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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153924
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】車両用ディスクブレーキ
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/092 20060101AFI20221005BHJP
   F16D 65/097 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
F16D65/092 D
F16D65/097 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056704
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】黒須 修一
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA63
3J058AA69
3J058AA73
3J058AA77
3J058AA83
3J058AA87
3J058BA64
3J058CA47
3J058CA65
3J058DD05
(57)【要約】
【課題】パッド戻しスプリングの組付性の向上を図る。
【解決手段】一対の摩擦パッド6の裏板6aのディスク回入側のディスク半径方向外側で、且つ、ディスクロータ側に一対の係合溝6dを形成する。パッド戻しスプリング7は、線材の中央部を円弧状に折り返し、ディスクロータ2の外周側で、且つ、一対の摩擦パッド6の中間位置に配置される折返し部7aと、折返し部7aの両端部から一対の摩擦パッド6に向けて互いに離間する方向に延出する一対のスプリング部7bと、一対のスプリング部7bの先端を互いに離反する方向に突出させ、係合溝6dに係合させる一対の係合部7cとを備える。係合部7cは、スプリング部7bの先端から、ディスク軸方向に互いに離反する方向に直線状に延出する一対の直線部7dと、一対の直線部7dの先端から、互いに離反する方向に凸状に湾曲させて形成され、係合溝6dに係合する一対の湾曲部7fとを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクロータの両側部に配置され、裏板のディスクロータ側にライニングを取り付けて形成した一対の摩擦パッドのディスク半径方向外側部に、前記一対の摩擦パッドを反ディスクロータ側に付勢するパッド戻しスプリングを取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、
前記一対の摩擦パッドは、前記裏板のディスク半径方向外側のディスクロータ側面に、前記パッド戻しスプリングを係合させる、ディスク周方向に細長い一対の係合溝が対向してそれぞれ形成され、
前記パッド戻しスプリングは、細長部材を折曲して形成され、前記細長部材の中央部を折り返し、前記ディスクロータの外周側で、且つ、前記一対の摩擦パッドの中間位置に配置される折返し部と、該折返し部の両端部から一対の摩擦パッドに向けて互いに離間する方向にそれぞれ延出する一対のスプリング部と、該一対のスプリング部から、さらに離間する方向にそれぞれ延出し、前記係合溝にそれぞれに係合する一対の係合部とを備えていることを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
【請求項2】
前記一対の係合溝は、中央部に向けて溝の深さが漸次深くなるV字状に形成されることを特徴とする請求項1記載の車両用ディスクブレーキ。
【請求項3】
前記一対の係合部は、前記一対のスプリング部から、ディスク軸方向に互いに離反する方向に直線状にそれぞれ延出する一対の直線部と、該一対の直線部から、さらに離間する方向に凸状に湾曲しながら延出し、先端部が互いに近づく一対の湾曲部とを備え、該一対の湾曲部が前記一対の係合溝にそれぞれ係合することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ディスクブレーキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や自動二・三輪車等の走行車両に搭載される車両用ディスクブレーキに関し、詳しくは、制動解除時に摩擦パッドを反ディスクロータ側に付勢するパッド戻しスプリングを備えた車両用ディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ディスクブレーキでは、ディスクロータの両側部に配置された一対の摩擦パッドのディスク半径方向外側に、制動解除時に前記一対の摩擦パッドを反ディスクロータ側に付勢するパッド戻しスプリングを取り付け、摩擦パッドの引き摺り防止を図ったものがあった。また、このパッド戻しスプリングとして、線材を折曲して形成したものがあり、線材の中央部を折り返し、ディスクロータの外周側で、且つ、一対の摩擦パッドの中間位置に配置される折返し部と、該折返し部の両端部から一対の摩擦パッドのディスク半径方向外側部に向けて、互いに離間する方向に延出する一対のスプリング部と、各スプリング部の先端を折曲し、摩擦パッドのディスク半径方向外側部に形成した係合孔に挿入する係合部とを備えた略V字状に形成されたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-148317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1のものでは、摩擦パッドに形成された係合孔は、パッド戻しスプリングの係合部をガタ付きなく係合させるために、係合部との隙間を極力狭くした径に形成されている。これにより、パッド戻しスプリングを一対の摩擦パッドに組み付ける際に、一対のスプリング部を互いに近接させる方向に付勢しながら、一対の係合部を各係合孔にそれぞれ挿入させるのに手間が掛かっていた。
【0005】
そこで本発明は、パッド戻しスプリングの組付性の向上を図った車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの両側部に配置され、裏板のディスクロータ側にライニングを取り付けて形成した一対の摩擦パッドのディスク半径方向外側部に、前記一対の摩擦パッドを反ディスクロータ側に付勢するパッド戻しスプリングを取り付けた車両用ディスクブレーキにおいて、前記一対の摩擦パッドは、前記裏板のディスク半径方向外側のディスクロータ側面に、前記パッド戻しスプリングを係合させる、ディスク周方向に細長い一対の係合溝が対向してそれぞれ形成され、前記パッド戻しスプリングは、細長部材を折曲して形成され、前記細長部材の中央部を折り返し、前記ディスクロータの外周側で、且つ、前記一対の摩擦パッドの中間位置に配置される折返し部と、該折返し部の両端部から一対の摩擦パッドに向けて互いに離間する方向にそれぞれ延出する一対のスプリング部と、該一対のスプリング部から、さらに離間する方向にそれぞれ延出し、前記係合溝にそれぞれに係合する一対の係合部とを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、前記一対の係合溝は、中央部に向けて溝の深さが漸次深くなるV字状に形成されると好ましい。
【0008】
さらに、前記一対の係合部は、前記一対のスプリング部から、ディスク軸方向に互いに離反する方向に直線状にそれぞれ延出する一対の直線部と、該一対の直線部から、さらに離間する方向に凸状に湾曲しながら延出し、先端部が互いに近づく一対の湾曲部とを備え、該一対の湾曲部が前記一対の係合溝にそれぞれ係合すると好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車両用ディスクブレーキによれば、パッド戻しスプリングを摩擦パッドに組み付ける際に、パッド戻しスプリングの向きを、折返し部を摩擦パッドの中央部側に、一対のスプリング部を摩擦パッドの側部側に向けた状態とするとともに、一対のスプリング部を押圧し、一対のスプリング部、及び、一対の係合部を互いに近接させ、次に、折返し部をディスクロータの外周側で、且つ、一対の摩擦パッドの中間位置に配置し、さらに、一対の係合部を一対の係合溝に対応する位置に配置させた後、一対のスプリング部に掛けた押圧を解除することにより、一対の係合部を一対の係合溝にそれぞれ係合させることができる。これにより、パッド戻しスプリングを摩擦パッドに容易に組み付けることができる。
【0010】
また、一対の係合溝は、中央部に向けて溝の深さが漸次深くなるV字状に形成されることにより、係合部と係合溝との接触面積を増大させて、パッド戻しスプリングを摩擦パッドに確実に組み付けることができる。
【0011】
さらに、一対の係合部は、一対のスプリング部から、ディスク軸方向に互いに離反する方向に直線状にそれぞれ延出する一対の直線部と、一対の直線部から、さらに離間する方向に凸状に湾曲しながら延出し、先端部が互いに近づく一対の湾曲部とを備え、該一対の湾曲部が前記一対の係合溝にそれぞれ係合することにより、パッド戻しスプリングを摩擦パッドに組み付ける際に、各スプリング部と直線部との間に形成される角部を摘まむことで、スプリング部を容易に押圧することができる。さらに、凸状に湾曲させて形成した湾曲部を係合溝に係合させることから、パッド戻しスプリングの組付性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一形態例を示す車両用ディスクブレーキの一部切り欠き平面図である。
図2】同じく車両用ディスクブレーキの要部拡大断面図である。
図3図2のIII-III断面図である。
図4】本発明の一形態例を示す車両用ディスクブレーキの一部切り欠き背面図である。
図5】同じく車両用ディスクブレーキの正面図である。
図6図5のVI-VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図6は、本発明の車両用ディスクブレーキの一形態例を示す図で、矢印Aは車両前進時に車輪と一体に回転するディスクロータの回転方向であり、以下で述べるディスク回出側及びディスク回入側とは車両前進時におけるものとする。
【0014】
この車両用ディスクブレーキ1は、前記ディスクロータ2と該ディスクロータ2の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット3と、該キャリパブラケット3のキャリパ支持腕3a,3aに、一対のスライドピン4,4を介してディスク軸方向へ移動可能に支持されるキャリパボディ5と、該キャリパボディ5の作用部5aと反作用部5bとの内側で、ディスクロータ2を挟んで対向配置される一対の摩擦パッド6,6とからなっており、摩擦パッド6,6には、制動解除時に摩擦パッド6,6を反ディスクロータ側に付勢するパッド戻しスプリング7が取り付けられている。
【0015】
キャリパボディ5は、ディスクロータ2の両側に配設される上述の作用部5a及び反作用部5bと、これらをディスクロータ2の外縁を跨いで連結するブリッジ部5cとから成っていて、作用部5aには、ディスクロータ2側を開口したシリンダ孔5dが設けられている。シリンダ孔5dには、有底円筒状のピストン8がピストンシール9とダストシール10とを介して収容され、ピストン8は、シリンダ孔底部に画成される液圧室11に供給される液圧によって、シリンダ孔5dをディスク軸方向へ移動するようになっている。また、作用部5aの側部には、スライドピン取付腕5e,5eが突設されており、各スライドピン取付腕5eの先端には、それぞれ上述のスライドピン4が取付ボルト4aにて取り付けられている。
【0016】
キャリパブラケット3は、ディスクロータ2の一側部で車体に取り付けられる車体取付部3bと、該車体取付部3bのディスク回入側とディスク回出側とに突設される前記キャリパ支持腕3a,3aとを備えている。キャリパ支持腕3a,3aは、車体取付部3bのディスク半径方向外側から、ブリッジ部5cの両側を挟みながらディスクロータ2の他側部側に突出し、ディスクロータ2の他側部で、反作用部5bの側壁に沿ってディスク中心方向へ延びる形状となっている。また、キャリパ支持腕3a,3aの先端部は、タイロッド3cにて連結されていて、制動トルクの掛かる双方のキャリパ支持腕3a,3aの剛性力を高めている。さらに、各キャリパ支持腕3a,3aは、上述のスライドピン4を収容するガイド孔3dが穿設されるとともに、双方のキャリパ支持腕3a,3aには、ディスクロータ2のそれぞれの側部で互いに向き合う4つのパッドガイド溝3eが設けられている。ディスクロータ2の側面で互いに向き合う一対のパッドガイド溝3eは断面コ字状に形成され、パッドガイド溝3eのディスク半径方向外側には、パッドリテーナ12を取り付けるパッドリテーナ取付部3fが設けられている。
【0017】
摩擦パッド6は、裏板6aと、該裏板6aのディスクロータ側に貼着させるライニング6bとを備えている。裏板6aの両側部には耳片6c,6cが突設され、該耳片6c,6cをディスク回入側と回出側のパッドガイド溝3eにパッドリテーナ12を介して支承させる。裏板6aは、ディスク半径方向外側のディスク周方向の幅寸法が、ディスクブレーキ半径方向内側のディスク周方向の幅寸法よりも長い略扇形に形成されている。裏板6aのディスク回入側のディスク半径方向外側で、且つ、ディスクロータ側には、パッド戻しスプリング7を係合するディスク周方向に細長い係合溝6dが形成され、該係合溝6dは、溝の深さが、係合溝6dの中央部C1に向けて、漸次深くなるV字状に形成されている。また、裏板6aの反ディスクロータ側には、シム板13が取り付けられている。
【0018】
パッド戻しスプリング7は、細長部材、例えば、線材を折曲して形成されるもので、線材の中央部を円弧状に折り返し、ディスクロータ2の外周側で、且つ、一対の摩擦パッド6,6の中間位置に配置される折返し部7aと、該折返し部7aの両端部から一対の摩擦パッド6,6に向けて互いに離間する方向にそれぞれ延出する一対のスプリング部7b,7bと、該一対のスプリング部7b,7bから、さらに離間する方向にそれぞれ延出し、係合溝6d,6dにそれぞれに係合する一対の係合部7c,7cとを備えている。一対の係合部7c,7cは、一対のスプリング部7b,7bから、ディスク軸方向に互いに離反する方向に直線状にそれぞれ延出する一対の直線部7d,7dと、該一対の直線部7d,7dから、さらに離間する方向に凸状に湾曲しながら延出し、先端部7e,7eが互いに近づく一対の湾曲部7f,7fとを備えている。
【0019】
このパッド戻しスプリング7の摩擦パッド6,6への組付は、摩擦パッド6,6をキャリパブラケット3に組み付けた後に、パッド戻しスプリング7の向きを、折返し部7aをディスク回出側(摩擦パッドの中央部側)に、一対のスプリング部7b,7bをディスク回入側(摩擦パッドの側部側)に向けた状態とするとともに、各スプリング部7bと直線部7dとの間のに形成される一対の角部7g,7gを摘まんで押圧し、一対のスプリング部7b,7b、及び、一対の係合部7c,7cを互いに近接させる。次いで、折返し部7aを、ディスクロータ2の外周側で、且つ、一対の摩擦パッド6,6のディスク回入側の中間位置に配置させ、さらに、一対の湾曲部7f,7fを一対の係合溝6d,6dに対応する位置に配置する。次に、一対のスプリング部7b,7bに掛けた押圧を解除し、湾曲部7f,7fを係合溝6d,6dに係合させることにより、パッド戻しスプリング7が摩擦パッド6,6に組み付けられる。
【0020】
このように形成された車両用ディスクブレーキ1は、運転者の制動操作によって、昇圧した作動液が液圧室11に供給されると、ピストン8がシリンダ孔5dを前進して、作用部5a側の摩擦パッド6を、ディスクロータ2側に押圧する。作用部5a側の摩擦パッド6は、各耳片6c,6cがパッドリテーナ12,12に案内されながら、パッドガイド溝3e,3eをディスクロータ2側に移動し、ライニング6bをディスクロータ2の一側面に摺接させる。次に、この反力によってキャリパボディ5がスライドピン4,4に案内されながら、作用部5a方向へ移動し、反作用部5b側に設けられた反力爪5fが反作用部5b側の摩擦パッド6を、ディスクロータ2の他側面側へ押圧する。反作用部5b側の摩擦パッド6は、各耳片6c,6cがパッドリテーナ12,12に案内されながら、パッドガイド溝3e,3eをディスクロータ2側に移動し、ライニング6bをディスクロータ2の他側面に摺接させる。このとき、パッド戻しスプリング7は、摩擦パッド6,6のディスクロータ2側への移動に伴って、折返し部7aとスプリング部7b,7bとが弾性変形し、スプリング部7b,7b、及び、係合部7c,7cが互いに近付いた状態となる。
【0021】
制動操作を解除すると、ピストン8がピストンシール9の復元力でロールバックし、ピストン8と反力爪5fとが制動開始前の位置へ後退し、パッド戻しスプリング7は、その復元力によりスプリング部7b,7bが折返し部7aを中心に、互いに離間した初期状態に復帰し、これに伴って、湾曲部7f,7fが係合溝6d,6dを反ディスクロータ側に押圧し、双方の摩擦パッド6,6を反ディスクロータ側に移動させ、摩擦パッド6,6の引き摺りを防止する。
【0022】
上述のように本形態例では、パッド戻しスプリング7を摩擦パッド6,6に組み付ける際には、一対のスプリング部7b,7bを押圧し、一対の係合部7c,7cを互いに近接させ、一対の湾曲部7f,7fを一対の係合溝6d,6dに対応する位置に配設させた後、一対のスプリング部7b,7bに掛けた押圧を解除することにより、湾曲部7f,7fが係合溝6d,6dに係合し、パッド戻しスプリング7を摩擦パッド6,6に容易に組み付けることができる。
【0023】
さらに、一対の係合部7c,7cを、直線部7d,7dと湾曲部7f,7fとで形成することにより、パッド戻しスプリング7を摩擦パッド6,6に組み付ける際に、各スプリング部7bと直線部7dとの間に形成される一対の角部7g,7gを摘まむことで、一対のスプリング部7b,7bを互いに近接させる方向に容易に押圧させることができる。さらに、湾曲部7f,7fを係合溝6d,6dに係合させることにより、組付性の向上を図ることができる。また、一対の係合溝6d,6dは、溝の深さが中央部C1に向けて、漸次深くなるV字状に形成されることにより、湾曲部7f,7fと係合溝6d,6dとの接触面積を増大させて、パッド戻しスプリング7を摩擦パッド6,6に確実に組み付けることができる。
【0024】
尚、本発明は上述の形態例に限るものではなく、摩擦パッドの裏板のディスク回出側にも係合溝を形成し、ディスク回出側にもパッド戻しスプリングを配置しても良く、また、ディスク回出側にのみパッド戻しスプリングを配置するものでも良い。さらに、係合溝は、溝の深さが中央部に向けて漸次深くなるV字状に形成されるものに限らず、溝の深さが変わらないものでも差し支えない。また、パッド戻しスプリングの係合部は、直線部と湾曲部とを備えたものに限らず、スプリング部から互いに離反する方向に延出し、係合溝にそれぞれに係合するものであればよい。さらに、パッド戻しスプリングは、線材で形成されるものに限らず、細長い金属板で形成されるものでも差し支えない。
【符号の説明】
【0025】
1…車両用ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…キャリパブラケット、3a…キャリパ支持腕、3b…車体取付部、3c…タイロッド、3d…ガイド孔、3e…パッドガイド溝、3f…パッドリテーナ取付部、4…スライドピン、4a…取付ボルト、5…キャリパボディ、5a…作用部、5b…反作用部、5c…ブリッジ部、5d…シリンダ孔、5e…スライドピン取付腕、5f…反力爪、6…摩擦パッド、6a…裏板、6b…ライニング、6c…耳片、6d…係合溝、7…パッド戻しスプリング、7a…折返し部、7b…スプリング部、7c…係合部、7d…直線部、7e…先端部、7f…湾曲部、7g…角部、8…ピストン、9…ピストンシール、10…ダストシール、11…液圧室、12…パッドリテーナ、13…シム板
図1
図2
図3
図4
図5
図6