(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153735
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056411
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】小林 聡
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA65
2G051AB14
2G051AC02
2G051BA10
2G051BB05
2G051BB07
2G051CA04
2G051CB01
2G051CB05
2G051CC07
2G051EA08
2G051ED11
(57)【要約】
【課題】簡易な手段で任意の照射範囲を切り替え、立体状の検査対象物を検査可能な検査装置を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明の一様態に係る検査装置1は、立体状の検査対象物が配置される平面を基準平面15aとする検査対象領域Wに対して光を照射する照明部3と、照明部3を一部覆う遮光部4と、検査対象領域Wを撮影する撮影部2と、照明部3、遮光部4および撮影部2を制御する制御部20と、撮影部2で撮影された画像をあらかじめ準備された基準画像と比較する判定部30と、を有し、制御部20は、遮光部4を移動させることにより、照明部3の検査対象領域Wに対する照射範囲Rを変える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体状の検査対象物が配置される平面を基準平面とする検査対象領域に対して光を照射する照明部と、
前記照明部を一部覆う遮光部と、
前記検査対象領域を撮影する撮影部と、
前記照明部、前記遮光部および前記撮影部を制御する制御部と、
前記撮影部で撮影された画像をあらかじめ準備された基準画像と比較する判定部と、を有し、
前記制御部は、前記遮光部を移動させることにより、前記照明部の前記検査対象領域に対する照射範囲を変えることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記遮光部は、複数形成され、
前記制御部は、複数の前記遮光部を移動させることにより、前記照明部の照射面積を制御することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記照明部は、前記基準平面に対して垂直方向から見て該検査対象領域を囲う位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記照明部は、中央に中空部を有するリング形状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記遮光部は、リング形状を一部欠いた切欠部を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記照明部は、前記基準平面に平行な平面上に設けられ、
前記撮影部は、前記検査対象領域を前記照明部よりも遠い位置から前記照明部の前記中空部を介して撮影することを特徴とする請求項4に記載の検査装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記撮影部で撮影された画像と前記基準画像の明度を比較して良否判定を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項8】
立体状の検査対象物に対して光を照射する照射ステップと、
前記照射ステップで照射された光の一部を遮蔽した状態で、前記検査対象物を撮影する第1撮影ステップと、
前記照射ステップで照射された光の前記第1撮影ステップとは異なる一部を遮蔽した状態で、前記検査対象物を撮影する第2撮影ステップと、
前記第1撮影ステップ及び前記第2撮影ステップで撮影された情報に基づいて前記検査対象物とあらかじめ準備された基準画像の明度を比較する判定ステップと、を含むことを特徴とする検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体状の検査対象物の不良を検出するのに好適な検査装置及びその検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体状の検査対象物の不良を検出する検査装置として、例えば、特許文献1に開示されている検査装置がある。同検査装置は、検査対象物に光を照射する複数の照明部と、検査対象物を撮影する画像検出部と、異なる条件で撮影された画像を統合することで生成された3次元モデルを、あらかじめ準備された3次元の良品基準と照合して不良を検出する欠陥判定部と、照明部及び画像検出部及び欠陥判定部を駆動する制御部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の検査装置は、複数の照明部がそれぞれ独立しており、照射可能な範囲を増やすためには、照明部の数を増やす必要があり、構成が複雑になるという課題があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、簡易な構成で任意の照射範囲を切り替え、立体状の検査対象物を検査可能な検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一様態に係る検査装置は、立体状の検査対象物が配置される平面を基準平面とする検査対象領域に対して光を照射する照明部と、照明部を一部覆う遮光部と、検査対象領域を撮影する撮影部と、照明部、遮光部および撮影部を制御する制御部と、撮影部で撮影された画像をあらかじめ準備された基準画像と比較する判定部と、を有し、制御部は、遮光部を移動させることにより、照明部の検査対象領域に対する照射範囲を変えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、簡易な構成で任意の照射範囲を切り替え、立体状の検査対象物を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る検査装置の構成を示す側面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る検査装置の一部の構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る遮光部を検査対象領域側から見た平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る検査装置の機能を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る検査装置の構成を示す側面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る検査装置の一部の構成を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る遮光部を検査対象領域側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図7に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
【0010】
なお、上記
図1及び以下の各図において、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る検査装置1の構成を示す側面図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る検査装置1における撮影部2、照明部3及び遮光部4の構成を示す斜視図である。
図1~
図2に示すように、検査装置1は、検査対象物が配置される検査対象領域Wと、検査対象領域Wを照射する照明部3と、照明部3を一部覆う遮光部4と、検査対象領域Wを撮影する撮影部2と、図示しないが、照射部3、遮光部4及び撮影部2を駆動する制御部20と、撮影部2で撮影された画像をあらかじめ準備された基準画像と比較する判定部30を備えている。
【0011】
検査対象領域Wは、検査対象物が配置される平面を基準平面15aとする空間である。基準平面15aは、例えばテーブルやフロア等のステージ15の上面により構成される。つまり、この基準平面15aに検査対象物の底面が重ねられ、検査対象領域Wに検査対象物が配置される。基準平面15aを有するステージ15は、動かないように固定されていても、上下等の移動や回転可能に保持されていても良い。
【0012】
照明部3は、中央に中空部3aを有するリング形状である。照明部3は、リング形状で、検査対象領域W側にリング幅の中心に沿って連続して形成された窪みを有する照明支持体3bと、照明支持体3bの窪みに収まり保持されている光源である複数個の照明3cとで構成されている。照明部3は、検査対象領域Wの基準平面15aに平行な平面上に設けられ、基準平面15aに対して垂直方向から見て検査対象領域を囲う位置に配置されている。検査対象物は、検査対象領域Wにおいて照明部3の中空部3aと重なる範囲以内に配置されていることが好ましい。
【0013】
照明部3の光源である照明3cは、特に光源は自由に選択可能である。例えば、レーザ、LED、蛍光灯、蛍光管、白熱電球などを用いることができる。また、光源の光の波長は短波長でもよく、広帯域の波長であってもよい。
【0014】
遮光部4は、照明部3に対して回転可能に配置されており、リング形状を一部欠いた切欠部4aを有するC字形状である。切欠部4aが成す弧と遮光部4の中心を結んで成る扇形の中心角は、例えば略90°である。照明部3のリング幅と遮光部4のリング幅の大小関係は、遮光部4≧照明部3である。遮光部4は、照明部3と遮光部4のリング同士が重なるように、照明部の下部にほとんど間隔を開けずに並列されている。照明部3の遮光部4に遮られている位置は、検査対象領域Wに対して光が照射されず、切欠部4aによって開放されている位置は、検査対象領域Wに対して光が照射される。また、遮光部4の外周には、例えばギア等の遮光部4を回転させる回転伝達機構5が設けられている。回転伝達機構5の一端には、モータ等の回転伝達機構5を駆動する駆動部6が設けられている。ギア等の回転伝達機構5を設けることで、遮光部4の照明部3に対する位置決めが容易となる。
【0015】
撮影部2は、カメラ支持体2aと、カメラ支持体2aに保持されているカメラ2bとで構成されている。撮影部2は、基準平面15aに対して照明部3よりも遠い位置から照明部3の中空部3aを介して検査対象領域Wを望むように配置されている。
【0016】
照明部3、遮光部4及び駆動部6は、それぞれ照明固定部7、遮光固定部8及び駆動固定部9に保持されている。照明固定部7、遮光固定部8及び駆動固定部9は、固定補強部11を介して、例えばシリンダ等の照明動作機構12に保持されている。撮影部2は、撮影固定部10を介して、例えばシリンダ等の撮影動作機構13に保持されている。照明動作機構12及び撮影動作機構13は、例えばアルミフレーム等の強固な固定機構14に上下方向にスライド可能に保持されている。
【0017】
図3は、本発明の第1実施形態に係る遮光部を検査対象領域側から見た平面図である。
図4は、本発明の第1実施形態に係る検査装置の機能を示すブロック図である。
図3において、遮光制御部20bで任意の方向及び移動量を駆動部6に出力することによって、回転伝達機構5を介して遮光部4が回転する。
図3の(a)~(d)に示すように、切欠部4aの位置によって、照明部3の照射範囲Rが変位する。
【0018】
ここで、照射範囲Rとは、切欠部4aの長さや幅、面積等の大きさの変化ではなく、遮光部4の回転による切欠部4aの位置の変位によって決められる、照明部3の検査対象領域Wに対して照射可能な範囲とする。例えば、
図3(a)に示すように、左前に切欠部4aが配置される場合に、検査対象領域Wに対して照射可能な範囲を第1照射範囲R1、
図3(b)に示すように、右前に切欠部4aが配置される場合に、検査対象領域Wに対して照射可能な範囲を第2照射範囲R2、
図3(c)に示すように、左後ろに切欠部4aが配置される場合に、検査対象領域Wに対して照射可能な範囲を第3照射範囲R3、
図4(d)に示すように、右後ろに切欠部4aが配置される場合に、検査対象領域Wに対して照射可能な範囲を第4照射範囲R4とする。
【0019】
図4において、20は、照明制御部20a、遮光制御部20b、撮影制御部20cからなる制御部であり、20aは、照明部3を制御する照明制御部、20bは、遮光部を制御する遮光制御部、20cは、撮影部2を制御する撮影制御部である。30は、撮影部2で撮影された画像をあらかじめ準備された基準画像と比較する判定部30である。
次に、
図3~
図4を用いて本発明の第1実施形態に係る検査装置1を用いた検査方法を説明する。
【0020】
まず、制御部20の照明制御部20aで照明部3を駆動し、検査対象物が配置された検査対象領域Wに対して光を照射する(照射ステップ)。
次に、遮光制御部20bで遮光部4を
図3(a)に示す位置に駆動し、照射範囲R1とする。そして、撮影制御部20cで撮影部2を駆動し、検査対象領域Wを撮影する(第1撮影ステップ)。
【0021】
次に、遮光制御部20bで遮光部4を
図3(b)に示す位置まで駆動し、第1撮影ステップとは異なる照射範囲R2とする。そして、撮影制御部20cで撮影部2を駆動し、検査対象領域Wを撮影する。同じように、
図3(d)に示す位置(照射範囲R4)と、
図3(c)に示す位置(照射範囲R3)で撮影部2により検査対象領域Wを撮影する(第2撮影ステップ)。ここで、第2撮影ステップにおける遮光部の位置や撮影の回数は、任意であり、検査対象物によって一回でもよいし繰り返しても良い。
次に、撮影部2で撮影した画像を判定部30aにおいて、あらかじめ準備された基準画像と比較し、不良を検出する。(判定ステップ)。
【0022】
ここで、判定ステップにおける比較は、例えば、撮影部2で撮影した画像の明度と、基準画像の明度を比較し、明度の差異が生じた場合に不良と検出される。本実施形態によれば、検査対象物として、プリント板に搭載したコネクタの接続良否や、プリント板のはんだ接合良否を検査することができる。
【0023】
例えば、プリント基板に対して適切にコネクタが実装されている基準画像と、コネクタが浮いている不良品とを比較した場合に、影が生じる位置が異なっているため、明度の差異が生じる。或いは、プリント基板に対して適切にはんだ付けされている基準画像に比較して、はんだの量や形状に異常がある不良品とを比較した場合に、はんだの光り具合が異なるため、明度の差異が生じる。具体的には、はんだ不足の場合は明るくなり、はんだ過多や形状に異常がある場合は暗くなる。
【0024】
次に、本発明の第1実施形態に係る検査装置1の効果を説明する。
【0025】
第1実施形態に係る検査装置1は、照明部3に対して切欠部4aを有する遮光部4を任意に回転させるという簡易な構成で任意の照射範囲Rを設定することができる。
さらに、それゆえ、部品数やコストを下げるだけでなく、より多くの条件で撮影部2によって撮影された画像データを用いて検査することができるので、不良検出の精度を高めることができる。
【0026】
従って、本発明の第1実施形態によれば、簡易な構成で任意の照射範囲を切り替え、立体状の検査対象物を検査することができる。
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係る検査装置1の側面図である。
図6は、本発明の第2実施形態に係る検査装置2における撮影部2、照明部3、第1遮光部4及び第2遮光部41の構成を示す斜視図である。
図5~
図6に示すように、第2実施形態に係る検査装置1は、第1実施形態の検査装置1の構成に加え、第2遮光部41、第2回転伝達機構51、第2駆動部61、第2遮光固定部81、及び第2駆動固定部91をさらに備えている。
【0027】
第2遮光部41は、照明部3に対して回転可能に配置されており、リング形状を一部欠いた切欠部41aを有するC字形状である。第2実施形態における第1遮光部4の切欠部4aが成す弧と第1遮光部4の中心を結んで成る扇形の中心角及び、第2遮光部41の切欠部41aと、第2遮光部41の中心を結んで成る扇形の中心角は、例えば略180°である。第1遮光部4のリング幅と第2遮光部41のリング幅は略等しい。第2遮光部41は、照明部3、第1遮光部4と第2遮光部41のリング同士が重なるように、第1遮光部4の下部にほとんど間隔を開けずに並列されている。照明部3の第1遮光部4または第2遮光部41に遮られている位置は、検査対象領域Wに対して光が照射されず、第1切欠部4a及び第2切欠部41aによってひらけている第3切欠部42は、検査対象領域Wに対して光が照射される。
【0028】
また、第2遮光部41の外周には、例えばギア等の第2遮光部41を回転させる第2回転伝達機構51が設けられている。第2回転伝達機構51の一端には、モータ等の第2回転伝達機構51を駆動する第2駆動部61が設けられている。ギア等の回転伝達機構51を設けることで、第2遮光部41の照明部3に対する位置決めが容易となる。
第2遮光部41及び第2駆動部61は、それぞれ第2遮光固定部81及び第2駆動固定部91に保持されている。第2遮光固定部81及び第2駆動固定部91は、固定補強部11に保持されている。
【0029】
図7は、本発明の第2実施形態に係る遮光部を検査対象領域側から見た平面図である。
図7において、遮光制御部20bで任意の方向及び移動量を第1駆動部6に出力することによって、第1回転伝達機構5を介して第1遮光部4が回転する。また、遮光制御部20bで任意の方向及び移動量を第2駆動部61に出力することによって、第2回転伝達機構51を介して第2遮光部41が回転する。第1遮光部4と第2遮光部41を重ねて生じる第3切欠部42の位置の変位によって照射範囲Rが変位し、第3切欠部42の長さや幅、面積等の大きさの変化によって照射面積Aが変化する。
【0030】
ここで、照射範囲Rとは、第3切欠部42の長さや幅、面積等の大きさの変化ではなく、第1遮光部4や第2遮光部41の回転による切欠部42の位置の変位によって決められる、照明部3の検査対象領域Wに対して照射可能な範囲とする。一方、照射面積Aとは、第3切欠部42の長さや幅、面積等の大きさの変化によって決められる照明部3の検査対象領域Wに対して照射可能な面積とする。例えば、
図7(a)に示すように、第1遮光部4と第2遮光部41が略1/2ずつ重なっている場合に、検査対象領域Wに対して照射可能な面積を第1照射面積A1、第1遮光部4と第2遮光部41がほとんど重なっている場合に、検査対象領域Wに対して照射可能な面積を第2照射面積A2とする。
【0031】
次に、本発明の第2実施形態に係る検査装置1を用いた検査方法を説明する。
まず、制御部20の照明制御部20aで照明部3を駆動し、検査対象物が配置された検査対象領域Wに対して光を照射する(照射ステップ)。
次に、遮光制御部20bで第1遮光部4と第2遮光部41を
図7(a)に示す位置まで駆動し、照射面積A1とする。そして、撮影制御部20cで撮影部2を駆動し、検査対象領域Wを撮影する(第1撮影ステップ)。
【0032】
次に、遮光制御部20bで第1遮光部4と第2遮光部41を駆動し、
図7(b)に示す位置まで駆動し、第1撮影ステップとは異なる照射面積A2とする。そして、撮影制御部20cで撮影部2を駆動し、検査対象領域Wを撮影する(第2撮影ステップ)。ここで、第2撮影ステップにおける遮光部の位置や撮影の回数は、任意であり、検査対象物によって一回でもよいし繰り返しても良い。
次に、撮影部2で撮影した画像を判定部30において、あらかじめ準備された基準画像と比較し、不良を検出する。(判定ステップ)。
次に、本発明の第2実施形態に係る検査装置1の効果を説明する。
【0033】
第2実施形態に係る検査装置1は、照明部3に対して第1遮光部4や第2遮光部41を任意に移動させることで、第3切欠部42の照射範囲R及び照射面積Aを簡易な構成で任意に設定することができる。
さらに、それゆえ、部品数やコストが下げるだけでなく、より多くの条件で撮影部2によって撮影された画像データを用いて検査することができるので、不良検出の精度を高めることができる。
【0034】
従って、本発明の第2実施形態によれば、簡易な構成で任意の照射範囲を切り替え、立体状の検査対象物を検査することができる。
なお、本発明の実施形態では、照明部3、第1遮光部4、第2遮光部41、第1駆動部6、及び第2駆動部61、は、それぞれの固定部7、8、81、9、91及び固定補強部11を介して照明動作機構12に保持され、撮影部2は、撮影固定部10を介して、シリンダ等の撮影動作機構13に保持され、照明動作機構12及び撮影動作機構13は、強固な固定機構13にスライド可能に保持されている。それゆえ、照明部3と検査対象領域Wの距離を簡易な構成で変えることによって、さらに検査対象領域Wに対する照射条件を調整することができるが、これに限らず、例えばそれぞれ各構成が独立して配置されたり、スライド可能な動作機構等が省略されても良い。また、照明部3に対して、第1実施形態の第1遮光部、第2実施形態の第1遮光部41と第2遮光部41側を固定し、検査対象領域W側を回転、例えば、ステージ15を回転するようにしても良い。
【0035】
また、遮光部が1つ或いは2つの場合において説明したが、遮光部が3つ以上あっても良い。遮光部が3つ以上の場合は、例えば、それぞれの遮光部の切欠部と遮光部の中心を結んで成る扇形の中心角の合計が360°よりも下回るようにすることで、照射範囲Rを複数カ所設けることができる。
【符号の説明】
【0036】
1…検査装置 2…撮影部 2a…カメラ支持体 2b…カメラ 3…照明部
3a…中空部 3b…照明支持体 3c…照明 4…遮光部(第1遮光部)
41…第2遮光部 4a…切欠部(第1切欠部) 41a…第2切欠部
42…第3切欠部 5…回転伝達機構(第1回転伝達機構)、51…第2回転伝達機構
6…駆動部(第1駆動部) 61…第2駆動部 7…照明固定部 8…遮光固定部
81…第2遮光固定部 9…駆動固定部 91…第2駆動固定部 10…撮影固定部 11…固定補強部 12…照明動作機構 13…撮影動作機構 14…固定機構
15…ステージ 15a…基準平面 20…制御部(制御部) 20a…照明制御部
20b…遮光制御部 20c…撮影制御部 30…判定部 W…検査対象領域
R…第1照射範囲 R2…第2照射範囲 R3…第3照射範囲 R4…第4照射範囲 A…照射面積 A1…第1照射面積 A2…第2照射面積