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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154045
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】オットマン装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/06 20060101AFI20221005BHJP
   A47C 7/50 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B60N3/06
A47C7/50 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056889
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】大島 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智
(72)【発明者】
【氏名】掛端 泰文
(72)【発明者】
【氏名】海老塚 義紀
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088JA02
3B088JB02
(57)【要約】
【課題】好適に使用することができるオットマン装置を実現する。
【解決手段】シートSのシートフレームFに取り付けられるブラケット10と、ユーザーの脚を支持する脚載せ部20と、脚載せ部20が取り付けられている連結部材30と、シートSの幅方向を軸方向として、一端部がブラケット10に回動可能に連結され、他端部が連結部材30に回動可能に連結されている左右一対のリンク部40と、脚載せ部20の配置を格納位置と作動位置とに切り替える駆動部50と、を備えたオットマン装置100において、脚載せ部20は、連結部材30と左右一対のリンク部40を介してブラケット10に支持されているとともに、駆動部50と保持部53を介してブラケット10に支持されているので、左右一対の4節リンク機構で脚載せ部を支持している従来のオットマン装置よりも脚載せ部20の支持剛性が向上されており、その脚載せ部20に脚を載せた姿勢が安定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートのシートフレームに取り付けられるブラケットと、
ユーザーの脚を支持する脚載せ部と、
前記脚載せ部が取り付けられている連結部材と、
前記シートの幅方向を軸方向として、一端部が前記ブラケットに回動可能に連結され、他端部が前記連結部材に回動可能に連結されている左右一対のリンク部と、
前記脚載せ部の配置を、前記ブラケットに近接した格納位置と、前記ブラケットから離間した作動位置とに切り替える駆動部と、
を備えたオットマン装置であって、
前記連結部材は、前記左右一対のリンク部における、左側のリンク部に連結された左側連結部と、右側のリンク部に連結された右側連結部と、前記左側連結部と前記右側連結部の前端同士を繋いでいる前側連結部とを有しており、前記脚載せ部は前記前側連結部に取り付けられており、
前記駆動部は、モータと、前記モータによって回転される駆動軸とを備えており、前記モータは前記脚載せ部に固定されているとともに、前記駆動軸は前記ブラケットに設けられている保持部に回転可能であってその姿勢を切り替え可能に保持されていることを特徴とするオットマン装置。
【請求項2】
前記前側連結部は略U字形状を呈しており、
前記脚載せ部は前記前側連結部と略U字状の接触域を有して取り付けられており、
前記モータは略U字形状の前記前側連結部に囲われた位置にて前記脚載せ部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のオットマン装置。
【請求項3】
前記左右一対のリンク部の一端部は、前記ブラケットに形成されている底板部の両側に立設されている左右一対の立壁部に連結されており、
前記モータの駆動軸を保持する保持部は、前記ブラケットの底板部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のオットマン装置。
【請求項4】
前記左側連結部と前記右側連結部にはそれぞれ、その延在方向に沿わせた補強部材が設けられており、
前記リンク部の他端部は前記補強部材を介して前記連結部材に連結されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のオットマン装置。
【請求項5】
前記左右一対のリンク部はそれぞれ、前記前側連結部寄りに配置されている前側リンクと、前記前側リンクよりも後ろ側に配置されている後側リンクとを備えており、
前記前側リンクと前記後側リンクとは、その長さが異なるように構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のオットマン装置。
【請求項6】
前記シートフレームは、左右一対のサイドフレームに掛け渡されているパンフレームを備えており、前記パンフレームには通気用の開口部が設けられており、
当該オットマン装置の前記ブラケットは、前記パンフレームの下方に配置されて前記開口部と重ならない位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のオットマン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オットマン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両のシートに備えられたオットマン装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このオットマン装置は、アクチュエータによって左右一対の4節リンク機構を作動させて、脚載せ部を格納位置から作動位置へ移動させるようになっており、作動位置へ配置が切り替えられた脚載せ部にユーザーの脚を載せることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-248109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のオットマン装置の場合、脚載せ部にかかる荷重を左右一対の4節リンク機構で支持する構造であるため、その支持剛性が低く、脚載せ部に脚を載せた姿勢が安定しないことがあり、使用感が損なわれる可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、好適に使用することができるオットマン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
シートのシートフレームに取り付けられるブラケットと、
ユーザーの脚を支持する脚載せ部と、
前記脚載せ部が取り付けられている連結部材と、
前記シートの幅方向を軸方向として、一端部が前記ブラケットに回動可能に連結され、他端部が前記連結部材に回動可能に連結されている左右一対のリンク部と、
前記脚載せ部の配置を、前記ブラケットに近接した格納位置と、前記ブラケットから離間した作動位置とに切り替える駆動部と、
を備えたオットマン装置であって、
前記連結部材は、前記左右一対のリンク部における、左側のリンク部に連結された左側連結部と、右側のリンク部に連結された右側連結部と、前記左側連結部と前記右側連結部の前端同士を繋いでいる前側連結部とを有しており、前記脚載せ部は前記前側連結部に取り付けられており、
前記駆動部は、モータと、前記モータによって回転される駆動軸とを備えており、前記モータは前記脚載せ部に固定されているとともに、前記駆動軸は前記ブラケットに設けられている保持部に回転可能であってその姿勢を切り替え可能に保持されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオットマン装置において、
前記前側連結部は略U字形状を呈しており、
前記脚載せ部は前記前側連結部と略U字状の接触域を有して取り付けられており、
前記モータは略U字形状の前記前側連結部に囲われた位置にて前記脚載せ部に固定されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のオットマン装置において、
前記左右一対のリンク部の一端部は、前記ブラケットに形成されている底板部の両側に立設されている左右一対の立壁部に連結されており、
前記モータの駆動軸を保持する保持部は、前記ブラケットの底板部に設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載のオットマン装置において、
前記左側連結部と前記右側連結部にはそれぞれ、その延在方向に沿わせた補強部材が設けられており、
前記リンク部の他端部は前記補強部材を介して前記連結部材に連結されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載のオットマン装置において、
前記左右一対のリンク部はそれぞれ、前記前側連結部寄りに配置されている前側リンクと、前記前側リンクよりも後ろ側に配置されている後側リンクとを備えており、
前記前側リンクと前記後側リンクとは、その長さが異なるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載のオットマン装置において、
前記シートフレームは、左右一対のサイドフレームに掛け渡されているパンフレームを備えており、前記パンフレームには通気用の開口部が設けられており、
当該オットマン装置の前記ブラケットは、前記パンフレームの下方に配置されて前記開口部と重ならない位置に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、オットマン装置の脚載せ部の配置を格納位置から作動位置へ好適に切り替えることができ、作動位置に切り替えられた脚載せ部にユーザーは脚を載せて使用することができる。
そして、このオットマン装置の脚載せ部は、連結部材と左右一対のリンク部を介してブラケットに支持されているとともに、駆動部と保持部を介してブラケットに支持されているので、上記特許文献1のオットマン装置(左右一対の4節リンク機構で脚載せ部を支持しているオットマン装置)よりも脚載せ部の支持剛性が向上されており、その脚載せ部に脚を載せた姿勢が安定する。
また、左右一対のリンク部は連結部材に連結されて、その連結部材を介して脚載せ部に取り付けられているので、脚載せ部に脚を載せた姿勢が安定し易い。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、オットマン装置の脚載せ部は、連結部材の前側連結部と略U字状の接触域を有して取り付けられているとともに、脚載せ部における略U字形状の前側連結部に囲われた位置に駆動部のモータが固定されているので、より一層脚載せ部の支持剛性を高めることが可能になる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、オットマン装置の脚載せ部を支持する左右一対のリンク部は、左右一対の立壁部に連結されており、その左右一対の立壁部は底板部によって一体に繋がれているので、左側のリンク部と右側のリンク部がそれぞれ別部材に連結されている場合に比べて、左右一対のリンク部による脚載せ部の支持剛性を高めることが可能になる。
また、モータの駆動軸を保持する保持部は、ブラケットの底板部に設けられているので、脚載せ部を支持する力をブラケットに分散させて支持することが可能になる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、オットマン装置の脚載せ部を支持する連結部材の左側連結部と右側連結部には、補強部材が設けられているので、連結部材による脚載せ部の支持剛性を高めることが可能になる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、左右一対のリンク部によって、脚載せ部の配置の切り替えがスムーズに行われるようになる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、オットマン装置のブラケットは、パンフレームの開口部と重ならない位置に取り付けられているので、例えば、パンフレームの下面側に取り付けられた送風装置による気流がシート上面に抜けるように送気することが可能になる。
このようにして、オットマン装置の取り付け領域と、送風装置などの取り付け領域の両方を確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態のオットマン装置を示す斜視図であり、脚載せ部が格納位置にある状態を示している。
図2】本実施形態のオットマン装置を示す斜視図であり、脚載せ部が第1の作動位置にある状態を示している。
図3】本実施形態のオットマン装置を示す斜視図であり、脚載せ部が第2の作動位置にある状態を示している。
図4】シートフレームに取り付けられているオットマン装置を示す斜視図であり、脚載せ部が格納位置にある状態を示している。
図5】シートフレームに取り付けられているオットマン装置を示す斜視図であり、脚載せ部が第1の作動位置にある状態を示している。
図6】シートフレームに取り付けられているオットマン装置を示す斜視図であり、脚載せ部が第2の作動位置にある状態を示している。
図7】オットマン装置を示す側面図であり、脚載せ部が格納位置にある状態を示している。
図8】オットマン装置を示す側面図であり、脚載せ部が第1の作動位置にある状態を示している。
図9】オットマン装置を示す側面図であり、脚載せ部が第2の作動位置にある状態を示している。
図10】オットマン装置が取り付けられているシートフレームを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明に係るオットマン装置の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0020】
なお、以下でいうシートは、例えば車両用シート、航空機用シート、船舶用シート等の乗物用のシートであるが、シートが乗物用のシートである場合に限定されない。
また、以下においては図4などに示すように、前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。ここでは、シートにオットマン装置が配設されている側を「前」、その反対側を「後」、シートに着座して前方を正面視した状態における左手側を「左」、シートに着座して前方を正面視した状態における右手側を「右」とし、上下方向は鉛直方向に準じる。すなわち、シートの幅方向は左右方向に相当する。
【0021】
本実施形態のオットマン装置100は、例えば図1図3図4図6に示すように、シートSのシートフレームFに取り付けられるブラケット10と、ユーザーの脚を支持する脚載せ部20と、脚載せ部20が取り付けられている連結部材30と、シートSの幅方向を軸方向として、一端部がブラケット10に回動可能に連結され、他端部が連結部材30に回動可能に連結されている左右一対のリンク部40と、脚載せ部20の配置を、ブラケット10に近接した格納位置と、ブラケット10から離間した作動位置とに切り替える駆動部50等を備えている。
なお、図中、左右一対のリンク部40のうち、奥側に図示されている右側のリンク部40は視認し難くなっているが、その右側のリンク部40は、手前側に図示されている左側のリンク部40とシートSの幅方向に対称に設けられている。
また、図4図6においては、シートSのシートフレームFのみを図示しているが、シートフレームFにクッションやカバーが取り付けられて、ユーザーが座るシートSが構成される。
【0022】
ブラケット10は、例えば、金属製の板材を折曲加工や溶接などによって成形した部材であり、底板部13と、底板部13の両側に立設されている左右一対の立壁部11,12と、左右一対の立壁部11,12の上端同士を繋いでいる天面部14を有している。
このブラケット10がネジ止めなどによってシートフレームFに取り付けられ、シートSにオットマン装置100が組み付けられている。
具体的には、ブラケット10はシートフレームFのクッションフレームの前側下部に取付けられて、オットマン装置100はシートSの前面下部に配設されている。
【0023】
脚載せ部20は、例えば、金属製の平板部材であり、この板状の脚載せ部20の裏面側に連結部材30が取り付けられている。
そして、この脚載せ部20にオットマン用のパッド(図示省略)が取り付けられた態様で使用される。
【0024】
連結部材30は、例えば、金属製のパイプを折曲加工してなる部材であり、左側のリンク部40に連結された左側連結部31と、右側のリンク部40に連結された右側連結部32と、左側連結部31と右側連結部32の前端同士を繋いでいる前側連結部33とを有している。
そして、連結部材30の前側連結部33に、脚載せ部20が取り付けられている。
この前側連結部33は、略U字形状を呈しており、脚載せ部20は前側連結部33と略U字状の接触域を有して取り付けられている。
【0025】
また、連結部材30の左側連結部31と右側連結部32は、直線状に延在する部分であり、左側連結部31と右側連結部32にはそれぞれ、その延在方向に沿わせた補強部材60が設けられている。
補強部材60は、金属製の板材を折曲加工するなどして成形した部材であり、左側連結部31と右側連結部32の剛性を高めるために設けられている。
ここでの補強部材60は、断面視「コ」字形状を呈する縁部61を有しており、この縁部61が左側連結部31と右側連結部32をそれぞれ3方向から囲うように配設されている。
なお、補強部材60は、断面視「L」字形状を呈する縁部61を有し、その縁部61が左側連結部31と右側連結部32をそれぞれ2方向から囲うように配設されたものでもよい。
【0026】
左右一対のリンク部40はそれぞれ、前側連結部33寄りに配置されている前側リンク41と、前側リンク41よりも後ろ側に配置されている後側リンク42とを備えている。
前側リンク41と後側リンク42は長さが異なり、前側リンク41の方が後側リンク42よりも長い。
前側リンク41と後側リンク42は、シートSの幅方向と交差する方向(ここでは直交する方向)に沿って前後に所定間隔をあけて配設されている。
前側リンク41と後側リンク42はそれぞれ、一端部(下端部)がブラケット10の立壁部11,12に回動可能に連結されており、他端部(上端部)が連結部材30(左側連結部31、右側連結部32)に回動可能に連結されている。
このような構成の左右一対のリンク部40によって、脚載せ部20の配置の切り替えがスムーズに行われるようになっている。
【0027】
ここでは、前側リンク41と後側リンク42の他端部(上端部)は、左側連結部31と右側連結部32に配設されている補強部材60に回動可能に連結されており、前側リンク41と後側リンク42はそれぞれ、補強部材60を介して、左側連結部31と右側連結部32に連結されている。
つまり、補強部材60は、リンク部40と連結部材30を連結するための機能も有している。
なお、補強部材60を用いずに、前側リンク41と後側リンク42の他端部(上端部)をそれぞれ、左側連結部31と右側連結部32に連結してもよい。
【0028】
駆動部50は、モータ51と、モータ51によって回転される駆動軸52とを備えている。このモータ51は所謂スクリューモータであり、駆動軸52はスクリュー軸である。
モータ51は、脚載せ部20の裏面側に固定されている。特に、モータ51は略U字形状の前側連結部33に囲われた位置にて脚載せ部20に固定されている。
駆動軸52は、ブラケット10の底板部13に設けられている保持部53に回転可能であってその姿勢を切り替え可能に保持されている。
保持部53は、ブラケット10の底板部13に立設されており、その上部にモータ51の駆動軸52に対応するナット53aを揺動可能に支持している。
そして、モータ51の駆動軸52は、保持部53に揺動可能に支持されているナット53aに螺入されており、駆動軸52は保持部53のナット53aに螺入された状態で、シートSの幅方向と交差する方向を軸方向として回転可能となっている。
【0029】
次に、本実施形態のオットマン装置100の動作について、図1図3図4図6図7図9を用いて説明する。
なお、図7図9に示すオットマン装置100の側面図では、駆動部50の動作状態や姿勢を視認し易くするために、連結部材30とリンク部40と補強部材60の図示を省略している。
【0030】
オットマン装置100を使用しない状態では、図1図4図7に示すように、脚載せ部20はブラケット10に近接した格納位置に配置されている。
このとき、図7に示すように、駆動部50の作動量は「0mm」であり、保持部53のナット53aが駆動軸52におけるモータ51寄りの軸元の位置にある。
【0031】
オットマン装置100を使用するため、図示しないスイッチを操作して、駆動部50の作動量を例えば「20mm」とするようにモータ51を駆動させ、駆動軸52を正方向に回転させると、図2図5図8に示すように、保持部53のナット53aが駆動軸52の先端側へ移動することで、相対的に駆動部50が保持部53から前方に移動し、前側リンク41と後側リンク42がそれぞれ前方に傾き、連結部材30に取り付けられている脚載せ部20はブラケット10から離間した第1の作動位置に配置される。
例えば、駆動部50の作動量が「20mm」であるとき、図8に示すように、保持部53のナット53aは駆動軸52における中央側の位置にある。
【0032】
また、図示しないスイッチを操作して、駆動部50の作動量を例えば「40mm」とするようにモータ51を駆動させ、駆動軸52を正方向に回転させると、図3図6図9に示すように、保持部53のナット53aが駆動軸52の先端側へより移動することで、相対的に駆動部50が保持部53からより前方に移動し、前側リンク41と後側リンク42がそれぞれ前方により傾き、連結部材30に取り付けられている脚載せ部20はブラケット10からより離間した第2の作動位置に配置される。
例えば、駆動部50の作動量が「40mm」であるとき、図9に示すように、保持部53のナット53aは駆動軸52における軸先端側の位置にある。
【0033】
このように、オットマン装置100の脚載せ部20を第1の作動位置や第2の作動位置に配置させて、その脚載せ部20にユーザーの脚を載せて使用する。
なお、ここでは脚載せ部20の配置を、第1の作動位置(作動量「20mm」)と第2の作動位置(作動量「40mm」)の二段階に切り替えるように説明したが、脚載せ部20の配置はナット53aが駆動軸52に沿って移動できる範囲で任意であり、例えば、駆動部50の作動量を「15mm」や「35mm」とするように、脚載せ部20の配置を切り替えることができる。
【0034】
そして、オットマン装置100の使用をやめる場合には、図示しないスイッチを操作して、駆動部50の作動量を「0mm」とするようにモータ51を駆動させ、駆動軸52を逆方向に回転させると、図1図4図7に示すように、保持部53のナット53aが駆動軸52の軸元側へ移動することで、相対的に駆動部50が後方へ移動し、前側リンク41と後側リンク42がそれぞれ起き上がり、連結部材30に取り付けられている脚載せ部20はブラケット10に近接した格納位置に戻される。
【0035】
以上のように、本実施形態のオットマン装置100は、脚載せ部20の配置を格納位置から作動位置へ好適に切り替えることができ、作動位置に切り替えられた脚載せ部20にユーザーは脚を載せて使用することができる。
【0036】
このオットマン装置100の脚載せ部20は、連結部材30と左右一対のリンク部40を介してブラケット10に支持されているとともに、駆動部50と保持部53を介してブラケット10に支持されているので、上記特許文献1のオットマン装置(左右一対の4節リンク機構で脚載せ部を支持しているオットマン装置)よりも脚載せ部20の支持剛性が向上されており、その脚載せ部20に脚を載せた姿勢が安定する。
特に、左右一対のリンク部40は連結部材30に連結されて、その連結部材30を介して脚載せ部20に取り付けられているので、脚載せ部20に脚を載せた姿勢が安定し易い。
【0037】
また、このオットマン装置100の脚載せ部20は、連結部材30の前側連結部33と略U字状の接触域を有して取り付けられているとともに、脚載せ部20における略U字形状の前側連結部33に囲われた位置に駆動部50が固定されているので、より一層脚載せ部20の支持剛性の向上が図られている。
【0038】
また、このオットマン装置100の脚載せ部20を支持する左右一対のリンク部40は、左右一対の立壁部11,12に連結されており、その左右一対の立壁部11,12は底板部13によって一体に繋がれているので、左側のリンク部40と右側のリンク部40がそれぞれ別部材に連結されている場合に比べて、左右一対のリンク部40による脚載せ部20の支持剛性の向上が図られている。
【0039】
また、このオットマン装置100の脚載せ部20を支持する連結部材30の左側連結部31と右側連結部32には、補強部材60が設けられているので、連結部材30による脚載せ部20の支持剛性の向上が図られている。
【0040】
このように、本実施形態のオットマン装置100は、脚載せ部20を支持する各部の支持剛性の向上が図られており、脚載せ部20に脚を載せた姿勢が安定するので、好適に使用することができる。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図10に示すように、シートフレームFは、左右一対のサイドフレーム1,1と、サイドフレーム1,1に掛け渡されているパンフレームを備えており、そのパンフレーム2には通気用の開口部2aが設けられている。
そして、オットマン装置100のブラケット10は、パンフレーム2の下方に配置されており、パンフレーム2の開口部2aと重ならない位置に取り付けられている。
ここでは、ブラケット10の天面部14がパンフレーム2の開口部2aと重ならない配置に取り付けられている。
【0042】
パンフレーム2の開口部2aは、小型ファンなど送風装置(図示省略)の取り付け領域に対応して設けられており、例えば、パンフレーム2の下面側に取り付けられた送風装置(図示省略)による気流がシート上面に抜けるように送気することが可能になっている。
こうすることで、オットマン装置100の取り付け領域と、送風装置の取り付け領域の両方を確保することができる。
なお、このパンフレーム2の開口部2aを送風装置の取り付け領域とすることに限らず、例えば電子制御ユニットなど、その他の装置の取り付け領域とすることも可能である。
【0043】
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 ブラケット
11 立壁部
12 立壁部
13 底板部
14 天面部
20 脚載せ部
30 連結部材
31 左側連結部
32 右側連結部
33 前側連結部
40 リンク部(左右一対のリンク部)
41 前側リンク
42 後側リンク
50 駆動部
51 モータ
52 駆動軸
53 保持部
53a ナット
60 補強部材
61 縁部
100 オットマン装置
S シート
F シートフレーム
1 サイドフレーム
2 パンフレーム
2a 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10