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  • 特開-雨樋用集水具及びその設置方法 図1
  • 特開-雨樋用集水具及びその設置方法 図2
  • 特開-雨樋用集水具及びその設置方法 図3
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  • 特開-雨樋用集水具及びその設置方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153826
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】雨樋用集水具及びその設置方法
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/08 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
E04D13/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056553
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】522203134
【氏名又は名称】特定非営利活動法人明日の京都文化遺産プラットフォーム
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶川 伸二
(57)【要約】
【課題】既存の雨樋を部分的に切断する必要がなく、設置するための時間、費用および手間等がかからない雨樋用集水具を提供すること。
【解決手段】雨樋用集水具は、雨樋の竪樋10の側面に形成された孔部100に挿通されて取り付けられる鞘管3と、鞘管3に挿通される線状体20と、を備える。線状体20は、雨樋の竪樋10の内壁に沿って螺旋状に配置され、雨樋の竪樋10を流れる雨水を貯水部5に導くよう構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨樋の竪樋の側面に形成された孔部に挿通されて取り付けられる鞘管と、
前記鞘管に挿通される線状体と、を備え、
前記線状体は、前記雨樋の竪樋の内壁に沿って螺旋状に配置され、前記雨樋の竪樋を流れる雨水を貯水部に導くよう構成される、雨樋用集水具。
【請求項2】
前記鞘管は、弾性を有し、軸方向に形成されたスリット部を備える、請求項1に記載の雨樋用集水具。
【請求項3】
雨樋の軒樋又は呼び樋の底面に形成された孔部に挿通される線状体と、
前記線状体の上端に取り付けられた係止部と、を備え、
前記係止部は、弾性を有し、前記雨樋の軒樋又は呼び樋に形成された前記孔部に係止され、
前記線状体は、前記雨樋の軒樋又は呼び樋を流れる雨水を貯水部に導くよう構成される、雨樋用集水具。
【請求項4】
前記雨樋用集水具は、前記雨樋の軒樋を流れる雨水を堰き止める堰き止め部を備え、
前記堰き止め部は、前記雨樋の軒樋に載置されるプレート部と、前記プレート部から下方に突出するストッパー部とを備える、請求項3に記載の雨樋用集水具。
【請求項5】
雨樋の竪樋の側面に孔部を形成する工程と、
前記雨樋の竪樋に形成された前記孔部に鞘管を挿通して取り付ける工程と、
前記鞘管に線状体を挿通して、前記雨樋の竪樋の内壁に沿って螺旋状に配置する工程と、を備え、
前記線状体は、前記雨樋を流れる雨水を貯水部に導くように構成される、雨樋用集水具設置方法。
【請求項6】
前記鞘管は、弾性を有し、軸方向に形成されたスリット部を備える、請求項5に記載の雨樋用集水具設置方法。
【請求項7】
雨樋の軒樋又は呼び樋の底面に孔部を形成する工程と、
弾性を有する係止部が上端に取り付けられた線状体を準備する工程と、
前記係止部を窄めて前記孔部に通した後に広がって係止する工程と、を備える、雨樋用集水具設置方法。
【請求項8】
前記雨樋用集水具設置方法は、
前記雨樋の軒樋に堰き止め部を載置する工程を備え、
前記堰き止め部は、前記雨樋の軒樋を流れる雨水を堰き止めるために、前記雨樋の軒樋に載置されるプレート部と、前記プレート部から下方に突出するストッパー部とを備える、請求項7に記載の雨樋用集水具設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等における雨樋を流れる雨水を貯水部に導く雨樋用集水具及びその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等における雨樋を流れる雨水を貯水部に導く従来の雨樋用集水具は、例えば特許文献1に開示されている。この雨樋用集水具は、既存の雨樋に後付けできるようにして汎用性を高めると共に、ゴミ詰まりの解消、メンテナンスの容易化が図られている。この雨樋集用水具では、取水器1aが、底板部2d及び側板部2sを有し、かつ下部に取水した雨水Wを外部に排出する取水排出部3を設けた容器状の取水ケース部2を有する。
【0003】
そのため、従来の雨樋用集水具は、既存の雨樋を部分的に切断する必要があることから、設置するために時間、費用および手間がかかるという問題がある。また、既存の雨水を部分的に切断することは、復旧が難しくなり、心理的な抵抗感があることから、集水具が普及され難いという問題もある。さらに、従来の雨樋用集水具では、雨樋の大きさや形状に合わない場合は取り付けることができないことがあり、汎用性に欠けることから、普及が難く、採用するために様々な配慮が必要という問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-9155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、既存の雨樋を部分的に切断する必要がなく、また、様々な形状や大きさの雨樋に適用され、設置するための時間、費用および手間等がかからない雨樋用集水具及びその設置方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る雨樋用集水具は、雨樋の竪樋の側面に形成された孔部に挿通されて取り付けられる鞘管と、鞘管に挿通される線状体と、を備える。線状体は、雨樋の竪樋の内壁に沿って螺旋状に配置され、雨樋の竪樋を流れる雨水を貯水部に導くよう構成される。
【0007】
鞘管は、弾性を有し、軸方向に形成されたスリット部を備えることが望ましい。
【0008】
また、本発明に係る雨樋用集水具は、雨樋の軒樋又は呼び樋の底面に形成された孔部に挿通される線状体と、線状体の上端に取り付けられた係止部と、を備える。係止部は、弾性を有し、雨樋の軒樋又は呼び樋に形成された孔部に係止される。線状体は、雨樋の軒樋又は呼び樋を流れる雨水を貯水部に導くよう構成される。
【0009】
雨樋用集水具は、雨樋の軒樋を流れる雨水を堰き止める堰き止め部を備えることが望ましい。堰き止め部は、雨樋の軒樋に載置されるプレート部と、プレート部から下方に突出するストッパー部とを備える。
【0010】
また、本発明に係る雨樋用集水具設置方法は、雨樋の竪樋の側面に孔部を形成する工程と、雨樋の竪樋に形成された孔部に鞘管を挿通して取り付ける工程と、鞘管に線状体を挿通して、雨樋の竪樋の内壁に沿って螺旋状に配置する工程と、を備える。線状体は、雨樋を流れる雨水を貯水部に導くように構成される。
【0011】
また、本発明に係る雨樋用集水具設置方法は、雨樋の軒樋又は呼び樋の底面に孔部を形成する工程と、弾性を有する係止部が上端に取り付けられた線状体を準備する工程と、係止部を窄めて孔部に通した後に広がって係止する工程と、を備える。
【0012】
また、本発明に係る雨樋用集水具設置方法は、雨樋の軒樋に堰き止め部を載置する工程を備えることが望ましい。堰き止め部は、雨樋の軒樋を流れる雨水を堰き止めるために、雨樋の軒樋に載置されるプレート部と、プレート部から下方に突出するストッパー部とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る雨樋用集水具及びその設置方法は、既存の雨樋を部分的に切断する必要がなく、また、既存の雨樋が様々な形状や大きさであっても適用でき、設置するための時間、費用および手間等がかからないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】雨樋用集水具の第1実施形態を示し、図1Aは側面図、図1B図1AのB矢視図、図1C図1AのC矢視図。
図2】鞘管を示し、図2Aは平面図、図2Bは断面図。
図3】雨樋用集水具の第2実施形態を示し、図3Aは側面図、図3B図3AのB矢視図。
図4】雨樋用集水具の第3実施形態を示し、図4Aは側面図、図4B図4AのB矢視図、図4C図4AのC矢視図。
図5】雨樋用集水具を雨樋に取り付けた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本発明に係る雨樋用集水具及びその設置方法の実施形態を説明する。
【0016】
<第1実施形態>
図1及び図2に基づいて、雨樋用集水具及びその設置方法の第1実施形態を説明する。
図1の通り、住宅等における既存の雨樋の竪樋10の側面に孔部100を形成する。孔部100は、例えば、直径5~10mm程度であるが、これに限定されない。
【0017】
雨樋用集水具2は、鞘管3を備えており、竪樋10の孔部100に鞘管3を挿通する。鞘管3は、孔部100の直径より小さな直径を有している。鞘管3を水平に対して約45度に傾斜して挿入することで、鞘管3を孔部100に引っ掛けて位置を固定することができる。鞘管3は、例えば、銅製であって、雨水に対する耐久性に優れており、雨水の汚れを除去等することができる。
【0018】
雨樋用集水具2は、線状体20を備える。線状体20を鞘管3に挿通して押し込むことで、線状体20が竪樋10の内壁に沿って自然に螺旋状に格納される。線状体20が竪樋10の内壁に沿って螺旋状に配置されるよう、所定の直径、弾性、剛性及び耐久性等を有する。線状体20は、例えば、ナイロンコード等の合成樹脂製が好ましい。
【0019】
線状体20が竪樋10の内壁に沿って螺旋状に配置されることから、線状体20を竪樋10の内壁の360度以上にわたって配置することができる。竪樋10を流れる雨水が少量の場合、雨水は竪樋10の内壁の任意の位置に沿って流れるが、線状体20を竪樋10の内壁の360度以上に配置することで、竪樋10の内壁の任意の場所に流れる雨水を確実に誘引して、竪樋10の外部に設置された貯水部5に案内することができる。また、雨水中のゴミが線状体20に補足されることから、ゴミを貯水部5に案内しないようにできる。
【0020】
鞘管3を傾斜して配置することで、線状体20を適切に竪樋10の内壁に案内して配置することができる。また、鞘管3によって、線状体20に伝わる雨水を適切に竪樋10の外部に設置された貯水部5に案内することができる。
【0021】
図2の通り、鞘管3は、所定の弾性を有する合成樹脂製であってもよい。この場合、鞘管3は、軸方向に直線にカットされた1本のスリット部30を有している(図2A)。スリット部30によって、鞘管3を窄めたり広げたりでき、鞘管3の直径を調整することができる。従って、竪樋10の孔部100の直径が鞘管3の直径より小さい場合でも、鞘管3を窄めて(図2B)孔部100に挿入した後に、弾性力で広がることによって、鞘管3を孔部100に密着させることができる。鞘管3が孔部100に密着することで、孔部100からの水漏れを防ぐことができる。
【0022】
<第2実施形態>
図3に基づいて、雨樋用集水具及びその設置方法の第2実施形態を説明する。
図3の通り、住宅等における既存の雨樋の軒樋11の底面に孔部110を形成する。孔部110は、例えば、直径5~10mm程度であるが、これに限定されない。
【0023】
雨樋用集水具2は、線状体21と、線状体21の上端に取り付けられた係止部210と、を備える。線状体21は、例えば、布テープであって、幅が約10mmである。線状体21が所定の幅を有することで、軒樋11に流れる雨水を適切に案内することができる。また、係止部210は、例えば、合成樹脂製であって、所定の弾性を有するリング状部材である。係止部210の直径は、通常時において、孔部110の直径より大きく構成される。
【0024】
雨樋用集水具2を軒樋11に取り付ける際に、係止部210を窄めて軒樋11の孔部110に挿入した後に、弾性力で広がることによって、係止部210が孔部110に係止される。その結果、係止部210と共に線状体21を軒樋11の底面に配置することができる。軒樋11を流れる雨水が少量の場合、雨水は軒樋11の底面に沿って流れるが、係止部210を軒樋11の底面に配置することで、軒樋11の底面を流れる雨水を線状体21に確実に誘引して案内することができる。そして、線状体21に誘引される雨水を適切に軒樋11の外部に設置された貯水部5に案内することができる。また、係止部210が弾性体で構成されることで、子供などが線状体21に引っ掛かっても、孔部110から簡単に抜けるので、軒樋11を破損しないようにできる。
【0025】
<第3実施形態>
図4に基づいて、雨樋用集水具及びその設置方法の第3実施形態を説明する。
図4の通り、上記の第2実施形態と同様、住宅等における既存の雨樋の軒樋11の底面に孔部110を形成する。また、雨樋用集水具2は、第2実施形態と同様、線状体21と、線状体21の上端に取り付けられた係止部210と、を備える。
【0026】
雨樋用集水具2は、さらに、軒樋11を流れる雨水を堰き止める堰き止め部4を備える。堰き止め部4は、例えば金属製である。堰き止め部4は、軒樋11に載置されるプレート部40を備える。図4A及び図4Bの通り、プレート部40の幅は、プレート部40が軒樋11の内壁に引っ掛かって、軒樋11の底面から所定距離だけ上方に配置されるように設定される。
【0027】
堰き止め部4は、プレート部40から下方に突出するように取り付けられたストッパー部41を備える。ストッパー部41は、プレート部40と軒樋11の底面との間に配置される。そして、ストッパー部41は、軒樋11の底面に接触または近接するように配置される。その結果、軒樋11の底面を流れる雨水を、ストッパー部41で適切に堰き止めることができる。
【0028】
また、図4Cの通り、プレート部40は、孔部400を備える。プレート部40の孔部400は、軒樋11の孔部110と同様、例えば、直径10~20mm程度であるが、これに限定されない。そして、プレート部40の孔部400は、軒樋11の孔部110の上方に配置される。
【0029】
雨樋用集水具2を軒樋11に取り付ける際に、係止部210を窄めて、軒樋11の孔部110及びプレート部40の孔部400に挿入した後に、弾性力で広がることによって、係止部210が孔部110,400に係止される。その結果、線状体21を軒樋11の底面に配置することができる。軒樋11を流れる雨水が少量の場合、雨水は軒樋11の底面に沿って流れるが、堰き止め部4のストッパー部41で雨水を堰き止めると共に、線状体21を軒樋11の底面に配置することで、軒樋11の底面を流れる雨水を線状体21に確実に誘引して案内することができる。そして、線状体21に誘引される雨水を適切に軒樋11の外部に設置された貯水部5に案内することができる。
【0030】
図5の通り、既存の雨樋として、竪樋10と軒樋11の他にも、竪樋10と軒樋11に連結される呼び樋12がある。呼び樋12は、水平方向に対して傾斜して延設されているので、上記の第2実施形態の雨樋用集水具2を取り付けることができる。すなわち、呼び樋12の底面に孔部110を形成して、係止部210と共に線状体21を孔部110に取り付ける。その結果、呼び樋12の底面を流れる雨水を線状体21に確実に誘引して案内することができる。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の構成はこれらの実施形態に限定されない。
・第1実施形態の雨樋用集水具2では、線状体20は、竪樋10の内壁に沿って上方に向けて螺旋状に配置されるので、所定の弾性および剛性を要するが、ナイロンコードに限らず、様々な種類の樹脂製、金属製等でもよい。
また、線状体20は、合成樹脂製の細い筒部材であってもよい。その場合、雨水は、線状体20の外面及び内面に沿って導かれる。
・第2及び第3実施形態の雨樋用集水具2では、線状体21は、軒樋11又は呼び樋12から垂れ下がるだけなので、弾性および剛性を要しないが、所定の幅を有することが好ましく、また、布テープに限らず、アクリル製等、様々な種類の樹脂製等の線状体で構成することができる。
・第2及び第3実施形態の雨樋用集水具2では、係止部210は、リング状部材に限らず、例えば、所定の弾性を有する球状部材、折り畳み可能なT字部材等で構成することができる。
【0032】
本発明の効果について説明する。
【0033】
本発明に係る雨樋用集水具2は、雨樋の竪樋10の側面に形成された孔部100に挿通されて取り付けられる鞘管3と、鞘管3に挿通される線状体20と、を備える。線状体20は、雨樋の竪樋10の内壁に沿って螺旋状に配置され、雨樋の竪樋10を流れる雨水を貯水部5に導くよう構成される。
そのため、この雨樋用集水具2では、既存の雨樋10に孔部100を形成するだけでよく、既存の雨樋を部分的に切断する必要がなく、また、既存の雨樋が様々な形状や大きさであっても適用でき、設置するための時間、費用および手間等がかからないという効果を奏する。さらに、線状体20が、雨樋の竪樋10の内壁に沿って螺旋状に配置されることから、雨水が少量で、雨樋の竪樋10の内壁の任意の場所に雨水が流れる場合であっても、線状体20で雨水を確実に誘引して、竪樋10の外部に設けられた貯水部5に案内することができる。その際、雨水中のゴミが線状体20に補足されることから、ゴミを貯水部5に案内しないようにできる。また、鞘管3によって、線状体20に伝わる雨水を適切に竪樋10の外部に設置された貯水部5に案内することができる。
【0034】
鞘管3は、弾性を有し、軸方向に形成されたスリット部30を備えることが望ましい。スリット部30を形成することで、鞘管3を窄めたり広げたりでき、鞘管3の直径を調整することができる。その結果、竪樋10の孔部100の直径が鞘管3の直径より小さい場合でも、鞘管3を窄めて孔部100に挿入した後に、弾性力で広がることによって、鞘管3を孔部100に密着させることができる。鞘管3が孔部100に密着することで、孔部100からの水漏れを防ぐことができる。
【0035】
また、本発明に係る雨樋用集水具2は、雨樋の軒樋11又は呼び樋12の底面に形成された孔部110に挿通される線状体21と、線状体21の上端に取り付けられた係止部210と、を備える。係止部210は、弾性を有し、雨樋の軒樋11又は呼び樋12に形成された孔部110に係止される。線状体21は、雨樋の軒樋11又は呼び樋12を流れる雨水を貯水部5に導くよう構成される。
そのため、この雨樋用集水具2では、既存の雨樋11,12に孔部110を形成するだけでよく、既存の雨樋を部分的に切断する必要がなく、設置するための時間、費用および手間等がかからないという効果を奏する。雨樋用集水具2を軒樋11に取り付ける際に、係止部210を窄めて軒樋11の孔部110に挿入した後に、弾性力で広がることによって、係止部210が孔部110に係止される。その結果、係止部210と共に線状体21を軒樋11の底面に配置することができる。軒樋11を流れる雨水が少量の場合、雨水は軒樋11の底面に沿って流れるが、係止部210を軒樋11の底面に配置することで、軒樋11の底面を流れる雨水を線状体21に確実に誘引して案内することができる。そして、線状体21に誘引される雨水を適切に軒樋11の外部に設置された貯水部5に案内することができる。また、係止部210が弾性体で構成されることで、子供などが線状体21に引っ掛かっても、孔部110から簡単に抜けるので、軒樋11を破損しないようにできる。
【0036】
雨樋用集水具2は、雨樋の軒樋11を流れる雨水を堰き止める堰き止め部4を備えることが望ましい。そして、堰き止め部4は、雨樋の軒樋11に載置されるプレート部40と、プレート部40から下方に突出するストッパー部41とを備える。
軒樋11を流れる雨水が少量の場合、雨水は軒樋11の底面に沿って流れるが、堰き止め部4のストッパー部41で雨水を堰き止めると共に、線状体21を軒樋11の底面に配置することで、軒樋11の底面を流れる雨水を線状体21に確実に誘引して案内することができる。そして、線状体21に誘引される雨水を適切に軒樋11の外部に設置された貯水部5に案内することができる。
【0037】
また、本発明に係る雨樋用集水具設置方法は、雨樋の竪樋10の側面に孔部100を形成する工程と、雨樋の竪樋10に形成された孔部100に鞘管3を挿通して取り付ける工程と、鞘管3に線状体20を挿通して、雨樋の竪樋10の内壁に沿って螺旋状に配置する工程と、を備える。線状体20は、雨樋10を流れる雨水を貯水部5に導くように構成される。
また、本発明に係る雨樋用集水具設置方法は、雨樋の軒樋11又は呼び樋12の底面に孔部110を形成する工程と、上端に係止部210が取り付けられた線状体21を準備する工程と、係止部210を窄めて孔部110に通した後に広がって係止する工程と、を備える。係止部210は、弾性を有する。
そのため、上記と同様、雨樋用集水具2を設置する際、既存の雨樋11,12に孔部110を形成するだけでよく、既存の雨樋を部分的に切断する必要がなく、設置するための時間、費用および手間等がかからないという効果を奏する。
【符号の説明】
【0038】
10 雨樋の竪樋
11 雨樋の軒樋
12 雨樋の呼び樋
100,110 孔部
2 雨樋用集水具
20,21 線状体
210 係止部
3 鞘管
30 スリット部
4 堰き止め部
40 プレート部
41 ストッパー部
5 貯水部
図1
図2
図3
図4
図5