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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153710
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】振れ補正機能付き光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20221005BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20221005BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221005BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221005BHJP
   G03B 30/00 20210101ALN20221005BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B17/02
H04N5/225 400
H04N5/225 100
H04N5/232 480
G03B30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056380
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】新井 努
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
(72)【発明者】
【氏名】須江 猛
【テーマコード(参考)】
2H100
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H100BB06
2H100CC07
2H100EE01
2K005AA06
2K005BA52
2K005CA03
2K005CA04
2K005CA25
2K005CA44
2K005CA46
2K005CA53
5C122DA09
5C122EA41
5C122EA56
5C122FB11
5C122GE04
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】外部から入射する光を反射する反射面が形成される反射部材を備える振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、構成を簡素化しつつ反射部材の回動範囲を広げることが可能な振れ補正機能付き光学ユニットを提供する。
【解決手段】振れ補正機能付き光学ユニット1では、反射部材10を有する反射部9を回動可能に保持するとともに固定体13に回動可能に保持される板バネ12は、反射部材10の反射面への光の入射方向に平行な第1方向を回動の軸方向として固定体13に対して回動可能となっており、反射部9は、第1方向に直交する第2方向を回動の軸方向として板バネ12に対して回動可能となっている。板バネ12には、固定体13に対する板バネ12の回動中心を構成する第1回動軸部15を第1方向に付勢する被支持部12aと、板バネ12に対する反射部9の回動中心を構成する第2回動軸部16を第2方向に付勢する支持部12bとが形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入射する光を反射する反射面が形成される反射部材を有する反射部と、前記反射部を回動可能に保持する板バネと、前記板バネを回動可能に保持する固定体と、前記板バネに対して前記反射部を回動させるとともに前記固定体に対して前記板バネを回動させる駆動機構と、前記固定体に対する前記板バネの回動中心を構成する第1回動軸部と、前記板バネに対する前記反射部の回動中心を構成する第2回動軸部とを備え、
前記板バネは、前記反射面への光の入射方向に平行な第1方向を回動の軸方向として前記固定体に対して回動可能となっており、
前記反射部は、第1方向に直交する第2方向を回動の軸方向として前記板バネに対して回動可能となっており、
前記板バネには、前記固定体に回動可能に支持されるとともに前記第1回動軸部を第1方向に付勢する被支持部と、前記反射部を回動可能に支持するとともに前記第2回動軸部を第2方向に付勢する支持部とが形成されていることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項2】
前記第1回動軸部は、第1方向において間隔をあけた状態で配置される球状の2個の第1ボールを備え、
前記第2回動軸部は、第2方向において間隔をあけた状態で配置される球状の2個の第2ボールを備え、
前記被支持部は、前記第1ボールを前記固定体に向かって付勢し、
前記支持部は、前記第2ボールを前記反射部に向かって付勢することを特徴とする請求項1記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項3】
前記反射部は、前記反射部材が固定される保持部材を備え、
前記第2回動軸部は、前記保持部材の内部に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項4】
前記板バネは、第1方向において間隔をあけた状態で対向配置される2個の第1対向部と、第2方向において間隔をあけた状態で対向配置される2個の第2対向部と、2個の前記第1対向部を繋ぐ第1連結部とを備え、
2個の前記第1対向部のうちの一方の前記第1対向部は、2個の前記第2対向部を繋ぐ第2連結部の一部分を構成し、
前記被支持部は、2個の前記第1対向部と前記第1連結部とから構成され、
前記支持部は、2個の前記第2対向部と前記第2連結部とから構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項5】
前記第1対向部には、前記第1回動軸部に接触する第1接触部が形成され、
前記第2対向部には、前記第2回動軸部に接触する第2接触部が形成され、
前記第1接触部と前記第2接触部とは、第1方向と第2方向とに直交する第3方向において略同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項4記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項6】
前記第2連結部は、第1方向と第2方向とに直交する第3方向から見たときの形状がU形状となる2個の湾曲部を備え、
前記第2連結部の一部分を構成する前記第1対向部は、第2方向において2個の前記湾曲部の間に配置されていることを特徴とする請求項4または5記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項7】
第1方向と第2方向とに直交する方向を第3方向とすると、
前記被支持部は、前記反射部の第1方向の一方側に配置され、
前記第1連結部は、2個の前記第1対向部の第3方向の一方側に配置されるとともに、第3方向の一方側に向かうにしたがって第1方向の一方側に向かうよう傾斜していることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項8】
第1方向と第2方向とに直交する方向を第3方向とすると、
前記固定体に対する前記反射部の第3方向の一方側への抜けを防止するためのストッパ部材を備え、
前記第1回動軸部は、第1方向において2個の前記第1対向部の、第3方向の他方側部分の間に配置され、
前記第1連結部は、2個の前記第1対向部の第3方向の一方側に配置され、
前記ストッパ部材は、2個の前記第1対向部の第3方向の他方側で前記固定体に固定されていることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学像の振れを補正するための振れ補正機能を有する振れ補正機能付き光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学像の振れを補正するための振れ補正機能を有するカメラモジュールが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のカメラモジュールは、ハウジングの中に配置される反射モジュールとレンズモジュールとイメージセンサモジュールとを備えている。反射モジュールは、光を反射する反射部材と、反射部材が固定される回動ホルダとを備えている。また、反射モジュールは、第1ボールと、回動プレートと、第2ボールとを備えている。第1ボールは、ハウジングの壁面と回動プレートとの間に配置されている。第1ボールは、X軸方向に間隔をあけた状態で2箇所に配置されている。第2ボールは、回動プレートと回動ホルダとの間に配置されている。第2ボールは、Y軸方向に間隔をあけた状態で2箇所に配置されている。
【0003】
特許文献1に記載のカメラモジュールでは、回動ホルダに取り付けられる永久磁石と、ハウジングの壁面に取り付けられるヨークとの間に作用する磁気的吸引力によって、第1ボールは、ハウジングの壁面および回動プレートに所定の接触圧で接触し、第2ボールは、回動プレートおよび回動ホルダに所定の接触圧で接触している。そのため、このカメラモジュールでは、2個の第1ボールを支点にX軸方向を回動の軸方向として、ハウジングの壁面に対して回動プレートおよび回動ホルダと一緒に反射部材が回動可能になっている。また、2個の第2ボールを支点にY軸方向を回動の軸方向として、回動プレートに対して回動ホルダと一緒に反射部材が回動可能になっている。このカメラモジュールでは、X軸方向やY軸方向を回動の軸方向として反射部材を回動させて光学像の振れ補正を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0224665号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のカメラモジュールでは、ハウジングの壁面と回動プレートとの間に配置される第1ボールがX軸方向を回動の軸方向とする反射部材の回動の支点となっているため、ハウジングの壁面および回動プレートが支障となって、X軸方向を回動の軸方向とする反射部材の回動範囲が狭くなるおそれがある。また、このカメラモジュールでは、回動プレートと回動ホルダとの間に配置される第2ボールがY軸方向を回動の軸方向とする反射部材の回動の支点となっているため、回動プレートおよび回動ホルダが支障となって、Y軸方向を回動の軸方向とする反射部材の回動範囲が狭くなるおそれがある。
【0006】
すなわち、特許文献1に記載のカメラモジュールでは、反射部材の回動範囲が狭くなるおそれがある。また、特許文献1に記載のカメラモジュールでは、ハウジングの壁面および回動プレートと第1ボールとを所定の接触圧で接触させ、かつ、回動プレートおよび回動ホルダとを所定の接触圧で接触させるために、回動ホルダに取り付けられる永久磁石と、ハウジングの壁面に取り付けられるヨークとが必要になる。したがって、このカメラモジュールでは、反射モジュールの構成が複雑になるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、外部から入射する光を反射する反射面が形成される反射部材を備える振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、構成を簡素化しつつ反射部材の回動範囲を広げることが可能な振れ補正機能付き光学ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、外部から入射する光を反射する反射面が形成される反射部材を有する反射部と、反射部を回動可能に保持する板バネと、板バネを回動可能に保持する固定体と、板バネに対して反射部を回動させるとともに固定体に対して板バネを回動させる駆動機構と、固定体に対する板バネの回動中心を構成する第1回動軸部と、板バネに対する反射部の回動中心を構成する第2回動軸部とを備え、板バネは、反射面への光の入射方向に平行な第1方向を回動の軸方向として固定体に対して回動可能となっており、反射部は、第1方向に直交する第2方向を回動の軸方向として板バネに対して回動可能となっており、板バネには、固定体に回動可能に支持されるとともに第1回動軸部を第1方向に付勢する被支持部と、反射部を回動可能に支持するとともに第2回動軸部を第2方向に付勢する支持部とが形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットでは、反射部材を有する反射部を回動可能に保持するとともに固定体に回動可能に保持される板バネは、反射部材に形成される反射面への光の入射方向に平行な第1方向を回動の軸方向として固定体に対して回動可能となっており、反射部は、第1方向に直交する第2方向を回動の軸方向として板バネに対して回動可能となっている。また、本発明では、板バネに、固定体に対する板バネの回動中心を構成する第1回動軸部を第1方向に付勢する被支持部と、板バネに対する反射部の回動中心を構成する第2回動軸部を第2方向に付勢する支持部とが形成されている。
【0010】
そのため、本発明では、1枚の板バネを用いた比較的簡易な構成で、第1方向および第2方向を回動の軸方向として固定体に対して反射部材を回動させることが可能になる。また、本発明では、板バネの被支持部によって第1回動軸部が第1方向に付勢され、板バネの支持部によって第2回動軸部が第2方向に付勢されているため、特許文献1に記載のカメラモジュールの回動プレートや回動ホルダ等のような反射部材等の回動の支障となる部材をなくすことが可能になる。したがって、本発明では、第1方向を回動の軸方向とした固定体に対する板バネの回動範囲を広げることが可能になるとともに、第2方向を回動の軸方向とした板バネに対する反射部の回動範囲を広げることが可能になる。その結果、本発明では、振れ補正機能付き光学ユニットの構成を簡素化しつつ反射部材の回動範囲を広げることが可能になる。
【0011】
本発明において、たとえば、第1回動軸部は、第1方向において間隔をあけた状態で配置される球状の2個の第1ボールを備え、第2回動軸部は、第2方向において間隔をあけた状態で配置される球状の2個の第2ボールを備え、被支持部は、第1ボールを固定体に向かって付勢し、支持部は、第2ボールを反射部に向かって付勢している。
【0012】
本発明において、反射部は、反射部材が固定される保持部材を備え、第2回動軸部は、保持部材の内部に配置されていることが好ましい。このように構成すると、保持部材の外周側に駆動機構を配置しやすくなる。
【0013】
本発明において、板バネは、第1方向において間隔をあけた状態で対向配置される2個の第1対向部と、第2方向において間隔をあけた状態で対向配置される2個の第2対向部と、2個の第1対向部を繋ぐ第1連結部とを備え、2個の第1対向部のうちの一方の第1対向部は、2個の第2対向部を繋ぐ第2連結部の一部分を構成し、被支持部は、2個の第1対向部と第1連結部とから構成され、支持部は、2個の第2対向部と第2連結部とから構成されていることが好ましい。このように構成すると、2個の第1対向部のうちの一方の第1対向部が第2連結部の一部分を構成しているため、被支持部と支持部とが板バネに形成されていても、板バネの構成を簡素化して板バネを小型化することが可能になる。
【0014】
本発明において、第1対向部には、第1回動軸部に接触する第1接触部が形成され、第2対向部には、第2回動軸部に接触する第2接触部が形成され、第1接触部と第2接触部とは、第1方向と第2方向とに直交する第3方向において略同じ位置に配置されていることが好ましい。すなわち、本発明において、第1回動軸部と第2回動軸部とが第3方向において略同じ位置に配置されていることが好ましい。このように構成すると、固定体に対する板バネの回動中心となる軸線および板バネに対する反射部の回動中心となる軸線の両方の軸線を反射部の重心に近づけることが可能になる。したがって、第1方向を回動の軸方向として反射部を回動させる場合、および、第2方向を回動の軸方向として反射部を回動させる場合のいずれの場合であっても、反射部を円滑に回動させやすくなる。
【0015】
本発明において、第2連結部は、第1方向と第2方向とに直交する第3方向から見たときの形状がU形状となる2個の湾曲部を備え、第2連結部の一部分を構成する第1対向部は、第2方向において2個の湾曲部の間に配置されていることが好ましい。このように構成すると、支持部のバネ定数を小さくすることが可能になる。したがって、支持部の付勢力のばらつきを抑制することが可能になる。
【0016】
本発明において、第1方向と第2方向とに直交する方向を第3方向とすると、被支持部は、反射部の第1方向の一方側に配置され、第1連結部は、2個の第1対向部の第3方向の一方側に配置されるとともに、第3方向の一方側に向かうにしたがって第1方向の一方側に向かうよう傾斜していることが好ましい。このように構成すると、第2方向を回動の軸方向とする反射部の回動範囲を広げても、第2方向を回動の軸方向として板バネに対して反射部が回動したときの反射部と第1連結部との干渉を防止することが可能になる。
【0017】
本発明において、第1方向と第2方向とに直交する方向を第3方向とすると、固定体に対する反射部の第3方向の一方側への抜けを防止するためのストッパ部材を備え、第1回動軸部は、第1方向において2個の第1対向部の、第3方向の他方側部分の間に配置され、第1連結部は、2個の第1対向部の第3方向の一方側に配置され、ストッパ部材は、2個の第1対向部の第3方向の他方側で固定体に固定されていることが好ましい。
【0018】
このように構成すると、第1連結部が第1対向部の第3方向の一方側に配置されている一方で、ストッパ部材が第1対向部の第3方向の他方側で固定体に固定されているため、ストッパ部材が第1対向部の第3方向の一方側で固定体に固定されている場合と比較して、第1回動軸部により近い位置にストッパ部材を配置することが可能になる。また、このように構成すると、第2回動軸部が第3方向において第1回動軸部に近い位置に配置されていれば、ストッパ部材が第1対向部の第3方向の一方側で固定体に固定されている場合と比較して、第2回動軸部により近い位置にストッパ部材を配置することが可能になる。
【0019】
したがって、反射部とストッパ部材との間の隙間を狭くしても、第1方向や第2方向を回動の軸方向として反射部が回動したときの、反射部とストッパ部材との干渉を防止することが可能になる。その結果、第1方向や第2方向を回動の軸方向として反射部が回動したときの、反射部とストッパ部材との干渉を防止しつつ、振れ補正機能付き光学ユニットを小型化することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明では、外部から入射する光を反射する反射面が形成される反射部材を備える振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、振れ補正機能付き光学ユニットの構成を簡素化しつつ反射部材の回動範囲を広げることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態にかかる振れ補正機能付き光学ユニットの斜視図である。
図2図1に示す振れ補正機能付き光学ユニットが内蔵されるスマートフォンの斜視図である。
図3図2に示すスマートフォンに内蔵されるカメラの構成を説明するための概略図である。
図4図1に示す振れ補正機能付き光学ユニットの分解斜視図である。
図5図1に示す振れ補正機能付き光学ユニットの平面図である。
図6図5のE-E断面の断面図である。
図7図5のF-F断面の断面図である。
図8図1に示す保持部材を別の方向から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(振れ補正機能付き光学ユニットの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる振れ補正機能付き光学ユニット1の斜視図である。図2は、図1に示す振れ補正機能付き光学ユニット1が内蔵されるスマートフォン2の斜視図である。図3は、図2に示すスマートフォン2に内蔵されるカメラ3の構成を説明するための概略図である。図4は、図1に示す振れ補正機能付き光学ユニット1の分解斜視図である。図5は、図1に示す振れ補正機能付き光学ユニット1の平面図である。図6は、図5のE-E断面の断面図である。図7は、図5のF-F断面の断面図である。図8は、図1に示すホルダ11を別の方向から示す斜視図である。
【0024】
本形態の振れ補正機能付き光学ユニット1(以下、「光学ユニット1」とする。)は、光学像の振れを補正するための振れ補正機能を備えている。光学ユニット1は、たとえば、スマートフォン2(図2参照)に内蔵されている。また、光学ユニット1は、スマートフォン2に内蔵されるカメラ3(図3参照)の一部を構成している。なお、光学ユニット1は、スマートフォン2以外の携帯機器等に内蔵されていても良い。
【0025】
図3に示すように、カメラ3は、スマートフォン2の外部からの光が入射するレンズ4と、撮像素子5が実装される基板6とを備えている。レンズ4の光軸L1と撮像素子5の撮像面の中心を通過する法線L2とは直交している。すなわち、レンズ4の光軸Lと撮像素子5の撮像面とは平行になっている。光学ユニット1は、レンズ4から撮像素子5に向かう光路において、レンズ4と撮像素子5との間に配置されている。光学ユニット1と撮像素子5との間には、レンズ7が配置されている。レンズ7の光軸は、法線L2と一致している。
【0026】
光学ユニット1は、外部から入射する光を反射する反射面10aが形成される反射部材としてのプリズム10を備えている。反射面10aには、レンズ4を通過した光が入射する。反射面10aは、レンズ4を介して反射面10aに入射する光を撮像素子5に向かって反射する。反射面10aは、反射面10aに入射する光の光軸を略90°折り曲げる。反射面10aで反射された光は、レンズ7を通過し、レンズ7を通過した光は、撮像素子5に入射する。
【0027】
以下の説明では、反射面10aへの光の入射方向に平行な方向(すなわち、レンズ4の光軸L1の方向、図1等のZ方向)を上下方向とし、撮像素子5の撮像面の法線L2の方向(図1等のX方向)を前後方向とし、上下方向と前後方向とに直交する図1等のY方向を左右方向とする。また、上下方向のうちの、光学ユニット1に対してレンズ4が配置される側(図1等のZ1方向側)を「上」側とし、その反対側である図1等のZ2方向側を「下」側とする。また、前後方向のうちの、光学ユニット1に対して撮像素子5が配置される側(図1等のX1方向側)を「前」側とし、その反対側である図1等のX2方向側を「後ろ」側とする。
【0028】
光学ユニット1は、プリズム10に加えて、プリズム10が固定される保持部材としてのホルダ11を備えている。本形態では、プリズム10とホルダ11とによって反射部9が構成されている。すなわち、光学ユニット1は、プリズム10とホルダ11とを有する反射部9を備えている。また、光学ユニット1は、反射部9を回動可能に保持する板バネ12と、板バネ12を回動可能に保持する固定体13とを備えている。
【0029】
さらに、光学ユニット1は、板バネ12に対して反射部9を回動させるとともに固定体13に対して板バネ12を回動させる駆動機構14と、固定体13に対する板バネ12の回動中心を構成する第1回動軸部としての回動軸部15と、板バネ12に対する反射部9の回動中心を構成する第2回動軸部としての回動軸部16と、固定体13に対する反射部9の抜けを防止するためのストッパ部材17とを備えている。
【0030】
板バネ12は、上下方向を回動の軸方向として固定体13に対して回動可能になっている。本形態の上下方向(Z方向)は第1方向である。反射部9は、上下方向に直交する第2方向(図8のV方向)を回動の軸方向として板バネ12に対して回動可能となっている。第2方向は、固定体13に対する板バネ12の回動位置によって変動するが、左右方向から傾いた方向または左右方向と一致している。また、上下方向と第2方向とに直交する図8のW方向を第3方向とすると、第3方向は、固定体13に対する板バネ12の回動位置によって変動するが、前後方向から傾いた方向または前後方向と一致している。光学ユニット1は、固定体13に対する板バネ12の回動動作、および、板バネ12に対する反射部9の回動動作の少なくともいずれか一方を行うことで、光学像の振れを補正する。
【0031】
ホルダ11は、樹脂材料で形成されている。ホルダ11の上面側には、プリズム10が固定される傾斜面11aが形成されている(図7参照)。傾斜面11aは、前側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜している。ホルダ11の後面側には、駆動機構14を構成する後述の駆動用磁石23が配置される凹部11bが形成されている。凹部11bは、前側に向かって窪んでいる。ホルダ11の下面側には、回動軸部16が配置される凹部11cが形成されている。凹部11cは、上側に向かって窪んでいる。凹部11cは、ホルダ11の第2方向の両端側の2箇所に形成されている。
【0032】
また、ホルダ11の下面側には、ストッパ部材17の上端部が配置される凹部11dが形成されている。凹部11dは、上側に向かって窪んでいる。凹部11dの上端は、凹部11bの上端よりも下側に配置されている。凹部11dは、第3方向におけるホルダ11の中心よりも後ろ側に形成されている。図8に示すように、凹部11dは、切欠き11eを介して凹部11bに繋がっている。
【0033】
また、ホルダ11には、固定体13に対する反射部9の上側への抜けを防止するためのストッパ部11f、11gが形成されている。ストッパ部11fは、ホルダ11の第2方向の一端部から第2方向の外側に突出し、ストッパ部11gは、ホルダ11の第2方向の他端部から第2方向の外側に突出している。また、ストッパ部11fは、上下方向におけるホルダ11の略中心位置に形成され、ストッパ部11gは、ホルダ11の下端側に形成されている。
【0034】
板バネ12は、鋼板等の金属材料で形成されている。また、板バネ12は、略T形状の平板状の金属板を所定形状に折り曲げ等することで形成されている。板バネ12には、固定体13に回動可能に支持される被支持部12aと、反射部9を回動可能に支持する支持部12bとが形成されている。板バネ12の具体的な構成については後述する。
【0035】
固定体13は、樹脂材料で形成されている。固定体13は、固定体13の左右方向の側面を構成する2個の側面部13aと、固定体13の後面を構成する背面部13bと、固定体13の底面を構成する底面部13cと、板バネ12の被支持部12aが取り付けられるバネ保持部13dとを備えている。底面部13cには、底面部13cの前端から後ろ側に向かって切り欠かれた切欠き部13eが形成されている。
【0036】
バネ保持部13dは、切欠き部13eを上側から覆っている。具体的には、バネ保持部13dは、切欠き部13eの、前端部以外の部分を上側から覆っている。バネ保持部13dの左右方向の両端は、底面部13cの上面に繋がっている。バネ保持部13dの前端面は、前側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜するテーパ面13fとなっている。底面部13cの、バネ保持部13dの後ろ側には、ストッパ部材17の一部分が配置される貫通穴13gが形成されている(図7参照)。貫通穴13gは、上下方向で底面部13cを貫通している。貫通穴13gは、長方形状の四角穴であり、貫通穴13gの長辺方向と左右方向とが一致するように形成されている。
【0037】
反射部9は、左右方向において2個の側面部13aの間に配置されている。また、板バネ12は、背面部13bの前側に配置されるとともに、底面部13cの上側に配置されている。2個の側面部13aのうちの一方の側面部13aには、ホルダ11のストッパ部11fの上側に配置されるストッパ部13hが形成され、他方の側面部13aには、ホルダ11のストッパ部11gの上側に配置されるストッパ部13kが形成されている。本形態では、ストッパ部11f、11g、13h、13kによって、固定体13に対する反射部9の上側への抜けが防止されている。
【0038】
駆動機構14は、板バネ12に対して反射部9を回動させるための駆動用コイル22および駆動用磁石23と、固定体13に対して板バネ12を回動させるための駆動用コイル24および駆動用磁石25とを備えている。駆動用磁石23は、ホルダ11の凹部11bの中に配置された状態でホルダ11の後面側に固定されている。駆動用磁石25は、第2方向におけるホルダ11の一方の側面に固定されている。駆動用磁石25は、ストッパ部11fの下側に配置されている。駆動用磁石23とホルダ11との間には、磁性材料で形成される磁性板26が配置され、駆動用磁石25とホルダ11との間には、磁性材料で形成される磁性板27が配置されている。
【0039】
駆動用コイル22は、駆動用磁石23の後ろ側に配置されており、前後方向で駆動用磁石23と対向している。駆動用コイル24は、第2方向における駆動用磁石25の外側に配置されており、第2方向で駆動用磁石25と対向している。駆動用コイル22、24は、フレキシブルプリント基板(FPC)28に実装されている。FPC28は、固定体13の外周面に固定されている。すなわち、駆動用コイル22、24は、FPC28を介して固定体13に固定されている。第2方向における固定体13の一方の側面部13aには、駆動用コイル24が配置される貫通穴が形成され、背面部13bの後面には、駆動用コイル22が配置される凹部が形成されている。
【0040】
回動軸部15は、反射部9の下側に配置されている。回動軸部15は、バネ保持部13dに固定される2枚のボール固定板31と、ボール固定板31に固定される球状の2個のボール32とを備えている。本形態の回動軸部15は、2枚のボール固定板31と2個のボール32とによって構成されている。ボール固定板31およびボール32は、鋼材等の金属材料で形成されている。ボール固定板31は、平板状に形成されている。ボール固定板31は、バネ保持部13dの上面と下面とに固定されており、ボール固定板31の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。
【0041】
ボール32は、ボール固定板31に溶接されて固定されている。また、ボール32は、バネ保持部13dの上面に固定されるボール固定板31の上面側と、バネ保持部13dの下面に固定されるボール固定板31の下面側とに固定されており、2個のボール32は、上下方向において間隔をあけた状態で配置されている。バネ保持部13dの下側に配置されるボール32の下端は、底面部13cの下面よりも上側に配置されている。本形態のボール32は、第1ボールである。
【0042】
2個のボール32は、前後左右方向において同じ位置に配置されている。板バネ12は、2個のボール32の中心を通過する軸線を回動中心にして固定体13に対して回動する。本形態では、2個のボール32の中心を通過する軸線は、レンズ4の光軸L1と一致している。また、本形態では、2個のボール32の中心を通過する軸線は、反射部9の重心の近傍を通過している。
【0043】
回動軸部16は、上下方向における反射部9の中心位置と上下方向において略同じ位置に配置されている。回動軸部16は、ホルダ11に固定される2枚のボール固定板33と、ボール固定板33に固定される球状の2個のボール34とを備えている。本形態の回動軸部16は、2枚のボール固定板33と2個のボール34とによって構成されている。ボール固定板33およびボール34は、鋼材等の金属材料で形成されている。ボール固定板33は、平板状に形成されている。ボール固定板33は、凹部11cに配置されている。また、ボール固定板33は、凹部11cの第2方向の外側面に固定されており、ボール固定板33の厚さ方向と第2方向とが一致するように配置されている。
【0044】
ボール34は、ボール固定板33に溶接されて固定されている。ボール34は、第2方向におけるボール固定板33の内側面に固定されている。ボール34は、凹部11cに配置されている。すなわち、回動軸部16は、凹部11cに配置されており、ホルダ11の内部に配置されている。また、2個のボール34は、第2方向において間隔をあけた状態で配置されている。ボール34は、ボール32よりも第2方向の外側に配置されている。本形態のボール34は、第2ボールである。
【0045】
2個のボール34は、上下方向において同じ位置に配置されている。また、2個のボール34は、第3方向において同じ位置に配置されている。反射部9は、2個のボール34の中心を通過する軸線を回動中心にして板バネ12に対して回動する。本形態では、2個のボール34の中心を通過する軸線は、反射部9の重心の近傍を通過している。回動軸部15と回動軸部16とは、第3方向において略同じ位置に配置されている。すなわち、ボール32とボール34とは、第3方向において略同じ位置に配置されている。本形態では、回動軸部15と回動軸部16とは、第3方向において同じ位置に配置されている。また、回動軸部15および回動軸部16は、第3方向における反射部9の中心と第3方向において略一致する位置に配置されている。
【0046】
ストッパ部材17は、固定体13に対する反射部9の第3方向の一方側への抜けを防止する機能を果たしている。具体的には、ストッパ部材17は、固定体13に対する反射部9の前側への抜けを防止する機能を果たしている。ストッパ部材17は、平板状に形成されている。ストッパ部材17は、ストッパ部材17の厚さ方向と前後方向とが一致するように配置されている。ストッパ部材17の上端部は、ホルダ11の凹部11dに配置されている。ストッパ部材17の上側部分の後ろ側には、磁性板26が配置されている。ストッパ部材17の下側部分は、貫通穴13gの中に配置されている。
【0047】
ストッパ部材17は、貫通穴13gに圧入されて固定されている。すなわち、ストッパ部材17は、バネ保持部13dの後ろ側で固定体13に固定されている。また、ストッパ部材17は、回動軸部15の後ろ側で固定体13に固定されている。図7に示すように、貫通穴13gの後側面には、ストッパ部材17の後面に所定の接触圧で接触する凸部13pが形成されている。凸部13pは、前側に向かって突出している。ストッパ部材17の前面は、貫通穴13gの前側面に所定の接触圧で接触している。
【0048】
(板バネの構成)
上述のように、板バネ12には、被支持部12aと支持部12bとが形成されている。板バネ12は、上下方向において間隔をあけた状態で対向配置される2個の第1対向部12c、12dを備えている。本形態では、第1対向部12cが上側に配置され、第1対向部12dが下側に配置されている。また、板バネ12は、第2方向において間隔をあけた状態で対向配置される2個の第2対向部12eと、第1対向部12cと第1対向部12dとを繋ぐ第1連結部12fとを備えている。第1対向部12cは、2個の第2対向部12eを繋ぐ第2連結部12gの一部分を構成している。本形態では、2個の第1対向部12c、12dと第1連結部12fとから被支持部12aが構成され、2個の第2対向部12eと第2連結部12gとから支持部12bが構成されている。
【0049】
被支持部12aは、反射部9の下側に配置されている。第1対向部12c、12dは、平板状に形成されている。第1対向部12c、12dは、第1対向部12c、12dの厚さ方向と上下方向とが略一致するように配置されている。第1対向部12cは、回動軸部15の上側に配置され、第1対向部12dは、回動軸部15の下側に配置されている。すなわち、回動軸部15は、上下方向において2個の第1対向部12c、12dの間に配置されている。また、第1対向部12cは、バネ保持部13dの上側に配置され、第1対向部12dは、バネ保持部13dの下側に配置されている。第1対向部12dの下端は、底面部13cの下面よりも上側に配置されている。
【0050】
第1連結部12fは、平板状に形成されている。第1連結部12fは、2個の第1対向部12c、12dの第3方向の一方側に配置されており、第1対向部12cの第3方向の一方側の端部と第1対向部12dの第3方向の一方側の端部とを繋いでいる。具体的には、第1連結部12fは、第1対向部12c、12dの前側に配置されており、第1対向部12cの前側の端部と第1対向部12dの前側の端部とを繋いでいる。第1連結部12fは、第3方向の一方側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜している。具体的には、第1連結部12fは、略前側に向かうにしたがって下側に向かうように傾斜している。第1連結部12fの傾斜角度は、固定体13のテーパ面13fの傾斜角度とほぼ等しくなっている。
【0051】
第1対向部12c、12dには、回動軸部15に接触する第1接触部12hが形成されている。第1接触部12hは、第1対向部12c、12dの、第3方向の他方側部分を構成している。すなわち、第1接触部12hは、第1対向部12c、12dの後ろ側部分を構成している。回動軸部15は、上下方向において、2個の第1接触部12hの間に配置されている。すなわち、回動軸部15は、上下方向において、第1対向部12c、12dの、第3方向の他方側部分の間に配置されている。
【0052】
第1接触部12hは、ボール32に接触している。具体的には、第1対向部12cの第1接触部12hは、上側に配置されるボール32に上側から接触し、第1対向部12dの第1接触部12hは、下側に配置されるボール32に下側から接触している。第1接触部12hには、ボール32が接触する凹曲面状の受け面12jが形成されている。
【0053】
被支持部12aは、ボール32を固定体13に向かって付勢している。具体的には、被支持部12aは、上側に配置されるボール32をバネ保持部13dに向かって下側に付勢するとともに、下側に配置されるボール32をバネ保持部13dに向かって上側に付勢している。すなわち、被支持部12aは、回動軸部15を上下方向に付勢している。具体的には、被支持部12aは、回動軸部15を上下方向の内側に向かって付勢している。
【0054】
第2対向部12eは、平板状に形成されている。第2対向部12eは、第2対向部12eの厚さ方向と第2方向とが略一致するように配置されている。第2連結部12gは、第3方向から見たときの形状がU形状となる2個の湾曲部12kを備えている。本形態の第2連結部12gは、第1対向部12cと2個の湾曲部12kとから構成されている。第1対向部12cは、第2方向において2個の湾曲部12kの間に配置されている。第3方向から見たときの湾曲部12kの形状は、上端側が開口するU形状となっている。
【0055】
湾曲部12kの一端には、第1対向部12cが繋がり、湾曲部12kの他端には、第2対向部12eが繋がっている。第2対向部12eは、第1対向部12cよりも第2方向の外側に配置されている。また、第2対向部12eは、第1対向部12cよりも上側に配置されている。湾曲部12kの下端は、第1対向部12cよりも下側に配置されている。また、湾曲部12kの下端は、第1対向部12dよりも上側に配置されている。
【0056】
第2対向部12eには、回動軸部16に接触する第2接触部12pが形成されている。第2接触部12pは、第2対向部12eの上側部分を構成している。第2接触部12pは、ボール34に接触している。具体的には、第2方向の一方側に配置される第2対向部12eの第2接触部12pは、第2方向の一方側に配置されるボール32に第2方向の他方側から接触し、第2方向の他方側に配置される第2対向部12eの第2接触部12pは、第2方向の他方側に配置されるボール34に第2方向の一方側から接触している。第2接触部12pには、ボール34が接触する凹曲面状の受け面12rが形成されている。第2接触部12pは、凹部11cに配置されており、ホルダ11の内部に配置されている。また、第2接触部12pは、第3方向において第1接触部12hと略同じ位置に配置されている。
【0057】
支持部12bは、ボール34を反射部9に向かって付勢している。具体的には、支持部12bは、第2方向における凹部11cの外側の側面に向かってボール34を付勢している。すなわち、支持部12bは、回動軸部16を第2方向に付勢している。具体的には、支持部12bは、回動軸部16を第2方向の外側に向かって付勢している。
【0058】
板バネ12は、固定体13のバネ保持部13dに前側から取り付けられる。このときには、駆動用磁石23、25、磁性体26、27および回動軸部16が取り付けられた状態の反射部9が板バネ12に回動可能に保持されている。また、このときには、板バネ12は、ボール固定板31に固定されたボール32を保持しており、上側に配置されるボール32は、バネ保持部13dのテーパ面13fに沿って移動する。
【0059】
また、反射部9および板バネ12が固定体13に取り付けられると、ストッパ部材17が固定体13の貫通穴13gに下側から差し込まれて固定される。なお、上述のように、ストッパ部材17は、回動軸部15の後ろ側で固定体13に固定されている。すなわち、ストッパ部材17は、2個の第1対向部12c、12dの第3方向の他方側(具体的には、後ろ側)で固定体13に固定されている。
【0060】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、板バネ12は、上下方向を回動の軸方向として固定体13に対して回動可能となっており、反射部9は、上下方向に直交する第2方向を回動の軸方向として板バネ12に対して回動可能となっている。また、本形態では、板バネ12に、固定体13に回動可能に支持されるとともに回動軸部15を上下方向に付勢する被支持部12aと、反射部9を回動可能に支持するとともに回動軸部16を第2方向に付勢する支持部12bとが形成されている。そのため、本形態では、1枚の板バネ12を用いた比較的簡易な構成で、上下方向および第2方向を回動の軸方向として固定体13に対してプリズム10を回動させることが可能になる。
【0061】
また、本形態では、板バネ12の第1接触部12hが上下方向の外側から回動軸部15のボール32に接触し、かつ、板バネ12の第2接触部12pが第2方向の内側から回動軸部16のボール34に接触しているため、上述した特許文献1に記載のカメラモジュールの回動プレートや回動ホルダ等のような反射部9等の回動の支障となる部材をなくすことが可能になる。したがって、本形態では、上下方向を回動の軸方向とした固定体13に対する板バネ12の回動範囲を広げることが可能になるとともに、第2方向を回動の軸方向とした板バネ12に対する反射部9の回動範囲を広げることが可能になる。その結果、本形態では、光学ユニット1の構成を簡素化しつつプリズム10の回動範囲を広げることが可能になる。
【0062】
本形態では、板バネ12の第2接触部12pおよび回動軸部16は、ホルダ11の内部に配置されている。そのため、本形態では、ホルダ11の外周側に駆動機構14を配置しやすくなる。
【0063】
本形態では、被支持部12aの一部分を構成する第1対向部12cが、支持部12bの一部分を構成する第2連結部12gの一部分を構成している。そのため、本形態では、被支持部12aと支持部12bとが板バネ12に形成されていても、板バネ12の構成を簡素化して板バネ12を小型化することが可能になる。また、本形態では、第2連結部12gが2個の湾曲部12kを備えているため、支持部12bのバネ定数を小さくすることが可能になる。したがって、本形態では、支持部12bの付勢力のばらつきを抑制することが可能になる。
【0064】
本形態では、回動軸部15と回動軸部16とが第3方向において同じ位置に配置されており、2個のボール32の中心を通過する軸線(すなわち、固定体13に対する板バネ12の回動中心の軸線)および2個のボール34の中心を通過する軸線(すなわち、板バネ12に対する反射部9の回動中心の軸線)は、反射部9の重心の近傍を通過している。そのため、本形態では、上下方向を回動の軸方向として反射部9を回動させる場合、および、第2方向を回動の軸方向として反射部9を回動させる場合のいずれの場合であっても、反射部9を円滑に回動させやすくなる。
【0065】
本形態では、被固定部12aの第1対向部12c、12dは、反射部9の下側に配置されているが、第1対向部12c、12dの第3方向の一方側に配置される第1連結部12fは、第3方向の一方側に向かうにしたがって下側に向かうよう傾斜している。そのため、本形態では、第2方向を回動の軸方向とする反射部9の回動範囲を広げても、第2方向を回動の軸方向として板バネ12に対して反射部9が回動したときの反射部9と第1連結部12fとの干渉を防止することが可能になる。
【0066】
本形態では、回動軸部15は、上下方向において、第1対向部12c、12dの、第3方向の他方側部分の間に配置されているが、第1連結部12fが第1対向部12c、12dの第3方向の一方側に配置され、ストッパ部材17が第1対向部12c、12dの第3方向の他方側で固定体13に固定されている。そのため、本形態では、第1対向部12c、12dの第3方向の一方側でストッパ部材17が固定体13に固定されている場合と比較して、回動軸部15により近い位置にストッパ部材17を配置することが可能になる。また、本形態では、回動軸部15と回動軸部16とが第3方向において同じ位置に配置されているため、第1対向部12c、12dの第3方向の一方側でストッパ部材17が固定体13に固定されている場合と比較して、回動軸部16により近い位置にストッパ部材17を配置することが可能になる。
【0067】
したがって、本形態では、ホルダ11とストッパ部材17との間の隙間、および、磁性板26とストッパ部材17との間の隙間を狭くしても、上下方向や第2方向を回動の軸方向として反射部9が回動したときの、ホルダ11とストッパ部材17との干渉、および、磁性板26とストッパ部材17との干渉を防止することが可能になる。その結果、本形態では、上下方向や第2方向を回動の軸方向として反射部9が回動したときの、ホルダ11とストッパ部材17との干渉、および、磁性板26とストッパ部材17との干渉を防止しつつ、光学ユニット1を小型化することが可能になる。
【0068】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0069】
上述した形態において、支持部12bは、第2方向における凹部11cの内側の側面に向かってボール34を付勢しても良い。この場合には、ボール固定板33は、凹部11cの第2方向の内側面に固定されており、ボール34は、第2方向におけるボール固定板33の外側面に固定されている。また、上述した形態において、被支持部12aは、上下方向の外側に向かってボール32を付勢しても良い。
【0070】
上述した形態において、回動軸部15は、ボール固定板31を備えていなくても良い。この場合には、ボール32は、バネ保持部13dに直接、固定されている。同様に、回動軸部16は、ボール固定板33を備えていなくても良い。この場合には、ボール34は、ホルダ11に直接、固定されている。また、上述した形態において、ボール32は、板バネ12に固定されていても良い。この場合には、たとえば、ボール固定板31に代えて、ボール32が接触する凹曲面状の受け面が形成される部材がバネ保持部13dに固定されていても良い。同様に、ボール34は、板バネ12に固定されていても良い。この場合には、ボール固定板33に代えて、ボール34が接触する凹曲面状の受け面が形成される部材がホルダ11に固定されていても良い。
【0071】
上述した形態において、回動軸部15は、ボール32に代えて、バネ保持部13dに回動可能に保持されるか、あるいは、バネ保持部13dに固定される回動軸を備えていても良い。また、上述した形態において、回動軸部16は、ボール34に代えて、ホルダ11に回動可能に保持されるか、あるいは、ホルダ11に固定される回動軸を備えていても良い。
【0072】
上述した形態において、反射部9と第1連結部12fとの干渉を防止することができるのであれば、第1連結部12fは、たとえば、第1連結部12fの厚さ方向と第3方向とが一致する平板状に形成されていても良い。また、上述した形態において、第2連結部12gは、湾曲部12kを備えていなくても良い。この場合には、第2連結部12gは、第2連結部12gの厚さ方向と上下方向とが一致する平板状に形成されている。
【0073】
上述した形態において、第1接触部12hと第2接触部12pとが第3方向において互いにずれた位置に配置されていても良い。すなわち、上述した形態において、回動軸部15と回動軸部16とが第3方向において互いにずれた位置に配置されていても良い。また、上述した形態において、第1対向部12cが第2連結部12gの一部分を構成しないように板バネ12が形成されていても良い。
【0074】
上述した形態において、第2接触部12pおよび回動軸部16は、ホルダ11の外部に配置されていても良い。また、上述した形態において、2個のボール32の中心を通過する軸線は、レンズ4の光軸L1と一致していなくても良い。さらに、上述した形態において、光学ユニット1は、プリズム10に代えて、外部から入射する光を反射する反射面が形成される反射ミラーを備えていても良い。
【符号の説明】
【0075】
1 光学ユニット(振れ補正機能付き光学ユニット)
9 反射部
10 プリズム(反射部材)
10a 反射面
11 ホルダ(保持部材)
12 板バネ
12a 被支持部
12b 支持部
12c、12d 第1対向部
12e 第2対向部
12f 第1連結部
12g 第2連結部
12h 第1接触部
12k 湾曲部
12p 第2接触部
13 固定体
14 駆動機構
15 回動軸部(第1回動軸部)
16 回動軸部(第2回動軸部)
17 ストッパ部材
32 ボール(第1ボール)
34 ボール(第2ボール)
V 第2方向
W 第3方向
Z 第1方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8