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特開2022-154102作業車両における発炎筒の着火及び投下装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154102
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】作業車両における発炎筒の着火及び投下装置
(51)【国際特許分類】
   F42B 5/155 20060101AFI20221005BHJP
   F42B 4/26 20060101ALI20221005BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20221005BHJP
   B60Q 7/00 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
F42B5/155
F42B4/26
B60P3/00 K
B60P3/00 Z
B60Q7/00 660E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056982
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】507230382
【氏名又は名称】首都高メンテナンス西東京株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】300083125
【氏名又は名称】昭和化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】坪山 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 克彦
(72)【発明者】
【氏名】都築 和敬
(57)【要約】
【課題】
一般に高速道路上の工事や事故の処理をする場合は、作業者が車から降りる前に後続車へ注意喚起が必要となり、発炎筒はこの注意喚起するために利用されている。そのためには、数秒毎に発炎筒を投下する為に、着火と投下をより素早くする必要があり、1回の規制に多数の発炎筒を投下する必要がある。
【解決手段】
作業車両における発炎筒の発火及び投下装置において、発炎筒を着火する動作と投下する動作を同時にすることで素早く投下することを可能にし、多数の発炎筒を投下する課題はカートリッジと擦り薬付き擦り板ベルトにより解決し、発炎筒用の擦り薬を擦り板ベルトに塗布し又は擦り薬シールを擦り板ベルトに貼付し、発炎筒に着火後、プーリーが任意の角度に回転し、次の擦り薬部への準備をし、発炎筒を押し出す動作で着火する動作と投下する動作を同時に行い、着火使用した部分の擦り板ベルトを移動して未使用の擦り薬部を準備する構成。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送コンベア(C)のタイミングベルト(43)上に多数に区画された仕切り体(60′)で形成したカートリッジ(60)に発炎筒(D)を収容し、着火対象の発炎筒(D)を発炎筒送りガイド(26a)から落として下方の一時貯留ボックス(5)に収容し、一時貯留ボックス(5)内の発炎筒(D)の底部(De)を底部押し出しシリンダ(6)で押し出して発炎筒の着火頭部(Da)を擦り薬付き擦り板ベルト(23)に圧接し、投下用押出しシリンダ(8)で一時貯留ボックス(5)を押し出して発炎筒を着火すると共に、当該一時貯留ボックスの開閉板(5a)を開いて中の着火させた発炎筒(D)を投下することを特徴とする作業車両における発炎筒の着火及び投下装置。
【請求項2】
着火対象の発炎筒(D)を着火と投下した後、搬送コンベア(C)のタイミングベルト(43)の駆動プーリー(34)を停止した状態で、擦り薬付き擦り板ベルト(23)の駆動プーリー(13)を所定の進行移動量だけ回転し、その回転により、擦り薬付き擦り板ベルト(23)を進行移動して次の未使用の擦り薬部へ準備するようにした請求項1記載の作業車両における発炎筒の着火及び投下装置。
【請求項3】
駆動プーリー(13)と従動プーリー(22)に巻き掛けた擦り板ベルト(23)に着火用擦り薬(23′)を塗布し、又は擦り薬シール(23″)を貼付した請求項1又は2に記載の作業車両における発炎筒の着火及び投下装置。
【請求項4】
擦り薬付き擦り板ベルト(23)の駆動プーリー(13)を所定距離だけ回転して1回着火使用した擦り薬部(23′)又は擦り薬シール(23″)を次位の未使用部の擦り薬部(23′)又は擦り薬シール(23″)を準備するようにした請求項1~3のいずれか一項に記載の作業車両における発炎筒の着火及び投下装置。
【請求項5】
タイミングベルト(43)及び擦り板ベルト(23)の進行移動量の調整をプログラムしておく制御盤(58)のシーケンス制御で行い、擦り薬を備えた擦り板ベルト(23)で発炎筒(D)の使用可能本数を多くし、且つ擦り板ベルト(23)及び発炎筒(D)に着火する動作と投下を同時にするようにした請求項1~4のいずれか一項に記載の作業車両における発炎筒の着火及び投下装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標識を掲示しながら高速道路または一般道路を走行する作業車両における発炎筒の着火及び投下装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に高速道路上の工事や事故の処理をする場合は、作業者が作業車両から降りる前に一般の後続車へ注意喚起や交通規制が必要となる。その場合、この注意喚起や交通規制するために発炎筒が利用されることになる。
【0003】
そして、この交通規制には、発炎筒を十数メートル毎に30本程度設置しており、そのためには、高速道路上では数秒毎で投下しなければならない。
例えば、時速100km走行中の車は、1分毎の投下では約1.7km程車両が進んでしまうことになる。
【0004】
そこで、投下操作スイッチОNで発炎筒の着火及び投下指示から投下までの速度及び次の投下までの時間が極めて重要となる。
【0005】
作業車両で道路を走行しながら発火している発炎筒を自動的に投下することができ、しかも熟練を要しないドライバー1人で運転席からの操作で自動的に発炎筒を狙った位置に確実に投下をすることができるとする発明考案が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-101458号公報
【特許文献2】実開平06-039576号公報
【特許文献3】実開昭61-179052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の方法では、投下指示から投下までの工程が分かれている。特許文献1は、作業車両に搭載しており、特許文献2は、トラック型標識車の荷台上に搭載してある。
【0008】
上記特許文献における交通規制をするトラックは、荷台スペースがなく荷台下のスペースが一番適している。また、投下からシューターを利用する場合、発炎筒の燃え滓がシューターに付着し投下を妨げることがある。
【0009】
なお、特許文献3のように、車両の車台又は車体後部に発煙筒発射筒を設けたものも存在している。
【0010】
しかしながら、上記の特許文献3は、単一の発煙筒を発射させるための小型で且つ簡素な構造のものである。
そこで、本発明は可能な限り小型化を図って作業車両の荷台スペースに設置することを可能とし、発炎筒の投下部を路面により近い個所とする。このことは、発炎筒を投下する際に、定位置に設置することが必要となる。そのためには、路面に近い位置で投下することが望ましい。
また、作業車両の荷台スペースがなく荷台下のスペースが一番適しており、多量本数の発炎筒を収納でき、且つその発炎筒の投下にシューターを利用する場合、発炎筒の燃え滓がシューターに付着して投下を妨げることがあるが、この現象も解決するようにした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1は、作業車両における発炎筒の着火及び投下装置において、搬送コンベアのタイミングベルト上に多数に区画された仕切り体で形成したカートリッジに発炎筒を収容し、着火対象の発炎筒を発炎筒送りガイドから落として下方の一時貯留ボックスに収容し、一時貯留ボックス内の発炎筒の底部を底部押し出しシリンダで押し出して発炎筒の着火頭部を擦り薬付き擦り板ベルトに圧接し、投下用押出しシリンダで一時貯留ボックスを押し出して発炎筒を着火すると共に、当該貯留ボックスの開閉板を開いて一時貯留ボックス内の着火した発炎筒を投下するようにしたものである。
【0012】
本発明の第2は、第1の発明に係る作業車両における発炎筒の着火及び投下装置において、着火対象の発炎筒を着火・投下した後、搬送コンベアのタイミングベルトの駆動プーリーを停止した状態で、擦り薬付き擦り板ベルトの駆動プーリーを所定の進行移動量だけ回転し、その回転により、擦り薬付き擦り板ベルトを進行移動して次の未使用の擦り薬部を一時貯留ボックス内における発炎筒の着火頭部の位置に停止するようにしたものである。
【0013】
本発明の第3は、第1ないし第2の発明に係る作業車両における発炎筒の着火及び投下装置において、駆動プーリーと従動プーリーに巻き掛けた擦り板ベルトに着火用擦り薬を塗布し、又は擦り薬シールを貼付したものである。
【0014】
本発明の第4は、第1ないし第3の発明に係る作業車両における発炎筒の着火及び投下装置において、擦り薬付き擦り板ベルトの駆動プーリーを所定距離だけ回転して1回着火使用した擦り薬部又は擦り薬シール部分を次位の未使用部の擦り薬部又は擦り薬シール部を準備するようにしたものである。
【0015】
本発明の第5は、第1ないし第4の発明に係る作業車両における発炎筒の着火及び投下装置において、タイミングベルト及び擦り板ベルトの進行移動量の調整をプログラムしておく制御盤のシーケンス制御で行い、擦り薬を備えた擦り板ベルトで発炎筒の使用可能本数を多くし、且つ擦り板ベルト及び発炎筒に着火する動作と投下を同時にするようにしたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記の構成であるから、次のような効果がある。
第1に、本発明に係る発炎筒の着火及び投下装置は、数秒毎に連続的に投下するために、発炎筒を押し出して着火に必要な擦る動作と、着火した発炎筒を投下する動作を同時的に行うことにより解決した。
第2に、発炎筒の着火頭部を着火擦り薬に摩擦することで着火する擦り薬付き擦り板ベルトを開発したことで、1回使用(着火)した部分をプーリーの回転角度の調整により、1本のベルトでの使用可能本数を30本ないしそれ以上の多量本数にすることが可能となる。
第3に、擦り薬付き擦り板ベルト及び着火する動作と投下を同時的にすることで、投下時間の短縮及び小スペース化が実現された。
第4に、本発明に係る回転ベルト方式により多くの発炎筒を素早く着火した状態で路面に投下することができる。路上に投下された発炎筒は四角い鍔によって必要以上の転動はせず、ほぼ目的の位置で発炎する。
第5に、発炎筒の着火後の動作を押し出し方式にすることにより、着火と投下を一連動作となり、スピーディになると共に発炎筒を着火と投下を同時的にすることができる。
第6に、1回の規制で30本以上の多量本数の発炎筒を使用するために必要なスペースも確保し、擦り薬付き擦り板ベルトで発炎筒の点か頭部を着火することが可能になる。
第7に、作業車両は、荷台スペースがなく荷台下のスペースが一番適しており、また、投下からシューターを利用する場合、発炎筒の燃え滓がシューターに付着し投下を妨げることはあるが、この現象も解決される。
第8に、擦り薬を備えた擦り薬板ベルトを開発したことで、1回着火使用した部分はプーリーを所定角度の回転で次の未使用の擦り板ベルトの擦り薬部が自動的に準備される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る発炎筒の着火及び投下装置を搭載した作業車両の側面図である。
図2図1の作業車両の背面図である。
図3】カートリッジと発炎筒送り部と発炎筒投下部の側面図である。
図4】発炎筒着火の押出し部の側面図である。
図5】発炎筒着火の押出し部の平面図である。
図6】発炎筒投下の押出し部の側面図である。
図7】発炎筒の斜視図である。
図8】擦り薬付き擦り板ベルトの正面図である。
図9図8の側面図である。
図10図9の平面図である。
図11】発炎筒搬送コンベアと擦り板ベルトを示す正面図である。
図12】発炎筒搬送コンベアを示す正面図である。
図13】発炎筒搬送コンベアを示す側面図である。
図14図13の平面図である。
図15図14に擦り板ベルトと発炎筒投下押出し部を搭載した状態の平面図である。
図16】発炎筒着火・投下装置のフローチャートである。
図17】発炎筒着火・投下装置のエアー回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る作業車両における発炎筒の着火及び投下装置を図面に即して説明する。
【0019】
図1及び図2において、Aは発炎筒の着火及び投下装置を搭載した作業車両であり、図1は荷台Aがフラットで、その荷台の左右側部アオリA、後部アオリAを有し、荷台Aがフラットの平ボディ型を示す。Bはその作業車両Aの後部の荷台下に設置した発炎筒着火及びその投下装置全体を示す。Cは発炎筒の搬送コンベアであり、タイミングベルト上に多数の仕切り体を等間隔に立設してカートリッジを設け、当該カートリッジに多数本の発炎筒をセットする構成である。
【0020】
図3図7において、1は発炎筒Dの投下ユニットベース、2は当て板高さ位置出しブロックであり、投下ユニットベース1の平面上の設置してある。3はバネ蝶番用当て板であり、当て板高さ位置出しブロック2の上部に設置してある。4はバネ蝶番であり、発炎筒の一時貯留ボックス5の開閉用仕切り体5aに装着してある。5bは一時貯留ボックス5の固定仕切り板、6は発炎筒Dの底部Deを押す底部押出しシリンダであり、取付けブラケットの平面に載置して固定してある。7は発炎筒Dの横押さえシリンダ取付けブラケット、8は発炎筒投下用押出しシリンダであり、投下ユニットベース1の直立壁1に横向きにしてその底部を固定してある。上記の底部押出しシリンダ6と投下用押出しシリンダ8はエアー方式を採用している(図17参照)。
【0021】
なお、図7に示す発炎筒Dは、マッチ棒の頭薬となる着火頭部Daを含む発炎部となる棒状胴体Dbの基部を筒状のホルダーDcをはめ込んで保持し、且つホルダーDcには転がり防止用に四角形の鍔体Ddを成形してある。当該発炎筒Dを固定仕切り体5bと開閉用仕切り体5aとからなる投下するまで一時溜めを置く貯留ボックス5に収容し、底部Deを押出し用シリンダ6で押し出す構成にしてある。ちなみに、当該発炎筒Dのサイズは胴体Dbの直径24mm、全長140mmに設定したものを用いている。
【0022】
図8図10において、9は擦り板ベルトと送り部の擦り板送り装置ベースであり、発炎筒Dの投下ユニットベース上に立設固定してある。10はその擦り板ベルト送り装置ベース9の側板、11は従動プーリー側のフランジユニット、12は駆動プーリーの駆動軸、13は擦り板ベルト送り部の駆動プーリー、14は擦り板ベルト送り装置ベース9と駆動モーター取付けプレートとの間に設けた横向きの支柱、15は駆動モーター取付けプレートであり、横向き支柱14の端部に固着してある。16は駆動プーリー13に連結している駆動モーターであり、当該モーターは、ステッピングモーターを用いる。ちなみにステッピングモーターはモーターの軸がステップを実行して回転する、つまり一定角度だけ移動することを主な特長とする電気モーターである。17は駆動プーリー13の駆動軸12と駆動モーター16のカップリング、18は駆動軸12と従動軸の間隔を調整するためのテンショナ、19はそのテンショナ用圧縮バネ、20は従動プーリー用の従動軸、21は擦り板ベルトの送り装置ベース9と従動プーリー及び側板10と従動プーリーの間において従動軸20に嵌合したカラー、22は従動プーリー、23は駆動プーリー13と従動プーリー22に巻き掛けた擦り薬を備えた擦り板ベルトである。前記の擦り薬はマッチ棒の側薬となる擦り薬23′を塗布するか、又は擦り薬シール23″を当該擦り板ベルト23に貼り付けることが行われる。
【0023】
図11図17において、24はカートリッジと発炎筒送り部の発炎筒送り装置ベース、25は上面側と下面側のカバープレート26を繋ぐ縦側板である。当該カバープレート26は縦側板とコ字形に一体成形してあり、搬送コンベアCのタイミングベルト43上のカートリッジ60内にセットした発炎筒Dの上面側を外れないようにプレート体で覆う形状になっている。当該発炎筒Dの四角い鍔体Ddは、その発炎筒Dを覆うカバープレート26の先端26より外側に位置している。図中26aは当該カバープレート26に下面側の先端に続く発炎筒落下ガイドを示す。
【0024】
27はロック付きキャッチクリップであり、これを外すと搬送コンベアCを約90度回動するようになっている。28はアオリ止めプレート、29はフランジユニット、30は搬送コンベアCの駆動プーリーの駆動軸、31は駆動プーリー、32は横向きの支柱であり、軸受けを兼ねる側板25と駆動モーター取付けプレートとの間に設けてある。33は駆動側モーター取付けプレートであり、横向きの支柱に固定してある。34は発炎筒Dを送るための駆動プーリー31の駆動モーターであり、このモーターは擦り板ベルト用の駆動モーター16と同じステッピングモーターを用いる。また、当該モーター34は取付けプレート33に取り付けてある。35は駆動プーリーの駆動軸30と駆動モーター34を接続するためのカップリング、36は駆動軸30と従動軸の間隔を調整するためのテンショナ、37は従動軸、38・39は一対の従動プーリーの間隔を保持する従動軸のカラ―、40は従動プーリー、41はトラフ板であり、コンベアベルト43の上面側の内側を支えるために設けてある。42はステー、43はタイミングベルトであり、その平面上に発炎筒Dを収容する多数のカートリッジ60を設けるための仕切り体59が設けられている。当該タイミングベルト43は、制御盤58に組み込まれたプログラムで駆動プーリー31の回転角度θを調整するように作られ、所定のピッチ(例えば30mm)で前進する移動量を設定する。また、上記のタイミングベルト43のカートリッジ60の収容幅を例えば30mmに設定すると、これに収容する直径約24mmの発炎筒Dを30本の場合、全長が約90cmに設定され、これを楕円状のタイミングベルトに形成される。44は位置出しプレートである。
【0025】
図1において、55は逆流防止付き精密レギュレータ、56は作業車両Aの運転室内に設けたタッチパネル収納ボックス、57は電源ボタン57と投下の操作ボタン57を備えた遠隔操作ボックス、58は制御盤を示し、当該制御盤は、タイミングベルト34の駆動モーター34と擦り薬付き擦り板ベルトの駆動モーター16に、任意の回転角度プログラムをシーケンスに入力することにより、タイミングベルト43におけるカートリッジ60と、擦り板ベルト23の移動距離を設定することができるようになっている。
【0026】
図2において、45及び46は作業車両Aの後部における発炎筒Dの投下装置取付けベース、47は倒し用ヒンジプレート、48は発炎筒の投下装置取付け固定ブラケット、49はコンプレッサベースの固定ブラケット、50はコンプレッサベース、51はコンプレッサ、52は補助タンク、53は増圧弁、54は精密レギュレータであり、発炎筒Dの底部押出し用シリンダ6で着火頭部Daを擦り板ベルト23に押し付ける押圧力を調整するために設けられている。
【0027】
図11において、61は発炎筒搬送コンベアCや擦り薬付き擦り板ベルト23等を有する発炎筒の着火・投下装置を図2のように90度回動させる機構の基体、62はその装置を90度回動するために基体61に軸63で回動できるように結合したブラケット、64はそのブラケット62に設けた弧状孔、65はその弧状孔64に通したガイドピンであり、基体61に取り付けてある。上記の着火・投下装置を90度回動して倒すのは、多数本の発炎筒DをコンベアCのカートリッジ60にセットするためであり、セット終了後に回動して元の位置に戻すためである。上記の着火・投下装置を回動しないときはロック付キャッチクリップ27によってロックされている。
【0028】
図16は、発炎筒Dの着火から投下に至る工程の概略を示すフローチャートであり、投下ボタンのスイッチОNから着火擦り薬を具備した所定ピッチで送る擦り板ベルト23に発炎筒の着火頭部Daを押し付けて着火して投下に至る行程の概略を示している。
【0029】
図17は、発炎筒Dの着火から投下に至る行程において、エアーを送る回路を示す回路図であり、発炎筒Dを着火薬を具備した擦り板ベルト23に押し付ける底部Deの押出しシリンダ6と、着火した発炎筒Dを投下するための押し出しシリンダ8等を配備されている。
【0030】
図1及び図2において、発炎筒Dのカートリッジ60へのセットは次のように行う。すなわち、キャッチクリップ27を開錠して搬送コンベアCを90度回動して発炎筒着火及び投下の装置Bから外し、多数のカートリッジごとに発炎筒Dをその着火頭部Daを擦り板ベルト23に向けて収容した後、当該搬送コンベアCを原位置に戻してキャッチクリップ27を施錠する。
【0031】
「発炎筒Dの着火から投下までの行程」
(A)遠隔操作ボックス57の投下操作ボタン57を押してリモコン操作のスイッチОNにする。
(B)発炎筒送りの駆動モーター34が所定角度θだけ回転し、発炎筒Dが装填されているカートリッジ60のタイミングベルト43を1ピッチ(30mm)前進移動する。当該タイミングベルトの進行移動は制御盤58でプログラミングされている制御(シーケンス制御)によって駆動プーリー34及び駆動プーリー13の回転角度又は移動量や速度の調整を行う。
(C)カートリッジ60内の発炎筒Dが1ピッチ(30mm)送られることにより、対象の発煙筒Dが直下の投下用ボックス5に落として一時貯留する。
(D)投下用ボックス5内において、発炎筒Dの底部Deを底部押出しシリンダ6で擦り薬付き擦り板ベルト23に発炎筒Dの着火頭部Daを押し付けて圧接する。
(E)上記着火頭部Daの圧接すると同時に発炎筒投下押出しシリンダ8で発炎筒Dを貯留しているボックス5を、その固定仕切り板5b側から押し出して発炎筒Dを着火させると共に、さらに一時貯留ボックス5を前方に押し出すと、当該貯留ボックス5の前面側の開閉仕切り板5aはバネ板蝶番4を介して当て板5aの下部5a′がバネ板蝶番用当て板3の先端部3′に接して外側に倒れ、一時貯留ボックス5内で着火している発炎筒Dを路上に投下する。
(F)発炎筒Dの底部押出しシリンダ6と、発炎筒投下押出しシリンダ8を元の位置に戻す。
(G)擦り薬付き擦り板ベルト23の送りモーター16をスイッチОNにし、擦り板ベルト23を巻き掛けてある駆動プーリー34を所定角度だけ回転させ、未使用の擦り薬を施した擦り板ベルト23を準備する。この場合、制御盤58に組み込まれているプログラムで駆動プーリー12の回転角度の調整を行うことにより擦り板ベルト23の進行移動量を、例えば2~4mm程度の小幅に設定すると、未使用の着火擦り薬部23′又は着火擦り薬シート部23″が増えて発炎筒Dの着火使用本数を増加させること(例えば50本)が可能となる。
(H)これによって発炎筒の着火及び投下の1行程を完了する
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、高速道路における交通規制のほか、一般道路において事故や改良工事に伴う交通規制にも用いることが可能である。
【符号の説明】
【0033】
A…作業車両
B…発炎筒着火及び投下の装置
C…発炎筒搬送コンベア
D…発炎筒
1…発炎筒の投下ユニットベース
2…当て板高さ位置出しブロック
3…バネ蝶番用当て板
4…開閉仕切り板のバネ板蝶番
5…発炎筒一時貯留ボックス
5a…一時貯留ボックスの固定仕切り板
5b…一時貯留ボックスの開閉仕切り板
6…発炎筒底部押出しシリンダ
7…発炎筒底部押出しシリンダ取付けブラケット
8…発炎筒投下用押出しシリンダ
9…擦り板送り装置ベース
10…側板
11…フランジユニット
12…プーリー駆動軸
13…駆動プーリー
14…支柱
15…駆動モーター取付けプレート
16…駆動モーター
17…カップリング
18…テンショナ
19…圧縮バネ
20…従動軸
21…カラー
22…従動プーリー
23…擦り薬付き擦り板ベルト
23′…着火擦り薬
23″…着火擦り薬シール
24…発炎筒送り装置ベース
25…側板
26…発炎筒カバープレート
27…ロック付きキャッチクリップ
28…アオリ止めプレート
29…フランジユニット
30…駆動軸
31…駆動プーリー
32…支柱
33…駆動モーター取付けプレート
34…駆動モーター
35…カップリング
36…テンショナ
37…従動軸
38…カラー
39…カラ―
40…従動プーリー
41…トラフ板
42…ステー
43…タイミングベルト
44…位置出しプレート
45…発炎筒の投下装置取付けベース
46…発炎筒の投下装置取付けベース
47…倒し用ヒンジプレート
48…投下装置取付けベース固定ブラケット
49…コンプレッサベース固定ブラケット
50…コンプレッサベース
51…コンプレッサ
52…補助タンク
53…増圧弁
54…精密レギュレータ
55…逆流防止付き精密レギュレータである。
56…タッチパネル収容ボックス
57…遠隔操作ボックス
57…電源ボタン
57…発炎筒の投下操作ボタン
58…駆動プーリーの回転調整用プログラムを組み込んだ制御盤
59…カートリッジ形成用仕切り体
60…カートリッジ
61…基体
62…ブラケット
63…軸
64…弧状孔
65…ガイドピン
図1
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