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  • 特開-鋳造金型のガス吸引装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022154267
(43)【公開日】2022-10-13
(54)【発明の名称】鋳造金型のガス吸引装置
(51)【国際特許分類】
   B22C 9/06 20060101AFI20221005BHJP
   B22D 18/06 20060101ALI20221005BHJP
   B22D 18/04 20060101ALI20221005BHJP
   B22D 18/02 20060101ALI20221005BHJP
   B22D 17/22 20060101ALI20221005BHJP
   F16K 1/38 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B22C9/06 P
B22D18/06 509N
B22D18/04 F
B22D18/02 Q
B22D17/22 G
F16K1/38 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057199
(22)【出願日】2021-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】有山 雄己
(72)【発明者】
【氏名】山田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】結城 研二
【テーマコード(参考)】
3H052
4E093
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA31
3H052CA02
3H052CB02
3H052CC03
3H052CD02
3H052EA01
4E093NB07
4E093NB10
(57)【要約】
【課題】吸引路上の遮断弁への異物の付着を抑制する。
【解決手段】鋳造金型12のガス吸引装置10は、オーバーフロー部18、吸引路22、および遮断弁20を備える。遮断弁は、弁体40と、弁体を収容する収容部42と、を有する。収容部は、弁座部42aと、上流側収容部42bと、下流側収容部42cと、を有し、弁体は、弁座部と当接可能な当接部40aと、上流側弁部40bと、下流側弁部40cと、を有する。上流側収容部は、円弧状の外周縁Pを有し、オーバーフロー部は、上流側収容部に連なり上流側収容部へとガスを導く導入路18bを有する。導入路は、外周縁上の所定の箇所において、外周縁の接線方向に沿って上流側収容部と接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造金型のキャビティ部に接続され、所定の面に沿って形成されるオーバーフロー部と、
前記オーバーフロー部を介して、前記キャビティ部内のガスを吸引するための吸引路と、
前記オーバーフロー部と前記吸引路の間に設けられ、前記吸引路を遮断可能な遮断弁と、
を備え、
前記遮断弁は、弁体と、前記弁体を収容する収容部とを有し、
前記収容部は、弁座部と、前記弁座部より上流側の上流側収容部と、前記弁座部より下流側の下流側収容部とを有し、
前記弁体は、前記弁座部と当接して前記吸引路を遮断する当接部と、前記当接部より上流側の上流側弁部と、前記当接部より下流側の下流側弁部と、を有し、
前記所定の面は、前記弁体の軸線と前記所定の面とが交差する位置よりも前記オーバーフロー部側に角度基準面を有し、
前記下流側収容部の軸線と前記角度基準面とのなす角は鈍角であり、
前記上流側収容部は、前記所定の面上において、円弧状の外周縁を有し、
前記オーバーフロー部は、前記上流側収容部に連なり前記上流側収容部へと前記ガスを導く導入路を有し、
前記導入路は、前記外周縁上の所定の箇所において、前記外周縁の接線方向に沿って前記上流側収容部と接続される、鋳造金型のガス吸引装置。
【請求項2】
請求項1記載の鋳造金型のガス吸引装置であって、
前記導入路の流路幅は、前記外周縁の直径よりも小さく、
前記導入路の中心軸線が前記外周縁の中心からずれるように、前記導入路は前記外周縁に接続される、鋳造金型のガス吸引装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の鋳造金型のガス吸引装置であって、
前記所定の面は、鉛直線に沿い、
前記導入路の中心軸線は、前記所定の面に沿い、且つ、鉛直線に対して、所定の角度をなす、鋳造金型のガス吸引装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の鋳造金型のガス吸引装置であって、
前記導入路は、前記導入路の中心軸線に沿って延在する平面状の底面を有し、
前記底面の幅は、前記所定の箇所に近づくにつれて小さくなる、鋳造金型のガス吸引装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の鋳造金型のガス吸引装置であって、
少なくとも前記遮断弁が開状態のときに、前記下流側収容部の軸線に垂直な平面上における、前記下流側収容部と前記下流側弁部との隙間の断面積は、前記当接部から一定の区間内において、前記当接部から遠ざかるにつれて大きくなる、鋳造金型のガス吸引装置。
【請求項6】
請求項5に記載の鋳造金型のガス吸引装置であって、
前記下流側弁部は、前記当接部から遠ざかるにつれて径が小さくなる円錐台形状である、鋳造金型のガス吸引装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の鋳造金型のガス吸引装置であって、
前記導入路から前記下流側収容部に流入する前記ガスは、前記外周縁に沿うように回転する旋回流を形成し、
前記下流側弁部は、前記旋回流の回転方向に沿うように延在するリブを有する、鋳造金型のガス吸引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造金型のキャビティ部内からガスを吸引する鋳造金型のガス吸引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋳造金型のキャビティ内のガスを吸引した後に、キャビティ内に溶湯を注入して鋳造を行う減圧鋳造システムが知られている(例えば、特許文献1)。鋳造金型のキャビティ内のガス(エア)を吸引して、除去することにより、溶湯へのガスの混入に起因するガス欠陥の発生を低減できる。
【0003】
しかし、ガスと共に吸引された異物(例えば、離型剤や溶湯紛)によって、システムの動作が阻害されることがある。例えば、特許文献1の技術では、吸引路の途中に設けられる遮断弁等に異物が付着して、弁のシール性が低下する可能性がある。メンテナンスによって付着した異物を取り除くことも可能であるが、メンテナンスの頻度が多くなると、鋳造金型の実質的な稼働率が低下することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3969137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、吸引路上の遮断弁への異物の付着を抑制し、且つ効率的なガス吸引をすることが可能な鋳造金型のガス吸引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る鋳造金型のガス吸引装置は、鋳造金型のキャビティ部に接続され、所定の面に沿って形成されるオーバーフロー部と、前記オーバーフロー部を介して、前記キャビティ部内のガスを吸引するための吸引路と、前記オーバーフロー部と前記吸引路の間に設けられ、前記吸引路を遮断可能な遮断弁と、を備え、前記遮断弁は、弁体と、前記弁体を収容する収容部とを有し、前記収容部は、弁座部と、前記弁座部より上流側の上流側収容部と、前記弁座部より下流側の下流側収容部とを有し、前記弁体は、前記弁座部と当接して前記吸引路を遮断する当接部と、前記当接部より上流側の上流側弁部と、前記当接部より下流側の下流側弁部と、を有し、前記所定の面は、前記弁体の軸線と前記所定の面とが交差する位置よりも前記オーバーフロー側に角度基準面を有し、前記下流側収容部の軸線と前記角度基準面とのなす角は鈍角であり、前記上流側収容部は、前記所定の面上において、円弧状の外周縁を有し、前記オーバーフロー部は、前記上流側収容部に連なり前記上流側収容部へと前記ガスを導く導入路を有し、前記導入路は、前記外周縁上の所定の箇所において、前記外周縁の接線方向に沿って前記上流側収容部と接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、吸引路上の遮断弁への異物の付着を抑制し、且つ効率的にガス吸引することが可能な鋳造金型のガス吸引装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る鋳造金型のガス吸引装置を表す図である。
図2】遮断弁の近傍を拡大して表す図である。
図3】可動金型側から遮断弁を見た状態を表す図である。
図4】変形例に係る遮断弁の弁体を拡大して表す図である。
図5】弁体の軸線に沿う下流方向から図4の弁体を見た状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る鋳造金型のガス吸引装置を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る鋳造金型12のガス吸引装置10を表す図である。
【0010】
鋳造金型12は、ガス吸引装置10を備える。鋳造金型12は、可動金型12aと固定金型12bとから構成される。固定金型12bは可動金型12aの図中右側に配設され、可動金型12aに対して図中横方向(水平方向)に進退自在である。可動金型12aと固定金型12bの互いに対向する合わせ面12a1、12b1には、キャビティ部14を構成する凹部14aおよび凹部14bがそれぞれ形成される。可動金型12a側に向けて固定金型12bを前進させ、両者の合わせ面12a1、12b1を当接させることで、鋳造金型12は、閉じられ、その内部にキャビティ部14が形成される。
【0011】
鋳造金型12は、溶湯供給部16を有する。溶湯供給部16は、固定金型12b側に設けられ、キャビティ部14内に溶湯を供給する。固定金型12bには、キャビティ部14の下流にオーバーフロー部18が形成される。オーバーフロー部18は、キャビティ部14に接続され、固定金型12bの合わせ面12b1(所定の面)に沿って形成される。キャビティ部14に供給された溶湯はオーバーフロー部18に達して、キャビティ部14およびオーバーフロー部18の内部で固化する。固化した溶湯は、鋳造品として、鋳造金型12から取り出される。
【0012】
鋳造金型12は、遮断弁20、吸引路22、および吸引路24を有する。遮断弁20は、オーバーフロー部18と吸引路22の間に設けられ、吸引路22を遮断できる。遮断弁20は、駆動軸26を有する弁駆動部28によって開閉されて、オーバーフロー部18から吸引路22への溶湯の侵入を防止する。
【0013】
通例、キャビティ部14と吸引路24との間には、複数組のオーバーフロー部18、遮断弁20、および吸引路22が接続される。すなわち、キャビティ部14に複数のオーバーフロー部18が接続され、吸引路24に複数の吸引路22が接続されることになる。
【0014】
吸引路24は、鋳造金型12外の吸引路30およびバルブVを介して、ガス吸引部34に接続される。ガス吸引部34は、バルブV、吸引路30、吸引路24、吸引路22、およびオーバーフロー部18を介して、キャビティ部14内のガスを吸引する。吸引路30には、フィルタ36が設けられ、吸引したガス中に含まれる異物を捕捉する。ガス吸引部34は、タンク34aおよびポンプ34bを有する。ガス吸引部34は、ポンプ34bによって減圧されたタンク34aによって、キャビティ部14内のガスを吸引する。キャビティ部14への溶湯の供給の前に、キャビティ部14内のガスを吸引して、除去することにより、溶湯へのガスの混入によるガス欠陥(例えば、巣)の発生を低減できることに加え、ガス中の異物をフィルタ36で捕捉することで、遮断弁20の弁体40と弁座部42aの間(シール部)に異物が付着して、遮断弁20のシール性が低下することを抑制できる。
【0015】
ここで、鋳造金型12内の吸引路22と吸引路24とは、鈍角の角度θ1で接続されている。角度θ1は、ガスを渦状に吸引することで、弁体40の近傍でのガスの流れの乱れを抑制するために設定される。この結果、異物を滞留させることなく、吸引することが容易になる。
【0016】
バルブVには、ガス吸引部34と共に、エア供給部35が接続される。バルブVは、吸引路30に対するガス吸引部34およびエア供給部35の接続を切り替える。鋳造金型12を開いた状態で、エア供給部35から吸引路30にエアを送り込むことで、吸引路24、吸引路22、遮断弁20、およびオーバーフロー部18をエアブローして、吸引路24、吸引路22、および遮断弁20をクリーニングできる。このエアブローは、例えば、鋳造品の離型後の鋳造金型12の型開き時に、行うことができる。なお、エア供給部35を用いず、ガス吸引部34のポンプ34bの動作を逆転させ、タンク34aを介して、吸引路30にエアを供給してもよい(逆流させる)。
【0017】
図2は、遮断弁20の近傍を拡大して表す図である。遮断弁20は、弁体40と、弁体40を収容する収容部42とを有する。なお、ここでは、弁体40は、後述のリブ40d(図4および図5)を有しないものとする。収容部42は、弁座部42aと、弁座部42aより上流側の上流側収容部42bと、弁座部42aより下流側の下流側収容部42cとを有する。弁体40は、弁座部42aと当接して吸引路22を遮断する当接部40aと、当接部40aより上流側の上流側弁部40bと、当接部40aより下流側の下流側弁部40cと、を有する。
【0018】
吸引路22、弁体40(当接部40a、上流側弁部40b、および下流側弁部40c)、および収容部42(弁座部42a、上流側収容部42b、および下流側収容部42c)は、共通する軸線C0を有し、この軸線C0は、オーバーフロー部18が形成される合わせ面12b1上に設定される角度基準面Sに対して、鈍角の角度θ2をなす。角度基準面Sは、合わせ面12b1(所定の面)と略面一である。但し、ここでは角度θ2の基準とするため、角度基準面Sは、弁体40の軸線C0と合わせ面12b1とが交差する位置Qよりもオーバーフロー部18側に設定している。オーバーフロー部18は、鉛直線Lpに沿う合わせ面12b1(鉛直面)上に形成され、基本的には、鉛直線Lpに沿うことから、この角度θ2は、実質的には、吸引路22とオーバーフロー部18とのなす角度である。この角度θ2を鈍角として、ガスの流れる方向の急激な変更によって生じる乱流の発生を抑制して、弁体40、収容部42、および吸引路22への異物の付着、固着を抑制している。
【0019】
逆に、例えば、この角度θ2が鋭角だと、遮断弁20の近傍でガスの乱流が発生し易くなる。この乱流は、異物を遮断弁20(弁体40、収容部42)、または吸引路22の面に衝突させて、付着、さらには固着させ得る。この結果、付着、固着した異物によって、遮断弁20のシール性が低下したり(閉じた状態の遮断弁20が漏れる)、遮断弁20または吸引路22が詰まったりする可能性がある。
【0020】
図3は、可動金型12a側から遮断弁20を見た状態を表す図である。判り易さのために、弁体40は、仮想線によって表される。図3に示すように、ここでは、2つのオーバーフロー部18が、並んで略左右対称に形成されている。2つのオーバーフロー部18の各々は、合わせ面12b1(所定の面)上に形成され、オーバーフロー部本体18aと、導入路18bを有する。オーバーフロー部本体18aは、キャビティ部14にそれぞれ接続され、上部で連結された複数の流路18cを有する。導入路18bは、オーバーフロー部本体18aの上部に接続されて、上流側収容部42bに連なり、上流側収容部42bへとガスを導く。
【0021】
本実施形態のオーバーフロー部18、特に、導入路18bは、比較的短い直線形状である。本実施形態と異なり、導入路18bを複雑に蛇行させて、長くした場合、導入路18bにおいて溶湯は冷却される。その結果、溶湯の速度を低下させ、導入路18bからの溶湯の吹き出しを防止したり、導入路18b内で異物を捕集したりすることが可能となる。しかし、導入路18bを蛇行させて長くすることは、オーバーフロー部18の容量を大きくして、製品自体の作成には用いられない溶湯の量が増加することになる。本実施形態では、導入路18bを比較的短い直線形状とすることで、溶湯の無駄を低減している。この反面、導入路18bでの異物の捕集量は低減し、遮断弁20等に付着する異物が増加する可能性がある。本実施形態では、後述のように遮断弁20近傍の形状を工夫することによって、遮断弁付近でのエアの滞流を抑制し、遮断弁20での異物の挟み込み(結局は、付着、固着)を抑制している。ガスを旋回させることで、遮断弁20の付近での異物の挟み込み等を抑制している。
【0022】
上流側収容部42bは、合わせ面12b1(所定の面)上において、円弧状の外周縁Pを有する。導入路18bは、外周縁P上の所定の箇所において、外周縁Pの接線方向Aに沿って上流側収容部42bと接続される。これにより、導入路18bから上流側収容部42bに流入するガスは、この外周縁Pに沿うように旋回する旋回流Fを形成する。旋回流Fは、収容部42内で弁体40の軸線C0の周りを旋回しながら収容部42の下流側に向かうガスの流れである。ガスを外周縁Pに沿って旋回させることによって、ガスが上流側収容部42bおよび上流側弁部40bの面に沿って流れる。このガスの旋回は、ガス中の異物が遮断弁20(例えば、上流側収容部42bおよび上流側弁部40b)付近に付着、固着すること(結果として、遮断弁20のシール部に挟み込まれること)を抑制する。
【0023】
導入路18bの中心軸線C1は、合わせ面12b1(鉛直面)に沿い、且つ、鉛直線Lpに対して、所定の角度θ3をなす。鉛直線Lpに対して、図3の左側の導入路18bは負の角度-θ3をなし、右側の導入路18bは正の角度+θ3をなす。ここでは、2つの導入路18bが略左右対称であることから、鉛直線Lpに対して、絶対値が等しく、正負が異なる角度θ3をなしている。この角度θ3の絶対値は、導入路18bによって異なっていても差し支えない。
【0024】
この角度θ3の大きさ、正負が旋回流Fの回転力および回転の向きに関わる。すなわち、鉛直線Lpに対して角度をつけることで、ガスが旋回し易くなり、角度の正負は回転の向きに関わる。図3の左側の導入路18bからのガスは、外周縁Pに沿って右回転を行い、図3の右側の導入路18bからのガスは、外周縁Pに沿って左回転を行う。この角度θ3を、例えば、30°~60°とすることで、弁体40近傍での渦の発生を抑制することが可能である。弁体40近傍で渦が発生すると、ガス中の異物がこの渦に巻き込まれて、付着等する畏れがある。
【0025】
ここで、導入路18bの流路幅W0は、外周縁Pの直径Rよりも小さく、導入路18bの中心軸線C1が外周縁Pの中心からずれるように、導入路18bは外周縁Pに接続される。これにより、導入路18bから流入するガスの速度、ひいては旋回力を大きくして、ガス中の異物が遮断弁20に付着、固着することをより強力に抑制できる。
【0026】
導入路18bは、導入路18bの中心軸線C1に沿って延在する平面状の底面18b1を有し、底面18b1の幅W1は、導入路18bと外周縁Pが接続する箇所(およびこの箇所をの幾分内側の箇所)に近づくにつれて小さくなる。但し、導入路18bの幅W1が小さくなるにつれて、底面18b1の深さを深くしている。すなわち、導入路18bの断面積を一定にして、コンダクタンスの一定化を図っている。これにより、ガスの速やかな流れを維持することができる。
【0027】
ここで、ガスが旋回することによって、ガス中の比較的重い異物(粉バリや固体離型剤)がガスの流れから遠心力によって分離して、上流側収容部42b内に落下する可能性がある。しかし、このように落下した異物は、多くの場合、上流側収容部42bの面に付着あるいは固着してはいないため、比較的容易に除去できる。例えば、鋳造金型12を開き、ガス吸引部34からエアブローを行うことによって、上流側収容部42b上の異物を鋳造金型12外に排出できる。上流側収容部42bは、下方(鉛直線Lp下向き)に開いていることもあり、上流側収容部42bの面上の異物をエアブローによって、比較的容易に除去、排出できる。
【0028】
図2に戻って、導入路18bから上流側収容部42bに流入した後のガスの動きを説明する。ここでは、少なくとも遮断弁20が開状態のときに、上流側収容部42bの軸線C0に垂直な平面上における、上流側収容部42bと上流側弁部40bとの隙間Gaの断面積は、当接部40aに近づくにつれて小さくなっている。これにより、導入路18bから上流側収容部42bに流入したガスの速度は、当接部40aに近づくにつれて増加し、ガス中の異物が弁体40および収容部42(ここでは、上流側弁部40b、上流側収容部42b)に、より付着し難くなる。ここでは、上流側弁部40bを当接部40aに近づくにつれて径が大きくなる円錐台形状とすることで、隙間Gaの断面積を、当接部40aに近づくにつれて小さくしている。
【0029】
また、少なくとも遮断弁20が開状態のときに、下流側収容部42cの軸線C0に垂直な平面上における、下流側収容部42cと下流側弁部40cとの隙間Gbの断面積は、当接部40aから一定の区間内において、当接部40aから遠ざかるにつれて大きくなっている。これにより、下流側収容部42cにおいて、乱流が発生することを抑制できる。この結果、ガスの旋回流Fを維持して、弁体40および収容部42(ここでは、下流側弁部40c、下流側収容部42c)でのガスの対流を抑制できるので、ガスの流速低下による異物の分離・付着を抑制でき、結果的に遮断弁20での異物の挟み込みを防止できる。こでは、下流側弁部40cは、当接部40aから遠ざかるにつれて径が小さくなる円錐台形状とすることで、隙間Gbの断面積を、当接部40aから遠ざかるにつれて大きくしている。
【0030】
このように、導入路18bから流入するガスは、上流側収容部42bの外周縁Pに沿うように回転する旋回流Fを形成し、下流側収容部42cにも流入する。ここで、本実施形態に係る下流側収容部42cにおいて、弁体40には、例えば、図4に示すようなリブ40dを設けなくてもよい。但し、旋回流Fを維持、強化するためには、リブ40dを設けることがより好ましい。
【0031】
図4は、変形例に係る遮断弁20の弁体40の一例を拡大して表す図である。図5は、弁体40の軸線C0に沿う下流方向から図4の弁体40を見た状態を表す図である。弁体40は、下流側弁部40cに旋回流Fの流れ方向に沿うように延在するリブ40dを有する。既述のように、弁体40は、リブ40dを有しなくてもよい。既述のように、本実施形態はリブ40dがない場合に該当する。ここで、図4および図5に示すように、リブ40dは、軸線C0から下流側弁部40cの面に沿うように設定した基準線L0に対して、角度θ4をなす線L1(延在線)に沿って延在している。すなわち、リブ40dは、弁体40の径方向外方に向かって旋回流Fの旋回方向に傾斜している(径方向に対する傾斜)。このため、リブ40dの径方向外端40doは、リブ40dの径方向内端40diよりも弁体40の周方向における旋回流Fの下流側に位置する。加えて、リブ40dは、弁体40の軸方向のうち駆動軸26側の方向(図4における矢印X方向、すなわち、下流方向)に向かって旋回流Fの旋回方向に傾斜している(軸方向に対する傾斜)。このため、リブ40dの根元40drは、リブ40dの頂部40dt(下流側弁部40cからの突端)よりも弁体40の周方向における旋回流Fの下流側に位置する。
【0032】
ここでは、下流方向から見て、角度θ4を負方向(右回転)とすることで、下流方向から見て右回転の旋回流Fを維持するようにしている。すなわち、上流側収容部42bに対する導入路18bの角度θ3の正負と、基準線L0に対するリブ40dの延在方向の角度θ4の正負を対応させることで、上流側収容部42bで発生した旋回流Fを維持することができる。加えて、リブ40dを軸方向(X方向)に向かって旋回流Fの旋回方向に傾斜させることで、旋回流Fをより維持し易くしている。
【0033】
ここでは、下流側弁部40cの外周面に沿って3つのリブ40dが形成されている。但し、リブ40dの個数は、2以上の適宜な数とすることができる。このように、弁体40にリブを形成して、下流側収容部42cにおいてガスの旋回流Fを維持しやすくすることができる。
【0034】
以上のように、本実施形態では、遮断弁20の近傍でガスを旋回させている。このため、キャビティ部14から吸引したガス中の異物は、基本的に、遮断弁20等に付着、固着することなく、吸引路22を通過し、結局、フィルタ36に捕捉されることになる。この結果、ガス吸引装置10は良好な状態を長期間に亘って維持できる。既述のように、旋回によって生じる遠心力によって、ガス中の比較的重い異物が上流側収容部42bに落ち込むことがあり得る。しかし、この異物は、上流側収容部42bに付着、固着している訳ではなく、ガス吸引部34側からのエアブロー等によって、容易に除去することが可能である。
【0035】
〔実施形態から得られる発明〕
上記各実施形態から把握しうる発明について、以下に記載する。
【0036】
[1]鋳造金型のガス吸引装置(10)は、鋳造金型(12)のキャビティ部(14)に接続され、所定の面(合わせ面12b1)に沿って形成されるオーバーフロー部(18)と、前記オーバーフロー部を介して、前記キャビティ部内のガスを吸引するための吸引路(22)と、前記オーバーフロー部と前記吸引路の間に設けられ、前記吸引路を遮断可能な遮断弁(20)と、を備え、前記遮断弁は、弁体(40)と、前記弁体を収容する収容部(42)とを有し、前記収容部は、弁座部(42a)と、前記弁座部より上流側の上流側収容部(42b)と、前記弁座部より下流側の下流側収容部(42c)と、を有し、前記弁体は、前記弁座部と当接して前記吸引路を遮断する当接部(40a)と、前記当接部より上流側の上流側弁部(40b)と、前記当接部より下流側の下流側弁部(40c)と、を有し、前記所定の面は、前記弁体の軸線(C1)と前記所定の面とが交差する位置よりも前記オーバーフロー側に角度基準面(S)を有し、前記下流側収容部の軸線(C1)と前記角度基準面とのなす角(θ2)は鈍角であり、前記上流側収容部は、前記所定の面上において、円弧状の外周縁(P)を有し、前記オーバーフロー部は、前記上流側収容部に連なり前記上流側収容部へと前記ガスを導く導入路(18b)を有し、前記導入路は、前記外周縁上の所定の箇所において、前記外周縁の接線方向(A)に沿って前記上流側収容部と接続される。これにより、オーバーフロー部の導入路は、弁体を収容する収容部の上流側収容部と、上流側収容部の円弧状の外周縁と、外周縁の接線方向に沿って、接続されることから、導入路から上流側収容部に流入するガスは、この外周縁に沿うように旋回する旋回流を形成する。この結果、ガス中の異物が遮断弁20等に衝突して、付着、固着することを抑制できる。また、下流側収容部の軸線とオーバーフロー部が形成される所定の面(角度基準面)とのなす角を鈍角として、ガスの流れる方向の急激な変更によって生じる乱流の発生を抑制して、遮断弁等への異物の付着、固着をさらに抑制できる。
【0037】
[2]前記導入路の流路幅(W1)は、前記外周縁の直径(R)よりも小さく、前記導入路の中心軸線(C1)が前記外周縁の中心からずれるように、前記導入路は前記外周縁に接続される。これにより、導入路から流入するガスの旋回力を大きくして、ガス中の異物が遮断弁等に付着、固着することをより強力に抑制できる。
【0038】
[3]前記所定の面は、鉛直線(Lp)に沿い、前記導入路の中心軸線は、前記所定の面に沿い、且つ、鉛直線に対して、所定の角度(θ3)をなす。これにより、旋回流の回転力および回転の向きを設定できる。
【0039】
[4]前記導入路は、前記導入路の中心軸線に沿って延在する平面状の底面(18b1)を有し、前記底面の幅は、前記所定の箇所に近づくにつれて小さくなる。これにより、導入路から上流側収容部に流入するガスの速度、ひいては旋回力を大きくして、弁体部近傍でのガスの滞流を防止し、ガス中の異物が遮断弁等に付着して挟み込まれることをより強力に抑制できる。
【0040】
[5]少なくとも前記遮断弁が開状態のときに、前記下流側収容部の軸線(C0)に垂直な平面上における、前記下流側収容部と前記下流側弁部との隙間(Gb)の断面積は、前記当接部から一定の区間内において、前記当接部から遠ざかるにつれて大きくなる。これにより、下流側収容部において、乱流が発生して、遮断弁等にガス中の異物が付着、固着することを抑制できる。
【0041】
[6]前記下流側弁部は、前記当接部から遠ざかるにつれて径が小さくなる円錐台形状である。これにより、下流側収容部と下流側弁部との隙間の断面積を、当接部から一定の区間内において、当接部から遠ざかるにつれて大きくすることができる。
【0042】
[7]前記導入路から前記下流側収容部に流入するガスは、前記外周縁に沿うように回転する旋回流を形成し、前記下流側弁部は、前記旋回流の回転方向に沿うように延在するリブ(40d)を有する。リブを付加することによって、ガスの旋回流をさらに維持、強化することができる。
【符号の説明】
【0043】
10…ガス吸引装置 12…鋳造金型
12a…可動金型 12a1、12b1…合わせ面
12b…固定金型 14…キャビティ部
16…溶湯供給部 18…オーバーフロー部
18a…オーバーフロー部本体 18b…導入路
18b1…底面 18c…流路
20…遮断弁 22、24…吸引路
26…駆動軸 28…弁駆動部
30…吸引路 34…ガス吸引部
34a…タンク 34b…ポンプ
36…フィルタ 40…弁体
40a…当接部 40b…上流側弁部
40c…下流側弁部 40d…リブ
42…収容部 42a…弁座部
42b…上流側収容部 42c…下流側収容部
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の一態様に係る鋳造金型のガス吸引装置は、鋳造金型のキャビティ部に接続され、所定の面に沿って形成されるオーバーフロー部と、前記オーバーフロー部を介して、前記キャビティ部内のガスを吸引するための吸引路と、前記オーバーフロー部と前記吸引路の間に設けられ、前記吸引路を遮断可能な遮断弁と、を備え、前記遮断弁は、弁体と、前記弁体を収容する収容部とを有し、前記収容部は、弁座部と、前記弁座部より上流側の上流側収容部と、前記弁座部より下流側の下流側収容部とを有し、前記弁体は、前記弁座部と当接して前記吸引路を遮断する当接部と、前記当接部より上流側の上流側弁部と、前記当接部より下流側の下流側弁部と、を有し、前記所定の面は、前記弁体の軸線と前記所定の面とが交差する位置よりも前記オーバーフロー側に角度基準面を有し、前記下流側収容部の軸線と前記角度基準面とのなす角は鈍角であり、前記上流側収容部は、前記所定の面上において、円弧状の外周縁を有し、前記オーバーフロー部は、前記上流側収容部に連なり前記上流側収容部へと前記ガスを導く導入路を有し、前記導入路は、前記外周縁上の所定の箇所において、前記外周縁の接線方向に沿って前記上流側収容部と接続される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
鋳造金型12は、ガス吸引装置10を備える。鋳造金型12は、可動金型12aと固定金型12bとから構成される。可動金型12a固定金型12bの図中側に配設され、固定金型12bに対して図中横方向(水平方向)に進退自在である。可動金型12aと固定金型12bの互いに対向する合わせ面12a1、12b1には、キャビティ部14を構成する凹部14aおよび凹部14bがそれぞれ形成される。固定金型12b側に向けて可動金型12aを前進させ、両者の合わせ面12a1、12b1を当接させることで、鋳造金型12は、閉じられ、その内部にキャビティ部14が形成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
導入路18bは、導入路18bの中心軸線C1に沿って延在する平面状の底面18b1を有し、底面18b1の幅W1は、導入路18bと外周縁Pが接続する箇所(およびこの箇所の幾分内側の箇所)に近づくにつれて小さくなる。但し、導入路18bの幅W1が小さくなるにつれて、底面18b1の深さを深くしている。すなわち、導入路18bの断面積を一定にして、コンダクタンスの一定化を図っている。これにより、ガスの速やかな流れを維持することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
また、少なくとも遮断弁20が開状態のときに、下流側収容部42cの軸線C0に垂直な平面上における、下流側収容部42cと下流側弁部40cとの隙間Gbの断面積は、当接部40aから一定の区間内において、当接部40aから遠ざかるにつれて大きくなっている。これにより、下流側収容部42cにおいて、乱流が発生することを抑制できる。この結果、ガスの旋回流Fを維持して、弁体40および収容部42(ここでは、下流側弁部40c、下流側収容部42c)でのガスの滞留を抑制できるので、ガスの流速低下による異物の分離・付着を抑制でき、結果的に遮断弁20での異物の挟み込みを防止できる。こでは、下流側弁部40cは、当接部40aから遠ざかるにつれて径が小さくなる円錐台形状とすることで、隙間Gbの断面積を、当接部40aから遠ざかるにつれて大きくしている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図4は、変形例に係る遮断弁20の弁体40の一例を拡大して表す図である。図5は、弁体40の軸線C0に沿う下流方向から図4の弁体40を見た状態を表す図である。弁体40は、下流側弁部40cに旋回流Fの流れ方向に沿うように延在するリブ40dを有する。既述のように、弁体40は、リブ40dを有しなくてもよい。既述のように、本実施形態はリブ40dがない場合に該当する。ここで、図4および図5に示すように、リブ40dは、軸線C0から下流側弁部40cの面に沿うように設定した基準線L0に対して、角度θ4をなす線L1(延在線)に沿って延在している。すなわち、リブ40dは、弁体40の径方向外方に向かって旋回流Fの旋回方向に傾斜している(径方向に対する傾斜)。このため、リブ40dの径方向外端40doは、リブ40dの径方向内端40diよりも弁体40の周方向における旋回流Fの下流側に位置する。加えて、リブ40dは、弁体40の軸方向のうち駆動軸26側の方向(図4における矢印X方向、すなわち、下流方向)に向かって旋回流Fの旋回方向に傾斜している(軸方向に対する傾斜)。このため、リブ40dの根元40drは、リブ40dの頂部40dt(下流側弁部40cからの突端)よりも弁体40の周方向における旋回流Fの流側に位置する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
[1]鋳造金型のガス吸引装置(10)は、鋳造金型(12)のキャビティ部(14)に接続され、所定の面(合わせ面12b1)に沿って形成されるオーバーフロー部(18)と、前記オーバーフロー部を介して、前記キャビティ部内のガスを吸引するための吸引路(22)と、前記オーバーフロー部と前記吸引路の間に設けられ、前記吸引路を遮断可能な遮断弁(20)と、を備え、前記遮断弁は、弁体(40)と、前記弁体を収容する収容部(42)とを有し、前記収容部は、弁座部(42a)と、前記弁座部より上流側の上流側収容部(42b)と、前記弁座部より下流側の下流側収容部(42c)と、を有し、前記弁体は、前記弁座部と当接して前記吸引路を遮断する当接部(40a)と、前記当接部より上流側の上流側弁部(40b)と、前記当接部より下流側の下流側弁部(40c)と、を有し、前記所定の面は、前記弁体の軸線(C0)と前記所定の面とが交差する位置よりも前記オーバーフロー側に角度基準面(S)を有し、前記下流側収容部の軸線(C0)と前記角度基準面とのなす角(θ2)は鈍角であり、前記上流側収容部は、前記所定の面上において、円弧状の外周縁(P)を有し、前記オーバーフロー部は、前記上流側収容部に連なり前記上流側収容部へと前記ガスを導く導入路(18b)を有し、前記導入路は、前記外周縁上の所定の箇所において、前記外周縁の接線方向(A)に沿って前記上流側収容部と接続される。これにより、オーバーフロー部の導入路は、弁体を収容する収容部の上流側収容部と、上流側収容部の円弧状の外周縁と、外周縁の接線方向に沿って、接続されることから、導入路から上流側収容部に流入するガスは、この外周縁に沿うように旋回する旋回流を形成する。この結果、ガス中の異物が遮断弁20等に衝突して、付着、固着することを抑制できる。また、下流側収容部の軸線とオーバーフロー部が形成される所定の面(角度基準面)とのなす角を鈍角として、ガスの流れる方向の急激な変更によって生じる乱流の発生を抑制して、遮断弁等への異物の付着、固着をさらに抑制できる。