(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015367
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】紫外線照射殺菌空気清浄装置、天井取付型紫外線部屋内殺菌装置及び各種紫外線室内殺菌装置による部屋内殺菌方法
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020118142
(22)【出願日】2020-07-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】517045093
【氏名又は名称】タオ・エンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520252653
【氏名又は名称】ナカムラ カイル ジョージ
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】特許業務法人 日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅波 耕三
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH11
(57)【要約】
【課題】空気の流れを所定の時間止めて滞留した空気層に集中的に紫外線照射することで、装置を簡便化しながら空気中に浮遊する細菌、ウイルスを確実に殺菌することのできるようにする。
【解決手段】紫外線照射殺菌空気清浄装置の空気取入・排出経路が、前記筒状容器に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、当該筒状容器の内部の空気を外部に排出する空気排出手段と、から形成され、空気排出手段を、間欠的にON・OFFの運転・停止操作をすることで、空気層への空気の取入・排出を止め、前記空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、間欠的に滞留する空気に紫外線照射器から紫外線を照射する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線照射器と、
筒状の形状を有し、当該紫外線射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器との間に導入した空気になる空気層が形成される筒状容器と、
空気を順次取り入れ、取り入れた空気を排出する空気取入・排出経路と、から構成され、
当該空気取入・排出経路が、前記筒状容器に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、当該筒状容器の内部の空気の外部への排出をするON・OFFの間欠的な運転・停止操作をする空気排出手段と、から形成され、
当該空気排出手段を、ON・OFFの間欠的な運転・停止操作をすることで、前記空気層への空気の取入・排出を止め、前記空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、当該間欠的に滞留する空気に前記紫外線照射器から紫外線を照射すること
を特徴とする紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載された紫外線照射殺菌空気清浄装置において、
部屋の天井の天井面に取り付けられ又は部屋の床面上に置かれて垂直方向に配置され、あるいは部屋の側壁に取り付けられて水平方向に配置されること
を特徴とする紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項3】
紫外線照射器と、
筒状の形状を有し、当該紫外線照射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器との間に導入した空気になる空気層が形成される筒状容器と、
当該筒状容器を筒長手方向に部屋の天井に取り付ける取付部と、
前記取付け部の反対側の端部に設けられ、紫外線照射器から照射される紫外線を遮断する遮光部と、
部屋内の空気を順次取り入れ、取り入れた空気を当該部屋に排出する空気取入・排出経路と、から構成され、
当該空気取入・排出経路が、前記筒状容器の前記取付け部の反対側の端部に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、当該筒状容器の内部の空気の外部への排出をするON・OFFの間欠的な運転・停止操作をする空気排出手段と、から形成され、
当該空気排出手段を、ON・OFFの間欠的な運転・停止操作をすることで、前記空気層への空気の取入・排出を止め、前記空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、当該間欠的に滞留する空気に前記紫外線照射器から紫外線を照射すること
を特徴とする天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項4】
請求項3に記載された天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置において、
前記筒状容器が、内面に紫外線反射板を備えること
を特徴とする天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項5】
請求項3に記載された天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置において、
前記筒状容器は、側面部が紫外線を透光するように形成され、前記空気層を照射光が部屋外も照射すること
を特徴とする天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項6】
請求項3に記載された天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置において、
前記空気排出手段が、前記空気排出路に設けられたロータリーバルブであること
を特徴とする天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項7】
紫外線照射器と、
筒状の形状を有し、当該紫外線射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器との間に導入した空気になる空気層が形成される筒状容器と、
部屋内の空気を順次取り入れ、取り入れた空気を当該部屋に排出する空気取入・排出経路と、から構成され、
当該空気取入・排出経路が、前記筒状容器の前記取付け部の反対側の端部に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、当該筒状容器の内部の空気の外部への排出をするON・OFFの間欠的な運転・停止操作をする空気排出手段と、から形成された天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置による紫外線照射部屋内殺菌方法において、
当該空気排出手段を、ON・OFFの間欠的な運転・停止操作をすることで、前記空気層への空気の取入・排出を止め、前記空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、当該間欠的に滞留する空気に前記紫外線照射器から紫外線を照射すること
を特徴とする天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置による紫外線照射殺菌空気清浄方法。
【請求項8】
請求項1に記載された紫外線照射殺菌空気清浄装置を備え、
記憶手段及び空気洗浄量演算処理できるソフトウエアを組み込んだパソコンを備え、
当該記憶手段に、前記空気排出手段でのON・OFFの間欠的な運転・停止操作のON運転時間と清浄化された空気洗浄量との関係を示すデータが格納され、前記空気排出手段に設けたICで計測したON・OFFの間欠的な運転・停止操作のON運転時間を、当該ICと通信可能な端末が取得し、前記パソコンが当該端末から当該運転時間を取得して、当該紫外線照射殺菌空気清浄装置で清浄化された空気洗浄量情報を取得することを特徴とする空気洗浄量情報取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UV照射部屋内殺菌装置、天井取付型UV部屋内殺菌装置及び各種UV室内殺菌装置による部屋内殺菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線ランプから照射される殺菌線と呼ばれる波長の紫外線で、紫外線ランプ周りの空気中に浮遊する細菌、ウイルスを殺菌する紫外線照射殺菌装置が用いられる。
【0003】
特許文献1には、殺菌ランプを有し、取付アームに回転可能に取り付けられて天井面に向かって照射するようにした殺菌灯本体と、殺菌灯本体を回転させる回転装置と、殺菌ランプを点滅させるスイッチと、回転装置の回転を停止させ殺菌ランプを消灯させるスイッチと、からなる殺菌灯装置が記載される。
【0004】
特許文献2には、天井より垂下されて水平に配設された殺菌灯と、殺菌灯の一方側に配設された遮光板と、を有し、駆動機構を駆動することで光が天井に向けて、あるいは床面に向けて殺菌灯から光が照射される殺菌灯装置が記載される。
【0005】
特許文献3には、部屋の壁に取り付けられた筺体と、筺体内部に格納された紫外線を照射する光源と、紫外線の照射範囲を絞る絞り部材と、を備え、筺体は、部屋の壁の上方であって、人の身長より高い場所に設置される室内殺菌装置が記載される。
【0006】
特許文献4には、殺菌する空気が流れるダクトの中心部の軸方向に、紫外線ランプを備え、紫外線ランプの周りに、平行に配置された複数枚の導風板と、導風板の間を仕切る仕切り板を備えた紫外線照射空気殺菌装置が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭60-7066号公報
【特許文献2】特開平6-78974号公報
【特許文献3】特開2017-18442号公報
【特許文献4】特許第6063424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
殺菌線と呼ばれる波長の紫外線で殺菌する場合の殺菌効果は、殺菌線照度(単位面積あたりのワット数:W/m2)と照射時間(秒)の積である殺菌線量(単位当たりのジュール数:J/m2)できまる。
【0009】
このために、強い殺菌力を得ようとすると、出力の大きい紫外線ランプを用いるか、紫外線照射時間を長くする必要がある。
【0010】
出力の大きな紫外線ランプの使用は、電力使用量が大きくなるという問題がある。
【0011】
このために、従来、紫外線照射時間を長くするために、長い紫外線ランプを使用し、紫外線の照射を受ける空気の流路を長くしたり、あるいは空気の流速を遅くして、紫外線の照射を受ける時間を長くするという方法が採用された。特許文献4記載の発明にあっては、殺菌する空気の流速が低速から高速まで、広い流速の範囲で効率よく殺菌する紫外線照射空気殺菌装置が提案される。
【0012】
これらの方法にあっては、空気の流路を長くしたり、あるいは空気の流速を調整することがなされるが、空気の流路は、紫外線照射空気殺菌装置の外方に形成され、空気の流れが停止されることがない。これらの場合、照射対象の空気に集中して紫外線を照射するものではないので、照射が集中されず、空気中に浮遊する細菌、ウイルスを確実に殺菌することができない恐れがあり、空気の流路を長くすることによる装置の長大化、空気の流速を調整することによる空気流速調整手段の付加に伴う装置の複雑化と高コストになるという問題がある。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑み装置の簡便操作によって空気の流れを所定の時間止めて滞留した空気層を形成し、この空気層に集中的に紫外線照射することで、空気中に浮遊する細菌、ウイルスを確実に殺菌することのできる紫外線照射殺菌空気清浄装置を提供することを課題とする。
【0014】
以下の説明で、紫外線をUVと称する場合がある。
【0015】
以下の説明で、空気には通常用いられる空気に加えて、空気に他のガスを加えた空気主体の空気が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明において、紫外線照射殺菌空気清浄装置は、
紫外線照射器と、
筒状の形状を有し、当該紫外線射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器との間に導入した空気になる空気層が形成される筒状容器と、
外部の空気、典型的には部屋内の空気を順次取り入れ、取り入れた空気を外部、典型的には当該部屋に排出する空気取入・排出経路と
、を備えて構成される。
【0017】
当該空気取入・排出経路が、前記筒状容器に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、当該筒状容器の内部の空気の外部への排出をするON・OFFの間欠的な運転・停止操作をする空気排出手段と、から形成される。
【0018】
当該空気排出手段を、ON・OFFの間欠的な運転・停止操作をすることで、前記空気層への空気の取入・排出を止め、前記空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、当該間欠的に滞留する空気に前記紫外線照射器から紫外線を照射することを行う。
【0019】
紫外線照射殺菌空気清浄装置は、部屋内に設置される場合、部屋の天井の天井面に取り付けられ又は部屋の床面上に置かれて垂直方向に配置され、あるいは部屋の側壁に取り付けられて水平方向に配置され得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、装置のONとOFFによる間欠的な運転・停止操作によって空気の流れを所定の時間止めて滞留した空気層を形成し、この空気層に集中的に紫外線照射することで、空気中に浮遊する細菌、ウイルスを確実に殺菌することのできる紫外線照射殺菌空気清浄装置を提供することができる。
【0021】
従来装置の問題であった、照射対象の空気に集中して紫外線を照射するものではないので、照射が集中されず、空気中に浮遊する細菌、ウイルスを確実に殺菌することができない恐れがあり、空気の流路を長くすることによる装置の長大化、空気の流速を調整することによる空気流速調整手段の付加に伴う装置の複雑化と高コストになるという問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施例である紫外線照射殺菌空気清浄装置の一部断面を含む構造を示す構造図。
【
図2】
図1に示される天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置の本体内部及び空気排出路を上方から見た図。
【
図3】
図1及び
図2(2)で示される紫外線照射殺菌空気清浄装置100による紫外線の照射状況を示す図。
【
図4】部屋の内部に各種の紫外線照射殺菌空気清浄装置が設置された状況を示す図。
【
図5】天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置から紫外線を装置内の空気層に照射する状況を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施例である天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置の一部断面を含む構造を示す構造図である。
【0025】
図2は、
図1に示される天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置の本体内部及び空気排出路を上方から見た図である。
【0026】
図2(1)は、天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置の中で、紫外線の照射が円筒容器内に限ってなされる場合を示し、
図2(2)は、紫外線の照射が円筒容器内外でなされる場合を示す。
図2(1)の場合、円筒容器1は、不透明の樹脂で制作され、内面に反射材が設けられてよい。
図2(2)の場合、筒状容器1がアルミニューム、ガラスあるいはアクリル樹脂板で構成される。不透明の樹脂で制作された場合、壁部に縦方向に多数のスリットが設けられる。筒状容器は、側面部が紫外線を透光するように形成され、前記空気層を照射光が部屋外も照射する
これらの図において、天井取付型UV部屋内殺菌装置100は、紫外線照射殺菌空気清浄装置が部屋101(
図3参照)の天井5に取付けられた場合の典型で好ましい実施例の1例である。以下、天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100を例にとって説明する。
【0027】
図1において、天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100は、紫外線照射ランプ10を内部に有する本体2と、これに固着される蓋部3とからなる筒状容器1を持ち、筒状容器内にUV照射器としての紫外線照射ランプ10を備える。紫外線照射ランプ10は、細長状でほぼ円柱状の形態をなし、垂直方向に配置される。細長状とすることで、部屋内への照射で一定の照射域を形成する。
【0028】
筒状容器1は、筒状の形状を有し、内部に空間部を有して紫外線照射ランプ10を筒の長手方向に内蔵して保持し、紫外線照射ランプ10との間の空間部が空気層11となる。空気層11は、空気を滞留することができる。筒状容器1は、樹脂で形成され、内面にUV反射板を備えるようにしてもよい。筒状容器1は、透明のガラス板あるいはアクリル樹脂板で形成され、紫外線照射器からの紫外線が部屋内及び部屋外に照射され得る。
【0029】
UV反射板を備えることで、
図2(1)に示される紫外線の照射となる。空気層11により強い紫外線を集中して照射することができる。空気層11に滞留する空気に紫外線が照射されて集中的に空気中に浮遊する細菌、ウイルスを殺菌する。
図2(1)に示される紫外線の照射では、部屋内のどの位置に設置しても人体への影響がない。
【0030】
図1に示される例では、
図2(2)に示される紫外線の照射となる。紫外線照射器からの紫外線が部屋内に照射され、さらに筒状容器1を通過した紫外線が部屋外に照射され、部屋内外の空気中に浮遊する細菌、ウイルスの殺菌がなされる。
蓋部3は、取付金具4によって本体2に密接して固着される。また、蓋部3の最上面には、天井5の天井面に筒状容器1を取り付けるための取付け部6を備える。
【0031】
蓋部3は、内部の下端に下端板7を備え、下端板7に上方に向けて配置された、導電性の紫外線照射ランプ取付具8を備える。また、蓋部3は、内部に空間部14を持つ。この空間部14の内部に紫外線照射ランプ取付具8が配置され、紫外線照射ランプ取付具8は接続端子15を持ち、接続端子15は、配線16に接続され、さらにプラグ17に接続され、紫外線照射ランプ10への給電が可能とされる。
【0032】
紫外線照射ランプ取付具8の内部にねじ溝になる脱着自在の螺合部が形成され、この螺合部は、紫外線照射ランプ10の上部に形成されたねじになる螺合部に係合して紫外線照射ランプ10を保持する。この構成によって、紫外線照射ランプ10は、筒状容器1の内部に内蔵されて固着される。
下端板7には、円周帯状に空気の通気口18が設けられる。通気口18は、空間部14に連通する。
【0033】
蓋部3には、チューブ状の空気排出路19が設けられる。空気排出路19には、ロータリーバルブ21が配設される。ロータリーバルブ21は、回転することによって流体の流量を制御する弁装置として知られる。 ロータリーバルブ21は、空気排出手段の典型的な一例である。ロータリーバルブ21は、空気排出路19からの空気の排出、及びこれに伴う空気導入口23からの空気の吸い込みを行うことができる。空気の排出及び空気の排出を行う装置であればロータリーバルブに代替できる。例えば、ロータリーバルブに代えて送風用のファンを筒状容器内に設けてもよい。
【0034】
本体2の下端には、端板22が設けられ、端板22には、中央部に空気導入口23が設けられる。
【0035】
端板22に対峙して、水平方向に紫外線照射器から照射される紫外線を遮断する遮光板24が端板22に固定して設けられる。遮光板24は、遮光部となる。
【0036】
端板22と遮光板24との間には、空気導入口23を持つ空気導入路25が形成される。部屋内の空気は、この空気導入路25を介して筒状容器1の内部に導入され、空気層11を形成する。
【0037】
端板22を中央部で間隙をおいてラップする構造とすることで、遮光板の機能を持たせることができる。
【0038】
部屋内の空気を順次取り入れ、取り入れた空気を当該部屋に排出する空気取入・排出経路と、から構成される。
【0039】
空気取入・排出経路が、筒状容器に設けた空気導入路25と、筒状容器の内部に形成される空気層11と、筒状容器の内部に連通する空気排出路19と、筒状容器の内部の空気を外部に排出する空気排出手段であるロータリーバルブ21と、から形成される。
【0040】
空気取入・排出経路は、部屋内の空気の流れを加えた部屋内の空気を循環させる空気循環路の一部となる。
【0041】
空気取入・排出経路30が図面上で、矢印で示される。空気取入・排出経路は、空気取入・排出が間欠的に、すなわち一時的に止められる円筒容器内に形成された空気層を持つ特徴がある。
【0042】
ロータリーバルブ21の駆動源としてモータ31が用いられる。モータ31には、制御基板32が付設される。制御基板32には、制御用の小型の集合半導体であるICが取り付けられる。ICは、後述の
図4に示す制御信号を発して、モータ31を制御する。
【0043】
紫外線照射ランプ10からの紫外線は、空気層の空気に照射し、筒状容器1の内面に反射板が設けられている場合には、反射して再度空気層の空気に紫外線を照射する。筒状容器1がアルミニューム、ガラスあるいはアクリル樹脂板で構成されている場合には、アルミニューム、ガラスあるいはアクリル樹脂板を通過して部屋内の空気に紫外線を照射する。遮光板24が設けられているので、紫外線照射ランプ10からの紫外線は、下方には向かず、水平方向に向かう。
【0044】
紫外線照射器と、
筒状の形状を有し、当該紫外線射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器との間に導入した空気になる空気層が形成される筒状容器と、
部屋内の空気を順次取り入れ、取り入れた空気を当該部屋に排出する空気取入・排出経路と、から構成され、
当該空気取入・排出経路が、前記筒状容器に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、当該筒状容器の内部の空気を外部に排出する空気排出手段と、から形成され、
当該空気排出手段を、ON・OFFの間欠的な運転・停止操作をすることで、前記空気層への空気の取入・排出を止め、前記空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、当該間欠的に滞留する空気に前記紫外線照射器から紫外線を照射する紫外線照射殺菌空気清浄装置が構成される。
【0045】
図3は、
図1及び
図2(2)で示される紫外線照射殺菌空気清浄装置100による紫外線の照射状況を示す図である。紫外線照射殺菌空気清浄装置100は、天井に取り付けられるように制作された。空気排出手段を、ON・OFFの間欠的な運転・停止操作をすることで、空気層への空気の取入・排出を止め、空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、当該間欠的に滞留する空気に紫外線照射器から紫外線を照射し、部屋内の空気に紫外線照射器から紫外線を照射する。
【0046】
図4は、部屋の内部に各種の紫外線照射殺菌空気清浄装置が設置された状況を示す図である。
【0047】
部屋101の内部には、各種の紫外線照射殺菌空気清浄装置100を設置することができる。紫外線照射殺菌空気清浄装置100が、
図2(1)に示される形態の紫外線照射殺菌空気清浄装置が採用されるときに、紫外線照射は、円筒容器内に留められ、当該紫外線照射殺菌空気清浄装置は、垂直方向配置ばかりでなく、水平方向の配置が許容され、天井への設置ばかりでなく、部屋の側壁への設置あるいは部屋床面への設置が許容される。
【0048】
紫外線照射殺菌空気清浄装置が、部屋の天井の天井面に取り付けられ又は部屋の床面上に置かれて垂直方向に配置され、あるいは部屋の側壁に取り付けられて水平方向に配置される。
【0049】
図4において、天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100が取付け部6によって部屋101の天井面に取り付けられた。
【0050】
天井取付型UV部屋内殺菌装置100は、部屋の壁の上方であって、人102の身長より高い場所に好ましく設置される。
【0051】
水平方向への配置の場合、紫外線照射殺菌空気清浄装置100は、横置き配置とされ、壁取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100Aとなり、当該壁取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100Aの側面に取り付けた取付け材によって部屋101の壁に取り付けられる。
【0052】
壁取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100Aは、部屋の壁の上方であって、人102の身長より高い場所に好ましく設置される。
【0053】
部屋床面への設置の場合、紫外線照射殺菌空気清浄装置100は、垂直配置とされ、部屋床面への設置型紫外線照射殺菌空気清浄装置100Bとなり、当該部屋床面への設置型紫外線照射殺菌空気清浄装置100Bの底面に取り付けた取付け材によって部屋101の床面に載置される。
【0054】
図2(2)形態の天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100が設置されるとき、人102の身長より高い場所に好ましく設置され、紫外線による人体への影響が回避され、天井下の近傍で、360°方向に本体2の長さL(
図1参照)範囲で紫外線を照射することができ、壁取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100Aあるいは部屋床面への設置型紫外線照射殺菌空気清浄装置100Bに比べてメリットがある。
【0055】
図2(1)あるいは
図2(2)に示される天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100は、部屋内の天井に取り付ける場合、部屋中央ばかりでなく、部屋の4隅に取り付けることができる。
【0056】
図5は、天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100からの紫外線を空気層11に照射する状況を示す図である。天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置100が
図3において、天井に取り付けた場合が想定される。
【0057】
この場合の想定例について次に示す。
【0058】
部屋の室内容積:7.2m×10.8m×2.5m=194.4m3(a)
本体内容積:φ0.2×0.23mH=0.00072m3(b)
滞留照射:22J/m2で6秒と6秒のON・OFF間欠連続照射(c)
循環時間:1サイクル(d)d=a/b×cで表される。
d=a/b×c
=194.4/0.00072×6秒
=162,000秒=2,700分
=45.0時間(1台)1台設置の場合、少なくとも4 5時間要する。
22.5時間(2台)
15.0時間(3台)
11.25時間(4台)
【0059】
図5において、ロータリーバルブ21の操作、ON・OFFの入り、切りによる間欠的な運転・停止操作及びその時の紫外線照射ランプ10の点灯継続状況を示す図である。
【0060】
図5において、22J/m
2で6秒と6秒間欠連続照射運転がなされる。間欠的停止操作がなされる。そして、紫外線照射ランプ10については、連続した点灯がなされる。点灯継続→継続照射→殺菌がなされる。空気の流れを所定の時間止めて滞留した空気層に集中的に紫外線照射することができる。
図5では、紫外線照射ランプ10の点灯継続状況を示したが、6秒間欠空気流れ操作に合わせて6秒間欠点灯としてもよい。この制御は、ICに制御回路を組み込むことでなされ得る。
【0061】
また、紫外線照射殺菌空気清浄装置100を備え、
記憶手段及び空気洗浄量演算処理できるソフトウエアを組み込んだパソコンを備えることで、
当該記憶手段に、前記空気排出手段でのON・OFFの間欠的な運転・停止操作のON運転時間と清浄化された空気洗浄量との関係を示すデータを格納し、空気排出手段に設けたICで計測したON・OFFの間欠的な運転・停止操作のON運転時間を、当該ICと通信可能な端末で取得し、当該パソコンが当該端末から当該運転時間を取得して、前記データから紫外線照射殺菌空気清浄装置100で清浄化された空気の空気洗浄量、洗浄時間になる空気洗浄量情報を取得する空気洗浄量情報取得方法が構成される。取得された空気洗浄量情報は、必要に応じて時々刻々に画面に表示され、視覚化される。
【0062】
この例では、6秒と6秒間欠連続照射が採用されたが、この例に限定されない。環境に対応して適宜時間を設定する。滞留した空気層に集中的に紫外線照射する上で、6秒以上照射することが望ましい。
【0063】
空気排出手段を、間欠的に停止操作をすることで、空気循環を止め、前記空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、当該間欠的に滞留する空気に紫外線照射器である紫外線照射ランプ10から紫外線を照射する。
【0064】
天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置が1台の場合、2台の場合、3台の場合、4台の場合、それぞれに設定された時間、照射を継続することで、上述した時間紫外線が照射されることで、空気中に浮遊する細菌、ウイルスを確実に殺菌することができる。
【符号の説明】
【0065】
100…紫外線照射殺菌空気清浄装置、101…部屋、1…筒状容器、2…本体、3…蓋部、4…取付金具、6…取付け部、7…下端板、8…紫外線照射ランプ取付具、10…紫外線照射ランプ、11…空気層、14…空間部、18…通気口、19…空気排出路、21…ロータリーバルブ(空気排出手段)、22…端板、23空気導入口、24…遮光板(遮光部)、25…空気導入路、30…空気循環路、31…モータ、32…制御基板。
【手続補正書】
【提出日】2020-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線照射器と、
筒状の形状を有し、当該紫外線照射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器との間に導入した空気になる空気層が形成される筒状容器と、
空気を順次取り入れ、取り入れた空気を排出する空気取入・排出経路と、から構成される紫外線照射殺菌空気清浄装置において、
当該空気取入・排出経路が、前記筒状容器に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、当該筒状容器の内部の空気の外部への排出をする空気排出手段と、を備え、前記紫外線照射器からの紫外線を前記空気層の空気に照射し、
当該筒状容器が、前記空気層を照射した紫外線を当該筒状容器外に透光する多数のスリットを壁部に備え、前記空気層の空気に照射した紫外線を当該筒状容器外の空気に照射すること
を特徴とする紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載された紫外線照射殺菌空気清浄装置が部屋の天井の天井面に取り付けられ、他方の紫外線照射殺菌空気清浄装置が部屋の床面上に垂直方向に配置され、
当該他方の紫外線照射殺菌空気清浄装置が、
筒状の形状を有し、紫外線照射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器と壁部の間に導入した空気になる空気層を形成し、前記壁部に紫外線反射材を備えた筒状容器と、空気を順次取り入れ、取り入れた空気を排出する空気取入・排出経路と、から構成され、前記紫外線照射器からの紫外線を前記空気層の空気に照射すること
を特徴とする紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項3】
紫外線照射器と、
筒状の形状を有し、当該紫外線照射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器との間に導入した空気になる空気層が形成される筒状容器と、
当該筒状容器を筒長手方向に部屋の天井に取り付ける取付部と、
前記取付け部の反対側の端部に設けられ、紫外線照射器から照射される紫外線を遮断する遮光部と、
部屋内の空気を順次取り入れ、取り入れた空気を当該部屋に排出する空気取入・排出経路と、から構成される天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置において、
当該空気取入・排出経路が、前記筒状容器の前記取付け部の反対側の端部に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、当該筒状容器の内部の空気の外部への排出をするON・OFFの間欠的な運転・停止操作をする空気排出手段と、から形成され、
当該空気排出手段を、ON・OFFの間欠的な運転・停止操作をすることで、前記空気層への空気の取入・排出を止め、前記空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、前記紫外線照射器からの紫外線を前記空気層の滞留する空気に照射し、
当該筒状容器が、前記空気層を照射した紫外線を当該筒状容器外に透光する多数のスリットを壁部に備え、前記空気層の滞留する空気に照射した紫外線を当該筒状容器外の空気に照射すること
を特徴とする天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項4】
請求項3に記載された天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置において、
前記筒状容器が、内面に紫外線反射板を備えること
を特徴とする天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項5】
請求項3に記載された天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置において、
前記空気排出手段がON・OFFの間欠的な運転・停止操作制御するICを備えること
を特徴とする天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項6】
請求項3に記載された天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置において、
前記空気排出手段が、前記空気排出路に設けられたロータリーバルブであること
を特徴とする天井取付型紫外線照射殺菌空気清浄装置。
【請求項7】
紫外線照射器と、
筒状の形状を有し、当該紫外線照射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器との間に導入した空気になる空気層が形成される筒状容器と、
当該筒状容器を筒長手方向に部屋の天井に取り付ける取付部と、
前記取付け部の反対側の端部に設けられ、紫外線照射器から照射される紫外線を遮断する遮光部と、
部屋内の空気を順次取り入れ、取り入れた空気を当該部屋に排出する空気取入・排出経路と、を備えた紫外線照射殺菌空気清浄装置による紫外線照射殺菌空気清浄方法において、
当該空気取入・排出経路が、前記筒状容器の前記取付け部の反対側の端部に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、当該筒状容器の内部の空気を外部に排出する空気排出手段を備え、前記紫外線照射器からの紫外線を前記空気層の空気に照射し、
当該筒状容器が、前記空気層を照射した紫外線を当該筒状容器外に透光する多数のスリットを壁部に備え、前記空気層の空気に照射した紫外線を当該筒状容器外の空気に照射すること
を特徴とする紫外線照射殺菌空気清浄装置による紫外線照射殺菌空気清浄方法。
【請求項8】
紫外線照射器と、
筒状の形状を有し、当該紫外線照射器を筒長手方向に内蔵して保持し、当該紫外線照射器との間に導入した空気になる空気層が形成される筒状容器と、
空気を順次取り入れ、取り入れた空気を排出する空気取入・排出経路と、から構成され、
当該空気取入・排出経路が、前記筒状容器に設けた空気導入路と、前記筒状容器の内部に形成される空気層と、当該筒状容器の内部に連通する空気排出路と、筒状容器内の空気を筒状容器外へ排出するON・OFFの間欠的な運転・停止操作を行う空気排出手段と、から形成され、
当該空気排出手段を、ON・OFFの間欠的な運転・停止操作をすることで、前記空気層への空気の取入・排出を止め、前記空気層の空気を筒状容器内に間欠的に滞留させ、当該間欠的に滞留する空気に前記紫外線照射器から紫外線を照射する紫外線照射殺菌空気清浄装置を備え、
記憶手段及び空気洗浄量演算処理できるソフトウエアを組み込んだパソコンを備え、
当該記憶手段に、前記空気排出手段でのON・OFFの間欠的な運転・停止操作のON運転時間と清浄化された空気洗浄量との関係を示すデータが格納され、前記空気排出手段に設けたICで計測したON・OFFの間欠的な運転・停止操作のON運転時間を、当該ICと通信可能な端末が取得し、前記パソコンが当該端末から当該運転時間を取得して、当該紫外線照射殺菌空気清浄装置で清浄化された空気洗浄量情報を取得することを特徴とする空気洗浄量情報取得方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
ロータリーバルブ21の駆動源としてモータ31が用いられる。モータ31には、制御基板32が付設される。制御基板32には、制御用の小型の集合半導体であるICが取り付けられる。ICは、後述の図5に示す制御信号を発して、モータ31を制御する。