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特開2022-153550組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法
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  • 特開-組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153550
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/29 20060101AFI20221004BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20221004BHJP
   C12N 15/31 20060101ALI20221004BHJP
   C12N 15/51 20060101ALI20221004BHJP
   C12N 15/60 20060101ALI20221004BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20221004BHJP
   C12N 7/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
A61K39/29 ZNA
A61P31/20
C12N15/31
C12N15/51
C12N15/60
C12N1/19
C12N7/00
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120061
(22)【出願日】2022-07-28
(62)【分割の表示】P 2021012907の分割
【原出願日】2017-03-16
(31)【優先権主張番号】201610178526.8
(32)【優先日】2016-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522072644
【氏名又は名称】天津和睦健民生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100117422
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 かおり
(72)【発明者】
【氏名】汪和睦
(72)【発明者】
【氏名】王昌▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼▲ジュン▼
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法を提供する。
【解決手段】組換えハンセヌラ・ポリモルファが発現するB型肝炎表面抗原のDNA配列は特定の配列に示されるものであり、前記B型肝炎ワクチンを生産する組換えハンセヌラ・ポリモルファ発酵液のHBsAg純品の収率を300mg/L~400mg/Lとし、前記B型肝炎ワクチンにおいて、B型肝炎表面抗原の成人用量を40μg/剤、小児用量を20μg/剤とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換えハンセヌラ・ポリモルファを用いて高用量B型肝炎ワクチンを製造方法であって、
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファが発現するB型肝炎表面抗原のDNA配列はSEQ ID NO:1に示されるものであり、
前記B型肝炎ワクチンを生産する組換えハンセヌラ・ポリモルファ発酵液のHBsAg純品の収率を300mg/L~400mg/Lとし、
前記B型肝炎ワクチンにおいて、B型肝炎表面抗原の成人用量を40μg/剤、小児用量を20μg/剤とすることを特徴とする組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法。
【請求項2】
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファが発現するB型肝炎表面抗原のアミノ酸配列はSEQ ID NO:2に示されるものである請求項1に記載の組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法。
【請求項3】
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファが発現するB型肝炎表面抗原は、ウイルス様粒子構造であり、HBsAgをハンセヌラ・ポリモルファ脂質に挿入してなり、前記HBsAgの14個のシステインのうち9~12個がジスルフィド結合を形成するものである請求項1に記載の組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチン製造方法。
【請求項4】
さらに、インサイチュ共沈殿法又は直接吸着法によってアルミアジュバントを製造し、得られたアルミアジュバントをさらに含ませる請求項1に記載の組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法。
【請求項5】
さらに、インサイチュ共沈殿法又は直接吸着法によってアルミアジュバントを製造し、得られたアルミアジュバントをさらに含ませる請求項3に記載の組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法。
【請求項6】
得られた前記B型肝炎ワクチンを、0、1、2~12月にそれぞれ1剤、合計3剤注射することを含む請求項1に記載の組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法。
【請求項7】
プレフィルド注射液剤、注射液剤又は凍結乾燥粉末注射剤から選ばれた製剤とすることを含む請求項1に記載の組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法。
【請求項8】
前記B型肝炎表面抗原はadwサブタイプである請求項1に記載の組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法。
【請求項9】
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファの宿主であるハンセヌラ・ポリモルファ細胞株はHU-11であり、保蔵番号がCGMCC No.1218であり、前記宿主であるハンセヌラ・ポリモルファのオロチジン-5-リン酸デカルボキシラーゼの遺伝子が破壊されたDNA配列がSEQ ID NO:3に示されたものである請求項1に記載の組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子工学分野に属し、ハンセヌラ・ポリモルファで組換え発現するB型肝炎
表面抗原(HBsAg)の成人用量が40μg/1mL、小児用量が20μg/0.5m
LであるB型肝炎ワクチン製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus、HBV)感染は重大な公衆衛生
上の問題である。世界保健機関(World Health Oganization、W
HO)の報道によると、世界60億人の中、約20億人がHBVに感染したことがあり、
そのうち、3.5億人は慢性HBVに感染しており、HBV感染による肝不全、肝硬変、
原発性肝細胞癌(肝癌)から毎年約100万人が死亡している。全世界の肝臓癌患者の中
、75%以上がHBVにより引き起こされる。中国はHBV感染症流行地域である。19
92年に、中国衛生部はB型肝炎ワクチンを計画免疫管理に組み入れた。2001年12
月、国務院は、B型肝炎ワクチンを子供計画免疫に組み入れることを正式に承認して、各
省、市、自治区が、2002年から、少額の手数料以外、すべての新生児にB型肝炎ワク
チンを無料で接種することが要求される。2005年3月に策定された計画免疫条例によ
れば、2005年6月1日から、すべての新生児にB型肝炎ワクチンによる免疫を無料で
行うようになる。約15年間に亘り努力を重ねた結果、中国の一般人口、特に15歳以下
の児童は、B型肝炎ウイルス感染率が著しく低下している。2006年の全国B型肝炎血
清疫学調査から明らかなように、全人口のB型肝炎表面抗原(HBsAg)キャリア率が
1992年の9.75%から7.18%に低下し、5歳以下の児童のB型肝炎表面抗原キ
ャリア率が従来の9.67%から0.96%に低下している。それに基づいて、中国では
、現在、慢性HBV感染者は約9300万人であり、そのうち、慢性B型肝炎患者は約2
000万例であり、毎年、HBVによる肝硬変や肝癌に起因する死亡例は30万例以上で
あり、B型肝炎の新たな発症例は50万~100万ある。従って、この疾患は、現在、さ
らに将来の長期間に、中国の人々の健康を損ない、社会の発展を妨げ、社会の安定性に悪
影響を与える重要な要因となっているため、重大な公衆衛生上の問題であるとともに、人
間本位社会を構築するプロセスにおいて、優先的に解決すべき重大な健康上の課題でもあ
る。中国人口の高HBV感染により、国に大きな経済的負担をもたらす。調査によると、
中国では、慢性B型肝炎(肝硬変や肝がんを含む)による直接または間接的な医療費は1
年間あたり約6,800億元と高い。B型肝炎ワクチンによる免疫予防及び治療は疾患に
よる負担を軽減させるのに最も有効な方法である。
【0003】
遺伝子組換え技術は、現代のバイオテクノロジーの中核技術であり、B型肝炎ワクチンの
主成分であるウイルス様粒子B型肝炎表面抗原(HBsAg VLP)を量産するための
唯一な技術でもある。1970年代に、開発された最初の微生物遺伝子組換え技術は、原
核細胞の大腸菌発現系である。真核細胞の翻訳後の処理及び修飾機能がないため、HBs
Ag線状抗原のみを発現させ、HBsAg VLP抗原として組み立てることができない
。線状抗原の免疫原性が弱いことが原因で、10年近くの研究を経た後、失敗を宣告した
。1980年代に、酵母は単細胞の真核微生物として、原核生物のように大規模な発酵生
産が実施されやすく、遺伝的操作が簡単であるという特徴を有するとともに、哺乳類細胞
の翻訳後の処理及び修飾機能を有し、真核生物の生物学的活性なタンパク質の生産に用い
ると、多数の利点がある。出芽酵母は外来遺伝子を発現する最初の真核系であり、米国の
メルク社は最初にHBsAg VLP抗原の発現に成功して、最初の遺伝子組換えB型肝
炎ワクチン及び最初の抗癌ワクチンを開発した。しかしながら、出芽酵母発現系の工業的
生産には、たとえば、エンジニアリング菌株の外来遺伝子プラスミドが細胞質に遊離して
おり、遺伝的安定性が悪いこと、発酵密度が不十分で、生産効率が低いこと、合成したポ
リペプチド鎖が過度にグリコシル化されるなどの複数の欠点がある。1986年にメルク
社が開発した出芽酵母組換えHBsAg純品(原液)の収率が10mg/リットルであり
、当時のHBsAg粒子抗原の産量により制限されるため、該組換えB型肝炎ワクチンの
用量を5μg/剤として決定した。1995年に、中国の北京天壇社及び深セン康泰社が
米国Merck社から輸入した出芽酵母組換えB型肝炎ワクチンは800リットルの発酵
規模の正式な生産を開始させた。Merck社の標準によれば、1リットルあたりの発酵
液からHBsAgウイルス様粒子抗原の純品を3ミリグラム生産し、年間生産量は5μg
/剤の2000万剤である。約十年間に亘ってプロセスを改良した結果、1リットルあた
りの発酵液で生産できるHBsAgウイルス様粒子抗原の純品(原液)が10ミリグラム
まで向上されている。1989年にグラクソ・スミスクライン社が開発して生産した出芽
酵母組換えB型肝炎ワクチンは、HBsAg VLP抗原純品(原液)の収率が20mg
/リットルにも達し、産量が倍増するため、成人用量が20μg/剤、小児用量が10μ
g/剤として決定した。中国の科学者は、1990年代初めに、組換えHBsAg VL
P粒子抗原が細胞外に直接分泌できるという利点を有する組換えCHO細胞型B型肝炎ワ
クチンを独自に開発した。しかしながら、動物細胞を振盪フラスコ培養する必要があり、
産量が低く、1リットルあたりHBsAg VLP抗原純品(原液)1ミリグラムしか生
産できない。1995年にドイツのRheinland社が開発したハンセヌラ・ポリモ
ルファ組換えB型肝炎ワクチンは、HBsAg VLP抗原純品(原液)の収率が60m
g/リットルに向上され、産量がさらに数倍に増加し、2004年に、韓国で別の会社と
協力して生産を開始させ、用量は、以上と同じ、成人用量が20μg/剤、小児用量が1
0μg/剤と決定した。本特許権者が1995年からハンセヌラ・ポリモルファ組換えB
型肝炎ワクチンの研究開発に取り組んでいる。1998~2002年に大連高新生物製薬
有限公司でリーダとして開発したハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBsAg adwB
型肝炎ワクチンは、HBsAg VLP抗原純品(原液)の収率が40mg/リットルで
あり、2002年に国家の承認を受けて市販されてきた。出願者は2003-2006年
に北京天壇生物製品株式会社と契約を締結して組換えハンセヌラ・ポリモルファHBsA
g-adr2B型肝炎ワクチンを開発した。当該B型肝炎ワクチンは、HBsAg VL
P抗原純品(原液)の収率が85mg/リットル以上に達し、2015年に国家新薬評価
を申告しており、該ワクチンに基づいて出願した中国特許出願の公開番号がCN1042
32661Aである。従来のB型肝炎ワクチンが従来のエンジニアリング菌株で発現する
B型肝炎表面抗原(HBsAg)の産量により制限されること及びB型肝炎ワクチンを広
範に接種するというニーズがあるという現状に鑑み、従来のB型肝炎ワクチンは一般的に
上記小用量で接種する形態を取る。
【0004】
現在、中国のB型肝炎ワクチンの免疫応答のパイロット状況については、下記2群の臨床
研究によれば、サンプル量が大きく、厳格に管理され、ゴールドスタンダードとなる化学
発光微粒子免疫アッセイによりAnti-HBsを検出し、Anti-HBs免疫応答の
新しい標準に基づいて結果を分析した。(1)上海市では、2011年に、1531名の
新生児に0、1、6月に出芽酵母組換えB型肝炎ワクチンを5μg/剤で接種したところ
、Anti-HBs免疫応答の結果として、低/無応答率は21.68%と高い。幾何平
均力価GMTは282.34mIU/mlだけである。同時に、516名の新生児に0、
1、6月にハンセヌラ・ポリモルファ組換えB型肝炎ワクチンを10μg/剤で接種した
結果、低/無応答率は3.10%である。GMTは1408.08mIU/mlである。
(2)山東省では、2013年に、成人易感染集団に対して、0、1、6月に、それぞれ
2群の組換えB型肝炎ワクチンを接種し、具体的には、2,011名に、GSK社から輸
入した出芽酵母組換えB型肝炎ワクチンを20μg/剤で接種し、その結果、Anti-
HBsの低/無応答率は29.79%と高く、Anti-HBsの幾何平均力価GMTは
270.39mIU/mlだけである。また、2,290名に、華北製薬金坦社によるC
HO組換えB型肝炎ワクチンを20μg/剤で接種し、その結果、Anti-HBsの低
/無応答率は28.43%と高く、Anti-HBsの幾何平均力価GMTは312.6
7mIU/mlだけである。
【0005】
上記結果を分析して分かるように、中国では、従来の4種類のB型肝炎ワクチンにおいて
、新生児向けのハンセヌラ・ポリモルファ組換えB型肝炎ワクチンだけが理想的であり、
残りの3種類である新生児向けの5μg/剤の出芽酵母組換えB型肝炎ワクチン、成人向
けの出芽酵母組換えB型肝炎ワクチン20μg/剤及び成人向けのCHO組換えB型肝炎
ワクチン20μg/剤はいずれも、低/無応答率が30%程度と高く、幾何平均力価GM
Tが300 mIU/ml程度と低い。特に、現在、中国国内では、成人に適用できるB
型肝炎ワクチンはなかった。復旦大学の董生福博士と山東大学の李平理博士によれば、現
在のB型肝炎ワクチンには免疫原性の弱いという問題がある。市場の需要が高免疫原性B
型肝炎ワクチンを開発するための原動力となり、下記高用量B型肝炎ワクチンを開発する
ことが期待される。B型肝炎ワクチンの小児用量は20μg/剤であり、0、1、6月の
プログラムに従い3剤接種すると、Anti-HBs免疫応答の幾何平均力価GMTが≧
2000 mIU/ml、低/無応答率(<100 mIU/ml)が<5%、高応答率(
≧ 1000mIU/ml)が>60%であると予期されている。B型肝炎ワクチンの成
人用量は40μg/剤であり、0、1、6月のプログラムに従い3剤接種すると、Ant
i-HBs免疫応答の幾何平均力価GMCが>1000mIU/ml、低/無応答率(<
100 mIU/ml)が<5%、高応答率(≧ 1000mIU/ml)が>50%であ
ると予期されている。
【0006】
1992年と2006年に実行した全国人口におけるB型肝炎ウイルスの疫学調査報告の
結果によれば、5歳おきの集団のHBsAgキャリア率の変化の過程全体について詳細に
分析し、分析結果に基づいて、中国のB型肝炎ワクチンへの総需要量を予測した。それに
基づいて、全国人口のB型肝炎ワクチンの品種に対する問題を把握して、上記高用量B型
肝炎ワクチンニーズの総産量を決定する。(1)中国ではすべての新生児へB型肝炎ワク
チンを無料で接種する計画免疫を施したところ、5歳以下の児童のB型肝炎表面抗原キャ
リア率が従来の9.67%から0.96%に低下し、中国ではHBsAgをキャリアした
人数を2200万減少させることに大きな貢献をした。一方、2006年からの15年後
、すなわち2021年までに、新生児にB型肝炎ワクチンを接種する計画免疫を続けても
、5歳以下の児童のB型肝炎表面抗原のキャリア率が元々低いため、全国人口のHBsA
gキャリア率を更に低下させることに貢献がなくなる。(2)2006年に、5歳以下、
10歳以下、及び15歳以下の児童が一般的にB型肝炎ワクチンを接種されている場合、
人口のB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)のキャリア率が0.96%からそれぞれ
1.96%と3.37%に迅速に上昇し、特にB型肝炎ウイルスの高流行地域(表面抗原
(HBsAg)キャリア率%>8.0%)である12個の省や市(安徽、福建、江西、広
東、広西、海南、重慶、チベット、江蘇、浙江、湖北、四川)では、上記年齢の児童の表
面抗原(HBsAg)キャリア率が大幅に上がっている。それは、児童のB型肝炎ワクチ
ンのAnti-HBs低/無応答率が高いためであると考えられる。高流行地域では新生
児を免疫するときに20μg/剤で3剤接種することが推薦され、それによって、Ant
i-HBs保護応答のレベルをより向上させ、低/無応答率を低下させることができる。
ワクチンの需要量は年間約600万人分(3剤)である。(3)全国では、15歳以下~
20歳以下の人口のHBsAgキャリア率は3.37%から7.21%に急速に上昇した
。中国国内外の報告によると、児童にB型肝炎ワクチンにより一次免疫応答をした後、免
疫学的記憶の作用により、有効な保護期間が10~14年持続している。上記免疫学的記
憶による保護期間が切れた10~14歳の児童の場合、免疫保護作用を高めるために、通
常、0、1、6月のプログラムに従い、3剤のハンセヌラ・ポリモルファ組換えB型肝炎
ワクチン20μg/剤を用いて二次免疫をした。このように、中国の10~20歳以下の
人口のHBsAgキャリア率が3.00%以下に制御され、持続的に15年間実施すると
、中国ではHBsAgをキャリアした人口数を900万減少させることができる。ワクチ
ンの需要量は年間約1800万人分(3剤)である。(4)15~59歳の成人のHBs
Agキャリア率が8.57%と高いが、、成人のB型肝炎ワクチン接種率が13.78%
だけである。まず、成人では、高リスク集団と易感染集団についてすべて0、1、6月の
プログラムに従いハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBsAgB型肝炎ワクチン40μg
/剤を3剤接種し、最終的に、すべての成人に該B型肝炎ワクチンを接種することを実現
する。全国では、15~59歳の成人は合計10億であり、1年間に1.2億-1.5億
人分接種するとすれば、すべての人口にB型肝炎ワクチンを接種するのに7~8年間がか
かる。次に、免疫学的記憶周期を10年とすれば、20、30、40及び50歳に、0、
1、6月のプログラムに従い、3剤のハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBsAgB型肝
炎ワクチン40μg/剤を用いて二次免疫をする。このように、ワクチンの需要量は年間
1億人分(3剤)以上である。10年間持続して実施すると、15~59歳の人口のHB
sAgキャリア率が6.00%程度に制御でき、このような対策は、中国のHBsAgを
キャリアした人数を2000万減少させることに貢献できる。前記のとおり、高免疫原性
、高用量の組換えB型肝炎ワクチンを提供する問題を解決し、中国のB型肝炎の予防効果
を向上させ、「肝炎患者が多い国」の難問を解決するために重大な意義がある。
【発明の概要】
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高
用量B型肝炎ワクチンであって、前記B型肝炎ワクチンを生産する組換えハンセヌラ・ポ
リモルファ発酵液のHBsAg純品(原液)の収率が300mg/L-400mg/Lで
あり、前記B型肝炎ワクチンにおいて、B型肝炎表面抗原(HBsAg)の用量の目安が
40μg/剤又は20μg/剤であることを特徴とする組換えハンセヌラ・ポリモルファ
による高用量B型肝炎ワクチンを提供する。前記40μg/剤の用量の目安が成人向けの
用量の目安、前記20μg/剤の用量の目安が児童向けの目安である。
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンにおいて、前記組換
えハンセヌラ・ポリモルファが発現するB型肝炎表面抗原(HBsAg)のDNA配列は
SEQ ID NO:1に示されることを特徴とする。前記B型肝炎表面抗原はadwサブ
タイプである。
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンにおいて、前記組換
えハンセヌラ・ポリモルファが発現するB型肝炎表面抗原のアミノ酸配列はSEQ ID
NO:2に示されることを特徴とする。
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンにおいて、前記組換
えハンセヌラ・ポリモルファが発現するB型肝炎表面抗原は、ウイルス様粒子(VLP)
構造であり、HBsAgをハンセヌラ・ポリモルファ脂質に挿入してなり、前記HBsA
gの14個のシステインのうち9~12個がジスルフィド結合を形成することを特徴とす
る。
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンにおいて、前記組換
えハンセヌラ・ポリモルファの宿主であるハンセヌラ・ポリモルファ細胞株は、HU-1
1(CGMCC No.1218)であり、前記宿主であるハンセヌラ・ポリモルファの
オロチジン-5-リン酸デカルボキシラーゼ遺伝子(HURA3)が破壊されたDNA配
列がSEQ ID NO:3に示されることを特徴とする。
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンにおいて、インサイ
チュ共沈殿法又は直接吸着法によって製造されるアルミアジュバント、好ましくはインサ
イチュ共沈殿法によって製造されるアルミアジュバントをさらに含むことを特徴とする。
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンにおいて、前記B型
肝炎ワクチンの免疫手順は、0、1、2~12月にそれぞれ1剤、合計3剤注射し、好ま
しくは、0、1、6月にそれぞれ1剤、合計3剤注射することを特徴とする。
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンにおいて、剤型が、
プレフィルド注射液剤、注射液剤又は凍結乾燥粉末注射剤から選ばれ、好ましくは、プレ
フィルド注射液剤であることを特徴とする。
本発明は、組換えハンセヌラ・ポリモルファをさらに提供し、前記組換えハンセヌラ・ポ
リモルファはSEQ ID NO:1に示されるヌクレオチド配列が含まれ、好ましくは、
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファのゲノムにSEQ ID NO:1に示されるヌクレ
オチド配列が組み込まれていることを特徴おとする。
前記組換えハンセヌラ・ポリモルファにおいて、前記組換えハンセヌラ・ポリモルファの
宿主であるハンセヌラ・ポリモルファ細胞株は、HU-11(CGMCC No.121
8)であり、前記宿主であるハンセヌラ・ポリモルファのオロチジン-5-リン酸デカル
ボキシラーゼ遺伝子(HURA3)が破壊されたDNA配列がSEQ ID NO:3に示
されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る組換えハンセヌラ・ポリモルファによる高用量B型肝炎ワクチンは、高VL
P抗原・高産量の組換えハンセヌラ・ポリモルファ株をスクリーニングし、それをエンジ
ニアリング菌として、従来技術よりもB型肝炎表面抗原の産量及び品質を大幅に向上させ
、それによって、本発明は、ハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBsAgの成人用量が4
0μg/剤、小児用量が20μg/剤である高用量B型肝炎ワクチンを提供する。同等の
生産規模(2台の800リットル発酵缶)では、ハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBs
Ag VLP純品(原液)の年間生産量が19,800グラムである場合、成人用量が40
μg/剤のB型肝炎ワクチン3.3億剤(1.1億人分)及びハンセヌラ・ポリモルファ
組換えHBsAgの小児用量が20μg/剤の3.3億剤(1.1億人分)を生産でき、
産量は中国のすべての人口を免疫接種するための需要量を満足できる。同時に、本発明で
は、従来のB型肝炎表面抗原のヌクレオチド配列を改良して、新しいヌクレオチド配列(
SEQ ID NO:1)及びそれがコードするポリペプチド(SEQ ID NO:2)を
提供し、従来のB型肝炎表面抗原のヌクレオチド配列に比べて、該改良した配列を用いる
ことによって、高産量の組換えハンセヌラ・ポリモルファエンジニアリング菌株をスクリ
ーニングしやすい以外、高純度HBsAg VLPを生成することができ、電子顕微鏡(
図4参照)の写真から明らかなように、配列を改良した組換えハンセヌラ・ポリモルファ
エンジニアリング菌株を用いて生産するB型肝炎表面抗原は高品質のウイルス様粒子(V
LP)であり、優れた免疫効果を奏する。且つ、生産するHBsAgは純度が高く、パイ
ロット規模の条件では97.2%に達し、量産の条件では、99%の純度標準に達する。
そして、本発明に係るB型肝炎ワクチン製品は、好ましくはプレフィルド注射液剤として
製造され、プレフィルドシリンジは、1ケースごとに1剤あり、使用しやすく、使用方法
やコツが容易に把握でき、使い捨て型注射器であるため、繰り返し使用が不能である。ワ
クチンを接種するときに、別途で注射器を準備する必要がないため、ガラス注射器を使用
する場合、完全に消毒しないことによる伝染病の感染又は蔓延や不適な針先端部による接
種効果への影響を避け、使い捨て型注射器の繰り返し使用のリスクを避ける。実験から分
かるように、一般的に分注した組換えB型肝炎ワクチンのプレフィルド注射液剤は、37
℃で45日間放置した後の熱安定性実験から分かるように、ワクチンのインビトロ相対効
力(RP)がいずれも要求を満たし、一般的に分注したB型肝炎ワクチンは、同一保存条
件では、RPがいずれも要求を満たせない。プレフィルドシリンジに分注した組換えB型
肝炎ワクチンは、短時間内でコールドチェーン輸送に依存せずに、保存したり使用したり
することが可能であり、高齢者の数が多い区域、人口が少ない区域、国境地帯や貧困地域
で毎年生まれた480万の新生児に24h内でB型肝炎ワクチンを接種する接種率の実現
が期待できる。プレフィルドシリンジに分注したB型肝炎ワクチンの完全な接種は良好な
総合的費用便益比を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】プラスミドpMPT-HBs adw2の構築過程の模式図である。
図2】pMPT-HBs adw2プラスミドの物理マップである。
図3】スクリーニングして得られたエンジニアリング菌株PCR増幅産物の電気泳動写真である。
図4】組換えハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBsAgの純品(原液)の電子顕微鏡写真である。
図5】実施例2における組換えハンセヌラ・ポリモルファの形質転換とスクリーニング工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ハンセヌラ・ポリモルファ細胞内プラスミドpMPT-02の構築は、出願者の非独占的
な独自技術である。
遺伝子合成技術を用いて、ハンセヌラ・ポリモルファMOX(メタノールオキシダーゼ)
プロモーター1.5kb、ハンセヌラ・ポリモルファMOX(メタノールオキシダーゼ)
ターミネーター350bp、ハンセヌラ・ポリモルファの自律複製配列HARS 1.0
kb、及び出芽酵母のウラシル遺伝子ScURA3 1.1kbの5つの遺伝子素子を緊
密に連結した後、pBluescripIIプラスミドに挿入して、シャトルプラスミドp
MPT-02を構築する。
【0011】
ウラシル栄養要求性URA3-宿主細胞株HU-11を用いた宿主細胞の開発
相同配列によって媒介される相同組み込みによってオロチジン-5-リン酸デカルボキシ
ラーゼ遺伝子(HURA3)が破壊された組換えハンセヌラ・ポリモルファ株HU-11
(CGMCC No.1218)を構築する。該菌株は、中国国内及び国外で使用されて
突然変異誘発により生じた従来の栄養要求性宿主菌株に比べて、遺伝的安定性が高く、復
帰突然変異率が低いという特徴を有し、遺伝的形質転換及び組換え菌株のスクリーニング
を容易に実施できるとともに、野生型菌株の生理学的および生化学的特徴を保持し、組換
え菌株の培養や外因性タンパク質の効率的な発現に寄与し、高い工業応用価値がある。ハ
ンセヌラ・ポリモルファ遺伝子が破壊された宿主菌HU11株のURA3遺伝子のDNA
シーケンシング結果から明らかなように、遺伝子が破壊された結果、31位の塩基後に、
GAAGTの5個の塩基が挿入されている。GAAGTの5個の塩基の挿入によりフレー
ムシフト突然変異が発生する。フレームシフト突然変異により11位後の254個のアミ
ノ酸コードはすべて突然変異し、突然変異により合計15個の終了コードが発生し、この
ことから、URA3構造遺伝子がさらに発現できないことを示している。GAAGTの5
個の塩基は同時に復帰突然変異を発生する確率が極めて小さく、実験によっても宿主菌H
U11株の復帰突然変異率がゼロであることを確認した。このような「0」復帰突然変異
率を有する宿主菌は、形質転換やスクリーニングに特に有利である。上記遺伝子ノックア
ウト技術によって構築されたURA3栄養要求性宿主細胞株HU-11(CGMCC
No.1218)については出願者が出願した発明特許CN1651570Aに開示され
た。宿主ハンセヌラ・ポリモルファ菌HU-11のオロチジン-5-リン酸デカルボキシ
ラーゼ遺伝子(HURA3)が破壊されたDNA配列はSEQ ID NO :3に示され
る。
【0012】
本発明に係る組換えハンセヌラ・ポリモルファが発現するB型肝炎表面抗原(HBsAg
)のDNA配列はHBsAg adw2サブタイプに基づいて設計されるものであり、S
EQ ID NO:1に示される。前記HBsAgのアミノ酸配列はSEQ ID NO :
2である。
【0013】
ハンセヌラ・ポリモルファ細胞内プラスミドpMPT-HBs adw2(図1参照)の
構築
SEQ ID NO:1に示される配列に基づいてヌクレオチド配列(以下、HBsAg
adw2遺伝子と略称)を合成し、HBsAg adw2遺伝子プラスミドを含むグリセ
ロール菌として構築し、シーケンシングして正確なプラスミドをEcoRI/BamHI
で二重酵素消化させ、酵素消化産物からゲル抽出して、701bpの目的断片DNAを回
収する。
【0014】
酵素消化して同定して正確なプラスミドpMPT-02をEcoRI/BamHIで二重
酵素消化させ、ゲル抽出して回収したベクターDNAを連結して、ハンセヌラ・ポリモル
ファの細胞内プラスミドpMPT-HBs-adw2を得て、プラスミドpMPT-HB
s-adw2をE.coli Competent Cell JM109(Code No
.D9052)に熱形質転換して、平板にコーティングして菌体を一晩培養する。形質転
換平板から単一コロニーを選択して、プラスミドDNAを抽出した後、EcoRI/Ba
mHIで二重酵素消化させ、酵素消化結果から、すべて陽性クローンであることが分かる
。シーケンシングした結果、プラスミドpMPT-HBs-adw2の結果は正確である
【0015】
HBsAg adw2遺伝子をハンセヌラ・ポリモルファ発現系の細胞内プラスミドpM
PT-02のポリクローナル部位であるEcoRIとBamHIの間に挿入する。プラス
ミドpMPT-HBs adw2は全長7665bpである。プラスミドpMPT-HB
s-adw2の構築過程の模式図は図1に示される。pMPT-HBs adw2プラス
ミドの物理マップは図2に示される。
【0016】
組換えハンセヌラ・ポリモルファB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)adw2サブ
タイプエンジニアリング菌株の構築
組換えハンセヌラ・ポリモルファB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)adw2サブ
タイプエンジニアリング菌株を構築するには、出願者が開発した細胞エレクトロポレーシ
ョン技術を用いて、振幅1500V、容量2200V、時間定数3~5msのRCパルス
で1回電気穿孔し、pMPT-HBs adw2プラスミドを用いて、URA3-遺伝子
をノックアウトしたHU-11株(CGMCC No.1218)のハンセヌラ・ポリモ
ルファ細胞を形質転換する。MD選択培養用平皿から成長した単一コロニー形質転換体を
選択して、MD液体培地に移した後、連続継代培養し、adw2サブタイプHBsAg遺
伝子及び対応する調節要素をマルチコピーにして、宿主であるハンセヌラ・ポリモルファ
細胞染色体に異種組み込む。千株余りの形質転換体の単一コロニーについて下記3つのス
テップのスクリーニングを行う。
(1)形質転換体の単一コロニーが大きく、細胞の成長速度が高いクローン株はマルチコ
ピーである確率が高い。
(2)PCR技術によってHBsAg遺伝子と単一コピー数MOX(メタノールオキシダ
ーゼ)遺伝子の電気泳動バンドの明るさを比較することによって、HBsAg遺伝子のコ
ピー数を半定量的に決定する。
(3)メタノールで誘導して振盪フラスコ培養を72時間行った形質転換体の細胞が破砕
した後に放出したHBsAgの発現レベルを検出する。
【0017】
PCR技術を形質転換体スクリーニングに適用することは本願の新たな創造である。外来
遺伝子HBsAgのマルチコピーの決定、ハンセヌラ・ポリモルファ染色体に対して異種
組み込みを行っても、ハンセヌラ・ポリモルファ染色体におけるMOX遺伝子が破壊せず
に完全に存在することに対して、重要な役割を果たし、ハンセヌラ・ポリモルファ発現系
の特有の長所を示している。このために、ハンセヌラ・ポリモルファ染色体におけるMO
X遺伝子(単一コピー)の増幅とHBsAg外来遺伝子(マルチコピー)の異種組み込み
を同時に実施できる一対のプライマーを設計する。増幅産物のアガロースゲル電気泳動で
のバンドの明るさを比較することによって、HBsAg遺伝子がマルチコピーであるか否
かを大体判断できる。この方法は、エンジニアリング菌のHBsAg遺伝子のマルチコピ
ー菌株の予備スクリーニングに用いられる。増幅したHBsAg断片の長さは800bp
、増幅したMOX断片の長さは2000bpである。
【0018】
プライマー配列:primer forward:5 imer forwardを設計使
用して増幅した産物のアガロースゲル電気泳動でのバンドの明るさ。
primer forward:5 ‘-TCAAAAGCGGTATGTCCTTCCA
CGT-’3
primer reverse:5 ‘-TACTGCTGCCAGTGCACGGTG-
’3
【0019】
PCR産物についてのアガロースゲル電気泳動
エンジニアリング菌のHBsAg遺伝子の増幅産物の大きさは約800bp、ハンセヌラ
・ポリモルファの単一コピー遺伝子のMOX遺伝子の増幅産物の大きさは約2000bp
である。スクリーニングして得られたエンジニアリング菌株のPCR増幅産物の電気泳動
写真は図3に示され、図3中、1はMarkerである。
【0020】
得られたエンジニアリング菌株について30リットルのパイロット規模発酵を行い、3ロ
ットの発酵原液における組換えハンセヌラ・ポリモルファが発現するHBsAg含有量を
検出する。
国家標準に準じて、Lowry法タンパク質定量キットを用いて、タンパク質の濃度を測
定し、標準品はキットの提供したウシ血清アルブミン、回帰曲線はy=1.0368x-
0.0109、R=0.999である。発酵原液を生理食塩水で5倍希釈した後、吸光
度検出を、ロットごとに2回検出して、それぞれ対応する純品原液におけるHBsAgの
濃度を計算し、さらにHBsAg収率を計算し、下表に示す。
【0021】
【表1】
本組換えハンセヌラ・ポリモルファHBsAgの純度を高圧液体クロマトグラフィーで分
析したところ、組換えHBsAg純品(原液)の純度は97%以上であった。組換えハン
セヌラ・ポリモルファ組換えHBsAgの純品(原液)の電子顕微鏡写真は図4に示され
る。結果から示されるように、組換えHBsAgは、高純度、高濃度で、且つウイルス様
粒子(VLP)構造が安定的である。
【0022】
組換えハンセヌラ・ポリモルファHBsAgの成人用量が40μg/剤、小児用量が20
μg/剤のB型肝炎ワクチンの新製品
2010年の欧州B型肝炎免疫学コンセンサスグループの報道によれば、B型肝炎表面抗
原(HBsAg)の免疫接種がB型肝炎を予防・治療するための免疫基礎であり、従来、
接種後に抗-HBsを検出することにより免疫反応の強さを評価した。通常、10mIU
/mlを保護応答とするが、低レベルの抗-HBsは顕著なHBsAg感染をカバーして
しまう。その結果、一部の国家(たとえばイギリス、1996年)では、より高い保護応
答である100 mIU/mlを採用し、すなわち、Anti-HBs<100mIU/
mlを低/無応答として判断する。このため、近年開発されている予防性B型肝炎ワクチ
ンで免疫した後、血清学的に検出した保護性Anti-HBs応答レベルの国際格付基準
は以下のとおりである。Anti-HBs<10mIU/mlを無応答、10mIU/m
l≦Anti-HBs<100 mIU/mlを低応答、100mIU/ml≦Anti
-HBs<1000 mIU/mlを正常応答、Anti-HBs≧1000mIU/m
lを高応答として判定する。上記報道のとおり、上記標準によれば、中国では、既存の4
種類のB型肝炎ワクチンのうち、新生児向けのハンセヌラ・ポリモルファ組換えB型肝炎
ワクチン10μg/剤のAnti-HBs応答レベルは上記格付標準に合致し、残りの3
種類、すなわち、新生児向けの5μg/剤出芽酵母組換えB型肝炎ワクチン、成人向けの
出芽酵母組換えB型肝炎ワクチン20μg/剤及び成人向けのCHO組換えB型肝炎ワク
チン20μg/剤はいずれも、低/無応答率が30%程度と高く、幾何平均力価GMTが
300mIU/ml程度と低い。特に、中国では、現在、成人に適用できるB型肝炎ワク
チンはなかった。このため、市場では、高Anti-HBs免疫応答を有する組換えB型
肝炎ワクチンの開発が期待され、ハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBsAgの成人用量
が40μg/剤、小児用量が20μg/剤のB型肝炎ワクチンの新製品の発展の原動力と
なっている。
【0023】
実践したところ、B型肝炎ワクチンのAnti-HBs応答レベルはHBsAg抗原用量
に依存的であり、一般的に、「曲線関係」を有する。すなわち、ワクチンHBsAg抗原
用量の増加に伴い、Anti-HBs応答レベルがまずゆっくりと増大する。HBsAg
抗原用量が所定量まで増大した後、Anti-HBs応答レベルが急速に増加する線形区
間に入り、線形区間では、抗原が倍増して、誘導可能なAnti-HBs応答が倍増し、
線形区間では、HBsAg抗原用量が少なくとも4個の倍増点を有する。HBsAg抗原
用量が再び増加すると、Anti-HBs応答レベルがゆっくりと増大するようになる。
従って、児童と成人用のワクチンのHBsAg抗原用量を対応する「曲線の急速な増加線
形区間」にすべきである。児童HBsAg抗原用量5μg/剤が線形区間の二番目の倍増
点にある場合、HBsAg抗原用量10μg/剤は三番目の倍増点にあり、児童HBsA
g抗原用量がさらに20μg/剤になるまで倍増すると、四番目の倍増点にあり、Ant
i-HBs応答レベルはまだ数倍向上する潜在力がある。また、成人HBsAg抗原用量
20μg/剤が線形区間における三番目の倍増点にあると、HBsAg抗原用量40μg
/剤は四番目の倍増点にあり、Anti-HBs応答レベルはまた数倍向上する潜在力が
ある。上記B型肝炎ワクチンのAnti-HBs応答レベルはHBsAg抗原用量依存的
関係を有し、Anti-HBs応答レベルを向上させるようにハンセヌラ・ポリモルファ
組換えHBsAgの成人用量が40μg/剤、小児用量が20μg/剤のB型肝炎ワクチ
ンの新製品を決定するための重要な理論的根拠となる。上記ハンセヌラ・ポリモルファ組
換えHBsAgB型肝炎ワクチンの新製品のAnti-HBs応答の予期目標については
、15-59歳のすべての成人に適用する幾何平均力価はGMC>Anti-HBs10
00mIU/mlで、低/無応答率(<Anti-HBs100 mIU/ml)<5%
で、高応答率(≧Anti-HBs1000mIU/ml)>50%で、HBsAg高流
行地域の新生児と10-13歳の児童に適用する幾何平均力価はGMC>Anti-HB
s2000mIU/mlで、低/無応答率<5%で、高応答率>60%である。
【0024】
本発明に係る組換えハンセヌラ・ポリモルファのHBsAg純品(原液)の収率が300
mg/リットル以上に達し、従来のハンセヌラ・ポリモルファ又は出芽酵母組換えのHB
sAg純品(原液)の収率よりも5倍余り~30倍と高く、現在の世界最高水準であり、
遺伝子組換え技術の革新である。2台の800リットル酵缶の規模で換算すると、組換え
HBsAg純品(原液)の年間産量は以下のとおりである。
2台(原液リットル(作動体積)×(作動体積)リットル×(作動タンク/年=19,8
00グラム/年
【0025】
ハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBsAgの成人用量が40μg/剤、小児用量が20
μg/剤のB型肝炎ワクチンの新製品を量産するための前提条件となる。ハンセヌラ・ポ
リモルファ組換えHBsAg VLP純品(原液)の年間産量が19,800グラムになっ
たとき、ハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBsAgの成人用量が40μg/剤のB型肝
炎ワクチンの年間産量は3.3億剤(1.1億人分)及びハンセヌラ・ポリモルファ組換
えHBsAgの小児用量が20μg/剤のB型肝炎ワクチンの新製品の年間産量は3.3
億剤(1.1億人分)であり、世界最大の組換え型B型肝炎ワクチンメーカーになり、産
量が全国のすべての人口の免疫接種に必要な量を満足できる。
以下、実施例にて本発明についてさらに説明するが、下記実施例は説明するためのもので
あり、限定するものではなく、本発明の保護範囲は下記実施例により制限されない
【0026】
実施例1
前記SEQ ID NO:1配列に基づいて、pMPT-HBsAg adw2プラスミド
を構築した。プラスミドpMPT-HBs adw2の構築プロセスは以下の工程を含む

設計したハンセヌラ・ポリモルファの好ましいコードHBsAg adw2のDNA配列
に基づいてHBsAg adw2遺伝子を合成し、HBsAg adw2遺伝子プラスミド
を含むグリセロール菌を構築し、MC407B-16と命名した。
シーケンシングして正確なMC407B-16プラスミドをEcoRI/BamHIで二
重酵素消化させ、酵素消化産物についてTaKaRa PCR Fragment Rec
overy Kit(Code No.D301)でゲル抽出して、701bpの目的断片
DNAを回収して、Inset DNA6とした。
酵素消化し、同定して正確なプラスミドpHMPT-02をEcoRI/BamHIで二
重酵素消化させ、ゲル抽出して回収して、ベクターDNAを得て、Vector DNA
6とした。
【0027】
TaKaRa DNA Ligation Kit(Code No. D6022)におけ
るSolutionを用いて、Inset DNA6とVector DNA6を連結した
後、E.coli Competent Cell JM109(Code No.D905
2)に熱形質転換し、平板にコーティングして菌体を一晩培養した。形質転換平板から単
一コロニーを選択して、プラスミドDNAを抽出した後、EcoRI/BamHIで二重
酵素消化させ、酵素消化結果から、MC407A+B+C+D-77~80はすべて陽性
クローンであることが分かった。
MC407A+B+C+D-77プラスミドをそれぞれプライマーRV-M、M13-4
7、MC407P1、MC407P2、MC407P3、MC407P4、MC407P
5、MC407P6、MC407P7、MC407P8、MC407P9、MC407B
F11、MC407BR11でシーケンシングした結果、プラスミドpMPT-HBs
adw2の結果は正確であることが分かった。
【0028】
実施例2
ハンセヌラ・ポリモルファ組換えHBsAgエンジニアリング菌株(すなわち、前記SE
Q ID NO:1に示される配列を含むハンセヌラ・ポリモルファ宿主細胞の形質転換ス
クリーニング株)の構築
組換えハンセヌラ・ポリモルファB型肝炎ワクチンの形質転換とスクリーニングの過程は
図5に示される。
具体的に以下を含む。
1)細胞エレクトロポレーション法を用いて、pMPT-HBsAgプラスミドで宿主細
胞であるURA3-栄養要求性ハンセヌラ・ポリモルファ細胞株HU-11(CGMCC
No.1218)を形質転換した。選択培地(MD液体培地)で平皿により培養した。
MD選択培養用平皿から成長した単一コロニー形質転換体を選択して、MD液体培地に移
した後、連続継代培養し、adw2サブタイプHBsAg遺伝子及び対応する調節要素を
マルチコピーにして、宿主であるハンセヌラ・ポリモルファ細胞の染色体に異種組み込ん
だ。
2)菌株スクリーニングは以下のステップを含む。
(1)ウラシル原栄養形質転換体の単一コロニーを選択する。
菌体の成長速度が高いコロニーを用いて、PCR技術によってHBsAg遺伝子のバンド
の明るさを検出した後、コピー数の多いコロニーを選択して、選択培地を用いて単一コロ
ニーを振盪フラスコ培養し、20~400世代連続継代培養した。
(2)マルチコピーの異種組み込み形質転換クローン株をスクリーニングする。
ステップ(1)で継代培養した後、メタノールで72時間誘導培養して、ラジオイムノア
ッセイ(Radio immunoassay or radioimmunoassay
、RIA)で形質転換体の細胞が破砕された後に放出するHBsAgの発現レベルを測定
する。
(3)遊離プラスミドを除去した高コピー・高発現クローン株をスクリーニングする。
ステップ(2)でスクリーニングしたクローン株を、YPD完全培地で48時間培養した
後、選択培地平皿に移してクローン化培養を行い、定量的PCRによってHBsAg遺伝
子のコピー数を検出し、RIAによってHBsAg発現レベルを検出する。
(4)ステップ(3)の検出結果に基づいて、遺伝的安定性に優れた組換えハンセヌラ・
ポリモルファHBsAgエンジニアリング菌の初代菌株を選択する。
【0029】
実施例3
30リットルのパイロット規模発酵の主なプロセス過程は以下のとおりである。
1)シード培地200mlで、液体窒素を用いて貯蔵した菌種を解凍して、培地に接種し
、2つの0.5L振盪フラスコに等分して、31℃で22時間培養して一次シードとした

2)シード培地1600mlを用いて一次シードを二次シード培地に移して、6個の1L
振盪フラスコに等分して、31℃で20時間培養して二次シードとした。
3)12L発酵培地をpH5.5に調整して30L発酵缶に投入し、二次シードを接種し
た後、30~31℃で、グリセリン、メタノールの2種の炭素源で、成長、抑制解除及び
誘導の3つの時期を経て、合計85~96時間培養して、誘導を停止してから2~3時間
後、細胞を収穫した。凍結細胞をホモジネートした。
【0030】
操作ポイントは以下の通りである
(1)成長時期における流加操作は、溶存酸素が有意に低下して、基礎培地が消費された
ときに実施し始め、且つ、基礎培地の消費量の増加に伴い徐々に流加速度を向上させ、溶
存酸素が戻る前の2~3時間に流加を終了した。
(2)成長時期の後期に、溶存酸素の上昇をモニタリングして、溶存酸素の最低値を記録
し、溶存酸素が70-80%まで戻ったときに、流加を開始させて、抑制解除時期に入っ
た。
(3)抑制解除時期の後期に、流加終了後、溶存酸素が戻り始める。溶存酸素が70~8
0%まで戻ったときに、メタノールを流加して溶液を誘導し、メタノール濃度を3~5‰
に制御し、メタノール検出流加コントローラで流加速度を制御した。
(4)細胞収獲時のメタノール残留を減少させるように、発酵終了前の2~3時間に、メ
タノール流加を停止した。
【0031】
培地
1.塩化カルシウム溶液の調製
CaCl 11.33gを正確に秤量して、洗浄した三角フラスコに投入し、適量の脱
イオン水を加えて溶解した後、200mlに定容した。
【0032】
2.微量元素溶液の調製
下記試薬を正確に秤量した。
【表2】
秤量した試薬を洗浄した三角フラスコに投入して、適量の脱イオン水を加えて溶解した後
、200mlに定容した。
【0033】
3.ビタミン溶液の調製
下記試薬を正確に秤量した。
【表3】
まず、ビオチンを50%イソプロパノール10mlに溶解して、溶解後、Thiamin
HClを加えて、次に適量の脱イオン水を加えて溶解した後、水で100mlに定容し
た。
【0034】
4.痕跡元素溶液の調製
下記試薬を正確に秤量した。
【表4】
秤量した試薬を洗浄した三角フラスコに投入して、適量の脱イオン水を加えて溶解した後
、水で50mlに定容した。
以上の4種類の溶液をそれぞれ除菌して濾過して、使用時まで保存した。
【0035】
5.シード塩溶液の調製
下記試薬を正確に秤量した。
【表5】
秤量した試薬を洗浄した三角フラスコに投入して、適量の脱イオン水を加えて溶解した後
、1600mlに定容した。
【0036】
6.2000ml三角フラスコにグリセリン27g、混合塩溶液360mLを秤取して、
脱イオン水を加えて1800mlに定容し、等量で2つの2000ml三角フラスコに分
注して、110℃で30分間高圧蒸気滅菌を行った。
110℃で30分間高圧蒸気滅菌を行うことで、500ml三角フラスコを2個、100
0ml三角フラスコを6個、100mlと500mlのメスシリンダーをそれぞれ1つ充
填前に滅菌した。
【0037】
7.一次シード培地
クリーンベンチにおいて、無菌操作により滅菌したグリセリン水溶液をそれぞれ100m
l秤取して、それぞれ滅菌後の2個の500ml三角フラスコに投入して、塩化カルシウ
ム溶液1ml、微量元素溶液1ml、ビタミン溶液0.5ml、痕跡元素溶液0.25m
lをそれぞれ加えて、加えた溶液を均一に振とうさせた。
【0038】
8.二次シード培地
クリーンベンチにおいて、無菌操作技術により滅菌後のグリセリン水溶液1600mlを
秤取して、滅菌後の2000ml三角フラスコに投入して、塩化カルシウム溶液16ml
、微量元素溶液16ml、ビタミン溶液8ml、痕跡元素溶液4mlをそれぞれ加えた。
【0039】
9. 発酵培地
試薬として、NHPO 175g、MgSO・7HO 40g、KCl 44
g、NaCl 4.4gを正確に秤量して、2000mlの脱イオン水に溶解した。
500ml小ビーカーにグリセリン520gを秤量して、消泡剤10mlを加えて、オン
ラインで滅菌し、次に、塩化カルシウム溶液175ml、微量元素溶液175ml、ビタ
ミン溶液88ml、痕跡元素溶液44mlを加えた。
【0040】
10.流加培地
1000ml三角フラスコに、NHPO87g、グリセリン260gを秤取して
、脱イオン水を500ml加え、包まれた流加管路に加えて、110℃で30分間滅菌し
た。
【0041】
11.抑制解除溶液
5000ml三角フラスコに、グリセリン1800gを秤取して、脱イオン水660ml
を加え、包まれた流加管路に加えて、110℃で30分間滅菌し、冷却後、無菌操作によ
り濾過除菌した塩溶液540mlを加えた。
【0042】
12.誘導溶液
1000ml三角フラスコに、グリセリン400mlを秤取して、包まれた流加管路に加
え、110℃で30分間滅菌し、冷却後、無菌操作によりメタノール1600mlを加え
た。
【0043】
実施例4
精製
実施例3で得られた発酵液について、細胞を収穫して細胞を洗浄し、詳細な精製ステップ
については、以下の文献を参照すればよい。李津、孔艷.組換えB型肝炎ワクチンの生産
プロセス。李津、兪詠霆、董徳詳編集:生物製薬装置及び分離精製技術.第1版.北京:
化学工業出版社、2003:348-349。さらに、上記収獲した細胞をホモジナイザ
ーで破砕して、HBsAgを放出させ、0.22μmの微多孔ろ過器で濾過して、細胞破
片を除去し、次に、300Kの限外ろ過器で限外ろ過して小分子不純物を除去し、シリカ
ゲル吸着処理法によりHBsAgを抽出し、最後に、ブチルアガロース疎水性クロマトグ
ラフィー方法で精製した。
【0044】
参照文献
1、斉小秋ら、全国人口のウイルス性B型肝炎の血清学的疫学調査の報告、2011年4
月第1版、人民衛生出版社。
2、庄輝、中国のB型肝炎予防治療現状及び目標、2008年、会議。
3、黎健ら、上海市で新生児に組換えB型肝炎ワクチン(酵母)を接種した後の低/無応
答についての研究、中国のワクチン及び免疫、2011年、第17巻第5期:399-4
03。
4、劉甲野ら、成人に20ミリグラムの組換えB型肝炎ワクチンを接種した後の免疫応答
及びその影響要素の比較研究、中国のワクチン及び免疫、2013年、第19巻第2期:
142-146。
5、European Consensus Group on Hepatitis B I
mmunity. Are booster immunisations needed
for lifelong hepatitis B immunity? Lancet 2
000; 355: 561-565。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
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