IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TDK株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図1
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図2
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図3
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図4
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図5
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図6
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図7
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図8
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図9
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図10
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図11
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図12
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図13
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図14
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図15
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図16
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図17
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図18
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図19
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図20
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図21
  • 特開-締結センサ及び締結管理システム 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153692
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】締結センサ及び締結管理システム
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
G01L5/00 103B
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056348
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(72)【発明者】
【氏名】上田 直亜
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 寿之
(72)【発明者】
【氏名】高野 将平
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA01
2F051AB06
2F051AC01
(57)【要約】
【課題】締結部における締結状態から得られる情報を増やすことを可能とした締結センサを提供する。
【解決手段】ボルトとナットとの螺合若しくは雄ネジと雌ネジとの螺合により締結された締結部における締結状態を検知する締結センサ1Aであって、締結部において、螺合が締まることで弾性変形すると共に、螺合が緩むことで弾性復帰する弾性部材2と、弾性部材2が弾性変形又は弾性復帰する際に、互いに対向する第1の端子9aと第2の端子9bとが接触又は離間するように配置された複数の接点対10A,10Bとを備え、複数の接点対10A,10Bは、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触又は離間するタイミングが異なる接点対10A,10Bを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルトとナットとの螺合若しくは雄ネジと雌ネジとの螺合により締結された締結部における締結状態を検知する締結センサであって、
前記締結部において、前記螺合が締まることで弾性変形すると共に、前記螺合が緩むことで弾性復帰する弾性部材と、
前記弾性部材が弾性変形又は弾性復帰する際に、互いに対向する第1の端子と第2の端子とが接触又は離間するように配置された複数の接点対とを備え、
前記複数の接点対は、前記第1の端子と前記第2の端子とが接触又は離間するタイミングが異なる接点対を含むことを特徴とする締結センサ。
【請求項2】
前記タイミングが異なる接点対は、前記第1の端子と前記第2の端子とが接触していない状態において、前記第1の端子と前記第2の端子との対向する間隔が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の締結センサ。
【請求項3】
前記弾性部材を挟み込むように配置された固定部材及び可動部材を備え、
前記固定部材側に前記第1の端子が設けられ、
前記可動部材側に前記第2の端子が設けられ、
前記締結部において、前記螺合が締まることで、前記弾性部材を圧縮しながら前記可動部材が前記固定部材に対して接近する方向に変位し、前記螺合が緩むことで、前記弾性部材により付勢された前記可動部材が前記固定部材に対して離間する方向に変位することを特徴とする請求項1又は2に記載の締結センサ。
【請求項4】
前記固定部材と前記可動部材との間を貫通する貫通孔を有することを特徴とする請求項3に記載の締結センサ。
【請求項5】
前記タイミングが同じ複数の接点対により構成される接点対群を複数備え、
前記複数の接点対群は、前記タイミングが前記接点対群毎に異なっていることを特徴とすることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の締結センサ。
【請求項6】
前記複数の接点対群を平面視したときに、前記複数の接点対群のうち、少なくとも2つの接点対群のそれぞれを構成する複数の接点対の中心が互いに一致していることを特徴とする請求項5に記載の締結センサ。
【請求項7】
前記複数の接点対群を平面視したときに、前記複数の接点対群のうち、少なくとも2つの接点対群のそれぞれを構成する複数の接点対が前記少なくとも2つの接点対群毎に直径の異なる同心円上に配置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の締結センサ。
【請求項8】
前記複数の接点対群を平面視したときに、前記複数の接点対群のうち、少なくとも2つの接点対群のそれぞれを構成する2つの接点対を結ぶ線分が互いに交差していることを特徴とする請求項5~7の何れか一項に記載の締結センサ。
【請求項9】
前記複数の接点対群を構成する少なくとも2つの接点対群のうち、前記第1の端子と前記第2の端子とが接触するタイミングが相対的に早い接点対を含む接点対群が、前記第1の端子と前記第2の端子とが接触するタイミングが相対的に遅い接点対を含む接点対群よりも外周側に位置する、
又は、前記複数の接点対群を構成する少なくとも2つの接点対群のうち、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間するタイミングが相対的に遅い接点対を含む接点対群が、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間するタイミングが相対的に早い接点対を含む接点対群よりも外周側に位置することを特徴とする請求項5~8の何れか一項に記載の締結センサ。
【請求項10】
前記第1の端子と前記第2の端子とが互いに接触した状態において導通が生じる接点回路部と、
前記接点回路部からの信号に基づいて演算を行う演算部とを備えることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の締結センサ。
【請求項11】
前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対における前記第1の端子と前記第2の端子とが接触又は離間している状態に応じて、前記締結部における締結量を算出することを特徴とする請求項10に記載の締結センサ。
【請求項12】
前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対の間で、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間したタイミングの差に応じた時間を算出又は計測することを特徴とする請求項10又は11に記載の締結センサ。
【請求項13】
前記演算部の演算結果に基づいて、前記締結部における締結状態を告知する告知部を有することを特徴とする請求項10~12の何れか一項に記載の締結センサ。
【請求項14】
前記時間に応じて異なる種類の告知を行う告知部を有することを特徴とする請求項12に記載の締結センサ。
【請求項15】
前記演算部の演算結果に基づいて出力された信号を外部へと無線で送信する送信部を備えることを特徴とする請求項10~12の何れか一項に記載の締結センサ。
【請求項16】
請求項15に記載の締結センサを用いた締結管理システムであって、
前記締結センサの前記送信部から無線で送信された信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した信号に基づいて前記締結部における締結状態を告知する告知部とを備えることを特徴とする締結管理システム。
【請求項17】
前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対の間で、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間したタイミングの差に応じた時間を算出又は計測し、
前記告知部は、前記時間に応じて異なる種類の告知を行うことを特徴とする請求項16に記載の締結管理システム。
【請求項18】
請求項1~9の何れか一項に記載の締結センサを用いた締結管理システムであって、
前記締結センサは、前記第1の端子と前記第2の端子とが互いに接触した状態において導通が生じる接点回路部と、
前記接点回路部から出力された信号を外部へと無線で送信する送信部とを有し、
前記送信部から無線で送信された信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した信号に基づいて演算を行う演算部と、
前記演算部の演算結果に基づいて、前記締結部における締結状態を告知する告知部とを備えることを特徴とする締結管理システム。
【請求項19】
前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対における前記第1の端子と前記第2の端子とが接触又は離間している状態に応じて、前記締結部における締結量を算出することを特徴とする請求項18に記載の締結管理システム。
【請求項20】
前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対の間で、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間したタイミングの差に応じた時間を算出又は計測することを特徴とする請求項18又は19に記載の締結管理システム。
【請求項21】
前記告知部は、前記時間に応じて異なる種類の告知を行うことを特徴とする請求項20に記載の締結管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結センサ及び締結管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ボルトとナットとの螺合若しくは雄ネジと雌ネジとの螺合により締結された締結部がある。例えば、トラックや自動車などの車両には、車軸に車輪を固定するため、ボルトとナットとの螺合による締結部が車輪の周方向に放射状に並んで設けられている。また、車両では、ボルトに対してナットを所定の締付トルクで締結することで、車輪の脱落を防止している。
【0003】
ところで、近年はトラックなどの大型車両において車輪の脱落による事故が増加する傾向にある。一方、車輪の脱落を防止するための取り組みは、主に目視による日常点検などである。このため、締結部の緩みを見落とすことで、車輪の脱落事故を未然に防ぎ切れていないといった課題がある。
【0004】
このような課題に対して、ボルトに対するナットの緩みを自動で検知するセンサを車輪の締結部に取り付けることが提案されている(例えば、下記特許文献1を参照。)。具体的に、下記特許文献1には、車輪の締結部において、ボルトとナットとの螺合が締まることで弾性変形すると共に、ボルトとナットとの螺合が緩むことで弾性復帰する弾性部材と、弾性部材が弾性変形又は弾性復帰する所定のタイミングで、互いに対向する一方の端子と他方の端子とが接触又は離間する接点対とを備えたセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】英国特許出願公開第2531377号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1に記載のセンサでは、ボルトとナットとの螺合が一定量だけ緩んだときに、互いに対向する一方の端子と他方の端子とが接触した状態から離間するタイミングを検知する構成となっている。この構成の場合、締結部における一定の緩みのみを検知するため、それ以外の情報を得ることは困難である。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、締結部における締結状態から得られる情報を増やすことを可能とした締結センサ、並びに、そのような締結センサを用いた締結管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 ボルトとナットとの螺合若しくは雄ネジと雌ネジとの螺合により締結された締結部における締結状態を検知する締結センサであって、
前記締結部において、前記螺合が締まることで弾性変形すると共に、前記螺合が緩むことで弾性復帰する弾性部材と、
前記弾性部材が弾性変形又は弾性復帰する際に、互いに対向する第1の端子と第2の端子とが接触又は離間するように配置された複数の接点対とを備え、
前記複数の接点対は、前記第1の端子と前記第2の端子とが接触又は離間するタイミングが異なる接点対を含むことを特徴とする締結センサ。
〔2〕 前記タイミングが異なる接点対は、前記第1の端子と前記第2の端子とが接触していない状態において、前記第1の端子と前記第2の端子との対向する間隔が異なっていることを特徴とする前記〔1〕に記載の締結センサ。
〔3〕 前記弾性部材を挟み込むように配置された固定部材及び可動部材を備え、
前記固定部材側に前記第1の端子が設けられ、
前記可動部材側に前記第2の端子が設けられ、
前記締結部において、前記螺合が締まることで、前記弾性部材を圧縮しながら前記可動部材が前記固定部材に対して接近する方向に変位し、前記螺合が緩むことで、前記弾性部材により付勢された前記可動部材が前記固定部材に対して離間する方向に変位することを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の締結センサ。
〔4〕 前記固定部材と前記可動部材との間を貫通する貫通孔を有することを特徴とする前記〔3〕に記載の締結センサ。
〔5〕 前記タイミングが同じ複数の接点対により構成される接点対群を複数備え、
前記複数の接点対群は、前記タイミングが前記接点対群毎に異なっていることを特徴とすることを特徴とする前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の締結センサ。
〔6〕 前記複数の接点対群を平面視したときに、前記複数の接点対群のうち、少なくとも2つの接点対群のそれぞれを構成する複数の接点対の中心が互いに一致していることを特徴とする前記〔5〕に記載の締結センサ。
〔7〕 前記複数の接点対群を平面視したときに、前記複数の接点対群のうち、少なくとも2つの接点対群のそれぞれを構成する複数の接点対が前記少なくとも2つの接点対群毎に直径の異なる同心円上に配置されていることを特徴とする前記〔5〕又は〔6〕に記載の締結センサ。
〔8〕 前記複数の接点対群を平面視したときに、前記複数の接点対群のうち、少なくとも2つの接点対群のそれぞれを構成する2つの接点対を結ぶ線分が互いに交差していることを特徴とする前記〔5〕~〔7〕の何れか一項に記載の締結センサ。
〔9〕 前記複数の接点対群を構成する少なくとも2つの接点対群のうち、前記第1の端子と前記第2の端子とが接触するタイミングが相対的に早い接点対を含む接点対群が、前記第1の端子と前記第2の端子とが接触するタイミングが相対的に遅い接点対を含む接点対群よりも外周側に位置する、
又は、前記複数の接点対群を構成する少なくとも2つの接点対群のうち、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間するタイミングが相対的に遅い接点対を含む接点対群が、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間するタイミングが相対的に早い接点対を含む接点対群よりも外周側に位置することを特徴とする前記〔5〕~〔8〕の何れか一項に記載の締結センサ。
〔10〕 前記第1の端子と前記第2の端子とが互いに接触した状態において導通が生じる接点回路部と、
前記接点回路部からの信号に基づいて演算を行う演算部とを備えることを特徴とする前記〔1〕~〔9〕の何れか一項に記載の締結センサ。
〔11〕 前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対における前記第1の端子と前記第2の端子とが接触又は離間している状態に応じて、前記締結部における締結量を算出することを特徴とする前記〔10〕に記載の締結センサ。
〔12〕 前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対の間で、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間したタイミングの差に応じた時間を算出又は計測することを特徴とする前記〔10〕又は〔11〕に記載の締結センサ。
〔13〕 前記演算部の演算結果に基づいて、前記締結部における締結状態を告知する告知部を有することを特徴とする前記〔10〕~〔12〕の何れか一項に記載の締結センサ。
〔14〕 前記時間に応じて異なる種類の告知を行う告知部を有することを特徴とする前記〔12〕に記載の締結センサ。
〔15〕 前記演算部の演算結果に基づいて出力された信号を外部へと無線で送信する送信部を備えることを特徴とする前記〔10〕~〔12〕の何れか一項に記載の締結センサ。
〔16〕 前記〔15〕に記載の締結センサを用いた締結管理システムであって、
前記締結センサの前記送信部から無線で送信された信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した信号に基づいて前記締結部における締結状態を告知する告知部とを備えることを特徴とする締結管理システム。
〔17〕 前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対の間で、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間したタイミングの差に応じた時間を算出又は計測し、
前記告知部は、前記時間に応じて異なる種類の告知を行うことを特徴とする前記〔16〕に記載の締結管理システム。
〔18〕 前記〔1〕~〔9〕の何れか一項に記載の締結センサを用いた締結管理システムであって、
前記締結センサは、前記第1の端子と前記第2の端子とが互いに接触した状態において導通が生じる接点回路部と、
前記接点回路部から出力された信号を外部へと無線で送信する送信部とを有し、
前記送信部から無線で送信された信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した信号に基づいて演算を行う演算部と、
前記演算部の演算結果に基づいて、前記締結部における締結状態を告知する告知部とを備えることを特徴とする締結管理システム。
〔19〕 前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対における前記第1の端子と前記第2の端子とが接触又は離間している状態に応じて、前記締結部における締結量を算出することを特徴とする前記〔18〕に記載の締結管理システム。
〔20〕 前記演算部は、前記タイミングが異なる接点対の間で、前記第1の端子と前記第2の端子とが離間したタイミングの差に応じた時間を算出又は計測することを特徴とする前記〔18〕又は〔19〕に記載の締結管理システム。
〔21〕 前記告知部は、前記時間に応じて異なる種類の告知を行うことを特徴とする前記〔20〕に記載の締結管理システム。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、締結部における締結状態から得られる情報を増やすことを可能とした締結センサ、並びに、そのような締結センサを用いた締結管理システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係る締結センサの構成を示す分解斜視図である。
図2図1に示す締結センサの構成を示す平面図である。
図3図2に示す線分A-Aによる締結センサの第1の端子と第2の端子とが互いに離間した状態を示す縦断面図である。
図4図2に示す線分A-Aによる締結センサの第1の端子と第2の端子とが互いに接触した状態を示す縦断面図である。
図5図1に示す締結センサの構成を示す側面図である。
図6図5に示す線分B-Bによる締結センサの横断面図である。
図7】回路基板の構成を示すブロック図である。
図8図1に示す締結センサが取付具に保持された状態を示す斜視図である。
図9図1に示す締結センサが取付具を介して締結部に取り付けられた状態を示す縦断面図である。
図10図1に示す締結センサによる検知動作を説明するための模式図である。
図11図1に示す締結センサの変形例を示し、(a)はその横断面図、(b)はその縦断面図である。
図12図1に示す締結センサが備える接点対の別の配置例を示す横断面図である。
図13図1に示す締結センサが備える接点対の別の構成例を示す模式図である。
図14図1に示す締結センサが備える接点対の別の構成例を示す模式図である。
図15】本発明の第2の実施形態に係る締結センサの構成を示す分解斜視図である。
図16図15に示す締結センサの構成を示す平面図である。
図17図16に示す線分C-Cによる締結センサの第1の端子と第2の端子とが互いに離間した状態を示す縦断面図である。
図18図16に示す線分C-Cによる締結センサの第1の端子と第2の端子とが互いに接触した状態を示す縦断面図である。
図19図15に示す締結センサの構成を示す側面図である。
図20図19に示す線分D-Dによる締結センサの横断面図である。
図21】本発明の第3の実施形態に係る締結管理システムの構成を示すブロック図である。
図22】本発明の第4の実施形態に係る締結管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0012】
(第1の実施形態)
〔締結センサ〕
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1図7に示す締結センサ1Aについて説明する。
【0013】
なお、図1は、締結センサ1Aの構成を示す分解斜視図である。図2は、締結センサ1Aの構成を示す平面図である。図3は、図2に示す線分A-Aによる締結センサ1Aの第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに離間した状態を示す縦断面図である。図4は、図2に示す線分A-Aによる締結センサ1Aの第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態を示す縦断面図である。図5は、締結センサ1Aの構成を示す側面図である。図6は、図5に示す線分B-Bによる締結センサ1Aの横断面図である。図7は、回路基板5の構成を示すブロック図である。
【0014】
本実施形態の締結センサ1Aは、ボルトとナットとの螺合若しくは雄ネジと雌ネジとの螺合により締結された締結部における締結状態を検知するものである。本実施形態では、車輪の締結部において、ボルトに対するナットの緩みを自動で検知するセンサとして、本実施形態の締結センサ1Aを用いる場合を例示しながら説明するものとする。
【0015】
本実施形態の締結センサ1Aは、図1図6に示すように、円筒リング状の弾性部材2と、有底略円筒状のボトムケース3と、有天略円筒状のトップカバー4と、略円板状の回路基板5と、略平板状の電池ホルダ6と、略円板状のインナーカバー7とを備えている。
【0016】
本実施形態の締結センサ1Aは、ボトムケース3の内側にトップカバー4を嵌め込んだ状態で、これらボトムケース3とトップカバー4との内側に収容空間Kを形成している。本実施形態の締結センサ1Aは、この収容空間Kに、弾性部材2、回路基板5、電池ホルダ6及びインナーカバー7が収容された構造を有している。
【0017】
このうち、弾性部材2は、ボトムケース3の底面に当接した状態で、ボトムケース3の内側に収容されている。一方、電池ホルダ6及び回路基板5は、互いに電気的に接続された状態で、この順でトップカバー4の内側に収容されている。インナーカバー7は、トップカバー4の開口部を閉塞すると共に、弾性部材2と当接した状態で、ボトムケース3の内側に収容されている。
【0018】
なお、弾性部材2は、この弾性部材2に対応した形状(本実施形態では円形リング状)の接着材(本実施形態では両面テープ)8を介して、その両面がボトムケース3とインナーカバー7とに貼付されている。
【0019】
本実施形態の締結センサ1Aでは、固定部材となるボトムケース3に対して可動部材となるトップカバー4が接近又は離間する方向に変位自在に取り付けられている。弾性部材2は、これらボトムケース3とトップカバー4との間に挟み込まれるように配置されている。
【0020】
したがって、弾性部材2は、ボトムケース3に対してトップカバー4が接近する方向に変位したときに弾性変形し、ボトムケース3に対してトップカバー4が離間する方向に変位したときに弾性復帰することになる。
【0021】
これにより、本実施形態の締結センサ1Aでは、弾性部材2を圧縮しながら、トップカバー4をボトムケース3に対して接近する方向に変位させると共に、弾性部材2により付勢されたトップカバー4をボトムケース3に対して離間する方向に変位させることが可能である。
【0022】
なお、弾性部材2には、例えばゴムやエラストマーなどを用いることができる。ボトムケース3及びトップカバー4には、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリカーボネート(PC)などの樹脂材料を用いることができる。
【0023】
本実施形態の締結センサ1Aは、弾性部材2の内側に位置して、弾性部材2が弾性変形又は弾性復帰する際に、互いに対向する第1の端子9aと第2の端子9bとが接触又は離間するように配置された複数の接点対10A,10B(本実施形態では2つの接点対10A及び2つの接点対10B)を備えている。
【0024】
また、本実施形態の締結センサ1Aでは、接点対10Aと接点対10Bとで、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触又は離間するタイミングが異なっている。(以下、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触又は離間するタイミングを単に「タイミング」と称する場合がある。)
【0025】
すなわち、本実施形態の締結センサ1Aは、タイミングが異なる複数(本実施形態では2種類)の接点対10A,10Bを備えている。さらに、本実施形態の締結センサ1Aは、タイミングが同じ複数(本実施形態では2つ)の接点対10Aにより構成される接点対群11Aと、タイミングが同じ複数(本実施形態では2つ)の接点対10Bにより構成される接点対群11Bとを備えている。
【0026】
すなわち、本実施形態の締結センサ1Aは、タイミングが同じ複数の接点対10A,10Bによりそれぞれ構成される複数の(本実施形態では2つ)の接点対群11A,11Bを備えている。タイミングは、接点対群11A,11B毎に異なっている。
【0027】
タイミングが異なる接点対10A,10Bは、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触していない状態において、第1の端子9aと第2の端子9bとの対向する間隔H1,H2が互いに異なっている。
【0028】
すなわち、本実施形態の締結センサ1Aは、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触していない状態における第1の端子9aと第2の端子9bとの対向する間隔H1が相対的に短い2つの接点対10A(以下、必要に応じて「第1の接点対10A」として区別する。)を含む接点対群11A(以下、必要に応じて「第1の接点対群11A」として区別する。)と、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触していない状態における第1の端子9aと第2の端子9bとの対向する間隔H2が相対的に長い2つの接点対10B(以下、必要に応じて「第2の接点対10B」として区別する。)を含む接点対群11B(以下、必要に応じて「第2の接点対群11B」として区別する。)とを備えた構成となっている。
【0029】
本実施形態では、弾性部材2の内側に位置するように、円板状の導電シートからなる第1の端子9aがボトムケース3の底面中央部に設けられている。また、弾性部材2の内側に位置するように、複数(本実施形態では4つ)の第2の端子9bが回路基板5から突出して設けられている。これに対応して、インナーカバー7には、複数の第2の端子9bを貫通させるための複数の孔部7aが設けられている。
【0030】
第2の端子9bは、その内側に設けられたコイルバネなどの付勢部材(図示せず。)によって、第1の端子9aと第2の端子9bとが対向する方向に伸縮自在となっている。
【0031】
本実施形態において、第1の接点対10Aを構成する第1の端子9aと第2の接点対10Bを構成する第1の端子9aとは、互いに共通した導電シートからなる。一方、第1の接点対10Aを構成する第2の端子9bの長さは、第2の接点対10Bを構成する第2の端子9bの長さよりも長くなっている。
【0032】
また、本実施形態では、第1の端子9aと第2の端子9bとが対向する方向に第2の端子9bが伸縮自在なように第2の端子9b付勢部材が設けられていることから、第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態において、何れか一方の端子(本実施形態では第2の端子9b)が何れか他方の端子(本実施形態では第1の端子9a)を押圧する方向に付勢することになる。すなわち、この第2の端子2bは、第1の端子9aとの接触により圧縮された付勢部材の付勢により第1の端子9aを押圧することになる。
【0033】
本実施形態の締結センサ1Aでは、第1の端子9aと第2の端子9bとが対向する方向から第1及び第2の接点対群11A,11Bを平面視したときに、それぞれの接点対群11A,11Bを構成する複数の第1の接点対10Aの中心と複数の第2の接点対10Bの中心とが互いに一致していることが好ましい。これにより、第1の端子9aと第2の端子9bとの接触時に接点対10A,10Bにかかる荷重のバランスが良好となるため、タイミングが同じ複数の接点対10A(又は複数の接点対10B)の間で、タイミングのバラツキが生じることを防ぐことが可能である。
【0034】
なお、接点対群11A,11Bを平面視したときに、接点対群11A,11Bを構成する複数の接点対10A,10Bの中心は、接点対10A,10Bが2つの場合は、これら2つの接点対10A,10Bの中点となり、接点対10A,10Bが3つ以上の場合は、これら3つ以上の接点対10A,10Bを頂点とする多角形の幾何中心となる。
【0035】
本実施形態の締結センサ1Aでは、第1及び第2の接点対群11A,11Bを平面視したときに、第1の接点対群11Aを構成する2つの第1の接点対10Aを結ぶ線分と、第2の接点対群11Bを構成する2つの第2の接点対10Bを結ぶ線分とが、互いに交差(本実施形態では直交)するように、第1及び第2の接点対群11A,11Bが配置されている。また、第1及び第2の接点対群11A,11Bを平面視したときに、第1の接点対群11Aを構成する2つの第1の接点対10Aと、第2の接点対群11Bを構成する2つの第2の接点対10Bとは、同一の円周上に並んで配置されている。
【0036】
回路基板5には、図7に示すように、第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態において導通が生じる接点回路部20と、接点回路部20からの信号S1,S2に基づいて演算を行う演算部21と、演算部21の演算結果に基づいて出力された信号Fを外部へと無線で送信する送信部22と、各部に電力を供給する電力供給部23とが設けられている。
【0037】
接点回路部20では、第1の接点対10Aを構成する第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態において、第1の接点対群11Aを構成する2つの第1の接点対10Aの間で閉ループが構成されることで導通が生じる。これにより、接点回路部20から演算部21に向けて、第1の接点対群11Aに対応した信号S1(以下、必要に応じて「第1の信号S1」として区別する。)が出力される。
【0038】
同様に、接点回路部20では、第2の接点対10Bを構成する第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態において、第2の接点対群11Bを構成する2つの第2の接点対10Bの間で閉ループが構成されることで導通が生じる。これにより、接点回路部20から演算部21に向けて、第2の接点対群11Bに対応した信号S2(以下、必要に応じて「第2の信号S2」として区別する。)が出力される。
【0039】
演算部21は、接点回路部20からの信号S1,S2に基づいて各種の演算を行うマイクロコンピュータからなる。
【0040】
送信部22は、演算部21の演算結果に基づいて出力された信号Fを外部へと無線で送信する。なお、送信部22が信号Fを送信する際の電波の周波数としては、例えば2.4GHz帯を挙げることができる。
【0041】
電力供給部23は、電池ホルダ6に保持された電池Vからの電力を回路基板5の各部へと供給する。なお、電池Vについては、交換可能な一次電池であってもよく、充電可能な二次電池であってもよい。
【0042】
以上のような構成を有する本実施形態の締結センサ1Aにおいて、第1の接点対10Aは、上述した第1の端子9aと第2の端子9bとの対向する間隔H1が相対的に短いため、トップカバー4をボトムケース3に対して接近する方向に変位させたときに、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触するタイミング(接点ONのタイミング)が相対的に早くなっている。
【0043】
一方、第1の接点対10Aは、トップカバー4をボトムケース3に対して離間する方向に変位させたときに、第1の端子9aと第2の端子9bとが離間するタイミング(接点OFFのタイミング)が相対的に遅くなっている。
【0044】
これに対して、第2の接点対10Bは、上述した第1の端子9aと第2の端子9bとの対向する間隔H2が相対的に長いため、トップカバー4をボトムケース3に対して接近する方向に変位させたときに、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触するタイミング(接点ONのタイミング)が相対的に遅くなっている。
【0045】
一方、第2の接点対10Bは、トップカバー4をボトムケース3に対して離間する方向に変位させたときに、第1の端子9aと第2の端子9bとが離間するタイミング(接点OFFのタイミング)が相対的に早くなっている。
【0046】
したがって、本実施形態の締結センサ1Aは、これら第1の端子9aと第2の端子9bとが接触(接点ON)又は離間(接点OFF)するタイミングが異なる第1及び第2の接点対10A,10Bを含んだ構成となっている。
【0047】
〔取付具〕
次に、図8及び図9に示す取付具50について説明する。
なお、図8は、締結センサ1Aが取付具50に保持された状態を示す斜視図である。図9は、締結センサ1Aが取付具50を介して締結部100に取り付けられた状態を示す縦断面図である。
【0048】
本実施形態の締結センサ1Aは、例えば図8及び図9に示すような取付具50を用いて、車輪の周方向に放射状に並ぶ複数の締結部100のうち、隣り合う締結部100の間に取り付けられる。各締結部100は、ボルト101とナット102との螺合により所定の締付トルクで締結される。
【0049】
具体的に、この取付具50は、締結センサ1を保持する有天略円筒状のキャップ部51と、キャップ部51を挟んだ両側から互いに逆向きに延在する平板状の一対のアーム部52とを有している。なお、取付具50には、例えば板金が用いられている。
【0050】
キャップ部51は、締結センサ1が嵌め込まれる嵌合凹部を構成している。また、キャップ部51の天部には、締結センサ1のトップカバー4の天部が嵌め込まれる円形状の嵌合孔51aが設けられている。
【0051】
一対のアーム部52は、車輪の周方向に沿って円弧状に延在している。一対のアーム部52には、ボルト101を貫通させる円形状の孔部52aが設けられている。
【0052】
取付具50は、キャップ部51の内側に締結センサ1Aが嵌め込まれた状態で、各アーム部52の孔部52aに隣り合う締結部100の各ボルト101を通した後、各ボルト101に各ナット102を螺合する。これにより、隣り合う締結部100の間に取付具50を介して締結センサ1Aを取り付けることが可能である。
【0053】
〔検知動作〕
次に、本実施形態の締結センサ1Aによる検知動作について、図10(a)~(c)を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、上述した締結部100においてボルト101に対するナット102の緩みを締結センサ1Aにより検知する場合を例に挙げて説明する。
【0054】
なお、図10(a)は、第1の接点対10A及び第2の接点対10Bが接点ONとなる状態を示す模式図である。図10(b)は、第1の接点対10Aが接点ONとなり、第2の接点対10Bが接点OFFとなる状態を示す模式図である。図10(c)は、第1の接点対10A及び第2の接点対10Bが接点OFFとなる状態を示す模式図である。
【0055】
また、図10(a)~(c)では、第1の接点対群11Aを構成する2つの第1の接点対10Aと、第2の接点対群11Bを構成する2つの第2の接点対10Bとを並べて図示すると共に、第1及び第2の接点対10A,10Bを構成する第2の端子9bを間隔H1,H2に合わせて異なる長さで図示している。
【0056】
本実施形態の締結センサ1Aでは、先ず、図10(a)に示すように、上述した締結部100が所定の締付トルクで締結された状態において、ボルト101とナット102との螺合が締まることで、弾性部材2が圧縮された状態で、トップカバー4がボトムケース3に対して接近する方向に変位している。
【0057】
これにより、第1の接点対10Aを構成する第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態(接点ON)となっている。また、第2の接点対10Bを構成する第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態(接点ON)となっている。
【0058】
次に、図10(a)に示す状態から、図10(b)に示すように、ボルト101とナット102との螺合が緩むことで、第1の接点対10Aと第2の接点対10Bとのうち、第2の接点対10Bを構成する第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに離間した状態(接点OFF)となる。
【0059】
次に、図10(b)に示す状態から、図10(c)に示すように、ボルト101とナット102との螺合が更に緩むことで、第1の接点対10Aを構成する第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに離間した状態(接点OFF)となる。
【0060】
以上のようにして、本実施形態の締結センサ1Aでは、上述した第1の端子9aと第2の端子9bとが接触(接点ON)又は離間(接点OFF)するタイミングが異なる複数(本実施形態では2つ)の接点対10A,10Bを含むことで、ボルト101とナット102との螺合により締結された締結部100における締結状態(本実施形態では緩み具合)を段階的に(本実施形態では2段階で)検知することが可能である。
【0061】
これにより、本実施形態の締結センサ1Aでは、締結部100における締結状態から得られる情報を増やすことが可能である。例えば、本実施形態では、上述した締結部100のボルト101に対するナット102の緩み具合を2段階で検知することで、締結部100の緩み始めや、緩みの進行度合いなどを検知することが可能である。
【0062】
一方、本実施形態の締結センサ1Aは、上述した締結部100のボルト101に対するナット102の緩み具合を段階的に検知する場合に限らず、ボルト101に対するナット102の締め具合を段階的に検知することも可能である。
【0063】
例えば、図10(c)に示す状態から、図10(b)に示すように、ボルト101とナット102との螺合が締まることで、第1の接点対10Aと第2の接点対10Bとのうち、第1の接点対10Aを構成する第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態(接点ON)となる。次に、図10(b)に示す状態から、図10(a)に示すように、ボルト101とナット102との螺合がさらに締まることで、第2の接点対10Bを構成する第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態(接点ON)となる。
【0064】
このように、本実施形態では、上述した締結部100のボルト101に対するナット102の締め具合を2段階で検知することで、所定のトルク範囲で螺合が締め込まれたかなどを検知することが可能である。
【0065】
なお、上記実施形態では、上述した締結部100のボルト101に対するナット102の締め具合を2段階で検知する場合を例示しているが、タイミングが異なる接点対の数を3つ以上に増やすことによって、締結部100のボルト101に対するナット102の締め具合を3段階以上に多段階で検知し、締結部100における締結状態から得られる情報を増やすことが可能である。
【0066】
なお、本発明は、上記締結センサ1Aの構成に必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
具体的に、上記締結センサ1Aは、例えば図11(a),(b)に示すように、ボトムケース3に対してトップカバー4が接近する方向に変位したときにストッパーとなる複数(本実施形態では4つ)の突起部12を設けた構成としてもよい。なお、図11は、締結センサ1Aの変形例を示し、(a)はその横断面図、(b)はその縦断面図である。
【0067】
複数の突起部12は、弾性部材2の内側に位置するように、インナーカバー7から突出して設けられている。本実施形態では、4つの突起部12が、複数の接点対10A,10Bよりも外周側にある同一円周上に等間隔に並んで配置されている。
【0068】
この構成の場合、ボトムケース3に対してトップカバー4が接近する方向に変位したときに、複数の突起部12がボトムケース3の底面(本実施形態では導電シート)に当接することによって、第2の端子9bと接触した第1の端子9aがそれ以上縮むことを規制し、この第1の端子9aを保護することが可能である。
【0069】
また、上記締結センサ1Aは、例えば図12(a),(b),(c)に示すように、上述した接点対10A,10Bの配置を変更することが可能である。なお、図12(a),(b),(c)は、締結センサ1Aが備える接点対10A,10Bの別の配置例を示す横断面図である。
【0070】
図12(a),(b),(c)に示す構成では、第1及び第2の接点対群11A,11Bを平面視したときに、それぞれの接点対群11A,11Bを構成する複数の第1の接点対10Aの中心と複数の第2の接点対10Bの中心とが互いに一致している。
【0071】
また、それぞれの接点対群11A,11Bを構成する第1及び第2の接点対10A,10Bが、それぞれの接点対群11A,11B毎に直径の異なる同心円上に配置されている。
【0072】
また、複数の接点対群11A,11Bのうち、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触するタイミングが相対的に早い接点対10Aを含む接点対群11Aが、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触するタイミングが相対的に遅い接点対10Bを含む接点対群11Bよりも外周側に位置することが好ましい。また、複数の接点対群11A,11Bのうち、第1の端子9aと第2の端子9bとが離間するタイミングが相対的に遅い接点対10Aを含む接点対群11Aが、第1の端子9aと第2の端子9bとが離間するタイミングが相対的に早い接点対10Bを含む接点対群11Bよりも外周側に位置することが好ましい。
【0073】
本実施形態では、複数の接点対群11A,11Bのうち、第1の端子9aと第2の端子9bとの対向する間隔H1が相対的に短い第1の接点対10Aを含む第1の接点対群11Aが、第1の端子9aと第2の端子9bとの対向する間隔H2が相対的に長い第2の接点対10Bを含む第2の接点対群11Bよりも外周側に位置している。
【0074】
このうち、図12(a)に示す構成では、第1の接点対群11Aを構成する2つの第1の接点対10Aを結ぶ線分と、第2の接点対群11Bを構成する2つの第2の接点対10Bを結ぶ線分とが、互いに交差(本実施形態では直交)するように、第1及び第2の接点対群11A,11Bが配置されている。
【0075】
一方、図12(b)に示す構成では、第1の接点対群11Aを構成する2つの第1の接点対10Aと、第2の接点対群11Bを構成する2つの第2の接点対10Bとが、同一直線上に並んで配置されている。
【0076】
一方、図12(c)に示す構成では、第1の接点対群11Aを構成する3つの第1の接点対10Aと、第2の接点対群11Bを構成する3つの第2の接点対10Bとが、それぞれの周方向に等間隔に並んで配置されている。
【0077】
図12(a),(b),(c)に示す構成では、第1の端子9aと第2の端子9bとの接触時に接点対10A,10Bにかかる荷重のバランスが良好となるため、タイミングが同じ複数の接点対10A(又は複数の接点対10B)の間で、タイミングのバラツキが生じることを防ぐことが可能である。
【0078】
なお、上記図12(a),(b),(c)に示す構成では、上述した締結部100のボルト101に対するナット102の締め具合を2段階で検知する場合を例示しているが、タイミングが異なる接点対の数を3つ以上に増やすことによって、締結部100のボルト101に対するナット102の締め具合を3段階以上に多段階で検知し、締結部100における締結状態から得られる情報を増やすことが可能である。
【0079】
また、上記締結センサ1Aは、例えば図13(a),(b)及び図14に示すように、上述した接点対10A,10Bの構成を変更することが可能である。なお、図13(a),(b)は、締結センサ1Aが備える接点対10A,10Bの別の構成例を示す模式図である。図13(a),(b)では、第1の接点対群11Aを構成する2つの第1の接点対10Aと、第2の接点対群11Bを構成する2つの第2の接点対10Bとを並べて図示している。
【0080】
このうち、図13(a),(b)に示す構成では、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触していない状態において、第1及び第2の接点対10A,10Bを構成する第2の端子9bの長さを同じとし、第1及び第2の接点対10A,10Bを構成する第1の端子9aの長さを間隔H1,H2に合わせて異ならせている。
【0081】
図13(a),(b)に示す構成では、第1の端子9aに板バネ状の付勢部材が設けられており、第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態において、何れか一方の端子(図13(a),(b)に示す構成では第1の端子9a)が何れか他方の端子(図13(a),(b)に示す構成では第2の端子9b)を押圧する方向に付勢することになる。すなわち、この第1の端子9aは、第2の端子9bとの接触により圧縮された付勢部材の付勢により第2の端子9bを押圧することになる。第1の端子9aにコイルバネ状の付勢部材が設けられていてもよい。
【0082】
一方、図14に示す構成では、導電性の弾性部材2Aを介して第1の端子9aと第2の端子9bとの間を電気的に接続することで、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触したときに、1つの接点対10A,10Bで閉ループが構成されることで導通が生じるようになっている。
【0083】
また、上記取付具50については、図示を省略するものの、上述した一対のアーム部52と2つの締結部100により締結センサ1Aを取り付ける構成に限らず、一方のアーム部52と1つの締結部100により締結センサ1Aを取り付ける構成とすることも可能である。
【0084】
(第2の実施形態)
〔締結センサ〕
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図15図20に示す締結センサ1Bについて説明する。
【0085】
なお、図15は、締結センサ1Bの構成を示す分解斜視図である。図16は、締結センサ1Bの構成を示す平面図である。図17は、図16に示す線分C-Cによる締結センサ1Bの第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに離間した状態を示す縦断面図である。図18は、図16に示す線分C-Cによる締結センサ1Bの第1の端子9aと第2の端子9bとが互いに接触した状態を示す縦断面図である。図19は、締結センサ1Bの構成を示す側面図である。図20は、図19に示す線分D-Dによる締結センサ1Bの横断面図である。また、以下の説明では、上記締結センサ1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0086】
本実施形態の締結センサ1Bは、図15図20に示すように、ボトムケース3とトップカバー4との間を貫通する円形状の貫通孔13を有している。貫通孔13は、ボルト101を貫通させるため、この締結センサ1Bの中心部を貫通するように設けられている。
【0087】
回路基板5、インナーカバー7及び第1の端子(導電シート)9aは、この貫通孔13に合わせてリング状に形成されている。また、電池Vは、上記電池ホルダ6を省略し、回路基板5に直接実装されるように略円弧状に形成されている。それ以外は、上記締結センサ1Aと基本的に同じ構成を有している。
【0088】
また、本実施形態の締結センサ1Bは、上記取付具50の代わりに、取付具60を介して締結部100に取り付けられる。取付具60は、円筒状のスリーブ部61と、スリーブ部61の一端から拡径方向に全周に亘って突出された円板状のフランジ部62とを有している。
【0089】
取付具60は、締結センサ1Aの貫通孔13にスリーブ部61を挿入した状態で、このスリーブ部61に締結部100のボルト101を通した後、ボルト101にナット102を螺合する。これにより、締結部100に取付具60を介して締結センサ1Bを取り付けることが可能である。
【0090】
なお、スリーブ部61は、ストッパーとして、ボトムケース3に対してトップカバー4が接近する方向に変位したときに、第2の端子9bと接触した第1の端子9aがそれ以上縮むことを規制し、この第1の端子9aを保護することが可能な長さとなっている。一方、フランジ部62は、トップカバー4の天部の外形よりも小さく、且つ、ナット102の外形よりも大きくなっている。
【0091】
本実施形態の締結センサ1Bによる検知動作については、上記締結センサ1Aによる検知動作と基本的に同じであるため、その説明を省略するものとする。
【0092】
したがって、本実施形態の締結センサ1Bでは、上記締結センサ1Aと同様に、第1の端子9aと第2の端子9bとが接触(接点ON)又は離間(接点OFF)するタイミングが異なる複数(本実施形態では2つ)の接点対10A,10Bを含むことで、ボルト101とナット102との螺合により締結された締結部100における締結状態(本実施形態では緩み具合)を段階的に(本実施形態では2段階で)検知することが可能である。
【0093】
これにより、本実施形態の締結センサ1Bでは、締結部100における締結状態から得られる情報を増やすことが可能である。例えば、本実施形態では、上述した締結部100のボルト101に対するナット102の緩み具合を2段階で検知することで、螺合の緩み始めや、緩みの進行度合いなどを検知することが可能である。
【0094】
一方、本実施形態の締結センサ1Bは、上述した締結部100のボルト101に対するナット102の緩み具合を段階的に検知する場合に限らず、ボルト101に対するナット102の締め具合を段階的に検知することも可能である。例えば、本実施形態では、上述した締結部100のボルト101に対するナット102の締め具合を2段階で検知することで、所定のトルク範囲で螺合が締め込まれたかなどを検知することが可能である。
【0095】
なお、本発明は、上記締結センサ1Bの構成に必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
具体的に、上記締結センサ1Bは、上記締結センサ1Aと同様に、ボトムケース3に対してトップカバー4が接近する方向に変位したときにストッパーとなる複数(本実施形態では4つ)の突起部12を設けた構成としてもよい。
【0096】
また、上記締結センサ1Bでは、上記締結センサ1Aと同様に、複数の接点対10A,10Bの配置や構成についても適宜変更を加えることが可能である。
【0097】
〔締結管理システム〕
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、例えば図21に示す締結管理システム300Aについて説明する。なお、図21は、締結管理システム300Aの構成を示すブロック図である。
【0098】
本実施形態の締結管理システム300Aは、図21に示すように、上記締結センサ1A,1Bを用いて、上述したタイミングが異なる接点対10A,10Bのタイミングの違いに基づいて、締結部100における締結状態を検知するものである。
【0099】
具体的に、この締結管理システム300Aは、上記締結センサ1A,1Bと、車両Tに搭載される車載器200Aとを備えている。
【0100】
車載器200Aは、上記締結センサ1A,1Bの送信部22から無線で送信された信号Fを受信する受信部201と、受信部201が受信した信号Fに基づいて告知を行う告知部202とを備えている。告知部202としては、例えば、ランプや表示パネルなどの表示で告知するものや、ブザーやスピーカなどの音声で告知するものを挙げることができる。
【0101】
締結管理システム300Aは、例えば、検知した締結部100における締結状態に応じて、告知部202から異なる種類の告知を行うことが可能である。例えば、締結管理システム300Aは、上述した図10(a)に示す状態から図10(b)に示す状態に変化したときに第1段階の警報を告知部202から告知し、図10(b)に示す状態から図10(c)に示す状態に変化したときに第2段階の警報を告知部202から告知する。
【0102】
また、上記締結センサ1A,1Bの演算部21は、上述したタイミングが異なる第1及び第2の接点対10A,10Bにおける第1の端子9aと第2の端子9bとが接触又は離間している状態に応じて、上記締結部100における締結量を算出する。
【0103】
例えば、上述した図10(a)に示す状態の場合、締結部100が所定の締付トルクで締結された状態からの変位が2mm未満である締結量とし、図10(b)に示す状態の場合、上記変位が2mm以上、3mm未満である締結量とし、図10(c)に示す状態の場合、上記変位が3mm以上である締結量とする。
【0104】
これにより、本実施形態の締結管理システム300Aでは、締結部100における締結量を情報として管理することができ、その情報を必要に応じて車両Tのドライバーに対して告知することが可能である。
【0105】
また、上記締結センサ1A,1Bの演算部21は、上述したタイミングが異なる第1及び第2の接点対10A,10Bの間で、第1の端子9aと第2の端子9bとが離間したタイミングの差に応じた時間を算出又は計測する。
【0106】
例えば、上記締結センサ1A,1Bの演算部21は、上述した図10(a)に示す状態から図10(b)に示す状態に変化したときのタイミングをt1とし、図10(b)に示す状態から図10(c)に示す状態に変化したときのタイミングをt2とし、これらのタイミングt1,t2の差に応じた時間(t2-t1)を算出する。
【0107】
また、例えば、記締結センサ1A,1Bの演算部21は、上述した図10(a)に示す状態から図10(b)に示す状態に変化したときにタイマ・カウンタを開始させ、図10(b)に示す状態から図10(c)に示す状態に変化したときにタイマ・カウンタを停止することにより、図10(a)に示す状態から図10(b)に示す状態に変化したときから、図10(b)に示す状態から図10(c)に示す状態に変化したときまでの時間(タイミングt1,t2の差に応じた対応した時間)を計測するようにしてもよい。
【0108】
これにより、本実施形態の締結管理システム300Aでは、締結部100における緩みの進行度合いや、緩みの進行速さなどを情報として管理することができ、その情報を必要に応じて車両Tのドライバーに対して告知することが可能である。
【0109】
また、本実施形態の締結管理システム300Aは、上記時間(t2-t1)に応じて異なる種類の警告を通知してもよい。例えば、締結管理システム300Aは、上記時間(t2-t1)が比較的長い場合は通常の警告を通知し、上記時間(t2-t1)が比較的短い場合は緊急性の高い警告を通知する。これにより、緊急性の判断に繋がる情報を告知することが可能である。
【0110】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態として、例えば図22に示す締結管理システム300Bについて説明する。なお、図22は、締結管理システム300Bの構成を示すブロック図である。また、以下の説明では、上記締結センサ1A,1B及び締結管理システム300Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0111】
本実施形態の締結管理システム300Bは、図22に示すように、上記締結センサ1A,1Bが備える構成のうち、演算部21が省略された締結センサ1Cを用いて、上述したタイミングが異なる接点対10A,10Bのタイミングの違いに基づいて、締結部100における締結状態を検知するものである。
【0112】
具体的に、この締結管理システム300Bは、締結センサ1Cと、車両Tに搭載される車載器200Bとを備えている。
【0113】
締結センサ1Cは、接点回路部20からの信号S1,S2を送信部22が外部へと無線で送信する。
【0114】
一方、車載器200Bは、締結センサ1Cの送信部22から無線で送信された信号S1,S2を受信する受信部201と、受信部201が受信した信号S1,S2に基づいて演算を行う演算部203と、演算部203の演算結果に基づいて、締結部100における締結状態を告知する告知部202とを備えている。
【0115】
演算部203は、上記演算部21と同様の構成を有して、受信部201が受信した信号S1,S2に基づいて、上記演算部21と同様の演算を行うことが可能である。また、演算部21の演算結果に基づいて出力された信号Fは告知部202へと送信される。告知部202は、この信号Fに基づいて、上記締結管理システム300Aと同様の告知を行う。
【0116】
これにより、本実施形態の締結管理システム300Bでは、上記締結管理システム300Aと同様に、締結部100における緩みの進行度合いや、緩みの進行速さなどを情報として管理することができ、その情報を必要に応じて車両Tのドライバーに対して告知することが可能である。
【0117】
また、本実施形態の締結管理システム300Bは、上記締結管理システム300Aと同様に、上記時間(t2-t1)に応じて異なる種類の警告を通知してもよい。例えば、締結管理システム300Bは、上記時間(t2-t1)が比較的長い場合は通常の警告を通知し、上記時間(t2-t1)が比較的短い場合は緊急性の高い警告を通知する。これにより、緊急性の判断に繋がる情報を告知することが可能である。
【0118】
なお、本発明は、上記締結管理システム300A,300Bの構成に必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記締結管理システム300Aでは、上記締結センサ1A,1B側に告知部202を設けた構成としてもよい。
【0119】
また、上記締結管理システム300Aでは、複数の締結センサ1A(又は複数の締結センサ1B)からの信号を車載器200Aの受信部201が受信する構成であってもよい。同様に、上記締結管理システム300Bでは、複数の締結センサ1Cからの信号を車載器200Bの受信部201が受信する構成であってもよい。
【0120】
また、上記締結管理システム300A,300Bでは、上記締結センサ1A,1B,1C側に設けられた電池Vを省略し、上記締結センサ1A,1B,1Cとの間で通信及び電力の供給を行う通信機を用いて、上記締結センサ1A,1B,1Cが検知した情報を管理するようにしてもよい。
【0121】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、車輪の締結部100において、ボルト101に対するナット102の締結状態を検知する場合を例示しているが、ボルトとナットとの螺合若しくは雄ネジと雌ネジとの螺合により締結された締結部の締結状態を検知する場合に、本発明の締結センサ及び締結管理システムを幅広く適用することが可能である。
【0122】
また、本発明を適用した締結管理システムは、上述した車両Tに搭載される車載器200A,200Bを備えた構成に限らず、締結センサから無線で送信された信号を受信する受信端末を備えた構成であればよい。また、受信端末は、携帯型でもよく、設置型でもよい。
【符号の説明】
【0123】
1A,1B,1C…締結センサ 2,2A…弾性部材 3…ボトムケース(固定部材) 4…トップカバー(可動部材) 5…回路基板 6…電池ホルダ 7…インナーカバー 8…接着材 9a…第1の端子(他方の端子) 9b…第2の端子(一方の端子) 10A…第1の接点対 10B…第2の接点対 11A…第1の接点対群 11B…第2の接点対群 12…突起部 13…貫通孔 20…接点回路部 21…演算部 22…送信部 23…電力供給部 50…取付具 51…キャップ部 52…アーム部 60…取付具 61…スリーブ部 62…フランジ部 100…締結部 101…ボルト 102…ナット 200A,200B…車載器 201…受信部 202…告知部 203…演算部 300A,300B…締結管理システム K…収容空間 V…電池 S1…第1の信号 S2…第2の信号 F…信号 T…車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22