(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154078
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】制御装置および薬剤鑑別システム
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056947
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】中後 晃博
(72)【発明者】
【氏名】加藤 実咲
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047KK01
4C047KK13
4C047KK15
4C047KK18
4C047KK27
4C047KK28
4C047KK30
4C047KK31
(57)【要約】
【課題】鑑別対象の薬剤の撮影画像と候補薬剤のデータベース画像とを目視によって比較する作業の負担を軽減する。
【解決手段】撮影装置によって鑑別対象の薬剤の表面が撮影された第1の撮影画像と、前記撮影装置によって前記鑑別対象の薬剤の裏面が撮影された第2の撮影画像とに基づいて鑑別されて得られた第1の候補薬剤の表面の第1の登録画像および裏面の第2の登録画像を取得する取得部と、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の表示を制御するとともに、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並び順と一致する並び順によって前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する制御部と、を備える、制御装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置によって鑑別対象の薬剤の表面が撮影された第1の撮影画像と、前記撮影装置によって前記鑑別対象の薬剤の裏面が撮影された第2の撮影画像とに基づいて鑑別されて得られた第1の候補薬剤の表面の第1の登録画像および裏面の第2の登録画像を取得する取得部と、
前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の表示を制御するとともに、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並び順と一致する並び順によって前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の登録画像に写る前記第1の候補薬剤の向きと前記第1の撮影画像に写る前記鑑別対象の薬剤の向きとを一致させるとともに、前記第2の登録画像に写る前記第1の候補薬剤の向きと前記第2の撮影画像に写る前記鑑別対象の薬剤の向きとを一致させる、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の登録画像に写る前記第1の候補薬剤のサイズと前記第1の撮影画像に写る前記鑑別対象の薬剤のサイズとを一致させるとともに、前記第2の登録画像に写る前記第1の候補薬剤のサイズと前記第2の撮影画像に写る前記鑑別対象の薬剤のサイズとを一致させる、
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、表示対象の鑑別結果を変更する操作に基づいて、第2の候補薬剤の表面の第3の登録画像および裏面の第4の登録画像の表示を制御するとともに、前記第3の登録画像および前記第4の登録画像の並び順と一致する並び順によって前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示対象の鑑別結果を変更するための変更画面において、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並ぶ方向と、前記第3の登録画像および前記第4の登録画像の並ぶ方向とを一致させるとともに、前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の並ぶ方向と、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並ぶ方向とを異ならせる、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記変更画面において、前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の並ぶ方向と、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並ぶ方向とを直交させる、
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記第1の撮影画像と前記第1の登録画像と前記第2の撮影画像と前記第2の登録画像とに基づいて算出される類似度を取得し、
前記制御部は、前記類似度の表示を制御する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
撮影装置によって鑑別対象の薬剤の表面が撮影された第1の撮影画像と、前記撮影装置によって前記鑑別対象の薬剤の裏面が撮影された第2の撮影画像とに基づいてサーバによって鑑別されて得られた第1の候補薬剤の表面の第1の登録画像および裏面の第2の登録画像を、ネットワークを介して前記サーバから取得する取得部と、
前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の表示を制御するとともに、前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項9】
前記サーバは、候補薬剤の登録画像を格納するデータベースを備え、
前記取得部は、使用可能な前記データベースの最新バージョン情報を前記サーバから取得し、
前記制御部は、前記最新バージョン情報と使用中バージョン情報とを比較し、前記最新バージョン情報と前記使用中バージョン情報とが一致しない場合に、前記使用中バージョン情報を前記最新バージョン情報で更新する、
請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記最新バージョン情報と前記使用中バージョン情報とが一致しない場合、かつ、前記データベースのバージョン自動更新が設定されている場合に、前記使用中バージョン情報を前記最新バージョン情報で更新する、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記最新バージョン情報と前記使用中バージョン情報とが一致しない場合、かつ、前記データベースのバージョン更新を示す操作が入力された場合に、前記使用中バージョン情報を前記最新バージョン情報で更新する、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項12】
鑑別対象の薬剤の表面を撮影して第1の撮影画像を得るとともに、前記鑑別対象の薬剤の裏面を撮影して第2の撮影画像を得る撮影装置と、
前記第1の撮影画像と前記第2の撮影画像とに基づいて鑑別されて得られた第1の候補薬剤の表面の第1の登録画像および裏面の第2の登録画像を取得する取得部と、
前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の表示を制御するとともに、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並び順と一致する並び順によって前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する制御部と、
を備える、制御装置と、
を有する、薬剤鑑別システム。
【請求項13】
鑑別対象の薬剤の表面を撮影して第1の撮影画像を得るとともに、前記鑑別対象の薬剤の裏面を撮影して第2の撮影画像を得る撮影装置と、
前記第1の撮影画像と前記第2の撮影画像とに基づいて、前記鑑別対象の薬剤を鑑別するサーバと、
前記サーバによって鑑別されて得られた第1の候補薬剤の表面の第1の登録画像および裏面の第2の登録画像を、ネットワークを介して前記サーバから取得する取得部と、
前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の表示を制御するとともに、前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する制御部と、
を備える、制御装置と、
を有する、薬剤鑑別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および薬剤鑑別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鑑別対象の薬剤が撮影されて得られた撮影画像に基づいて薬剤を鑑別する技術が知られている。かかる技術においては、データベースにあらかじめ薬剤の画像(以下、「データベース画像」または「DB画像」とも言う。)が登録されており、鑑別対象の薬剤の撮影画像との間で類似度が高いデータベース画像が鑑別結果の候補薬剤のデータベース画像として得られる。そして、鑑別対象の薬剤の撮影画像と候補薬剤のデータベース画像とが並べられて表示されるのが一般的である。
【0003】
このとき、鑑別対象の薬剤の撮影画像と候補薬剤のデータベース画像との間においてサイズおよび角度が揃うように、鑑別対象の薬剤の撮影画像を拡大または縮小させたり、鑑別対象の薬剤の撮影画像を回転させたりすることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、鑑別対象の薬剤の表面および裏面それぞれの撮影画像に基づいて鑑別が行われる場合があり得る。かかる場合において、鑑別対象の薬剤の表面の撮影画像および裏面の撮影画像を、候補薬剤の表面のデータベース画像および裏面のデータベース画像の並び順と一致する並び順によって表示することが行われていなかった。そのために、鑑別対象の薬剤の撮影画像と候補薬剤のデータベース画像とを目視によって比較する作業の負担が高かった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、鑑別対象の薬剤の撮影画像と候補薬剤のデータベース画像とを目視によって比較する作業の負担を軽減することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明のある観点によれば、撮影装置によって鑑別対象の薬剤の表面が撮影された第1の撮影画像と、前記撮影装置によって前記鑑別対象の薬剤の裏面が撮影された第2の撮影画像とに基づいて鑑別されて得られた第1の候補薬剤の表面の第1の登録画像および裏面の第2の登録画像を取得する取得部と、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の表示を制御するとともに、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並び順と一致する並び順によって前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する制御部と、を備える、制御装置が提供される。
【0008】
前記制御部は、前記第1の登録画像に写る前記第1の候補薬剤の向きと前記第1の撮影画像に写る前記鑑別対象の薬剤の向きとを一致させるとともに、前記第2の登録画像に写る前記第1の候補薬剤の向きと前記第2の撮影画像に写る前記鑑別対象の薬剤の向きとを一致させてもよい。
【0009】
前記制御部は、前記第1の登録画像に写る前記第1の候補薬剤のサイズと前記第1の撮影画像に写る前記鑑別対象の薬剤のサイズとを一致させるとともに、前記第2の登録画像に写る前記第1の候補薬剤のサイズと前記第2の撮影画像に写る前記鑑別対象の薬剤のサイズとを一致させてもよい。
【0010】
前記制御部は、表示対象の鑑別結果を変更する操作に基づいて、第2の候補薬剤の表面の第3の登録画像および裏面の第4の登録画像の表示を制御するとともに、前記第3の登録画像および前記第4の登録画像の並び順と一致する並び順によって前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記表示対象の鑑別結果を変更するための変更画面において、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並ぶ方向と、前記第3の登録画像および前記第4の登録画像の並ぶ方向とを一致させるとともに、前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の並ぶ方向と、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並ぶ方向とを異ならせてもよい。
【0012】
前記制御部は、前記変更画面において、前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の並ぶ方向と、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並ぶ方向とを直交させてもよい。
【0013】
前記取得部は、前記第1の撮影画像と前記第1の登録画像と前記第2の撮影画像と前記第2の登録画像とに基づいて算出される類似度を取得し、前記制御部は、前記類似度の表示を制御してもよい。
【0014】
本発明の他の観点によれば、撮影装置によって鑑別対象の薬剤の表面が撮影された第1の撮影画像と、前記撮影装置によって前記鑑別対象の薬剤の裏面が撮影された第2の撮影画像とに基づいてサーバによって鑑別されて得られた第1の候補薬剤の表面の第1の登録画像および裏面の第2の登録画像を、ネットワークを介して前記サーバから取得する取得部と、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の表示を制御するとともに、前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する制御部と、を備える、制御装置が提供される。
【0015】
前記サーバは、候補薬剤の登録画像を格納するデータベースを備え、前記取得部は、使用可能な前記データベースの最新バージョン情報を前記サーバから取得し、前記制御部は、前記最新バージョン情報と使用中バージョン情報とを比較し、前記最新バージョン情報と前記使用中バージョン情報とが一致しない場合に、前記使用中バージョン情報を前記最新バージョン情報で更新してもよい。
【0016】
前記制御部は、前記最新バージョン情報と前記使用中バージョン情報とが一致しない場合、かつ、前記データベースのバージョン自動更新が設定されている場合に、前記使用中バージョン情報を前記最新バージョン情報で更新してもよい。
【0017】
前記制御部は、前記最新バージョン情報と前記使用中バージョン情報とが一致しない場合、かつ、前記データベースのバージョン更新を示す操作が入力された場合に、前記使用中バージョン情報を前記最新バージョン情報で更新してもよい。
【0018】
本発明の他の観点によれば、鑑別対象の薬剤の表面を撮影して第1の撮影画像を得るとともに、前記鑑別対象の薬剤の裏面を撮影して第2の撮影画像を得る撮影装置と、前記第1の撮影画像と前記第2の撮影画像とに基づいて鑑別されて得られた第1の候補薬剤の表面の第1の登録画像および裏面の第2の登録画像を取得する取得部と、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の表示を制御するとともに、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の並び順と一致する並び順によって前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する制御部と、を備える、制御装置と、を有する、薬剤鑑別システムが提供される。
【0019】
本発明の他の観点によれば、鑑別対象の薬剤の表面を撮影して第1の撮影画像を得るとともに、前記鑑別対象の薬剤の裏面を撮影して第2の撮影画像を得る撮影装置と、前記第1の撮影画像と前記第2の撮影画像とに基づいて、前記鑑別対象の薬剤を鑑別するサーバと、前記サーバによって鑑別されて得られた第1の候補薬剤の表面の第1の登録画像および裏面の第2の登録画像を、ネットワークを介して前記サーバから取得する取得部と、前記第1の登録画像および前記第2の登録画像の表示を制御するとともに、前記第1の撮影画像および前記第2の撮影画像の表示を制御する制御部と、を備える、制御装置と、を有する、薬剤鑑別システムが提供される。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、鑑別対象の薬剤の撮影画像と候補薬剤のデータベース画像とを目視によって比較する作業の負担を軽減することが可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システムの構成例を示す図である。
【
図2】同実施形態に係る薬剤鑑別システムの機能構成例を示す図である。
【
図4】同実施形態に係る鑑別結果の例を示す図である。
【
図5】同実施形態に係る鑑別結果画面の例を示す図である。
【
図6】同実施形態に係る薬剤鑑別システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る鑑別結果変更画面の例を示す図である。
【
図8】表示対象の鑑別結果が変更された後の鑑別結果画面の例を示す図である。
【
図9】同実施形態に係る薬剤鑑別システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図10】本発明の第3の実施形態に係る鑑別結果の例を示す図である。
【
図11】同実施形態に係る鑑別結果画面の例を示す図である。
【
図12】同実施形態に係る鑑別結果変更画面の例を示す図である。
【
図13】本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システムの構成例を示す図である。
【
図14】同実施形態に係る薬剤鑑別システム2の機能構成例を示す図である。
【
図15】本発明の第5の実施形態に係る薬剤鑑別システムの機能構成例を示す図である。
【
図16】薬剤データベース情報記憶部によって記憶される薬剤データベース情報の例を示す図である。
【
図17】薬剤鑑別アプリケーションの起動時における薬剤鑑別システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図18】薬剤鑑別アプリケーションのアイドル画面の例を示す図である。
【
図19】バージョン選択ダイアログの例を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態に係る制御装置の例としての情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0024】
<1.第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0025】
[1-1.薬剤鑑別システムの構成]
まず、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システムの構成例について説明する。一例として、薬剤鑑別システムは、患者が持参した薬剤(持参薬)を鑑別する持参薬鑑別システムとして機能し得る。例えば、薬剤鑑別システムは、病院または薬局などに設置され得る。また、薬剤鑑別システムは、主に操作者(例えば、薬剤師など)によって操作される。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システムの構成例を示す図である。
図1に示されたように、薬剤鑑別システム1は、制御装置10と、撮影装置20とを備える。なお、制御装置10と撮影装置20とは、所定のインタフェースにより接続されている。例えば、インタフェースは、USB(Universal Serial Bus)インタフェースなどであってよい。
【0027】
制御装置10は、薬剤鑑別システム1の全体を制御するコンピュータである。例えば、制御装置10は、本体部180と、操作部112と、表示部114とを備える。操作部112および表示部114それぞれは、本体部180と接続されている。操作部112および表示部114は、後に説明するGUI(Graphical User Interface)部110(
図2)を構成し得る。本体部180は、撮影装置20によって撮影された薬剤の撮影画像に基づいて薬剤の鑑別を行う。
【0028】
操作部112は、操作者の操作を受け付ける入力装置によって構成される。ここでは、操作部112がマウスおよびキーボードによって実現される場合を主に想定する。しかし、操作部112は、マウスおよびキーボード以外の入力装置(例えば、タッチパネルなど)によって実現されてもよい。操作部112によって受け付けられた操作者の操作は、本体部180に提供される。なお、
図1に示された例では、操作部112は、制御装置10の内部に存在する。しかし、操作部112は、制御装置10の外部に存在してもよい。
【0029】
表示部114は、ディスプレイによって構成される。ディスプレイの種類は特に限定されないが、一例として液晶ディスプレイなどであってよい。例えば、表示部114は、本体部180による制御に従って各種情報の表示を行う。表示部114によって表示された各種情報は、操作者によって視認される。なお、
図1に示された例では、表示部114は、制御装置10の内部に存在する。しかし、表示部114は、制御装置10の外部に存在してもよい。
【0030】
撮影装置20は、薬剤(例えば、持参薬)を撮影して撮影画像を得る。例えば、撮影装置20は、箱型の装置筐体220を備える。装置筐体220の前面には、上下方向の中央部にトレイ排出口290が設けられている。撮影装置20は、このトレイ排出口290からトレイを前方に排出することにより、トレイを装置筐体220の外部に露出することが可能であり、前方に排出したトレイを後方に引き戻すことにより、トレイを装置筐体220の内部に収容できるようになっている。
【0031】
なお、トレイ排出口290には、シャッタ292が設けられている。シャッタ292は、トレイ排出時においては開いた状態となり、トレイ収容時においては閉じた状態となる。
【0032】
[1-2.薬剤鑑別システムの機能構成]
続いて、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例について説明する。
【0033】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例を示す図である。
図2に示されたように、薬剤鑑別システム1は、制御装置10と、撮影装置20とを備える。制御装置10は、GUI部110と、鑑別コントローラ120と、装置制御部130と、鑑別部150と、鑑別結果記憶部160と、薬剤データベース170とを備える。上記したように、GUI部110は、操作部112および表示部114を備える。
【0034】
鑑別コントローラ120、装置制御部130および鑑別部150は、制御装置10の図示しない制御部によって実現され得る。図示しない制御部は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、不揮発性の記憶装置により記憶されているプログラムがCPUによりRAM(Random Access Memory)に展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、図示しない制御部は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0035】
鑑別結果記憶部160および薬剤データベース170は、図示しない記憶部によって実現され得る。図示しない記憶部は、図示しない制御部を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、図示しない記憶部は、図示しない制御部の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
【0036】
ハードウェア制御部210は、撮影装置20の図示しない制御部によって実現され得る。図示しない制御部は、CPUなどを含み、不揮発性の記憶装置により記憶されているプログラムがCPUによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、図示しない制御部は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0037】
薬剤データベース170には、複数の薬剤それぞれのデータベース画像(登録画像)があらかじめ格納されている。より詳細には、薬剤データベース170には、表面および裏面それぞれのデータベース画像および特徴(例えば、薬剤の形、色、刻印文字など)が薬剤ごとにあらかじめ登録されている。なお、表面のデータベース画像は、第1の登録画像に該当し得る。また、裏面のデータベース画像は、第2の登録画像に該当し得る。
【0038】
制御装置10において、鑑別コントローラ120は、操作部112によって撮影装置20のトレイを排出する指示の入力が操作者から受け付けられると、装置制御部130を介して撮影装置20に対してトレイ排出指示を出力する。撮影装置20において、ハードウェア制御部210は、トレイ排出指示の入力を受け付けると、シャッタ292を開くよう制御するとともに、トレイ排出口290からトレイが排出されるよう制御する。
【0039】
装置筐体220の外部に露出されたトレイの上に、鑑別対象の薬剤が操作者によって載置され、操作部112によって薬剤の種別の入力が操作者から受け付けられ、撮影開始指示の入力が操作者から受け付けられると、鑑別コントローラ120は、装置制御部130を介して撮影装置20に対してトレイ収容指示を出力する。撮影装置20において、ハードウェア制御部210は、トレイ収容指示の入力を受け付けると、シャッタ292を閉じるよう制御するとともに、トレイが装置筐体220の内部に収容されるよう制御する。
【0040】
ハードウェア制御部210は、装置筐体220の内部に設けられた図示しないカメラによって、トレイの上に載置された薬剤の表面および裏面が撮影されるよう制御する。かかる撮影制御は、薬剤の種別によって異なる。例えば、薬剤の種別がバラ薬である場合には、装置筐体220の内部の1箇所において薬剤の表面および裏面が撮影される。一方、薬剤の種別が一包化薬である場合には、装置筐体220の内部の3箇所それぞれにおいて薬剤の表面および裏面が撮影される。ここで、一包化薬とは、1回に服用する薬剤(錠剤やカプセル剤)を透明な袋にまとめたものである。バラ薬とは、一包化されていないバラ状態の薬剤のことである。
【0041】
このように薬剤の種別によって撮影回数が異なるのは、以下に示す理由による。例えば、薬剤の種別が一包化薬である場合、袋の中においてカプセル剤の位置が定まっていないため、カプセル剤の刻印部分が真上または真下を向いていない可能性がある。そのため、薬剤の種別が一包化薬である場合、3箇所から薬剤を撮影することにより刻印部分を撮影できるようにするのが望ましい。なお、撮影箇所は必ずしも3箇所に限定されない。
【0042】
一方、薬剤の種別がバラ薬である場合、操作者は刻印部分を真上に向けてシャーレにカプセル剤を載置することができる。そのため、薬剤の種別がバラ薬である場合、1箇所から薬剤を撮影するだけでも刻印部分が確実に撮影され得る。
【0043】
ハードウェア制御部210は、薬剤が撮影された表面の撮影画像および裏面の撮影画像を、装置制御部130を介して鑑別コントローラ120に出力する。なお、より詳細には、薬剤の種別がバラ薬である場合、表面の撮影画像および裏面の撮影画像が1箇所において撮影される。一方、薬剤の種別が一包化薬である場合、表面の撮影画像および裏面の撮影画像が3箇所において撮影される。鑑別コントローラ120は、表面の撮影画像および裏面の撮影画像を鑑別部150に出力して鑑別を依頼する。
【0044】
鑑別部150は、表面および裏面それぞれの撮影画像に対する識別処理を行うことによって撮影画像に写る個々の薬剤を識別する処理を行う。これによって、鑑別部150は、表面および裏面それぞれの撮影画像に写る薬剤の撮影画像における位置(x位置、y位置)およびサイズ(幅、高さ)を識別するとともに、薬剤に対応するID(薬剤ID)を関連付けることができる。
【0045】
図3は、薬剤の識別結果の例を示す図である。
図3に示されるように、薬剤の識別結果D10の例として、薬剤ID、薬剤の位置(x位置、y位置)およびサイズ(幅、高さ)が得られる。鑑別部150は、このようにして得られた薬剤の識別結果を鑑別結果記憶部160に記憶させる。さらに、鑑別部150は、薬剤の位置およびサイズに基づいて、薬剤が写る領域(以下、「薬剤領域」とも言う。)を表面および裏面それぞれの撮影画像それぞれから切り出す処理を行う。
【0046】
なお、表面の撮影画像から切り出された薬剤領域は、第1の撮影画像に該当し得る。また、裏面の撮影画像から切り出された薬剤領域は、第2の撮影画像に該当し得る。以下では、表面の撮影画像から切り出された薬剤領域を、単に「表面の薬剤領域」とも言う。また、裏面の撮影画像から切り出された薬剤領域を、単に「裏面の薬剤領域」とも言う。
図2に戻って説明を続ける。
【0047】
鑑別部150は、薬剤の識別結果に基づいて薬剤を鑑別する。具体的に、鑑別部150は、薬剤領域に基づいて薬剤の鑑別を行う。鑑別部150は、薬剤データベース170から薬剤ごとのデータベース画像の特徴を取得するとともに、薬剤領域の特徴を抽出し、データベース画像と薬剤領域との各組み合わせにおける特徴同士の類似度(以下、「類似スコア」とも言う。)を算出する。
【0048】
より詳細に、表面のデータベース画像の特徴と表面の薬剤領域の特徴との比較、および、裏面のデータベース画像の特徴と裏面の薬剤領域の特徴との比較に基づいて、類似スコアが算出される。なお、薬剤領域の向き(すなわち、2つの薬剤領域のどちらが表面であり、どちらが裏面であるか)は、表面のデータベース画像の特徴および裏面のデータベース画像の特徴に対する類似スコアがより高くなる向きに決定されてよい。
【0049】
鑑別部150は、薬剤領域ごとに類似スコアが高いデータベース画像から順に高い順位を付する。このようにして付された順位は、鑑別対象の薬剤に対する鑑別結果に含まれる。すなわち、鑑別結果には、鑑別対象の薬剤に対応する複数の候補薬剤それぞれのID(薬剤ID)、および、各候補薬剤の類似スコアの順位(例えば、第1候補、第2候補、・・・、第N候補など)が少なくとも含まれ得る。
【0050】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る鑑別結果の例を示す図である。例えば、薬剤IDが薬剤1である薬剤領域との間において、最も類似スコアが高いデータベース画像の薬剤IDが、薬剤Aであり、2番目に類似スコアが高いデータベース画像の薬剤IDが、薬剤Bであり、3番目に類似スコアが高いデータベース画像の薬剤IDが、薬剤Cである場合を想定する。かかる場合、
図4に示された鑑別結果D20のように、薬剤1の鑑別結果の第1候補は薬剤Aであり、第2候補は薬剤Bであり、第3候補は薬剤Cである。
【0051】
鑑別部150は、このようにして得られた鑑別結果を鑑別コントローラ120に出力する。鑑別コントローラ120は、鑑別部150から鑑別結果を取得する取得部の例として機能する。そして、鑑別コントローラ120は、薬剤の鑑別結果を確認するための鑑別結果画面の表示部114による表示を制御する。以下では、鑑別結果画面の表示例について説明する。
【0052】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る鑑別結果画面の例を示す図である。
図5に示されるように、鑑別結果画面G10は、撮影画像G110、鑑別結果一覧表G120、および、変更ボタンG130を含んでいる。
【0053】
撮影画像G110は、撮影装置20によって撮影された撮影画像である。撮影画像G110には、鑑別対象の薬剤が2つ(1つ目の薬剤M1および2つ目の薬剤M2)が写っている。なお、撮影画像G110に写る薬剤の数は、2つに限定されない。また、
図5に示された例では、鑑別対象の薬剤の種別がバラ薬である場合が想定されているため、1箇所において撮影された撮影画像G110が表示されている。しかし、鑑別対象の薬剤の種別が一包化薬である場合には、3箇所において撮影された撮影画像G110が表示される。
【0054】
鑑別結果一覧表G120は、撮影画像G110に写る薬剤の鑑別結果の一覧表である。鑑別結果の候補薬剤は複数得られるが、初期段階においては(すなわち、表示対象の候補薬剤が変更されるまでは)、複数の候補薬剤のうち第1候補が表示される。
【0055】
ここでは、撮影画像G110に2つの薬剤が写っているため、2つの薬剤それぞれの鑑別結果の第1候補が表示されている。鑑別結果一覧表G120の上段が1つ目の薬剤M1の鑑別結果の第1候補であり、鑑別結果一覧表G120の下段が2つ目の薬剤M2の鑑別結果の第1候補である。1つ目の薬剤M1の鑑別結果は、薬剤領域G121、薬剤領域G122、表面のデータベース画像G123および裏面のデータベース画像G124を含んでいる。2つ目の薬剤M2の鑑別結果も同様の画像を含んでいる。
【0056】
薬剤領域G121は、薬剤の識別結果D10(
図3)に基づいて、ある方向に撮影された撮影画像から薬剤M1が写る領域が切り出された画像である。同様に、薬剤領域G122は、薬剤の識別結果D10に基づいて、他の方向に撮影された撮影画像から薬剤M1が写る領域が切り出された画像である。
【0057】
表面のデータベース画像G123および裏面のデータベース画像G124は、薬剤領域G121および薬剤領域G122との間で類似スコアが最も高いと判定されたデータベース画像である。特に、表面のデータベース画像G123と薬剤領域G121との比較、および、裏面のデータベース画像G124と薬剤領域G122との比較が行われた場合に、類似スコアが最も高く、第1候補においては、薬剤領域G121が表面であり、薬剤領域G122が裏面であると判定されている。
【0058】
鑑別コントローラ120は、表面のデータベース画像G123に写る薬剤(第1の候補薬剤)の向きと薬剤領域G121に写る鑑別対象の薬剤の向きとを一致させる。ここでは、鑑別コントローラ120が、表面のデータベース画像G123を回転させずに、薬剤領域G121を回転させる場合を主に想定する。しかし、鑑別コントローラ120は、薬剤領域G121を回転させずに、表面のデータベース画像G123を回転させてもよい。
【0059】
なお、薬剤領域G121に写る鑑別対象の薬剤の向きは、どのようにして判断されてもよい。一例として、薬剤領域G121に写る鑑別対象の薬剤の向きは、薬剤に付されている文字の文字認識結果に基づいて判断され得る。あるいは、薬剤領域G121に写る鑑別対象の薬剤が複数の色を持つ薬剤(例えば、カプセル剤など)である場合には、その薬剤の向きは、色の配置のパターンに基づいて判断され得る。
【0060】
同様に、鑑別コントローラ120は、裏面のデータベース画像G124に写る薬剤の向きと薬剤領域G122に写る鑑別対象の薬剤の向きとを一致させる。このようにしてデータベース画像と薬剤領域との間において薬剤の向きが一致されることによって、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る第1候補の薬剤の比較をする作業の負担が軽減され得る。
【0061】
また、鑑別コントローラ120は、表面のデータベース画像G123に写る薬剤のサイズと薬剤領域G121に写る鑑別対象の薬剤のサイズとを一致させる。ここでは、鑑別コントローラ120が、表面のデータベース画像G123を拡大および縮小させずに、薬剤領域G121を拡大または縮小させる場合を主に想定する。しかし、鑑別コントローラ120は、薬剤領域G121を拡大および縮小させずに、表面のデータベース画像G123を拡大または縮小させてもよい。
【0062】
同様に、鑑別コントローラ120は、裏面のデータベース画像G124に写る薬剤のサイズと薬剤領域G122に写る鑑別対象の薬剤のサイズとを一致させる。このようにしてデータベース画像と薬剤領域との間において薬剤のサイズが一致されることによって、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る第1候補の薬剤の比較をする作業の負担が軽減され得る。
【0063】
そして、鑑別コントローラ120は、表面のデータベース画像G123および裏面のデータベース画像G124の並び順と一致する並び順によって、表面であると判定された薬剤領域G121および裏面であると判定された薬剤領域G122の表示部114による表示を制御する。
【0064】
これにより、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る第1候補の薬剤の比較をする作業の負担が軽減され、作業時間の短縮が期待され得る。さらに、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る第1候補の薬剤の比較をする作業の確実性の向上が期待され得る。
【0065】
図5に示された例では、一例として、表面のデータベース画像G123が左側に表示され、裏面のデータベース画像G124が右側に表示されており、その並び順と対応するように、表面であると判定された薬剤領域G121が左側に表示され、裏面であると判定された薬剤領域G122が右側に表示されている。
【0066】
変更ボタンG130は、表示対象の鑑別結果を変更するためのボタンである。鑑別結果一覧表G120において鑑別結果が選択されている状態において、変更ボタンG130を選択する操作が操作部112によって受け付けられた場合を想定する。かかる場合には、鑑別コントローラ120は、選択されている鑑別結果のうち表示対象の候補薬剤を他の候補薬剤に変更する。なお、表示対象の候補薬剤の変更については、本発明の第2の実施形態において、さらに詳細に説明する。
【0067】
標識G112は、撮影画像G110のうち、鑑別結果一覧表G120において現在選択されている鑑別結果に対応する鑑別対象の薬剤が写る薬剤領域に関する情報である。標識G112が表示されることによって、鑑別結果一覧表G120において現在選択されている鑑別結果と、その鑑別結果に対応する鑑別対象の薬剤が写る薬剤領域との関係が明確に操作者によって把握され得る。
【0068】
具体的に、鑑別コントローラ120は、鑑別結果一覧表G120において鑑別結果が選択されたことに基づいて、現在選択されている鑑別結果に対応する鑑別対象の薬剤が写る薬剤領域の位置およびサイズの表示を制御する。
図5に示された例では、鑑別コントローラ120は、薬剤領域の位置およびサイズを示す矩形枠を撮影画像G110に合成している。
【0069】
逆に、撮影画像G110において薬剤(薬剤M1または薬剤M2)の座標を指定する操作が操作者から操作部112によって受け付けられる場合も想定される。かかる場合には、鑑別コントローラ120は、座標が指定された薬剤の位置およびサイズに標識G112を合わせるとともに、鑑別結果一覧表G120において座標が指定された薬剤の鑑別結果を選択してよい。
【0070】
以上、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例について説明した。
【0071】
[1-3.薬剤鑑別システムの動作]
続いて、
図6を参照しながら(適宜
図1~
図5も参照しながら)、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の動作例について説明する。
【0072】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の動作例を説明するためのフローチャートである。
図6に示されたように、まず、撮影装置20において、ハードウェア制御部210は、装置筐体220の内部に設けられた図示しないカメラによって、トレイの上に載置された薬剤の表面および裏面が撮影されるよう制御する(S11)。ハードウェア制御部210は、薬剤が撮影された表面の撮影画像および裏面の撮影画像G110を、装置制御部130を介して鑑別コントローラ120に出力する。
【0073】
鑑別部150は、表面および裏面それぞれの撮影画像G110に対する識別処理を行うことによって撮影画像G110に写る個々の薬剤を識別する処理を行う。さらに、鑑別部150は、薬剤の識別結果に基づいて、薬剤が写る領域(すなわち、薬剤領域)を表面および裏面それぞれの撮影画像G110それぞれから切り出す処理を行う(S12)。
【0074】
鑑別部150は、薬剤領域に基づいて薬剤の鑑別を行う(S13)。上記したように、鑑別結果には、鑑別対象の薬剤に対応する複数の候補薬剤それぞれのID、および、各候補薬剤の類似スコアの順位(例えば、第1候補、第2候補、・・・、第N候補など)が少なくとも含まれ得る。
【0075】
鑑別コントローラ120は、鑑別部150によって得られた鑑別結果に基づいて、第1候補の薬剤のデータベース画像を一覧表に収集する(S14)。さらに、鑑別コントローラ120は、薬剤領域を拡大または縮小させるとともに、薬剤領域を回転させる(S15)。これによって、薬剤領域およびデータベース画像それぞれに写る薬剤のサイズが合わせられるとともに、薬剤領域およびデータベース画像それぞれに写る薬剤の向きが合わせられる。
【0076】
鑑別コントローラ120は、表面のデータベース画像G123および裏面のデータベース画像G124の並びに対応するように、薬剤領域G121および薬剤領域G122を一覧表に配置する(S16)。鑑別コントローラ120は、一覧表を含んだ鑑別結果画面G10の表示部114による表示を制御する(S17)。
【0077】
以上、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の動作例について説明した。
【0078】
[1-3.第1の実施形態の効果]
以上に説明したように、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1によれば、鑑別対象の薬剤の表面および裏面それぞれの撮影画像が、鑑別結果として得られた第1候補の薬剤の表面および裏面それぞれのデータベース画像の並びと揃った並びによって表示される。
【0079】
これにより、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る第1候補の薬剤の比較をする作業の負担が軽減され、作業時間の短縮が期待され得る。さらに、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る第1候補の薬剤の比較をする作業の確実性の向上が期待され得る。
【0080】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【0081】
<2.第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の構成例を示す図として、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の構成例を示す図(
図1)を用いる。
【0082】
[2-1.薬剤鑑別システムの機能構成]
まず、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例について説明する。本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例を示す図として、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例を示す図(
図2)を用いる。以下では、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能のうち、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1に対して追加される機能について主に説明する。
【0083】
本発明の第1の実施形態において説明したように、鑑別結果一覧表G120(
図5)には、初期段階においては、第1候補の薬剤のデータベース画像(表面のデータベース画像G123および裏面のデータベース画像G124)が表示される。しかし、第1候補の薬剤のデータベース画像、および、撮影画像G110から切り出された薬剤領域(薬剤領域G121および薬剤領域G122)それぞれに写る薬剤が一致しない場合(すなわち、鑑別が誤っている場合)もあり得る。
【0084】
このとき、操作者は、表示対象の鑑別結果を変更する操作を入力することが可能である。より詳細に、操作者は、鑑別結果一覧表G120の中から表示対象を変更したい鑑別結果を選択した上で、変更ボタンG130を選択する操作を操作部112に入力する。
図5に示された例では、鑑別結果一覧表G120の中から、薬剤M1の鑑別結果(鑑別結果一覧表G120の上段)が選択されている状態である。
【0085】
なお、
図5に示されているように、選択されている鑑別結果は、他の鑑別結果と区別される表示態様(例えば、枠の色、枠の太さの変更など)によって表示されるのが望ましい。これによって、どの鑑別結果が選択されているかが操作者によって明確に把握され得る。
【0086】
かかる状態において、変更ボタンG130を選択する操作が操作者によって操作部112に入力されると、鑑別コントローラ120は、現在選択されている鑑別結果を他の鑑別結果に変更するための鑑別結果変更画面の表示部114による表示を制御する。以下では、鑑別結果変更画面の表示例について説明する。
【0087】
図7は、鑑別結果変更画面の例を示す図である。
図7に示されるように、鑑別結果変更画面G20は、薬剤領域G121(
図5)に該当する薬剤領域G210、および、薬剤領域G122(
図5)に該当する薬剤領域G220を含んでいる。さらに、鑑別結果変更画面G20は、決定ボタンG240および候補薬剤リストG230を含んでいる。
【0088】
候補薬剤リストG230は、鑑別結果画面G10(
図5)において鑑別結果が選択された薬剤に対応する候補薬剤の一覧表である。
図5に示された例では、鑑別対象の薬剤M1の鑑別結果が選択された状態であったため、
図7における候補薬剤リストG230には、薬剤M1の鑑別結果として、第1候補(薬品名:薬剤A)、第2候補(薬品名:薬剤B)、第3候補(薬品名:薬剤C)それぞれに対応する鑑別結果が含まれている。
【0089】
例えば、候補薬剤リストG230には、第1候補に対応する鑑別結果として、表面のデータベース画像G231および裏面のデータベース画像G232が含まれている。なお、ここでは、同時に鑑別結果が表示できる候補数が3つであるが、同時に鑑別結果が表示できる候補数は、3つでなくてもよい。また、全候補の鑑別結果を同時に表示できない場合には、操作者によるスクロール操作に基づいて残りの候補が表示可能であってもよい。
【0090】
鑑別コントローラ120は、第1候補(薬品名:薬剤A)に対応する表面のデータベース画像G231および裏面のデータベース画像G232の並び順と一致する並び順によって、第2候補(薬品名:薬剤B)に対応する表面のデータベース画像G233および裏面のデータベース画像G234の表示部114による表示を制御する。なお、第2候補に対応する表面のデータベース画像は、第3の登録画像に該当し得る。また、第2候補に対応する裏面のデータベース画像は、第4の登録画像に該当し得る。
【0091】
同様に、鑑別コントローラ120は、第1候補(薬品名:薬剤A)に対応する表面のデータベース画像G231および裏面のデータベース画像G232の並び順と一致する並び順によって、第3候補(薬品名:薬剤C)に対応する表面のデータベース画像G235および裏面のデータベース画像G236の表示部114による表示を制御する。
【0092】
ここで、第1候補(薬品名:薬剤A)に対応する鑑別結果においては、表面のデータベース画像G231と薬剤領域G210との特徴同士の比較、および、裏面のデータベース画像G232と薬剤領域G220との特徴同士の比較に基づく類似スコアがより高いと判断されている。一方、第2候補(薬品名:薬剤B)に対応する鑑別結果においては、裏面のデータベース画像G234と薬剤領域G210との特徴同士の比較、および、表面のデータベース画像G233と薬剤領域G220との特徴同士の比較に基づく類似スコアがより高いと判断されている。
【0093】
この例のように、薬剤領域の向き(すなわち、薬剤領域G210および薬剤領域G220のどちらが表面であり、どちらが裏面であるか)の判断は、薬剤領域と比較される薬剤候補によって異なる場合が想定され得る。そこで、鑑別コントローラ120は、表面のデータベース画像G231および裏面のデータベース画像G232の並ぶ方向と、薬剤領域G210および薬剤領域G220の並ぶ方向とを異ならせるのが望ましい。
【0094】
これによって、薬剤領域G210および薬剤領域G220と、表面のデータベース画像G231および裏面のデータベース画像G232との並び順が異なるにも関わらず、並ぶ方向が同じになってしまうことに起因する紛らわしさが解消され得る。なお、一例として、
図7に示されるように、鑑別コントローラ120は、表面のデータベース画像G231および裏面のデータベース画像G232の並ぶ方向と、薬剤領域G210および薬剤領域G220の並ぶ方向とを直交させてよい。この例では、データベース画像は左右方向、薬剤領域は上下方向に並ぶように配置している。
【0095】
決定ボタンG240は、表示対象の鑑別結果を変更する操作を入力するためのボタンである。候補薬剤リストG230において候補薬剤が選択されている状態において、決定ボタンG240を選択する操作が操作部112によって受け付けられた場合を想定する。かかる場合には、鑑別コントローラ120は、表示対象の鑑別結果を現在選択されている候補薬剤に対応する鑑別結果に変更する。鑑別コントローラ120は、表示対象の鑑別結果の変更後の鑑別結果画面の表示部114による表示を制御する。
【0096】
ここでは、
図7に示されたように、第2候補(薬品名:薬剤B)が選択されている状態において、決定ボタンG240が選択された場合を想定する。かかる場合には、鑑別コントローラ120は、表示対象の鑑別結果を第2候補(薬品名:薬剤B)に対応する鑑別結果に変更した後の鑑別結果画面の表示部114による表示を制御する。
【0097】
図8は、表示対象の鑑別結果が変更された後の鑑別結果画面G10の例を示す図である。
図5に示された鑑別結果画面G10においては、第1候補(薬品名:薬剤A)に対応する鑑別結果が鑑別結果一覧表G120に表示されていたのに対し、
図8に示された鑑別結果画面G10においては、第2候補(薬品名:薬剤B)に対応する鑑別結果が鑑別結果一覧表G120に表示されている。このようにして、表示対象の鑑別結果が変更され得る。
【0098】
このとき、鑑別コントローラ120は、表面のデータベース画像G233および裏面のデータベース画像G234の並び順と一致する並び順によって、表面であると判定された薬剤領域G122および裏面であると判定された薬剤領域G121の表示部114による表示を制御するのが望ましい。
【0099】
これにより、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る薬剤の比較をする作業の負担がさらに軽減され、作業時間のさらなる短縮が期待され得る。さらに、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る変更後の候補薬剤の比較をする作業の確実性の向上が期待され得る。
【0100】
図8に示された例では、一例として、表面のデータベース画像G233が左側に表示され、裏面のデータベース画像G234が右側に表示されており、その並び順と対応するように、表面であると判定された薬剤領域G122が左側に表示され、裏面であると判定された薬剤領域G121が右側に表示されている。
【0101】
以上、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例について説明した。
【0102】
[2-2.薬剤鑑別システムの動作]
続いて、
図9を参照しながら(適宜
図1~
図8も参照しながら)、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の動作例について説明する。
【0103】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の動作例を説明するためのフローチャートである。なお、
図9に示されたフローチャートは、
図6に示された動作例におけるS11~S17が終わった後に行われる。
【0104】
図9に示されたように、操作者は、鑑別結果画面G10(
図5)に表示された鑑別結果を確認する(S21)。より詳細に、初期段階においては表示対象の鑑別結果は、第1候補に対応する鑑別結果である。そこで、操作者は、第1候補の薬剤のデータベース画像(表面のデータベース画像G123および裏面のデータベース画像G124)、および、撮影画像G110から切り出された薬剤領域(薬剤領域G121および薬剤領域G122)それぞれに写る薬剤が一致しない場合に、鑑別が誤っていると判断する。
【0105】
操作者が、鑑別に誤りがないと判断した場合には(S22において「NO」)、動作が終了する。一方、操作者が、鑑別に誤りがあると判断した場合には(S22において「YES」)、表示する鑑別結果を選択し(S23)、変更ボタンG130を選択すると(S24)、鑑別コントローラ120は、鑑別結果変更画面G20(
図7)の表示部114による表示を制御する(S25)。鑑別結果変更画面G20には、候補薬剤リストG230が含まれている。
【0106】
操作者は、候補薬剤リストG230から、正しい薬剤を選択し(S26)、決定ボタンG240を選択する(S27)。ここでは、第2候補(薬品名:薬剤B)が選択された場合を想定する。鑑別コントローラ120は、選択された薬剤(薬品名:薬剤B)に対応するデータベース画像(表面のデータベース画像G233および裏面のデータベース画像G234)を一覧表に収集する(S28)。
【0107】
さらに、鑑別コントローラ120は、薬剤領域を拡大または縮小させるとともに、薬剤領域を回転させる(S29)。これによって、薬剤領域およびデータベース画像それぞれに写る薬剤のサイズが合わせられるとともに、薬剤領域およびデータベース画像それぞれに写る薬剤の向きが合わせられる。
【0108】
鑑別コントローラ120は、表面のデータベース画像G233および裏面のデータベース画像G234の並びに対応するように、薬剤領域G122および薬剤領域G121を一覧表に配置する(S30)。鑑別コントローラ120は、一覧表を含んだ鑑別結果画面G10の表示部114による表示を制御する(S31)。
【0109】
以上、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の動作例について説明した。
【0110】
[2-3.第2の実施形態の効果]
以上に説明したように、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1によれば、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1が奏する効果と同様の効果を奏する。さらに、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1によれば、表示対象の鑑別結果が他の候補薬剤の鑑別結果に変更された後においても、鑑別対象の薬剤の表面および裏面それぞれの撮影画像が、当該他の候補薬剤に対応する表面および裏面それぞれのデータベース画像の並びと揃った並びによって表示される。
【0111】
これにより、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る薬剤の比較をする作業の負担がさらに軽減され、作業時間のさらなる短縮が期待され得る。さらに、目視によってデータベース画像および薬剤領域それぞれに写る薬剤の比較をする作業の確実性のさらなる向上が期待され得る。
【0112】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0113】
<3.第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。本発明の第3の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の構成例を示す図として、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の構成例を示す図(
図1)を用いる。
【0114】
[2-1.薬剤鑑別システムの機能構成]
まず、本発明の第3の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例について説明する。本発明の第3の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例を示す図として、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例を示す図(
図2)を用いる。以下では、本発明の第3の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能のうち、本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1に対して追加される機能について主に説明する。
【0115】
本発明の第1の実施形態において説明したように、鑑別結果には、鑑別対象の薬剤に対応する複数の候補薬剤それぞれの名称(薬品名)、および、各候補薬剤の類似スコアの順位(例えば、第1候補、第2候補、・・・、第N候補など)が少なくとも含まれ得る。本発明の第3の実施形態においては、鑑別結果に、薬品名および類似スコアの順位だけでなく、類似スコア自体も含まれる。
【0116】
図10は、本発明の第3の実施形態に係る鑑別結果の例を示す図である。
図10を参照すると、鑑別結果D30の例が示されている。例えば、薬剤IDが薬剤1である薬剤領域との間において、第1候補(薬品名:薬剤A)のデータベース画像の類似スコア95%であり、第2候補(薬品名:薬剤B)のデータベース画像の類似スコア65%であり、第3候補(薬品名:薬剤C)のデータベース画像の類似スコア30%である。
【0117】
鑑別部150は、このようにして得られた鑑別結果を鑑別コントローラ120に出力する。鑑別コントローラ120は、鑑別部150から鑑別結果を取得する取得部の例として機能する。そして、鑑別コントローラ120は、薬剤の鑑別結果を確認するための鑑別結果画面の表示部114による表示を制御する。以下では、鑑別結果画面の表示例について説明する。
【0118】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る鑑別結果画面の例を示す図である。
図11を参照すると、鑑別結果画面G30が示されている。本発明の第3の実施形態に係る鑑別結果画面G30も、本発明の第1の実施形態に係る鑑別結果画面G10と同様に、撮影画像G110、鑑別結果一覧表G120、および、変更ボタンG130を含んでいる。
【0119】
ただし、本発明の第3の実施形態に係る鑑別結果画面G30においては、鑑別結果一覧表G120が類似スコアを含んでいる。より詳細に、1つ目の薬剤M1の鑑別結果として、薬剤M1の薬剤領域G121とデータベース画像G123との比較、および、薬剤領域G122とデータベース画像G124との比較に基づく類似スコアG310が表示されている。同様に、2つ目の薬剤M2の鑑別結果として、類似スコアG320が表示されている。
【0120】
このように、本発明の第3の実施形態において、鑑別コントローラ120は、鑑別結果画面G30において、類似スコアの表示部114による表示を制御する。かかる制御によれば、操作者は、類似スコアを確認することによって、鑑別結果画面G30に表示された鑑別結果の候補薬剤がどれくらい信用できるかを判断しやすくなる。
【0121】
さらに、鑑別コントローラ120は、鑑別結果変更画面においても類似スコアの表示部114による表示を制御してもよい。
【0122】
図12は、本発明の第3の実施形態に係る鑑別結果変更画面の例を示す図である。
図12を参照すると、鑑別結果変更画面G40が示されている。本発明の第3の実施形態に係る鑑別結果変更画面G40も、本発明の第2の実施形態に係る鑑別結果変更画面G20と同様に、薬剤領域G210、薬剤領域G220、決定ボタンG240および候補薬剤リストG230を含んでいる。
【0123】
ただし、本発明の第3の実施形態に係る鑑別結果変更画面G40においては、候補薬剤リストG230が類似スコアを含んでいる。より詳細に、第1候補に対応する鑑別結果として、薬剤M1の薬剤領域G210とデータベース画像G231との比較、および、薬剤領域G220とデータベース画像G232との比較に基づく類似スコアG410が表示されている。同様に、第2候補に対応する鑑別結果として、類似スコアG420が表示され、第3候補に対応する鑑別結果として、類似スコアG430が表示されている。
【0124】
このように、本発明の第3の実施形態において、鑑別コントローラ120は、鑑別結果変更画面G40において、類似スコアの表示部114による表示を制御する。かかる制御によれば、操作者は、類似スコアを確認することによって、鑑別結果変更画面G40に表示された鑑別結果の候補薬剤がどれくらい信用できるかを判断しやすくなる。
【0125】
以上、本発明の第3の実施形態に係る薬剤鑑別システム1の機能構成例について説明した。
【0126】
[3-2.第3の実施形態の効果]
以上に説明したように、本発明の第3の実施形態に係る薬剤鑑別システム1によれば、本発明の第1の実施形態および本発明の第2の実施形態に係る薬剤鑑別システム1が奏する効果と同様の効果を奏する。さらに、本発明の第3の実施形態に係る薬剤鑑別システム1によれば、鑑別結果として類似スコアも表示されるため、類似スコアを確認することによって鑑別結果の候補薬剤がどれくらい信用できるかを判断しやすくなるという効果が享受され得る。
【0127】
以上、本発明の第3の実施形態について説明した。
【0128】
<4.第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0129】
[4-1.薬剤鑑別システムの構成]
まず、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システムの構成例について説明する。以下では、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システムの構成のうち、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1と異なる構成について主に説明する。
【0130】
図13は、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システムの構成例を示す図である。
図13に示されたように、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システム2は、制御装置10(
図1)が、クライアント12(クライアント12-1~12-N)とサーバ14とに分離されている。より詳細に、撮影装置20-1~20-Nとクライアント12-1~12-Nとが1対1で接続されており、クライアント12-1~12-Nは、ネットワーク(例えば、インターネットなど)を介してサーバ14に接続されている。
【0131】
[4-2.薬剤鑑別システムの機能構成]
続いて、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の機能構成例について説明する。以下では、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の機能のうち、本発明の第1の実施形態に係る薬剤鑑別システム1に対して追加される機能について主に説明する。
【0132】
図14は、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の機能構成例を示す図である。
図14に示されたように、薬剤鑑別システム2は、クライアント12と、サーバ14と、撮影装置20とを備える。クライアント12は、制御装置10(
図2)と比較し、鑑別部150および薬剤データベース170を備えておらず、その代わりに、鑑別部プロキシ182および通信制御部184をさらに備える。一方、サーバ14は、鑑別部150および薬剤データベース170を備え、通信制御部186および鑑別部スケルトン188を備える。
【0133】
鑑別コントローラ120、装置制御部130、鑑別部プロキシ182および通信制御部184は、クライアント12の図示しない制御部によって実現され得る。図示しない制御部は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、不揮発性の記憶装置により記憶されているプログラムがCPUによりRAM(Random Access Memory)に展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、図示しない制御部は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0134】
通信制御部186および鑑別部スケルトン188は、サーバ14の図示しない制御部によって実現され得る。図示しない制御部は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、不揮発性の記憶装置により記憶されているプログラムがCPUによりRAM(Random Access Memory)に展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、図示しない制御部は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
【0135】
通信制御部184は、ネットワークを介してサーバ14と通信を行う。
【0136】
鑑別部プロキシ182は、鑑別コントローラ120から表面および裏面それぞれの撮影画像を取得すると、通信制御部184を介してサーバ14に表面および裏面それぞれの撮影画像が送信されるように制御する。さらに、鑑別部プロキシ182は、通信制御部184を介してサーバ14から鑑別結果を取得する。鑑別部プロキシ182は、取得した鑑別結果を鑑別コントローラ120および鑑別結果記憶部160それぞれに出力する。
【0137】
通信制御部186は、ネットワークを介してクライアント12と通信を行う。
【0138】
鑑別部スケルトン188は、通信制御部184,186を介してクライアント12から表面および裏面それぞれの撮影画像を取得すると、取得した表面および裏面それぞれの撮影画像を鑑別部150に出力する。さらに、鑑別部スケルトン188は、鑑別部150から鑑別結果を取得すると、取得した鑑別結果が通信制御部186を介してクライアント12に送信されるように制御する。
【0139】
以上、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の機能構成例について説明した。
【0140】
[4-3.第4の実施形態の効果]
以上に説明したように、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システム2によれば、処理負荷が高い薬剤鑑別処理をサーバ14に実行させることが可能となる。これにより、クライアント12に掛かる処理負荷が軽くなるため、操作者が使用する端末の性能(例えば、CPUまたはGPUの性能、メモリの容量など)を低くすることが可能となり、システム導入コストを抑制することが可能となる。また、操作者が使用する端末の設置に必要な空間の広さを抑えることが可能となる。
【0141】
以上、本発明の第4の実施形態について説明した。
【0142】
<5.第5の実施形態>
続いて、本発明の第5の実施形態について説明する。本発明の第5の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の構成例を示す図として、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の構成例を示す図(
図14)を用いる。
【0143】
[5-1.薬剤鑑別システムの機能構成]
続いて、本発明の第5の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の機能構成例について説明する。以下では、本発明の第5の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の機能のうち、本発明の第4の実施形態に係る薬剤鑑別システム2に対して追加される機能について主に説明する。
【0144】
図15は、本発明の第5の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の機能構成例を示す図である。
図15に示されたように、薬剤鑑別システム2は、クライアント12と、サーバ14と、撮影装置20とを備える。クライアント12は、本発明の第4の実施形態に係るクライアント12(
図14)と比較し、薬剤データベース情報記憶部192をさらに備える。一方、サーバ14は、薬剤データベース170(
図14)の代わりに、バージョンごとの薬剤データベース194~196を備える。
【0145】
具体的に、薬剤データベース194は、バージョン1.2の薬剤データベースであり、最新のデータベースである。薬剤データベース195は、バージョン1.1の薬剤データベースである。薬剤データベース196は、バージョン1.0の薬剤データベースである。ここでは、薬剤データベースの種類が3種類であるが、薬剤データベースの種類は、3種類に限定されず、複数種類であればよい。
【0146】
鑑別結果記憶部160および薬剤データベース情報記憶部192は、図示しない記憶部によって実現され得る。図示しない記憶部は、図示しない制御部を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、図示しない記憶部は、図示しない制御部の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
【0147】
図16は、薬剤データベース情報記憶部192によって記憶される薬剤データベース情報の例を示す図である。
図16に示されるように、薬剤データベース情報記憶部192は、薬剤データベース情報D40を記憶している。薬剤データベース情報D40は、使用可能バージョン情報と、使用中バージョン情報と、更新モードとを含んでいる。
【0148】
使用可能バージョン情報は、サーバ14における薬剤の鑑別に使用可能なデータベースのバージョンを示す情報である。使用中バージョン情報は、サーバ14において薬剤の鑑別に現在使用されているバージョンを示す情報であり、クライアント12ごとに存在する。更新モードは、使用中バージョン情報を自動的に更新するモードであるか(すなわち、バージョン自動更新が設定されているか)、手動によって更新するモードであるか(すなわち、バージョン手動更新が設定されているか)を示す。
【0149】
鑑別コントローラ120は、クライアント12において動作する薬剤鑑別アプリケーションが起動すると、鑑別部プロキシ182および通信制御部184を介して薬剤データベースのバージョン情報の送信要求をサーバ14に送信する。サーバ14の鑑別部150は、鑑別部スケルトン188および通信制御部186を介して、使用可能バージョン情報をクライアント12に返信する。鑑別コントローラ120は、使用可能バージョン情報を取得すると、取得した使用可能バージョン情報によって薬剤データベース情報D40(
図16)の使用可能バージョン情報を更新する。
【0150】
使用可能バージョン情報には、最新バージョン情報が含まれている。鑑別コントローラ120は、最新バージョン情報と使用中バージョン情報とを比較する。鑑別コントローラ120は、最新バージョン情報と使用中バージョン情報とが一致する場合には、使用中バージョン情報を更新しなくてよい。一方、鑑別コントローラ120は、最新バージョン情報と使用中バージョン情報とが一致しない場合には、使用中バージョン情報を最新バージョン情報によって更新する。
【0151】
より詳細に、鑑別コントローラ120は、最新バージョン情報と使用中バージョン情報とが一致しない場合、かつ、薬剤データベース情報D40の更新モードにバージョン自動更新が設定されている場合には、使用中バージョン情報を最新バージョン情報によって更新する。一方、鑑別コントローラ120は、最新バージョン情報と使用中バージョン情報とが一致しない場合、かつ、薬剤データベース情報D40の更新モードにバージョン手動更新が設定されている場合には、バージョン更新を示す操作が操作者によって操作部112に入力された場合に、使用中バージョン情報を最新バージョン情報によって更新する。
【0152】
鑑別コントローラ120は、更新後の使用中バージョン情報を、通信制御部184,186を介して鑑別部150に出力する。例えば、鑑別コントローラ120は、表面の撮影画像および裏面の撮影画像を、通信制御部184,186を介して鑑別部150に出力して鑑別を依頼するタイミングにおいて、更新後の使用中バージョン情報を鑑別部150に出力すればよい。鑑別部150は、鑑別コントローラ120から入力された更新後の使用中バージョン情報に対応する薬剤データベースを使用して、薬剤の鑑別を行う。
【0153】
図17は、薬剤鑑別アプリケーションの起動時における薬剤鑑別システム2の動作例を示すフローチャートである。
図17に示されるように、鑑別コントローラ120は、薬剤鑑別アプリケーションが起動すると、鑑別部プロキシ182および通信制御部184を介して薬剤データベースのバージョン情報をサーバ14に問い合わせる(S61)。サーバ14の鑑別部150は、鑑別部スケルトン188および通信制御部186を介して、使用可能バージョン情報をクライアント12に返信する(S62)。鑑別コントローラ120は、使用可能バージョン情報を取得すると、取得した使用可能バージョン情報によって薬剤データベース情報D40(
図16)の使用可能バージョン情報を更新する(S63)。
【0154】
鑑別コントローラ120は、現在使用中バージョンが最新バージョンであるかを判定する(S64)。鑑別コントローラ120は、現在使用中バージョンが最新バージョンである場合には(S64において「YES」)、使用中バージョン情報を更新しなくてよい。一方、鑑別コントローラ120は、現在使用中バージョンが最新バージョンではない場合には(S64において「NO」)、S65に動作を移行させる。
【0155】
鑑別コントローラ120は、薬剤データベース情報D40の更新モードにバージョン自動更新が設定されている場合には(S65において「YES」)、使用中バージョン情報を最新バージョン情報によって更新する。一方、鑑別コントローラ120は、薬剤データベース情報D40の更新モードにバージョン手動更新が設定されている場合には(S65において「NO」)、S66に動作を移行させる。
【0156】
鑑別コントローラ120は、使用中バージョン情報を最新バージョン情報によって更新するバージョン更新を行うかを問うメッセージの表示部114による表示を制御し(S66)、バージョン更新を示す操作が操作者によって操作部112に入力された場合には(S67において「YES」)、使用中バージョン情報を最新バージョン情報によって更新する(S68)。一方、鑑別コントローラ120は、バージョン更新を示す操作が操作者によって操作部112に入力されない場合には(S67において「NO」)、使用中バージョン情報を更新しなくてよい。使用中バージョン情報の更新後には、鑑別部150は、更新後の使用中バージョン情報に対応する薬剤データベースを使用して、薬剤の鑑別を行う。
【0157】
なお、使用中バージョン情報の更新のタイミングは、薬剤鑑別アプリケーションの起動時に限定されない。例えば、使用中バージョン情報の更新は、薬剤鑑別アプリケーションのアイドル画面において実行可能であってもよい。
【0158】
図18は、薬剤鑑別アプリケーションのアイドル画面の例を示す図である。
図18に示されるように、アイドル画面G50は、使用中バージョン情報G51を含んでいる。さらに、アイドル画面G50は、使用中バージョン情報を変更するための変更ボタンG52を含んでいる。鑑別コントローラ120は、変更ボタンG52を選択する操作が操作者によって操作部112に入力された場合には、バージョン選択ダイアログの表示を制御してよい。
【0159】
図19は、バージョン選択ダイアログの例を示す図である。
図19に示されるように、バージョン選択ダイアログG60は、現在の使用中バージョン情報(ここでは、Ver.1.1)を含んでよい。さらに、バージョン選択ダイアログG60は、使用可能バージョン情報(ここでは、Ver.1.0~1.2)を含んでよい。
【0160】
鑑別コントローラ120は、使用可能バージョン情報のいずれかを選択する操作が操作者によって操作部112に入力され、OKボタンが選択された場合には、選択された使用可能バージョン情報によって使用中バージョン情報を更新してよい。使用中バージョン情報の更新後には、鑑別部150は、更新後の使用中バージョン情報に対応する薬剤データベースを使用して、薬剤の鑑別を行う。
【0161】
以上、本発明の第5の実施形態に係る薬剤鑑別システム2の機能構成例について説明した。
【0162】
[5-3.第5の実施形態の効果]
以上に説明したように、本発明の第5の実施形態に係る薬剤鑑別システム2によれば、サーバ14によって使用される薬剤データベースの最新バージョンが変更される場合であっても、クライアント12に提供される鑑別結果の鑑別に使用される薬剤データベースのバージョンが無条件に更新されてしまうことがなくなる。そして、クライアント12ごとに望ましいタイミングにおいて鑑別に使用される薬剤データベースのバージョン情報を更新することが可能となる。
【0163】
以上、本発明の第5の実施形態について説明した。
【0164】
<6.ハードウェア構成例>
続いて、本発明の実施形態に係る制御装置10のハードウェア構成例について説明する。以下では、本発明の実施形態に係る制御装置10のハードウェア構成例として、情報処理装置900のハードウェア構成例について説明する。なお、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成例は、制御装置10のハードウェア構成の一例に過ぎない。したがって、制御装置10のハードウェア構成は、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成から不要な構成が削除されてもよいし、新たな構成が追加されてもよい。なお、クライアント12およびサーバ14それぞれのハードウェアも同様に実現され得る。
【0165】
図20は、本発明の実施形態に係る制御装置10の例としての情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
【0166】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0167】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0168】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等ユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作するユーザは、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0169】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。
【0170】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0171】
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
【0172】
以上、本発明の実施形態に係る制御装置10のハードウェア構成例について説明した。
【0173】
<7.まとめ>
【0174】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0175】
例えば、上記では、本発明の第1の実施形態から本発明の第5の実施形態までを別々に説明したが、本発明の第1の実施形態から本発明の第5の実施形態までのいずれか二つ以上が適宜に組み合わされて実施されてもよい。例えば、本発明の第1の実施形態から本発明の第3の実施形態までのいずれか一つと、本発明の第4の実施形態または本発明の第5の実施形態とが組み合わされて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0176】
1、2 薬剤鑑別システム
10 制御装置
12 クライアント
14 サーバ
110 GUI部
112 操作部
114 表示部
120 鑑別コントローラ
130 装置制御部
150 鑑別部
160 鑑別結果記憶部
170、194~196 薬剤データベース
180 本体部
182 鑑別部プロキシ
184、186 通信制御部
188 鑑別部スケルトン
192 薬剤データベース情報記憶部
20 撮影装置
210 ハードウェア制御部
220 装置筐体
290 トレイ排出口
292 シャッタ