(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153945
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】オートディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B65D 83/26 20060101AFI20221005BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B65D83/26 100
A61L2/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056730
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】521079330
【氏名又は名称】株式会社LOSコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100195028
【弁理士】
【氏名又は名称】高久 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】後藤 譲
【テーマコード(参考)】
3E014
4C058
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PB08
3E014PC20
3E014PD12
3E014PD30
3E014PF10
4C058AA29
4C058BB07
4C058DD01
4C058DD12
4C058EE26
4C058JJ06
4C058JJ24
(57)【要約】
【課題】使用時の楽しみを付加したオートディスペンサを提供する。
【解決手段】オートディスペンサ10は、薬液タンク22と、電源30に接続されており、薬液タンク22に収納された薬液をチューブ26を介して吐出口20まで送る第1の駆動手段24と、制御部40とが収納された容器本体12と、電源30に接続されており、手がかざされたことを検知する第1のセンサ18と、容器本体12と一体に設けられており、可動部52A、52Bを有する可動体50と、電源30に接続されており、第1のセンサ18で手がかざされたことを検知すると、可動部52A、52Bを動かす第2の駆動手段32とを備える。制御部40は、第1のセンサ18で手を検知すると、第1の駆動手段24と第2の駆動手段32を連動して駆動し、所定量の薬液を吐出口20から吐出するとともに、可動部52A、52Bを第1の態様で動かす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒液などの薬液を収納する薬液タンクと、
電源に接続されており、前記薬液タンクに収納された薬液をチューブを介して吐出口まで送る第1の駆動手段と、
制御部と、
が収納された容器と、
前記電源に接続されており、前記容器の上部の延設部分の下方に手がかざされたことを検知する第1のセンサと、
前記容器と一体に設けられており、少なくとも一つの可動部を有する可動体と、
前記電源に接続されており、前記第1のセンサで手がかざされたことを検知すると、前記可動部を動かす第2の駆動手段と、
を備えており、
前記制御部は、前記第1のセンサで手がかざされたことを検知すると、前記第1の駆動手段及び第2の駆動手段を連動して駆動し、前記薬液タンクから所定量の薬液を汲み上げて前記吐出口から吐出するとともに、前記可動部を第1の態様で動かすことを特徴とするオートディスペンサ。
【請求項2】
前記電源に接続されており、所定の距離内に人がいることを検知する第2のセンサ、
を備えるとともに、
前記可動体が、音声発生部を備えており、
前記制御部は、前記第2のセンサによって所定の距離内に人がいることを検知すると、前記音声発生部により第1の態様による音声を出力し、前記第1のセンサによって手がかざされたことを検知すると、前記第1の態様による音声の出力を停止することを特徴とする請求項1に記載のオートディスペンサ。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の態様による音声の出力を停止した後、所定の時間経過後、又は前記第1のセンサによって手を検知しなくなった後、前記音声発生部により、第2の態様による音声を出力することを特徴とする請求項2記載のオートディスペンサ。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2のセンサによって所定の距離内に人がいることを検知すると、前記第2の駆動手段によって、前記可動部を第2の態様で動かし、前記第1のセンサによって手がかざされたことを検知すると、前記第1の態様で前記可動部を動かすことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のオートディスペンサ。
【請求項5】
前記第2の駆動手段が、
前記電源に接続されたモータと、
前記モータの出力軸に固定された第1のリンクと、
一端側が前記第1のリンクの端部に回動可能に接続された第2のリンクと、
前記第2のリンクの他端側に設けられた突部と、
前記突部の少なくとも一部が収容可能であって、前記突部が移動可能な溝と、
前記第2のリンクの他端側に一端側が回動可能に固定された前記可動部の中央付近を、回動可能に支持する支持手段と、
を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のオートディスペンサ。
【請求項6】
前記溝が湾曲した形状であることを特徴とする請求項5記載のオートディスペンサ。
【請求項7】
前記溝が直線状であって、
前記可動部の一端側に、前記突部の一部が収容可能な溝が前記可動部の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項5記載のオートディスペンサ。
【請求項8】
前記第2の駆動手段が、
前記電源に接続されたモータと、
前記モータの出力軸に接続された第1のギアと、
前記第1のギアと噛み合い、回転可能に支持された第2のギアと、
前記第2のギアと噛み合い、回転可能に支持された第3のギアと、
前記第3のギアに固定された前記可動部の一端側に設けられたおもりと、
を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のオートディスペンサ。
【請求項9】
前記第2の駆動手段が、
前記電源に接続されたモータと、
前記モータの出力軸に一端側が回動可能に取り付けられた第1のリンクと、
前記第1のリンクの他端側に一端側が回動可能に接続された第2のリンクと、
前記第2のリンクの他端側に回動可能に取り付けられた前記可動部の一端側を、回動可能に支持する支持手段と、
を備えること特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のオートディスペンサ。
【請求項10】
前記第2の駆動手段が、
前記電源に接続されたモータと、
前記モータの出力軸に固定され、前記出力軸と連動するリンクと、
前記リンクの先端に前記可動部の一端側を固定する固定手段と、
を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のオートディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手や指を消毒する薬液を定量吐出するディスペンサに関し、更に具体的には、手をかざすと自動で薬液を定量吐出するオートディスペンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、マスクの着用や、消毒液による手指の消毒が推奨されている。消毒液による手指の消毒は、家や、各種施設の入口や洗面所に設置されたディスペンサから消毒液を定量手指にとって、手全体になじませる。このようなディスペンサとしては、ポンプヘッドを押し下げることで薬液を吐出させる手動式のディスペンサと、所定の場所に手をかざすことで自動的に定量吐出するオートディスペンサがある。消毒という観点からは、誰が触ったか分からないポンプヘッドを押す手動式のものよりも、ディスペンサのどこにも触れずに自動的に薬液が吐出されるオートディスペンサが好ましい。
【0003】
従来のディスペンサ装置としては、例えば、下記特許文献1の簡易オートディスペンサー装置がある。当該特許文献1は、市販品の液体ボトルを使用可能にし、また、様々な市販品の液体ボトルの高さサイズに簡易に対応可能とするものである。
【0004】
また、下記特許文献2の音発生ディスペンサは、液体を配量すると音などを発生して、衛生行動の促進、視覚障害者の補助、娯楽などを供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3222758号公報
【特許文献2】特開2001-246294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、新型コロナウイルス感染症が蔓延する前と後とでは、ディスペンサの需要が大きく異なる。感染拡大を防止するため、自宅のほか、各種施設の入口や洗面所にディスペンサが置かれているが、ディスペンサが置かれていることに慣れてしまって消毒をし忘れたりすることがある。このため、今後の新しい生活様式に沿って生活し、ディスペンサを使用する必要がこれまでより多くなるほど、ディスペンサを使用することに楽しみがあれば飽きにくくなると考えられる。また、ディスペンサの存在を周知することができれば、消毒し忘れがなく都合がよい。
【0007】
これに対し、上述した特許文献1に記載の技術は、市販品の液体ボトルを使用可能にし、また、様々な市販品の液体ボトルの高さサイズに簡易に対応可能にするものであるが、ディスペンサを使用することに楽しみがあるような構成ではなく、また、置き場所や慣れなどにより、当該簡易オートディスペンサー装置を各種の場所においても、使用されないことも想定される。
【0008】
また、上述した特許文献2に記載の技術は、音を発し且つ分配する装置であって、圧力作動ディスペンサと、圧力作動音発生装置とを備え、圧力作動ディスペンサと圧力作動音発生装置とが接続され、ディスペンサを作動させる圧力が音発生装置を作動させるものであり、ディスペンサを使用すると音が発生するものである。しかしながら、上述したように、消毒という観点からは、誰が触ったか分からないポンプヘッドを押す手動式のものよりも、ディスペンサのどこにも触れずに自動的に薬液が吐出されるオートディスペンサが好ましいが、当該特許文献2の技術はオートディスペンサに関するものではない。
【0009】
本発明は、以上のような点に着目したもので、薬液を自動で定量吐出するとともに、ディスペンサを使用することに娯楽性を付加して飽きにくくすることができるオートディスペンサを提供することをその目的とする。他の目的は、ディスペンサの存在を周知して、消毒のし忘れを防止し、消毒の促進を図ることができるオートディスペンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、消毒液などの薬液を収納する薬液タンクと、電源に接続されており、前記薬液タンクに収納された薬液をチューブを介して吐出口まで送る第1の駆動手段と、制御部と、が収納された容器と、前記電源に接続されており、前記容器の上部の延設部分の下方に手がかざされたことを検知する第1のセンサと、前記容器と一体に設けられており、少なくとも一つの可動部を有する可動体と、前記電源に接続されており、前記第1のセンサで手がかざされたことを検知すると、前記可動部を動かす第2の駆動手段と、を備えており、前記制御部は、前記第1のセンサで手がかざされたことを検知すると、前記第1の駆動手段及び第2の駆動手段を連動して駆動し、前記薬液タンクから所定量の薬液を汲み上げて前記吐出口から吐出するとともに、前記可動部を第1の態様で動かすことを特徴とする。
【0011】
主要な形態の一つは、前記電源に接続されており、所定の距離内に人がいることを検知する第2のセンサ、を備えるとともに、前記可動体が、音声発生部を備えており、前記制御部は、前記第2のセンサによって所定の距離内に人がいることを検知すると、前記音声発生部により第1の態様による音声を出力し、前記第1のセンサによって手がかざされたことを検知すると、前記第1の態様による音声の出力を停止することを特徴とする。
【0012】
他の形態の一つは、前記制御部は、前記第1の態様による音声の出力を停止した後、所定の時間経過後、又は前記第1のセンサによって手を検知しなくなった後、前記音声発生部により、第2の態様による音声を出力することを特徴とする。
【0013】
更に他の形態の一つは、前記制御部は、前記第2のセンサによって所定の距離内に人がいることを検知すると、前記第2の駆動手段によって、前記可動部を第2の態様で動かし、前記第1のセンサによって手がかざされたことを検知すると、前記第1の態様で前記可動部を動かすことを特徴とする。
【0014】
更に他の形態の一つは、前記第2の駆動手段が、前記電源に接続されたモータと、前記モータの出力軸に固定された第1のリンクと、一端側が前記第1のリンクの端部に回動可能に接続された第2のリンクと、前記第2のリンクの他端側に設けられた突部と、前記突部の少なくとも一部が収容可能であって、前記突部が移動可能な溝と、前記第2のリンクの他端側に一端側が回動可能に固定された前記可動部の中央付近を、回動可能に支持する支持手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
更に他の形態の一つは、前記溝が湾曲した形状であることを特徴とする。
【0016】
更に他の形態の一つは、前記溝が直線状であって、前記可動部の一端側に、前記突部の一部が収容可能な溝が前記可動部の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする。
【0017】
更に他の形態の一つは、前記第2の駆動手段が、前記電源に接続されたモータと、前記モータの出力軸に接続された第1のギアと、前記第1のギアと噛み合い、回転可能に支持された第2のギアと、前記第2のギアと噛み合い、回転可能に支持された第3のギアと、前記第3のギアに固定された前記可動部の一端側に設けられたおもりと、を備えることを特徴とする。
【0018】
更に他の形態の一つは、前記第2の駆動手段が、前記電源に接続されたモータと、前記モータの出力軸に一端側が回動可能に取り付けられた第1のリンクと、前記第1のリンクの他端側に一端側が回動可能に接続された第2のリンクと、前記第2のリンクの他端側に回動可能に取り付けられた前記可動部の一端側を、回動可能に支持する支持手段と、を備えること特徴とする。
【0019】
更に他の形態の一つは、前記第2の駆動手段が、前記電源に接続されたモータと、前記モータの出力軸に固定され、前記出力軸と連動するリンクと、前記リンクの先端に前記可動部の一端側を固定する固定手段と、を備えることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的、特徴、利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0020】
本発明のオートディスペンサによれば、消毒液などの薬液を収納する薬液タンクと、電源に接続されており、前記薬液タンクに収納された薬液をチューブを介して吐出口まで送る第1の駆動手段と、制御部と、が収納された容器と、前記電源に接続されており、前記容器の上部の延設部分の下方に手がかざされたことを検知する第1のセンサと、前記容器と一体に設けられており、少なくとも一つの可動部を有する可動体と、前記電源に接続されており、前記第1のセンサで手がかざされたことを検知すると、前記可動部を動かす第2の駆動手段と、を備えており、前記制御部は、前記第1のセンサで手がかざされたことを検知すると、前記第1の駆動手段及び第2の駆動手段を連動して駆動し、前記薬液タンクから所定量の薬液を汲み上げて前記吐出口から吐出するとともに、前記可動部を第1の態様で動かすこととした。このため、消毒液等を自動で定量吐出するとともに、ディスペンサを使用することに楽しみを付加して飽きにくくすることができるという効果がある。
【0021】
また、本発明のオートディスペンサによれば、
(1)前記電源に接続されており、所定の距離内に人がいることを検知する第2のセンサ、を備えるとともに、前記可動体が、音声発生部を備えており、前記制御部は、前記第2のセンサによって所定の距離内に人がいることを検知すると、前記音声発生部により第1の態様による音声を出力し、前記第1のセンサによって手がかざされたことを検知すると、前記第1の態様による音声の出力を停止する、
(2)前記制御部は、前記第1の態様による音声の出力を停止した後、所定の時間経過後、又は前記第1のセンサによって手を検知しなくなった後、前記音声発生部により、第2の態様による音声を出力する、
(3)前記制御部は、前記第2のセンサによって所定の距離内に人がいることを検知すると、前記第2の駆動手段によって、前記可動部を第2の態様で動かし、前記第1のセンサによって手がかざされたことを検知すると、前記第1の態様で前記可動部を動かす、
のいずれかの構成を有することとした。このため、ディスペンサの存在を周知して、消毒のし忘れを防止し、消毒の促進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施例1のオートディスペンサの外観斜視図及び内部構成を示すブロック図である。
【
図2】前記実施例1のオートディスペンサの使用状態を示す図であり、(A)は薬液を吐出する前の状態を示し、(B)は薬液を吐出中の状態を示す図である。
【
図3】前記実施例1のオートディスペンサの可動体の可動部を動かすための第2の駆動手段の一例を示す図である。
【
図4】前記実施例1のオートディスペンサの可動体の可動部を動かすための第2の駆動手段の他の一例を示す図である。
【
図5】前記実施例1のオートディスペンサの可動体の可動部を動かすための第2の駆動手段の他の一例を示す図である。
【
図6】前記実施例1のオートディスペンサの可動体の可動部を動かすための第2の駆動手段の他の一例を示す図である。
【
図7】前記実施例1のオートディスペンサの可動体の可動部を動かすための第2の駆動手段の他の一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施例2のオートディスペンサの外観斜視図及び内部構成を示すブロック図である。
【
図9】前記実施例2のオートディスペンサで薬液を吐出中の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図を参照しながら詳細に説明する。
【実施例0024】
まず、
図1~
図7を参照しながら、本発明の実施例1を説明する。
図1は、本実施例のオートディスペンサの外観斜視図及び内部構成を示すブロック図である。
図2は、本実施例のオートディスペンサの使用状態を示す図であり、(A)は薬液を吐出する前の状態を示し、(B)は薬液を吐出中の状態を示す図である。
図3~
図7は、本実施例のオートディスペンサの可動体の可動部を動かすための第2の駆動手段の一例を示す図である。
【0025】
本発明のオートディスペンサは、消毒液等の薬液を自動で定量吐出するとともに、ディスペンサを使用することに楽しみを付加して飽きにくくし、手指の消毒の促進を図るものである。
図1に示すように、本実施例のオートディスペンサ10は、薬液等を収納する容器本体12を備えており、容器本体12の底部14と上部16は、正面側に延設されている。前記上部16の延設部の底面側には、赤外線などの発光部18Aが設けられており、前記底部14の延設部の上面側には、赤外線などの受光部18Bが設けられている。
【0026】
本実施例では、前記発光部18A及び受光部18Bにより、第1のセンサ18が構成されている。第1のセンサ18は、オートディスペンサ10に手がかざされたかどうかを検知するものである。また、前記上部16の延設部の底面側には、薬液の吐出口20が設けられている。
【0027】
また、本実施例のオートディスペンサ10は、容器本体12の上部16に、可動部52A、52Bを有する可動体50が一体に設けられている。図示の例では、可動体50は、マスコットであり、両腕に相当する部分が可動部52A、52Bとなっている。また、可動体50の本体には、前記可動部52A、52Bが動くための溝ないしスリットが設けられている(図示せず)。
【0028】
次に、オートディスペンサ10の容器本体12の内部には、薬液タンク22、第1の駆動手段24、チューブ26、電源30、第2の駆動手段32、制御部40が設けられている。
【0029】
前記薬液タンク22は、消毒液などの薬液を収納するものである。第1の駆動手段24は、電源30に接続されており、前記薬液タンク22に収納された薬液を、チューブ26を介して吐出口20まで送るものであって、例えば、ポンプが利用される。第2の駆動手段32は、電源30に接続されており、第1のセンサ18で手がかざされたことを検知すると、前記可動部52A、52Bを動かすものである。
【0030】
制御部40は、第1のセンサ18で手がかざされたことを検知すると、前記第1の駆動手段24及び第2の駆動手段32を連動して駆動し、前記薬液タンク22から所定量の薬液を前記第1の駆動手段24で汲み上げて前記吐出口20から吐出するとともに、前記可動部52A、52Bを第1の態様(例えば、手を振る態様)で動かすように制御する。
【0031】
可動部52A、52Bを動かすための第2の駆動手段32は、可動部52A、52Bを動かす態様に応じて適宜設計することが可能である。本実施例では、マスコットの腕に見立てた可動部52A、52Bを、例えば、手を振る態様あるいは腕を上下する態様(第1の態様)で動かすものとする。
【0032】
第2の駆動手段32の一例を、
図3~
図7を参照して説明する。
図3は、スライダークランク機構を利用した例である。同図に示すように、第2の駆動手段32は、前記電源30に接続されたモータ60と、当該モータ60の出力軸に固定された第1のリンク62と、一端側が前記第1のリンクの端部に関節部材63によって回動可能に接続された第2のリンク64と、当該第2のリンク64の他端側に設けられた突部66と、当該突部66の少なくとも一部が収容可能であって、前記突部66が移動可能な略C字状の湾曲した溝68と、前記第2のリンク64の他端側に一端側が回動可能に固定された前記可動部52A(又は52B)の中央付近を、回動可能に支持する支持部材70により構成されている。
【0033】
図3の例では、モータ60が回転することで、モータ60に固定した第1のリンク62及び第2のリンク64が動き、第2のリンク64の端部の突部66が、前記溝68に沿ってスライドすることで、前記第2のリンク64の端部に一端側が回動可能に接続された可動部52A、52Bが、支持部材70で支持されつつ回動し、その先端が上下運動を行い、手振り動作(あるいは腕の上下動作)を行うように見える。このような第2の駆動手段32を構成する各部材は、前記オートディスペンサ10の容器本体12内、容器本体12の裏面、容器本体12と可動体50の本体部の内部のいずれかに配置される。以下の
図4~
図7に示す例についても同様である。なお、
図3に示した例では、溝68が形成されている部材自体の図示は省略している。
【0034】
次に、
図4の例では、スライダークランク機構及びラプソンスライダー機構を用いた例である。同図に示すように、第2の駆動手段32は、モータ60、第1のリンク62、関節部材63、第2のリンク64、突部66、支持部材70については、
図3の例と同様である。
図4の例では、溝68Aが直線状であって、前記可動部52A、52Bの一端側に、前記突部66の一部が収容可能な溝72が、可動部52A、52Bの長手方向に沿って長孔状に形成されている。
【0035】
図4の例では、モータ60が回転することで、モータ60に固定した第1のリンク62及び第2のリンク64が動き、第2のリンク64の端部の突部66が、前記溝68Aに沿って上下にスライドすることで、前記可動部52A、52Bの一端側に形成された溝72内で、前記突部66の一部が動くため、可動部52A、52Bが、支持部材70で回動可能に支持されつつ、その先端が上下運動を行い、手振り動作(あるいは腕の上下動作)を行うように見える。
【0036】
次に、
図5の例は、ギアを用いた例である。同図に示すように、第2の駆動手段32は、前記電源30に接続されたモータ60と、当該モータ60の出力軸61に接続された第1のギア80と、当該第1のギア80と噛み合い、支持手段81によって回転可能に支持された第2のギア82と、当該第2のギア82と噛み合い、支持手段83によって回転可能に支持された第3のギア84と、当該第3のギア84に固定された前記可動部52A、52Bの一端側にもうけられたおもり86と、を備える構成となっている。
【0037】
図5の例は、自重を利用した手振り動作の機構であり、第1のギア80、第のギア82、第3のギア84が回る回転運動を手振り動作(あるいは、腕の上下動作)とし、可動部52A、52Bを上げるときは、モータ60により駆動し、可動部52A、52Bを下げるときは、おもり86の自重によって下げる機構である。
【0038】
次に、
図6の例は、サーボモータを利用した手振り動作の機構である。なお、
図6(B)は、
図6(A)を矢印F6方向から見た側面図である、
図6に示すように、第2の駆動手段32は、前記電源30に接続されたモータ90と、当該モータ90の出力軸92に一端側が回動可能に取り付けられた第1のリンク94と、当該第1のリンク94の他端側に一端側が連結部材98によって回動可能に接続された第2のリンク96と、当該第2のリンク96の他端側に連結部材100によって回動可能に接続された可動部52A、52Bの一端側を、回動可能に支持する支持手段102とによって構成される。
図6の例では、モータ90を駆動すると、第1のリンク94及び第2のリンク96を介して接続された可動部52A、52Bが、支持手段102を支点として回動し、その回動動作が、手振り動作となる。
【0039】
次に、
図7の例は、同じくサーボモータを利用した腕の上下動作の機構である。なお、
図7(B)は、
図7(A)を矢印F7方向から見た側面図である。
図7に示すように、第2の駆動手段32は、前記電源30に接続されたモータ110と、当該モータ110の出力軸112に固定され、前記出力軸112と連動するリンク114と、当該リンク114の先端に、前記可動部52A、52Bの一端側を固定する固定手段118と、を備えた構成となっている。
図7(A)において、可動部52A、52Bの内側には芯棒116が設けられている。
図7の例では、モータ110を駆動すると、リンク114を介して接続された可動部52A、52Bの回動が、腕の上げ下げ動作となる。なお、上げる動作と下げる動作は、モータの回転方向を、正転/反転方向に、制御部40によって切り替えることにより可能である。
【0040】
以上のような
図3~
図7に示す第2の駆動機構32を利用することにより、
図2(A)に示すように、制御部40は、第1のセンサ18で手がかざされたことを検知すると、前記第1の駆動手段24及び第2の駆動手段32を連動して駆動する。すると、
図2(B)に示すように、前記薬液タンク22から所定量の薬液21が前記第1の駆動手段24で汲み上げられ前記吐出口20から吐出されるとともに、可動体50の可動部52A、52Bが第1の態様(例えば、手を振る態様あるいは腕の上げ下げ態様)で動く。
【0041】
可動部52A、52Bを動かすための第2の駆動手段32は、可動部52A、52Bを動かす態様に応じて適宜設計することが可能である。本実施例では、マスコットの腕に見立てた可動部52A、52Bを、例えば、手を振る態様あるいは腕を上げ下げする態様(第1の態様)で動かすものとする。
【0042】
<効果>・・・このように、実施例1のオートディスペンサ10によれば、薬液タンク22と、電源30に接続されており、薬液タンク22に収納された薬液をチューブ26を介して吐出口20まで送る第1の駆動手段24と、制御部40とが収納された容器本体12と、電源30に接続されており、手がかざされたことを検知する第1のセンサ18と、容器本体12と一体に設けられており、可動部52A、52Bを有する可動体50と、電源30に接続されており、第1のセンサ18で手がかざされたことを検知すると、可動部52A、52Bを動かす第2の駆動手段32とを備える。制御部40は、第1のセンサ18で手を検知すると、第1の駆動手段24と第2の駆動手段32を連動して駆動し、所定量の薬液を吐出口20から吐出するとともに、可動部52A、52Bを第1の態様で動かす。このため、薬液21を自動で定量吐出するとともに、ディスペンサを使用することに楽しみを付加して飽きにくくし、手指の消毒の促進を図ることができる。
前記制御部40は、前記第2のセンサ56によって前記オートディスペンサ10Aから所定の距離内に人がいることを検知すると、前記スピーカ54から第1の態様による音声を出力し、前記第1のセンサ18によって手がかざされたことを検知すると、前記第1の態様による音声の出力を停止する。図示の例では、第1の態様による音声は、「消毒にご協力ください。」となっている。これに合わせて、可動部52A、52Bを、第2の態様(小さめの手振り動作又は腕の上下動作)で動かすようにしてもよい。
また、本実施例では、前記オートディスペンサ10Aには、タイマ42が設けられている。そして、前記制御部40は、前記第1の態様による音声の出力を停止した後、所定の時間経過後、又は前記第1のセンサ18によって手を検知しなくなった後、前記スピーカ54により、第2の態様による音声を出力する。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示したオートディスペンサの容器本体の形状や、可動体の形状、可動部の形状は一例であり、適宜変更可能である。
(2)前記実施例で示した第1のセンサ18も一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜設計変更可能である。前記実施例2で示した第2のセンサ56についても、公知の各種のセンサ手段が適用可能である。
(6)前記実施例2では、第1の態様による音声を停止した後、所定の時間経過後、前記スピーカ54により、第2の態様による音声を所定時間発することとしたが、これも一例であり、第1のセンサ18によって手を検知しなくなった後に第2の態様による音声を出力するようにしてもよい。
(7)前記実施例2で示した音声出力の内容も一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。