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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153486
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】殺有害生物化合物の調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20221004BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20221004BHJP
【FI】
C07D401/04
C07B61/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022114157
(22)【出願日】2022-07-15
(62)【分割の表示】P 2019535785の分割
【原出願日】2017-12-22
(31)【優先権主張番号】62/440,232
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】コルテバ アグリサイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】リ,シャオヨン
(72)【発明者】
【氏名】モリター,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ロス,ゲーリー,アラン
(72)【発明者】
【氏名】オーバー,マティアス,エス.
(72)【発明者】
【氏名】ハンリー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ステートン,ティナ,ティ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本出願は、殺有害生物チオエーテルおよび殺有害生物スルホキシドの調製のための効率的かつ経済的な合成化学法を提供する。
【解決手段】下記スキーム2に示す方法であって、出発物質を、銅触媒、リガンド、塩基、溶媒、および任意選択で添加剤の存在下で、3-ハロピリジンと接触させるステップを含む方法である。

(式中、RおよびRは各々独立にH、F、Cl、Br、I、C1~C6アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され、RはHまたはC~Cアルキルであり、RはHまたは-C(O)C~Cアルキルである)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】
(式中、RおよびRは各々独立にH、F、Cl、Br、I、C~Cアルキルおよ
びトリフルオロメチルからなる群から選択され、RはHまたはC~Cアルキルであ
り、RはHまたは-C(O)C~Cアルキルである)
の化合物を調製する方法であって、
a.銅触媒、リガンド、塩基、溶媒、および任意選択で添加剤の存在下で、次式
【化2】
(式中、RおよびRは各々独立にH、F、Cl、Br、I、C~Cアルキルおよ
びトリフルオロメチルからなる群から選択され、RはHまたはC~Cアルキルであ
り、RはHまたは-C(O)C~Cアルキルである)
の化合物を3-ハロピリジンと接触させるステップ
を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(a)の前記銅触媒が、塩化銅(I)(CuCl)、塩化銅(II)(CuC
)、臭化銅(I)(CuBr)またはヨウ化銅(I)(CuI)である、請求項1に
記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)の前記リガンドが、トリエチレンテトラミン(TETA)、N,N’-
ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(BHEEA)および8-ヒドロキシキ
ノリンからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記添加剤が用いられ、前記添加剤がジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾ
ニトリルまたはN,N,N’N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である
、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(a)の前記リガンドがDMEDAであり、前記添加剤が用いられ、前記添加
剤がジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-
テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(a)の前記塩基が、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、炭酸ナトリウム(
NaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸
リチウム(LiCO)、炭酸カリウム(KCO)、水酸化リチウム(LiOH)
、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsO
H)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、二リン酸ナトリウム(NaHPO)、
リン酸カリウム(KPO)、リン酸ナトリウム(NaPO)、ナトリウムメトキ
シド(NaOCH)およびナトリウムエトキシド(NaOCHCH)からなる群か
ら選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(a)の前記溶媒が、アセトニトリル(CHCN)、ベンゾニトリル、ジオ
キサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NM
P)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、2-メチル
テトラヒドロフラン、トルエン、メタノール(MeOH)またはエタノール(EtOH)
である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記3-ハロピリジンが3-ブロモピリジンである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
がHである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
がClである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
次式
【化3】
の化合物を調製する方法であって、
a.銅触媒、リガンド、塩基、および任意選択で添加剤の存在下で、式1b
【化4】
の化合物を3-ハロピリジンと接触させて、式1c
【化5】
の化合物を得るステップと、
b.塩基の存在下で、式1c
【化6】
の化合物をアルキル化剤と接触させて、式1c’
【化7】
(式中、RはC~Cアルキルであり、Rは-C(O)C~Cアルキルである

の化合物を得るステップと、
c.式1c’
【化8】
の化合物を無機酸と接触させて、化合物1dを得るステップと
を含む、方法。
【請求項12】
ステップ(a)の前記銅触媒が、塩化銅(I)(CuCl)、塩化銅(II)(CuC
)、臭化銅(I)(CuBr)またはヨウ化銅(I)(CuI)である、請求項11
に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(a)の前記リガンドが、トリエチレンテトラミン(TETA)、N,N’-
ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(BHEEA)および8-ヒドロキシキ
ノリンからなる群から選択される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(a)で前記添加剤が用いられ、前記添加剤がジアルキルアミン、トリアルキ
ルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-テトラメチルエチレンジアミン(T
MEDA)である、請求項11または12に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(a)の前記リガンドがDMEDAであり、前記添加剤が用いられ、前記添加
剤がジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-
テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である、請求項11または12に記載の方
法。
【請求項16】
ステップ(a)の前記塩基が、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、炭酸ナトリウム(
NaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸
リチウム(LiCO)、炭酸カリウム(KCO)、水酸化リチウム(LiOH)
、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsO
H)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、二リン酸ナトリウム(NaHPO)、
リン酸カリウム(KPO)、リン酸ナトリウム(NaPO)、ナトリウムメトキ
シド(NaOCH)およびナトリウムエトキシド(NaOCHCH)からなる群か
ら選択される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(a)の前記溶媒が、アセトニトリル(CHCN)、ベンゾニトリル、ジオ
キサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NM
P)、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)、トルエン、メタノール(MeOH)またはエタノール(EtOH)
である、請求項11または12に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(b)の前記アルキル化剤が、Br、I、トリフラート(-OTf)、トシラ
ート(-OTs)およびメシラート(-OMs)からなる群から選択される脱離基で置換
されているC~Cアルキル基である、請求項11または12に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(b)の前記塩基が、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、炭酸ナトリウム(
NaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸
リチウム(LiCO)、炭酸カリウム(KCO)、水酸化リチウム(LiOH)
、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsO
H)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水素化ナトリウム(NaH)、水素化リチ
ウム(LiH)、水素化カリウム(KH)、ナトリウムメトキシド(NaOCH)、ナ
トリウムエトキシド(NaOCHCH)およびナトリウムt-ブトキシド(NaOt
-Bu)からなる群から選択される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(c)の前記無機酸が、HF、HCl、HBr、HSO、HPO、H
BO、HNOおよびHClOからなる群から選択される、請求項11または12
に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年12月29日に出願された米国仮特許出願第62/440232
号明細書に対して合衆国法典第35巻第119条第e項の下での優先権を主張するもので
あり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、殺有害生物チオエーテルおよび殺有害生物スルホキシドの調製のための効率
的かつ経済的な合成化学法に関する。さらに、本出願は、これらの合成に必要な特定の新
規な化合物に関する。市販の出発材料から効率的かつ高収率で殺有害生物チオエーテルお
よび殺有害生物スルホキシドを製造することが有利であろう。
【背景技術】
【0003】
農業損失の原因になる有害生物は1万種を超える。世界的な農業損失額は、毎年数十億
米ドルに及ぶ。貯蔵食物有害生物は、貯蔵食物を食べ、その質を落とす。世界的な貯蔵食
物の損失額は毎年数十億米ドルに及ぶが、より重要なことは、人々から必要な食料を奪う
ことである。特定の有害生物は、現在用いられている殺有害生物剤(pesticide)に対し
て耐性を発現している。数百もの有害生物種が、1種または複数の殺有害生物剤に対して
耐性を示す。一部の昔の殺有害生物剤、例えば、DDT、カルバメートおよび有機リン酸
塩に対して耐性を発現することはよく知られている。しかし、一部の新しい殺有害生物剤
に対してさえ耐性を発現している。そのため、新しい殺有害生物剤の開発につながる新し
い殺有害生物剤が、緊急に必要とされている。具体的には、米国特許出願公開第2013
0288893号明細書には、とりわけ、特定の殺有害生物チオエーテルおよび殺有害生
物剤としてのこれらの使用が記載されている。このような化合物は、有害生物の防除のた
めの農業での使用を見出している。
【0004】
米国特許第9102655号明細書には、このような殺有害生物チオエーテルを調製す
る方法が記載された。一実施形態において、本明細書に記載の中間体1cは、以下の例示
的スキーム1に示すように、銅塩、無機塩基およびN,N’-ジメチルエタン-1,2-
ジアミン(DMEDA)の存在下で、本明細書に記載の式1bの化合物を3-ブロモピリ
ジンまたは3-ヨードピリジンと接触させることにより調製された。
【0005】
【化1】
【0006】
ウルマンカップリングとして公知の方法は、銅塩のリガンドとして利用するためのDM
EDAの存在下で行われる。DMEDAは、高価な材料(約$256/kg)であり、化
合物1bと比較して約0.4~0.6モル当量の量で用いられるので、米国特許第910
2655号明細書および米国特許出願公開第20130288893号明細書に記載の標
的殺有害生物チオエーテルの製造はより費用がかかる。
【発明の概要】
【0007】
非常に大量の殺有害生物剤、とりわけ米国特許第9102655号明細書および米国特
許出願公開第20130288893号明細書に記載の種類の殺有害生物チオエーテルが
必要とされているため、経済的な市販の出発材料から効率的かつ高収率で殺有害生物チオ
エーテルを製造する新しい方法を開発することは非常に有利であろう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
開示の定義
具体的な例において別段限定されない限り、以下の定義は、本明細書を通じて用いられ
る用語に適用される。
【0009】
本明細書で使用する用語「アルキル」は、C~C、C~CおよびC~C
含むがこれらに限定されない、炭素原子鎖(これは任意選択で分岐である)を含む。アル
キル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ
ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチルな
どが挙げられるが、これらに限定されない。アルキルは、置換または非置換であり得る。
「アルキル」は、他の基、例えば、上記に示すものと組み合わせられて、官能化アルキル
を形成し得ることが理解されるであろう。例として、本明細書に記載の「アルキル」基と
「シクロアルキル」基との組み合わせは、「アルキル-シクロアルキル」基と称すること
ができる。
【0010】
本明細書で使用する「ハロ」または「ハロゲン」または「ハロゲン化物」は、互換的に
用いられ得、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を指す。
【0011】
本明細書で使用する「トリハロメチル」は、3つのハロ置換基を有するメチル基、例え
ば、トリフルオロメチル基を指す。
【0012】
開示の詳細な説明
本開示の化合物および方法を、以下に詳細に記載する。本開示の方法は、スキーム2に
より示すことができる。
【0013】
【化2】
【0014】
スキーム2のステップ(a)において、ピラゾール出発材料(RおよびRは各々独
立にH、F、Cl、Br、I、C~Cアルキルおよびトリフルオロメチルからなる群
から選択され、RはHまたはC~Cアルキルであり、RはHまたは-C(O)C
~Cアルキルである)は、銅触媒、リガンド、塩基、溶媒、および任意選択で添加剤
の存在下で、3-ハロピリジンと反応し得る。いくつかの実施形態において、3-ハロピ
リジンは3-ブロモピリジンまたは3-ヨードピリジンであってもよい。銅触媒は、銅試
薬(I)または銅試薬(II)であり得る。銅触媒の例としては、塩化銅(I)(CuC
l)、塩化銅(II)(CuCl)およびヨウ化銅(I)(CuI)が挙げられる。い
くつかの実施形態において、銅試薬は、塩化銅(I)(CuCl)である。いくつかの実
施形態において、反応は、ピラゾール出発材料と比較して約0.01~約0.4モル当量
の銅触媒の存在下で行われてもよい。いくつかの実施形態において、反応は、ピラゾール
出発材料と比較して約0.1~約0.25モル当量の銅触媒の存在下で行われてもよい。
いくつかの実施形態において、反応は、ピラゾール出発材料と比較して約0.2モル当量
の銅触媒の存在下で行われてもよい。
【0015】
ステップ(a)の塩基は、無機塩基であってもよい。ステップ(a)に関連して使用す
るのに好適な塩基の例としては、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、炭酸ナトリウム(
NaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸
リチウム(LiCO)、炭酸カリウム(KCO)、水酸化リチウム(LiOH)
、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsO
H)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、二リン酸ナトリウム(NaHPO)、
リン酸カリウム(KPO)、リン酸ナトリウム(NaPO)、ナトリウムメトキ
シド(NaOCH)、ナトリウムエトキシド(NaOCHCH)などが挙げられる
が、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、塩基は、KPOまたはK
COである。いくつかの実施形態において、ピラゾール出発材料と比較して過剰な塩
基を使用することが有利であり得る。いくつかの実施形態において、塩基は、約2倍~約
5倍過剰で用いられる。いくつかの実施形態において、塩基は、約2倍~約3倍過剰で用
いられる。いくつかの実施形態において、塩基は、約2倍過剰で用いられる。
【0016】
ステップ(a)の方法のリガンドは、アミンまたはヘテロアリールアミン、例えば、N
,N’-ジメチルエタン-1,2-ジアミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、N
,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(BHEEA)および8-ヒド
ロキシキノリンであってもよい。本明細書に記載のリガンドが、TETA約$4.8/k
g、BHEEA約$10~20/kgおよび8-ヒドロキシキノリン約$12/kgなど
のより経済的な材料であるため、本明細書に記載の方法により殺有害生物チオエーテルを
調製する方法でのこのようなリガンドの使用は、このような化合物を効率的かつ経済的に
大量生産する上での問題の解決に寄与する。いくつかの実施形態において、反応は、さら
にコストを削減するために、等モル量未満のリガンドの存在下で行われてもよい。いくつ
かの実施形態において、反応は、ピラゾール出発材料と比較して約0.08~約1.0モ
ル当量のリガンドの存在下で行われてもよい。いくつかの実施形態において、反応は、ピ
ラゾール出発材料と比較して約0.4~約0.6モル当量のリガンドの存在下で行われて
もよい。いくつかの実施形態において、反応は、ピラゾール出発材料と比較して約0.1
~約0.2モル当量のリガンドの存在下で行われてもよい。
【0017】
ステップ(a)のいくつかの実施形態において、反応が、添加剤、例えば、ジアルキル
アミン、トリアルキルアミン、アリールニトリル、テトラメチルエチレンジアミン(TM
EDA)などの存在下で行われてもよいことが驚くべきことに発見された。添加剤の存在
下では、反応が、少ない使用量(loading)のリガンドの存在下で行われてもよいことが
発見された。いくつかの実施形態において、添加剤は、ジ-n-プロピルアミン、ジ-n
-ブチルアミン、ベンゾニトリル、ジ-イソプロピルエチルアミンまたはテトラメチルエ
チレンジアミン(TMEDA)である。いくつかの実施形態において、ステップ(a)の
反応は、約0.5~約1.5モル当量の添加剤の存在下で行われてもよい。いくつかの実
施形態において、ステップ(a)の反応は、約0.6~約1.0モル当量の添加剤の存在
下で行われてもよい。
【0018】
ステップ(a)のリガンドがDMEDAであり、添加剤が用いられ、添加剤がジアルキ
ルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-テトラメチル
エチレンジアミン(TMEDA)、好ましくは、ジ-n-プロピルアミン、ジ-n-ブチ
ルアミン、ベンゾニトリル、ジ-イソプロピルエチルアミンまたはテトラメチルエチレン
ジアミン(TMEDA)である場合、高価なDMEDAの使用量が大幅に減少され得るこ
とが驚くべきことに発見された。上記のように、ステップ(a)に記載の種類のウルマン
カップリングの典型的な先行技術の手順は、ピラゾール出発材料と比較して約0.4~0
.6モル当量の量でのDMEDAの使用を含む。本開示の実施形態において、ステップ(
a)の反応は、添加剤、およびピラゾール出発材料と比較して約0.05~約0.2モル
当量のDMEDAの存在下で行われてもよい。いくつかの実施形態において、DMEDA
は約0.1モル当量の量で用いられ得る。DMEDAが添加剤の存在下で用いられる条件
下で、ウルマンカップリングの所望の生成物の収率は、添加剤なしの場合より高いことが
驚くべきことに発見された。したがって、ステップ(a)の反応が、少ない使用量のDM
EDAと本明細書に記載の添加剤の存在下で行われる場合、該方法は、この基質について
は、先行技術の方法、例えば、米国特許第9102655号明細書に記載の方法よりも経
済的かつ効率的である。
【0019】
ステップ(a)の方法は、溶媒、例えば、アセトニトリル(CHCN)、ベンゾニト
リル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリ
ドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、2-メチルテトラヒドロフ
ラン、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)中などで行われてもよい。いく
つかの実施形態において、溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)またはN-メ
チル-2-ピロリドン(NMP)である。いくつかの実施形態において、高温でステップ
(a)の反応を行うことが有利であり得る。いくつかの実施形態において、反応は約50
℃~約150℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、反応は約60℃~約1
20℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、反応は約95℃~約115℃の
温度で行われる。
【0020】
あるいは、本開示の方法は、スキーム3により示すことができる。
【0021】
【化3】
【0022】
スキーム3のステップ(a)において、ピラゾール出発材料1bは、銅触媒、リガンド
、塩基、溶媒、および任意選択で添加剤の存在下で3-ハロピリジンと反応して、化合物
1cを得ることができる。銅触媒は銅試薬(I)または銅試薬(II)であってもよい。
銅触媒の例としては、塩化銅(I)(CuCl)、塩化銅(II)(CuCl)および
ヨウ化銅(I)(CuI)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態
において、銅試薬は、塩化銅(I)(CuCl)である。いくつかの実施形態において、
反応は、ピラゾール出発材料と比較して約0.04~約0.4モル当量の銅触媒の存在下
で行われてもよい。いくつかの実施形態において、反応は、ピラゾール出発材料と比較し
て約0.1~約0.25モル当量の銅触媒の存在下で行われてもよい。いくつかの実施形
態において、反応は、ピラゾール出発材料と比較して約0.2モル当量の銅触媒の存在下
で行われてもよい。
【0023】
ステップ(a)の塩基は、無機塩基であってもよい。ステップ(a)に関連して使用す
るのに好適な塩基の例としては、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、炭酸ナトリウム(
NaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸
リチウム(LiCO)、炭酸カリウム(KCO)、水酸化リチウム(LiOH)
、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsO
H)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、二リン酸ナトリウム(NaHPO)、
リン酸カリウム(KPO)、リン酸ナトリウム(NaPO)、ナトリウムメトキ
シド(NaOCH)、ナトリウムエトキシド(NaOCHCH)などが挙げられる
が、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、塩基は、KPOまたはK
COである。いくつかの実施形態において、ピラゾール出発材料と比較して過剰な塩
基を使用することが有利であり得る。いくつかの実施形態において、塩基は、約2倍~約
5倍過剰で用いられる。いくつかの実施形態において、塩基は、約2倍~約3倍過剰で用
いられる。いくつかの実施形態において、塩基は、約2倍過剰で用いられる。
【0024】
ステップ(a)の方法のリガンドは、アミンまたはヘテロアリールアミン、例えば、N
,N’-ジメチルエタン-1,2-ジアミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、N
,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(BHEEA)および8-ヒド
ロキシキノリンであってもよい。いくつかの実施形態において、反応は、ピラゾール出発
材料と比較して約0.08~約1.0モル当量のリガンドの存在下で行われてもよい。い
くつかの実施形態において、反応は、ピラゾール出発材料と比較して約0.4~約0.6
モル当量のリガンドの存在下で行われてもよい。いくつかの実施形態において、反応は、
ピラゾール出発材料と比較して約0.1~約0.2モル当量のリガンドの存在下で行われ
てもよい。
【0025】
ステップ(a)のいくつかの実施形態において、反応は、添加剤、例えば、ジアルキル
アミン、トリアルキルアミン、アリールニトリル、テトラメチルエチレンジアミン(TM
EDA)などの存在下で行われてもよい。添加剤の存在下で、反応が、少ない使用量のリ
ガンドの存在下で行われてもよいことが発見された。いくつかの実施形態において、添加
剤は、ジ-n-プロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ベンゾニトリル、ジ-イソプロ
ピルエチルアミンまたはテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である。いくつか
の実施形態において、ステップ(a)の反応は、約0.5~約1.5モル当量の添加剤の
存在下で行われてもよい。いくつかの実施形態において、ステップ(a)の反応は、約0
.6~約1.0モル当量の添加剤の存在下で行われてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、ステップ(a)のリガンドはDMEDAであり、添加剤
が用いられ、添加剤はジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN
,N,N’N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、好ましくはジ-n-プ
ロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ベンゾニトリル、ジ-イソプロピルエチルアミン
またはテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である。いくつかの実施形態におい
て、ステップ(a)は、添加剤、およびピラゾール出発材料と比較して約0.4~0.6
モル当量のDMEDAの存在下で行われてもよい。本開示の実施形態において、ステップ
(a)の反応は、添加剤、およびピラゾール出発材料と比較して約0.05~約0.2モ
ル当量のDMEDAの存在下で行われてもよい。いくつかの実施形態において、DMED
Aは約0.1モル当量の量で用いられ得る。
【0027】
ステップ(a)の方法は、溶媒、例えば、アセトニトリル(CHCN)、ベンゾニト
リル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリ
ドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、トル
エン、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)中などで行われてもよい。いく
つかの実施形態において、溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)またはN-メ
チル-2-ピロリドン(NMP)である。いくつかの実施形態において、高温でステップ
(a)の反応を行うことが有利であり得る。いくつかの実施形態において、反応は約50
℃~約150℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、反応は約60℃~約1
20℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、反応は約95℃~約115℃の
温度で行われる。
【0028】
スキーム3のステップ(b)において、式1c’の化合物を得るため、アルキル化剤は
、脱離基、例えば、Br、I、トリフラート(-OTf)、トシラート(-OTs)、メ
シラート(-OMs)などで置換されているエタン基である。いくつかの実施形態におい
て、ステップ(b)のアルキル化剤は、ヨウ化エチルまたは臭化エチルである。ステップ
(b)の塩基は、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、炭酸ナトリウム(NaCO
、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸リチウム(Li
CO)、炭酸カリウム(KCO)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリ
ウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化カ
ルシウム(Ca(OH))、水素化ナトリウム(NaH)、水素化リチウム(LiH)
、水素化カリウム(KH)、ナトリウムメトキシド(NaOCH)、ナトリウムエトキ
シド(NaOCHCH)、ナトリウムt-ブトキシド(NaOt-Bu)などであっ
てもよい。いくつかの実施形態において、ステップ(b)の塩基は、ナトリウムt-ブト
キシド(NaOt-Bu)である。
【0029】
スキーム3のステップ(b)の方法は、溶媒の存在下で行われてもよい。好適な溶媒と
しては、ジエチルエーテル、二塩化メチレン(DCM)、N,N-ジメチルホルムアミド
(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル(EtOAc)、アセトン、ア
セトニトリル(CHCN)、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ニトロ
メタン、炭酸プロピレンなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、溶媒はTHF
またはDMFであってもよい。
【0030】
スキーム3のステップ(c)において、加水分解は、無機酸を反応混合物に添加するこ
とにより行われてもよい。無機酸は当技術分野で公知の任意の鉱酸であってもよい。いく
つかの実施形態において、鉱酸は水性鉱酸である。好適な鉱酸としてはHF、HCl、H
Br、HSO、HPO、HBO、HNO、HClOなどが挙げられる。
ステップ(c)の方法は、溶媒、例えば、アセトニトリル(CHCN)、ジオキサン、
N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、メ
タノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、ジエチルエーテル、二塩化メチレン(
DCM)、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ニトロメタン、炭酸プロピレ
ン中などで行われてもよい。いくつかの実施形態において、鉱酸の添加前に水を反応混合
物に添加することが有利であってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、高温でステップ(c)の反応を行うことが有利であって
もよい。いくつかの実施形態において、反応は、約50℃~約150℃の温度で行われる
。いくつかの実施形態において、反応は約60℃~約120℃の温度で行われる。いくつ
かの実施形態において、反応は約75℃~約85℃の温度で行われる。塩基、例えば、水
酸化ナトリウム(NaOH)での加水分解後、反応混合物を中和することが有利であって
もよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、本開示は、殺有害生物チオエーテルを調製する方法を提
供する。
【0033】
いくつかの実施形態において、本開示は、式1
【0034】
【化4】
(式中、RおよびRは各々独立にH、F、Cl、Br、I、C~Cアルキルおよ
びトリフルオロメチルからなる群から選択され、RはHまたはC~Cアルキルであ
り、RはHまたは-C(O)C~Cアルキルである)
の化合物を調製する方法であって、
a.銅触媒、リガンド、塩基、溶媒、および任意選択で添加剤の存在下で、次式
【0035】
【化5】
(式中、RおよびRは各々独立にH、F、Cl、Br、I、C~Cアルキルおよ
びトリフルオロメチルからなる群から選択され、RはHまたはC~Cアルキルであ
り、RはHまたは-C(O)C~Cアルキルである)
の化合物を3-ハロピリジンと接触させるステップ
を含む、方法を提供する。
【0036】
いくつかの実施形態において、本開示は、次式
【0037】
【化6】
の化合物を調製する方法であって、
a.銅触媒、リガンド、塩基、および任意選択で添加剤の存在下で、式1a
【0038】
【化7】
の化合物を3-ハロピリジンと接触させて、式1c
【0039】
【化8】
の化合物を得るステップ、または
b.塩基の存在下で、式1c
【0040】
【化9】
の化合物をアルキル化剤と接触させて、式1c’
【0041】
【化10】
の化合物を得るステップ、または
c.式1c’
【0042】
【化11】
の化合物を無機酸と接触させて、式1dの化合物を得るステップ
を含む、方法を提供する。
【0043】
いくつかの実施形態において、ステップ(a)およびステップ(b)の反応は、単一反
応器で行われる。いくつかの実施形態において、ステップ(a)およびステップ(b)の
反応は、ステップ(a)の生成物の精製なしに単一の反応器で行われる。いくつかの実施
形態において、方法は、ステップ(a)、ステップ(b)およびステップ(c)を含む。
いくつかの実施形態において、方法はステップ(a)を含む。いくつかの実施形態におい
て、方法はステップ(b)を含む。いくつかの実施形態において、方法はステップ(c)
を含む。いくつかの実施形態において、本開示の方法は、殺有害生物チオエーテルを調製
する方法、例えば、米国特許第9102655号明細書および米国特許出願公開第201
30288893号明細書に記載の方法に関連して行われてもよい。
【0044】
化合物1dからの殺有害生物チオエーテルの調製についての例示的方法は、例えば、米
国特許第9102654号明細書に見出すことができ、それはすべて、式1dの化合物か
ら殺有害生物チオエーテルを調製することについて開示するために参照により組み込まれ
ている。このような方法の例示的実施形態は、スキーム4に示すように記載され得る。
【0045】
【化12】
【0046】
スキーム4において、3-クロロ-N-エチル-1-(ピリジン-3-イル)-1H-
ピラゾール-アミン(1d)は、XC(=O)(C~C)-アルキル-S-R
示される活性化カルボニルチオエーテルでアシル化されて、殺有害生物チオエーテル(1
e)が生成され得る。いくつかの実施形態において、Rは(C~C)-ハロアルキ
ルである。いくつかの実施形態において、RはCHCHCFである。
【0047】
がClである場合、反応は、極性非プロトン性溶媒、例えば、酢酸エチル中で行わ
れる。反応は、任意選択で、塩基、例えば、重炭酸ナトリウムの存在下で行われて、殺有
害生物チオエーテル(1e)が生成され得る。
【0048】
がOC(=O)(C~C)-アルキルである場合、反応は、塩基、好ましくは
重炭酸ナトリウムの存在下で行われて、殺有害生物チオエーテル(1e)が生成される。
あるいは、Xが、2,4,6-トリプロピル-トリオキサトリホスフィナン-2,4-
トリオキシド(TP)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)または1-エチル-3-(3-ジメチル-アミノプロピル)カルボ
ジイミド(EDC)、好ましくは、2,4,6-トリプロピル-トリオキサトリホスフィ
ナン-2,4-トリオキシドおよびカルボニルジイミダゾールのような試薬により活性化
された活性化カルボン酸である場合、反応は約0℃~約80℃の温度で行われてもよい。
また、この反応は、アミン塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチル
アミンの存在下で、極性非プロトン性溶媒、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、テ
トラヒドロフランまたはジクロロメタン中で、約-10℃~約30℃の温度にて、ウロニ
ウムまたはホスホニウム活性化基、例えば、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イ
ル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU
)またはベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフル
オロリン酸塩(PyBOP)で行われて、殺有害生物チオエーテル(1e)が形成され得
る。
【0049】
活性化カルボニルチオエーテルは、XC(=O)(C~C)-アルキル-S-R
(式中、Xは、OHである)から調製され、これは、極性溶媒、例えば、メタノール
またはテトラヒドロフラン中で、XC(=O)(C~C)-アルキル-S-R
式中、Xは、O(C~C)-アルキルである)で示される対応するエステルチオエ
ーテルを、金属水酸化物、例えば、水酸化リチウムで鹸化することにより調製される。あ
るいは、XC(=O)(C~C)-アルキル-S-R(式中、XはOHまたは
O(C~C)-アルキルである)は、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェ
ノン開始剤および長波長UV光の存在下で、有機溶媒中で、3-メルカプトプロピオン酸
およびそのエステルと3,3,3-トリフルオロプロペンとの光化学的フリーラジカルカ
ップリングにより調製され得る。さらに、XC(=O)(C~C)-アルキル-S
-R(式中、XはOHまたはO(C~C)-アルキルである)は、2,2’-ア
ゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチル)バレロニトリル(V-70)開始剤の存在下
で、約-50℃~約40℃の温度にて、有機溶媒中で、3-メルカプトプロピオン酸およ
びそのエステルと3,3,3-トリフルオロプロペンとの低温フリーラジカル開始カップ
リング(low temperature free-radical initiated coupling)によっても調製され得る
。好ましくは、XC(=O)(C~C)-アルキル-S-R(式中、XはOH
またはO(C~C)-アルキルである)は、過酸化ベンゾイルおよびジメチルアニリ
ンまたはN-フェニルジエタノールアミンの2つの成分の開始剤系の存在下で、約-50
℃~約40℃の温度にて、極性非プロトン性溶媒、例えば、トルエンまたは酢酸エチル中
で、3-メルカプトプロピオン酸およびそのエステルと3,3,3-トリフルオロプロペ
ンとの低温フリーラジカル開始カップリングにより調製される。
【実施例0050】
これらの実施例は、例示目的のためであり、本開示がこれらの実施例に開示される実施
形態のみに限定されると解釈されてはならない。
【0051】
商業的供給源から得た出発材料、試薬および溶媒を、さらなる精製なしに使用した。融
点は未補正である。「室温」を使用する実施例を、約20℃~約24℃の範囲の温度の温
度湿度制御実験室(climate controlled laboratory)で行った。分子には、Accel
rys Draw、ChemDrawまたはACD Name Pro内の命名プログラ
ムに従って命名されたこれらの公知の名前が与えられる。このようなプログラムが、分子
を命名できない場合、このような分子は、従来の命名規則を使用して命名される。別段の
記載のない限り、H NMRスペクトルデータを、ppm(δ)で示し、300、40
0、500または600MHzで記録した;13C NMRスペクトルデータを、ppm
(δ)で示し、75、100または150MHzで記録した;19F NMRスペクトル
データを、ppm(δ)で示し、376MHzで記録した。
【0052】
N-(3-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル)アセトアミド、化合物1bを、化合
物1bの調製のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9029554号明
細書に記載の方法に従って調製した。塩化3-((3,3,3-トリフルオロプロピル)
チオ)プロパノイルを、塩化3-((3,3,3-トリフルオロプロピル)チオ)プロパ
ノイルの調製のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9102655号明
細書に記載の方法に従って調製した。
【0053】
化合物実施例
[実施例1]N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イ
ル)アセトアミド(1c)
【0054】
【化13】
【0055】
25mLの3口丸底フラスコに、N-(3-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル)ア
セトアミド(2.00g、12.5mmol)、炭酸カリウム(3.46g、25.0m
mol)および3-ブロモピリジン(1.45mL、15.0mmol)を添加した。無
水N-メチルピロリドン(10.0mL)を添加し、混合物を窒素で30分間スパージし
た。塩化銅(I)(0.248g、0.250mmol、0.2当量)およびN,N’-
ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(0.743g、5.00mmol、0
.4当量)を添加した。混合物を窒素で10分間スパージした。混合物を95℃で6時間
撹拌した。薄黄緑色の混合物を冷却し、水(10mL)を5分間にわたって添加した。混
合物を水(20mL)を含む100mLのフラスコに移した。混合物を1時間撹拌し、濾
過した。濾過ケーキを冷水(2×5mL)で洗い流した。アセトニトリル(30mL)を
使用して洗い流し、湿潤ケーキを100mLのフラスコに完全に移した。混合物を濃縮し
て、オフホワイトの固体粉末として表題化合物(90.8重量%、2.55g、81%)
を得た:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.94 (br.s, 1H), 9.05 (s, 1H), 8.81 (s, 1H)
, 8.54 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.20 (ddd, J = 8.4, 2.8, 1.4 Hz, 1H), 7.54 (dd, J =
8.4, 4.7 Hz, 1H), 2.10 (s, 3H);ESIMS m/z 237([M+H])。
【0056】
N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)アセ
トアミド(1c)の別の合成経路
25mLの3口丸底フラスコに、N-(3-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル)ア
セトアミド(2.00g、12.5mmol)、炭酸カリウム(3.46g、25.0m
mol)および3-ブロモピリジン(1.45mL、15.0mmol)を添加した。無
水N-メチルピロリドン(10.0mL)を添加し、混合物を窒素で30分間スパージし
た。ヨウ化銅(I)(0.238g、1.25mmol、0.1当量)およびN,N’-
ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(0.372g、2.50mmol、0
.2当量)を添加した。混合物を窒素で15分間スパージした。混合物を95℃で48時
間撹拌した。薄黄緑色の混合物を冷却し、水(10mL)を5分間にわたって添加した。
混合物を水(20mL)を含む100mLのフラスコに移した。混合物を1時間撹拌し、
次いで濾過した。濾過ケーキを冷水(2×5mL)で洗い流した。アセトニトリル(30
mL)を使用して洗い流し、湿潤ケーキを完全に移した。混合物を濃縮して、オフホワイ
トの固体粉末として表題化合物(87.6重量%、2.59g、79%)を得た。特性決
定は、先の方法で調製した試料と一致した。
【0057】
N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)アセ
トアミド(1c)の別の合成経路
25mLの3口丸底フラスコに、N-(3-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル)ア
セトアミド(2.00g、12.5mmol)、炭酸カリウム(3.46g、25.0m
mol)および3-ブロモピリジン(1.45mL、15.0mmol)を添加した。無
水N-メチルピロリドン(10.0mL)を添加し、混合物を窒素で30分間スパージし
た。塩化銅(I)(0.248g、0.250mmol、0.2当量)およびN,N’-
ビス(2-アミノエチル)-1,2-エタンジアミン(0.747mL、5.00mmo
l、0.4当量)を添加した。混合物を窒素で10分間スパージした。混合物を95℃で
6時間撹拌した。薄黄緑色の混合物を冷却し、水(10mL)を5分間にわたって添加し
た。混合物を水(20mL)を含む100mLのフラスコに移した。混合物を1時間撹拌
し、次いで濾過した。濾過ケーキを冷水(2×5mL)で洗い流した。湿潤ケーキを乾燥
して、オフホワイトの固体粉末として表題化合物(64.8重量%、1.17g、60%
)を得た。特性決定は、先の方法で調製した試料と一致した。
【0058】
N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)アセ
トアミド(1c)の別の合成経路
25mLの3口丸底フラスコに、N-(3-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル)ア
セトアミド(2.00g、12.5mmol)、炭酸カリウム(3.46g、25.0m
mol)および3-ブロモピリジン(1.81mL、18.8mmol)を添加した。無
水N-メチルピロリドン(10.0mL)を添加し、混合物を窒素で30分間スパージし
た。塩化銅(I)(0.124g、1.25mmol、0.1当量)およびN,N’-ビ
ス(2-アミノエチル)-1,2-エタンジアミン(0.367g、2.5mmol、0
.2当量)を添加した。混合物を窒素で15分間スパージした。混合物を95℃で22時
間撹拌した。茶色の混合物を冷却し、水(10mL)を5分間にわたって添加した。混合
物を水(20mL)を含む100mLのフラスコに移した。混合物を1時間撹拌し、次い
で濾過した。濾過ケーキを冷水(2×5mL)で洗い流した。アセトニトリル(30mL
)を使用して洗い流し、湿潤ケーキを100mLのフラスコに完全に移した。混合物を濃
縮して、オフホワイトの固体粉末として表題化合物(79.7重量%、1.99g、69
%)を得た。特性決定は、先の方法で調製した試料と一致した。
【0059】
N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)アセ
トアミド(1c)の別の合成経路
25mLの3口丸底フラスコに、N-(3-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル)ア
セトアミド(2.00g、12.5mmol)、炭酸カリウム(3.46g、25.0m
mol)および無水N-メチルピロリドン(10.0mL)を添加した。3-ブロモピリ
ジン(1.20mL、12.5mmol、1.0当量)を添加し、混合物を窒素で30分
間スパージした。塩化銅(I)(0.248g、2.5mmol、0.2当量)およびト
リエチレンテトラミン(TETA)(N,N’-ビス(2-アミノエチル)-1,2-エ
タンジアミン64~69%、0.560mL、2.5mmol、0.2当量)を添加した
。混合物を窒素で10分間スパージした。混合物を95℃で撹拌した。追加の3-ブロモ
ピリジン5ショット(0.120mL、1ショットあたり0.1当量)を2時間、3.5
時間、5時間、6.5時間および9時間で添加した。追加のTETA4ショット(0.2
80mL、1ショットあたり0.1当量)を2時間、3.5時間、5時間および6.5時
間で添加した。反応を15時間後停止した。ダークブルーの混合物を冷却し、水(10m
L)を5分間にわたって添加した。混合物を水(20mL)を含む100mLのフラスコ
に移した。混合物を1時間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを冷水(2×10mL)
で洗い流した。湿潤ケーキを50℃の真空オーブン中で乾燥して、表題化合物(97.3
重量%、2.27g、79%)を得た。特性決定は、先の方法で調製した試料と一致した
【0060】
N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)アセ
トアミド(1c)の別の合成経路
25mLの3口丸底フラスコに、N-(3-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル)ア
セトアミド(2.00g、12.5mmol)、炭酸カリウム(3.46g、25.0m
mol)および無水N-メチルピロリドン(10.0mL)を添加した。3-ブロモピリ
ジン(1.20mL、10.0mmol、1.0当量)を添加し、混合物を窒素で30分
間スパージした。塩化銅(I)(0.248g、2.50mmol、0.2当量)および
アミン多目的乳化剤(Amine Multi-Use Emulsifier)(N,N’-ビス(2-アミノエチ
ル)-1,2-エタンジアミン73.8%、0.500mL、2.50mmol、0.2
当量)を添加した。混合物を窒素で15分間スパージした。混合物を95℃で撹拌した。
追加の3-ブロモピリジン7ショット(0.115mL、1ショットあたり0.1当量)
を2時間、3.5時間、5時間、6.5時間、8時間、9.5時間および11時間で添加
した。追加のアミン多目的乳化剤4ショット(0.245mL、1ショットあたり0.1
当量)を2時間、3.5時間、5時間および6.5時間で添加した。反応を15時間で停
止した。ダークブルーの混合物を冷却し、水(10mL)を5分間にわたって添加した。
混合物を水(20mL)を含む100mLのフラスコに移した。混合物を1時間撹拌した
。濾過ケーキを冷水(3×10mL)で洗い流した。湿潤ケーキを50℃の真空オーブン
中で乾燥して、表題化合物(97.2重量%、2.36g、82%)を得た。特性決定は
、先の方法で調製した試料と一致した。
【0061】
[実施例2]N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イ
ル)-N-エチルアセトアミド(1c’)
【0062】
【化14】
【0063】
3口丸底フラスコ(100mL)に、N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)
-1H-ピラゾール-4-イル)アセトアミド(5.00g、21.1mmol)および
テトラヒドロフラン(50mL)を入れた。ナトリウムtert-ブトキシド(3.05
g、31.7mmol)を添加し(22℃から27.9℃への温度上昇を引き起こす)、
次いで、ブロモエタン(4.70mL、63.4mmol)を添加した。反応物を35℃
で168時間撹拌し、その時点で、HPLC分析により、2.9%(曲線下の面積、AU
C)の出発材料しか残らなかったことが示された。反応混合物を濃縮して、茶色の残渣を
得、これを酢酸エチル(50mL)および水(50mL)で希釈した。水層を酢酸エチル
(4×50mL)で抽出し、合わせた有機物を濃縮して、茶色の残渣を得た。残渣をジク
ロロメタン(2×10mL)に溶解し、溶出液として60~100%酢酸エチル/ヘキサ
ンを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な生成物を含有す
る画分を合わせ、濃縮して、黄色の固体として表題生成物(4.20g、74%)を得た
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.98 (d, J = 2.7, 0.8 Hz, 1H), 8.62 (dd, J = 4.8, 1
.4 Hz, 1H), 8.06 (ddd, J = 8.3, 2.7, 1.4 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.47 (dd, J = 8.
3, 4.7 Hz, 1H), 3.71 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.97 (s, 3H), 1.16 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
; 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 170.69, 148.56, 140.89, 139.95, 135.64, 126.22, 12
6.08, 124.86, 124.09, 43.77, 22.27, 13.15; mp 87-91℃;ESIMS m/z 265
([M+H])。
【0064】
N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-N
-エチルアセトアミド(1c’)の別の合成経路
3口丸底フラスコ(100mL)に、N-(3-クロロ-1(ピリジン-3-イル)-
1H-ピラゾール-4-イル)アセトアミド(1.66g、7.0mmol)およびテト
ラヒドロフラン(16mL)を入れた。ナトリウムtert-ブトキシド(0.843g
、8.77mmol、1.25当量)およびブロモエタン(0.78mL、10.52m
mol、1.5当量)を添加し、反応器をセプタムで密閉した。反応物を58℃で24時
間撹拌し、その時点で、HPLC分析により、1.97%の出発材料しか残らなかったこ
とが示された。混合物を濃縮して、茶色の残渣を得、これを水(20mL)および酢酸エ
チル(20mL)に溶解した。水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、合わせた有
機物を乾燥するまで濃縮した。残渣を、シリカゲルプラグ(シリカ40g)を通過させ、
酢酸エチル(200mL)で溶出した。濾液を、乾燥するまで濃縮し、さらに真空下20
℃で乾燥して、黄色の固体(1.68g、89%)を得た。特性決定は、先の方法で調製
した試料と一致した。
【0065】
N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-N
-エチルアセトアミド(1c’)の別の合成経路
3口丸底フラスコ(125mL)に、N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)
-1H-ピラゾール-4-イル)アセトアミド(2.57g、9.44mmol)、テト
ラヒドロフラン(55mL)およびナトリウムtert-ブトキシド(1.81g、18
.9mmol)を添加した。懸濁液を5分間撹拌し、次いで、ブロモエタン(1.41m
L、18.9mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.0670g、0.
200mmol)を添加した。次いで、得られた灰色に着色した懸濁液を38℃に加熱し
た。3時間後、反応物を分析し、反応が81%完了したことが判明し、24時間後、反応
が完了したことが判明した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水酸化アンモニウム/ギ酸
の緩衝液(10mL)でクエンチした。次いで、混合物をテトラヒドロフラン(40mL
)、酢酸エチル(120mL)および飽和重炭酸ナトリウム(30mL)で希釈した。層
を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。有機層を合わせ、シリカ(3
7g)を添加した。溶媒を真空除去して、固体を得、これを、半自動シリカゲルクロマト
グラフィー(RediSep Silica 220gカラム;ヘキサン(0.2%トリ
エチルアミン)/酢酸エチル、40/60~/0/100勾配溶出システム、流速150
mL/分)を用いて精製し、濃縮後、橙色の固体(2.19g、88%)を得た。特性決
定は、先の方法で調製した試料と一致した。
【0066】
[実施例3]3-クロロ-N-エチル-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-
4-アミン(1d)
【0067】
【化15】
【0068】
塩酸(1N、34mL)中のN-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-
ピラゾール-4-イル)-N-エチルアセトアミド(1.8g、6.80mmol)溶液
を80℃で18時間加熱し、その時点で、HPLC分析により、1.1%の出発材料しか
残らなかったことが示された。反応混合物を20℃に冷却し、水酸化ナトリウム(50重
量%)でpH>9に塩基性化した。得られた懸濁液を20℃で2時間撹拌し、濾過した。
濾過ケーキを水(2×5mL)で洗い流し、30分間調節し、風乾して、オフホワイトの
固体(1.48g、95%)を得た:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.00 (dd, J = 2.8
, 0.8 Hz, 1H), 8.45 (dd, J = 4.7, 1.4 Hz, 1H), 8.11 (ddd, J = 8.4, 2.8, 1.4 Hz,
1H), 8.06 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 7.49 (ddd, J = 8.4, 4.7, 0.8 Hz, 1H), 4.63 (t, J
= 6.0 Hz, 1H), 3.00 (qd, J = 7.1, 5.8 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.1 Hz, 3H); 13C NMR
(101 MHz, DMSO-d6) δ 146.18, 138.31, 135.78, 132.82, 130.84, 124.08, 123.97, 1
12.23, 40.51, 14.28;ESIMS m/z 223([M+H])。
【0069】
3-クロロ-N-エチル-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-アミ
ン(1d)の別の合成経路
3口丸底フラスコ(100mL)に、N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)
-1H-ピラゾール-4-イル)アセトアミド(0.475mg、2.01mmol)お
よびテトラヒドロフラン(10mL)を入れた。三フッ化ホウ素エーテラート(0.63
0mL、5.02mmol)を添加し、混合物を15分間撹拌して、懸濁液を得た。水素
化ホウ素ナトリウム(0.228g、6.02mmol)を添加し、反応物を60℃で4
時間加熱し、その時点で、薄層クロマトグラフィー分析[溶出液:酢酸エチル、試料は、
反応混合物を塩酸で処理し、次いで重炭酸ナトリウムで塩基性化し、酢酸エチルで抽出す
ることにより調製された]により、反応が完了したことが示された。水(10mL)およ
び濃縮された塩酸(1mL)を添加し、反応物を60℃で1時間加熱した。反応混合物を
室温に冷却し、蒸留して、テトラヒドロフランを除去した。混合物を飽和水性重炭酸ナト
リウムでpH約8に中和して、懸濁液を得、これを1時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキ
を水(10mL)で洗い流し、真空下で乾燥して、白色固体(0.352g、79%)を
得た。特性決定は、先の方法で調製した試料と一致した。
【0070】
3-クロロ-N-エチル-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-アミ
ン(1d)の別の合成経路
25mLの丸底フラスコに、N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-
ピラゾール-4-イル)アセトアミド(1.0g、4.2mmol)および無水テトラヒ
ドロフラン(6.0mL)を添加した。白色懸濁液を氷水浴中で6℃に冷却した。温度を
10℃未満で維持しながら、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウ
ム(Red-Al、トルエン中60重量%、3.5mL、11mmol)をシリンジを介
して10分かけて徐々に添加した。濃縮懸濁液は、添加中透明な黄色溶液に徐々に変化し
た。反応混合物を、25℃まで1.5時間かけて徐々に昇温した。溶液を50℃に加熱し
、4.5時間撹拌した。溶液を20℃に冷却した。水酸化ナトリウム(2M、5.0mL
)を添加して、反応をクエンチした。水(20mL)を添加し、2つの透明な十分に分離
した相を得た。下の水相を分離し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有
機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、赤褐色の油として粗生成物(
78重量%、0.59g、63%)を得た。特性決定は、先の方法で調製した試料と一致
した。
【0071】
3-クロロ-N-エチル-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-アミ
ン(1d)の別の合成経路
25mLの丸底フラスコに、N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-
ピラゾール-4-イル)アセトアミド(1.0g、4.2mmol)および無水テトラヒ
ドロフラン(9mL)を添加した。白色懸濁液を氷水浴中で5℃に冷却した。温度を10
℃未満で維持しながら、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(
Red-Al、Aldrich、トルエン中60重量%、4.3mL、13mmol)を
シリンジを介して15分かけて徐々に添加した。濃縮懸濁液は、添加中透明な黄色溶液に
徐々に変化した。反応混合物を、25℃まで3時間かけて徐々に昇温し、次いで、25℃
で17時間撹拌した。水酸化ナトリウム(2M、8mL)を添加して、反応をクエンチし
た。水(20mL)を添加し、2層を分離した。下の水相をジエチルエーテル(3×20
mL)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して
、赤褐色の油として粗生成物(61重量%、0.56g、59%)を得た。特性決定は、
先の方法で調製した試料と一致した。
【0072】
ウルマンカップリング、アルキル化および加水分解を含有する3つのステップのテレス
コープ法での3-クロロ-N-エチル-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール
-4-アミン(1d)の別の合成経路
ステップ1:N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4
-イル)アセトアミド(1c)の合成
250mLの4口平底フラスコに、N-(3-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル)
アセトアミド(10.0g、60.8mmol)、KCO(17.2g、122mm
ol)、無水NMP(26.0mL)および3-ブロモピリジン(7.25mL、74.
5mmol、1.2当量)を入れた。混合物をNで50分間スパージした。CuCl(
608mg、6.08mmol、0.1当量)およびN,N’-ジメチルエチレンジアミ
ン(DMEDA、1.35mL、12.1mmol、0.2当量)を添加した。得られた
薄緑色の混合物をNで15分間スパージし、95℃で撹拌した。LCにより、5時間で
98%の変換が示された。青色の懸濁液を室温まで冷却し、一切単離せずに次のステップ
で直接使用した。
【0073】
ステップ2:N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4
-イル)-N-エチルアセトアミド(1c’)の合成
NMP(約60.8mmol)中のN-(3-クロロ-1(ピリジン-3-イル)-1
H-ピラゾール-4-イル)アセトアミド粗溶液を含有する250mLの4口平底フラス
コに、無水NMP(6.0mL)を添加した。ダークブルーの懸濁液にナトリウムter
t-ブトキシド(14.5g、146mmol、2.4当量)を20分かけて少量ずつ添
加した(ポット温度は24℃から37℃に徐々に上昇させた)。得られた暗褐色の懸濁液
を氷水浴中で19℃に冷却した。ブロモエタン(9.17mL、122mmol、2.0
当量)を、シリンジを介して窒素下で15分かけて滴下添加した。混合物は黄緑色に変化
し、次いで暗褐色の懸濁液になった。混合物を36℃に徐々に昇温させて、黄緑色の懸濁
液を得た。LCにより、3時間で87%の変換が示された。追加のナトリウムtert-
ブトキシド(1.21g、12.2mmol、0.2当量)を添加し、混合物をさらに2
時間撹拌した。LCにより97%の変換が示された。次いで、黄色の懸濁液をNで70
℃にて1.5時間スパージし、室温に冷却した。粗溶液を一切単離せずに次のステップで
直接使用した。
【0074】
ステップ3:3-クロロ-N-エチル-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾー
ル-4-アミン(1d)の合成
250mLの4口平底フラスコ中のNMP中の粗N-(3-クロロ-1-(ピリジン-
3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-N-エチルアセトアミド(約60.8mm
ol)の薄茶色の混合物を、氷水浴中で15℃に冷却し、勢いよく撹拌した。水性HCl
(6.0M、86.5mL、8.5当量)を40分かけて徐々に添加し(注意:CO
放出による気化!)、少量の茶色の固体粉末を含む暗褐色の溶液を得た。混合物を80℃
で16時間撹拌し、LCにより完全な変換が示された。溶液を氷水浴中で20℃に冷却し
た。NaOH溶液(HO中25重量%、33mL)を50分かけて添加し、黄色の懸濁
液を得た。水酸化アンモニウム(29重量%、5.0mL)を添加し、茶色の懸濁液を1
0分間撹拌した。混合物をガラス漏斗を通して濾過した。茶色の湿潤ケーキを水酸化アン
モニウム(29重量%、20mL)および水(3×45mL)で洗い流し、黄褐色の湿潤
ケーキを得た。湿潤ケーキを50℃の真空オーブン中で16時間乾燥し、茶色の固体粉末
として生成物(96重量%、9.96g、3回のステップにわたって73.6%)を得た

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.99 (dd, J = 2.8, 0.8 Hz, 1H), 8.44 (dd, J = 4.7,
1.4 Hz, 1H), 8.10 (ddd, J = 8.4, 2.8, 1.4 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 7.4
9 (ddd, J = 8.4, 4.7, 0.8 Hz, 1H), 4.60 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.00 (qd, J = 7.1,
5.9 Hz, 2H), 1.18 (t, J = 7.1 Hz, 3H). 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) δ 146.17, 13
8.33, 135.79, 132.81, 130.87, 124.05, 123.98, 112.23, 40.53, 14.28.ESIMS
m/z 223([M+H])。
【0075】
[実施例4]N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イ
ル)-N-エチル-3-((3,3,3-トリフルオロプロピル)チオ)プロパンアミド
(化合物6.9)
【0076】
【化16】
3口丸底フラスコ(100mL)に、3-クロロ-N-エチル-1-(ピリジン-3-
イル)-1H-ピラゾール-アミン(5.00g、22.5mmol)および酢酸エチル
(50mL)を入れた。重炭酸ナトリウム(4.72g、56.1mmol)を添加し、
次いで塩化3-((3,3,3-トリフルオロプロピル)チオ)プロパノイル(5.95
g、26.9mmol)を<20℃で2時間滴下添加し、その時点で、HPLC分析によ
り、反応が完了したことが示された。反応物を水(50mL)(オフガス)で希釈し、層
を分離した。水層を酢酸エチル(20mL)で抽出し、合わせた有機層を、乾燥するまで
濃縮して、薄茶色の固体(10.1g、定量)を得た。粗生成物の小試料を、溶出液とし
て酢酸エチルを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、分析用参照
試料を得た:融点79~81℃。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.11 (d, J = 2.7 Hz,
1H), 8.97 (s, 1H), 8.60 (dd, J = 4.8, 1.4 Hz, 1H), 8.24 (ddd, J = 8.4, 2.8, 1.4
Hz, 1H), 7.60 (ddd, J = 8.4, 4.7, 0.8 Hz, 1H), 3.62 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.75 (t
, J = 7.0 Hz, 2H), 2.66 - 2.57 (m, 2H), 2.57 - 2.44 (m, 2H), 2.41 (t, J = 7.0 Hz
, 2H), 1.08 (t, J = 7.1 Hz, 3H);ESIMS m/z 407([M+H])。
【0077】
[実施例5]3-クロロ-N-(3-クロロ-1-(ピリジン-3-イル)-1H-ピラゾ
ール-4-イル)-N-エチルプロパンアミド(2a)
【0078】
【化17】
3口丸底フラスコ(100mL)に、3-クロロ-N-エチル-1-(ピリジン-3-
イル)-1H-ピラゾール-アミン(2.00g、8.98mmol)を入れ、酢酸エチ
ル(20mL)、重炭酸ナトリウム(1.89g、22.5mmol)を添加し、次いで
、塩化3-クロロプロパノイル(1.37g、10.78mmol)を<20℃で滴下添
加した。反応物を10℃で2時間撹拌し、その時点で、薄層クロマトグラフィー分析[溶
出液:酢酸エチル]により、反応が完了したことが示された。反応物を水(50mL)(
オフガス)で希釈し、層を分離した。水層を酢酸エチル(20mL)で抽出し、合わせた
有機層を、乾燥するまで濃縮して、薄茶色の油を得、これを、溶出液として80%酢酸エ
チル/ヘキサンを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な画
分を濃縮して、白色の固体(1.8g、64%)を得た:融点87~90℃:1H NMR (40
0 MHz, DMSO-d6) δ 9.11 (dd, J = 2.7, 0.7 Hz, 1 H), 8.98 (s, 1 H), 8.61 (dd, J =
4.7, 1.4, 1 H), 8.25 (ddd, J = 8.4, 2.7, 1.4 Hz, 1 H), 7.61 (ddd, J = 8.3, 4.7,
0.8 Hz, 1 H), 3.78 (t, J = 6.3 Hz, 2 H), 3.63 (q, J = 7.1 Hz, 2 H), 2.62 (t, J
= 6.2 Hz, 2 H), 1.10 (t, J = 7.1 Hz, 3 H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) δ 169.13,
148,13, 139.71, 139.12, 135.27, 129.42, 125.84, 124.24, 122.38, 43.12, 40.10, 3
6.28, 12.78;EIMS m/z 312([M])。
【0079】
本発明が、詳細に示される特定の実施形態に関して本明細書中に記載されているが、こ
のような実施形態が、本発明の一般的原則の例として示され、本発明が必ずしもそれに限
定されないことが理解されるべきである。任意の所与の材料、方法ステップまたは化学式
における特定の変更および変形は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、
当業者に容易に理解され、すべてのこのような変更および変形は、次に続く特許請求の範
囲内であるとみなされるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】
(式中、RおよびRは各々独立にH、F、Cl、Br、I、C~Cアルキルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され、RはHまたはC~Cアルキルであり、RはHまたは-C(O)C~Cアルキルである)
の化合物を調製する方法であって、
a.銅触媒、リガンド、塩基、溶媒、および任意選択で添加剤の存在下で、次式
【化2】
(式中、RおよびRは各々独立にH、F、Cl、Br、I、C~Cアルキルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され、RはHまたはC~Cアルキルであり、RはHまたは-C(O)C~Cアルキルである)
の化合物を3-ハロピリジンと接触させるステップ
を含み、
前記リガンドが、トリエチレンテトラミン(TETA)、N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(BHEEA)、8-ヒドロキシキノリン、およびジメチルエタン-1,2-ジアミン(DMEDA)からなる群から選択され、
前記リガンドが、ピラゾール出発物質と比較して、0.08~0.2モル当量で使用されるか、またはDMEDAが添加剤の存在下でリガンドとして使用される場合には、ピラゾール出発物質と比較してDMEDAの0.05~0.2モル当量で使用される、方法。
【請求項2】
ステップ(a)の前記銅触媒が、塩化銅(I)(CuCl)、塩化銅(II)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)またはヨウ化銅(I)(CuI)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記添加剤が用いられ、前記添加剤がジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(a)の前記リガンドがDMEDAであり、前記添加剤が用いられ、前記添加剤がジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(a)の前記塩基が、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸カリウム(KCO)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、二リン酸ナトリウム(NaHPO)、リン酸カリウム(KPO)、リン酸ナトリウム(NaPO)、ナトリウムメトキシド(NaOCH)およびナトリウムエトキシド(NaOCHCH)からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(a)の前記溶媒が、アセトニトリル(CHCN)、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、メタノール(MeOH)またはエタノール(EtOH)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記3-ハロピリジンが3-ブロモピリジンである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
がHである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
がClである、請求項1に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
非常に大量の殺有害生物剤、とりわけ米国特許第9102655号明細書および米国特許出願公開第20130288893号明細書に記載の種類の殺有害生物チオエーテルが必要とされているため、経済的な市販の出発材料から効率的かつ高収率で殺有害生物チオエーテルを製造する新しい方法を開発することは非常に有利であろう。
本開示は以下の[1]から[20]を含む。
[1]式1
【化1】
(式中、R およびR は各々独立にH、F、Cl、Br、I、C ~C アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され、R はHまたはC ~C アルキルであり、R はHまたは-C(O)C ~C アルキルである)
の化合物を調製する方法であって、
a.銅触媒、リガンド、塩基、溶媒、および任意選択で添加剤の存在下で、次式
【化2】
(式中、R およびR は各々独立にH、F、Cl、Br、I、C ~C アルキルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され、R はHまたはC ~C アルキルであり、R はHまたは-C(O)C ~C アルキルである)
の化合物を3-ハロピリジンと接触させるステップ
を含む、方法。
[2]ステップ(a)の上記銅触媒が、塩化銅(I)(CuCl)、塩化銅(II)(CuCl )、臭化銅(I)(CuBr)またはヨウ化銅(I)(CuI)である、上記[1]に記載の方法。
[3]ステップ(a)の上記リガンドが、トリエチレンテトラミン(TETA)、N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(BHEEA)および8-ヒドロキシキノリンからなる群から選択される、上記[1]または[2]に記載の方法。
[4]上記添加剤が用いられ、上記添加剤がジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である、上記[1]または[2]に記載の方法。
[5]ステップ(a)の上記リガンドがDMEDAであり、上記添加剤が用いられ、上記添加剤がジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である、上記[1]または[2]に記載の方法。
[6]ステップ(a)の上記塩基が、重炭酸ナトリウム(NaHCO )、炭酸ナトリウム(Na CO )、炭酸カルシウム(CaCO )、炭酸セシウム(Cs CO )、炭酸リチウム(Li CO )、炭酸カリウム(K CO )、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH) )、二リン酸ナトリウム(Na HPO )、リン酸カリウム(K PO )、リン酸ナトリウム(Na PO )、ナトリウムメトキシド(NaOCH )およびナトリウムエトキシド(NaOCH CH )からなる群から選択される、上記[1]または[2]に記載の方法。
[7]ステップ(a)の上記溶媒が、アセトニトリル(CH CN)、ベンゾニトリル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、2-メチルテトラヒドロフラン、トルエン、メタノール(MeOH)またはエタノール(EtOH)である、上記[1]または[2]に記載の方法。
[8]上記3-ハロピリジンが3-ブロモピリジンである、上記[1]に記載の方法。
[9]R がHである、上記[1]に記載の方法。
[10]R がClである、上記[1]に記載の方法。
[11]次式
【化3】
の化合物を調製する方法であって、
a.銅触媒、リガンド、塩基、および任意選択で添加剤の存在下で、式1b
【化4】
の化合物を3-ハロピリジンと接触させて、式1c
【化5】
の化合物を得るステップと、
b.塩基の存在下で、式1c
【化6】
の化合物をアルキル化剤と接触させて、式1c’
【化7】
(式中、R はC ~C アルキルであり、R は-C(O)C ~C アルキルである)
の化合物を得るステップと、
c.式1c’
【化8】
の化合物を無機酸と接触させて、化合物1dを得るステップと
を含む、方法。
[12]ステップ(a)の上記銅触媒が、塩化銅(I)(CuCl)、塩化銅(II)(CuCl )、臭化銅(I)(CuBr)またはヨウ化銅(I)(CuI)である、上記[11]に記載の方法。
[13]ステップ(a)の上記リガンドが、トリエチレンテトラミン(TETA)、N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン(BHEEA)および8-ヒドロキシキノリンからなる群から選択される、上記[11]または[12]に記載の方法。
[14]ステップ(a)で上記添加剤が用いられ、上記添加剤がジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である、上記[11]または[12]に記載の方法。
[15]ステップ(a)の上記リガンドがDMEDAであり、上記添加剤が用いられ、上記添加剤がジアルキルアミン、トリアルキルアミン、ベンゾニトリルまたはN,N,N’N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)である、上記[11]または[12]に記載の方法。
[16]ステップ(a)の上記塩基が、重炭酸ナトリウム(NaHCO )、炭酸ナトリウム(Na CO )、炭酸カルシウム(CaCO )、炭酸セシウム(Cs CO )、炭酸リチウム(Li CO )、炭酸カリウム(K CO )、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH) )、二リン酸ナトリウム(Na HPO )、リン酸カリウム(K PO )、リン酸ナトリウム(Na PO )、ナトリウムメトキシド(NaOCH )およびナトリウムエトキシド(NaOCH CH )からなる群から選択される、上記[11]または[12]に記載の方法。
[17]ステップ(a)の上記溶媒が、アセトニトリル(CH CN)、ベンゾニトリル、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トルエン、メタノール(MeOH)またはエタノール(EtOH)である、上記[11]または[12]に記載の方法。
[18]ステップ(b)の上記アルキル化剤が、Br、I、トリフラート(-OTf)、トシラート(-OTs)およびメシラート(-OMs)からなる群から選択される脱離基で置換されているC ~C アルキル基である、上記[11]または[12]に記載の方法。
[19]ステップ(b)の上記塩基が、重炭酸ナトリウム(NaHCO )、炭酸ナトリウム(Na CO )、炭酸カルシウム(CaCO )、炭酸セシウム(Cs CO )、炭酸リチウム(Li CO )、炭酸カリウム(K CO )、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH) )、水素化ナトリウム(NaH)、水素化リチウム(LiH)、水素化カリウム(KH)、ナトリウムメトキシド(NaOCH )、ナトリウムエトキシド(NaOCH CH )およびナトリウムt-ブトキシド(NaOt-Bu)からなる群から選択される、上記[11]または[12]に記載の方法。
[20]ステップ(c)の上記無機酸が、HF、HCl、HBr、H SO 、H PO 、H BO 、HNO およびHClO からなる群から選択される、上記[11]または[12]に記載の方法。
【外国語明細書】