(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153652
(43)【公開日】2022-10-12
(54)【発明の名称】崩壊が改善された経口用固形製剤組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 9/20 20060101AFI20221004BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20221004BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20221004BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20221004BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20221004BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20221004BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20221004BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221004BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
A61K9/20
A61K47/42
A61K47/36
A61K47/10
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/34
A61K45/00
A61P35/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022124986
(22)【出願日】2022-08-04
(62)【分割の表示】P 2020523987の分割
【原出願日】2018-10-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0144139
(32)【優先日】2017-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】521268484
【氏名又は名称】サムヤン、ホールディングス、コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】SAMYANG HOLDINGS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】パク・サンヨプ
(72)【発明者】
【氏名】イム・ヘジョン
(72)【発明者】
【氏名】イ・ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ミンヒョ
(72)【発明者】
【氏名】イ・サウォン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】有効成分と可溶化担体を含む、崩壊、分散又は溶出を改善させることができる経口用固形製剤組成物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】有効成分及び可溶化担体として、水溶性又は胃溶性高分子を含む混合物、並びに崩壊促進剤として、発泡成分を含む経口用固形製剤組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分及び可溶化担体として、水溶性又は胃溶性高分子を含む混合物、並びに崩壊促進剤として、発泡成分を含む経口用固形製剤組成物。
【請求項2】
混合物が、固体分散体形態である請求項1に記載の経口用固形製剤組成物。
【請求項3】
発泡成分が、発泡剤と酸性化剤とを含む請求項1に記載の経口用固形製剤組成物。
【請求項4】
発泡成分が発泡剤を含み、酸性化剤を含まない請求項1に記載の経口用固形製剤組成物。
【請求項5】
有効成分が、抗癌剤を含む請求項1に記載の経口用固形製剤組成物。
【請求項6】
高分子として、ゼラチン、カゼイン、デキストラン、アラビアガム、トラガカントゴム、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、メチルセルロース非結晶質セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポロキサーマ、ポリメタクリレート共重合体、リゾチーム、アルブミン及びポリアクリル酸から選ばれる1種以上を含む請求項1に記載の経口用固形製剤組成物。
【請求項7】
発泡剤を高分子100重量部に対して、10~200重量部で含む請求項3又は4に記載の経口用固形製剤組成物。
【請求項8】
高分子を組成物全重量に対して、7~70重量%で含む請求項1に記載の経口用固形製剤組成物。
【請求項9】
溶解補助剤をさらに含む請求項1に記載の経口用固形製剤組成物。
【請求項10】
溶解補助剤として、ポリメタクリレート共重合体を含む請求項9に記載の経口用固形製剤組成物。
【請求項11】
(1)有効成分及び可溶化担体として、水溶性又は胃溶性高分子を含む混合物を製造する工程;及び
(2)前記混合物に崩壊促進剤として、発泡成分を添加する工程;
を含む経口用固形製剤組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効成分と可溶化担体とを含む経口用固形製剤組成物であって、崩壊、分散又は溶出を改善させることができる組成物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高分子物質は、経口用固形剤を製造するために多様な方面で使用されている。特に有効成分の安定性の改善、結晶形のアモルファス化、溶解性の向上、吸収向上、胃滞留や腸溶性製剤や大腸伝達体のような部位特異的送達、徐放性等の特性を付与するために、様々な高分子物質が使用されている。その中でも、有効成分の安定性の改善、アモルファス化、溶解性の向上、吸収向上等の目的のための可溶化担体として水溶性又は胃溶性高分子を用いて、固体分散体等の形態で製造される。固体分散体は、しばしば最終製品の崩壊、分散又は溶出に遅延があるため、固体分散体を活用する製剤における崩壊、分散又は溶出が遅延するのを防ぐために様々な方法が適用されてきた。
【0003】
崩壊剤及び超崩壊剤は、経口用固形剤の崩壊、分散又は溶出の遅延を防止することが知られている。しかし、固体分散体が含まれる場合、少量の崩壊剤及び超崩壊剤を用いることによる大きな改善の効果を得難い場合がよくある。このような場合、希釈剤の量が倍増され、製剤全体のサイズが必然的に大きくなる。
【0004】
したがって、患者の服薬の利便性と服薬コンプライアンスを高めるために、製剤のサイズを大きくすることなく、崩壊、分散又は溶出の遅延を防ぐ必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、有効成分と可溶化担体として、水溶性又は胃溶性高分子を含む経口用固形製剤組成物において、崩壊、分散又は溶出を改善させることができる組成物を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、有効成分と可溶化担体として、水溶性又は胃溶性高分子を含む経口用固形製剤組成物において、崩壊、分散又は溶出を改善させることができる組成物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、本発明の一側面は、有効成分及び可溶化担体として、水溶性又は胃溶性高分子を含む混合物、並びに崩壊促進剤として、発泡成分を含む経口用固形製剤組成物を提供する
【0008】
本発明の別の側面は、(1)有効成分及び可溶化担体として、水溶性又は胃溶性高分子を含む混合物を製造する工程;及び(2)前記混合物に崩壊促進剤として、発泡成分を添加する工程;を含む経口用固形製剤組成物の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明による有効成分と可溶化担体として水溶性又は胃溶性高分子を含む、崩壊、分散又は溶出を改善させることができる経口用固形製剤組成物は、高分子物質により、経口用固形剤の崩壊の遅延を防止できるだけでなく、崩壊のために用いられる添加剤の量を最小限に抑えることができるので、最終製剤のサイズによる患者の不快感を最小限に抑えることで、服薬コンプライアンスを向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
用語の意義
特に明記しない限り、本明細書全体で使用されるいくつかの用語は、次のように定義される。
【0011】
本明細書全体を通して特に言及がない限り、「含む」又は「含有する」は、特定の制限なしに任意の構成要素を含み、他の構成要素の追加を除外するものとして解釈されるべきではない。
【0012】
また、「有効成分」は、薬物(別個の塩を含まない基本薬物)、薬物の薬学的に許容される塩、薬物の異性体、又はそれらの混合物であってもよい。
解決手段の発見
【0013】
本発明者らは、経口用固形剤の崩壊を改善するために多大な労力を払い、発泡性物質を使用する場合、最終製剤のサイズを大きく増加させることなく、崩壊、分散又は溶出の遅延がなく、薬物の放出を遅延させず、物理的特性に優れ、滑らかな製造及び低重量製剤を可能にする組成物を見出した
【0014】
詳細な説明
本発明は、生理学的有効成分と高分子物質を含む、崩壊、分散又は溶出を改善させることができる経口用固形製剤組成物及びその製造方法を提供する。
【0015】
有効成分
前記有効成分は、薬物、薬物の薬学的に許容される塩、及び薬物の異性体からなる群から選ばれる1種以上を含んでいてもよい。
【0016】
本発明において、前記有効成分としては、例えば、医薬品、機能性食品、化粧品などにおいて生理活性を示す有機化合物、有機金属化合物、天然抽出物、タンパク質及びこれらの組み合わせから選ばれるものを用いることができる。前記有効成分において、固相又は液相等の室温でのその性状、及び中性又はイオン性等のその電気的形態は特に限定されない。
【0017】
本発明の特定具体例によれば、前記有効成分は、例えば、生理学的活性物質、その塩、異性体、エステル、エーテル又は他の誘導体として抗癌剤(anticancer agents)、抗真菌剤(antifungal agents)、鎮痛剤(analgesics)のような抗精神剤(psychiatric agents)、麻酔剤(anesthetic agents)又は催眠剤(hypnotics)のような知覚調節剤(consciousness level-altering agents)、非ステロイド抗炎症剤(non-steroidal anti-inflammatory agents)、駆虫剤(anthelminthics)、抗ニキビ剤(antiacne agents)、抗狭心症剤(antianginal agents)、抗不整脈(antiarrhythmic agents)、喘息治療剤(anti-asthma agents)、抗菌剤(antibacterial agents)、前立腺肥大症治療剤(anti-benign prostatic hypertrophy agents)、抗凝血剤(anticoagulants)、抗うつ剤(antidepressants)、糖尿病治療剤(antidiabetics)、鎮吐剤(antiemetics)、抗てんかん剤(antiepileptics)、抗痛風剤(antigout agents)、抗高血圧剤(antihypertensive agents)、抗炎症剤(anti-inflammatory agents)、抗マラリア剤(antimalarials)、抗片頭痛剤(antimigraine agents)、抗ムスカリン剤(antimuscarinic agents)、抗腫瘍剤(antineoplastic agents)、抗肥満剤(anti-obesity agents)、抗骨粗鬆症剤(antiosteoporosis agents)、抗パーキンソン症候群薬(antiparkinsonian agents)、抗増殖剤(antiproliferative agents)、抗原虫剤(antiprotozoal agents)、抗甲状腺剤(antithyroid agents)、鎮咳剤(antitussive agent)、抗尿失禁剤(anti-urinary incontinence agents)、抗ウイルス剤(antiviral agents)、抗不安剤(anxiolytic agents)、食欲抑制剤(appetite suppressants)、β遮断剤(beta-blockers)、心臓収縮促進剤(cardiac inotropic agents)、化学療法剤(chemotherapeutic drugs)、認知向上剤(cognition enhancers)、避妊剤(contraceptives)、コルチコステロイド剤(corticosteroids)、Cox-2抑制剤(Cox-2 inhibitors)、利尿剤(diuretics)、勃起不全治療剤(erectile dysfunction improvement agents)、去痰剤(expectorants)、胃腸薬(gastrointestinal agents)、ヒスタミン受容体きっ抗剤(histamine receptor antagonists)、免疫抑制剤(immunosuppressants)、角質溶解剤(keratolytic)、脂質調節剤(lipid regulating agents)、ロイコトリエン抑制剤(leukotriene inhibitors)、マクロライド(macrolides)、筋肉弛緩剤(muscle relaxants)、神経弛緩剤(neuroleptics)、栄養剤(nutritional agents)、オピオイド鎮痛剤(opioid analgesics)、タンパク質加水分解酵素抑制剤(protease inhibitors)、又は鎮静剤(sedatives)等を含むが、これらに限定されない。
【0018】
本発明に適用可能な有効成分は特に限定されない。例えば、本発明の組成物に配合することができる有効成分は、以下の成分から選ばれる1種以上であってもよいが、これらに限定されない:
【0019】
クロルプロマジン、チオリダジン、ロキサピン、モリンドン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドン、フルフェナジン、ハロペリドール、ペルフェナジン、トリフロペラジン、ピモジド、アリピプラゾール、プロクロルペラジン、チオチキセン、パリペリドン等の抗精神病薬;
【0020】
ミルタザピン、ブプロピオン、アモキサピン、フェネルジン、トラニルシプロミン、シタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、ベンラファキシン、マプロチリン、トラゾドン、ネファゾドン、アミトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、デキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン等の抗うつ剤;
【0021】
アマンタジン、メシル酸ベンツトロピン、カルビドパ及びレボドパ、ドネペジル、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール等の退行性神経疾患薬物;
【0022】
メチルフェニデート、アトモキセチン等の抗-ADHD(注意欠陥多動性障害)薬物;
【0023】
プレガバリン、ラコサミド、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトスクシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、チアガビン、トピラマート、バルプロ酸、ジバルプロエクスナトリウム、ゾニサミド等の抗痙攣剤;
【0024】
アルプラゾラム、ロラゼパム、オキサゼパム、クロルジアゼポキシド、クロラゼパート、ジアゼパム、ハラゼパム、ミダゾラム、トリアゾラム、ザレプロン、ゾルピデム、エスタゾラム、テマゼパム、フルラゼパム、クアゼパム、メプロバメート、フェノバルビタール、抱水クロラール、エトクロルビノール、グルテチミド、ペントバルビタール、セコバルビタール等の抗不安薬、鎮静剤又は睡眠薬;
【0025】
シルデナフィル、バルデナフィル、アルプロスタジル、タダラフィル、ミロデナフィル、ウデナフィル等の勃起不全薬;
【0026】
アザチオプリン、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、シロリムス、タクロリムスエベロリムス等の免疫抑制剤;
【0027】
ドキサゾシンメシル酸塩、プラゾシン塩酸塩、テラゾシン塩酸塩、ベナゼプリル、カプトプリル、クロニジン塩酸塩、エナラプリル、ヒドララジン塩酸塩、ラベタロール塩酸塩、ロサルタンカリウム、メチルドーパート塩酸塩、ミノキシジル、モエキシプリル、トランドラプリル、カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、グアナベンズ酢酸塩、グアナドレル硫酸塩、グアンファシン塩酸塩、レセルピン等の抗高血圧薬;
【0028】
アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、カルテオロール、カルベジロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール、チモロール等のβ-アドレナリン遮断薬物;
【0029】
アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジビン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ベラパミル等のカルシウム-チャネル遮断剤;
【0030】
フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ナイアシン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン等の脂質低下薬物;
【0031】
モサプリド、イトプリド、ドンペリドン、トリメブチン、メトクロプラミド、ビサコジル、ジフェノキシレート塩酸塩及びアトロピン硫酸塩、ドクセート塩、ロペラミド、マグネシウム塩、メトクロプラミド、ウルソジオール等の胃腸管運動性薬物;
【0032】
クロピドグレル二硫酸塩、フィトナジオン、チクロピジン、ワルファリンナトリウム等の凝固剤及び抗凝固剤;
【0033】
リマプロスト、ベラプロスト、サルポグレラートのような血管拡張剤;
【0034】
アルモトリプタン、エルゴタミン酒石酸塩、フロバトリプタン、メチセルギドマレイン酸塩、スマトリプタンコハク酸塩、ゾルミトリプタン等の抗片頭痛薬;
【0035】
オーラノフィン、アザチオプリン、シクロスポリン、ヒドロキシクロロキン硫酸塩、レフルノミド、メトトレキサート、ペニシラミン、スルファサラジン等の抗リウマチ薬;
【0036】
アセトアミノフェン、アスピリン、ジクロフェナク、エトドラク、フェノプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、ケトロラク、スリンダク、トルメティン、メクロフェナメート、メフェナム酸、ナブメトン、メロキシカム、ピロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ等の非ステロイド性抗炎症薬;
【0037】
ブプレノルフィン、コデイン、ペンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メペリジン、モルヒネ、オキシコドン、ペンタゾシン、プロポキシフェン等のオピオイド;
【0038】
トラマドール、タペンタドール等の非オピオイド性鎮痛薬;
【0039】
イマチニブ、エルロチニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、ダサチニブ、レナリドミド、ニロチニブ、クリゾチニブ、パゾパニブ、バンデタニブ、アキシチニブ、レゴラフェニブ、アパチニブ、ベムラフェニブ、ルキソリチニブ、テモゾロミド、ラドチニブ、エベロリムス、ポマリドミド、オラパリブ、エンザルタミド、パルボシクリブ、オシメルチニブ、ルキソリチニブ、イブルチニブ、レンバチニブ、セリチニブ、ボスチニブ、カボザンチニブ、ダブラフェニブ、ポナチニブ等の抗癌剤;
【0040】
アミノサリチル酸塩、クロファジミン、サイクロセリン、エチオナミド、リファブチン等の抗ミコバクテリア薬;
【0041】
アルベンダゾール、イベルメクチン、メベンダゾール、プラジカンテル等の抗寄生虫薬;
【0042】
バラシクロビル、ジダノシン、ファムシクロビル、バルガンシクロビル、インジナビル、ラミブジン、メシル酸ネルフィナビル、ネビラピン、リトナビル、スタブジン、オセルタミビルリン酸塩等の抗ウイルス性薬物;
【0043】
アモキシシリン、アモキシシリン及びクラブラン酸カリウム、アンピシリン、セフロキシムナトリウム、セフロキシムアセチル、ペニシリンG及びY塩、セフジトレン、セフィキシム、クロキサシリンナトリウム、ジクロキサシリンナトリウム等のβ-ラクタム;
【0044】
エリスロマイシンエストレート、エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイシンステアレート等のマクロライド抗生物質;
【0045】
シプロフロキサシン、エノキサシン等のフルオロキノロン;
【0046】
デメクロサイクリン塩酸塩、ドキシサイクリンカルシウム、テトラサイクリン、テトラサイクリン塩酸塩等のテトラサイクリン;
【0047】
アルトレタミン、ブスルファン、クロラムブシル、メルファラン、シクロホスファミド、プロカルバジン塩酸塩、テモゾロミド等のアルキル化剤;
【0048】
メトトレキサート、メルカプトプリン、チオグアニン等の代謝拮抗物質;
【0049】
ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、タモキシフェンクエン酸塩、トレミフェンクエン酸塩等のホルモン性薬物及び拮抗物質;
【0050】
エトポシドリン酸塩等の有糸分裂抑制剤;
【0051】
アミオダロン塩酸塩、ジゴキシン、ジソピラミドリン酸塩、ドフェチリド、フレカイニド酢酸塩、メキシレチン塩酸塩、モリシジン塩酸塩、プロカインアミド塩酸塩、プロパフェノン塩酸塩、キニジン硫酸塩、キニジングルコン酸塩、ソタロール塩酸塩、トカイニド等の抗不整脈薬;
【0052】
イソソルビド二硝酸塩、ニトログリセリン、ニトロプルシドナトリウム等のニトラート;
【0053】
アセタゾラミド、ジクロフェナミド、メタゾラミド等の緑内障用点眼剤;
【0054】
炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、マガルドレート等の酸ペプシン治療薬;
【0055】
ビスマス塩、シメチジン、ファモチジン、ニザチジン、ラニチジン、ミソプロストール、ランソプラゾール、オメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、スクラルファート等;
【0056】
バクリジン、シクリジン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、メクリジン、ドロナビノール、クロルプロマジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、チエチルペラジン、トリフルプロマジン、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、デキサメタゾン、ロラゼパム、グラニセトロン、ラモセトロン、アプレピタント等の鎮吐剤;
【0057】
鉄塩等の造血薬;
【0058】
コルチゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルドロコルチゾン等の副腎ホルモン;
【0059】
アカルボース、メトホルミン、ナテグリニド、レパグリニド、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、グリブリド、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン等の抗糖尿病薬;
【0060】
ノルエチンドロン、ノルゲストレル、レボノルゲストレル等の避妊薬;
【0061】
エストラジオール及びそのエステル、エストロゲン、エストロピペート、メドロキシプロゲステロン、ミフェプリストン、酢酸ノルエチステロン、プロゲステロン、ラロキシフェン等の女性ホルモン;
【0062】
ヨージド、レボチロキシンナトリウム、リオチロニンナトリウム、リオトリックス、メチマゾール、プロピルチオウラシル等の甲状腺及び抗甲状腺薬;
【0063】
アミロイドヒドロクロリド、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トラセミド、ヒドロクロロチアジド、クロロチアジド、クロルタリドン、インダパミド、メトラゾン、ポリチアジド、キネタゾン、トリクロルメチアジド、スピロノラクトン、トリアムテレン等の利尿剤;
【0064】
キレート化マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カリウム塩等の電解物質;
【0065】
アロプリノール、コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン等の痛風治療薬;
【0066】
アルブテロール硫酸塩、モンテルカストナトリウム、テオフィリン、ジレウトン等の喘息治療剤;
【0067】
アクリバスチン、アザタジン、マレイン酸ブロムフェニラミン、カルビノキサミンマレイン酸塩、セチリジン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クレマスチンフマル酸塩、シプロヘプタジン塩酸塩、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ロラタジン、デスロラタジン等の抗ヒスタミン剤;
【0068】
デキストロメトルファン臭化水素酸塩、グアイフェネシン、プソイドエフェドリン塩酸塩等の咳抑制薬又は風邪治療薬;及び
健康機能性食品。
【0069】
有効成分は、組成物全重量に対して、0.5~70重量%、好ましくは1~60重量%、より好ましくは2~55重量%、最も好ましくは3~50重量%の量で含まれてもよい。
【0070】
高分子
本発明における高分子は、可溶化担体として用いられる水溶性又は胃溶性高分子を示す。
【0071】
「可溶化担体」とは、有効成分の安定性の改善、アモルファス化、溶解度の向上、吸収改善等の目的のために用いられる担体成分を包括する概念である。
【0072】
可溶化担体として用いられる高分子は、組成物全重量に対して、7~70重量%、好ましくは10~60重量%、より好ましくは12~50重量%の量で用いられてもよい。
【0073】
本発明で使用可能な高分子は、医薬品、食品及び/又は化粧品に使用されており、室温でのその性状(例えば、液相、ワックス又は固相など)は特に限定されない。
【0074】
前記高分子の具体的な例には、ゼラチン(gelatin)、カゼイン(casein)、デキストラン(dextran)、アラビアガム(gumacacia)、トラガカントゴム(tragacanth)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycols)、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose)、メチルセルロース(methyl cellulose)、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethyl cellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(hydroxypropyl methyl cellulose phthalate)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(hydroxy propyl methyl cellulose acetate succinate)、メチルセルロース非結晶質セルロース(noncrystalline cellulose)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)、ポロキサーマ(poloxamers)、ポリメタクリレート共重合体、リゾチーム(lysozyme)、アルブミン(albumin)、ポリアクリル酸及びこれらの組み合わせから選ばれたものが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい高分子には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポロキサーマ、ポリメタクリレート共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース又はこれらの組み合わせを含まれる。
【0075】
有効成分と高分子を用いた最終製品
経口用組成物の製造において、最終製品は様々な方法で製剤化することができる。
【0076】
本発明の経口用組成物は、好ましくは固体経口製剤、特に錠剤又はカプセル剤の形態であってもよい。
【0077】
有効成分の安定性の改善、結晶形のアモルファス化、溶解度の向上、吸収改善等の目的のために高分子を使用して最終製品を製造する場合、最終製品で崩壊、分散、溶出がよく遅れる。高分子を使用する方法では、固体分散体若しくは造粒形態を使用することによって、又は高分子を直接混合することによって最終製品中に高分子が存在することができ、その方法は本発明において限定されない。
【0078】
固体分散体の場合、噴霧乾燥、溶解後減圧乾燥や沈殿など、様々な方法で製造することができる。造粒の例には、湿式顆粒、乾式顆粒が含まれる。湿式顆粒は、高速ミキサーや流動層造粒機を使用し、乾式顆粒は、ローラーコンパクターやエクストルーダーなどを使用することができる。
【0079】
崩壊促進剤-発泡成分
崩壊特性、分散特性、溶出特性、水溶液内での溶解維持特性などが最終製品においても維持する必要がある。しかし、高分子は、粘性が大きく、強い結合力を有するので、最終製品の崩壊、分散、溶出を遅らせる役割を果たす可能性がある。特に、ヒプロメロース(=ヒドロキシプロピルメチルセルロース)やポビドン(=ポリビニルピロリドン)は、水をよく吸収する性質を有する親水性高分子である。親水性高分子、有効成分及びその他の賦形剤からなる錠剤が水と接触すると、高分子が水和して膨潤面を形成すると同時に、乾燥したコア状態であった錠剤にガラスのような層を形成する。その後、時間が経過すると、ゲル層となって拡散層が形成され、この拡散層を介して有効成分分子が徐々に外部媒体に放出される。しばらくすると、錠剤は浸食表面を形成し、腸の蠕動運動などの外部刺激によって錠剤の表面に侵食が生じる。このような過程により、有効成分の放出の遅延が発生する。これは2280、2910などの高分子には、より高い遅延効果がある。
【0080】
しかし、殆どの場合、製剤は体内で急速に崩壊しなければならないため、有効成分は短時間で最終溶出率に到達しなければならない。これは、pHが高くなると溶解度が低下する有効成分の場合、吸収を促進するために消化管上部の濃度を最も高く維持する必要があるためである。従って、機能を付与するために用いられる高分子は、有効成分の放出遅延による吸収改善の障壁となり得る。
【0081】
特に錠剤の形態で最終製品を製造する場合、打錠によって形成された錠剤の崩壊は高分子によって遅延する可能性がある。また、たとえ、崩壊が起こったとしても顆粒又は塊の形態での分散又は溶出が高分子によって遅延される可能性がある。
【0082】
ヒプロメロース等の高粘度の親水性の高分子を含有した錠剤は水と接触すると、表面の高分子が水和して被膜を形成し、内部への水分浸透を防ぐ。この現象を防止するために、崩壊剤や多量の賦形剤を使用するなどの方法が適用できる。
【0083】
崩壊剤を使用する場合、錠剤に水が引き込まれ、毛細管作用による湿潤又は崩壊剤自体の膨潤によって製剤の崩壊、分散及び溶出を促進することができる。
【0084】
また、多量の希釈剤を使用する場合、高分子を互いに分離して、崩壊の遅延を防ぐことができる。
【0085】
しかし、大量の崩壊剤を使用すると、最終製剤が水分に敏感になり、安定性が低下することがある。また、大量の希釈剤を使用すると、最終製剤が多くなるという短所がある。
【0086】
従って、錠剤組成物は、水との接触の瞬間に物理的力で高分子粒子間のギャップを浮かしてゲル層の形成を防止することにより崩壊を促進するよう設計された。この目的のために、発泡成分を使用することが提案された。
【0087】
一実施例において、pH調節剤及び制酸剤として使用される炭酸水素ナトリウムは、酸性溶液中でCO2気体を生成し、このときに、生成される圧力変化により錠剤の体積を急速に膨張し、それにより錠剤内部への水分の浸透と崩壊を促進させることができる。
【0088】
一実施例において、胃液条件下でNaHCO3を含む錠剤表面の化学反応は以下の通りである。
NaHCO3(s)+HCl(aq)→NaCl(aq)+H2O(l)+CO2(g)
【0089】
本発明の製剤は、発泡性を示す添加剤として、発泡剤又は酸性化剤が含んでいてもよい。
【0090】
前記発泡剤としては、アルカリ金属炭酸塩を用いることができ、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムを単独又は混合して用い、最も好ましくは炭酸水素ナトリウムを用いてもよい。本発明の組成物は、が高分子100重量部に対して10~200重量部の発泡剤を含むことが好ましい。発泡剤の含有量が10重量部未満であると、発泡性能が低下する場合がある。発泡剤の量が、200重量部を超えると、他の成分の含有量が少なくなるため、製剤化が困難になる場合があり、また、過度な発泡性能により流通及び保管過程で少量の水に曝しても泡が発生し、安定性の低下が生じる場合がある。発泡剤は、高分子100重量部に対して、好ましくは20~170重量部、より好ましくは30~150重量部、最も好ましくは50~120重量部で使用することができる。
【0091】
前記酸性化剤としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、アセチルサリチル酸及びニコチン酸を単独又は混合して使用することができ、最も好ましくはクエン酸又は酒石酸を使用することができる。本発明の組成物において、酸性化剤は、発泡剤100重量部に対して、好ましくは0~200重量部、より好ましくは0~150重量部、最も好ましくは0~100重量部の量で含まれていてもよい。酸性化剤を添加しない場合は、胃酸が役割を果たし、酸性化剤が200重量部を超えて含まれる場合、他の成分の含有量が低下し、製剤の硬度が低くなるという問題が生じる場合がある。
【0092】
酸性化剤を製剤内に含ませる場合、製剤が製造中又は保管中に空気中の水分を引き込み、水分及び泡と反応する可能性がある。従って、工程中又は保管中に水分を遮断する必要がある。
【0093】
しかし、経口剤の場合、服用後、錠剤が強酸性の胃液に直接曝されるため、酸性化剤を使用せず、添加剤として発泡剤(例えば、炭酸水素ナトリウム)のみを使用することが好ましい。
【0094】
本発明の組成物は、ソラフェニブナノ粒子に加えて、他の追加の成分を含んでいてもよい。他の追加成分には、溶解補助剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤とコーティング基剤が含まれる。
【0095】
前記溶解補助剤としては、高分子や界面活性剤を使用することができる。好ましくは、ポリメタクリレート共重合体を使用することができる。ポリメタクリレート共重合体は、好ましくは官能基としてジメチルアミノエチルメタクリレートを有するカチオン性高分子、より好ましくはポリ(ブチルメタクリレート-co-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート-co-メチルメタクリレート)であってもよい。
【0096】
前記ポリメタクリレート共重合体は、3,000~200,000、好ましくは5,000~150,000、より好ましくは10,000~100,000、さらに好ましくは20,000~80,000g/モルの重量平均分子量を有することができる。重量平均分子量が3,000g/モル未満であると水溶解度改善効果が低い場合がある。重量平均分子量が200,000g/モルを超えると、崩壊が遅れる場合がある。
【0097】
前記ポリメタクリレート共重合体の状態には特に制限はないが、顆粒状又は粉末状態であってもよい。
【0098】
具体的な例として、前記ポリメタクリレート共重合体は、Eudragit(登録商標)EPO(エボニック社、ドイツ)又はEudragit(登録商標)E100(エボニック社、ドイツ)であってもよい。具体的な例として、前記ポリメタクリレート共重合体の重量平均分子量は、約47,000g/モルであってもよい。
【0099】
前記ポリメタクリレート共重合体は、有効成分1重量部に対して、0.05~5重量部の量、好ましくは0.1~4重量部、より好ましくは0.2~3重量部の量で使用されてもよい。ポリメタクリレート共重合体の量が前記下限未満であると有効成分の水溶解度及びバイオアベイラビリティの改善程度が小さく、効果が低下する場合がある。前記上限範囲を超えると、製剤(例えば、錠剤)が多くなり過ぎ、服用時に不快感を与える場合がある。
【0100】
前記希釈剤は、例えば、ラクトース(無水物又は水和物、例えば一水和物)、セルロース粉末、微晶質セルロース、ケイ化微晶質性セルロース、デンプン、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、三ケイ酸マグネシウム、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、ラクトース、デキストロース、マルトース、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトデキストリン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる1種以上であってもよいが、これらに限定されない。好ましくは、ラクトース、微晶質性セルロース又はこれらの混合物を選ぶことができる。最も好ましくは、デンプン、ラクトース及び微晶質性セルロースの混合物を選ぶことができる。希釈剤は、結合剤としても機能してもよい。
【0101】
前記希釈剤は、例えば、全製剤(例:錠剤)重量100重量部に対して、0.1~80重量部、好ましくは1~65重量部、より好ましくは2~50重量部の量で使用することができる。希釈剤の量が前記下限未満であると、打錠性の低下により製剤化が困難になる場合があり、前記上限を超えると、製剤が多くなりすぎて、服用時に不快感を与える場合がある
【0102】
前記崩壊剤は、例えば、クロスカルメロースナトリウム(CrosCMC-Na)、カルボキシメチルセルロース、クロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、L-HPC(低置換ヒドロキシプロピルセルロース)、デンプン(小麦、米、トウモロコシ又はジャガイモデンプン)、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、ジャガイモデンプンのナトリウムグリコラート、部分的に加水分解されたデンプン、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる1種以上であってもよいが、これらに限定されない。好ましくは、クロスカルメロースナトリウム(CrosCMC-Na)又はL-HPC(低置換ヒドロキシプロピルセルロース)又はこれらの混合物であってもよい。
【0103】
前記崩壊剤は、例えば、全製剤(例:錠剤)の100重量部に対して、1~30重量部、好ましくは2~20重量部の量で使用することができる。崩壊剤の量が前記下限未満であると、崩壊速度の遅延による溶出速度の遅延が問題となる場合があり、前記上限を超えると、打錠障害などの生産性に問題が生じる場合がある。
【0104】
前記滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、デンプン(小麦、米、トウモロコシ又はジャガイモデンプン)、タルク、高分散(コロイド)シリカ、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びこれらの混合物からなる群から選ばれる1種以上であってもよいが、これらに限定されない。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムであってもよい。
【0105】
前記滑沢剤は、例えば、全製剤(例:錠剤)の重量100重量部に対して、0.1~3重量部、好ましくは0.2~3重量部、より好ましくは0.5~2重量部の量で使用することができる。滑沢剤が前記下限未満であると、打錠障害等の生産性に問題が生じる場合があり、前記上限を超えると、溶出遅延や生産性に問題が生じる場合がある。
【0106】
前記コーティング基剤は、親水性高分子として、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアセテート(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(ナトリウム塩及びカルシウム塩)、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、L-HPC(低置換HPC)、ポリビニルアルコール、アクリル酸及びその塩の重合体、ビニルピロリドン-ビニルアセテート共重合体(例えばコリドン(登録商標)VA64、BASF社)、ポリコートIR、ゼラチン、グアーガム、部分的に加水分解されたデンプン、アルギネート、キサンタン、及びこれらの混合物からなる群から1種以上であってもよいが、これらに限定されない。好ましくは、ポリビニルアセテート(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリコートIRであってもよい。
【0107】
前記コーティング剤は、コーティング前の錠剤(素錠)100重量部に対して、例えば、0.2~15重量部、好ましくは0.5~10重量部、より好ましくは1~7重量部の量で使用することができる。コーティング剤が前記下限未満であると、素錠の表面全体の一部がコーティング剤で覆われていないという問題が生じる可能性があり、前記上限を超えると、溶出速度が極端に遅くなる場合がある。
【0108】
前記のように、コーティング錠を製造する過程で、様々な生物学的不活性成分を、コーティングの効率性、有効成分の安定性、外観、色、保護、維持、結合、性能改善、製造工程改善等の付加的な目的のためにさらに使用することができる。
【0109】
一実施形態によれば、コーティング層にさらに含まれ得る生物学的に不活性な成分は、可塑剤、滑沢剤、着色剤、着香剤、界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、発泡剤、消泡剤、防湿剤(例えば、パラフィン、ワックス)等からなる群から選ばれる1種以上であってもよい。
【0110】
例えば、前記可塑剤は、各コーティング層に使用される全高分子の乾燥重量に対して、100重量%以下(例えば、0.1~100重量%)、具体的に50重量%以下(例えば、0.1~50重量%)、より具体的に30重量%以下(例えば、0.1~30重量%)の量で含まれてもよい。
【0111】
例えば、前記可塑剤は、トリエチルシトラート、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、プロピレングリコール、トリアセチン、ポリエチレングリコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びセトステアリルアルコールからなる群から選ばれる1種以上であってもよいが、これらに限定されない。
【0112】
例えば、前記滑沢剤は、各コーティング層に使用される全高分子の乾燥重量に対して、100重量%以下(例えば、0.1~100重量%)の量で含まれてもよい。
【0113】
例えば、前記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、デンプン(小麦、米、トウモロコシ又はジャガイモデンプン)、タルク、高分散(コロイド状)シリカ、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、グルセリルモノステアレート、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びこれらの混合物からなる群から選ばれる1種以上であってもよいが、これらに限定されない。
【0114】
前記錠剤又はカプセル剤において、錠剤又はカプセル剤の物理的な特性、製造性、圧縮性、外観、味覚及び薬物の安定性などを改善するために、様々な添加剤を混合することができる。前記添加剤には、例えば、安定化剤、可溶化剤、甘味剤、矯味剤、顔料、湿潤剤、充填剤、安定化剤、界面活性剤、滑沢剤、可溶化剤、緩衝剤、甘味剤、吸着剤、矯味剤、結合剤、懸濁化剤、硬化剤、抗酸化剤、光沢剤、着香剤、香味剤、顔料、コーティング剤、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、清涼化剤、咀嚼剤、静電防止剤、着色剤、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、粘着剤、粘増剤、発泡剤、pH調節剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、防水剤、防腐剤、保存剤、溶解補助剤、溶剤、流動化剤などが挙げられるが、これらに限定されず、薬学的に許容されるものであってもよい。
【0115】
以下、本発明の理解を容易にするために好ましい実施例を提示する。しかしながら、以下の実施例は、本発明を例示することのみを意図しており、決して本発明を限定することは意図されていない。
【実施例0116】
製造例1.固体分散体製造:タクロリムス
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)0.5gとタクロリムス0.5gをエタノール35gに溶解又は分散した後、混合物を情報させ、対流式オーブンで乾燥させた。その後、ミキサーを使用して約300μm以下に粉砕して、固体分散体を製造した。
【0117】
製造例2.固体分散体製造:タクロリムス
2.5gのHPMC2910及び34.375gの水を定量的に混合し、泡立ちを防ぐために撹拌しながら完全に溶解した。0.5gのタクロリムス及び51.5625gのエタノールを定量した後、完全に溶解するまで混合及び撹拌した。前記タクロリムス溶液と前記HPMC水溶液を均一に混合し、0.825gのタルクを定量して混合物に加えた。その後、撹拌を続けて沈殿を防ぎ、コーティング液を製造した。
【0118】
流動床コーティング機(GPCG1、GLATT)のプロセス空気を44℃/0.17barに調整し、加熱して、製品チャンバー内の温度を29~30℃に維持した。流動床コーティング機に10gの微結晶セルロース(cp-102)を加え、前記コーティング液を噴射空気速度0.65mL/分で製品チャンバー内に噴射した。コーティングが進むにつれて、プロセス空気圧は0.17barから0.25barまで徐々に上げられ、噴射した。その後、約30分程度乾燥して固体分散体を製造した。
【0119】
製造例3.固体分散体製造:フェノフィブラート
ポリエチレングリコール6000(Macrogol6000、三洋化成工業社、日本)20gとポロキサーマ188(Lutrol F68、BASF社、ドイツ)40gをビーカーに入れ、約90℃に加熱し、溶解し、撹拌して混合した。完全に溶融した後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(Pharmacoat606、信越化学工業社、日本)20gを前の溶融液に加え、撹拌して均一にした。ここにフェノフィブラート20gを加え、撹拌して溶解した。完全に溶解混合した後、混合物を別の容器に4時間広げて室温で冷却した。
【0120】
完全に固化した塊を適当な大きさに粉砕し、これを800μmのステンレス製のふるいを備えたERWEKA AR402(ERWEKA GmbH社、ドイツ)を使用して細かく粉砕し、固体分散体を得た。
【0121】
製造例4.固体分散体製造:フェノフィブラート
HPMC(2910シリーズ、信越化学工業社、以下同じ)10gを水90gと混合し、撹拌して完全に溶解した10%w/w溶液を製造した。フェノフィブラート2gをエタノール200gと混合し、撹拌して完全に溶解させた。2つの溶液を混合及び撹拌して、沈殿のない溶液を製造した。フェノフィブラートとHPMCの割合は、重量で1:5(フェノフィブラート重量:HPMC重量)であった。
【0122】
前記の溶液をBUCHI社のノズル式噴霧乾燥器(Mini spray dryer B-290)を使用して、注入気温90℃、注入量3mL/分の条件で噴霧乾燥し、比較的球状の平均粒径50μmのフェノフィブラート含有ミクロスフェアを得た。
【0123】
製造例5.固体分散体製造:フェノフィブラート
HPMC450gを水2550gと混合し、撹拌して完全に溶解させた15%w/w溶液を製造した。フェノフィブラート90gをエタノール5500gと混合し、撹拌して完全に溶解させた。2つの溶液を混合及び撹拌し、沈殿のない溶液を製造した。フェノフィブラートとHPMCの割合は、重量で1:5であった。
【0124】
前記の溶液をアトマイザー式噴霧乾燥器(DJE-003R、Dongjin Enterprise Co., Ltd.)で噴霧温度110℃、注入量45mL/分、噴射器速度3,500rpmの条件で噴霧乾燥し、比較的球状の50μmのフェノフィブラート含有ミクロスフェアを得た。
【0125】
製造例6.固体分散体製造:シンバスタチン
製造例2と同様の方法で下記表1に示す組成比で混合することにより、黄色味を帯びた透明な混合溶液が製造され、気泡が消えるまで放置した。
【表1】
【0126】
前記の溶液をアトマイザー式噴霧乾燥器で噴霧温度100℃、注入量45mL/分、噴射器速度3,500rpmの条件で噴霧乾燥して、固体分散体形態の比較的球状の50μmのシンバスタチンミクロスフェアを得た。
【0127】
製造例7.固体分散体製造:カンデサルタン
製造例2と同様の方法で下記表2に示す組成比で混合することにより、黄色味を帯びた透明な混合溶液が製造され、気泡が消えるまで放置した。
【表2】
【0128】
前記の溶液をアトマイザー式噴霧乾燥器で噴霧温度100℃、注入量45mL/分、噴射器速度3,500rpmの条件で噴霧乾燥して、固体分散体形態の比較的球状のカンデサルタンミクロスフェアを製造した。製造されたミクロスフェアの粒径は、固体分散体として50μm以下であることが分かった。
【0129】
製造例8.固体分散体製造:タクロリムス
製造例2と同様の方法で下記表3に示す組成比で混合することにより、黄色味を帯びた透明な混合溶液が製造され、気泡が消えるまで放置した。
【表3】
【0130】
前記の溶液をアトマイザー式噴霧乾燥器で噴霧温度100℃、注入量45mL/分、噴射器速度3,500rpmの条件で噴霧乾燥して、固体分散体形態の比較的球状のタクロリムスミクロスフェアを製造した。製造されたミクロスフェアの粒径は、50μm以下であることが分かった。
【0131】
製造例9.固体分散体製造:セレコキシブ
HPMC6gを水60gと混合し、撹拌して完全に溶解させた10%w/w溶液を製造した。セレコキシブ2gとポロキサーマ1882gをエタノール200gに入れ、40~50℃に加熱しながら撹拌して完全に溶解させた。2つの溶液を混合及び撹拌して、沈殿のない溶液を製造した。セレコキシブ:HPMC:ポロキサーマ188の割合は1:3:1であった。
【0132】
前記の溶液をGLATT社のノズル式噴霧乾燥器(Mini Glatt)で注入気温65~75℃、注入量1~3mL/分の条件で噴霧乾燥して、セレコキシブ含有固体分散体微粒子を得た。
【0133】
製造例10.固体分散体製造:セレコキシブ
PVPK302g、ポロキサーマ4072gをエタノール60mLが入ったビーカーに加え、40~50℃に加熱しながら撹拌して、完全に溶解した。その後、セレコキシブ2gをさらに加えて透明に溶解することを確認した。セレコキシブ:PVPK30:ポロキサーマ407の割合は1:1:1であった。
【0134】
前記溶液をGLATT社のノズル式噴霧乾燥器(Mini Glatt)で注入気温55~65℃、注入量1~3mL/分の条件で噴霧乾燥して、セレコキシブ含有固体分散体微粒子を得た。
【0135】
製造例11.固体分散体製造:セレコキシブ
HPC-SSL2g、ポロキサーマ4072gをエタノール60mLが入ったビーカーに加え、40~50℃に加熱しながら撹拌して、完全に溶解させた。その後、セレコキシブ2gをさらに加えて透明に溶解することを確認した。セレコキシブ:HPC-SSL:ポロキサーマ407の割合は1:1:1であった。
【0136】
前記溶液をGLATT社のノズル式噴霧乾燥器(Mini Glatt)で注入気温65℃、注入量1~3mL/分の条件で噴霧乾燥して、セレコキシブ含有固体分散体微粒子を得た。
【0137】
製造例12.固体分散体製造:セレコキシブ
HPC-SL240g、PVPK30240g、ポロキサーマ407480gをエタノール14.4Lが入板容器に加え、40~50℃に加熱しながら撹拌し、完全に溶解させた。その後、セレコキシブ480gをさらに加えて透明に溶解することを確認した。セレコキシブ:HPC-SL:PVPK30:ポロキサーマ407の割合は1:0.5:0.5:1であった。
【0138】
前記溶液をアトマイザー式噴霧乾燥器で注入気温55~65℃、注入量20~100mL/分、噴射器速度3,500~4,500rpmの条件で噴霧乾燥した。
【0139】
製造例13.固体分散体製造:イマチニブ
クエン酸0.30gを精製水50mLに完全に溶解した後、イマチニブ遊離塩基2gを加えて溶解した。ポリビニルピロリドンK25(Kollidon(登録商標)25、BASF社、ドイツ)0.25gをエタノール50mLに完全に溶解させ、前記溶液に加え、撹拌して透明な液体を得た。
【0140】
完全に溶解混合された溶液をGLATT社のノズル式噴霧乾燥器(Mini Glatt)を使用して、注入気温65~75℃、注入量1~3mL/分の条件で噴霧乾燥して、イマチニブ含有固体分散体を得た。
【0141】
製造例14.固体分散体製造:ソラフェニブ
ソラフェニブトシラート(結晶形III型)2.67gとEudragit(登録商標)E1005.34gを150mLのEtOHに溶解した後(37℃、ロータリーエバポレーター)を使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成されたソラフェニブトシラートとEudragit(登録商標)Eの固体分散体を得た。収率は65%であった。
【0142】
製造例15.固体分散体製造:ソラフェニブ
ソラフェニブトシラートIII型7.2g、ヒプロメロース1.8g、ポビドン0.7g、ポロキサーマ0.2gを混合して製造した。次に、固体分散体にEudragit E2.9gを混合し、ふるいいにかけてソラフェニブ固体分散体混合物を製造した。
【0143】
製造例16.固体分散体製造:スニチニブ
スニチニブ遊離塩基4g、ヒプロメロース8gをエタノールと水(エタノール:水=8:2)混合溶媒に溶解した後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。
【0144】
製造例17.固体分散体製造:ダサチニブ
ダサチニブ無水物6.2g、ヒプロメロース12.4g、ツイーン80(Tween 80)0.62gをエタノールと水(エタノール:水=7:3)混合溶媒に溶解した後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。
【0145】
製造例18.固体分散体製造:パゾパニブ
パゾパニブ塩酸塩10g、ヒプロメロース10g、ツイーン80(Tween 80)1gをエタノールと水(エタノール:水=7:3)混合溶媒に溶解し後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。
【0146】
製造例19.固体分散体製造:ラパチニブ
ラパチニブジトシレート10g、ヒプロメロース10g、ツイーン80(Tween 80)1gをエタノールと水(エタノール:水=7:3)混合溶媒に溶解した後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。
【0147】
製造例20.固体分散体製造:アキシチニブ
アキシチニブ3g、ヒプロメロース4gをエタノールと水(エタノール:水=7:3)混合溶媒に溶解した後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。
【0148】
製造例21.固体分散体製造:カボザンチニブ
カボザンチニブリンゴ酸塩3g、ヒプロメロース3g、ツイーン80(Tween 80)1gをエタノールと水(エタノール:水=7:3)混合溶媒に溶解した後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。
【0149】
製造例22.固体分散体製造:ポナチニブ
ポナチニブ3g、ヒプロメロース6gをエタノールと水(エタノール:水=7:3)混合溶媒に溶解した後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。収率は62%であった。
【0150】
製造例23.固体分散体製造:バンデタニブ
バンデタニブ3.5g、ヒプロメロース3.5gをエタノールと水(エタノール:水=8:2)混合溶媒に溶解した後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。
【0151】
製造例24.固体分散体製造:ニロチニブ
ニロチニブ塩酸塩3g、ヒプロメロース6g、ツイーン80(Tween 80)0.5gをエタノールと水(エタノール:水=7:3)混合溶媒に溶解した後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。
【0152】
製造例25.固体分散体製造:エベロリムス
エベロリムス3g、ヒプロメロース9gをエタノールと水(エタノール:水=8:2)混合溶媒に溶解した後、混合物をロータリーエバポレーターを使用して減圧下で蒸留し、真空ポンプを使用して溶媒を完全に除去した。壁面に形成された固体分散体を得た。
【0153】
[実施例1]
製造例15で得られた固体分散体混合物12.8g、マンニトール3.4g、デンプングリコール酸ナトリウム0.8g、炭酸水素ナトリウム1.3gをふるいにかけ、混合した後、そこにステアリン酸マグネシウム0.1gを篩過し、添加して最終混合した。この混合物を1錠当たり350.0mg重量に対して、11mmの円状パンチで打錠した。
【0154】
[実施例2]
製造例15で得られた固体分散体混合物12.9g、マンニトール2.0g、デンプングリコール酸ナトリウム0.8g、炭酸水素ナトリウム2.6gをふるいにかけ、混合した後、そこにステアリン酸マグネシウム0.1gを篩過し、添加して最終混合した。この混合物を1錠当たり350.0mg重量に対して、11mmの円状パンチで打錠した。
【0155】
[実施例3]
製造例15で得られた固体分散体混合物12.9g、マンニトール1.5g、デンプングリコール酸ナトリウム0.8g、炭酸水素ナトリウム3.2gをふるいにかけ、混合した後、そこにステアリン酸マグネシウム0.1gを篩過し、添加して最終混合した。この混合物を1錠当たり350.0mg重量に対して、11mmの円状パンチで打錠した。
【0156】
[実施例4]
製造例15で得られた固体分散体混合物12.9g、マンニトール1.0g、デンプングリコール酸ナトリウム0.8g、炭酸水素ナトリウム3.7gを篩過して、混合した後、そこにステアリン酸マグネシウム0.1gを篩過し、添加して最終混合した。この混合物を1錠当たり350.0mg重量に対して、11mmの円状パンチで打錠した。
【0157】
炭酸水素ナトリウム比による実施例の組成を下記表4に示した(単位:mg)。
【表4】
【0158】
[実施例5~14]
製造例16~25で得られた固体分散体1.8g、マンニトール1g、デンプングリコール酸ナトリウム0.3g、炭酸水素ナトリウム1gを篩過して混合した後、そこにステアリン酸マグネシウム0.05gを篩過し、添加してそれぞれを最終混合した。この混合物を1錠当たり200.0mg重量に対して、8.5mmの円状パンチで手動打錠した。
【0159】
各実施例による錠剤の成分の組成を下記表5に示した(単位:mg)。
【表5】
【0160】
試験例1:錠剤の物性測定
[摩損度測定]
摩損度は、米国薬局方1216錠剤摩損度カテゴリに記載されている方法であり、10個の錠剤でレッパイン摩損率試験機使用して測定した。その結果を下記表6に示した(測定時間=4分)。
【表6】
【0161】
[崩壊試験]
韓国薬局方一般試験の第10改正版の崩壊試験法に従って、各実施例に対して、n=3のpH1.2溶液中で崩壊試験を実施し、その結果を下記表7に示した。
【表7】