(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154072
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】整列装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20221005BHJP
B65G 47/28 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B65G47/14 102A
B65G47/28 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056935
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】305021292
【氏名又は名称】第一実業ビスウィル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 隆
(72)【発明者】
【氏名】片山 耕平
【テーマコード(参考)】
3F080
3F081
【Fターム(参考)】
3F080AA34
3F080BA02
3F080CC03
3F080CE03
3F081AA35
3F081BA01
3F081BC01
3F081CC17
3F081DA02
3F081DA04
3F081DA14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】送出口から送り出される対象物の搬送路幅方向の位置ずれを抑制しつつ、送出搬送路内での対象物の詰まりを防止する。
【解決手段】整列装置は、回転テーブルの上面に供給された対象物Tを回転搬送面部13に導く回転搬送装置と、回転搬送面部13に近接してその上方に配設され、送出搬送路Hを形成する内側及び外側ガイド部19,20と、送出搬送路Hの高さを画定する高さ画定部24とを備えている。送出搬送路Hは、平面視で、回転搬送面部13の回転方向に交差する方向に延びて該回転搬送面部13の外周縁を横切るように形成されている。送出搬送路Hのうち、少なくとも回転搬送面部13の上側に位置する部分においては、内側ガイド部18及び外側ガイド部20の少なくとも一方の案内面19,21が、上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象物を一列に整列させて送出口から送り出す整列装置であって、
平面視で円形状をなす回転テーブルと、平面視で該回転テーブルの周囲を囲むように配置されて該回転テーブルと同方向に回転する水平な回転搬送面部とを有していて、前記回転テーブルの上面に供給された前記対象物を前記回転搬送面部上に導くように構成された回転搬送装置と、
前記回転搬送面部に近接してその上方に配設され、前記回転搬送面部上に導かれた前記対象物を前記送出口に向けて案内する送出搬送路を形成する一対のガイド部であって、半径方向外側に設けられた外側ガイド部、及びこの外側ガイド部に対し、前記対象物が通過可能な間隔をあけて半径方向内側に設けられた内側ガイド部と、
前記内側ガイド部と前記外側ガイド部との間に形成される前記送出搬送路の高さを画定する高さ画定部と、を備え、
前記送出搬送路は、平面視で、前記回転搬送面部の回転方向に交差する方向に延びて該回転搬送面部の外周縁を横切るとともに前記送出口に至るように形成され、
前記送出搬送路のうち、少なくとも前記回転搬送面部の上側に位置する部分においては、前記内側ガイド部及び前記外側ガイド部の少なくとも一方の案内面が、上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜していることを特徴とする整列装置。
【請求項2】
前記送出搬送路のうち、前記回転搬送面部の上側に位置する部分、及び該回転搬送面部よりも前記送出口側に位置する部分の双方において、前記内側ガイド部及び外側ガイド部の少なくとも一方の案内面が、上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜しており、
前記傾斜する案内面は、前記送出搬送路における前記対象物の搬送方向の全体亘って傾斜角度が一定になるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の整列装置。
【請求項3】
前記外側ガイド部の案内面が、前記傾斜する案内面とされ、
前記内側ガイド部の案内面は鉛直面とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の整列装置。
【請求項4】
前記傾斜する前記案内面の鉛直面に対する傾斜角度は、3°以上5°以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の整列装置。
【請求項5】
複数の対象物を一列に整列させて送出口から送り出す整列装置であって、
平面視で円形状をなす回転テーブルと、平面視で該回転テーブルの周囲を囲むように配置されて該回転テーブルと同方向に回転する水平な回転搬送面部とを有していて、前記回転テーブルの上面に供給された前記対象物を前記回転搬送面部上に導くように構成された回転搬送装置と、
前記回転搬送面部に近接してその上方に配設され、前記回転搬送面部上に導かれた前記対象物を前記送出口に向けて案内する送出搬送路を形成する一対のガイド部であって、半径方向外側に設けられた外側ガイド部、及びこの外側ガイド部に対し、前記対象物が通過可能な間隔をあけて半径方向内側に設けられた内側ガイド部と、
前記内側ガイド部と前記外側ガイド部との間に形成される前記送出搬送路の高さ画定する高さ画定部と、を備え、
前記送出搬送路は、平面視で、前記回転搬送面部の回転方向に交差する方向に延びて該回転搬送面部の外周縁を横切るとともに前記送出口に至るように形成され、
前記内側ガイド部及び前記外側ガイド部は、前記送出搬送路の幅が、該送出搬送路に沿った前記対象物の搬送方向の上流側から下流側に向かうにしたがって狭くなるように形成されていることを特徴とする整列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の対象物を一列に整列して送出口から送り出す整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記整列装置として、従来、特開2012-116588号公報(下記特許文献1)に開示された整列装置が知られている。
【0003】
この整列装置は、対象物を一列に整列させて送出口から送り出す。整列装置の送出部には、該整列装置から送り出された対象物を搬送ベルトによって搬送する搬送装置が接続されている。整列装置は、基台上に設けられたボールと、このボール内に配設され、上面に対象物が供給される回転テーブルと、対象物の搬送路を画定するガイド機構とを備える。
【0004】
前記ボールは、その開口部外周縁に形成されたフランジ部を具備し、垂直な回転軸を中心に回転するように構成される。一方、前記回転テーブルは、傾斜した状態で前記ボール内に配設され、その上縁部が前記ボールのフランジ部上面と同じ高さとなり、且つ当該フランジ部に接続するように設けられており、当該回転テーブルに直交する回転軸を中心に回転するように構成されている。
【0005】
このように構成されたボール及び回転テーブルによれば、前記回転テーブル上に対象物を投入すると、この回転テーブルの回転により対象物に遠心力が作用し、この遠心力によって当該対象物が回転テーブルの外周縁部に移動し、上記上縁部から前記ボールのフランジ部上に移動する。
【0006】
前記ガイド機構は、前記ボールのフランジ部の上方に配置され、当該フランジ部上に移動し、当該フランジ部と共に移動する対象物を前記送出口に向けて案内する機構であって、フランジ部の外周縁より内側に、前記送出口に向けて順次連続的に設けられる外周ガイド及び第2側部ガイドと、フランジ部の内周縁より外側、且つ前記外周ガイド及び第2側部ガイドに対し、前記対象物が通過可能な間隔をあけて半径方向内側に設けられた第1側部ガイドと、第1及び第2側部ガイドによって画定される搬送路の高さを画定する上部ガイドとを備えている。
【0007】
この搬送路は、平面視で、前記ボールのフランジ部に沿って円弧状に延びた後、フランジ部の上面を、その回転方向に交差する方向に横切って、対象物を送り出すための送出口に至る。
【0008】
斯くして、前記回転テーブルから前記フランジ部に移動した対象物は、このフランジ部とともに移動して、外周ガイド及び第2側部ガイドと前記第1側部ガイドとの間に進入し、これら外周ガイド及び第2側部ガイド、並びに第1側部ガイドにより案内され、一列に整列されて前記送出口に移動し、当該送出口から前記搬送装置に向けて送り出される。
【0009】
このように、特許文献1に開示された整列装置では、回転テーブル上に複数の対象物が投入されると、遠心力の作用によって、対象物が順次ボールのフランジ部上に移動し、前記ガイド機構の作用によって一列に整列された状態で送出口から送り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に示す従来の整列装置では、上述したように、第1側部ガイド(内側ガイド部)、第2側部ガイド(外側ガイド部)及び上部ガイド(高さ画定部)により画定される対象物の搬送路(送出搬送路)は、平面視でフランジ部(回転搬送面部)の外周縁を横切って送出口に至るように形成されている。
【0012】
図6は、この従来の整列装置において、内側ガイド部101、外側ガイド部102及び高さ画定部103により画定される送出搬送路104内を対象物Tが搬送される様子を示す概略図であって、搬送方向の下流側から見た図である。この図に示すように、回転搬送面部105は、送出搬送路104における対象物Tの搬送方向(
図6の紙面垂直方向)に交差する方向に回転するので、対象物Tには、その搬送方向と直交する搬送路幅方向(
図6の黒矢印方向)の外力が作用する。この結果、対象物Tは、
図6の白抜き矢印の方向、つまり対象物Tにおける搬送路幅方向の内側端部が外側端部に対して上昇する方向にローリングする。対象物Tがローリングすると、対象物のエッジが各ガイド部101,102の案内面に当接して、対象物Tが送出搬送路104内で詰まるという問題が生じる。
【0013】
この問題を回避するべく、内側ガイド部101と外側ガイド部102との間隔(送出搬送路の幅)を広げることが考えられる。しかしこの場合、送出搬送路104の出口部である送出口において、対象物Tと各ガイド部101,102との間のクリアランスが増加して、送出口から送り出される対象物Tの搬送路幅方向(
図6の左右方向)の位置ずれが大きくなるという問題がある。
【0014】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、送出口から送り出される対象物の搬送路幅方向の位置ずれを抑制しつつ、回転搬送面部の回転に起因する送出搬送路内での対象物の詰まりを防止することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための本発明の一局面は、
複数の対象物を一列に整列させて送出口から送り出す整列装置であって、
平面視で円形状をなす回転テーブルと、平面視で該回転テーブルの周囲を囲むように配置されて該回転テーブルと同方向に回転する水平な回転搬送面部とを有していて、前記回転テーブルの上面に供給された前記対象物を前記回転搬送面部上に導くように構成された回転搬送装置と、
前記回転搬送面部に近接してその上方に配設され、前記回転搬送面部上に導かれた対象物を前記送出口に向けて案内する送出搬送路を形成する一対のガイド部であって、半径方向外側に設けられた外側ガイド部、及びこの外側ガイド部に対し、前記対象物が通過可能な間隔をあけて半径方向内側に設けられた内側ガイド部と、
前記内側ガイド部と前記外側ガイド部との間に形成される前記送出搬送路の上側に配置され、該送出搬送路の高さを画定する高さ画定部と、を備え、
前記送出搬送路は、平面視で、前記回転搬送面部の回転方向に交差する方向に延びて該回転搬送面部の外周縁を横切るとともに前記送出口に至るように形成され、
前記送出搬送路のうち、少なくとも前記回転搬送面部の上側に位置する部分においては、前記内側ガイド部及び外側ガイド部の少なくとも一方の案内面が、上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜している整列装置に係る。
【0016】
この整列装置によれば、前記回転テーブルの上面に複数の前記対象物が投入されると、この回転テーブルの作用によって、当該対象物が順次、前記回転搬送面部上に導かれ、前記回転軸を中心として、当該回転搬送面部と共に回転する。
【0017】
そして、回転搬送面部と共に回転する対象物は、当該回転搬送面部の上方に設けられた外側ガイド部と内側ガイド部との間の送出搬送路に進入し、該送出搬送路(当該外側ガイド部と内側ガイド部との間)を通過することにより一列に整列され、前記送出口から送り出される。この送出搬送路は、平面視で、回転搬送面部の回転方向に交差する方向に延びて該回転搬送面部の外周縁を横切るとともに前記送出口に至るように形成されている。このため、対象物が送出搬送路を搬送される際には、回転搬送面部の回転に起因して、該対象物に対して、搬送方向に直交する方向の外力が作用する。この結果、対象物は、送出搬送路に沿った搬送方向から見て、該対象物の中心軸回りにローリングする。そして、このローリングにより対象物の幅方向の両端部が各ガイド部の案内面に当接すると、送出搬送路内で対象物が詰まるという問題が生じる。
【0018】
この問題を解決するべく、本発明では、送出搬送路における少なくとも回転搬送面部の上側に位置する部分(すなわち、対象物に対して回転搬送面からの外力が作用する部分)において、内側ガイド部及び外側ガイド部の少なくとも一方の案内面を、上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜させるようにした。これにより、対象物にローリングが生じたとしても対象物の幅方向の両端部を該傾斜により逃がすことができる。
【0019】
また、仮に両ガイド部の案内面同士の間隔を単に広げた場合には対象物の幅方向の位置ずれ量が大きくなるが、本発明では、案内面を上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜させるようにしたことで、案内面の下端位置については、案内面を傾斜させない場合と同じ位置に固定することができる。したがって、案内面の下端縁によって、対象物の搬送路幅方向の位置を精度良く規制することができる。
【0020】
このように、本発明によれば、送出口から送り出される対象物の搬送路幅方向の位置ずれを抑制しつつ、回転搬送面部の回転に起因する対象物の送出搬送路内での詰まりを防止することができる。
【0021】
本発明の整列装置において、前記送出搬送路のうち、前記回転搬送面部の上側に位置する部分、及び該回転搬送面部よりも前記送出口側に位置する部分との双方において、前記内側ガイド部及び外側ガイド部の少なくとも一方の案内面が、上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜しており、前記傾斜する案内面は、前記送出搬送路における前記対象物の搬送方向の全体亘って傾斜角度が一定なるように形成されていることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、案内面の傾斜角度を一定にすることで案内面の加工を容易化し、延いては加工コストを低減することができる。また、仮に、前記回転搬送面部の上側に位置する部分にのみ傾斜する案内面を設けた場合、該傾斜面よりも搬送下流側の部分と該傾斜面との間で段差が生じて対象物が該段差に引っ掛かる虞があるが、上述のように傾斜する案内面を送出搬送路における搬送方向の全体に亘って形成することで、このような段差が生じるのを回避して対象物の引っ掛かりを防止することができる。
【0023】
本発明の整列装置において、前記外側ガイド部の案内面が、前記傾斜する案内面とされ、前記内側ガイド部の案内面は鉛直面とされていることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、送出搬送路内で対象物がローリングすることによる対象物の詰まりをより一層確実に防止することができる。すなわち、対象物が送出搬送路に進入するまでの過程では、対象物は遠心力によって円弧状の案内面に押し付けられながら移動し、送出搬送路に進入した後は、外側ガイド部の案内面に略摺接しながら移動することとなる。したがって、この外側ガイド部の案内面を傾斜させることで対象物のローリングを効率的に抑制することができる。一方、第1側部ガイドの案内面は鉛直面で構成することで、該案内面を基準面として利用し、第1側部ガイドと第2側部ガイドとの間隔を、対象物の幅サイズに応じて容易に調整することができる。
【0025】
本発明の整列装置において、前記傾斜する前記案内面の鉛直面に対する傾斜角度は、3°以上5°以下であることが好ましい。
【0026】
すなわち、案内面の鉛直面に対する傾斜角度が小さ過ぎると、対象物がローリングした際の逃げ小さくなり、対象物の詰まりが生じ易くなる一方、案内面の傾斜角度が大き過ぎると、対象物の搬送路幅方向の位置ずれが生じ易くなる。発明者等は、このような考えに基づいて、鋭意研究の末、案内面の傾斜角度を3°以上5°以下に設定することで、対象物の詰まりの防止と、対象物の搬送路幅方向の位置ずれの抑制とを両立できることを見出した。
【0027】
本発明の他の局面は、
複数の対象物を一列に整列させて送出口から送り出す整列装置であって、
平面視で円形状をなす回転テーブルと、平面視で該回転テーブルの周囲を囲むように配置されて該回転テーブルと同方向に回転する水平な回転搬送面部とを有していて、前記回転テーブルの上面に供給された前記対象物を前記回転搬送面部上に導くように構成された回転搬送装置と、
前記回転搬送面部に近接してその上方に配設され、前記回転搬送面部上に導かれた対象物を前記送出口に向けて案内する送出搬送路を形成する一対のガイド部であって、半径方向外側に設けられた外側ガイド部、及びこの外側ガイド部に対し、前記対象物が通過可能な間隔をあけて半径方向内側に設けられた内側ガイド部と、
前記内側ガイド部と前記外側ガイド部との間に形成される前記送出搬送路の高さを画定する高さ画定部と、を備え、
前記送出搬送路は、平面視で、前記回転搬送面部の回転方向に交差する方向に延びて該回転搬送面部の外周縁を横切るとともに前記送出口に至るように形成され、
前記内側ガイド部及び外側ガイド部は、前記送出搬送路の幅が、該送出搬送路に沿った前記対象物の搬送方向の上流側から下流側に向かうにしたがって狭くなるように形成されている。
【0028】
この整列装置によれば、対象物を送出する送出搬送路の上流側部分においては、対象物が回転搬送面部の上面を両ガイド部にガイドされつつ移動する一方、下流側部分においては、対象物が回転搬送面部の外側に移動して、例えば受渡板等やベルト搬送装置の上面に沿って移動する。したがって、回転搬送面部の回転に起因する対象物のローリングが生じるのは送出搬送路の上流側部分のみであり、対象物が送出搬送路の下流側部分に移動して回転搬送面部よりも外側に移動した後は、対象物にローリングを生じさせる要因がなくなる。本発明では、この点に着目して、送出搬送路の上流側部分においては、両ガイド部の案内面同士の間隔を広くとって対象物にローリングが生じたとしても逃げ量を十分に確保する一方、対象物にローリングを生じさせる要因がなくなる下流側部分においては、両ガイド部の案内面同士の間隔を狭くとって、対象物の搬送路幅方向の移動を制限するようにした。これにより、対象物の詰まりの防止と、対象物の搬送路幅方向の位置ずれの抑制とを両立することができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明の整列装置によれば、送出搬送路における少なくとも回転搬送面部の上側に位置する部分において、内側ガイド部及び外側ガイド部の少なくとも一方の案内面を、上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜させるか、又は、内側ガイド部及び外側ガイド部の案内面同士の間隔を、送出搬送路に沿った対象物の搬送方向の上流側から下流側に向かうにしたがって狭くするようにしたことで、送出口から送り出される対象物の搬送路幅方向の位置ずれを抑制しつつ、回転搬送面部の回転に起因する送出搬送路内での対象物の詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態に係る整列装置を含む整列搬送システムを示す平面図である。
【
図2】対象物の一例である異形錠剤を示した図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は長手方向の一方側から見た正面図である。
【
図3】送出口に向けて対象物を案内する第1側部ガイド及び第2側部ガイドの周辺を拡大して示す拡大斜視図である。
【
図4】
図3のIV-IV線断面において、対象物がローリングする様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の具体的な実施の態様につき、図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係る整列装置10を含む整列搬送システム1を示す平面である。この整列搬送システム1は、対象物Tを一列に整列させて送出口25から送り出す整列装置10と、整列装置10から送り出された対象物Tを搬送ベルト41によって搬送する搬送装置40と、整列装置10の送出口25から送りされた対象物Tを前記搬送装置40の搬送ベルト41上に受け渡す受渡板50と、搬送装置40によって搬送される対象物Tを検査する検査装置60とから構成される。
【0033】
対象物Tとしては、例えば、錠剤、カプセル、チップコンデンサなどが挙げられる。本例では、一例として
図2に示す異形錠剤を対象物Tとしている。異形錠剤は、平面形状が長円形をなし(
図2(a)参照)、側面形状及び長手方向の一方側から見た正面形状が共に楕円形状をなし(
図2(b)及び(c)参照)、且つ外周部に帯状の平面を有する錠剤である。
【0034】
前記整列装置10は、基台11上に設けられたお椀状のボール12と、上面に対象物Tが供給される回転テーブル14と、対象物Tの搬送路を画定して当該対象物Tを前記送出口25に案内するガイド機構15とを備えている。
【0035】
前記ボール12は、その開口部の外周縁に形成された水平なフランジ部13を備え、適宜駆動機構(以下、ボール駆動機構)(図示せず)によって、垂直な回転軸を中心に回転するようになっている。そして、このフランジ部13が回転搬送面部として機能する。
【0036】
前記回転テーブル14は、傾斜した状態で前記ボール12内に配設され、その上縁部が前記ボール12のフランジ部13の上面と同じ高さとなり、且つ当該フランジ部13に接続するように設けられている。そして、この回転テーブル14は、適宜駆動機構(以下、テーブル駆動機構)(図示せず)によって、自身と直交する回転軸を中心に回転するように構成されている。
【0037】
尚、前記回転テーブル14の上縁部が前記フランジ部13に接続する部分は、当該回転テーブル14上に投入された対象物Tがフランジ部13に乗り移る部分であり、以下、この接続部を移載位置(
図1において符号14aで示す)という。また、
図1において、矢印B方向が対象物Tを搬送する際の前記ボール12の回転方向であり、同様に、矢印C方向が対象物Tを搬送する際の前記回転テーブル14の回転方向である。
【0038】
そして、これらボール12、ボール駆動機構(図示せず)、回転テーブル14及びテーブル駆動機構(図示せず)が、回転搬送装置として機能する。
【0039】
前記ガイド機構15は、前記移載位置14aにおいて回転テーブル14からフランジ部13上に移動した対象物Tを前記送出口25に向けて移動させる搬送路を画定するものであって、外周ガイド16、第1側部ガイド18、第2側部ガイド20、第1上部ガイド22、第2上部ガイド23、及び第3上部ガイド24を備えている。
【0040】
前記外周ガイド16は、前記フランジ部13の内周縁より外側に設けられ、前記ボール12の中心に近い側(以下、単に「中心側」という)の側面が、円弧状をした凹曲面状の案内面17となっている。
【0041】
また、前記第2側部ガイド20は、外周ガイド16から前記送出口25に向けて延設されるもので、前記中心側の側面が、外周ガイド16の案内面17に連接される案内面21となっており、当該第2側部ガイド20の端部は、前記搬送装置40の上方に至っている。この第2側部ガイド20が外側ガイド部として機能する。
【0042】
また、前記第1側部ガイド18は、前記外周ガイド16及び第2側部ガイド20より前記中心側(半径方向内側)に、これら外周ガイド16及び第2側部ガイド20に対して、前記対象物Tが通過可能な間隔をあけて対向するように配設され、第2側部ガイド20と同様に、その端部は前記搬送装置40の上方に至っている。尚、当然のことながら、この第1側部ガイド18においては、その前記外周ガイド16及び第2側部ガイド20と対向する側面が案内面19となっている。そして、この第1側部ガイド18が内側ガイド部として機能する。
【0043】
また、これら外周ガイド16、第1側部ガイド18及び第2側部ガイド20は、それぞれの下面が前記フランジ部13との間に僅かな隙間をもって当該フランジ部13の上方に位置するように配設されている。
【0044】
第1側部ガイド18と第2側部ガイド20との間には、外周ガイド16の案内面17に沿って円弧状の経路に沿って搬送されてきた対象物Tを受入れて、送出口25に向けて搬送する送出搬送路Hが形成されている。送出搬送路Hは、平面視で、外周ガイド16の案内面17の下流端付近から、フランジ部13の回転方向に交差する方向(本例では
図1の左右方向)に延びてフランジ部13の外周縁を横切るとともに送出口25に至る直線状の搬送路からなる。尚、送出搬送路Hの高さは、後述する第3上部ガイド24(
図4参照)によって画定される。
【0045】
図3は、第1側部ガイド18及び第2側部ガイド20により画定される前記送出搬送路Hの周辺を拡大して示す拡大斜視図であり、
図4は、
図3のIV-IV線断面図である。尚、
図3では、見易さを考慮して、第3上部ガイド24を省略している。
【0046】
各図に示すように、第1側部ガイド18の案内面19は、第1側部ガイド18における第2側部ガイド20との対向面に形成されていて、第1側部ガイド18の長さ方向の全体に亘って延びる鉛直面とされている。すなわち、この案内面19は、水平面であるフランジ部13の上面に対して垂直に形成されている。
【0047】
第2側部ガイド20の案内面21は、該第2側部ガイド20における第1側部ガイド18との対向面の下端部に形成されている。この案内面21は、第2側部ガイド20の長さ方向の全体(送出搬送路Hにおける対象物Tの搬送方向の全体)に亘って延びる傾斜面であり、上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜している。案内面21の鉛直面に対する傾斜角度θ(
図4参照)は3°以上5°以下であることが好ましく、4°であることがより好ましい。本例では、この傾斜角度θは、送出搬送路Hの上流側端から下流側端に至る全範囲において一定角度(本例では4°)に設定されている。
【0048】
送出搬送路Hの送出口25は、
図3に示すように、第1側部ガイド18の案内面19の下流側端縁と、第2側部ガイド20の案内面21の下流側端縁との間に位置している。送出口25の下端の幅寸法は、対象物Tの幅寸法よりも所定量だけ大きい。この所定量は、後述の検査装置60にて許容される対象物Tの搬送路幅方向の位置ずれ量以下に設定される。
【0049】
図1に戻って、前記第1上部ガイド22は、フランジ部13の上面との間に、前記対象物Tが通過可能な間隔を有するように、当該フランジ部13の上方に配設されている。具体的には、第1上部ガイド22は、平面視で、フランジ部13の内周縁に沿って周方向に延びる円弧状の板材からなる。第1上部ガイド22における周方向の中央部の下側に、移載位置14aが位置している。第1上部ガイド22は、回転テーブル14からこの移載位置14aを経由してフランジ部13の上面に乗移る対象物Tの高さを規制する。
【0050】
前記第2上部ガイド23は、同様に、前記フランジ部13との間に、前記対象物Tが通過可能な間隔を有するように、当該フランジ部13の上方に配設されている。第2上部ガイド23は、フランジ部13の回転方向(矢印B方向)において、第1上部ガイド22よりも下流側に配置されていて、フランジ部13の内周縁に沿って周方向に略90°の範囲亘って延設されている。第2上部ガイド23は、一方の端部が第1上部ガイド22の端部に対向し、他方の端部が、第3上部ガイド24の端部に対向するように配置されている。
【0051】
第3上部ガイド24は、一端部が前記第2上部ガイド23に隣接し、他端部が前記搬送装置40の上方に位置するように配設されている。そして、第3上部ガイド24は、前記第1側部ガイド18の案内面19及び前記第2側部ガイド20の案内面21によって画定される送出搬送路Hを覆うように配設されている。そうして、第3上部ガイド24は、送出搬送路Hの高さを画定する高さ画定部として機能する。尚、この第3上部ガイド24は、前記フランジ部13、受渡板50及び前記搬送ベルト41との間に、前記対象物Tが通過可能な間隔を有している。
【0052】
図5に示すように、前記搬送装置40は、支持フレーム45と、この支持フレーム45に支持される直方体状をした中空の負圧ボックス46と、前記搬送ベルト41と、前記負圧ボックス46の周囲に位置するように前記支持フレーム45に支持され、前記搬送ベルト41が前記負圧ボックス46の上面に摺接するように掛け回される4つのプーリ44と、この内の一つのプーリ44に接続されて当該プーリ44を駆動する駆動モータ47とを備えている。
【0053】
前記負圧ボックス46は、その内部が前記負圧供給源(図示せず)に接続されて負圧になっており、その上面には、長手方向に沿ってスリット孔(図示せず)が形成され、このスリット孔から外部に負圧が作用するようになっている。
【0054】
前記搬送ベルト41は、その両側部に突条部42が形成され、この2つの突条部42間に、長手方向に沿って所定間隔で貫通孔43が形成されており、この貫通孔43を介して負圧ボックス46の負圧が前記2つの突条部42間に作用するようになっている。そして、搬送ベルト41は、前記駆動モータ47により駆動されるプーリ44によって、矢印D方向に回動する。
【0055】
前記受渡板50は、前記搬送ベルト41の突条部42の上方に位置するように前記第1側部ガイド18及び第2側部ガイド20の下端面に支持されており、受渡板50は、その基部が、フランジ部13の回転に干渉しないように該フランジ部13との間に僅かな間隙を隔てて配置されている。
【0056】
前記検査装置60は、前記搬送装置40の上方に設けられ、対象物Tの形状が所定の形状であるか否かを検査する一般的な検査装置である。
【0057】
次に、以上の構成を備えた整列装置10により前記対象物Tを整列する態様について説明する。
【0058】
先ず、前記回転テーブル14上に供給された対象物Tは、回転テーブル14の回転による遠心力が働くことで回転テーブル14の外周方向に移動され、回転テーブル14の外周縁部まで移動した対象物Tは、移載位置14aにて回転テーブル14から前記フランジ部13上に移載される。移載された対象物Tは、ボール12の回転に伴いフランジ部13上に載置されたまま、前記外周ガイド16の案内面17に沿って移動する。
【0059】
次いで、フランジ部13上の対象物Tは、第1上部ガイド22の下方に進入する。この際、二段以上に積み重なった状態や起立した状態である場合には、その状態が解消されて前記ボール12内に戻され、所定の高さの範囲内にある対象物Tのみが第1上部ガイド22の下方に進入する。第1上部ガイド22の下方に進入した対象物Tは、外周ガイド16の案内面17に沿って移動する。そして、対象物Tが第1上部ガイド22の下流端を通過し終えると、長径がボール12の径方向を向くような不良姿勢の対象物Tは、ボール12内に落下して除外され、落下せずに残った対象物Tが、さらに第2上部ガイド23の下方に進入する。そして、第2上部ガイド23の下方に進入した対象物Tは、フランジ部13の回転と共に下流側に移動していずれ、第1側部ガイド18及び第2側部ガイド20の端部に達する。このとき、例えば第1側部ガイド18の案内面19よりフランジ部13の内周側を搬送されている対象物Tなど、第1側部ガイド18と第2側部ガイド20との間に進入できない対象物Tは、第1側部ガイド18によりはじかれて、前記ボール12内に戻される。
【0060】
そして、ボール12に戻されずにフランジ部13上に残った対象物Tは、外周ガイド16の案内面17から離叛すると同時に、
図4に示すように、第2側部ガイド20の案内面21と第1側部ガイド18の案内面19と第3上部ガイド24とフランジ部13とに囲まれた送出搬送路H内に進入する。そして、送出搬送路H内に進入した対象物Tは、フランジ部13の回転に伴い、該送出搬送路Hに沿った直進方向の分力を得て下流側に移動し、フランジ部13よりも外側に移動した後は、前記受渡板50上に移動する。受渡板50上に移動した対象物Tは、後方からの押力により受渡板50上を移動して送出口25から送り出された後、前記搬送ベルト41の上面に受け渡される。
【0061】
受渡板50から搬送ベルト41の上面に受け渡された対象物Tは、前記搬送ベルト41の駆動により前記検査装置60に向かって搬送され、当該検査装置60により所定の検査が実行される。このとき、搬送ベルト41上の対象物Tは、負圧機構(図示省略)の吸引力により搬送ベルト41の突条部42上に吸着された状態で搬送される。
【0062】
以上のように構成された整列装置10において、上述したように、対象物Tが送出搬送路H内に進入すると、対象物Tには、フランジ部13の回転に伴い、送出搬送路Hに沿った対象物Tの搬送方向の分力が作用するのに加えて、搬送方向に直交する搬送路幅方向の分力が作用する。このため、対象物Tは、
図4の白矢印で示すように、対象物Tの搬送方向(
図4の紙面垂直方向)から見てその中心軸回りにローリングする。この結果、対象物Tは、その幅方向の内側端部が外側端部よりも上側に上昇して送出搬送路H内で傾いた状態になる。このように対象物Tがローリングして傾くと、対象物Tの幅方向の両端部が各ガイド18,20の案内面19,21に当接して対象物Tが送出搬送路H内に詰まる虞がある。これに対して本例では、一方の案内面21を上側に向かって搬送路幅方向の外側に角度θで傾斜させるようにしたことで、対象物Tの端部を、案内面21の傾斜により逃がして対象物Tの詰まりを防止することができる。また、案内面21の下端位置については、案内面21を傾斜させない場合と同じ位置に固定することができるので、
図5の二点鎖線で示すように、対象物Tが送出口25から受渡板50に移動する際に、両案内面19,21の下端縁によって、対象物Tの搬送路幅方向の位置を精度良く規制することができる。
【0063】
よって、本例の整列装置10によれば、送出口25から送り出される対象物Tの搬送路幅方向の位置ずれを抑制しつつ、フランジ部13の回転に起因する対象物Tの送出搬送路H内での詰まりを防止することができる。
【0064】
また本例では、第2側部ガイド20の案内面21のみを傾斜させて、第1側部ガイド18の案内面19は鉛直面としている。
【0065】
この構成によれば、送出搬送路H内で対象物Tがローリングすることによる対象物Tの詰まりをより一層確実に防止することができる。すなわち、対象物Tが送出搬送路Hに進入するまでの過程では、フランジ部13の回転に伴う遠心力によって対象物Tは、外周ガイド16の案内面17に押し付けられて移動する。このため、送出搬送路Hに進入した対象物Tは、外側ガイド部である第2側部ガイド20の案内面21に摺接しながら移動する。この状態で、対象物Tがローリングすると、第2側部ガイド20の案内面21と対象物Tの端部とが強固に接触して対象物Tの詰まりが生じる。そこで、本例では、この第2側部ガイド20の案内面21を、上述のように角度θで傾斜させることで、対象物Tのローリング時の逃げ量を十分に確保して、対象物Tの詰まりを効果的に防止することができる。また、第1側部ガイド18の案内面19は鉛直面で構成することで、該案内面19を基準面として利用し、第1側部ガイド18と第2側部ガイド20との間隔を、様々な幅サイズの対象物Tに対応して容易に調整することができる。
【0066】
また、本例では、第2側部ガイド20の案内面21は、送出搬送路Hにおける対象物Tの搬送方向の全体に亘って傾斜角度θが一定なるように形成されている。
【0067】
この構成によれば、案内面21を、送出搬送路Hにおける対象物Tの搬送方向の全体に亘って同じ角度で傾斜させることで、案内面21の加工を容易化し、延いては加工コストを低減することができる。また、案内面21におけるフランジ部13の上側に位置する部分のみを傾斜させた場合、案内面21に段差部が生じてしまうが、本例のように、案内面21を送出搬送路Hの搬送方向の全体に亘って傾斜させることで、このような段差が生じて対象物の搬送が阻害されるのを防止することができる。
【0068】
さらに、本例では、第2側部ガイド20に設けられる案内面21の鉛直面に対する傾斜角度θは、3°以上5°以下とされている。
【0069】
案内面21の傾斜角度θをこのような角度範囲に設定することで、対象物Tの詰まりの防止と、対象物Tの搬送路幅方向の位置ずれの抑制とを両立することができる。
【0070】
《他の実施形態》
前記実施形態では、第2側部ガイド20の案内面21を傾斜させることで対象物Tの詰まりを防止するようにしているが、これに限ったものではない。すなわち、例えば第2側部ガイド20の案内面21と、第1側部ガイド18の案内面19とを共に鉛直面で構成しておき、送出搬送路Hの幅を、該送出搬送路Hに沿った対象物Tの搬送方向の上流側から下流側に向かうにしたがって狭めるようにしてもよい。この場合、送出搬送路Hの両案内面19,21は、平面視で、下流側に向かって互いの内側に傾斜することとなる。
【0071】
この構成によれば、フランジ部13の回転の影響を受ける送出搬送路Hの上流側部分においては、送出搬送路Hの幅を広くとって対象物Tのローリング時の逃げ量を十分に確保する一方、対象物Tがフランジ部13の外側(つまり送出搬送路Hの下流側部分)に移動した後は、送出搬送路Hの幅を狭くして送出口25から送り出される対象物Tの搬送路幅方向の位置ずれを精度良く規制することができる。
【0072】
また、前記実施形態では、第2側部ガイド20の案内面21は、送出搬送路Hにおける対象物Tの搬送方向の位置に拘わらず傾斜角度θが一定になるように形成されているが、これに限ったものではなく、例えば、搬送方向の上流側から下流側に向かうにしたがって案内面21の傾斜角度θを減少させるようにしてもよい。この場合、傾斜角度θは、送出口25の位置において0°に設定することが好ましい。
【0073】
この構成によれば、フランジ部13の回転の影響を受ける送出搬送路Hの上流側部分においては、案内面21の傾斜角度θを大きくとって対象物Tのローリング時の逃げ量を十分に確保する一方、対象物Tがフランジ部13の外側(つまり送出搬送路Hの下流側部分)に移動した後は、案内面21の傾斜角度θを極力低減して送出口25から送りされる対象物Tの搬送路幅方向の位置ずれを抑制することができる。
【0074】
前記実施形態では、第2側部ガイド20の案内面21は、送出搬送路Hにおける対象物Tの搬送方向の略全範囲において前記角度θで傾斜するように形成されているが、これに限ったものではなく、例えば、フランジ部13の上側に位置する部分においてのみ案内面21を傾斜させるようにしてもよい。
【0075】
前記実施形態では、対象物Tのローリングを防止するために、第2側部ガイド20の案内面21を傾斜させるようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、第2側部ガイド20の案内面21と、第1側部ガイド18の案内面19との双方を上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜させるようにしてもよいし、第1側部ガイド18の案内面19のみを上側に向かって搬送路幅方向の外側に傾斜させるようにしてもよい。
【0076】
前記実施形態では、回転テーブル14は、鉛直軸に対して傾斜して配置されているが、これに限ったものではなく、水平に配置されていてもよい。すなわち、平面視で円形状をなす回転テーブルと、該回転テーブルの周囲を囲むように配置されて該回転テーブルと同方向に回転する水平な回転搬送面部とを有する回転搬送装置を備えていれば如何なる構成であってもよい。
【0077】
本発明は、上述した様々な実施形態の任意の組合せを含む。
【0078】
尚、上述した実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形及び変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる
【符号の説明】
【0079】
H 送出搬送路
T 対象物
θ 角度
10 整列装置
13 フランジ部(回転搬送面部、回転搬送装置)
14 回転テーブル(回転搬送装置)
18 第1側部ガイド(内側ガイド部)
19 案内面
20 第2側部ガイド(外側ガイド部)
21 案内面
24 第3上部ガイド(高さ画定部)
25 送出口