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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015381
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 13/04 20060101AFI20220114BHJP
   F04D 13/12 20060101ALI20220114BHJP
   F04D 29/58 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
F04D13/04
F04D13/12 Z
F04D29/58 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020118165
(22)【出願日】2020-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000151058
【氏名又は名称】株式会社電業社機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】根岸 道明
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA03
3H130AB13
3H130AB22
3H130AB50
3H130AC09
3H130AC10
3H130BA33G
3H130BA87G
3H130BA95G
3H130DD07X
3H130DG01X
3H130DJ01X
3H130EA07G
3H130EB01G
3H130EB01J
3H130EB04J
(57)【要約】
【課題】 水中モータを用いずに、管理や設備を簡易化することが可能なポンプを提供すること。
【解決手段】 羽根車2が取り付けられ回転駆動される回転軸3と、回転軸を回転駆動する水圧モータ4と、内部に羽根車を回転可能に支持すると共に原水Wを吸い上げる吸水口5aを端部に有したケーシング5と、水圧モータに循環水を送る循環水流路6と、ケーシングの外部に設置され循環水流路を介して加圧した循環水を水圧モータ4に送る循環水供給部7と、循環水流路中の循環水を冷却する循環水冷却機構8とを備えている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根車が取り付けられ回転駆動される回転軸と、
前記回転軸を回転駆動する水圧モータと、
内部に前記羽根車を回転可能に支持すると共に原水を吸い上げる吸水口を端部に有したケーシングと、
前記水圧モータに循環水を送る循環水流路と、
前記ケーシングの外部に設置され前記循環水流路を介して加圧した前記循環水を前記水圧モータに送る循環水供給部と、
前記循環水流路中の前記循環水を冷却する循環水冷却機構とを備えていることを特徴とするポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載のポンプにおいて、
前記循環水流路が、前記水圧モータに前記循環水供給部から加圧した前記循環水を送る高圧水管と、
前記水圧モータから前記循環水供給部に前記循環水を戻す低圧水管とを備え、
前記循環水冷却機構が、前記吸水口から吸い上げる前又は吸い上げる途中の前記原水に前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一部が接触可能に配された冷却用配管部を有していることを特徴とするポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載のポンプにおいて、
前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一部を前記ケーシング内に配した部分を備えていることを特徴とするポンプ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のポンプにおいて、
前記ケーシングの前記吸水口が、前記原水が貯留された吸水槽内に配され、
前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一部を前記吸水槽内の前記原水に接触させた部分を備えていることを特徴とするポンプ。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載のポンプにおいて、
前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一方の外周面に冷却フィンを備えていることを特徴とするポンプ。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか一項に記載のポンプにおいて、
前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一方を螺旋状に配した螺旋部を有していることを特徴とするポンプ。
【請求項7】
請求項2から6のいずれか一項に記載のポンプにおいて、
前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一方が複数の分岐管に枝分かれした部分を備えていることを特徴とするポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、救急排水用の立軸ポンプや土木仮設工事排水用あるいは農業用給排水用等のポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
異常気象による大雨や台風などの水災害時の救急排水用の立軸ポンプや土木仮設工事排水用あるいは農業用給排水用等のポンプでは、乾式水中モータを内蔵しているものが知られている。この水中モータを用いたポンプでは、冬季などの非出水期に水中モータを引き上げて倉庫等に保管するなどの維持管理が必要である。
例えば、特許文献1では、コラムパイプ内に水中モータポンプを配置したポンプ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-217299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術において、以下の課題が残されている。
乾式水中モータを用いたポンプでは、水中モータが内部に空気層のある構造の大型モータであると共に電気機器であるため、水密構造などの複雑な構造となっており、通年水中に設置すれば錆が進行して絶縁破壊等によって寿命が短くなる傾向があった。そのため、上述したように、非出水期にポンプから水中モータを引き上げて保管する煩雑な維持管理が必要があり、高コストでもあった。
また、従来の設備では、水中モータポンプの駆動用の動力電源に減電圧始動装置(リアクトルコンドルファ)を内蔵した高圧配電盤を介して発電機用ディーゼルエンジンから電源を供給して駆動していたため、高圧配電盤と発電機用ディーゼルエンジンとを収納する建屋設備も必要であった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、水中モータを用いずに、管理や設備を簡易化することが可能なポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るポンプは、羽根車が取り付けられ回転駆動される回転軸と、前記回転軸を回転駆動する水圧モータと、内部に前記羽根車を回転可能に支持すると共に原水を吸い上げる吸水口を端部に有したケーシングと、前記水圧モータに循環水を送る循環水流路と、前記ケーシングの外部に設置され前記循環水流路を介して加圧した前記循環水を前記水圧モータに送る循環水供給部と、前記循環水流路中の前記循環水を冷却する循環水冷却機構とを備えていることを特徴とする。
【0007】
このポンプでは、ケーシングの外部に設置され循環水流路を介して加圧した循環水を水圧モータに送る循環水供給部と、循環水流路中の循環水を冷却する循環水冷却機構とを備えているので、電気機器ではなく管理や設備が簡易な水圧モータで羽根車を駆動すると共に、循環水冷却機構により循環水を冷却して水圧モータの過熱を抑制することができる。
【0008】
第2の発明に係るポンプは、第1の発明において、前記循環水流路が、前記水圧モータに前記循環水供給部から加圧した前記循環水を送る高圧水管と、前記水圧モータから前記循環水供給部に前記循環水を戻す低圧水管とを備え、前記循環水冷却機構が、前記吸水口から吸い上げる前又は吸い上げる途中の前記原水に前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一部が接触可能に配された冷却用配管部を有していることを特徴とする。
すなわち、このポンプでは、循環水冷却機構が、吸水口から吸い上げる前又は吸い上げる途中の原水に高圧水管及び低圧水管の少なくとも一部が接触可能に配された冷却用配管部を有しているので、高圧水管及び低圧水管の冷却用配管部が原水と接触することで循環水の効率的な放熱が可能になる。
【0009】
第3の発明に係るポンプは、第2の発明において、前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一部を前記ケーシング内に配した部分を備えていることを特徴とする。
すなわち、このポンプでは、冷却用配管部が、高圧水管及び低圧水管の少なくとも一部をケーシング内に配した部分を備えているので、ケーシング内に流れる原水に冷却用配管部が接触することで潤滑水を冷却することができる。
【0010】
第4の発明に係るポンプは、第2又は第3の発明において、前記ケーシングの前記吸水口が、前記原水が貯留された吸水槽内に配され、前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一部を前記吸水槽内の前記原水に接触させた部分を備えていることを特徴とする。
すなわち、このポンプでは、冷却用配管部が、高圧水管及び低圧水管の少なくとも一部を吸水槽内の原水に接触させた部分を備えているので、吸水槽内に貯留された原水に冷却用配管部が接触することで潤滑水を冷却することができる。
【0011】
第5の発明に係るポンプは、第2から第4の発明のいずれかにおいて、前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一方の外周面に冷却フィンを備えていることを特徴とする。
すなわち、このポンプでは、冷却用配管部が、高圧水管及び低圧水管の少なくとも一方の外周面に冷却フィンを備えているので、冷却フィンによる放熱により循環水をさらに効果的に冷却することができる。
【0012】
第6の発明に係るポンプは、第2から第5の発明のいずれかにおいて、前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一方を螺旋状に配した螺旋部を有していることを特徴とする。
すなわち、このポンプでは、冷却用配管部が、高圧水管及び低圧水管の少なくとも一方を螺旋状に配した螺旋部を有しているので、螺旋状に配された部分により原水との接触面積が増大して放熱性が高まり、より効果的に循環水を冷却することができる。
【0013】
第7の発明に係るポンプは、第2から第6の発明のいずれかにおいて、前記冷却用配管部が、前記高圧水管及び前記低圧水管の少なくとも一方が複数の分岐管に枝分かれした部分を備えていることを特徴とする。
すなわち、このポンプでは、冷却用配管部が、高圧水管及び低圧水管の少なくとも一方が複数の分岐管に枝分かれした部分を備えているので、複数の分岐管に枝分かれした部分により原水との接触面積が増大して放熱性が高まり、より効果的に循環水を冷却することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明のポンプによれば、ケーシングの外部に設置され循環水流路を介して加圧した循環水を水圧モータに送る循環水供給部と、循環水流路中の循環水を冷却する循環水冷却機構とを備えているので、管理や設備が簡易となる水圧モータで羽根車を駆動すると共に、循環水冷却機構により循環水を冷却して水圧モータの過熱を抑制することができる。
したがって、本発明のポンプでは、水中ポンプが不要となり、浸水による短絡事故が生じないと共に煩雑な維持管理や高圧配電盤用の建屋設備等も不要となり、管理・設備コスト及び消費電力の低減により低コスト化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るポンプの第1実施形態を示す全体の断面図である。
図2】本発明に係るポンプの第2実施形態を示す全体の断面図である。
図3】本発明に係るポンプの第3実施形態を示す全体の断面図である。
図4】本発明に係るポンプの第4実施形態を示す要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明におけるポンプの第1実施形態を、図1に基づいて説明する。
【0017】
本実施形態におけるポンプ1は、例えば河川の救急排水ポンプであり、図1に示すように、羽根車(インペラ)2が取り付けられ回転駆動される回転軸3と、回転軸3を回転駆動する水圧モータ4と、内部に羽根車2を回転可能に支持すると共に原水Wを吸い上げる吸水口5aを端部に有したケーシング5と、水圧モータ4に循環水を送る循環水流路6と、ケーシング5の外部に設置され循環水流路6を介して加圧した循環水を水圧モータ4に送る循環水供給部7と、循環水流路6中の循環水を冷却する循環水冷却機構8とを備えている。
【0018】
なお、本実施形態のポンプ1は、吸水口5aを下端にしてケーシング5が垂直に設置され水圧モータ4をケーシング5内に配した水災害時の緊急排水用のコラム型立軸ポンプである。
上記循環水流路6は、水圧モータ4に循環水供給部7から加圧した循環水を送る高圧水管6Aと、水圧モータ4から循環水供給部7に循環水を戻す低圧水管6Bとを備えている。
【0019】
上記循環水冷却機構8は、吸水口5aから吸い上げる前又は吸い上げる途中の原水Wに高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一部が接触可能に配された冷却用配管部10を有している。
本実施形態では、冷却用配管部10がケーシング5内に配されて吸水口5aから吸い上げるる途中の原水Wに接触可能となっている。
また、冷却用配管部10は、高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一方の外周面に冷却フィン9を備えている。
【0020】
本実施形態では、高圧水管6Aと低圧水管6Bとの両方に冷却フィン9が1枚ずつ取り付けられている。
上記冷却フィン9は、高圧水管6A及び低圧水管6Bに沿って上下に延在した長板状であり、ステンレス等の耐蝕性の高い金属板で形成されている。
なお、図1では、分かり易くするために、冷却フィン9にハッチングを施している。また、複数枚の冷却フィン9を高圧水管6A及び低圧水管6Bに取り付けても構わない。
【0021】
上記循環水供給部7は、高圧水管6Aに加圧した潤滑水を送る水圧ポンプ7aと、水圧ポンプ7aを駆動するディーゼルエンジン7bとを備え、これらが陸上の建屋7c内に設置されている。
上記回転軸3は、ベアリング等を用いた軸受3a等を介してケーシング5内に回転可能に支持されている。
【0022】
上記羽根車2は、例えばステンレス等で形成されており、回転軸3の外周面に取り付けられている。この羽根車2は、回転軸3の回転方向と同じ方向に回転すると、河川水等の原水Wを下方から上方へと押し出し可能なプロペラ形状とされている。
上記高圧水管6A及び低圧水管6Bは、例えばステンレス等の耐蝕性の高い金属等で形成されている。
【0023】
上記ケーシング5は、下端に水の吸込口5aを有する筒状のコラムパイプであり、上部側に吐出管5bが接続されている。
本実施形態のポンプ1は、吸込水槽の上部の据付床(図示略)に形成された据付孔に取り付けられたポンプベース(ベースプレート)(図示略)にケーシング5上部が固定されて吊り下げ設置されている。
【0024】
このように本実施形態のポンプ1では、ケーシング5の外部に設置され循環水流路6を介して加圧した循環水を水圧モータ4に送る循環水供給部7と、循環水流路6中の循環水を冷却する循環水冷却機構8とを備えているので、電気機器ではなく管理や設備が簡易な水圧モータ4で羽根車2を駆動すると共に、循環水冷却機構8により循環水を冷却して水圧モータ4の過熱を抑制することができる。
【0025】
また、循環水冷却機構8が、吸水口5aから吸い上げる前又は吸い上げる途中の原水Wに高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一部が接触可能に配された冷却用配管部10を有しているので、高圧水管6A及び低圧水管6Bの冷却用配管部10が原水Wと接触することで循環水の効率的な放熱が可能になる。
【0026】
また、冷却用配管部10が、高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一部をケーシング5内に配した部分を備えているので、ケーシング5内に流れる原水Wに冷却用配管部10が接触することで潤滑水を冷却することができる。
特に、本実施形態のポンプ1は、吸水口5aを下端にしてケーシング5が垂直に設置され水圧モータ4をケーシング5内に配した立軸ポンプであるので、下端の吸水口5aから吸い上げる河川水等の原水Wと高圧水管6A及び低圧水管6Bの部分とを接触させて循環水を放熱させることで、水圧モータ4を冷却することができる。
【0027】
さらに、冷却用配管部10が、高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一方の外周面に冷却フィン9を備えているので、冷却フィン9による放熱により循環水をさらに効果的に冷却することができる。
【0028】
次に、本発明に係るポンプの第2から第4実施形態について、図2から図4を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0029】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態のポンプ1が、立軸ポンプであるのに対し、第2実施形態のポンプ21では、図2に示すように、横軸ポンプであるチューブラポンプである点である。
すなわち、第2実施形態では、水平方向に軸線を有したケーシング25の一端に原水Wの吸水口5aが設けられ、他端から原水Wが排水される。また、ケーシング25内に、回転軸3を水平に配して水圧モータ4が設置されている。なお、羽根車2と水圧モータ4との回転軸3は、減速機24aを介して接続されている。
【0030】
また、第2実施形態では、冷却用配管部20が、高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一部をケーシング25内に配した螺旋部29を備えている点で第1実施形態と異なっている。
すなわち、ケーシング25内に設置された水圧モータ4に高圧水管6A及び低圧水管6Bが接続されており、ケーシング25内に配された高圧水管6A及び低圧水管6Bの一部が、螺旋状に配したスパイラルコイルの螺旋部29となっている。
【0031】
このように第2実施形態のポンプ21では、冷却用配管部20が、高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一方を螺旋状に配した螺旋部29を有しているので、螺旋部29により原水Wとの接触面積が増大して放熱性が高まり、より効果的に循環水を冷却することができる。
【0032】
次に、第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態のポンプ21が、ケーシング25内に水圧モータ4を設置しているのに対し、第3実施形態のポンプ31では、図3に示すように、ケーシング35の外部に水圧モータ4を設置している点である。
すなわち、第3実施形態のポンプ31は、横軸斜流ポンプである。
第3実施形態のケーシング35は、吸水槽T1に貯留された原水W内に下端の吸水口5aを入れた状態で垂直な軸線を有して吊り下げされた吸い込み管35aを備えている。
上記ケーシング35は、吸い込み管35aの上部に接続され吸水槽T1の上部に設置され羽根車2を回転可能に収納したケーシング本体35bを備えている。
【0033】
また、第3実施形態では、冷却用配管部30が、高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一部を吸水槽T1内の原水Wに接触させた部分を備えている点で第2実施形態と異なっている。
すなわち、第3実施形態では、高圧水管6A及び低圧水管6Bがケーシング35の吸い込み管35a外周面を巻回するように配されて螺旋部39を構成しており、螺旋部39が吸水槽T1内の原水Wに直接、接触可能になっている。
【0034】
上記羽根車2は、吸水槽T1の上部に設置された水圧モータ4の回転軸3に接続されている。
上記ケーシング本体35bは、吐出管35cの一端に接続され、吐出管35cの他端が、吐出水槽T3内に配されている。
したがって、第3実施形態のポンプ31では、水圧モータ4によりケーシング本体35b内の羽根車2が回転駆動されると、吸水口5aから吸水槽T1の原水Wが吸い上げられ、吸い込み管35a,ケーシング本体31a及び吐出管35Bを介して吐出槽T3内に吐き出される。
【0035】
なお、高圧水管6A及び低圧水管6Bの一部は、吸水槽T1への補給用水槽T2内にも配されており、補給用水槽T2内の水にも接触されている。
このように第3実施形態のポンプ31では、冷却用配管部30が、高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一部を吸水槽T1内の原水Wに接触させた部分(螺旋部39等)を備えているので、吸水槽T1内に貯留された原水Wに冷却用配管部30が接触することで潤滑水を冷却することができる。
【0036】
次に、第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、高圧水管6A及び低圧水管6Bが共に1本ずつケーシング5内に延在している部分が冷却用配管部10となっているのに対し、第4実施形態のポンプ41では、図4に示すように、ケーシング内において冷却用配管部40が、高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一方が複数の分岐管48aに枝分かれした部分を備えている点である。
【0037】
すなわち、冷却用配管部40は、複数の分岐管48aで構成された多鋼管部48を備えている。
なお、本実施形態のポンプでは、高圧水管6A及び低圧水管6Bの両方に複数の分岐管48aを備えた冷却用配管部40を設けている(図4では、高圧水管6Aに接続されている多鋼管部48を図示している。)。
上記多鋼管部48は、上下に延在する複数の分岐管48aで構成された多鋼管本体48bと、多鋼管本体48bの上部に設けられた空間である循環水導入室48cと、多鋼管本体48bの下部に設けられた空間である循環水排出室48dとを備えている。
【0038】
上記循環水導入室48cには、水圧ポンプ側の高圧水管6Aが接続されていると共に、上記循環水排出室48dには、水圧モータ側の高圧水管6Aが接続されている。
また、多鋼管本体48b内には、ケーシング内で吸い上げられる原水Wを流入させて複数の分岐管48aの周囲に流れ込ませることが可能な原水流入口48eが設けられていると共に、多鋼管本体48b内の原水Wをケーシング内に排水可能な原水排出口48fが設けられている。
【0039】
したがって、水圧ポンプ側の高圧水管6Aで循環水導入室48c内に送り込まれた潤滑水は、複数の分岐管48aに分かれて多鋼管本体48b内を流通すると共に、複数の分岐管48aの周囲を流れる原水Wによって放熱された後、循環水排出室48dを介して水圧モータ4側の高圧水管6Aに送り込まれる。
このように第4実施形態のポンプでは、冷却用配管部40が、高圧水管6A及び低圧水管6Bの少なくとも一方が複数の分岐管48aに枝分かれした部分(多鋼管部48)を備えているので、複数の分岐管48aに枝分かれした部分(多鋼管部48)により原水Wとの接触面積が増大して放熱性が高まり、より効果的に循環水を冷却することができる。
【0040】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
すなわち、第1実施形態の冷却フィンを他の上記実施形態に設けても構わないと共に、第2及び第3実施形態の螺旋部を第1実施形態や第4実施形態に設けても構わない。また、第4実施形態の複数の分岐管を他の上記実施形態に設けても構わない。
【符号の説明】
【0041】
1,21,31…ポンプ、2…羽根車、3…回転軸、4…水圧モータ、5a…吸水口、5,25,35…ケーシング、6…循環水流路、6A…高圧水管、6B…低圧水管、7…循環水供給部、8…循環水冷却機構、9…冷却フィン、10,20,30,40…冷却用配管部、29,39…螺旋部、48a…分岐管、T1…吸水槽、W…原水
図1
図2
図3
図4