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特開2022-154107動物用トイレ及び動物用トイレセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154107
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】動物用トイレ及び動物用トイレセット
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/01 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
A01K1/01 801A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021056989
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】松村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】原田 幸一
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101CA06
2B101CA10
2B101CB01
2B101CC17
(57)【要約】
【課題】動物がストレス無く出入りすることができ、猫砂の飛び散りを抑制することができ、掃除がし易い動物用トイレ及び動物用トイレセットを提供する。
【解決手段】動物用トイレ10は、動物の排泄物を受ける容器状のトイレ本体2と、トイレ本体2の開口部2aを覆う閉塞位置にドーム状に展開可能であるとともに、開口部2aを全開にする開放位置に収納可能である幌カバー4と、閉塞位置に展開した幌カバー4の開放位置から離間した前面に設けた動物の出入口4aと、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の排泄物を受ける容器状のトイレ本体と、
前記トイレ本体の開口部を覆う閉塞位置にドーム状に展開可能であるとともに、前記開口部を全開にする開放位置に収納可能である幌カバーと、
前記閉塞位置に展開した前記幌カバーの前記開放位置から離間した前面に設けた動物の出入口と、
を有する動物用トイレ。
【請求項2】
前記出入口は、前記幌カバーの前記前面に設けた動物が出入り可能な大きさの孔であり、前記孔の縁に伸縮部材を備えている、
請求項1の動物用トイレ。
【請求項3】
前記幌カバーは、前記孔の前記本体側の下端縁に切り込みを有する、
請求項2の動物用トイレ。
【請求項4】
前記幌カバーは、複数本の幌骨と、伸縮性を有する幌布と、を有する、
請求項1-3のいずれか1項の動物用トイレ。
【請求項5】
前記幌カバーの前記出入口を覆う蓋部材をさらに有する、
請求項1-4のいずれか1項の動物用トイレ。
【請求項6】
前記蓋部材は、前記幌カバーの前記出入口の周縁に重なる外周縁を有する膜である、
請求項5の動物用トイレ。
【請求項7】
前記トイレ本体は、尿通過孔を有する中間部材と、前記中間部材の下方に対向配置した尿トレイと、を備える、
請求項1-6のいずれか1項の動物用トイレ。
【請求項8】
請求項1-7のいずれか1項の動物用トイレと、
前記動物用トイレに用いられる排泄物処理剤及び尿吸収シートの少なくとも一方と、
を備えた動物用トイレセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、猫などの動物が使用する動物用トイレ及び動物用トイレセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、猫用のトイレとして、例えば、特許文献1、2に開示されたペット用トイレが知られている。
特許文献1のペット用トイレは、容器形状のトイレ本体と、トイレ本体の上方の開口部を覆うフード本体と、を有する。フード本体は、トイレ本体に固定する固定フードと固定フードに対して移動可能に設けた可動フードを有する。固定フード及び可動フードは成形性が良い樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテフタレート、塩化ビニル、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)等の汎用の合成樹脂)により形成されている。
【0003】
特許文献1のペット用トイレは、可動フードを開いて固定フードに重ねると、トイレ本体の開口部を大きく開くことができ、トイレ本体内の掃除がし易くなる。また、特許文献1のペット用トイレは、可動フードを閉じた状態で、猫がトイレ本体に出入りすることができるように、可動フードの前面に比較的大きな出入口を有する。出入口は、可動フードの前面を部分的に切り抜いたような形状を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-103456号公報
【特許文献2】特開2009-111176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のペット用トイレは、出入口を備えた可動フードを樹脂により形成しているため、可動フードを閉じた状態で、出入口を介して猫がトイレ本体に出入りする際に、猫の体が出入口の縁に擦れて、猫にストレスを与えてしまう。
【0006】
特許文献1のペット用トイレにおいて、猫が出入口を介してトイレ本体に出入りし易いように出入口の下端縁の高さを低くすると、出入口を介して猫砂が飛び散り易くなる。反対に、猫砂の飛び散りを抑制するため、出入口の下端縁を高くすると、猫の出入りが困難になる。
【0007】
特許文献1のペット用トイレは、可動フードを全開にすることによってトイレ本体の開口部の前方側を開放することができるが、固定フードを設けたトイレ本体の開口部の後方側を開放することができない。このため、従来のペット用トイレは、トイレ本体の後方における掃除がし難い。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、動物がストレス無く出入りすることができ、猫砂の飛び散りを抑制することができ、掃除がし易い動物用トイレ及び動物用トイレセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の動物用トイレの一態様は、動物の排泄物を受ける容器状の本体と、本体の開口部を覆う閉塞位置にドーム状に展開可能であるとともに、開口部を全開にする開放位置に収納可能である幌カバーと、閉塞位置に展開した幌カバーの開放位置から離間した前面に設けた動物の出入口と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、動物がストレス無く出入りすることができ、猫砂の飛び散りを抑制することができ、掃除がし易い動物用トイレ及び動物用トイレセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る動物用トイレを示す外観斜視図である。
図2図2は、図1の動物用トイレの幌カバーを開いた状態を示す外観斜視図である。
図3図3は、図1の動物用トイレの分解斜視図である。
図4図4は、図1の動物用トイレの幌カバーの幌骨を示す斜視図である。
図5図5は、図1の動物用トイレの幌カバーをトイレ本体に取り付ける左側の取付部材及びその周辺部材を示す斜視図である。
図6図6は、図5の取付部材を前方(矢印F6)から見た正面図である。
図7図7は、図1の動物用トイレの第1の変形例を示す外観斜視図である。
図8図8は、図7の動物用トイレをF8-F8に沿って切断した断面図である。
図9図9は、図1の動物用トイレの第2の変形例を示す外観斜視図である。
図10図10は、本発明の第2の実施形態に係る動物用トイレを示す外観斜視図である。
図11図11は、図10の動物用トイレのトイレ本体を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係る動物用トイレ10は、トイレ本体2と、幌カバー4と、ハーフカバー6と、を有する。図1は、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態を示す。図2は、幌カバー4を開放位置に収納した状態を示す。
【0013】
幌カバー4は、図1の閉塞位置に展開した状態でトイレ本体2の開口部2aの上方をドーム状に覆い、図2の開放位置に収納した状態でトイレ本体2の開口部2aを全開にする。幌カバー4は、その開度を調節可能であり、開口部2aを部分的に覆う任意の位置に配置することができる。本明細書及び特許請求の範囲における「ドーム状」とは、幌カバー4の内部空間を動物が入る比較的大きな空間にするため、幌カバー4をトイレ本体2から離間する上方向に膨出させた形状を意味する。
【0014】
この動物用トイレ10は、例えば、家庭で飼育されている猫などの比較的小型の動物が利用するトイレである。以下の説明では、図1の矢印F方向を前方とし、反対の矢印R方向を後方とするとともに、動物用トイレ10を前方(図示左側)から見て上下左右方向を規定する。
【0015】
幌カバー4は、後方から前方に移動して閉塞位置に展開可能であるとともに、前方から後方に移動して開口部2aから外れた開放位置で折り畳むことができる。幌カバー4の後端は、トイレ本体2の開口部2aの縁に固定されている。畳んだ状態の幌カバー4は、図2に示すように、ハーフカバー6の後方の開放位置に収納可能である。開放位置は、ハーフカバー6の上端縁6aより下方にある。
【0016】
動物用トイレ10は、幌カバー4を閉塞位置に展開した図1の状態で、開放位置から離間した幌カバー4の前方の面に、動物が出入り可能な大きさの出入口4aを有する。出入口4aは、幌カバー4に設けた孔である。
【0017】
図3に示すように、トイレ本体2は、下部容器1と、中間容器3と、尿トレイ5と、を含む。
下部容器1は、底部12と、底部12の外周部からなだらかに連続して上方に立設された筒状の周壁14と、を一体に有する。底部12は前後に長い略長方形の板状であり、周壁14は上方に向けてわずかに拡開した略四角筒状である。底部12の角部や周壁14の稜部はなだらかに湾曲している。周壁14の前方には、尿トレイ5を挿抜するための挿抜口16が設けられている。下部容器1は、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂により形成されている。
【0018】
中間容器3は、底部22(中間部材)と、底部22の外周部から上方になだらかに連続した筒状の周壁24と、を一体に有する。底部22から離れた周壁24の上端の内縁は、トイレ本体2の開口部2aを構成している。中間容器3の底部22から周壁24の上端までの高さは、下部容器1の底部12から周壁14の上端14aまでの高さより低い。
【0019】
中間容器3の底部22は、中央部が下方に向けてわずかに膨出した略矩形板状であり、その中央部に複数の尿通過孔22aを有する。複数の尿通過孔22aは、少なくとも猫砂(排泄物処理剤)が通過することのない大きさを有する。底部22の角部や周壁24の稜部はなだらかに湾曲している。中間容器3は、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂により形成されている。排泄物処理剤(猫砂)は、例えば、ウッドチップ、ゼオライトなどの鉱物、パルプ、おからなどである。
【0020】
中間容器3の底部22から離れた周壁24の上端には、外方に向けて略水平に延びた環状のフランジ部23が一体に連続して設けられている。周壁24の上端から外方に離間したフランジ部23の外周縁には、下方に延びた筒状の垂壁25が一体に連続して設けられている。すなわち、周壁24の上端の外側には、周壁24、フランジ部23、及び垂壁25によって囲まれた環状の溝21が形成されている。
【0021】
中間容器3の周壁24は、下部容器1の周壁14の内側に挿入配置可能な形状及び大きさを有する。中間容器3の垂壁25は、下部容器1の周壁14の外側に配置可能な形状及び大きさを有する。このため、中間容器3を下部容器1の内側に重ねると、下部容器1の周壁14の上端14aが中間容器3の溝21に挿入されてフランジ部23の下面に当接する。
【0022】
このように、中間容器3を下部容器1の内側に重ねた状態で、中間容器3が下部容器1に対して位置決めされる。この状態で、中間容器3の底部22は、下部容器1の底部12より上方の位置で且つ下部容器1の周壁14の上端14aより下方の位置に配置される。つまり、中間容器3を下部容器1の内側に重ねた状態で、下部容器1の底部12と中間容器3の底部22の間に空間Sが形成される。
【0023】
中間容器3は、左右2つの足置き台26R、26Lを有する。足置き台26R、26Lは、底部22の複数の尿通過孔22aの左右の外側で、底部22の内面から周壁24の内面にわたって底部22の内面及び周壁24の内面から一体に突設されている。一方の足置き台26Rは、中間容器3の長手方向の中央より後方に片寄った位置で、且つ尿通過孔22aの右側に設けられている。もう一方の足置き台26Lは、中間容器3の長手方向の中央より後方に片寄った位置で、且つ尿通過孔22aの左側に設けられている。
【0024】
2つの足置き台26R、26Lの上面26aは、中間容器3の周壁24の上端より低い架空の水平面に配置されている。周壁24の内面には、中間容器3内に収容する猫砂の上面位置を示す目安線24aが設けられている。目安線24aは、足置き台26R、26Lの上面26aより低い位置に設けられている。目安線24aは、中間容器3に猫砂を入れた際に猫砂の深さが3cm程度になるように、中間容器3の底部22の内面より3cm程度高い位置に設けられている。
【0025】
すなわち、猫砂を目安線24aまで入れた場合、猫砂の上面より上方に足置き台26R、26Lの上面26aが位置する。足置き台26R、26Lの形状、個数、上面26aの形状、面積などは、本実施形態に限定されるものではなく、任意に変更可能である。
【0026】
中間容器3は、ハーフカバー6を保持するための保持板部28を一体に有する。保持板部28は、中間容器3の周壁24の上端から上方に突出して周壁24と一体に設けられている。保持板部28は、筒状の周壁24に沿って周壁24の後方及び左右両側に略U字状に設けられている。保持板部28の外面28aは、垂壁25の外面を上方に延ばした面である。保持板部28は、後述するハーフカバー6の下端縁6bをフランジ部23の上面に当接させた状態で、ハーフカバー6の下端近くの外面を外側から支えるよう機能する。
【0027】
尿トレイ5は、下部容器1の挿抜口16を介して、下部容器1の底部12と中間容器3の底部22の間の空間S内に挿入される。尿トレイ5は、略矩形の底板5aと、底板5aの外周縁に一体に設けた略四角枠状の側壁5bと、を一体に有する容器状に形成されている。尿トレイ5の長手方向の両端には、それぞれ、利用者が指を掛ける指掛け部5cが設けられている。尿トレイ5は、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂により形成されている。
【0028】
尿トレイ5は、挿抜口16を介して空間S内に収容配置した状態(例えば、図1に示す状態)で、中間容器3の底部22に設けた複数の尿通過孔22aの下方に対向する。尿トレイ5には、例えば高分子吸収材を含有した図示しない尿吸収シートを載置してもよい。
【0029】
動物が猫砂の上に排泄した尿は、猫砂を通過して複数の尿通過孔22aを通って尿トレイ5に流出する。尿トレイ5に流れた尿は、尿吸収シートによって吸収させて尿吸収シートごと廃棄してもよい。また、動物が猫砂の上に排泄した糞は、周囲の猫砂と共に取り除いて廃棄される。なお、尿トレイ5は、前後を入れ替えて使用可能なように、前後対称な形状を有する。
【0030】
ハーフカバー6は、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂製の長尺な板をU字状に折り曲げたものである。ハーフカバー6は、動物用トイレ10の出荷時に下部容器1より一回り大きいサイズの箱内に一緒に梱包するため、長手方向の中央で分割及び連結可能な構造を有してもよい。
【0031】
ハーフカバー6は、中間容器3に取り付けた状態(例えば図2の状態)で、中間容器3の周壁24の上端に設けたフランジ部23の上面に当接する下端縁6bを有する。ハーフカバー6は、中間容器3に取り付けた状態で、トイレ本体2の後方から前方に向けてなだらかに下方に湾曲した上端縁6aを有する。上端縁6aの前方の端部は、下端縁6bの前方の端部につながっている。
【0032】
ハーフカバー6は、その長手方向に沿って略3等分にした中央部分と両端部分を有する。トイレ本体2の後方に位置するハーフカバー6の中央部分は、上端縁6aが下端縁6bより前方に位置するように傾倒している。つまり、ハーフカバー6の後方の部分は、トイレ本体2の内側に向けてわずかに傾いている。トイレ本体2の左右両側に位置するハーフカバー6の両端部分は、中間容器3のフランジ部23に対して略垂直に配置されてもよく、内側にわずかに傾倒させてもよい。
【0033】
幌カバー4は、後述する2つの取付部材8R、8Lを介して、トイレ本体2に対して着脱可能に取り付けられる。また、幌カバー4は、取付部材8R、8Lを介して、トイレ本体2に対して回動可能に取り付けられる。なお、2つの取付部材8R、8Lは、ハーフカバー6をトイレ本体2の中間容器3に着脱可能に取り付け可能な構造を有する。
【0034】
幌カバー4は、複数本(本実施形態では3本)の幌骨32a、32b、32c(以下、総称して幌骨32とする場合もある)と幌布34を有する。また、幌カバー4は、2つの回動部材36R、36Lを備える。図4に示すように、各幌骨32a、32b、32cは、薄くて細長い板状に形成され、それぞれU字状に折り曲げられている。そして、3本の幌骨32a、32b、32cは、それぞれ、後述する幌布34の所定箇所に縫製により取り付けられる。
【0035】
幌骨32は、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態で、最も前方に配置される第1の幌骨32a、第1の幌骨32aより後方に配置される第2の幌骨32b、及び、第2の幌骨32bより後方に配置される第3の幌骨32cを含む。図4は、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態における幌骨32a、32b、32cの配置位置を示す。図4では、左側の回動部材36Lの構造を見易くするため、左側の取付部材8Lの図示を省略してある。
【0036】
第1の幌骨32aは、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態で、中間容器3の垂壁25の外側に重ねて配置される。このため、例えば、幌骨32の回動中心(すなわち後述する取付部材8R、8Lの取付位置)をトイレ本体2の前後方向の中央にした場合、第1の幌骨32aの長さは、中間容器3の筒状の垂壁25の全長の半分よりわずかに長くなる。幌骨32の回動中心は、トイレ本体2の長手方向の略中央であればよく、必ずしも中央に配置する必要はない。
【0037】
図4に示すように、第1の幌骨32aの両端は、それぞれ、先細に形成されており、2つの回動部材36R、36Lの嵌合凹部36aに嵌合される。回動部材36R、36Lは、それぞれ、C字状のフック部36bを有する板状に形成されている。例えば、第1の幌骨32aの左端を嵌合する嵌合凹部36aは、フック部36bに隣接して回動部材36Lの板厚内に設けた溝により構成されている。嵌合凹部36aの深さは、第1の幌骨32aの板厚と略同じであり、嵌合凹部36aに第1の幌骨32aの左端を嵌合した状態(図4の状態)で、回動部材36Lの嵌合凹部36a側の表面と第1の幌骨32aの表面が略面一となる。
【0038】
図5は、左側の回動部材36L及び左側の取付部材8Lを部分的に拡大して示す斜視図であり、図6は、図5の取付部材8Lを前方から見た正面図である。図5では、第1の幌骨32aの図示を省略しており、第2、及び第3の幌骨32b、32cの左端近くを部分的に図示している。2つの回動部材36R、36L、及び2つの取付部材8R、8Lは、それぞれ、左右対称な構造を有する。よって、以下の説明では、幌カバー4の取付構造については、左側の構造を代表して説明し、右側の構造に関する詳細な説明を省略する。
【0039】
第2の幌骨32bは、第1の幌骨32aより長く、第2の幌骨32bの両端は、先細に形成されている。第3の幌骨32cは、第1の幌骨32aより長く、第3の幌骨32cの両端は、先細に形成されている。例えば、第2の幌骨32bの左端及び第3の幌骨32cの左端は、図4に示すように、回動部材36Lのフック部36bの切欠き内に配置される。第2、第3の幌骨32b、32cの板厚は、回動部材36Lの板厚よりわずかに薄い。
【0040】
第2の幌骨32b及び第3の幌骨32cは、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態で、幌カバー4の内部空間を十分に確保するとともに、動物用トイレ10の高さを所定の高さに抑えるため、適切な長さに形成されている。幌カバー4を閉塞位置に展開した状態で、第2の幌骨32b及び第3の幌骨32cは、幌カバー4の内部空間を十分に確保するとともに、動物用トイレ10の高さを所定の高さに抑えるため、適切な位置に配置されている。第2、第3の幌骨32b、32cは、同じ長さであってもよく、異なる長さであってもよい。本実施形態では、第2の幌骨32bと第3の幌骨32cを略同じ長さにした。
【0041】
第2の幌骨32bの長さ及び幌カバー4を閉塞位置に展開した状態における配置角度は、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態で、第1の幌骨32aと第2の幌骨32bの間に張設される幌布34の第1部分34a(図1)に十分な大きさの出入口4aを設けることができる値に設定される。例えば、第1の幌骨32aと第2の幌骨32bの間の角度を大きくすると、幌布34の第1部分34aの面積を大きくすることができ、比較的大きな出入口4aを設けることができる。
【0042】
本実施形態では、出入口4aの左右の幅を、最も広い箇所で約190mmに設定し、出入口4aの下端縁から上端縁までの高さを、約200mmに設定し、動物用トイレ10の下端面(動物用トイレ10を床などに置いた場合の床面)から出入口4aの下端縁までの高さを、約120mmに設定した。そして、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態における、第1の幌骨32aに対する第2の幌骨32bの角度を、上記のサイズの出入口4aを形成可能な角度に設定した。なお、出入口4aの形状及び大きさは、動物が出入り可能であればよく、本実施形態のサイズに限定されるものではなく、任意に変更可能である。
【0043】
第3の幌骨32cの長さ及び幌カバー4を閉塞位置に展開した状態における配置角度は、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態で、第2の幌骨32bと第3の間に張設される幌布34の第2部分34bの上面が略水平に配置される値に設定される。仮に、第2の幌骨32bと第3の幌骨32cの間に同じ長さの別の幌骨を配置した場合、第2の幌骨32bと第3の幌骨32cの間の幌布34の部分が上方に突出してしまい、動物用トイレ10の全高が高くなってしまう。つまり、幌カバー4の内部空間を十分に広くした上で動物用トイレ10の全高を所定高さに抑えるためには、本実施形態のように3本の幌骨32a、32b、32cを適切な角度で配置することが有効である。
【0044】
図5及び図6に示すように、左側の取付部材8Lは、略円板状の外側部分41、外側部分41の内側(図示右側)に離間して外側部分41と平行に配置した略矩形板状の内側部分42、および外側部分41と内側部分42の間に設けた円柱状の軸部分43を一体に有する。取付部材8Lは、外側部分41と内側部分42の間の軸部分43の外周面の外側に環状溝44を有する。軸部分43は、取付部材8Lを動物用トイレ10に組み込んだ状態で、幌カバー4の回動中心を構成する。
【0045】
取付部材8Lは、内側部分42のさらに内側に、ハーフカバー6の下端縁6bを保持するための保持部分45を一体に有する。内側部分42の上端は、内側(図示右側)に略直角に折れ曲がった形状を有する。保持部分45は、この折れ曲がった内側部分42の上端に連続して一体に設けられている。内側部分42と保持部分45の間には、中間容器3の保持板部28の上端を差し込むための溝部46が形成されている。
【0046】
保持部分45は、ハーフカバー6の下端縁6bを受け入れる溝部45aを有する。溝部45aは、保持部分45の上端から下方に延びて設けられている。また、保持部分45は、溝部45aの内側に突出した突起45bを有する。突起45bは、溝部45aの内側の内面から外側の内面に向けて突設されている。
【0047】
取付部材8Lは、内側部分42のさらに内側に突出した係合爪47を有する。係合爪47は、保持部分45の下方に離間して内側部分42の下端近くに設けられている。内側部分42と保持部分45の間の溝部46の底と係合爪47の間の距離は、中間容器3の垂壁25の下端縁から保持板部28の上端縁までの幅と略同じ長さに設定されている。
【0048】
幌布34は、薄くて軽く、ストレッチ性の高い伸縮性を有する素材により形成することが望ましい。また、幌布34は、防水性に優れ、透湿性能の高い素材により形成することが望ましい。本実施形態では、ニット素材に伸縮性のあるポリウレタンフィルムをラミネート加工し、耐水圧が15000mm程度で、透湿度が15000g/m2/24hレベルの布素材を幌布34として使用した。
【0049】
幌布34は、第1部分34aに設けた出入口4aの周縁に、環状の伸縮部材38を備える。伸縮部材38は、ゴムなどの伸縮性を有する素材を環状に形成したものであり、わずかに引き延ばした状態(環を拡げた状態)で出入口4aの縁に取り付けられている。
【0050】
以下、上記構造の動物用トイレ10の組み立て方法について説明する。
まず、下部容器1の内側に中間容器3を重ねて、挿抜口16を介して空間S内に尿トレイ5を挿入し、トイレ本体2を組み立てる。このとき、尿トレイ5の内部に尿吸収シートを配置してもよい。
【0051】
また、幌布34の所定位置に3本の幌骨32a、32b、32cを取り付けて第1の幌骨32aの両端に回動部材36R、36Lを取り付けた幌カバー4を用意する。
【0052】
次に、中間容器3の保持板部28に2つの取付部材8R、8Lを取り付ける。
このとき、右側の取付部材8Rを保持板部28の右側に設けた切欠き部29R(図3)に対向させて、取付部材8Rの溝部46に保持板部28の上端縁を挿入し、切欠き部29Rに溝部46を係合させる。そして、取付部材8Rの係合爪47を切欠き部29Rの下方の垂壁25の下端縁に係合させる。これにより、取付部材8Rが中間容器3に固定される。
【0053】
また、このとき、左側の取付部材8Lを保持板部28の左側に設けた切欠き部29L(図3)に対向させて、取付部材8Lの溝部46に保持板部28の上端縁を挿入し、切欠き部29Lに溝部46を係合させる。そして、取付部材8Lの係合爪47を切欠き部29Lの下方の垂壁25の下端縁に係合させる。これにより、取付部材8Lが中間容器3に固定される。
【0054】
さらに、この後、2つの取付部材8R、8Lを介して、ハーフカバー6をトイレ本体2に取り付ける。
このとき、右側の取付部材8Rの保持部分45にハーフカバー6の下端縁6bに設けた右側の切欠き部6Rを対向させて、取付部材8Rの保持部分45の溝部45aにハーフカバー6の下端縁6bを挿入し、溝部45aの底に切欠き部6Rを係合させる。これにより、ハーフカバー6の切欠き部6Rの上方に離間して設けた図示しない係合孔に保持部分45の溝部45a内に突設した突起45bが係合し、ハーフカバー6の右側部分が取付部材8Rに固定される。
【0055】
また、このとき、左側の取付部材8Lの保持部分45にハーフカバー6の下端縁6bに設けた左側の切欠き部6Lを対向させて、取付部材8Lの保持部分45の溝部45aにハーフカバー6の下端縁6bを挿入し、溝部45aの底に切欠き部6Lを係合させる。これにより、ハーフカバー6の切欠き部6Lの上方に離間して設けた図示しない係合孔に保持部分45の溝部45a内に突設した突起45bが係合し、ハーフカバー6の左側部分が取付部材8Lに固定される。
【0056】
最後に、2つの取付部材8R、8Lを介して、幌カバー4をトイレ本体2に取り付ける。
このとき、右側の取付部材8Rの環状溝44に幌カバー4の右側の回動部材36Rのフック部36bを挿入し、フック部36bを取付部材8Rの軸部分43に掛ける。そして、第2の幌骨32bの右端及び第3の幌骨32cの右端を、フック部36bの切欠き内に介在させた状態で取付部材8Rの環状溝44に挿入する。これにより、3本の幌骨32a、32b、32cの右端が取付部材8Rに回動可能に取り付けられる。
【0057】
また、このとき、左側の取付部材8Lの環状溝44に幌カバー4の左側の回動部材36Lのフック部36bを挿入し、フック部36bを取付部材8Lの軸部分43に掛ける。そして、第2の幌骨32bの左端及び第3の幌骨32cの左端を、フック部36bの切欠き内に介在させた状態で取付部材8Lの環状溝44に挿入する。これにより、3本の幌骨32a、32b、32cの左端が取付部材8Lに回動可能に取り付けられる。
【0058】
なお、第3の幌骨32cの後方にある幌布34の第3部分34cの後端縁は、図示しない固定部材などを介して、中間容器3の後方の垂壁25及び/或いは保持板部28に固定される。或いは、幌布34の第3部分34cの後端縁に、第1の幌骨32aと同じように両端に回動部材36R、36Lを取り付けた第4の幌骨(図示せず)を取り付けて、この第4の幌骨を中間容器3の後方に固定するようにしてもよい。
【0059】
また、動物用トイレ10は、幌カバー4の前方の端縁をトイレ本体2に固定するための固定爪(図示せず)などを備えてもよい。固定爪は、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態でトイレ本体2の前方に配置される第1の幌骨32aに設けてもよく、幌布34の第1部分34aの前方の端縁に取り付けてもよい。
【0060】
動物用トイレ10の使用時には、幌カバー4を開放位置に開いた状態で、開口部2aを介して中間容器3の内部に猫砂を投入する。猫砂の最適な投入量は、猫砂の上面が中間容器3の目安線24aに達する量である。
【0061】
以下、上述した第1の実施形態に係る動物用トイレ10の機能及びその効果について説明する。
本実施形態の動物用トイレ10は、伸縮性を有する幌布34を用いた幌カバー4を備えている。このため、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態で、動物用トイレ10の内部で動物が回転して体が幌カバー4に接触した場合であっても、幌カバー4を容易に変形させることができ、動物にストレスを与える不具合を抑制することができる。
【0062】
また、伸縮性を有する幌布34を用いることで、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態で、幌布34が弛み難く、動物用トイレ10の見栄えをよくすることができる。本実施形態で用いた幌布34の素材は、防水性に優れるため、動物の尿が付着した場合であっても汚れ難い。また、この素材は、透湿性能が高いため、幌カバー4を閉塞位置に展開して開口部2aを塞いだ状態で、動物用トイレ10の内部が蒸れ難く、動物が快適に使用することができる。
【0063】
また、伸縮性を有する幌布34を用いることで、出入口4aを介して動物が動物用トイレ10に出入りする際に、出入口4aの縁に動物の体が擦れた場合であっても、出入口4aの縁が容易に変形するため、動物の動きを妨げることがなく、動物に与えるストレスを緩和することができる。
【0064】
なお、本実施形態では、幌布34を伸縮性のある布素材により形成したが、出入口4aの縁に上述した伸縮部材38を設けることにより、伸縮性の少ない素材を幌布34として利用することもできる。つまり、出入口4aの縁に伸縮部材38を取り付けることにより、伸縮性の少ない幌布34であっても、動物が出入口4aを通過する際に、伸縮部材38が伸び縮みして出入口4aの縁を容易に変形させることができる。このため、動物の体が出入口4aの縁に擦れても、動物にストレスを与える不具合を緩和することができる。
【0065】
また、出入口4aの縁に伸縮部材38を設けることにより、伸縮性の少ない幌布34であっても、幌布34の第1部分34aに張りを持たせることができ、動物用トイレ10の見栄えをよくすることができる。
【0066】
また、本実施形態のように伸縮性を有する幌布34を用いた幌カバー4の前面に出入口4aを設けると、従来のように合成樹脂により形成したカバーの前面に出入口を設けた場合と比較して、動物用トイレ10を設置する床面から出入口4aの下端縁までの高さを高くすることができ、猫砂の飛び散りを抑制することができる。
【0067】
つまり、伸縮性を有する幌布34の前面に出入口4aを設けた場合、出入口4aを通過する動物が出入口4aの下端縁に接触しても、下端縁が容易に変形して動物の通過を妨げることがないため、樹脂製のカバーに出入口を設けた従来の場合と比較して、下端縁の高さを高くすることができ、猫砂の飛び散りを抑制する効果を高めることができる。
【0068】
また、出入口4aの下端縁を高くすることにより、動物の足が幌布34に擦れ易くなり、出入口4aを介して動物が動物用トイレ10から外に出る際に、動物の足裏に付着した猫砂を描き落とし易くなる。
【0069】
例えば、図7及び図8に示す第1の変形例のように、幌カバー4の前面に設ける出入口4aを、第1の実施形態(図1)より高い位置にずらして、出入口4aの下端縁の高さをトイレ本体2の中間容器3のフランジ部23の高さより高くすることもできる。この場合、図7に示すように、出入口4aの下端縁に切り込み37を入れることにより、猫砂の飛び散りを抑制する効果を維持した上で、出入口4aを通過する動物に与えるストレスをより軽減することができる。
【0070】
また、図9に示す第2の変形例のように、幌カバー4の前面に出入口4aを覆う膜状の蓋部材39を設けてもよい。蓋部材39は、例えば幌布34と同じ布素材により形成することができる。蓋部材39は、その上端を出入口4aの上端縁の近くの第1部分34aに固定することで幌カバー4に取付可能である。蓋部材39は、幌カバー4に取り付けた状態で、出入口4aの周縁に重なる外周縁を有する。蓋部材39は、左右方向の中央に上下に延びた切り込み39aを有する。蓋部材39は、幌カバー4と一緒に折り畳んで、幌カバー4とともに開放位置に収納することができる。
【0071】
第2の変形例のように、出入口4aに蓋部材39を設けることにより、幌カバー4を閉塞位置に展開した状態で、動物用トイレ10のトイレ本体2の開口部2aの全てを閉じることができる。このため、動物用トイレ10をリビングなどに置いた場合、幌カバー4を閉塞位置に展開してトイレ本体2の内部が見えないようにすることができ、動物用トイレ10の美観を良くすることができる。また、幌カバー4を閉じて開口部2aの全てを閉塞することができるため、動物の排泄物から発生する臭いが開口部2aを介して外部に発散する不具合を抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態によると、動物がトイレ本体2内の猫砂に排泄した排泄物を清掃する際に、幌カバー4を全開にすることができ、トイレ本体2の後方の奥の方まで作業者の手を入れ易く、清掃時の作業性を向上させることができる。
【0073】
また、本実施形態によると、幌布34を用いて幌カバー4を形成したため、カバーを樹脂成形により形成する従来の場合と比較して、用意する金型の個数を減らすことができ、動物用トイレ10の製造コストを低減することができる。
【0074】
また、本実施形態のように、幌骨32と幌布34を用いて幌カバー4を形成することで、動物用トイレ10の全重量を軽くすることができ、動物用トイレ10の持ち運びを容易にすることができる。
【0075】
さらに、本実施形態によると、幌カバー4を図2に示す開放位置に収納した状態で、ハーフカバー6の上端縁6aより下方に幌カバー4を収納配置することができるため、飛び散った猫砂が開放位置に配置した幌カバー4の中に入り込んでしまう不具合を抑制することができる。
【0076】
本実施形態の動物用トイレ10を使用する動物が猫である場合、猫の習性として排泄後に猫砂を足で掻いて排泄物にかける習性があることが知られている。この場合、ハーフカバー6の上端縁6aより上方に折り畳んだ幌カバー4があると、折り畳んだ幌布34の間に飛び散った猫砂が入り込んでしまう可能性が高くなる。これに対し、本実施形態のように、ハーフカバー6の上端縁6aより低い開放位置に幌カバー4を収納することで、開口部2aを介して飛び散った猫砂が折り畳んだ幌布34の間に入り難くすることができる。
【0077】
次に、本発明の第2の実施形態に係る動物用トイレ50について、図10及び図11を参照して説明する。第2の実施形態の動物用トイレ50は、ハーフカバー6を無くしてトイレ本体52の構造を変更し、幌カバー4’の出入口54の形状を変更した以外、上述した第1の実施形態の動物用トイレ10と略同じ構造を有する。よって、以下の説明では、上述した第1の実施形態の動物用トイレ10と同様に機能する構成については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0078】
図11に示すように、トイレ本体52は、下部容器1’の内側に中間容器3’を重ねた構造を有する。下部容器1’の上端縁及び中間容器3’の上端縁は、後方から前方に向けて下方に傾斜している。すなわち、トイレ本体52の上端にある開口部52aは、後方から前方に向けて下方に傾斜した架空の平面に設けられている。
【0079】
幌カバー4’は、第1部分34aに出入口54を有する。出入口54は、第1部分34aの前方の端縁につながっている。つまり、出入口54の下端縁は幌布34によってつながっておらずに開放している。第1の幌骨32aは、左右の2本に分かれており、それぞれの回動の先端が出入口54の下端縁における左右端に位置している。そして、出入口54の左右の下端縁は、スナップ56によって中間容器3’の垂壁25に着脱可能に固定されている。
【0080】
本実施形態の動物用トイレ50は、伸縮性を有する幌布34を用いて構成した幌カバー4’を備え、且つ幌カバー4’の前面に出入口54を有するため、上述した第1の実施形態の動物用トイレ10と同様の効果を奏することができる。その上、本実施形態の動物用トイレ50は、トイレ本体52の形状を変更してハーフカバー6を省略したため、部品点数を少なくすることができ、製造コストを削減することができる。
【0081】
なお、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態及び変形例は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0082】
例えば、上述した実施形態では、下部容器1の内側に中間容器3を重ねた二重構造のトイレ本体2に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、尿通過孔22aや尿トレイ5が無い単層の容器状のトイレ本体(本体)を備えた動物用トイレに本発明を適用することもできる。
【0083】
また、上述した実施形態では、出入口4aの周縁に伸縮部材38を設けた場合について説明したが、これに限らず、出入口4aの周縁に環状の弾性部材(図示せず)を設けてもよい。出入口4aの周縁に弾性部材を設けることにより、出入口4aを通過する動物の体が出入口4aの周縁に接触した場合であっても、弾性部材が接触による衝撃を吸収することができ、動物にストレスを与える不具合を抑制することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…下部容器、 2…トイレ本体、 2a…開口部、 3…中間容器、 4…幌カバー、 4a、54…出入口、 5…尿トレイ、 6…ハーフカバー、 8R、8L…取付部材、 10、50…動物用トイレ、 32a、32b、32c…幌骨、 34…幌布、 36R、36L…回動部材、 37…切り込み、 38…伸縮部材、 39…蓋部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11