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特開2022-153752通信障害時決済方法および通信障害時決済プログラム
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  • 特開-通信障害時決済方法および通信障害時決済プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153752
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】通信障害時決済方法および通信障害時決済プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/32 20120101AFI20221005BHJP
   G06Q 20/10 20120101ALI20221005BHJP
【FI】
G06Q20/32 320
G06Q20/32 330
G06Q20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056434
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】東京UIT国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】加茂 幹雅
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA22
5L055AA64
(57)【要約】
【課題】オンライン決済を使用することができない状況が突然に生じた場合,たとえば災害時であっても,決済できるようにする。
【解決手段】決済管理サーバ10の通信障害時に,端末間近距離通信を通じてスマートフォン30から店舗端末40に,決済管理サーバ10が決済処理するタイプの電子マネーによる決済金額データ,およびスマートフォン30に関連付けられる管理識別子を含む非常用決済データが送信される。非常用決済データを受信する店舗端末40において上記非常用決済データが記憶される。決済管理サーバ10の通信復旧後に,通信障害時に店舗端末40が受信した非常用決済データにしたがって,決済管理サーバ10は,スマートフォン30の残高から上記決済金額データによって表される金額を減額し,店舗端末40の残高に上記決済金額データによって表される金額を増額する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済管理サーバの通信障害時に,
端末間近距離通信を通じて第1端末から第2端末に,上記決済管理サーバが決済処理するタイプの電子マネーによる決済金額データ,および第1端末に関連付けられる管理識別子を含む非常用決済データを送信し,
上記非常用決済データを受信する第2端末において上記非常用決済データを記憶し,
上記決済管理サーバの通信復旧後に,
上記通信障害時に上記第2端末が受信した非常用決済データにしたがって,上記決済管理サーバが,上記第1端末の残高から上記決済金額データによって表される金額を減額し,上記第2端末の残高に上記決済金額データによって表される金額を増額する,
通信障害時決済方法。
【請求項2】
上記非常用決済データが画像データとして送受信される,
請求項1に記載の障害時決済方法。
【請求項3】
上記非常用決済データが二次元コードとして送受信される,
請求項1に記載の障害時決済方法。
【請求項4】
上記非常用決済データが上記第1端末のユーザの顔写真データを含む,
請求項1から3のいずれか一項に記載の障害時決済方法。
【請求項5】
上記第1端末が通常残高と非常用残高とを有しており,
上記非常用残高から上記決済金額データによって表される金額が減額される,
請求項1から4のいずれか一項に記載の通信時決済方法。
【請求項6】
決済管理サーバの通信障害時に,
端末間近距離通信を通じて第1端末から第2端末に,上記決済管理サーバが決済処理するタイプの電子マネーによる決済金額データ,および第1端末に関連付けられる管理識別子を含む非常用決済データを送信するように上記第1端末を制御する,上記第1端末にインストールされるプログラム,
受信した上記非常用決済データを記憶するように上記第2端末を制御する,上記第2端末にインストールされるプログラム,および
上記決済管理サーバの通信復旧後に,
上記通信障害時に上記第2端末が受信した非常用決済データにしたがって,上記決済管理サーバが,上記第1端末の残高から上記決済金額データによって表される金額を減額し,上記第2端末の残高に上記決済金額データによって表される金額を増額するように上記決済管理サーバを制御する,上記決済管理サーバにインストールされるプログラムを含む,
通信障害時決済プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,通信障害時決済方法および通信障害時決済プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等を用いる決済サービスはオンライン(インターネット等の通信回線を利用可能)状態で使用することが前提である。
【0003】
特許文献1は,銀行サーバ(ホストシステム)が停止される前にあらかじめデビットカードに電子マネーをチャージしておくことによって,銀行サーバの停止中でもデビットカードを利用して電子マネーを使用することができる決済処理システムを開示する。銀行サーバの停止予定日時があらかじめ通知されていることを前提とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6491372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は,オンライン決済を使用することができない状況が突然に生じた場合,たとえば災害時であっても,決済できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による通信障害時決済方法は,決済管理サーバの通信障害時に,端末間近距離通信を通じて第1端末から第2端末に,上記決済管理サーバが決済処理するタイプの電子マネーによる決済金額データ,および第1端末に関連付けられる管理識別子を含む非常用決済データを送信し,上記非常用決済データを受信する第2端末において上記非常用決済データを記憶し,上記決済管理サーバの通信復旧後に,上記通信障害時に上記第2端末が受信した非常用決済データにしたがって,上記決済管理サーバが,上記第1端末の残高から上記決済金額データによって表される金額を減額し,上記第2端末の残高に上記決済金額データによって表される金額を増額することを特徴とする。
【0007】
この発明による通信障害時決済プログラムは,決済管理サーバの通信障害時に,端末間近距離通信を通じて第1端末から第2端末に,上記決済管理サーバが決済処理するタイプの電子マネーによる決済金額データ,および第1端末に関連付けられる管理識別子を含む非常用決済データを送信するように上記第1端末を制御する,上記第1端末にインストールされるプログラム,受信した上記非常用決済データを記憶するように上記第2端末を制御する,上記第2端末にインストールされるプログラム,および上記決済管理サーバの通信復旧後に,上記通信障害時に上記第2端末が受信した非常用決済データにしたがって,上記決済管理サーバが,上記第1端末の残高から上記決済金額データによって表される金額を減額し,上記第2端末の残高に上記決済金額データによって表される金額を増額するように上記決済管理サーバを制御する,上記決済管理サーバにインストールされるプログラムを含む。
【0008】
この発明によると,通信障害時であっても決済(取引)を進めることができる。第2端末のユーザ(典型的には店舗)は通信が復旧するまで未収の売掛金が発生することになるが,売掛金も電子マネーであって通信障害が復旧するまではこの発明による通信障害時決済方法を用いなければ使用できないので,大きな支障は生じない。
【0009】
一実施態様では,上記非常用決済データが画像データとして送受信される。非常用決済データ等を安全に送受信することができる。非常用決済データは二次元コードとして送受信してもよい。
【0010】
他の実施態様では,上記非常用決済データが上記第1端末のユーザの顔写真データを含む。決済に際して顔画像データを要求することによって,第1端末を用いて決済するユーザの不正利用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】モバイル決済システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】管理テーブルの一例を示す。
図3】オフライン時のスマートフォンと店舗端末の処理を示すフローチャートである。
図4】通信復旧時の店舗端末と決済管理サーバの処理を示すフローチャートである。
図5】非常用決済アプリの画面例を示す。
図6】非常用決済アプリの画面例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1はモバイル決済システムのブロック図である。
【0013】
モバイル決済システムは,ネットワーク20(代表的にはインターネット)を通じて相互にデータ通信可能に接続される決済管理サーバ10,ユーザモバイル端末としてのスマートフォン30および店舗端末(たとえばPOS端末)40を含む。多数のスマートフォン30および多数の店舗端末40がモバイル決済システムには含まれる。
【0014】
決済管理サーバ10は,バス接続された制御部(CPU)(Central Processing Unit)11,記憶部12および通信部13を備えている。
【0015】
制御部11によって決済管理サーバ10の動作が統括的に制御される。記憶部12に記憶される各種プログラム(オペレーティングシステム・プログラム,汎用コンピュータ装置を決済管理サーバ10として機能させるための専用プログラム等)が制御部11に実行されることによって決済管理サーバ10は決済処理を実行する。
【0016】
記憶部12には上述した各種プログラムが記憶されるとともに,モバイル決済システムの利用ユーザに関する情報,利用ユーザの電子マネー残高等を記憶する管理テーブル(詳細は後述する)が記憶される。決済管理サーバ10が管理するモバイル決済サービスが使用されることによって電子マネーの出金処理および入金処理が行われ,残高が管理テーブルに記憶(更新)される。
【0017】
通信部13はネットワーク20を通じて各種データを送受信する。通信部13によって送受信されるデータに電子マネーを用いた決済情報(電子マネーの支出データ,電子マネーのチャージデータ等)が含まれる。
【0018】
スマートフォン30は,制御部31,記憶部32,通信部33,表示部34,カメラ35,入出力部36,マイク37およびスピーカ38を備えている。
【0019】
制御部31はCPUを含み,スマートフォン30の全体的な動作を統括する。記憶部32に記憶される各種プログラムが制御部31によって実行されることで,スマートフォン30は電話端末および通信端末として機能する。後述する非常用決済アプリケーション・プログラムもスマートフォン30の記憶部32に記憶される。
【0020】
通信部33はネットワーク20を通じてデータの送受信をするとともに,近距離無線通信(WiFi,ブルートゥース(登録商標))を用いて近距離にある他の通信装置と相互に通信可能である。後述するように,スマートフォン30は近距離無線通信を通じて店舗端末40とデータ通信可能である。
【0021】
表示部34はスマートフォン30に画像,文字,Webページ等を表示する表示装置を含む。カメラ35は被写体を撮像し,被写体を表す画像データを生成する。入出力部36は各種ボタン,キーボード等を含む。マイク37およびスピーカ38によってスマートフォン30は他の通信装置(電話機)との間で音声データを送受信することができる。
【0022】
店舗端末40は,制御部41,コードリーダ42,表示部43,記憶部44,入出力部45および通信部46を備えている。
【0023】
制御部41はCPUを含み,店舗端末40の全体的な動作を統括する。記憶部44に記憶される各種プログラムが制御部41によって実行されることで,店舗端末40は後述するようにネットワーク20および近距離無線通信を用いて決済データを送受信することができる。
【0024】
コードリーダ42は,商品に印刷されているバーコード,二次元コード等を読み取るもので,たとえばコードリーダ42を用いて商品に付されているバーコードが読み取られる。商品名,商品値段その他の情報が店舗端末40によって認識される。
【0025】
表示部43は店舗端末40に文字,数字その他を表示する表示装置を含む。入出力部45は各種ボタン,キーボード等を含む。通信部46は,スマートフォン30と同様にネットワーク20を通じてデータ送受信が可能であるとともに,近距離無線通信を用いて近距離にある他の装置をデータ送受信が可能なものである。
【0026】
図2は決済管理サーバ10の記憶部12に記憶される管理テーブル15の一例を示している。
【0027】
管理テーブル15は,電子マネー利用ID,メールアドレス,氏名,住所,残高および非常用残高のデータ項目を含む。
【0028】
電子マネー利用IDは決済管理サーバ10が運用する電子マネーを用いたモバイル決済システムを利用するユーザおよびそのユーザが所持するモバイル端末に一意に付与される識別番号である。電子マネー利用IDによって電子マネーを利用する(電子マネーを用いて決済する)ユーザおよびそのユーザのモバイル端末が特定される。
【0029】
メールアドレス,氏名,住所は,上記電子マネー利用IDが付与されたユーザのメールアドレス,氏名,住所である。
【0030】
残高は電子マネーの利用可能残高である。残高範囲内で店舗等において電子マネーを利用可能である。店舗等において電子マネーを使用すると,使用された金額に相当する電子マネーが残高から減算される。チャージが行わるとチャージ金額に相当する電子マネーが残高に加算される。
【0031】
非常用残高は非常時(緊急時)に利用可能な残高である。上述した「残高」は,決済管理サーバ10において常時管理されるもので,ネットワーク20を通じて決済管理サーバ10と通信可能な状態(オンライン状態)でなければ使用することができないのに対し,「非常表残高」は決済管理サーバ10と通信できない状態(オフライン状態)においても使用することができる点が異なる。非常用残高を用いた決済処理の詳細は後述する。
【0032】
図3は非常時,典型的には災害時に決済管理サーバ10またはネットワーク20に障害が発生したときに行われる,非常用残高を用いた決済処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
上述したように,スマートフォン30と決済管理サーバ10とがネットワーク20を通じてデータ送受信可能な状態でなければ,一般に電子マネーは使用することができない。図3に示す処理は,決済管理サーバ10に障害が発生し,またはネットワーク20が遮断され,ネットワーク20を通じてスマートフォン30と決済管理サーバ10との間で決済データを送受信できない状況(オフライン)であることを前提とする。
【0034】
初めにスマートフォン30が用いられて非常用決済アプリケーション・プログラム(以下,非常用決済アプリと呼ぶ)が起動される(ステップ51)。上述したように,非常用決済アプリケーション・プログラムはスマートフォン30の記憶部32にあらかじめ記憶(インストール)されており,これが記憶部32から読み出されて制御部31によって実行される。
【0035】
非常用決済アプリはスマートフォン30が備えるカメラ35の機能を起動する(ステップ52)。カメラ35によってスマートフォン30を操作しているユーザの顔が撮像される。
【0036】
図5を参照して,図5は非常用決済アプリの表示画面例を示している。
【0037】
非常用決済アプリが起動されることによってスマートフォン30の表示画面に表示される画面(以下,非常用決済アプリ画面という)は,支払者表示(入力)欄91,支払者画像表示欄92,支払者撮像画像表示欄93,支払相手表示(入力)欄94,支払金額表示(入力)欄95,および画像転送アイコン(支払いアイコン)96を含む。図5に示すスマートフォン30は上部にカメラ35を備え,このカメラ35によってスマートフォン30を操作しているユーザの顔が撮像される。
【0038】
本人確認が行われる(ステップ53)。スマートフォン30の記憶部32にあらかじめ記憶されている顔画像(たとえば運転免許証の写真)92とカメラ35によって撮像されたユーザの顔画像とが比較される。
【0039】
2つの顔画像を用いた認証処理が行われ,顔認証が成功すると次の処理に進む(ステップ53でYES )。顔認証が失敗すると,非常用決済アプリの処理は終了する(ステップ53でNO)。他人(スマートフォン30の所有者以外の者)によって決済処理が行われるのを防止することができる。
【0040】
支払先(店舗名)および支払金額が,表示入力欄94,95にそれぞれ入力される(ステップ55)。支払相手は決済管理サーバ10が提供する決済サービスの加盟店であるのは言うまでもない。店舗に設置される二次元コードをカメラ35を用いて読み取ることによって支払先(店舗名)を入力してもよい。支払金額は一般には店舗の店員によって指示される。
【0041】
画像転送アイコン(支払いアイコン)96がクリックされると,スマートフォン30の記憶部32にあらかじめ記憶される電子マネー利用ID(ユーザおよびスマートフォン30に固有の管理識別子),入力された支払金額(決済金額)データ,カメラ35を用いて撮像されたユーザの顔画像データおよび店舗名データから,画像データ(以下,非常用画像データと呼ぶ)が作成される(ステップ57)。作成される非常用画像データが店舗端末40に送信される(ステップ58)。画像データはスマートフォン30の表示画面の画像データ(キャプチャ画像データ)であってもよい。画像データは二次元コードを表す画像データであってもよい。画像データのデータ形式は任意の形式(jpeg,gif等)とすることができる。非常用画像データにはさらに撮像日時および撮像場所を追加してもよい。
【0042】
スマートフォン30から店舗端末40への非常用画像データの送信には近距離無線通信が用いられる。たとえば,ブルートゥース(登録商標)通信を用いることでスマートフォン30と店舗端末40とがペアリングされ,ペアリングの後,Wifiを通じてスマートフォン30から店舗端末40に非常用画像データが送信される。
【0043】
店舗端末40は,スマートフォン30から送信された非常用画像データを受信し,記憶部44に記憶する(ステップ61)。これによってユーザと店舗との間の決済が完了し店舗からユーザに商品が受け渡される。
【0044】
図6は支払い完了時のスマートフォン30の表示画面の一例である。
【0045】
スマートフォン30の記憶部32には非常用残高を表すデータが記憶されており,上述した決済処理(支払い処理)が完了すると,非常用決済アプリは非常用残高を支払い金額分減額し(ステップ58),減額後の現在の非常用残高をスマートフォン30の非常用残高表示欄97に画面表示する。スマートフォン30のユーザは,非常用決済アプリを用いた決済処理を行うたびに非常用残高を確認することができる。
【0046】
図4は,決済管理サーバ10またはネットワーク20が障害から復旧した後(オンライン時)の店舗端末40と決済管理サーバ10の処理を示すフローチャートである。
【0047】
上述したように,オフライン時に店舗端末40の記憶部44には,スマートフォン30のユーザとの間の取引にしたがって非常用画像データが記憶されている。ネットワーク20が復旧した後,記憶部44に記憶されている非常用画像データが店舗端末40から決済管理サーバ10に送信される(ステップ71)。非常用画像データの決済管理サーバ10への送信は復旧したネットワーク20を通じて行われるのは言うまでもない。非常用画像データに店舗の電子マネー利用IDを追加してもよい。
【0048】
決済管理サーバ10は,非常用画像データから電子マネー利用ID,決済金額データ,顔画像データおよび店舗名データを復元する(ステップ81)。復元したデータ(ユーザの電子マネー利用ID,決済金額データ,顔画像データ,店舗名データ,店舗の電子マネー利用ID,撮像日時,撮像場所)をデータベース上に取引データとして格納してもよい。
【0049】
決済管理サーバ10は,非常用画像データから復元された電子マネー利用IDによって特定されるユーザの残高から,同じく非常用画像データから復元された決済金額データが表す金額を減算し(ステップ82),かつ同じく非常用画像データから復元された店舗名データによって特定される店舗の残高に決済金額データが表す金額を加算する(ステップ83)。
【0050】
決済管理サーバ10からスマートフォン30および店舗端末40に対し,決済管理サーバ10における処理が完了した旨を説明する電子メールを送信してもよい。このときにオフライン時にスマートフォン30を用いて撮像されたユーザの画像データ(すなわち災害時の顔画像)を電子メールに添付してもよい。
【0051】
金融機関において上述した決済システムを用いる場合には,通常口座と緊急用口座とを設け,緊急用口座を上述した非常用残高のように用いることができる。緊急用口座には当座貸越契約を付随できるようにして,緊急時には,緊急用口座の残高と当座貸越枠を利用できるようにしてもよい。当座貸越が発生した際に通常発生する利息については,被災地支援として一定期間発生させない(無利息とする)ようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 決済管理サーバ
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
15 管理テーブル
20 ネットワーク
30 スマートフォン
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 表示部
35 カメラ
36 入出力部
40 店舗端末
41 制御部
42 コードリーダ
43 表示部
44 記憶部
45 入出力部
46 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6