(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153553
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】清掃用具
(51)【国際特許分類】
A47L 11/22 20060101AFI20221004BHJP
A47L 11/20 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
A47L11/22
A47L11/20
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022120159
(22)【出願日】2022-07-28
(62)【分割の表示】P 2019508861の分割
【原出願日】2018-03-12
(31)【優先権主張番号】201820253943.9
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518055660
【氏名又は名称】ニンボー トロイカ サイエンス アンド テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジュン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善された清掃用具を提供する。
【解決手段】本発明は、清掃用具に関する。清掃用具10は、清掃するべき表面に当たることに適合している清掃部材30と、清掃部材30を支持する支持部材40とを備え、清掃部材30に加えられた外力に応答して、清掃部材30は支持部材40に対して相対的に伸長位置及び退避位置の間で弾性的に可動である。また、支持部材40に設けられている一つ以上の当接部材60を備えている。当接部材60は、清掃部材30が退避位置になったときに、前記表面に当たることに適合し、これにより清掃部材30がさらに退避することを実質的に防止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃のための用具であって、
清掃するべき表面に当たる清掃部材と、
前記清掃部材を支持する支持部材であって、前記清掃部材は少なくとも2つのブラシ部を含み、該少なくとも2つのブラシ部のそれぞれは、個々に少なくとも2つの弾性手段を介して該支持部材に接続され、該少なくとも2つの弾性手段は同一の弾力性又は異なる弾力性を有し、使用の間に前記清掃部材に加えられた外部押圧力に応答して、前記清掃部材は該支持部材に対して伸長位置と退避位置との間で弾性的に可動である、支持部材と、
前記支持部材に設けられている1つ以上の当接部材と、を含み、
前記外部押圧力が加えられた場合、前記清掃部材は前記退避位置に弾性的に退避し、前記当接部材は、前記清掃部材のさらなる退避が実質的に防止されるように、前記表面の方に所定の距離下降して前記表面に当たる、用具。
【請求項2】
前記清掃部材が前記伸長位置にある場合、1つ以上の前記当接部材は前記表面の上方に位置する、請求項1に記載の用具。
【請求項3】
1つ以上の前記当接部材は、前記表面に回転可能に当たる1つ以上の回転手段を含む、請求項1に記載の用具。
【請求項4】
前記少なくとも2つのブラシ部のそれぞれは複数のブラシ毛又はブラシ毛の複数の束を有する、請求項1に記載の用具。
【請求項5】
前記複数のブラシ毛又はブラシ毛の前記複数の束のうち1つ以上が、1つ以上の各弾性手段を介して前記支持部材に接続される、請求項4に記載の用具。
【請求項6】
前記少なくとも2つの弾性手段は、同一の弾力性又は異なる弾力性を有する、請求項5に記載の用具。
【請求項7】
前記複数のブラシ毛又はブラシ毛の前記複数の束のうち1つ以上は、同じ剛性又は異なる剛性を有する、請求項4に記載の用具。
【請求項8】
前記少なくとも2つのブラシ部は、前記清掃部材の2つの互いに反対側の長手方向の側部に設けられている、請求項1に記載の用具。
【請求項9】
前記清掃部材は、前記支持部材に取り外し可能に取り付けることができる、請求項1に記載の用具。
【請求項10】
前記支持部材及び前記清掃部材を収容するハウジングをさらに含む、請求項1に記載の用具。
【請求項11】
前記ハウジングが、前記清掃部材とともに収集室を形成し、前記収集室は、前記清掃部材から集められたごみを収集して収容するように前記清掃部材に対して開かれている、請求項10に記載の用具。
【請求項12】
前記清掃部材を少なくとも部分的に覆うことにより前記清掃部材から集められたごみが散って落ちることを防止又は減少させるカバー部材をさらに含む、請求項1に記載の用具。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記用具を清掃道具に取り外し可能に接続する接続手段を含む、請求項10に記載の用具。
【請求項14】
前記接続手段は、収集室と流体連通して配置されている、請求項13に記載の用具。
【請求項15】
前記少なくとも2つのブラシ部を支持する前記清掃部材の表面の一部が湾曲している、請求項6に記載の用具。
【請求項16】
前記清掃部材が、実質的に円筒の形状を有する、請求項1記載の用具。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか1項記載の用具を含む、カーペットブラシ。
【請求項18】
請求項1乃至16のいずれか1項記載の用具を含む、真空掃除機。
【請求項19】
清掃するべき表面に当たる清掃部材と、
前記清掃部材を支持する支持部材であって、前記清掃部材は少なくとも2つのブラシ部を含み、該少なくとも2つのブラシ部のそれぞれは、個々に少なくとも2つの弾性手段を介して該支持部材に接続され、該少なくとも2つの弾性手段は同一の弾力性を有するか又は異なる弾力性を有し、使用の間に前記清掃部材に加えられた外部押圧力に応答して、前記清掃部材は該支持部材に対して伸長位置と退避位置との間で弾性的に可動である、支持部材と、
前記支持部材に設けられている1つ以上の当接部材と、
前記支持部材に設けられ、柄部を受ける柄部保持手段と、を備え、
前記外部押圧力が加えられた場合、前記清掃部材は前記退避位置に弾性的に退避し、前記当接部材は、前記清掃部材のさらなる退避が実質的に防止されるように、前記表面の方に所定の距離下降して前記表面に当たる、ブラシヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用具に関し、限定するわけではないが、特にブラシヘッド、例えば、限定するわけではないが、じゅうたん、敷物、マットなどを清掃するブラシヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの種類の清掃用具又は清掃道具、例えば限定するわけではないが、ブラシ、モップ、ほうきは、清掃を必要とする地面又は任意の表面から汚れ、ごみくず、廃棄物などを除去するのに広く用いられてきた。市場で入手可能な異なるタイプの清掃用具のうち、カーペットブラシは一般的に、複数のブラシ毛又はブラシ毛の複数の束を有し、じゅうたんの布地に当たり、より具体的にはこれを擦り(掃き出す動作を行い)、はいり込んだ汚れ又は毛髪をじゅうたんの布地からほぐし出し、その後に取り除く。特に、厚み及び/又は材質の異なるじゅうたん、マット、敷物などを清掃するために、ブラシ毛の異なる特性、例えば限定するわけではないが、長さ、剛性及び/又は弾力性の異なるブラシ毛を備えるように、異なるカーペットブラシが構成されている。一般的に、ブラシのブラシ毛は、長いほど、及び/又は剛性が高いほど、じゅうたんの表面の布地内に、深く突き通ることができ、従ってそれだけ一層、擦る効果又は清掃効果が良好になる。しかし、ブラシ毛の布地へ一層深く突き通すことは、清掃中にユーザーが加える手の力をさらに必要とすることを意味する。付け加えれば、じゅうたん、敷物、マットなどの一つ以上のタイプに対して、異なったブラシ毛の特性を持ったブラシ毛を有する数個の異なるブラシを一般的に家庭内で必要とすることがある。この点で不便であり好ましくない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、清掃用具を提供することであり、上述の欠点を克服し、少なくとも有用な代替物を提供するものである。
【0004】
本発明の他の目的は、既知のブラシに伴う一つ以上の問題をある程度緩和するか又は除去することである。
【0005】
上記の目的は、主請求項の特徴の組み合わせで達成される。従属請求項は、本発明の優れた利点を有するさらなる実施形態を記載している。
【0006】
当業者であれば、下記の記載から本発明の他の目的を導出することであろう。従って、前述の目的の記載は、網羅的ではなく、本発明の多数の目的のいくつかを例示するものに過ぎない。
【0007】
第1の態様では、本発明は、清掃のための用具を提供する。用具は、清掃するべき表面に当たることに適合している清掃部材と、清掃部材を支持する支持部材であって、清掃部材に加えられた外力に応答して、清掃部材が支持部材に対して相対的に伸長位置及び退避位置の間で弾性的に可動である、支持部材と、支持部材に設けられている一つ以上の当接部材とを備え、当接部材は、清掃部材が退避位置になったときに、前記表面に当たることに適合し、これにより清掃部材がさらに退避することを実質的に防止する。
【0008】
第2の態様では、本発明は、第1の態様の用具を備えているカーペットブラシを提供する。
【0009】
第3の態様では、本発明は、第1の態様の用具を備えている真空掃除機を提供する。
【0010】
第4の態様では、本発明は、ブラシヘッドを提供する。ブラシヘッドは、清掃するべき表面に当たることに適合している清掃部材と、清掃部材を支持する支持部材であって、清掃部材に加えられた外力に応答して、清掃部材が支持部材に対して相対的に伸長位置及び退避位置の間で弾性的に可動である、支持部材と、支持部材に設けられている一つ以上の当接部材と、支持部材に設けられ、柄部を受ける柄部保持手段とを備え、当接部材は、清掃部材が退避位置になったときに、前記表面に当たることに適合し、これにより清掃部材がさらに退避することを実質的に防止する。
【0011】
本発明の概要は、本発明を規定するのに本質的な特徴を必ずしも全て記載するわけではない。本発明は、開示した特徴の下位の組み合わせの中にあってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の上述のまたなお一層の特徴は、添付する図面に関連して例としてのみ供される好ましい実施形態の後述する説明から明らかなものとなる。
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係るカーペットブラシの形態で提供された清掃用具を示す斜視図である。
【
図2】ブラシヘッドを示す
図1の清掃用具の別の斜視図である。
【
図3】
図2のブラシヘッドを示す側面の横断面図である。
【
図4】
図2のブラシヘッドの部分的な斜視図である。
【
図5】
図2のブラシヘッドの別の部分的な斜視図である。
【
図6】本発明の別の実施形態に係るブラシヘッドの形態での清掃用具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明は、本発明を有効なものとするのに必要な特徴の組み合わせに限定することなく、単なる例としての好ましい実施形態に関するものである。
【0015】
本明細書中で「一つの実施形態」又は「実施形態」に言及することは、その実施形態に関連する特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書のいろいろな部分で「一つの実施形態で」という語句を使用する場合は、同一の実施形態に必ずしも全て言及するわけではないし、他の実施形態と相互に排他的な、別個又は代替の実施形態に必ずしも全て言及するわけではない。さらに、ある実施形態に明示され得るが他の実施形態には明示され得ないさまざまな特徴について説明を行う。同様に、ある実施形態のための要件になり得るが他の実施形態のための要件になり得ないさまざまな要件について説明を行う。
【0016】
本件の請求項では、特定された機能を実行する手段として表現された任意の要素は、その機能を実行する任意の方法を包含するものとして意図される。従って、これらの機能を供することができる任意の手段は、本明細書で示したものと等価である。
【0017】
本発明は全体として、清掃するべき地面、床、又は任意の表面から、汚れ、ごみくず、廃棄物、毛髪、生ごみなどを収集及び/又は除去するための清掃用具(cleaning apparatus)又は清掃道具に関するものである。清掃用具は、適用可能な道具の任意の形態、例えば、限定されるわけではないが、使用中にユーザーが手で持てるようにした携帯用のハンドブラシ又は擦る道具(scrub)、又は、立ち姿勢でユーザーが簡単に持てるように延長した柄部及び/又は伸長した柄部に固定して及び/又は分離可能に接続されたブラシヘッドを有するブラシなどの形態で提供できる。清掃用具はまた、柄部に解除可能に接続するためのコネクター又はアダプターを有するブラシヘッドの形態で提供されてもよく、これにより、ブラシヘッドは、摩耗したときでも簡単に取り外して交換することができる。解除可能なブラシヘッドは、さらに、限定されるわけではないが、真空掃除機の吸引パイプなど、他の清掃用具の適切な部分に接続されるように構成されてよく、これにより、異なる表面で清掃を行うのに真空掃除機のための異なるタイプのブラシヘッドを交換可能にする。
【0018】
図1~5を参照して述べると、本発明の実施形態に係るブラシヘッド10という形態で提供された清掃用具10が図示されている。本実施形態では、ブラシヘッド10は、ブラシ20となるように、固定して又は解除可能に、柄部15に接続することが可能である。ブラシヘッド10は、清掃するべき表面に当たる(engage)ことに適合した清掃部材30を備えていてよい。一つの実施形態で清掃部材30は、一つ以上のブラシ部32を有していてよく、そのそれぞれが複数のブラシ毛34又はブラシ毛の複数の束を備えている。
【0019】
一つの特定の実施形態で、清掃部材30は実質的に円筒形に構成することができ、及び/又は、図面に示したように、一つ以上のブラシ部32を支持した清掃部材30の表面に湾曲部を有して構成することができる。しかし、本発明の発明上の着想から離れないで改変が適切で適合可能であると考えられる範囲で、清掃部材30の任意の変形、例えば、サイズ、構成、構造及び/又は材質などに関しての変形などもやはり含まれることは当業者であれば理解することである。例えば一つの実施形態で清掃部材30は、円筒形の本体の、例えば両端部に設けられた任意の既知の及び/又は適用可能な接続手段又は当接手段を介して、清掃用具10の一部又は本体に解除可能に取り付けることができる形態で構成される。
【0020】
ブラシヘッド10はさらに、清掃部材30を支持する支持部材40を備えていてよい。特に、ユーザーが清掃部材30に加える外力に応答して、例えば、柄部15を介して清掃するべき前述の表面に向けて清掃用具10を押すことによって、支持部材40に対して相対的に伸長位置と退避位置との間で弾性的に可動であるように清掃部材30を配置することができる。一つの実施形態で、一つ以上の弾性手段50は、清掃部材30と支持部材40との間の弾性的な移動を行うか、又はその補助をする。限定されるわけではないが、これにより、一つ以上のバネ部材50は清掃部材30を支持部材40に接続する。この構成で、清掃部材30は、バネ部材50により伸長位置に向けてその性質上付勢することが可能であり、清掃部材30は、弾性により支持部材40から離れる向きに前進する。支持部材40から離れる向きに清掃部材30が前進するので、ブラシ毛34又はブラシ毛の束はその全長で作用することが可能である。ユーザーによって外からの押圧力又はプレス力が前述の表面に向けて清掃部材30上に加えられたときに、清掃部材30は、弾性手段50での圧縮作用によって支持部材40へもどるように弾性的に退避することがある。清掃部材30が支持部材40に向けて退避することにより、擦ること又は清掃のために使えるブラシ毛34又はブラシ毛の束の有効長を短くする。
【0021】
一つの実施形態では、支持部材40に対して相対的に一つ以上のブラシ部32の独立した弾性的な移動を提供するように、一つ以上のブラシ部32が一つ以上の各弾性手段50を介して支持部材40に接続されていてよい。各ブラシ部32上で作用する弾性手段50は、同じ弾力性でも異なる弾力性でもよい。これにより、ユーザーが外部から押圧力又はプレス力を加えることにより、異なる程度の弾性的な退避、即ちブラシ毛34又はブラシ毛の束の異なる有効長を提供することができる。
【0022】
別の一つの実施形態で1本以上のブラシ毛34又はブラシ毛の束は、同じ又は異なる弾力性を有する一つ以上の弾性手段50のそれぞれを介して、支持部材40への接続に適合していてよい。これにより、ブラシ毛34又はブラシ毛の束が独立してかつ弾性的に伸長位置と退避位置との間で可動になることを可能にするので、退避の程度、従って清掃部材30のブラシ毛34又はブラシ毛の束の有効長にさらなる変化を与える。
【0023】
さらに他の実施形態では、ブラシ毛34又はブラシ毛の束は同一の剛性、又は異なる剛性を有するように構成することができるし、及び/又は同一の又は異なる材質で形成することができる。弾性手段50の弾力性の変化に起因するブラシ毛34又はブラシ毛の束の有効長の変化とともに、ブラシ毛34又はブラシ毛の束の剛性の差異は、異なるタイプの表面を清掃するのに好適なブラシ毛の特性の広い範囲を提供することに利点がある。例えば、使用する布地の異なるタイプなどを含む、異なる厚み、構造、及び/又は材質のじゅうたんなどである。
【0024】
ブラシヘッド10はさらに、例えば支持部材40に設けられた一つ以上の当接部材(engaging members)60を備えていてもよい。特に支持部材40は、清掃部材30が退避位置にあるときに前述の表面に当たる(engage)ことに適合しているので、清掃部材30がそれ以上退避することが実質的に防止される。例えば
図1,3のように清掃部材30が伸長位置になっているときには、当接部材60は前述の表面より上に位置するか、より具体的には、例えば
図3に示すように、伸長した清掃部材30によって距離「d」だけ前述の表面より上に上昇される。
【0025】
使用に当たっては、相対的に厚いじゅうたんを擦る(掃き出す)こと、及び/又はブラシ毛34又はブラシ毛の束をじゅうたんの中に深く突き通すことが望まれる場合は、ブラシヘッド10を前述の表面に向けて押す付加的な力を与えたりせずに、ユーザーはブラシヘッド10又はカーペットブラシ20を使用してよい。清掃部材30は、有効な全長とされた状態のブラシ毛34で伸長位置に保たれ、距離「d」だけ当接手段60を前述の表面の上方向に上昇させる。他方、ブラシヘッド10又はカーペットブラシ20が、相対的に薄いじゅうたん及び/又は繊細な生地でできたじゅうたんに使用されるとき、かつ擦る程度を減少させることが望まれるときには、ユーザーはブラシヘッド10と清掃部材30とを前述の表面に向けて単に押せばよく、これにより弾性手段50を圧縮する。清掃部材30は、退避位置において支持部材40に向けて内向きに、弾性的に退避することになる。結果として、ブラシ毛34は短くなった有効長で作用し、当接手段60はじゅうたんの表面に当てるために距離「d」の範囲で下降する。
【0026】
じゅうたんの表面に当接手段60を当てることは、特に、清掃部材30の退避の程度を維持又は制限するのに有益であり、擦る動作の間に、ブラシ毛34の有効長を最適な値に制御するようにする。また、ユーザーが容易に支えにできる簡単な物理的ガイド又は制御を当接手段60は提供するので、ブラシ毛34の最適な有効長に到達して維持し、改善された清掃効率を得て、誤ってブラシヘッド10を過大に圧迫することを回避する。図面に示した実施形態では、回転できる状態でじゅうたんの表面に当てることが可能であるように、当接手段60は、一つ以上のホイール部材60など、一つ以上の回転手段であることが好ましい。最適レベルの高さを越えてさらに清掃部材30が退避することを防止するので、ユーザーからの任意に誤って過大に与えられた押圧力又はプレス力によって清掃部材30,支持部材40及び/又はこれらの間の接続部分、例えば弾性手段50が破損することを回避するのに役立つ。
【0027】
一つの実施形態では、ブラシヘッド10は支持部材40,清掃部材30を収容する(accommodate)ことに適合したハウジング12を備えていてよい。ハウジング12は、清掃部材30とともに収集室16を形成するように構成されていてよい。収集室16は、清掃部材30に対して開いていて、清掃部材30からのすべての受け入れたごみくず又は集めたごみくずを収集して収容する。ブラシヘッド10又はブラシヘッド10のハウジング12はさらに、カバー部材14を備えていてよく、これは清掃部材30を少なくとも部分的に覆うことに適合している。これにより、特にユーザーが擦る動作をする間に、収集されたごみくずが清掃部材30から散って落ちることを防止又は減少させる。ブラシヘッド10又はハウジング12はさらに、ブラシヘッド10を柄部に解除可能に接続する接続手段18を備えていてよい。柄部は例えば、
図1に示した柄部15、又は清掃道具又は清掃道具の一部、例えば、真空掃除機の吸引パイプ又はホースなどである。解除可能な接続は、任意の既知の接続方法で実施できる。例えば、ネジ止め、摩擦的係合などである。真空掃除機の吸引パイプ又はホースへの接続に接続手段18を適合させるために、ハウジング12、特に収集室16に流体連通して接続手段18を構成することが好ましい。これにより、清掃部材30から収集され収集室16に収容されているごみくずが、接続手段18を介して真空掃除機の吸引パイプ又はホースに搬送でき、その後に真空掃除機によって収集、除去できる。もう一つの実施形態では、清掃部材30は、支持部材40及び/又はハウジング12に解除可能に取り付けることができるように構成されてよく、これにより清掃部材30はブラシ毛34がすり切れたときに容易に取り外して交換できる。支持部材40及び/又はハウジング12から清掃部材30を解除可能にすることは、また、異なる清掃目的に供するためにブラシヘッド10で異なる清掃部材を交換可能に用いるようにする。
【0028】
図6~8について述べると、本発明に係る清掃用具10のもう一つの実施形態が図示されている。本実施形態で清掃部材30は、清掃部材30の二つの互いに反対側の長手方向の側部に設けられた二つのブラシ部32A,32Bを備えている。二つのブラシ部32A,32Bはそれぞれ、限定するわけではないが、剛性、弾力性、及び/又は異なる材質で形成されることなど、異なる特性のブラシ毛34又はブラシ毛の束を備えている。反対側の位置に二つのブラシ部32A,32Bを付けることは、二つの異なるブラシ毛タイプの間でユーザーが容易に特定することを可能にし、またブラシヘッド10を単に一方の側から他方の側へ返すだけでブラシ毛の二つのタイプの間で容易に選択することを可能にするので、優れた利点である。好ましくは、二つのブラシ部32A,32Bのブラシ毛34は、二つのブラシ部32A,32Bが視覚的に区別できるように異なる色で提供されてもよい。例えば、一層高い剛性を有するブラシ毛を表すのに、暗い色を用いることができ、一層低い剛性を有するブラシ毛を表すのに、薄い色を用いることができる。また、本発明がここで説明する特定の実施形態に限定されるものでないことは当業者であれば直ちに理解できることである。ブラシ部及び/又はブラシ毛の任意の改変、例えば、ブラシヘッドのブラシ部及び/又はブラシ毛の数、配置、構成、構造及び/又は材質などもやはり含むものとする。例えば、本発明の発明上の着想から離れないで改変が適切で適合可能であると考えられる範囲で、本発明のブラシヘッドは、二つより大きな数の横断方向に位置するブラシ部を有してもよく、及び/又はブラシ毛が、じゅうたんなどに当たるための襞付き(flared)の端部を有していてもよい。
【0029】
他の一つの実施形態では、清掃部材30は二つの独立して配置されたブラシ部32A,32Bを備えていてもよい。これらはそれぞれ、一つ以上の弾性手段50を介して支持部材40に接続され、支持部材40に対して相対的な二つのブラシ部32A,32Bの独立した弾性的移動を供するようにする。各ブラシ部32A,32B上でそれぞれ作用する弾性手段50は、異なる弾力性でも同じ弾力性でもよく、従ってユーザーによって外部の押圧力又はプレス力が加えられたときに、弾性的に退避する程度が異なるように、即ち各ブラシ部32A,32Bに位置するブラシ毛34又はブラシ毛の束の有効な長さが異なるように、設定しておいてもよい。ブラシ部32A,32Bは任意に、支持部材40から解除可能に取り外しできるように構成されていてもよく、これにより各ブラシ部は、所望に応じて取り外し及び/又は取り替えができるように構成されている。一つの実施形態では、二つの解除できるようにしたブラシ部32A,32Bが、異なる剛性や色を持った、及び/又は異なる材質で形成されたブラシ毛34又はブラシ毛の束を支持するように構成されていてもよく、これにより、異なる清掃の目的に供するための交換可能な使用を異なるブラシ部に可能にする。
【0030】
上述したように、本発明の清掃用具10は、例えば真空掃除機の吸引パイプ又は柄部など、清掃道具又は清掃道具の一部への、解除可能及び/又は交換可能な接続に適合している。従って本発明は、上述した清掃用具10の一つ以上の実施形態のいずれかを含むカーペットブラシ、真空掃除機などのような装置に、関連するものであってよい。
【0031】
上述した実施形態に限定されることなく、本発明の特有の着想から離れることなく種々の変形が適切で適合可能である範囲内では、一つ以上の部分を構成する寸法、構造、構成、設計及び/又は材質に例えば関して、清掃用具の任意の改変は本発明に含まれることとする。これはこの分野の当業者に直ちに理解されることである。
【0032】
さらに本発明は、ブラシヘッド10に関連していてよい。ブラシヘッドは、清掃するべき表面に当たることに適合した清掃部材30と、清掃部材30を支持する支持部材40とを備えている。清掃部材30は、上述したような清掃部材に加えられた外力に応答して、支持部材に対して相対的に伸長位置及び退避位置の間で弾性的に可動に構成されている。さらにブラシヘッド10は、支持部材40に設けられた一つ以上の当接部材60と、柄部15を受け入れるように支持部材40に設けられた柄部保持手段18とを備えていてよい。当接部材60は、清掃部材30が退避位置にあるときに前述の表面に当たることに適合しているので、清掃部材30がそれ以上退避することは実質的に防止される。
【0033】
本明細書は、本発明の原理を例示するものである。従って、本明細書で明示的に説明や図示をしない場合であっても、本発明の原理を実施していてその趣旨と範囲に含まれる種々の形態を、本分野の当業者であれば製作することができることが理解される。
【0034】
さらに、本発明の原理、態様及び実施形態を述べた本明細書の記載のすべては、その特定の実例とともに、本発明の構造的、及び機能的な等価物を含むものとして意図される。付け加えれば、このような等価物は、現在既に知られている等価物を含むのみならず、将来開発される等価物、即ち、構造に無関係に同じ機能で作動する発展した要素を含むことが意図される。
【0035】
本発明を、上述の記載と図面に詳細に例示して説明したが、この発明は例示的なものとみなされるべきであり、性格上限定的なものではない。例示的な実施形態のみが図示されて説明されているが、いかなる形でも本発明の範囲を制限しないことが理解される。本明細書で説明した任意の特徴を、任意の実施形態で用いてよいことは、正しく理解されうることである。例示的な実施形態は、互いに排他的なものではないし、本明細書で述べていない他の実施形態との間で排他的なものではない。従って、本発明はさらに、上述した一つ以上の例示的な実施形態の組み合わせからなる実施形態を供するものである。本明細書で述べた本発明の改変や変形は、発明の精神と範囲から離れることなく構成することができ、従って、添付した請求項に示されるような限定のみが課せられることとする。
【0036】
後述する請求項、また本発明の前述した説明の中で、明言した言語表現又は必要な含意を理由として文脈上異なるものが必要になる場合を除き、「備える(comprise)」という単語、又は「備え(comprises)」や「備えている(comprising)」のような変化形は包括的な意味に用いられる。即ち、言明した特徴の存在を特定するが、本発明の多様な実施形態のさらなる特徴の存在又は追加を排除するものではないのである。
【0037】
本明細書でいずれかの従来技術の刊行物に言及する場合も、この刊行物が当該分野での共通の一般的知識の一部をなすということの自認を構成するものではないということが理解される。
【外国語明細書】