(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154136
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】腕金
(51)【国際特許分類】
H02G 7/00 20060101AFI20221005BHJP
H02G 1/02 20060101ALI20221005BHJP
E04H 12/24 20060101ALI20221005BHJP
A01M 29/26 20110101ALI20221005BHJP
【FI】
H02G7/00
H02G1/02
E04H12/24
A01M29/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057029
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520123216
【氏名又は名称】北陸電力送配電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】小山 智
(72)【発明者】
【氏名】京極 喜一郎
(72)【発明者】
【氏名】大澤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】浦田 恒則
【テーマコード(参考)】
2B121
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
2B121AA07
2B121BB25
2B121BB30
2B121BB32
2B121FA01
2B121FA12
5G352AD04
5G367AB02
5G367AD09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】鳥の営巣を防止できる、電線を架設するための腕金の提供する。
【解決手段】腕金は、腕金本体1と鳥侵入防止部材2とを備える。腕金本体1は、アルミ形材で形成してあり、長手方向の端部に鳥侵入防止部材2の被係止部3を有する。鳥侵入防止部材2は、両端部に設けた係止部4を腕金本体1の内側又は外側から被係止部3に弾発的に係止して腕金本体1に固定してある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕金本体と鳥侵入防止部材とを備え、腕金本体は、アルミ形材で形成してあり、長手方向の端部に鳥侵入防止部材の被係止部を有し、鳥侵入防止部材は、両端部に設けた係止部を腕金本体の内側又は外側から被係止部に弾発的に係止して腕金本体に固定してあることを特徴とする腕金。
【請求項2】
腕金本体と鳥侵入防止部材とを備え、腕金本体は、アルミ形材で形成してあり、鳥侵入防止部材は、腕金本体の端部より中空部内に挿入し、周囲からかしめて腕金本体に固定してあることを特徴とする腕金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱に取付けられる腕金に関する。
【背景技術】
【0002】
電柱には、電線を架設するために腕金が取付けられている。従来、腕金はスチール製の角パイプで形成されており、小口から内部に鳥が侵入して巣を作る問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、鳥の営巣を防止できる腕金の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による腕金は、腕金本体と鳥侵入防止部材とを備え、腕金本体は、アルミ形材で形成してあり、長手方向の端部に鳥侵入防止部材の被係止部を有し、鳥侵入防止部材は、両端部に設けた係止部を腕金本体の内側又は外側から被係止部に弾発的に係止して腕金本体に固定してあることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による腕金は、腕金本体と鳥侵入防止部材とを備え、腕金本体は、アルミ形材で形成してあり、鳥侵入防止部材は、腕金本体の端部より中空部内に挿入し、周囲からかしめて腕金本体に固定してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による腕金は、腕金本体と鳥侵入防止部材とを備え、腕金本体は、アルミ形材で形成してあり、長手方向の端部に鳥侵入防止部材の被係止部を有し、鳥侵入防止部材は、両端部に設けた係止部を腕金本体の内側又は外側から被係止部に弾発的に係止して腕金本体に固定してあるので、鳥の営巣を防止できる。鳥侵入防止部材は、工具等を使用しなくても簡単に取付けでき、外れる心配もない。
【0007】
請求項2記載の発明による腕金は、腕金本体と鳥侵入防止部材とを備え、腕金本体は、アルミ形材で形成してあり、鳥侵入防止部材は、腕金本体の端部より中空部内に挿入し、周囲からかしめて腕金本体に固定してあるので、鳥の営巣を防止できる。鳥侵入防止部材は、腕金本体の中空部内に挿入して周囲からかしめるだけで簡単に取付けでき、外れる心配もない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の腕金の端部を拡大して示す斜視図であって、(a)は鳥侵入防止部材を腕金本体に取付ける前の状態、(b)は鳥侵入防止部材を腕金本体に取付けた状態を示す。
【
図3】第2実施形態の腕金の端部を拡大して示す斜視図であって、(a)は鳥侵入防止部材を腕金本体に取付ける前の状態、(b)は鳥侵入防止部材を腕金本体に取付けた状態を示す。
【
図4】第3実施形態の腕金の端部を拡大して示す斜視図であって、(a)は鳥侵入防止部材を腕金本体に取付ける前の状態、(b)は鳥侵入防止部材を腕金本体に取付けた状態を示す。
【
図5】第3実施形態の腕金の側面図と縦断面図であって、(a)は腕金本体をかしめる前の状態、(b)は腕金本体をかしめた後の状態を示す。
【
図6】第4実施形態の腕金の端部を拡大して示す斜視図であって、(a)は鳥侵入防止部材を腕金本体に取付ける前の状態、(b)は鳥侵入防止部材を腕金本体に取付けた状態を示す。
【
図7】第4実施形態の腕金の側面図と縦断面図であって、(a)は腕金本体をかしめる前の状態、(b)は腕金本体をかしめた後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,2は、本発明の腕金の第1実施形態を示している。本腕金は、
図2に示すように、腕金本体1と、腕金本体1の長手方向の両端部に取付けた鳥侵入防止部材2とを備えている。
【0010】
腕金本体1は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、
図1,2に示すように、上壁5と下壁6と一対の側壁7,7とを有する正方形断面の筒状となっている。腕金本体1は、長手方向の両端部の上壁5と下壁6とに、鳥侵入防止部材2の被係止部となるスリット3が長手方向と交差する向きで形成してある。腕金本体1の側壁7,7には、腕金本体1を電柱8に固定するためのボルト9を挿通するための長孔10が形成してある。また腕金本体1には、電線を受ける碍子等の機器(図示省略)を取付けるための取付孔が適宜形成される。
【0011】
鳥侵入防止部材2は、アルミ形材を所定長さに切断して形成したものであり、
図1(a)に示すように、上部と下部に腕金本体1の長手方向の外側に向けて傾斜した傾斜部11,11を有し、各傾斜部11,11の先端部に係止部4,4が上下方向に突出して設けてある。
この鳥侵入防止部材は、
図1(a)の矢印に示すように、腕金本体1の小口より中空部12内に押し込むと、上下の傾斜部11,11が内側に曲がるように弾性変形した後、上下端の係止部4,4が腕金本体1のスリット3に弾発的に係止して、
図1(b)に示すように腕金本体1に固定される。
本腕金は、このように腕金本体1の両端部に鳥侵入防止部材2を取付けたことで、腕金本体1の中空部12内に鳥が侵入して巣を作るのを防ぐことができる。
【0012】
本腕金は、従来のものと同様に、電柱8に巻き掛けたバンド13とボルト9,9とナット14,14により電柱8に固定される(
図2参照)。本腕金は、腕金本体1がアルミ形材製で軽量なため、電柱8への取付け作業がしやすい。
【0013】
図3は、本発明の腕金の第2実施形態を示しており、第1実施形態とは鳥侵入防止部材2の形状が異なっている。鳥侵入防止部材2は、
図3(a)に示すように、上下の横壁15,15と縦壁16とを有する略コ字型に形成してあり、上横壁15の先端部に係止部4が下向きに形成してあり、下横壁15の先端部に係止部4が上向きに形成してある。
この鳥侵入防止部材2は、
図3(a)の矢印に示すように、腕金本体1の端部に上下の横壁15,15を外側から嵌めるように押し込むと、上下の横壁15,15が外側に曲がるように弾性変形した後、その先端に設けた係止部4,4が腕金本体1のスリット3に弾発的に係止して、
図3(b)に示すように腕金本体1に固定される。
【0014】
図4,5は、本発明の腕金の第3実施形態を示している。
図4(a)に示すように、鳥侵入防止部材2は、長方形の板状となっている。鳥侵入防止部材2は、上下寸法が腕金本体1の中空部12の上下寸法とほぼ同じで、左右寸法が腕金本体1の中空部12の左右寸法より小さくしてある。
本実施形態の腕金は、
図4に示すように、鳥侵入防止部材2を腕金本体1の小口より中空部12内に挿入し、上下からプレス機17でプレスしてかしめる。その際、
図5(a)に示すように、先端がとがった押圧部22を介してプレスすることで、
図5(b)に示すように、腕金本体1の上壁5と下壁6のプレスした箇所が内側に膨らむように塑性変形して鳥侵入防止部材2を上下からくわえ込み、それに伴って鳥侵入防止部材2が腕金本体1に固定される。
【0015】
図6,7は、本発明の腕金の第4実施形態を示している。鳥侵入防止部材2は、アルミ形材で形成したものであって、
図6(a)に示すように、腕金本体1の中空部12の対角線に位置する断面X字状の部分22を有し、その放射状にのびる各辺の先端部が腕金本体1の中空部12のコーナー部にそれぞれ当接している。
本実施形態の腕金は、
図6に示すように、鳥侵入防止部材2を腕金本体1の小口より中空部12内に挿入し、上下からプレス機17でプレスしてかしめる。その際、
図7(a)に示すように、先端がとがった押圧部22を介してプレスすることで、
図7(b)に示すように、腕金本体1の上壁5と下壁6のプレスした箇所が内側に膨らむように塑性変形して鳥侵入防止部材2を上下からくわえ込み、それに伴って鳥侵入防止部材2が腕金本体1に固定される。鳥侵入防止部材2は、断面X字状の部分22を有し、X字状の部分22の各辺の先端部が腕金本体1の中空部12のコーナー部にそれぞれ当接することで、腕金本体1の中空部12内に挿入したときに鳥侵入防止部材2の姿勢が安定するため、かしめによる固定が能率よく行える。
【0016】
図8は、本発明の腕金の第5実施形態を示している。鳥侵入防止部材2は、第4実施形態と同様の断面X字状の部分22に加え、X字状の部分22の斜めの片同士の間にヒレ片23をそれぞれ設けている。各ヒレ片23の先端と腕金本体1との間には、隙間24が設けてある。
本実施形態の腕金は、鳥侵入防止部材2に断面X字状の部分22を有し、X字状の部分22の各辺の先端部が腕金本体1の中空部12のコーナー部にそれぞれ当接することで、第4実施形態と同様に、腕金本体1の中空部12内に挿入したときに鳥侵入防止部材2の姿勢が安定するため、かしめによる固定が能率よく行える。さらに、X字状の部分22の斜めの片同士の間にヒレ片23をそれぞれ設けてあることで、鳥侵入防止部材2で腕金本体1の中空部12がより細かく仕切られるため、腕金本体1の断面が大きくなっても鳥の侵入を防止できる。
【0017】
以上に述べたように本腕金(第1・第2実施形態)は、腕金本体1と鳥侵入防止部材2とを備え、腕金本体1は、アルミ形材で形成してあり、長手方向の端部に鳥侵入防止部材2の被係止部3を有し、鳥侵入防止部材2は、両端部に設けた係止部4を腕金本体1の内側又は外側から被係止部3に弾発的に係止して腕金本体1に固定してあるので、鳥の営巣を防止できる。鳥侵入防止部材2は、工具等を使用しなくても簡単に取付けでき、外れる心配もない。
また本腕金(第1・第2実施形態)は、腕金本体1をアルミ形材で形成したことで、従来のスチール製のものよりも軽く、扱いやすい。また、アルミ形材製のため、耐候性に優れるため、維持費も抑えられコスト的にも有利である。
腕金本体1の被係止部3は、スリット状に形成したので、鳥侵入防止部材2を確実に取付けでき、また、プレス加工により簡単に形成できる。
【0018】
本腕金(第3~4実施形態)は、腕金本体1と鳥侵入防止部材2とを備え、腕金本体1は、アルミ形材で形成してあり、鳥侵入防止部材2は、腕金本体1の端部より中空部12内に挿入し、周囲からかしめて腕金本体1に固定してあるので、鳥の営巣を防止できる。鳥侵入防止部材2は、腕金本体1の中空部12内に挿入して周囲からかしめるだけで簡単に取付けでき、外れる心配もない。
また本腕金(第3~4実施形態)は、腕金本体1をアルミ形材で形成したことで、従来のスチール製のものよりも軽く、扱いやすい。また、アルミ形材製のため、耐候性に優れるため、維持費も抑えられコスト的にも有利である。
第3実施形態の腕金は、鳥侵入防止部材2を板状にしたので、鳥侵入防止部材2を安価に製作できる。
第4,5実施形態の腕金は、鳥侵入防止部材2は、断面X字状の部分22を有し、X字状の部分22の各辺の先端部が腕金本体1の中空部12のコーナー部にそれぞれ当接することで、腕金本体1の中空部12内に挿入したときに鳥侵入防止部材2の姿勢が安定するため、かしめによる固定が能率よく行える。
【0019】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。腕金本体は、断面形状が長方形や台形等であってもよい。鳥侵入防止部材の形状や材質は、適宜変更することができる。電柱には、電力柱と電信柱が含まれる。本発明の腕金の用途は特に限定されるものではなく、電線やケーブルを架設するものの他、アンテナや道路標識等を取付けるためのものであってもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 腕金本体
2 鳥侵入防止部材
3 スリット(被係止部)
4 係止部