IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シグモイド・ファーマ・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-製剤 図1
  • 特開-製剤 図2
  • 特開-製剤 図3
  • 特開-製剤 図4
  • 特開-製剤 図5
  • 特開-製剤 図6
  • 特開-製剤 図7
  • 特開-製剤 図8
  • 特開-製剤 図9
  • 特開-製剤 図10
  • 特開-製剤 図11
  • 特開-製剤 図12
  • 特開-製剤 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153512
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/16 20060101AFI20221004BHJP
   A61K 9/50 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20221004BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 38/13 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/606 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/502 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
A61K9/16
A61K9/50
A61K47/42
A61K47/38
A61K47/14
A61K47/20
A61K38/13
A61K31/606
A61K31/502
A61K31/415
A61P1/04
A61P29/00
A61P37/06
【審査請求】有
【請求項の数】64
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116743
(22)【出願日】2022-07-21
(62)【分割の表示】P 2019190984の分割
【原出願日】2014-11-07
(31)【優先権主張番号】1319791.8
(32)【優先日】2013-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】509276490
【氏名又は名称】サブリミティ・セラピューティクス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUBLIMITY THERAPEUTICS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】クールター イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】アバーサ ヴィンセンゾ
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド バーナード フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ローサ モニカ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】消化管の障害の治療及び予防における、新しいインビトロ放出プロファイルを有する製剤を提供する。
【解決手段】コア及びコーティングを含み、前記コアは、固体コロイドを含み、前記コロイドは、連続相及び分散相を含み、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コーティングは、水溶性セルロースエーテルを含み、前記コーティングは、前記コアの0.5~20重量%のコーティングによる重量増加に対応する量で存在する、医薬製剤を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアおよびコーティングを含み、前記コアは、固体コロイドを含み、前記コロイドは、
連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み
、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コーティングは、水溶性セルロースエーテル
を含み、前記コーティングは、前記コアの0.5~20重量%のコーティングによる重量
増加に対応する量で存在する、医薬製剤。
【請求項2】
前記コーティングは、厚さが1μm~1mmである、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
コアおよびコーティングを含み、前記コアは、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスお
よび薬学的有効成分を含み、前記コーティングは、水溶性セルロースエーテルを含み又は
であり、前記コーティングは、厚さが1μm~1mmである、医薬製剤。
【請求項4】
前記コーティングは、厚さが1~500μmである、請求項3に記載の医薬製剤。
【請求項5】
コアおよびコーティングを含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コアは、固
体コロイドを含み、前記コロイドは、連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロ
ゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記コーティングは、水溶性セルロースエーテル
を含み、また、前記コーティングは、水からなる溶出媒体中の前記薬学的有効成分の溶液
中%を測定する溶出試験の開始から1時間で前記薬学的有効成分の溶液中%が60%を超
える量で存在し、前記溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パドル速度が75r
pm、前記溶出媒体の温度が37℃で操作される装置II(パドル装置)を用いて実施さ
れる、医薬製剤。
【請求項6】
前記溶液中%は、60~90%、65~85%、68~83%、68~73%、72~
78%、または77~83%の範囲から選択されうる、請求項5に記載の医薬製剤。
【請求項7】
コアおよびコーティングを含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コアは、固
体コロイドを含み、前記コロイドは、連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロ
ゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記コーティングは、水溶性セルロースエーテル
を含み、また、前記コーティングは、水からなる溶出媒体中の前記薬学的有効成分の溶液
中%を測定する溶出試験の開始から0.5時間で前記製剤の前記薬学的有効成分の溶液中
%が前記コーティングのない製剤よりも高くなる量で存在し、前記溶出試験は、USP<
711>溶出に従って、パドル速度が75rpm、前記溶出媒体の温度が37℃で操作さ
れる装置II(パドル装置)を用いて実施される、医薬製剤。
【請求項8】
前記薬学的有効成分の前記より高い溶液中%は、0.5時間、ならびに、20分、40
分、1時間、および1.5時間から選択される時点、ならびにこれらの任意の組み合わせ
で得られる、請求項7に記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記薬学的有効成分の前記より高い溶液中%は、前記溶出試験の開始から1.5時間ま
での期間の間、得られる、請求項7または請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記コーティングは、前記コアの1~9重量%のコーティングによる重量増加に対応す
る量で存在する、請求項5~9のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項11】
コアおよびコーティングを含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コアは、固
体コロイドを含み、前記コロイドは、連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロ
ゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記コーティングは、水溶性セルロースエーテル
を含み、また、前記コーティングは、水からなる溶出媒体中の溶出試験の開始から12時
間で前記薬学的有効成分の溶液中%が75%を超える量で存在し、前記溶出試験は、US
P<711>溶出に従って、パドル速度が75rpm、前記溶出媒体の温度が37℃で操
作される装置II(パドル装置)を用いて実施される、医薬製剤。
【請求項12】
前記溶出試験の開始から24時間での前記薬学的有効成分の溶液中%は、50%を超え
る、請求項11に記載の医薬製剤。
【請求項13】
コアおよびコーティングを含み、前記コアは、薬学的有効成分、任意選択的に疎水性の
有効成分を含み、前記コアは、固体コロイドを含み、前記コロイドは、連続相および分散
相を含み、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記コーティン
グは、水溶性セルロースエーテルを含み、また、前記コーティングは、水からなる溶出媒
体中の溶出試験の開始から12時間で前記製剤の前記薬学的有効成分の溶液中%が前記コ
ーティングのない製剤よりも高くなる量で存在し、前記溶出試験は、USP<711>溶
出に従って、パドル速度が75rpm、前記溶出媒体の温度が37℃で操作される装置I
I(パドル装置)を用いて実施される、医薬製剤。
【請求項14】
前記コーティングは、10~16時間、10~18時間、10~24時間、12~18
時間、12~22時間、12~24時間、および4~24時間の範囲から選択される1つ
の期間の間、前記薬学的有効成分の溶液中%がより高くなる量で存在する、請求項13に
記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記薬学的有効成分は、疎水性の有効成分である、請求項11~14のいずれかに記載
の医薬製剤。
【請求項16】
コアおよびコーティングを含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コアは、固
体コロイドを含み、前記コロイドは、連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロ
ゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記コーティングは、水溶性セルロースエーテル
を含み、また、前記コーティングは、水からなる溶出媒体中の溶出試験の開始から8~1
6時間の期間の間、前記薬学的有効成分の溶液中%の減少が、15以下、任意選択的に1
0以下、となる量で存在し、前記溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パドル速
度が75rpm、前記溶出媒体の温度が37℃で操作される装置II(パドル装置)を用
いて実施される、医薬製剤。
【請求項17】
前記コーティングは、8~20重量%のコーティングによる重量増加に対応する量で存
在する、請求項13~15のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記医薬製剤は、遅延放出ポリマーを含む又はである第2のコーティングを含む、請求
項1~4のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項19】
コア、第1のコーティング、および前記第1のコーティングの外の第2のコーティング
を含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コアは、固体コロイドを含み、前記コ
ロイドは、連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリッ
クスを含み、前記第1のコーティングは、水溶性セルロースエーテルを含み、前記第2の
コーティングは、遅延放出ポリマーを含み又はであり、また、前記第1のコーティングは
、溶出試験の開始から12時間で前記製剤の前記薬学的有効成分の放出%が前記コーティ
ングのない対応する医薬製剤よりも高くなる量で存在し、前記溶出試験は、USP<71
1>溶出に従って、パドル速度が75rpm、前記溶出媒体の温度が37℃で操作される
装置II(パドル装置)を用いて実施される
、医薬製剤。
【請求項20】
前記第1のコーティングは、6~22時間の期間の間、前記薬学的有効成分の放出%が
より高くなる量で存在する、請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項21】
コア、第1のコーティング、および前記第1のコーティングの外の第2のコーティング
を含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コアは、固体コロイドを含み、前記コ
ロイドは、連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリッ
クスを含み、前記第1のコーティングは、水溶性セルロースエーテルを含み、前記第2の
コーティングは、遅延放出ポリマーを含み又はであり、また、前記第1のコーティングは
、2段階溶出試験の開始から12時間で前記薬学的有効成分の放出%が70%を超える量
で存在し、前記溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パドル速度が75rpm、
前記溶出媒体の温度が37℃で操作される装置II(パドル装置)を用いて実施される、
医薬製剤。
【請求項22】
前記第1のコーティングは、12時間で前記薬学的有効成分の80%以上の放出を可能
にする量で存在する、請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項23】
前記第1のコーティングは、12時間で前記薬学的有効成分の放出%が80~95%ま
たは85~95%となる量で存在する、請求項21または請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項24】
前記第1のコーティングは、前記2段階溶出試験の開始から6時間で前記薬学的有効成
分の放出%が45%を超える量で、任意選択的に45~65%となる量で存在する、請求
項21~23のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項25】
前記第1のコーティングは、前記溶出試験の開始から4時間で前記薬学的有効成分の放
出%が25%を超える量で、任意選択的に25~40%となる量で存在する、請求項21
~24のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項26】
前記第1のコーティングは、6時間で前記薬学的有効成分の放出%が25%を超える量
で、任意選択的に25~35%となる量で存在する、請求項21~23のいずれかに記載
の医薬製剤。
【請求項27】
コア、第1のコーティング、および前記第1のコーティングの外の第2のコーティング
を含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コアは、固体コロイドを含み、前記コ
ロイドは、連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリッ
クスを含み、前記第1のコーティングは、水溶性セルロースエーテルを含み、前記第2の
コーティングは、遅延放出ポリマーを含み又はであり、また、前記第1のコーティングは
、溶出試験の開始から6時間で前記薬学的有効成分の放出%が70%を超える量で存在し
、前記溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パドル速度が75rpm、前記溶出
媒体の温度が37℃で操作される装置II(パドル装置)を用いて実施される、医薬製剤
【請求項28】
前記第1のコーティングは、6時間で前記薬学的有効成分の放出%が75~95%また
は80~90%となる量で存在する、請求項27に記載の医薬製剤
【請求項29】
コア、第1のコーティング、および前記第1のコーティングの外の第2のコーティング
を含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記コアは、固体コロイドを含み、前記コ
ロイドは、連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリッ
クスを含み、前記第1のコーティングは、水溶性セルロースエーテルを含み、前記第2の
コーティングは、遅延放出ポリマーを含み又はであり、また、前記第1のコーティングは
、溶出試験の開始から12時間で前記薬学的有効成分の放出%が40%を超える量で存在
し、前記溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パドル速度が75rpm、前記溶
出媒体の温度が37℃で操作される装置II(パドル装置)を用いて実施される、医薬製
剤。
【請求項30】
前記薬学的有効成分は、親水性の有効成分である、請求項29に記載の医薬製剤。
【請求項31】
前記第1のコーティングは、12時間で前記有効成分の40~80%の放出を可能にす
る量で存在する、請求項30に記載の医薬製剤。
【請求項32】
前記第1のコーティングは、前記コアと接触している、請求項18~31のいずれかに
記載の医薬製剤。
【請求項33】
前記第2のコーティングは、前記第1のコーティング上にある、請求項18~32のい
ずれかに記載の医薬製剤。
【請求項34】
前記第2のコーティングは、2~40%の第2のコーティングによる重量増加に対応す
る量で存在し、任意選択的に、前記第2のコーティングによる重量増加は、4~30%、
4~7%、7~40%、7~30%、8~25%、8~20%、2~25%、2~20%
、4~25%、4~20%、4~15%、4~13%、7~15%、7~13%、8~1
2%、9~12%、および20~25%の範囲から選択される、請求項18~33のいず
れかに記載の医薬製剤。
【請求項35】
前記遅延放出ポリマーは、腸溶性ポリマー、pH非依存性ポリマー、pH依存性ポリマ
ー、および胃腸管において細菌酵素による分解が起こりやすいポリマーから選択され、ま
たは、2つ以上のそのようなポリマーの組み合わせである、請求項18~34のいずれか
に記載の医薬製剤。
【請求項36】
前記遅延放出ポリマーは、pHが6.5を超える水媒体中で水溶性または透水性である
、請求項18~35のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項37】
前記遅延放出ポリマーは、pH非依存性ポリマー、例えば、エチルセルロースである又
は含む、請求項18~36のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項38】
前記水溶性セルロースエーテルは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキ
シプロピルメチルセルロースの任意の1つまたは組み合わせから選択される、請求項1~
37のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項39】
前記水溶性セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求
項38に記載の医薬製剤。
【請求項40】
前記第1のコーティングは、前記コアの0.5~20重量%のコーティングによる重量
増加に対応する量で存在する、請求項3~9、11~16、または18~39のいずれか
に記載の医薬製剤。
【請求項41】
前記コーティングによる重量増加は、0.5~15%、1~15%、1~12%、1~
10%、1~8%、1~6%、1~4%、2~10%、2~8%、2~6%、2~4%、
4~8%、4~7%、5~7%、7~20%、7~16%、9~20%、9~16%、1
~15%、および12~16%から選択される範囲にある、請求項1~9、11~16、
または18~40のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項42】
前記薬学的有効成分は、疎水性の薬学的有効成分または親水性の薬学的有効成分である
、請求項1~14、16~29、または31~41のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項43】
前記コアは、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含む、請求項5~42のいずれか
に記載の医薬製剤。
【請求項44】
任意選択的に、前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、親水コロイド、非親水コ
ロイドガム、またはキトサンである又は含む、請求項1~4、または43のいずれかに記
載の医薬製剤。
【請求項45】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、可逆性親水コロイド、任意選択的に、熱
可逆性ヒドロゲル形成ポリマーである又は含む、請求項44のいずれかに記載の医薬製剤
【請求項46】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、不可逆性親水コロイドである又は含む、
請求項44に記載の医薬製剤。
【請求項47】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、ゼラチン、寒天、ポリエチレングリコー
ル、デンプン、カゼイン、キトサン、大豆蛋白質、ベニバナタンパク質、アルギン酸塩、
ジェランガム、カラギーナン、キサンタンガム、フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、
フタル酸酢酸セルロース、オレオレジン、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸もしくはメタクリ
ル酸エステルの重合物、ポリビニルアセテートフタレート、および上記全ての任意の誘導
体、または、このようなポリマーの2種類以上の混合物、である又は含む、請求項1~4
、43、または44のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項48】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、カラギーナン、ゼラチン、寒天、および
ペクチン、またはそれらの組み合わせ、任意選択的には、ゼラチンおよび寒天またはそれ
らの組み合わせ、から選択される親水コロイドであり又は含み、より任意選択的には、ヒ
ドロゲル形成ポリマーマトリックスのポリマーは、ゼラチンである又は含む、請求項1~
4、43~47のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項49】
前記ヒドロゲル形成ポリマーは、さらに、可塑剤、任意選択的には、グリセリン、ポリ
オール(例えば、ソルビトール)、ポリエチレングリコール、およびクエン酸トリエチル
、またはこれらの混合物、から選択される可塑剤、特にソルビトールを含む、請求項47
または請求項48に記載の医薬製剤。
【請求項50】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、任意選択的にアルギン酸の架橋塩から選
択される、非親水コロイドガムである又は含む、請求項44のいずれかに記載の医薬製剤
【請求項51】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、キトサンである又はを含む、請求項44
に記載の医薬製剤。
【請求項52】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、前記有効成分をカプセル化する、請求項
1~4、43、または51のいずれかに記載の医薬製剤
【請求項53】
前記分散相は、疎水性相である又は含む、請求項1~52のいずれかに記載の医薬製剤
【請求項54】
前記分散相は、液体脂質および任意選択的に前記液体脂質と混和する溶媒である又は含
む、請求項1~53のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項55】
前記分散相は、グリセリド組成物であり又は含み、任意選択的に、前記分散相は、脂肪
酸モノグリセリド、ジグリセリド、もしくはトリグリセリド、もしくはそれらの組み合わ
せであり又は含み、または、前記分散相は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド組成
物である又は含む、請求項53に記載の医薬製剤。
【請求項56】
前記分散相は、植物油および石油化学油から選択される油である又は含む、請求項53
又は54に記載の医薬製剤。
【請求項57】
前記分散相は、例えば、オメガ3油、例えば、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエ
ン酸、α-リノール酸、および共役リノール酸、から選択される、ポリ不飽和脂肪酸であ
る又は含む、請求項53又は54に記載の医薬製剤。
【請求項58】
前記分散相は、オリーブ油、ゴマ油、ヤシ油、パーム核油、およびニーム油から選択さ
れる油である又は含む、請求項53又は54に記載の医薬製剤。
【請求項59】
前記分散相は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リ
ノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド、およびプ
ロピレングリコールジカプリレート/ジカプレートから選択される油相である又は含む、
請求項53又は54に記載の医薬製剤。
【請求項60】
前記分散相は、リノレオイルマクロゴールグリセリド(ポリオキシルグリセリド)およ
びカプリロカプロイルマクロゴールグリセリドから選択される油相である又は含む、請求
項53又は54に記載の医薬製剤。
【請求項61】
前記分散相は、HLBが0~10の油相である又は含む、請求項53~60のいずれか
に記載の医薬製剤。
【請求項62】
前記分散相は、さらに溶媒であり又は含み、前記溶媒は、前記分散相および水と混和し
、任意選択的に、前記溶媒は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールおよびポリ(エ
チレングリコール)から選択され、特に、前記溶媒は、2-(2-エトキシエトキシ)エ
タノールである、請求項53~60のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項63】
前記溶媒は、平均分子量が約200~約400のPEG、例えば、PEG200または
PEG400、から選択されるポリ(エチレングリコール)である又は含む、請求項62
に記載の医薬製剤。
【請求項64】
前記分散相は、前記コアの乾燥重量で、10~85%、例えば、20~30%を示す油
相である又は含む、請求項53~63のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項65】
前記分散相は、中鎖トリグリセリド、ポリエトキシル化ヒマシ油、および2-(エトキ
シエトキシ)エタノールを含む油相である又は含む、請求項53に記載の医薬製剤。
【請求項66】
前記有効成分は、前記連続相もしくは前記分散相中に溶解または懸濁している、請求項
53~65のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項67】
前記有効成分は、
a.前記分散相中に溶解している、
b.前記連続相中に溶解している、
c.前記分散相中に懸濁している、または
d.前記連続相中に懸濁している、
請求項66のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項68】
前記有効成分は、疎水性の有効成分であり、前記分散相中に溶解しもしくは前記連続相
中に懸濁しており、または、親水性の有効成分であり、前記分散相中に懸濁しもしくは前
記連続相中に溶解している、請求項66に記載の医薬製剤。
【請求項69】
前記コアは、界面活性剤をさらに含み、任意選択的に、前記界面活性剤は、任意選択的
にアルキル硫酸塩、カルボン酸塩、もしくはリン脂質から選択される、陰イオン界面活性
剤、または、任意選択的にソルビタン系界面活性剤、PEG脂肪酸、もしくはグリセリル
脂肪酸から選択される、非イオン界面活性剤、または、ポロキサマー、または、それらの
組み合わせ、である、請求項1~68のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項70】
前記コアは、少なくとも前記連続相に存在する界面活性剤をさらに含み、前記界面活性
剤は、HLB値が少なくとも10であり、例えば、20よりも大きい、請求項69
いずれかに記載の医薬製剤。
【請求項71】
前記連続相中の前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、例えば、脂肪酸塩および胆汁
塩から選択される少なくとも1つの界面活性剤、特に、アルキル硫酸塩、例えば、ドデシ
ル硫酸ナトリウムである、請求項70に記載の医薬製剤。
【請求項72】
前記分散相は、非イオン界面活性剤である又は含む、請求項53~71のいずれかに記
載の医薬製剤。
【請求項73】
前記分散相は、HLB値が1~20、例えば、1~15、1~10、10~20、10
~15、1~5の範囲である界面活性剤をさらに含む、請求項72のいずれかに記載
の医薬製剤。
【請求項74】
前記界面活性剤は、HLB値が、8以下、7以下、1~8、1~7、1~5、2~5、
1~4、1~3、1~2、2~4、3~4、5~8、6~8、および6~7から選択され
る、請求項73に記載の医薬製剤。
【請求項75】
前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記分散相は、油および
界面活性剤を含む油相を含み、前記油および前記界面活性剤は両方とも、HLBが0~1
0の範囲である、請求項74のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項76】
前記油は、HLBが1~5であり、前記界面活性剤は、HLBが2~8、任意選択的に
、3~7、2~6、または3~4である、請求項75に記載の医薬製剤。
【請求項77】
前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸乳酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテル、エチレンオキシ
ド-プロピレンオキシドブロック共重合体、およびポリオキシエチレンエーテルから選択
される界面活性剤であり又は含み、任意選択的に、前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド
、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪
酸乳酸エステル、またはショ糖脂肪酸エステルから選択される界面活性剤であり又は含み
、 任意選択的に、前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、および脂肪酸乳酸エステルから選択
される界面活性剤であり又は含み、
任意選択的に、前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリドであり又は含み、
任意選択的に、前記界面活性剤は、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンモ
ノ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステル、またはソルビタントリ脂肪酸エステル
である又は含む、
請求項7276のいずれかに記載の医薬製剤
【請求項78】
前記界面活性剤は、以下から選択される、
オレオイルマクロゴールグリセリド、リネオイルマクロゴールグリセリド、ラウロイル
マクロゴールグリセリド、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコー
ルモノラウレート、プロピレングリコールモノヘプタノアート、プロピレングリコールモ
ノカプリレート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、
ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル
、ポリエチレングリコールオレオイルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、 ソルビタントリオレエート、ソル
ビタンモノパルミテート、ソルビタンラウレート、ソルビパルミチン酸、ステアリン酸ソ
ルビタン、オレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、およびナトリウムステ
アロイル-2-ラクチラート、 請求項7276のいずれかに記載の医薬製剤
【請求項79】
前記界面活性剤は、ソルビタントリオレエート(スパン85)、ソルビタンモノパルミ
テート(スパン40);ポリグリセリル-3ジオレエート(Plurol Oleiqu
e CC 497)およびオレオイルマクロゴール6グリセリド(ラブラフィルM194
4CS)から選択され、任意選択的に、前記界面活性剤は、ソルビタントリオレエート(
スパン85)およびソルビタンモノパルミテート(スパン40)から選択される、請求項
7276のいずれかに記載の医薬製剤
【請求項80】
前記油相は、トリグリセリドであり又は含み、任意選択的に、前記油は、カプリル酸/
カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、およ
びカプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリドから選択されるトリグリセリドであ
る又は含む、請求項7579のいずれかに記載の医薬製剤
【請求項81】
前記分散相は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リ
ノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド、およびプ
ロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、およびポリエトキシル化ヒマシ油か
ら選択される油相を含む、請求52のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項82】
前記分散相は、溶媒、例えば、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールをさらに含む
、請求項81のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項83】
前記医薬製剤は、界面活性剤、可溶化剤、透過性促進剤、崩壊剤、結晶化抑制剤、pH
調整剤、安定化剤、またはそれらの組み合わせから選択される賦形剤をさらに含む、請求
項1~82のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項84】
前記第2のコーティングは、細孔形成剤をさらに含む、請求項18~83のいずれかに
記載の医薬製剤。
【請求項85】
前記第2のコーティングは、遅延放出ポリマーおよび細孔形成剤を含み、任意選択的に
、ポリマー:細孔形成剤の比率が、80:20~99.5:0.5、90:10~99.
5:0.5、95:5~99.5:0.5、97:3~99:1で存在し、任意選択的に
、前記比率は、98:2である、請求項84に記載の医薬製剤。
【請求項86】
前記細孔形成剤は、細菌分解性ポリマーであり、任意選択的に、細菌分解性多糖類であ
る、請求項85または請求項86に記載の医薬製剤。
【請求項87】
前記分散相は、
薬学的有効成分、例えば、シクロスポリン、ヒドララジン、またはメサラミン、 中鎖
のモノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリド、例えば、カプリル酸/カプリ
ン酸トリグリセリド、
非イオン界面活性剤、例えば、ポリエトキシル化ヒマシ油、および
溶媒、例えば、2-(エトキシエトキシ)エタノール)、
であり又は含み、
前記連続相は、
陰イオン界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、および胆汁塩から選択され
る少なくとも1つの界面活性剤、特にアルキル硫酸塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム

カラギーナン、ゼラチン、寒天、およびペクチンから選択される親水コロイド、または
その組み合わせ、任意選択的には、ゼラチンおよび寒天から選択される親水コロイド、ま
たはその組み合わせ、である又は含むヒドロゲル形成ポリマーマトリックス、より任意選
択的には、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスのポリマーは、ゼラチンである又は含む
、ならびに
任意選択的に、可塑剤、例えば、グリセリン、ポリオール、例えば、ソルビトール、ポ
リエチレングリコール、およびクエン酸トリエチルから選択される可塑剤、またはその混
合物、特にソルビトール、
である又は含む、
請求項88に記載の医薬製剤。
【請求項88】
前記コアは、300~700mg/gの量のゼラチンを含むヒドロゲル形成ポリマーマ
トリックスを含み、前記コアは、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、または中鎖ト
リグリセリドを、20~200mg/gの量でさらに含み、前記医薬製剤は、以下の成分
、つまり、
150~250mg/gの量の共溶媒、
80~200mg/gの量の非イオン界面活性剤、
15~50mg/gの量の陰イオン界面活性剤、
をさらに含む、
請求項1~87のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項89】
前記製剤は、ミニビーズの形態である、請求項1~88のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項90】
コアの最大断面寸法は、約0.01~約5mmであり、任意選択的に、前記製剤は、ミ
ニビーズの形態である、請求項1~89のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項91】
前記ミニビーズは、回転楕円体であり、縦横比が、1.5以下、例えば、1.1~1.
5である、請求項89または請求項90に記載の医薬製剤。
【請求項92】
請求項8991のいずれかに記載のミニビーズを多数含む医薬製剤。
【請求項93】
前記製剤は、経口投与用である、請求項1~92のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項94】
前記コアは、前記分散相を前記連続相と混合してコロイドを形成することによって形成
されたコアの特性を有し、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーを含む水相であり、前
記分散相は、疎水性相であり、前記薬学的有効成分は、前記連続相または前記分散相中に
あり、前記コロイドは、前記コアを形成するためにゲル化されている、請求項1~93
いずれかに記載の医薬製剤。
【請求項95】
前記分散相は、請求項5365または7282のいずれかで定義された通りである
、請求項94に記載の医薬製剤。
【請求項96】
前記ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラチン、寒天、ポリエチレングリコール、デンプン
、カゼイン、キトサン、大豆蛋白質、ベニバナタンパク質、アルギン酸塩、ジェランガム
、カラギーナン、キサンタンガム、フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、フタル酸酢酸
セルロース、含油樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルの重
合物、ポリビニルアセテートフタレート、および上記全ての任意の誘導体、から選択され
る1つ以上のヒドロゲル形成ポリマーである又は含む、請求項94または請求項95に記
載の医薬製剤。
【請求項97】
前記連続相は、陰イオン界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、を
さらに含む、請求項9496のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項98】
前記医薬製剤は、前記第1のコーティングでコアをコーティングすることによって形成
される医薬製剤の特性を有する、請求項9497のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項99】
前記コアは、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスおよび前記ヒドロゲル形成ポリマー
マトリックス中に分散した疎水性相を含み、前記コアは、ゼラチン、SDS、ソルビトー
ル、ポリエトキシル化ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、2-(エトキ
シエトキシ)エタノールであり又は含み、前記水溶液(i)は、ゼラチン、ソルビトール
、およびSDSであり又は含み、前記分散相(ii)は、ポリエトキシル化ヒマシ油、カ
プリル酸/カプリン酸トリグリセリド、2-(エトキシエトキシ)エタノール、およびシ
クロスポリンAである又は含む、請求項94に記載の医薬製剤。
【請求項100】
前記製剤は、0.1~1000mg、任意選択的には、1~500mg、例えば、10
~300mgまたは25~250mg、適切には、約25mg、35mg、約75mg、
約180mg、約210mg、または約250mgの薬学的有効成分を含む経口投与用の
単位剤形に製剤化される、請求項1~99のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項101】
前記有効成分は、免疫抑制剤、ヒドロキシラーゼ阻害剤、または抗炎症剤であり、任意
選択的に、有効成分は、シクロスポリンA、ヒドララジン、メサラジン、またはセレコキ
シブである、請求項1~100のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項102】
前記溶出試験は、2段階溶出試験であり、前記2段階溶出試験は、第1の段階および第
2の段階からなり、前記第1の段階は、前記製剤を入れる750mlの0.1N塩酸の溶
出媒体を有し、前記第2の段階は、2時間で開始して、2%ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)を含有する250mlの0.2M三リン酸ナトリウムを前記溶出媒体に添加してp
Hを6.8に調整する、請求項19~101のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項103】
前記溶出試験は、水にリン酸二水素カリウムおよび水酸化ナトリウムを溶解して調製し
た0.05MのpH7.5のリン酸緩衝液1000mlからなる溶出媒体からなる、請求
項19~101のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項104】
消化管の状態を治療するのに使用される、請求項1~103のいずれかに記載の医薬製
剤。
【請求項105】
前記消化管の状態は、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリ
アック病、移植片対宿主病、消化管移植片対宿主病、胃腸炎、十二指腸炎、空腸炎、回腸
炎、消化性潰瘍、カーリング潰瘍、虫垂炎、大腸炎、偽膜性大腸炎、憩室症、憩室炎、子
宮内膜症、結腸直腸癌、および腺癌から選択される、請求項105に記載の医薬製剤。
【請求項106】
小腸の状態、例えば、セリアック病、GVHD、またはクローン病を治療するのに使用
される、請求項5~9のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項107】
医薬製剤を作製する方法であって、
HPMCを含むコーティングでコアをコーティングする工程を含み、前記コーティング
による重量増加は、前記医薬製剤の0.5~20重量%である、
前記方法
【請求項108】
前記コアを製造することをさらに含み、前記コアを製造することは、
非水相を水相と混合して固体コロイドを形成する工程と、水相または非水相の少なくと
も一方は、薬学的有効成分を含み、
(a)非水相は、界面活性剤を含み、
(b)水相は、ヒドロゲル形成ポリマーを含み、
その後、エマルションを固化させる工程と、
を含む、
請求項107に記載の方法。
【請求項109】
請求項1~103のいずれかに記載の医薬製剤を作製するための請求項107または請
求項108に記載の方法
【請求項110】
コア、第1のコーティング、および前記第1のコーティングの外側の第2のコーティン
グを含む多様な固体単位剤形を2バッチ以上製造する方法であって、前記コアは、有効成
分およびヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記第1のコーティングは、水溶
性セルロースエーテルを含み又はであり、前記第2のコーティングは、遅延放出ポリマー
を含み又はであり、さらに、前記第1のコーティングは、前記2バッチ以上のそれぞれに
時間に対する有効成分の放出%の計画をもたらす量で存在し、前記計画のどの時点でも放
出%の差は5単位未満であり、前記方法は、前記コアのバッチを形成し、0.5~20%
のコーティングによる重量増加をもたらす量の前記第1のコーティングで前記コアをコー
ティングし、前記第2のコーティングで前記コアをコーティングして、前記1バッチ以上
を提供する、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬学的有効成分およびコーティングを含む製剤に関する。また、本発明は、
消化管の障害の治療および予防における前記製剤の使用に関する。また、前記製剤を調合
する方法が開示される。
【背景技術】
【0002】
薬学的有効成分を患者への投与に適した形態に製することは、科学の先進領域である。
また、それは、薬の効果にとって重要な考慮すべき事項である。薬その他の有効成分の製
剤方法には多くの例がある。これらの製剤の目的はさまざまであり、体内吸収を増加させ
ることから、新たな投与経路を可能にすること、バイオアベイラビリティを向上させるこ
と、有効成分の代謝を減少させること、または望ましくない投与経路を回避することに及
びうる。
【0003】
特許文献1は、少なくとも結腸においてシクロスポリンを放出する修正放出特性を有す
る経口シクロスポリン小カプセル組成物を開示する。特許文献2は、油滴が分散している
水溶性ポリマーマトリックスを含み、修飾放出コーティングを含む組成物を開示する。ま
た、開示された組成物は、有効成分を含有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2008/122965
【特許文献2】WO2010/133609
【特許文献3】米国特許第4,502,888号
【特許文献4】米国特許第4,123,403号
【特許文献5】米国特許第3,845,770号
【特許文献6】米国特許第3,916,899号
【特許文献7】米国特許第3,536,809号
【特許文献8】米国特許第3,598,123号
【特許文献9】米国特許第4,008,719号
【特許文献10】米国特許第5,674,533号
【特許文献11】米国特許第5,059,595号
【特許文献12】米国特許第5,591,767号
【特許文献13】米国特許第5,120,548号
【特許文献14】米国特許第5,073,543号
【特許文献15】米国特許第5,639,476号
【特許文献16】米国特許第5,354,556号
【特許文献17】米国特許第5,733,566号
【特許文献18】米国特許出願公開第2005/0220878号
【特許文献19】米国特許出願公開第2006/0029660号
【特許文献20】米国特許第4,659,700号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】"Chemistry and Application Properties of Polymethacrylate Coating Systems," in Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms, ed. James McGinity, Marcel Dekker Inc., New York, pg 109-114
【非特許文献2】Kumar Majeti N.V. Ravi in Reactive and Functional Polymers, 46, 1, 2000
【非特許文献3】Paul et al. in ST.P. Pharma Science, 10, 5, 2000
【非特許文献4】Development of a Self Micro-Emulsifying Tablet of Cyclosporine- A by the Liquisolid Compact Technique, Zhao et al (International Journal of Pharmaceutical Sciences and Research, 2011, Vol. 2(9), 2299-2308)
【非特許文献5】USP General Test <786> Method I (USP 24-NF 18, (U.S. Pharmacopeial Convention, Rockville, MD, 2000), pp. 1965-1967).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
驚いたことに、水溶性セルロースエーテルである又は含むコーティングを有する医薬製
剤は、コーティングを有しない製剤と比較して、本製剤からの有効成分の総放出量が多い
こと、および/または、有効成分の放出率が高いこと、が分かった。この膜(coat)は、
第1のコーティングを構成する。また、第1のコーティングは、サブコート(subcoat)
とも呼ばれうる。有効成分の放出量および/または放出率の増大は、コーティングを有し
ない同じ製剤と比較して、新しいインビトロ放出プロファイル(およびその結果として新
しい生体内薬物動態プロファイル)を有する製剤を提供する。インビトロ溶出試験によっ
て、本発明に係る製剤はインビトロ放出プロファイルのバッチ間変動を減少させることが
分かった。したがって、本製剤は、コーティングがない製剤と比較して、患者間および/
または患者内の変動の減少を示すことが期待される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本製剤は、本製剤からの有効成分(例えば、シクロスポリンA、メサラジン、およびヒ
ドララジン)の放出を制御または調節する第2のコーティングを含みうる。有利には、コ
ーティングは、本製剤からの有効成分(例えば、シクロスポリンA、メサラジン、または
ヒドララジン)を遅延放出および/または持続放出させるポリマーコーティングである。
適切なこのようなコーティングは、以下でより詳細に記載されており、放出制御ポリマー
、持続放出ポリマー、腸溶性ポリマー、pH非依存性ポリマー、pH依存性ポリマー、お
よび消化管において細菌酵素による分解が起こりやすいポリマー、または、2つ以上のこ
のようなポリマーの組み合わせ、から選択されたコーティングである又は含むコーティン
グを有する。特定の実施形態において、第2のコーティングは、pH非依存性ポリマー(
例えば、エチルセルロースである又は含むコーティング)である又は含む。さらなる特定
の実施形態において、第2のコーティングは、pH非依存性ポリマー(例えば、エチルセ
ルロース)および水溶性多糖類(例えば、ペクチンもしくはキトサン)、またはこれらの
組み合わせ(特にペクチン)である又は含む。第1のコーティングおよび第2のコーティ
ングのそれぞれのポリマーは異なる。多くの場合、第2のコーティングは、第1のコーテ
ィングに含まれているポリマーを有しない。例えば、第1のコーティングがヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースを含む(例えば、である)場合、第2のコーティングは、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースを含まない。さらに、第1のコーティングが水溶性エーテ
ルまたはセルロースエーテルのエステルであり又は含み、第2のコーティングの主成分(
複数可)(例えば、50%を超える)が第1のコーティングの主成分と異なるポリマーで
ある又は含むという状況が考えられる。したがって、第1のコーティングおよび第2のコ
ーティングは、組成物の一部として2つの材料層を適切に提供する。当然のことながら、
第2のコーティングが成分の混合物を含む場合、外側の第2のコーティングの微量成分は
、サブコーティングの材料と同じでありうる。例として、第1のコーティングがHPMC
であり又は含み、第2のコーティングがエチルセルロースを含む場合、エチルセルロース
は、任意選択的に、少量(例えば、50%、40%、30%、または20%未満)の第1
のコーティング材料(この例ではHPMC)をさらに含みうる。このような実施形態にお
いて、第1のコーティングおよび第2のコーティングは、異なるものと考えられる。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、有効成分は、任意選択的に、シクロスポリンA、ヒドラ
ラジン、またはメサラジンであり又は含み、水溶性セルロースエーテルである又は含む前
記コーティングは、第1のコーティングであり、本製剤は、その第1のコーティングの外
側に第2のコーティングをさらに含む。第2のコーティングは、本製剤からの有効成分の
放出を制御または調節するためのコーティング(適切には、ポリマーコーティング)であ
る又は含む。ポリマーコーティングは、本明細書の他の箇所にさらに記載されている通り
のものでありうる。
【0009】
本発明において、第1のコーティングは、適切には、水溶性セルロースエーテルである
又は含む。水溶性セルロースエーテルは、任意のセルロースエーテルまたはその誘導体、
例えば、水溶性である、セルロースエーテルのエステルでありうる。したがって、水溶性
セルロースエーテルは、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキ
シアルキルアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロースから選択されうる
。適切には、第1のコーティングは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース、ならびに
それらの組み合わせから選択される1種以上の水溶性セルロースエーテルである又は含む
。特定の実施形態において、第1のコーティングは、水溶性のヒドロキシプロピルメチル
セルロースである又は含む。第1のコーティング(サブコート)中に存在する水溶性セル
ロースエーテルおよびそれらの水溶性誘導体(例えば、セルロースエーテルの水溶性エス
テル)は、好適には、第1のコーティングの乾燥重量の少なくとも20重量%、40重量
%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、85重量%、または90重量%
を形成する。
【0010】
本発明の製剤は、コアと、このコアの外側の第1のコーティング(この第1のコーティ
ングは、上記のおよび本明細書の他の箇所に記載された水溶性セルロースエーテルである
)と、第1のコーティングの外側の第2のコーティングとを含みうる。コアは、ヒドロゲ
ル形成ポリマーマトリックスおよび薬学的有効成分、任意選択的に、疎水性または親水性
の有効成分(例えば、シクロスポリンA、ヒドララジン、またはメサラジン)を含む。
【0011】
本発明によれば、コアおよびコーティングを含む医薬製剤が提供される。ここで、コア
は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスおよび薬学的有効成分を含み、コーティングは
、水溶性セルロースエーテルを含み又はであり、コーティングは、コアの0.5~20重
量%のコーティングによる重量増加に対応する量で存在する。
【0012】
本発明のコーティングは、本製剤からの有効成分の放出を変更する。製剤上のコーティ
ングによって製剤中の有効成分の放出速度が遅くなるという期待がある。これを、追加の
材料で本製剤をコーティングすることによって、本製剤中の有効成分と接触する溶出媒体
に対する追加の障壁が提供されるものとして、合理的に予想する人がいるかもしれない。
この予想される結果とは対照的に、本発明は、驚くべきことに、コーティングを有しない
製剤と比較して、有効成分の放出速度を増加させる水溶性セルロースエーテルを含む又は
であるコーティングを有する製剤を提供する。加えて、本発明のコーティングは、有効成
分を溶液中に維持するという有益な効果を有する一方で、本発明のコーティングを欠いて
いる同等な製剤は、時間が進むにつれて溶液中の有効成分が減少する。理論に縛られるこ
とは望まないが、本コーティングによって溶液からの有効成分の沈殿が妨げられ、その結
果、有効成分が溶液中にたくさん維持されるものと考えられる。
【0013】
本願を通して、有効成分(active ingredient)、有効成分(active)、および薬学的
有効成分(pharmaceutically active ingredient)は、互換的に用いられ、すべて同じ主
題について述べている。
本発明の製剤は、当業者に知られている任意の形態をとりうる。好ましくは、本製剤は
、経口製剤である。本製剤は、単一ミニビーズ(minibead)または複数ミニビーズの形態
でありうる。
【0014】
本製剤は、0.5~15%、1~15%、1~12%、1~10%、1~8%、1~6
%、1~4%、2~10%、2~8%、2~6%、2~7%、2~4%、4~8%、4~
7%、4~6%、5~7%、7~20%、7~16%、9~20%、9~16%、10~
15%、および12~16%の範囲から選択されるコーティングによる重量増加に対応す
る量で存在するコーティングを含みうる。
【0015】
本発明の製剤は、厚さが1μm~1mmのコーティングを含みうる。したがって、上記
指定のコーティングによる重量%の増加は、1μm~1mmの厚さに対応しうる。
また、本発明は、コアおよびコーティングを含む医薬製剤であって、コアがヒドロゲル
形成ポリマーマトリックスおよび薬学的有効成分を含み、コーティングが水溶性セルロー
スエーテルを含み又はであり、コーティングの厚さが1μm~1mmであるものを提供す
る。
【0016】
コーティングは、1~500μm、10~250μm、10~100μm、10~50
μm、10~20μm、50~100μm、100~250μm、100~500μm、
50~500μm、50~250μm、100μm~1mm、および500μm~1mm
の範囲から選択される厚さを有しうる。本段落で開示された厚さを有するコーティングは
、本願における任意のコーティングでありうる。特に、本段落で述べたコーティングは、
水溶性セルロースエーテルのコーティングでありうる。
【0017】
本発明のいかなる医薬製剤も、さらなる、つまり、第2の、コーティングを含みうる。
第2のコーティングは、第1のコーティングの外側にありうる。第2のコーティングは、
遅延放出ポリマーであり又は含みうる。本発明の製剤が第2のコーティングを含む場合、
上述のコーティングは、第1のコーティングと呼ばれうる。また、第2のコーティングに
関する下記のあらゆる開示は、本段落で述べた第2のコーティングにも適用可能である。
どの実施形態および本発明のどの態様においても、第1および第2のコーティングは異な
りうる。
【0018】
したがって、本発明は、コアと、第1のコーティングと、第1のコーティングの外側の
第2のコーティングとを含む医薬製剤であって、コアが薬学的有効成分を含み、第1のコ
ーティングが水溶性セルロースエーテルを含み又はであり、第2のコーティングが遅延放
出ポリマーを含み又はであり、第1のコーティングがコアの0.5~20重量%のコーテ
ィングによる重量増加に対応する量で存在するものを企図する。コアは、任意選択的に、
ヒドロゲル形成ポリマーをさらに含みうる。
【0019】
加えて、本発明は、コアと、第1のコーティングと、第1のコーティングの外側の第2
のコーティングとを含む医薬製剤であって、コアが薬学的有効成分を含み、第1のコーテ
ィングが水溶性セルロースエーテルを含み又はであり、第2のコーティングが遅延放出ポ
リマーを含み又はであり、第1のコーティングが1μm~1mmの厚さを有するものを提
供する。コアは、任意選択的に、ヒドロゲル形成ポリマーをさらに含みうる。
【0020】
本発明に含まれるのは、コアおよびコーティングを含む医薬製剤であって、コアが薬学
的有効成分を含み、コーティングが水溶性セルロースエーテルを含む又はであるものであ
る。コーティングは、水からなる溶出媒体中の薬学的有効成分の溶液中%を測定する溶出
試験の開始から0.5時間で本製剤の薬学的有効成分の溶液中%が本コーティングのない
製剤よりも高くなる量で存在する。溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パドル
速度が75rpm、溶出媒体の温度が37±0.5℃で操作される装置II(パドル装置
)を用いて実施される。あるいは、本製剤の有効成分のより高い溶液中%は、0.5時間
に代えて、溶出試験の開始から20分、40分、1時間、または1.5時間で得られうる
。加えて、本製剤の有効成分のより高い溶液中%は、20分および40分、0.5時間お
よび1時間、1時間および1.5時間、または、0.5時間、1時間、および1.5時間
から選択される時点で得られうる。本製剤の有効成分の溶液中%は、0~0.5時間、0
~1時間、0~1.5時間、または、0.5~1.5時間に及ぶ期間の1つから選択され
る期間に対して高くなりうる。好ましくは、本発明の製剤の薬学的有効成分の溶液中%は
、溶出試験の開始から1.5時間までの期間の間、本コーティングのない製剤よりも高い
【0021】
複数の実施形態において、薬学的有効成分のより高い溶液中%は、0.5時間、ならび
に20分、40分、1時間、および1.5時間から選択される時点、ならびにそれらの任
意の組み合わせで得られる。複数の実施形態において、薬学的有効成分のより高い溶液中
%は、溶出試験の開始から1.5時間までの期間の間、得られうる。
【0022】
コーティングを有する本発明の製剤の有効成分の溶液中%は、特定の時点で、0.5時
間で10以上、15以上、20以上、30以上、40以上、または45以上、1時間で1
0以上、15以上、または20以上、および/または、1.5時間で3以上、5以上、8
以上、または10以上、コーティングなしの製剤よりも高くなりうる。本明細書に記載さ
れた溶液中%のより高い値は、単一の時点が指定されたとき、複数の時点が指定されたと
き、または、期間が指定されている場合に、達成されうる。
【0023】
例えば、コーティングを有する本発明の製剤は、0.5時間で10以上、1時間で10
以上、および1.5時間で5以上高い溶液中%を生み出しうる。
コーティングが、さらに、コアの1~15%、1~12%、2~15%、2~12%、
1~9%、2~8%、2~3%、2~5%、5~7%、4~6.5%、6~7%、または
2~7%の重量%の重量増加に対応する量で存在しうることは、本発明の態様内であると
考えられる。好ましくは、コーティングは、1~9%、2~8%、4~6.5%、2~5
%、または2~7%、任意選択的には、4~6.5%、2~5%、または2~7%の重量
増加に対応する量で存在しうる。コアに対するコーティングの重量%増加は、指定された
より高い溶液中%のいかなる値および任意の時点とも組み合わせられうる。
【0024】
例えば、コーティングは、0.5時間で薬学的有効成分の溶液中%が30、任意選択的
には35、高くなる量で存在し、かつ、コーティングは、コアの2~7%、任意選択的に
は2~4%の重量%の重量増加に対応する量で存在しうる。あるいは、コーティングは、
0.5時間で薬学的有効成分の溶液中%が40、任意選択的には45、高くなる量で存在
し、かつ、コーティングは、コアの4~7%、任意選択的には5~7%の重量%の重量増
加に対応する量で存在しうる。
【0025】
また、本発明は、コアおよびコーティングを含む医薬製剤であって、コアが薬学的有効
成分を含み、コーティングが水溶性セルロースエーテルを含む又はであるものを企図する
。コーティングは、水からなる溶出媒体中の薬学的有効成分の溶液中%を測定する溶出試
験の開始から1時間で薬学的有効成分の溶液中%が60%を超える量で存在する。溶出試
験は、USP<711>溶出に従って、パドル速度が75rpm、溶出媒体の温度が37
±0.5℃で操作される装置II(パドル装置)を用いて実施される。あるいは、有効成
分の溶液中%は、65%、70%、75%を超えうる。また、溶液中%は、60~90%
、65~85%、68~83%、68~73%、72~78%、75~85%、または7
7~83%、68~78%、好ましくは68~83%の範囲から選択されうる。
【0026】
前段落に開示された溶液中%のいずれかの量と組み合わせてまたは代わりに、コーティ
ングは、溶液中%が、追加的にまたは選択的に、溶出試験の開始から0.5時間で35%
、38%、48%、50%、60%、65%、70%、または75%を超える量、および
/または、1.5時間で75%を超える量で存在しうる。
【0027】
コーティングが、さらに、コアの1~15%、1~12%、2~15%、2~12%、
1~9%、2~8%、2~3%、2~5%、5~7%、4~6.5%、6~7%、または
2~7%の重量%の重量増加に対応する量で存在しうることは、本発明の態様内であると
考えられる。好ましくは、コーティングは、1~9%、2~8%、4~6.5%、2~5
%、または2~7%、任意選択的には、4~6.5%、2~5%、または2~7%の重量
増加に対応する量で存在しうる。コアに対するコーティングの重量%増加は、指定された
溶液中%のいかなる値および任意の時点とも組み合わせられうる。
【0028】
例えば、コーティングは、1時間で薬学的有効成分の溶液中%が70%を超える量、任
意選択的には75%を超える量、または、70~90%もしくは75~85%の量で存在
し、かつ、コーティングは、コアの2~7%、任意選択的には2~4%または5~6%の
重量%の重量増加に対応する量で存在しうる。あるいは、コーティングは、1時間で薬学
的有効成分の溶液中%が65%を超える量、任意選択的には68%を超える量、または、
65~90%もしくは68~78%の量で存在し、かつ、コーティングは、コアの9~2
0%、任意選択的には9~16%または10~15%の重量%の重量増加に対応する量で
存在しうる。
【0029】
また、本発明によって企図されるのは、コアおよびコーティングを含む医薬製剤であっ
て、コアが薬学的有効成分、任意選択的には疎水性の有効成分を含み、コーティングが水
溶性セルロースエーテルを含む又はであるものである。コーティングは、水からなる溶出
媒体における溶出試験の開始から12時間で薬学的有効成分の溶液中%が75%、任意選
択には80%を超える量で存在する。溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パド
ル速度が75rpm、溶出媒体の温度が37±0.5℃で操作される装置II(パドル装
置)を用いて実施される。12時間で薬学的有効成分の溶液中%が75%を超える量で存
在するコーティングに代えてまたは加えて、コーティングは、薬学的有効成分の溶液中%
が、14時間で70%を超える(例えば、75%もしくは80%を超える)、16時間で
60%を超える(例えば、65%、70%、もしくは75%を超える)、18時間で50
%を超える(例えば、55%、60%、65%、もしくは70%を超える)、20時間で
40%を超える(例えば、45%、50%、55%、60%、65%、もしくは70%を
超える)、22時間で40%を超える(例えば、45%、50%、55%、60%、65
%、もしくは70%を超える)、または、24時間で35%を超える(例えば、40%、
45%、50%、55%、60%、もしくは65%)を超える量で存在しうる。一実施形
態において、コーティングは、本段落で指定された時点の1つ以上で、本段落で指定され
た溶液中%を提供する量で存在する。
【0030】
例えば、一実施形態において、溶液中%は、12時間で75%を超え、24時間で35
%、任意選択的には50%を超える。あるいは、溶液中%は、12時間で80%を超え、
24時間で50%を超える。溶液中%は、12時間で75%を超え、14時間で70%を
超えうる。溶液中%は、12時間で75%を超え、16時間で60%を超えうる。溶液中
%は、12時間で75%を超え、18時間で50%を超えうる。溶液中%は、12時間で
75%を超え、20時間で40%を超えうる。溶液中%は、12時間で75%を超え、2
2時間で40%を超えうる。溶液中%は、12時間で75%を超え、16時間で60%を
超え、24時間で35%を超えうる。溶液中%は、12時間で75%を超え、14時間で
70%を超え、16時間で60%を超え、18時間で50%を超え、20時間で40%を
超え、22時間で40%を超え、24時間で35%を超えうる。
【0031】
コーティングが、さらに、コアの7~20%、8~20%、9~20%、8~17%、
8~16%、9~16%、10~15%、12~17%、8~12%、または9~12%
の重量%の重量増加に対応する量で存在しうることは、本発明の態様内であると考えられ
る。好ましくは、コーティングは、9~16%、10~15%、12~17%、8~12
%、または9~12%、任意選択的には、9~16%または10~15%の重量増加に対
応する量で存在しうる。コアに対するコーティングの重量%増加は、指定された溶液中%
のいかなる値および任意の時点とも組み合わせられうる。
【0032】
例えば、コーティングは、12時間で薬学的有効成分の溶液中%が70%を超える量、
任意選択的には75%または80%を超える量で存在し、かつ、コーティングは、コアの
9~16%、10~15%、12~17%、8~12%、または9~12%、任意選択的
には9~16%または10~15%の重量%の重量増加に対応する量で存在しうる。ある
いは、コーティングは、薬学的有効成分の溶液中%が、12時間で70%を超える量、任
意選択的には75%または80%を超える量、および、16時間で50%を超える量、任
意選択的には50%、55%、65%、70%、または75%を超える量で存在し、かつ
、コーティングは、コアの9~16%、10~15%、12~17%、8~12%、また
は9~12%、任意選択的には9~16%または10~15%の重量%の重量増加に対応
する量で存在しうる。さらに、本発明によって、特徴の同様の組み合わせがき考えられる
【0033】
また、本発明によって企図されるのは、コアおよびコーティングを含む医薬製剤であっ
て、コアが薬学的有効成分、任意選択的には疎水性の有効成分を含み、コーティングが水
溶性セルロースエーテルを含む又はであるものである。コーティングは、水からなる溶出
媒体における溶出試験の開始から12時間で本製剤の薬学的有効成分の溶液中%が本コー
ティングのない対応する製剤よりも高くなる量で存在する。溶出試験は、USP<711
溶出に従って、パドル速度が75rpm、溶出媒体の温度が37±0.5℃で操作される
装置II(パドル装置)を用いて実施される。12時間で薬学的有効成分の溶液中%がよ
り高くなる量で存在するコーティングに代えてまたは加えて、本製剤の薬学的有効成分の
溶液中%がより高くなるのは、溶出試験の開始から10、11、13、14、15、16
、17、18、19、20、21、22、23、24時間、または、これらの1つ以上の
組み合わせでありうる。
【0034】
疎水性の有効成分は、ほとんど水に溶けない任意の有効成分である。有効成分は、ある
程度水への溶解度を有しうる。したがって、疎水性の有効成分は、水とは対照的に、非水
相に容易に溶けやすいものである。加えて、疎水性の有効成分は、生物薬剤学分類システ
ム(Biopharmaceutics Classification System)のクラスIIまたはクラスIVに含まれ
る有効成分でありうる。これらのクラスは、それぞれ、透過性が高く溶解度が低い薬物お
よび透過性が低く溶解度も低い薬物を包含する。本発明の化合物(例えば、活性実体や機
能性成分など)の溶媒(例えば、水)中の溶解度は、次の表1のように定義しうる。溶解
度は25℃で測定され、部は重量による。
【0035】
【表A】
【0036】
複数の実施形態において、コーティングは、本製剤の薬学的有効成分の溶液中%が、本
コーティングのない対応する製剤に対して、以下の組み合わせ、つまり、12時間と10
時間、12時間と14時間、12時間と14時間と16時間、12時間と14時間と16
時間と18時間、および12時間と14時間と16時間と18時間と20時間、から選択
される時点で高くなる量で存在する。
【0037】
複数の実施形態において、コーティングは、本製剤の薬学的有効成分の溶液中%が、本
コーティングのない対応する製剤に対して、8~16時間、10~16時間、10~18
時間、10~24時間、12~18時間、12~22時間、12~24時間、4~24時
間、および0~24時間、好ましくは12~24時間に及ぶ期間の1つから選択される期
間の間、高くなる量で存在する。
【0038】
加えて、本コーティングを有する製剤に対する溶液中%は、本コーティングなしの対応
する製剤に対して、特定の時点で、12時間で5または10、14時間で5、10、また
は15、16時間で5、10、15、20、または25、18時間で5、10、15、2
0、25、または30、20時間で5、10、15、20、25、30、または35、2
2時間で5、10、15、20、25、30、または35、および/または、24時間で
5、10、15、20、25、30、35、または40を超えて、高くなりうる。本明細
書に記載された溶液中%のより高い値は、単一の時点が指定されたとき、複数の時点が指
定されたとき、または、期間が指定された場合に、達成されうる。
【0039】
例えば、本コーティングを有する製剤に対する溶液中%は、本コーティングのない対応
する製剤に対して、12時間で5(任意選択的に10)、または、12時間で5(任意選
択的に10)および14時間で10(任意選択的に15)、または、12時間で5(任意
選択的に10)、14時間で10(任意選択的に15)、16時間で15(任意選択的に
20)、または、12時間で5(任意選択的に10)、14時間で10(任意選択的に1
5)、16時間で15(任意選択的に20)、および18時間で20(任意選択的に25
)、または、12時間で5(任意選択的に10)、14時間で10(任意選択的に15)
、16時間で15(任意選択的に20)、18時間で20(任意選択的に25)、および
20時間で25(任意選択的に30)、または、12時間で5(任意選択的に10)、1
4時間で10(任意選択的に15)、16時間で15(任意選択的に20)、18時間で
20(任意選択的に25)、20時間で25(任意選択的に30)、および22時間で2
0(任意選択的に25)、または、12時間で5(任意選択的に10)、14時間で10
(任意選択的に15)、16時間で15(任意選択的に20)、18時間で20(任意選
択的に25)、20時間で25(任意選択的に30)、22時間で20(任意選択的に2
5)、および24時間で20(任意選択的に30)を超えて、高くなりうる。例として、
本発明の製剤によって達成される溶液中%は、12時間で50%でありうるが、本コーテ
ィングのない対応する製剤によって達成される溶液中%は、12時間で40%でありうる
。この場合、本コーティングを有する製剤の溶液中%は、本コーティングのない製剤より
も10だけ高い。
【0040】
コーティングが、さらに、コアの5~20%、7~20%、8~20%、9~20%、
8~17%、8~16%、5~16%、9~16%、10~15%、12~17%、8~
12%、または9~12%の重量%の重量増加に対応する量で存在しうることは、本発明
の態様内であると考えられる。好ましくは、コーティングは、9~16%、10~15%
、12~17%、8~12%、または9~12%、任意選択的には、9~16%または1
0~15%の重量増加に対応する量で存在しうる。コアに対するコーティングの重量%増
加は、指定された溶液中%のいかなる値および任意の時点とも組み合わせられうる。
【0041】
例えば、コーティングは、12時間で薬学的有効成分の溶液中%が5、任意選択的には
10、高くなる(つまり、本コーティングのない対応する製剤によって達成される溶液中
%よりも高い溶液中%)量で存在し、かつ、コーティングは、コアの9~16%、10~
15%、12~17%、8~12%、または9~12%、任意選択的には9~16%また
は10~15%の重量%の重量増加に対応する量で存在しうる。あるいは、コーティング
は、薬学的有効成分の溶液中%が、12時間で5、任意選択的には10、および、12時
間で5、任意選択的には10、15、20、または25、高くなる量で存在し、かつ、コ
ーティングは、コアの9~16%、10~15%、12~17%、8~12%、または9
~12%、任意選択的には9~16%または10~15%の重量%の重量増加に対応する
量で存在しうる。
【0042】
本発明は、コアおよびコーティングを含む医薬製剤であって、コアが薬学的有効成分を
含み、コーティングが水溶性セルロースエーテルを含む又はであるものを企図する。コー
ティングは、水からなる溶出媒体における溶出試験の開始から10~16時間の期間で薬
学的有効成分の溶液中%が(本コーティングのない対応する製剤と比較して)15以下減
少する量で存在する。溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パドル速度が75r
pm、溶出媒体の温度が37±0.5℃で操作される装置II(パドル装置)を用いて実
施される。
【0043】
あるいは、上記期間は、8~16時間、6~16時間、4~16時間、8~14時間、
6~14時間、4~14時間、および、8~18時間、6~18時間、または4~16時
間の期間から選択されうる。溶液中%の減少は、10以下、8以下、5以下、または3以
下でありうる。溶液中%の減少は、指定された任意の時点で、15以下、10以下、また
は5以下から選択される任意の量でありうる。
【0044】
例えば、溶液中%の減少は、8~16時間の間、10以下でありうる。溶液中%の減少
は、4~18時間の間、15以下でありうる。溶液中%の減少は、4~18時間の間、1
0以下でありうる。溶液中%の減少は、4~18時間の間、8以下でありうる。溶液中%
の減少は、4~16時間の間、10以下でありうる。溶液中%の減少は、4~16時間の
間、8以下でありうる。溶液中%の減少は、6~12時間の間、3以下でありうる。溶液
中%の減少は、6~16時間の間、15以下でありうる。溶液中%の減少は、6~16時
間の間、10以下でありうる。溶液中%の減少は、6~16時間の間、5以下でありうる
【0045】
コーティングが、さらに、コアの5~20%、7~20%、8~20%、9~20%、
8~17%、8~16%、9~16%、5~16%、10~15%、12~17%、8~
12%、または9~12%の重量%の重量増加に対応する量で存在しうることは、本発明
の態様内であると考えられる。好ましくは、コーティングは、9~16%、10~15%
、12~17%、8~12%、または9~12%、任意選択的には、9~16%または1
0~15%の重量増加に対応する量で存在しうる。コアに対するコーティングの重量%増
加は、指定された溶液中%のいかなる値および任意の時点とも組み合わせられうる。
【0046】
本願の開示を通して、溶液中%のあらゆる変化、例えば、溶液中%がある値だけ高いと
言われたり、溶液中%がある値だけ減少したりした場合、その変化の値は数字として与え
られている。この数字は、溶液中%が変化した絶対量を表す。例えば、本コーティングを
有する本発明の製剤の有効成分の溶液中%が本コーティングのない製剤よりも10を超え
て高いと言われる場合、本コーティングのない製剤の溶液中%が50%のとき、本発明の
製剤の溶液中%が60%を超えることを意味する。
【0047】
また、本発明によって企図されるのは、コア、第1のコーティング、およびこの第1の
コーティングの外側の第2のコーティングを含む医薬製剤であって、コアが薬学的有効成
分を含み、第1のコーティングが水溶性セルロースエーテルを含み又はであり、さらに、
第2のコーティングが遅延放出ポリマーを含む又はであるものである。第1のコーティン
グは、溶出試験の開始から12時間で本医薬製剤の薬学的有効成分の放出%がこの第1の
コーティングのない対応する医薬製剤よりも高くなる量で存在する。
【0048】
特に断りのない限り、本発明のどの態様の溶出試験に使用される溶出媒体も、本製剤が
使用されるインビボ(in-vivo)媒体を代表する溶出媒体でありうる。具体的には、第1
のコーティングおよび第2のコーティングが存在する本発明の態様。このような実施形態
において、溶出試験は、消化管に相当する当業者に公知の任意の溶出試験でありうる。好
ましくは、溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パドル速度が75rpm、関連
溶出媒体の温度が37℃で操作される装置II(パドル装置)を用いて実施される。
【0049】
本発明の実施形態において、溶出試験は、2段階の溶出試験でありうる。この2段階の
溶出試験は、本製剤を入れる750mlの0.1NのHClの溶出媒体を有する第1段階
と、その溶出媒体に、2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する250mlの0
.2M三リン酸ナトリウムが添加されて、pHが6.8に調整される、2時間で始まる第
2段階とからなりうる。この溶解試験は、本製剤からの疎水性有効成分(例えば、シクロ
スポリン)の放出を測定するのに特に適切でありうる。
【0050】
他の実施形態において、溶出試験は、水にリン酸二水素カリウムと水酸化ナトリウムを
溶解して作成した1000mlの0.05M、pH7.5のリン酸緩衝液からなる溶出媒
体からなりうる。この溶解試験は、本製剤からの親水性有効成分(例えば、ヒドララジン
およびメサラミン)の放出を測定するのに特に適切でありうる。特に、その溶解試験は、
以下に記載された溶出試験でありうる。すなわち、水に6.8gのリン酸二水素カリウム
と1gの水酸化ナトリウムを溶解して作成した0.05M、pH7.5のリン酸緩衝液を
使用して1000mLの溶液を作り、10Nの水酸化ナトリウムで7.5±0.05のp
Hに調整する。そして、900mLを、パドル速度が75rpm、溶出媒体の温度が37
±0.5℃のUSP装置2に使用する。
【0051】
特に、2段階の溶出試験は、USP<711>溶出に従って、パドル速度が75rpm
、溶出媒体の温度が37±0.5℃で操作される装置II(パドル装置)を用いて実施さ
れた。試験の第1段階において、溶出媒体は、胃環境をシミュレートする750mlの0
.1NのHClである。試験の開始時(t=0)に試料を溶出媒体に入れる。2時間で溶
出試験の第2段階が始まる。第2段階では、2%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を
含有する250mlの0.2Mの三リン酸ナトリウムを溶出媒体に添加し、必要に応じて
2NのNaOHまたは2NのHClを用いてpHを6.8±0.05に調整する。
【0052】
第1のコーティングおよび第2のコーティングを含む製剤のいずれにおいても、第1の
コーティングは、溶出試験の開始から3時間後の任意の時点で薬学的有効成分の放出%が
より高くなる量で存在しうる。例えば、そのより高い放出%は、3時間、4時間、5時間
、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時
間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時
間、23時間、または24時間後でありうる。より高い放出%は、1つ以上の時点、好ま
しくは1つ以上の連続した時点でありうる。
【0053】
例えば、より高い放出%は、3時間および4時間後、3時間、4時間、および5時間後
、3時間、4時間、5時間、11時間、12時間、および13時間後、11時間、12時
間、および13時間後、または、11時間、12時間、13時間、14時間、20時間、
21時間、22時間、および24時間後でありうる。
より高い放出%は、11~12時間、11~13時間、12~13時間、11~14時
間、10~14時間、18~22時間、20~24時間、4~8時間、3~8時間、3~
12時間、3~6時間、8~14時間、8~18時間、8~22時間、6~22時間、8
~24時間、4~14時間、4~18時間、4~22時間、4~24時間、3~20時間
、3~22時間、または3~24時間の期間の1つまたは組み合わせから選択される期間
の間でありうる。
【0054】
より高い放出%は、16時間、17時間、および18時間後、または、14時間、15
時間、16時間、17時間、および18時間後でありうる。より高い放出%は、18~2
2時間または20~24時間の期間の間でありうる。任意選択的に、溶出媒体は、脱イオ
ン水である。
【0055】
加えて、本コーティングを有する製剤に対する溶液中%は、本コーティングなしの対応
する製剤に対して、特定の時点で、12時間で5、10、15、20、または25、14
時間で5、10、15、または20、16時間で5、10、15、または20、18時間
で5、10、15、または20、20時間で5、10、または15、22時間で5または
10、24時間で5または10、10時間で5、10、15、20、または25、8時間
で5、10、15、または20、6時間で5、10、15、または20、4時間で5また
は10を超えて、高くなりうる。本明細書に記載された溶液中%のより高い値は、単一の
時点が指定されたとき、複数の時点が指定されたとき、または、期間が指定された場合に
、達成されうる。
【0056】
例えば、本コーティングを有する製剤に対する溶液中%は、本コーティングのない対応
する製剤に対して、12時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25)、ま
たは、12時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25)および14時間で
5(任意選択的に10、15、もしくは20)、または、10時間で5(任意選択的に1
0、15、20、もしくは25)および12時間で5(任意選択的に10、15、20、
もしくは25)、または、8時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、10
時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25)、および12時間で5(任意
選択的に10、15、20、もしくは25)、または、6時間で5(任意選択的に10、
15、もしくは20)、8時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)もしくは
10時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25)、および12時間で5(
任意選択的に10、15、20、もしくは25)、または、12時間で5(任意選択的に
10、15、20、もしくは25)、14時間で5(任意選択的に10、15、もしくは
20)、および16時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、または、10
時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25)、12時間で5(任意選択的
に10、15、20、もしくは25)、および14時間で5(任意選択的に10、15、
もしくは20)、または、10時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25
)、12時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25)、14時間で5(任
意選択的に10、15、もしくは20)、および16時間で5(任意選択的に10、15
、もしくは20)、または、12時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは2
5)、14時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、16時間で5(任意選
択的に10、15、もしくは20)、および18時間で5(任意選択的に10、15、も
しくは20)、または、10時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25)
、12時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25)、14時間で5(任意
選択的に10、15、もしくは20)、16時間で5(任意選択的に10、15、もしく
は20)、および18時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、または、8
時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、10時間で5(任意選択的に10
、15、20、もしくは25)、12時間で5(任意選択的に10、15、20、もしく
は25)、14時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、16時間で5(任
意選択的に10、15、もしくは20)、および18時間で5(任意選択的に10、15
、もしくは20)、または、6時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、8
時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、10時間で5(任意選択的に10
、15、20、もしくは25)、12時間で5(任意選択的に10、15、20、もしく
は25)、14時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、16時間で5(任
意選択的に10、15、もしくは20)、および18時間で5(任意選択的に10、15
、もしくは20)、または、12時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは2
5)、14時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、16時間で5(任意選
択的に10、15、もしくは20)、18時間で5(任意選択的に10、15、もしくは
20)、および20時間で5(任意選択的に10もしくは15)、または、10時間で5
(任意選択的に10、15、20、もしくは25)、12時間で5(任意選択的に10、
15、20、もしくは25)、14時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)
、16時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、18時間で5(任意選択的
に10、15、もしくは20)、および20時間で5(任意選択的に10もしくは15)
、または、8時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、10時間で5(任意
選択的に10、15、20、もしくは25)、12時間で5(任意選択的に10、15、
20、もしくは25)、14時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、16
時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、18時間で5(任意選択的に10
、15、もしくは20)、および20時間で5(任意選択的に10もしくは15)、また
は、6時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、8時間で5(任意選択的に
10、15、もしくは20)、10時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは
25)、12時間で5(任意選択的に10、15、20、もしくは25)、14時間で5
(任意選択的に10、15、もしくは20)、16時間で5(任意選択的に10、15、
もしくは20)、18時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、および20
時間で5(任意選択的に10もしくは15)、または、12時間で5(任意選択的に10
、15、20、もしくは25)、14時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20
)、16時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、18時間で5(任意選択
的に10、15、もしくは20)、20時間で5(任意選択的に10もしくは15)、お
よび22時間で5(任意選択的に10もしくは15)、または、12時間で5(任意選択
的に10、15、20、もしくは25)、14時間で5(任意選択的に10、15、もし
くは20)、16時間で5(任意選択的に10、15、もしくは20)、18時間で5(
任意選択的に10、15、もしくは20)、20時間で5(任意選択的に10もしくは1
5)、22時間で5(任意選択的に10)、および24時間で5(任意選択的に10)、
または、12時間で5(任意選択的に10)、14時間で10(任意選択的に15)、1
6時間で15(任意選択的に20)、18時間で20(任意選択的に25)、20時間で
25(任意選択的に30)、および22時間で20(任意選択的に25)、または、12
時間で5(任意選択的に10)、14時間で10(任意選択的に15)、16時間で15
(任意選択的に20)、18時間で20(任意選択的に25)、20時間で25(任意選
択的に30)、22時間で20(任意選択的に25)、および24時間で20(任意選択
的に30)を超えて、高くなりうる。
【0057】
また、本発明は、コア、第1のコーティング、およびこの第1のコーティングの外側の
第2のコーティングを含む医薬製剤であって、コアが薬学的有効成分を含み、第1のコー
ティングが水溶性セルロースエーテルを含み又はであり、さらに、第2のコーティングが
遅延放出ポリマーを含む又はであるものを企図する。第1のコーティングは、溶出試験の
開始から12時間で薬学的有効成分の放出%が50%を超える、任意選択的には55%お
よび60%を超える(例えば、65%、70%、75%、80%、85%、または90%
を超える)量で存在する。
【0058】
第1のコーティングは、12時間で薬学的有効成分の放出%が、70~95%、75~
95%、70~90%、75~90%、70~85%、70~80%、または75~85
%、好ましくは、75~95%、80~95%、または85~95%となる量で存在しう
る。
【0059】
第1のコーティングは、12時間で薬学的有効成分の放出%が55%~80%となる量
で存在しうる。
【0060】
第1のコーティングは、さらに、溶出試験の開始から6時間または4時間で薬学的有効
成分の放出%が40%を超える(任意選択的には45%を超えるまたは50%を超える)
量で存在しうる。薬学的有効成分の%放出は、溶出試験の開始から6時間または4時間で
40~65%(任意選択的には45~65%)の量でありうる。任意選択的に、第1のコ
ーティングは、1~20%の重量増加で存在し、第2のコーティングは、4~25%、任
意選択的には4~15%、4~12%、15~25%、4~6%、または8~13%の重
量増加で存在しうる。放出%が4時間で20%以上(任意選択的に45%以上)である場
合、好ましくは、第2のコーティングは、少なくとも4%、好ましくは25%以下、任意
選択的には4~6%の重量増加で存在する。放出%が6時間で40%以上(任意選択的に
45%以上)である場合、好ましくは、第2のコーティングは、少なくとも4%、好まし
くは25%以下、任意選択的には8~13%の重量増加で存在する。
【0061】
第1のコーティングは、さらにまたは代替的に、溶出試験の開始から4時間で薬学的有
効成分の放出%が15%を超える(例えば、20%、25%、28%、または30%を超
える)量、任意選択的には25~40%または25~35%の量で存在しうる。任意選択
的に、第1のコーティングは、1~20%の重量増加で存在し、第2のコーティングは、
4~15%、任意選択的には4~6%または8~13%の重量増加で存在しうる。
【0062】
第1のコーティングは、6時間で薬学的有効成分の放出%が25%を超える量、任意選
択的には25~40%または25~35%の量で存在しうる。任意選択的に、第1のコー
ティングは、1~20%の重量増加で存在し、第2のコーティングは、4~15%、任意
選択的には4~6%または8~13%の重量増加で存在しうる。有効成分の放出%が6時
間で25%を超える、任意選択的には25~40%または25~35%である場合、その
有効成分は、任意選択的に分散相中に懸濁している親水性の有効成分(例えば、メサラミ
ン)でありうる。分散相は、以下に、より詳細に述べられる。
【0063】
複数の実施形態において、12時間後の放出%は、80%を超えうる。第1のコーティ
ングは、1~20%の重量増加で存在し、第2のコーティングは、4~15%、任意選択
的には4~6%または8~13%の重量増加で存在しうる。
【0064】
複数の実施形態において、有効成分は、疎水性の有効成分、例えば、シクロスポリンA
である。複数の実施形態において、有効成分は、疎水性の有効成分、例えば、シクロスポ
リンAであり、放出%は、12時間で70%(任意選択的には75%または80%)を超
える。任意選択的に、第1のコーティングは、コアの0.5~20重量%(任意選択的に
は1~16重量%、4~16重量%、4~12重量%、または3~6重量%)のコーティ
ングによる重量増加に対応する量で存在しえ、および/または、第2のコーティングは、
2~20重量%(任意選択的には4~20重量%、4~15重量%、8~18重量%、ま
たは8~12重量%)の第2のコーティングによる重量増加に対応する量で存在する。
【0065】
第1のコーティングは、12時間で薬学的有効成分の放出%が55%~80%となり、
6時間で薬学的有効成分の放出%が25%~40%となり、4時間で薬学的有効成分の放
出%が15%を超える量で存在しうる。
【0066】
本発明の任意の態様および任意の実施形態において、コアは、ヒドロゲル形成ポリマー
マトリックスを含みうる。ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、後述の通りでありう
る。
【0067】
本発明の任意の態様または実施形態の医薬製剤のコアは、固体コロイドの形態でありう
る。本コロイドは、連続相および分散相を含む。コアの形成に使用されうる適切な連続相
および分散相は、以下に本発明の詳細な説明でより詳細に定義される。連続相は、ヒドロ
ゲル形成ポリマーマトリックスを含み又はでありうる。したがって、連続相がヒドロゲル
形成ポリマーマトリックスである場合、本発明の製剤は、分散相を含む固形単位のヒドロ
ゲル形成ポリマーの形態をとりうる。分散相は、連続相、つまりヒドロゲル形成ポリマー
マトリックス中に分散された液滴でありうる。分散相は、疎水i)性相を含み又はであり
うる。
【0068】
固体コロイドコアの連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスである又は含む。
複数の実施形態において、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、親水コロイド、非親
水コロイドのガムまたはキトサンである又は含む。特定の一実施形態において、ヒドロゲ
ル形成ポリマーマトリックスは、ゼラチン、寒天、ポリエチレングリコール、デンプン、
カゼイン、キトサン、大豆蛋白質、ベニバナタンパク質、アルギン酸塩、ジェランガム、
カラギーナン、キサンタンガム、フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、フタル酸酢酸セ
ルロース、含油樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルの重合
物、ポリビニルアセテートフタレート、および上記全ての任意の誘導体、または、上記ポ
リマーの2種類以上の混合物である又は含む。さらなる一実施形態において、ヒドロゲル
形成ポリマーマトリックスは、カラギーナン、ゼラチン、寒天、およびペクチンから選択
される親水コロイドまたはその組み合わせ、任意選択的には、ゼラチンおよび寒天から選
択される親水コロイドまたはその組み合わせである又は含む。特に、ヒドロゲル形成ポリ
マーマトリックスのポリマーは、ゼラチンである又は含む。一実施形態において、ヒドロ
ゲル形成ポリマーは、セルロースもセルロース誘導体も含まない、例えば、セルロースエ
ーテルを含まない。
【0069】
本発明の本態様において、コアは、固体コロイドの形態でありうる。本コロイドは、連
続相および分散相を含み、薬学的有効成分は、溶液中に存在しまたは分散相中に懸濁して
うる。例えば、有効成分は、分散相中の溶液中疎水性有効成分、または、分散相中に懸濁
している親水性有効成分でありうる。
【0070】
本発明の本態様の実施形態において、有効成分は、疎水性の有効成分、例えば、シクロ
スポリンでありうる。また、有効成分は、分散相中の溶液中に存在しうる。第1のコーテ
ィングは、0.5~20%の重量増加で存在し、第2のコーティングは、8~12%の重
量増加で存在しうる。また、第1のコーティングは、放出%が80%以上になる量で存在
する。任意選択的に、水溶性セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スでありうる。
【0071】
さらなる態様において、本発明は、コア、第1のコーティング、およびこの第1のコー
ティングの外側の第2のコーティングを含む医薬製剤であって、コアが薬学的有効成分を
含み、第1のコーティングが水溶性セルロースエーテルを含み又はであり、さらに、第2
のコーティングが遅延放出ポリマーを含む又はであるものを企図する。第1のコーティン
グは、溶出試験の開始から6時間で薬学的有効成分の放出%が70%を超える(例えば、
75%または80%を超える)量で存在する。溶出試験は、上記の通りである。
【0072】
複数の実施形態において、第1のコーティングは、6時間で薬学的有効成分の放出%が
75~95%または80~90%となる量で存在する。
第2のコーティングは、2~20%、5~15%、8~12%、2~8%、3~7%、
または4~6%の重量増加となる量で存在しうる。
有効成分は、疎水性の有効成分、例えば、シクロスポリンAでありうる。有効成分は、
分散相中の溶液中にありうる。
【0073】
また、本発明は、コア、第1のコーティング、およびこの第1のコーティングの外側の
第2のコーティングを含む医薬製剤であって、コアが薬学的有効成分、任意選択的には親
水性の有効成分を含み、第1のコーティングが水溶性セルロースエーテルを含み又はであ
り、さらに、第2のコーティングが遅延放出ポリマーを含む又はであるものを企図する。
第1のコーティングは、溶出試験の開始から12時間で薬学的有効成分の放出%が30%
を超える(例えば、35%、40%、45%、50%、55%、または60%を超える)
量で存在する。溶出試験は、上記の通りである。
【0074】
第1のコーティングは、12時間で有効成分の30~80%、任意選択的には30~7
0%、35~70%、40~70%、40~50%、または60~70%、の放出を許容
する量で存在しうる。
【0075】
第1のコーティングは、1~20%、4~7%、5~7%、4~15%、4~12%、
および8~12%の範囲から選択される重量増加で存在しうる。第2のコーティングは、
8~12%の範囲から選択される重量増加で存在しうる。
【0076】
有効成分は、連続相および分散相を含む固体コロイドの形態である本製剤の連続相中の
溶液中にありうる。有効成分は、連続相中の溶液中にある親水性の有効成分(例えば、メ
サラジンまたはヒドララジン)でありうる。複数の実施形態において、有効成分は、連続
相中の溶液中の親水性有効成分であり、第1のコーティングは、放出%が35~50%、
重量増加が4~7%となる量で存在し、第2のコーティングは、8~12%の重量増加で
存在する。他の実施形態において、有効成分は、連続相中の溶液中の親水性有効成分であ
り、第1のコーティングは、放出%が55~75%、重量増加が8~12%となる量で存
在し、第2のコーティングは、8~12%の重量増加で存在する。
【0077】
当然のことながら、上記各実施形態を1つ以上の上記他の実施形態と組み合わせて、例
えば、時点や期間、溶液中%、放出%、溶液中%の増加量、放出%の増加量などに対する
1つ以上の実施形態の組み合わせによって定義される本発明のさらなる実施形態を提供し
うる。
【0078】
第1のコーティングは、コアと接触しうる。第2のコーティングは、第1のコーティン
グ上にありうる。複数の実施形態において、第1のコーティングは、コアと接触し、第2
のコーティングは、第1のコーティング上にある。
【0079】
第2のコーティングは、遅延放出ポリマーであり又は含みうる。遅延放出ポリマーは、
腸溶性ポリマー、pH非依存性ポリマー、pH依存性ポリマー、および消化管において細
菌酵素による分解が起こりやすいポリマー、または、2つ以上のそのようなポリマーの組
み合わせ、から選択されうる。したがって、第2のコーティングは、上記遅延放出ポリマ
ーのいかなるものでもありうる、つまり、いずれも、下記の遅延放出ポリマーに関して述
べた特徴であり又は有しうる。
【0080】
複数の実施形態において、遅延放出ポリマーは、pHが6.5よりも高い水媒体中で水
溶性または透水性でありうる。遅延放出ポリマーは、pH非依存性ポリマー、例えば、エ
チルセルロース、であり又は含みうる。
【0081】
本発明の任意の態様および任意の実施形態において、水溶性セルロースエーテルは、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、および
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、のいずれか1つまたは組み合わせから選択されう
る。水溶性セルロースエーテルは、好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースで
ありうる。
【0082】
複数の実施形態において、第1のコーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スであり又は含みうる、また、第2のコーティングは、エチルセルロースである又は含み
うる。
【0083】
第1のコーティングおよび第2のコーティングが存在する任意の態様または実施形態に
おいて、第1のコーティングが、コアに対して0.5~20%の重量%増加で存在しうる
ことは、その態様または実施形態内であると考えられる。加えて、第1のコーティングは
、0.5~15%、1~15%、1~12%、1~10%、1~8%、1~6%、1~4
%、2~10%、2~8%、2~6%、2~7%、2~4%、4~8%、4~7%、4~
6%、5~7%、7~20%、7~16%、9~20%、9~16%、10~15%、お
よび12~16%の範囲から選択されるコーティングによる重量増加に対応する量で存在
しうる。
【0084】
第1のコーティングおよび第2のコーティングが存在する任意の態様または実施形態に
おいて、第2のコーティングが、2~40%の重量%増加で存在しうることは、その態様
または実施形態内であると考えられる。加えて、第2のコーティングは、4~30%、4
~7%、7~40%、7~30%、8~25%、8~20%、2~25%、2~20%、
4~25%、4~20%、4~15%、4~13%、7~15%、7~13%、8~12
%、9~12%、および20~25%の範囲から選択されるコーティングによる重量増加
に対応する量で存在しうる。
【0085】
本願の開示を通して、第1のコーティングの重量増加は、コアの重量%として与えられ
、第2のコーティングの重量増加は、第2のコーティングによってコーティングされた製
剤(例えば、コアおよび第1のコーティング)の重量%として与えられる。
【0086】
本発明の任意の態様および実施形態において、第1のコーティングは、コアに対して0
.5~20%、好ましくは、1~16%または4~16%、の重量%増加で存在しうる、
また、第2のコーティングは、4~24%、7~24%、22~24%、7~15%、ま
たは8~12%、好ましくは、22~24%、7~15%、または8~12%の重量%増
加で存在しうる。
【0087】
ヒドロゲル形成ポリマーは、親水コロイド、非親水コロイドのガムまたはキトサンであ
り又は含みうる。ヒドロゲル形成ポリマーは、可逆性親水コロイド、例えば、熱可逆性親
水コロイドまたは熱可逆性ヒドロゲル形成ポリマーでありうる。あるいは、ヒドロゲル形
成ポリマーは、不可逆性親水コロイドであり又は含みうる。ヒドロゲル形成ポリマーマト
リックスは、ゼラチン、寒天、ポリエチレングリコール、デンプン、カゼイン、キトサン
、大豆蛋白質、ベニバナタンパク質、アルギン酸塩、ジェランガム、カラギーナン、キサ
ンタンガム、フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、フタル酸酢酸セルロース、オレオレ
ジン、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルの重合物、ポリビニル
アセテートフタレート、および上記全ての任意の誘導体、または、このようなポリマーの
2種類以上の混合物、であり又は含みうる。ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、カ
ラギーナン、ゼラチン、寒天、およびペクチン、またはそれらの組み合わせ、任意選択的
には、ゼラチンおよび寒天またはそれらの組み合わせ、から選択される親水コロイドであ
り又は含みうる、より任意選択的には、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスのポリマー
は、ゼラチンである又は含む。ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、任意選択的にア
ルギン酸の架橋塩から選択される、非親水コロイドガムである又は含む。好適な実施形態
において、ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラチンである又は含む。
【0088】
複数の実施形態において、ヒドロゲル形成ポリマーは、さらに、可塑剤、任意選択的に
は、グリセリン、ポリオール(例えば、ソルビトール)、ポリエチレングリコール、およ
びクエン酸トリエチル、またはこれらの混合物、から選択される可塑剤、特にソルビトー
ルを含む。
【0089】
ポリマーマトリックスを形成するヒドロゲルは、有効成分をカプセル化しうる。有効成
分は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックス中または溶液中の懸濁液としてカプセル化さ
れうる。有効成分は、溶液中に存在し、または、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスに
よってカプセル化もされた製剤の他の成分(例えば、他の箇所で論じられた疎水性相また
は分散相)中に懸濁してうる。
【0090】
本発明の医薬製剤のコアは、連続相および分散相を含む固体コロイドの形態であって、
連続相が、任意選択的に、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含むものでありうる。
したがって、本発明の全ての態様の医薬製剤は、少なくとも、以下の特徴、つまり、コア
および第1のコーティングを含むこと、コアが、有効成分を含み、かつ、連続相および分
散相を含む固体コロイドの形態であること、ならびに、コーティングが水溶性セルロース
エーテルを含む又はであること、を含みうる。連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリ
ックスで形成されうる。
【0091】
複数の実施形態において、有効成分は、コアの分散相にある又は含まれる。複数の実施
形態において、有効成分は、コアの連続相に含まれる。複数の実施形態において、第1の
有効成分は、コアの分散相にあり又は含まれ、第2の有効成分は、コアの連続相に含まれ
る。
【0092】
分散相は、固体、半固体、または液体でありうる。特に、分散相は、液体でありうる。
他の特定の場合において、分散相は半固体でありうる、例えば、それはワックス状であり
うる。
【0093】
分散相は、疎水性相、例えば、固体、半固体、または液体である疎水性相でありうる。
適切には、分散相は、液体脂質および任意選択的にはそれと混和する溶媒である又は含む
【0094】
有効成分は、分散相に溶解されうる。有効成分は、分散相中に懸濁されうる。分散相は
、本明細書の他の箇所に記載された通りでありうる、例えば、直前の2つの段落に記載さ
れた通りでありうる。
【0095】
特定の一実施形態において、分散相は、液体脂質および溶媒であり又は含み、その溶媒
は、その液体脂質および水と混和し、任意選択的には、その溶媒は、2-(2-エトキシ
エトキシ)エタノールおよびポリ(エチレングリコール)から選択され、特に、その溶媒
は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールである。さらなる一実施態様において、分
散相は、中鎖モノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリド(特に中鎖脂肪酸ト
リグリセリド)、ポリエトキシル化ヒマシ油、および2-(エトキシエトキシ)エタノー
ルを含む油相である又は含む。本段落に記載された分散相は、疎水性の有効成分、例えば
、シクロスポリンA、または、疎水性の有効成分、例えば、メサラジン、を含有しうる。
【0096】
複数の実施形態において、本製剤は、さらに、1つまたはそれ以上の界面活性剤を含む
。適切な界面活性剤は、本発明の詳細な説明においてより詳細に記載されている。本製剤
が固体コロイドの形態であるコアを含み、そのコロイドが連続相および分散相を含み、そ
の連続相がヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含む実施形態において、界面活性剤は
、連続相中に、分散相中に、または連続相中と分散相中の両方に存在しうる。したがって
、一実施形態において、コアは、さらに、少なくとも連続相中に存在し、かつ、HLB値
が10よりも大きい、例えば、20よりも大きい、界面活性剤を含む。さらなる一実施形
態において、分散相は、さらに、HLB値が1~10、例えば、1~5、の範囲にある界
面活性剤を含む。
【0097】
コアは、分散相を連続相と混ぜてコロイドを形成することによって形成されたコアの特
徴を有する。ここで、連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーを含む水相であり、分散相は、
疎水性相であり、薬学的有効成分は、連続相中または分散相中にあり、コロイドは、ゲル
化してコアを形成している。
【0098】
有効成分は、疎水性の有効成分または親水性の有効成分でありうる。有効成分は、溶解
状態または浮遊状態でコアの中に存在しうるが、これは、分散相または連続相が有効成分
を含む場合にも当てはまる。有効成分が疎水性の有効成分である実施形態において、有効
成分は、分散相(例えば、分散相は、疎水性相、液体脂質、油、多価不飽和脂肪酸、もし
くは溶媒である又は含む)中に溶解し、または、連続相中に懸濁してうる。有効成分が親
水性の有効成分である実施形態において、有効成分は、分散相(例えば、分散相は、疎水
性相、液体脂質、油、多価不飽和脂肪酸、もしくは溶媒である又は含む)中に懸濁し、ま
たは、連続相中に溶解してうる。
【0099】
本製剤のコアは、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスおよび薬学的有効成分を含み、
以下のプロセスによって得られるコアの特徴を有しうる。
(i)ヒドロゲル形成ポリマーを水性液体に溶解して水溶液を形成する
(ii)有効成分を液体中に溶解または分散させて有効成分の液体(油相)溶液または分
散(特に溶液)を形成する
(iii)水溶液(i)と溶液または分散(ii)とを混合してコロイドを形成する
(iv)ノズルを通してコロイドを排出して液滴を形成する
(V)ヒドロゲル形成ポリマーをゲル化または凝固させてヒドロゲル形成ポリマーマトリ
ックスを形成する
(Vi)固体を乾燥させる
【0100】
溶液または分散(ii)(油相)は、シクロスポリンAを適切な疎水性液体中に溶解ま
たは分散させることによって調製されうる。疎水性液体は、例えば、本明細書に記載の油
または液体脂質のいずれでもありうる。例として、疎水性液体は、飽和もしくは不飽和脂
肪酸、もしくはトリグリセリド、または、それらとポリエチレングリコールとのエステル
もしくはエーテル、であり又は含みうる。油相用の特定の油は、トリグリセリド(例えば
、中鎖トリグリセリドを含む油)であり又は含み、任意選択的には、油は、6、7、8、
9、10、11、または12個の炭素原子を有する脂肪酸(例えば、C-C10脂肪酸
)から選択される少なくとも1つの脂肪酸のトリグリセリドを含む。
【0101】
一変形例において、本製剤のコアは、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスおよび薬学
的有効成分を含み、以下のプロセスによって得られるコアの特徴を有しうる。
(i)水性液体にヒドロゲル形成ポリマーおよび有効成分を溶解して水溶液を形成する
(ii)水溶液(i)と第2の液体(油相)とを混合してコロイドを形成する
(iii)ノズルを通してコロイドを排出して液滴を形成する
(iv)ヒドロゲル形成ポリマーをゲル化または凝固させてヒドロゲル形成ポリマーマト
リックスを形成する
(v)固体を乾燥させる
【0102】
本明細書に記載された全ての方法に使用される有効成分は、本明細書に記載されたもの
でありうる。例えば、それは、親水性のもの、または、疎水性のものでありうる。それは
、本明細書に記載された親水性有効成分から選択されうる。それは、本明細書に記載され
た疎水性有効成分から選択されうる。
【0103】
適切には、水相プレミックス(i)は、さらに、例えば、本明細書の他の箇所に記載さ
れ陰イオン界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))を含む。
【0104】
一実施形態において、上記プロセスによって得られたコアの特徴を有するコアは、ヒド
ロゲル形成ポリマーマトリックスおよびこのヒドロゲル形成ポリマーマトリックス中に分
散した非水相を含むコアである。ここで、コアは、ゼラチン、SDS、ソルビトール、ポ
リエトキシル化ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、2-(エトキシエト
キシ)エタノールであり又は含み、水溶液(i)は、ゼラチン、ソルビトール、およびS
DSであり又は含み、溶液または分散(ii)は、ポリエトキシル化ヒマシ油、カプリル
酸/カプリン酸トリグリセリド、2-(エトキシエトキシ)エタノール、および有効成分
である又は含む。
【0105】
あるいは、本製剤のコアは、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスおよび薬学的有効成
分を含み、以下のプロセスによって得られるコアの特徴を有しうる。
(a)ヒドロゲル形成ポリマーを水性液体に溶解して水溶液を形成する
(b)ヒドロゲル形成ポリマーを水性液体に溶解する前、溶解中、または溶解した後に、
水性液体に有効成分を入れて混ぜ合わせる
(C)その後、ノズルを通してヒドロゲル形成ポリマーおよび有効成分を含む水性液体を
排出して液滴を形成する
(d)ヒドロゲル形成ポリマーをゲル化または凝固させてヒドロゲル形成ポリマーマトリ
ックスを形成する
(e)固体を乾燥させる
【0106】
直前の段落の方法において、有効成分は、水性液体に溶解されうる、または、例えば、
それは、粒子状の水性液体に分散されうる。
【0107】
上記プロセスによって得られるコアの特徴を有するコア、例えば、上記プロセスによっ
て得られたコアは、水溶性セルロースエーテルを含む又はであるコーティングを、任意選
択的に、放出を制御または変更する第2のコーティング(好ましくは、上記のように本明
細書に記載されたポリマーコーティング)と共に、提供するために、コーティングされる
。コーティングされた製剤は、コアにコーティングを施す、例えば、上記のようにコアに
第1のコーティングおよび第2のコーティングを施すことによって得られうる。コーティ
ングが施される前に、コアは、上記の(i)~(vi)、(i)~(v)、または(a)
~(e)の工程を有するプロセスによって作られうる。コーティング(複数可)を施すた
めの適切な方法は、以下に記載されており、コーティング配合物をスプレーコーティング
することによってコア上にコーティングを施すことを含む。工程(i)~(vi)、(i
)~(v)、または(a)~(e)を有するプロセスそれ自体は、本発明の態様を形成す
る。
【0108】
組成物の製造の際に特定の界面活性剤を使用することは、水溶液(i)と、疎水性の有
効成分(例えば、シクロスポリンA)を含む油相(ii)とを混合することによって生じ
るコロイド(例えば、エマルション)を安定させるのに特に効果的であることが判明した
。コロイドが水中油型エマルションを含む場合、油相における、HLBが10以下(特に
8以下)である界面活性剤の存在が、組成物の調製の際にエマルションを安定させるのに
特に効果的であることが判明した。このような界面活性剤の存在は、コロイド(水中油エ
マルション)の形成後に、疎水性の有効成分(例えば、シクロスポリンA)の結晶の形成
を阻害することが判明した。HLBが10以下の界面活性剤の存在は、製造の際に油相に
おいて疎水性の有効成分(例えば、シクロスポリンA)を溶液中に維持し、また、対象へ
の組成物の経口投与後にその組成物からの可溶化形態での疎水性有効成分(例えば、シク
ロスポリンA)の良好な放出をもたらしうる。少なくとも油相においてHLBが10以下
の界面活性剤を含む組成物は、油相においてHLB値がより高い界面活性剤を使用した場
合と比較して、組成物からの疎水性有効成分(例えば、シクロスポリンA)の高い放出率
および/または放出量を示しうる。組成物における少なくとも油相におけるHLBが10
以下の界面活性剤の存在は、組成物からの疎水性有効成分(例えば、シクロスポリンA)
の放出後に、疎水性有効成分(例えば、シクロスポリンA)の沈殿を阻害し、それによっ
て、GI管内(例えば、結腸内)においてより高い濃度の有効成分を可溶化形態で保持し
うる。本明細書に記載された組成物(本組成物は、油相およびHLBが10以上の界面活
性剤を含む)は、本発明の他の独立した態様を形成する。
【0109】
したがって、コアおよびコーティングを含む医薬製剤であって、コアが、薬学的有効成
分を含むとともに、連続相および分散相を含む固体コロイドの形態をしており、連続相が
、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、分散相が、HLB値が1~10(例えば
、1~5)の範囲にある界面活性剤を含み、コーティングが、水溶性セルロースエーテル
を含み又はであり、コーティングが、コアの0.5~20重量%のコーティングによる重
量増加に対応する量で存在するもの、が提供される。
【0110】
同様に、コアおよびコーティングを含む医薬製剤であって、コアが、薬学的有効成分を
含むとともに、連続相および分散相を含む固体コロイドの形態をしており、連続相が、ヒ
ドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、分散相が、HLB値が1~10(例えば、1
~5)の範囲にある界面活性剤を含み、コーティングが、水溶性セルロースエーテルを含
み又はであり、コーティングの厚さが、1μm~1mmであるもの、が提供される。
【0111】
分散相は、油相を含みうる。一実施形態において、油相は、油および界面活性剤(適切
には、非イオン界面活性剤)を含み、油および界面活性剤は両方とも、HLBが0~10
の範囲にある。したがって、本発明のコアは、薬学的有効成分を含みうるととに、連続相
および分散相を含む固体コロイドの形態でありうる。ここで、連続相は、ヒドロゲル形成
ポリマーマトリックスを含み、分散相は、油および界面活性剤(適切には、非イオン界面
活性剤)を含み、油および界面活性剤は両方とも、HLBが0~10の範囲にある。例え
ば、油は、HLBが1~5(例えば、1~4または1~2)であり、界面活性剤は、HL
Bが2~8(例えば、3~7、2~6、または3~4)である。
【0112】
油相中に存在する界面活性剤は、HLB値が10以下である本明細書に記載された任意
の界面活性剤でありうる。油相中に存在する界面活性剤は、8以下、7以下、1~8、1
~7、1~5、2~5、1~4、1~3、1~2、2~4、3~4、5~8、6~8、お
よび6~7から選択されるHLB値を有しうる。適切には、油相中に存在する界面活性剤
は、上記のHLB値を有する非イオン界面活性剤である。
【0113】
油は、本明細書に記載された任意の油でありうる。適切には、油は、それ自体界面活性
剤ではない。しかし、特定の油、特に天然資源に由来する油は、表面活性特性を有しうる
成分を含む。例えば、多くのトリグリセリド油は、モノグリセリドおよびジグリセリドの
成分をも含み、したがって、界面活性剤のような特性をいくつか示しうる。したがって、
油は、適切には、0~10のHLB値を有する。しかし、適切には、油は、0に近いHL
B、例えば、0~3(任意選択的には、約0、約1、または約2)のHLBを有する。
【0114】
油および油相中に存在する界面活性剤は、両方が独立して0~10のHLB値を有しう
る。油は、1~5のHLBを有しうる。界面活性剤は、2~8(任意選択的には3~7、
2~6、または3~4)のHLBを有しうる。適切には、油と界面活性剤とは異なる。
【0115】
有効成分は、疎水性の有効成分(例えば、シクロスポリンA)でありうるとともに、油
に可溶でありうる。疎水性の有効成分(例えば、シクロスポリンA)は、油相で使用され
る界面活性剤に可溶でありうる。適切には、疎水性の有効成分(例えば、シクロスポリン
A)は、油と界面活性剤の両方に可溶である。適切には、ほとんど全てのシクロスポリン
Aが油相に溶解しうる。
【0116】
油相は、さらに、溶媒を含みうる。この溶媒は、分散相および水と混ざり合う。任意選
択的には、溶媒は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールおよびポリ(エチレングリ
コール)から選択される。特に、溶媒は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールであ
る。
【0117】
コアのヒドロゲル形成ポリマーは、本明細書に記載された任意のヒドロゲル形成ポリマ
ーでありうる。
【0118】
組成物は、さらに、上述した界面活性剤(つまり、分散相または油相に存在する界面活
性剤)に加えて、追加の界面活性剤を含みうる。特に、ヒドロゲル形成ポリマーを含む連
続相は、さらに、1つ以上の界面活性剤を含みうる。連続相の中に存在しうる界面活性剤
は、組成物の水相(連続相)の中に含めるのに適したものとして、本明細書に記載された
任意の界面活性剤である。適切には、連続相は、1種類以上の陰イオン界面活性剤(例え
ば、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、および胆汁酸塩から選択される少なくとも1つの界面活
性剤)を含み、特に連続相の中の界面活性剤は、アルキル硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸
ナトリウム)である又は含む。
【0119】
有効成分は、免疫抑制剤、ヒドロキシラーゼ阻害剤、または抗炎症剤でありうる。任意
選択的には、有効成分は、シクロスポリンA、ヒドララジン、またはメサラジンである。
シクロスポリンまたはメサラミンは、例えば、上記の工程(i)~(vi)を有するプロ
セスに便利に使用されうる。ヒドララジンは、例えば、上記の工程(i)~(vi)、(
i)~(v)、または(a)~(e)を有するプロセス、特に、上記の工程(i)~(v
)を有するプロセスに便利に使用されうる。
【0120】
コアは、さらに、界面活性剤を含みうる。任意選択的に、界面活性剤は、陰イオン界面
活性剤(任意選択的には、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、もしくはリン脂質)、もしく
は、非イオン界面活性剤(任意選択的には、ソルビタン系界面活性剤、PEG脂肪酸、も
しくはグリセリル脂肪酸)、もしくはポロキサマー、またはこれらの組み合わせである。
したがって、本発明の全ての態様の医薬製剤は、少なくとも次の特徴、つまり、コアおよ
び第1のコーティングを含み、コアが有効成分および界面活性剤を含み、コーティングが
水溶性セルロースエーテルを含む又はである、という特徴を有しうる。
【0121】
コアが固体コロイドの形態である実施形態において、界面活性剤は、分散相または連続
相の中に存在しうる。連続相の中の界面活性剤は、陰イオン界面活性剤(例えば、脂肪酸
塩および胆汁酸塩から選択される少なくとも1つの界面活性剤)、特にアルキル硫酸塩(
例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)でありうる。分散相の中の界面活性剤は、非イオン界
面活性剤でありうる。
【0122】
複数の実施形態において、コアは、非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤の両方を
含む。陰イオン界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)は、分散相の中に存在し
うる、また、非イオン界面活性剤(例えば、ポリエトキシル化ヒマシ油)は、分散相の中
に存在しうる。あるいは、陰イオン界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)は、
連続相の中に存在しうる、また、非イオン界面活性剤(例えば、ポリエトキシル化ヒマシ
油)は、分散相の中に存在しうる。
【0123】
複数の実施形態において、コアは、さらに、非イオン界面活性剤および溶媒、陰イオン
界面活性剤および溶媒、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および溶媒、非イオ
ン界面活性剤および油、陰イオン界面活性剤および油、非イオン界面活性剤、陰イオン界
面活性剤、および油、ならびに、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、溶媒、およ
び油、から選択される賦形剤の組み合わせを含む。好ましくは、陰イオン界面活性剤は、
アルキル硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム)であり、非イオン界面活性剤は、ポ
リエトキシル化ヒマシ油であり、油は、中鎖のモノグリセリド、ジグリセリド、および/
またはトリグリセリド(例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)であり、溶媒
は、2-(エトキシエトキシ)エタノールである。
【0124】
本医薬製剤は、さらに、界面活性剤、可溶化剤、透過性促進剤、崩壊剤、結晶化抑制剤
、pH調整剤、安定化剤、またはこれらの組み合わせ、から選択される賦形剤を含みうる
【0125】
本発明の医薬製剤のコアは、
薬学的有効成分(例えば、シクロスポリン、ヒドララジン、またはメサラミン)、
中鎖のモノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリド(例えば、カプリル酸/
カプリン酸トリグリセリド)、
非イオン界面活性剤(例えば、ポリエトキシル化ヒマシ油)、および
溶媒(例えば、2-(エトキシエトキシ)エタノール)、
である又は含む分散相を含みうる、また、
陰イオン界面活性剤(例えば、脂肪酸塩および胆汁塩から選択される少なくとも1つの
界面活性剤、特にアルキル硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム))、
カラギーナン、ゼラチン、寒天、およびペクチンから選択される親水コロイド、または
その組み合わせ、任意選択的には、ゼラチンおよび寒天から選択される親水コロイド、ま
たはその組み合わせ、である又は含むヒドロゲル形成ポリマーマトリックス、より任意選
択的には、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスのポリマーは、ゼラチンである又は含む
、ならびに
任意選択的に、可塑剤(例えば、グリセリン、ポリオール(例えば、ソルビトール)、
ポリエチレングリコール、およびクエン酸トリエチルから選択される可塑剤、またはその
混合物、特にソルビトール)、
である又は含む連続相をさらに含みうる。
【0126】
直前の段落に記載された製剤の一変形例において、分散相は、有効成分を含まない、ま
たは、ほとんど含まない。有効成分は、連続相に溶けている。
【0127】
一実施形態において、本製剤は、コアおよびこのコアの外側のコーティングを含み、コ
アは、固体コロイドの形態であり、コロイドは、連続相および分散相を含み、分散相は、
疎水性の有効成分(例えば、シクロスポリンA)、
中鎖のモノグリセリド、ジグリセリド、および/またはトリグリセリド(例えば、カプ
リル酸/カプリン酸トリグリセリド)、
ポリエトキシル化ヒマシ油、および
共溶媒(例えば、2-(エトキシエトキシ)エタノール)、
であり又は含み、
連続相は、
カラギーナン、ゼラチン、寒天、およびペクチンから選択される親水コロイド、または
その組み合わせ、任意選択的には、ゼラチンおよび寒天から選択される親水コロイド、ま
たはその組み合わせ、である又は含むヒドロゲル形成ポリマーマトリックス、より任意選
択的には、水溶性ポリマーマトリックスのポリマーは、ゼラチンである又は含む、
任意選択的に、可塑剤(例えば、グリセリン、ポリオール(例えば、ソルビトール)、
ポリエチレングリコール、およびクエン酸トリエチルから選択される可塑剤、またはその
混合物、特にソルビトール)、ならびに
陰イオン界面活性剤(例えば、脂肪酸塩および胆汁塩から選択される少なくとも1つの
界面活性剤、特にアルキル硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム))、
であり又は含み、コア上のコーティングは、本明細書に記載された任意のコーティング
である。適切には、コーティングは、第1のコーティングおよびこの第1のコーティング
の外側の第2のコーティングを含み、
第1のコーティングは、上記のように水溶性セルロースエーテルである又は含むコーテ
ィングであり、
第2のコーティングは、本製剤からのシクロスポリンAの放出を制御または調節する上
述したコーティング(適切には、ポリマーコーティング)である又は含む。
【0128】
例えば直前の段落で述べたように、第1コーティングおよび第2コーティングを含む実
施形態において、特定の第1のコーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースで
あり又は含み、第1のコーティングの外側の特定の第2のコーティングは、pH非依存性
ポリマー(例えば、エチルセルロース)である又は含む。より具体的には、第2のコーテ
ィングは、エチルセルロース、ならびに、任意選択的に、水溶性の天然多糖類から選択さ
れる多糖類(例えば、ペクチンまたは他の水溶性天然多糖類)、である又は含む。したが
って、第2のコーティングは、ペクチンもしくは他の前記多糖類を包含しうる、または、
ペクチンおよび他の前記多糖類をほとんど含まないことがありうる。したがって、放出制
御ポリマーとしてエチルセルロース含むとともに、ペクチンまたは他の前記多糖類をさら
に含む、第2のコーティングだけでなく、放出制御ポリマーとしてエチルセルロース含む
とともに、ペクチンまたは他の前記多糖類をさらに含まない、第2のコーティングも開示
されている。
【0129】
コアは、ゼラチンを含むヒドロゲル形成ポリマーを、任意選択的に300~700mg
/gの量で、含みうる。コアは、さらに、中鎖のモノグリセリド、ジグリセリド、および
/またはトリグリセリドを、任意選択的に20~200の量で、含みうる。本医薬製剤は
、さらに、以下の成分を含む。
溶媒、例えば、2-(エトキシエトキシ)エタノール、任意選択的に150~250m
g/gの量
非イオン界面活性剤、例えば、ポリエトキシル化ヒマシ油、任意選択的に80~200
mg/gの量
陰イオン界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、15~50mg/gの量
【0130】
コアがコロイドである場合、有効成分は、コロイドの連続相に溶解されうる。
【0131】
コアが分散相を含有することは本発明の要件ではない。コアは、例えばヒドロゲル形成
ポリマーマトリックスである単一相を有しうる。このマトリックスは、その中に有効成分
が溶けている。例えば、有効成分は、ヒドララジンでありうる。
【0132】
本発明は、その範囲内に、コアが分散相を有するコロイドであり、このコロイドの連続
相(マトリックス相)が薬学的有効成分の分散粒子(例えば、マイクロ粒子またはナノ粒
子)をさらに含む製剤を含む。分散相および連続相は、その他の点では、本明細書の他の
箇所に記載されている通りでありうる。
【0133】
本発明の医薬製剤および/またはコアは、ミニビーズ(minibead)の形態でありうる。
例えば、コアがミニビーズであり、このコアと共に第1のコーティングおよび第2のコー
ティング(適用可能な場合)がミニビーズの形態であるということがありうる。しかし、
コアはミニビーズであるが本製剤はミニビーズではないということも可能である。加えて
、本製剤は、複数のミニビーズを含みうる。したがって、本発明は、本明細書に開示され
た医薬製剤の特徴を有するミニビーズを企図する。
【0134】
本製剤またはミニビーズは、コアの最大断面寸法が、1~3mmまたは1~2mmの場
合のように、約0.01~約5mm(例えば、1~5mm)でありうる。ミニビーズは、
回転楕円体でありうる。回転楕円体ミニビーズは、縦横比が1.5以下(例えば、1.1
~1.5)でありうる。
【0135】
複数の実施形態において、本医薬製剤は、不活性化および弱毒化された微生物から選択
される抗原を含んでいない。
【0136】
本発明の医薬製剤は、経口投与用でありうる。本製剤は、0.1~1000mg、任意
選択的には、1~500mg、例えば、10~300mgまたは25~250mg、適切
には、約25mg、35mg、約75mg、約180mg、約210mg、または約25
0mgの薬学的有効成分を含む経口投与用の単位剤形に製剤化されうる。適切には、本製
剤は、軟もしくは硬ゲルカプセル、ゼラチンカプセル、HPMCカプセル、圧縮錠剤、ま
たはサシェ(sachet)から選択される複数ミニビーズ単位剤形の形をしている。ミニビー
ズは、本明細書の他の箇所に記載された通りのものでありうる。
【0137】
本発明のさらなる態様は、薬剤として使用するための、本明細書に記載の製剤を提供す
る。有効成分は、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン)でありうる。本製剤は、少なく
とも1つのさらなる有効成分(例えば、少なくとも1つのさらなる免疫抑制剤)を含みう
る。特に、有効成分がGITの状態の治療(例えば、予防)に使用するための免疫抑制剤
である製剤が提供される。本製剤は、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍
性大腸炎、セリアック病、移植片対宿主病、消化管移植片対宿主病、胃腸炎、十二指腸炎
、空腸炎、回腸炎、消化性潰瘍、カーリング潰瘍、虫垂炎、大腸炎、偽膜性大腸炎、憩室
症、憩室炎、回腸嚢炎、子宮内膜症、結腸直腸癌、および腺癌の治療に使用されうる。
【0138】
医薬製剤が第2のコーティングを含まない実施形態において、本製剤は、小腸に影響を
与える状態の治療に使用されうる。このような製剤は、セリアック病、GVHD、または
クローン病から選択される状態を治療可能でありうる。
【0139】
本発明は、さらに、薬学的有効成分を対象に投与する方法であって、本明細書に記載の
製剤を対象に経口投与することを含む方法を提供する。本方法は、疾患の治療(例えば、
予防)において実施されうる。対象は、哺乳動物(特に、ヒト)でありうる。また、消化
管の状態の治療を必要とする対象(好ましくは、ヒト)においてその状態を治療するため
の方法であって、哺乳動物に対し本明細書に記載された製剤の治療的に有効な量を経口投
与することを含み、薬学的有効成分が本方法で潜在的に有効である成分である、方法も提
供される。例えば、状態は、炎症性でありうる、また、有効成分は、免疫抑制剤(例えば
、シクロスポリンA)でありうる。治療または予防されうる消化管の状態は、本明細書に
開示された状態を含む。
【0140】
本発明のさらなる態様は、GITの状態の治療(例えば、予防)用薬剤の製造に使用す
るための、本明細書に記載の製剤の使用を提供する。消化管の状態は、本明細書に開示さ
れたものを含む。
【0141】
また、本発明は、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアッ
ク病、移植片対宿主病、消化管移植片対宿主病、胃腸炎、十二指腸炎、空腸炎、回腸炎、
消化性潰瘍、カーリング潰瘍、虫垂炎、大腸炎、偽膜性大腸炎、憩室症、憩室炎、子宮内
膜症、結腸直腸癌、および腺癌から選択される状態を治療する方法を企図する。本方法は
、本発明の医薬製剤を投与することを含む。
【0142】
他の態様において、本発明は、小腸に影響を与える状態を治療する方法を提供する。本
方法は、第2のコーティングを含まない本発明の医薬製剤を投与することを含む。小腸の
状態は、セリアック病、GVHD、またはクローン病から選択されうる。
【0143】
本発明の一態様において、医薬製剤を製するプロセスが提供され、このプロセスは、H
PMCを含むコーティングでコアをコーティングする工程を含み、そのコーティングによ
る重量増加は、本医薬製剤の0.5~20重量%である。コアは、薬学的有効成分を含み
うる、また、本明細書に記載されたコアでありうる。
【0144】
直前の段落の方法は、さらに、コアを製造することを含みうる。コアの製造は、
非水相を水相と混合して固体コロイドを形成する工程と、水相または非水相の少なくと
も一方は、薬学的有効成分を含み、
(a)非水相は、界面活性剤を含み、
(b)水相は、ヒドロゲル形成ポリマーを含み、
その後、エマルションを固化させる工程と、
を含む。
【0145】
本発明には、コア、第1のコーティング、およびこの第1のコーティングの外側の第2
のコーティングを含む多様な固体単位剤形を2バッチ以上生産する方法が含まれ、コアは
、有効成分およびヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、第1のコーティングは、
水溶性セルロースエーテルを含み又はであり、第2のコーティングは、遅延放出ポリマー
を含み又はであり、さらに、第1のコーティングは、前記2バッチ以上のそれぞれに時間
に対する有効成分の放出%の計画(この計画のどの時点でも放出%の差は5単位未満であ
る)をもたらす量で存在し、本方法は、コアのバッチを形成し、0.5~20%のコーテ
ィングによる重量増加をもたらす量の第1のコーティングでコアをコーティングし、第2
のコーティングでコアをコーティングして、前記1バッチ以上を提供することを含む。
【0146】
複数の実施形態において、コーティングは、8~12%の重量増加、または、本明細書
に記載の他のどの重量増加をももたらす量で存在する。
【0147】
2バッチ以上からの多様な固体単位剤形の溶解プロファイルのバッチ間変動を最小限に
する方法であって、当該方法は、
多様な固体単位剤形を2バッチ以上形成すること、および
ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むコーティングで各バッチの固体単位剤形を
コーティングすること、そのコーティングによる重量増加は、0.5~20%である、
を含む。
【0148】
本明細書が複数のバッチ、例えば、2バッチ以上に言及する場合、バッチの数は、少な
くとも100、任意選択的に、少なくとも1000でありうる。
【0149】
本発明の他の態様は、シクロスポリンの全身性副作用を回避する方法であり、本方法は
、シクロスポリンを含む組成物と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの0.5~20
%の重量増加に相当する量で存在するコーティングとを提供することを含む。本方法は、
炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、移植片対宿主
病、消化管移植片対宿主病、胃腸炎、十二指腸炎、空腸炎、回腸炎、消化性潰瘍、カーリ
ング潰瘍、虫垂炎、大腸炎、偽膜性大腸炎、憩室症、憩室炎、子宮内膜症、結腸直腸癌、
および腺癌から選択される状態の治療に使用されうる。
【0150】
本発明のコーティングは、本コーティングのない対応する製剤と比較して、本製剤から
の有効成分の放出の速度(rate)および/または程度(extent)を増加させる。したがっ
て、本発明の製剤は、経口投与後に高濃度の有効成分を体内に提供することが期待される
。これは、有効成分の経口バイオアベイラビリティを向上させ、もって、有効成分の治療
効果を増進しうる。また、バイオアベイラビリティの増進は、投与する有効成分の用量を
少なくすることを可能にし、もって、(例えば、必要なカプセルの数および/または大き
さを減少させることによって)患者に投与される単位剤形の大きさまたは数を減少させう
る。したがって、本発明は、有効成分のバイオアベイラビリティを増加させるために本発
明の製剤の使用を提供する。さらに、本発明は、活性物質の経口バイオアベイラビリティ
を増加させる方法を提供する。本方法は、患者に本発明の製剤を投与することを含む。
【0151】
胃および/または上部消化管(例えば、小腸)に有効成分を放出する本発明の製剤は、
バイオアベイラビリティの向上にとって特に有益でありうる。したがって、本明細書に記
載された溶出試験の最初の2~4時間で有効成分をたくさん放出する本発明の製剤は好ま
しい。適切には、このような製剤は、第1のコーティング(例えば、水溶性セルロースエ
ーテル)を含み第2のコーティングを含まない本明細書に記載の製剤でありうる。
【0152】
特定の有効成分に対して、本製剤が胃および上部消化管を通過するまで、本製剤からの
有効成分の放出を制限または遅延させることが望ましいことがありうる。第2のコーティ
ングを含む本発明の製剤は、このような用途に特に適切でありうる。第2のコーティング
は、本製剤からの放出を遅らせるように作用する一方で、本発明のコーティング(例えば
、HPMC)の存在は、本製剤が下部消化管に有効成分を放出する際にその有効成分の放
出量を増加させる。第2のコーティングの存在の結果としての有効成分放出の遅延期間は
、使用する第2のコーティングの性質または量を適切に選択することによって調整されう
る。与えられた第2のコーティング物質に対して、コーティングの重量増加が大きくなる
ほど、一般的に、本製剤の投与と有効成分の放出との間の時間が長くなる。したがって、
本発明の製剤は、例えば、消化管内の病変組織に局所治療を提供するために、GI管の非
常に限られた部分にて大量の活性物質を放出させるのに使用することができる。このよう
な遅延放出製剤は、有効成分が、体内吸収から消化管においてより高く生じうる望ましく
ない副作用を有する場合に、特に有益でありうる。
【0153】
参照により本明細書に含まれるのは、添付の請求項の主題である。したがって、本明細
書は、請求項と共に読まれるべきであり、請求項に記載された特徴は、本明細書の主題に
適用可能である。例えば、方法クレームに記載された特徴は、本明細書に記載された製品
にも適用可能である。この場合、その特徴は、その製品に表される。例えば、製品クレー
ムに記載された特徴は、本明細書に含まれる関連する方法の主題にも適用可能である。同
様に、方法との関連において本明細書に記載された特徴は、本明細書に記載された製品に
も適用可能である。この場合、その特徴は、その製品に表される。また、製品との関連に
おいて本明細書に記載された特徴は、本明細書に含まれる関連する方法の主題にも適用可
能である。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0154】
図1図1は、4時間にわたって時間に対するシクロスポリンの溶液中%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのコーティングを有しない実施例1のコアの放出プロファイルと比較して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む異なるレベルのコーティングを有する実施例1および実施例2a~2cのミニビーズの放出プロファイルを示すものである。
図2図2は、24時間にわたって時間に対するシクロスポリンの溶液中%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのコーティングを有しない実施例1のコアの放出プロファイルと比較して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む異なるレベルのコーティングを有する実施例1および実施例2a~2cのミニビーズの放出プロファイルを示すものである。
図3図3は、24時間にわたって時間に対するシクロスポリンの放出%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのコーティングを有しない実施例5aのミニビーズの放出プロファイルと比較して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む異なるレベルのコーティングを有する実施例5b~5dのミニビーズの放出プロファイルを示すものである。
図4図4は、24時間にわたって時間に対するシクロスポリンの放出%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのコーティングを有しない実施例5eのミニビーズの放出プロファイルと比較して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む異なるレベルのコーティングを有する実施例5fおよび実施例5gのミニビーズの放出プロファイルを示すものである。
図5図5は、24時間にわたって時間に対するシクロスポリンの放出%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのコーティングを有しない実施例5hのミニビーズの放出プロファイルと比較して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む異なるレベルのコーティングを有する実施例5iおよび実施例5jのミニビーズの放出プロファイルを示すものである。
図6図6は、24時間にわたって時間に対するシクロスポリンの放出%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのコーティングを有しない実施例9aのミニビーズの放出プロファイルと比較して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む異なるレベルのコーティングを有する実施例9bおよび実施例9cのミニビーズの放出プロファイルを示すものである。
図7図7は、図3および図6の放出プロファイルを単一のグラフに含むグラフである。
図8図8は、24時間にわたって時間に対するメサラジンの放出%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのコーティングを有しない実施例12aのミニビーズの放出プロファイルと比較して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む異なるレベルのコーティングを有する実施例12bおよび実施例12cのミニビーズの放出プロファイルを示すものである。
図9図9は、24時間にわたって時間に対するヒドララジンの放出%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのコーティングを有しない実施例14aおよび実施例14dのミニビーズの放出プロファイルと比較して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む異なるレベルのコーティングを有する実施例14b~14cおよび実施例14e~14fのミニビーズの放出プロファイルを示すものである。
図10図10は、18時間にわたって時間に対するセレコキシブの放出%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのコーティングを有しないミニビーズの放出プロファイルと比較して、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むコーティングおよびシュアリースのコーティングを有する実施例16のミニビーズの放出プロファイルを示すものである。
図11図11は、24時間にわたって時間に対するシクロスポリンの放出%をプロットしたグラフであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むコーティングおよびシュアリース/ペクチンの第2のコーティングのコーティングを有するミニビーズの異なるバッチの放出プロファイルの変動性の減少を示すものである。
図12図12は、本発明のミニビーズの断面の走査型電子顕微鏡画像である。
図13図13は、コーティングの2つの異なる層を示す、図12の画像の一部の拡大画像である。
【発明を実施するための形態】
【0155】
「治療(treatment)」という用語、および、本発明によって包含される治療法(thera
py)は、以下のこと、および、その組み合わせを含む。(1)状態、障害、もしくは疾患
のリスクを低下させること、または、それらの開始および/または進行を抑制する(例え
ば、遅延させる)こと、(2)患者(例えば、ヒトもしくは動物)に発症する状態、障害
、もしくは疾患の臨床症状の発現を予防し(例えば、そのリスクを低下させ)または遅延
させること、当該患者は、その状態、障害、もしくは疾患にかかっているまたはかかりや
すい可能性があるが、まだその状態、障害、もしくは疾患の臨床症状もしくは無症候性症
状を経験しても見せてもいない、(3)その状態、障害、または疾患を抑制すること(例
えば、その状態、障害、もしくは疾患の少なくとも1つの臨床症状もしくは無症候性症状
の病気の発症(維持療法の場合はその再発)を阻止し、低下させ、または遅延させること
)、および/または(4)その疾患を緩和すること(例えば、その状態、障害、もしくは
疾患、もしくはその少なくとも1つの臨床症状もしくは無症候性症状の退行を引き起こす
こと)。本発明の製剤が患者の治療に使用される場合、治療は、患者の健康を維持するこ
と、患者の健康を回復または向上させること、および、障害の進行を遅らせること、のう
ちの任意の1つ以上を企図する。治療を受ける患者にとっての利益は、統計的に有意であ
るかまたは少なくとも患者もしくは医師にも分かるかのどちらかでありうる。当然のこと
ながら、薬剤は、必ずしも、それが投与される全ての患者において臨床効果を生じるもの
ではなく、本段落は、そのように理解されるべきである。本明細書に記載された製剤およ
び方法は、病気の治療および/または予防に有用である。
【0156】
治療は、障害を発症し、その後、その疾患が(例えば、治療により)改善した患者の維
持療法を含みうる。このような患者は、症候性障害になったりならなかったりしうる。維
持療法は、障害の発生(再発)もしくは進行を阻止し、減少させ、または遅延させること
を目的とする。
【0157】
「有効量」は、所望の治療を達成する(例えば、所望の治療効果または予防的効果を招
く)のに十分な量を意味する。治療効果または予防的効果は、ユーザ(例えば、臨床医)
が治療に対する効果的な反応として認識するあらゆる反応でありうる。さらに、治療効果
または予防的効果の評価に基づいて、適切な治療期間、適切な用量、および任意の潜在的
な併用療法を決定するのは、当業者の技能の範囲内である。
【0158】
本開示の製剤に適用される「乾燥(dry)」および「乾燥した(dried)」という用語は
、おのおの、5重量%未満の自由水(例えば、1重量%未満の自由水)を含有する製剤へ
の言及を含みうる。しかし、主に、本開示の製剤に適用される「乾燥」および「乾燥した
」は、初期凝固製剤が硬質製剤を形成するのに十分乾燥したことを意味する。固体コロイ
ドに言及する場合、これは本明細書中の定義に従って乾燥コロイドをも指す。
【0159】
記載された製剤の成分および賦形剤は、意図された目的に適している。例えば、医薬製
剤は、薬学的に許容される成分を含む。
【0160】
特に断りのない限り、本発明の製剤の成分(ingredient)や化学成分(component)、
賦形剤(excipient)等は、本明細書の他の箇所に記載された1つ以上の意図された目的
に適している。
【0161】
誤解を避けるために、先に「背景」の見出しの下で本明細書に開示した情報は、本発明
に関連しており、本発明の開示の一部として読まれるべきであるということをここに述べ
ておく。
【0162】
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」および「包含す
る(contain)」という単語ならびにこれらの変形は、「~を含むがこれ(ら)に限定さ
れない(including but not limited to)」ことを意味し、他の部分、添加物、化学成分
、整数、または工程を除外することを意図していない(除外しない)。本明細書の説明お
よび特許請求の範囲を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、単数は複数を含む
。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き
、単数だけでなく複数も考えているものとして理解されるべきである。
【0163】
本発明の特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明した特徴、整数、特性、
化合物、化学的部分、または化学基は、矛盾しない限り、本明細書に記載された他のどの
態様、実施形態、または実施例にも適用可能であると理解されるべきである。本明細書(
添付の特許請求の範囲、要約書、および図面をすべて含む)に開示された全ての特徴、お
よび/または、そう開示された全ての方法もしくはプロセスの全ての工程は、そのような
特徴および/または工程の少なくとも一部が互いに矛盾する組み合わせを除いて、任意の
組み合わせで組み合わせられうる。本発明は、どの前述の実施形態の詳細にも限定されな
い。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、および図面をすべて含む)に
開示された特徴のうちの全ての新規なものもしくは全ての新規な組み合わせ、または、そ
う開示された全ての方法もしくはプロセスの工程のうちの全ての新規なものもしくは全て
の新規な組み合わせにまで及ぶ。
【0164】
読者の注意は、本願に関連して本明細書と同時にまたはその前に提出され、かつ、本明
細書と共に公衆の閲覧に付された、全ての文書に向けられる。そのような全ての文書の内
容は、参照により本明細書に組み込まれている。
溶解プロファイル
【0165】
「パドル速度が75rpm、溶出媒体温度が37℃のUSP装置IIを使用する2段階
の溶出試験。ここで、溶出試験の最初の2時間は、溶出媒体が750mlの0.1N H
Clであり、溶出試験の残りの時間には、2%のSDSを含有する250mlの0.2M
の三リン酸ナトリウムを溶出媒体に添加し、その後、pHを6.8に調整する」への言及
は、USP<711>溶出に従って、パドル速度が75rpm、溶出媒体の温度が37±
0.5℃で操作される装置II(パドル装置)を用いて実施されるインビトロ試験である
。試験の開始時(t=0)に試料を酸性の溶出媒体に入れる。2時間後、一定分量の媒体
をその後の分析のために採取し、直ちに(適切には、5分以内)溶出試験の第2段階を開
始する。第2段階では、2%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する250ml
の0.2Mの三リン酸ナトリウムを溶出媒体に添加し、必要に応じて2NのNaOHまた
は2NのHClを用いてpHを6.8±0.05に調整する。溶出媒体の試料を、試験の
第2段階中の複数の時点で、例えば、試験の開始から(つまり、第1段階の開始時である
t=0から)4時間、6時間、12時間、および24時間で、採取する。試料は、媒体に
溶けている有効成分について分析される。「放出%」は、試験の開始時の組成物中の有効
成分(例えば、シクロスポリン)の量に対する、特定の時点でのそれぞれの溶出媒体中の
有効成分の溶液中の量である。試料中の有効成分の濃度は、標準的な技術(例えば、実施
例で説明する逆相HPLC)を用いて測定されうる。「2段階溶出試験」への言及は、こ
の試験方法を参照する。
製剤
【0166】
本製剤は、マトリックスおよび薬学的有効成分を含む。マトリックスは、ヒドロゲル形
成ポリマーで形成されうるとともに、ポリマーに対する追加の賦形剤を含有しうる。有効
成分は、マトリックスの中に包含される。有効成分は、溶液中もしくは懸濁液中、または
それらの組み合わせの中に存在しうる。しかし、本発明は、有効成分の溶液または懸濁液
を含む製剤に限定されない。本発明は、例えば、リポソームまたはシクロデキストリンの
中に入れられた有効成分を含む。マトリックスは、有効成分が含まれる包接体を包含しう
る。例えば、包接体は、有効成分が溶解または懸濁している疎水性媒体を含みうる。した
がって、有効成分は、マトリックスに直接溶解もしくは懸濁されうる、または、有効成分
は、有効成分が溶解または懸濁される包接体によってマトリックスに間接的に溶解もしく
は懸濁されうる。
【0167】
したがって、本製剤は、マトリックス形成ポリマー、特にヒドロゲル形成ポリマーを含
む。本製剤のマトリックスは、透水性ポリマー、水膨潤性ポリマー、および生分解性ポリ
マーから選択されるポリマーを含むポリマーマトリックスであり又は含みうる。特に、マ
トリックスは、以下でより詳細に説明するヒドロゲル形成ポリマーである又は含む。
【0168】
本製剤からの有効成分の放出調節は、マトリックス材料の性質によって達成されうる。
例えば、マトリックスは、有効成分が包含される(例えば、溶解もしくは懸濁される)透
過性または浸食性ポリマーでありうる。このようなマトリックスは、経口投与後に、徐々
に溶解または浸食され、それによって、本マトリックスから有効成分を放出する。浸食は
、生分解性ポリマーマトリックスの生分解によって達成されうる。マトリックスが透過性
である場合には、水がマトリックスに浸透して薬物がマトリックスから拡散するのを可能
にする。したがって、ヒドロゲル形成ポリマーで形成されたマトリックスは、放出調節ポ
リマーを含みうる。放出調節ポリマーは、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸-グリコール酸
共重合体)、ポリエチレングリコールブロック共重合体、ポリオルトエステル、ポリ無水
物、ポリ無水エステル、ポリ無水物イミド、ポリアミドおよびポリホスファジンとして述
べられうる。
水溶性セルロースエーテルコーティング
【0169】
本発明は、水溶性セルロースエーテルである又は含むコーティングを有する医薬製剤を
提供する。本発明は、ポリマーが水溶性セルロースエーテルである又は含むポリマーコー
ティングを有する医薬製剤を提供する。水溶性セルロースエーテルは、例えば、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロ
キシプロピルメチルセルロースから選択されうる。
【0170】
適切には、第1のコーティング(つまり、サブコーティング)の材料は、組成物上の第
2のコーティングと異なる。例えば、第1のコーティングがセルロースエーテルの水溶性
エステルである又は含む場合、第2のコーティングの主要成分(複数可)(例えば、50
%を超える)は、第1のコーティングの主要成分と異なるポリマーである又は含む。した
がって、第1のコーティングおよび第2のコーティングは、組成物の一部として2つの材
料層を適切に提供する。当然のことながら、第2のコーティングが複数の成分の混合物を
含む場合、外側の第2のコーティングの少量成分は、第1のコーティングの材料と同じで
ありうる。例として、第1のコーティングがHPMCであり又は含み、第2のコーティン
グがエチルセルロースを含む場合、エチルセルロースは、任意選択的に、少量(例えば、
50%未満、40%未満、30%未満、または20%未満)の第1のコーティング材料(
この例ではHPMC)をさらに含みうる。このような実施形態において、サブコーティン
グおよび第2のコーティングは、異なるものと考えられる。
【0171】
水溶性セルロースエーテルは、アルキルセルロース(例えば、メチルセルロース、エチ
ルメチルセルロース)、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセル
ロース(セロサイズTMおよびナトロソールTMとして入手可能)、ヒドロキシプロピル
セルロース(クルセルTMとして入手可能)、またはヒドロキシメチルセルロース)、ヒ
ドロキシアルキルアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロース(H
EMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトセルTM、ファーマコートTM
ベネセルTMとして入手可能)、またはエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)
)、ならびに、カルボキシアルキルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース(
CMC))から選択される水溶性セルロースエーテルでありうる。適切には、水溶性セル
ロースエーテルは、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択されうる。
【0172】
水溶性セルロースエーテルは、薄膜またはコーティングとして本製剤への適用に適して
いる低粘度ポリマーでありうる。ポリマーの粘度は、約2~約60mPa・s、例えば、
約2~約20mPa・s、約2~約8mPa・sの粘度、より適切には、約4~約10m
Pa・s、例えば、約4~約6mPa・sの粘度でありうる。あるいは、ポリマーの粘度
は、ちょうど述べた範囲のいずれかまたは全ての範囲外でありうる、例えば、20mPa
・sを超えうる。あるいは、ポリマーの粘度は、ちょうど述べた範囲のいずれかまたは全
ての範囲外でありうる、例えば、20mPa・sを超えうる。ポリマーの粘度は、AST
M規格方法(D1347およびD2363)を用いてウベローデ(Ubbelohde)粘度計を
使用して20℃でポリマーの2%水溶液の粘度を測定することによって決定されうる。
【0173】
水溶性セルロースエーテルは、水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC
またはヒプロメロース)でありうる。HPMCは、ヒドロキシ基をメトキシ基およびヒド
ロキシプロピル基と置換するようにセルロースを修飾することによって調製される。セル
ロース鎖中の各無水グルコース単位は、3つのヒドロキシル基を有する。無水グルコース
単位上の置換基の量は、置換度として表されうる。各単位上の3つのヒドロキシル基が全
て置換されている場合、置換度は、3である。環上の置換基の数は、HPMCの特性を決
定する。また、置換度は、存在するメトキシ基およびヒドロキシプロピル基の重量%とし
ても表されうる。適切には、HPMCは、約19~約30%のメトキシ置換および約7~
約12%のヒドロキシプロピル置換を有する。特に、HPMCは、25~30%のメトキ
シ置換および7~12%のヒドロキシプロピル置換を有する。適切には、HPMCは、薄
膜またはコーティングとして本製剤への適用に適している低粘度HPMCである。HPM
Cの粘度は、適切には、約2~60mPa・s、例えば、約2~約20mPa・sであり
、より適切には、約4~約10mPa・sの粘度である。HPMCの粘度は、ASTM規
格方法(D1347およびD2363)を用いてウベローデ(Ubbelohde)粘度計を使用
して20℃でHPMCの2%水溶液の粘度を測定することによって決定される。このよう
なHPMCは、例えば、メトセルTM(例えば、メトセルTME5を含むメトセルTM
)として入手可能である。
【0174】
第1のコーティングがセルロースエーテルの水溶性誘導体である又は含む場合、その誘
導体は、例えば、セルロースエーテルの水溶性エステルでありうる。セルロースエーテル
の水溶性エステルはよく知られており、1つ以上の適切なアシル化剤(複数可)で形成さ
れた、セルロースエーテルのエステルを含みうる。アシル化剤は、例えば、適当な酸また
は酸無水物またはアシルハロゲン化物でありうる。したがって、セルロースエーテルのエ
ステルは、混合エステルを与えるために、単一のエステル部分または2つ以上のエステル
部分を含有しうる。セルロースエーテルの水溶性エステルの例は、、セルロースエーテル
(例えば、HPMC)の水溶性のフタル酸エステル、酢酸エステル、コハク酸エステル、
プロピオン酸エステル、または酪酸エステルでありうる。適切には、セルロースエーテル
の水溶性エステルは、セルロースエーテル(例えば、HPMC)の水溶性のフタル酸エス
テル、酢酸コハク酸エステル、プロピオン酸エステル、酢酸プロピオン酸エステル、また
は酢酸酪酸エステルである。
【0175】
一実施形態において、セルロースエーテルの水溶性エステルは、サブコーティングに関
連して上述した水溶性セルロースエーテルのいずれかの水溶性エステルであり又は含みう
る。
【0176】
セルロースエーテルの特定の水溶性エステルは、HPMCの水溶性エステルである。5
.5よりも高いpHで水に溶解するHPMCのエステルは、イオン化可能なカルボキシル
基の存在によってポリマーが高いpH(LFグレードでpH>5.5、HFグレードでp
H>6.8)で溶解する、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP
)、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS
)であり又は含みうる。これらのポリマーは、信越化学工業株式会社から市販されている
【0177】
セルロースエーテル含有コーティングは、ヒプロメロースを含み又はでありうる。例え
ば、それは、ヒプロメロース、二酸化チタン、およびポリエチレングリコールの混合物で
作られうる。コーティングは、少なくとも20重量%のヒプロメロース、任意選択的には
、少なくとも50重量%または少なくとも75重量%のヒプロメロース、例えば、少なく
とも80重量%または少なくとも85重量%または90重量%のヒプロメロースを含みう
る。したがって、コーティングを形成するために使用されるコーティング材料は、前の文
で述べたヒプロメロースの乾燥重量パーセントを含みうる。
【0178】
プロメロース、二酸化チタン、およびポリエチレングリコールの混合物を使用するコー
ティングが望まれる場合、このような混合物に対応する商品が、カラコン社(Colorcon)
により市販されている製品であるオパドライホワイト(Opadry White)を含めて利用可能
である。より一般的には、商品名オパドライおよびオパドライIIで市販されているさま
ざまな製品が挙げられうる。さらに、非限定的な例は、オパドライYS-1-7706-
Gホワイト、オパドライイエロー03B92357、オパドライブルー03B90842
を含む。これらの製剤は、使用直前に水に希釈することができるドライフィルムコーティ
ング製剤として利用可能である。オパドライおよびオパドライIIの製剤は、セルロース
膜形成ポリマー(例えば、HPMCおよび/またはHPC)を含む。また、それは、ポリ
デキストロース、マルトデキストリン、可塑剤(例えば、トリアセチン、ポリエチレング
リコール)、ポリソルベート80、着色剤(例えば、二酸化チタン、1つ以上の染料もし
くはレーキ)、および/または、他の適切な膜形成ポリマー(例えば、アクリレート-メ
タクリル酸塩共重合体)を含みうる。適切なオパドライおよびオパドライIIの製剤は、
可塑剤および1つ以上のマルトデキストリン、ならびにトリアセチン(を含むがこれらに
限定されない)ポリデキストロース、ならびにポリデキストロースまたはマルトデキスト
リンまたは乳糖、またはb)ポリエチレングリコール、ならびにポリデキストロースまた
はマルトデキストリン)を含みうる。特に好適な商品は、オパドライホワイト(HPMC
/HPCに基づく)およびオパドライIIホワイト(PVA/PEGに基づく)である。
【0179】
また、セルロースエーテル含有コーティングは、水と第1のコーティングのポリマーと
を含む単純な溶液としても適用されうる。例えば、ポリマーが、例えばメトセルなどのH
PMCである場合、第1のコーティングは、HPMCの水溶液または分散液としてコアに
施されうる。任意選択的に、コーティング液は、アルコールなどの他の溶媒を含みうる。
あるいは、コーティングは、揮発性有機溶剤の溶液または分散液として施されうる。
【0180】
適切には、水溶性セルロースエーテルを含有するコーティングは、本コーティングを施
す前の本製剤の重量に基づいて0.5~40重量%(例えば、0.5~30重量%、0.
5~20重量%、1~25重量%、1~15重量%、1~6重量%、1~4重量%、4~
6重量%、6~10重量%、9~15重量%、または12~15重量%)のコーティング
による本製剤の重量増加に対応する量で存在する。
【0181】
他の実施形態において、水溶性セルロースエーテルを含有する第1のコーティングは、
本コーティングを施す前の本製剤の重量に基づいて9~30重量%、適切には9~20重
量%、または特に10~15重量%から選択される範囲で第1のコーティングによる重量
増加に対応する量で存在する。
【0182】
適切には、水溶性セルロースエーテルを含有するコーティングは、本製剤上のコーティ
ング厚さが、約10μm~約1mm、例えば、約10~約500μm、約50μm~約1
mm、または約50~約500μmである。したがって、その厚さは、約100μm~約
1mm、例えば、約100~約750μmまたは約100~約500μmでありうる。そ
の厚さは、約250μm~約1mm、例えば、約250~約750μmまたは約250~
約500μmでありうる。その厚さは、約500μm~約1mm、例えば、約750μm
~約1mmまたは約500~約750μmでありうる。したがって、その厚さは、約10
~約100μm、例えば、約10~約50μmまたは約50~約100μmでありうる。
【0183】
第1のコーティングが水溶性セルロースエーテルを含む場合、セルロースエーテル(複
数可)は、適切には、第1のコーティングの乾燥重量の少なくとも40%、50%、60
%、70%、80%、85%、または90%を形成する。あるいは、水溶性セルロースエ
ーテルは、第1のコーティングである。
【0184】
コーティングのプロセスに関連して以下でより詳細に述べられるように、水溶性セルロ
ースエーテルを含有する第1のコーティングが施される前に、本発明の製剤を乾燥させる
ことが好ましい。
【0185】
遅延放出コーティングを施す前に、薬学的有効成分を含むコアに、水溶性セルロースエ
ーテルを含有するサブコーティング(サブコーティングは、本願の他の箇所でサブコート
と呼ばれ、よって、サブコートおよび第1のコーティングは等価である)を施すことは、
予期せぬ利点を提供することが判明した。このようなサブコーティングの存在は、本発明
に係る遅延放出製剤の溶解特性を強化することが分かった。特に、このようなサブコーテ
ィングの存在は、このようなサブコーティングを用いずに調製された製剤と比較して、本
製剤からの有効成分の放出速度を増加させると共に、設定時間内に放出される有効成分の
量を増加させることが分かった。これらの発見は、予想外である。なぜなら、遅延放出外
側コーティングのみならずサブコーティングの存在は、より厚いコーティングが存在する
ため、本製剤からの薬物の放出を遅延または抑制して、一時に、そこに薬物の放出が少な
くなるように作用することが、予想されていたからである。しかし、実施例に示すように
、これらの予想に反して、有効成分の放出量および放出速度のいずれも、そのようなサブ
コーティングを有しない製剤と比較して増加している。したがって、水溶性セルロースエ
ーテルを含む又はであるサブコートおよびこのサブコートの外側の遅延放出コーティング
を含む本発明に係る遅延放出剤形製剤は、独特の溶解プロファイルを提供する。また、こ
のようなサブコーティングの存在は、特にコアがミニビーズの形態である場合、バッチ間
変動を低減することが分かった。したがって、水溶性セルロースエーテルを含む又はであ
るサブコーティングは、より一貫した溶解プロファイルの結果として、患者内および患者
間の変動をも低減しうる。本発明に係るサブコーティングされた製剤の独特の特性(特に
溶解プロファイル)は、本発明に係る製剤の好ましい薬物動態学的特性に寄与することが
期待される。
【0186】
したがって、一実施形態において、薬学的有効成分を含む製剤であって、本製剤が第1
のコーティングをさらに含み、
この第1のコーティングは水溶性セルロースエーテルである又は含む、
ものが提供される。
【0187】
本製剤は、遅延放出ポリマーを含む又はである第2のコーティングを有しうる。
【0188】
したがって、一実施形態において、薬学的有効成分を含む製剤であって、本製剤が第1
のコーティングおよびこの第1のコーティングの外側の第2のコーティングをさらに含み

第1のコーティングは、水溶性セルロースエーテルであり又は含み、
第2のコーティングは、遅延放出コーティングである又は含む、例えば、遅延放出ポリ
マーである又は含む、
ものが提供される。
【0189】
本発明の一態様は、少なくとも2つの集団の有効成分含有ミニビーズを含む複数ミニビ
ーズ組成物であって、少なくとも1つのミニビーズ集団のメンバーが本明細書に記載され
たミニビーズ(つまり、ミニビーズ形態の本発明の製剤)であるものに存在する。当然の
ことながら、2つの集団は異なる。このような複数ミニビーズ集団組成物は、次の2つの
集団、つまり、
水溶性セルロースエーテルである又は含むコーティングを有するが、(例えば、本明細
書に記載されたような)外側のコーティングを有しない第1の集団と、
水溶性セルロースエーテルである又は含む第1のコーティング、および、(例えば、本
明細書に記載されたような)遅延放出コーティング(例えば、遅延放出ポリマーである又
は含むコーティング)である又は含む第2のコーティング、を有する第2の集団と、
を含み又はからなりうる。
【0190】
複数ミニビーズ組成物の各集団のそれぞれのミニビーズは、他の集団の一部もしくは全
部のミニビーズと同じ有効成分(複数可)を含有しうる、または、それらと異なる有効成
分(複数可)(例えば、異なる組み合わせ)を含有しうる。したがって、複数ミニビーズ
集団のミニビーズはすべて同じ有効成分(複数可)を含有しうる、例えば、それらはすべ
て免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン)、ヒドロキシラーゼ阻害剤(例えば、ヒドララ
ジン)、および抗炎症剤(例えば、メサラジン)から選択される有効成分を含有しうる。
より一般的には、複数ミニビーズ集団のミニビーズはすべて、例えば本明細書に記載のも
のから選択される、任意の同じ有効成分を含有しうる。
【0191】
複数集団組成物は、(例えば、本明細書に記載されたような)消化管の障害の治療に使
用されうる。このような製剤は、GITの複数の領域(例えば、腸上部および腸下部)に
影響を及ぼす障害の治療に使用しうるとともに、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン)
、ヒドロキシラーゼ阻害剤(例えば、ヒドララジン)、および抗炎症剤(例えば、メサラ
ジン)から選択される有効成分を含みうる。
【0192】
複数集団組成物のミニビーズは、例として、ゲルカプセルまたはサシェに含有されうる
【0193】
本開示の製剤の有効成分の一例は、シクロスポリンAである。適切には、前段落の実施
形態において、第1のコーティング(サブコーティング)が、シクロスポリンAを含むコ
アに施される。特定の実施形態において、コアは、ポリマーマトリックス(特に、水溶性
ポリマーマトリックス)中の薬学的有効成分(例えば、シクロスポリンA)である又は含
む。さらに具体的には、コアは、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスおよびシクロスポ
リンAを含む。このようなコアは、以下でより詳細に記載されている。この例では、シク
ロスポリンAの代わりにヒドララジンまたはメサラジンが使用されうる。
【0194】
第2のコーティングは、第1のコーティングの外側にあり、本明細書に記載の遅延放出
コーティングのいずれでもありうる。特に、第2のコーティングは、上記のpH非依存性
ポリマー放出調節コーティングである又は含む。例えば、第2のコーティングは、腸溶性
コーティングまたはpH依存性コーティングであり又は含みうる。第2のコーティングは
、細菌または他の酵素により分解可能なポリマーを含むポリマー混合物を含みうる。特定
の実施形態において、第2のコーティングは、エチルセルロース、および、任意選択的に
水溶性多糖類、特に結腸細菌による分解が起こりやすいもの、適切にはペクチン、を含む
。したがって、第2のコーティングは、上記のシュアリース-ペクチン混合物を含みうる
。第2のコーティングは、エチルセルロース(例えば、シュアリースTM)および細孔形
成剤であり又は含みうる。ここで、細孔形成剤は、消化管下部に見られるような水性の環
境に置かれたときにコーティングの透過性を高めるように作用する水溶性の賦形剤である
。適切な細孔形成剤は、上記のものを含む。複数の実施形態において、第2のコーティン
グは、細孔形成剤を含まず、よって、第2のコーティングは、ペクチンを含まなくてもよ
い。
【0195】
したがって、本発明の一実施形態において、コア、第1コーティング、およびこの第1
のコーティングの外側の第2コーティングを含む製剤であって、
コアは、ポリマーマトリックス(特にヒドロゲル形成ポリマーマトリックス)および薬
学的有効成分を含み、
第1のコーティングは、水溶性セルロースエーテル(特にヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース)であり又は含み、
第2のコーティングは、放出調節コーティングまたは遅延放出コーティング、特にpH
非依存性の放出調節コーティングであり又は含み、
第1のコーティングは、この第1のコーティングを施す前の本製剤の重量に基づいて(
i)8~12重量%、例えば、約10重量%、(ii)4~6重量%、例えば、約5%、
または(iii)約6~約10重量%、例えば、約7重量%、約7.5重量%、約8重量
%、約8.5重量%、約9重量%、もしくは約9.5重量%から選択される範囲の第1の
コーティングによる重量増加に対応する量で存在し、
第2のコーティングは、この第2のコーティングを施す前の本製剤の重量に基づいて(
a)10~12重量%、例えば、約11重量%もしくは約11.5重量%、(b)16~
18重量%、例えば、約17%、または(c)約8~約12重量%、例えば、約8.5重
量%、約9重量%、約9.5重量%、約10重量%、約10.5重量%、もしくは約11
重量%から選択される第2のコーティングによる本製剤の重量増加に対応する量で存在す
る、
ものが提供される。
【0196】
直前の段落の実施形態における第1のコーティングおよび第2のコーティングは、適切
には、上記または下記の第1のコーティングおよび第2のコーティングのいずれかである
。したがって、必要に応じて遅延放出コーティングを提供するために、本セクションに記
載のコーティングが、本明細書に記載の製剤のいずれかに施されうることは、意図されて
いる。コーティングは、ポリマーマトリックスおよび本願に記載の薬学的有効成分を含む
コアに放出調節コーティングを提供するのに特に有用である。
【0197】
本明細書に記載されたサブコーティングの存在は、とりわけ、このようなサブコーティ
ングを有しない製剤と比較して、溶解中に本製剤から放出される有効成分の量を増加させ
る。したがって、薬学的有効成分を含む遅延放出製剤であって、本製剤が、本明細書に記
載された、第1のコーティング(サブコーティング)および第2のコーティングを含み、
第1のコーティングが、本明細書に記載の溶出試験で測定されるとき、8~18時間の期
間を通して、第1のコーティングなしの対応する製剤からの有効成分の放出%よりも高い
有効成分の放出%を提供する量で存在する、ものが提供される。例えば、サブコーティン
グされた製剤は、溶出試験において、10~16時間、適切には10~14時間の間、よ
り具体的には約10時間、約12時間、約14時間、または約16時間で、より高い放出
%を提供する。本発明のサブコーティングされた製剤は、例えば、当該サブコーティング
なしの同じ製剤と比較して、溶出試験中に所定の時点で2%以上、5%以上、または10
%以上多くの有効成分、2~15%多くの有効成分を放出しうる。この段落の教示は、特
にシクロスポリンAに当てはまる。
ポリマーマトリックスコア
【0198】
本発明の製剤は、コアを含み、当該コアは、薬学的有効成分および機械的強度を提供す
るための連続相またはマトリックス相を含む。複数の実施形態において、有効成分の相は
、連続相またはマトリックス中の分散相である又は含む。連続相またはマトリックス相は
、適切には、水溶性ポリマーマトリックスを含み、特に、ヒドロゲル形成ポリマーマトリ
ックスを含む。コアは、マトリックス形成ポリマーがヒドロゲル形成ポリマーまたはその
組み合わせであるポリマーマトリックスを含みうる。
【0199】
有効成分は、コアのヒドロゲル形成ポリマーマトリックス(連続相または水相)中に分
散相として存在しうる。分散相は、疎水性でありうる。この場合、有効成分は、疎水性で
ありうるが、代替的に親水性でもありうる。例えば、分散相は、脂質およびシクロスポリ
ンAまたは他の疎水性有効成分を含みうる。コアは、水相中に有効成分相を分散してコロ
イドを形成した後、本製剤を凝固(ゲル化)させ、もってヒドロゲル形成ポリマーマトリ
ックス中に有効成分を固定化することによって調製されうる。
【0200】
コアは、固体コロイドの形態を有しうる。このコロイドは、連続相および分散相を含み
、連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーであり又は含み、分散相は、薬学的有効成分、例え
ば、複数の薬学的有効成分であり又は含む。分散相は、有効成分を含有する、例えば、そ
れを溶液または懸濁液として含有する、賦形剤を含みうる。賦形剤は、疎水性でありうる
、また、疎水性有効成分の溶液または親水性有効成分の懸濁液を含み又はでありうる。分
散相は、例として、液体、半固体、または固体でありうる。
【0201】
コアは、有効成分がヒドロゲル形成ポリマーマトリックス中に分散されている乾燥コロ
イドの特性を有しうる。したがって、コアは、連続相および分散相を含む乾燥コロイドの
形態を有しうる。ここで、連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーであり又は含み、分散相は
、薬学的有効成分、例えば、複数の薬学的有効成分である又は含む。分散相は、有効成分
を含有する、例えば、それを溶液または懸濁液として含有する、賦形剤を含みうる。賦形
剤は、疎水性でありうる、また、疎水性有効成分の溶液または親水性有効成分の懸濁液を
含み又はでありうる。分散相は、例として、液体、半固体、または固体でありうる。乾燥
コロイドは、乾燥エマルションでありうる、つまり、コアは、乾燥コロイドの特性を有し
うる。
【0202】
水溶性ポリマー、特にヒドロゲル形成ポリマーおよびシクロスポリンAを含む分散相を
含むコアは、以下でより詳細に説明される。
遅延放出コーティング
【0203】
本発明は、コーティング形成ポリマーを含む又はであるコーティングを有する製剤を提
供する。ここで、コーティング形成ポリマーは、ヒドロゲル形成ポリマーであり、コーテ
ィングは、その外側に第2のコーティングがある第1のコーティングでありうる。第2の
コーティングは、遅延放出コーティングでありうるが、本発明は、第2のコーティングが
遅延放出コーティングであることを必要としない。第2のコーティングは、遅延放出ポリ
マーを含み又はありうる。
【0204】
したがって、本発明の一実施形態によれば、コア、第1のコーティング、およびこの第
1のコーティングの外側の第2コーティングを含む医薬製剤であって、コアが薬学的有効
成分を含み、第1のコーティングが水溶性セルロースエーテルを含む又はであるものが提
供される。
【0205】
第1のコーティングは、本明細書の他の箇所に記載された量で存在しうる。
【0206】
第2のコーティングは、本明細書の他の箇所に記載された量で存在しうる。適切には、
第2のコーティングは、本製剤上のコーティングの厚さが、約10μm~約1mm、例え
ば、約10~約500μm、約50μm~約1mm、または約50~約500μmである
。したがって、その厚さは、約100μm~約1mm、例えば、約100~約750μm
または約100~約500μmでありうる。その厚さは、約250μm~約1mm、例え
ば、約250~約750μmまたは約250~約500μmでありうる。その厚さは、約
500μm~約1mm、例えば、約750μm~約1mmまたは約500~約750μm
でありうる。したがって、その厚さは、約10~100μm、例えば、約10~約50μ
mまたは約50~約100μmでありうる。
【0207】
好ましくは、コアは、例えば後でより詳細に説明するように、ミニビーズの形態、例え
ば固体コロイドの形態である。第2のコーティングは、フィルムでありうる、または、膜
(membrane)でありうる。第2のコーティング(例えば、フィルムまたは膜)は、胃の後
まで放出を遅延させるのに役立ちうる。したがって、このコーティングは、腸溶性コーテ
ィングでありうる。遅延放出コーティングは、好ましくはポリマーの性質の、1つ以上の
遅延放出物質(例えば、以下でより詳細に説明するメタクリル酸塩等、多糖類等)、また
は、任意選択的に他の賦形剤(例えば、可塑剤)を含む、複数のそのような物質の組み合
わせを含みうる。可塑剤が使用される場合、好ましい可塑剤は、親水性可塑剤、例えば、
下記のようにオイドラギット(登録商標)ファミリーのポリマーをコーティングとして使
用する場合に特に好適であるクエン酸トリエチル(TEC)を含む。エチルセルロースを
有するコーティングに関連して以下でより詳細に説明される、他の好適な可塑剤は、セバ
シン酸ジブチル(DBS)である。代替的または追加的な任意選択的に含まれる賦形剤は
、流動促進剤である。流動促進剤は、粉末または他の媒体に添加されてその流動性を向上
させる物質である。典型的な流動促進剤は、オイドラギット(登録商標)ファミリーのポ
リマーをコーティングとして使用する場合に好適であるタルクである。
【0208】
遅延放出コーティングは、下記のように施されうる、また、厚さおよび密度について異
なりうる。コーティングの量は、当該コーティングが施される乾燥製剤(例えば、ビーズ
)に加えられる(によって得られる)付加重量によって定義される。重量増加は、好まし
くは、ビーズの乾燥重量の0.1~50%、好ましくは1~15%の範囲内、より好まし
くは3~10%の範囲内、5~12%の範囲内、または8~12%の範囲内である。
【0209】
遅延放出コーティングのポリマーコーティング材料は、メタクリル酸共重合体、アンモ
ニオメタクリル酸共重合体、またはそれらの混合物を含みうる。例えばオイドラギット
SやオイドラギットTML(エボニック社)などのメタクリル酸共重合体が、特に適切
である。これらのポリマーは、胃耐性および腸溶性のポリマーである。それらのポリマー
フィルムは、純水および希酸に不溶である。それらは、カルボン酸の含有量に応じて、よ
り高いpHで溶解しうる。オイドラギットTMSおよびオイドラギットTMLは、ポリマ
ーコーティングの単一成分として、または、任意の比率で組み合わせて、使用することが
できる。ポリマーの組み合わせを使用することにより、ポリマー材料は、さまざまなpH
レベルの、例えば、オイドラギットTMSおよびオイドラギットTMLが別々に溶解可能
なpHの間の溶解度を示すことができる。特に、コーティングは、本段落に記載の1つ以
上の共重合体を含む腸溶コーティングでありうる。言及すべき特定のコーティング材料は
、オイドラギットL30D-55である。
【0210】
以下、商標「オイドラギット(EUDRAGIT)」は、メタクリル酸共重合体、特に
、エボニック社によって商標オイドラギットの下で販売されるメタクリル酸共重合体につ
いて言及するために使用される。
【0211】
遅延放出コーティング(有する場合)は、大部分(例えば、総ポリマーコーティング含
量の50%超)の少なくとも1つの薬学的に許容される水溶性ポリマーと、任意選択的に
、小部分(例えば、総ポリマー含量の50%未満)の少なくとも1つの薬学的に許容され
る水不溶性ポリマーとを含むポリマー材料を含むことができる。あるいは、膜コーティン
グは、大部分(例えば、総ポリマー含量の50%超)の少なくとも1つの薬学的に許容さ
れる水不溶性ポリマーと、任意選択的に、小部分(例えば、総ポリマー含量の50%未満
)の少なくとも1つの薬学的に許容される水溶性ポリマーとを含むポリマー材料を含むこ
とができる。
【0212】
例えばオイドラギットTMRSやオイドラギットTMRL(エボニック社)などのアン
モニオメタクリル酸共重合体は、本発明の使用に適している。これらのポリマーは、生理
的pHの全範囲にわたって、純水、希酸、緩衝液、および/または消化液に不溶である。
これらのポリマーは、pHとは無関係に水中および消化液中で膨潤する。膨潤した状態で
、それらは、その後、水および溶解した活性物質に対して透過性を有する。これらのポリ
マーの透過性は、ポリマー中の、エチルアクリレート(EA)基、メチルメタクリレート
(MMA)基、およびトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド(TAMCl
)基の比率に依存する。例えば、EA:MMA:TAMClの比が1:2:0.2である
ポリマー(オイドラギットTMRL)は、その比が1:2:0.1であるポリマー(オイ
ドラギットTMRS)よりも透過性が高い。オイドラギットTMRLのポリマーは、高透
過性の不溶性ポリマーである。オイドラギットTMRSのポリマーは、低透過性の不溶性
フィルムである。このファミリーにおける拡散律速pH非依存性ポリマーは、アクリル酸
エチルと、メタクリル酸メチルと、ポリマーを透過性にするために第四級アンモニウム基
が塩として存在する低含量のメタクリル酸エステルとの共重合体であるRS30Dである
。RS30Dは、水分散液として入手可能である。
【0213】
アミノメタクリレート共重合体は、任意の所望の比率で組み合わせることができ、その
比率は、薬物の放出速度を調節するために変更することができる。例えば、オイドラギッ
TMRS:オイドラギットTMRL=90:10の比率を使用することができる。ある
いは、オイドラギットTMRS:オイドラギットTMRLの比率は、約100:0~約8
0:20、約100:0~約90:10、または任意の中間比率でありうる。このような
製剤において、透過性が低い方のポリマーであるオイドラギットTMRSが、一般に、大
部分のポリマー材料を構成し、可溶性の高い方のRLは、溶解時に、ギャップの形成を可
能にし、そのギャップを通して溶質がコアと接触することができ、有効成分が制御された
形で漏れ出ることを可能する。
【0214】
アミノメタクリレート共重合体は、薬物の放出および/またはコーティングの穿孔およ
び/またはコーティング内での本製剤の暴露を望み通りに遅延させて薬物の放出および/
または固定化もしくは水溶性ポリマーマトリックスの溶解を可能にするために、ポリマー
材料中においてメタクリル酸共重合体と組み合わせることができる。アンモニオメタクリ
レート共重合体(例えば、オイドラギットTMRS)のメタクリル酸共重合体に対する比
率は、約99:1~約20:80の範囲で、使用することができる。また、2種類のポリ
マーは、組み合わせて同じポリマー材料にしたり、または、ビーズに施される別個のコー
ティングとして提供したりすることもできる。
【0215】
オイドラギットTMFS30Dは、メタクリル酸、メチルアクリレート、およびメチル
メタクリレートから成る陰イオン水性アクリルポリマー分散液であり、pH感受性を有す
る。このポリマーは、カルボキシル基の含有が少なく、したがって、より高いpH(>6
.5)で溶解する。このようなシステムの利点は、従来の粉末層化および流動床コーティ
ングの技術を用いて合理的な処理時間で大規模に容易に製造できることである。さらなる
一例は、メタクリル酸を官能基として有する陰イオン性ポリマーの水性分散液であるオイ
ドラギットTML30D-55である。これは、30%水性分散液として入手可能である
【0216】
上記のオイドラギットTMポリマーに加えて、多数の他のそのような共重合体を使用し
て薬物放出を制御することができる。これらの共重合体には、例えばオイドラギットTM
NEやオイドラギットTMNM範囲などのメタクリル酸エステル共重合体が含まれる。オ
イドラギットTMのポリマーに関するさらなる情報は、非特許文献1で見ることができる
。これの全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0217】
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のいくつかの誘導体も、pH
依存性の溶解性を示し、本発明において遅延放出コーティングに使用されうる。このよう
な誘導体の例として、HPMCのエステル、例えば、上部腸管内で急速に溶解するヒドロ
キシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、および、イオン性カルボキシ
ル基の存在によってポリマーが高いpH(LFグレードに対して、>5.5、HFグレー
ドに対して、>6.8)で可溶化するヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサ
クシネート(HPMCAS)が挙げられうる。これらのポリマーは、信越化学株式会社か
ら市販されている。遅延放出コーティングに有用なものとして本明細書に記載された他の
ポリマーと同様に、HPMCおよびその誘導体(例えば、エステル)は、他のポリマー、
例えば、オイドラギットTMRL-30Dと組み合わせられうる。
【0218】
他のポリマーは、特定の腸溶性またはpH依存性ポリマーでコーティングを提供するの
に使用されうる。このようなポリマーは、フタル酸基、酪酸基、コハク酸基、および/ま
たはメリト酸基を含むことができる。このようなポリマーは、セルロースアセテートフタ
レート、セルロースアセテートサクシネート、セルロース水素フタレート、セルロースア
セテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、スターチアセテートフタレート、ア
ミロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、およびポリビニルブ
チレートフタレートを含むが、これらに限定されない。
【0219】
pH非依存性ポリマー遅延放出コーティング
特定の実施形態において、第2のコーティング(存在する場合)は、その溶解プロファ
イルにおいて、および/または、本発明の製剤に組み込まれる有効成分のその放出能力に
おいて、pH非依存性であるポリマーコーティングである又は含む。pH非依存性ポリマ
ー遅延放出コーティングは、遅延放出ポリマー、任意選択的に複数の遅延放出ポリマー、
および1つ以上の他の任意選択成分を含む。他の成分は、本製剤の特性を調節するのに役
立ちうる。具体例は、すでに与えられている(例えば、オイドラギットTMRSおよびR
L)。
【0220】
pH非依存性ポリマーコーティングの他の例は、エチルセルロースを含む又はであるコ
ーティングである。したがって、pH非依存性ポリマーコーティングは、エチルセルロー
スである遅延放出ポリマーを有しうる。当然のことながら、剤形をコーティングするのに
用いるエチルセルロース製剤は、エチルセルロースおよび(液体製剤の場合には)液体賦
形剤に加えて、1つ以上の他の成分を含みうる。他の成分は、本製剤の特性、例えば、フ
ィルムコーティングの柔軟性のような、コーティングの安定性または物理的性質を調節す
るのに役立ちうる。エチルセルロースは、このような製剤における唯一の遅延放出ポリマ
ーでありうる。エチルセルロースは、剤形をコーティングするのに用いるコーティング製
剤の乾燥重量の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、
少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%の量で存在
しうる。したがって、エチルセルロースコーティングは、エチルセルロースに加えて他の
成分を含みうる。エチルセルロースは、エチルセルロースコーティングの少なくとも50
重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なく
とも90重量%、または少なくとも95重量%の量で存在しうる。その結果として、エチ
ルセルロースは、第2のコーティングの乾燥重量の少なくとも50重量%、少なくとも6
0重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、また
は少なくとも95重量%の量で存在しうる。適切には、エチルセルロースコーティングは
、フィルムの柔軟性を向上させ、かつ、コーティング塗布中のコーティング製剤のフィル
ム形成特性を向上させるために、下記の可塑剤をさらに含む。
【0221】
第1のコーティングに施しうる特定のエチルセルロースコーティング製剤は、粒径がサ
ブミクロンからミクロンの範囲(例えば、約0.1~10μm)で、乳化剤(例えば、オ
レイン酸アンモニウム)を用いて水中に均一に懸濁している、エチルセルロースの分散液
である。エチルセルロース分散液は、任意選択的に、かつ、好ましくは、可塑剤を含有し
うる。適切には、可塑剤は、例えば、セバシン酸ジブチル(DBS)、フタル酸ジエチル
、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、または中鎖トリグリセリド
を含む。コーティング製剤中の可塑剤の量は、コーティングの所望の特性に応じて変化す
る。典型的には、可塑剤は、可塑剤およびエチルセルロースの合計重量の1~50%、例
えば、約8~約50%を含む。エチルセルロース分散液は、例えば、特許文献3に従って
製造されうる。この特許文献3は、参照により本明細書に組み込まれている。本発明にお
ける使用に適しておりかつ市販されている1つのそのようなエチルセルロース分散液は、
アメリカ合衆国ペンシルベニア州ウエストポイントのラカコン社(Colorcon)によってシ
ュアリースTM(SureleaseTM)の登録商標で販売されている。この市販品では、エチル
セルロース粒子を、例えば、オレイン酸および可塑剤と混ぜ合わせ、その後、任意選択的
に、押し出し溶融させる。その後、溶融し可塑化したエチルセルロースを、例えばアンモ
ニア処理水中で、任意選択的に高剪断混合装置で、例えば圧力をかけて、直接乳化させる
。例えば可塑化したエチルセルロース粒子の分散液を安定化し形成するために、オレイン
酸アンモニウムをその場で形成することができる。その後、追加の精製水を加えて最終的
な固形分を得る。特許文献4も参照。この特許文献4は、参照により本明細書に組み込ま
れている。
【0222】
エチルセルロースコーティング材料、例えば、粒径がサブミクロンからミクロンの範囲
(例えば、約0.1~10μm)で、乳化剤(例えば、オレイン酸アンモニウム)を用い
て水中に均一に懸濁している、エチルセルロースの分散液に言及するのに、以下、登録商
標「シュアリースTM」を使用する。特に、ラカコン社(Colorcon)によってシュアリー
TM(SureleaseTM)の登録商標で販売されている製品に言及するのに、登録商標「シ
ュアリースTM」を本明細書で使用する。
【0223】
シュアリースTM分散液は、フィルム形成ポリマー、可塑剤、および安定化剤の組み合
わせの一例である。これは、pHに比較的影響を受けない再現性プロフィールを有する有
効成分の放出速度を調節するために第2のコーティングとして使用されうる。薬物放出の
主な手段は、シュアリースTM分散膜からの拡散によるものであり、フィルムの厚さによ
って直接制御される。シュアリースTMの使用が特に好適であり、コーティングされた製
剤の溶解を修正するために、コーティングとして施すシュアリースTMの量を増加または
減少させることができる。別段の定めがある場合を除き、用語「シュアリース」の使用は
、シュアリースE-7-19020、E-7-19030、E-7-19040、または
E-7-19050に適用しうる。エチルセルロースコーティング製剤(例えば、シュア
リースE-7-19020)は、オレイン酸およびセバシン酸ジブチルと混ぜ合わせた後
、押し出し溶融したエチルセルロースを含みうる。溶融し可塑化したエチルセルロースは
、その後、アンモニア処理水中で、高剪断混合装置で、圧力をかけて、直接乳化される。
可塑化したエチルセルロース粒子の分散液を安定化させて形成するために、オレイン酸ア
ンモニウムがその場で形成される。その後、追加の精製水を加えて最終的な固形分を得る
。エチルセルロースコーティング製剤(例えば、シュアリースE-7-19030)は、
材料の中に分散したコロイド状無水シリカを追加的に含みうる。エチルセルロースコーテ
ィング製剤(例えば、シュアリースE-7-19040)は、特にコロイド状無水シリカ
およびオレイン酸を含む製剤において、セバシン酸ジブチルに代えて中鎖トリグリセリド
を含みうる。エチルセルロースコーティング製剤(例えば、シュアリースE-7-190
50)は、溶融および押し出しの前にエチルセルロースをオレイン酸と混ぜ合わせること
から生じうる。その後、溶融し可塑化したエチルセルロースは、アンモニア処理水中で、
高剪断混合装置で、圧力をかけて、直接乳化される。可塑化したエチルセルロース粒子の
分散液を安定化し形成するために、オレイン酸アンモニウムがその場で形成される。しか
し、中鎖トリグリセリド、コロイド状無水シリカ、およびオレイン酸を含む製剤が好まし
い。シュアリースE-7-19040が特に好ましい。
【0224】
また、本発明は、エチルセルロース(例えば、シュアリース製剤)と、他のコーティン
グ成分、例えば、アルギン酸ナトリウム(例えば、NutratericTMの商品名で
入手可能なアルギン酸ナトリウム)との組み合わせを使用することを企図する。
【0225】
上記したオイドラギットTMおよびシュアリースTMポリマーに加えて、混合可能な場
合、本明細書に開示されたコーティングポリマーの任意の組み合わせを混ぜ合わせてさら
なる遅延放出プロフィールを提供しうる。
【0226】
遅延放出コーティングは、ポリマー材料の透過性を増大させるために、少なくとも1つ
の可溶性賦形剤をさらに含むことができる。また、これらの可溶性賦形剤は、細孔形成剤
と呼ぶこともでき、または、細孔形成剤である。適切には、少なくとも1つの可溶性賦形
剤または細孔形成剤は、可溶性ポリマー、界面活性剤、アルカリ金属塩、有機酸、糖、多
糖類、および糖アルコールの中から選択される。このような可溶性賦形剤は、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール、水溶性ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、塩化ナトリウム、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナ
トリウムやポリソルベートなど)、有機酸(例えば、酢酸やアジピン酸、クエン酸、フマ
ル酸、グルタル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸など)、糖(例えば、デキストロースや
フルクトース、グルコース、ラクトース、スクロースなど)、糖アルコール(例えば、ラ
クチトールやマルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、キサンタンガ
ム、デキストリン、マルトデキストリンなど)、ならびに、通常は結腸で見られる細菌酵
素による分解を受けやすい多糖類(例えば、多糖類は、コンドロイチン硫酸やペクチン、
デキストラン、グアーガム、アミラーゼ、キトサンなど)およびこれらのいずれかの誘導
体、を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、ポリビニルピロリ
ドン、マンニトール、および/またはポリエチレングリコールは、可溶性賦形剤として使
用することができる。少なくとも1つの可溶性賦形剤は、ポリマーコーティングの全乾燥
重量に基づいて約0.1~約15重量%、例えば、ポリマーコーティングの全乾燥重量に
基づいて約0.5~約10重量%、約0.5~約5重量%、約1~約3重量%の範囲、適
切には約2%、の量で使用することができる。遅延放出コーティングは、HPMCを含ま
なくてもよい。
【0227】
放出を遅延または延長させるような、放出速度の変更は、さまざまな方法で実現するこ
とができる。メカニズムは、腸内の局所pHに依存しまたは依存しないことができ、また
、所望の効果を得るために局所的酵素活性に依存することもできる。放出調節製剤の例は
、当該技術分野において周知であり、例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特
許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特
許文献14、特許文献15、特許文献16、および特許文献17に記載されている。これ
らはすべて全体として参照により本明細書に組み込まれている。
【0228】
シュアリースTMまたは他のpH非依存性ポリマー物質に、結腸細菌酵素(および任意
選択的または代替的に膵臓酵素または他の関連酵素)による分解を受けやすい第2のポリ
マー(例えば、多糖類、特にヘテロ多糖類)を添加することは、第2のポリマーが分解さ
れる消化管内の1つ以上の部位への有効成分の放出をターゲットにするのに役立つ。コー
ティング中に存在する第2のポリマーの添加量を変えることによって、溶解プロフィール
を最適化して本製剤からのシクロスポリンAの要求された放出を提供しうる。
【0229】
特定の実施形態において、遅延放出コーティングは、少なくとも結腸における活性物質
の放出を提供する。したがって、一実施形態において、コーティングは、エチルセルロー
ス(好ましくは、上記したような、かつ、特に、例えばオレイン酸アンモニウムなどの乳
化剤、および/または、例えばセバシン酸ジブチルまたは中鎖トリグリセリドなどの可塑
剤を用いて調製された)と、通常は結腸で見られる細菌酵素による分解を受けやすい多糖
類との組み合わせを含む。このような多糖類は、コンドロイチン硫酸やペクチン、デキス
トラン、グアーガム、アミラーゼ、キトサンなど、および、これらのいずれかの誘導体を
含む。キトサンは、結腸に特有の放出プロファイルを得ることに関連して使用しうる。追
加的または代替的に、ペクチンも、そのように使用しうる。
【0230】
遅延放出コーティング目的での多糖類それ自体の使用は、大した成果もなく試みられて
きた。非デンプン多糖類のほとんどは、良好なフィルム形成特性を欠くという欠点を抱え
ている。また、それらは、消化管の中で膨潤し多孔質になる傾向があり、その結果、薬物
の早期放出をもたらす。非晶質アミロース(これは、膵臓のαアミラーゼによる分解に対
しては耐性があるものの、結腸細菌酵素によって分解され得る)でさえ、水性媒体中で膨
潤するという欠点を有する。但し、これは、不溶性ポリマー(例えば、エチルセルロース
および/またはアクリル酸)をアミロースフィルムに組み込むことによって制御すること
ができる。しかし、アミロースは水溶性ではなく、水不溶性の多糖類は排除されないもの
の、細菌酵素による分解を受けやすい水溶性多糖類(WSP)の使用は、本発明の本実施
形態に係るコーティングとして使用される場合、特に有利な結果をもたらす。本発明の本
実施態様における特に好適な多糖類は、ペクチンである。入手可能な異なるグレードのペ
クチン、つまり、メチル化の程度(DM)(つまり、メタノールでエステル化されたカル
ボニル基のパーセント)がまちまちであるペクチン、例えば、DMが50%を超えるペク
チン(高メトキシ(HM)ペクチンとして知られている)もしくは低メトキシ(LM)ペ
クチン、または、HMペクチンおよびLMペクチンを含むペクチン組み合わせを含めて、
さまざまな種類のペクチンを使用しうる。また、本実施形態において、アセチル化の程度
(DAc)がまちまちであるペクチンを使用することも可能である。まとめて、DMおよ
びDAcまたは置換度は、エステル化度(DE)として知られている。さまざまなDEの
ペクチンは、本発明に従って使用しうる。ペクチンの代わりとして、アルギン酸ナトリウ
ムを、本発明の一実施形態に係る多糖類として使用しうる。しかし、他の実施形態は、ア
ミロースおよび/またはアミロースを含有するデンプンを適宜含みうる。例えば、アミロ
ースのパーセントが56%であるハイロンV(ナショナルスターチフードイノベーション
)またはアミロースのパーセントが70%であるハイロンVIIを含めて、異なるパーセ
ントのアミロースを含有する、さまざまなグレードのデンプンを使用しうる。残りのパー
セントは、アミロペクチンである。多糖類ペクチン、アミロース、およびアルギン酸ナト
リウムは、有効成分の結腸送達を実現するのに特に好適である。
【0231】
水溶性多糖類(適切には、ペクチン)は、別途エチルセルロース(好ましくは、シュア
リース)によって提供されるコーティング中の細孔の形成剤として作用することができる
ことが分かった。「細孔(pore)」とは、本製剤の表面からコアまでの、軸のような穴を
意味するものではなく、むしろ、本発明のコーティング上およびその内部に生じる、コー
ティングの脆弱な領域または存在しない領域を意味する。上記のように、細孔の形成は、
ポリマーコーティング中に他の可溶性賦形剤を含めてポリマー材料の透過性を高めること
によって達成されうる。
【0232】
細孔形成剤については、前にシュアリースとの関連で説明した(例えば、特許文献18
参照)。
【0233】
本発明の特定の実施態様によれば、遅延放出コーティングは、エチルセルロース(例え
ば、シュアリースTM)および水溶性多糖類(WSP)を含み、エチルセルロース(特に
シュアリースTM)のWSPに対する比率は、理想的には、コーティングの乾燥重量に基
づいて、90:10~99:1、好ましくは、95:5~99:1、より好ましくは、9
7:3~99:1の範囲にあり、例えば、約98:2である。
【0234】
適切には、本実施形態、および、エチルセルロース(シュアリース)がコーティングと
して使用される、本明細書に記載の他の実施形態において、エチルセルロース(例えば、
シュアリースTM)およびWSPを含むコーティングの適用による本製剤の重量増加は、
1~30%(例えば、3~25%、5~15%、8~14%、10~12%、12~18
%、または16~18%、適切には、その重量増加は、約11%、約11.5%、または
約17%である)の範囲にある。WSPが本実施形態において使用される場合、そのWS
Pはペクチンであることが、特に好適である。エチルセルロース(例えば、シュアリース
TM)を含むコーティングを用いた特に好適な重量増加は、5~12%、8~12%、5
~10%の範囲内のものであり、適切には、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、
約10%、約10.5%、約11%、約11.5%、または約12%である。
【0235】
したがって、一実施形態において、第2のコーティングは、エチルセルロースおよび水
溶性多糖類(特にペクチン)を含み、この水溶性多糖類(WSP)は、この第2のコーテ
ィングの乾燥重量に基づいて、0.1~約10重量%の量で存在する。適切には、WSP
は、第2のコーティングの全乾燥重量に基づいて、約0.5~約10%、例えば、約0.
5~約5%、約1~約3%、適切には、約2%、の量で存在する。本実施形態において、
WSPは、好ましくはペクチンである。本実施形態において、第2のコーティングは、適
切には、可塑剤をさらに含む。適切な可塑剤は、シュアリースTMに関連して上記した可
塑剤を含む。適切には、本実施形態における第2のコーティングの適用による本製剤の重
量増加は、1~30%(例えば、3~25%、5~15%、8~14%、10~12%、
12~18%、または16~18%、適切には、その重量増加は、約11%、約11.5
%、または約17%である)の範囲にある。
【0236】
一実施形態において、遅延放出ポリマーは、水溶性セルロースエーテルではない。第2
のコーティングが遅延放出ポリマーを含む又はである場合、その遅延放出ポリマーは、第
1のコーティングの水溶性セルロースエーテルと同じでなくてもよい。したがって、第2
のコーティングは、第1のコーティングと同じでなくてもよい。
【0237】
アウターバリアまたは保護コーティング
本明細書に記載の製剤組成物は、第2のコーティングの外側の保護コーティングを含み
うる。保護コーティングは、例えば、組成物を最終的な剤形に製剤するために生じる、ま
たは、本製剤の取り扱い中、輸送中、もしくは貯蔵中に生じる損傷から第2のコーティン
グを保護するのに役立ちうる。保護コーティングは、適切には、本製剤の外表面に施され
る。保護コーティングは、当該保護コーティングが第2のコーティングと接触するように
第2のコーティングに直接施されうる。保護コーティングは、適切には、使用時に本製剤
からの有効成分の放出に悪影響を与えない水溶性コーティングである。適切には、保護コ
ーティングは、水溶性ポリマーである又は含む。保護コーティングは、水溶性セルロース
またはPVAフィルム形成ポリマーを含みうる。適切には、保護コーティングは、オパド
ライ(HPMC/HPCに基づく)、オパドライII(PVA/PEGに基づく)、また
はポリビニルアルコール-ポリエチレングリコールグラフト共重合体(コリコートIR)
であり又は含みうる。保護コーティングは、約2~約50μmの層として存在しうる。適
切には、保護コーティングは、当該保護コーティングを施す前の本製剤の重量に基づいて
、約0.5~約10%の重量増加を与えるように施される。
【0238】
連続相ポリマーマトリックス(水相)
ポリマーマトリックスに関する本明細書の本セクションは、本製剤の重量パーセントで
成分の量を記載する。本明細書の本セクションの文脈において、意味するものは、コアの
乾燥重量(つまり、コーティング(複数可)を除く)の重量パーセントである。
【0239】
コアは、マトリックスまたは連続相と、任意選択的に、しかし必ずしも必要ではないが
、分散相または不連続相をも含みうることが思い出される。適切には、コアの連続相は、
ヒドロゲル形成ポリマーである又は含む。ヒドロゲル形成ポリマーは、ヒドロゲルを形成
することができるポリマーである。ヒドロゲルは、静止している時に何も流れを示さず、
水性液体媒体の体積に及ぶ親水性ポリマー鎖のネットワーク(マトリックス)を含む、固
体または半固体の物質として記載されうる。
【0240】
コアは、ゼラチン;寒天;アガロース;ペクチン;カラギーナン;キトサン;アルギン
酸;デンプン;キサンタンガム;アラビアゴム;グアーガム;ローカストビーンガム;ポ
リウレタン;ポリエーテルポリウレタン;セルロース;セルロースエステル、セルロース
アセテート、セルローストリアセテート;交差結合ポリビニルアルコール;アクリル酸、
ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジエチレングリコー
ルモノアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルア
クリレートのポリマーおよび共重合体;メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート
、ジエチレングリコールモノメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、
3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルアクリレー
トのポリマーおよび共重合体;ビニルピロリドン;アクリルアミドのポリマーおよび共重
合体、N-メチルアクリルアミド、N-プロピルアクリルアミド;メタクリルアミドのポ
リマーおよび共重合体、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチル
メタアクリルアミド;ならびにビニルピロリドン;ならびにそれらの組み合わせ、からな
る群から選択されるヒドロゲル形成ポリマーを含みうる。特定の実施形態において、上記
物質のいずれかの二元(binary)または三元(tertiary)等の組み合わせが想定されてい
る。
【0241】
さらなる一実施形態において、ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラチン、寒天、ポリエチ
レングリコール、デンプン、カゼイン、キトサン、大豆蛋白質、ベニバナタンパク質、ア
ルギン酸塩、ジェランガム、カラギーナン、キサンタンガム、フタル化ゼラチン、コハク
化ゼラチン、セルロースフタレートアセテート、含油樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸
もしくはメタクリル酸エステルとポリビニルアセテートフタレートの重合物、および上記
のいずれかの任意の誘導体、または、1つ以上のそのようなヒドロゲル形成ポリマーの混
合物、からなる群から選択される。
【0242】
また、ヒドロゲル形成ポリマーは、親水コロイドとも呼ばれうる。すなわち、コロイド
粒子が水中に分散しておりかつ利用可能な水量がゲルの形成を可能にするコロイドシステ
ムである。複数の実施形態において、不可逆(単一状態)親水コロイドとは対照的に、可
逆親水コロイド、好ましくは熱可逆性親水コロイド(例えば、寒天やアガロース、ゼラチ
ンなど)を使用することが好ましい。熱可逆性親水コロイドは、ゲルとゾルの状態で存在
し、熱の追加または除去によって両状態の間を行ったり来たりすることができる。ゼラチ
ン、寒天、およびアガロースは、熱可逆性の再水和コロイドであり、特に好適である。個
別的であろうが組み合わせてであろうが本発明に従って使用されうる熱可逆性親水コロイ
ドは、例えば、カラギーナン(海藻から抽出された)やゼラチン(ウシ、ブタ、魚、また
は植物源から抽出された)、寒天(海藻由来)、アガロース(寒天から得られる多糖類)
、およびペクチン(柑橘類の皮、リンゴ、その他果物から抽出された)など天然源に由来
するものを含む。非動物ベースの親水コロイドは、特定の用途、例えば、菜食主義者また
は宗教もしくは健康上の理由で動物製品の摂取を望まない個人への投与に好適でありうる
。カラギーナンの使用については、特許文献19(Fonkweら)を参照。これの全体は、参
照により本明細書に組み込まれている。ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラチンと、他の1
つ以上の熱可逆性親水コロイド、例えば、ちょうど記載された他の1つ以上の熱可逆性親
水コロイドとの組み合わせを含み又はでありうる。ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラチン
と寒天との組み合わせを含み又はでありうる。任意選択的には、この組み合わせに、少な
くとも1つのさらなる熱可逆性親水コロイド、例えば、ちょうど記載されたものが含まれ
うる。
【0243】
熱可逆性コロイドは、他のヒドロゲル形成ポリマーを超える利点を提示する。熱可逆性
コロイドのゲル化または硬化は、例えば、液体冷却槽の中でまたは空気流によって、コロ
イドを冷却することによって生じる。他のヒドロゲル形成ポリマーのゲル化は、化学的に
駆動されるが、ゲル化媒体への製剤内容物の漏出につながる可能性がある。硬化プロセス
は、生じるのに時間がかかり得るからである。製剤の内容物の漏出は、製剤中の有効成分
の不正確な量の原因となりうる。また、熱可逆性コロイドは、熱可逆性ゲルとしても知ら
れており、したがって、ヒドロゲル形成剤は、熱可逆性ゲル化剤であることが好適である
【0244】
有利であるヒドロゲル形成剤に適用されうる他の用語は、「サーモトロピック(thermo
tropic)」である。サーモトロピックゲル化剤(読者は、本発明で使用されるヒドロゲル
形成剤として好適であると推測するであろう)は、温度の変化によってゲル化を引き起こ
すものであり、このようなゲル化剤は、ゲル化が化学的に誘導されるもの、例えば、ゲル
化がイオン(例えば、キトサン)によって誘発されるイオンチャネル型ゲル化剤よりも迅
速にゲル化させることができる。したがって、本発明の実施形態において、ヒドロゲル形
成剤は、サーモトロピックゲル形成ポリマーまたはそのようなポリマーの組み合わせであ
る。
【0245】
コアを作成する製剤の製造は、ヒドロゲル形成ポリマーが溶液(好ましくは、水溶液で
ある)として存在することを必要としうる。ヒドロゲル形成ポリマーは、本明細書に記載
されるように製造時に水相の5~50重量%、好ましくは10~30重量%、さらにより
好ましくは15~20重量%に相当する。加えて、ヒドロゲル形成ポリマーは、8~35
%(例えば、15~25%、好ましくは、17~18%)のヒドロゲル形成ポリマー、つ
まり、65~85%(好ましくは、77~82%)の水に、任意選択的に、1~5%(好
ましくは、1.5~3%)のソルビトールを加えたものを含みうる。水相に界面活性剤(
例えば、陰イオン界面活性剤)が存在する場合、プレミックスは、0.1~5%(好まし
くは、0.5~4%)の量で存在しうる。ここで、すべての部分は、水相の重量による。
【0246】
複数の実施形態において、本製剤は、ヒドロゲル形成ポリマーの製剤の乾燥重量に基づ
いて、少なくとも25重量%、適切には、少なくとも40%含む。例えば、ヒドロゲル形
成ポリマーは、本製剤の25~70%、例えば、40~70%、適切には、45~60%
存在する。ここで、%は、本製剤の乾燥重量に基づく重量%である。
【0247】
複数の実施形態において、ヒドロゲル形成ポリマーは、薬学的に許容されるポリマーで
ある。
【0248】
特定の実施形態において、ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラチンである。特定の実施形
態において、ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラチンを含む。特定の実施形態において、ゼ
ラチンは、本製剤の少なくとも40%、例えば、40~70%、適切には、45~60%
を含む。ここで、%は、本製剤の乾燥重量に基づく重量%である。
【0249】
ヒドロゲル形成ポリマーは、任意選択的には、可塑剤、例えば、ソルビトールもしくは
グリセリン、またはそれらの組み合わせを含みうる。特に、1つ以上の可塑剤は、ゼラチ
ンと組み合わせられうる。
【0250】
ヒドロゲル形成ポリマーがゼラチンを含む又はである実施形態において、O.T.ブル
ーム(Bloom)によって1925年に開発されたゲルまたはゼラチンの強度の尺度である
「ブルーム強度」についてここに言及する。テストは、ゲルを壊すことなくその表面を4
mm湾曲させるのにプローブ(0.5インチの直径を通常有する)が必要とする重さ(グ
ラム表示)を決定する。結果は、ブルーム(グレード)で表され、通常30~300ブル
ームの範囲をとる。ゼラチンのブルームテストを実施するために、6.67%のゼラチン
溶液を、試験する前に、17~18時間10℃に維持する。
【0251】
ヒドロゲル形成ポリマーがゼラチンを含む又はである場合、そのゼラチンのブルーム強
度は、125~300ブルーム、200~300ブルーム、好ましくは250~300ブ
ルームの範囲にありうる。当然のことながら、濃度が高いほどブルーム強度が高いゼラチ
ンをブルーム強度が低いゼラチンで置き換えることができる。
【0252】
本発明によれば、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスがゼラチンを含む又はである実
施形態において、そのゼラチンは、さまざまな手段によって調達されうる。例えば、それ
は、例えば皮膚や白色結合組織、動物の骨などのコラーゲン材料の部分加水分解によって
得ることができる。タイプAのゼラチンは、主に豚の皮から酸処理によって得られ、pH
が7~9の等電点を示し、一方で、タイプBのゼラチンは、骨および動物(ウシ)の皮膚
のアルカリ処理から得られ、pHが4.7~5.2の等電点を示す。タイプAのゼラチン
が、いくぶん好適である。また、本発明で使用されるゼラチンは、冷水魚の皮からも得ら
れうる。タイプAおよびタイプBのゼラチンの混合物は、ビーズの製造に必要な粘度およ
びブルーム強度を得るために、本発明で使用することができる。
【0253】
また、低温度ゼラチン(または融点低下剤を有するゼラチンの誘導体もしくは混合物)
、その他低温度で固化可能なポリマーマトリックス(例えば、アルギン酸ナトリウム)も
使用しうる。したがって、低温度ゼラチンを含む又はであるポリマーが好適なマトリック
スポリマーであると考えられる。
【0254】
本発明によれば、ポリマーがゼラチンを含む又はである実施形態において、好ましくは
、出発ゼラチン材料を製造前に修飾して、本発明の製剤の硬度を調節するために可塑剤ま
たは軟化剤をゼラチンに添加することによって「ソフトゼラチン(soft gelatin)」を生
成する。可塑剤の添加によって、溶解および/またはさらなる処理(例えば、コーティン
グなど)を最適化するのに望まれうる柔らかさおよび柔軟性の向上が実現される。ゼラチ
ンまたは他のヒドロゲル形成ポリマーとの組み合わせのための本発明の有用な可塑剤は、
グリセリン(1,2,3-プロパントリオール)、D-ソルビトール(D-グルシトール
)、ソルビトールBP(非結晶化ソルビトール溶液)、または、D-ソルビトール、ソル
ビタン(例えば、Andidriborb 85/70)、マンニトール、マルチトール
、アラビアガム、クエン酸トリエチル、トリ-n-ブチルシトレート、もしくはセバシン
酸ジブチルの水溶液を含む。また、他のまたは類似の低分子量ポリオールは、例えば、エ
チレングリコールおよびプロピレングリコールのために企図される。また、ポリエチレン
グリコールおよびポリプロピレングリコールも使用されうるが、これらはそれほど好適で
はない。グリセリンおよびD-ソルビトールは、アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイス
のシグマケミカル社(Sigma Chemical Company)またはフランスのロケット社(Roquette
)から入手しうる。他の機能のために含まれるいくつかの活性物質および賦形剤は、可塑
剤として作用しうる。
【0255】
理想的には、軟化剤または可塑剤は、もし利用されるなら、本発明の製剤の乾燥重量の
、30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらにより好ましく
は3~8%、そして最も好ましくは4~6%の割合で配合することができる。
【0256】
また、必須ではないが、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、任意選択的に、崩壊
剤を包含しうる。これは、本発明の製剤の崩壊速度を向上させるために特に望まれる。含
まれうる崩壊剤の例は、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、およびデンプングリコール酸ナトリウムである
【0257】
また、結晶化阻害剤(例えば、本製剤の乾燥重量で約1%)も本発明の製剤に含まれう
る。一例は、例えば乳化剤などの他の役割を果たしうるヒドロキシプロピル/メチルセル
ロース(HPCまたはHPMC、ヒプロメロースなど)である。
【0258】
他の実施形態において、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、例えば、特許文献2
0(ジョンソン・エンド・ジョンソン社)、非特許文献2、および非特許文献3に記載さ
れた添加剤の有無にかかわらず生物ゲルの形態で存在することができるキトサンである。
これら3つの文献すべての全体は、参照により本明細書に組み込まれている。また、キト
サン誘導体、例えば、チオール化エンティティも、企図される。
【0259】
ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、非親水コロイドガムでありうる。例は、アル
ギン酸の架橋塩である。例えば、褐藻類の壁から抽出されるアルギン酸ナトリウムガムの
水溶液は、二価および三価の陽イオンにさらされたときに、ゲル化のよく知られた特性を
有する。典型的な二価陽イオンは、カルシウムであり、多くの場合、塩化カルシウム水溶
液の形態をとっている。架橋またはゲル化がそのような多価陽イオン(特に、カルシウム
)との反応によって生じることは、本実施形態において好適である。
【0260】
ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、低含水量を有しうる、したがって、本製剤は
、低含水量を有しうる。下記のように、例えば、ミニビーズであるコアを提供するために
、コアの製造中に、分散相(任意選択的に、有効成分を含む)をヒドロゲル形成ポリマー
の水溶液と混合し、本製剤をゲル化する。適切には、コアに存在する水分量を減少させる
ためにコアを形成後乾燥させる。
【0261】
特定の実施形態において、本製剤は、ジスルフィド結合を含有する化合物を含まない。
複数の実施形態において、ヒドロゲル形成ポリマーは、ジスルフィド結合を含有する化合
物を含まない。
【0262】
コア(水相)の連続相を形成するヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、界面活性剤
をさらに含みうる。本製剤で使用されうる界面活性剤は、下記の「界面活性剤」のセクシ
ョンに記載されている。
【0263】
コアの連続水相に存在しうる界面活性剤は、陽イオン界面活性剤、両性(双性イオン)
界面活性剤、陰イオン界面活性剤(例えば、パーフルオロオクタン酸(PFOAまたはP
FO)、パーフルオロオクタンスルホネート(PFOS)、ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)、ラウリル硫酸アンモニウム、ならびに、他のアルキル硫酸塩、ラウレス硫酸ナト
リウム(ナトリウムラウリルエーテルスルフェート(SLES)としても知られている)
、およびアルキルベンゼンスルホネート)、ならびに、非イオン界面活性剤(例えば、パ
ーフルオロカーボン、ポリオキシエチレンドデシルエーテル(例えば、Brij 35な
どのBrij)、Myrj(例えば、Myrj 49、52、または59)、Tween
20または80(ポリソルベートとしても知られている)(Brij、Myrj、およ
びTweenの製品は、クローダ社(Croda)から市販されている)、両側に2つの
親水性ポリオキシエチレン鎖(ポリ(エチレンオキシド))が配置された中央の疎水性ポ
リオキシプロピレン鎖(ポリ(プロピレンオキシド))から成る非イオン性トリブロック
共重合体であるポロキサマー、または、これらの組み合わせ、からなる群から選択される
界面活性剤を含む。特に、界面活性剤は、陰イオン界面活性剤およびその組み合わせから
選択されまたは含みうる。陰イオン界面活性剤は、任意選択的には、本段落で述べたもの
である。界面活性剤の特定のクラスは、硫酸塩を含む。水相中の好適な陰イオン界面活性
剤は、SDSである。陰イオン界面活性剤の混合物が使用されうる。また、さらなる界面
活性剤の混合物、例えば、パーフルオロカーボンを含む混合物も、企図される。
【0264】
本発明の実施形態において、コアは、理論に縛られることなく、少なくとも部分的に水
相(ポリマーマトリックス)を分割すると見られている親水性界面活性剤を含む。
【0265】
コアの水相にそのように含めるためのそのような界面活性剤は、好ましくは、本発明の
製剤の製造および加工を容易にするために、容易に拡散または拡散可能な界面活性剤であ
る。
【0266】
界面活性剤は、HLBが、少なくとも10、任意選択的には、少なくとも15、例えば
、少なくとも20、または少なくとも30、任意選択的には、38~42、例えば、40
、である。このような界面活性剤は、いかなる特定のタイプ(イオン性、非イオン性、双
性イオン)であることもでき、本製剤の乾燥重量の0.1~6%、例えば、0.1~5%
、0.1~4%、または0.1~3%の割合で、より好ましくは、少なくとも1%、特に
1.0~4.5または5%の割合で、理想的には、2~4%の範囲内またはすぐ外、例え
ば、2~3%、約2%、または約4%の割合で含みうる。
【0267】
特に明記または必要とされない限り、すべてのパーセントおよび比率は、重量基準であ
る。
【0268】
一実施形態において、陰イオン界面活性剤は、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、もしく
はリン脂質、またはこれらの組み合わせから選択される陰イオン界面活性剤でありうる。
【0269】
コア作成中の水相への導入時点における界面活性剤の物理的形態は、コアの製造を容易
にする役割を果たしている。そのようなものとして、液体界面活性剤を用いることもでき
るが、特に水相がゼラチンを含む場合には、室温で固形(例えば、結晶、顆粒、または粉
末)である界面活性剤を利用するのが好ましい。
【0270】
一般に、界面活性剤の混合物を利用して、例えば、本発明の製剤の最適な長期安定性を
実現することができる。界面活性剤の連鎖が短いほど一般に短期安定性(加工への支援)
が促進され、界面活性剤の連鎖が長いほど長期安定性(保存期間への支援)が促進される
。いくつかの実施形態において、短鎖界面活性剤は、界面活性剤の疎水性部分としてC
以下のアルキル(例えば、C~C10のアルキル)を有し、一方で、長鎖界面活性剤
は、界面活性剤の疎水性部分としてC10以上のアルキル(例えば、C10~C22のア
ルキル)を有する。C10アルキル界面活性剤は、他の賦形剤のアイデンティティーおよ
び有効成分(複数可)のアイデンティティーに応じて、加工を促進し、もしくは保存期間
の延長を促進し、またはその両方を促進しうることが想定される。高級アルキルは、本発
明の特定の実施において、C11~C22またはC12~C22アルキルでありうる、ま
た、いくつかの実施形態において、C18以下の長さを有しうる。
【0271】
マトリックス相は、マトリックス相の中の溶液中の薬学的活性物質を含みうる。したが
って、マトリックス相の中の溶液中のこのような活性物質は、別個の相として存在せず、
連続マトリックス相の一部である。マトリックス相の中の溶液中にあるのが適している活
性物質は、製造中にマトリックス相を形成するのに使用される水性プレミックスに溶ける
活性物質である。追加的または代替的に、薬学的活性物質は、分散相に含まれうる。
【0272】
分散相
上記のコアのポリマーマトリックス(例えば、ヒドロゲル形成ポリマー)は、分散相を
含みうる。適切には、分散相は、存在する場合、薬学的活性物質、特に疎水性の活性物質
を含みうる。また、本発明は、分散相が親水性の薬学的活性物質を含む製剤を含む。した
がって、複数の実施形態において、分散相は、シクロスポリンAまたは他の疎水性活性物
質を含む。このような実施形態において、疎水性活性物質は、好ましくは、分散相に可溶
である、つまり、分散相は、活性物質が溶解される賦形剤を含む。疎水性の活性物質が分
散相に可溶である実施形態が好ましい。なぜなら、このような製剤は、可溶化形態でシク
ロスポリンを放出するため、例えば結腸粘膜への吸収を高めることによって、放出部位に
おける薬物の治療効果を高めうるからである。
【0273】
複数の実施形態において、薬学的活性物質は、分散相の中に存在しまたは分散相に含ま
れる。
【0274】
分散相は、水不混和相(本明細書では油相とも称する)を含みうる。水不混和相は、大
気温度(例えば、25℃)で固体、半固体、または液体でありうる、したがって、油相は
、例えば、大気温度でワックス状でありうる。油相は、液体脂質および任意選択的にそれ
と混和する溶媒でありうる又は含みうる。薬学的有効成分は、油相中に存在しうる。適切
には、有効成分は、油相に可溶である。
【0275】
分散相は、油の組み合わせを含みうる。液体脂質は、短鎖、中鎖、もしくは長鎖トリグ
リセリド製剤、またはそれらの組み合わせでありうる。中鎖トリグリセリド(複数可)(
MCT)は、C、C、C、C、C10、C11およびC12脂肪酸から選択され
る少なくとも1つの脂肪酸の1つ以上のトリグリセリドを含む。当然のことながら、本発
明で有用な市販のトリグリセリド(特に、MCT)製剤は、天然物由来の混合物であり、
通常または常に、MCTではない少量の化合物を含む。したがって、用語「中鎖トリグリ
セリド製剤」は、そのような製剤を含むものと解釈されるべきである。短鎖トリグリセリ
ド(複数可)は、C~Cの脂肪酸から選択される少なくとも1つの短鎖脂肪酸の1つ
以上のトリグリセリドを含む。長鎖トリグリセリド(複数可)は、少なくとも13個の炭
素原子を有する少なくとも1つの長鎖脂肪酸の1つ以上のトリグリセリドを含む。
【0276】
液体脂質は、トリグリセリドおよび/またはジグリセリドを含み又はでありうる。この
ようなグリセリドは、中鎖グリセリドもしくは短鎖トリグリセリドまたはそれらの組み合
わせから選択されうる。
【0277】
液体脂質は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、つまり、カプリル酸/カプリン
酸トリグリセリド製剤(当然のことながら、これらは、カプリル酸/カプリン酸トリグリ
セリドではない少量の化合物を含有しうる)でありうる。
【0278】
任意選択的に油相に含まれる前記溶媒は、液体脂質と水の両方と混ざりうる。適切な溶
媒の例は、商品名カルビトールTM、カルビトールセロソルブ、トランスクトールTM
ジオキシトールTM、ポリソルブDETM、およびドワナールDETMで市販されている
2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、またはより純粋なトランスクトールTMHP
(99.9)である。トランスクトールPまたはHPは、ガットフォセ(Gattefosse)社
から市販されており、好適である。他の可能な共溶媒は、ポリ(エチレングリコール)で
ある。分子量が190~210のPEG(例えば、PEG200)または分子量が380
~420のPEG(例えば、PEG400)が、本実施形態において好適である。適切な
PEGは、ユニオンカーバイド(Union Carbide Corporation)社製の「カルボワックス
(Carbowax)」の名称で商業的に得ることができるが、多くの代わりの製造業者または供
給業者が可能である。
【0279】
分散相は、コアの乾燥重量で10~85%に相当しうる。
【0280】
上記のように、分散相は、任意の薬学的に適切な油(例えば、液体脂質)を含む油相で
ありうる。油相は、油滴として存在しうる。コアの乾燥重量で、油相は、10~85%、
例えば15~50%、例えば20~30%または35~45%の割合を含みうる。「油」
という用語は、大気温度または大気温度に近い温度(例えば、10~40℃または15~
35℃)で完全にまたは部分的に液体であり、かつ、疎水性であるが少なくとも1つの有
機溶媒には可溶である、あらゆる物質を意味する。油は、植物油(例えば、ニーム油)お
よび石油化学油を含む。
【0281】
油相に含まれうる油は、ポリ不飽和脂肪酸、例えば、エイコサペンタエン酸(EPA)
やドコサヘキサエン酸(DHA)、α-リノール酸(ALA)、共役リノール酸(CLA
)などのオメガ3油を含む。好ましくは、超高純度のEPA、DHA、またはALAもし
くはCLAは、例えば純度が98%以下または超えて、使用される。オメガ油は、例えば
任意の適切な植物(例えば、サチャインチ)から、調達されうる。このような油は、単独
で(例えば、EPA、DHA、ALA、もしくはCLA)または任意の組み合わせで使用
されうる。また、任意の比率の二元(binary)、三元(tertiary)等組み合わせを含む、
そのような成分の組み合わせも企図される。例えば、商品名Epax 6000で市販さ
れている、EPAとDHAの、1:5の比率での二元混合物。油相の油部分は、この段落
で述べた油を含み又はでありうる。
【0282】
油相に含まれうる油は、特に、オリーブ油、ゴマ油、ヤシ油、パーム核油、ニーム油を
含む天然トリグリセリド系油である。油は、例えば商品名ミグリオールTMで供給される
、飽和ココナツおよびパーム核油由来のカプリルおよびカプリン脂肪酸ならびにグリセリ
ンであり又は含みうる。ミグリオールTMは、さまざまなものが入手可能であり、本発明
の油相の1つ以上の成分は、ミグリオールTM810、812(カプリル酸/カプリン酸
トリグリセリド)、ミグリオールTM818(カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリ
グリセリド)、ミグリオールTM829(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセ
リド)、ミグリオールTM840(プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート
)を含むミグリオールTMから選択されうる。ここで留意すべきは、ミグリオールTM
10/812は、C/C10比のみが異なるMCT製剤であり、そのC10含有量が低
いために、ミグリオールTM810のほうが、粘度および曇り点が低いことである。ミグ
リオールTMの範囲は、サソール社(Sasol Industries)から商業的に入手可能である。
上記のように、油相に含まれうる油は、室温で必ずしも液体または完全に液体である必要
はない。ワックス状型の油もまた可能である。これらは、製造温度では液体であるが、通
常の大気温度では固体または半固体である。油相の油部分は、この段落で述べた油を含み
又はでありうる。
【0283】
本発明に係る油相に含まれうる代替的または付加的な油は、例えばガットフォセ社製の
ラブラファクTM親油性、特に製品番号WL1349などの、他の中鎖脂肪酸トリグリセ
リド製剤である。ミグリオールTM810、812もまた中鎖脂肪酸トリグリセリド製剤
である。
【0284】
したがって、油相は、中鎖脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリ
ドであり又は含みうる。
【0285】
本明細書に記載の中鎖グリセリド(複数可)(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド
、またはトリグリセリド)は、6、7、8、9、10、11、または12個の炭素原子を
有する脂肪酸(例えば、C~C10脂肪酸)を有する脂肪酸から選択される少なくとも
1つの脂肪酸の1つ以上のトリグリセリドを含むものである。
【0286】
油相は、以下に「界面活性剤」のセクションで記載された1つ以上の界面活性剤をさら
に含みうる。例えば、油相は、1つ以上の非イオン性または両性の界面活性剤を含みうる
。特に、油相は、以下の「界面活性剤」に記載された1つ以上の非イオン界面活性剤を含
みうる。油相中の界面活性剤の存在は、その中に含有される有効成分の可溶化を向上させ
うる(つまり、可溶化剤として作用しうる)、および/または、コアの作成中に分散相が
水性ポリマー相と混合されたときの乳化を向上させうる(つまり、乳化剤として作用しう
る)。
【0287】
油相中の界面活性剤は、エチレンオキシドをヒマシ油と反応させることによって調製す
ることができるポリエトキシル化ヒマシ油(ポリエチレングリコールエーテル)であり又
は含みうる。また、市販の調製物も界面活性剤/可溶化剤として使用されうる。例えば、
リシノール酸のポリエチレングリコールエステルや、ポリエチレングリコール、グリセロ
ールのポリエチレングリコールエーテルなどの微量成分を含有する市販調整物である。好
適な例は、Kolliphor EL(以前は、クレモフォールELとして知られていた
)である。油相中に存在しうる他の界面活性剤は、例えば、リン脂質である。
【0288】
複数の実施形態において、油相中の界面活性剤は、ソルビタン系界面活性剤、PEG脂
肪酸、グリセリル脂肪酸、またはポロキサマーから選択される非イオン界面活性剤であり
又は含みうる。
【0289】
複数の実施形態において、油のHLBは、0~10(任意選択的に、1~8、例えば1
~6、時には1~5)の範囲でありうる。
【0290】
他の実施形態において、油相は、HLBが0~10(好ましくは、1~5)の範囲にあ
る油、および、HLBが10~20、任意選択的には、11~20(好ましくは、11~
15)、0~10(好ましくは、1~5)の範囲にある界面活性剤(適切には、非イオン
界面活性剤)を含む。
【0291】
他の実施形態において、油相は、油および界面活性剤(適切には、非イオン界面活性剤
)を含み、これらの油および界面活性剤は両方ともHLBが0~10の範囲にある。例え
ば、油のHLBは、1~5、例えば、1~4または1~2であり、界面活性剤のHLBは
、2~8、例えば、3~7、2~6、または3~4である。
【0292】
HLBが低い(HLBが10未満)適切な油は、中鎖トリグリセリド、リノレオイルマ
クロゴールグリセリド(ポリオキシルグリセリド)、カプリロカプロイルマクロゴールグ
リセリド、およびカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを含む。商品では、低HLB範
囲のうちの特に好適な油は、ラブラファクTM親油性(例えば、1349WL)、カプテ
クス355、およびミグリオール810である。
【0293】
低HLB油に使用されうる高HLBを有する界面活性剤の一例は、ポリエトキシル化ヒ
マシ油(ポリエチレングリコールエーテル)、例えば、商品Kolliphor ELを
含む。
【0294】
一実施形態において、油相は、高HLBの界面活性剤および低HLBのオイルを、重量
比(高HLB:低HLB)が1~4:1、例えば、1.2~3.0:1、好ましくは、1
.5~2.5:1、最も好ましくは、1.8~2.2:1で含み、有利には、水相中の油
滴の固定化の前後のエマルションを安定化させる。この文脈において、「安定化させる」
とは、特に、本実施形態がインビトロで本製剤の溶解および/または分散を向上させるこ
とを意味する。本実施形態において、「高」HLBは、一般に、10超、好ましくは10
~14、より好ましくは12~13を意図する。「低」HLBは、一般に、10未満、好
ましくは1~4、より好ましくは1~2の範囲を意図する。
【0295】
当然のことながら、上記の実施形態における油相は、1つ以上の溶媒、例えば、上記の
2-(2-エトキシエトキシ)エタノールまたは低分子量PEGをさらに含みうる。
【0296】
特定の油相は、油(低HLB)、高HLBの非イオン界面活性剤、および共溶媒を含む
。例えば、次の3つの商品、つまり、トランスクトールP(共溶媒として)、ミグリオー
ル810(油として)、およびKolliphor EL(界面活性剤として)。ミグリ
オールは、低HLBを有し、Kolliphor ELは、高HLBを有する。したがっ
て、油相は、以下のもの(つまり、2-エトキシエタノール、MCTおよび特にカプリル
酸/カプリン酸トリグリセリド製剤、ならびにポリエトキシル化ヒマシ油)ならびに任意
選択的に薬学的有効成分の組み合わせを含み又はからなりうる。
【0297】
疎水性の有効成分は、好ましくは、油相に可溶である。コアの作成に関連して以下に説
明するように、疎水性の有効成分は、適切には、油相に溶解され、油相は、ヒドロゲル形
成ポリマーを含む水相と混合される。
【0298】
分散相(油相)は、グリセリド製剤であり又は含みうる。任意選択的に、分散相は、脂
肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、もしくはトリグリセリド、もしくはこれらの組み合
わせであり又は含み、または、分散相は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド製剤で
ある又は含む。
【0299】
コロイド状コアの分散相は、自己集合構造(例えば、ミセル、ベシクル、リポソーム、
もしくはナノ粒子)、または、少なくとも、そのようなタイプの水性コロイドを乾燥させ
て生じる(そのようなタイプの水性コロイドを乾燥させて生じる構造の特性を有する)構
造を含みうる。特に、本発明は、分散相がミセル性である、つまり、ミセルおよび/また
はプロミセル(promicelle)で形成された、製剤を含む。用語「プロミセル」は、水(例
えば、胃腸の内容物)と接触するとミセルを形成する製剤の一部を指す。
【0300】
以下の議論は、便宜的にミセルに言及するが、一般に他の自己集合構造にも適用可能で
ある。ミセル形成界面活性剤は、本明細書に記載の製造プロセスにおける中間体として作
られる「湿潤(wet)」(未乾燥)組成物中のヒドロゲル形成ポリマーの中に分散された
ミセルとして存在する。それは、ミセルとして乾燥組成物の中に存在するとも考えられる
が、乾燥組成物の中にミセルまたはミセルのような構造が観測可能であることは、本発明
の要件ではない。現時点で言えることは、ミセル状の界面活性剤の存在は、組成物の全界
面活性剤含有量がミセル形態であることを必要としないということである。なぜなら、界
面活性剤の一部は、ミセルの外側にある可能性がより高いと考えられるからである。した
がって、「湿潤」組成物において、ヒドロゲル形成ポリマーがゲル状態にあろうとゾル(
液体)状態にあろうと、臨界ミセル濃度を超える濃度でミセル形成界面活性剤を含みうる
【0301】
分散ミセルの直径は、0.5~200nm、1~50nm、または5~25nmであり
うる。ミセルの大きさは、当該技術分野で知られている動的光散乱または拡散NMR技術
によって決定されうる。ミセルの大きさは、直径として与えられるが、これは、ミセルが
、純粋に球状種でなければならないことを意味するものではなく、単に、ミセルが、ある
おおよそ円形の寸法を有しうることを意味するだけである。
【0302】
界面活性剤は、非イオン界面活性剤でありうる。界面活性剤は、ポリオキシエチル界面
活性剤でありうる。界面活性剤は、親水性鎖(例えば、ポリオキシエチレン鎖またはポリ
ヒドロキシル化鎖)でありうる親水性の頭部を有する。
【0303】
界面活性剤は、もちろん、疎水性部分および特に疎水性鎖を有する。疎水性鎖は、例え
ば、少なくとも6個の炭素原子、任意選択的には少なくとも10個の炭素原子、特には少
なくとも12個の炭素原子、を有する炭化水素鎖でありうる。炭化水素鎖には、22個以
下の炭素原子、例えば、C10~C20、C12~C20、またはC15~C20の炭化
水素鎖を有するものがある。それは、例えば、ちょうど述べた個数の炭素原子を有する、
アルキル鎖でありうる。それは、例えば、ちょうど述べた個数の炭素原子を有する、1つ
以上の炭素-炭素二重結合を含むアルケニル鎖でありうる。界面活性剤は、疎水性の特性
を維持するという条件で置換された炭化水素鎖(例えば、アルキル鎖またはアルケニル鎖
)を含みうる。例えば、1個または2個の置換基がありうる。例えば、単一の置換基は、
例えば、ハロゲン(例えば、FまたはCl)、ヒドロキシ、チオール、オキソ、ニトロ、
シアノから選択される。ヒドロキシまたはチオール置換基は、例えば、脂肪酸によって、
エステル化されうる。界面活性剤の1つのクラスは、ヒドロキシで一置換された炭化水素
を含み、任意選択的には、界面活性剤(例えば、ビーズ中の界面活性剤)の一定分量のヒ
ドロキシ基の少なくとも一部は、本明細書に開示されたように脂肪酸またはモノヒドロキ
シ脂肪酸によってエステル化されうる、または、例えば、少なくとも6個の炭素原子、任
意選択的には少なくとも10個の炭素原子、特には少なくとも12個の炭素原子を有する
脂肪族アルコールによってエーテル化されうる。いくつかの炭化水素鎖は、22個以下の
炭素原子、例えば、C10~C20、C12~C20、またはC15~C20の脂肪族ア
ルコールを有する。
【0304】
疎水性鎖は、エステル化脂肪酸R-COOHの一部、または、エーテル化もしくはエ
ステル化脂肪酸エーテルR-COHの一部でありうる。ここで、Rは、例えば前の段
落で述べた、疎水性鎖である。エステル形成基、または、場合によっては、エーテル形成
基は、典型的には、親水性鎖を含む。
【0305】
述べたように、界面活性剤は、親水性鎖を有しうる、また、非イオン界面活性剤であり
うる、また、両方の要件を満たしうる。親水性鎖は、ポリ(オキシエチレン)またはマク
ロゴールとしても知られている、ポリ(エチレングリコール)でありうる。親水性鎖は、
-(O-CHCH-ORという式であり、ここで、nは、5または6~50であ
り、Rは、Hまたはアルキル(例えば、エチルまたはメチル)である。本発明は、nが6
~40、例えば、6~35である実施例を含む。いくつかの実施形態において、nは、6
~25であり、任意選択的には、8~25、または、8~15である。他の実施形態にお
いて、nは、8~50、または、8~40であり、例えば、10~50、10~40、ま
たは10~35である。特定の実施形態において、nは、15である。-(O-CH
-ORという式を有するすべての親水性鎖について、1つのクラスの実施形態に
おいて、Rは、Hである。
【0306】
親水性鎖は、例えば、鎖の炭素原子上にヒドロキシ基(例えば、グルカミド)を有する
、ポリヒドロキシル化鎖(例えば、C~C20(例えば、C~C10)鎖)でありう
る。
【0307】
ミセル形成界面活性剤は、上記の疎水性鎖および上記の親水性鎖の組み合わせを含みう
る。したがって、それは、本明細書に記載の脂肪酸のマクロゴールエーテルまたは本明細
書に記載の脂肪アルコールのマクロゴールエステルであり又は含みうる。
【0308】
疎水性鎖および親水性鎖を含むミセル形成界面活性剤は、マクロゴールエステル、マク
ロゴールエーテル、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、および両親媒性ポリマ
ーからなる群から選択することができる。本発明の特定の実施形態において、基の任意の
組み合わせは、本発明に含まれる。
【0309】
本発明における使用に適しているマクロゴールエステルの例は、少なくとも6個の炭素
原子、任意選択的には少なくとも10個の炭素原子、特には少なくとも12個の炭素原子
を有する脂肪酸のマクロゴールエステルである。いくつかの脂肪酸は、22個以下の炭素
原子を有する。例えば、C10~C20、C12~C20、またはC15~C20脂肪酸
である。脂肪酸は、飽和または不飽和でありうるが、特には、飽和である。言及すべきは
、マクロゴール25セトステアリルエーテル(クレモフォールTMA25)、マクロゴー
ル6セトステアリルエーテル(クレモフォールTMA6)、マクロゴールグリセロールリ
シノレート35(クレモフォールTMEL)、マクロゴールグリセロールヒドロキシステ
アレート40(クレモフォールTMRH40)、マクロゴール15ヒドロキシステアレー
ト(SolutolTM HS 15)である。本発明における使用に適しているマクロ
ゴールエーテルの例は、少なくとも6個の炭素原子、任意選択的には少なくとも10個の
炭素原子、特には少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪アルコールのマクロゴールエ
ーテルである。いくつかの脂肪アルコールは、22個以下の炭素原子を有する。例えば、
10~C20、C12~C20、またはC15~C20脂肪アルコールである。脂肪族
アルコールは、飽和または不飽和でありうるが、一実施形態では、飽和である。
【0310】
本発明における使用に適している両親媒性ポリマーの例は、アルキルグルカミド、脂肪
アルコールポリ(エトキシ)レート(ポリエトキシ化アルキルエーテルとしても知られて
いる)、ポリ(エトキシ)化脂肪酸エステル(Myrjまたはソルトール)、脂肪アミド
ポリエトキシレート、脂肪アミンエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、
ポリエトキシ化ソルビタンエステル(ポリソルベート)、ポリエトキシ化グリセリド、ま
たはポリグリセロールエステルである。
【0311】
本発明における使用に適している共重合体の例は、プルロニック(登録商標)(ポロキサマー)、ポ
リビニルピロリドンポリビニルアセテート(プラスドンS630)、アミノアルキルメタ
クリレート共重合体(オイドラギットEPO)、メタクリル酸-メタクリル酸メチル共重
合体(オイドラギットS100、L100)、ポリカプロラクトン-PEG、ポリカプロ
ラクトンメトキシ-PEG、ポリ(アスパラギン酸)-PEG、ポリ(ベンジル-L-グ
ルタメート)-PEG、ポリ(D、L-ラクチド)メトキシPEG、ポリ(ベンジル-L
-アスパラギン酸PEG、またはポリ(L-リジン)-PEGである。
【0312】
好適な実施形態において、ミセル形成界面活性剤は、マクロゴールエステルであり、よ
り好ましくは、欧州薬局方のモノグラフ番号2052のマクロゴール15ヒドロキシステ
アレートに従うマクロゴールエステル(例えば、BASFにより市販されているKoll
iphorTMHS 15など)である。
【0313】
KolliphorTMHS 15は、12-ヒドロキシステアリン酸と約30%の遊
離ポリエチレングリコールのポリグリコールモノエステルおよびポリグリコールジエステ
ルからなる。エステル部の主成分は、以下の化学構造を有する。
【0314】
【化1】
【0315】
ここで、xおよびyは、整数であり、12-ヒドロキシ基の小部分は、ポリエチレングリ
コールでエーテル化することができる。
【0316】
適切な界面活性剤は、製造中に、透明な液体を形成するために、そのCMCを超える量
で水相(ヒドロゲル形成ポリマーを含む)と結合する界面活性剤を含む。Kolliph
orTMHS 15が、このような界面活性剤である。
【0317】
ある実施形態において、ミセル形成界面活性剤と抗原との重量比は、10:1~100
:1、任意選択的には、50:1~100:1である。いくつかの実施形態において、そ
の比率は、80:1~90:1である。特定の実施形態において、その比率は、50:1
~60:1である。
【0318】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、ミセル形成化合物の組み合わせを含む。
ミセル形成化合物のそのような組み合わせは、本明細書の前のセクションで述べた2つ以
上の界面活性剤からなりうる。あるいは、界面活性剤は、少なくとも潜在的に界面活性剤
(任意選択的に、とりわけ、カチオン性脂質および糖脂質から選択される)とミセルを形
成することができる1つ以上の他の化合物と組み合わせられうる。追加のオプションとし
て、組成物は、本明細書の前のセクションで述べた複数の界面活性剤を含みうる。1つ以
上の他の化合物は、少なくとも潜在的に界面活性剤(任意選択的に、とりわけ、カチオン
性脂質および糖脂質から選択される)とミセルを形成することができる。
【0319】
したがって、本発明は、本明細書に記載の組成物を含み、その組成物は、
2つ以上のセル形成界面活性剤、例えば、疎水性鎖および親水性鎖を有する2つ以上の
界面活性剤、
化合物、例えば、陽イオン脂質および糖脂質から選択される、単一化合物または2つ以
上の化合物、
2つ以上のミセル形成界面活性剤、ならびに、化合物、例えば、陽イオン脂質および糖
脂質から選択される、単一化合物または2つ以上の化合物、
を含む。
【0320】
界面活性剤である又は含む分散相は、例えば、ミセルのような、自己集合構造を形成す
ることによって、GITの組織内への有効成分(例えば、シクロスポリンA)の吸収を高
めうる。自己集合構造は、有効成分と関連しており、したがって、組織内での取り込み/
吸収を高める形態で消化管の粘膜組織に薬物を提供する。
【0321】
また、油相は、1つ以上の揮発性または非揮発性溶媒を含みうる。これらは、上記した
溶媒または共溶媒と同じまたは異なりうる。このような溶媒は、例えば、処理(例えば、
コアに存在する成分の初期溶解)の後、本発明の製剤の中に残留し、コア製剤において特
定の機能を有しない。あるいは、このような溶媒は、もしあれば、シクロスポリンAを油
相内で溶解状態(溶液中)に維持し、または、分散や放出などを容易にする機能を果たし
うる。他の実施形態において、溶媒は、処理中に部分的にまたは完全に蒸発されうるため
、仮にあったとしても少量のみ存在しうる。関連する実施形態において、溶媒は、特に油
溶性でも水溶性でもある溶媒が使用された場合、コアの水相中に部分的にまたは完全に存
在しうる。そのような溶媒の例は、エタノールである。他の例は、すでに共溶媒として言
及されたトランスクトールである。
【0322】
したがって、コアは、連続相を形成するヒドロゲル形成ポリマーマトリックスと、有効
成分(特に、疎水性の有効成分)、高HLBの非イオン界面活性剤化合物、低HLB油、
および任意選択的に共溶媒を含む分散相とを含みうる。
【0323】
コアは、ヒドロゲル形成ポリマーである又は含む連続相と、有効成分(任意選択的に、
疎水性の有効成分、例えば、シクロスポリン)および油相である又は含む分散相とを含み
、油相は、油および1つ以上の界面活性剤を含む(ここで、油および界面活性剤は、HL
Bが10以下である)。HLBが10以下の界面活性剤の存在は、例えば、分散相が連続
相と混合されてコロイド(例えば、水中油型エマルション)を形成する際に油相からのシ
クロスポリンの結晶化を抑制することによって、組成物の製造中に有利な効果をもたらす
ことが分かった。このような組成物は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0324】
HLBが10以下の界面活性剤が油相中に存在することは、経口投与後の組成物からの
有効成分(任意選択的に、疎水性の有効成分、例えば、シクロスポリン)の放出速度およ
び/または放出量を高めうる。界面活性剤の存在は、有効成分(任意選択的に、疎水性の
有効成分、例えば、シクロスポリン)の高い割合を、それが、下部消化管(特に結腸)で
見られるように、組成物から水性媒体の中に放出された後に、可溶化された形態に維持す
るように作用しうる。
【0325】
コアは、固体コロイドの形態を有しうる。このコロイドは、ヒドロゲル形成ポリマーで
ある又は含む連続相と、有効成分(任意選択的に、疎水性の有効成分、例えば、シクロス
ポリン)および油相である又は含む分散相とを含み、油相は、油および1つ以上の界面活
性剤を含む(ここで、界面活性剤は、HLBが10以下、例えば、1~10の範囲である
)。本医薬製剤は、適切には、修飾放出組成物である。しかし、コアは、例えば、修飾放
出コーティングのないコアを使用することによって、即時放出組成物を提供するのに使用
されうる。
【0326】
油相中に存在する界面活性剤のHLB値は、8以下、7以下、1~8、1~7、1~5
、2~5、1~4、1~3、1~2、2~4、3~4、5~8、6~8、または6~7で
ありうる。例えば、HLB値は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、または約7であ
りうる。界面活性剤は、HLB値が上記の範囲にある任意の界面活性剤、例えば、本明細
書の「界面活性剤」のセクションならびに明細書および実施例の他の箇所に記載された任
意の界面活性剤でありうる。界面活性剤は、適切には、非イオン界面活性剤である。シク
ロスポリンは、界面活性剤に可溶でありうる。例えば、シクロスポリンは、界面活性剤に
対する溶解度が約200mg/g超でありうる。したがって、界面活性剤は、シクロスポ
リン溶解度が、約200mg/g超、任意選択的に約250mg/g超でありうる。界面
活性剤は、シクロスポリン溶解度が、約200~約500mg/g、任意選択的には、約
250~約500mg/g、約200~約400mg/g、約225~約375mg/g
、約250~約375mg/g、約200~約300mg/g、約300~約400mg
/g、約250~約350mg/g、約225~約275mg/g、約350~約400
mg/gでありうる。好ましくは、界面活性剤は、シクロスポリン溶解度が、約200~
約400mg/g、または、約225~約375mg/gでありうる。シクロスポリンの
界面活性剤に対する溶解度は、非特許文献4に記載されたプロトコルに従って実施されう
る。これは、参照により本明細書に組み込まれている。
【0327】
界面活性剤は、HLBが6以下、シクロスポリン溶解度が200~400mg/gであ
りうる。界面活性剤は、HLB値が2~6(任意選択的には3~6)、シクロスポリン溶
解度が約200~約400mg/gでありうる。界面活性剤は、HLB値が2~6(任意
選択的には3~6)、シクロスポリン溶解度が約250~約400mg/gでありうる。
界面活性剤は、HLB値が2~6(任意選択的には3~6)、シクロスポリン溶解度が約
225~約275mg/gでありうる。界面活性剤は、HLB値が2~6(任意選択的に
は3~6)、シクロスポリン溶解度が約250~約350mg/gでありうる。
【0328】
界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸乳酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテル、エチレンオキシド-
プロピレンオキシドブロック共重合体、およびポリオキシエチレンエーテルから選択され
る界面活性剤であり又は含みうる。ここで、界面活性剤は、HLB値が10以下、8以下
、または特に上記のHLB値(例えば、1~8、もしくは1~4)でありうる。
【0329】
界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸乳酸エステル、またはショ糖脂肪酸エステルから選
択される界面活性剤であり又は含みうる。ここで、界面活性剤は、HLB値が10以下、
8以下、または特に上記のHLB値(例えば、1~8、もしくは1~4)でありうる。
【0330】
界面活性剤は、脂肪酸グリセリドであり又は含みうる。ここで、界面活性剤は、HLB
値が10以下、8以下、または特に上記のHLB値(例えば、1~8、もしくは1~4)
でありうる。
【0331】
界面活性剤は、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、
ソルビタンジ脂肪酸エステル、またはソルビタントリ脂肪酸エステルであり又は含みうる
。ここで、界面活性剤は、上記のHLB値(例えば、1~8、または1~4)を有する。
脂肪酸は、例えば、1つ以上のC10~C20、C12~C20、またはC15~C20
脂肪酸であり又は含みうる。脂肪酸は、飽和または不飽和でありうる。特定の界面活性剤
は、ソルビタントリオレエート(スパン85として市販されている)である又は含む。他
の特定の界面活性剤は、ソルビタンモノパルミテート(スパン40として市販されている
)である又は含む。
【0332】
界面活性剤は、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、適切には、例えば、1つ以上
のC10~C20、C12~C20、またはC15~C20脂肪酸(この脂肪酸は、飽和
または不飽和でありうる)を有するエステルであり又は含みうる。適切には、界面活性剤
は、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルおよび脂肪酸グリセリドを含む混合物である
又は含む。ここで、脂肪酸は、C15~C20脂肪酸であり、これは、飽和または不飽和
でありうる。
【0333】
界面活性剤は、ポリグリセライズ化脂肪酸、例えば、ジオレイン酸ポリグリセリルであ
り又は含みうる。したがって、界面活性剤は、乳化剤として作用しうる、また、ジオレイ
ン酸ポリグリセリル-3(例えば、商品名プルロールTMオレイクで販売された製品)で
ありうる。
【0334】
HLB値が10以下である界面活性剤の油に対する重量比は、約5:1~約1:5、約
3:1~約1:2、約3:1~約1:1、または約2.5:1~約1.5:1でありうる
。適切には、重量比は、約1:1、約2:1、約2.5:1、約3:1、約1:1.5、
または約1:2でありうる。
【0335】
HLB値が10以下である界面活性剤は、コアの乾燥重量に基づいて、約5~約20重
量%、約8~約15重量%、または約10~約14重量%の量で組成物中に存在しうる。
当然のことながら、「コアの乾燥重量」への言及は、水以外のコーティングされていない
コア中に存在する成分の重量を意味する。
【0336】
油は、本明細書に記載の油、特に「分散相」のセクションに記載された油のいずれでも
ありうる。油は、短鎖、中鎖、もしくは長鎖のトリグリセリド組成物、またはそれらの組
み合わせであり又は含みうる。中鎖トリグリセリド(複数可)(MCT)は、C、C
、C、C、C10、C11、およびC12脂肪酸から選択される少なくとも1つの脂
肪酸の1つ以上のトリグリセリドを含む。特定の油相は、トリグリセリド系油、例えば、
ミグリオールTMとして市販されているもの、例えば、ミグリオールTM810、812
(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、ミグリオールTM818(カプリル酸/カ
プリン酸/リノール酸トリグリセリド)、ミグリオールTM829(カプリル酸/カプリ
ン酸/コハク酸トリグリセリド)、である又は含む。
油は、コアの乾燥重量に基づいて、約2~約25重量%、約3~約20重量%、約3~
約10重量%、または約5~約10重量%の量で本医薬製剤中に存在しうる。
【0337】
また、油相は、溶媒も含みうる。適切な溶媒は、分散相に関連して本明細書に記載され
た通りであり、油と水の両方と適切に混ざり合う。溶媒は、コアの乾燥重量に基づいて、
約1~約30重量%、約5~約30重量%、約10~約25重量%、または約12~約2
2重量%の量で組成物中に存在しうる。特定の溶媒は、2-(2-エトキシエトキシ)エ
タノール(例えば、トランスクトールTMPまたはHPとして市販されている)である。
【0338】
ヒドロゲル形成ポリマーは、本明細書に記載されたヒドロゲル形成ポリマー、特に「連
続相ポリマーマトリックス」に記載されたヒドロゲル形成ポリマー、の1つ以上であり又
は含みうる。適切には、ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラチン、寒天、ポリエチレングリ
コール、デンプン、カゼイン、キトサン、大豆蛋白質、ベニバナタンパク質、アルギン酸
塩、ジェランガム、カラギーナン、キサンタンガム、フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチ
ン、セルロースフタレートアセテート、含油樹脂、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルとポリビニルアセテートフ
タレートの重合物、および上記のいずれかの任意の誘導体、または、1つ以上のそのよう
なヒドロゲル形成ポリマーの混合物、からなる群から選択されるヒドロゲル形成ポリマー
である又は含む。特定のヒドロゲル形成ポリマーは、カラギーナン、ゼラチン、寒天、お
よびペクチンから選択され、またはそれらの組み合わせであり、特にはゼラチンおよび/
または寒天であり、より特にはゼラチンである。適切には、ヒドロゲル形成ポリマーは、
例えば固体コロイドを提供するために分散相が中に分散された固体マトリックスを形成す
るように、ゲル化状態でコア中に存在する。好ましくは、ヒドロゲル形成ポリマーは、手
で持つことができ、さらに剤形に加工することができ、または、本明細書に記載の修飾放
出コーティングでコーティングすることができるのに十分なほど固いコアを提供するのに
十分なほどゲル化される。
【0339】
ヒドロゲル形成ポリマーは、コアの乾燥重量に基づいて、約20~約70重量%、約2
0~約55重量%、約25~約50重量%、約30~約50重量%、または約40~約4
5重量%の量で存在しうる。
【0340】
連続相は、特にヒドロゲル形成ポリマーがゼラチンである又は含む場合、適切には可塑
剤を含みうる。特定の可塑剤は、ソルビトールである。可塑剤は、存在する場合、コアの
乾燥重量に基づいて、例えば、約20重量%以下、または約10重量%以下、適切には、
約3~約8重量%、または約4~約6重量%、存在しうる。
【0341】
連続相は、界面活性剤を含みうる。好ましくは、連続相中に存在する界面活性剤は、油
相中に存在する界面活性剤と異なる。連続相中に存在しうる適切な界面活性剤は、「連続
相ポリマーマトリックス」のセクションで本明細書中に記載されている。したがって、連
続相中に存在しうる特定の界面活性剤は、陽イオン界面活性剤、両性(双性イオン)界面
活性剤、または陰イオン界面活性剤でありうる。適切には、連続相中に存在する界面活性
剤は、陰イオン界面活性剤、より具体的には、親水性の陰イオン界面活性剤である又は含
む。連続相中の界面活性剤は、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、および胆汁酸塩から選択され
る少なくとも1つの界面活性剤、特に、アルキル硫酸塩、例えば、C10~C22アルキ
ル硫酸塩、適切には、ドデシル硫酸ナトリウム、であり又は含みうる。連続相中に存在す
る界面活性剤、特に陰イオン界面活性剤は、コアの乾燥重量に基づいて、0.1~6重量
%、例えば、0.1~5重量%、0.1~4重量%、0.1~3重量%、1~4重量%、
1.5~4.5重量%、または2.5~4.5重量%の量で、好ましくは2~4重量%の
量で、組成物中に存在する。
【0342】
適切には、シクロスポリンAは、コアの乾燥重量に基づいて、約5~約20重量%、約
8~約15重量%、または約9~約14重量%の量で組成物中に存在する。
【0343】
特定の実施形態において、固体コロイドの形態を有するコアを含む医薬製剤であって、
前記コロイドが、ヒドロゲル形成ポリマーである又は含む連続相と、分散相とを含むもの
が提供され、
前記分散相は、
シクロスポリンAと、
短鎖、中鎖、もしくは長鎖トリグリセリド組成物、またはそれらの組み合わせ(例えば
、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグ
リセリド、もしくはカプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド)である又は含む
油と、
HLBが10以下、8以下、7以下、1~8、1~7、1~5、2~5、1~4、1~
3、1~2、2~4、3~4、5~8、6~8、または6~7(例えば、約1、約2、約
3、約4、約5、約6、または約7)である1つ以上の非イオン界面活性剤と、任意選択
的に、前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、またはポリエ
チレングリコール脂肪酸エステルである又は含む、
任意選択的に、溶媒と、前記溶媒は、前記油および水(例えば、2-(2-エトキシエ
トキシ)エタノール)と混和する、
であり又は含み、
前記連続相は、
ヒドロゲル形成ポリマーと、例えば、前記ヒドロゲル形成ポリマーは、カラギーナン、
ゼラチン、寒天、およびペクチン、またはそれらの組み合わせ、任意選択的には、ゼラチ
ンもしくは寒天またはそれらの組み合わせ、であり又は含み、より任意選択的には、前記
ヒドロゲル形成ポリマーの前記ポリマーは、ゼラチンである又は含む、
陰イオン界面活性剤と、任意選択的には、前記陰イオン界面活性剤は、脂肪酸塩、アル
キル硫酸塩、および胆汁塩から選択され、特には、アルキル硫酸塩(例えば、C10~C
22アルキル硫酸塩)、適切には、ドデシル硫酸ナトリウムである、
任意選択的に、可塑剤(例えば、ソルビトール)と、
である又は含む。
【0344】
他の実施形態において、固体コロイドの形態を有するコアを含む医薬製剤であって、前
記コロイドが、ヒドロゲル形成ポリマーである又は含む連続相と、分散相とを含むものが
提供され、
前記分散相は、
約8~約15%のシクロスポリンAと、
約2~約20%(例えば、約3~約10%)の油と、前記油は、カプリル酸/カプリン
酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、およびカプリ
ル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド、好ましくは、カプリル酸/カプリン酸トリ
グリセリドである又は含む、
HLBが10以下、8以下、7以下、1~8、1~7、1~5、2~5、1~4、1~
3、1~2、2~4、3~4、5~8、6~8、または6~7(例えば、約1、約2、約
3、約4、約5、約6、または約7)である1つ以上の非イオン界面活性剤と、任意選択
的に、前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、またはポリエ
チレングリコール脂肪酸エステルであり又は含み、任意選択的に、前記非イオン界面活性
剤は、約8~約15%の量で存在する、
任意選択的に、約12~約22%の溶媒と、前記溶媒は、前記油および水(例えば、2
-(2-エトキシエトキシ)エタノール)と混和する、
であり又は含み、
前記連続相は、
約30~約70%(例えば、約30~約50%)のヒドロゲル形成ポリマーと、任意選
択的に、前記ヒドロゲル形成ポリマーは、カラギーナン、ゼラチン、寒天、およびペクチ
ン、またはそれらの組み合わせ、任意選択的には、ゼラチンもしくは寒天またはそれらの
組み合わせ、であり又は含み、より任意選択的には、前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリ
ックスは、ゼラチンである又は含む、
陰イオン界面活性剤と、任意選択的には、前記陰イオン界面活性剤は、脂肪酸塩、アル
キル硫酸塩、および胆汁塩から選択され、特には、アルキル硫酸塩(例えば、C10~C
22アルキル硫酸塩)、適切には、ドデシル硫酸ナトリウムであり、任意選択的には、前
記陰イオン界面活性剤は、約0.1~約5%、適切には2~4%の量で存在する、
任意選択的に、約10%以下の可塑剤(例えば、ソルビトール)と、
であり又は含み、
すべての%は、前記コアの乾燥重量に基づく重量%である。
【0345】
他の実施形態において、固体コロイドの形態を有するコアを含む経口投与修飾放出組成
物であって、前記コロイドが、ヒドロゲル形成ポリマーである又は含む連続相と、分散相
とを含むものが提供され、
前記分散相は、
約8~約15%のシクロスポリンAと、
約3~約10%の油と、前記油は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドである又は
含む、
HLBが7以下(例えば、1~7、または2~4)である1つ以上の非イオン界面活性
剤と、前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、またはポリエ
チレングリコール脂肪酸エステルであり又は含み、任意選択的に、前記非イオン界面活性
剤は、約8~約15%の量で存在する、
任意選択的に、約12~約22%の溶媒と、前記溶媒は、前記油および水(例えば、2
-(2-エトキシエトキシ)エタノール)と混和する、
であり又は含み、
前記連続相は、
約30~約50%のヒドロゲル形成ポリマーと、前記ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラ
チンもしくは寒天、またはそれらの組み合わせから選択され、任意選択的には、前記ヒド
ロゲル形成ポリマーマトリックスは、ゼラチンである又は含む、
約0.1~約5%(適切には、2~4%)の陰イオン界面活性剤(例えば、ドデシル硫
酸ナトリウム)と、
任意選択的に、約10%以下の可塑剤(例えば、ソルビトール)と、
であり又は含み、
すべての%は、前記コアの乾燥重量に基づく重量%である。
【0346】
特定の実施形態において、前記コアは、固体コロイドの形態を有し、前記コロイドは、
連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーを含み、
前記分散相は、
薬学的有効成分(例えば、シクロスポリンAまたは他の疎水性有効成分)と、
中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、または中鎖トリグリセリド(例えば、中鎖ト
リグリセリド、特に、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)と、
ポリエトキシル化ヒマシ油と、
共溶媒(例えば、2-(エトキシエトキシ)エタノール)と、
であり又は含み、
前記連続相は、
カラギーナン、ゼラチン、寒天、およびペクチンから選択される親水コロイド、または
それらの組み合わせである又は含むヒドロゲル形成ポリマーマトリックスと、任意選択的
には、前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、ゼラチンおよび寒天から選択され、
またはその組み合わせであり、より特別には、前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックス
の前記ポリマーは、ゼラチンである又は含む、
可塑剤(任意選択的には、グリセリン、ポリオール(例えば、ソルビトール)、ポリエ
チレングリコール、およびクエン酸トリエチルから選択される可塑剤、またはその混合物
、特には、ソルビトール)と、
陰イオン界面活性剤(例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、および胆汁塩から選択され
る少なくとも1つの界面活性剤、特には、アルキル硫酸塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリ
ウム)と、
であり又は含む。
【0347】
さらなる特定の実施形態において、前記コアは、300~700mg/gの量のゼラチ
ンを含むヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記コアは、有効成分、中鎖モノ
グリセリド、中鎖ジグリセリド、および/または中鎖トリグリセリド(例えば、中鎖トリ
グリセリド、特に、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)を、20~200mg/g
の量でさらに含み、前記コアは、以下の成分、つまり、
150~250mg/gの量の共溶媒(例えば、2-(エトキシエトキシ)エタノール
)と、
80~200mg/gの量の非イオン界面活性剤と、
15~50mg/gの量の陰イオン界面活性剤と、
をさらに含み、
重量は、前記コアの乾燥重量に基づく。
【0348】
適切には、直前の段落の実施形態において、前記有効成分は、シクロスポリンであり、
前記シクロスポリンAは、60~180mg/g、例えば、60~150mg/g、80
~120mg/g、または特に80~100mg/gの量で存在しうる。非イオン界面活
性剤および陰イオン界面活性剤は、本明細書に定義された通りであり、例えば、陰イオン
界面活性剤は、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、またはリン脂質(特にSDS)から選択
され、非イオン界面活性剤は、ソルビタン系界面活性剤、PEG脂肪酸、グリセリル脂肪
酸、またはポロキサマーから選択される。特定の非イオン界面活性剤は、ポリエトキシル
化ヒマシ油(例えば、クレモフォアEL)である。
【0349】
ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスおよび薬学的有効成分(特に、シクロスポリンA
)を含む上記のコアは、本発明に係る製剤を提供するために本明細書に記載のようにコー
ティングされる。これらの実施形態用の特定のコーティングは、
水溶性セルロースエーテル(特に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)である又は
含む第1のコーティング(サブコーティング)と、
前記第1のコーティングの外にあって修飾放出コーティング(特に、pH非依存性修飾
放出コーティング)である又は含む第2のコーティング、より特別には、エチルセルロー
スを含むコーティング(例えば、シュアリース)、さらにより特には、エチルセルロース
およびペクチンなどの水溶性多糖類を含むコーティング(例えば、本明細書に記載された
シュアリース-ペクチンコーティング)
を含むコーティングであり、
前記第1のコーティングは、前記第1のコーティングを施す前の本製剤の重量に基づい
て、(i)8~12重量%(例えば、約10重量%)、または(ii)4~6重量%(例
えば、約5重量%)、から選択される範囲の前記第1のコーティングによる重量増加に対
応する量で存在し、
前記第2のコーティングは、前記第2のコーティングを施す前の本製剤の重量に基づい
て、(a)10~12重量%(例えば、約11重量%もしくは約11.5重量%)、また
は(b)16~18重量%(例えば、約17重量%)、から選択される前記第2のコーテ
ィングによる本製剤の重量増加に対応する量で存在する。
【0350】
分散相は、マトリックス中に分散された有効成分の粒子を含みうる。粒子は、微粒子(
例えば、1~999μmサイズ)またはナノ粒子(例えば、1~999nmサイズ)であ
りうる。したがって、特に、分散相は、マトリックス中に分散された微粒子疎水性薬物を
含みうる。
界面活性剤
【0351】
本製剤は、1つ以上の界面活性剤を含みうる。例えば、界面活性剤は、コア中に存在し
うる(ヒドロゲル形成ポリマーマトリックス中、もしくは分散相中、または両方を含む)
。また、界面活性剤は、コアに施されるコーティングの1つ以上の中にも存在しうる。
【0352】
適切な界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、両性イオン性、または非イオン性であ
ることができる。本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲において、用語「界面活性
剤(surfactant)」は、「界面活性剤(surface active agent)」の縮約形として使用さ
れる。本明細書および特許請求の範囲の目的のために、界面活性剤の4つの主要な分類が
あることが想定される。したがって、界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、非イオン
性、および両性(双性イオン)でありうる。非イオン界面活性剤は、丸ごと残存し、水溶
液中に電荷を持たず、正と負のイオンに解離しない。陰イオン界面活性剤は、水溶性であ
り、負の電荷を有し、水中に置かれた時に正と負のイオンに解離する。負電荷は、水の表
面張力を低下させ、界面活性剤として作用する。陽イオン界面活性剤は、正電荷を有し、
水中に置かれた時に正と負のイオンに解離する。この場合、陽イオンは、水の表面張力を
低下させ、界面活性剤として作用する。両性(双性イオン)界面活性剤は、酸性溶液中で
正電荷をとり、陽イオン界面活性剤として機能し、または、アルカリ溶液中で負電荷をと
り、陰イオン界面活性剤として作用する。
【0353】
界面活性剤(複数可)は、陰イオン界面活性剤およびその組み合わせ、非イオン界面活
性剤およびその組み合わせ、ならびに、陰イオン界面活性剤(例えば、単一のそのような
界面活性剤または複数のそれ)および非イオン界面活性剤(例えば、単一のそのような界
面活性剤または複数のそれ)の組み合わせ、から選択されうる。
【0354】
また、界面活性剤は、親水性-親油性バランス(HLB)に応じて分類することもでき
る。HLBは、界面活性剤が親水性であるか親油性であるかの程度の尺度であり、194
9年と1954年にグリフィン(Griffin)によって、また、その後ディヴィズ(Davies
)によって記載されたように(もともとは非イオン界面活性剤に対して)、分子の異なる
領域の値を計算することによって決定される。本方法は、分子全体の分子量ならびに親水
性および親油性の部分の分子量に式を適用して40までの任意(半経験的)のスケールを
付与する。但し、通常の範囲は、0~20である。0のHLB値は、完全に疎水性の分子
に対応し、20の値は、完全に親水性の成分で構成された分子に対応する。HLB値は、
分子の界面活性剤特性を予測するのに使用することができる。
【0355】
【表B】
【0356】
HLB番号は、このシステムが発明された非イオン界面活性剤以外の界面活性剤に与え
られるが、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および両性
(双性イオン)界面活性剤に対するHLB番号は、重要性が低く、しばしば相対的または
比較の番号を表し、数学的な計算の結果ではない。これが、界面活性剤が20の「最大値
」を超えることができる理由である。しかし、HLB番号は、良い性能を達成するために
所定のエマルション系に対する所望の適用のHLB要件を記述するのに有用であることが
できる。
非イオン界面活性剤
【0357】
界面活性剤は、以下の非イオン界面活性剤から選択される少なくとも1つの界面活性剤
であり又は含みうる。
【0358】
PEG脂肪酸モノエステル界面活性剤、PEG脂肪酸ジエステル界面活性剤、PEG脂
肪酸モノエステルとジエステル界面活性剤との混合物、PEGグリセロール脂肪酸エステ
ル、油とアルコールのエステル交換生成物、低級アルコールの脂肪酸エステル、ポリグリ
セライズ化脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよびジグリ
セリド界面活性剤、ステロールおよびステロール誘導体の界面活性剤、PEGソルビタン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル
、糖エステル界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルフェノール界面活性剤、PO
E-POPブロック共重合体、脂肪酸塩、胆汁塩、リン脂質、リン酸エステル、カルボキ
シレート、アシルラクチレート、硫酸塩およびスルホン酸塩、ならびに陽イオン界面活性
剤。
【0359】
PEG脂肪酸モノエステル界面活性剤、例えば、PEG4-100モノラウレート、P
EG4-100モノオレエート、PEG4-100モノステアレート、PEG-ラウレー
ト、PEG-オレエート、PEGステアレート、およびPEGリシノール酸。PEG-脂
肪酸ジエステル界面活性剤、例えば、PEGジラウレート、PEGジオレエート、PEG
ジステアレート、PEGジパルミチン。PEG-脂肪酸モノエステルおよびジエステルの
混合物。
【0360】
PEGグリセロール脂肪酸エステル、例えば、PEGグリセリルラウレート、PEGグ
リセリルステアレート、PEGグリセリルオレエート。
【0361】
PEG-ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、PEGソルビタンラウレート、PEGソ
ルビタンモノラウレート、PEGソルビタンモノパルミテート、PEGソルビタンモノス
テアレート、PEGソルビタントリステアレート、PEGソルビタンテトラステアレート
、PEGモノオレイン酸ソルビタン、PEGオレイン酸ソルビタン、PEGトリオレイン
酸ソルビタン、PEGテトラオレイン酸ソルビタン、PEGソルビタンモノイソステアレ
ート、PEGソルビトールヘキサオレエート、PEGソルビトールヘキサステアレート。
【0362】
プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えば、プロピレングリコールモノカプリレー
ト、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールオレエート、プロピレ
ングリコールミリステート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコ
ールヒドロキシステアレート、プロピレングリコールリシノレート、プロピレングリコー
ルイソステアレート、プロピレングリコールモノオレエート、プロピレングリコールジカ
プリレート/ジカプレート、プロピレングリコールジオクタノエート、プロピレングリコ
ールカプリル酸/カプリン酸、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコー
ルジステアレート、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジカプ
レート。
【0363】
ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオ
レエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノ
イソステアレート、ソルビタンセスキステアレート。
【0364】
低級アルコール脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピ
ル、パルミチン酸イソプロピル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル。
【0365】
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、例えば、ポロキサマー
105、ポロキサマー108、ポロキサマー122、ポロキサマー123、ポロキサマー
124、ポロキサマー181、ポロキサマー182、ポロキサマー183、ポロキサマー
184、ポロキサマー185、ポロキサマー188、ポロキサマー212、ポロキサマー
215、ポロキサマー217、ポロキサマー231、ポロキサマー234、ポロキサマー
235、ポロキサマー237、ポロキサマー238、ポロキサマー282、ポロキサマー
284、ポロキサマー288、ポロキサマー331、ポロキサマー333、ポロキサマー
334、ポロキサマー335、ポロキサマー338、ポロキサマー401、ポロキサマー
402、ポロキサマー403、ポロキサマー407。
【0366】
ポリグリセライズ化脂肪酸、例えば、ステアリン酸ポリグリセリル、オレイン酸ポリグ
リセリル、ポリグリセリルイソステアレート、ラウリン酸ポリグリセリル、リシノール酸
ポリグリセリル、リノール酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、ジオレ
イン酸ポリグリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、ポリグリセリルトリオレート、
セプタオレイン酸ポリグリセリル、テトラオレイン酸ポリグリセリル、デカイソステアリ
ン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、
ジオレート、ポリリシノール酸ポリグリセリル。
【0367】
PEGアルキルエーテル、例えば、PEGオレイルエーテル、PEGラウリルエーテル
、PEGセチルエーテル、PEGステアリルエーテル。
【0368】
PEGアルキルフェノール、例えば、PEGノニルフェノール、PEGオクチルフェノ
ールエーテル。
【0369】
天然油または水素化油とアルコールまたは多価アルコールのエステル交換生成物、例え
ば、PEGヒマシ油、PEG水素化ヒマシ油、PEGコーン油、PEGアーモンド油、P
EG杏仁油、PEGオリーブ油、PEG-6落花生油、PEG水素化パーム核油、PEG
パーム核油、PEGトリオレイン、PEGコーングリセリド、PEGアーモンドグリセリ
ド、PEGトリオレエート、PEGカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ラウロイル
マクロゴールグリセリド、ステアロイルマクロゴールグリセリド、植物油およびソルビト
ールのモノエステル、ジエステル、トリエステル、およびテトラエステル、ペンタエリト
リトールテトライソステアレート、ペンタエリトリトールジステアレート、ペンタエリト
リトールテトラオレエート、ペンタエリトリトールテトラステアレート、ペンタエリトリ
トールテトラカプリテート/テトラカプラート、ペンタエリトリトールテトラオクタノエ
ート。
【0370】
油溶性ビタミン、例えば、ビタミンA、D、E、K、および異性体、類似体、ならびに
その誘導体。誘導体は、例えば、これらの油溶性ビタミン物質の有機酸エステル(例えば
、コハク酸とビタミンEまたはビタミンAのエステル)を含む。これらのビタミンの誘導
体は、トコフェリルPEG-1000コハク酸(ビタミンE TPGS)、および、PE
G部分のさまざまな分子量(例えば、PEG100~8000)を有する他のトコフェリ
ルPEGコハク酸誘導体を含む。
【0371】
ステロールまたはステロール誘導体(例えば、PEG化ステロールなどのエステル化ま
たはエーテル化ステロール)、例えば、コレステロール、シトステロール、ラノステロー
ル、PEGコレステロールエーテル、PEGコレスタノール、フィトステロール、PEG
フィトステロール。
【0372】
シュガーエステル、例えば、スクロースジステアレート、ジステアリン酸スクロース/
モノステアレート、ショ糖ジパルミチン、ショ糖モノステアレート、ショ糖モノパルミチ
ン、スクロースモノラウレート、アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、アルキルマ
ルトトリオシド、アルキルグリコシド、誘導体、および他の糖タイプ、グルカミド。
【0373】
カルボキシレート(特にカルボン酸エステル)、例えば、エーテルカルボキシレート、
スクシニル化モノグリセリド、ステアリルフマル酸ナトリウム、コハク酸化ステアロイル
プロピレングリコール水素、モノグリセリドおよびジグリセリドのモノ/ジアセチル酒石
酸エステル、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のグリセリ
ル/ラクトエステル、アシルラクチレート、脂肪酸のラクチルエステル、カルシウム/ナ
トリウムステアロイル-2-ラクチレート、カルシウム/ナトリウムステアロイルラクチ
レート、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール。
【0374】
脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、もしくはトリグリセリド、またはそれらの組み
合わせ。
陰イオン界面活性剤
【0375】
陰イオン界面活性剤は、以下の陰イオン界面活性剤から選択されうる。
【0376】
脂肪酸塩および胆汁塩、例えば、カプロン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプ
リン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ナトリウムミリス
トレート、パルミチン酸ナトリウム、パルミトレイン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、リシノール酸ナトリウム、リノール酸ナトリウム、リノレン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナ
トリウム、ジオクチルスルホサクシネート、コール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリ
ウム、グリココール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール
酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、ウルソデオキシコール酸ナトリウム
、ケソデオキシコール酸ナトリウム、タウロケソデオキシコール酸ナトリウム、グリコケ
ソデオキシコール酸ナトリウム、コリルサルコシン酸ナトリウム、N-メチルタウロコー
ル酸ナトリウム。
【0377】
リン脂質、例えば、卵/大豆レシチン、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、ホスフ
ァチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジル
グリセロール、ホスファチジルセリン。
【0378】
一般式RO-PO を有するリン酸エステル。ここで、R基は、エステル形成基
(例えば、アルキル、アルケニル、またはアリール基)であり、任意選択的に、PEG部
分によって置換されてアルキル、アルケニル、またはアリール基がリン酸部分に結合され
ている。Rは、長鎖(例えば、>C)のアルコールまたはフェノールの残基でありうる
。特定の例は、ジエタノールアンモニウムポリオキシエチレン10オレイルエーテルリン
酸、リン酸または無水物と脂肪アルコールまたは脂肪アルコールエトキシレートのエステ
ル化生成物を含む。
【0379】
硫酸塩およびスルホン酸塩(特にそのエステル)、例えば、エトキシ化アルキル硫酸塩
、アルキルベンゼンスルホン、α-オレフィンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、ア
シルタウレート、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、オクチルスルホコハク酸二
ナトリウム、二ナトリウムウンデシレンアミド-MEA-スルホサクシネート、アルキル
リン酸塩、およびアルキルエーテルホスフェート。
陽イオン界面活性剤
【0380】
陽イオン界面活性剤は、以下の陽イオン界面活性剤から選択されうる。
【0381】
臭化ヘキサデシルトリアンモニウム、塩化ドデシルアンモニウム、アルキルベンジルジ
メチルアンモニウム塩、ジイソブチルフェノキシエソキシジメチルベンジルアンモニウム
塩、アルキルピリジニウム塩、ベタイン(トリアルキルグリシン)、ラウリルベタイン(
N-ラウリル,N,N-ジメチルグリシン)、エトキシル化アミン、ポリオキシエチレン
-15ココナツアミン、アルキル-アミン/ジアミン/第四アミン、およびアルキルエス
テル。
乳化剤
【0382】
界面活性剤は、乳化剤として作用しうる。このような界面活性剤は、例えば、以下から
選択される非イオン性乳化剤を含む。トリセテアレス-4ホスフェート、エチレングリコ
ールパルミトステアリン酸、およびジエチレングリコールパルミトステアリン酸(例えば
、商標SEDFOSTM75で販売されている)の混合物。ソルビタンエステル、例えば
、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ソルビタンモノパルミタート
、ソルビタンモノステアレート(例えば、商標スパンTMで販売されている製品)、PE
G-8ミツロウ(例えば、商標ApifilTMで販売されている)。セチルアルコール
、セテス-20、およびステアレス-20の混合物(例えば、EmulcireTM61
WL2659)。モノステアリン酸グリセリルEP/NFおよびPEG-75パルミトス
テアレートの混合物(例えば、GeltoTM64)。PEG-6ステアレートおよびP
EG-32ステアレートの混合物(例えば、TefoseTM1500)。PEG-6パ
ルミトステアレート、エチレングリコールパルミトステアレート、およびPEG-32パ
ルミトステアレートの混合物(例えば、TefoseTM63)。トリグリセロールジイ
ソステアレート(例えば、商標Plurol DiisosteariqueTMで販売
されている製品)。ポリグリセリル-3ジオレエート(例えば、商標PlurolTM
leiqueで販売されている製品)。
他の賦形剤
【0383】
任意選択的に、本製剤は、以下の追加の物質または物質のカテゴリーの1つ以上を包含
する。例えば、本製剤は、タンパク質分解酵素抑制剤もしくは酸分解に対する保護剤また
は両方(例えば、アルカリ、例えば水酸化ナトリウム)などの保護剤;粘液接着剤または
生体接着剤などの接着剤エンティティ;有効成分の溶解度を最大にする賦形剤;消化管中
の有効成分の浸透性を最大にする賦形剤、を包含しうる。上皮バリアの透過性を高めるた
めの一般的な賦形剤は、カプリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、パルミチン酸ナ
トリウム、SNAC、キトサンおよびその誘導体、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリエーテ
ル、胆汁酸塩、リン脂質、アルキルポリグルコシド、ヒドロキシラーゼ阻害剤、抗酸化剤
(例えば、アスコルビン酸)、および/または一酸化窒素供与体を含むが、これらに限定
されない。前述のリストは、回腸での透過性を高めるために特に重要である。
【0384】
結腸での透過性を高めるために、典型的な賦形剤は、カプリン酸ナトリウム、ドデカン
酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、SNAC、キトサンおよびその誘導体、脂肪酸
、脂肪酸エステル、ポリエーテル、胆汁酸塩、リン脂質、アルキルポリグルコシド、ヒド
ロキシラーゼ阻害剤、抗酸化剤、および/または一酸化窒素供与体(さまざまな薬学的有
効成分に共有結合している一酸化窒素供与体基を含む)を含むが、これらに限定されない
【0385】
本製剤は、回腸および結腸での有効成分(例えば、シクロスポリンAまたは他の免疫抑
制剤)の治療可能性を高めるための賦形剤をさらに含みうる。また、それは、吸収制限剤
、精油(例えば、オメガ3油)、天然植物抽出物(例えば、ニーム)、イオン交換樹脂、
細菌分解性結合リンカー(例えば、アゾ結合)、多糖類(例えば、アミロース、グアーガ
ム、ペクチン、キトサン、イヌリン、シクロデキストリン、コンドロイチン硫酸、デキス
トラン、グアーガム、およびローカストビーンガム)、核因子カッパB阻害薬、酸(例え
ば、フマル酸、クエン酸その他)、ならびにこれらの修飾物を含むが、これらに限定され
ない。
【0386】
本製剤は、消化管(例えば、小腸など)での特定の有効成分(例えば、シクロスポリン
または他の免疫抑制剤)の吸収に関連した全身性副作用を低減するための賦形剤をさらに
含みうる。また、それは、酸化防止剤(例えば、クルクミノイド、フラボノイド)を含み
、より具体的には、クルクミン、βカロチン、αトコフェロール、アスコルビン酸、また
はラザロイドを含むが、これらに限定されない。
【0387】
本製剤は、さらにまたは別々に、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸もしくはBHT
(ブチルヒドロキシトルエンなど)味マスキングまたは感光性成分または光防護成分を含
みうる。酸化防止剤は、水相(例えば、親水性の酸化防止剤)中またはコアの分散相(例
えば、ビタミンEなどの疎水性酸化防止剤)中に、例えば、1重量%以下、好ましくは、
0.01~0.50重量%、より好ましくは、0.10~0.20重量%、加えうる。
【0388】
本製剤は、ビタミンA/B/C/Eなどの免疫増強栄養素をさらに含みうる。本製剤は
、特に、回腸および/または結腸(例えば、結腸)を標的とする免疫抑制剤の場合のよう
に、免疫抑制剤を包含する場合には、カロテノイド/ベータカロチンおよび鉄、マンガン
、セレン、亜鉛を含みうる。このような栄養素は、製剤中に存在しうる、または、その製
剤がコーティングを有する場合(例えば、ビーズの形態である場合)、その栄養素は、そ
のコーティングに含まれうる。
【0389】
また、本製剤は、着色剤や矯味剤、希釈剤、充填剤、結合剤などを含む、医薬製剤で使
用される他の周知の賦形剤も含みうる。このような任意選択的な追加の成分の存在は、も
ちろん、採用する特定の剤形に依存する。
有効成分
【0390】
本発明の医薬組成物および方法の使用に適した有効成分は、特に限定されない。なぜな
ら、本組成物は、本コーティングを有しない製剤と比較して、本製剤からの有効成分の総
放出量が増加しおよび/または有効成分の放出速度が増加することを実現しつつ、驚くべ
きことに、物理化学的特性が広く異なる有効成分を伝達することができるからである。有
効成分は、親水性、親油性、両親媒性、または疎水性でありうる。有効成分は、本製剤に
可溶化されうる。有効成分は、本製剤中に懸濁されうる。有効成分は、動物(特に、ヒト
または他の哺乳動物)に投与された時に(本発明の製剤は、特に、ヒトまたは他の哺乳動
物への投与のためである)、治療的または他の価値を有する任意の化合物または化合物の
混合物(例えば、薬物、栄養素、薬用化粧品、診断薬、栄養剤)であることができる。特
に、有効成分は、薬学的に活性である。当然のことながら、親水性か疎水性かの有効成分
分類は、使用される特定の塩、異性体、類似体、および誘導体に応じて、変わりうる。有
効成分は、本明細書の実施例に記載したものでありうる。
【0391】
有効成分物質は、疎水性でありうる。疎水性の有効成分は、ほとんどまたは全く水溶性
を有しない化合物である。疎水性有効成分に固有の水溶解度(つまり、非イオン化形態の
水溶性)は、約1重量%未満、典型的には、約0.1または0.01重量%未満でありう
る。特に、有効成分は、疎水性薬物である。
【0392】
適切な疎水性有効成分は、薬効分類に限定されず、例えば、以下のものであることがで
きる。鎮痛剤、抗炎症剤、駆虫薬、抗不整脈薬、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗凝固剤、抗
うつ薬、抗糖尿病、抗てんかん薬、抗真菌剤、抗痛風薬、抗高血圧薬、抗マラリア薬、抗
片頭痛薬、抗ムスカリン薬、抗腫瘍薬、勃起不全改善剤、免疫抑制剤、抗原虫剤、抗甲状
腺薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、神経弛緩薬、β遮断薬、強心薬、コルチコステロイド
、利尿薬、抗パーキンソン薬、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗剤、ヒドロキシラーゼ阻害
剤(例えば、アスパラギンヒドロキシラーゼ阻害剤、プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤)
、角質溶解剤、脂質調節剤、抗狭心症薬、COX-2阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、マ
クロライド、筋弛緩薬、栄養剤、オピオイド鎮痛薬、プロテアーゼ阻害薬、性ホルモン、
刺激薬、筋弛緩薬、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、認知増強剤、抗尿失禁薬、栄養オイル、抗
良性前立腺肥大薬、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、およびこれらの混合物。
【0393】
適切な疎水性有効成分の特定の非限定的な例は、以下の通りである。アシトレチン、ア
ルベンダゾール、アルブテロール、アミノグルテチミド、アミオダロン、アムロジピン、
アンフェタミン、アムホテリシンB、アトルバスタチン、アトバコン、アジスロマイシン
、バクロフェン、ベクロメタゾン、ベナゼプリル、ベンゾナテート、ベタメタゾン、ビカ
ルタミド、ブデソニド、ブプロピオン、ブスルファン、ブテナフィン、カルシフェジオー
ル、カルシポトリエン、カルシトリオール、カンプトテシン、カンデサルタン、カプサイ
シン、カルバマゼピン、カロチン、セレコキシブ、セリバスタチン、セチリジン、クロル
フェニラミン、コレカルシフェロール、シロスタゾール、シメチジン、シンナリジン、シ
プロフロキサシン、シサプリド、クラリスロマイシン、クレマスチン、クロミフェン、ク
ロミプラミン、クロピドグレル、コデイン、コエンザイムQ10、シクロベンザプリン、
シクロスポリン、ダナゾール、ダントロレン、デクスクロルフェニラミン、ジクロフェナ
ク、ジクマロール、ジゴキシン、デヒドロエピアンドロステロン、ジヒドロエルゴタミン
、ジヒドロタキステロール、ジリスロマイシン、DMOG、ドネゼピル、エファビレンツ
、エプロサルタン、エルゴカルシフェロール、エルゴタミン、必須脂肪酸源、エトドラク
、エトポシド、ファモチジン、フェノフィブラート、フェンタニル、フェキソフェナジン
、フィナステリド、フルコナゾール、フルルビプロフェン、フルバスタチン、ホスフェニ
トイン、フロバトリプタン、フラゾリドン、ガバペンチン、ゲムフィブロジル、グリベン
クラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリセオフルビン、ハロファントリ
ン、イブプロフェン、イルベサルタン、イリノテカン、イソソルビドジニ、イソトレチノ
イン、イトラコナゾール、イベルメクチン、ケトコナゾール、ケトロラク、ラモトリギン
、ランソプラゾール、レフルノミド、リシノプリル、ロペラミド、ロラタジン、ロバスタ
チン、L-チロキシン、ルテイン、リコピン、メドロキシプロゲステロン、ミフェプリス
トン、メフロキン、酢酸メゲストロール、メタドン、メトキサレン、メトロニダゾール、
ミコナゾール、ミダゾラム、ミグリトール、ミノキシジル、ミトキサントロン、モンテル
カスト、ナブメトン、ナルブフィン、ナラトリプタン、ネルフィナビル、ニフェジピン、
ニソルジピン、ニルタミド、ニトロフラントイン、ニザチジン、オメプラゾール、オプレ
ベルキン、エストラジオール、オキサプロジン、パクリタキセル、パリカルシトール、パ
ロキセチン、ペンタゾシン、ピオグリタゾン、ピゾフェチン、プラバスタチン、プレドニ
ゾロン、プロブコール、プロゲステロン、プソイドエフェドリン、ピリドスチグミン、ラ
ベプラゾール、ラロキシフェン、ロフェコキシブ、レパグリニド、リファブチン、リファ
ペンチン、リメキソロン、リトナビル、リザトリプタン、ロシグリタゾン、サキナビル、
セルトラリン、シブトラミン、クエン酸シルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、
スピロノラクトン、ステロイド、スマトリプタン、タクリン、タクロリムス、タモキシフ
ェン、タムスロシン、ターグレチン、タザロテン、テルミサルタン、テニポシド、テルビ
ナフィン、テラゾシン、テトラヒドロカンナビノール、チアガビン、チクロピジン、チロ
フィバン、チザニジン、トピラメート、トポテカン、トレミフェン、トラマドール、トレ
チノイン、トログリタゾン、トロバフロキサシン、ユビデカレノン、バルサルタン、ベン
ラファキシン、ベルテポルフィン、ビガバトリン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE
、ビタミンK、ザフィルルカスト、ジロートン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、および
ゾピクロン。もちろん、以上に列挙した疎水性有効成分の塩、異性体、および誘導体も、
混合物とともに、使用されうる。
【0394】
以上に列挙した疎水性有効成分のうち
、特に以下のものを挙げうる。セレコキシブ、シクロスポリンおよび特にシクロスポリン
A、シロリムス、ステロイド、タクロリムス、薬学的に許容される塩、異性体、およびこ
れらの誘導体、ならびにこれらの混合物。有効成分は、任意選択的に、セレコキシブでな
くてもよい。
【0395】
有効成分は、親水性でありうる。また、両親媒性化合物も、親水性有効成分のクラスに
含まれる。親水性有効成分に対する明らかな水溶解度は、約0.1重量%よりも大きく、
典型的には約1重量%よりも大きい。特に、親水性有効成分は、親水性薬物である。親水
性有効成分は、薬用化粧品、診断薬、または栄養剤でありうる。
【0396】
適切な親水性有効成分は、薬効分類に限定されず、例えば、以下のものであることがで
きる。鎮痛剤、抗炎症剤、駆虫薬、抗不整脈薬、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗凝固剤、抗
うつ薬、抗糖尿病、抗てんかん薬、抗真菌剤、抗痛風薬、抗高血圧薬、抗マラリア薬、抗
片頭痛薬、抗ムスカリン薬、抗腫瘍薬、勃起不全改善剤、免疫抑制剤、抗原虫剤、抗甲状
腺薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、神経弛緩薬、β遮断薬、強心薬、コルチコステロイド
、利尿薬、抗パーキンソン薬、胃腸薬、ヒスタミン受容体拮抗剤、ヒドロキシラーゼ阻害
剤(例えば、アスパラギンヒドロキシラーゼ阻害剤、プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤)
、角質溶解剤、脂質調節剤、抗狭心症薬、COX-2阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、マ
クロライド、筋弛緩薬、栄養剤、オピオイド鎮痛薬、プロテアーゼ阻害薬、性ホルモン、
刺激薬、筋弛緩薬、抗骨粗鬆症薬、抗肥満薬、認知増強剤、抗尿失禁薬、栄養オイル、抗
良性前立腺肥大薬、必須脂肪酸、非必須脂肪酸、およびそれらの混合物。
【0397】
同様に、親水性の有効成分は、サイトカイン、ペプチド模倣物、ペプチド、タンパク質
、トキソイド、血清、抗体、ワクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、遺伝物質の一部、
核酸、またはそれらの混合物であることができる。
【0398】
適切な親水性有効成分の特定の非限定的な例は、以下の通りである。アカルボース;ア
シクロビル;アセチルシステイン;アセチルコリン塩化物;アラトロフロキサシン;アレ
ンドロネート;アグルセラーゼ;アマンタジン塩酸塩;アンベノニウム;アミフォスチン
;アミロライド塩酸塩;アミノカプロン酸;アムホテリシンB;抗血友病因子(ヒト)、
抗血友病因子(ブタ);抗血友病因子(組換え)、アプロチニン;アスパラギナーゼ;ア
テノロール;アトラクリウムベシル酸塩;アトロピン;アジスロマイシン;アズトレオナ
ム;BCGワクチン;バシトラシン;ベカレルミン;ベラドナ;ベプリジル塩酸塩;ブレ
オマイシン硫酸塩;カルシトニン(ヒト);カルシトニン(サケ);カルボプラチン;カ
ペシタビン;硫酸カプレオマイシン;セファマンドールナファテ;セファゾリンナトリウ
ム;セフェピム塩酸塩;セフィキシム;セフォニシドナトリウム;セフォペラゾン;セフ
ォテタン二ナトリウム;セフォタキシム;セフォキシチンナトリウム;セフチゾキシム;
セフトリアキソン;セフロキシムアキセチル;セファレキシン;セファピリンナトリウム
;コレラワクチン;絨毛性ゴナドトロピン;シドフォビル;シスプラチン;クラドリビン
;臭化クリジニウム;クリンダマイシンおよびクリンダマイシン誘導体;シプロフロキサ
シン;クロドロネート;コリスナトリウム;コリスチン硫酸塩;副腎皮質刺激ホルモン;
コシントロピン;クロモグリク酸ナトリウム;シタラビン;ダルテパリンナトリウム;ダ
ナパロイド;デスフェリオキサミン;デニロイキンディフティトックス;デスモプレシン
;ジアトリゾメグルミンおよびジアトリゾ酸ナトリウム;ジサイクロミン;ジダノシン;
ジリスロマイシン;ドーパミン塩酸塩;ドルナーゼアルファ;塩化ドキサクリウム;ドキ
ソルビシン;エチドロン酸二ナトリウム;エナラプリラト;エンケファリン;エノキサパ
リン;エノキサプリンナトリウム;エフェドリン;エピネフリン;エポエチンアルファ;
エリスロマイシン;エスモロール塩酸塩;第IX因子;ファムシクロビル;フルダラビン
;フルオキセチン;ホスカルネットナトリウム;ガンシクロビル;顆粒球コロニー刺激因
ン;グルカゴン;グリコピロレート;ゴナドトロピン放出ホルモンおよびその合成類似体
;GnRH;ゴナドレリン;グレパフロキサシン;ヘモフィルスBコンジュゲートワクチ
ン;不活性化A型肝炎ウイルスワクチン;不活性化B型肝炎ウイルスワクチン;ヘパリン
ナトリウム;ヒドララジン、硫酸インジナビル。インフルエンザウイルスワクチン。イン
ターロイキン-2;インターロイキン-3;インスリン-ヒト、インスリンリスプロ;イ
ンスリン-ブタ;インスリンNPH;インスリンアスパルト;インスリングラルギン;イ
ンスリンデテミル;インターフェロンα;インターフェロンβ;臭化イプラトロピウム;
イホスファミド;日本脳炎ウイルスワクチン;ラミブジン;ロイコボリンカルシウム;酢
酸ロイプロリド、レボフロキサシン;リンコマイシンおよびリンコマイシン誘導体;ロブ
カビル;ロメフロキサシン;ロラカルベフ;マンニトール;麻疹ウイルスワクチン;髄膜
炎菌ワクチン;メノトロピン;臭化メペンゾラート;メサラミン;メテナミン;メトトレ
キサート;メトスコポラミン;塩酸メトホルミン;メトプロロール;メズロシリンナトリ
ウム;塩化ミバクリウム;ムンプスウイルスワクチン;ネドクロミルナトリウム;ネオス
チグミン臭化物;ネオスチグミンメチル硫酸塩;ニューロンチン;ノルフロキサシン;酢
酸オクトレオチド;オフロキサシン;オルパドロネート;オキシトシン;パミドロン酸二
ナトリウム;臭化パンクロニウム;パロキセチン;ペフロキサシン;イセチオン酸ペンタ
ミジン;ペントスタチン;ペントキシフィリン;ペリシクロビル;ペンタガストリン;ペ
ントラミンメシレート;フェニルアラニン;サリチル酸フィゾスチグミン;ペストワクチ
ン;ピペラシリンナトリウム;血小板由来増殖因子-ヒト;多価肺炎球菌ワクチン;不活
性化ポリオワクチン;生ポリオワクチン(OPV);硫酸ポリミキシンB;プラリドキシ
ムクロリド;プラムリンチド、プレガバリン;プロパフェノン;プロパンテリンブロミド
;ピリドスチグミンブロミド;狂犬病ワクチン;リセドロネート;リババリン;リマンタ
ジン塩酸塩;ロタウイルスワクチン;キシナホ酸サルメテロール;シネアリド;種痘;ソ
タロール;ソマトスタチン;スパルフロキサシン;スペクチノマイシン;スタブジン;ス
トレプトキナーゼ;ストレプトゾシン;塩化スキサメトニウム;タクリン塩酸塩;硫酸テ
ルブタリン;チオペタ;チカルシリン;チルドロネート;チモロール;組織型プラスミノ
ーゲン活性化因子;TNFR:Fc;TNK-tPA;トランドラプリル;グルコン酸ト
リメトレキサート;トロスペクチノマイシン;トロバフロキサシン;塩化ツボクラリン;
腫瘍壊死因子;腸チフス生ワクチン;尿素;ウロキナーゼ;バンコマイシン;バラシクロ
ビル;バルサルタン;水痘生ウイルスワクチン;バソプレシンおよびバソプレシン誘導体
;臭化ベクロニウム;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ビタミンB12
;ワルファリンナトリウム;黄熱病ワクチン;ザルシタビン;ザナミビル;ゾレンドロネ
ート;ジドブジン;薬学的に許容される塩、異性体、およびそれらの誘導体;ならびにこ
れらの混合物。
【0399】
以上に列挙した親水性有効成分のうち、特に、ヒドララジンおよびメサラミンを挙げう
る。
【0400】
任意選択的に、有効成分は、シクロスポリンA、ヒドララジン、メサラミン、またはセ
レコキシブでありうる。
形状、サイズ、および構造(geometry)
【0401】
本発明の製剤は、無数の形状およびサイズに形成することができる。本製剤を製するプ
ロセスを記載する以下のセクションにおいて、分散液を金型(ここで分散液が硬化しまた
は硬化させることができる)に注入または導入することを含む、さまざまな方法が与えら
れている。したがって、本製剤は、適切な金型(例えば、ディスク、ピル、またはタブレ
ットの形をしている)を作成することによって、所望されるどんな形でも作成することが
できる。しかし、金型を使用することは必須ではない。例えば、分散液を平らな表面(こ
こで分散液が硬化しまたは硬化させることができる)に注ぐことによって、本製剤をシー
ト状に形成しうる。
【0402】
好ましくは、本製剤は、以下に記載のように作られた球または球のような形状の形態で
ありうる。好ましくは、本発明の製剤は、ほぼ球形のシームレスミニビーズの形態である
。ミニビーズの表面に継ぎ目が存在しないことは、例えば、さらなる処理(例えば、コー
ティング)において、有利である。なぜなら、それによって、より一貫したコーティング
や流動性などが可能になるからである。また、ミニビーズ上の継ぎ目の不存在は、ビース
の溶解の一貫性をも向上させる。
【0403】
本発明に係るミニビーズの好適なサイズまたは直径の範囲は、ミニビーズの経口投与時
に胃の中の滞留を回避するように選択することができる。剤形が大きくなるほど、胃の中
の滞留期間が可変になり、食物と一緒にのみ幽門括約筋を通過するのに対し、粒子の大き
さが小さいほど、食物とは無関係に幽門を通過する。したがって、適切なサイズの範囲(
下記参照)を選択することによって、投与後の治療効果がより一貫したものになる。例え
ば、従来の圧縮された丸剤(compressed pill)のような単一の大きなモノリシック経口
用剤形と比較して、消化管に放出されたビースの集団(本発明の剤形によって予測される
)によって、腸管腔での分散が大きくなるため、より大きな上皮領域にさられることで吸
収が増進され、また、消化管の特定部分(例えば、結腸)におけるより大きな局所コーテ
ィングが実現される。回腸盲腸接合部での滞留時間の減少は、別の潜在的な利点である。
【0404】
好ましくは、本発明の製剤は、マトリックス材料の可能な薄皮を除くとともに、あらゆ
るコーティング層も除いて、内部的(つまり、断面的)に均質であるという意味で、モノ
リシックである。
【0405】
本発明の製剤によって提供されるミニビーズは、一般に、直径が0.5~10mmであ
り、上限は、好ましくは、5mm、例えば、2.5mmである。特に便利な上限は、2m
mまたは1.7mmである。下限は、好ましくは、1mm、例えば、1.2mm、より好
ましくは、1.3mm、最も好ましくは、1.4mmであることができる。一実施形態に
おいて、直径は、0.5~2.5mm、例えば、1~3mm、1~2mm、1.2~3m
m、または1.2~2mmである。ミニビーズは、その最小サイズに関係なく、2.5m
m以下の直径を有しうる。ビーズは、その最小サイズに関係なく、2mm以下の直径を有
しうる。
【0406】
本明細書に記載のミニビーズは、縦横比が、1.5以下、例えば、1.3以下、例えば
、1.2以下、特に、1.1~1.5、1.1~1.3、または1.1~1.2でありう
る。本明細書に記載のミニビーズの集団(例えば、少なくとも10個のビース)は、平均
縦横比が、1.5以下、例えば、1.3以下、例えば、1.2以下、特に、1~1.5、
1~1.3、または1~1.2でありうる。この段落で述べた縦横比は、任意選択的に、
コーティングされたミニビーズに適用され、また、任意選択的に、コーティングされてい
ないミニビーズに適用される。平均縦横比は、ミニビーズの集団(例えば、少なくとも1
0個のミニビース)に対して、粒径分析器、例えば、アイルランド国ダブリン18のIn
nopharma Labs社のEyeconTM粒子キャラクタライザーを用いて、適
切に決定される。
【0407】
したがって、本開示のミニビーズは、上記に開示されたサイズ、および、1~1.5の
縦横比を有しうる。本開示のビーズは、上記に開示されたサイズを有しうる、また、縦横
比が、1.3以下、例えば、1.2以下、特に、1.1~1.5、1.1~1.3、また
は1.1~1.2でありうる。
【0408】
ビーズのサイズ(直径)は、任意の適切な技術、例えば、顕微鏡、ふるい分け、沈降、
光学的検知帯法、電気的検知帯法、またはレーザー光散乱によって測定されうる。本明細
書のために、ビーズのサイズは、非特許文献5に従って分析ふるいによって測定される。
【0409】
複数の実施形態において、本発明のミニビーズは、単分散(monodisperse)である。他
の実施形態において、本発明のミニビーズは、単分散ではない。「単分散」とは、ビーズ
の集団(例えば、少なくとも100個、より好ましくは、少なくとも1000個)に対し
て、これらの直径の変動係数(CV)が、35%以下、任意選択的には、25%以下、例
えば、15%以下(例えば、10%以下)、任意選択的には、8%以下(例えば、5%以
下)、であることを意味する。ポリマービーズの特定のクラスは、CVが25%以下であ
る。CVは、本明細書において言及される場合、平均で割った100倍(標準偏差)とし
て定義される。ここで、「平均」は、平均粒径であり、標準偏差は、粒子径の標準偏差で
ある。このようなCV決定は、ふるいを使用して実行可能である。
【0410】
本発明は、CVが35%、平均直径が1~2mm(例えば、1.5mm)のミニビーズ
を含む。また、本発明は、CVが20%、平均直径が1~2mm(例えば、1.5mm)
のミニビーズ、および、CVが10%、平均直径が1~2mm(例えば、1.5mm)の
ミニビーズを含む。1つのクラスの実施形態において、90%のミニビーズは、0.5~
2.5mm(例えば、1~2mm)の直径を有する。
剤形
【0411】
本発明の製剤は、薬学的使用に適した経口投与剤形として調製される。本製剤がミニビ
ーズの形である実施形態において、本発明は、複数のミニビーズを含む剤形を、例えば、
カプセル(capsule)、タブレット(tablet)、スプリンクル(sprinkle)、またはサチ
ェット(sachet)として提供する。
【0412】
複数の実施形態において、ビーズの集団を含む剤形は、ビーズを例えば胃に放出する単
一の硬ゲルカプセルに例えば包含される単一の単位剤形で提供されうる。あるいは、ビー
ズは、食物の上に振り掛けられもしくは飲み物に振り入れられ、または、栄養チューブ(
例えば、経鼻胃チューブもしくは十二指腸栄養チューブ)を介して投与されることを可能
にするサチェットまたは他の容器の中に提供されうる。あるいは、ビースは、例えば、ビ
ースの集団が後述する単一タブレットに圧縮された場合には、タブレットとして投与され
うる。あるいは、ビースは、専門ボトルキャップに(例えば、圧縮されて)充填されうる
、または、密閉容器(もしくは密閉される容器)の特殊ボトルキャップもしくは他の要素
のスペースを埋めうる。これにより、例えばボトルキャップをねじった際に、ビースは、
そのボトルまたはバイアル内の流体または他の内容物中に放出されて、攪拌の有無を問わ
ずそのような内容物中に分散(または溶解)するようになる。一例は、イタリア国ミラノ
のヒューマナファーマインターナショナル(HPI)社(Humana Pharma International
(HPI) S.p.A)製のSmart Delivery Capである。
【0413】
剤形は、本発明のビーズが、例えば圧縮によって(当業者に周知の適切な油もしくは粉
末ベースの結合剤および/または充填剤と共に)より大きな塊のビーズを生成するように
さらに開発されることができるように、形成されうる。そのより大きな(例えば、圧縮さ
れた)塊は、それ自体、ピル形状やタブレット形状、カプセル形状などを含むさまざまな
形状をとりうる。このバージョンのビーズ実施形態が解決する特定の課題は、粉末または
ペレットで充填された硬ゲルカプセルで通常見られる、「デッドスペース(dead space)
」(沈降した粒子状の内容物の上)および/または「隙間(void space)」(粒子状内容
物要素の間)である。デッドスペース/隙間を有するそのようなペレットまたは粉末充填
カプセルにおいて、患者は、カプセルにそのようなデッドスペースがない場合に必要とさ
れるよりも大きいカプセルを飲み込むことが必要である。本発明の当該実施形態のビーズ
は、デッドスペース/隙間が大幅に低減されて(例えば、ほとんどなし)望ましいカプセ
ルまたはシェルのいずれかの内部形態を採用するカプセルに容易に圧縮されうる。あるい
は、デッドスペースまたは隙間は、賦形剤(例えば、不活性でありうる油など)にビーズ
を懸濁することによって利益を得るのに用いることができる、または、例えば、浸透性の
向上もしくは向上された溶解などの機能的特性を有しうる、または、ビーズ中の任意の有
効成分と同一もしくは異なる有効成分を含みうる。例えば、硬ゼラチンまたはHPMCカ
プセルは、コーティングされていないビースおよび/またはコーティングされているビー
ズと組み合わされた液体媒体で充填されうる。液体媒体は、本明細書に記載の界面活性剤
相成分の1つ以上でありうる、または、それは、1つ以上の界面活性剤でありうる。特に
好適であるが非限定的な例は、トウモロコシ油、ソルビタントリオレエート(商標スパン
85で販売されている)、プロピレングリコールジカプリロカプレート(商標ラブラファ
クで販売されている)、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール(商標トランスクトー
ルPで販売されている)、およびポリソルベート80(商標Tween80で販売されて
いる)。
【0414】
代表的な実施形態において、剤形のビーズは、本明細書中に記載のように、例えば、少
なくとも以下の材料、つまり、ヒドロゲル形成ポリマーと、シクロスポリンA、適切には
、疎水性材料(油など)に溶解されたシクロスポリンAとを混合して、シクロスポリンA
をヒドロゲル形成ポリマーに分散させることによって調製される。分散は、単一のオリフ
ィスノズルから適切な冷却液への吐出によって固化ビーズ内に固定される。乾燥用液体を
除去した後、ビーズを放出調節コーティング(第2のコーティング)でコーティングし(
適切には、放出調節コーティングの下でサブコーティングにより)、コーティングされた
ビーズを、薬学的使用に適したゼラチンまたはHPMCカプセルに充填する。
【0415】
適切には、剤形は、0.1~1000mg、任意選択的には、1~500mg、例えば
、10~300mg、または25~250mg、適切には、約25mg、約35mg、約
50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約180mg、約200mg、約
210mg、または約250mgのシクロスポリンAを含有する経口投与用の単位剤形と
して調製される。
内容物の決定および製剤の分布
【0416】
本発明に係る製剤の成分の1つ以上の同一性および/または分布は、当業者に周知の任
意の方法によって決定することができる。製剤の1つ以上の成分の分布は、例えば、近赤
外(NIR)化学画像化技術によって決定することができる。NIR化学画像化技術は、
製剤(例えば、ミニビーズ)の表面または断面の画像を生成するのに使用することができ
る。この技術によって生成された画像は、本製剤の1つ以上の成分の分布を示す。NIR
化学画像化技術に加えて、ミニビーズのような製剤の1つ以上の成分の分布は、例えば、
飛行時間型二次イオン質量分析(ToFSIMS)によって決定することができる。To
FSIMSイメージングは、製剤中の1つ以上の成分の分布を明らかにすることができる
。ToFSIMS分析またはNIR分析によって生成された画像は、製剤の表面または製
剤の断面にわたる成分の分布を示すことができる。この段落に記載された方法は、例えば
、ポリマーマトリックス(例えば、乾燥した、コロイド、溶液、または分散液)を含む製
剤に適用可能である。
製造プロセス
【0417】
本発明の製剤を調製するために、さまざまな方法を使用しうる。
【0418】
本製剤が水不溶性ポリマーマトリックス中に有効成分を含む実施形態において、コアを
作製するための基本的な方法は、液体形態のマトリックス材料、例えば、水不溶性ポリマ
ーマトリックス材料(例えば、ポリ(アミド)、ポリ(アミノ酸)、ヒアルロン酸;リポ
タンパク質;ポリ(エステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ウレタン)もしくはポ
リ(アクリルアミド)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)、および対応する共重合体
(ポリ(ラクチド-コ-グリコリド酸;PLGA);シロキサン、ポリシロキサン;ジメ
チルシロキサン/メチルビニルシロキサン共重合体;ポリ(ジメチルシロキサン/メチル
ビニルシロキサン/メチルヒドロゲンシロキサン)ジメチルビニルまたはトリメチル共重
合体;シリコーンポリマー;アルキルシリコーン;シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸
カルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、珪藻土シリカなど
、本明細書の他の箇所ではもっと一般的に記載されている)を有効成分と混合して、懸濁
液、溶液、またはコロイドの形態をとりうる混合物を形成することである。混合物は、コ
アを形成するために処理される。例えば、本製剤は、ビーズを形成するために、成形また
はホットメルト押出法を用いて、所望の形状に成形されうる。
【0419】
有効成分および水溶性ポリマーマトリックスを含むコアを調製する方法は、以下に記載
されている。一般に、これらのコアは、本発明の最終製剤を与えるためにコーティングさ
れている。
【0420】
一般に、本明細書に記載された製造プロセスは、液体(複数可)の混合を含む。このよ
うな混合プロセスは、液体状態で混合すべき物質が液体形態である時の温度で行われなけ
ればならない。例えば、熱可逆性ゲル化剤は、それが液体状態である温度、例えば、50
~75℃、例えば、50~70℃、または55~75℃、例えば、60~70℃、特定の
実施形態では、水性ゼラチンを含む製剤を混合する場合、約55℃または65℃、の温度
で混合されなければならない。同様に、製剤の他の成分は、分散相で使用されうる成分(
例えば、ワックスまたは界面活性剤)を溶融するために加熱する必要がありうる。
【0421】
本明細書に開示された、ヒドロゲル形成ポリマーと有効成分とを含むコアは、例えば水
、ヒドロゲル形成ポリマー、および界面活性剤を含む材料を混合して水性連続相を形成し
、分散相を混合することによって、製造しうる。水相と分散相の少なくとも一方は、薬学
的有効成分を含み、その有効成分は、それを含む相に溶解してうる。例えば、両方の相は
、これらが混合される前には、透明な液体でありうる。例えば、分散相は、コロイドを形
成するために水性相と、有効成分とを含みうる(例えば、分散相は、油、任意の溶媒、シ
クロスポリンAまたは他の疎水性有効成分、および界面活性剤を含む)。有効成分は、特
に、疎水性有効成分(例えば、シクロスポリンA)でありうる、あるいは、それは、親水
性の有効成分、または、例えば疎水性有効成分と親水性の有効成分を含む組み合わせであ
りうる。コロイドは、分散相が水性連続相中に分散されたエマルションまたはマイクロエ
マルションの形態を有しうる。ヒドロゲル形成ポリマーは、その後、ゲル化される。適切
には、本プロセスは、コア製剤を所望の形態(例えば、ビーズ(ミニビーズと呼ばれる)
)に形成しまたは処理することを含む。この成形プロセスは、成形を含みうるが、好まし
くは、単一オリフィスノズルを介してコロイド水を吐出して液滴を形成することを含む。
液滴は、冷却媒体(例えば、水不混和性の冷却液)に入り、ここで冷却されて例えばビー
スを形成する。
【0422】
材料の混合は、水性プレミックス(または水相)と分散相プレミックス(例えば、油相
プレミックス)とを混合することを含みうる。ここで、水性プレミックスは、水および水
溶性物質を含み、分散相プレミックスは、有効成分を含む賦形剤を含みうる。賦形剤は、
疎水性液体(例えば、液状脂質)でありうる、または、それは、自己集合構造を形成する
材料(例えば、界面活性剤)であり又は含みうる。特に、分散相プレミックスは、有効成
分(例えば、シクロスポリンA)、油、および他の油溶性成分(例えば、界面活性剤)、
および任意選択的な溶媒を含みうる。プレミックスは、前述のように、自身が形成する相
に適した1つ以上の界面活性剤を含有しうる。
【0423】
水性プレミックスを含むか、または通常の水溶性成分の水溶液、すなわちヒドロゲル形
成ポリマーおよび水溶性賦形剤(複数可)、およびマトリックス相宛ての水溶性の有効成
分から構成される。本明細書の他の箇所に記載の水性プレミックスは、ヒドロゲル形成ポ
リマーのための可塑剤を含みうる。水性プレミックスは、例えば、界面活性剤を含みうる
、ポリマー粘度を増加させ、乳化を改善し、それによって、処理中の活性剤の沈殿を防止
するのに役立つ。SDSは、そのような界面活性剤の例である。いずれにせよ、水性プレ
ミックスの成分は、完成水性プレミックスを形成するために1時間から12時間、例えば
、成分を溶融溶解するのに十分な時間撹拌することができる。
【0424】
自己集合の成分を含む油、または液体中を含む液体、例えば、上述したように分散相プ
レミックスは、分散又は好ましくはビヒクル中の溶液のような疎水性の有効成分を含みう
る。例えば、油相プレミックスは、したがって、液体脂質、例えば中鎖トリグリセリド(
MCT)製剤、C~C12脂肪族から選択される少なくとも1つの脂肪酸の1つ以上の
トリグリセリドである中鎖トリグリセリド(複数可)でありうる。酸、およびシクロスポ
リンAまたは他の疎水性の有効成分。好適には、油相プレミックスは、油中の有効成分の
溶液を形成するために、周囲温度で撹拌する。いくつかの実施形態では、油相プレミック
スの成分は、予備混合物を形成するために混合(または攪拌)の期間、例えば、3時間1
0分である。分散相プレミックスは、例えば、マイクロ粒子またはナノ粒子のための粒子
状の親水性の有効成分を含みうる。微粒子有効成分は、含む、または油からなるビヒクル
中に懸濁することができる液体脂質。
【0425】
2つのプレミックスは、適切に5分の中で分散相の分散液を形成するために、時間を、
30秒から1時間に合わせて、撹拌、時間に数秒の期間、例えば、することができる。そ
の後、さらに加工することができる分散水性ヒドロゲル形成ポリマーは、最終製剤を形成
する。2プレミックスを混合容器中で撹拌することにより分散体に結合されうる。それら
は、追加的または代替的に連続フローミキサー中で組み合わせうる。
【0426】
分散相が粒子である場合、製造プロセスは、2つの液体プレミックスを組み合わせ伴わ
ないかもしれないが、その代わりに、連続相(水、ヒドロゲル形成ポリマーおよび任意の
他の成分を形成する液体に直接微粒子成分を組み合わせることを含むことができる)、ま
たは液体の前駆体に。そこそれによって分散微粒子有効成分を含む液体を形成し、この分
散液をゲルにポリマーを引き起こすまたは可能に含む方法によってコアに形成されている
【0427】
有効成分およびヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含むコアを製造するための基本
的な方法は、したがって、有効成分と液体形態のヒドロゲル形成ポリマー(またはポリマ
ーの混合物)(好ましくは溶液)を混合することです(および他の分散相成分)は、後工
程でヒドロゲルを形成するポリマー中に分散液を形成します。この方法は、通常、水性ポ
リマー相プレミックスと分散相プレミックスを一緒に混合することを含みます。必要な最
終製剤のアカウントを(本明細書の他の箇所に記載されるように)取る、分散相プレミッ
クスと液体ヒドロゲル形成ポリマー(ヒドロゲル形成ポリマー、すなわち溶液又は懸濁液
は、1)からの重量比で混合してもよいです。1:10~1、特に1:4~1:9、例え
ば7:1~5:1です。一般に、成分のみ穏やかな攪拌は、例えば、磁気または機械的な
システムを使用して必要とされますオーバーヘッド攪拌機としては、例えば、エマルショ
ンまたはマイクロエマルションの形態であってもよいコロイドを(形成するために水性相
中に分散相の分散を達成するために、当業者によく知られるであろう水性ヒドロゲルで連
続相)です。連続的な攪拌が好ましいです。混合はまた、インライン混合システムを用い
て達成することができます。任意の適切な実験用攪拌装置又は工業規模のミキサーは、例
えば、この目的(KNFまたはフィッシャー)(スチュアート製)マグネティックスター
ラーまたはオーバーヘッドスターラーに利用することができます。例えば、水、等のコン
テンツの蒸発を最小限にするように装置を設定することが好ましいです。本発明の方法の
一実施形態では、この目的を達成するために攪拌するための閉鎖システムを利用すること
が好ましいです。インライン混合は、密閉系の処理のために特に適切であり得ます。好適
には二つの成分を混合すると、70℃を50の温度で行われる、または55~75℃で、
例えば60~70℃。
【0428】
コロイド中の2つの相の結果の混合は、前記水性ヒドロゲル形成ポリマーは、水性連続
相および水相に溶解しない成分は、分散相されています。コロイドは、エマルションまた
はマイクロエマルションの形態を有していてもよいです。
【0429】
分散相であるか、または界面活性剤を含む、界面活性剤の量は、水性プレミックスと分
散相プレミックスの組み合わせに、合成混合物中の界面活性剤濃度がCMCを超えるよう
なことが選択されてもよい実施形態ではミセルは、ヒドロゲル形成ポリマーを含む水相中
に形成されるように使用される界面活性剤のために。使用される界面活性剤の濃度に応じ
て、ミセル以外の自己集合構造も形成することができます。水溶液中第2版、第2章、H
olmbergのら界面活性剤およびポリマーで説明したように特定の界面活性剤のため
のCMCは、例えば、周知の方法を用いて決定することができます。水相と界面活性剤が
ヒドロゲル形成ポリマーを含む水性相が連続相である透明な液体、例えばマイクロエマル
ションの形成をもたらすことができるか、または含む分散相を混合する実施態様です。マ
イクロエマルションは、水相中の自己集合構造の熱力学的に安定な分散液であり、自己集
合構造のサイズは、透明な外観を与えるために十分に小さくあります。水と界面活性剤相
との混合に起因する分散相として存在する自己集合構造の大きさは、例えば、約0.5n
mから200nm、50nm~約1nm、又は25nmから約5nmであってもよいです
。自己集合構造の大きさが形成され、そのような製剤(例えば、マイクロエマルション)
の光学等方性など他の特性は、動的光散乱のような周知の技術を用いて決定することがで
きます。
【0430】
ポリマーマトリックスは、実質的にソルビトールを添加してゼラチンから成る場合には
、ポリマーマトリックスの水相を(所望により界面活性剤)、水を約50~75℃に加熱
し、ソルビトールの適切な量を添加することにより調製されます。例えば60から75℃
の溶液中までと正確な順序および添加のタイミングは重要ではないですが、その後、ゼラ
チンを加えます。典型的な「ゼラチン溶液」は、8~35%(例えば15%~25%、好
ましくは17-18%)ゼラチンを含みます。65%~85%の水(好ましくは77から
82パ~セント)プラス1から5パーセントから(好ましくは1.5~3%)ソルビトー
ル。存在する場合、すべての部分が水相の重量による前記水性相プレミックス中の界面活
性剤(例えば、陰イオン界面活性剤)(好ましくは0.5~4%)0.1~5%の量で存
在することができます。
【0431】
標準的なゼラチンのために必要な処理温度は、例えば、所望の標的温度に低減すること
ができ、必要に応じて37℃、例えば、アルギン酸ナトリウムなどの低い融点ゼラチン(
またはゼラチン誘導体または融点減速とゼラチンの混合物)、または他のポリマーマトリ
ックス材料を使用することによって。ゼラチン液滴は機械押出によって形成され、すぐに
冷却されている場合、例えば冷却浴中で、ビーズノズルまたは他のdroplettin
gプロセスから非常にすぐに排出する前に、追加の適切な入口チューブは高温流体ゼラチ
ン溶液に周囲温度でシクロスポリンAを含有する油相を導入することができる(その混合
物を直ちに均質化することができます)このような高温ゼラチンへのシクロスポリンAの
曝露の持続時間は非常に有効成分の任意の熱依存性分解の程度を減少させる制限されます
。このプロセスは、例えば、ホモジナイザー、例えば、などの任意の適切なデバイスを使
用することができます2008/132707(シグモイドファーマ)本明細書中に参考
として援用された全体WO例に記載のように押し出し型装置と一緒にネジホモジナイザー
【0432】
コロイドは、上記のように撹拌しながら液体水性相と分散相プレミックスまたは微粒子
有効成分の組み合わせによって形成されます。得られたコロイド分散液は、その後、上記
の固化コアのが、コア製剤中になお存在する液体の水を含む製剤を持っています。
【0433】
任意選択で有効成分が水相および有効成分に加えてビヒクルを含むタイプの分散相の他
の成分を混合した後に添加することができるが、有効成分が他と一緒に添加することが好
ましいです。プレミックスとして分散相の構成要素。
【0434】
得られたコロイドは、ポリマーマトリックスを含有する水相は、凝固に、形式をとるよ
うに他の流体中に注ぎ、または型または他の容器に導入またはシート上またはシートまた
は配信滴下(または押出成形)の間に注がれます意図した金型、容器、シートまたは液滴
/ビーズの。例えば、金型が形成へと進行することが好ましいです遅滞なくビーズ。
【0435】
凝固(ゲル化)型、容器、シート、液滴/ビーズ等の周囲の温度を変化させることによ
って、または凝固液を塗工またはそう溶液を硬化させることにより、例えば、マトリック
スのポリマーに応じてさまざまな方法で発生することができ成形形状は、ゲル化または固
化されます。特定の実施形態では、温度変化および固化流体又は硬化溶液のアプリケーシ
ョンの両方を一緒に、または同時に使用されます。
【0436】
有効成分を含むコアはビーズの形をとる、好ましい実施形態では、ビーズは、凝固をも
たらす流体中にコロイド滴下して滴下することにより、例えば形成されてもよいです。ビ
ーズすべき製剤の粘度が特定のポイントに到達した場合には、形成がより困難になり、特
殊な装置が次に好ましいドロップします。
【0437】
用語「乾燥」を使用することにより、固体または固化水性外部相が水を実質的に含まな
いことをかなり(これを排除するものではないが)、乾燥工程は、乾燥コアを製造するた
めに必要であることを意味しようとしていませんまたは利用可能な水の自由。水相(外相
)の固化は、化学的に(例えば架橋によって)または物理的(例えば、冷却または加熱に
よる)を含む、さまざまな手段を介して生じている可能性があります。この点において、
用語「水相」は、それにもかかわらず、水は、特定の実施形態において、大部分には存在
しない(または架橋マトリックス内に捕捉された)であっても、コアの外部(連続)相を
示すために、本書で使用されますコア。コアの外部相は、しかしながら、水溶性であり、
水性媒体に溶解します。
【0438】
凝固温度を上昇または低下させることによって達成することができる場合には、凝固液
の温度は、所望の速度でコアの凝固を達成するように適合させることができます。ゼラチ
ンは、ヒドロゲル形成ポリマーとして使用される場合、例えば、凝固液は、このようにポ
リマーマトリックスの固化、すなわちゲル化を引き起こすエマルションの温度よりも低い
温度です。この場合には、凝固液は、冷却液と呼ばれます。
【0439】
凝固が化学的に達成することができる場合、例えばに凝固液の成分への暴露に架橋を誘
導することにより、凝固液および/又はその温度(または他の特性またはコンテンツ)は
、そのような成分の濃度は、固化の所望の速度および程度を達成するように調整すること
ができます。アルギン酸塩は、ポリマーマトリックスとして選択された場合、凝固液の一
成分は、アルギネートおよびその結果としての凝固の架橋を誘導することができ(例えば
、塩化カルシウムなど)カルシウム含有エンティティであってもよいです。あるいは、同
じまたは類似のカルシウム含有エンティティは、ビーディングする前に液体エマルション
の水相中に(例えば、分散)が含まれ、例えば、架橋を誘導するためにトリガされてもよ
いですエマルション落下滴下の液滴または導入された凝固液をより高いまたはより低いp
Hを適用することによって。このような静電架橋は選択図固化流体は(例えば空気)、ガ
ス又は液体であってもよいカルシウムイオンの利用可能性(濃度)および他の物理的条件
(特に温度)を制御することによって、ビーズの得られる特性に応じて変更することがで
きますどちらも。例えば、ゼラチンは、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスとして使用
されるとき、凝固液は、最初に気体(冷却用空気を通過例えば液滴)、その後液体(冷却
液へ通過例えば液滴)であってもよいです。単独で、ガスまたは液体の冷却流体を使用す
ることもできるが逆の順序でも適用することができます。代替的に、流体は、噴霧冷却エ
マルションが凝固を達成するために、冷却ガス中に噴霧することができます。
【0440】
ゼラチンまたは他の水溶性ポリマー(又はポリマー混合物)の場合には、固定化マトリ
ックスを形成する運命には、凝固液は、例えば、中鎖トリグリセリドなどの非水性液体(
であることが好ましいです、好都合に、それらがコアのビーズを形成するために固化とし
てコロイドの液滴を受け取るために浴(冷却槽)に配置することができる最小の濡れ性を
確保するために、低HLBを有する、好ましくは同様の鉱油又は)。非水性液体の使用は
、冷却が行われる温度の選択におけるより大きな柔軟性を可能にします。
【0441】
液体冷却浴が使用される場合、それは一般的に20℃未満に維持され、好ましくは5~
15℃の標準ゼラチンとして使用され、より好ましくは8~12℃に維持されたヒドロゲ
ル形成ポリマー。トリグリセリドは、冷却槽内の冷却流体として選択される場合、好まし
い例は、サソールからミグリオール810です。
【0442】
アルギン酸塩は、ポリマーマトリックスとして選択した場合、ビーズを製造する代表的
な方法は、0.1M塩化カルシウムを含有する4℃の架橋浴中に上記のように、油滴が分
散されている3%アルギン酸ナトリウム溶液を滴下添加することを含みますアルギン酸カ
ルシウムを生成する(この方法は、カルシウムが架橋や設定を行うために、ビーズ中に拡
散すると考えられるので、「拡散設定」と呼ぶことができます)。シリンジポンプ、また
はイノテック機を用いて、液滴を生成することができるか、(ポンプが使用される場合、
5ml/時間で卵)を本明細書の他の箇所で説明するように振動することができる無菌の
針または(本明細書の他の箇所に記載される)、他のノズルから押し出します。4.5ス
ルー/分L15~20mm管の空気流は、必要に応じて液滴サイズを減少させるために、
針の上に下向きに適用することができます。新たに形成されたビーズは、その後、時間ま
でのための塩化カルシウム浴中で攪拌することができます。カラギーナンは、ポリマーマ
トリックスのような塩および温度、例えば、の低減の両方を使用する場合冷却油に滴下す
ることにより凝固を得るために使用することができます。
【0443】
別のアプローチアルギン酸塩を使用してカルシウムイオンが親水コロイド粒子のゲル化
を引き起こすために先立って活性化に水性相中に分散された内部ゲルです。例えば、これ
は、次いで、例えば変化によって活性化されるアルギン酸塩の架橋を引き起こすであろう
イオンの不活性形態を添加することによって達成することができますイオンの十分な分散
後のpHが(; Hoefler、2004両方を参照により本明細書に組み込まれるG
licksman、1983a参照)を完了する。このアプローチは、迅速なゲル化が望
ましい場合に特に有用であり、そして/または拡散アプローチは、その架橋浴への拡散に
より、APIの喪失につながる可能性があります。
【0444】
別のイオンチャネル型ポリマーがアルギン酸よりも使用される場合、適切な類似の方法
は、アルギン酸塩に関連して本明細書に記載のものに使用することができます。
【0445】
形状形成、成形又はビーズ後、得られた形状または形態には、適切な場合には乾燥後、
洗浄してもよいです。凝固液中で凝固し、ビーズの場合には、上述の製造方法における任
意の最終ステップは、したがって、凝固液の固化ビーズを除去することを含みます。これ
は、例えば、達成することができますメッシュバスケットでコレクションすることにより
、それを通して凝固液(例えば、中鎖トリグリセリド)が排出されると、ビーズが保持さ
れ、好ましくは、例えば、遅滞なく行われていますすぐにビーズが形成されているとして
、またはそれらの形成の5、10、15、20、25または30分以内。過剰凝固液を水
または遊離水および/または任意の追加の溶媒、例えば、いくつかのまたは全ての除去を
除去するためにビーズを乾燥し(過剰な流体を除去するように適合され、または他の装置
または機械)遠心分離機を用いて除去することができますエタノールまたは溶解または所
望により過剰の溶媒を除去するための後続の「乾燥」の工程(例えば、酢酸エチル)(例
えば酢酸エチルを用いて)洗浄するステップの前に有効成分の溶解を促進するために使用
されるイソプロピルアルコール。イソプロピルアルコールは、好ましくは、油又は水相に
残留物を低減するために、後の処理で除去される溶媒の例です。乾燥は、好ましくは、1
5℃~25℃の温風で(使用する場合スフェレックス機器列の一部であってもよく、例え
ばフロイントドラム乾燥機)ドラム乾燥機の使用など、当技術分野で公知の任意の適切な
方法によって達成することができます約20℃は、空気によって蒸発または水の混入につ
ながります。あるいは、乾燥は、40℃と60℃の間、暖かい空気との流動床乾燥機(例
えば、グラットGPCG 1.1)を用いて行うことができます。ポリマーマトリックス
としてゼラチンを使用することは、(例えば、水性固定化相の主成分として)ほとんどの
場合は、乾燥工程を必要とし、ビーズの場合、これは、好ましくは、上述のように空気中
で乾燥させることによって達成されます。上記でより詳細に記載されるように、得られた
配合物(本発明の製剤)は、本質的に乾燥しています。
【0446】
一般に、ビーズを作成するために、分散液(水と界面活性剤相との混合物)など、例え
ば、気体または液体のような適切な凝固液との間の表面張力を適用することによって生成
することができます究極のビーズの球状または略球状。
【0447】
および/または重力流(選択された振動周波数を使用して)別の方法として、ビーズは
一定の直径を有するオリフィス又はノズルから分散液の吐出または押出により製造するこ
とができるし、振動に必要に応じて対象。使用することができる機械の例としては、カプ
セル化プリリングあり、ペレット化をドロップ、スプレー冷却または例えばフロイントス
フェレックス、ITAS/ランボ、グローベックス、イノテック、GEAニーロ、Dro
ppo、ブッチ、Gelpell処理装置の処理装置を機械を凝固スプレー。本発明に係
るビーズを製造するために所望され得るようにフロイント社製スフェレックス機の動作は
、米国特許5882680(フロイント産業)に記載され、その全内容は参照により本明
細書に組み込まれます。(別々に選択された振動の振幅)最終的な選択は、ビーズする分
散液の粘度に依存するが、2~200ヘルツ、好適には10~15ヘルツの領域における
振動周波数を選択することが好ましいです。ポリマーマトリックスは、より低い温度で固
化するように選択される場合、溶液の流動性を維持するために一定の温度でオリフィス/
ノズルへのラインを維持するために適切であり得ます。好適コロイドは、例えば、単一オ
リフィスノズルから吐出されますその後引き起こされるかまたは冷却油または他の硬化媒
体中に落下させ、種子を形成するために硬化させている滴、後の種子を形成するために、
5mm(例えば0.5~5mm)に0.1mmから直径冷却油から回収し、乾燥させます
【0448】
従って含む水と水溶性/分散性の材料を含む水性プレミックスを形成すること(:本発
明は、プロセスを含むポリマーマトリックス中に薬学的有効成分を含むコアを製造する工
程を含むこと、従って、理解されるであろうへの2つのプレミックスを組み合わせ、油溶
性/分散材料)、および(有効成分および必要に応じて車両および他の賦形剤(例えば油
(複数可含み、例えば油相プレミックス))ヒドロゲル形成ポリマー)と分散相プレミッ
クスヒドロゲル形成ポリマーを含む水相中にコロイド(分散相)を形成します。ビーズは
、有効成分を含むコアを提供することで、例えばコロイドは、次いで、成形部に形成され
てもよいです。より具体的には、薬学的に活性な成分を含むコアの製造およびポリマーマ
トリックス(好適にヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含むことができます。
水溶性成分の水(例えば、ヒドロゲル形成ポリマーの、任意の水溶性賦形剤(単数または
複数)、本明細書の他の箇所で記載されるように)中の溶液を含む水性相プレミックスを
形成する(I)。
(ii)は、典型的には、例えば、分散液または好ましくは有効成分の溶液を含む分散相
プレミックスを形成する工程シクロスポリンAは、液体中に、必要に応じて液体は油であ
る(本明細書の他の箇所に記載されているように、必要に応じて一緒に他の分散相成分と
(例えば界面活性剤、溶剤など));
(iii)の水性相プレミックス(I)および分散相プレミックスを混合し(ii)のコ
ロイドを形成します。
(iv)の液滴を形成するノズルを介してコロイドを噴出。
(V)を引き起こすまたはヒドロゲル形成ポリマーは、水溶性ポリマーマトリックスを形
成するゲル化または固化させます。そして
(VI)の固体を乾燥させます。
【0449】
いくつかの製造プロセスは、(D)工程(A)を含む以下または、代わりに、製造プロ
セスは、(D)に単一のものまたはステップ(A)の任意の組み合わせを含むことができ
ます。
【0450】
水相の(A)代表的な準備:
水相成分は、例えば、水に添加されています撹拌しながら精製水、例えば、超音波処理ま
たは攪拌。温度を徐々に固体の完全な溶解を達成するために、60~70℃、特に65℃
まで、例えば、増加されます。水相成分は、例えば、ヒドロゲル形成ポリマーを含みます
例えばD-ソルビトール(可塑剤)、および界面活性剤(例えばSDS)ゼラチン又は寒
天および任意に1つ以上の他の賦形剤、。可能性のある水相成分は、本明細書の他の箇所
に記載されています。
【0451】
ゼラチンは、ゼラチンを入力することができます。いくつかのあまり好ましくない実施
では、ゼラチンは、ゼラチンは250~300の、例えば、必要に応じて200~300
の、125から300までのブルーム強度を有することができ、特に、水相の275成分
があってもよいタイプBです。水相(水性プレミックス)の調製を完了するために、例え
ば、1時間から12時間までの期間にわたって撹拌しました。
【0452】
分散相の(B)典型的な準備:
疎水性の有効成分、例えば、シクロスポリンAは、例えば、攪拌下(例えば油、界面活性
剤および共溶媒)他の分散相成分と混合されます分散又は好ましくは、有効成分を溶解し
、周囲温度で、好適には、超音波処理または攪拌します。
【0453】
(C)は、2つの相の典型的な混合
水相と分散相を混合します。二相は、所望の量で混合することができます。例えば、11
:10に:例えば、水相に分散相の重量比は1であってよいです1~4:1から9および
任意には1:5~1:8のような、約1:5、または約1:7。得られたコロイドを撹拌
する、例えば均一な分散を達成するために、65℃で60~70℃の温度で、特に、超音
波処理または攪拌し、次いで、均一な分散液をビーズに形成されています。具体的には、
均一な分散液を冷却媒体に落ちる小滴を形成するために単一のオリフィスノズルから吐出
されます。ノズルは、好適には、液滴の形成を促進するために振動されます。ノズルは2
-200ヘルツおよび必要に応じて15~50ヘルツの周波数で振動させることができま
す。
【0454】
例えば、冷却媒体としては、空気や油です。油は、例えば、中鎖トリグリセリドの場合
には、例えば、適切などの生理学的に許容されますミグリオール810N。冷却媒体は、
多くの場合、15℃未満の冷却温度で、10℃未満の例が、0℃以上であってもよいです
。いくつかの実施形態では、冷却温度が8~10℃です。ノズルの大きさ(直径)は、例
えば、0.5から7.5mm、典型的に0.5から5mmのと、必要に応じて0.5から
4mmにします。いくつかの実施形態では、ノズルの直径が2より5mmまで、例えば1
より5mmであり、そして必要に応じて3から4mm、特に3.4mmであってもよいで
す。
【0455】
3.4mmノズルは5~35g/分で通し、必要に応じて10~20g/分と異なるサ
イズのノズルの流速は、ノズル領域に好適に調整されてもよいです。
【0456】
(D)ビーズの処理例
冷却されたビーズは、例えば、それらは、例えば、15~60分の滞留時間後に約30
分後に冷却油から回収することができる、回収されます。冷却液(例えば油)から回収さ
れたビーズは、過剰な冷却液を除去するために遠心分離し、その後乾燥してもよいです。
適切には、乾燥は、20~25℃で、必要に応じて15~25℃で、例えば、室温で行わ
れ。乾燥は、例えば、6から24時間の期間にわたって、例えば、ドラム乾燥機で行って
もよいです室温で乾燥させたビーズの場合には約12時間。乾燥したビーズを、適宜、水
と少なくとも部分的に混和性の揮発性非水性液体、例えばで、洗浄することができますそ
れらは、酢酸エチルで洗浄してもよいです。洗浄したビーズは、必要に応じて20~25
℃から15~25℃とから、例えば、室温で乾燥することができます。乾燥は、例えば、
6~48時間の期間にわたって、例えば、ドラム乾燥機で行ってもよいです室温で乾燥さ
せたビーズの場合には約24時間。乾燥は、好適には真空下で、ドラム乾燥機を用いて、
例えば、任意の適切な手段によって達成することができます。または単にビーズのバッチ
を通じて暖かい空気を通過させることにより、または流動床乾燥機ならば、たとえば、暖
かい空気と適切な機器にビーズを流動化することによって。乾燥後、ビーズは、特大のビ
ーズを除去するために、必要に応じて2~5mmの、1~10mmで通過し、次いで0.
5必要に応じて1~4mmの孔径を有する篩を通してアンダービーズを除去しました。
【0457】
ふるい分け法によって拒否されたビーズを再利用することが可能であることを理解する
ことができます。
【0458】
本発明のさらなる態様として、本明細書に記載の方法のいずれか(の特性を有する)に
よって得られる製剤が提供されます。本明細書の水性連続マトリックス相を形成する適切
な構成要素、コアの分散相を形成する適切な成分を分散させることにより本明細書に記載
されるプロセスは、従って実施の形態で説明した特定のコアのいずれかを提供するために
使用されてもよいことを理解すべきです。
コア
【0459】
前述の段落は、例えば、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックス中の薬学的有効成分を含む
非被覆コアの形成を説明します。コアは、適宜、本発明の製剤を提供するためにコーティ
ングされています。コアは最初サブコートでコーティングし、次いで、第2のコーティン
グ(また、修飾放出コーティングとも呼ばれる)でコーティングすることができます。適
当なサブコートや改変放出コーティングは、本明細書に記載したものと(サブコートのた
めの)第1コーティングまたは(修飾放出コーティングのための)第2のコーティングの
いずれかのいずれかです。本明細書に記載される製剤は、さらに、任意の外側の保護被覆
で被覆され、必要に応じて下記のようにコーティング(複数可)は、所望のサブコーティ
ングおよび体重増加を被覆改変放出を与えるために、例えば噴霧コーティングするため、
周知の方法を用いて適用することができます。
【0460】
本明細書に記載のように2つの同心開口部(中心および外側)と(必要に応じて、振動
ノズルを通るエマルションの排出)上述の方法のいずれかに関して、外側流体は(ビード
外側)コーティングを形成することができます。フロイント社製スフェレックス・マシン
は(この特許の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)を用いることが好ましい
(米国フロイントへ5882680号参照します)。他の同様の放出または押出し装置は
、例えば噴射装置は前述の、使用されてもよいです。
【0461】
スフェレックス・マシンの使用は、非常に高い単分散性を実現しています。例えば、典
型的な100gに、ビーズのバッチの97gは、1.4から2mmの直径の間、または1
から2mmの間でした。所望のサイズ範囲は、異なるサイズの粒子をスクリーニング/拒
否するための当技術分野で公知の方法によって達成することができます。例えば、例えば
介して第1のバッチを通過させることによって、より大きな/より小さなビーズ外/画面
を拒否することが可能です2mmメッシュ、その後、1.4mmメッシュを通して。
【0462】
小さく、塗工機のスプレーは、ビーズをバイパスする可能性がある場合(コートにビーズ
を噴霧することが望まれるならば直径2mmの範囲に1.4は良いサイズであり、大きす
ぎる、ビーズが流動化しにくくなる可能性がある場合、その)一貫性のあるコーティング
を達成するために必要です。
コーティングプロセス
【0463】
コーティングプロセスは、例えば、製剤へのポリマー被覆の溶液(特に、上記のように
)適用されるコーティング機を使用するなどの任意の適切な手段によって行うことができ
ます。コーティング用ポリマーは、直接使用するための既製のソリューションで、製造業
者によって提供されているか、メーカーの指示に従って、使用前に構成することができま
す。
【0464】
コーティングは、好適には、このようなコアにコーティング(複数可)を適用するため
のウルスターカラムとして流動床コーティング装置を用いて行われます。適当なコーティ
ング機は、当業者に公知であり、例えば、例えば、有孔パンまたは流動ベースのシステム
GLATT、ベクター(例えば、CF 360 EX)、ACCELACOTA、をDi
osna、オハラおよび/又はHICOATER処理されています装置。言及される「ボ
トムスプレー」構成で使用MFL/01流動床コーター(フロイント)です。
【0465】
典型的なコーティング条件は、以下の通りである。
【0466】
【表C】
【0467】
好適には、コーティングは、コーティングのポリマー(および他の構成要素)の溶液ま
たは分散液として適用されます。必要に応じて他の溶媒系を使用してもよいが、一般にコ
ーティングは、水性分散液の溶液として適用されます。コーティング分散液は、必要なコ
ーティング重量増加を与える流動床コーター中でスプレーとして芯金に印加されます。一
般に、コーティングプロセスは、好ましくは、40 42oCまで、35から45oCま
での温度でのコアを維持した温度で行われます。
コーティングを塗布した後に、製剤は、45oCに40で乾燥することにより、例えば
、乾燥させてもよいです。
【0468】
本発明はさらに、本明細書に記載のその特性の観点から定義された製品は、それが行わ
れたことにより、方法の排除に製剤の特性によって定義されるようにして得られた製剤の
特性を有する製品を提供します。
【0469】
本明細書で言及したようにに記載されるプロセスは、本明細書においてさまざまな実施
形態で説明した製剤のいずれかを提供するために使用され得ます。コアを含むヒドロゲル
形成ポリマーマトリックスを含み、一例として、コアと水溶性セルロースエーテルまたは
セルロースエーテルの水溶性誘導体を含むコーティングを含む本発明の製剤が提供される
ゼラチン、シクロスポリンAまたは他の疎水性の有効成分、中鎖のモノ-、ジ-および/
又はトリ-グリセリド、共溶媒および界面活性剤は、工程(i)を含む方法によって得ら
れたコアの特性を有するコア(VI)を形成するための上記方法の工程(i)における水
相プレミックスは、ゼラチンおよび界面活性剤(適切に陰イオン界面活性剤)、および工
程中の油相プレミックスを含むコアと、(ii)の工程の中鎖モノ-ジを含みます-また
はトリ-グリセリド、疎水性の有効成分、界面活性剤(適切な非イオン界面活性剤)と共
溶媒。前記コアは、任意に、水溶性セルロースエーテルまたはセルロースエーテルの水溶
性誘導体を含むコーティングで被覆され、このようにコーティングされたコアは、必要に
応じて第2のコーティングで被覆されています。前記コーティングは、本明細書に記載の
もののいずれかです。第1のコーティングを含む上記のようしたがって、プロセスは、配
合物を生成することができます。プロセスは、さらに、第1のコーティングおよび第1コ
ーティングの外側である第2のコーティングを含む製剤を生成することができます。
【0470】
さらに、本発明の製剤を形成するためのプロセスであって、前記第1の集団と第2集団
を混合する工程を含んでいてもよいです
第1の集団であるか、または水溶性セルロースエーテルが、何の外側コーティングを有し
ていない、例えばを含むコーティングを有します本明細書に記載されます。そして第2の
集団であるか、または本明細書中に例えば記載されるように、例えば、水溶性セルロース
エーテルであり、または遅延放出コーティングを含む第2のコーティングを含む第1のコ
ーティングを有しますであるか、または遅延放出ポリマーを含むコーティング。
【0471】
次の特性が適用される、本明細書に記載のコアでは、例えば、直前の段落では、次の特性
が存在することができます。
ゼラチンは、300~700mg/gの量の量で存在してもよいです。
(例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドなど)中鎖のモノ-、ジ-またはトリ
-グリセリドは、20から200mg/gの量で存在してもよいです。
共溶媒(例えば、2-(エトキシエトキシ)エタノール)が150から250mg/gの
量で存在することができます。
非イオン界面活性剤(例えばソルビタン系界面活性剤は、PEG脂肪酸、またはグリセリ
ル脂肪酸またはポロキサマー又は例えばKolliphor ELに特にポリエトキシル
化ヒマシ油)は、80から200mg/gの量で存在することができます。
陰イオン界面活性剤(例えば、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩またはリン脂質(特にSD
S))15から50mg/gの量で存在することができます。そして
有効成分、特にシクロスポリンAは、例えば81~98mg/gの、100mg/gで、
60~180mg/gでの量で好適に60から150mg/g以上80に存在してもよい
です。
ここで全ての重量は、コーティングの前に、コアの乾燥重量に基づいています。
【0472】
コアは、第1の被覆であるか、またはセルロースエーテルおよびそれらの誘導体、特に
ヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる水溶性化合物を含む(サブコーティン
グ)でコーティングされています。原因から選択範囲内の第1のコーティングに体重増加
に相当する量で存在する第1のコーティング:例えば12%に8%から(I)、約10%
。例えば、もしくは(ii)の4%から6%、例えば約5%~約10%(iii)の約6
%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%または第1のコーティングを適用
する前に、コアの重量に基づいて約9.5%。第1のコーティングがそれに適用される修
飾放出コーティング(または第2コーティング)を有し得ます。
【0473】
好ましくは、特に直前の段落の実施形態では、剥離コーティングを変更されたが、ある
か、またはpH非依存性修飾放出コーティングを含む、より特に第2のコーティングがさ
らにエチルセルロース(例えばSureleaseを)を含む改変放出コーティングであ
ってもよいです特にエチルセルロースおよび水溶性多糖類、ペクチン(本明細書に記載の
ように、例えばSurelease(登録商標)、ペクチンコーティング)を含む修飾放
出コーティング;前記修飾放出コーティングが原因で(a)は、10%から12%まで、
例えば約11%または約11.5%から選択される第2のコーティングを製剤の重量増加
に相当する量で存在します。または(b)16%から18%まで、約8%から、例えば約
17%または(c)約12重量%、例えば約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、
約10.5%または第2のコーティングを適用する前に、製剤の重量に対して重量で約1
1%です。
適用
【0474】
本発明の製剤は、有利に達成向上溶解プロフィールによって経口送達の薬学的に活性な
成分のために使用することができます。
【0475】
本発明の製剤は、より低い腸にシクロスポリンの放出を標的とするために、pH非依存
性ポリマーを含む、例えば、有効成分および改変放出コーティングとしてシクロスポリン
Aを含んで放出製剤を修正が含まれます。このような製剤は、特に、結腸において、下部
GI管でシクロスポリンAの高レベルを提供する一方、シクロスポリンAに低い全身曝露
を生じます。このような製剤は、下部GI管の局所組織にシクロスポリンAの強化された
吸収を提供するソリューションとして、例えば活性形態のシクロスポリンAをリリース。
製剤はミニビーズの形態で使用される場合、ミニビーズは有利に経口投与後のGI管の大
きなセクションに沿って分散され、従って、例えば結腸の大きなセクションにシクロスポ
リンをより均一な露光を提供すると予想されます。言うまでもなく、本発明は、シクロス
ポリンAが、で置き換えられ、またはによって補完されているような製剤は、下部GI管
の局所治療、例えばするための他の有効成分を含んでいます結腸。他の有効成分は、例え
ば、他の免疫抑制剤またはヒドロキシラーゼ阻害剤であってよいですDMOGまたはヒド
ララジン、またはそれは、この文章に記載の少なくとも1つを含む有効成分の組み合わせ
であってもよいです。タクロリムスおよびシロリムスは、他の免疫抑制剤の例です。
【0476】
したがって調節放出製剤は、下部GI管の局所治療のための有効成分を含む本発明のG
ITの症状の治療または予防に有用であると期待されます。特に、本発明の製剤は、シク
ロスポリンA、および/または他の免疫抑制剤を含むことができ、下部GI管、結腸に影
響を与え、特に条件に影響を与える炎症状態の予防または治療に有用です。
【0477】
本発明の製剤は、経口投与されます。特定の条件に依存して変化する、必要な投与量は
、治療条件のステージされます。シクロスポリンAを含有する製剤の場合、製剤は、一般
に、例えば、500mg、または250mgのシクロスポリンAの25の特に用量、例え
ば、1用量を0.1から100mgのへのシクロスポリンAの用量を提供するために投与
されます37.5mg、75mgまたは150mgの用量。製剤は、適当に1日1回の投
与として投与されます。組成物は、必要に応じて、例えば37.5mg、75mg、また
は1日2回150mgのため、1日2回投与することができます。
【0478】
本発明の一態様では、有効成分として免疫抑制剤を含み、炎症性腸疾患、クローン病、
潰瘍性大腸炎、移植片対宿主の治療または予防に使用するためのものである、本発明の製
剤が提供されます。疾患、胃腸移植片対宿主病、重症筋無力症、過敏性腸症候群(例えば
便秘、下痢および/または痛みの症状を伴う)、セリアック病、胃潰瘍、憩室炎、回腸嚢
炎、直腸炎、粘膜炎、化学療法に関連する腸炎、放射線関連する腸炎、短腸疾患、または
慢性の下痢、胃腸炎、十二指腸炎、空腸炎、消化性潰瘍、カーリング潰瘍、虫垂炎、大腸
炎、憩室症、子宮内膜症、結腸直腸癌、腺癌、このような転換大腸炎、虚血性大腸炎、感
染性大腸炎、化学などの炎症性疾患、非定型大腸炎、pseudomembraneou
s大腸炎、劇症大腸炎、自閉症腸炎、interdeminate大腸炎、jejuno
iletis、回腸炎、回結腸炎や肉芽腫性大腸炎、骨髄移植後の拒絶反応の予防、乾癬
、アトピー性皮膚炎(コラーゲン性大腸炎とリンパ球性大腸炎を含む)大腸炎、顕微鏡的
大腸炎、関節リウマチ、またはネフローゼ症候群、原発性硬化性胆管炎、家族性大腸腺腫
症、またはperinanalクローン病、肛門周囲瘻を含みます。
【0479】
一実施形態では、有効成分として免疫抑制剤を含む本発明の製剤は、炎症性腸疾患の治
療に使用するためのものです。炎症性腸疾患の主な形態は、クローン病および潰瘍性大腸
炎です。従って、本発明の製剤は、これらの条件の両方の治療に有用であり得ます。
【0480】
クローン病は、結腸を含むGI管全体に影響を与える可能性があります。しかしながら
、潰瘍性大腸炎は、結腸および直腸に影響を与える条件です。したがって、結腸を標的と
する、免疫系(例えば、シクロスポリンAを含む)によって提供される放出プロフィール
は、本発明の製剤は、潰瘍性大腸炎の治療に特に有益であると予想されます。
【0481】
本発明の一態様では、必要に応じて、有効成分として免疫抑制剤を含み、GITの症状
の治療または予防に使用するためのものである本発明の製剤、GITの例えば炎症状態が
提供されますGITの条件は、カーリングの過敏性腸症候群セリアック病、胃潰瘍、憩室
炎、回腸嚢炎、直腸炎、粘膜炎、放射線関連腸炎、短腸疾患、または慢性の下痢、胃腸炎
、十二指腸炎、空腸炎、消化性潰瘍、のから選択されます潰瘍、虫垂炎、大腸炎、憩室症
、子宮内膜症、結腸直腸癌、腺癌、非定型大腸炎、pseudomembraneous
大腸炎、劇症大腸炎(コラーゲン性大腸炎とリンパ球性大腸炎を含む)は、このような転
換大腸炎、虚血性大腸炎、感染性大腸炎、化学大腸炎、顕微鏡的大腸炎などの炎症性疾患
、自閉症腸炎、interdeminate大腸炎、jejunoiletis、回腸炎
、回結腸炎、肉芽腫性大腸炎、線維症、移植片対宿主病、胃腸移植片対宿主病、またはH
IVまたは腸疾患。
【0482】
本発明の結腸標的、免疫抑制剤を含有する製剤は主に、例えば、免疫抑制剤を放出しま
すシクロスポリンA、コロンインチしかし、薬物はまた、胃腸管でより高い放出すること
ができ、従って製剤はまた、下部GI管の他の部分に影響を与える条件において治療上の
利益を提供することができます。
【0483】
消化管移植片対宿主病(GI-GVHD)は、生命を脅かす状態と骨髄のための最も一
般的な原因の1つであり、細胞移植の失敗を食い止めます。最も頻繁に腸、肝臓および皮
膚-GI-GVHDを有する患者では、患者の体を攻撃し始めるドナー細胞です。軽度か
ら中等度のGI-GVHDを有する患者は、通常、食欲不振、吐き気、嘔吐や下痢の症状
を発症します。治療せずに放置すると、GI-GVHDは、GI管のライニングに潰瘍に
進行することができ、そしてその最も深刻な形で、致命的なことができます。したがって
、一実施形態では、免疫抑制剤を含有する製剤は、消化管移植片対宿主病(GI-GVH
D)の治療又は予防に使用するためのものです。
さらなる実施形態では、セリアック病の治療に使用するための本発明の免疫抑制剤を含
む製剤が提供されます。
【0484】
一実施形態では、有効成分として免疫抑制剤を含む本発明の製剤は、またはを含む小児
疾患(例えばパーキンソン病、アルツハイマー病又は血管性認知症)、神経変性疾患の治
療に使用するためのものであるが、潰瘍性に限定されません大腸炎、クローン病およびG
vHDに。
【0485】
本発明の水溶性セルロースエーテルを含有するコーティングはミニビーズの異なるバッ
チの放出プロファイル間の変動を減少させるのに有用であり得ます。第2のコーティング
の下にある第1のコーティングは、同様の(±5%の放出)でビーズを生成する(図10
参照)の放出プロファイルの時点での有効成分の%の放出が示されています。これは、イ
ンビトロ放出プロファイルにもインビボ溶解および胃腸管に沿って活性の結果として一貫
性の放出の一貫性を改善する有益な効果を有します。
【0486】
A「バッチ」は、指定された制限内で、均一な特性と品質を有することが意図される薬
物または他の物質の特定の量であり、かつ製造の同じサイクル中に単一の製造順序に従っ
て製造されます。「ロット」は、指定された制限内で均一な文字と品質を持つ、バッチ、
またはバッチの特定の識別された部分を意味します。または、連続プロセスによって製造
さ製剤の場合には、指定された範囲内での均一な特性と品質を保証するように、時間また
は数量単位で産生される特異的同定量です。「ロット番号」、「管理番号」、または「バ
ッチ番号」は、文字、数字、または記号の任意の独特の組み合わせ、またはそれらの任意
の組み合わせを意味するから、製造、加工、包装、保持、および配信の完全な履歴医薬品
又は他の材料のバッチまたはロットを決定することができます。」
【実施例0487】
実施例1:ヒドロキシプロピルメチルセルロースコーティングを用いたミニビーズの調
製。
【0488】
ミニビーズは、一般的に以下の手順に従って、次にオパドライ・ホワイト20A283
80(Colorcon社により供給される)の分散を有するコアを被覆コアを形成する
ことによって調製しました。
【0489】
コアの製造
【0490】
シームレスミニビーズの形態におけるコアは、以下のようにスフェレックス・プロセス
を用いて調製しました。
【0491】
水性相を一定に攪拌しながら精製水でドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびD-ソ
ルビトールを混合することによって調製しました。ゼラチンは、その後、この溶液に添加
し、穏やかな熱はゼラチンの完全な溶融を達成するために約60~70℃に適用しました
【0492】
油相溶液を形成するために、室温で攪拌しながら一緒に、2-(2-エトキシエトキシ
)エタノール(トランスクトールHP)、ポリエトキシル化ヒマシ油(Kollipho
r EL)およびカプリン酸/カプリル酸トリグリセリド(ミグリオール810)を混合
することによって調製しました。シクロスポリンAを添加し、透明な溶液が得られるまで
混合しました。油相を、約1の割合で加熱された水相と混合した:7(油相:水相)。得
られた混合物を、均質性を達成するために、60~70℃で撹拌しました。
【0493】
次いで、得られた混合物を直径3mmの有する単一ノズル出口と、振動ノズルを通して
(温度制御されたチューブを介して)供給しました。溶液を常に10℃の温度でオイルを
冷却中鎖脂肪酸トリグリセリド(ミグリオール810)を流れる冷却室に振動ノズルを通
って流れるようにシームレスミニビーズを形成しました。
【0494】
ミニビーズ冷却油から取り出し、余分な油を取り除くために遠心分離機に入れました。
遠心分離に続いて、第1の乾燥工程は、10℃の設定冷蔵庫温度と20℃のヒーター温度
で開始しました。乾燥機は15RPMで回転させました。ビーズが自由に乾燥ドラム内で
回転することが観察された場合、それらは、ドライであると考えられました。
【0495】
ミニビーズを酢酸エチルで洗浄した後、第1の乾燥工程において、上述したものと同様
の乾燥条件でさらに24時間乾燥させました。乾燥ミニビーズは、その後、直径コア1m
m2mmで得られたオーバーサイズとアンダービーズを除去するためにふるいにかけまし
た。この手順では、値は、各成分の全重量の重量パーセントであり、表1に示す組成を有
するコアを提供しました。
【0496】
【表1】
【0497】
コアをコーティング
ミニビーズコアは、流動床コーター(ワースターカラム)に装填し、分散液としてのO
padryホワイト20A28380(カラコン・リミテッドにより供給された)でコー
ティングしました。このような吸気温度と吸入空気量等の処理パラメータは、必要なコー
ティングの重量増加に達するまで40℃と42℃の間ミニビーズ温度を保つように調整し
ました。得られたサブコーティングミニビーズはコーター中40oCで5分間乾燥させま
した。
【0498】
ミニビーズの組成
下記表2に示す組成を有するミニビーズ上記手順で作製しました。ミニビーズはコアの
重量に対して2.7%のオパドライ重量増加を有します。
【0499】
【表2】
【0500】
実施例2:ヒドロキシプロピルメチルセルロースコーティングを用いたミニビーズの調
製。
【0501】
実施例1に記載の方法に従って、オパドライの異なる%の重量増加を有するヒドロキシ
プロピルメチルセルロースでコーティングされたミニビーズを作製しました。オパドライ
の%重量増加は、以下の表3に示します。
【0502】
【表3】
【0503】
実施例2A-Cのミニビーズを表4に示す組成を有していました。
【0504】
【表4】
【0505】
実施例3:4時間までの実施例1、2a、2b、および2cのミニビーズのインビトロ
溶解プロフィール。
実施例1で製造ミニビーズのサンプルのインビトロ溶解プロファイルを、図2a、2b
および2cは、水中で測定しました。参考例として、実施例1で作製しないオパドライコ
ーティングを有するコアの溶解プロファイルを試験しました。溶解試験は、USP<71
1>溶出用いた装置II(パドル装置)75回転のパドル速度でおよび37℃±5℃の温
度で溶解媒体で操作に従って行いました。
【0506】
メディアのアリコートを、1時間、2時間、試験媒体のすべてのために4時間で分析の
ために採取しました。これらの時点に加え、アリコートをまた示しミニビーズための以下
の時点で採取しました。
・例1および2aのミニビーズ-20分、40分、1.5時間。
・例の図2b、2cの実施例1の非コーティングされたコアのミニビーズ - 30分。
アリコートを210nmでのUV検出を用いた逆相HPLCをシクロスポリンAについて
分析しました。
【0507】
溶解媒体中の溶解シクロスポリンAの量は、試験製剤(%が放出)の元のシクロスポリ
ン含有量に基づいて、百分率として表されます。図1に示されている時間と、実施例1、
図2a、図2b、図2c、実施例1の未被覆コアからミニビーズの試料のそれぞれについ
ての放出プロフィールに対してプロットしたときに%放出値は、放出プロフィールを提供
します。
【0508】
テストさミニビーズの放出プロファイルは、明らかにヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース(Opadry(登録商標))の追加サブコートは、溶出試験の最初の2時間以内に
有効成分の溶解を高めることを示しています。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(H
PMC)のコーティングとミニビーズのすべては、これは驚くべきことと直感に反するは
るかに急速例1の非コーティングされたコアより溶液中にシクロスポリンをリリースしま
した。常識的には、それが溶液中に活性物質を放出するのにかかるいる時間を増やす必要
がありますんHPMCとコアを被覆するコア上に追加の材料を加えることを示唆していま
す。
【0509】
実施例4:24時間までの実施例1、2a、2b、2cのミニビーズのインビトロ溶解
プロファイル。
【0510】
実施例1、図2a、図2b、図2cおよび1 24時間以上が生成された例の未被覆コ
アのミニビーズの溶解プロファイルで説明したのと同じプロトコルに従って、。
【0511】
また、6時間、12時間、18時間および24時間で採取した溶出試験の各実施例3で
述べた時点で採取したアリコート試料に加えて。溶解試験から採取した各サンプルを21
0nmでのUV検出を用いた逆相HPLCをシクロスポリンAについて分析しました。
【0512】
実施例3のように、各溶出試験の放出プロフィールのグラフを生成し、放出プロファイ
ルを図2に示します。
【0513】
非被覆コアと比較するとHPMCコーティングの存在が有意にシクロスポリンの放出を
改善することが図2の放出プロファイルから明らかです。最初の2時間以内にシクロスポ
リンのより迅速なリリースがありますが、HPMCコーティングの存在はまた、水の溶解
媒体中の溶液としてシクロスポリンを維持するだけでなく。
【0514】
実施例5:ヒドロキシプロピルメチルセルロースの第1のコーティングとエチルセルロ
ース/ペクチンの第2のコーティングを用いたミニビーズの調製。
【0515】
コアを作製し、その後、実施例1の手順によって製造さミニビーズ次いで、第2コーテ
ィングで被覆した実施例1の手順(以下、オパドライ(またサブコートという)第1コー
ティングで被覆されましたまた、Surelease(登録商標)(エチルセルロース分
散)とペクチンの混合物)オーバーコートと呼ばれます。
【0516】
Surelease(登録商標)/ペクチンオーバーコートは、以下の手順で塗布しま
した。ペクチンは、ステンレス鋼容器中で精製水に添加し、溶液を得るために混合されま
した。Surelease(登録商標)をゆっくりとオーバーコートのためSurele
ase(登録商標)で、必要なペクチン濃度を提供するために、混合維持しながら容器に
添加しました。Surelease(登録商標)/ペクチンの所望の重量増加が達成され
るまで、得られたコーティング懸濁液を、実施例1のOpadryコーティングのために
記載したものと同様の塗布法を用いて、サブコーティングされたミニビーズの表面に塗布
しました。オーバーコートされたミニビーズは、次いで40~45℃で1時間コーター中
で乾燥させました。
【0517】
オパドライおよびSurelease(登録商標)/ペクチンの異なるレベルの異なる
レベルでミニビーズの数を作製しました。表5は、オパドライ%の重量増加と生産された
ミニビーズのSurelease(登録商標)/ペクチンの重量%の増加を示しています
【0518】
【表5】
【0519】
実施例5aは、図5eおよび5hが何のOpadry(登録商標)コーティングを持っ
ていません。これらは、上記のようにSurelease(登録商標)/ペクチンを用い
て、実施例1に記載したコアをコーティングすることによって製造されます。
【0520】
実施例5A-jのミニビーズは、表6に示す組成を有します。
【0521】
【表6】
【0522】
【表6a】
【0523】
実施例6:実施例5a~dのミニビーズのインビトロ溶解プロフィール。
実施例5A-Dで製造ミニビーズのサンプルのインビトロ溶解プロフィールは、以下の
二段階溶出試験を用いて測定しました。溶解試験は、USP <711>溶出用いた装置
II(パドル装置)75回転のパドル速度でおよび37℃±0.5oCの温度で溶解媒体
で操作に従って行いました。テストの第1段階では溶解媒体は、胃環境のpHをシミュレ
ート0.1NのHClの750mlでした。試験(T = 0)の開始時に試料を溶解媒
体中に入れました。 2時間後、培地のアリコートをその後の分析のために採取され、直
ちに(適切には5分以内)溶出試験の第2段階を開始します。第2段階において、2%ド
デシル硫酸ナトリウムを含有する0.2M三リン酸ナトリウム(SDS)250mlを溶
解媒体に添加し、pHを、必要に応じて、2N NaOHまたは2NのHClを用いて6
.8±0.05に調整しました。
【0524】
溶解媒体の試料は、試験の第2段階の間に、以下の時点で採取した:4時間。6時間;
12時間;そして、(すなわち、第1段階の開始時トン= 0からの)試験開始から24
時間。
【0525】
試料は、最初の段階(2時間)の終わりに採取し、第2段階からのサンプルをを210
nmでのUV検出を用いた逆相HPLCをシクロスポリンAについて分析しました。
【0526】
溶解媒体中の溶解シクロスポリンAの量は、試験製剤(%が放出)の元のシクロスポリ
ン含有量に基づいて、百分率として表されます。図3に示されている時間と実施例5A-
Dからミニビーズの試料のそれぞれについての放出プロフィールに対してプロットしたと
きに%放出値は、放出プロフィールを提供します。
【0527】
これは、HPMCサブコートの存在は実施例5aの非サブコートミニビーズと比較放出
特性を向上させることが、図3の放出プロフィールから明らかです。 HPMCを含む、
ミニビーズは非サブコートミニビーズよりミニビーズからのシクロスポリンの高い%の放
出を与えるサブコート。サブコーティングおよび非サブコーティングミニビーズからのシ
クロスポリンの%放出との間の同様の関係は、図4の放出プロファイルに見ることができ
ます。
【0528】
実施例7:実施例5e~5gのミニビーズのインビトロ溶解プロフィール。
実施例6 5E-gが生成された例のミニビーズのそれぞれについての放出プロフィー
ルに記載された手順に従って。これらの放出プロファイルは、4図4は、Surelea
se(登録商標)/ペクチンのより低いレベルのサブコートビーズを使用した場合、図3
で観察された効果も生じることを示している。図に示されています。
【0529】
実施例8:実施例5h~5jのミニビーズのインビトロ溶解プロフィール。
5H-J例のミニビーズのそれぞれについての放出プロフィールが生成された実施例6
に記載の手順に従って[00537]。これらの放出プロファイルは、5図5は、Sur
elease(登録商標)/ペクチンのより高いレベルのサブコートビーズを用いた場合
図3および4で観察された効果も生じることを示している。図に示されています。
【0530】
実施例9:ヒドロキシプロピルメチルセルロースの第1のコーティングとエチルセルロ
ース/ペクチンの第2のコーティングを用いたさらなるミニビーズの調製。
【0531】
実施例5は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサブコートを提供するためのOpa
dryホワイトの使用を記載しています。私たちは今、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースとしてのMethocel E5(カラ
コン・リミテッドにより供給された)を使用して、エチルセルロース/ペクチンの第2の
コーティングの第1コーティングでさらにミニビーズの製造を記載しています。
【0532】
メトセルE5は、第1コーティング(サブコート)はオパドライ・ホワイトの代わりに
用いた以外はミニビーズは、実施例5と同様に作製しました。
【0533】
このメトセルE5の異なるレベルおよびSurelease(登録商標)/ペクチンの
異なるレベルでミニビーズの数を作製しました。表7は、メトセルE5%の重量増加と生
産されたミニビーズのSurelease(登録商標)/ペクチンの%の重量増加を示し
ています。
【0534】
【表7】
【0535】
例9aはないのMethocel E5コーティングを持っていません。なお、上記の
ようにSurelease(登録商標)/ペクチンを用いて、実施例1に記載したコアを
コーティングすることによって製造されます。
この実施例9A-Cのミニビーズは、組成物は、表8に示されています。
【0536】
【表8】
【0537】
実施例10:実施例9a~9cのミニビーズのインビトロ溶解プロフィール。
【0538】
実施例9A-Cで製造ミニビーズのサンプルのインビトロ溶解プロフィールは、実施例
9A-Cのミニビーズのそれぞれについての放出プロフィールは、図に示されている実施
例6に記載の溶出試験法を用いて測定しました。 6。
【0539】
図6は、メトセルがオパドライがサブコートとして使用される場合のようにサブコート
として使用する場合と同じ結果が得られることを示しています。
【0540】
実施例11:実施例5a~5dと実施例9b~9cのインビトロ溶解プロファイルの比
較。
【0541】
図7は、実施例5A-Dおよび9B-Cの各々の放出プロフィールを示します。前述し
たように、図6は、Opadry(登録商標)はミニビーズを下塗りとしてメトセルがミ
ニビーズを下塗りと同様の効果が見られていることを示します。また、メトセルによって
生成された放出プロファイルは、下塗りミニビーズはオパドライの放出プロフィールに対
してプロットされ、図7のように、メトセルがミニビーズを下塗りし、オパドライがミニ
ビーズ密接放出プロフィールに一致与える下塗りことが分かる、ビーズサブコート。
【0542】
実施例12:ヒドロキシプロピルメチルセルロースの第1のコーティングとエチルセル
ロース/ペクチンの第2のコーティングを用いたミニビーズを含有するメサラミンの調製
【0543】
コアは、振動ノズルを介して混合物を通過させることにより製造されなかったが、それ
らを手で製造したこと以外は、実施例5に記載したようにメサラミンを含有する ミニビ
ーズを調製しました。加えて、シクロスポリンは、メサラミン、溶液を形成しなかった(
実施例1に記載)のコアを作製する工程中に形成された油相によって置き換えられました
。メサラミンは懸濁液として残りました。
【0544】
オパドライおよびSurelease(登録商標)/ペクチンの異なるレベルの異なる
レベルでミニビーズの3つの集団を製造した。この手順に従うことにより。表9は、オパ
ドライ%の重量増加と生産されたミニビーズのSurelease(登録商標)/ペクチ
ンの重量%の増加を示しています。
【0545】
【表9】
【0546】
例12aは何のOpadry(登録商標)コーティングされていません。なお、上記の
ようにSurelease(登録商標)/ペクチンを用いて、実施例1に記載したコアを
コーティングすることによって製造されます。
例のミニビーズ 12A-cは、表10に示す組成を有しています。
【0547】
【表10】
【0548】
実施例13:実施例12a~12cのミニビーズのインビトロ溶解プロフィール。
【0549】
図12A-Cの実施例で製造ミニビーズのサンプルのインビトロ溶解プロフィールは、
以下に記載の溶解試験を用いて測定した:リン酸二水素カリウムと水酸化ナトリウム1g
の6.8gに溶解することによって調製0.05M pH7.5のリン酸緩衝液水溶液1
000mlのを作るために、7.5±0.05のpHを10N水酸化ナトリウムで調整し
ます。 900 mLのに使用されます。
RPM of75パドル速度でUSP装置2。
溶解媒体の温度:37℃の±の0.5oC
実施例12A-Cのミニビーズのそれぞれについての放出プロフィールは、図8に示され
ています。
【0550】
実施例14:ヒドロキシプロピルメチルセルロースの第1のコーティングとエチルセル
ロース/ペクチンの第2のコーティングを用いたミニビーズを含有するヒドララジン塩酸
の調製。
【0551】
ヒドララジン塩酸を含む被覆ミニビーズは、ヒドララジン塩酸を含むコアをコーティン
グすることによって作製しました。ヒドララジン塩酸は水への溶解度は約8g/ L(す
なわち0.8%)であり、親水性のAPIです。しかしながら、60~70℃に加熱した
場合、APIは、製剤の水相中に完全に可溶性であったことが判明しました。
【0552】
コアの製造
次のようにシームレスミニビーズの形でコアを手動で調製しました。
【0553】
水性相溶液が得られるまで一定の攪拌下で、精製水にドデシル硫酸ナトリウム(SDS
)およびD-ソルビトールを添加することにより調製しました。ヒドララジンHClおよ
びゼラチンをこの溶液に添加し、穏やかな熱はゼラチンの完全な溶融を達成するために約
60~70℃に適用しました。透明な溶液が得られるまで撹拌を続けました。
【0554】
水性相の組成は、表11に示されています。
【0555】
【表11】
【0556】
油相溶液を形成するために、室温で攪拌しながら一緒に、2-(2-エトキシエトキシ
)エタノール(トランスクトールHP)、ポリエトキシル化ヒマシ油(Kollipho
r EL)およびカプリン酸/カプリル酸トリグリセリド(ミグリオール810)を混合
することによって調製しました。油相の組成は、表12に示されています。
【0557】
【表12】
【0558】
油相は、約1:12(油相:水相)の割合で加熱された水相とエマルションを形成する
ために混合しました。得られた混合物を、均質性を達成するために、60~70℃で撹拌
しました。エマルションの組成を表13に示します。
【0559】
【表13】
【0560】
次いで、得られた混合物を手動で4~10℃の温度でオイルを冷却中鎖脂肪酸トリグリ
セリド(ミグリオール810)の冷却室にオリフィスを通って排出されました。 ミニビ
ーズ冷却油から除去し、室温で24時間乾燥させました。
コアの組成は、表14に示されています。
【0561】
【表14】
【0562】
適切な場合には、本実施例に記載した手順によって生成コアは、実施例1と同様の方法
でオパドライ・ホワイト20A28380(Colorcon社により供給)でコーティ
ングしました。コアは、直接コーティングしたまたはオパドライの異なるレベルと、この
手順に従うことによって製造したSurelease(登録商標)/ペクチンのレベルが
異なる実施例ミニビーズ 5.六集団を説明したようにオパドライコーティングされたコ
アは、適宜、Surelease(登録商標)/ペクチンでコーティングしました。表1
5は、オパドライ%の重量増加と生産されたミニビーズのSurelease(登録商標
)/ペクチンの重量%の増加を示しています。
【0563】
【表15】
【0564】
例14aと14dは全くOpadry(登録商標)コーティングを持っていません。こ
れらの実施例は、上述のようSurelease(登録商標)/ペクチンを用いて、実施
例1に記載したコアをコーティングすることによって製造されます。
図14A-F例のミニビーズは、表16に示す組成を有しています。
【0565】
【表16】
【0566】
実施例15:実施例14a~14fのミニビーズのインビトロ溶解プロファイル。
【0567】
図14A-Fは、実施例で製造ミニビーズのサンプルのインビトロ溶解プロフィールは
図14A-Fは、実施例のミニビーズのそれぞれについての放出プロフィールは、図に
示されている実施例13に記載の溶出試験法を用いて測定しました。 9。
【0568】
/ Surelease(登録商標)の同等のレベルで非サブコートミニビーズ対HP
MCサブコートでミニビーズから、ヒドララジン、有効成分の増加%放出 - [005
81]図9の放出プロファイルは、前の実施例で観察されたものと同様の効果を示します
ペクチン。例えば、非サブコート例14aとサブコート例14cとの間の比較は、HPM
Cサブコートのより高い%の放出効果を示します。同じことは、例14Dと例14Fとの
比較についても同様です。
【0569】
実施例16:ヒドロキシプロピルメチルセルロースの第1のコーティングとエチルセル
ロース/ペクチンの第2のコーティングを用いたミニビーズを含有するセレコキシブの調
製。
【0570】
セレコキシブを含む被覆ミニビーズは、セレコキシブを含むコアをコーティングするこ
とによって作製しました。セレコキシブは疎水性のAPIです。
【0571】
コアの製造
次のようにシームレスミニビーズの形でコアを手動で調製しました。
水性相溶液が得られるまで一定の攪拌下で、精製水にドデシル硫酸ナトリウム(SDS
)およびD-ソルビトールを添加することにより調製しました。ゼラチンは、その後、こ
の溶液に添加し、穏やかな熱はゼラチンの完全な溶融を達成するために約60~70℃に
適用しました。透明な溶液が得られるまで撹拌を続けました。
【0572】
油相は、セレコキシブとマクロゴールヒドロキシステアレート(Kolliphor
HS-15)を一緒に混合することにより調製しました。混合溶液を形成するために、室
温で撹拌しました。
【0573】
3(油相:水相)[00588]油相は約1の割合で加熱した水相とエマルションを形
成するために混合しました。得られた混合物を、均質性を達成するために、60~70℃
で撹拌しました。
【0574】
次いで、得られた混合物を手作業で10℃の温度でオイルを冷却中鎖脂肪酸トリグリセ
リド(ミグリオール810)の冷却室にオリフィスを通って排出されました。 ミニビー
ズ冷却油から除去し、室温で24時間乾燥させました。
【0575】
本実施例に記載した手順によって生成コアは、実施例1に記載したのと同じ方法でオパ
ドライ・ホワイト20A28380(Colorcon社により供給)でコーティングし
、その後、コアは、直接コーティングした実施例5に記載したようにSurelease
(登録商標)でコーティングしました(すなわち、オパドライコートの非存在下で)実施
例5の表17に記載したのと同様の様式でSurelease(登録商標)でオパドライ
(非下塗りミニビーズ)のサブコートなしで27%の重量増加Surelease(登録
商標)でコーティングされたミニビーズの組成を示します。表18は、10%のOpad
ryサブコートおよび27%の重量増加Surelease(登録商標)(サブコーティ
ングミニビーズ)でコーティングされたミニビーズの組成を示します。
【0576】
【表17】
【0577】
【表18】
【0578】
実施例17:実施例16のミニビーズのインビトロ溶解プロフィール
実施例16で製造しミニビーズのサンプルのインビトロ溶解プロフィールは、以下に記
載の溶出試験法を用いて測定しました。
【0579】
インビトロ放出組成物は、胃の環境のpHをシミュレートするために2時間の0.1
NのHClに露出され、次いで20個の2時間、pH6.8に露出している二段階のイン
ビトロ溶解試験を用いて測定しました。 (または0.05%ドデシル硫酸ナトリウム(
SDS)なしのいずれかで0.2M三リン酸ナトリウム溶液の十分な量を添加することに
よって)、小腸のpHおよび下部GI管をシミュレートします。装置II(パドル装置)
を用いてインビトロ試験を75回転のパドル速度でおよび37℃±0.5oCの温度で溶
解媒体を用いて運転しました。培地のアリコートを、1時間での分析のために、2時間、
4時間、6時間、12時間および18時間に採取しました。アリコートを高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)法を用いて、セレコキシブについて分析しました。曲線(HP
LC法)の下の面積から、特定の時点で放出された薬物の%を計算しました。
【0580】
下塗りおよび0.05%SDSを用いて溶出試験を用いて非下塗りミニビーズはSDS
を含まない上述の溶解試験を用いて試験し、下塗りミニビーズも試験した両方。実施例1
6のミニビーズのそれぞれについての放出プロフィールは、図10に示されています。
【0581】
Sureleaseを匹敵するレベルの非サブコートミニビーズ対サブコート有効成分
の増加、最終的な%の放出、セレコキシブ、HPMCとミニビーズから - [0059
7]図10の放出プロファイルは、前の例で観察されたものと同様の効果を示しています
【0582】
実施例18:異なるバッチからのミニビーズのインビトロ溶解プロフィール
ミニビーズコアはこれらのコアから、実施例1に記載の手順に従って調製した、ミニビ
ーズの3集団はオパドライサブコートおよび生産されたSureleaseを/ペクチン
オーバーコートのみSureleaseを/ペクチンコーティングとミニビーズの3集団
の両方でコーティングされました製造されました。オパドライサブコートおよびSure
leaseを/ペクチンオーバーコートの両方で3集団はオパドライの5%の体重増加お
よびSureleaseを/ペクチンの11.5%の体重増加に対応するコーティングの
量を持っていました。のみSureleaseを/ペクチンコーティングを施した3集団
はSureleaseを/ペクチンの9%の重量増加に対応するコーティングの量を持っ
ていました。オパドライサブコートとし、オパドライサブコートなしミニビーズの組成を
表19に示されています。
【0583】
【表19】
【0584】
ミニビーズこれらの6集団の溶解プロファイルを図11に示した溶解プロフィールを得
るために、実施例6の溶解試験プロトコルを用いて試験しました。
【0585】
図11は、HPMCのサブコートを欠くミニビーズの集団のための放出プロフィールに
広範囲の変動を示しています。 12時間での%放出値は48%から63%の範囲であり
、24時間の時点で、彼らは61%から83%の範囲です。 HPMCのサブコートを欠
くミニビーズについて得られた結果とは全く対照的に、HPMCのサブコートを持つミニ
ビーズは異なるバッチの%放出はほとんど変化しています。
【0586】
実施例19:コーティングの厚さの測定
本明細書に開示された手順に従って製造ミニビーズは、走査型電子顕微鏡(SEM)で
調べました。 11%の体重増加と:(2比98)ミニビーズは、10%の体重増加およ
びSureleaseを/ペクチンの第2のコーティングでのOpadryの第1のコー
ティングを持っていました。 ミニビーズはミニビーズの最も広いポイントで半分に切断
しました。ビーズの横断面は、その後、SEM下で調べました。図12は、ミニビーズの
断面のSEM像を示し、図13は、図12図13の画像の拡大版は明らかに異なる第1
コーティングおよび第2コーティングを示しています。 SEM像から、第1のコーティ
ングの厚さは41ミクロンであり、第2のコーティングの厚さは40μmであったと判断
することができました。
【0587】
実施例20:ミニビーズの組成
表21に示す組成を有するミニビーズ水相の比、油相を除いて「製造コア」の実施例1
に記載の方法と類似の方法を用いて調製した1:表21.混合組成物中の5油相と水相が
表20表20の「界面活性剤」に示す組成を有する液体混合物が得られた界面活性剤のす
べてのために調製した表21の組成物を用いて、表に22 ミニビーズを記載されている
界面活性剤の1つでしたラブラフィルM 1944 CSを除いて、表22の。 ミニビ
ーズ水相比にオイルを変えることにより、または液体組成物の粘度を増加させることによ
って、ラブラフィルM 1944 CSを含む液体組成物を形成することができることが
期待されます。
【0588】
【表20】
【0589】
【表21】
【0590】
表22は、表は、界面活性剤の各々を含む液体組成物について行わ結晶化試験の結果を
示し、表20および21の組成物の界面活性剤を示します。
【0591】
結晶化テスト
エマルションは、250-350rpmで撹拌しながら、表22に記載されている界面
活性剤の各々について、表20に開示された組成物を用いて得ました。エマルションの試
料は、30分間隔で採取し、50倍または100倍の倍率で顕微鏡下で観察しました。結
晶が試料に現れた時には、表22に示されています。
【0592】
【表22】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアおよびコーティングを含み、前記コアは、固体コロイドを含み、前記コロイドは、連続相および分散相を含み、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記コアは、薬学的有効成分を含み、前記薬学的有効成分は、シクロスポリンであり、前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、熱可逆性ヒドロゲル形成ポリマーを含み、前記コーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、前記コーティングは、前記コアの~20重量%のコーティングによる重量増加に対応する量で存在する、医薬製剤。
【請求項2】
前記コーティングは、厚さが1μm~1mmである、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記医薬製剤は、遅延放出ポリマーを含む第2のコーティングを含む、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記コーティングによる重量増加は、7~16%、9~20%、9~16%、1~15%、および12~16%から選択される範囲にある、請求項1~のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記薬学的有効成分は、疎水性の薬学的有効成分または親水性の薬学的有効成分である、請求項1~のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、ゼラチン、寒天、ポリエチレングリコール、デンプン、カゼイン、キトサン、大豆蛋白質、ベニバナタンパク質、アルギン酸塩、ジェランガム、カラギーナン、キサンタンガム、フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、フタル酸酢酸セルロース、オレオレジン、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルの重合物、ポリビニルアセテートフタレート、および上記全ての任意の誘導体、または、このようなポリマーの2種類以上の混合物含む、請求項1~のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、カラギーナン、ゼラチン、寒天、およびペクチン、またはそれらの組み合わせ、任意選択的には、ゼラチンおよび寒天またはそれらの組み合わせ、から選択される親水コロイド含み、より任意選択的には、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスのポリマーは、ゼラチン含む、請求項1~のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記ヒドロゲル形成ポリマーは、さらに、可塑剤、任意選択的には、グリセリン、ポリオール(例えば、ソルビトール)、ポリエチレングリコール、およびクエン酸トリエチル、またはこれらの混合物、から選択される可塑剤、特にソルビトールを含む、請求項または請求項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスは、前記有効成分をカプセル化する、請求項1~のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記分散相は、疎水性相含む、請求項1~のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記分散相は、液体脂質および任意選択的に前記液体脂質と混和する溶媒含む、請求項1~10のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記分散相は、グリセリド組成物含み、任意選択的に、前記分散相は、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、もしくはトリグリセリド、もしくはそれらの組み合わせ含み、または、前記分散相は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド組成物含む、請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記分散相は、植物油および石油化学油から選択される油含む、請求項10又は11に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記分散相は、例えば、オメガ3油、例えば、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、α-リノール酸、および共役リノール酸、から選択される、ポリ不飽和脂肪酸含む、請求項10又は11に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記分散相は、オリーブ油、ゴマ油、ヤシ油、パーム核油、およびニーム油から選択される油含む、請求項10又は11に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記分散相は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド、およびプロピレングリコールジカプリレート/ジカプレートから選択される油相含む、請求項10又は11に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記分散相は、リノレオイルマクロゴールグリセリド(ポリオキシルグリセリド)およびカプリロカプロイルマクロゴールグリセリドから選択される油相含む、請求項10又は11に記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記分散相は、HLBが0~10の油相含む、請求項1017のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記分散相は、さらに溶媒含み、前記溶媒は、前記分散相および水と混和し、任意選択的に、前記溶媒は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールおよびポリ(エチレングリコール)から選択され、特に、前記溶媒は、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールである、請求項1017のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記溶媒は、平均分子量が約200~約400のPEG、例えば、PEG200またはPEG400、から選択されるポリ(エチレングリコール)含む、請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項21】
前記分散相は、前記コアの乾燥重量で、10~85%、例えば、20~30%を示す油相含む、請求項1020のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項22】
前記分散相は、中鎖トリグリセリド、ポリエトキシル化ヒマシ油、および2-(エトキシエトキシ)エタノールを含む油相含む、請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項23】
前記有効成分は、前記連続相もしくは前記分散相中に溶解または懸濁している、請求項1022のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項24】
前記有効成分は、
a.前記分散相中に溶解している、
b.前記連続相中に溶解している、
c.前記分散相中に懸濁している、または
d.前記連続相中に懸濁している、
請求項23のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項25】
前記有効成分は、疎水性の有効成分であり、前記分散相中に溶解しもしくは前記連続相中に懸濁しており、または、親水性の有効成分であり、前記分散相中に懸濁しもしくは前記連続相中に溶解している、請求項23に記載の医薬製剤。
【請求項26】
前記コアは、界面活性剤をさらに含み、任意選択的に、前記界面活性剤は、任意選択的にアルキル硫酸塩、カルボン酸塩、もしくはリン脂質から選択される、陰イオン界面活性剤、または、任意選択的にソルビタン系界面活性剤、PEG脂肪酸、もしくはグリセリル脂肪酸から選択される、非イオン界面活性剤、または、ポロキサマー、または、それらの
組み合わせ、である、請求項1~25のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項27】
前記コアは、少なくとも前記連続相に存在する界面活性剤をさらに含み、前記界面活性剤は、HLB値が少なくとも10であり、例えば、20よりも大きい、請求項1~26のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項28】
前記連続相中の前記界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、例えば、脂肪酸塩および胆汁塩から選択される少なくとも1つの界面活性剤、特に、アルキル硫酸塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムである、請求項27に記載の医薬製剤。
【請求項29】
前記分散相は、非イオン界面活性剤含む、請求項1028のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項30】
前記分散相は、HLB値が1~20、例えば、1~15、1~10、10~20、10~15、1~5の範囲である界面活性剤をさらに含む、請求項1~29のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項31】
前記界面活性剤は、HLB値が、8以下、7以下、1~8、1~7、1~5、2~5、1~4、1~3、1~2、2~4、3~4、5~8、6~8、および6~7から選択される、請求項30に記載の医薬製剤。
【請求項32】
前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記分散相は、油および界面活性剤を含む油相を含み、前記油および前記界面活性剤は両方とも、HLBが0~10の範囲である、請求項1~31のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項33】
前記油は、HLBが1~5であり、前記界面活性剤は、HLBが2~8、任意選択的に、3~7、2~6、または3~4である、請求項32に記載の医薬製剤。
【請求項34】
前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸乳酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテル、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロック共重合体、およびポリオキシエチレンエーテルから選択される界面活性剤含み、任意選択的に、前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸乳酸エステル、またはショ糖脂肪酸エステルから選択される界面活性剤含み、
任意選択的に、前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、および脂肪酸乳酸エステルから選択される界面活性剤含み、
任意選択的に、前記界面活性剤は、脂肪酸グリセリド含み、
任意選択的に、前記界面活性剤は、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステル、またはソルビタントリ脂肪酸エステル含む、
請求項2933のいずれかに記載の組成物。
【請求項35】
前記界面活性剤は、以下から選択される、
オレオイルマクロゴールグリセリド、リネオイルマクロゴールグリセリド、ラウロイルマクロゴールグリセリド、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノヘプタノアート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、
ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールオレオイルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンラウレート、ソルビパルミチン酸、ステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、およびナトリウムステアロイル-2-ラクチラート、請求項2933のいずれかに記載の組成物。
【請求項36】
前記界面活性剤は、ソルビタントリオレエート(スパン85)、ソルビタンモノパルミテート(スパン40);ポリグリセリル-3ジオレエート(Plurol Oleique CC 497)およびオレオイルマクロゴール6グリセリド(ラブラフィルM1944CS)から選択され、任意選択的に、前記界面活性剤は、ソルビタントリオレエート(スパン85)およびソルビタンモノパルミテート(スパン40)から選択される、請求項2933のいずれかに記載の組成物。
【請求項37】
前記油相は、トリグリセリド含み、任意選択的に、前記油は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、およびカプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリドから選択されるトリグリセリド含む、請求項3236のいずれかに記載の組成物。
【請求項38】
前記分散相は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド、およびプロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、およびポリエトキシル化ヒマシ油から選択される油相を含む、請求1~のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項39】
前記分散相は、溶媒、例えば、2-(2-エトキシエトキシ)エタノールをさらに含む、請求項1~38のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項40】
前記医薬製剤は、界面活性剤、可溶化剤、透過性促進剤、崩壊剤、結晶化抑制剤、pH調整剤、安定化剤、またはそれらの組み合わせから選択される賦形剤をさらに含む、請求項1~39のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項41】
前記第2のコーティングは、細孔形成剤をさらに含む、請求項40のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項42】
前記第2のコーティングは、遅延放出ポリマーおよび細孔形成剤を含み、任意選択的に、ポリマー:細孔形成剤の比率が、80:20~99.5:0.5、90:10~99.5:0.5、95:5~99.5:0.5、97:3~99:1で存在し、任意選択的に、前記比率は、98:2である、請求項41に記載の医薬製剤。
【請求項43】
前記細孔形成剤は、細菌分解性ポリマーであり、任意選択的に、細菌分解性多糖類である、請求項41または請求項42に記載の医薬製剤。
【請求項44】
前記分散相は、
前記薬学的有効成分、
中鎖のモノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリド、例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、
非イオン界面活性剤、例えば、ポリエトキシル化ヒマシ油、および
溶媒、例えば、2-(エトキシエトキシ)エタノール)、
含み、
前記連続相は、
陰イオン界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、および胆汁塩から選択される少なくとも1つの界面活性剤、特にアルキル硫酸塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、
カラギーナン、ゼラチン、寒天、およびペクチンから選択される親水コロイド、またはその組み合わせ、任意選択的には、ゼラチンおよび寒天から選択される親水コロイド、またはその組み合わせ含むヒドロゲル形成ポリマーマトリックス、より任意選択的には、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスのポリマーは、ゼラチン含む、ならびに
任意選択的に、可塑剤、例えば、グリセリン、ポリオール、例えば、ソルビトール、ポリエチレングリコール、およびクエン酸トリエチルから選択される可塑剤、またはその混合物、特にソルビトール、
含む、
請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項45】
前記コアは、300~700mg/gの量のゼラチンを含むヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記コアは、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、または中鎖トリグリセリドを、20~200mg/gの量でさらに含み、前記医薬製剤は、以下の成分、つまり、
150~250mg/gの量の共溶媒、
80~200mg/gの量の非イオン界面活性剤、
15~50mg/gの量の陰イオン界面活性剤、
をさらに含む、
請求項1~44のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項46】
前記製剤は、ミニビーズの形態である、請求項1~45のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項47】
コアの最大断面寸法は、約0.01~約5mmであり、任意選択的に、前記製剤は、ミニビーズの形態である、請求項1~46のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項48】
前記ミニビーズは、回転楕円体であり、縦横比が、1.5以下、例えば、1.1~1.5である、請求項46または請求項47に記載の医薬製剤。
【請求項49】
請求項4648のいずれかに記載のミニビーズを多数含む医薬製剤。
【請求項50】
前記製剤は、経口投与用である、請求項1~49のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項51】
前記コアは、前記分散相を前記連続相と混合してコロイドを形成することによって形成されたコアの特性を有し、前記連続相は、ヒドロゲル形成ポリマーを含む水相であり、前記分散相は、疎水性相であり、前記薬学的有効成分は、前記連続相または前記分散相中にあり、前記コロイドは、前記コアを形成するためにゲル化されている、請求項1~50のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項52】
前記分散相は、請求項1022または2939のいずれかで定義された通りである、請求項51に記載の医薬製剤。
【請求項53】
前記ヒドロゲル形成ポリマーは、ゼラチン、寒天、ポリエチレングリコール、デンプン、カゼイン、キトサン、大豆蛋白質、ベニバナタンパク質、アルギン酸塩、ジェランガム、カラギーナン、キサンタンガム、フタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、フタル酸酢酸セルロース、含油樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルの重合物、ポリビニルアセテートフタレート、および上記全ての任意の誘導体、から選択される1つ以上のヒドロゲル形成ポリマー含む、請求項51または請求項52に記載の医薬製剤。
【請求項54】
前記連続相は、陰イオン界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、をさらに含む、請求項5153のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項55】
前記医薬製剤は、前記第1のコーティングでコアをコーティングすることによって形成される医薬製剤の特性を有する、請求項5154のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項56】
前記コアは、ヒドロゲル形成ポリマーマトリックスおよび前記ヒドロゲル形成ポリマーマトリックス中に分散した疎水性相を含み、前記コアは、ゼラチン、SDS、ソルビトール、ポリエトキシル化ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、2-(エトキシエトキシ)エタノール含み、前記水溶液(i)は、ゼラチン、ソルビトール、およびSDS含み、前記分散相(ii)は、ポリエトキシル化ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、2-(エトキシエトキシ)エタノール、およびシクロスポリンA含む、請求項51に記載の医薬製剤。
【請求項57】
前記製剤は、0.1~1000mg、任意選択的には、1~500mg、例えば、10~300mgまたは25~250mg、適切には、約25mg、35mg、約75mg、約180mg、約210mg、または約250mgの薬学的有効成分を含む経口投与用の単位剤形に製剤化される、請求項1~56のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項58】
消化管の状態を治療するのに使用される、請求項1~57のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項59】
前記消化管の状態は、炎症性腸疾患、過敏性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病、移植片対宿主病、消化管移植片対宿主病、胃腸炎、十二指腸炎、空腸炎、回腸炎、消化性潰瘍、カーリング潰瘍、虫垂炎、大腸炎、偽膜性大腸炎、憩室症、憩室炎、子宮内膜症、結腸直腸癌、および腺癌から選択される、請求項58に記載の使用のための医薬製剤。
【請求項60】
前記消化管の状態は、潰瘍性大腸炎である、請求項58または59に記載の使用のための医薬製剤。
【請求項61】
医薬製剤を作製するプロセスであって、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCを含むコーティングでコアをコーティングする工程を含み、前記コーティングによる重量増加は、前記医薬製剤の~20重量%である、
前記プロセス。
【請求項62】
前記コアを製造することをさらに含み、前記コアを製造することは、
非水相を水相と混合して固体コロイドを形成する工程と、水相または非水相の少なくとも一方は、薬学的有効成分を含み、
(a)非水相は、界面活性剤を含み、
(b)水相は、ヒドロゲル形成ポリマーを含み、
その後、エマルションを固化させる工程と、
を含む、
請求項61に記載の方法。
【請求項63】
請求項1~57のいずれかに記載の医薬製剤を作製するための請求項61または請求項62に記載のプロセス。
【請求項64】
コア、第1のコーティング、および前記第1のコーティングの外側の第2のコーティングを含む多様な固体単位剤形を2バッチ以上製造する方法であって、前記コアは、有効成分およびヒドロゲル形成ポリマーマトリックスを含み、前記第1のコーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、前記第2のコーティングは、遅延放出ポリマーを含み、さらに、前記第1のコーティングは、前記2バッチ以上のそれぞれに時間に対する有効成分の放出%の計画をもたらす量で存在し、前記計画のどの時点でも放出%の差は5単位未満であり、前記方法は、前記コアのバッチを形成し、~20%のコーティングによる重量増加をもたらす量の前記第1のコーティングで前記コアをコーティングし、前記第2のコーティングで前記コアをコーティングして、前記1バッチ以上を提供する、前記方法。