内の温度などに相関付けることができる。たとえば、音の増大は、装置を通る流量および/または送達中の空気の流れの中での粉末粒子の衝突の増大に相関付けることができる。
【0067】
マイクロフォンなどのセンサは、それが小サイズである結果として、吸入器内のどこにでも配置できる。センサが圧力変換器である実施形態では、センサは、吸入器の小室のうちの1つを通過する空気導管内に配置できる。センサは、たとえば、吸入器上または吸入器内の空気導管中に設けることができ、あるいは吸入器に適合または装着できるキャップ、ジャケット、スリーブ、または鞍様の構成を含むことができる吸入器に適合されることになる吸入器に適合できる形状または構成を有する吸入器の付属物として別個の取り外し可能な部分として設けることができる。
【0068】
取り外し可能な実施形態の場合、検知監視付属機器は、製造が容易で安価であり、プラスチックから作製することができ、高抵抗乾燥粉末吸入器とともによく働く。いくつかの実施形態では、このセンサは、任意のセンサ、たとえば、熱電対線、圧力変換器、アナログセンサ、マイクロフォン、光センサ、ガスセンサ、または吸入器内で生成される信号を検出できる任意のセンサとすることができる。本明細書に記載のセンサは、送受信機装置で信号を伝えるまたは伝送するように適合できてもよく、あるいは、信号は、この信号のマイクロプロセッサへの伝送前に、アナログデジタル変換器への有線接続を使用して伝送または記憶できてもよい。
【0069】
あるいは、アナログデジタル変換器が、吸入器装置内に設けられ、生じるデジタルデータは、この装置から直接転送される。本明細書に記載のセンサによって提供される信号は、空気導管を通過する空気流、および/または空気流経路で運ばれる粉末粒子の衝突、および吸入操作のために空気流経路の近接で検出される圧力降下によって吸入器において生成される音を含むいくつかの形態とすることができる。吸入器から生成される信号は、センサによって検出され、記憶、伝送、または表示できる。システムによって検出できる他の種類の信号は、テキスト、色、暗号化、またはコードであり、それらは、好ましくは電子基板に一体化された、光ビーム、レーザビーム、およびドップラーセンサで検出することができる。データは、信号から生成することができ、定性的および/または定量的に解析することができる。この方法では、服用量放出時間、服用量、服用の種類、服用時間などを含む測定値を生成することができる。さらに、これらの信号は、たとえば、患者、薬物の種類および投薬量、吸入器、またはその他の識別と関連付けることができ、適切な吸入のためのデータの要求事項をモデル化して、吸入器使用者の訓練を容易にするのに使用することができる。
【0070】
1つの例示的な実施形態では、吸入器のための検知監視システムは、吸入器に適合されるように構造的に構成された付属機器である、センサ、マイクロプロセッサ、任意のアナログデジタル変換器、およびデータ記憶媒体を含む。データ記憶媒体は、ディスクドライブ、DVD、CD-ROM、サーバ、フラッシュカードまたはドライブ、メモリカードなどを含み、マイクロプロセッサまたはアルゴリズムを実行する他の処理装置によって実行可能である機械で読み取り可能な命令の組を含む。実行時、アルゴリズムは、検出された信号から得られる論理サブシステム世代番号を生成するステップと、論理サブシステム世代番号を論理サブシステム内のデータトラックに保存するステップであって、論理サブシステム世代番号および処理装置のクラスタ世代番号が比較される、ステップと、アルゴリズムからの情報を吸入操作からの結果として記憶および/または表示するステップとを開始する。
【0071】
特定の実施形態では、吸入器付属機器は、乾燥粉末吸入器に有用であり、特に、単位服用量カートリッジで有用であり、薬剤送達処方物は、たとえば、ジケトピペラジン、特に、フマリルジケトピペラジンおよび、内分泌性ホルモン(副甲状腺ホルモン、インスリン、オキシントモジュリン、およびグルカゴン様ペプチド1を含む)を含むペプチドおよびタンパク質などの活性成分、カンナビノイド、5-ヒドロキシトリプタミン、ドーパミン作動性、プロスタサイクリン、オピオイドアゴニスト、およびアンタゴニストを含む神経伝達物質を含む。いくつかの実施形態では、処方薬の活性成分は、活性薬剤のうちの1つまたは複数を含み、それは、トレプロスチニル、サルメテロール、エピネフリン、タクロリムス、バンコマイシン、リネゾリド、フィルガストリン、フェンタニル、カンナビジオール、THC、パロノセトロン、アンホテリシンB、ホスホジエステラーゼ阻害薬(シルデナフィル、アバナフィル、ベルデナフィル(verdenafil)、およびタダラフィルなどのPDE5阻害薬を含む)、プロスタグランジン、プロスタサイクリン、神経伝達物質アゴニスト、神経伝達物質アンタゴニスト(抗侵害受容性薬剤を含む)、オピオイド鎮痛薬(たとえば、デルタオピオイドアゴニストおよびアンタゴニスト、カッパオピオイド受容体アゴニストおよびアンタゴニスト、ミューオピオイド受容体アゴニストおよびアンタゴニスト)を含むが、それらに限定されない。
【実施例0072】
実施例1 組み込まれた訓練装置の使用
60歳のI型糖尿病患者は、ヘモグロビンA1cの上昇を有し、コントロールできないと判断されたため、食事処理療法のために、乾燥粉末吸入システムから提供されるインスリンの吸入を受けるように指示された。患者は、基礎インスリンのためにインスリンポンプを使用する。患者は、図3~5に示されるような取り外し可能な吸入付属機器を有する、図1に示されるような装置を使用して、無線吸入の訓練を受けた。患者は、この装置を与えられ、薬物を含んでもよくまたは含まなくてもよい訓練装置の使用時に深く速い呼吸をするように求められた。
【0073】
吸入機器上の圧力センサは、吸入中の圧力降下を検出するのに使用され、データは、関連するアプリケーションによってBluetooth(登録商標)対応タブレットに伝送された。色検出センサは、カートリッジ(中身のある、または空)の色を検出し、データは、最小吸入圧力のための閾値領域を識別するために使用された。データは、装置からの無線信号を読み取ることができるプログラムされたアプリケーションを有するタブレット上で収集され、患者は、このデータを表示画面でリアルタイムに見ることができた。この患者の最初の吸入の試みは、遅すぎであり、図12の赤色の「許容不可能な領域」(B領域)に入っていると画面上示された。患者は、前回の試行より若干速くかつ深くなるようにもう一度速く息を吸うように指示された。吸入を完了すると、グラフは、患者の吸入操作が、許容可能であり、図12のグラフの許容可能な領域(C領域)に完全にあることを示した。訓練に慣れると、患者は、薬物がその中に装墳された同様の吸入装置の使用についてよく分かっていた。
【0074】
患者は、図1に示された種類と同様の乾燥粉末吸入器、および、患者の糖尿病を治療するためのさまざまな服用量の吸入可能なインスリンで満たされたカートリッジを処方された。インスリンの吸引を処方されて6か月後、この患者の糖尿病はコントロールの下にあると診断された。
【0075】
実施例2 取付け可能な訓練装置の使用
59歳のII型糖尿病患者は、乾燥粉末吸入システムからのインスリンの吸入を受けるよう指示された。患者は、利便性を理由として吸入システムを要望していた。患者は、図1に示されるような装置を使用して、無線吸入の訓練を受けた。患者は、図3~5の吸入器機器と同様の取付け可能な吸入器機器を備え付けた図1の装置を与えられ、この訓練装置の使用時に深く速い呼吸をするように求められた。
【0076】
圧力および色識別データは携帯電話上で収集され、患者はそのデータを表示画面上でリアルタイムに見ることができた。この患者の最初の試みは、グラフで示された、または、別の方法でソフトウェアの結果として視覚的に示された、閾値対吸入データによって示された通り、許容可能であった。訓練に慣れると、この患者は、この装置の使用についてよく分かっていた。
【0077】
患者に取り付け可能なセンサは、乾燥粉末吸入器から取り除かれた。患者は、乾燥粉末吸入器、および患者の糖尿病を治療するための吸入可能なインスリンで満たされたカートリッジを与えられた。インスリンの吸入を処方されて6か月後、この患者の糖尿病はコントロールの下にあると診断され、この患者は、この装置が非常に便利である旨をコメントした。
【0078】
前述の開示は、説明のための実施形態である。本明細書に開示された技法は、本開示の実施においてよく機能する代表的な技法を明らかにするものであることが当業者によって理解されるはずである。しかしながら、当業者は、本開示に鑑みて、多くの変更が、開示されている特定の実施形態においてなされ、本開示の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果をさらに得ることができることを理解すべきである。
【0079】
特に示されない限り、明細書および特許請求の範囲において使用される分子量、反応条件、その他などの成分の量、特性を表現するすべての数字は、すべての場合において「約(about)」という用語によって変更されるものとして理解されるべきである。したがって、反対に、示されない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、得ようとされる所望の特性に応じて変わることがある近似値である。最低限でも、均等論の適用を特許請求の範囲の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の数値を考慮して通常の丸めの技法を適用することによって解釈されるべきである。開示された実施形態の幅広い範囲を説明する数値の範囲およびパラメータが近似値であるにも関わらず、具体例に記載される数値は、できるだけ正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、それらの各試験測定値に見出される標準偏差に必然的に起因してある程度の誤差を本質的に含む。
【0080】
開示された実施形態を説明する文脈において(特に、添付の特許請求の範囲の文脈において)使用される用語「1つ、一、ある(「a」、「an」)」、「前記、この、その(「the」)」、および同様の指示語は、本明細書において特に指示されない限り、または文脈によって明らかに否定されない限り、単数および複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の記載は、この範囲内に入る別個の値それぞれに個々に言及する略記法として役立つように意図されるものに過ぎない。本明細書において特に指示されない限り、個々の値それぞれは、その値が本明細書中に個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書において特に指示されない限り、またはさもなければ文脈によって明らかに否定されない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書中で与えられる任意およびすべての例、または例示的な言い回し(たとえば、「など(such as)」)の使用は、開示された実施形態をよりよく明らかにするように意図されるものに過ぎず、他のやり方でクレームされる実施形態の範囲に限定をもたらすものではない。本明細書中のどの言い回しも、開示され、意図された実施形態の実施に不可欠な任意のクレームされない要素を示すものとして解釈されるべきでない。
【0081】
本明細書に開示される特定の実施形態は、「からなる(consisting of)」、またはおよび、「から本質的になる(consisting essentially of)」の言い回しを使用して、特許請求の範囲においてさらに限定されてもよい。移行句「からなる(consisting of)」は、出願されるときであろうと、補正ごとに加えられるときであろうと、特許請求の範囲において使用されるとき、特許請求に範囲において特定されていない任意の要素、ステップ、または成分を除外する。移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、請求項の範囲を、特定の材料またはステップ、および基本的および新規な特徴に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。そのようにクレームされた実施形態は、本質的または明示的に本明細書に記載され、実施可能にされる。
【0082】
本明細書に開示される代替要素または実施形態の群化は、限定として解釈されるべきではない。各群の構成要素は、個々に参照またはクレームされてもよく、あるいは群の他の構成要素または本明細書中で見出された他の要素との任意の組合せであってもよい。群の1つまたは複数の構成要素は、便宜および/または特許性を理由として群に包含または群から削除することができることが予期されよう。任意のそのような包含または削除が起こるときは、本明細書は、変更されたときの群を含み、したがって、添付の特許請求の範囲に用いられるすべてのマーカッシュ群の記載要件を満たすものとみなされる。
【0083】
特定の実施形態は、開示され、意図された実施形態を実施するための、本開示の著者に知られたベストモードを含んで本明細書に記載される。もちろん、これら記載された実施形態の変更形態は、前述の説明を読むと当業者には明らかになろう。著者は、当業者が、必要に応じてそのような変更形態を用いることを予期しており、著者は、開示され、意図された実施形態が、本明細書に特に記載された方法以外の方法で実施されることを意図する。したがって、ここで開示され、意図された実施形態は、準拠法によって許されるような本明細書に添付された特許請求の範囲に挙げられた主題事項のすべての修正形態および均等物を含む。さらに、すべての可能なその変更形態における上記の要素の任意の組合せは、本明細書において特に指示されない限り、またはさもなければ文脈によって明らかに否定されない限り、本開示によって包含される。
【0084】
さらに、多数の参照が、本明細書の全体にわたって特許および刊行物に対してなされている。上記引用文献および刊行物のそれぞれは、個々に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
最後に、本明細書に開示され、意図された実施形態は、考えられた発明の原理を例示するものであることを理解されたい。用いられてもよい他の修正形態は、本開示の範囲内である。したがって、例としてであって限定ではない代替の構成が、本明細書中の教示に従って利用されてもよい。したがって、開示された実施形態は、図示および説明されたまったくその通りのものに限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2022-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器付属機器であって、
乾燥粉末吸入器に取り付ける、または、乾燥粉末吸入器に接続するように構成される本体と、
マイクロプロセッサと、
少なくとも2つのセンサ
を備え、
前記少なくとも2つのセンサは、非接触の第1のセンサと、第2のセンサとを含み、
前記第1のセンサは、レーザビーム、ドップラーセンサ、赤外線センサ、または他の検知ビームを含み、前記第1のセンサは、前記吸入器、吸入器カートリッジ、または他の薬物パッケージの一領域または一部分の色によって暗号化またはコード化された情報を検出し、
前記第2のセンサは、使用時、前記乾燥粉末吸入器の吸入導管から生成される信号を検出し、前記第2のセンサは、前記吸入導管で測定される圧力降下を検出する差圧センサと、前記圧力降下を測定する前に、大気条件に応じて前記差圧センサを補正するために用いられる絶対圧力を得る絶対圧センサを含み、
前記第1および第2のセンサは、それぞれ少なくとも1つの信号を生成し、前記それぞれ少なくとも1つの信号は、前記マイクロプロセッサで処理されて、前記大気条件または検出された前記情報に適合するようにカスタマイズされたマイクロプロセッサ出力となり、前記マイクロプロセッサ出力は、計算された閾値データに基づいて、使用者の吸入操作達成に関して、成功または失敗を示す、吸入器付属機器。
【請求項2】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサがデジタルセンサであり、それらの出力がデジタル形式である、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項3】
前記第2のセンサがアナログセンサであり、その出力がアナログ形式であり、前記機器が、センサ信号を調整、フィルタリング、増幅、および/またはデジタル形式に変換するための回路をさらに備える、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項4】
前記乾燥粉末吸入器が、カートリッジと、乾燥粉末処方物とを備える、請求項に記載の吸入器付属機器。
【請求項5】
前記乾燥粉末処方物が、ジケトピペラジンと、少なくとも1つの活性成分とを含む、請求項に記載の吸入器付属機器。
【請求項6】
前記第1のセンサが、前記吸入器に装填される吸入器カートリッジまたは他の薬物パッケージの色を検知するための色検出センサと、前記吸入器に装填されるカートリッジまたは他の薬物パッケージのRFIDタグを読み取るためのRFID読取装置と、前記吸入器または前記吸入器カートリッジまたは他の薬物パッケージに設けられる特性、コード、または文字情報を識別することが可能な画像検出センサとのうちの1つまたは複数である、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項7】
前記少なくとも2つのセンサから受信されるデータが遠隔処理システムに伝送される無線送受信機をさらに備える、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項8】
電子基板をさらに備え、前記マイクロプロセッサ、センサ、および無線送受信機が、前記電子基板に接続される、および/または、前記電子基板上に配設される、請求項に記載の吸入器付属機器。
【請求項9】
使用者に成功/失敗表示を示すための視覚的なインジケータまたは表示部をさらに備える、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項10】
前記カスタマイズされたマイクロプロセッサ出力が、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサによって生成された信号にカスタマイズされた閾値データを含む、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項11】
前記マイクロプロセッサ出力が、患者の吸入と同時にまたは患者の吸入の直後に、圧力対時間曲線を表示部に生成する、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【請求項12】
乾燥粉末吸入監視検出システムであって、
乾燥粉末吸入器と、
マイクロプロセッサと、
無線送受信機と、
少なくとも2つのセンサと
を備え、
前記少なくとも2つのセンサは、非接触の第1のセンサと、第2のセンサとを含み、
前記第1のセンサは、レーザビーム、ドップラーセンサ、赤外線センサ、または他の検知ビームを含み、前記第1のセンサは、前記吸入器、吸入器カートリッジ、または他の薬物パッケージの一領域または一部分の色によって暗号化またはコード化された情報を検出し、
前記第2のセンサは、使用時、前記乾燥粉末吸入器の吸入導管から生成される信号を検出し、前記第2のセンサは、前記吸入導管で測定される圧力降下を検出する差圧センサと、前記圧力降下を測定する前に、大気条件に応じて前記差圧センサを補正するために用いられる絶対圧力を得る絶対圧センサを含み、
前記第1および第2のセンサが、それぞれ少なくとも1つの信号を生成し、前記それぞれ少なくとも1つの信号は、前記マイクロプロセッサで処理されて、前記大気条件または検出された前記情報に適合するようにカスタマイズされたマイクロプロセッサ出力となり、前記マイクロプロセッサ出力は、計算された閾値データに基づいて、使用者の吸入操作達成に関して成功または失敗を示す、乾燥粉末吸入監視検出システム。
【請求項13】
乾燥粉末吸入監視検出システムは、さらに遠隔処理システムを含み、
前記遠隔処理済ステムは、表示部と、無線送受信機と、マイクロプロセッサを含み、
前記マイクロプロセッサは、前記成功または失敗をグラフィカルに表示し、表示は、前記第1のセンサによって検出された情報に対応する閾値データと、前記第2のセンサの信号に対応する、使用者の吸入データとを示す、請求項12に記載の乾燥粉末吸入監視検出システム。
【請求項14】
前記吸入器に取り付けるまたは前記吸入器への接続のための、前記マイクロプロセッサと無線送受信機とセンサとが配設される本体を備える取り外し可能な吸入器付属機器をさらに含む、請求項12に記載の乾燥粉末吸入監視検出システム。
【請求項15】
乾燥粉末吸入器の使用者訓練のために価値のある正確なデータを監視および検出する方法であって、
前記薬物を前記吸入器に装填する指示を表示するステップ、
薬物に関する薬物データ、または吸入器情報への関連データを読み取るステップ、
吸入操作を開始する指示を表示するステップ、
使用者による吸入前に絶対圧力データを識別するステップ、
使用者による吸入中に圧力差データを識別するステップ、
関連する機器データおよび圧力差データによって閾値を決定するステップ、および、
使用者が吸入操作に成功したか失敗したかを、前記閾値に適合するか、閾値を超えるか、閾値まで達しないかに関して、判定するステップを含む、方法。
【請求項16】
使用者が吸入操作に成功したか失敗したかを、伝送および表示するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記伝送および表示するステップが、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、または他の無線通信可能な装置などの処理システム上に表示することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記伝送および表示するステップが、前記薬物データおよび前記圧力差データを、無線伝送を介して前記処理システムに伝送することと、前記システム上に、前記薬物データに対応する閾値とともに圧力対時間曲線を表示することとを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
無線伝送方式が、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、WiFi、SmartWave、またはZ-Waveを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの活性成分が、インスリンまたはインスリンの類似体を備える、請求項に記載の吸入器付属機器。
【請求項21】
さらに、電池接続ポートを備える、請求項1に記載の吸入器付属機器。
【外国語明細書】