(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153838
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】通信制御装置及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/45 20130101AFI20221005BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20221005BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
G06F21/45
G06F21/31
H04Q9/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056569
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】田代 達一郎
(72)【発明者】
【氏名】倉林 慶太
(72)【発明者】
【氏名】宮内 隆
(72)【発明者】
【氏名】宇野 舞
(72)【発明者】
【氏名】松田 光佑
(72)【発明者】
【氏名】藤田 淳子
(72)【発明者】
【氏名】大野 宏孝
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048AA15
5K048BA12
5K048DA02
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB06
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
(57)【要約】
【課題】ユーザ以外の者に建物内のデバイスの初期設定を委託した場合において、初期設定後において、ユーザ以外の者によって建物内のデバイスが遠隔から操作されてしまうことを抑制する通信制御装置及び情報処理システムを提供することである。
【解決手段】ローカルモードである場合に、外部装置から入力されるログイン情報が格納部に格納されるローカル認証情報と一致する場合には前記外部装置による設定情報の初期設定を許可する通信管理部を備え、前記通信管理部は、前記第2のネットワークを介して前記サーバ装置からの接続が行われた場合には、前記格納部に格納されている前記ローカル認証情報を変更する、通信制御装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内のネットワークである第1のネットワークに接続されるデバイスの設定情報を管理するデバイス管理部と、
インターネット回線である第2のネットワークを介して接続されたサーバ装置に対して、前記デバイスに関する情報であり、前記設定情報を含む情報を提供する情報提供部と、
前記第1のネットワークが前記第2のネットワークに接続されていないローカルモードである場合に、前記第1のネットワークに接続されていない外部装置のログイン認証を行うためのローカル認証情報を格納する格納部と、
前記ローカルモードである場合に、前記外部装置から入力されるログイン情報が前記格納部に格納される前記ローカル認証情報と一致する場合には前記外部装置による前記設定情報の初期設定を許可する通信管理部と、
を備え、
前記通信管理部は、前記第2のネットワークを介して前記サーバ装置からの接続が行われた場合には、前記格納部に格納されている前記ローカル認証情報を変更する、
通信制御装置。
【請求項2】
前記通信管理部は、変更した前記ローカル認証情報を前記第2のネットワークを介して前記サーバ装置に送信する、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記情報提供部は、前記第1のネットワークに接続されているルータから前記デバイスの動作状態及び前記デバイスの検知結果の少なくとも何れかの情報であるデバイス情報を取得し、前記通信制御装置が前記第2のネットワークに接続されている場合には、前記デバイス情報を前記サーバ装置に送信する、
請求項1又は2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記第2のネットワークを介して前記サーバ装置から取得する制御指令と、前記デバイス情報と、の少なくとも何れかに基づいて、前記デバイスの動作を制御するデバイス制御部を備える、
請求項3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の通信制御装置と、
前記サーバ装置と、
を備え、
前記サーバ装置は、
ユーザに関する情報であるユーザ情報と前記通信制御装置の識別情報とが対応付けられた対応情報を格納する格納部と、
通信端末からのユーザの認証要求に応じてユーザ認証を実行し、ユーザ認証が成功した場合には、前記対応情報に基づいて前記ユーザ情報に対応付けられた前記通信制御装置に対して前記第2のネットワークを介して接続することで、前記ローカル認証情報を変更させる制御部と、
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信制御装置及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの携帯通信端末を用いて、建物内に設けられているデバイスをインターネット経由で遠隔操作する情報処理システムが提案されている。
【0003】
上記情報処理システムを導入する際には、デバイスの初期設定を行う必要がある。例えば、ユーザ以外の者に初期設定を委託した場合には、情報処理システムにログインするための認証情報を初期設定する者(以下、「設定者」という。)に伝える必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、デバイスの初期設定後において、ユーザ以外の者によって認証情報が使用され建物内のデバイスが遠隔から操作されてしまう場合がある。セキュリティの観点から改善の余地がある。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザ以外の者に建物内のデバイスの初期設定を委託した場合において、初期設定後において、ユーザ以外の者によって建物内のデバイスが遠隔から操作されてしまうことを抑制する通信制御装置及び情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、建物内のネットワークである第1のネットワークに接続されるデバイスの設定情報を管理するデバイス管理部と、インターネット回線である第2のネットワークを介して接続されたサーバ装置に対して、前記デバイスに関する情報であり、前記設定情報を含む情報を提供する情報提供部と、前記第1のネットワークが前記第2のネットワークに接続されていないローカルモードである場合に、前記第1のネットワークに接続されていない外部装置のログイン認証を行うためのローカル認証情報を格納する格納部と、前記ローカルモードである場合に、前記外部装置から入力されるログイン情報が前記格納部に格納される前記ローカル認証情報と一致する場合には前記外部装置による前記設定情報の初期設定を許可する通信管理部と、を備え、前記通信管理部は、前記第2のネットワークを介して前記サーバ装置からの接続が行われた場合には、前記格納部に格納されている前記ローカル認証情報を変更する、通信制御装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成図。
【
図4】本実施形態の設定者によって初期設定が行われる構成例。
【
図6】本実施形態のデバイスの初期設定が終了した後の情報処理システムの動作のシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の概略構成図である。本実施形態に係る情報処理システム1は、ユーザがスマートフォンなどの通信端末を用いて、ユーザの建物100に設けられたデバイス200をインターネット経由で遠隔操作したり、デバイス200の情報を取得したりするホームネットワークシステムである。建物100は、マンションや一軒家などの住宅、病院、施設などである。本実施形態では、建物100がユーザの住宅である場合について説明する。
【0010】
建物100に設けられたデバイス200は、建物100の敷地内の1つ以上の空間に設置された家電機器やセンサー等である。
【0011】
家電機器は、例えば、照明機器、空調機器、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、スマートスピーカ、電動窓、電動シャッター、電動ブラインド、電動カーテン、電子錠、インターフォン、給湯器、太陽光発電システム、室内又は室外を撮影するカメラなどである。センサーは、例えば、温度センサー、湿度センサー、ドアや窓等の開閉センサー、照度センサー、人検出センサー、鍵や窓等の開閉検出センサー等である。
【0012】
建物100内には、例えば、リビング、キッチン、浴室、玄関、子供部屋、書斎、および寝室などの複数の空間がある。例えば、この複数の空間のそれぞれに、1つ以上のデバイス200が設置される。これらのデバイスは、建物100内のネットワークである第1のネットワークNW1に接続される。
【0013】
図1に示すように、情報処理システム1は、通信インターフェース10及びサーバ装置20を備える。通信インターフェース10は、ルータ11及びゲートウェイ12を備える。通信インターフェース10又はゲートウェイ12は、「通信制御装置」の一例である。
【0014】
ルータ11は、建物100内の複数のデバイス200と第1のネットワークNW1を介して接続されている。なお、ルータ11には、建物100内のすべてのデバイス200が第1のネットワークNW1を介して接続されている必要はない。例えば、ルータ11には、建物100内のすべてのデバイス200のうち、1つまたは複数のデバイス200が第1のネットワークNW1を介して接続されている。
【0015】
第1のネットワークNW1は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよいし、有線通信の伝送路であってもよいし、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第1のネットワークNW1は、例えば、省電力広域ネットワーク(LPWAN:LPWAN:Low-power Wide-area Network)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee(登録商標)、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等を用いてもよい。
【0016】
ルータ11は、第1のネットワークNW1をインターネット回線である第2のネットワークNW2に接続しないローカルモードと、第1のネットワークNW1を第2のネットワークに接続するクラウドモードと、を有する。ルータ11は、ローカルモードとクラウドモードとのいずれかのモードで運用される。例えば、情報処理システム1が建物100に導入されてデバイス200の初期設定が行われる場合には、ルータ11がローカルモードで動作する。デバイス200の初期設定が終了して建物100に第2のネットワークが開通すると、ルータ11はクラウドモードで動作する。ルータ11におけるローカルモードとクラウドモードとの切り替えは、手動で行われてもよいし、自動で行われてもよい。例えば、ルータ11におけるローカルモードとクラウドモードとの切り替えは、ゲートウェイ12によって行われてもよい。
【0017】
ゲートウェイ12は、ルータ11に有線又は無線で接続される。例えば、ゲートウェイ12は、ルータ11に対して有線LANで接続される。
図1に示す例では、ゲートウェイ12には、1つ以上のデバイス200が有線又は無線で接続されている。ただし、これに限定されず、ゲートウェイ12に対してデバイス200が接続されていなくてもよい。
【0018】
図2は、本実施形態のゲートウェイ12の概略構成図である。ゲートウェイ12は、例えば、デバイス管理部30、情報提供部31、格納部32、通信管理部33、及びデバイス制御部34を備える。これらの構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integrated circuit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。記憶装置は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により構成される。
【0019】
デバイス管理部30は、第1のネットワークNW1に接続されるデバイス200の設定情報を管理する。設定情報とは、デバイス200がどの空間(例えば、部屋)に設置されているかの情報を含む。第1のネットワークNW1に接続されるデバイス200とは、ルータ11に接続されているデバイス及びゲートウェイ12に接続されているデバイスのいずれか一方又は両方である。
【0020】
例えば、デバイス管理部30には、初期設定によって建物100の空間のレイアウトを示す情報(以下、「レイアウト情報」という。)が設定され、各デバイス200がどの空間に設置されているかの情報をデバイス200ごとに設定される。設定情報には、デバイス200が動作するにあたって設定する必要がある情報を含んでもよい。例えば、設定情報は、複数のデバイス200間のペアリング設定の情報などを含んでもよい。
【0021】
情報提供部31は、インターネット回線である第2のネットワークNW2を介して接続されたサーバ装置20に対して、デバイス200に関する情報であり、設定情報を含む情報を提供する。例えば、情報提供部31は、第1のネットワークNW1に接続されているルータから有線LANなどを介して複数のデバイス200の動作状態及びデバイス200の検知結果の少なくとも何れかの情報であるデバイス情報を取得する。そして、情報提供部31は、通信制御装置が第2のネットワークNW2に接続されているクラウドモード時には、取得したデバイス情報を第2のネットワークNW2を介してサーバ装置20に送信する。
【0022】
例えば、デバイス200の動作状態とは、デバイス200が稼働しているか否か、デバイス200に異常が発生しているか否かなどの情報である。デバイス200の検知結果とは、例えばセンサーの検知結果であり、一例として、温度センサー、湿度センサー、ドアや窓等の開閉センサー、照度センサー、人検出センサー、鍵や窓等の開閉検出センサー等の検知結果である。
【0023】
格納部32には、第1のネットワークNW1が第2のネットワークNW2に接続されていないローカルモードである場合に、第1のネットワークNW1に接続されていない外部装置300のログイン認証を行うためのローカル認証情報が格納されている。外部装置300は、初期設定を行うための装置である。例えば、ユーザ以外の者に初期設定を委託した場合には、その初期設定する者である設定者が使用する装置である。
【0024】
通信管理部33は、ローカルモードである場合に、外部装置300から入力されるログイン情報が格納部32に格納されるローカル認証情報と一致するか否かのログイン認証処理を実行する。通信管理部33は、ログイン認証処理の結果、ログイン情報とローカル認証情報とが一致する場合には、外部装置300による設定情報の初期設定を許可する。設定情報の初期設定が許可されると、設定者は、外部装置300を用いて、デバイス管理部30に対して複数のデバイス200のそれぞれの設定情報の初期設定を行うことができる。
【0025】
通信管理部33は、第2のネットワークNW2を介してサーバ装置20からの接続が行われた場合には、格納部32に格納されているローカル認証情報を変更する。例えば、通信管理部33は、ローカルモードにおける初期設定が行われた後において、最初に第2のネットワークNW2を介してサーバ装置20からゲートウェイ12への接続が確立した場合には、格納部32に格納されているローカル認証情報を変更する。通信管理部33は、変更したローカル認証情報を第2のネットワークNW2を介してサーバ装置20に送信する。
【0026】
デバイス制御部34は、グラウドモードにおいて、第2のネットワークNW2を介してサーバ装置20から取得する制御指令と、デバイス情報と、の少なくとも何れかに基づいて、デバイス200の動作を制御してもよい。例えば、デバイス制御部34は、第2のネットワークNW2を介してサーバ装置20から制御指令を取得すると、その制御指令に基づいて、1つ以上のデバイス200の動作を制御する。例えば、制御指令とは、デバイス200を特定する情報と、そのデバイス200を動作させたりデバイス200の動作を停止させたりするなどのそのデバイスに対する動作指示と、を含む指令情報である。
【0027】
デバイス制御部34は、デバイス情報に基づいて、デバイスの動作を制御してもよい。例えば、デバイス制御部34は、デバイス200の異常を示す情報を取得した場合には、そのデバイス200の動作を停止させる。デバイス制御部34は、予め設定されたルールに従って、デバイス200の動作を制御してもよい。例えば、デバイス制御部34は、予め設定された設定時刻になった場合には、お風呂への給湯を開始したり、シャッターを閉状態に制御したりしてもよい。
【0028】
本実施形態のサーバ装置20の一例について説明する。サーバ装置20は、インターネット上やクラウド上に配置されてもよい。サーバ装置20は、第2のネットワークNW2を介してルータ11に接続される。サーバ装置20は、第2のネットワークNW2を介してゲートウェイ12と種々の情報を送受する。サーバ装置20は、ユーザの通信端末400と有線又は無線で通信する。
【0029】
通信端末400は、例えば、ユーザが携帯可能な携帯通信端末である。例えば、通信端末400は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末及びノートパソコンのいずれかである。通信端末400は、ウェアラブル端末等であってもよい。通信端末400は、ユーザが携帯可能であるか否かには特に限定されない。例えば、通信端末400は、コンピュータであってもよい。
【0030】
ユーザは、通信端末400を操作して所定のアプリケーションを起動させてユーザ認証を実行することでサーバ装置20と通信端末400とが通信可能になる。通信端末400は、サーバ装置20からデバイス情報などを取得し、取得した情報を通信端末400の表示画面に表示させることができる。ユーザは、通信端末400を操作することでサーバ装置20を経由してゲートウェイ12に制御指令を送信することができる。したがって、ユーザは、通信端末400を操作することで建物100の任意のデバイス200の動作を遠隔から制御することができる。
【0031】
図3は、本実施形態のサーバ装置20の概略構成図である。
図3に示すように、サーバ装置20は、格納部21及び制御部22を備える。
【0032】
格納部21には、ユーザ情報と通信制御装置(例えば、ゲートウェイ12)の識別情報とが対応付けられた対応情報が格納されている。ユーザ情報とは、ユーザに関する情報であればよく、例えば、ユーザ情報とは、情報処理システム1が提供するサービスを利用するユーザの情報である。ユーザ情報は、予め格納部21に登録されている。例えば、ユーザ情報は、ユーザ認証すなわちサーバ装置20にログインするための情報であって、ユーザの識別情報(例えば、ID)とパスワードとを有する。
【0033】
制御部22は、通信端末400からのユーザの認証要求に応じてユーザ認証を実行する。制御部22は、ユーザ認証が成功した場合には、格納部21に格納されている対応情報に基づいてユーザ情報に対応付けられたゲートウェイ12に対して第2のネットワークNW2を介して接続することで、ローカル認証情報を変更させる。
【0034】
例えば、制御部22は、ユーザの認証要求に含まれる情報が、格納部21に格納されている複数のユーザ情報のいずれかと一致するか否かを判定するユーザ認証を実行する。制御部22は、ユーザ認証が成功すると、そのユーザ情報に対応付けられたゲートウェイ12と接続する。制御部22は、そのゲートウェイ12に対して、例えばローカル認証情報を変更させる信号(以下、「変更指示信号」という。)を送信することで、ローカル認証情報を変更させる。例えば、制御部22は、建物100のユーザのユーザ認証が始めてである場合、すなわち建物100のゲートウェイ12と初めて接続する場合には、そのゲートウェイ12に格納されているローカル認証情報を変更させる。
【0035】
制御部22は、ユーザ認証が完了すると、通信端末400と携帯電話回線網などの移動体通信網を介して情報を送信したり、受信したりする。例えば、制御部22は、第2のネットワークNW2を介してゲートウェイ12からデバイス情報を受信し、その受信した情報を通信端末400に送信する。制御部22は、通信端末400から制御指令を受信すると、その制御指令を第2のネットワークを介してゲートウェイ12に送信する。
【0036】
以下、本実施形態における初期設定の方法について、
図4及び
図5を用いて説明する。例えば、建物100にインターネット回線が開通していない場合には、ローカルモードにおいてデバイス200の初期設定が行われる。
図4は、ユーザ以外の者である設定者(例えば、業者など)によって初期設定が行われる例を示す。
図5は、本実施形態の初期設定のシーケンス図である。
【0037】
設定者は、外部装置300を、ローカルモードのルータ11に接続する(ステップS101)。例えば、外部装置300は、第2のネットワークではなく、ルータ11のWiFi機能を利用してルータ11に接続される。外部装置300がローカルモードのルータ11に接続されると、ゲートウェイ12にログインするための画面が外部装置300に表示される。事前に設定者にはローカル認証情報が伝えられているため、設定者は、外部装置300を操作して外部装置300に表示されている表示画面にローカル認証情報を入力する。外部装置300は、入力されたローカル認証情報(ログイン情報)を、ルータ11を介してゲートウェイ12に送信する(ステップS102)。
【0038】
ゲートウェイ12は、外部装置300からログイン情報を受信すると、そのログイン情報が格納部32に格納されるローカル認証情報と一致するか否かのログイン認証処理を実行する(ステップS103)。ログイン認証処理が失敗すると、再度、ローカル認証情報の入力が求められる。
図5に示す例では、ログイン認証処理が成功した場合を例として説明する。ログイン認証処理が成功すると、ゲートウェイ12は、外部装置300による設定情報の初期設定を許可する(ステップS104)。
【0039】
ログイン認証処理が成功すると、ゲートウェイ12によって外部装置300に設定情報の初期設定を行う画面(以下、「初期設定画面」という。)が表示される(ステップS105)。設定者は、外部装置300を操作して各デバイス200が建物100のどの空間に設置されているかなどの設定情報を初期設定画面に入力することで初期設定を行う(ステップS106)。なお、ゲートウェイ12は、初期設定画面に入力された初期設定の情報を外部装置300から取得してデバイス管理部30に格納する(ステップS107)。これにより、デバイス200の初期設定が終了する。
【0040】
デバイス200の初期設定が終了した後の情報処理システム1の動作の流れを説明する。
図6は、デバイス200の初期設定が終了した後の情報処理システム1の動作のシーケンス図である。
【0041】
通信端末400は、ユーザの操作に応じてサーバ装置20に対してユーザ認証要求を行う(ステップS201)。サーバ装置20は、ユーザ認証要求を受信すると、そのユーザ認証要求のユーザ認証を実行する(ステップS202)。サーバ装置20は、ユーザ認証が成功した場合には、ユーザ認証要求に含まれているユーザ情報に対応付けられたゲートウェイ12を対応情報に基づいて選択する(ステップS203)。
【0042】
サーバ装置20は、選択したゲートウェイ12に対して第2のネットワークNW2を介して接続し、変更指示信号をゲートウェイ12に送信する(ステップS204)。
【0043】
ゲートウェイ12は、変更指示信号を受信すると(ステップS205)、ローカル認証情報を変更する(ステップS206)。これにより、デバイスの初期設定後において、ローカル認証情報が変更されるため、ユーザ以外の者によってローカル認証情報が使用されることがない。ゲートウェイ12は、ローカル認証情報を変更すると、変更したローカル認証情報をサーバ装置20に送信してもよい。この場合には、サーバ装置20は、ゲートウェイ12から受信したローカル認証情報を通信端末400に送信する。これにより、ユーザは、ゲートウェイ12によって変更されたローカル認証情報を確認することができる。
【0044】
本実施形態の通信制御装置は、ローカルモードである場合に、外部装置300から入力されるログイン情報が格納部32に格納されるローカル認証情報と一致する場合には外部装置300による設定情報の初期設定を許可する。通信制御装置は、第2のネットワークNW2を介してサーバ装置20からの接続が行われた場合には、格納部32に格納されているローカル認証情報を変更する。これにより、ユーザ以外の者に建物内のデバイスの初期設定を委託した場合において、初期設定後において、ユーザ以外の者によって建物内のデバイスが遠隔から操作されてしまうことを抑制することができる。
【0045】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1…情報処理システム、10…通信インターフェース、11…ルータ、12…ゲートウェイ、20…サーバ装置、30…デバイス管理部、31…情報提供部、32…格納部、33…通信管理部、34…デバイス制御部