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特開2022-153948情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022153948
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20221005BHJP
   G06Q 40/02 20120101ALI20221005BHJP
【FI】
G06Q20/08 300
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056733
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】507417422
【氏名又は名称】株式会社 ゆうちょ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】望月 雄太
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】尾身 智之
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA22
5L055BB22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】口座の不正利用による被害を抑制しつつ、必要な引き落としを実行可能とする情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】接続サーバと管理サーバとが内部ネットワークによって接続され、接続サーバが外部ネットワークを介して複数の収納機関サーバと接続される振替システムにおいて、接続サーバは、引落要求元と限度額とを対応付ける対応関係を記憶する記憶手段と、記憶手段にアクセスする制御手段とを備える。制御手段は、引落要求元、引落額及び引落元口座を示す情報を含む引落要求を受信する処理と、対応関係を参照して、引落額が引落要求に含まれる引落要求元に対応付けられた限度額以下であるか否かを判定する処理と、判定する処理の判定結果が肯定判定の場合に、引落要求にしたがって引落元口座からの引落額の引き落としを金融機関の管理サーバに要求する処理と、を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引落要求元と限度額とを対応付ける対応関係を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段にアクセスする制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
引落要求元、引落額及び引落元口座を示す情報を含む引落要求を受信する処理と、
前記対応関係を参照して、前記引落額が前記引落要求に含まれる引落要求元に対応付けられた限度額以下であるか否かを判定する処理と、
前記判定する処理の判定結果が肯定判定の場合に、前記引落要求にしたがって前記引落元口座からの前記引落額の引き落としを金融機関の管理サーバに要求する処理と、を実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判定する処理の判定結果が否定判定の場合に、前記引落要求に含まれる引落要求元に対して引き落としの不可を通知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対応関係は、前記引落要求元毎に設定される限度額に適用期間をさらに対応付け、
前記制御手段は、前記適用期間内に前記引落要求を受信した場合に、前記引落要求に含まれる引落要求元に対応付けられた限度額を適用する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対応関係は、前記引落要求元毎に上限回数をさらに対応付け、
前記制御手段は、所定期間内において第1の引落要求元から第1の引落元口座に対する引落要求を受信した累積回数が前記第1の引落要求元に対応付けられた上限回数を超える場合に、前記第1の引落要求元に対して引き落としの不可を通知する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対応関係は、前記引落要求元毎に累積限度額をさらに対応付け、
前記制御手段は、所定期間内における第2の引落要求元からの第2の引落元口座に対する引落額の累積額が前記第2の引落要求元に対応付けられた累積限度額を超える場合に、前記第2の引落要求元に対して引き落としの不可を通知する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
引落要求元、引落額及び引落元口座を示す情報を含む引落要求を受信する処理と、
記憶手段に記憶された引落要求元と限度額とを対応付ける対応関係を参照して、前記引落額が前記引落要求に含まれる引落要求元に対応付けられた限度額以下であるか否かを判定する処理と、
前記判定する処理の判定結果が肯定判定の場合に、前記引落要求にしたがって前記引落元口座からの前記引落額の引き落としを金融機関の管理サーバに要求する処理と、をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項7】
引落要求元、引落額及び引落元口座を示す情報を含む引落要求を受信する処理と、
記憶手段に記憶された引落要求元と限度額とを対応付ける対応関係を参照して、前記引落額が前記引落要求に含まれる引落要求元に対応付けられた限度額以下であるか否かを判定する処理と、
前記判定する処理の判定結果が肯定判定の場合に、前記引落要求にしたがって前記引落元口座からの前記引落額の引き落としを金融機関の管理サーバに要求する処理と、をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等では、不正利用から顧客の資産を保護する取り組みが行われている。例えば、特許文献1では、発行するカード別に各種使用制限を設けることができるカード処理装置が提案されている。特許文献2では、収納機関が公益法人であると判定されたとき、払込金額が所定の金額を超える場合であっても払込取引を行う自動取引装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-231415号公報
【特許文献2】特開2008-299560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
口座の不正利用による被害を抑制するには、カードや自動取引装置における対策のみならず、口座に利用限度額を設定することも考えられる。しかしながら、口座に利用限度額を設定すると、光熱費やクレジットカード等の引き落としにまで利用限度額による制限が適用されることになる。そのため、口座の残高は不足していないにもかかわらず、引き落としができなくなってしまうことがある。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、口座の不正利用による被害を抑制しつつ、必要な引き落としが実行可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような情報処理装置によって例示される。本情報処理装置は、引落要求元と限度額とを対応付ける対応関係を記憶する記憶手段と、上記記憶手段にアクセスする制御手段と、を備える。上記制御手段は、引落要求元、引落額及び引落元口座を示す情報を含む引落要求を受信する処理と、上記対応関係を参照して、上記引落額が上記引落要求に含まれる引落要求元に対応付けられた限度額以下であるか否かを判定する処理と、上記判定する処理の判定結果が肯定判定の場合に、上記引落要求にしたがって上記引落元口座からの上記引落額の引き落としを金融機関の管理サーバに要求する処理と、を実行する。
【0007】
上記情報処理装置では、引落要求元と限度額とが対応付けられる。そして、上記引落額が引落要求元に対応付けられた限度額以下である場合に、引き落としの実行が管理サーバに対して要求される。ここで、限度額は、通常の引き落としで要求される引落額に応じて適宜決定されればよい。本情報処理装置によれば、通常より多い額の引き落としが実行されることが抑制される。一方で、本情報処理装置は、通常要求される範囲内の引き落としであれば、管理サーバに対してその実行を要求する。そのため、本情報処理装置によれば、口座の不正利用による被害を抑制しつつ、必要な引き落としを実行可能とすることができる。そして、上記制御手段は、上記判定する処理の判定結果が否定判定の場合に、上記引落要求に含まれる引落要求元に対して引き落としの不可を通知してもよい。
【0008】
上記対応関係は、引落要求元毎に設定される限度額に適用期間をさらに対応付け、上記制御手段は、上記適用期間内に上記引落要求を受信した場合に、上記引落要求に含まれる引落要求元に対応付けられた限度額を適用するものであってもよい。このような特徴を備えることで、例えば、ボーナスの支給時期のように引き落としが多いと想定される時期には高めの限度額を設定するような、想定される引落額に応じた柔軟な運用が可能となる。
【0009】
また、上記対応関係は、上記引落要求元毎に上限回数をさらに対応付けてもよい。そして、上記制御手段は、所定期間内において第1の引落要求元から第1の引落元口座に対する引落要求を受信した累積回数が上記第1の引落要求元に対応付けられた上限回数を超える場合に、上記第1の引落要求元に対して引き落としの不可を通知するものであってもよい。ここで、上限回数は、通常想定される引き落としの回数に応じて適宜決定されればよい。このような特徴を備えることで、本情報処理装置は、通常の想定より多い回数の引き落としの実行を抑制することができる。
【0010】
また、上記対応関係は、上記引落要求元毎に累積限度額をさらに対応付け、上記制御手段は、所定期間内における第2の引落要求元からの第2の引落元口座に対する引落額の累積額が上記第2の引落要求元に対応付けられた累積限度額を超える場合に、上記第2の引落要求元に対して引き落としの不可を通知するものであってもよい。ここで、累積限度額は、通常想定される引き落としの累積額に応じて適宜決定されればよい。このような特徴を備えることで、本情報処理装置は、通常の想定より高い累積額の引き落としの実行を抑制することができる。
【0011】
開示の技術は、情報処理方法及び情報処理プログラムの側面から把握することも可能である。
【発明の効果】
【0012】
開示の技術によれば、口座の不正利用による被害を抑制しつつ、必要な引き落としを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係る振替システムの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る接続サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る接続サーバの処理ブロックの一例を示す図である。
図4図4は、管理データベースに格納される引落要求元管理テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、管理データベースに格納される引落元口座管理テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る接続サーバの処理フローの一例を示す図である。
図7図7は、制御部による引き落としの可否判定を行う処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。図1は、実施形態に係る振替システム1の一例を示す図である。振替システム1は、接続サーバ100及び管理サーバ200を含む。接続サーバ100と管理サーバ200とは内部ネットワークN1によって接続される。接続サーバ100には、外部ネットワークN2を介して収納機関サーバ300が接続される。内部ネットワークN1及び外部ネットワークN2は、コンピュータを相互に接続するコンピュータネットワークである。
【0015】
収納機関サーバ300は、例えば、クレジットカード会社が管理する情報処理装置である。収納機関サーバ300は、単一のサーバに限定されず、同一のクレジットカード会社が管理するサーバ群であってもよい。収納機関サーバ300は、例えば、クレジットカード会社に配置される。図1には3台の収納機関サーバ300が記載されているが、収納機関サーバ300の台数に限定はない。収納機関サーバ300には、例えば、クレジットカードの利用者夫々の利用金額を示す情報が月毎に蓄積される。そして、収納機関サーバ300は、クレジットカードの利用者夫々の月毎の利用額の引き落としを依頼する引落要求を接続サーバ100に対して送信する。引落要求は、例えば、引落要求を送信した収納機関サーバ300を示す情報、引落要求額及び、引落要求額を引き落とす対象となる口座を示す情報を含む。以下、本明細書において、引落要求を送信した収納機関サーバ300を要求元収納機関サーバ300とも称する。収納機関サーバ300は、「引落要求元」の一例である。「引落要求額を引き落とす対象となる口座」は、「第1の引落元口座」及び「第2の引落元口座」の一例である。
【0016】
接続サーバ100は、管理サーバ200と収納機関サーバ300とを中継する情報処理装置である。接続サーバ100は、収納機関サーバ300からの引落要求を受信すると、引落要求元毎に設定された限度額を確認して引き落としの可否を判定する。引き落とし可と判定した接続サーバ100は、受信した引落要求を管理サーバ200に転送する。
【0017】
管理サーバ200は、金融機関において顧客が保有する口座を管理する情報処理装置である。管理サーバ200は、接続サーバ100から転送された引落要求にしたがって、顧客の口座からの引き落としを実行する。管理サーバ200は、例えば、引落要求にしたがって、顧客の口座から引き落とした金額を収納機関サーバ300を管理する会社の口座に振り替える。
【0018】
図2は、実施形態に係る接続サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。接続サーバ100は、Central Processing Unit(CPU)101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104及び接続バスB1を含む。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103及び通信部104は、接続バスB1によって相互に接続されている。なお、管理サーバ200及び収納機関サーバ300も接続サーバ100と同様のハードウェア構成を有する。
【0019】
CPU101は、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していてもよい。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われてもよい。また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU101は、プロセッサと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。接続サーバ100では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主
記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、接続サーバ100は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102及び補助記憶部103は、接続サーバ100が読み取り可能な記録媒体である。
【0020】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0021】
補助記憶部103は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置及び外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部103は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0022】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。また、補助記憶部103は、例えば、Compact Disc(CD)ドライブ装置、Digital Versatile Disc(DVD)ドライブ装置、Blu-ray(登録商標) Disc(BD)ドライブ装置等である。また、補助記憶部103は、Network Attached Storage(NAS)あるいはStorage Area Network(SAN)によって提供されてもよい。
【0023】
通信部104は、例えば、内部ネットワークN1や外部ネットワークN2とのインターフェースである。通信部104は、内部ネットワークN1や外部ネットワークN2を介して外部の装置と通信を行う。
【0024】
接続サーバ100は、例えば、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける入力部をさらに備えてもよい。このような入力部として、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、加速度センサあるいは音声入力装置といった入力デバイスを例示できる。
【0025】
接続サーバ100は、例えば、CPU101で処理されるデータや主記憶部102に記憶されるデータを出力する出力部を備えるものとしてもよい。このような、出力部として、Cathode Ray Tube(CRT)ディスプレイ、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネルあるいはプリンタといった出力デバイスを例示できる。
【0026】
<接続サーバ100の処理ブロック>
図3は、実施形態に係る接続サーバ100の処理ブロックの一例を示す図である。接続サーバ100は、制御部11及び管理データベース(図中では、「管理DB」と記載)12を備える。接続サーバ100は、主記憶部102に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記接続サーバ100の、制御部11及び管理データベース12等の各部としての処理を実行する。
【0027】
管理データベース12は、引落要求の要求元を管理するデータベースである。図4は、
管理データベース12に格納される引落要求元管理テーブル121の一例を示す図である。引落要求元管理テーブル121は、引落要求元と引き落としの限度額とを対応付ける管理テーブルである。引落要求元管理テーブル121は、「引落要求元」、「口座」、「限度額」及び「適用期間」の各項目を含む。
【0028】
「引落要求元」には、引落要求の要求元を特定する情報が格納される。引落要求の要求元を特定する情報としては、収納機関サーバ300のIPアドレス、収納機関サーバ300のホスト名、収納機関サーバ300を管理する会社の名称等を挙げることができる。なお、「引落要求元」には引落要求元を一意に識別する識別コードを格納し、他のテーブルで識別コードと、収納機関サーバ300のIPアドレス、収納機関サーバ300のホスト名、収納機関サーバ300を管理する会社の名称、引落要求元の名称等との対応関係を管理してもよい。
【0029】
「口座」には、引落要求元となる収納機関サーバ300を管理する会社が保有する口座の口座番号が格納される。換言すれば、引き落としが実行された際に、引き落とされた金額が振り込まれる口座の口座番号が格納される。「限度額」には、1回の引き落としにおける限度額が格納される。「適用期間」には、「限度額」が適用される期間を示す情報が格納される。「適用期間」が設定されることで、例えばボーナスの時期には限度額を多めに設定するように期間に応じて「限度額」を切り替えることが可能となる。
【0030】
図5は、管理データベース12に格納される引落元口座管理テーブル122の一例を示す図である。引落元口座管理テーブル122は、「引落元口座」、「引落要求元」、「累積額」、「累積限度額」、「回数」及び「上限回数」の各項目を含む。「引落元口座」には、引き落とされる口座の口座番号が格納される。「引落要求元」に格納される情報は、引落要求元管理テーブル121の「引落要求元」と同様であるため、説明を省略する。「累積額」には、所定期間(例えば、1日や1か月)において実行された引き落とし累積額が格納される。「累積限度額」には、上記所定期間における引き落とし累積額に対する限度額が格納される。「回数」には、上記所定期間において実行された引き落としの回数が格納される。「上限回数」には、上記所定期間において実行可能な引き落とし回数の上限が格納される。管理データベース12は、「記憶手段」の一例である。
【0031】
図3に戻り、制御部11は、管理データベース12の引落要求元管理テーブル121及び引落元口座管理テーブル122を参照して、収納機関サーバ300から受信した引落要求にしたがった引き落としの可否判定を行う。制御部11は、引き落とし可と判定した場合、収納機関サーバ300から受信した引落要求を管理サーバ200に転送するとともに、引落元口座管理テーブル122を更新する。また、制御部11は、引き落とし不可と判定した場合、収納機関サーバ300に対して引き落としの不可を通知する。制御部11は、「制御手段」の一例である。
【0032】
図6は、実施形態に係る接続サーバ100の処理フローの一例を示す図である。以下、図6を参照して、接続サーバ100の処理フローの一例について説明する。
【0033】
T1では、制御部11は、収納機関サーバ300から引落要求を受信する。T2では、制御部11は、T1で受信した引落要求にしたがった引き落としの可否判定を行う。引き落とし可の場合(T2でYES)、処理はT3に進められる。引き落とし不可の場合(T2でNO)、処理はT6に進められる。T2の処理の詳細は、図7を参照して後述する。
【0034】
T3では、制御部11は、T1で受信した引落要求を管理サーバ200に転送する。管理サーバ200は、例えば、転送された引落要求にしたがった引き落とし処理を実行する。引き落とし処理を完了した管理サーバ200は、接続サーバ100に完了報告を行う。
T4では、管理サーバ200から完了報告を受信した接続サーバ100の制御部11は、要求元収納機関サーバ300に対して引き落としの完了を通知する完了通知を送信する。
【0035】
T5では、制御部11は、引落元口座管理テーブル122のうち要求元収納機関サーバ300に対応付けられた各項目を更新する。すなわち、制御部11は、引落元口座管理テーブル122において要求元収納機関サーバ300に対応付けられた項目「累積額」にT1で受信した引落要求が示す引落要求額を加算する。また、制御部11は、引落元口座管理テーブル122において要求元収納機関サーバ300に対応付けられた項目「回数」に「1」を加算する。
【0036】
T6では、制御部11は、要求元収納機関サーバ300に対して、引き落としの不可を通知する引き落とし不可通知を送信する。
【0037】
図7は、制御部11による引き落としの可否判定を行う処理フローの一例を示す図である。図7は、図6のT2の処理の詳細な処理フローを示す図である。以下、図7を参照して、制御部11による引き落としの可否判定を行う処理フローの一例について説明する。
【0038】
T21では、制御部11は、T1で受信した引落要求の要求元及び受信した日に応じて、引き落としの可否判定に用いる条件を引落要求元管理テーブル121及び引落元口座管理テーブル122から取得する。制御部11は、例えば、引落要求元管理テーブル121において引落要求の要求元に対応付けられた限度額を取得する。また、制御部11は、引落元口座管理テーブル122において引落要求の要求元に対応付けられた累積限度額及び上限回数のうち、引落要求が指定する引落元口座に対応付けられた累積限度額及び上限回数を取得する。
【0039】
T22では、制御部11は、図6のT1で受信した引落要求が示す引落要求額が、T21で取得した条件に設定された限度額以下であるか否かを判定する。限度額以下である場合(T22でYES)、処理はT23に進められる。限度額以下ではない場合(T22でNO)、処理はT26に進められる。
【0040】
T23では、制御部11は、図6のT1で受信した引落要求が示す引落要求額を、T21で取得した条件における累積額に加算した仮累積額を算出する。制御部11は、仮累積額がT21で取得した条件における累積限度額以下であるか否かを判定する。累積限度額以下である場合(T23でYES)、処理はT24に進められる。累積限度額以下ではない場合(T23でNO)、処理はT26に進められる。
【0041】
T24では、制御部11は、T21において取得した条件における回数に1を加算した仮回数を算出する。制御部11は、仮回数がT21で取得した条件における上限回数以内であるか否かを判定する。上限回数以内の場合(T24でYES)、処理はT25に進められる。上限回数より多い場合(T24でNO)、処理はT26に進められる。
【0042】
T25では、制御部11は、図6のT1で受信した引落要求に対して、引き落とし可と判定する。T26では、制御部11は、図6のT1で受信した引落要求に対して、引き落とし不可と判定する。
【0043】
<実施形態の作用効果>
実施形態では、引き落としを許可する条件を引き落としの要求元に対応付けた。そのため、クレジットカード等の不正利用等により引落額が想定外に高くなっても、顧客の口座から引き落としが実行されるリスクを低減することができる。また、本実施形態では、口座に利用限度額を設定する場合とは異なり、顧客が自身の口座から送金を行ったり、自身
の口座から引き出したりしても、収納機関サーバ300からの引落要求には影響しない。そのため、本実施形態によれば、口座の不正利用による被害を抑制しつつ、必要な引き落としが実行することができる。
【0044】
本実施形態では、引落要求元管理テーブル121において「限度額」の項目が設定され、引落元口座管理テーブル122において「累積限度額」の項目が設定される。そのため、接続サーバ100は、収納機関サーバ300からの引落要求に対して、1回あたりの引落額及び所定期間内に累積された累積額の双方の観点から、引き落としの可否判定を行うことができる。
【0045】
また、本実施形態では、引落元口座管理テーブル122の「回数」には、所定期間内における引き落としの実行可能回数が格納される。そのため、接続サーバ100は、収納機関サーバ300からの通常想定される以上の回数の引落要求に対して要求された引き落としを拒否することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、引き落としの可否判定に、「限度額」、「累積限度額」及び「上限回数」が採用されたが、これらのうちのいずれか一つを引き落としの可否判定に採用してもよいし、これらのうちの複数を選択して適宜組み合わせて引き落としの可否判定に採用してもよい。採用する引き落としの可否判定に用いる条件に応じて、引落要求元管理テーブル121の項目は適宜増減することができる。また、引落要求元管理テーブル121には「適用期間」が設定されたが、「適用期間」は省略されてもよい。また、引落元口座管理テーブル122において「適用期間」が設定されることで、「累積額」、「累積限度額」、「回数」、「上限回数」に共通して適用される適用期間が設定されてもよい。さらには、「累積額」及び「累積限度額」に適用される適用期間や、「回数」及び「上限回数」に適用される適用期間が引落元口座管理テーブル122において夫々設定されてもよい。なお、「累積額」、「累積限度額」、「回数」、「上限回数」に設定される適用期間は、引落要求元管理テーブル121に設定される適用期間とは異なる期間が設定されてもよい。また、適用期間は適宜変更してもよい。
【0047】
本実施形態では、引落要求元管理テーブル121及び引落元口座管理テーブル122は接続サーバ100に記憶された。しかしながら、引落要求元管理テーブル121及び引落元口座管理テーブル122の少なくとも一方は管理サーバ200に記憶されてもよい。このような場合、接続サーバ100は、管理サーバ200にアクセスして処理に用いる情報を取得すればよい。
【0048】
本実施形態では、引落要求元管理テーブル121及び引落元口座管理テーブル122によって、引き落としを許可する条件を管理したが、引落要求元管理テーブル121及び引落元口座管理テーブル122から選択した一つ又は複数の項目を統合した一つのテーブルによって引き落としを許可する条件を管理してもよい。
【0049】
以上で開示した実施形態は、その目的の範囲内において様々に変形することができる。
【0050】
<<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0051】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等
から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0052】
1・・振替システム
100・・接続サーバ
101・・CPU
102・・主記憶部
103・・補助記憶部
104・・通信部
11・・制御部
12・・管理データベース
121・・引落要求元管理テーブル
122・・引落元口座管理テーブル
200・・管理サーバ
300・・収納機関サーバ
N1・・内部ネットワーク
N2・・外部ネットワーク
B1・・接続バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7